JP3726112B2 - Gps式波向計測方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、海洋、湖沼、河川等に生じる波の進む方向である波向の計測方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、北西太平洋と日本沿岸域については、気象庁が、毎日、日本時間午前9時に波浪の実況解析を行い、その結果を第1気象無線模写通報(JMH)によって放送し、沿岸波浪実況図及び外洋波浪実況図を作成している。沿岸波浪実況図では、風浪とうねりの合成波高が1m毎に実線で0.5m毎に破線で表示され、卓越波向(風浪とうねりが共存するときには、いずれか波高の高い方の波向)と卓越周期(秒)も表示ざれる。外洋波浪実況図においても、同様に、風浪とうねりの合成波高の分布が表示され、卓越波向の外、高気圧・低気圧の中心位置や中心気圧、前線系の位置、船舶等による観測値等も表示されている。
【0003】
図8(A)に示す気象庁沿岸波浪計観測システム1においては、センサとしての水中発射型の超音波式波浪計の送受波器2が、沿岸地形の影響を受けない海岸線15より1〜3kmの沖合で、且つ水深50m程度の海底16に設置されている。送受波器2は、鋭いビームの超音波パルス3を1秒間に約4回垂直に発射し、海面16からの反射波4を受信する。送受波器2からの信号は、海底ケーブル5を通じて近くの海岸に設けられている観測局5でデジタル化され、伝送上のチェック信号と組み合わされた上で、データ送信装置7によって通信回線8を経て監視局(気象台、観測実施官署)9に送信される。監視局9では、毎正時の25分前から5分前までの20分間に収集した海面水位データをデータ受信・処理装置10によって受信・処理し、有義波高などの波浪解析結果を通信回線8を通じて気象庁本庁11に通報している(気象庁波浪資料(非特許文献1)参照)。図8(B)に示す海洋気象ブイロボット観測システム20においては、直径訳10m、マスト高さ7.5m、重量約50トンの海洋気象ブイロボット21が、日本近海の複数箇所(3箇所)に設置され、ブイ本体に取り付けられた加速度計でブイロボット21の上下動を測定し、気象衛星22を中継して、3時間毎の正時に風向、風速、気温、気圧、水温等の観測データ23が気象衛星センター24に送信され、更に通信回線8を通じて気象庁本庁11に通報されている。
【0004】
上記気象庁波浪資料によれば、海面水位データの処理は図9に示すゼロアップクロス法と称される波形処理によって行われる。即ち、最初に全データの平均値から零レベルを求め、この零レベルを負から正に横切る点a,e,mをゼロアップクロスポイントとして求め、a〜e間、e〜m間を1個の波として扱う。それぞれの波の周期は、T1(a〜e間)、T2(e〜m間)であり、波高はbd,gkに対応する水位差H1,H2で求められる。e〜m間では、gが最も大きな値であり、kが最も小さい値である。なお、e〜m間には2つの峰(gとi)があるが、ghi間にはゼロアップクロスポイントが存在しないので、2個の波としては扱わない。個々の波の中で波高が最も大きい波を最大波とし、波高の大きい順に波数の1/3の個数の波を抽出し、その波高と周期とを平均して1/3最大波(有義波 Significant Wave)が求められる。
【0005】
本発明者は、既に、主にハードウェア主体の発明であって、海洋波の波高及び潮流の流向流速を計測するGPS式波高・流向流速装置を提案している(特願2002−103593号)。海水又は淡水に浮遊可能な浮体が水流や潮流に乗って流れるときに、浮体に搭載されているGPS受信機がGPS信号を受信することで、浮体の動きが3次元位置データとして計測される。この3次元位置データに基づいて海面又は水面の揺れや流れを求め、波高や、水流・海流、或いは流向・流速を同時に測定することを可能にしている。
【0006】
海洋、湖沼、河川等に生じる波についての従来の波向計測方法は、周波数領域での手法、即ち、クロススペクトルの係数から波エネルギーの方向分布関数のフーリエ級数を計算し、それらフーリエ級数から平均的な波向を算出する手法が主流である。しかしながら、この手法では、実際の波の振動数成分が稠密に分布しているために、波の固有振動数の決定が自動化できないという問題点がある。
【0007】
【非特許文献1】
気象庁編、気象庁波浪資料「ANNUAL REPORT ON OCEAN WAVES」、(財)気象業務支援センター、1997年、第2号
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、海洋等の気象観測を行う機器として気象ブイを水面に浮遊設置する場合に、設置地点での波高と波向をGPS測位によって計測し、得られたGPS測位データに基づいて波の波向解析を可能にする点で解決すべき課題がある。
【0009】
この発明の目的は、海洋波の向きを人為的な判断によることなく、GPS測位データに基づいて波の波向解析を行うことを可能にして、自動化された単純で且つ安定して解析することができるアルゴリズムを持つGPS式波向計測方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明によるGPS式波向計測方法は、ゼロアップクロス法で規定される波の周期内に存在する波高の最大ピーク点近傍において、前記波に浮かぶ浮体のGPS測位によって得られた横方向の二次元変位に基づいて前記最大ピーク点前後の横方向速度を推定し、前記横方向速度から当該周期における前記波の波向を求めることから成っている。
【0011】
このGPS式波向計測方法によれば、気象庁がブイロボットの波高解析で使用している、ゼロアップクロス法で規定される波の1周期の中の最大ピーク点近傍での横(水平面内)方向の変位から最大ピーク点前後の横方向速度を推定し、その周期の波の波向きとするアルゴリズムである。
【0012】
このGPS式波向計測方法において、前記最大ピーク点前後の前記GPS測位で得られた位置情報の水平面内における座標時系列データから数値微分法を利用して前記水平面内における速度ベクトルを推定し、当該速度ベクトルから前記波向を求めることができる。
【0013】
このGPS式波向計測方法において、前記GPS測位を行う測位期間内における前記各周期について前記波の波向を計測し、前記波の波向を前記波の波高の高い順に並べ替え、前記波高の高い方から3分の1を占める前記波の波向に基づいて有義波の波向を定めることができる。GPS測位を行う測位期間内での各周期において波向処理によって波向が計測されるが、これらの波向は一つの向きではなくある広がりを持って分散しているのが通常である。そこで、有義波高処理と同様の手法を援用して、これらの波向を波高の高い順に並べ替え、高い方から3分の1を取って有義波の波向とすることができる。
【0014】
このGPS式波向計測方法において、前記GPS測位によって得られるデータは可視衛星の単独GPS航法データであり、前記可視衛星の切換えに伴う前記単独GPS航法データのジャンプ現象の発生時に、当該発生時前の所定期間内で高度方向に最大のジャンプ量が生じる時点を前記可視衛星の切換え点とし、前記切換え点における前記単独GPS航法データのジャンプ量がゼロとなる態様で当該切換え点以後における前記単独GPS航法データを修正することができる。即ち、単独GPSによる測位の場合には、可視衛星の切換えに伴う単独GPS航法データのジャンプ現象が発生するのは避け難い。この場合、発生時前の所定期間内で高度方向に最大のジャンプ量が生じる時点を可視衛星の切換え点とし、切換え点における単独GPS航法データのジャンプ量がゼロとなる態様で切換え点以後における単独GPS航法データを修正する。この修正処理により、データの連続性を保つことができる。
【0015】
このGPS式波向計測方法において、前記GPS航法データに特有の直流成分を含む低周波数成分をハイパスフィルタで取り除くことができる。即ち、高周波成分を通過させるハイパスフィルタによって、GPS航法データに特有の直流成分を含む低周波成分を大きく減衰・遮断して、取り除くことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、添付した図面に基づいて、この発明によるGPS式波向計測方法の実施例を説明する。図1は1周期分のGPS測位による高度データの一例を示す図、図2は図1に示すGPS測位データに基づいたデータ処理によって波向の推定方法を示す説明図である。
【0017】
以下、図面を参照して、この発明によるGPS式波向計測方法の実施例を説明する。GPS式波向計測方法は、GPS測位による高度データから有義波向の求める方法であり、次のステップから成っている。
(1)まず、GPS測位による高度データ(Z軸方向)の時系列データ(プロット)から、ゼロアップクロス法(図9参照)によって1周期を抜き出す。図1は、2周期分のGPSの高度データの一例を示す図である。
(2)次に、その周期の中で、最大ピーク点(図1ではc点)を探索する。
(3)探索された最大ピーク点(c点)前後の数点における横方向変位から、波向を推定する。
(4)以上の処理を規定時間(毎正午の25分前から5分前までの20分間)内のすべての波形周期で計算して、同時にこの時の波高の大きい順に並べ替え、大きい方から3分の1の平均波向をもって有義波向とする。
【0018】
上記(3)に示す波向の推定として、数値微分法を利用した例が図2に示されている。図2(A)は、数値微分法として2点差分法を用いたときの波向の推定例を示す図であって、横軸がGPS横(X)変位であり、縦軸が同法によるGPS横(Y)変位であり、a点〜e点について同法による横方向変位がプロットされている。a点〜e点についてのプロット座標のうちc点及びd点から、波向は図示の方向と推定される。2点差分法では、微分特性が期待できる周波数帯域は、ゲイン特性と位相特性とからなるボード線図からすると、低域からせいぜい1Hzまでの程度ということが判る。
図2(B)は、数値微分法として3点サンプルの直線近似から微分値を求める方法を用いたときの波向の推定例を示す図であって、横軸がGPS横(X)変位であり、縦軸が同法によるGPS横(Y)変位であり、a点〜e点について同法による横方向変位がプロットされている。a点〜e点についてのプロット座標のうちb点〜d点を用いて、波向は図示の方向と推定される。この数値微分法において微分特性が期待できる周波数帯域は、2点差分法と同様に判断すると、低域から0.5Hz程度であることが判る。
図2(C)は、数値微分法として5点サンプルの直線近似から微分値を求める方法を用いたときの波向の推定例を示す図であって、横軸がGPS横(X)変位であり、縦軸が同法によるGPS横(Y)変位であり、a点〜e点について同法による横方向変位がプロットされている。a点〜e点の5点についてのプロット座標から、波向は図示の方向と推定される。この数値微分法において微分特性が期待できる周波数帯域は、上記と同様に判断すると、低域から0.3Hz程度であることが判る。移動平均に用いる点数が多くなるほど、微分効果が期待できる帯域が低くなるが、その一方で、高域のノイズを除去する効果が期待できる。
【0019】
ゼロアップクロス法で規定される波の1周期の中の高度方向のピーク点前後のGPS位置情報のX,Y時系列データから数値微分法を利用してX,Y方向の速度ベクトルを推定し、これから水平面内での速度ベクトルの方向を逆三角関数から求める。以下に、上記のアルゴリズムによる波向の計算において、5点サンプルの直線近似から微分値を求める方法を用いた場合を例に取って、更に詳細に説明をする。
(ア)ゼロアップクロス法で求められる1周期間の最大変位点h(j)とその前後4点h(j−2),h(j−1),h(j+1),h(j+2)の計5点でそのx,y方向の速度u,vを以下のように計算する。
u=(−2*x(j−2)−x(j−1)+x(j+1)+2*x(j+2))/10
v=(−2*y(j−2)−y(j−1)+y(j+1)+2*y(j+2))/10
(イ)(ア)で求めたu,vを用いて、最大変位点の速度ベクトル方向θを逆三角関数であるarctan2(v,u)で計算する。
(ウ)θは波が進む方向であり、これから波向(波が来る上流方向)を計算する。
(エ)有義波高処理の場合と同様に、波高の大きい順に対応して波向を並べ替え、波高の大きい方から3分の1を占める波向について平均値を取り、その平均値を有義波波向とする。
(オ)最大波の波向は波高が最大の波のθから波向を求める。
【0020】
速度の計算方式としては、上記の方法以外にも種々の数値微分法があり、また速度を求めるポイントとしても最大変位点以外にも考えられるので、実データによる解析を重ねることが望ましい。
【0021】
以下に、実際のブイ搭載GPS単独測位データを用いた海面水位計測結果を示す。データは、ある観測日の14時23分3秒から0.5秒おき(2Hz)に翌日10時頃までのGPSアンテナ位置の緯度、経度、高度情報が取得されている。ここでは、このうちの高度情報にのみ注目し、以下の処理を行い、有義波高及びその周期を計測した。
[1]高度方向の生データの取得
[2]可視衛星数切換え時のデータジャンプの補正
[3]カットオフ周波数0.02Hzのハイパスフィルタによる低域除去
[4]ゼロアップクロス法による波数計測(毎正時25分前から5分前までの20分間)
[5]波高、波向、周期の抽出
[6]有義波、最大波の計測
【0022】
図3に可視衛星数(図3(A))と高度方向変位(図3(B))の生データが示されている。図3(A)から容易に理解されるように、単独GPS航法データでは、可視衛星の切換が時々発生する。その切換時、即ち、図3(A)に示す衛星数が切り替わる直前に、図3(B)に示すように、高度方向の変位データで例えば最大20m程度のにジャンプ現象が見られる。そこで、まず、可視衛星数をチェックして、その数値が変化した場合、その直前の所定期間内、例えば30秒間で高度方向最大のジャンプ量が生じる時点を衛星の切換え点とし、この切換え点においてX,Y,Zの3方向のジャンプ量がゼロになる態様で、切換え点以後の単独GPS航法データを修正する。
【0023】
図4(A)は、上記[2]に記した可視衛星数切換え時のデータジャンプの補正後の高度方向の変位が示されている。データジャンプの処理は問題なくできているものの、衛星数が切り替わっていない時刻でも多少のデータジャンプがあるところがある。また、単独GPS航法データには、特有のゆったりした揺らぎ(直流成分も含む)があるが、0.02Hz程度のハイパスフィルタによってこの揺らぎを取り除くことができる。図4(B)には、上記[3]に記したハイパスフィルタによる低域除去処理後の高度方向の変位が示されている。図3のGPS単独航法による測位では±15m程度のふらつきが、また図4(A)では、ジャンプ処理後、最大40m程度もふらつきがあるものの、図4のハイパスフィルタ処理後はその誤差がなくなり、海洋波浪の瞬時の波高計測には充分なデータになっているとみなすことができる。ただし、1日周期の潮位の変化もハイパスフィルタによって除去されているため、潮位の変動を計測することはできない。
【0024】
[4]〜[6]の処理は、既に、上記(1)〜(4)で説明したステップと同等である。[4]においては、ハイパスフィルタ処理後のデータについて、既に説明をした通りのゼロアップクロス法による波数計測(毎正時25分前から5分前までの20分間)を行った。また、[5]の波高、波向、周期の抽出において、波向の計算は上記の新規アルゴリズムを利用した。
【0025】
表1には、[4]〜[6]の処理を行った結果がまとめられている。処理方法は、気象庁の解説記事に従ってプログラムが作成されている。この結果が、図5に示されている。図5では、上から順に、(A)毎正時ごとに波数、(B)有義波周期、(C)有義波高、(D)有義波向、(E)最大波周期、(F)最大波高及び(G)最大波向を気象庁の超音波波高計(図中で・・・線)と比較して描いている。ここで、GPS解析結果は・・線で描かれている。有義波、最大波ともに充分な精度で一致していると思われる。更には、超音波波高計では計測できなかった時刻でもGPS波高計では計測が可能となっている。超音波波高計では潮位の変化をどのように処理しているか不明であり、この点で解析結果に若干の差異が生じているように思われる。特に波数については、GPS解析の方が若干大きめに出ている。なお、図5では、横軸は、同日15時以降の時刻を通して記載しているため、24時以降は明くる日となる。
【表1】
Figure 0003726112
【0026】
次に、周波数領域における波向の解析を行った。FTF(高速フーリエ変換)によるパワースペクトル図からは、主に、2つの海洋波浪振動モードが確認できたため、この2つのモード毎に周期、波高及び波向を計算した。その結果を図6及び図7に示す。図6は第1海洋波浪振動モードについて計算された(A)周期、(B)有義波高及び(C)波向を示すグラフであり、波高約1m、周期約10秒の有義波にほぼ一致する。波向についても、図5の4段目の有義波向とほぼ一致している。図6には、超音波波高計からの波高と周期も比較対照のために図示してある。図7は、第2海洋波浪振動モードについて計算された(A)周期、(B)有義波高及び(C)波向を示すグラフである。なお、ここでは解析の都合上、ハイパスフィルタのカットオフ周波数を0.05Hzに設定して計算した。
【0027】
【発明の効果】
この発明によるGPS式波向計測方法は、上記のように、ゼロアップクロス法で規定される波の周期内に存在する波高の最大ピーク点近傍において、前記波に浮かぶ浮体のGPS測位によって得られた横方向の二次元変位に基づいて前記最大ピーク点前後の横方向速度を推定し、前記横方向速度から当該周期における前記波の波向を求めるというアルゴリズムを採用しているので、海洋波の向きを人為的な判断によることなく、GPS測位データに基づいて波の波向解析を行うことができ、自動化された単純で且つ安定して解析することができる。この方法をシステムとして実装することによって、GPSによる海洋波の波高波向計測装置として得ることができる。市販されている加速度計とジャイロとを併用する従来式の波高波向計と比べて当該システムは格段に安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】周期単位でGPS測位による高度データの一例を示す図である。
【図2】図1に示すGPS測位データに基づいたデータ処理によって波向の推定方法を示す説明図である。
【図3】可視衛星数のデータ(A)と高度方向変位(B)の生データを示すグラフである。
【図4】可視衛星数切換え時のデータジャンプの修正後の高度方向の変位(A)と、ハイパスフィルタによる低域除去処理後の高度方向の変位(B)を示すグラフである。
【図5】毎正時ごとに(A)波数、(B)有義波周期、(C)有義波高、(D)有義波向、(E)最大波周期、(F)最大波高及び(G)最大波向を、気象庁の超音波波高計のデータと比較して描いたグラフである。
【図6】第1海洋波浪振動モードについて計算された(A)周期、(B)有義波高及び(C)波向を示すグラフである。
【図7】第2海洋波浪振動モードについて計算された(A)周期、(B)有義波高及び(C)波向を示すグラフである。
【図8】(A)は既存の気象庁沿岸波浪計観測システムの概略を示す説明図であり、(B)は海洋気象ブイロボット観測システムの概略を示す説明図である。
【図9】水位データを波形処理するゼロアップクロス法の概要を説明する図である。
【符号の説明】
1 気象庁沿岸波浪計観測システム 2 送受波器
3 超音波パルス 4 反射波 6 観測局
7 データ送信装置 8 通信回線 9 監視局
10 データ受信・処理装置
15 海岸線 16 海底 17 海面
20 海洋気象ブイロボット観測システム
21 海洋気象ブイロボット 22 気象衛星
23 観測データ 24 気象衛星センター
a,e,m ゼロアップクロスポイント
T1(a〜e間)、T2(e〜m間) 波の周期
H1,H2 波高

Claims (5)

  1. ゼロアップクロス法で規定される波の周期内に存在する波高の最大ピーク点近傍において、前記波に浮かぶ浮体のGPS測位によって得られた横方向の二次元変位に基づいて前記最大ピーク点前後の横方向速度を推定し、前記横方向速度から当該周期における前記波の波向を求めることから成るGPS式波向計測方法。
  2. 前記最大ピーク点前後の前記GPS測位で得られた位置情報の水平面内における座標時系列データから数値微分法を利用して前記水平面内における速度ベクトルを推定し、当該速度ベクトルから前記波向を求めることから成る請求項1に記載のGPS式波向計測方法。
  3. 前記GPS測位を行う測位期間内における前記各周期について前記波の波向を計測し、前記波の波向を前記波の波高の高い順に並べ替え、前記波高の高い方から3分の1を占める前記波の波向に基づいて有義波の波向を定めることから成る請求項1に記載のGPS式波向計測方法。
  4. 前記GPS測位によって得られるデータは可視衛星の単独GPS航法データであり、前記可視衛星の切換えに伴う前記単独GPS航法データのジャンプ現象の発生時に、当該発生時前の所定期間内で高度方向に最大のジャンプ量が生じる時点を前記可視衛星の切換え点とし、前記切換え点における前記単独GPS航法データのジャンプ量がゼロとなる態様で当該切換え点以後における前記単独GPS航法データを修正することからなる請求項1に記載のGPS式波向計測方法。
  5. 前記GPS航法データに特有の直流成分を含む低周波数成分をハイパスフィルタで取り除くことから成る請求項1に記載のGPS式波向計測方法。
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