JP3714056B2 - Valve characteristic control method and control apparatus for internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関のバルブ特性制御方法及び制御装置に係り、詳しくは当該機関の出力特性等を決定する主たる吸排気バルブの開閉とは別途に吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方を補助的に開弁することによって同機関の燃焼室内部のEGR(排気還流)量等を制御する制御方法及び制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、排気中の窒素酸化物(NOx)を低減する方法として、排気の一部を吸気に戻すEGR(排気還流)制御がある。そして、この排気の一部を吸気に戻す方法の一つとして、吸気行程において排気バルブを、又は排気行程において吸気バルブを補助的に開弁させる方法が従来より知られている。
【0003】
この方法に基づいたいわゆる内部EGR制御を行う装置として、例えば特開平10−89033号公報には、排気カムの主体部を構成する主カム山の回転後方等に補助カム山を設けるとともに、この補助カム山の高さがカムシャフトの一端から他端に向かうにつれて連続的に変化するように形成し、吸気行程において排気バルブを補助的に開弁させつつ、機関の運転状態に応じてカムシャフトを軸方向に変位させることにより、そのリフト量を併せて調整可能としたものが記載されている。この構成によれば、吸気行程における排気バルブの補助的な開弁等に際し、そのリフト量が連続的に可変とされることで、EGRの確保のみならず、そのEGR量の調整も可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、排気は、その圧力が絶えず一定というわけではなく脈動しているために、吸気行程における上記排気バルブのリフト量の変化とEGR量の変化との間には線形的な対応があるわけではない。したがって、上記リフト量を増加させた割にはEGR量が増加しなかったり、また逆に、同リフト量の増加に伴いEGR量が急激に増加したりするといったことも生じうる。
【0005】
このため、例えばEGR制御のダイナミックレンジ(制御幅)を高める目的で、排気圧力の高い領域において上記排気バルブの補助的な開弁を行う場合には、EGR量そのものの制御精度の低下が懸念されるようになる。一方、EGR量を高精度に制御する目的で、排気圧力の低い領域において同排気バルブの補助的な開弁を行う場合には、その制御幅すなわちダイナミックレンジの低下が懸念される。したがって、上記従来の装置のように、単にEGR量の調整が可能であるからといって、機関の全運転領域にわたってEGR量を高精度に制御することと高ダイナミックレンジで制御することとの両立は極めて困難なものとなっている。
【0006】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関の内部EGR量について、高精度な制御と高ダイナミックレンジでの制御との好適な両立を図ることのできる内燃機関のバルブ特性制御方法及び制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、内燃機関の出力特性を決定する主たる吸排気バルブの開閉とは別途に吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方の補助的な開弁に基づきそれら吸気バルブと排気バルブとが同時に開弁される期間を生じさせることで同機関の燃焼室内部の排気還流量を制御する内燃機関のバルブ特性制御方法において、前記吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方による補助的な開弁の開弁時期を、要求される排気還流量が大きいときには、同排気還流量が小さいときよりも、排気圧力の高いタイミングに設定することをその要旨とする。
【0008】
前述したように、排気圧力は絶えず一定というわけではなく、脈動している。しかも、この排気圧力の変化態様は機関の運転状態に依存しており、例えば機関の各行程やそれら行程での機関出力軸の回転角度等から同排気圧力を推定することは可能である。このため、上記制御方法によるように、排気圧力の脈動に応じて、例えば排気圧力が高くなるタイミングに上記補助的な開弁の開弁時期を設定することとすれば、高いダイナミックレンジをもって機関燃焼室内部の排気還流量を制御することができるようになり、逆に排気圧力が低くなるタイミングに同補助的な開弁の開弁時期を設定することとすれば、高い精度をもって同機関燃焼室内部の排気還流量を制御することができるようになる。したがって、当該機関のその都度の運転領域において要求される排気還流量、並びにその制御要求(ダイナミックレンジか精度か)に応じて、上記排気圧力の脈動を考慮しつつ、上記補助的な開弁の開始時期を可変設定することとすれば、それら制御要求についての両立を図ることができるようになる。そしてこの場合には、(イ)要求される排気還流量が大きいときには上記補助的な開弁の開始時期を排気圧力の高いタイミングに設定し、要求される排気還流量が小さいときには同補助的な開弁の開始時期を排気圧力の低いタイミングに設定することで、機関の全運転領域にわたって排気還流量についての要求量を満たす制御、あるいは(ロ)高地走行時等、車両環境に応じて排気還流量を増減補正する必要がある場合の上記排気圧力の脈動に応じた微調整制御、等々の実現も容易である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方を駆動するカムが当該バルブの主たる開弁を行う主カム山に加えて同主カム山による開弁期間以外の期間中に同バルブの補助的な開弁を行うことで吸気バルブと排気バルブとが同時に開弁される期間を生じさせる補助カム山を有するとともに、該補助カム山はその高さがカムの軸方向に連続的に変化する3次元カムとして形成された動弁手段と、前記カムが設けられたカムシャフトをその軸方向に変位させて前記補助カム山によるバルブリフト量を調量するバルブリフト可変機構と、前記補助カム山による開閉対象バルブの開弁時期を、要求される排気還流量が大きいときには、同排気還流量が小さいときよりも、排気圧力の高いタイミングに設定する開弁時期可変手段とを備えることをその要旨とする。
【0010】
上記構成によれば、バルブリフト量可変機構によって補助カム山によるバルブリフト量を調量するとともに、開弁時期可変手段によって同補助カム山による開閉対象バルブの開弁時期を設定するようにしているため、請求項1記載の発明の方法を的確に実現する装置を容易に構成することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記開弁時期可変手段は、当該機関の出力軸と前記動弁手段の設けられたカムシャフトとの相対回転位相を可変とするバルブタイミング可変機構からなることをその要旨とする。
【0012】
上記構成によれば、請求項2に記載の装置にあって、その開弁開始時期可変手段をバルブタイミング可変手段といった既成の手段を用いて容易に実現することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記バルブタイミング可変機構は、当該機関の排気圧力に応じてその進角量が操作されることをその要旨とする。
上記構成によれば、請求項2に記載した装置において請求項1に記載の方法を的確に実現することができる。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記開弁時期可変手段は、前記補助カム山の前記カム軸方向に連続的に高さの異なる頂点が同カム軸と差交する方向に連続的に偏倚された同補助カム山の3次元偏倚カムプロフィールからなることをその要旨とする。
【0015】
上記構成によれば、上述した排気圧力の脈動を考慮した補助カム山による補助的な開弁の開弁時期を同補助カム山の上記3次元偏倚カムプロフィールを通じて実現することができるようになる。したがって、バルブタイミング可変機構を用いずとも上記開弁時期可変手段を構成することが可能となり、請求項2に記載の装置の簡素化を図ることができるようになる。更に、この構成によれば、主カム山による主たるバルブ特性が変更されることもない。
【0016】
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記補助カム山の前記カム軸方向に連続的に高さの異なる頂点が同カムの回転方向後方に徐々に高くなる方向に偏倚されてなることをその要旨とする。
【0017】
上記構成によれば、補助カム山の頂点が高くなるほど、補助カム山による当該バルブの開弁時期が遅角側に移行される。したがって、例えば排気圧力が次第に高くなる期間に対応してこの補助カム山の上記偏倚態様を設定することとすれば、補助カム山による開弁量が小さいときには、排気圧力の小さいタイミングで開弁させることができ、高精度での排気還流量の制御が可能となる。また、補助カム山による開弁量が大きいときには、排気圧力の大きいタイミングで開弁させることができ、高いダイナミックレンジを得ることができる。一方、排気圧力が次第に小さくなる期間に対応してこの補助カム山の上記偏倚態様を設定することとすれば、補助カム山による開弁量が小さいときには、排気圧力の大きいタイミングで開弁させることができ、排気還流量の制御の開始に際し迅速に排気還流量を増加させることができる。また、補助カム山による開弁量が大きいときには、排気圧力の小さいタイミングで開弁させることができ、高精度の制御で排気還流量を制御することができる。したがって、要求される排気還流量が大きいときに精度を維持しつつ、排気還流制御の開始に迅速に対応することができる。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記補助カム山の前記カム軸方向に連続的に高さの異なる頂点が同カムの回転方向前方に徐々に高くなる方向に偏倚されてなることをその要旨とする。
【0019】
上記構成によれば、補助カム山の頂点が高くなるほど、補助カム山による開弁時期を進角側に移行させることができる。したがって、例えば排気圧力が次第に小さくなる期間に対応してこの補助カム山の上記偏倚態様を設定することとすれば、補助カム山による開弁量が小さいときには、排気圧力の小さいタイミングで開弁させることができ、高精度での排気還流量の制御が可能となる。また、補助カム山による開弁量が大きいときには、排気圧力の大きいタイミングで開弁させることができ、高いダイナミックレンジを得ることができる。一方、排気圧力が次第に大きくなる期間に対応してこの補助カム山の上記偏倚態様を設定することとすれば、補助カム山による開弁量が小さいときには、排気圧力の大きいタイミングで開弁させることができ、排気還流量の制御の開始に際し迅速に排気還流量を増加させることができる。また、補助カム山による開弁量が大きいときには、排気圧力の小さいタイミングで開弁させることができ、高精度の制御で排気還流量を制御することができる。したがって、要求される排気還流量が大きいときに精度を維持しつつ、排気還流制御の開始に迅速に対応することができる。
【0020】
請求項8記載の発明は、燃焼室に直接燃料が噴射供給される筒内直接噴射式の内燃機関に適用され、排気バルブを駆動するカムが当該バルブの主たる開弁を行う主カム山に加えて同主カム山による開弁期間以外の期間中に同バルブの補助的な開弁を行うことで吸気バルブと排気バルブとが同時に開弁される期間を生じさせる補助カム山を有するとともに、該補助カム山はその高さがカムの軸方向に連続的に変化する3次元カムとして形成された動弁手段と、前記カムが設けられたカムシャフトをその軸方向に変位させて前記補助カム山によるバルブリフト量を調量するバルブリフト可変機構と、当該機関の吸気行程中に前記補助カム山を通じて排気バルブを開弁する開弁時期を、同吸気行程での燃料噴射時期に応じて可変とする開弁時期可変手段とを備えるものであることをその要旨とする。
【0021】
混合気の形成の自由度を高めて燃費の向上を図るべく燃焼室に直接燃料を噴射する筒内噴射式内燃機関が従来より知られている。しかしながら、上記筒内噴射式内燃機関においては、燃焼室内で燃料が十分に気化せず燃焼性が阻害されやすいという問題がある。この点、上記構成によれば、燃焼室内へ排気を取り込む時期を燃料噴射時期に基づいて可変制御することが可能となり、高温の排気により燃焼室に噴射された燃料の気化を促進させることができるようになる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1〜図8を参照して、内燃機関(エンジン)の吸気側カムシャフトに対して設けられたこの発明に係るバルブ特性制御装置の第1の実施形態について説明する。
【0023】
図1に、内燃機関として直列4気筒の車載用ガソリンエンジン11における動弁系を中心とする概略構成を示す。このエンジン11においては、バルブ特性制御装置10が吸気側カムシャフト22に設けられている。
【0024】
エンジン11は、往復移動するピストン12が設けられたシリンダブロック13と、シリンダブロック13の下側に設けられたオイルパン13aと、シリンダブロック13の上側に設けられたシリンダヘッド14とを備えている。
【0025】
このエンジン11の下部には出力軸であるクランクシャフト15が回転可能に支持され、同クランクシャフト15にはコンロッド16を介してピストン12が連結されている。そして、ピストン12の往復移動は、コンロッド16によってクランクシャフト15の回転へと変換される。また、ピストン12の上側には燃焼室17が設けられ、この燃焼室17には吸気ポート18および排気ポート19が接続されている。そして、吸気ポート18と燃焼室17とは吸気バルブ20により連通・遮断され、排気ポート19と燃焼室17とは排気バルブ21により連通・遮断されるようになっている。
【0026】
一方、シリンダヘッド14には、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト23が平行に設けられている。吸気側カムシャフト22は回転可能かつ軸方向へ移動可能にシリンダヘッド14上に支持されており、排気側カムシャフト23は回転可能であるが軸方向には移動不可能にシリンダヘッド14上に支持されている。
【0027】
吸気側カムシャフト22の一端部には、タイミングスプロケット24aを備えクランクシャフト15と吸気側カムシャフト22との回転位相差を変更するための回転位相差可変アクチュエータ24(バルブタイミング可変機構に相当)が設けられている。また、吸気側カムシャフト22の他端部には吸気側カムシャフト22を回転軸方向へ移動させるためのリフト量可変アクチュエータ22a(バルブリフト可変機構に相当)が設けられている。また、排気側カムシャフト23の一端部にはタイミングスプロケット25が取り付けられている。このタイミングスプロケット25および回転位相差可変アクチュエータ24のタイミングスプロケット24aは、タイミングチェーン15bを介して、クランクシャフト15に取り付けられたタイミングスプロケット15aに連結されている。そして、駆動側回転軸としてのクランクシャフト15の回転がタイミングチェーン15bを介して、従動側回転軸としての吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト23に伝達される。このことによって、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト23はクランクシャフト15の回転に同期して回転する。なお、図1の例では、クランクシャフト15、吸気側カムシャフト22および排気側カムシャフト23は、タイミングスプロケット15a,24a,25側から見て、右回り(時計回り)に回転する。
【0028】
吸気側カムシャフト22には、吸気バルブ20の上端に取り付けられたバルブリフタ20aに当接する吸気カム27が設けられ、排気側カムシャフト23には、排気バルブ21の上端に取り付けられたバルブリフタ21aに当接する排気カム28が設けられている。そして、吸気側カムシャフト22が回転すると、吸気カム27により吸気バルブ20が開閉駆動され、排気側カムシャフト23が回転すると、排気カム28により排気バルブ21が開閉駆動される。
【0029】
ここで、排気カム28は、エンジン11の出力特性などを決定する主カム山を有し、同主カム山は、排気側カムシャフト23の軸方向に対して一定となっている。一方、吸気カム27は、図2に示すように、エンジン11の出力特性などを決定する主カム山27aと、同主カム山27aとは独立に補助的に吸気バルブ20を開弁するための補助カム山27bとを有する。そして、この補助カム山27bの頂点は、吸気側カムシャフト22の軸方向に連続的変化している。これにより、リフト量可変アクチュエータ22aにより、吸気側カムシャフト22を軸方向に変位させることで、吸気バルブ20の補助的な開弁におけるリフト量を調整することができる。
【0030】
上述した回転位相差可変アクチュエータ24及びリフト量可変アクチュエータ22aは、電子制御装置(以下「ECU」という)120により制御されている。なお、ECU120は、吸気管内の圧力を測定する吸気圧センサ121、及びエンジン11の回転数を測定するクランクセンサ122等からの検出結果が電気信号として供給され、これらに基づいて制御を行っている。
【0031】
次に、吸気側カムシャフト22をその軸方向へ移動させるためのリフト量可変アクチュエータ22a、および、そのリフト量可変アクチュエータ22aを油圧により駆動するための給油構造について図3に基づき説明する。
【0032】
図3に示すように、リフト量可変アクチュエータ22aは、筒状をなすシリンダチューブ31と、シリンダチューブ31内に設けられたピストン32と、シリンダチューブ31の両端開口部を塞ぐように設けられた一対のエンドカバー33とから構成されている。このシリンダチューブ31はシリンダヘッド14に固定されている。
【0033】
ピストン32には一方のエンドカバー33を貫通した補助シャフト33aを介して吸気側カムシャフト22が連結されている。なお補助シャフト33aと吸気側カムシャフト22との間は転がり軸受33bが介在し、リフト量可変アクチュエータ22aは、回転する吸気側カムシャフト22を補助シャフト33aと転がり軸受33bとを介して回転軸方向に円滑に駆動できるようにしている。
【0034】
シリンダチューブ31内は、ピストン32により第1圧力室31aおよび第2圧力室31bに区画されている。第1圧力室31aには、一方のエンドカバー33に形成された第1給排通路34が接続され、第2圧力室31bには、他方のエンドカバー33に形成された第2給排通路35が接続されている。
【0035】
第1給排通路34または第2給排通路35を介して、第1圧力室31aと第2圧力室31bとに対し選択的に作動油を供給すると、ピストン32は吸気側カムシャフト22の回転軸方向に移動する。このピストン32の移動に伴い、吸気側カムシャフト22も回転軸方向へ移動する。
【0036】
第1給排通路34および第2給排通路35は、第1オイルコントロールバルブ36に接続されている。この第1オイルコントロールバルブ36には供給通路37および排出通路38が接続されている。そして、供給通路37はクランクシャフト15の回転に伴って駆動されるオイルポンプPを介してオイルパン13aに接続されており、排出通路38はオイルパン13aに直接接続されている。
【0037】
第1オイルコントロールバルブ36はケーシング39を備え、ケーシング39には、第1給排ポート40、第2給排ポート41、第1排出ポート42、第2排出ポート43、および供給ポート44が設けられている。第1給排ポート40には第1給排通路34が接続され、第2給排ポート41には第2給排通路35が接続されている。更に、供給ポート44には供給通路37が接続され、第1排出ポート42および第2排出ポート43には排出通路38が接続されている。また、ケーシング39内には、4つの弁部45を有してコイルスプリング46および電磁ソレノイド47によりそれぞれ逆の方向に付勢されるスプール48が設けられている。
【0038】
電磁ソレノイド47の消磁状態においては、スプール48がコイルスプリング46の弾性力によりケーシング39の一端側(図3における右側)に配置されて、第1給排ポート40と第1排出ポート42とが連通し、第2給排ポート41と供給ポート44とが連通する。この状態では、オイルパン13a内の作動油が供給通路37、第1オイルコントロールバルブ36および第1給排通路34を介して、第1圧力室31aへ供給される。また、第2圧力室31b内にあった作動油が第2給排通路35、第1オイルコントロールバルブ36および排出通路38を介してオイルパン13a内へ戻される。その結果、ピストン32が図示右側へ移動し、ピストン32に連動して吸気側カムシャフト22が矢印Sに示す方向の内、方向Rへ移動する。
【0039】
一方、電磁ソレノイド47が励磁されたときには、スプール48がコイルスプリング46の弾性力に抗してケーシング39の他端側(図3において左側)に配置されて、第2給排ポート41が第2排出ポート43と連通し、第1給排ポート40が供給ポート44と連通する。この状態では、オイルパン13a内の作動油が供給通路37、第1オイルコントロールバルブ36および第2給排通路35を介して第2圧力室31bへ供給される。また、第1圧力室31a内にあった作動油が第1給排通路34、第1オイルコントロールバルブ36および排出通路38を介してオイルパン13a内に戻される。その結果、ピストン32が図示左側へ移動し、ピストン32に連動して吸気側カムシャフト22が矢印Sに示す方向の内、方向Fへ移動する。
【0040】
更に、電磁ソレノイド47への給電を制御し、スプール48をケーシング39の中間に位置させると、第1給排ポート40および第2給排ポート41が閉塞され、それら給排ポート40,41を通じての作動油の移動が禁止される。この状態では、第1圧力室31aおよび第2圧力室31bに対して作動油の給排が行われず、第1圧力室31aおよび第2圧力室31b内に作動油が充填保持される。このことにより、ピストン32および吸気側カムシャフト22の回転軸方向での位置が固定される。図6に示す状態はこの位置固定の状態を表している。
【0041】
また、電磁ソレノイド47への給電をデューティ制御することで、第1給排ポート40における開度あるいは第2給排ポート41における開度を調整して、供給ポート44から第1圧力室31aまたは第2圧力室31bへの作動油の供給速度を制御できる。
【0042】
次に、吸気側カムシャフト22の回転位相差を調整するための回転位相差可変アクチュエータ(可変バルブタイミング機構に相当)24について図4に基づき詳しく説明する。
【0043】
図4に示すように、回転位相差可変アクチュエータ24はタイミングスプロケット24aを備える。このタイミングスプロケット24aは吸気側カムシャフト22が貫通する筒部51と、筒部51の外周面から突出する円板部52と、円板部52の外周面に設けられた複数の外歯53とを備えている。タイミングスプロケット24aの筒部51は、シリンダヘッド14のジャーナル軸受14aとカムシャフトベアリングキャップ14bとに挟持されて回転可能に支持されている。そして、吸気側カムシャフト22は、筒部51内を回転軸方向へ摺動して移動できるように筒部51を貫通している。
【0044】
更に、吸気側カムシャフト22の先端部を覆うように設けられたインナギヤ54が、ボルト55により固定されている。このインナギヤ54は図8に示すごとく、平歯の大径ギヤ部54aと、斜歯の小径ギヤ部54bとが2段に形成された構成をなしている。
【0045】
更に、インナギヤ54の小径ギヤ部54bには、図5に示す平歯の外歯56aと斜歯の内歯56bとを備えたサブギヤ56が、その内歯56bにて、図4に示すごとく噛み合わされている。この噛み合せの際には、インナギヤ54とサブギヤ56との間にリング状のスプリングワッシャ57が配置され、サブギヤ56をインナギヤ54から離すように軸方向に付勢している。なお、インナギヤ54とサブギヤ56との外径は同一である。
【0046】
タイミングスプロケット24aの円板部52には、複数のボルト58(ここでは4本のボルト)により、ハウジング59と、ハウジング59の内部の内、後述する第1圧力室70および第2圧力室71とを密閉するカバー60とが取り付けられている。なお、カバー60の中心には、後述する円筒状空間61cを開放して吸気側カムシャフト22の軸方向への摺動を円滑に行うための穴部60aが設けられている。
【0047】
図6に、上記ボルト58、カバー60およびボルト55を取り外してハウジング59の内部を図4において左から見た状態を示す。なお、図4の回転位相差可変アクチュエータ24は、図6におけるB−B線での断面状態を示している。
【0048】
同図6に示されるように、ハウジング59は、内周面59aから中心方向に向かって突出する複数の壁部62,63,64,65(ここでは4つ)を備えている。そして、その壁部62,63,64,65の先端面に対して、外周面61aにて接する円盤状のベーンロータ61が回動可能に配置されている。
【0049】
円盤状のベーンロータ61の中心部には円筒状空間61c(図4)が形成されており、特に本実施形態にあって、その内周面全体には吸気側カムシャフト22の軸方向に沿って直線状に延びるスプライン部61bが形成されている。前述したインナギヤ54の大径ギヤ部54aとサブギヤ56の外歯56aとは共にこのスプライン部61bに噛み合わされている。
【0050】
斜歯の内歯56bと斜歯の小径ギヤ部54bとの噛み合わせと、スプリングワッシャ57との作用により、インナギヤ54の大径ギヤ部54aとサブギヤ56の外歯56aとは相対的に逆方向に回動する付勢力を生じるようになる。このため、スプライン部61bとギヤ54,56との間のバックラッシュが吸収され、ベーンロータ61に対してインナギヤ54を高精度に配置することができるとともに、その打音も抑制されるようになる。
【0051】
また、円盤状のベーンロータ61は、その外周面61aに、壁部62,63,64,65の間の空間に突出して、先端をハウジング59の内周面59aに接しているベーン66,67,68,69を備えている。これらのベーン66,67,68,69が壁部62,63,64,65間の空間を区画することにより、第1圧力室70と第2圧力室71とを形成している。
【0052】
上述した構成において、エンジン11の駆動によりクランクシャフト15が回転すると、その回転がタイミングチェーン15bを介してタイミングスプロケット24aに伝達される。このとき、タイミングスプロケット24aおよび吸気側カムシャフト22が、調整されている回転位相差状態で一体に回転する。この吸気側カムシャフト22の回転に伴なって吸気バルブ20(図1)が開閉駆動される。
【0053】
そして、エンジン11の駆動時に、第1圧力室70および第2圧力室71に対する油圧制御により、ハウジング59に対してベーンロータ61を回転方向に相対的に回動させる。すなわち吸気側カムシャフト22をクランクシャフト15に対し進角する側に回転位相差の調整制御を行うと、吸気バルブ20の作用角全体が進角して吸気バルブ20の開閉タイミングは早くなる。
【0054】
逆に、ハウジング59に対してベーンロータ61を回転方向とは逆方向に相対的に回動させる。すなわち吸気側カムシャフト22をクランクシャフト15に対し遅角する側に回転位相差の調整制御を行うと、吸気バルブ20の作用角全体が遅角して吸気バルブ20の開閉タイミングは遅くなる。
【0055】
次に、回転位相差可変アクチュエータ24にあって、吸気側カムシャフト22の回転位相差を調整するために、ハウジング59とベーンロータ61間の回転位相差を油圧制御する構成について説明する。
【0056】
図4及び図6に示したごとく、ハウジング59の内部に突出する各壁部62〜65の第1圧力室70側には、それぞれ進角用油路開口部80が開口し、各壁部62〜65の第2圧力室71側には、それぞれ遅角用油路開口部81が開口している。また、進角用油路開口部80に接する各壁部62〜65の内で円板部52側には、ベーン66〜69が進角用油路開口部80を塞いでいても、ベーンロータ61が進角方向に回動する油圧を与えることができるように、凹部62a〜65aが設けられている。同様に、遅角用油路開口部81に接する各壁部62〜65の内で円板部52側には、ベーン66〜69が遅角用油路開口部81を塞いでいても、ベーンロータ61が遅角方向に回動する油圧を与えることができるように、凹部62b〜65bが設けられている。
【0057】
一方、図4に示されるように、各進角用油路開口部80は、円板部52内の進角制御油路84、筒部51内の進角制御油路86,88により、筒部51の一方の外周溝51aに接続されている。また、各遅角用油路開口部81は、円板部52内の遅角制御油路85、筒部51内の遅角制御油路87,89により、筒部51の他方の外周溝51bに接続されている。
【0058】
また、筒部51内の遅角制御油路87から分岐した潤滑油路90は筒部51の内周面51cに設けられた幅広の内周溝91に接続している。このことにより、遅角制御油路87内を流れる作動油を、筒部51の内周面51cと吸気側カムシャフト22の端部外周面22bに潤滑油として導く。
【0059】
筒部51の一方の外周溝51aは、シリンダヘッド14内の進角制御油路92を介して第2オイルコントロールバルブ94に接続され、筒部51の他方の外周溝51bはシリンダヘッド14内の遅角制御油路93を介して第2オイルコントロールバルブ94に接続されている。
【0060】
第2オイルコントロールバルブ94には、供給通路95および排出通路96が接続されている。そして、供給通路95は第1オイルコントロールバルブ36にて用いたと同一のオイルポンプPを介してオイルパン13aに接続しており、排出通路96はオイルパン13aに直接接続している。したがって、オイルポンプPは、オイルパン13aから二つの供給通路37,95へ作動油を送り出すようになっている。
【0061】
第2オイルコントロールバルブ94は第1オイルコントロールバルブ36と同様に構成されている。すなわち、第2オイルコントロールバルブ94は、ケーシング102、第1給排ポート104、第2給排ポート106、弁部107、第1排出ポート108、第2排出ポート110、供給ポート112、コイルスプリング114、電磁ソレノイド116、およびスプール118を備えている。そして、第1給排ポート104にはシリンダヘッド14内の進角制御油路92が接続され、第2給排ポート106にはシリンダヘッド14内の遅角制御油路93が接続されている。また、供給ポート112には供給通路95が接続され、第1排出ポート108および第2排出ポート110には排出通路96が接続されている。
【0062】
したがって、電磁ソレノイド116の消磁状態においては、スプール118がコイルスプリング114の弾性力によりケーシング102の一端側(図4において右側)に配置される。このことにより、第1給排ポート104と第1排出ポート108とが連通し、第2給排ポート106が供給ポート112と連通する。この状態では、オイルパン13a内の作動油が、供給通路95、第2オイルコントロールバルブ94、遅角制御油路93、外周溝51b、遅角制御油路89、遅角制御油路87、遅角制御油路85、遅角用油路開口部81、および凹部62b,63b,64b,65bを介して回転位相差可変アクチュエータ24の第2圧力室71へ供給される。また、回転位相差可変アクチュエータ24の第1圧力室70内にあった作動油は、凹部62a,63a,64a,65a、進角用油路開口部80、進角制御油路84、進角制御油路86、進角制御油路88、外周溝51a、進角制御油路92、第2オイルコントロールバルブ94、および排出通路96を介してオイルパン13a内へ戻される。その結果、ベーンロータ61がハウジング59に対して遅角方向へ相対回動し、前述したように吸気側カムシャフト22はクランクシャフト15に対し遅角する方向に相対回転する。
【0063】
一方、電磁ソレノイド116が励磁されたときには、スプール118がコイルスプリング114の弾性力に抗してケーシング102の他端側(図4において左側)に配置される。このことにより、第2給排ポート106が第2排出ポート110と連通し、第1給排ポート104が供給ポート112と連通する。この状態では、オイルパン13a内の作動油が、供給通路95、第2オイルコントロールバルブ94、進角制御油路92、外周溝51a、進角制御油路88、進角制御油路86、進角制御油路84、進角用油路開口部80、および凹部62a,63a,64a,65aを介して、回転位相差可変アクチュエータ24の第1圧力室70へ供給される。また、回転位相差可変アクチュエータ24の第2圧力室71内にあった作動油は、凹部62b,63b,64b,65b、遅角用油路開口部81、遅角制御油路85、遅角制御油路87、遅角制御油路89、外周溝51b、遅角制御油路93、第2オイルコントロールバルブ94、および排出通路96を介してオイルパン13a内へ戻される。その結果、ベーンロータ61がハウジング59に対して進角方向へ相対回動し、前述したように吸気側カムシャフト22はクランクシャフト15に対し進角する方向に相対回転する。
【0064】
更に、電磁ソレノイド116への給電を制御し、スプール118をケーシング102の中間に位置させると、第1給排ポート104および第2給排ポート106が閉塞され、それら給排ポート104,106を通じての作動油の移動が禁止される。この状態では、回転位相差可変アクチュエータ24の第1圧力室70および第2圧力室71に対して作動油の給排が行われない。この結果、第1圧力室70および第2圧力室71内には作動油が充填保持されて、ベーンロータ61はハウジング59に対する相対回動は停止する。したがって、吸気側カムシャフト22とクランクシャフト15との回転位相差は、ベーンロータ61が固定されたときの状態に保持される。
【0065】
また、電磁ソレノイド116への給電をデューティ制御することで、第1給排ポート104における開度あるいは第2給排ポート106における開度を調整して、供給ポート112から第1圧力室70あるいは第2圧力室71への作動油の供給速度を制御できる。
【0066】
次に、本実施形態に係るバルブ特性制御方法について、図1、図7及び図8を用いて詳細に説明する。
本実施形態において、ECU120内のメモリには、吸気圧センサ121の検出結果(吸気管圧力)とクランクセンサ122により求められた回転数との値から上述したリフト量可変アクチュエータ22a及び回転位相差可変アクチュエータ24の制御量を定めた2次元マップが収納されている。この2次元マップの値がエンジン11のその都度の運転状態に応じた動作指令としてECU120からリフト量可変アクチュエータ22a及び回転位相差可変アクチュエータ24に供給されて、主に前述したEGR(排気還流)制御が行われる。すなわち、図2に示す吸気カム27の補助カム山27bにより、排気バルブ21の開弁期間に、補助的に吸気バルブ20を開弁することにより、排気の一部を吸気に戻す制御が行われる。
【0067】
ところで、図7に示すように、排気の圧力は一定ではなく、エンジン11の運転状態に応じて絶えず脈動している。すなわち、排気行程中では、領域aにおいて排気圧がほぼ最大の圧力値に達するまで上昇していき、領域aと領域bとの間では、その圧力値でほぼ一定に保たれている。そして、領域bにおいては排気圧力が低下していく。したがって、補助カム山27bによる開弁のリフト量が同じであっても、補助カム山27bによる吸気バルブ20の開弁時期によって、取り込まれるEGR量、したがってEGR率も変化する。
【0068】
図8に、補助カム山27bによる吸気バルブ20の開弁の中心(吸気2段リフト中心)と燃焼室17に取り込まれるEGR率との関係を示す。同図8に示すように、領域a内に吸気バルブ20の開弁の中心がある場合には、その中心位置が遅角側にシフトしていくほど同じリフト量でも取り込まれるEGR率が増加する。しかしながら、領域aと領域bとの間の領域内に吸気バルブ20の開弁の中心がある場合には、上述した排気圧力脈動から予想されるように、その中心位置を移動させても取り込まれるEGR率は略一定に保たれる。
【0069】
したがって、エンジン11が要求するEGR率が大きな運転領域においては、図7及び図8に示す高EGR量要求域側へ補助カム山27bによる吸気バルブ20の開弁時期を設定する制御を行うことが好ましい。一方、エンジン11が要求するEGR率が小さな運転領域において、図8に示す高EGR量要求域側で補助カム山27bの開弁を行うと、僅かなリフト量の増加が大きなEGR量の増加を引き起こすことになり、EGR量を高精度に制御することが困難になるおそれがある。したがって、エンジン11が要求するEGR量が小さな運転領域では、補助カム山27bによる吸気バルブ20の開弁時期を図7及び図8に示す低EGR量要求域側に設定する制御を行うことが好ましい。
【0070】
なお、図8のリフト中心、及びリフト量に対するEGR量の増減態様によれば、同図8の特に高EGR量要求域において、リフト量変化に対するEGR量(率)の変化は、リフト量が大きくなるときの方が、リフト量が小さくなるときよりも小さいという特性を有することがわかる。したがって、高EGR量要求域においてリフト量を大きくした制御をおこなった場合は、同領域においてリフト量を小さくした制御をおこなった場合よりも、取り込まれるEGR率の誤差は小さくなる。
【0071】
本実施形態においては、これらの特性に鑑みて、エンジン11が要求するEGR率が大きい運転領域に移行していくほど、補助カム山27bの開弁の開始時期を図7及び図8に示す高EGR量要求域側へ移行させるべく上述した回転位相差可変アクチュエータ24の制御進角値を定めている。
【0072】
すなわち、要求されるEGR率が小さいときには、図7及び図8の低EGR量要求域において、補助カム山27bによる吸気バルブ20の開弁時期を設定し、同領域内でリフト量可変アクチュエータ22aによるリフト量の調整を行うことで、EGR量を高精度に制御する。一方、要求されるEGR率が大きいときには、図7及び図8の高EGR量要求域において、補助カム山27bによる吸気バルブ20の開弁時期を設定し、同領域内でリフト量可変アクチュエータ22aによるリフト量の調整を行うことで、EGR量を高いダイナミックレンジをもって制御する。
【0073】
以上説明したように、本実施形態によれば以下の効果が得られるようになる。
(1)出力特性等を決定する主たるバルブ特性と別途に、補助的に吸気バルブ20を開弁することで、燃焼室17内にEGRガスを取り込むEGR量の制御に際し、同吸気バルブ20の補助的な開弁時期を排気圧力に基づいて設定することとしたことで、要求されるEGR量に応じた最適な制御を行うことができる。
【0074】
(2)エンジン11が要求するEGR量が大きい運転領域において、補助カム山27bによる吸気バルブ20の開弁時期を排気圧力が高い領域に設定したことにより、要求されるEGR量を確実に確保することができる。一方、エンジン11が要求するEGR量が小さい運転領域において、補助カム山27bによる吸気バルブ20の開弁時期を排気圧力が低い領域に設定したことにより、EGR量を高精度に制御することができる。また、高EGR量要求域においてリフト量が大きくなる制御を行った場合には、相対的に誤差が小さくなる傾向があるため、高精度且つ高ダイナミックレンジでのEGR制御が可能ともなる。
【0075】
(3)主カム山27aとは独立に設けられる補助カム山27b、補助カム山27bによる吸気バルブ20のリフト量を可変とするリフト量可変アクチュエータ22a及び補助カム山による吸気バルブ20の開弁時期を可変とする回転位相差可変アクチュエータ24を用いてバルブ特性制御装置を構成したことで、上記(1)及び(2)の効果を的確に得ることのできる装置を比較的容易に構成することができる。
【0076】
なお、上記第1の実施形態のバルブ特性制御装置は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態においては、エンジン11が高EGR量が要求される運転領域へ移行するにつれて、補助カム山27bの開弁時期を排気圧力が高い方へ移行させていくように設定したが、例えば高地走行等、車両環境等に応じてEGR量の増減補正を行う場合には更に、減量側は排気圧力が低い方へ増量側は排気圧力が高い側へ補助カム山27bの開弁時期を変位させるようにしてもよい。この制御をリフト量の制御と組み合わせる等することにより、更に高精度なEGR制御を行うことができる。
【0077】
・上記実施形態においては、吸気カム27に補助カム山27bを設け、これにより補助的な開弁を行うことでEGR制御を行ったが、図9に示すように排気カム28に補助カム山を設け、領域cにおいて排気バルブ21を開弁させるようにしてもよい。また、吸気カム27及び排気カム28の両方に補助カム山を設けてもよい。
【0078】
・上記実施形態においては、回転位相差可変アクチュエータ24として、ベーン式のものを用いたが、ヘリカルスプライン式の油圧ピストン(リングギヤ)を用いたものなど任意のものでよい。またクランクシャフト15から駆動力を受け取る方式として、スプロケット式のものを用いたが、タイミングプーリを用いたものなどでもよい。
【0079】
・上記実施形態においては、リフト量可変アクチュエータ22a及び回転位相差可変アクチュエータ24をEGR制御のために用いたが、例えば排気系に両アクチュエータ22a、24をEGR制御のために設け、吸気系に両アクチュエータ22a、24を出力特性等を決定するいわゆるメインバルブ特性の制御のために用いる等してもよい。
【0080】
・上記実施形態においては、補助カム山27bの開弁時期の変更を回転位相差可変アクチュエータ24を用いて行ったが、必ずしもこの方式を用いる必要はなく、例えば、カムが1回転する間のカムの回転速度を可変とする可変バルブ作動角制御方式等を用いてもよい。
【0081】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る第2の実施形態について、主として第1の実施形態との相違点を中心に図10〜図12に基づいて説明する。
【0082】
本実施形態においては、吸気系にリフト量可変アクチュエータ22aのみを設け、回転位相差可変アクチュエータ24を設けない。その代わりに、排気圧力脈動を考慮して、吸気カム27に設ける補助カム山27b’の形状を、図10に示すような形状とする。
【0083】
図10に示すように、吸気カム27の補助カム山27b’は、カム軸方向に連続的に高さの異なる頂点が同カムの回転方向後方に徐々に高くなる方向に偏倚されるように形成されている。これは、リフト量が増加するにつれて開弁期間の中心(リフト中心)が連続的に遅角側に移行することを狙ったものである。更に補助カム山27b’の頂点の高さが最大となる位置は、排気圧力が最も高まる時期、すなわち図11に示す領域aの最遅角側に設定されている。このような形状をもって吸気カム27の補助カム山27b’を形成することにより、図11に示すように、補助カム山27b’の開弁の開始時期を略一定に保ちながら、そのリフト量の増加と共に、リフト中心を排気圧力の高い方へと移行させることができるようになる。更にこの場合、出力特性などを決定するいわゆるメインバルブ特性(EXメイン、INメイン)に影響を与えることなく、補助カム27b’によるいわば補助バルブ特性の変更(EGR制御)を行うことができるようにもなる。
【0084】
こうした補助カム山27b’のリフト中心、リフト量、及び確保することのできるEGR率との関係を、図12に太線の特性として示す。本実施形態にあっては、同図12に示すように、補助カム山27b’による吸気バルブ20のリフト量が小さいときには、リフト中心が低EGR量要求域側に設定される。したがって、エンジン11が要求するEGR率が小さい運転領域においては、高精度にEGR量を制御することができる。また、補助カム山27b’による吸気バルブ20のリフト量が大きくなるにつれて、リフト中心が高EGR量要求域側にシフトしていく。したがって、エンジン11が要求するEGR率が大きな運転領域においては、その供給量を確実に確保することができる。これにより、EGR制御を高いダイナミックレンジで行うことを可能にしている。
【0085】
以上説明したように、本実施形態によれば以下の効果が得られるようになる。
(1)補助カム27b’による吸気バルブ20の開弁時期を、排気圧力脈動を考慮して設定したことにより、EGR量の要求量に応じた最適な制御を行うことができる。
【0086】
(2)エンジン11が要求するEGR率が小さい運転領域においては、高精度のEGR制御を行い、エンジン11が要求するEGR率が大きい運転領域においては、その要求量を十分に確保する制御を行うことができる。
【0087】
(3)回転位相差可変アクチュエータ24を用いないために、エンジン11の出力特性等を決定するいわゆるメインバルブ特性を変更することなく、EGR量の制御を行うことができる。
【0088】
なお、上記第2の実施形態のバルブ特性制御装置は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態においては、リフト中心がクランク角度で230°ほどのところで、リフト量が最大となるように設定したが、リフト中心の変化態様は、必ずしもこれに限られない。例えば、リフト中心がクランク角度で250°ほどのところで、リフト量が最大となるように設定してもよい。図12に示されるように、リフト中心がクランク角度で240°より遅角側では、リフトが高くなるほどリフト変化の割に取り込まれるEGR率が増加しない傾向があるため、上述の設定によれば、エンジン11の要求するEGR率が大きな運転領域における精度を上げることができる。また、これらリフト中心の変化態様は、各エンジンの特性に基づいた排気圧力脈動に応じて任意に定めることができる。
【0089】
・上記実施形態においては、吸気カム27の補助的な開弁時期を図11の領域aに設定したが、同開弁時期についてはこれを領域bとしてもよい。ただし、領域bにて上記実施形態と同様な作用効果を得るためには、補助カム山27b’の代わりに、図13に示す補助カム山27b”を用いる必要がある。同図13に示す補助カム山27b”においては、そのカム軸方向に連続的に高さの異なる頂点が、同カムの回転方向前方に徐々に高くなる方向に偏倚されるように形成されている。更に、補助カム山27b”の頂点の高さが最大となる位置は、図11に示す領域bにおいて排気圧力が最も高まる時期、すなわち同領域bの最進角側に設定されている。これによっても、排気圧力の高い時期には大きなリフト量をもって吸気バルブ20が開弁されるようになり、要求されるEGR量を十分に確保することができるようになる。一方、排気圧力が低くなるにつれて同吸気バルブ20のリフト量(開弁量)も徐々に小さくなるため、高い精度でのEGR制御が可能となる。
【0090】
・図13に示した上記補助カム山27b”による吸気バルブ20の開弁が、図11の領域a内で行われるようにしてもよい。この場合のリフト中心、リフト量、及び取り込まれるEGR率との関係を図14に太線の特性として示す。同図14から明らかなように、吸気バルブ20の補助的な開弁特性をこのような設定とすることにより、リフト量の大きな領域でのEGR制御精度を高めることができるようになり、しかもリフト量可変アクチュエータ22aの作動に伴う早急なEGR量の確保が可能ともなる。
【0091】
(第3の実施形態)
次に、本発明に係る内燃機関のバルブ特性制御装置の第3の実施形態について、図15〜図17を参照して説明する。
【0092】
本実施形態において対象とするエンジンは、その各気筒内に直接燃料を噴射する周知の筒内直接噴射式のエンジンである。すなわち、先の実施形態において対象としたエンジンと各対応する部材には便宜上同一の符号を付して図15に示すように、本実施形態において対象とするエンジンには、シリンダブロック13及びピストン12により区画形成される燃焼室17に燃料を直接噴射すべく、インジェクタ130が設けられている。また、本実施形態に係るバルブ特性制御装置は、排気側カムシャフト23に対して設けられており、その構成は、先の第1の実施形態と同様、排気カム28に設けられた補助カム山、この補助カム山の3次元カム形状を通じて排気バルブ21の補助的な開弁量(リフト量)を可変とするリフト量可変アクチュエータ(バルブリフト可変機構)、そして排気カムシャフト23とクランクシャフト15との相対回転位相を可変とする回転位相差可変アクチュエータ(バルブタイミング機構)からなる。またこの場合、上記補助カム山は、排気カム28の主カム山の回転方向後方に設けられ、吸気行程中に補助的に排気バルブ21を開弁する。
【0093】
ところで、上述のような筒内直接噴射式のエンジンにおいては、燃料噴射時期を可変とすることで、混合気の形成の自由度を高めることができ、燃費を向上するためのきめ細かな制御が可能となる反面、燃焼室17内で燃料が十分に気化せず、燃焼性が阻害されやすいといった懸念がある。そこで本実施形態では、吸気行程において燃料噴射が行われている間の排気バルブ21の補助的な開弁時期を、それら燃料噴射が行われるタイミングよりも少し前、すなわち同燃料噴射タイミングよりもやや進角側に設定している。これによって、図15に示す如く、吸気行程中に燃焼室17内に取り込まれた高温のEGRガスにインジェクタ130から噴射された燃料が当たり、同燃料の気化が促進されるようになる。
【0094】
以下、本実施形態において補助的に排気バルブ21の開弁時期を制御する過程について、図16及び図17を併せ参照して説明する。
ここで、図16は、上記制御に係る制御手順を示すフローチャートである。この制御ルーチンは、例えば、所定のクランク角周期の割り込み処理としてECU120により繰り返し実行される。また、図17は、吸気行程中での燃料噴射時期に応じた排気バルブ21の補助的な開弁の開弁時期についてその一例を示すタイミングチャートである。
【0095】
筒内直接噴射式のエンジンの制御においては、運転状態に見合った最適な燃料噴射タイミングで燃料を噴射すべく、同噴射タイミングが可変となっている。この燃料噴射タイミングは、成層燃焼を目的として圧縮行程中に設定するか、又は均質燃焼を目的として吸気行程中に設定するかに大別される。また、これら各行程中における噴射タイミングも、更に運転状態に応じて可変とされる。本実施形態にあっては、特に吸気行程中のこうして可変とされる燃料噴射タイミングに対して排気バルブ21の補助的な開弁時期を制御する。
【0096】
さて、同制御の実行に際してはまず、ステップ100において、エンジン11の噴射時期が吸気行程中に行われているか否かが判断される。その結果、吸気行程噴射が実行されていると判断されると、ステップ101に移行する。ステップ101においては、図17に示すように、燃料噴射タイミングよりも所定の値だけ進角側に補助カム山27bによる排気バルブ21の補助的な開弁(EX2段)の開弁時期を設定し、ステップ102へ移行する。一方、吸気行程噴射が実行されていないと判断されると、ステップ103へ移行し、補助カム山27bによる排気バルブ21の補助的な開弁の開弁時期を、予め設定された通常の開弁時期(基本値)に設定し、ステップ102へ移行する。
【0097】
ステップ102においては、EGR実行条件が成立しているか否かが判断される。その結果、成立していないと判断されると、ステップ104へ移行し、補助カム山27bによる補助的な排気バルブ21の開弁量である補助リフト量を「0」と設定する。一方、ステップ102において、EGR実行条件が成立していると判断されると、ステップ105へ移行する。ステップ105においては、要求されるEGR量を確保すべく、上述した補助リフト量を算出する。本実施形態において、この算出にはまず、吸気圧センサ121の検出結果に基づく負荷、及びクランクセンサ122の検出結果に基づく回転数に基づいて要求されるEGR量を算出する。次いで、ステップ101又はステップ103により設定された補助リフト開弁開始時期から、その開弁時期における排気圧力に基づいて、要求されるEGR量に見合った補助リフト量が算出される。
【0098】
ステップ104又はステップ105の処理が終了すると、このルーチンは一旦終了され、別途の図示しないアクチュエータ駆動ルーチンを通じて、上記設定若しくは算出された値に基づく補助リフトのための開弁時期制御及びリフト量制御が実行される。
【0099】
本実施形態おいては、このように、吸気行程噴射が実行されているときの燃料噴射タイミングに応じて、回転位相差可変アクチュエータが制御され、図17に示すように、当該噴射タイミングに応じた排気バルブ21の補助的な開弁の開弁時期が設定される。これにより、排気バルブ21の開弁によって導入される高温のEGRガスにその都度噴射される燃料が当たることとなり、同燃料の気化が促進されるようになる。しかも、このEGR量は、上記設定された開弁時期における排気圧力に基づいて、その正確な要求量が求められており、この求められたEGR要求量に基づいて上記リフト量可変アクチュエータの制御態様が決定される。
【0100】
以上説明したように、本実施形態によれば以下の効果が得られるようになる。
(1)吸気行程において燃料噴射が行われている間の排気バルブ21の補助的な開弁時期を、同燃料噴射タイミングよりもやや進角側に設定することで、吸気行程中に燃焼室17内に取り込まれた高温のEGRガスにインジェクタ130から噴射された燃料が当たり、同燃料の気化が促進されるようになる。したがって、良好な燃焼を得ることができる。
【0101】
(2)排気バルブ21の補助的な開弁時期に併せてそのリフト量も可変としたことで導入するEGR量を好適に調整することができる。
(3)燃料噴射タイミングに応じて設定された補助的な開弁時期における排気圧力に基づいて、上記リフト量を算出することで、要求される量のEGRガスを正確に導入することができる。
【0102】
なお、上記第3の実施形態のバルブ特性制御装置は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施形態においては、排気バルブ21の補助的な開弁の開弁時期を、燃料噴射タイミングから所定値だけ進角側に設定したが、この進角側への移行値を排気圧力に基づいて微調整する構成としてもよい。これにより、燃焼室17に噴射される燃焼の気化の促進を図りながら、要求されるEGR量を導入することにより最適な開弁時期を設定することができる。
【0103】
・上記実施形態においては、排気バルブ21の補助的な開弁の開始時期による排気圧力の変化を加味してリフト量の制御を行うこととしたが、この排気圧力脈動によるリフト量の補正を必ずしも行わなくとも、燃焼室17に噴射される燃料の気化を促すことはできる。
【0104】
・上記実施形態においては、排気バルブ21の補助的な開弁時期に併せてそのリフト量も可変としたが、リフト量については固定とすることでも燃焼室17に噴射される燃料の気化を促すことはできる。
【0105】
その他、上記各実施形態のバルブ特性制御装置に共通して変更可能な要素としては以下のものがある。
・上記各実施形態においては、吸気バルブ20及び排気バルブ21を機関駆動式としたが、それら吸排気バルブとして電磁開閉弁やロータリーバルブ等を採用した場合においても、それら各実施形態に準じたかたちで本発明を適用することができる。要は、エンジンの出力特性を決定する主たる吸排気バルブの開閉とは別途に、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方の補助的な開弁に基づき、それら吸気バルブと排気バルブとが同時に開弁される期間を生じさせることで燃焼室17内部の排気還流量を制御するバルブ特性制御に際し、吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方による補助的な開弁の開弁時期をエンジンの運転状態、詳しくは排気圧力に応じて可変とするものであればよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のバルブ特性制御装置が適用されるエンジンの概略構成図。
【図2】同実施形態のバルブ特性制御装置を構成する吸気カムの構造を示す斜視図。
【図3】同実施形態のバルブ特性制御装置を構成するリフト量可変アクチュエータの構成を示す部分断面図。
【図4】同実施形態のバルブ特性制御装置を構成する回転位相差可変アクチュエータの構成を示す部分断面図。
【図5】同回転位相差可変アクチュエータに用いられるインナギヤ及びサブギヤの形状を示す斜視図。
【図6】同回転位相差可変アクチュエータの内部構成を示す正面図。
【図7】同実施形態におけるバルブ特性制御態様を示すタイミングチャート。
【図8】同実施形態による吸気バルブの補助的な開弁時期とEGR量との関係を示すグラフ。
【図9】第1の実施形態の変形例におけるバルブ特性制御態様を示すタイミングチャート。
【図10】第2の実施形態において用いられる吸気カムの形状を示す三面図。
【図11】同第2の実施形態におけるバルブ特性制御態様を示すタイミングチャート。
【図12】同第2の実施形態における吸気バルブの補助的なリフト量、開弁時期及びEGR量の関係を示すグラフ。
【図13】第2の実施形態の変形例において用いられる吸気カムの形状を示す三面図。
【図14】同変形例における吸気バルブの補助的なリフト量、開弁時期及びEGR量の関係を示すグラフ。
【図15】第3の実施形態のバルブ特性制御装置が適用される筒内直接噴射式のエンジンの一部断面図。
【図16】同第3の実施形態における排気バルブの補助的な開弁開始時期を算出する手順を示すフローチャート。
【図17】同第3の実施形態におけるバルブ特性制御態様を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
10…バルブ特性制御装置、11…エンジン、12…ピストン、13…シリンダブロック、13a…オイルパン、14…シリンダヘッド、14a…ジャーナル軸受、14b…カムシャフトベアリングキャップ、15…クランクシャフト、15a…タイミングスプロケット、15b…タイミングチェーン、16…コンロッド、17…燃焼室、18…吸気ポート、19…排気ポート、20…吸気バルブ、20a…バルブリフタ、21…排気バルブ、21a…バルブリフタ、22…吸気側カムシャフト、22a…リフト量可変アクチュエータ、22b…端部外周面、23…排気側カムシャフト、24…回転位相差可変アクチュエータ、24a…タイミングスプロケット、25…タイミングスプロケット、27…吸気カム、27a…主カム山、27b…補助カム山、28…排気カム、31…シリンダチューブ、31a…第1圧力室、31b…第2圧力室、32…ピストン、33…エンドカバー、33a…補助シャフト、33b…転がり軸受、34…第1給排通路、35…第2給排通路、36…第1オイルコントロールバルブ、37…供給通路、38…排出通路、39…ケーシング、40…第1給排ポート、41…第2給排ポート、42…第1排出ポート、43…第2排出ポート、44…供給ポート、45…弁部、46…コイルスプリング、47…電磁ソレノイド、48…スプール、51…筒部、51a,51b…外周溝、51c…内周面、52…円板部、53…外歯、54…インナギヤ、54a…大径ギヤ部、54b…小径ギヤ部、55…ボルト、56…サブギヤ、56a…外歯、56b…内歯、57…スプリングワッシャ、58…ボルト、59…ハウジング、59a…内周面、60…カバー、60a…穴部、61…ベーンロータ、61a…外周面、61b…スプライン部、61c…円筒状空間、62,63,64,65…壁部、62a,63a,64a,65a,62b,63b,64b,65b…凹部、66,67,68,69…ベーン、70…第1圧力室、71…第2圧力室、80…進角用油路開口部、81…遅角用油路開口部、84…進角制御油路、85…遅角制御油路、86…進角制御油路、87…遅角制御油路、88…進角制御油路、89…遅角制御油路、90…潤滑油路、91…内周溝、92…進角制御油路、93…遅角制御油路、94…第2オイルコントロールバルブ、95…供給通路、96…排出通路、102…ケーシング、104…第1給排ポート、106…第2給排ポート、107…弁部、108…第1排出ポート、110…第2排出ポート、112…供給ポート、114…コイルスプリング、116…電磁ソレノイド、118…スプール、120…ECU、121…吸気圧センサ、122…クランクセンサ、130…インジェクタ。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a valve characteristic control method and control apparatus for an internal combustion engine, and more specifically, at least one of an intake valve and an exhaust valve is supplementarily provided separately from opening and closing of a main intake / exhaust valve that determines output characteristics and the like of the engine. The present invention relates to a control method and a control device for controlling an EGR (exhaust gas recirculation) amount or the like in a combustion chamber of the engine by opening the valve.
[0002]
[Prior art]
As is well known, there is EGR (exhaust gas recirculation) control for returning a part of exhaust gas to intake air as a method for reducing nitrogen oxide (NOx) in the exhaust gas. As a method for returning a part of the exhaust gas to the intake air, a method of opening the exhaust valve in the intake stroke or auxiliary opening the intake valve in the exhaust stroke has been conventionally known.
[0003]
As a device for performing so-called internal EGR control based on this method, for example, in Japanese Patent Laid-Open No. 10-89033, an auxiliary cam crest is provided behind the main cam crest constituting the main portion of the exhaust cam, and the auxiliary cam crest is provided. The cam crest height is formed so as to continuously change from one end of the camshaft to the other end, and the camshaft is opened according to the operating state of the engine while opening the exhaust valve in the intake stroke. It is described that the lift amount can be adjusted by displacing in the axial direction. According to this configuration, when the exhaust valve is auxiliary opened in the intake stroke, the lift amount is continuously variable, so that not only the EGR is secured but also the EGR amount can be adjusted. .
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, since the exhaust pressure is not always constant and pulsates, there is no linear correspondence between the change in the lift amount of the exhaust valve and the change in the EGR amount in the intake stroke. Absent. Therefore, the EGR amount may not increase with the lift amount increased, or conversely, the EGR amount may increase rapidly as the lift amount increases.
[0005]
For this reason, when the auxiliary opening of the exhaust valve is performed in a region where the exhaust pressure is high, for example, for the purpose of increasing the dynamic range (control range) of EGR control, there is a concern that the control accuracy of the EGR amount itself may be reduced. Become so. On the other hand, when the auxiliary opening of the exhaust valve is performed in a region where the exhaust pressure is low for the purpose of controlling the EGR amount with high accuracy, the control width, that is, the dynamic range may be lowered. Therefore, just because the EGR amount can be adjusted just as in the above-described conventional device, both the control of the EGR amount with high accuracy and the control with a high dynamic range over the entire operation range of the engine are achieved. Has become extremely difficult.
[0006]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is an internal combustion engine capable of achieving both high-precision control and control in a high dynamic range with respect to the internal EGR amount of the engine. The object is to provide a valve characteristic control method and a control device.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In the following, means for achieving the above object and its effects are described.
According to the first aspect of the present invention, the intake valve and the exhaust valve are connected to each other based on the auxiliary opening of at least one of the intake valve and the exhaust valve separately from the opening and closing of the main intake and exhaust valves that determine the output characteristics of the internal combustion engine. In the valve characteristic control method for an internal combustion engine that controls the exhaust gas recirculation amount inside the combustion chamber of the engine by generating a period during which the valve is simultaneously opened, the auxiliary valve opening by at least one of the intake valve and the exhaust valve is opened. Valve timing When the required exhaust gas recirculation amount is large, the exhaust gas pressure is set at a higher timing than when the exhaust gas recirculation amount is small. This is the gist.
[0008]
As described above, the exhaust pressure is not always constant but pulsates. In addition, the change of the exhaust pressure depends on the operating state of the engine. For example, it is possible to estimate the exhaust pressure from each stroke of the engine and the rotation angle of the engine output shaft in those strokes. For this reason, if the opening timing of the auxiliary valve opening is set, for example, at the timing when the exhaust pressure becomes high, according to the pulsation of the exhaust pressure as in the above control method, the engine combustion has a high dynamic range. If it becomes possible to control the exhaust gas recirculation amount in the interior and conversely set the opening timing of the auxiliary valve at the timing when the exhaust pressure decreases, the combustion chamber of the engine is highly accurate. It becomes possible to control the exhaust gas recirculation amount. Therefore, according to the exhaust gas recirculation amount required in each operation region of the engine and the control request (dynamic range or accuracy), the auxiliary valve opening is considered while considering the pulsation of the exhaust pressure. If the start time is variably set, it is possible to achieve both control requests. In this case, (a) when the required exhaust gas recirculation amount is large, the auxiliary valve opening start timing is set to a timing at which the exhaust pressure is high, and when the required exhaust gas recirculation amount is small, the auxiliary auxiliary valve opening timing is set. By setting the start timing of the valve opening to a timing when the exhaust pressure is low, control that satisfies the required amount of exhaust gas recirculation over the entire operating range of the engine, or It is easy to realize fine adjustment control according to the pulsation of the exhaust pressure when the flow rate needs to be increased or decreased.
[0009]
According to the second aspect of the present invention, the cam that drives at least one of the intake valve and the exhaust valve is in the same period during a period other than the valve opening period of the main cam peak in addition to the main cam peak that mainly opens the valve. The auxiliary cam crest has a period during which the intake valve and the exhaust valve are opened simultaneously by performing auxiliary valve opening, and the height of the auxiliary cam crest is continuous in the axial direction of the cam. A valve operating mechanism formed as a three-dimensional cam that changes into a valve, and a variable valve lift mechanism that adjusts a valve lift amount by the auxiliary cam crest by displacing a cam shaft provided with the cam in the axial direction thereof. ,Previous The opening timing of the valve to be opened and closed by the auxiliary cam crest When the required exhaust gas recirculation amount is large, the exhaust gas pressure is set at a higher timing than when the exhaust gas recirculation amount is small. The gist of the present invention is to provide valve opening timing variable means.
[0010]
According to the above configuration, Since the valve lift amount by the auxiliary cam crest is adjusted by the valve lift amount variable mechanism, and the valve opening timing of the valve to be opened / closed by the auxiliary cam crest is set by the valve opening time varying means, An apparatus for accurately realizing the method of the first aspect of the invention can be easily configured.
[0011]
According to a third aspect of the present invention, in the second aspect of the present invention, the valve opening timing varying means can vary the relative rotational phase between the output shaft of the engine and the camshaft provided with the valve operating means. The gist of the invention is that it comprises a variable valve timing mechanism.
[0012]
According to the said structure, in the apparatus of Claim 2, the valve opening start timing variable means can be easily implement | achieved using the existing means, such as a valve timing variable means.
[0013]
The gist of the invention according to claim 4 is that the valve timing variable mechanism is operated in advance according to the exhaust pressure of the engine.
According to the above configuration, the method described in claim 1 can be accurately realized in the apparatus described in claim 2.
[0014]
According to a fifth aspect of the present invention, in the second aspect of the present invention, the valve opening timing varying means is such that the apex of the auxiliary cam crest is continuously different in height from the cam shaft in the cam shaft direction. The gist is that it consists of a three-dimensional bias cam profile of the auxiliary cam mountain continuously biased in the direction.
[0015]
According to the above configuration, the auxiliary valve opening timing by the auxiliary cam peak considering the pulsation of the exhaust pressure described above can be realized through the three-dimensional bias cam profile of the auxiliary cam peak. Therefore, the valve opening timing varying means can be configured without using the valve timing varying mechanism, and the device according to claim 2 can be simplified. Further, according to this configuration, the main valve characteristic due to the main cam crest is not changed.
[0016]
According to a sixth aspect of the present invention, in the fifth aspect of the present invention, the vertices of the auxiliary cam crest having different heights continuously in the cam shaft direction are biased in a direction gradually increasing backward in the rotation direction of the cam. The gist of this is
[0017]
According to the above configuration, as the apex of the auxiliary cam peak increases, the valve opening timing of the valve by the auxiliary cam peak shifts to the retard side. Therefore, for example, if the deviation mode of the auxiliary cam peak is set corresponding to a period in which the exhaust pressure gradually increases, when the valve opening amount by the auxiliary cam peak is small, the valve is opened at a timing when the exhaust pressure is small. Therefore, the exhaust gas recirculation amount can be controlled with high accuracy. Further, when the valve opening amount by the auxiliary cam crest is large, the valve can be opened at a timing when the exhaust pressure is large, and a high dynamic range can be obtained. On the other hand, if the deviation mode of the auxiliary cam crest is set corresponding to a period in which the exhaust pressure gradually decreases, when the valve opening amount by the auxiliary cam crest is small, the valve is opened at a timing when the exhaust pressure is large. Therefore, the exhaust gas recirculation amount can be rapidly increased at the start of the control of the exhaust gas recirculation amount. Further, when the valve opening amount by the auxiliary cam crest is large, the valve can be opened at a timing when the exhaust pressure is small, and the exhaust gas recirculation amount can be controlled with high precision control. Therefore, it is possible to quickly respond to the start of exhaust gas recirculation control while maintaining accuracy when the required exhaust gas recirculation amount is large.
[0018]
According to a seventh aspect of the present invention, in the fifth aspect of the present invention, the apexes of the auxiliary cam crest that are continuously different in height in the cam shaft direction are biased in a direction that gradually increases forward in the rotational direction of the cam. The gist of this is
[0019]
According to the said structure, the valve opening time by an auxiliary cam peak can be shifted to an advance side, so that the vertex of an auxiliary cam peak becomes high. Therefore, for example, if the deviation mode of the auxiliary cam peak is set corresponding to a period in which the exhaust pressure gradually decreases, when the valve opening amount by the auxiliary cam peak is small, the valve is opened at a timing when the exhaust pressure is small. Therefore, the exhaust gas recirculation amount can be controlled with high accuracy. Further, when the valve opening amount by the auxiliary cam crest is large, the valve can be opened at a timing when the exhaust pressure is large, and a high dynamic range can be obtained. On the other hand, if the deviation mode of the auxiliary cam peak is set corresponding to a period in which the exhaust pressure gradually increases, when the valve opening amount by the auxiliary cam peak is small, the valve is opened at a timing when the exhaust pressure is large. Therefore, the exhaust gas recirculation amount can be rapidly increased at the start of the control of the exhaust gas recirculation amount. Further, when the valve opening amount by the auxiliary cam crest is large, the valve can be opened at a timing when the exhaust pressure is small, and the exhaust gas recirculation amount can be controlled with high precision control. Therefore, it is possible to quickly respond to the start of exhaust gas recirculation control while maintaining accuracy when the required exhaust gas recirculation amount is large.
[0020]
The invention described in claim 8 This is applied to an in-cylinder direct injection internal combustion engine in which fuel is directly injected into the combustion chamber, and the cam that drives the exhaust valve is opened by the main cam peak in addition to the main cam peak that mainly opens the valve. The auxiliary cam crest has an auxiliary cam crest that causes a period in which the intake valve and the exhaust valve are opened at the same time by performing auxiliary valve opening during a period other than the period. The valve operating means formed as a three-dimensional cam that continuously changes in the axial direction of the cam and the cam shaft provided with the cam are displaced in the axial direction to adjust the valve lift amount by the auxiliary cam crest. A variable valve lift mechanism, and a valve opening timing variable means for varying the valve opening timing for opening the exhaust valve through the auxiliary cam peak during the intake stroke of the engine in accordance with the fuel injection timing in the intake stroke. To prepare It Is the gist.
[0021]
2. Description of the Related Art Conventionally, a direct injection internal combustion engine that directly injects fuel into a combustion chamber in order to improve the fuel efficiency by increasing the degree of freedom of formation of an air-fuel mixture is known. However, the in-cylinder injection internal combustion engine has a problem in that the fuel is not sufficiently vaporized in the combustion chamber and the combustibility is easily hindered. In this respect, according to the above configuration, it is possible to variably control the timing of taking the exhaust gas into the combustion chamber based on the fuel injection timing, and it is possible to promote the vaporization of the fuel injected into the combustion chamber by the high-temperature exhaust gas. It becomes like this.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(First embodiment)
A first embodiment of a valve characteristic control device according to the present invention provided for an intake side camshaft of an internal combustion engine (engine) will be described with reference to FIGS.
[0023]
FIG. 1 shows a schematic configuration centering on a valve operating system in an in-line four-cylinder on-
[0024]
The
[0025]
A
[0026]
On the other hand, the
[0027]
One end of the
[0028]
The
[0029]
Here, the
[0030]
The rotational phase
[0031]
Next, the lift amount
[0032]
As shown in FIG. 3, the lift amount
[0033]
The
[0034]
The
[0035]
When hydraulic fluid is selectively supplied to the
[0036]
The first supply / discharge passage 34 and the second supply / discharge passage 35 are connected to a first
[0037]
The first
[0038]
In the demagnetized state of the
[0039]
On the other hand, when the
[0040]
Further, when the power supply to the
[0041]
Further, by controlling the power supply to the
[0042]
Next, a rotation phase difference variable actuator (corresponding to a variable valve timing mechanism) 24 for adjusting the rotation phase difference of the
[0043]
As shown in FIG. 4, the rotational phase
[0044]
Further, an
[0045]
Further, the sub-gear 56 having the flat
[0046]
The
[0047]
FIG. 6 shows a state in which the
[0048]
As shown in FIG. 6, the
[0049]
A cylindrical space 61c (FIG. 4) is formed at the center of the disk-shaped
[0050]
Due to the engagement of the inclined
[0051]
Further, the disk-shaped
[0052]
In the configuration described above, when the
[0053]
When the
[0054]
Conversely, the
[0055]
Next, a configuration in which the rotational phase difference between the
[0056]
As shown in FIGS. 4 and 6, the advance
[0057]
On the other hand, as shown in FIG. 4, each advance angle
[0058]
Further, the lubricating
[0059]
One outer
[0060]
A
[0061]
The second
[0062]
Therefore, in the demagnetized state of the
[0063]
On the other hand, when the
[0064]
Further, when the power supply to the
[0065]
In addition, the duty of power supply to the
[0066]
Next, the valve characteristic control method according to the present embodiment will be described in detail with reference to FIG. 1, FIG. 7, and FIG.
In the present embodiment, the memory in the
[0067]
Incidentally, as shown in FIG. 7, the pressure of the exhaust gas is not constant and constantly pulsates according to the operating state of the
[0068]
FIG. 8 shows the relationship between the center of opening of the
[0069]
Therefore, in an operation region where the EGR rate required by the
[0070]
Note that, according to the lift center of FIG. 8 and the mode of increase / decrease of the EGR amount with respect to the lift amount, the change in the EGR amount (rate) with respect to the lift amount change is large, particularly in the high EGR amount request region of FIG. It can be seen that the characteristic is smaller when the lift amount is smaller than when the lift amount is smaller. Therefore, when the control with the lift amount increased is performed in the high EGR amount request region, the error of the taken-in EGR rate becomes smaller than the control with the lift amount decreased in the same region.
[0071]
In this embodiment, in view of these characteristics, the start timing of the opening of the
[0072]
That is, when the required EGR rate is small, the opening timing of the
[0073]
As described above, according to the present embodiment, the following effects can be obtained.
(1) Aside from the main valve characteristics that determine the output characteristics and the like, the
[0074]
(2) In the operation region where the EGR amount required by the
[0075]
(3)
[0076]
Note that the valve characteristic control device of the first embodiment may be modified as follows.
In the above embodiment, as the
[0077]
In the above embodiment, the
[0078]
In the above embodiment, the rotary phase
[0079]
In the above embodiment, the lift amount
[0080]
In the above embodiment, the valve opening timing of the
[0081]
(Second Embodiment)
Next, a second embodiment according to the present invention will be described with reference to FIGS. 10 to 12 mainly focusing on differences from the first embodiment.
[0082]
In the present embodiment, only the lift amount
[0083]
As shown in FIG. 10, the
[0084]
The relationship between the lift center of the
[0085]
As described above, according to the present embodiment, the following effects can be obtained.
(1) Since the opening timing of the
[0086]
(2) Highly accurate EGR control is performed in the operation region where the EGR rate required by the
[0087]
(3) Since the rotational phase
[0088]
Note that the valve characteristic control device of the second embodiment may be modified as follows.
In the above embodiment, the lift center is set so that the lift amount is maximized at a crank angle of about 230 ° in the crank angle. However, the change mode of the lift center is not necessarily limited thereto. For example, it may be set so that the lift amount becomes maximum when the lift center is about 250 ° in crank angle. As shown in FIG. 12, when the lift center is retarded from 240 ° in the crank angle, the EGR rate that is taken in for the lift change does not increase as the lift becomes higher. The accuracy in the operation region where the EGR rate required by the
[0089]
In the above embodiment, the auxiliary valve opening timing of the
[0090]
The valve opening of the
[0091]
(Third embodiment)
Next, a third embodiment of the valve characteristic control device for an internal combustion engine according to the present invention will be described with reference to FIGS.
[0092]
The target engine in the present embodiment is a known in-cylinder direct injection engine that directly injects fuel into each cylinder. That is, the same reference numerals are given to the members corresponding to the target engine in the previous embodiment for convenience, and the target engine in the present embodiment includes the
[0093]
By the way, in the cylinder direct injection type engine as described above, by making the fuel injection timing variable, the degree of freedom of formation of the air-fuel mixture can be increased, and fine control for improving fuel efficiency is possible. On the other hand, there is a concern that the fuel is not sufficiently vaporized in the
[0094]
Hereinafter, the process of controlling the opening timing of the
Here, FIG. 16 is a flowchart showing a control procedure related to the above control. This control routine is repeatedly executed by the
[0095]
In the control of an in-cylinder direct injection type engine, the injection timing is variable in order to inject fuel at an optimal fuel injection timing corresponding to the operating state. This fuel injection timing is roughly classified into whether it is set during the compression stroke for the purpose of stratified combustion or during the intake stroke for the purpose of homogeneous combustion. In addition, the injection timing during each of these strokes is further variable according to the operating state. In the present embodiment, the auxiliary valve opening timing of the
[0096]
When the control is executed, first, at
[0097]
In
[0098]
When the processing of
[0099]
In the present embodiment, the rotational phase difference variable actuator is controlled according to the fuel injection timing when the intake stroke injection is being executed as described above, and as shown in FIG. The opening timing of auxiliary opening of the
[0100]
As described above, according to the present embodiment, the following effects can be obtained.
(1) By setting the auxiliary valve opening timing of the
[0101]
(2) The EGR amount to be introduced can be suitably adjusted by making the lift amount variable in conjunction with the auxiliary valve opening timing of the
(3) The required amount of EGR gas can be accurately introduced by calculating the lift amount based on the exhaust pressure at the auxiliary valve opening timing set according to the fuel injection timing.
[0102]
Note that the valve characteristic control device of the third embodiment may be modified as follows.
In the above embodiment, the opening timing of the auxiliary valve opening of the
[0103]
In the above embodiment, the lift amount is controlled in consideration of the change in the exhaust pressure due to the start timing of the auxiliary opening of the
[0104]
In the above embodiment, the lift amount is also variable in conjunction with the auxiliary valve opening timing of the
[0105]
In addition, there are the following elements that can be commonly changed in the valve characteristic control devices of the above embodiments.
In each of the above embodiments, the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram of an engine to which a valve characteristic control device of a first embodiment is applied.
FIG. 2 is a perspective view showing a structure of an intake cam constituting the valve characteristic control device of the embodiment.
FIG. 3 is a partial cross-sectional view showing a configuration of a variable lift amount actuator that constitutes the valve characteristic control device of the embodiment;
FIG. 4 is a partial cross-sectional view showing the configuration of a rotational phase difference variable actuator constituting the valve characteristic control device of the same embodiment.
FIG. 5 is a perspective view showing shapes of an inner gear and a sub gear used in the rotational phase difference variable actuator.
FIG. 6 is a front view showing an internal configuration of the rotational phase difference variable actuator.
FIG. 7 is a timing chart showing a valve characteristic control mode in the same embodiment.
FIG. 8 is a graph showing the relationship between the auxiliary valve opening timing of the intake valve and the EGR amount according to the same embodiment;
FIG. 9 is a timing chart showing a valve characteristic control mode in a modification of the first embodiment.
FIG. 10 is a trihedral view showing the shape of an intake cam used in the second embodiment.
FIG. 11 is a timing chart showing a valve characteristic control mode in the second embodiment.
FIG. 12 is a graph showing the relationship between the auxiliary lift amount, valve opening timing, and EGR amount of the intake valve in the second embodiment.
FIG. 13 is a trihedral view showing the shape of an intake cam used in a modification of the second embodiment.
FIG. 14 is a graph showing the relationship between the auxiliary lift amount, valve opening timing, and EGR amount of the intake valve in the same modification.
FIG. 15 is a partial cross-sectional view of an in-cylinder direct injection engine to which the valve characteristic control device of the third embodiment is applied.
FIG. 16 is a flowchart showing a procedure for calculating an auxiliary valve opening start timing of the exhaust valve in the third embodiment.
FIG. 17 is a timing chart showing a valve characteristic control mode in the third embodiment.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (8)
前記吸気バルブ及び排気バルブの少なくとも一方による補助的な開弁の開弁時期を、要求される排気還流量が大きいときには、同排気還流量が小さいときよりも、排気圧力の高いタイミングに設定する
ことを特徴とする内燃機関のバルブ特性制御方法。In addition to the opening and closing of the main intake and exhaust valves that determine the output characteristics of the internal combustion engine, a period in which the intake and exhaust valves are simultaneously opened is generated based on the auxiliary opening of at least one of the intake and exhaust valves. In the internal combustion engine valve characteristic control method for controlling the exhaust gas recirculation amount in the combustion chamber of the engine by
The opening timing of the auxiliary valve opening by at least one of the intake valve and the exhaust valve is set to a timing at which the exhaust pressure is higher when the required exhaust gas recirculation amount is larger than when the exhaust gas recirculation amount is small. A valve characteristic control method for an internal combustion engine characterized by the above.
前記カムが設けられたカムシャフトをその軸方向に変位させて前記補助カム山によるバルブリフト量を調量するバルブリフト可変機構と、
前記補助カム山による開閉対象バルブの開弁時期を、要求される排気還流量が大きいときには、同排気還流量が小さいときよりも、排気圧力の高いタイミングに設定する開弁時期可変手段と、
を備える内燃機関のバルブ特性制御装置。A cam that drives at least one of the intake valve and the exhaust valve performs auxiliary valve opening during a period other than the valve opening period of the main cam peak in addition to the main cam peak that mainly opens the valve. Thus, the auxiliary cam crest is formed as a three-dimensional cam whose height continuously changes in the axial direction of the cam. Valve operating means,
A variable valve lift mechanism for adjusting a valve lift amount by the auxiliary cam crest by displacing a cam shaft provided with the cam in the axial direction;
The opening timing of the opening and closing target valve according before Symbol auxiliary cam lobes, when the exhaust gas recirculation amount that is required is large, than when the exhaust gas recirculation amount is small, the opening timing varying means for setting the high exhaust pressure timing,
An internal combustion engine valve characteristic control device.
前記カムが設けられたカムシャフトをその軸方向に変位させて前記補助カム山によるバルブリフト量を調量するバルブリフト可変機構と、
当該機関の吸気行程中に前記補助カム山を通じて排気バルブを開弁する開弁時期を、同吸気行程での燃料噴射時期に応じて可変とする開弁時期可変手段と
を備える内燃機関のバルブ特性制御装置。 This is applied to an in-cylinder direct injection internal combustion engine in which fuel is directly injected into the combustion chamber, and the cam that drives the exhaust valve is opened by the main cam peak in addition to the main cam peak that mainly opens the valve. The auxiliary cam crest has an auxiliary cam crest that causes a period in which the intake valve and the exhaust valve are opened at the same time by performing auxiliary valve opening during a period other than the period. Valve operating means formed as a three-dimensional cam continuously changing in the axial direction of the cam;
A variable valve lift mechanism for adjusting a valve lift amount by the auxiliary cam crest by displacing a cam shaft provided with the cam in the axial direction;
Valve characteristics of an internal combustion engine comprising valve opening timing varying means for varying the valve opening timing for opening the exhaust valve through the auxiliary cam peak during the intake stroke of the engine in accordance with the fuel injection timing in the intake stroke Control device.
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