JP3720958B2 - Inkjet recording device - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インク液を液滴化して被記録体上に飛翔させることにより画像を記録するインクジェット記録装置に係り、特には、圧電素子により放射される超音波ビームの圧力によりインク滴を吐出させて被記録体上に飛翔させるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インク液を液滴と呼ばれる小さな粒状にして記録媒体上に飛翔させることにより画点を形成して画像を記録する装置は、インクジェットプリンタとして実用化されている。このインクジェットプリンタは他の記録方法と比べて騒音が少なく、現像や定着などの処理が不要であるという利点を有し、普通紙記録技術として注目されている。
【0003】
現在までに数多くのインクジェットプリンタの方式が考案されているが、特に、発熱体の熱により発生する蒸気の圧力でインク滴を飛翔させる方式や圧電体の変位による圧力パルスによりインク滴を飛翔させる方式が代表的なものである。
【0004】
これらのインクジェットプリンタはノズルの先端からインクを飛翔させている。そのため、インク中の溶媒の蒸発や揮発によって局所的なインクの濃縮が生じ、ノズルで目詰まりが生じるという問題がある。さらに、従来のインクジェットプリンタは、飛翔させるインク滴の粒径を小さく(例えば直径20μm以下)することが難しく、解像度を上げることが困難であった。
【0005】
これらの欠点を克服するため、薄膜圧電体層により構成された圧電素子によって発生する超音波ビームの圧力を用いてインク液面からインクを飛翔させる方式が提案されている。しかし、従来の超音波ビーム方式では、駆動圧電素子から非駆動圧電素子への相互誘導に起因する不要な超音波の発生により、インク飛翔効率が低下する傾向にあることがわかった。
【0006】
【課題を解決しようとする課題】
従って、本発明は、駆動圧電素子から非駆動圧電素子への相互誘導に起因する不要な超音波の発生を抑制してインク飛翔効率の低下を防止し得るインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
超音波を発生する圧電素子アレイを構成する圧電素子の中から複数の同時駆動圧電素子を同時駆動グループとして選択し、この同時駆動グループの圧電素子を複数の同時駆動サブグループに振り分け、この同時駆動サブグループの各々に位相差を与えて同時駆動させて同時駆動グループの圧電素子から発生される超音波を前記インク液の液面に集束させるようにした場合、インク滴の飛翔効率や飛翔安定性が低下しないことが重要である。特に、圧電素子アレイの中から選択する同時駆動圧電素子の数を奇数個あるい偶数個とすることにより解像度を2倍化する駆動方法を用いる場合や、複数の圧電素子アレイをアレイ方向につなぎ合わせて長尺のラインヘッドを作製したときにそのつなぎ部分を駆動する場合等においては、同時駆動圧電素子の配列中に選択されない非駆動圧電素子が存在するように圧電素子から同時駆動圧電素子を選択することがしばしば行われるが、そのような場合でも、インク滴の飛翔効率が低下しないことが重要である。
【0008】
本発明者らは、このように同時駆動する圧電素子と非駆動圧電素子に分けて圧電素子アレイを駆動させる場合にインク滴の飛翔効率が低下する原因を究明した結果、駆動圧電素子から非駆動圧電素子への相互誘導に起因して不要な超音波が発生することが原因であることを見い出した。これに基づき、さらに検討した結果、1つには、選択した圧電素子からなる同時駆動グループにおいて、その一部を同一位相で同時駆動し、他の圧電素子は駆動させないことにより、2つには、非駆動圧電素子の一部または全部を接地するか、これに直流電圧を印加することにより、また、選択した同時駆動グループを複数の同時駆動サブグループに振り分けてそれぞれを位相差をもって駆動させるとともに、非駆動圧電素子の一部または全部を接地するかこれに直流電圧を印加することにより、上記問題が解決できることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、第1に、インク液を保持するインク液保持室と、所定間隔で配列された複数の圧電素子によって構成される圧電素子アレイを含み、前記インク液と音響的に接続される超音波発生手段と、前記圧電素子から発生される複数の超音波ビームが前記インク液の液面近傍に集束するように、前記圧電素子アレイを構成する圧電素子の中から複数の同時駆動圧電素子を1つの記録ドットを形成するための同時駆動グループとして選択し、該同時駆動グループの圧電素子の一部のみを同一位相で同時駆動させるとともに該同時駆動グループの残りの圧電素子を非駆動状態に設定する駆動手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
【0010】
本発明は、第2に、インク液を保持するインク液保持室と、所定間隔で配列された複数の圧電素子によって構成される圧電素子アレイを含み、前記インク液と音響的に接続される超音波発生手段と、前記圧電素子から発生される複数の超音波ビームが前記インク液の液面近傍に集束するように、前記圧電素子アレイを構成する圧電素子の中から複数の同時駆動圧電素子を1つの記録ドットを形成するための同時駆動グループとして選択し、該同時駆動グループの圧電素子の一部のみを同一位相で同時駆動させ、該同時駆動グループの残りの圧電素子を駆動させずにその圧電素子の一部または全部を接地させるか直流電圧を印加する駆動手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
【0011】
本発明は、第3に、インク液を保持するインク液保持室と、所定間隔で配列された複数の圧電素子によって構成される圧電素子アレイを含み、前記インク液と音響的に接続される超音波発生手段と、前記圧電素子アレイを構成する圧電素子の中から複数の同時駆動圧電素子を1つの記録ドットを形成するための同時駆動グループとして選択し、前記複数の同時駆動圧電素子を複数の同時駆動サブグループに振り分け、前記同時駆動サブグループの各々に位相差を与えた駆動信号を印加して同時駆動させ、かつ該同時駆動グループにおいて駆動させない圧電素子を設定し、その一部または全部を接地させるか直流電圧を印加することによって前記同時駆動グループの同時駆動圧電素子から発生される超音波を前記インク液の液面に集束させる駆動手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。全図にわたり、同一部材は、同一符号で示されている。
図1は本発明の各実施の形態に共通のインクジェット記録装置のヘッド部の概略斜視図である。以下詳述する実施の形態では、駆動回路構成がそれぞれ異なるが、いずれも図1に示すインクジェット記録装置のヘッド部と同様の構成のヘッド部を有するものである。
【0013】
図1において、超音波発生手段を構成する平板状圧電体12が、後述する溝11aを形成した支持部材11上に、溝11aを跨って設けられている。
圧電体12は、超音波の周波数や素子の大きさ等によってチタン酸鉛(PT)、ジルコン・チタン酸鉛(PZT)等のセラミック材料、フッ化ビニリデンと三フッ化エチレンとの共重合体等の高分子材料、ニオブ酸リチウム等の単結晶材料、酸化亜鉛等の圧電性半導体材料で形成することができる。
【0014】
支持部材11は、ガラス等の材料で形成することができる。
圧電体12の下面には、互いに分離した複数のストライプ状個別電極13が形成されている。圧電体12は、これら個別電極13により、機能的に複数の圧電素子に区分される。他方、圧電体12の上面には、一体の共通電極14が全面にわたって形成されている。これら電極13および14は、チタン、ニッケル、アルミニウム、銅、金等の金属材料を蒸着やスパッタにより薄膜として形成することができる。あるいは、これら電極13および14は、ガラスフリットを銀ペーストに混合したものをスクリーン印刷法により印刷し、これを焼き付けることによっても形成することができる。
【0015】
また、支持部材11の一端部側には、圧電体12の下面に形成された個別電極13と同じ間隔で複数のアレイ電極15が形成されており、この支持部材11上の各アレイ電極15と圧電体12下面上の各個別電極13とは、図示しない導電性接着剤を介して整合して圧着され、電気的に接続されている。支持部材11上のアレイ電極15は、支持部材11の端部上に配置された駆動回路16にボンディングワイヤ17によって接続され、圧電体12の上面に形成された共通電極14も、図示しない配線により、駆動回路16に接続されている。
【0016】
さて、共通電極14を介して圧電体12の上には、音響マッチング層を兼ねた音響レンズとしての一次元フレネルレンズ18が設けられている。フレネルレンズ18は、フレネルの輪帯理論に基づいて所定のピッチで複数の溝(図1においては、6個の溝18a〜18f)を形成することにより、溝の上面と底面から放射される超音波の位相を半波長シフトさせるものであり、溝18a〜18fのそれぞれは、個別電極13により区分された圧電素子の配列方向(主走査方向)に平行に形成される。音響マッチング層は、圧電素子から発生した超音波をインク液中へ伝搬させる場合、超音波の減衰を極力少なくすべく圧電素子とインク液との音響的マッチングを取るためのものであり、音響マッチング層の音響インピーダンスZm は、圧電体の音響インピーダンスZp とインク液の音響インピーダンスZi との積の平方根(Zm =(Zp ×Zi1/2 )に近い値の音響インピーダンスを有する材料で形成することが望ましい。そのような音響マッチング材料としては、エポキシ樹脂、ポリイミド等の高分子材料、あるいはそれら高分子材料に音響インピーダンスを調整するために繊維またはアルミナもしくはタングステン等の粉末を混合したものを例示することができる。図1の例では、フレネル音響レンズ18は、音響マッチング層としても機能するものであるから、これをそのような材料で形成することが望ましい。
【0017】
また、支持部材11上には、フレネルレンズ18を底部としてインク液20を収容・保持するインク液保持室19が設けられている。このインク液保持室19は、インク液20を囲む側壁が、フレネルレンズの両端から上方に向かって合わさるように傾斜しており、その上部は、スリット21aを形成した蓋板21により閉じられている。なお、蓋板21を設けることなく、インク液保持室19の上面が直接スリットを構成するようにしてもよい。
【0018】
さて、図1に示すインクジェット記録装置においては、圧電体12の下面に形成された各個別電極13は、圧電体12の幅と同等の長さを有する。しかしながら、圧電体12の上面に形成された共通電極14は、フレネルレンズ18の音響レンズとしての有効幅を覆うように、圧電体12の両端部を除いた部分にのみ形成されている。従って、各圧電素子として機能する圧電体12の部分は、共通電極14に対応する領域のみとなる。いいかえると、圧電体12は、圧電素子の両側に延出していることとなり、圧電体12は、その延出部分において支持部材11により支持される。また、支持部材11に設けられた溝11aは、共通電極14の幅とほぼ整合した幅を有する。すなわち、個別電極13と共通電極14とに挟まれた圧電体11の部分からなる圧電素子は、その下側に溝11aが存在することにより、つまり圧電素子の下側は中空構造となっているため、支持部材11と非接触状態に置かれる。記録に際し、個別電極13により区分された複数の圧電素子の一部の駆動素子群を同時駆動し、超音波をインク液面近傍に集束させて、インク滴を飛翔させるが、このとき、圧電素子からその裏面側へ放射された超音波は、圧電素子の裏面に位置する溝11aに通常存在する空気により打ち消され、インク液20側へ反射されることがない。もっとも、このような溝11aを設けなくともよい。
【0019】
なお、圧電素子アレイは、個別に作製した圧電素子により構成することができる。また、個別電極を圧電体の上に、共通電極を圧電体の下に配置することもできる。
【0020】
次に、上記インクジェット記録装置において、圧電素子から発生される超音波の集束方法および圧電素子の駆動方法の基本的な例を概略説明する。
まず、個別電極13よりアレイ状に区分された圧電素子のアレイ配列方向(主走査方向)における超音波の集束方法としては、フレネル輪帯理論に基づき、圧電素子アレイの一部の圧電素子群を同時に駆動し、その時に各駆動素子から放射される超音波の位相を制御して、インク液面近傍で超音波の強度が局所的に強くなるように、すなわち焦点を結ぶように動作させる。一方、圧電素子の配列方向に対して直交する方向(副走査方向)における超音波の集束は、音響レンズ、ここではフレネルレンズ18によって行う。
【0021】
このように二方向からの超音波の集束により、インク液面上の任意の位置から超音波の圧力でインク滴を吐出、飛翔させる。あるいは、超音波ビームの圧力が大きい近距離音場内に焦点位置を設定することにより、主走査方向の超音波ビームの集束は考慮せず、圧電素子アレイの一部の駆動素子群を同一位相で同時に駆動し、超音波ビームの集束性は副走査方向の音響レンズによって行うという手法でインク滴を飛翔させる駆動方法もある。インク滴の飛翔位置は、同時に駆動する圧電素子群を電子的に走査することによって変化させることが可能である。さらに、アレイ状に配列された圧電素子の中で、前記同時駆動素子群を複数個設けることにより、同時に複数のインク滴を飛翔させることができる。
【0022】
<第1の実施の形態>
図2は、図1に示すインクジェット記録装置ヘッド部における駆動回路16の第1の実施の形態に係る構成を示すものである。
【0023】
第1の実施の形態に係る駆動回路(駆動手段)16は、所定の周波数で所定の出力継続時間で1の位相のバースト波を発生するバースト波発生装置31を含む。このバースト発生装置31は、一方では、接地された共通電極14にラインL1を介して接続されているとともに、他方では、ラインL2を介して増幅器(パワーアンプ)32に接続されている。
【0024】
この増幅器32は、ラインL3を介して個別電極13にそれぞれ対応するスイッチに接続されている。図2に示す例では、個別電極13は、17個(13(1)〜13(17))設けられ、従ってスイッチも17個(SW111〜SW127)設けられている。各スイッチは、個別電極13(1)〜13(17)にそれぞれに接続されている。なお、以下、個別電極13(1)〜13(17)によって規定される圧電素子をT(1)〜T(17)と表示することとする。
【0025】
以上の構成において、1つの記録ドットを形成するために、上記17個の圧電素子T(1)〜T(17)のうち、16個の圧電素子T(1)〜T(16)を選択する。従って、圧電素子T(17)の個別電極13(17)に対応するスイッチSW117はオフとする。そして、フレネル輪帯理論に基づいて、主走査方向に超音波ビームが集束するように、これら16個の圧電素子T(1)〜T(16)からなる圧電素子グループをスイッチSW111〜SW126の対応する開閉により、2つの圧電素子サブグループに、すなわち、同一位相で同時駆動する8個の圧電素子T(2)、T(4)、T(7)〜T(10)、T(13)、T(15)からなる第1のサブグループスイッチと、駆動させない8個の圧電素子T(1)、T(3)、T(5)、T(6)、T(11)、T(12)、T(14)、T(16)からなる第2のサブグループに振り分ける。
【0026】
まず、バースト波発生装置31から発生された同一位相(これを0位相とし、図2においては、この0位相バースト波が印加される個別電極には符号「0」が付されている。)のバースト波は、これを増幅器32で増幅した後、第1のサブグループに属する圧電素子T(2)、T(4)、T(7)〜T(10)、T(13)、T(15)の個別電極13(2)、13(4)、13(7)〜13(10)および13(15)にのみそれぞれ印加する。第2のサブグループにはバースト波を印加せず、非駆動状態とする。
【0027】
このように圧電素子を駆動することにより、隣接する圧電素子間の相互誘導の影響が小さくなり、低い駆動電圧でも効率的で安定なインク滴の飛翔が達成される。
【0028】
<第2の実施の形態>
図3は、図1に示すインクジェット記録装置ヘッド部における駆動回路16の第2の実施の形態に係る構成を示すものである。
【0029】
第2の実施の形態に係る駆動回路(駆動手段)16は、0位相バースト波発生装置31の代わりに、これと位相が180度反転した位相(この位相をπで表示し、図3においてこのπ位相バースト波が印加される個別電極には、符号「π」が付されている。)のバースト波を発生するバースト波発生装置41を用いた以外は、図2の駆動回路と同じ構成を有する。
【0030】
この第2の実施の形態に係る駆動回路16を用いて圧電素子を駆動させるためには、第1の実施の形態の場合と逆に、第1の実施の形態で駆動させなかった第2のサブグループの8個の圧電素子T(1)、T(3)、T(5)、T(6)、T(11)、T(12)、T(14)、T(16)にバースト波発生装置41からの同一位相(π位相)のバースト波を印加し、第1の実施の形態で0位相バースト波を印加した第1のサブグループの8個の圧電素子T(2)、T(4)、T(7)〜T(10)、T(13)、T(15)を非駆動とする。
【0031】
この第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、隣接する圧電素子間の相互誘導の影響が小さくなり、低い駆動電圧でも効率的で安定なインク滴の飛翔が達成される。
【0032】
<第3の実施の形態>
図4は、図1に示すインクジェット記録装置ヘッド部における駆動回路16の第3の実施の形態に係る構成を示すものである。
【0033】
第3の実施の形態に係る駆動回路(駆動手段)16は、図2に示す駆動回路に、接地ラインL4に接続するスイッチを付加した構成を有し、ラインL4に接続して個別電極13(1)〜13(17)に対応するスイッチSW211〜SW227が付加されている。
【0034】
この第3の実施の形態に係る駆動回路16を用いて圧電素子を駆動する方法は、第1の実施の形態において駆動させなかった第2のサブグループに属する8個の圧電素子T(1)、T(3)、T(5)、T(6)、T(11)、T(12)、T(14)およびT(16)、並びに選択しなかった圧電素子T(17)をスイッチSW211〜SW227の対応する開閉により選択的に接地させる(接地させた個別電極には、図4において、符号「G」が付されている。)以外は、第1の実施の形態における駆動方法と同じである。
【0035】
このように、非駆動圧電素子を接地させることにより、駆動する圧電素子に隣接する圧電素子には、接地効果により、相互誘導による電圧印加がなされず、従って、超音波の集束を阻害する不要な超音波が発生しないので、インク滴の効率的で安定な飛翔が達成される。
【0036】
<第4の実施の形態>
図5は、図1に示すインクジェット記録装置ヘッド部における駆動回路16の第4の実施の形態に係る構成を示すものである。
【0037】
第4の実施の形態に係る駆動回路(駆動手段)16は、0位相バースト波発生装置31の代わりにπ位相バースト波発生装置41を用いた以外は図4に示す第3の実施の形態に係る駆動回路と同様の構成を有する。
【0038】
この第4の実施の形態に係る駆動回路16を用いて圧電素子を駆動する方法は、第2の実施の形態において駆動させなかった第1のサブグループに属する第1のサブグループの8個の圧電素子T(2)、T(4)、T(7)〜T(10)、T(13)、T(15)並びに選択しなかった圧電素子T(17)をスイッチSW211〜SW227の対応する開閉により選択的に接地させる(接地させた個別電極には、図5において、符号「G」が付されている。)以外は、第2の実施の形態における駆動方法と同じである。
【0039】
この第4の実施の形態においても、第3の実施の形態と同様の効果が得られる。
<第5の実施の形態>
図6は、図1に示すインクジェット記録装置ヘッド部における駆動回路16の第5の実施の形態に係る構成を示すものである。
【0040】
第5の実施の形態に係る駆動回路(駆動手段)16は、所定の周波数で所定の出力継続時間で任意の波形のバースト波を発生する任意波形バースト波発生装置51を含む。このバースト発生装置51は、一方では、接地された共通電極14にラインL11を介して接続されているとともに、他方では、ラインL12を介して位相反転器52に接続されている。この位相反転器52からは、2つのラインL13およびL14が分岐している。
【0041】
位相反転器52は、一方では、ラインL13を介して第1の増幅器(パワーアンプ)53に接続され、この第1の増幅器53は、ラインL15を介して各圧電素子(図6では、合計22個)に対応するスイッチSW311〜SW332に接続されているとともに、他方では、ラインL14を介して第2の増幅器(パワーアンプ)54に接続され、この第2の増幅器54は、ラインL16を介して各圧電素子対応するスイッチSW411〜SW432に接続されている。
【0042】
さらに、駆動回路には、接地ラインL17が設けられ、ラインL17に接続して各圧電素子に対応するスイッチSW511〜SW532が設けられている。
各スイッチSW311とSW411とSW511、SW312とSW412とSW512、……SW332とSW432とSW532は、それぞれ個別電極13(1)〜13(22)に共通に接続されている。以下、上の説明と同様、個別電極13(1)〜13(22)によって規定される圧電素子を符号T(1)〜T(22)で表示する。
【0043】
以上の構成の駆動回路16を用いて、圧電素子を駆動する一例を説明すると、まず、22個の圧電素子T(1)〜T(22)から、両端部の合計6個の圧電素子を除き、中央の連続配置されている16個の圧電素子T(4)〜T(19)を同時駆動グループとして選択する。そして、フレネル輪帯理論に基づいて、主走査方向に超音波ビームが集束するように、スイッチSW314〜SW329、SW414〜SW429の対応する開閉により、この16個の圧電素子を2つの同時駆動サブグループ、すなわち、合計8個の圧電素子T(5)、T(7)、T(10)〜T(13)、T(16)およびT(18)からなる第1の同時駆動サブグループと、合計8個の圧電素子T(4)、T(6)、T(8)、T(9)、T(14)、T(15)、T(17)およびT(19)からなる第2の同時駆動サブグループとに振り分ける。
【0044】
まず、バースト波発生装置51から発生されたバースト波は、位相反転器52により互いに位相が180度反転した2つのバースト波に分離される。その一方の第1のバースト波(この位相を0で表示し、図6においてこの0位相バースト波が印加される個別電極には符号「0」が付されている。)は、これを増幅器53で増幅した後、第1の同時駆動サブグループに属する圧電素子の個別電極13(5)、13(7)、13(10)〜13(13)、13(16)および13(18)に印加する。
【0045】
他方の第2のバースト波(この位相をπで表示し、図6においてこのπ位相バースト波が印加される個別電極には、符号「π」が付されている。)は、これを増幅器54で増幅した後、第2の同時駆動サブグループに属する圧電素子の個別電極13(4)、13(6)、13(8)、13(9)、13(14)、13(15)、13(17)および13(19)に印加する。
【0046】
このとき、同時駆動グループとして選択されなかった圧電素子T(1)〜T(3)およびT(20)〜T(22)のうち、同時駆動グループに属する圧電素子に隣接する圧電素子T(3)およびT(20)のみをスイッチSW513および530をオンにして選択的に接地させる(図6において、接地された個別電極には、符号「G」が付されている。)。非選択圧電素子の残りの圧電素子T(1)、T(2)、T(21)およびT(22)は、電気的に浮遊状態に置く。
【0047】
このように、非駆動圧電素子を接地させることにより、相互誘導に基づく不要な超音波の発生が抑制され、インク滴が効率的かつ安定に飛翔する。
図7は、図6に関して説明した圧電素子の駆動方法において、非駆動圧電素子T(1)〜T(3)およびT(20)〜T(22)の全てを接地させる以外は、図6に関して説明した駆動方法と全く同様の駆動方法を説明するための駆動回路16の構成図である。このように、非駆動圧電素子の全てを接地させることにより、より低電圧でもインク滴が効率的かつ安定に飛翔する。
【0048】
図8は、図6に関して説明した圧電素子の駆動方法において、同時駆動グループとして選択された圧電素子が、不連続の圧電素子からなる以外は、図6に関して説明した駆動方法と全く同様の駆動方法を説明するための駆動回路16の構成図である。
【0049】
すなわち、この場合、例えば、同時駆動グループとして、圧電素子T(3)〜T(10)およびT(12)〜T(19)を選択し、中心の圧電素子T(11)は、非駆動圧電素子とする。そして、図6に関して説明したように、これら圧電素子T(3)〜T(10)およびT(12)〜T(19)を0位相バースト波が印加される第1の同時駆動サブグループとしての圧電素子T(4)、T(6)、T(9)、T(10)、T(12)、T(13)、T(16)およびT(18)と、π位相バースト波が印加される第2の同時駆動サブグループとしての圧電素子T(3)、T(5)、T(7)、T(8)、T(14)、T(15)、T(17)およびT(19)とに振り分ける。そして、図6に関して説明したように、両端部の非駆動圧電素子T(1)〜T(2)およびT(20)〜T(22)のうち、同時駆動グループに属する圧電素子に隣接する圧電素子T(2)およびT(20)をスイッチSW512および530をオンにして選択的に接地させるとともに、同様に同時駆動グループの圧電素子に隣接する圧電素子である中央の非駆動圧電素子T(11)もスイッチ521をオンにして接地させる。
【0050】
このような駆動方法によってもインク滴は、効率的かつ安定に飛翔する。
図9は、図8に関して説明した圧電素子の駆動方法において、両端部の非駆動圧電素子T(1)〜T(2)およびT(20)〜T(22)のうち、さらに圧電素子T(1)およびT(21)、T(22)をも接地させることによって非駆動圧電素子の全てを接地させる以外は、図8に関して説明した駆動方法と全く同様の駆動方法を説明するための駆動回路16の構成図である。このように、非駆動圧電素子の全てを接地させることにより、より低電圧でもインク滴が効率的かつ安定に飛翔する。
【0051】
以上、本発明の実施の形態を図面を参照して説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図4〜図9に関して説明した接地手段の代わりに、直流電圧を印加するようにしても同様の効果が得られる。
【0052】
【実施例】
以下に、本発明の実施例について具体的に説明する。
実施例1
本実施例では、図1に示す構造のヘッドを有するインクジェット記録装置を作製した。
【0053】
まず、平板状チタン酸鉛(PbTiO3 )系セラミック圧電体の片面にTiおよびAuをそれぞれ厚さ0.05μmおよび0.5μmにスパッタ法で形成してTi/Au電極を作製した。引き続き4kV/mmの電界を印加して分極処理を行うことにより、強誘電性を有する圧電セラミック素子を作製した。分極後の比誘電率は約215であった。その後、化学エッチングにより幅60μm、電極間隔25μm(配列ピッチは85μm)の個別電極13を形成した。一方、ガラス製の支持部材11にも幅60μm、電極間隔25μmのTi/Auのアレイ電極15を形成した後、圧電素子との間に中空構造を形成するために、機械加工により深さ0.2mm、幅2.2mmのサイズの溝11aを形成した。その後、顕微鏡下でセラミック圧電体上に形成した個別電極13とガラス上に形成したアレイ電極15との位置合わせを行いながら、エポキシ樹脂で接着し、両電極を導通させた。次に、超音波の周波数を50MHzとするために、セラミック圧電体を厚さ45μmまで研磨し、さらにAlを電子ビーム蒸着することにより共通電極14を形成した。この時、副走査方向の電極の長さ、すなわち口径は2mmとした。
【0054】
音響マッチング層兼音響レンズ18にはエポキシ樹脂とアルミナ粉末との混合物を用いた。まず、音速が3×103 m/秒近傍になるように混合比を調整し、密度2.20×103 kg/m3 、音速2.95×103 m/sを得た。これを共通電極14の表面に塗布して硬化させ、厚さが約45μmになるように研磨した。その後、焦点距離が1.8mmになるように深さ1/2波長(約30μm)の溝を主走査方向に平行に形成してフレネルレンズ18を形成した。そして、超音波放射面とインク液面との距離がほぼ1.8mmなる側壁(インク液保持室19)を形成し、さらに図2に示す構成の駆動回路16を搭載してインクジェット記録装置を完成した。
【0055】
こうして作製したインクジェット記録装置を用いて、本発明に係わる駆動方法によるインク飛翔実験を実施した。
すなわち、1つの記録ドットを形成するために、図2に関して説明した通り、1つの記録ドットを形成するために、17個の圧電素子T(1)〜T(17)のうち、16個の圧電素子T(1)〜T(16)を選択した。そして、フレネル輪帯理論に基づいて、主走査方向に超音波ビームが集束するように、これら16個の圧電素子T(1)〜T(16)からなる同時駆動グループを0位相で同時駆動する8個の圧電素子T(2)、T(4)、T(7)〜T(10)、T(13)、T(15)からなる第1のサブグループと、駆動させない8個の圧電素子T(1)、T(3)、T(5)、T(6)、T(11)、T(12)、T(14)、T(16)からなる第2のサブグループに振り分けた。
【0056】
0位相バースト波発生装置31から周波数50MHz、出力継続時間30μsの正弦波のバースト波を発生させ、これを増幅器32で増幅した後、上記第1の同時駆動サブグループの圧電素子にのみ印加した。
【0057】
超高速度カメラでインク滴の飛翔状態を観察したところ、インク滴が安定に飛翔するためには、バースト発生装置31の出力電圧は約1.7V必要であり、この場合、同時駆動した全16個の圧電素子のそれぞれには平均で約17Vの電圧が印加されていることを確認した。
【0058】
実施例2
駆動回路16として図3に示す構成の駆動回路を搭載した以外は、実施例1と全く同様のインクジェット記録装置を作製した。
【0059】
こうして作製したインクジェット記録装置を用いて、本発明に係わる駆動方法によるインク飛翔実験を実施した。
すなわち、図3に関して説明したように、1つの記録ドットを形成するために、17個の圧電素子T(1)〜T(17)のうち、16個の圧電素子T(1)〜T(16)を選択した。そして、フレネル輪帯理論に基づいて、主走査方向に超音波ビームが集束するように、これら16個の圧電素子T(1)〜T(16)からなる同時駆動グループを、駆動させない8個の圧電素子T(2)、T(4)、T(7)〜T(10)、T(13)、T(15)からなる第1のサブグループと、π位相駆動させる8個の圧電素子T(1)、T(3)、T(5)、T(6)、T(11)、T(12)、T(14)、T(16)からなる第2のサブグループに振り分けた。
【0060】
π位相バースト波発生装置41から周波数50MHz、出力継続時間30μsの正弦波のバースト波を発生させ、これを増幅器32で増幅した後、上記第2の同時駆動サブグループの圧電素子にのみ印加した。
【0061】
超高速度カメラでインク滴の飛翔状態を観察したところ、インク滴が安定に飛翔するためには、バースト発生装置41の出力電圧は約1.9V必要であり、この場合、同時駆動した全16個の圧電素子のそれぞれには平均で約19Vの電圧が印加されていることを確認した。
【0062】
比較例1
実施例1と同様の構成のインクジェット記録装置を作製した。この場合、駆動回路は、任意波形バースト波発生装置と、位相反転器とを含むものであった。
【0063】
こうして作製したインクジェット記録装置を用いて、インク飛翔実験を実施した。
すなわち、実施例1の場合と同様、17個の圧電素子T(1)〜T(17)のうち、16個の圧電素子T(1)〜T(16)を選択した。そして、フレネル輪帯理論に基づいて、主走査方向に超音波ビームが集束するように、これら16個の圧電素子T(1)〜T(16)からなる同時駆動グループを8個の圧電素子T(2)、T(4)、T(7)〜T(10)、T(13)、T(15)からなる第1のサブグループと、別の8個の圧電素子T(1)、T(3)、T(5)、T(6)、T(11)、T(12)、T(14)、T(16)からなる第2のサブグループに振り分けた。
【0064】
任意波形バースト波発生装置から周波数50MHz、出力継続時間30μsの正弦波のバースト波を発生させ、これを位相反転器で反転させ、一方の0位相バースト波を実施例1と同様に増幅器で増幅した後、第1の同時駆動サブグループの全圧電素子に、他方のπ位相バースト波を同様に増幅器で増幅した後、第2の同時駆動サブグループの全圧電素子に印加した。
【0065】
超高速度カメラでインク滴の飛翔状態を観察したところ、インク滴が安定に飛翔するためには、任意波形バースト発生装置の出力電圧は約2.0V必要であり、この場合、同時駆動した全16個の圧電素子のそれぞれには平均で約15Vの電圧が印加されていることを確認した。
【0066】
比較例2
実施例1において、同時駆動グループとして選択した全16個の圧電素子を0位相またはπ位相のいずれか一方で駆動した。この場合、バースト波発生装置の出力電圧2.0Vに対して、各圧電素子への印加電圧は平均で20Vとなった。
【0067】
実施例1および2の結果からわかるように、フレネル輪帯理諭に基づいて、同時駆動グループの圧電素子を2つの同時駆動サブグループに振り分けた場合、インク滴の飛翔位置(焦点位置)に最も近い圧電素子を含む方の圧電素子群を同一位相で同時駆動した場合の方が、より効率良くインク滴が飛翔することがわかった。さらに、検討をしたところ、上記の条件で所定の圧電素子群を駆動した場合、駆動した圧電素子に隣接する非駆動圧電素子にも、相互誘導によって2V程度の電圧がほぼ同一の位相で印加されていることが確認された。
【0068】
さらに、比較例1および比較例2の結果からわかるように、同時駆動素子群を全て同一位相で駆動した場合と、2つの同時駆動素子群に振り分け、位相を互いに180゜反転させて駆動した場合とでは、各々の圧電素子への印加電圧が異なるが、その原因として、50MHzという高周波数の場合には、隣接する圧電素子への影響が無視できなくなり、特に、隣接圧電素子同士の位相が180゜反転している場合には、互いに印加電圧を低くするような相互作用が生じていると推測される。
【0069】
以上のように、実施例1〜2と比較例1〜2を比べると、比較例1〜2では同時駆動素子数が多いために、インク滴が安定飛翔するために必要な圧電素子自体への印加電圧は低くてよいが、実際には隣接圧電素子間の相互誘導の影響で印加電圧が低下する作用を受けるため、電源電圧を高くする必要がある。これに対して、実施例1〜2においては相互誘導による悪影響が小さいため、比較例1〜2の場合よりも低い電源電圧でインク滴の安定飛翔が達成できる。
【0070】
以上、本発明によれば、主走査方向に超音波ビームを集束するように、フレネル輪帯理論に基づいて圧電素子群を選択し、これらを同一位相で同時駆動することにより、隣接圧電素子の相互誘導の影響が低減され、インク滴の飛翔効率が向上することが確認できた。また、所定の位相差を与えるための回路構成が不要となるため、駆動回路が簡略化でき、製造コストの低減も可能となる。
【0071】
実施例3
駆動回路16として図4に示す構成の駆動回路を用いた以外は、実施例1の手法に従ってインクジェット記録装置を作製した。
【0072】
こうして作製したインクジェット記録装置を用いて、インク飛翔実験を実施した。
すなわち、図4に関して説明した通り、1つの記録ドットを形成するために、17個の圧電素子T(1)〜T(17)のうち、16個の圧電素子T(1)〜T(16)を選択した。そして、フレネル輪帯理論に基づいて、主走査方向に超音波ビームが集束するように、これら16個の圧電素子T(1)〜T(16)からなる同時駆動グループを0位相で同時駆動する8個の圧電素子T(2)、T(4)、T(7)〜T(10)、T(13)、T(15)からなる第1のサブグループと、駆動させない8個の圧電素子T(1)、T(3)、T(5)、T(6)、T(11)、T(12)、T(14)、T(16)からなる第2のサブグループに振り分けた。
【0073】
0位相バースト波発生装置31から周波数50MHz、出力継続時間30μsの正弦波の0位相バースト波を発生させ、これを増幅器32で増幅した後、上記第1の同時駆動サブグループの圧電素子にのみ印加し、このとき第2の同時駆動サブグループに属する8個の圧電素子、および選択しなかった圧電素子T(17)を選択的に接地させた。
【0074】
超高速度カメラでインク滴の飛翔状態を観察したところ、インク滴が安定に飛翔するためには、バースト発生装置31の出力電圧は約1.4V必要であり、この場合、同時駆動した全16個の圧電素子のそれぞれには平均で約15Vの電圧が印加されていることを確認した。
【0075】
実施例4
図5に示す構成の駆動回路16を用いた以外は、実施例1と全く同様の手法に従いインクジェット記録装置を作製した。
【0076】
こうして作製したインクジェット記録装置を用いて、本発明に係わる駆動方法によるインク飛翔実験を実施した。
すなわち、図5に関して説明したように、1つの記録ドットを形成するために、17個の圧電素子T(1)〜T(17)のうち、16個の圧電素子T(1)〜T(16)を選択した。そして、フレネル輪帯理論に基づいて、主走査方向に超音波ビームが集束するように、これら16個の圧電素子T(1)〜T(16)からなる同時駆動グループを、駆動させない8個の圧電素子T(2)、T(4)、T(7)〜T(10)、T(13)、T(15)からなる第1のサブグループと、π位相駆動させる8個の圧電素子T(1)、T(3)、T(5)、T(6)、T(11)、T(12)、T(14)、T(16)からなる第2のサブグループに振り分けた。
【0077】
π位相バースト波発生装置41から周波数50MHz、出力継続時間30μsの正弦波のバースト波を発生させ、これを増幅器32で増幅した後、上記第2の同時駆動サブグループの圧電素子にのみ印加し、このとき第1のサブグループに属する8個の圧電素子、および選択しなかった圧電素子T(17)を選択的に接地させた。
【0078】
超高速度カメラでインク滴の飛翔状態を観察したところ、インク滴が安定に飛翔するためには、バースト発生装置41の出力電圧は約1.6V必要であり、この場合、同時駆動した全16個の圧電素子のそれぞれには平均で約16Vの電圧が印加されていることを確認した。
【0079】
実施例3〜4の結果からわかるように、非駆動圧電素子を接地することにより、非駆動圧電素子を接地しない場合(実施例1〜2)に比べて、一層インク滴の飛翔効率が向上することが確認された。この原因を究明するために、さらに検討を行ったところ、上記の条件で所定の圧電素子群を駆動した場合、駆動圧電素子に隣接する接地した圧電素子には、接地の効果によって、相互誘導による電圧印加は全く見られなかった。このために、超音波の集束を乱す不要な超音波は発生せず、上記のような一層の飛翔効率の向上が達成できたと考えられる。また、実施例1〜2の場合と同様に、フレネル輪帯理論に基づいて、駆動圧電素子を2つの同時駆動サブグループに振り分けた場合、インク滴の飛翔位置(焦点位置)に最も近い圧電素子を含む方の圧電素子群を同一位相で同時駆動した場合の方が、より効率良くインク滴が飛翔することが分かった。
【0080】
実施例5
図6に示す構成の駆動回路を用いた以外は、実施例1と全く同様の手法に従いインクジェット記録装置を作製した。
【0081】
こうして作製したインクジェット記録装置を用いて、インク飛翔実験を実施した。
すなわち、図6に関して説明した通り、1つの記録ドットを形成するために、22個の圧電素子T(1)〜T(22)から、両端部の合計6個の圧電素子を除き、中央の連続配置されている16個の圧電素子T(4)〜T(19)を同時駆動グループとして選択した。そして、フレネル輪帯理論に基づいて、主走査方向に超音波ビームが集束するように、この16個の圧電素子を2つの同時駆動サブグループ、すなわち、合計8個の圧電素子T(5)、T(7)、T(10)〜T(13)、T(16)およびT(18)からなる第1の同時駆動サブグループと、合計8個の圧電素子T(4)、T(6)、T(8)、T(9)、T(14)、T(15)、T(17)およびT(19)からなる第2の同時駆動サブグループとに振り分けた。
【0082】
まず、バースト波発生装置51から周波数50MHz、出力継続時間30μsの正弦波のバースト波を発生させ、これを位相反転器52により互いに位相が180度反転した0位相バースト波とπ位相バースト波との2つのバースト波に分離し、その一方の0位相バースト波を増幅器53で増幅した後、第1の同時駆動サブグループに属する圧電素子の個別電極13(5)、13(7)、13(10)〜13(13)、13(16)および13(18)に印加した。他方のπ位相バースト波は、これを増幅器54で増幅した後、第2の同時駆動サブグループに属する圧電素子の個別電極13(4)、13(6)、13(8)、13(9)、13(14)、13(15)、13(17)および13(19)に印加した。このとき、同時駆動グループとして選択されなかった圧電素子T(1)〜T(3)およびT(20)〜T(22)のうち、同時駆動グループに属する圧電素子に隣接する圧電素子T(3)およびT(20)のみを選択的に接地させた。
【0083】
超高速度カメラでインク滴の飛翔状態を観察したところ、インク滴が安定に飛翔するためには、バースト発生装置51の出力電圧は約1.4V必要であり、この場合、同時駆動した全16個の圧電素子のそれぞれには平均で約14Vの電圧が印加されていることを確認した。
【0084】
実施例6
圧電素子を図7に関して説明した方法により駆動した以外は、実施例5と全く同様にしてインク飛翔実験を実施した。
【0085】
すなわち、実施例5の駆動条件において、非駆動圧電素子T(1)〜T(3)およびT(20)〜T(22)の全てを接地させた。
超高速度カメラでインク滴の飛翔状態を観察したところ、インク滴が安定に飛翔するためには、バースト発生装置の出力電圧は約1.3V必要であり、この場合、同時駆動した全16個の圧電素子のそれぞれには平均で約13Vの電圧が印加されていることを確認した。
【0086】
比較例3
非駆動圧電素子T(1)〜T(3)およびT(20)〜T(22)を接地させなかった以外は、実施例5と全く同様の駆動条件でインク滴を飛翔させた。
【0087】
超高速度カメラでインク滴の飛翔状態を観察したところ、インク滴が安定に飛翔するためには、バースト発生装置51の出力電圧は約1.7V必要であり、この場合、同時駆動した全16個の圧電素子のそれぞれには平均で約17Vの電圧が印加されていることを確認した。
【0088】
実施例5〜6および比較例3の結果からわかるように、非駆動圧電素子の全てを浮遊状態にしている比較例3に比べ、非駆動圧電素子の一部または全部を接地する実施例5〜6においては、インク滴が安定飛翔するために必要な電源電圧や圧電素子への印加電圧が小さく、インク滴の飛翔効率が向上することが分かった。また、非駆動圧電素子の一部を接地する場合(実施例5)よりも、全ての非駆動圧電素子を接地する場合(実施例6)の方が、より一層インク滴の飛翔効率が高くなることが確認できた。
【0089】
このような現象のメカニズムを究明するために、更に検討を行った。その結果、実施例6においては、全ての非駆動圧電素子を接地することにより、非駆動圧電素子には相互誘導による電圧印加は全く見られなかった。また、実施例5においては、接地した非駆動圧電素子には電圧印加は見られなかったが、接地しなかった非駆動圧電素子には0.2〜0.5V程度の電圧が印加されていることが分かった。一方、比較例3においては、駆動圧電素子からの相互誘導で、非駆動圧電素子へ0.2〜2V程度の電圧が印加されていた。この誘導電圧は駆動圧電素子に近いほど大きくなり、特に、駆動圧電素子に隣接する非駆動圧電素子には2Vの電圧が印加されていることが確認された。
【0090】
上記の検討結果より、比較例3のように非駆動圧電素子を電気的に浮遊状態にした場合には、駆動圧電素子から非駆動圧電素子への相互誘導の影響により、非駆動圧電素子が駆動され超音波の集束を乱す不要な超音波が発生するために、インク滴の飛翔効率が低くなると考えられる。一方、実施例5〜6のように非駆動圧電素子を接地することにより、不要な超音波の発生が抑制でき、インク滴の飛駆効率が向上すると考えられる。以上に説明したように、主走査方向に超音波ビームを集束するように、フレネル輪帯理論に基づいて同時駆動グループの圧電素子を複数の同時駆動サブグループに振り分け、それらに所定の位相差を与えて同時駆動する場合、非駆動圧電素子の一部または全部を接地することにより、インク滴の飛翔効率や飛翔安定性の向上が図れる。
【0091】
実施例7
圧電素子を図8に関して説明した方法により駆動した以外は、実施例5と全く同様にしてインク飛翔実験を実施した。
【0092】
すなわち、1つの記録ドットを形成するために、図8に関して説明したように、同時駆動グループとして、圧電素子T(3)〜T(10)およびT(12)〜T(19)を選択し、中心の圧電素子T(11)は、非駆動圧電素子とする。そして、これら圧電素子T(3)〜T(10)およびT(12)〜T(19)を0位相バースト波が印加される第1の同時駆動サブグループとしての圧電素子T(4)、T(6)、T(9)、T(10)、T(12)、T(13)、T(16)およびT(18)と、π位相バースト波が印加される第2の同時駆動サブグループとしての圧電素子T(3)、T(5)、T(7)、T(8)、T(14)、T(15)、T(17)およびT(19)とに振り分けた。そして、両端部の非駆動圧電素子T(1)〜T(2)およびT(20)〜T(22)のうち、同時駆動グループに属する圧電素子に隣接する圧電素子T(2)およびT(20)を選択的に接地させるとともに、同様に同時駆動グループの圧電素子に隣接する圧電素子である中央の非駆動圧電素子T(11)も接地させた。
【0093】
超高速度カメラでインク滴の飛翔状態を観察したところ、インク滴が安定に飛翔するためには、バースト発生装置51の出力電圧は約1.8V必要であり、この場合、同時駆動した全22個の圧電素子のそれぞれには平均で約18Vの電圧が印加されていることを確認した。
【0094】
実施例8
図9に関して説明したように、非駆動圧電素子T(1)およびT(21)、T(22)をも接地させた以外は、実施例7と全く同様のインク飛翔実験を行った。
【0095】
超高速度カメラでインク滴の飛翔状態を観察したところ、インク滴が安定に飛翔するためには、バースト発生装置51の出力電圧は約1.7V必要であり、この場合、同時駆動した全16個の圧電素子のそれぞれには平均で約17Vの電圧が印加されていることを確認した。
【0096】
比較例4
非駆動圧電素子T(1)〜T(2)およびT(20)〜T(22)並びにT(11)を接地させなかった以外は、実施例7と全く同様の駆動条件でインク滴を飛翔させた。
【0097】
超高速カメラでインク滴の飛翔状態を観察したところ、インク滴が安定に飛翔するためには、バースト波発生装置51の出力電圧は約2.3V必要であり、この場合、同時駆動した全16個の圧電素子のそれぞれには平均で約23Vの電圧が印加されていることを確認した。
【0098】
実施例7〜8の結果からわかるように、圧電素子アレイから選択された同時駆動素子の配列の中に、選択されない圧電素子が存在する場合には、本発明の効果は一層顕著である。つまり、非駆動圧電素子の全てを浮遊状態にしている比較例3と、非駆動圧電素子の一部または全部を接地する実施例7〜8を比較すると、インク滴が安定飛翔するために必要な電源電圧や圧電素子への印加電圧の差が一層大きくなり、本発明の効果により、インク滴の飛翔効率が一層向上することが分かった。また、非駆動圧電素子の一部を接地する場合よりも、全ての非駆動圧電素子を接地する場合の方が、より一層インク滴の飛翔効率が高くなるとも確認できた。
【0099】
このような現象のメカニズムを探るために、更に検討を行った。その結果、実施例8においては、全ての非駆動素子接地することにより、非駆動素子には相互誘導による電圧印加は全く見られなかった。実施例7においては、接地した非駆動素子には電圧印加は見られなかったが、接地しなかった非駆動素子には0.2〜0.5V程度の電圧が印加されていることが分かった。
【0100】
上記の検討結果より、圧電素子アレイから選択された同時駆動素子の配列の中に、選択されない圧電素子が発生する場合においては、比較例4のように非駆動圧電素子を電気的に浮遊状態にした時に、特に両側に駆動圧電素子が存在する非駆動圧電素子への相互誘導の影響が顕著になり、不要な超音波の強度が大きくなることによって、インク滴の飛翔効率が一層低下すると考えられる。一方、実施例7〜8では非駆動圧電素子を接地することにより、不要な超音波の発生が抑制き、インク滴の飛翔効率の向上が図れると考えられる。
【0101】
以上に説明したように、同時駆動グループを選択し、主走査方向に超音波ビームを集束するように、フレネル輪帯理論に基づいて同時駆動サブグループに振り分け、これらの複数の同時駆動サブグループに所定の位相差を与えて同時駆動する場合、圧電素子アレイから選択された同時駆動グループの配列の中に、選択されない圧電素子が存在するときには、駆動されない圧電素子の一部または全部を接地することにより、一層インク滴の飛翔効率や飛翔安定性の向上が図れることが分かった。
【0102】
実施例9
実施例3〜8において、接地の代わりに直流電圧を印加した以外は同様にしてインク滴を飛翔させたところ、各実施例の効果と同様の効果が得られた。
【0103】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に従い、選択した圧電素子からなる同時駆動グループにおいて、その一部を同一位相で同時駆動し、他の圧電素子は駆動させないことにより、また、その非駆動圧電素子の一部または全部を接地するか、これに直流電圧を印加することにより、あるいは選択した同時駆動グループを複数の同時駆動サブグループに振り分けてそれぞれを位相差をもって駆動させるとともに、非駆動圧電素子の一部または全部を接地するか直流電圧を印加することにより、駆動圧電素子から非駆動圧電素子への相互誘導に起因する不要な超音波の発生が抑制され、インク滴の飛翔効率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェット記録装置のヘッド部の概略斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る駆動回路の構成を示す図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る駆動回路の構成を示す図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る駆動回路の構成を示す図。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る駆動回路の構成を示す図。
【図6】本発明の第5の形態に係る駆動回路の構成を示す図。
【図7】図6に示す駆動回路を用いた圧電素子の他の駆動方法を説明するための図。
【図8】図6に示す駆動回路を用いた圧電素子のさらに他の駆動方法を説明するための図。
【図9】図6に示す駆動回路を用いた圧電素子のさらに他の駆動方法を説明するための図。
【符号の説明】
11…支持部材
11a…溝
12…圧電体
13…個別電極
14…共通電極
15…アレイ電極
16…駆動回路
18…超音波集束手段
19…インク液保持室
21a…スリット
20…インク液
31,41,51…バースト波発生装置
32,53,54…増幅器
52…位相反転器
SW111〜SW127…スイッチ
SW211〜SW227…スイッチ
SW311〜332…スイッチ
SW411〜432…スイッチ
SW511〜532…スイッチ
L4,L17…接地ライン
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ink jet recording apparatus that records an image by making ink liquid into droplets and flying them onto a recording medium. In particular, the ink droplets are ejected by the pressure of an ultrasonic beam emitted from a piezoelectric element. The present invention relates to an inkjet recording apparatus that flies over a recording medium.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art An apparatus for recording an image by forming image dots by making ink liquid into small particles called droplets and flying it onto a recording medium has been put to practical use as an ink jet printer. This ink jet printer has the advantage that it has less noise than other recording methods and does not require processing such as development and fixing, and is attracting attention as a plain paper recording technique.
[0003]
Many ink jet printer systems have been devised to date, but in particular, a system in which ink droplets are ejected by the pressure of vapor generated by the heat of the heating element and a method in which ink droplets are ejected by pressure pulses due to displacement of the piezoelectric body. Is a typical one.
[0004]
These ink jet printers eject ink from the tip of the nozzle. Therefore, there is a problem that local concentration of the ink occurs due to evaporation or volatilization of the solvent in the ink, and the nozzle is clogged. Further, in the conventional ink jet printer, it is difficult to reduce the particle size of ink droplets to fly (for example, a diameter of 20 μm or less), and it is difficult to increase the resolution.
[0005]
In order to overcome these drawbacks, a method has been proposed in which ink is ejected from the ink surface using the pressure of an ultrasonic beam generated by a piezoelectric element formed of a thin film piezoelectric layer. However, it has been found that in the conventional ultrasonic beam system, the ink flying efficiency tends to decrease due to generation of unnecessary ultrasonic waves caused by mutual induction from the driving piezoelectric element to the non-driving piezoelectric element.
[0006]
[Problems to be solved]
Accordingly, it is an object of the present invention to provide an ink jet recording apparatus that can suppress generation of unnecessary ultrasonic waves due to mutual induction from a driving piezoelectric element to a non-driving piezoelectric element and prevent a decrease in ink flying efficiency. To do.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
A plurality of simultaneously driven piezoelectric elements are selected as a simultaneously driven group from the piezoelectric elements constituting the piezoelectric element array that generates ultrasonic waves, and the piezoelectric elements of this simultaneously driven group are assigned to a plurality of simultaneously driven subgroups. When sub-groups are simultaneously driven with a phase difference, and the ultrasonic waves generated from the piezoelectric elements of the simultaneous driving group are focused on the liquid surface of the ink liquid, the flying efficiency and flying stability of the ink droplets It is important not to decrease. In particular, when using a driving method that doubles the resolution by selecting an odd or even number of simultaneously driven piezoelectric elements from the piezoelectric element array, or connecting multiple piezoelectric element arrays in the array direction. In addition, when a long line head is manufactured and the joint portion is driven, the simultaneous drive piezoelectric element is changed from the piezoelectric element so that there is an unselected piezoelectric element in the array of the simultaneous drive piezoelectric elements. Although selection is often performed, it is important that even in such a case, the flying efficiency of the ink droplet does not decrease.
[0008]
As a result of investigating the cause of the drop efficiency of the ink droplet when the piezoelectric element array is driven separately by the piezoelectric element and the non-driving piezoelectric element that are driven simultaneously as described above, the driving piezoelectric element is not driven. It has been found that the cause is that unnecessary ultrasonic waves are generated due to mutual induction to the piezoelectric element. As a result of further examination based on this, one part is simultaneously driven in the same phase in the simultaneous drive group consisting of the selected piezoelectric elements, and the other piezoelectric elements are not driven, and thus, In addition, by grounding a part or all of the non-driven piezoelectric element or applying a DC voltage thereto, the selected simultaneous drive group is divided into a plurality of simultaneous drive subgroups, and each is driven with a phase difference. The present inventors have found that the above problem can be solved by grounding a part or all of the non-driven piezoelectric element or applying a DC voltage thereto, thereby completing the present invention.
[0009]
That is, the present invention firstly includes an ink liquid holding chamber for holding ink liquid and a piezoelectric element array constituted by a plurality of piezoelectric elements arranged at a predetermined interval, and is acoustically connected to the ink liquid. And a plurality of simultaneously driven piezoelectric elements among the piezoelectric elements constituting the piezoelectric element array so that a plurality of ultrasonic beams generated from the piezoelectric elements are focused near the liquid surface of the ink liquid. Element To form one recording dot Select as a simultaneous drive group and drive only a part of the piezoelectric elements of the simultaneous drive group at the same phase simultaneously. And , Of the simultaneous drive group The remaining piezoelectric elements are not driven Set to An ink jet recording apparatus comprising a driving unit is provided.
[0010]
Secondly, the present invention includes an ink liquid holding chamber for holding ink liquid and a piezoelectric element array composed of a plurality of piezoelectric elements arranged at predetermined intervals, and is supersonically connected to the ink liquid. A plurality of simultaneously driven piezoelectric elements from among the piezoelectric elements constituting the piezoelectric element array so that a plurality of ultrasonic beams generated from the sound wave generating means and the piezoelectric elements are focused near the liquid surface of the ink liquid; To form one recording dot Select as a simultaneous drive group, and drive only a part of the piezoelectric elements of the simultaneous drive group at the same phase, The remaining piezoelectric elements of the simultaneous drive group Drive Without There is provided an ink jet recording apparatus comprising driving means for grounding a part or all of a piezoelectric element or applying a DC voltage.
[0011]
Thirdly, the present invention includes an ink liquid holding chamber for holding ink liquid and a piezoelectric element array composed of a plurality of piezoelectric elements arranged at predetermined intervals, and is supersonically connected to the ink liquid. A plurality of simultaneously driven piezoelectric elements from among the piezoelectric elements constituting the acoustic wave generating means and the piezoelectric element array; To form one recording dot Select as a simultaneous drive group, distribute the plurality of simultaneously driven piezoelectric elements to a plurality of simultaneously driven subgroups, apply a drive signal giving a phase difference to each of the simultaneously driven subgroups, and drive simultaneously, And in the simultaneous drive group Piezoelectric element not driven Set Drive means for focusing the ultrasonic waves generated from the simultaneously driven piezoelectric elements of the simultaneously driven group on the liquid surface of the ink liquid by grounding a part or all of the same or applying a DC voltage. An ink jet recording apparatus is provided.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. Throughout the drawings, the same members are denoted by the same reference numerals.
FIG. 1 is a schematic perspective view of a head portion of an ink jet recording apparatus common to the embodiments of the present invention. In the embodiments to be described in detail below, the drive circuit configuration is different, but each has a head portion having the same configuration as the head portion of the ink jet recording apparatus shown in FIG.
[0013]
In FIG. 1, a plate-like piezoelectric body 12 constituting ultrasonic wave generating means is provided across a groove 11a on a support member 11 having a groove 11a described later.
The piezoelectric body 12 is made of a ceramic material such as lead titanate (PT), zircon lead / titanate (PZT), a copolymer of vinylidene fluoride and ethylene trifluoride, etc. It can be formed of a high molecular weight material, a single crystal material such as lithium niobate, or a piezoelectric semiconductor material such as zinc oxide.
[0014]
The support member 11 can be formed of a material such as glass.
A plurality of stripe-like individual electrodes 13 separated from each other are formed on the lower surface of the piezoelectric body 12. The piezoelectric body 12 is functionally divided into a plurality of piezoelectric elements by the individual electrodes 13. On the other hand, an integral common electrode 14 is formed on the entire top surface of the piezoelectric body 12. These electrodes 13 and 14 can be formed as a thin film by vapor deposition or sputtering of a metal material such as titanium, nickel, aluminum, copper, or gold. Alternatively, these electrodes 13 and 14 can also be formed by printing glass frit mixed with silver paste by screen printing and baking it.
[0015]
A plurality of array electrodes 15 are formed on the one end side of the support member 11 at the same interval as the individual electrodes 13 formed on the lower surface of the piezoelectric body 12. The individual electrodes 13 on the lower surface of the piezoelectric body 12 are pressure-bonded and electrically connected with each other through a conductive adhesive (not shown). The array electrode 15 on the support member 11 is connected to a drive circuit 16 disposed on the end of the support member 11 by a bonding wire 17, and the common electrode 14 formed on the upper surface of the piezoelectric body 12 is also connected by a wiring (not shown). Are connected to the drive circuit 16.
[0016]
A one-dimensional Fresnel lens 18 serving as an acoustic lens also serving as an acoustic matching layer is provided on the piezoelectric body 12 via the common electrode 14. The Fresnel lens 18 is formed with a plurality of grooves (six grooves 18a to 18f in FIG. 1) at a predetermined pitch based on Fresnel's ring zone theory, thereby super The phase of the sound wave is shifted by a half wavelength, and each of the grooves 18 a to 18 f is formed in parallel to the arrangement direction (main scanning direction) of the piezoelectric elements divided by the individual electrodes 13. The acoustic matching layer is for acoustic matching between the piezoelectric element and the ink liquid so as to minimize the attenuation of the ultrasonic wave when the ultrasonic wave generated from the piezoelectric element is propagated into the ink liquid. Acoustic impedance Z of the layer m Is the acoustic impedance Z of the piezoelectric body p And ink acoustic impedance Z i The square root of the product (Z m = (Z p × Z i ) 1/2 It is desirable to form with the material which has the acoustic impedance of the value close | similar to). Examples of such an acoustic matching material include polymer materials such as epoxy resin and polyimide, or those obtained by mixing fibers or powders such as alumina or tungsten in order to adjust acoustic impedance. . In the example of FIG. 1, since the Fresnel acoustic lens 18 also functions as an acoustic matching layer, it is desirable to form it with such a material.
[0017]
In addition, an ink liquid holding chamber 19 is provided on the support member 11 to store and hold the ink liquid 20 with the Fresnel lens 18 as a bottom. The ink liquid holding chamber 19 is inclined so that the side walls surrounding the ink liquid 20 are aligned upward from both ends of the Fresnel lens, and the upper part thereof is closed by a cover plate 21 having a slit 21a. . Note that the upper surface of the ink liquid holding chamber 19 may directly form a slit without providing the cover plate 21.
[0018]
In the ink jet recording apparatus shown in FIG. 1, each individual electrode 13 formed on the lower surface of the piezoelectric body 12 has a length equivalent to the width of the piezoelectric body 12. However, the common electrode 14 formed on the upper surface of the piezoelectric body 12 is formed only on a portion excluding both ends of the piezoelectric body 12 so as to cover the effective width of the Fresnel lens 18 as an acoustic lens. Accordingly, the portion of the piezoelectric body 12 that functions as each piezoelectric element is only a region corresponding to the common electrode 14. In other words, the piezoelectric body 12 extends to both sides of the piezoelectric element, and the piezoelectric body 12 is supported by the support member 11 at the extended portion. Further, the groove 11 a provided in the support member 11 has a width substantially matched with the width of the common electrode 14. That is, the piezoelectric element composed of the portion of the piezoelectric body 11 sandwiched between the individual electrode 13 and the common electrode 14 has a groove 11a on the lower side thereof, that is, the lower side of the piezoelectric element has a hollow structure. Therefore, it is placed in a non-contact state with the support member 11. At the time of recording, a part of driving element groups of a plurality of piezoelectric elements divided by the individual electrodes 13 are simultaneously driven to focus ultrasonic waves near the ink liquid surface and cause ink droplets to fly. The ultrasonic wave radiated from the back surface to the back surface of the piezoelectric element is canceled by the air normally present in the groove 11a located on the back surface of the piezoelectric element, and is not reflected to the ink liquid 20 side. But it is not necessary to provide such a groove | channel 11a.
[0019]
In addition, the piezoelectric element array can be configured by individually manufactured piezoelectric elements. Further, the individual electrode can be disposed on the piezoelectric body, and the common electrode can be disposed below the piezoelectric body.
[0020]
Next, a basic example of a method for focusing an ultrasonic wave generated from a piezoelectric element and a method for driving the piezoelectric element in the inkjet recording apparatus will be schematically described.
First, as a method of focusing ultrasonic waves in the array arrangement direction (main scanning direction) of the piezoelectric elements divided into an array from the individual electrodes 13, a part of the piezoelectric elements in the piezoelectric element array is based on the Fresnel zone theory. At the same time, the phase of the ultrasonic wave emitted from each drive element is controlled to operate so that the intensity of the ultrasonic wave is locally increased in the vicinity of the ink liquid surface, that is, to focus. On the other hand, focusing of ultrasonic waves in a direction (sub-scanning direction) perpendicular to the arrangement direction of the piezoelectric elements is performed by an acoustic lens, here, a Fresnel lens 18.
[0021]
In this way, by focusing ultrasonic waves from two directions, ink droplets are ejected and ejected from any position on the ink liquid surface with ultrasonic pressure. Alternatively, by setting the focal position in the near field where the pressure of the ultrasonic beam is large, focusing of the ultrasonic beam in the main scanning direction is not taken into consideration, and a part of the drive element groups of the piezoelectric element array are in the same phase. There is also a driving method in which ink droplets are ejected by a method of driving simultaneously and focusing the ultrasonic beam by an acoustic lens in the sub-scanning direction. The flying position of the ink droplet can be changed by electronically scanning a group of piezoelectric elements that are simultaneously driven. Furthermore, by providing a plurality of the simultaneous drive element groups among the piezoelectric elements arranged in an array, a plurality of ink droplets can be simultaneously ejected.
[0022]
<First Embodiment>
FIG. 2 shows a configuration according to the first embodiment of the drive circuit 16 in the head section of the ink jet recording apparatus shown in FIG.
[0023]
The driving circuit (driving means) 16 according to the first embodiment includes a burst wave generator 31 that generates a burst wave having a phase of 1 at a predetermined frequency and a predetermined output duration. The burst generator 31 is connected on the one hand to the grounded common electrode 14 via a line L1 and on the other hand to an amplifier (power amplifier) 32 via a line L2.
[0024]
The amplifier 32 is connected to a switch corresponding to each individual electrode 13 via a line L3. In the example shown in FIG. 2, 17 individual electrodes 13 (13 (1) to 13 (17)) are provided, and therefore 17 switches (SW111 to SW127) are also provided. Each switch is connected to an individual electrode 13 (1) to 13 (17). Hereinafter, piezoelectric elements defined by the individual electrodes 13 (1) to 13 (17) will be denoted as T (1) to T (17).
[0025]
In the above configuration, in order to form one recording dot, 16 piezoelectric elements T (1) to T (16) are selected from the 17 piezoelectric elements T (1) to T (17). . Accordingly, the switch SW117 corresponding to the individual electrode 13 (17) of the piezoelectric element T (17) is turned off. Based on the Fresnel zone theory, the piezoelectric element group consisting of these 16 piezoelectric elements T (1) to T (16) is associated with the switches SW111 to SW126 so that the ultrasonic beam is focused in the main scanning direction. By opening and closing, two piezoelectric element subgroups, that is, eight piezoelectric elements T (2), T (4), T (7) to T (10), T (13), which are simultaneously driven in the same phase, A first subgroup switch composed of T (15) and eight piezoelectric elements T (1), T (3), T (5), T (6), T (11), and T (12) that are not driven. , T (14), and T (16).
[0026]
First, the same phase generated from the burst wave generator 31 (this is defined as 0 phase, and in FIG. 2, the individual electrode to which this 0 phase burst wave is applied is given a symbol “0”). The burst wave is amplified by the amplifier 32, and then the piezoelectric elements T (2), T (4), T (7) to T (10), T (13), T (15) belonging to the first subgroup. ) Are applied only to the individual electrodes 13 (2), 13 (4), 13 (7) to 13 (10) and 13 (15), respectively. A burst wave is not applied to the second subgroup, and a non-driving state is set.
[0027]
By driving the piezoelectric element in this manner, the influence of mutual induction between adjacent piezoelectric elements is reduced, and efficient and stable ink droplet flight can be achieved even with a low driving voltage.
[0028]
<Second Embodiment>
FIG. 3 shows a configuration according to the second embodiment of the drive circuit 16 in the head section of the ink jet recording apparatus shown in FIG.
[0029]
The driving circuit (driving means) 16 according to the second embodiment, instead of the zero-phase burst wave generator 31, displays a phase inverted by 180 degrees (this phase is indicated by π, and this is shown in FIG. The individual electrodes to which the π-phase burst wave is applied are given the symbol “π”.) The same configuration as the drive circuit of FIG. Have.
[0030]
In order to drive the piezoelectric element using the drive circuit 16 according to the second embodiment, contrary to the case of the first embodiment, the second that has not been driven in the first embodiment. Burst waves on eight piezoelectric elements T (1), T (3), T (5), T (6), T (11), T (12), T (14), and T (16) in the subgroup Eight piezoelectric elements T (2), T (1) of the first subgroup to which a burst wave of the same phase (π phase) from the generator 41 is applied and a zero-phase burst wave is applied in the first embodiment. 4) T (7) to T (10), T (13), and T (15) are not driven.
[0031]
Also in the second embodiment, as in the first embodiment, the influence of mutual induction between adjacent piezoelectric elements is reduced, and efficient and stable ink droplet flight can be achieved even at a low driving voltage. The
[0032]
<Third Embodiment>
FIG. 4 shows a configuration according to the third embodiment of the drive circuit 16 in the head section of the ink jet recording apparatus shown in FIG.
[0033]
The drive circuit (drive means) 16 according to the third embodiment has a configuration in which a switch connected to the ground line L4 is added to the drive circuit shown in FIG. Switches SW211 to SW227 corresponding to 1) to 13 (17) are added.
[0034]
The method of driving the piezoelectric elements using the drive circuit 16 according to the third embodiment is based on the eight piezoelectric elements T (1) belonging to the second subgroup that were not driven in the first embodiment. , T (3), T (5), T (6), T (11), T (12), T (14) and T (16), and the piezoelectric element T (17) which is not selected are switched to SW211. The same as the driving method in the first embodiment, except that selective grounding is performed by corresponding opening / closing of SW227 (the grounded individual electrode is denoted by “G” in FIG. 4). It is.
[0035]
In this way, by grounding the non-driven piezoelectric element, the piezoelectric element adjacent to the driving piezoelectric element is not applied with a voltage due to mutual induction due to the grounding effect, and therefore unnecessary for hindering the focusing of the ultrasonic wave. Since no ultrasonic waves are generated, efficient and stable flight of ink droplets is achieved.
[0036]
<Fourth embodiment>
FIG. 5 shows a configuration according to the fourth embodiment of the drive circuit 16 in the head unit of the ink jet recording apparatus shown in FIG.
[0037]
The driving circuit (driving means) 16 according to the fourth embodiment is the same as that of the third embodiment shown in FIG. 4 except that a π phase burst wave generator 41 is used instead of the 0 phase burst wave generator 31. The driving circuit has the same configuration.
[0038]
The method of driving the piezoelectric element using the drive circuit 16 according to the fourth embodiment is based on the eight subgroups belonging to the first subgroup that were not driven in the second embodiment. The piezoelectric elements T (2), T (4), T (7) to T (10), T (13), T (15) and the unselected piezoelectric element T (17) correspond to the switches SW211 to SW227. The driving method in the second embodiment is the same as that in the second embodiment except that selective grounding is performed by opening and closing (the grounded individual electrode is denoted by “G” in FIG. 5).
[0039]
In the fourth embodiment, the same effect as in the third embodiment can be obtained.
<Fifth embodiment>
FIG. 6 shows a configuration according to the fifth embodiment of the drive circuit 16 in the head unit of the ink jet recording apparatus shown in FIG.
[0040]
The driving circuit (driving means) 16 according to the fifth embodiment includes an arbitrary waveform burst wave generator 51 that generates a burst wave having an arbitrary waveform at a predetermined frequency and a predetermined output duration. The burst generator 51 is connected on the one hand to the grounded common electrode 14 via a line L11 and on the other hand to a phase inverter 52 via a line L12. From this phase inverter 52, two lines L13 and L14 are branched.
[0041]
On the one hand, the phase inverter 52 is connected to a first amplifier (power amplifier) 53 via a line L13, and this first amplifier 53 is connected to each piezoelectric element (total of 22 in FIG. 6) via a line L15. Are connected to the second amplifier (power amplifier) 54 via the line L14, and this second amplifier 54 is connected via the line L16. Each piezoelectric element is connected to a corresponding switch SW411 to SW432.
[0042]
Further, the drive circuit is provided with a ground line L17, and switches SW511 to SW532 corresponding to the respective piezoelectric elements connected to the line L17 are provided.
The switches SW311 and SW411 and SW511, SW312 and SW412 and SW512,... SW332, SW432 and SW532 are connected in common to the individual electrodes 13 (1) to 13 (22), respectively. Hereinafter, similarly to the above description, the piezoelectric elements defined by the individual electrodes 13 (1) to 13 (22) are denoted by reference characters T (1) to T (22).
[0043]
An example of driving a piezoelectric element using the drive circuit 16 having the above configuration will be described. First, a total of 6 piezoelectric elements at both ends are excluded from the 22 piezoelectric elements T (1) to T (22). The 16 piezoelectric elements T (4) to T (19) arranged continuously in the center are selected as a simultaneous drive group. Then, based on the Fresnel zone theory, the 16 piezoelectric elements are connected to two simultaneously driven subgroups by correspondingly opening and closing the switches SW314 to SW329 and SW414 to SW429 so that the ultrasonic beam is focused in the main scanning direction. That is, the first simultaneous drive subgroup consisting of a total of eight piezoelectric elements T (5), T (7), T (10) to T (13), T (16) and T (18), and the total A second simultaneous consisting of eight piezoelectric elements T (4), T (6), T (8), T (9), T (14), T (15), T (17) and T (19) Sort to drive subgroups.
[0044]
First, the burst wave generated from the burst wave generator 51 is separated into two burst waves whose phases are inverted by 180 degrees by the phase inverter 52. One of the first burst waves (this phase is indicated by 0, and the individual electrode to which the 0-phase burst wave is applied in FIG. And then applied to the individual electrodes 13 (5), 13 (7), 13 (10) to 13 (13), 13 (16) and 13 (18) of the piezoelectric element belonging to the first simultaneous drive subgroup. To do.
[0045]
The other second burst wave (this phase is represented by π, and the individual electrode to which this π phase burst wave is applied in FIG. After amplification, the individual electrodes 13 (4), 13 (6), 13 (8), 13 (9), 13 (14), 13 (15), 13 of the piezoelectric element belonging to the second simultaneous drive subgroup Apply to (17) and 13 (19).
[0046]
At this time, of the piezoelectric elements T (1) to T (3) and T (20) to T (22) that are not selected as the simultaneous driving group, the piezoelectric element T (3) adjacent to the piezoelectric element belonging to the simultaneous driving group. ) And T (20) are selectively grounded by turning on the switches SW513 and 530 (in FIG. 6, the grounded individual electrode is marked with a symbol “G”). The remaining piezoelectric elements T (1), T (2), T (21) and T (22) of the non-selected piezoelectric elements are placed in an electrically floating state.
[0047]
Thus, by grounding the non-driven piezoelectric element, generation of unnecessary ultrasonic waves based on mutual induction is suppressed, and ink droplets fly efficiently and stably.
FIG. 7 is related to FIG. 6 except that all of the non-driven piezoelectric elements T (1) to T (3) and T (20) to T (22) are grounded in the piezoelectric element driving method described with reference to FIG. It is a block diagram of the drive circuit 16 for demonstrating the drive method completely the same as the drive method demonstrated. Thus, by grounding all of the non-driven piezoelectric elements, ink droplets fly efficiently and stably even at a lower voltage.
[0048]
FIG. 8 is a driving method exactly the same as the driving method described with reference to FIG. 6 except that the piezoelectric elements selected as the simultaneous driving group are discontinuous piezoelectric elements in the driving method of the piezoelectric elements described with reference to FIG. FIG. 6 is a configuration diagram of a drive circuit 16 for explaining the above.
[0049]
That is, in this case, for example, piezoelectric elements T (3) to T (10) and T (12) to T (19) are selected as the simultaneous driving group, and the central piezoelectric element T (11) is a non-driving piezoelectric element. Element. As described with reference to FIG. 6, the piezoelectric elements T (3) to T (10) and T (12) to T (19) are used as the first simultaneous drive subgroup to which the zero-phase burst wave is applied. Piezoelectric elements T (4), T (6), T (9), T (10), T (12), T (13), T (16) and T (18) are applied with a π phase burst wave. Piezoelectric elements T (3), T (5), T (7), T (8), T (14), T (15), T (17) and T (19) as the second simultaneous driving subgroup ). As described with reference to FIG. 6, the piezoelectric element adjacent to the piezoelectric element belonging to the simultaneous drive group among the non-drive piezoelectric elements T (1) to T (2) and T (20) to T (22) at both ends. The elements T (2) and T (20) are selectively grounded by turning on the switches SW512 and 530, and similarly, a central non-driving piezoelectric element T (11) which is a piezoelectric element adjacent to the piezoelectric element of the simultaneous driving group. ) Also turns on the switch 521 and grounds it.
[0050]
Even with such a driving method, ink droplets fly efficiently and stably.
FIG. 9 illustrates a piezoelectric element driving method described with reference to FIG. 8. Of the non-driven piezoelectric elements T (1) to T (2) and T (20) to T (22) at both ends, the piezoelectric element T ( 1) and a drive circuit for explaining a drive method exactly the same as the drive method described with reference to FIG. 8 except that all of the non-drive piezoelectric elements are grounded by grounding T (21) and T (22). FIG. Thus, by grounding all of the non-driven piezoelectric elements, ink droplets fly efficiently and stably even at a lower voltage.
[0051]
As mentioned above, although embodiment of this invention was described with reference to drawings, this invention is not limited to this. For example, the same effect can be obtained by applying a DC voltage instead of the grounding means described with reference to FIGS.
[0052]
【Example】
Examples of the present invention will be specifically described below.
Example 1
In this example, an ink jet recording apparatus having a head having the structure shown in FIG. 1 was produced.
[0053]
First, tabular lead titanate (PbTiO Three ) Ti / Au was formed on one side of the ceramic piezoelectric body by sputtering to a thickness of 0.05 μm and 0.5 μm, respectively. Subsequently, an electric field of 4 kV / mm was applied to perform polarization treatment, thereby producing a piezoelectric ceramic element having ferroelectricity. The relative dielectric constant after polarization was about 215. Thereafter, individual electrodes 13 having a width of 60 μm and an electrode interval of 25 μm (arrangement pitch of 85 μm) were formed by chemical etching. On the other hand, after the Ti / Au array electrode 15 having a width of 60 μm and an electrode interval of 25 μm is formed on the glass support member 11, a depth of 0.1 mm is formed by machining in order to form a hollow structure with the piezoelectric element. A groove 11a having a size of 2 mm and a width of 2.2 mm was formed. Then, while aligning the individual electrode 13 formed on the ceramic piezoelectric body and the array electrode 15 formed on the glass under a microscope, the electrodes were bonded with an epoxy resin, and both electrodes were made conductive. Next, in order to set the frequency of the ultrasonic wave to 50 MHz, the ceramic piezoelectric body was polished to a thickness of 45 μm, and further, Al was electron beam evaporated to form the common electrode 14. At this time, the length of the electrode in the sub-scanning direction, that is, the aperture was 2 mm.
[0054]
For the acoustic matching layer / acoustic lens 18, a mixture of epoxy resin and alumina powder was used. First, the sound speed is 3 × 10 Three The mixing ratio is adjusted to be around m / second, and the density is 2.20 × 10 Three kg / m Three , Speed of sound 2.95 × 10 Three m / s was obtained. This was applied to the surface of the common electrode 14 and cured, and was polished to a thickness of about 45 μm. Thereafter, a Fresnel lens 18 was formed by forming a groove having a depth of ½ wavelength (about 30 μm) parallel to the main scanning direction so that the focal length was 1.8 mm. Then, a side wall (ink liquid holding chamber 19) having a distance of about 1.8 mm between the ultrasonic radiation surface and the ink liquid surface is formed, and a drive circuit 16 having the configuration shown in FIG. 2 is further mounted to complete the ink jet recording apparatus. did.
[0055]
Using the ink jet recording apparatus thus manufactured, an ink flight experiment was performed by the driving method according to the present invention.
That is, in order to form one recording dot, as described with reference to FIG. 2, in order to form one recording dot, 16 piezoelectric elements out of 17 piezoelectric elements T (1) to T (17) are formed. Elements T (1) to T (16) were selected. Then, based on the Fresnel zone theory, the simultaneous drive group consisting of these 16 piezoelectric elements T (1) to T (16) is simultaneously driven at 0 phase so that the ultrasonic beam is focused in the main scanning direction. A first subgroup consisting of eight piezoelectric elements T (2), T (4), T (7) to T (10), T (13), T (15), and eight piezoelectric elements that are not driven It was assigned to a second subgroup consisting of T (1), T (3), T (5), T (6), T (11), T (12), T (14), and T (16).
[0056]
A sine wave burst wave having a frequency of 50 MHz and an output duration of 30 μs was generated from the zero-phase burst wave generator 31, amplified by the amplifier 32, and then applied only to the piezoelectric elements of the first simultaneous drive subgroup.
[0057]
When the flying state of ink droplets was observed with an ultra-high speed camera, the output voltage of the burst generator 31 was required to be about 1.7 V in order for the ink droplets to fly stably. It was confirmed that an average voltage of about 17 V was applied to each of the piezoelectric elements.
[0058]
Example 2
An inkjet recording apparatus exactly the same as that of Example 1 was manufactured except that the drive circuit having the configuration shown in FIG.
[0059]
Using the ink jet recording apparatus thus manufactured, an ink flight experiment was performed by the driving method according to the present invention.
That is, as described with reference to FIG. 3, in order to form one recording dot, 16 piezoelectric elements T (1) to T (16) out of 17 piezoelectric elements T (1) to T (17). ) Was selected. Then, based on the Fresnel zone theory, eight simultaneous drive groups composed of these 16 piezoelectric elements T (1) to T (16) are not driven so that the ultrasonic beam is focused in the main scanning direction. A first subgroup consisting of piezoelectric elements T (2), T (4), T (7) to T (10), T (13), T (15), and eight piezoelectric elements T driven by π phase. (1), T (3), T (5), T (6), T (11), T (12), T (14), and the second subgroup consisting of T (16).
[0060]
A sine wave burst wave having a frequency of 50 MHz and an output duration of 30 μs was generated from the π phase burst wave generator 41, amplified by the amplifier 32, and then applied only to the piezoelectric elements of the second simultaneous drive subgroup.
[0061]
When the flying state of the ink droplets was observed with an ultra-high speed camera, the output voltage of the burst generating device 41 was required to be about 1.9 V in order for the ink droplets to fly stably. It was confirmed that an average voltage of about 19 V was applied to each of the piezoelectric elements.
[0062]
Comparative Example 1
An ink jet recording apparatus having the same configuration as in Example 1 was produced. In this case, the drive circuit includes an arbitrary waveform burst wave generator and a phase inverter.
[0063]
Ink flight experiments were conducted using the ink jet recording apparatus thus manufactured.
That is, as in Example 1, 16 piezoelectric elements T (1) to T (16) were selected from the 17 piezoelectric elements T (1) to T (17). Then, based on the Fresnel zone theory, the simultaneous drive group consisting of these 16 piezoelectric elements T (1) to T (16) is divided into 8 piezoelectric elements T so that the ultrasonic beam is focused in the main scanning direction. (2), T (4), T (7) to T (10), T (13), T (15) and another eight piezoelectric elements T (1), T (3), T (5), T (6), T (11), T (12), T (14), and the second subgroup consisting of T (16).
[0064]
A sine wave burst wave having a frequency of 50 MHz and an output duration of 30 μs is generated from an arbitrary waveform burst wave generator, inverted by a phase inverter, and one zero-phase burst wave is amplified by an amplifier in the same manner as in the first embodiment. Thereafter, the other π-phase burst wave was similarly amplified by an amplifier to all the piezoelectric elements of the first simultaneous driving subgroup and then applied to all the piezoelectric elements of the second simultaneous driving subgroup.
[0065]
When the flying state of the ink droplet was observed with an ultra-high speed camera, the output voltage of the arbitrary waveform burst generator was required to be about 2.0 V in order for the ink droplet to fly stably. It was confirmed that an average voltage of about 15 V was applied to each of the 16 piezoelectric elements.
[0066]
Comparative Example 2
In Example 1, all 16 piezoelectric elements selected as the simultaneous drive group were driven in either 0 phase or π phase. In this case, the voltage applied to each piezoelectric element was 20 V on average with respect to the output voltage 2.0 V of the burst wave generator.
[0067]
As can be seen from the results of Examples 1 and 2, when the piezoelectric elements of the simultaneous drive group are divided into two simultaneous drive subgroups based on Fresnel zonal theory, the ink droplet flying position (focal position) is the most. It was found that ink droplets fly more efficiently when the piezoelectric element group including the closer piezoelectric elements is simultaneously driven in the same phase. Further, when a predetermined piezoelectric element group is driven under the above conditions, a voltage of about 2 V is applied to the non-driving piezoelectric element adjacent to the driven piezoelectric element by the mutual induction with substantially the same phase. It was confirmed that
[0068]
Further, as can be seen from the results of Comparative Example 1 and Comparative Example 2, when the simultaneous drive element groups are all driven at the same phase, and when the two simultaneous drive element groups are distributed and the phases are reversed by 180.degree. In this case, the voltage applied to each piezoelectric element is different. As a cause, when the frequency is 50 MHz, the influence on the adjacent piezoelectric elements cannot be ignored. In particular, the phase between the adjacent piezoelectric elements is 180. When they are inverted, it is presumed that an interaction that lowers the applied voltage occurs.
[0069]
As described above, when Examples 1 and 2 are compared with Comparative Examples 1 and 2, in Comparative Examples 1 and 2, the number of simultaneously driven elements is large. Although the applied voltage may be low, the power supply voltage needs to be increased because the applied voltage is actually affected by the mutual induction between adjacent piezoelectric elements. On the other hand, in Examples 1 and 2, since the adverse effects due to mutual induction are small, stable flying of ink droplets can be achieved with a lower power supply voltage than in Comparative Examples 1 and 2.
[0070]
As described above, according to the present invention, a piezoelectric element group is selected based on the Fresnel zone theory so as to focus an ultrasonic beam in the main scanning direction, and these are simultaneously driven in the same phase, so that adjacent piezoelectric elements are It was confirmed that the influence of mutual induction was reduced and the flying efficiency of ink droplets was improved. Further, since a circuit configuration for giving a predetermined phase difference is not necessary, the drive circuit can be simplified and the manufacturing cost can be reduced.
[0071]
Example 3
An ink jet recording apparatus was manufactured according to the method of Example 1 except that the drive circuit having the configuration shown in FIG.
[0072]
Ink flight experiments were conducted using the ink jet recording apparatus thus manufactured.
That is, as described with reference to FIG. 4, in order to form one recording dot, 16 piezoelectric elements T (1) to T (16) among 17 piezoelectric elements T (1) to T (17). Selected. Then, based on the Fresnel zone theory, the simultaneous drive group consisting of these 16 piezoelectric elements T (1) to T (16) is simultaneously driven at 0 phase so that the ultrasonic beam is focused in the main scanning direction. A first subgroup consisting of eight piezoelectric elements T (2), T (4), T (7) to T (10), T (13), T (15), and eight piezoelectric elements that are not driven It was assigned to a second subgroup consisting of T (1), T (3), T (5), T (6), T (11), T (12), T (14), and T (16).
[0073]
A zero-phase burst wave having a frequency of 50 MHz and an output duration of 30 μs is generated from the zero-phase burst wave generator 31, amplified by the amplifier 32, and then applied only to the piezoelectric elements of the first simultaneously driven subgroup. At this time, the eight piezoelectric elements belonging to the second simultaneous drive subgroup and the piezoelectric element T (17) not selected were selectively grounded.
[0074]
When the flying state of ink droplets was observed with an ultra-high speed camera, the output voltage of the burst generator 31 was required to be about 1.4 V in order for the ink droplets to fly stably. It was confirmed that an average voltage of about 15 V was applied to each of the piezoelectric elements.
[0075]
Example 4
An ink jet recording apparatus was manufactured in the same manner as in Example 1 except that the drive circuit 16 having the configuration shown in FIG. 5 was used.
[0076]
Using the ink jet recording apparatus thus manufactured, an ink flight experiment was performed by the driving method according to the present invention.
That is, as described with reference to FIG. 5, in order to form one recording dot, 16 piezoelectric elements T (1) to T (16) out of 17 piezoelectric elements T (1) to T (17). ) Was selected. Then, based on the Fresnel zone theory, eight simultaneous drive groups composed of these 16 piezoelectric elements T (1) to T (16) are not driven so that the ultrasonic beam is focused in the main scanning direction. A first subgroup consisting of piezoelectric elements T (2), T (4), T (7) to T (10), T (13), T (15), and eight piezoelectric elements T driven by π phase. (1), T (3), T (5), T (6), T (11), T (12), T (14), and the second subgroup consisting of T (16).
[0077]
A sine wave burst wave having a frequency of 50 MHz and an output duration of 30 μs is generated from the π phase burst wave generator 41, amplified by the amplifier 32, and then applied only to the piezoelectric elements of the second simultaneous drive subgroup, At this time, the eight piezoelectric elements belonging to the first subgroup and the piezoelectric element T (17) not selected were selectively grounded.
[0078]
When the flying state of ink droplets was observed with an ultra-high speed camera, the output voltage of the burst generator 41 was required to be about 1.6 V in order for the ink droplets to fly stably. It was confirmed that an average voltage of about 16 V was applied to each of the piezoelectric elements.
[0079]
As can be seen from the results of Examples 3 to 4, when the non-driving piezoelectric element is grounded, the flying efficiency of the ink droplets is further improved as compared with the case where the non-driving piezoelectric element is not grounded (Examples 1 and 2). It was confirmed. Further investigation was conducted to investigate the cause. When a predetermined piezoelectric element group was driven under the above conditions, the grounded piezoelectric element adjacent to the driving piezoelectric element was caused by mutual induction due to the effect of grounding. No voltage application was seen. Therefore, unnecessary ultrasonic waves that disturb the focusing of the ultrasonic waves are not generated, and it is considered that the above-described further improvement in flight efficiency can be achieved. Similarly to the first and second embodiments, when the drive piezoelectric elements are distributed to two simultaneous drive subgroups based on the Fresnel zone theory, the piezoelectric element closest to the ink droplet flight position (focal position). It has been found that the ink droplets fly more efficiently when the piezoelectric element group including the same is simultaneously driven in the same phase.
[0080]
Example 5
An ink jet recording apparatus was manufactured in the same manner as in Example 1 except that the drive circuit having the configuration shown in FIG. 6 was used.
[0081]
Ink flight experiments were conducted using the ink jet recording apparatus thus manufactured.
That is, as described with reference to FIG. 6, in order to form one recording dot, a total of six piezoelectric elements at both ends are removed from the 22 piezoelectric elements T (1) to T (22), and the central continuous line is formed. Sixteen piezoelectric elements T (4) to T (19) arranged were selected as a simultaneous drive group. Then, based on the Fresnel zone theory, the 16 piezoelectric elements are divided into two simultaneously driven subgroups, that is, a total of 8 piezoelectric elements T (5), so that the ultrasonic beam is focused in the main scanning direction. A first simultaneous drive subgroup consisting of T (7), T (10) to T (13), T (16) and T (18), and a total of eight piezoelectric elements T (4), T (6) , T (8), T (9), T (14), T (15), T (17), and T (19).
[0082]
First, a sine burst wave having a frequency of 50 MHz and an output duration of 30 μs is generated from the burst wave generator 51, and this is converted into a zero-phase burst wave and a π-phase burst wave whose phases are inverted by 180 degrees by the phase inverter 52. After separating into two burst waves and amplifying one of the zero-phase burst waves by the amplifier 53, the individual electrodes 13 (5), 13 (7), 13 (10) of the piezoelectric elements belonging to the first simultaneous drive subgroup ) To 13 (13), 13 (16) and 13 (18). The other π-phase burst wave is amplified by the amplifier 54, and then the individual electrodes 13 (4), 13 (6), 13 (8), 13 (9) of the piezoelectric elements belonging to the second simultaneous drive subgroup. , 13 (14), 13 (15), 13 (17) and 13 (19). At this time, of the piezoelectric elements T (1) to T (3) and T (20) to T (22) not selected as the simultaneous drive group, the piezoelectric element T (3) adjacent to the piezoelectric element belonging to the simultaneous drive group. ) And T (20) only were selectively grounded.
[0083]
When the flying state of the ink droplets was observed with an ultra-high speed camera, the output voltage of the burst generator 51 was required to be about 1.4 V in order for the ink droplets to fly stably. It was confirmed that an average voltage of about 14 V was applied to each of the piezoelectric elements.
[0084]
Example 6
An ink flying experiment was performed in the same manner as in Example 5 except that the piezoelectric element was driven by the method described with reference to FIG.
[0085]
That is, under the driving conditions of Example 5, all of the non-driving piezoelectric elements T (1) to T (3) and T (20) to T (22) were grounded.
When the flying state of the ink droplets was observed with an ultra-high speed camera, the output voltage of the burst generator was required to be about 1.3 V in order for the ink droplets to fly stably. It was confirmed that an average voltage of about 13 V was applied to each of the piezoelectric elements.
[0086]
Comparative Example 3
Ink droplets were ejected under exactly the same driving conditions as in Example 5 except that the non-driving piezoelectric elements T (1) to T (3) and T (20) to T (22) were not grounded.
[0087]
When the flying state of the ink droplets was observed with an ultra-high speed camera, the output voltage of the burst generator 51 was required to be about 1.7 V in order for the ink droplets to fly stably. It was confirmed that an average voltage of about 17 V was applied to each of the piezoelectric elements.
[0088]
As can be seen from the results of Examples 5 to 6 and Comparative Example 3, compared to Comparative Example 3 in which all of the non-driving piezoelectric elements are in a floating state, Examples 5 to 5 in which part or all of the non-driving piezoelectric elements are grounded. In No. 6, it was found that the power supply voltage necessary for the ink droplets to stably fly and the voltage applied to the piezoelectric element were small, and the ink droplet flying efficiency was improved. Further, when all non-driving piezoelectric elements are grounded (Example 6) than when a part of the non-driving piezoelectric elements is grounded (Example 5), the ink droplet flying efficiency is further increased. I was able to confirm.
[0089]
Further investigation was conducted to investigate the mechanism of such a phenomenon. As a result, in Example 6, no voltage was applied to the non-driving piezoelectric elements by mutual induction by grounding all the non-driving piezoelectric elements. In Example 5, no voltage was applied to the non-driven piezoelectric element that was grounded, but a voltage of about 0.2 to 0.5 V was applied to the non-driven piezoelectric element that was not grounded. I understood that. On the other hand, in Comparative Example 3, a voltage of about 0.2 to 2 V was applied to the non-driving piezoelectric element by mutual induction from the driving piezoelectric element. It was confirmed that the induced voltage increased as it was closer to the driving piezoelectric element, and in particular, a voltage of 2 V was applied to the non-driving piezoelectric element adjacent to the driving piezoelectric element.
[0090]
From the above examination results, when the non-driving piezoelectric element is electrically floated as in Comparative Example 3, the non-driving piezoelectric element is driven due to the mutual induction from the driving piezoelectric element to the non-driving piezoelectric element. It is considered that the ejection efficiency of ink droplets is lowered because unnecessary ultrasonic waves that disturb the focusing of the ultrasonic waves are generated. On the other hand, by grounding the non-driven piezoelectric element as in Examples 5 to 6, it is considered that the generation of unnecessary ultrasonic waves can be suppressed and the flying efficiency of ink droplets is improved. As described above, the piezoelectric elements of the simultaneous drive group are divided into a plurality of simultaneous drive subgroups based on the Fresnel zone theory so that the ultrasonic beam is focused in the main scanning direction, and a predetermined phase difference is assigned to them. In the case of simultaneous driving by giving, grounding a part or all of the non-driving piezoelectric elements can improve the flying efficiency and flying stability of the ink droplets.
[0091]
Example 7
An ink flying experiment was performed in the same manner as in Example 5 except that the piezoelectric element was driven by the method described with reference to FIG.
[0092]
That is, in order to form one recording dot, as described with reference to FIG. 8, the piezoelectric elements T (3) to T (10) and T (12) to T (19) are selected as the simultaneous drive groups. The central piezoelectric element T (11) is a non-driven piezoelectric element. These piezoelectric elements T (3) to T (10) and T (12) to T (19) are piezoelectric elements T (4), T as a first simultaneous driving subgroup to which a zero-phase burst wave is applied. (6), T (9), T (10), T (12), T (13), T (16) and T (18), and the second simultaneous driving subgroup to which the π-phase burst wave is applied As piezoelectric elements T (3), T (5), T (7), T (8), T (14), T (15), T (17) and T (19). And among the non-driving piezoelectric elements T (1) to T (2) and T (20) to T (22) at both ends, the piezoelectric elements T (2) and T (2) adjacent to the piezoelectric elements belonging to the simultaneous driving group. 20) was selectively grounded, and similarly, the central non-driving piezoelectric element T (11), which is a piezoelectric element adjacent to the piezoelectric element of the simultaneous driving group, was also grounded.
[0093]
When the flying state of the ink droplets was observed with an ultra-high speed camera, the output voltage of the burst generator 51 was required to be about 1.8 V in order for the ink droplets to fly stably. It was confirmed that an average voltage of about 18 V was applied to each of the piezoelectric elements.
[0094]
Example 8
As described with reference to FIG. 9, an ink flight experiment was performed in exactly the same way as in Example 7, except that the non-driving piezoelectric elements T (1), T (21), and T (22) were also grounded.
[0095]
When the flying state of the ink droplets was observed with an ultra-high speed camera, the output voltage of the burst generator 51 was required to be about 1.7 V in order for the ink droplets to fly stably. It was confirmed that an average voltage of about 17 V was applied to each of the piezoelectric elements.
[0096]
Comparative Example 4
Ink droplets fly under exactly the same driving conditions as in Example 7 except that the non-driving piezoelectric elements T (1) to T (2), T (20) to T (22), and T (11) were not grounded. I let you.
[0097]
When the flying state of ink droplets was observed with an ultra-high speed camera, the output voltage of the burst wave generator 51 was required to be about 2.3 V in order for the ink droplets to fly stably. It was confirmed that an average voltage of about 23 V was applied to each of the piezoelectric elements.
[0098]
As can be seen from the results of Examples 7 to 8, the effect of the present invention is more remarkable when there is a piezoelectric element that is not selected in the array of simultaneously driven elements selected from the piezoelectric element array. That is, when Comparative Example 3 in which all of the non-driving piezoelectric elements are in a floating state is compared with Examples 7 to 8 in which part or all of the non-driving piezoelectric elements are grounded, it is necessary for ink droplets to fly stably. It has been found that the difference between the power supply voltage and the voltage applied to the piezoelectric element is further increased, and the ink droplet flight efficiency is further improved by the effect of the present invention. In addition, it was confirmed that the flying efficiency of the ink droplets was further improved when all the non-driving piezoelectric elements were grounded than when some of the non-driving piezoelectric elements were grounded.
[0099]
Further investigation was conducted to investigate the mechanism of such a phenomenon. As a result, in Example 8, no voltage was applied to the non-driving elements by mutual induction by grounding all the non-driving elements. In Example 7, no voltage was applied to the non-driven element that was grounded, but it was found that a voltage of about 0.2 to 0.5 V was applied to the non-driven element that was not grounded. .
[0100]
From the above examination results, when non-selected piezoelectric elements are generated in the array of simultaneous driving elements selected from the piezoelectric element array, the non-driving piezoelectric elements are brought into an electrically floating state as in Comparative Example 4. In particular, the effect of mutual induction on the non-driving piezoelectric element having the driving piezoelectric element on both sides becomes remarkable, and it is considered that the flying efficiency of the ink droplet is further reduced by increasing the intensity of unnecessary ultrasonic waves. . On the other hand, in Examples 7 to 8, it is considered that the generation of unnecessary ultrasonic waves can be suppressed and the flying efficiency of ink droplets can be improved by grounding the non-driven piezoelectric element.
[0101]
As described above, the simultaneous drive group is selected, and the ultrasonic beam is focused in the main scanning direction, and is distributed to the simultaneous drive subgroup based on the Fresnel annular zone theory. When simultaneously driving with a predetermined phase difference, if there are unselected piezoelectric elements in the array of simultaneous driving groups selected from the piezoelectric element array, ground all or part of the undriven piezoelectric elements. Thus, it was found that the flying efficiency and flying stability of the ink droplets can be further improved.
[0102]
Example 9
In Examples 3 to 8, ink droplets were ejected in the same manner except that a DC voltage was applied instead of grounding. As a result, the same effects as those of the examples were obtained.
[0103]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in the simultaneous drive group consisting of the selected piezoelectric elements, a part thereof is simultaneously driven in the same phase and the other piezoelectric elements are not driven, and the non-driven piezoelectric element is also driven. A part or all of them are grounded, or a DC voltage is applied to them, or the selected simultaneous drive group is divided into a plurality of simultaneous drive subgroups to drive each with a phase difference. By grounding all or part or applying a DC voltage, generation of unnecessary ultrasonic waves due to mutual induction from the driving piezoelectric element to the non-driving piezoelectric element is suppressed, and the drop efficiency of ink droplets is prevented from being lowered. be able to.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view of a head portion of an ink jet recording apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing a configuration of a drive circuit according to the first embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing a configuration of a drive circuit according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a diagram showing a configuration of a drive circuit according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a diagram showing a configuration of a drive circuit according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing a configuration of a drive circuit according to a fifth embodiment of the present invention.
7 is a diagram for explaining another driving method of the piezoelectric element using the driving circuit shown in FIG. 6;
8 is a view for explaining still another method for driving a piezoelectric element using the drive circuit shown in FIG. 6;
FIG. 9 is a view for explaining still another method for driving a piezoelectric element using the drive circuit shown in FIG. 6;
[Explanation of symbols]
11: Support member
11a ... groove
12 ... Piezoelectric material
13 ... Individual electrode
14 ... Common electrode
15 ... Array electrode
16 ... Drive circuit
18 ... Ultrasonic focusing means
19 ... Ink liquid holding chamber
21a ... Slit
20 ... Ink liquid
31, 41, 51 ... Burst wave generator
32, 53, 54 ... amplifier
52. Phase inverter
SW111-SW127 ... switch
SW211 to SW227 ... switch
SW311-332 ... switch
SW411-432 ... switch
SW511-532 ... switch
L4, L17 ... Ground line

Claims (3)

インク液を保持するインク液保持室と、
所定間隔で配列された複数の圧電素子によって構成される圧電素子アレイを含み、前記インク液と音響的に接続される超音波発生手段と、
前記圧電素子から発生される複数の超音波ビームが前記インク液の液面近傍に集束するように、前記圧電素子アレイを構成する圧電素子の中から複数の同時駆動圧電素子を1つの記録ドットを形成するための同時駆動グループとして選択し、該同時駆動グループの圧電素子の一部のみを同一位相で同時駆動させるとともに該同時駆動グループの残りの圧電素子を非駆動状態に設定する駆動手段
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
An ink liquid holding chamber for holding ink liquid;
An ultrasonic wave generating means including a piezoelectric element array composed of a plurality of piezoelectric elements arranged at a predetermined interval and acoustically connected to the ink liquid;
A plurality of simultaneously driven piezoelectric elements are arranged as one recording dot from the piezoelectric elements constituting the piezoelectric element array so that a plurality of ultrasonic beams generated from the piezoelectric elements are focused near the liquid surface of the ink liquid. selected as simultaneous driving group to form sets Rutotomoni is simultaneously driven only a part of the piezoelectric element of identity during driving groups in the same phase, the remaining piezoelectric elements of identity during driving groups in the non-driven state drive means An ink jet recording apparatus comprising:
インク液を保持するインク液保持室と、
所定間隔で配列された複数の圧電素子によって構成される圧電素子アレイを含み、前記インク液と音響的に接続される超音波発生手段と、
前記圧電素子から発生される複数の超音波ビームが前記インク液の液面近傍に集束するように、前記圧電素子アレイを構成する圧電素子の中から複数の同時駆動圧電素子を1つの記録ドットを形成するための同時駆動グループとして選択し、該同時駆動グループの圧電素子の一部のみを同一位相で同時駆動させ、該同時駆動グループの残りの圧電素子を駆動させずにその圧電素子の一部または全部を接地させるか直流電圧を印加する駆動手段
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
An ink liquid holding chamber for holding ink liquid;
An ultrasonic wave generating means including a piezoelectric element array composed of a plurality of piezoelectric elements arranged at a predetermined interval and acoustically connected to the ink liquid;
A plurality of simultaneously driven piezoelectric elements are arranged as one recording dot from the piezoelectric elements constituting the piezoelectric element array so that a plurality of ultrasonic beams generated from the piezoelectric elements are focused near the liquid surface of the ink liquid. Select as a simultaneous drive group to form, drive only a part of the piezoelectric elements of the simultaneous drive group at the same phase simultaneously, and drive a part of the piezoelectric elements without driving the remaining piezoelectric elements of the simultaneous drive group Alternatively, an ink jet recording apparatus comprising driving means for grounding all or applying a DC voltage.
インク液を保持するインク液保持室と、
所定間隔で配列された複数の圧電素子によって構成される圧電素子アレイを含み、前記インク液と音響的に接続される超音波発生手段と、
前記圧電素子アレイを構成する圧電素子の中から複数の同時駆動圧電素子を1つの記録ドットを形成するための同時駆動グループとして選択し、前記複数の同時駆動圧電素子を複数の同時駆動サブグループに振り分け、前記同時駆動サブグループの各々に位相差を与えた駆動信号を印加して同時駆動させ、かつ該同時駆動グループにおいて駆動させない圧電素子を設定し、その一部または全部を接地させるか直流電圧を印加することによって前記同時駆動グループの同時駆動圧電素子から発生される超音波を前記インク液の液面に集束させる駆動手段
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
An ink liquid holding chamber for holding ink liquid;
An ultrasonic wave generating means including a piezoelectric element array composed of a plurality of piezoelectric elements arranged at a predetermined interval and acoustically connected to the ink liquid;
A plurality of simultaneously driven piezoelectric elements are selected from among the piezoelectric elements constituting the piezoelectric element array as a simultaneously driven group for forming one recording dot, and the plurality of simultaneously driven piezoelectric elements are selected as a plurality of simultaneously driven subgroups. sorting, wherein applying a respective drive signal to give a phase difference to the simultaneously driven sub-group is simultaneously driven by, and to set the piezoelectric element is not driven in of identity when driving group, a DC or to ground the part or all of its An ink jet recording apparatus, comprising: a driving unit configured to focus ultrasonic waves generated from the simultaneously driven piezoelectric elements of the simultaneously driven group on a liquid surface of the ink liquid by applying a voltage.
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