JP3721367B2 - 踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、踏切遮断桿40には、夜間における視認性を上げるため、図4のように、反射ベルト42が吊下げられている。
この反射ベルト42は、図5に示すような反射ベルト吊下げ具51を用いて、踏切遮断桿40に沿って張り渡された吊下げロープ41(以下、ロープ41と呼ぶ)に取り付けられている。
【0003】
この吊下げ具51は、図5、図6に示すように、ロープ41を跨いで締め付けるロープ保持部52と、このロープ保持部52から連設された一対の挟持板部53、54を有する。両挟持板の対向面の開口部側には、反射ベルト42の吊下げ孔に挿通する吊下げ軸部55を設けている。この吊下げ軸部55は、互いに係脱自在に係合する雄ホック55aと雌ホック55bによって構成されている。
この雄ホック55aと雌ホック55bを結合することによって、一対の挟持板部53、54が互いに結合した状態になり、ロープ保持部52によってロープ41が締め付けられる。
【0004】
このロープ保持部52によるロープ41の締め付け力は、雄ホック55aと雌ホック55bを、両挟持板53、54の対向面の開口部側に設けているので、ロープ41に対して、大きな締め付け力が得られず、踏切遮断桿40を上げた場合に、ロープ保持部52がずれ動くおそれがある。
このため、従来は、雄ホック55aと雌ホック55bを結合して、反射ベルト42を取り付けた後、両挟持板53、54の外周に、リング状の締付バンド56を嵌め、ロープ保持部52に大きな締め付け力が働くようにしている。
【0005】
しかしながら、雄ホック55aと雌ホック55bを結合して、反射ベルト42を取り付けた後、いちいち締付バンド56を嵌める作業は、面倒であり、多数本の反射ベルト42の取付けには、長時間を要するという問題があった。
また、締付バンド56を別途用意する必要があるため、コスト高になるという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、この発明では、反射ベルトの吊下げ作業を簡単に行えるようにし、併せて、製造コストの低減を図ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明は、踏切遮断桿に沿って張られた吊下げロープを跨いで締め付けるロープ保持部と、このロープ保持部から連設された一対の挟持板部と、この挟持板部の対向面の開口部側に形成された、反射ベルトの吊下げ孔に挿通する吊下げ軸部とを有し、吊下げ軸部を互いに係脱自在のホックによって形成した踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具において、前記吊下げ軸部とロープ保持部との間に、一対の挟持板を結合する挟持用ホックを設けたことを特徴とする踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具としたのである。
【0008】
このように、前記吊下げ軸部とロープ保持部との間に、一対の挟持板を結合する挟持用ホックを設けたので、吊下げ具のみで吊下げロープを十分に締め付けできるようなり、締付バンドが不要となる。このため、各ホックを係合させるだけで一対の挟持板を結合できるので、吊下げ作業が簡単に行え、かつ、製造コストを低減できるものである。
【発明の実施の形態】
【0009】
図1は、この発明の一実施の形態である踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具の全体斜視図であり、図2は、図1の踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具の断面図である。図3は、図1の踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具を閉じた状態の断面図である。図1に示すように、この踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具(以下、吊下げ具1と呼ぶ)は、ロープ保持部2に、開口部が半円形の板状である一対の挟持板部3,4が連設されており、挟持板部3、4の対向面の開口部側に、反射ベルト42の吊下げ孔に挿通する吊下げ軸部5と、前記吊下げ軸部とロープ保持部との間に、挟持用ホック6を設けている。
【0010】
ロープ保持部2は、ロープ41を跨ぐための隙間を有し、その断面形状はロープ41と密接するようにロープ形状に適合させている。また、ロープ保持部2の内面に幅方向に一対の爪部7が形成されており、ロープ41を締め付けた際に爪部が食い込むようにし、強固な締め付けができるようになっている。
【0011】
図2、図3に示すように、吊下げ軸部5は、互いに係脱自在に係合する雄ホック5aと雌ホック5bによって構成されている。雄ホック5aは、隙間をあけて対称に配置された2本の柱の先端に、傾斜面をもつ頭部を形成したものである。雌ホック5bは、壁部に切欠きを有する中空円柱であり、この切欠きに雄ホック5aの頭部が嵌まり込み、その首部で係合されるようになっている。雌ホック5bの外径は反射ベルト42の吊下げ孔よりも小さく、反射ベルト42の吊下げ孔に挿し入れて揺動自在に軸支するようになっている。このようにすると、遮断桿の位置に寄らず、反射ベルト42が鉛直に垂れ下がり、踏切付近の視認性は良好なものとなる
【0012】
挟持用ホック6は、互いに係合する挟持用雄ホック6aと挟持用雌ホック6bによって構成されている。挟持用雄ホック6aは挟持板の幅方向に延びる平板形状に設け、その先端に傾斜面をもつ頭部を形成している。挟持用雌ホック6bは、挟持用雄ホック6aと係合するように、一対の対向平板部を設け、それぞれの先端の対向する側に頭部が形成され、雄ホック6aの頭部を受けるようになっている。この挟持用ホック6を係合することで一対の挟持板が結合され、ロープ保持部2に跨ぎ入れられたロープ41を締め付けるようになっている。
【0013】
なお、各部の形状はこの実施の形態に限定されるものでなく、例えば、挟持用フック6の形状は、ロープの締付強度等を考慮して長さや設置位置を設定すればよい。また、各ホックに形成された傾斜面の角度は、両挟持板でなす角度と同じにすることが望ましい。
【0014】
この吊下げ具1の製法は、全体がポリアミド系樹脂で構成され、金型による射出成形法により一体として製造される。無論これに限定されず、使用する材料は弾性を示すものであればよく、吊下げ具1の耐久性等を考慮して選択すればよい。
【0015】
この吊下げ具1の使用方法は、まず、吊下げ位置を定めて、ロープ41をロープ保持部2に跨ぎ入れ、次に、反射ベルト42の吊下げ孔に雌ホック5bを挿通する。そして、吊下げ具1を握り、各ホックを係合させて一対の挟持板を結合し、吊下げ作業が完了する。
【0016】
【発明の効果】
この発明によれば、前記吊下げ軸部とロープ保持部との間に、一対の挟持板を結合する挟持用ホックを設けたので、吊下げ具のみで吊下げロープを十分に締め付けでき、締付バンドが不要となる。このため、吊下げ具を握って各ホックを係合させるだけで挟持板を結合できので、吊下げ作業が簡単に行えると共に、製造コストを低減できるものである。
加えて、吊下げ部の内面に爪部を設け、吊下げ具を閉じた際に爪部が吊下げロープに喰い込むようにしたので、より強固な締め付けがえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態の踏切遮断桿の反射ベルト吊り下げ具の全体斜視図である。
【図2】図1の踏切遮断桿の反射ベルト吊り下げ具の断面図である。
【図3】図1の踏切遮断桿の反射ベルト吊り下げ具を閉じた状態の断面図である。
【図4】踏切遮断桿に反射ベルトが吊下げられた状態を示す概略図である。
【図5】従来の踏切遮断桿の反射ベルト吊り下げ具の固定状態を示す平面図である。
【図6】図5に示す従来の踏切遮断桿の反射ベルト吊り下げ具の断面図である。
【符号の説明】
1 踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具
2、52 ロープ保持部
3、4 挟持板部
5、55 吊下げ軸部
5a、55a 雄ホック
5b、55b 雌ホック
6 挟持用ホック
6a 挟持用雄ホック
6b 挟持用雌ホック
7、58 爪部
40 踏切遮断桿
41 ロープ
42 反射ベルト
51 従来の踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具
53,54 従来の挟持板
56 締付バンド
57 ストッパ
Claims (3)
- 踏切遮断桿に沿って張られた吊下げロープを跨いで締め付けるロープ保持部と、このロープ保持部から連設された一対の挟持板部と、この挟持板部の対向面の開口部側に形成された、反射ベルトの吊下げ孔に挿通する吊下げ軸部とを有し、吊下げ軸部を互いに係脱自在のホックによって形成した踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具において、前記吊下げ軸部とロープ保持部との間に、一対の挟持板を結合する挟持用ホックを設けたことを特徴とする踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具。
- 前記挟持用ホックを、挟持板の幅方向に延びる平板形状の雄ホックと、この雄ホックを受ける雌ホックとによって形成したことを特徴とする請求項1記載の踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具。
- 前記ロープ保持部の内面に、爪部を設けたことを特徴とする請求項1または2記載の踏切遮断桿の反射ベルト吊下げ具。
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