JP3715582B2 - Magnetic material - Google Patents
Magnetic material Download PDFInfo
- Publication number
- JP3715582B2 JP3715582B2 JP2002086683A JP2002086683A JP3715582B2 JP 3715582 B2 JP3715582 B2 JP 3715582B2 JP 2002086683 A JP2002086683 A JP 2002086683A JP 2002086683 A JP2002086683 A JP 2002086683A JP 3715582 B2 JP3715582 B2 JP 3715582B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- magnetic
- temperature
- magnetic field
- tesla
- refrigeration
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H01—ELECTRIC ELEMENTS
- H01F—MAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
- H01F1/00—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties
- H01F1/01—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials
- H01F1/012—Magnets or magnetic bodies characterised by the magnetic materials therefor; Selection of materials for their magnetic properties of inorganic materials adapted for magnetic entropy change by magnetocaloric effect, e.g. used as magnetic refrigerating material
- H01F1/015—Metals or alloys
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁性材料に係り、特に、常温域において、比較的低い磁場を用いて磁気冷凍を実現することができる磁性材料に係る。
【0002】
【従来の技術】
現在、人間の日常生活に密接に関係する常温域の冷凍システム、例えば、冷蔵庫、冷凍庫及び空調には、気体の圧縮膨張サイクルが主として使用されている。しかし、気体の圧縮膨張サイクルに関しては、特定フロンガスの排出に伴う環境破壊が大きな問題となり、更に、代替フロンガスについてもその環境への影響が懸念されている。このような背景から、作業ガスの廃棄に伴う環境破壊の問題がない、クリーンで且つ効率の高い冷凍技術の実用化が求められている。
【0003】
近年、このような環境配慮型で且つ効率の高い冷凍技術の一つとして、磁気冷凍への期待が高まり、常温域を対象とした磁気冷凍技術の研究開発が活発化して来ている。磁気冷凍では、磁気熱量効果(磁性物質に対して断熱状態で外部磁場を変化させると、その温度が変化する現象)を応用して、以下のように低温を生成している。
【0004】
磁性物質では、磁場印加時の状態と磁場除去時の状態の間で、電子磁気スピン系の自由度の相違に起因してエントロピーが変化する。このようなエントロピーの変化に伴い、電子磁気スピン系と格子系との間でエントロピーの移動が起こる。磁気冷凍では、大きな電子磁気スピンを持った磁性物質を使用し、磁場印加時と磁場除去時の間での大きなエントロピーの変化を利用して、電子磁気スピン系と格子系との間でエントロピーの授受を行わせ、これによって低温を生成している。
【0005】
なお、1K以上の温度領域において、「磁性物質」とは、通常、電子スピンに起因する磁性を示す物質を指す。これに対して、数mK以下の温度領域では、核スピンに起因する磁性が相対的に顕在化する。例えば、PrNi5を用いて27μKという超低温を生成したことが報告されている。以下において、特に断らない限り、「磁性物質」とは電子スピンに起因する磁性を示す物質を指すものとし、対象とする温度領域は1K以上とする。
【0006】
1900年代前半に、磁気熱量効果を有する磁性物質として、Gd2(SO4)38H2Oなどの常磁性塩や、Gd3Ga5O12(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット;“GGG”)に代表される常磁性化合物を用いた磁気冷凍システムが開発された。但し、常磁性物質を用いた磁気冷凍システムは、ほとんどの場合、20K以下の極低温領域に適用されていた。その理由は、温度上昇に伴い格子振動が増大することに伴い、電子磁気スピン系の自由度を変化させるために必要な外部磁場の大きさも増大するので、超伝導磁石を用いて得ることができる10テスラ程度の磁場を前提にした場合、常磁性物質を用いて磁気冷凍を実現できる温度が極低温領域に限定されるからである。
【0007】
これに対して、より高温域での磁気冷凍を実現すべく、1970年代以降、強磁性物質における常磁性状態と強磁性状態との間の磁気相転移を利用した磁気冷凍の研究が盛ん行われた。その結果、Pr、Nd、Dy、Er、Tm、Gdなどのランタン系列の希土類元素単体や、Gd−Y、Gd−Dyのような二種以上の希土類合金系材料、RAl2(Rは希土類元素を表す、以下において同じ)、RNi2、GdPd等の希土類金属間化合物など、単体体積当たりの電子磁気スピンが大きな希土類を含有する磁性物質が数多く提案されている。
【0008】
これらの強磁性物質では、強磁性相転移温度(キュリー温度;Tc)の近傍において外部磁場を印加することによって、電子磁気スピンを常磁性状態から強磁性状態へ磁気相転移させ、そのときのエントロピー変化を利用して磁気冷凍を実現している。従って、適用温度領域は、それぞれの磁性物質の強磁性相転移温度(Tc)の近傍に制約されるが、外部磁場の大きさは、磁気相転移を行わせるために必要な程度で良く、20Kよりも遥かに高い温度域においても作り出すことができる範囲内に収まる。
【0009】
1974年、米国の Brown は、強磁性相転移温度(Tc)が約294Kの強磁性物質Gdの板を用いて、室温域において磁気冷凍を初めて実現した。しかしながら、Brown の実験では、高温側から低温側まで一体物のGdの板を使用していたため冷凍サイクルを連続的に運転したものの、冷凍サイクル中での熱交換の安定性などについて問題があった。
【0010】
ここで、20Kより遥かに高い中温から室温域における磁気冷凍には、本質的な問題があった。即ち、温度が上昇するに伴い格子振動が盛んとなり、100〜150K以上の温度領域では、電子磁気スピン系が持つ磁気エントロピーに対して格子エントロピーが相対的に大きくなる。このため、外部磁場を変化させることによって電子磁気スピン系と格子系との間でエントロピーの授受を行わせても、磁気熱量効果、即ち、物質の温度低下(ΔTad)は微小なものに留まる。
【0011】
1982年、米国の Barclay は、これまで中温から室温域(または、それ以上の温度域であって、磁気エントロピーに対して格子エントロピーが相対的に大きくなってくる温度域)における磁気冷凍にとって阻害要因として位置付けられていた格子エントロピーを、むしろ積極的に利用することを思い付き、磁気物質に、磁気熱量効果による磁気冷凍作業に加えて、この磁気冷凍作業により生成された冷熱を蓄える蓄熱効果を同時に担わせる冷凍方式を提案した( US-Pat.4,332,135 )。この磁気冷凍方式は、AMR方式(“ Active Magnetic Refrigeration ”)と呼ばれている。
【0012】
1997年、米国の Zimm、Gschneidner、Pecharsky らは、細かい球形状のGdが充填された充填筒を用いてAMR方式の磁気冷凍機を試作し、室温域における磁気冷凍サイクルの連続定常運転に成功した( Advances in Cryogenic Engineering , Vol.43 (1998) 1759 )。これによると、室温域で、超伝導磁石を使用して、外部磁場を0テスラから5テスラへ変化させることによって、約30℃の冷凍に成功し、高温端と低温端の間の冷凍温度差(ΔT)が13℃の場合に、非常に高い冷凍効率(COP=15;但し、磁場発生手段への投入パワーを除く)を得たことが報告されている。因みに、従来のフロンを用いた圧縮膨張サイクル(家庭用冷蔵庫など)における冷凍効率(COP)は、1〜3程度である。ここに、COPの値は冷凍温度域に依存して変化し、また、異なる冷凍システム間で比較する際には、その定義を厳密に揃えて扱う必要があるものの、上記の例から、磁気冷凍は高い冷凍効率を実現できる冷凍方式として大いに期待できることが判る。
【0013】
上述のGdを用いたAMRサイクルの磁気冷凍システムの技術実証に加え、米国の Pecharsky、Gschneidner らは、1997年、室温領域において非常に大きなエントロピー変化が得られる磁性物質としてGd5(Ge,Si)4系を開発した( US-Pat.5,743,095 )。例えば、Gd5(Ge0.5Si0.5)4では、約277Kにおいて外部磁場を0から5テスラに変化させた場合に、約20J/(kg・K)のエントロピー変化(ΔS)を示し、0から2テスラに変化させた場合に、約15J/(kg・K)のエントロピー変化(ΔS)を示す。即ち、室温近傍で、Gdの2倍以上の大きなエントロピー変化が観察されている。
【0014】
しかしながら、上述の Zimm、Gschneidner、Pecharsky らの例では、磁気冷凍作業用の磁性材料であるGdに、2〜5テスラ程度の大きな外部磁場を印加するために、超伝導磁石が使用されている。現状では、超伝導磁石を動作させるために10K程度の極低温環境が必要となるので、システムが大型化するという問題が生ずる。更に、超伝導磁石を使用する場合には、液体ヘリウムなどの寒剤を使用するか、あるいは極低温生成用の冷凍機が必要となるので、そのようなシステムを冷凍や空調などの日常的な用途へ適用することは現実的ではない。
【0015】
また、超伝導磁石の他に大きな磁場を発生する手段として、大容量の電磁石がある。しかし、電磁石を用いる場合には、大電流の投入やジュール発熱に対する水冷却が必要になり、システムの大型化を招き、運転コストもかさむ。従って、超伝導磁石の場合と同様に、電磁石を用いるシステムを、日常的な用途へ適用することは現実的ではない。
【0016】
なお、小型で簡便な磁場発生手段として永久磁石が有る。しかし、永久磁石を用いて2〜5テスラ程度の大きな磁場を発生させることは困難である。NdFeB系の永久磁石を用い、Gdを磁気冷凍作業用の磁性材料として用いた実験結果が報告されているが、磁場が小さいため、室温域での冷却温度が1.6℃と非常に小さく、従来の気体の圧縮膨張サイクルによる冷凍能力との間には大きな乖離がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような常温域における磁気冷凍技術の問題点に鑑み成されたものである。本発明の目的は、常温域において、比較的低い磁場を用いて磁気冷凍を実現することができる磁気冷凍作業用の磁性材料を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の磁性材料は、一部の温度領域のみにおいて、永久磁石を用いて形成される磁場の強度範囲内に、磁化曲線の磁場に対する二回微分係数が正から負に変わる変曲点を持つことを特長とする。
【0019】
好ましくは、本発明の磁性材料は、200K以上350K以下の温度領域の一部のみにおいて、1テスラ以下の磁場の強度範囲内に、磁化曲線に上記の変曲点を持つことを特長とする。
【0020】
本発明によれば、上記の条件に適合する磁化曲線を有する磁性材料に対して、変曲点を示す温度の近傍で、永久磁石を用いて外部磁場を印加し、その外部磁場の値を変化させることによって、電子磁気スピン系と格子系との間でエントロピーの授受を行わせ、磁気冷凍を実現することができる。
【0021】
本願の発明者らは、200Kから350K程度の常温(即ち、ドライアイスから湯程度の日常生活に密接に関わる温度)の範囲内において、且つ1テスラ以下の比較的低い磁場の強度範囲内で、磁化曲線に上記のような変曲点を出現させるための一つの手段として、強磁性的な磁気相互作用と反強磁性的な磁気相互作用を競合させることが有効であることを見出した。磁化曲線に上記のような変曲点が現れる理由は、次のように考えられる。強磁性的な磁気相互作用と反強磁性的な磁気相互作用を競合させることによって、磁気的にエネルギーの近い複数の電子状態が形成される。このような電子状態の相互の関係は、磁場の印加によって変化する。このため、磁場の印加によって物質系の内部で部分的あるいは全体的に磁気配列が変化し、その結果、磁化曲線に変曲点が現れる。
【0022】
ここで重要なポイントは、200Kから350K程度の常温域において、電子状態間のエネルギーの関係が微妙な状態を形成することである。このような特殊の状態を形成することにより、比較的低い磁場の印加によって大きなエントロピー変化を得ること、即ち、効率の高い磁気冷凍を実現することが初めて可能になる。
【0023】
更に、磁性材料を用いて実際に磁気冷凍を行う場合には、磁場の変化(ΔH)に伴うエントロピー変化量ΔS(T,ΔH)の大きさのみではなく、エントロピー変化量のピークが現れる温度幅も重要な要素である。即ち、たとえ大きなエントロピー変化が得られるとしても、非常に狭い温度範囲(例えば、1〜2K程度)でしか得られないときには、磁気冷凍サイクルの運転を安定的に行うことはできない。即ち、冷凍サイクルの定常状態が成立しないか、または、成立したとしても冷凍機としての能力が極めて低くなってしまう。
【0024】
例えば、AMR方式の磁気冷凍の場合、磁性材料が磁気冷凍機能と同時に蓄熱機能を担うので、冷凍サイクルの定常運転時には磁気冷凍作業室の内部に温度勾配が生じる。即ち、運転の開始時に、磁気冷凍作業室内で磁性材料の温度がほぼ一様になっていたとしても、冷凍サイクルを繰り返すことによって、磁気冷凍作業室内に徐々に温度勾配が生じ、磁気冷凍作業室の両端部は、それぞれ高温端及び低温端となる。このため、磁気冷凍作業室内の磁性材料は、その位置によってそれぞれ異なる範囲の温度サイクルで働き、定常運転時にはそれぞれの温度サイクルも定常状態となる。ここで、磁性材料が、非常に狭い温度範囲(例えば、1〜2K程度)でのみエントロピー変化量にピークが現われるものである場合には、この狭い温度範囲にあるときのみしか冷凍サイクルが成立しない。従って、大きな冷凍温度差(例えば、10K〜20K、またはそれ以上)の運転を安定的に行うことは困難である。
【0025】
なお、この定常運転時の温度勾配に合わせて、磁気冷凍作業室の高温端から低温端に、それぞれの温度域でエントロピー変化量のピークを示す磁性材料を順に配置することも考えられる。しかし、運転の開始から、冷凍サイクルの繰り返しに従い、異なる温度サイクルを経て徐々に定常状態に近付くので、定常運転時における温度振幅よりも広い温度範囲においてエントロピー変化が出現する物質であることが要求される。
【0026】
以上のような理由から、磁気冷凍作業用の磁性材料では、エントロピー変化量が大きいことと共に、エントロピー変化量にピークが現われる温度幅が広いことが要求される。なお、エントロピー変化量のピークの温度幅とは、半値幅ではなく、ピークの裾幅を指す。実際の温度サイクルの中では、ピークの実効的な温度幅が効くからである。ここで、ピークの実効的な温度幅とは、裾部分でエラーレベルを取り除いたときピーク幅である。
【0027】
特定の外部磁場変化ΔHに対する温度Tにおけるエントロピーの変化量(温度依存性)をΔS(T,ΔH)とし、そのピーク値をΔSmaxとしたとき、ピークの実効的な温度幅は、次のように定義される:ΔSmaxの10分の1の値を裾レベル基準として、ΔS(T,ΔH)>0.1*ΔSmaxとなる温度Tの範囲、または、0.1*ΔSmax>1[J/(kg,K)]の条件が満たされる場合には、1[J/(kg,K)]を裾レベル基準として、ΔS(T,ΔH)>1[J/(kg,K)]となる温度Tの範囲。
【0028】
単一の磁性材料を用いて磁気冷凍サイクルを実現するためには、エントロピー変化量ΔS(T,ΔH)のピークの実効的な温度幅は、少なくとも3K以上であることが必要である。好ましくは、その実効的な温度幅として5K程度以上、更に好ましくは8K以上確保する必要がある。
【0029】
更に、上記のエントロピー変化量のピークに関しては、温度ヒステリシスが無いことが好ましく、仮に有ったとしても、8K以下、好ましくは3K以下、より好ましくは1K以下である。
【0030】
しかしながら、これまでの研究では、しばしば、エントロピー変化量とそのピークの温度幅の間にはトレードオフの関係が見られるので、両者のバランスをうまく調整することが重要になる。
【0031】
エントロピー変化のピークの幅が1〜2K程度と狭い場合には、実用に適うようにピーク幅を広げる手段として、若干の組成ゆらぎを持たせることが有効である。若干の組成ゆらぎを与えることによって、磁性物質そのものの物理的特性を大きく変えることなく、ミクロな部分部分における電子状態バランスを僅かに変化させ、変曲点の現れる温度をミクロな領域で分布させることができる。その結果、磁性物質のエントロピー変化のピーク幅を広げることが可能になる。
【0032】
また、金属組織で見たときに、主相に対して、主相とは結晶構造の異なる第二相を少量析出させることにより、前記と同様に、磁性物質そのものの物理的特性を大きく変えることなく、エントロピー変化のピーク幅を広げることも可能である。このような第二相は、例えば30体積%以下であれば実用上問題は無く、ΔSのピーク幅を広げることが可能である。
【0033】
なお、具体的な方法として、所定の組成から僅かにずらした仕込み組成にすることや、添加元素を僅かに加えることや、合成時の金属溶融状態から急激に冷却することなどを挙げることができる。
【0034】
ここで、大きなエントロピー変化を得るためには、磁性物質の内部自由度が大きいことが要求される。磁性物質の磁気的な内部自由度を大きくするためには、Fe、Ni、Co、Mn、Crなどの遷移金属元素や、Pr、Nd、Gd、Tb、Dy、Er、Ho、Tmなどの希土類元素を、主たる構成元素として使用することが好ましい。
【0035】
更に、200Kから350K程度の常温域において、1テスラ以下の低い磁場の範囲で、磁化曲線に上記のような変曲点を出現させるためには、Fe、Ni、Co、Mn、Crの内のいずれかを単独でまたは合計で50原子%以上含むことが有効である。これは、Feなどの遷移金属元素の割合が少ない場合には、1テスラ以下の磁場で、上記の変曲点を200K以上の高温域において出現させることが困難になるからである。
【0036】
また、希土類元素の中でも比較的磁気相互作用の強いGd、Sm、Tbの元素の場合には、上記の変曲点を200K以上の温度で出現させるため、先に挙げたFe、Co、Ni、Mn、Crなどの遷移金属元素との合計で、60原子%以上とすることが好ましい。
【0037】
上記の条件に適合する磁性材料として、例えば、
Fe、Co、Ni、Mn、Crからなるグループ中から選択された1種または2種以上の元素を合計で50原子%以上96原子%以下含み、
Si、C、Ge、Al、B、Ga、Inからなるグループ中から選択された1種または2種以上の元素を合計で4原子%以上43原子%以下含み、
Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Ybからなるグループ中から選択された1種または2種以上の元素を合計で4原子%以上20原子%以下含む磁性材料を挙げることができる。
【0038】
なお、第二のグループの中では、SiまたはGeが好ましく、特に、Siを4原子%以上25原子%以下とすることが好ましい。
【0039】
このような磁性材料の代表例として、R(T,M)13、R(T,M)12、R2(T,M)17、R3(T,M)29がある(但し、Rは希土類元素、Tは遷移金属、Mは3B族または4B族の上記元素)。特に好ましくは、(La,Pr,Ce,Nd)(Fe,T,Si)13、(La,Pr,Ce,Nd)(Fe,T,Si,M)13である。
【0040】
更に、上記の条件に適合する他の磁性材料として、例えば、
Fe、Co、Ni、Mn、Crからなるグループ中から選択された1種または2種以上の元素を合計で60原子%以上96原子%以下含み、
Sc、Ti、Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、Wからなるグループ中から選択された1種または2種以上の元素を合計で4原子%以上40原子%以下含む磁性材料を挙げることができる。なお、これらの第二のグループから選択される元素は2種以上であることが、特に好ましい。
【0041】
なお、第二のグループの中では、特に、Ti、Zr、Nb、Hfが好ましく、それらを合計で25原子%以上とすることが好ましい。
【0042】
このような磁性材料の代表例として、(Hf,Ta)Fe2、(Ti,Sc)Fe2、(Nb,Mo)Fe2がある。
【0043】
このような、磁気冷凍のための磁性材料は、実用上の観点から、重量及び容量を小さくすることができるように、単位重量当りあるいは単位体積当りの磁気エントロピー変化が大きいことが好ましい。更に、実用上の別の観点から、単位磁化当りの磁気エントロピーの変化が大きいことも好ましい。その理由は、磁性材料は磁場勾配の中で材料の磁化の大きさに比例した外力(磁気力)を受けるので、実用場面で、永久磁石と磁性材料の相対位置を制御する際に、このような磁気力が阻害要因となるからである。
【0044】
上記の条件に適合する他の磁性材料として、例えば、
Fe、Co、Ni、Mn、Crからなるグループ中から選択された1種または2種以上の元素を合計で50原子%以上80原子%以下含み、
Sb、Bi、P、Asからなるグループ中から選択された1種または2種以上の元素を合計で20原子%以上50原子%以下含む磁性材料を挙げることができる。
【0045】
このような磁性材料の代表例として、(Mn,Cr)2(Sb,As,P)、(Mn,Cr)(Sb,As,P,Bi)、(Co,Mn,Fe,Ni)2(P,As)、(Fe,Co,Mn)3Pなどがある。この中でも、(Mn,Cr)2Sb,(Mn,Cr)Sb、(Co,Mn)2P、(Fe,T)2(P,As)などがより好ましい。
【0046】
また、電子状態を微妙に制御するために、Fe、Co、Ni、Mn、Crなどの3b遷移金属元素の一部(10%程度以下)をRhやPdなどの4b金属元素で置換することも有効である。更には、Sb、Bi、P、Asなどの5b元素の一部(20%程度以下)をBやCなどの軽元素で置換することによっても電子状態を微妙に制御することができる。
【0047】
なお、酸素の含有量が多い場合には、上記の磁性材料を製造する際、溶融工程(原料を溶融して混合する工程)おいて、酸素と金属元素が化合して高融点の酸化物が形成され、これが溶融金属層の中を高融点不純物として浮遊し、溶融工程及び再凝固工程において良質な材料の製造を阻害する要因となる。従って、このような酸化物の形成を極力抑制するため、酸素含有量を1原子%以下に抑えることが好ましい。
【0048】
本発明の磁性材料は、比較的低い磁場の範囲内で上記のような変曲点が現れるので、変曲点が現れる温度の近傍において、超電導磁石や大電流容量の電磁石を用いることなく、小型の永久磁石を用いて、磁気冷凍システムを実現することができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に基づく磁性材料の幾つかの例について説明する。
【0050】
(例1)
下記の組成を備えた7種類の供試体を作製し、その磁化曲線及び磁場変化に伴うエントロピー変化について調べた。なお、下記の供試体の内、供試体1から4は本発明に基づく磁性材料に該当し、供試体5、6及び7は比較例である。
【0051】
供試体1:Fe81.7Si11.1La7.2
供試体2:Fe80.8Si12.1La7.1
供試体3:Fe82.6Co0.9Si9.3La7.2
供試体4:Fe81.7Si10.2Ga0.9La7.2
供試体5:Fe69.7Al23.2La7.1
供試体6:Fe75.8Si17.1La7.1
供試体7:Gd95Y5
アーク溶解によって上記各組成の材料を調整した後、真空中で900℃から1100℃の温度で2週間の均一化熱処理を施した。このようにして作製された各供試体について、その磁化曲線を測定した。
【0052】
図1に、供試体1の、温度157.5Kから232.5Kまでの範囲の磁化曲線を示す。図2に、供試体4の、温度192.5Kから217.5Kまでの範囲の磁化曲線を示す。図3に、供試体6の、温度200Kから270Kまでの範囲の磁化曲線を示す。
【0053】
供試体1の磁化曲線(図1)では、T=196.5Kよりも低い温度領域においては、非常に低い外部磁場によって磁化が急激に増大し、1テスラ以下の磁場の範囲で、磁化の磁場に対する二回微分係数が負(上に凸)であることが分る(図1中の符号a〜d)。
【0054】
このような磁化曲線の形状は、T=200K近傍で大きく変化している。T=200.5K(符号e)、202.5K(符号f)においては、0.01テスラ程度の非常に低い磁場では小さな磁化の値を示しているが、磁場の増大に伴い、それぞれ、磁場H=0.35テスラ近傍とH=0.6テスラ近傍で磁化が急激に増大し、磁化曲線に変曲点が現れる。磁化の増大は、変曲点を通過した後、次第に緩やかになる。このような変曲点が磁化曲線に現れる磁場の値を、以下において、Hcと表すことにする。
【0055】
更に温度を上げてゆくと、Hcが増大するとともに、Hc近傍での磁化の変化量は減少する。T=207.5K(符号g)より高温になると、Hc近傍で磁化が増大する磁場の範囲がブロード化し、次第に消失して行く(図1中の符号h〜k)。
【0056】
供試体4の磁化曲線(図2)では、T=202.5Kよりも低い温度領域においては、非常に低い外部磁場によって磁化が急激に増大し、1テスラ以下の磁場の範囲で、磁化の磁場に対する二回微分係数が負(上に凸)であることが分る(図2中の符号a〜c)。
【0057】
このような磁化曲線の形状は、T=207.5Kで大きく変化する。T=207.5K(符号d)においては、磁場H=0.3テスラからH0.4テスラの近傍で磁化曲線の形状が下に凸になり、磁場H=0.5テスラ以上で磁化曲線の形状が上に凸に変わる。即ち、磁場H=0.45テスラ近傍で磁化曲線に変曲点が現れている。
【0058】
なお、供試体2及び供試体3についても、同様な磁化曲線が観測された。供試体2ではT=207K近傍で、供試体3ではT=230K近傍で、1テスラ以下の磁場の範囲に変曲点が現れた。
【0059】
これに対して、供試体6の磁化曲線(図3)では、磁気相転移温度の近傍で磁化の値が大きく変化するものの、1テスラ以下の磁場の範囲で、磁化の磁場に対する二回微分係数は常に負であり、磁化曲線の形状(上に凸)には大きな変化が見られないことが分る。なお、供試体5及び供試体7についても、同様な磁化曲線が観測され、1テスラ以下の磁場の範囲で、磁化の磁場に対する二回微分係数は常に負であった。
【0060】
次に、上記の7種の各供試体について、外部磁場を変化させたときの電子磁気スピン系のエントロピーの変化量ΔS(T,ΔH)を、磁化測定データから、次式を用いて求めた。いずれの場合にも、任意の磁場の変化量ΔHに対して、特定の温度(Tpeak)でエントロピーの変化量ΔSにピークが現れた。
【0061】
【数1】
【0062】
図4に、供試体1について、温度対エントロピーの変化量の関係を示す。図4に見るように、外部磁場を0から0.5テスラまで、または0から1テスラまでの間で変化させた場合、温度約195Kから210Kの間に、エントロピーの変化量にピークが現われている。
【0063】
表1に、各供試体について、エントロピーの変化量にピークが現われる温度(Tpeak)における、磁場変化ΔHに対するエントロピーの変化量(ΔSmax)の計算結果を示す。なお、表1中には、比較のため、磁気冷凍作業用の磁性材料のプロトタイプであるGdの電子磁気スピン系のエントロピーの変化量も、併せて示してある。
【0064】
【表1】
【0065】
表1から分るように、供試体1〜4では、1テスラ以下の低磁場において大きなエントロピーの変化が観察されており、Gdに対して遥かに優位であることが分る。これに対して、供試体5〜7では、Gdと同程度またはそれ以下のエントロピー変化が測定されており、供試体1〜4と比べて大幅に劣っていることが分る。
【0066】
なお、先に記載したように、磁性材料を用いて実際に磁気冷凍を行う場合には、磁場の変化(ΔH)に伴うエントロピー変化量ΔS(T,ΔH)の大きさのみではなく、エントロピー変化量にピークが現れる温度幅(“実効的な温度幅”)も重要な要素である。以下に、目安として、各供試体について、ΔS(T,ΔH=1テスラ)及びΔS(T,ΔH=0.5テスラ)についての温度幅を示す。
【0067】
外部磁場変化ΔHが1テスラの場合、供試体1〜4のエントロピー変化量のピークの温度幅は、下記の通りである:
供試体1:約190〜210K
供試体2:約195〜220K
供試体3:約215〜245K
供試体4:約195〜217K
また、外部磁場変化ΔHが0.5テスラの場合、供試体1〜4のエントロピー変化量のピークの温度幅は、下記の通りである:
供試体1:約194〜207K
供試体2:約197〜218K
供試体3:約220〜237K
供試体4:約196〜218K
このように、供試体1〜4は、外部磁場変化ΔHが0.5テスラの場合であっても、10K以上の温度幅を有しており、実用上問題がないと言える。
【0068】
以上のように、供試体1〜4では、特性温度(Tcri)よりも高温側において、1テスラ以下の比較的低い磁場で電子磁気スピンの配列の状態に大きな変化が生じ、磁化曲線に変曲点が現れる。更に、これらの供試体では、磁化曲線に変曲点が現れる温度の近傍において、電子磁気スピン系に極めて大きなエントロピー変化が観察されることが確認された。
【0069】
なお、供試体1〜4については、X線回折により、主相は立方晶の構造であり、第二層としてαFe相が僅かに析出していることが判明した。
【0070】
(例2)
下記の組成を備えた3種類の供試体を作製し、その磁化曲線及び磁場変化に伴うエントロピー変化について調べた。なお、下記の供試体の内、供試体11及び12は本発明に基づく磁性材料に該当し、供試体13は比較例である。
【0071】
供試体11:Fe67Hf28Ta5
供試体12:Fe67Hf27Ta6
供試体13:Fe67Hf29Ta4
アーク溶解によって上記各組成の材料を調整した後、真空中で950℃から1000℃の温度で約100時間の均一化熱処理を施し、母合金を作製した。次いで、この母合金から、プラズマスプレー法を用いて粒子状の供試体を作製した。その結果、0.1mm〜0.3mm程度の長径を有する粒子が多く得られた。このようにして得られた各供試体について、その磁化曲線を測定した。
【0072】
図5に、供試体11の、温度237.5Kから307.5Kまでの範囲の磁化曲線を示す。図6に、供試体13の、温度277.5Kから332.5Kまでの範囲の磁化曲線を示す。
【0073】
供試体11の磁化曲線(図5)では、T=277.5Kより低温の領域においては、非常に低い外部磁場によって磁化が急激に増大し、1テスラ以下の磁場の範囲で、磁化の磁場に対する二回微分係数が負(上に凸)であることが分る(図5中の符号a〜e)。
【0074】
このような磁化曲線の形状は、T=280K近傍で大きく変化している。T=280.5K(符号f)及び282.5K(符号g)においては、0.01テスラ程度の非常に低い磁場では小さな磁化の値を示しているが、磁場の増大に伴い、それぞれ、磁場H=0.27テスラ近傍とH=0.5テスラ近傍で磁化が急激に増大し、磁化曲線に変曲点が現れている。磁化の増大は、変曲点を通過した後、次第に緩やかになる。
【0075】
例1の供試体1の場合と同様に、更に温度を上げてゆくと、Hc(磁化曲線に変曲点が現れる磁場)の値が増大するとともに、Hc近傍での磁化の変化量が減少する。T=292.5K(符号j)より高温になると、Hc近傍での転移は次第に消失する(符号j〜l)。
【0076】
なお、供試体12についても、同様な磁化曲線が観測され、T=245K近傍で、1テスラ以下の磁場において磁化曲線に変曲点が現れた。
【0077】
これに対して、供試体13の磁化曲線(図6)では、先の例における供試体6(比較例)の場合と同様に、磁気相転移温度の近傍で磁化の値が大きく変化するものの、1テスラ以下の磁場の範囲で、磁化の磁場に対する二回微分係数は常に負であり、磁化曲線の形状(上に凸)には大きな変化が見られないことが分る。
【0078】
次に、上記の3種の各供試体について、外部磁場を変化させたときの電子磁気スピン系のエントロピーの変化量ΔS(T,ΔH)を、例1の場合と同様な方法で評価した。表2に、各供試体の、エントロピーの変化量ΔSがピークを示す温度(Tpeak)における磁場変化ΔHに対するエントロピーの変化量(ΔSmax)の計算結果を示す。
【0079】
【表2】
【0080】
表2から分るように、供試体11及び12では、1テスラ以下の低磁場において大きなエントロピーの変化が観察されており、供試体13と比べて遥かに優位であることが分る。
【0081】
さらに、Feを67原子%程度含み、Tiを25〜30原子%程度含むFe−Ti−Sc系の磁気物質においても、上記の供試体11及び12と同様な結果が得られた。
【0082】
(例3)
下記の組成を備えた2種類の供試体を作製し、その磁化曲線及び磁場変化に伴うエントロピー変化について調べた。
【0083】
供試体21:Mn63.4Cr3.3Sb33.3
供試体22:Mn50As35Sb15
粉末状の原料を調合し、坩堝に封入して、800℃〜950℃の温度で長時間保持して(供試体21では約2日間、供試体22では約1週間)、ゆっくり反応させた後、真空中で550℃から700℃の温度で約100時間の均一化熱処理を施した。このようにして得られた各供試体について、その磁化曲線を測定した。
【0084】
図7に、供試体21の、温度300Kから315Kまでの範囲の磁化曲線を示す。供試体21の温度315Kの磁化曲線では、1テスラ以下の磁場の範囲で、磁化の磁場に対する二回微分係数が常に負(上に凸)であることが分る(図7中の符号g)。
【0085】
供試体21では、供試体1や11の場合とは逆に、温度を下げて行くと、磁化曲線に下に凸な形状の部分が現れるようになる。
【0086】
温度310K(符号c)では、磁場0.4テスラ以下の範囲で、磁化曲線は上に凸な形状を示す。磁場0.4テスラ近傍で変曲点が現われ、磁場約0.4テスラから0.8テスラまでの範囲では、磁化曲線は下に凸な形状となる。更に磁場が増加すると、磁場0.8テスラ近傍で再び変曲点が現われ、磁場0.9テスラ以上の範囲では、磁化曲線は上に凸な形状に戻る。
【0087】
温度を下げて行くと、磁化曲線の形状が下に凸から上に凸な形状に変化する変曲点が高磁場側へシフトし、307.5K、305K、302.5K、300K(符号d〜g)の各温度において磁化曲線の変曲点の位置は、それぞれ、磁場1テスラ、2テスラ、2.6テスラ、3.5テスラ程度となった。
【0088】
また、供試体22では、T=232.5Kにおいて、磁場0.8テスラ近傍で、磁化曲線に変曲点が現れ、磁場0.8テスラ以下の範囲では磁化曲線は下に凸な形状であり、磁場0.8テスラ以上の範囲で上に凸な形状になることが観測された。
【0089】
供試体22では、温度200Kから230Kの範囲では、磁場1テスラ以下の範囲で、磁化曲線は常に上に凸な形状である。温度を上げて行くと、温度232.5Kでは、上記のように、磁化曲線の形状が下に凸から上に凸な形状に変化する。更に温度を上げて行くと、磁化曲線の変曲点は高磁場側にシフトし、240Kでの磁化曲線の変曲点の位置は、磁場3.8テスラとなった。
【0090】
次に、上記の供試体21及び22について、外部磁場を変化させたときの電子磁気スピン系のエントロピーの変化量ΔS(T,ΔH)を、例1の場合と同様な方法で評価した。供試体21及び22では、磁場を0テスラか1テスラの範囲で変化させた場合、それぞれ、311K及び231K近傍で、エントロピー変化にピークが観察された。
【0091】
表3に、各供試体の、エントロピーの変化量ΔSがピークを示す温度(Tpeak)における磁場変化ΔHに対するエントロピーの変化量(ΔSmax)を、単位磁化当たりに値に換算した値を示す。
【0092】
【表3】
【0093】
表3から分るように、供試体21及び22では、1テスラ以下の低磁場において、単位磁化当たりのエントロピーの変化量は、Gdと比べて遥かに優位であることが分る。
【0094】
なお、先に記載したように、磁性材料を用いて実際に磁気冷凍を行う場合には、エントロピー変化量にピークが現れる温度幅(“実効的な温度幅”)も重要な要素である。以下に、目安として、各供試体について、ΔS(T,ΔH=1テスラ)及びΔS(T,ΔH=0.5テスラ)についての温度幅を示す。
【0095】
外部磁場変化ΔHが1テスラの場合、供試体21及び22のエントロピー変化量のピークの温度幅は、下記の通りである:
供試体21:約304〜315K
供試体22:約214〜236K
また、外部磁場変化ΔHが0.5テスラの場合、供試体21及び22のエントロピー変化量のピークの温度幅は、下記の通りである:
供試体21:約305〜316K
供試体22:約215〜235K
このように、供試体21及び22は、外部磁場変化ΔHが0.5テスラの場合であっても、10K以上の温度幅を有している。
【0096】
(磁気冷凍システムの構成について)
本発明に基づく磁性材料を用いる磁気冷凍システムは、主要な構成要素として、磁気冷凍作業室、導入配管、排出配管及び永久磁石を備える。磁性材料は磁気冷凍作業室の内部に充填される。熱交換媒体は、導入配管を介して磁気冷凍作業室の中に導入され、排出配管を介して排出される。永久磁石は、磁気冷凍作業室の近傍に配置される。磁気冷凍作業室に対する永久磁石の相対位置を変化させることによって、磁性材料に対する磁場の印加及び除去を行う。磁性材料は、磁場を除去した時に冷却される。熱交換媒体は、このようにして冷却された磁性材料との熱交換によって冷却される。
【0097】
好ましくは、上記の排出配管は二つの系統に分けられる。第一の排出配管は、磁気冷凍作業室から内部の予冷に使用された熱交換媒体を取り出す際に使用される。第二の排出配管は、磁気冷凍作業室から内部で冷却された熱交換媒体を取り出す際に使用される。磁気冷凍作業室に対する永久磁石の相対位置を変化させるため、駆動装置が設けられ、この駆動装置に永久磁石が取り付けられる。永久磁石の相対位置の変化に同期させて、磁気冷凍作業室からの熱交換媒体の排出経路を第一排出配管と第二排出配管の間で切替えることによって、磁気冷凍サイクルが構成される。
【0098】
好ましくは、磁性材料は、前記磁気冷凍作業室の内部に50%以上75%以下の体積充填率で充填される。
【0099】
上記の磁気冷凍システムにおいて、磁性材料は、磁気冷凍作業室の中に、熱交換媒体の流路となる空間が確保されるような状態で充填される。ここで、磁気冷凍作業室内での磁性材料の充填率が低い場合には、熱交換媒体との間での熱交換の際、熱交換媒体の流れによって磁性材料が攪拌され、互いに衝突する。このような衝突は、磁性材料にクラックを生じさせ、更にその破壊を招く。磁性材料の破壊により生じた微細粉は、熱交換媒体の圧力損失を高め、冷凍能力を低下させる要因となる。悪い場合には微粉が配管の一部に堆積して詰まり、熱交換媒体の流れを阻害する。従って、そのような事態を回避するために、磁性材料は、磁性冷凍作業室の内部に50%以上75%以下の体積充填率で収容されていることが好ましい。さらには、60%以上70%以下の体積充填率で収容されていることがより好ましい。
【0100】
好ましくは、上記の磁性材料として、粒径(長径)が0.1mm以上1.5mm以下であり、その87wt%以上が、アスベクト比が2以下である粒子を使用する。
【0101】
高い冷却能力を実現するためには、磁気冷凍作業室の内部に充填された磁性材料と熱交換媒体との間で熱交換が充分に行われることが重要である。熱交換を充分に行わせるためには、磁性材料の比表面積を大きくする必要がある。本発明の磁性材料の場合、比表面積を大きくするために、粒径を小さく設定することが効果的である。但し、粒径が小さ過ぎる場合には、熱交換媒体の圧力損失が増大するので、これを勘案して、最適な粒径を選択する必要がある。ここで、上記の磁性材料の粒子径は、好ましくは、0.1〜1.5mm程度であり、更に好ましくは、0.2〜0.8mm程度である。
【0102】
また、上記の磁性材料の粒子形状は、表面に突起がない滑らかな形状であることが好ましく、例えば、球形または回転楕円体形であることが好ましい。このような形状にすることによって、粒子の破壊に伴う微細粉の発生を防止するとともに、熱交換媒体の圧力損失の増大を抑えることができる。
【0103】
例えば、磁気冷凍作業室に充填された粒子の内、87%wt以上の粒子がアスペクト比が2以下の形状を有することが好ましい。これは、ほぼ球形状の粒子に、アスペクト比2以上の異形粒子を混在させて実験を行ったところ、異形粒子の混在量が13%以上の場合には、熱交換媒体の流れに長期間曝される結果、微細粉が発生し、流体の圧力損失が増大してしまったからである。
【0104】
なお、熱交換媒体としては、熱サイクルの運転温度域に合わせて、鉱物油、溶剤、水やこれらの混合液などを選択することができる。上記の磁性材料の粒子径も、使用される熱交換媒体の粘性(表面張力)やポンプの能力に応じて、上記の範囲内で最適な粒子径を選ぶことが望ましい。
【0105】
図8に、本発明に基づく磁性材料が使用される磁気冷凍システムの概略構成を示す。図9に、この磁気冷凍システムにおける熱交換用媒体の循環系統の概略構成を示す。図中、1は磁性材料、2は磁気冷凍作業室、3は導入配管、4は排出配管、5a及び5bは永久磁石、6a及び6bは回転盤、25は低温消費施設、26は放熱器を表す。
【0106】
図8に示すように、磁気冷凍作業室2は、矩形断面の筒型の形状を備えている。磁気冷凍作業室2の両端部の近傍には、それぞれ、メッシュグリッド11、12が取り付けられ、それらの間に、本発明に基づく磁性材料1が充填されている。磁性材料1は、例えば、平均径0.4mmの球状であり、磁気冷凍作業室2内に62%の容積充填率で充填されている。また、メッシュグリッド11、12のメッシュサイズは#80、Cu線径0.14mmである。磁気冷凍作業室2の一方の端には、熱交換用媒体の導入配管3が接続され、もう一方の端には、熱交換用媒体の排出配管4が接続されている。なお、この例では、同一形状の二つの磁気冷凍作業室2が設けられ、互いに平行に並べられて配置されている。
【0107】
二つの磁気冷凍作業室2を間に挟むように、一対の回転盤6a、6bが設けられている。回転盤6a、6bは共通の軸7で支持されている。この軸7は二つの磁気冷凍作業室2の中央に位置している。回転盤6a、6bの周縁近傍の内側には、それぞれ永久磁石5a、5bが保持されている。永久磁石5a、5bは、互いに対向するとともに、ヨーク(図示せず)を介して互いに結合されている。これによって、互いに対を成す永久磁石5a、5bの間隙部分に、強い磁場空間が形成される。なお、この例では、二つの磁気冷凍作業室2にそれぞれ対応するように、二対の永久磁石5a、5bが設けられ、軸7を中央に挟んで配置されている。
【0108】
回転盤6a、6bを90度回転させる毎に、永久磁石5a、5bが磁気冷凍作業室2に対して接近及び離反を繰り返す。各一対の永久磁石5a、5bが各磁気冷凍作業室2の側壁に最も接近した状態では、永久磁石5a、5bの間に形成された磁場空間の中に磁気冷凍作業室2が入り、その中に収容されている磁性材料1に磁場が印加される。
【0109】
磁性材料1に対して磁場が印加された状態から、除去された状態に切り替わる際、電子磁気スピン系のエントロピーが増加し、格子系と電子磁気スピン系の間でエントロピーの移動が起こる。それによって、磁性材料1の温度が低下し、それが熱交換用媒体に伝達され、熱交換用媒体の温度が低下する。このようにして温度が低下した熱交換用媒体は、磁気冷凍作業室2から排出配管4を通って排出され、外部の低温消費施設(25:図9)に冷媒として供給される。
【0110】
図9に示すように、導入配管3の上流側には、熱交換用媒体が貯えられるタンク21が設けられ、導入配管3の途中にはポンプ22が設けられている。排出配管4は、磁気冷凍作業室2から出た後に二つの系統に分けられ、二つの循環ラインが構成されている。一方の循環ライン(冷却ライン23)の途中には、バルブV1、低温消費施設25及びバルブV3が設けられ、冷却ライン23の末端はタンク21に接続されている。もう一方の循環ライン(予冷ライン24)の途中には、バルブV2、放熱器26及びバルブV4が設けられ、予冷ライン24の末端はタンク21に接続されている。
【0111】
次に、この磁気冷凍システムの運転について説明する。この磁気冷凍システムは、予冷工程及び冷却工程を交互に繰り返すことによって運転される。
【0112】
先ず、予冷工程では、バルブV1及びバルブV3を閉じた状態で、バルブV2及びV4を開き、熱交換用媒体を予冷ライン24内で循環させる。この状態で、磁気冷凍作業室2に永久磁石(5a、5b:図8)を近付ける。磁性材料1に磁場が印加されると、磁性材料1の温度が上昇し、それが熱交換用媒体に伝達され、熱交換用媒体の温度が上昇する。このようにして暖められた熱交換用媒体は、磁気冷凍作業室2から排出配管4を通って排出され、バルブV2を通って放熱室26に導入され、そこで冷却される。冷却された熱交換用媒体は、バルブV4を通ってタンク21内へ戻る。
【0113】
磁気冷凍作業室2内の磁性材料1の温度が、導入配管3を通って磁気冷凍作業室2に供給される熱媒体の温度の近傍まで低下したところで、バルブV2及びV4を閉じ、予冷工程を終了させて冷却工程に移る。
【0114】
冷却工程では、先ず、磁気冷凍作業室2から永久磁石(5a、5b:図8)を遠ざける。次いで、バルブV1及びバルブV3を開き、熱交換用媒体を冷却ライン23内で循環させる。磁性材料1から磁場が除去されると、磁性材料1の温度が低下し、それが熱交換用媒体に伝達され、熱交換用媒体の温度が低下する。このようにして冷却された熱交換用媒体は、磁気冷凍作業室2から排出配管4を通って排出され、バルブV1を通って低温消費施設25に導入される。熱交換用媒体は、低温消費施設25内で使用されて温度が上昇した後、バルブV3を通ってタンク21内へ戻る。
【0115】
磁気冷凍作業室2内の磁性材料1の温度が、導入配管3を通って磁気冷凍作業室2に供給される熱媒体の温度の近傍まで上昇したところで、バルブV1及びV3を閉じ、冷却工程を終了させて、再び予冷却工程に移る。
【0116】
この磁気冷凍システムの制御装置(図示せず)は、永久磁石5a、5bの動きに同期させてバルブV1〜V4を制御し、上記の予冷工程及び冷却工程を交互に繰り返す。
【0117】
【発明の効果】
本発明の磁性材料では、常温域において、比較的低い磁場で磁化曲線に変曲点が現れるとともに、磁化曲線に変曲点が現れる温度の近傍において、電子磁気スピン系に大きなエントロピー変化が観察される。従って、本発明の磁性材料を使用すれば、上記の温度の近傍において電子磁気スピン系と格子系との間でエントロピーの授受を行わせることによって、比較的低い磁場を用いて磁気冷凍を実現することが可能になる。
【0118】
また、このような磁性材料と永久磁石とを組み合わせることによって、超電導磁石を用いることなく、小型、簡便、低価格の磁気冷凍システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく磁性材料(供試体1)の磁化曲線の例を示す図。
【図2】本発明に基づく磁性材料(供試体4)の磁化曲線の例を示す図。
【図3】比較例として用いた磁性材料(供試体6)の磁化曲線の例を示す図。
【図4】本発明に基づく磁性材料(供試体1)のエントロピー変化の温度依存性を示す図。
【図5】本発明に基づく磁性材料(供試体11)の磁化曲線の例を示す図。
【図6】比較例として用いた磁性材料(供試体13)の磁化曲線の例を示す図。
【図7】本発明に基づく磁性材料(供試体21)の磁化曲線の例を示す図。
【図8】本発明に基づく磁性材料が使用される磁気冷凍システムの概略構成図を示す図。
【図9】本発明に基づく磁性材料が使用される磁気冷凍システムにおける熱交換用媒体の循環系統の概略構成図を示す。
【符号の説明】
1・・・磁性材料、
2・・・磁気冷凍作業室、
3・・・導入配管(第一の流路)、
4・・・排出配管(第二の流路)、
5a、b・・・永久磁石、
6a、b・・・回転盤(駆動装置)、
7・・・軸、
11、12・・・メッシュグリッド、
21・・・タンク、
22・・・ポンプ、
23・・・冷却ライン、
24・・・予冷ライン、
25・・・低温消費施設、
26・・・放熱器。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic material, and more particularly to a magnetic material capable of realizing magnetic refrigeration using a relatively low magnetic field in a normal temperature range.
[0002]
[Prior art]
Currently, a gas compression / expansion cycle is mainly used in a refrigeration system in a normal temperature range, which is closely related to human daily life, such as a refrigerator, a freezer, and an air conditioner. However, with regard to the gas compression / expansion cycle, environmental destruction associated with the discharge of the specific chlorofluorocarbon gas becomes a serious problem, and there is a concern about the influence of the alternative chlorofluorocarbon gas on the environment. Against this background, there is a demand for practical use of a clean and highly efficient refrigeration technique that does not have the problem of environmental destruction associated with the disposal of working gas.
[0003]
In recent years, as one of such environmentally friendly and highly efficient refrigeration technologies, expectations for magnetic refrigeration have increased, and research and development of magnetic refrigeration technologies for normal temperature regions have been activated. In magnetic refrigeration, a low temperature is generated as follows by applying the magnetocaloric effect (a phenomenon in which the temperature changes when an external magnetic field is changed in an adiabatic state with respect to a magnetic substance).
[0004]
In a magnetic substance, entropy changes due to the difference in the degree of freedom of the electron magnetic spin system between a state when a magnetic field is applied and a state when a magnetic field is removed. With such entropy change, entropy shift occurs between the electron magnetic spin system and the lattice system. In magnetic refrigeration, a magnetic material with a large electron magnetic spin is used, and entropy is transferred between the electron magnetic spin system and the lattice system by using a large change in entropy between applying and removing the magnetic field. Let it be done, thereby producing a low temperature.
[0005]
In the temperature region of 1K or higher, the “magnetic substance” usually refers to a substance that exhibits magnetism due to electron spin. On the other hand, in the temperature region of several mK or less, magnetism due to the nuclear spin becomes relatively obvious. For example, PrNi5It has been reported that an ultra-low temperature of 27 μK was generated using In the following, unless otherwise specified, the “magnetic substance” refers to a substance exhibiting magnetism due to electron spin, and the target temperature range is 1K or more.
[0006]
In the early 1900s, as a magnetic substance having a magnetocaloric effect, Gd2(SO4)38H2Paramagnetic salts such as O, Gd3Ga5O12A magnetic refrigeration system using a paramagnetic compound represented by (Gadolinium Gallium Garnet; “GGG”) has been developed. However, in most cases, the magnetic refrigeration system using a paramagnetic substance has been applied to a cryogenic region of 20K or less. The reason is that as the lattice vibration increases as the temperature rises, the magnitude of the external magnetic field required to change the degree of freedom of the electron magnetic spin system also increases, so it can be obtained using a superconducting magnet. This is because, assuming a magnetic field of about 10 Tesla, the temperature at which magnetic refrigeration can be realized using a paramagnetic substance is limited to a cryogenic region.
[0007]
On the other hand, in order to realize magnetic refrigeration in a higher temperature range, research on magnetic refrigeration using a magnetic phase transition between a paramagnetic state and a ferromagnetic state in ferromagnetic materials has been actively conducted since the 1970s. It was. As a result, lanthanum rare earth elements such as Pr, Nd, Dy, Er, Tm, and Gd alone, or two or more rare earth alloy materials such as Gd-Y and Gd-Dy, RAl2(R represents a rare earth element, the same applies hereinafter), RNi2Many magnetic materials containing rare earths with large electron magnetic spin per unit volume, such as rare earth intermetallic compounds such as GdPd, have been proposed.
[0008]
In these ferromagnetic materials, by applying an external magnetic field in the vicinity of the ferromagnetic phase transition temperature (Curie temperature; Tc), the electron magnetic spin is changed from the paramagnetic state to the ferromagnetic state, and the entropy at that time is obtained. Magnetic refrigeration is realized using changes. Accordingly, the application temperature range is limited to the vicinity of the ferromagnetic phase transition temperature (Tc) of each magnetic substance, but the magnitude of the external magnetic field may be as much as necessary to cause the magnetic phase transition, and 20K. It falls within the range that can be produced even in a temperature range much higher than that.
[0009]
In 1974, Brown, USA, realized magnetic refrigeration for the first time at room temperature using a plate of ferromagnetic material Gd having a ferromagnetic phase transition temperature (Tc) of about 294K. However, in Brown's experiment, since the integrated Gd plate was used from the high temperature side to the low temperature side, the refrigeration cycle was operated continuously, but there were problems with the stability of heat exchange in the refrigeration cycle. .
[0010]
Here, there is an essential problem in the magnetic refrigeration in the medium temperature to room temperature range far higher than 20K. That is, as the temperature rises, the lattice vibration becomes active, and the lattice entropy becomes relatively larger than the magnetic entropy of the electron magnetic spin system in the temperature range of 100 to 150K or higher. For this reason, even if entropy is exchanged between the electron magnetic spin system and the lattice system by changing the external magnetic field, the magnetocaloric effect, that is, the temperature drop (ΔTad) of the substance remains very small.
[0011]
In 1982, Barclay in the United States was an obstacle to magnetic refrigeration in the middle to room temperature range (or higher temperature range where the lattice entropy is relatively higher than the magnetic entropy). In addition to the magnetic refrigeration work due to the magnetocaloric effect, the magnetic entropy, which was positioned as a magnetic energetic effect, was also considered to be actively used. We proposed a freezing method (US-Pat.4,332,135). This magnetic refrigeration system is called an AMR system (“Active Magnetic Refrigeration”).
[0012]
In 1997, Zimm, Gschneidner, Pecharsky et al. Of the United States made a prototype of an AMR type magnetic refrigerator using a filled cylinder filled with fine spherical Gd, and succeeded in continuous steady operation of the magnetic refrigeration cycle at room temperature. (Advances in Cryogenic Engineering, Vol. 43 (1998) 1759). According to this, by using a superconducting magnet in the room temperature range, changing the external magnetic field from 0 Tesla to 5 Tesla succeeded in freezing at about 30 ° C., and the freezing temperature difference between the high temperature end and the low temperature end It has been reported that when (ΔT) is 13 ° C., a very high refrigeration efficiency (COP = 15; except for the input power to the magnetic field generating means) is obtained. Incidentally, the refrigeration efficiency (COP) in a compression / expansion cycle (conventional refrigerator, etc.) using conventional chlorofluorocarbon is about 1 to 3. Here, the value of COP changes depending on the refrigeration temperature range, and when comparing between different refrigeration systems, it is necessary to handle the definition strictly. It can be seen that there is a great expectation as a refrigeration system that can realize high refrigeration efficiency.
[0013]
In addition to the above-mentioned technical demonstration of the AMR cycle magnetic refrigeration system using Gd, Pecharsky and Gschneidner et al. In 1997 announced that Gd is a magnetic substance that can produce a very large entropy change in the room temperature region.5(Ge, Si)4A system was developed (US-Pat. 5,743,095). For example, Gd5(Ge0.5Si0.5)4Then, when the external magnetic field is changed from 0 to 5 Tesla at about 277 K, an entropy change (ΔS) of about 20 J / (kg · K) is shown, and when the external magnetic field is changed from 0 to 2 Tesla, about 15 J / The entropy change (ΔS) of (kg · K) is shown. That is, a large entropy change more than twice Gd is observed near room temperature.
[0014]
However, in the above-mentioned example of Zimm, Gschneidner, Pecharsky et al., A superconducting magnet is used to apply a large external magnetic field of about 2 to 5 Tesla to Gd, which is a magnetic material for magnetic refrigeration work. At present, a cryogenic environment of about 10K is required to operate the superconducting magnet, which causes a problem that the system becomes large. Furthermore, when using a superconducting magnet, a cryogen such as liquid helium or a cryogenic generator for cryogenic generation is required. Therefore, such a system is used for daily use such as refrigeration and air conditioning. Applying to is not realistic.
[0015]
In addition to the superconducting magnet, there is a large-capacity electromagnet as means for generating a large magnetic field. However, when an electromagnet is used, it is necessary to supply a large current or to cool the water against Joule heat generation, which increases the size of the system and increases the operating cost. Therefore, as in the case of a superconducting magnet, it is not practical to apply a system using an electromagnet to daily use.
[0016]
There is a permanent magnet as a small and simple magnetic field generating means. However, it is difficult to generate a large magnetic field of about 2 to 5 Tesla using a permanent magnet. Although an experimental result using an NdFeB-based permanent magnet and Gd as a magnetic material for magnetic refrigeration work has been reported, the cooling temperature in the room temperature region is as extremely low as 1.6 ° C. because the magnetic field is small, There is a large difference between the refrigeration capacity of the conventional gas compression and expansion cycle.
[0017]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made in view of the problems of the magnetic refrigeration technology in the normal temperature range as described above. An object of the present invention is to provide a magnetic material for magnetic refrigeration work that can realize magnetic refrigeration using a relatively low magnetic field in a normal temperature range.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
The magnetic material of the present invention has an inflection point at which the second derivative with respect to the magnetic field of the magnetization curve changes from positive to negative within the strength range of the magnetic field formed using a permanent magnet only in a part of the temperature range. It is characterized by that.
[0019]
Preferably, the magnetic material of the present invention is characterized by having the above-mentioned inflection point in the magnetization curve within a strength range of a magnetic field of 1 Tesla or less only in a part of a temperature range of 200 K or more and 350 K or less.
[0020]
According to the present invention, an external magnetic field is applied to a magnetic material having a magnetization curve that meets the above conditions using a permanent magnet in the vicinity of the temperature indicating the inflection point, and the value of the external magnetic field is changed. By doing so, entropy is exchanged between the electron magnetic spin system and the lattice system, and magnetic refrigeration can be realized.
[0021]
The inventors of the present application are within a range of a normal temperature of 200 K to 350 K (that is, a temperature closely related to daily life from dry ice to hot water) and within a relatively low magnetic field strength range of 1 Tesla or less, As one means for causing the above inflection point to appear in the magnetization curve, it has been found that it is effective to compete for ferromagnetic magnetic interaction and antiferromagnetic magnetic interaction. The reason why the above inflection point appears in the magnetization curve is considered as follows. By competing the ferromagnetic magnetic interaction and the antiferromagnetic magnetic interaction, a plurality of electronic states that are magnetically close in energy are formed. Such mutual relationship between the electronic states is changed by applying a magnetic field. For this reason, the magnetic arrangement changes partially or entirely inside the material system by applying a magnetic field, and as a result, an inflection point appears in the magnetization curve.
[0022]
The important point here is that the relationship of energy between electronic states forms a delicate state in a normal temperature range of about 200K to 350K. By forming such a special state, it becomes possible for the first time to obtain a large entropy change by applying a relatively low magnetic field, that is, to realize a highly efficient magnetic refrigeration.
[0023]
Further, when magnetic refrigeration is actually performed using a magnetic material, not only the magnitude of the entropy change amount ΔS (T, ΔH) accompanying the change in magnetic field (ΔH) but also the temperature range in which the peak of the entropy change amount appears. Is also an important factor. That is, even if a large entropy change is obtained, the magnetic refrigeration cycle cannot be stably operated when it can be obtained only in a very narrow temperature range (for example, about 1 to 2 K). That is, the steady state of the refrigeration cycle is not established, or even if it is established, the capacity as a refrigerator becomes extremely low.
[0024]
For example, in the case of AMR type magnetic refrigeration, since the magnetic material plays the heat storage function simultaneously with the magnetic refrigeration function, a temperature gradient is generated inside the magnetic refrigeration chamber during steady operation of the refrigeration cycle. That is, even when the temperature of the magnetic material is substantially uniform in the magnetic refrigeration chamber at the start of operation, a temperature gradient is gradually generated in the magnetic refrigeration chamber by repeating the refrigeration cycle. The both ends of each become a high temperature end and a low temperature end. For this reason, the magnetic materials in the magnetic refrigeration chamber work in different temperature cycles depending on their positions, and each temperature cycle is also in a steady state during steady operation. Here, when the magnetic material has a peak in the entropy change amount only in a very narrow temperature range (for example, about 1 to 2K), the refrigeration cycle is established only in this narrow temperature range. . Therefore, it is difficult to stably operate a large refrigeration temperature difference (for example, 10K to 20K or more).
[0025]
It is also conceivable to sequentially arrange magnetic materials exhibiting a peak of entropy variation in each temperature range from the high temperature end to the low temperature end of the magnetic refrigeration chamber in accordance with the temperature gradient during the steady operation. However, since it gradually approaches the steady state through different temperature cycles as the refrigeration cycle repeats from the start of operation, it is required that the substance has an entropy change in a temperature range wider than the temperature amplitude during steady operation. The
[0026]
For the reasons described above, a magnetic material for magnetic refrigeration is required to have a large entropy change amount and a wide temperature range in which a peak appears in the entropy change amount. In addition, the temperature width of the peak of the entropy change amount indicates not the half value width but the peak tail width. This is because the effective temperature width of the peak is effective in the actual temperature cycle. Here, the effective temperature width of the peak is the peak width when the error level is removed at the bottom portion.
[0027]
When the amount of entropy change (temperature dependence) at temperature T with respect to a specific external magnetic field change ΔH is ΔS (T, ΔH) and the peak value is ΔSmax, the effective temperature width of the peak is as follows: Defined: Range of temperature T where ΔS (T, ΔH)> 0.1 * ΔSmax or 0.1 * ΔSmax> 1 [J / (1) with a value of one tenth of ΔSmax as a base level reference kg, K)] is satisfied, a temperature that satisfies ΔS (T, ΔH)> 1 [J / (kg, K)] with 1 [J / (kg, K)] as the skirt level reference. T range.
[0028]
In order to realize a magnetic refrigeration cycle using a single magnetic material, the effective temperature width of the peak of the entropy change amount ΔS (T, ΔH) needs to be at least 3K or more. Preferably, it is necessary to secure an effective temperature range of about 5K or more, more preferably 8K or more.
[0029]
Furthermore, regarding the peak of the entropy change amount, it is preferable that there is no temperature hysteresis, and even if it exists, it is 8K or less, preferably 3K or less, more preferably 1K or less.
[0030]
However, in past studies, there is often a trade-off between the amount of entropy change and the temperature range of its peak, so it is important to adjust the balance between the two.
[0031]
When the peak width of the entropy change is as narrow as about 1 to 2K, it is effective to have a slight composition fluctuation as a means for widening the peak width so as to be practical. By slightly altering the physical properties of the magnetic substance itself by giving a slight compositional fluctuation, the electronic state balance in the micro portion is slightly changed, and the temperature at which the inflection point appears is distributed in the micro region. Can do. As a result, the peak width of the entropy change of the magnetic substance can be widened.
[0032]
In addition, when viewed in the metal structure, the physical properties of the magnetic substance itself are greatly changed in the same manner as described above by precipitating a small amount of a second phase having a different crystal structure from the main phase. It is also possible to widen the peak width of the entropy change. If such a second phase is, for example, 30% by volume or less, there is no practical problem, and it is possible to widen the peak width of ΔS.
[0033]
In addition, as a specific method, it is possible to mention a preparation composition slightly shifted from a predetermined composition, a slight addition of an additive element, or a rapid cooling from a molten metal state during synthesis. .
[0034]
Here, in order to obtain a large entropy change, it is required that the internal degree of freedom of the magnetic material is large. In order to increase the magnetic internal degree of freedom of magnetic substances, transition metal elements such as Fe, Ni, Co, Mn, and Cr, and rare earth elements such as Pr, Nd, Gd, Tb, Dy, Er, Ho, and Tm are used. It is preferable to use the element as the main constituent element.
[0035]
Furthermore, in order to make the above inflection point appear in the magnetization curve in a low magnetic field range of 1 Tesla or less in a normal temperature range of about 200K to 350K, it is necessary to use Fe, Ni, Co, Mn, or Cr. It is effective to include any of these alone or in total at least 50 atomic%. This is because when the ratio of the transition metal element such as Fe is small, it becomes difficult to make the inflection point appear in a high temperature range of 200 K or more with a magnetic field of 1 Tesla or less.
[0036]
In the case of Gd, Sm, and Tb elements that have a relatively strong magnetic interaction among the rare earth elements, the above inflection point appears at a temperature of 200 K or higher, so that Fe, Co, Ni, The total amount with transition metal elements such as Mn and Cr is preferably 60 atomic% or more.
[0037]
As a magnetic material that meets the above conditions, for example,
Including one or more elements selected from the group consisting of Fe, Co, Ni, Mn, and Cr in a total of 50 atomic% to 96 atomic%,
Including one or more elements selected from the group consisting of Si, C, Ge, Al, B, Ga, and In, in a total of 4 atomic% to 43 atomic%,
4 atomic% or more in total of one or more elements selected from the group consisting of Y, La, Ce, Pr, Nd, Sm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, and Yb The magnetic material containing 20 atomic% or less can be mentioned.
[0038]
In the second group, Si or Ge is preferable, and Si is particularly preferable to be 4 atomic% or more and 25 atomic% or less.
[0039]
As a representative example of such a magnetic material, R (T, M)13, R (T, M)12, R2(T, M)17, R3(T, M)29Where R is a rare earth element, T is a transition metal, and M is the above-described element of Group 3B or 4B. Particularly preferably, (La, Pr, Ce, Nd) (Fe, T, Si)13, (La, Pr, Ce, Nd) (Fe, T, Si, M)13It is.
[0040]
Furthermore, as another magnetic material that meets the above conditions, for example,
Including 60 or more atoms and 96 or less atoms in total of one or more elements selected from the group consisting of Fe, Co, Ni, Mn, and Cr,
A magnetic material containing one or more elements selected from the group consisting of Sc, Ti, Y, Zr, Nb, Mo, Hf, Ta, and W in a total of 4 atomic% to 40 atomic%. Can do. It is particularly preferable that two or more elements selected from these second groups are used.
[0041]
In the second group, Ti, Zr, Nb, and Hf are particularly preferable, and it is preferable that the total amount is 25 atomic% or more.
[0042]
As a representative example of such a magnetic material, (Hf, Ta) Fe2, (Ti, Sc) Fe2, (Nb, Mo) Fe2There is.
[0043]
Such a magnetic material for magnetic refrigeration preferably has a large magnetic entropy change per unit weight or unit volume so that the weight and capacity can be reduced from a practical viewpoint. Furthermore, from another practical viewpoint, it is also preferable that the change in magnetic entropy per unit magnetization is large. The reason is that the magnetic material receives an external force (magnetic force) proportional to the magnitude of the magnetization of the material in a magnetic field gradient, so in a practical situation, when controlling the relative position of the permanent magnet and the magnetic material, This is because a strong magnetic force becomes an obstacle.
[0044]
Other magnetic materials that meet the above conditions include, for example:
Including one or more elements selected from the group consisting of Fe, Co, Ni, Mn, and Cr in a total of 50 atomic% to 80 atomic%,
A magnetic material containing a total of 20 atomic percent or more and 50 atomic percent or less of one or more elements selected from the group consisting of Sb, Bi, P, and As can be given.
[0045]
As a representative example of such a magnetic material, (Mn, Cr)2(Sb, As, P), (Mn, Cr) (Sb, As, P, Bi), (Co, Mn, Fe, Ni)2(P, As), (Fe, Co, Mn)3P and so on. Among these, (Mn, Cr)2Sb, (Mn, Cr) Sb, (Co, Mn)2P, (Fe, T)2(P, As) and the like are more preferable.
[0046]
In addition, in order to finely control the electronic state, a part (about 10% or less) of a 3b transition metal element such as Fe, Co, Ni, Mn, or Cr may be replaced with a 4b metal element such as Rh or Pd. It is valid. Furthermore, the electronic state can be finely controlled by substituting a part (about 20% or less) of 5b elements such as Sb, Bi, P, and As with light elements such as B and C.
[0047]
When the content of oxygen is large, when the magnetic material is manufactured, in the melting step (the step of melting and mixing the raw materials), oxygen and the metal element combine to form a high melting point oxide. This is formed and floats as a high melting point impurity in the molten metal layer, which becomes a factor that hinders the production of high-quality materials in the melting process and the resolidification process. Therefore, in order to suppress the formation of such an oxide as much as possible, it is preferable to suppress the oxygen content to 1 atomic% or less.
[0048]
Since the inflection point as described above appears within a relatively low magnetic field, the magnetic material of the present invention is small without using a superconducting magnet or a large current capacity electromagnet near the temperature at which the inflection point appears. A magnetic refrigeration system can be realized using a permanent magnet.
[0049]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, some examples of the magnetic material according to the present invention will be described.
[0050]
(Example 1)
Seven types of specimens having the following compositions were prepared, and their magnetization curves and entropy changes accompanying magnetic field changes were examined. Of the following specimens, specimens 1 to 4 correspond to the magnetic material according to the present invention, and
[0051]
Specimen 1: Fe81.7Si11.1La7.2
Specimen 2: Fe80.8Si12.1La7.1
Specimen 3: Fe82.6Co0.9Si9.3La7.2
Specimen 4: Fe81.7Si10.2Ga0.9La7.2
Specimen 5: Fe69.7Al23.2La7.1
Specimen 6: Fe75.8Si17.1La7.1
Specimen 7: Gd95YFive
After adjusting the material of each said composition by arc melting, the homogenization heat processing for 2 weeks was performed in the temperature of 900 to 1100 degreeC in the vacuum. The magnetization curve of each specimen prepared in this way was measured.
[0052]
FIG. 1 shows the magnetization curve of the specimen 1 in the temperature range from 157.5K to 232.5K. FIG. 2 shows a magnetization curve of the
[0053]
In the magnetization curve of the specimen 1 (FIG. 1), in the temperature region lower than T = 196.5K, the magnetization rapidly increases due to a very low external magnetic field, and the magnetic field of magnetization in the magnetic field range of 1 Tesla or less. 2 is negative (convex upward) (signs a to d in FIG. 1).
[0054]
The shape of such a magnetization curve changes greatly in the vicinity of T = 200K. At T = 200.5K (symbol e) and 202.5K (symbol f), a very low magnetic field of about 0.01 Tesla shows a small magnetization value, but as the magnetic field increases, Magnetization rapidly increases near H = 0.35 Tesla and H = 0.6 Tesla, and an inflection point appears in the magnetization curve. The increase in magnetization becomes gradually slower after passing through the inflection point. The value of the magnetic field at which such an inflection point appears in the magnetization curve will be expressed as Hc below.
[0055]
As the temperature is further increased, Hc increases and the amount of change in magnetization near Hc decreases. When the temperature becomes higher than T = 207.5K (symbol g), the range of the magnetic field in which the magnetization increases in the vicinity of Hc is broadened and gradually disappears (symbols h to k in FIG. 1).
[0056]
In the magnetization curve of the specimen 4 (FIG. 2), in the temperature range lower than T = 202.5K, the magnetization rapidly increases due to a very low external magnetic field, and the magnetization magnetic field is within a range of 1 Tesla or less. 2 is negative (convex upward) (signs a to c in FIG. 2).
[0057]
The shape of such a magnetization curve changes greatly at T = 207.5K. At T = 207.5K (symbol d), the shape of the magnetization curve protrudes downward in the vicinity of the magnetic field H = 0.3 Tesla to H0.4 Tesla, and the magnetization curve of the magnetic field H = 0.5 Tesla or higher. The shape changes upward. That is, an inflection point appears in the magnetization curve near the magnetic field H = 0.45 Tesla.
[0058]
Note that a similar magnetization curve was observed for the
[0059]
On the other hand, in the magnetization curve of the specimen 6 (FIG. 3), although the magnetization value changes greatly in the vicinity of the magnetic phase transition temperature, the second derivative of the magnetization with respect to the magnetic field in the magnetic field range of 1 Tesla or less. Is always negative, and it can be seen that there is no significant change in the shape (convex upward) of the magnetization curve. Note that a similar magnetization curve was observed for the specimen 5 and the
[0060]
Next, for each of the above seven types of specimens, the amount of change ΔS (T, ΔH) in the entropy of the electron magnetic spin system when the external magnetic field was changed was determined from the magnetization measurement data using the following equation. . In any case, a peak appeared in the entropy change amount ΔS at a specific temperature (Tpeak) with respect to an arbitrary magnetic field change amount ΔH.
[0061]
[Expression 1]
[0062]
FIG. 4 shows the relationship between the amount of change in temperature and entropy for the specimen 1. As shown in FIG. 4, when the external magnetic field is changed from 0 to 0.5 Tesla or from 0 to 1 Tesla, a peak appears in the amount of change in entropy at a temperature of about 195 K to 210 K. Yes.
[0063]
Table 1 shows the calculation result of the entropy change amount (ΔSmax) with respect to the magnetic field change ΔH at the temperature (Tpeak) at which the peak appears in the entropy change amount for each specimen. In Table 1, the amount of entropy change in the Gd electron magnetic spin system, which is a prototype of a magnetic material for magnetic refrigeration work, is also shown for comparison.
[0064]
[Table 1]
[0065]
As can be seen from Table 1, in specimens 1 to 4, a large entropy change was observed in a low magnetic field of 1 Tesla or less, indicating that it is far superior to Gd. On the other hand, in the specimens 5 to 7, the entropy change comparable to or less than that of Gd is measured, and it can be seen that the specimens are significantly inferior to the specimens 1 to 4.
[0066]
As described above, when magnetic refrigeration is actually performed using a magnetic material, not only the magnitude of the entropy change amount ΔS (T, ΔH) accompanying the change in magnetic field (ΔH) but also the entropy change The temperature range in which the peak appears in the quantity (“effective temperature range”) is also an important factor. Below, the temperature width about (DELTA) S (T, (DELTA) H = 1 Tesla) and (DELTA) S (T, (DELTA) H = 0.5 Tesla) is shown as a standard about each specimen.
[0067]
When the external magnetic field change ΔH is 1 Tesla, the temperature width of the peak of the entropy change amount of the specimens 1 to 4 is as follows:
Specimen 1: about 190 to 210K
Specimen 2: about 195 to 220K
Specimen 3: about 215 to 245K
Specimen 4: about 195 to 217K
When the external magnetic field change ΔH is 0.5 Tesla, the temperature width of the peak of the entropy change amount of the specimens 1 to 4 is as follows:
Specimen 1: about 194 to 207K
Specimen 2: Approximately 197 to 218K
Specimen 3: about 220 to 237K
Specimen 4: 196 to 218K
Thus, the specimens 1 to 4 have a temperature range of 10K or more even when the external magnetic field change ΔH is 0.5 Tesla, and it can be said that there is no practical problem.
[0068]
As described above, in the specimens 1 to 4, a large change occurs in the arrangement state of the electron magnetic spins at a relatively low magnetic field of 1 Tesla or higher on the higher temperature side than the characteristic temperature (Tcri), and the magnetization curve is inflected. A point appears. Furthermore, in these specimens, it was confirmed that an extremely large entropy change was observed in the electron magnetic spin system in the vicinity of the temperature at which the inflection point appears in the magnetization curve.
[0069]
For specimens 1 to 4, it was found by X-ray diffraction that the main phase had a cubic structure and the αFe phase was slightly precipitated as the second layer.
[0070]
(Example 2)
Three types of specimens having the following compositions were prepared, and their magnetization curves and entropy changes accompanying magnetic field changes were examined. Of the following specimens,
[0071]
Specimen 11: Fe67Hf28TaFive
Specimen 12: Fe67Hf27Ta6
Specimen 13: Fe67Hf29TaFour
After adjusting the materials of the above-mentioned compositions by arc melting, a uniform heat treatment was performed in a vacuum at a temperature of 950 ° C. to 1000 ° C. for about 100 hours to produce a master alloy. Next, a particulate specimen was produced from this mother alloy using a plasma spray method. As a result, many particles having a major axis of about 0.1 mm to 0.3 mm were obtained. The magnetization curve of each specimen thus obtained was measured.
[0072]
FIG. 5 shows the magnetization curve of the
[0073]
In the magnetization curve of the specimen 11 (FIG. 5), in the region lower than T = 277.5K, the magnetization rapidly increases due to a very low external magnetic field, and in the magnetic field range of 1 Tesla or less, It can be seen that the second derivative is negative (convex upward) (signs a to e in FIG. 5).
[0074]
The shape of such a magnetization curve changes greatly in the vicinity of T = 280K. At T = 280.5K (symbol f) and 282.5K (symbol g), a very low magnetic field of about 0.01 Tesla shows a small magnetization value. Magnetization rapidly increases near H = 0.27 Tesla and H = 0.5 Tesla, and an inflection point appears in the magnetization curve. The increase in magnetization becomes gradually slower after passing through the inflection point.
[0075]
As in the case of the specimen 1 of Example 1, when the temperature is further increased, the value of Hc (a magnetic field in which an inflection point appears in the magnetization curve) increases and the amount of change in magnetization near Hc decreases. . When the temperature is higher than T = 292.5 K (symbol j), the transition near Hc gradually disappears (symbols j to l).
[0076]
A similar magnetization curve was also observed for the
[0077]
On the other hand, in the magnetization curve of the specimen 13 (FIG. 6), as in the case of the specimen 6 in the previous example (comparative example), although the magnetization value changes greatly in the vicinity of the magnetic phase transition temperature, It can be seen that in the range of a magnetic field of 1 Tesla or less, the twice differential coefficient of the magnetization with respect to the magnetic field is always negative, and there is no significant change in the shape of the magnetization curve (convex upward).
[0078]
Next, for each of the three types of specimens described above, the amount of entropy change ΔS (T, ΔH) of the electron magnetic spin system when the external magnetic field was changed was evaluated by the same method as in Example 1. Table 2 shows the calculation result of the entropy change amount (ΔSmax) with respect to the magnetic field change ΔH at the temperature (Tpeak) at which the entropy change amount ΔS shows a peak for each specimen.
[0079]
[Table 2]
[0080]
As can be seen from Table 2, in the
[0081]
Furthermore, the same results as those of the
[0082]
(Example 3)
Two types of specimens having the following compositions were prepared, and their magnetization curves and entropy changes accompanying magnetic field changes were examined.
[0083]
Specimen 21: Mn63.4Cr3.3Sb33.3
Specimen 22: Mn50As35Sb15
After preparing powdery raw materials, enclosing them in a crucible and holding them at a temperature of 800 ° C. to 950 ° C. for a long time (about 2 days for
[0084]
FIG. 7 shows a magnetization curve of the
[0085]
In the
[0086]
At a temperature of 310 K (symbol c), the magnetization curve has a convex shape in a magnetic field of 0.4 Tesla or less. An inflection point appears in the vicinity of a magnetic field of 0.4 Tesla, and the magnetization curve has a downwardly convex shape in the range of about 0.4 Tesla to 0.8 Tesla. When the magnetic field further increases, an inflection point appears again in the vicinity of the magnetic field of 0.8 Tesla, and the magnetization curve returns to an upwardly convex shape in the range of the magnetic field of 0.9 Tesla or more.
[0087]
When the temperature is lowered, the inflection point at which the shape of the magnetization curve changes from a downward convex shape to an upward convex shape shifts to the high magnetic field side, and is 307.5K, 305K, 302.5K, 300K (reference symbols d˜). At each temperature of g), the position of the inflection point of the magnetization curve was about 1 Tesla, 2 Tesla, 2.6 Tesla, and 3.5 Tesla, respectively.
[0088]
In the
[0089]
In the
[0090]
Next, with respect to the
[0091]
Table 3 shows values obtained by converting the entropy change amount (ΔSmax) with respect to the magnetic field change ΔH at the temperature (Tpeak) at which the entropy change amount ΔS shows a peak value into a value per unit magnetization.
[0092]
[Table 3]
[0093]
As can be seen from Table 3, in the
[0094]
As described above, when magnetic refrigeration is actually performed using a magnetic material, the temperature width (“effective temperature width”) at which a peak appears in the entropy change amount is also an important factor. Below, the temperature width about (DELTA) S (T, (DELTA) H = 1 Tesla) and (DELTA) S (T, (DELTA) H = 0.5 Tesla) is shown as a standard about each specimen.
[0095]
When the external magnetic field change ΔH is 1 Tesla, the temperature width of the peak of the entropy change amount of the
Specimen 21: about 304 to 315K
Specimen 22: about 214 to 236K
When the external magnetic field change ΔH is 0.5 Tesla, the temperature width of the peak of the entropy change amount of the
Specimen 21: about 305 to 316K
Specimen 22: about 215 to 235K
Thus, the
[0096]
(Configuration of magnetic refrigeration system)
A magnetic refrigeration system using a magnetic material according to the present invention includes a magnetic refrigeration chamber, an introduction pipe, a discharge pipe, and a permanent magnet as main components. The magnetic material is filled into the magnetic refrigeration chamber. The heat exchange medium is introduced into the magnetic refrigeration chamber through the introduction pipe and discharged through the discharge pipe. The permanent magnet is disposed in the vicinity of the magnetic refrigeration chamber. A magnetic field is applied to and removed from the magnetic material by changing the relative position of the permanent magnet with respect to the magnetic refrigeration chamber. The magnetic material is cooled when the magnetic field is removed. The heat exchange medium is cooled by heat exchange with the magnetic material thus cooled.
[0097]
Preferably, the discharge pipe is divided into two systems. The first discharge pipe is used when taking out the heat exchange medium used for the internal precooling from the magnetic refrigeration chamber. The second discharge pipe is used when taking out the heat exchange medium cooled inside from the magnetic refrigeration chamber. In order to change the relative position of the permanent magnet with respect to the magnetic refrigeration chamber, a driving device is provided, and the permanent magnet is attached to the driving device. A magnetic refrigeration cycle is configured by switching the discharge path of the heat exchange medium from the magnetic refrigeration chamber between the first discharge pipe and the second discharge pipe in synchronization with the change in the relative position of the permanent magnet.
[0098]
Preferably, the magnetic material is filled in the magnetic refrigeration chamber with a volume filling rate of 50% to 75%.
[0099]
In the above magnetic refrigeration system, the magnetic material is filled into the magnetic refrigeration chamber in such a manner that a space serving as a flow path for the heat exchange medium is secured. Here, when the filling rate of the magnetic material in the magnetic refrigeration chamber is low, the magnetic materials are stirred by the flow of the heat exchange medium and collide with each other during the heat exchange with the heat exchange medium. Such a collision causes a crack in the magnetic material and further breaks it. The fine powder produced by the destruction of the magnetic material increases the pressure loss of the heat exchange medium and decreases the refrigeration capacity. When it is bad, fine powder accumulates in a part of the pipe and becomes clogged, thereby obstructing the flow of the heat exchange medium. Therefore, in order to avoid such a situation, it is preferable that the magnetic material is accommodated in the magnetic refrigeration chamber with a volume filling rate of 50% to 75%. Furthermore, it is more preferable that it is accommodated at a volume filling rate of 60% or more and 70% or less.
[0100]
Preferably, particles having a particle diameter (major axis) of 0.1 mm or more and 1.5 mm or less and 87 wt% or more of which the aspect ratio is 2 or less are used as the magnetic material.
[0101]
In order to realize a high cooling capacity, it is important that heat exchange is sufficiently performed between the magnetic material filled in the magnetic refrigeration chamber and the heat exchange medium. In order to sufficiently perform heat exchange, it is necessary to increase the specific surface area of the magnetic material. In the case of the magnetic material of the present invention, it is effective to set the particle size small in order to increase the specific surface area. However, when the particle size is too small, the pressure loss of the heat exchange medium increases, so that it is necessary to select an optimum particle size in consideration of this. Here, the particle diameter of the magnetic material is preferably about 0.1 to 1.5 mm, and more preferably about 0.2 to 0.8 mm.
[0102]
Further, the particle shape of the magnetic material is preferably a smooth shape having no protrusions on the surface, for example, a spherical shape or a spheroid shape. By adopting such a shape, it is possible to prevent generation of fine powder due to particle destruction and to suppress an increase in pressure loss of the heat exchange medium.
[0103]
For example, it is preferable that 87% wt or more of particles filled in the magnetic refrigeration chamber have an aspect ratio of 2 or less. When an experiment was performed by mixing irregularly shaped particles having an aspect ratio of 2 or more with substantially spherical particles, when the amount of irregularly shaped particles mixed was 13% or more, it was exposed to the flow of the heat exchange medium for a long time. As a result, fine powder is generated and the pressure loss of the fluid increases.
[0104]
In addition, as a heat exchange medium, mineral oil, a solvent, water, these liquid mixture, etc. can be selected according to the operating temperature range of a heat cycle. As for the particle size of the magnetic material, it is desirable to select an optimum particle size within the above range according to the viscosity (surface tension) of the heat exchange medium used and the capacity of the pump.
[0105]
FIG. 8 shows a schematic configuration of a magnetic refrigeration system in which the magnetic material according to the present invention is used. FIG. 9 shows a schematic configuration of a circulation system for a heat exchange medium in the magnetic refrigeration system. In the figure, 1 is a magnetic material, 2 is a magnetic refrigeration chamber, 3 is an introduction pipe, 4 is a discharge pipe, 5a and 5b are permanent magnets, 6a and 6b are rotating disks, 25 is a low temperature consumption facility, and 26 is a radiator. Represent.
[0106]
As shown in FIG. 8, the
[0107]
A pair of
[0108]
Each time the
[0109]
When switching from a state in which a magnetic field is applied to the magnetic material 1 to a state in which the magnetic material 1 is removed, the entropy of the electron magnetic spin system increases and entropy movement occurs between the lattice system and the electron magnetic spin system. As a result, the temperature of the magnetic material 1 is lowered, which is transmitted to the heat exchange medium, and the temperature of the heat exchange medium is lowered. The heat exchange medium whose temperature has been lowered in this manner is discharged from the magnetic
[0110]
As shown in FIG. 9, a
[0111]
Next, the operation of this magnetic refrigeration system will be described. This magnetic refrigeration system is operated by alternately repeating a pre-cooling process and a cooling process.
[0112]
First, in the precooling step, the valves V2 and V4 are opened with the valves V1 and V3 closed, and the heat exchange medium is circulated in the precooling
[0113]
When the temperature of the magnetic material 1 in the
[0114]
In the cooling process, first, the permanent magnets (5a, 5b: FIG. 8) are moved away from the
[0115]
When the temperature of the magnetic material 1 in the
[0116]
A control device (not shown) of the magnetic refrigeration system controls the valves V1 to V4 in synchronization with the movement of the
[0117]
【The invention's effect】
In the magnetic material of the present invention, an inflection point appears in the magnetization curve at a relatively low magnetic field in the normal temperature region, and a large entropy change is observed in the electron magnetic spin system near the temperature at which the inflection point appears in the magnetization curve. The Therefore, if the magnetic material of the present invention is used, magnetic refrigeration is realized using a relatively low magnetic field by transferring entropy between the electron magnetic spin system and the lattice system in the vicinity of the above temperature. It becomes possible.
[0118]
Further, by combining such a magnetic material and a permanent magnet, a small-sized, simple, and low-cost magnetic refrigeration system can be configured without using a superconducting magnet.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing an example of a magnetization curve of a magnetic material (specimen 1) according to the present invention.
FIG. 2 is a diagram showing an example of a magnetization curve of a magnetic material (specimen 4) according to the present invention.
FIG. 3 is a diagram showing an example of a magnetization curve of a magnetic material (specimen 6) used as a comparative example.
FIG. 4 is a graph showing the temperature dependence of the entropy change of the magnetic material (specimen 1) according to the present invention.
FIG. 5 is a diagram showing an example of a magnetization curve of a magnetic material (specimen 11) according to the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing an example of a magnetization curve of a magnetic material (specimen 13) used as a comparative example.
FIG. 7 is a diagram showing an example of a magnetization curve of a magnetic material (specimen 21) according to the present invention.
FIG. 8 is a schematic configuration diagram of a magnetic refrigeration system in which a magnetic material according to the present invention is used.
FIG. 9 shows a schematic configuration diagram of a circulation system of a heat exchange medium in a magnetic refrigeration system in which a magnetic material according to the present invention is used.
[Explanation of symbols]
1 ... Magnetic material,
2 ... Magnetic refrigeration room,
3 ... introduction piping (first flow path),
4 ... discharge piping (second flow path),
5a, b ... permanent magnets,
6a, b ... turntable (drive device),
7 ... axis,
11, 12 ... mesh grid,
21 ... Tank,
22 ... pump,
23 ... Cooling line,
24 ... Pre-cooling line,
25 ... Low temperature consumption facility,
26 ... radiator.
Claims (2)
前記磁性材料として、200K以上350K以下の温度領域の一部のみにおいて、1テスラ以下の磁場の強度範囲内に、磁化曲線の磁場に対する二回微分係数が正から負に変わる変曲点を持つ磁性材料を使用することを特徴とする磁気冷凍方法。As a magnetic material, a magnetic material having an inflection point at which the second derivative with respect to the magnetic field of the magnetization curve changes from positive to negative within a strength range of a magnetic field of 1 Tesla or less only in a part of a temperature range of 200 K to 350 K. A magnetic refrigeration method using a material.
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002086683A JP3715582B2 (en) | 2001-03-27 | 2002-03-26 | Magnetic material |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-90953 | 2001-03-27 | ||
JP2001090953 | 2001-03-27 | ||
JP2002086683A JP3715582B2 (en) | 2001-03-27 | 2002-03-26 | Magnetic material |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005157417A Division JP4352023B2 (en) | 2001-03-27 | 2005-05-30 | Magnetic material |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002356748A JP2002356748A (en) | 2002-12-13 |
JP3715582B2 true JP3715582B2 (en) | 2005-11-09 |
Family
ID=26612238
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002086683A Expired - Lifetime JP3715582B2 (en) | 2001-03-27 | 2002-03-26 | Magnetic material |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3715582B2 (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019138648A1 (en) | 2018-01-11 | 2019-07-18 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | Magnetic material for magnetic refrigeration |
Families Citing this family (36)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7695574B2 (en) | 2002-10-25 | 2010-04-13 | Showda Denko K.K. | Alloy containing rare earth element, production method thereof, magnetostrictive device, and magnetic refrigerant material |
CH695836A5 (en) * | 2002-12-24 | 2006-09-15 | Ecole D Ingenieurs Du Canton D | Method and device for continuously generating cold and heat by magnetic effect. |
CH695837A5 (en) | 2002-12-24 | 2006-09-15 | Ecole D Ingenieurs Du Canton D | Method and cold generation device and heat by magnetic effect. |
JP4663328B2 (en) * | 2003-01-29 | 2011-04-06 | スティッチング ヴォール デ テクニッシェ ヴェッテンシャッペン | Magnetic material having cooling capacity, method for producing the material, and method for using the material |
JP4218032B2 (en) * | 2004-02-13 | 2009-02-04 | 日立金属株式会社 | Magnetic alloy and method for producing the same |
JP4413804B2 (en) | 2005-03-24 | 2010-02-10 | 株式会社東芝 | Magnetic refrigeration material and manufacturing method thereof |
WO2006107042A1 (en) | 2005-04-05 | 2006-10-12 | Hitachi Metals, Ltd. | Magnetic alloy and method for producing same |
JP4237730B2 (en) | 2005-05-13 | 2009-03-11 | 株式会社東芝 | Manufacturing method of magnetic material |
JP4697981B2 (en) * | 2005-06-27 | 2011-06-08 | 独立行政法人科学技術振興機構 | Ferromagnetic shape memory alloy and its use |
JP4842327B2 (en) * | 2005-11-10 | 2011-12-21 | 株式会社大宇エレクトロニクス | Magnetic refrigerator |
JP4481949B2 (en) | 2006-03-27 | 2010-06-16 | 株式会社東芝 | Magnetic material for magnetic refrigeration |
JP5216207B2 (en) * | 2006-12-20 | 2013-06-19 | 株式会社東芝 | Magnetic refrigeration material and magnetic refrigeration equipment |
US9175885B2 (en) | 2007-02-12 | 2015-11-03 | Vacuumschmelze Gmbh & Co. Kg | Article made of a granular magnetocalorically active material for heat exchange |
JP4987514B2 (en) * | 2007-03-08 | 2012-07-25 | 株式会社東芝 | Magnetic refrigeration material and magnetic refrigeration apparatus |
KR101107870B1 (en) | 2007-12-27 | 2012-01-31 | 바쿰슈멜체 게엠베하 운트 코. 카게 | Composite article with magnetocalorically active material and method for its production |
ES2369718T3 (en) * | 2008-03-31 | 2011-12-05 | Université Henri Poincaré - Nancy 1 | NEW INTERMETAL COMPOUNDS, ITS USE AND PROCEDURE FOR PREPARATION. |
CN102027551B (en) * | 2008-10-01 | 2014-04-02 | 真空熔焠有限两合公司 | Article for use in magnetic heat exchange, intermediate article and method for producing an article for use in magnetic heat exchange |
KR101233462B1 (en) | 2008-10-01 | 2013-02-14 | 바쿰슈멜체 게엠베하 운트 코. 카게 | Article comprising at least one magnetocalorically active phase and method of working an article comprising at least one magnetocalorically active phase |
GB2463931B (en) | 2008-10-01 | 2011-01-12 | Vacuumschmelze Gmbh & Co Kg | Method for producing a magnetic article |
CN102113066B (en) | 2009-05-06 | 2013-09-25 | 真空熔焠有限两合公司 | Article for magnetic heat exchange and method of fabricating article for magnetic heat exchange |
KR101223036B1 (en) * | 2010-04-21 | 2013-01-18 | 나기오 | Alloys magnetic refrigerant materials for environmental magnetic refrigerator |
JP5602482B2 (en) * | 2010-04-22 | 2014-10-08 | 公益財団法人鉄道総合技術研究所 | Magnetic refrigeration equipment |
GB2482880B (en) | 2010-08-18 | 2014-01-29 | Vacuumschmelze Gmbh & Co Kg | An article for magnetic heat exchange and a method of fabricating a working component for magnetic heat exchange |
JPWO2012056585A1 (en) * | 2010-10-29 | 2014-03-20 | 株式会社東芝 | Heat exchanger and magnetic refrigeration system |
GB201111235D0 (en) * | 2011-06-30 | 2011-08-17 | Camfridge Ltd | Multi-Material-Blade for active regenerative magneto-caloric or electro-caloricheat engines |
JP5737270B2 (en) * | 2012-11-07 | 2015-06-17 | 株式会社デンソー | Method for manufacturing magnetic refrigeration material |
US9222707B2 (en) | 2013-02-14 | 2015-12-29 | Globalfoundries Inc. | Temperature stabilization in semiconductors using the magnetocaloric effect |
US20160025386A1 (en) * | 2014-07-28 | 2016-01-28 | Ut-Battelle, Llc | High Entropy NiMn-based Magnetic Refrigerant Materials |
CN104674103B (en) * | 2015-03-10 | 2017-01-04 | 西北工业大学 | A kind of CrFeCoNiNbx high-entropy alloy and preparation method thereof |
WO2017069131A1 (en) | 2015-10-19 | 2017-04-27 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | Method for manufacturing magnetic material |
CN105913990A (en) * | 2016-06-27 | 2016-08-31 | 无锡新大力电机有限公司 | Low-cost and high-coercivity rare earth permanent magnetic material |
CN112368790B (en) | 2018-02-22 | 2024-04-26 | 通用工程与研究有限责任公司 | Magnetocaloric alloy for magnetic refrigeration applications |
KR102069770B1 (en) * | 2018-06-07 | 2020-01-23 | 한국생산기술연구원 | Magneto-caloric alloy and preparing method thereof |
CN108735411B (en) * | 2018-06-12 | 2020-03-13 | 北京工业大学 | Lanthanum-iron-silicon/gadolinium composite magnetic refrigeration material and preparation process thereof |
CN109338186A (en) * | 2018-09-07 | 2019-02-15 | 华南理工大学 | A kind of Fe-Mn-Al magnetic refrigerating material and preparation method thereof |
CN112852388B (en) * | 2020-11-16 | 2021-12-28 | 中国科学院江西稀土研究院 | Low-temperature-region rare earth metal oxide magnetocaloric effect material, and preparation method and application thereof |
-
2002
- 2002-03-26 JP JP2002086683A patent/JP3715582B2/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019138648A1 (en) | 2018-01-11 | 2019-07-18 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | Magnetic material for magnetic refrigeration |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2002356748A (en) | 2002-12-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3715582B2 (en) | Magnetic material | |
JP4352023B2 (en) | Magnetic material | |
US6676772B2 (en) | Magnetic material | |
Chaudhary et al. | Iron and manganese based magnetocaloric materials for near room temperature thermal management | |
JP4987514B2 (en) | Magnetic refrigeration material and magnetic refrigeration apparatus | |
JP3967572B2 (en) | Magnetic refrigeration material | |
US6363727B1 (en) | Cold accumulating material and cold accumulation refrigerator using the same | |
EP2107575B1 (en) | New intermetallic compounds, their use and a process for preparing the same | |
WO2008122535A1 (en) | New intermetallic compounds, their use and a process for preparing the same | |
US9784483B2 (en) | Use of rotating magnetic shielding system for a magnetic cooling device | |
JP3967728B2 (en) | Composite magnetic material and manufacturing method thereof | |
JP2010077484A (en) | Magnetic material for magnetic refrigeration, magnetic refrigeration device, and magnetic refrigeration system | |
Gschneidner Jr et al. | Magnetic refrigeration | |
JP7477931B2 (en) | ErCo2-based magnetocaloric compound and magnetic refrigeration device using same | |
WO2022209879A1 (en) | Erco2-based magnetocaloric compound and magnetic refrigeration device using same | |
JP2022108124A (en) | Magnetic heat exchange material, heat exchange device, and magnetic heat exchange device including the same | |
JP2022108091A (en) | Magnetic heat exchange material, heat exchange device, and magnetic heat exchange device including the same | |
Nair et al. | Magnetocaloric effect in frustrated magnetic systems: from bulk to nano | |
JP2837795B2 (en) | Cryogenic regenerator | |
JP2024013602A (en) | Magnetic refrigeration material for low temperature, and magnetic refrigeration system | |
JP2024151802A (en) | Magnetic refrigeration material and magnetic refrigeration device using the same | |
JP2024148927A (en) | Magnetic refrigeration material and magnetic refrigeration device using the same | |
Gong et al. | A brief review of microstructure design in transition metal-based magnetocaloric materials | |
JP2024151801A (en) | Magnetic refrigeration material and magnetic refrigeration device using the same | |
JP2023085746A (en) | Magnetic refrigeration material and magnetic refrigeration device using the same |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050322 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050329 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050530 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20050530 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050823 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050825 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 3715582 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080902 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090902 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100902 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100902 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110902 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120902 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120902 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130902 Year of fee payment: 8 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |