JP3713524B2 - Ion accelerator - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマ発生用レーザーを照射して、プラズマを発生させるプラズマ発生ターゲットで発生したイオンを、このプラズマの拡散速度を利用して、イオン線形加速器に効率良く入射するイオン加速装置に関する。
【従来の技術】
【0002】
プラズマ中で発生したイオンを、RFQ線形加速器、又は、ドリフトチューブ線形加速器等のイオン線形加速器に、直接、入射して加速するイオン加速装置が、本願発明者らによって開発されている(特願2001−135357号、本願出願時未公開)。
【0003】
この従来のイオン加速装置について、図4及び図5を用いて説明する。
図4は、従来のイオン加速装置100の全体を示す平面図である。
図5は、従来のイオン加速装置100に用いるイオン直接入射装置110のプラズマ発生部分とイオン加速装置100のイオン入射口近辺の一部拡大断面図である。
【0004】
先ず、従来のイオン加速装置100の基本構成について説明する。
従来のイオン加速装置100の主要構成は、図4に示すように、イオン線形加速器130と、このイオン線形加速器130のイオン入射口138近傍(図5参照)に取付けられるイオン直接入射装置110である。
【0005】
イオン線形加速器130には、RFQ線形加速器、又は、ドリフトチューブ線形加速器等の周知のイオン線形加速器が用いられる。
なお、RFQ線形加速器については、後に、補足説明を行う。
【0006】
一方、イオン直接入射装置110は、図5に示すように、プラズマ発生用レーザーLを照射してプラズマを発生するプラズマ発生ターゲット112、プラズマ発生用レーザーLをプラズマ発生ターゲット112に集光する集光レンズ114、発生したプラズマを収容する真空容器116、入射用スリット118と、真空容器116を昇圧し、プラズマよりイオンを引き出す高圧電源(図示せず)を備えた構成である。
【0007】
真空容器116は、イオン線形加速器130のイオン入射口138近傍であって、イオン線形加速器130の共振器134に絶縁フランジ132を介して取り付けられる。
また、イオン線形加速器130のイオン入射口138に、入射用スリット118が取り付けられている。
【0008】
なお、図4において、60は、プラズマ発生用レーザーLを生成するレーザー発生装置、62A、62Bは、プラズマ発生用レーザーLをイオン直接入射装置110に誘導するミラーである。
【0009】
以上の構成で、従来のイオン加速装置100の基本動作、イオン直接入射方法について、図4及び図5を用いて説明する。
【0010】
レーザー発生装置60により発生したパルス状のプラズマ発生用レーザーLは、ミラー62A、62Bにより真空容器116に導かれ、集光レンズ114で反射されて、プラズマ発生ターゲット112に集光され、この結果、加熱されたプラズマ発生ターゲット112表面からプラズマが発生する。
【0011】
発生したプラズマは、入射用スリット118とプラズマ発生ターゲット112の間を満たし、入射用スリット118を通過したイオンと電子は、イオン型線形加速器130の共振器134に、イオン入射口138を経て進入する。
【0012】
ここで、質量の違いからイオン線形加速器130の設計入射電位をもったイオンは加速チャンネル(加速電極136の間隙)に入射し、一方、電子は発散力を受け最終的に共振器134の内壁に吸収される。
【0013】
加速チャンネルに入射されたイオンビームは、クーロン反発力の影響で発散する前に、イオン線形加速器130の収束力によって捕獲され、設計されたビームエネルギーまで加速される。
【0014】
このようにすると、プラズマの発生する真空容器116は、イオン線形加速器130の設計条件を満たすイオンビームエネルギーに相当する電圧を印加されているため、入射用スリット118を通過したイオンのみがイオン線形加速器130に入射され、加速される。
【0015】
このイオン加速装置100は、初段加速器として、癌治療用加速器や、半導体製造イオン注入加速器や、物理実験用大型複合加速器装置に利用することができる。
【0016】
次に、イオン線形加速器130の一例として、特開平7−111198号公報に開示されている通り、周知のRFQ線形加速器130について、図6及び図7を用いて補足説明する。
【0017】
図6は、RFQ線形加速器130の構成を示す縦断正面図である。
図7は、RFQ線形加速器130の構成を示す縦断側面図である。
【0018】
RFQ(Radio Frequency Quadrupole)線形加速器130は、主として、内部が真空とされる導電性の円筒容器132内に、それぞれ直交させた4枚のヴェイン電極134を取り付けることにより構成される。
なお、後述するように、RFQ線形加速器には4ロッド型のものも開発されている。
【0019】
円筒容器132とヴェイン電極134とで共振器を構成し、図7に示すように、高周波導波管138を介して高周波電力を供給し、先端部134aが波状に形成されているヴェイン電極134で、イオンを集束するとともに、所望のエネルギーに中心軸方向に加速する。
【0020】
先端部134aが波状に形成されているヴェイン電極134のイオンを加速、集束する区間は、変調区間と呼ばれ、イオンを集束し加速するだけではなく、バンチに対する電場も発生する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した従来のイオン加速装置では、高圧電源で真空容器を高電位に保ち、プラズマよりイオンを引き出すようにしていた。
【0022】
しかし、このように、プラズマを高電位に保つ方法では、絶縁のためプラズマ発生ターゲットとイオン線形加速器間に十数cm以上の距離を保つ必要があり、このため、発生したプラズマは発散角が大きいため、総てのプラズマを捕獲することはできなかった。
【0023】
また、高強度パルスレーザーを利用した場合は、得られるイオンビームパルスが1μ秒程度しかなく、従来のイオン線形加速器を用いたイオン加速装置では、パルス幅を長くすることは非常に困難であった。
【0024】
更に、従来のイオン加速装置では、プラズマ発生ターゲットを含む真空容器の絶縁の必要があり高圧発生のための装置を含んだ複雑な構成のものが必要であった。
【0025】
一方、従来のイオン加速装置に用いるイオン源を、レーザーをターゲットに照射することによりプラズマを発生する、プラズマ発生ターゲットに限定すれば、その拡散速度を利用して、プラズマをイオン線形加速器の収束・加速チャンネル内に入射させることができるので、必ずしも、上記高圧電源が必要であるとは限らないことが判明した。
【0026】
本発明は、上記従来の課題を解決し、従来のイオン加速装置のターゲット用真空容器とイオン線形加速器からなる組み合わせを、更に、大幅に単純化し、発生した加速可能なプラズマに含まれるイオンの総てを効率良く引き出し、なおかつ、長いパルス幅のイオンビームも加速が可能となるイオン加速装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明のイオン加速装置は、請求項1に記載のものは、プラズマ発生用レーザーを照射してプラズマを発生させるプラズマ発生ターゲットと、前記プラズマ発生ターゲットから発生したプラズマを引き出すとともに、イオン線形加速器のイオン入射口に、直接、取り付けられる真空容器と、前記プラズマからイオンを引き出し、このイオンを所望のエネルギーに加速するイオン線形加速器とが直列に接続され、プラズマの拡散速度を利用して、前記イオン線形加速器に、直接、イオンを入射するように構成した。
【0028】
このように構成すると、従来のものとは異なり、高電圧を印加したプラズマの生成する真空容器を絶縁部分を介して取り付けることを廃し、プラズマ発生用ターゲットをイオン線形加速器の加速電極に極限まで近づけることができ、発生したイオンの殆ど総てを、高電圧を印加することなく、プラズマ自身の拡散速度でイオン線形加速器内に入射させることが可能となる。
【0029】
従って、本発明によれば大電流のレーザー励起によるパルスイオンビームでも、単純化された装置により、効率良く加速することが可能となる。
【0030】
この結果、プラズマ中では、負の電荷を持った電子と正の電荷を持ったイオンが混在するため、クーロン反発力は発生しないので、イオン線形加速器の直前までその影響を回避することができる。
【0031】
その際、イオンビームはプラズマから放出された直後であるため、クーロン反発力の影響は非常に小さく、パルス内で変化するイオン電荷数と電流量の急激な変化の影響も回避できる。
【0032】
また、イオン線形加速器の内部では、通常、強力な高周波電界が発生しており、入射された殆どの電子は線形加速器の加速チャンネルにとどまることができないため、イオンと電子は効率良く分離される。
【0033】
請求項2に記載のイオン加速装置は、上記イオン加速装置に用いるイオン線形加速器の加速電極にイオンのパルス幅を広げる無変調区間を形成するように構成した。
【0034】
このように構成すると、イオン線形加速器によって分離捕獲されたイオンビームは、比較的低速であり、なおかつ、イオンビームの速度と同程度の各イオン粒子の速度分布をもつため、イオン線形加速器の加速電界が発生しない領域を長く設計することによって、イオンはイオン加速器の軸方向に広がり数mのイオン加速器で数十μ秒のパルス幅を発生することができる。
【0035】
請求項3に記載のイオン加速装置は、上記イオン加速装置において、上記イオン線形加速器のイオン入射口に入射用スリットを取り付けるように構成した。
【0036】
このように構成すると、発生したプラズマの発散角度が大きい場合、余分なプラズマが線形加速器の加速電極をたたき、放電を起こすのを防止することができる。
また、イオン線形加速器の入り口付近では、通常、強力な高周波電界が発生しており、この領域でスリットを通過した殆どの電子は、イオン線形加速器の加速チャンネルに入射することができないため、イオンと電子は効率良く分離される。
【0037】
請求項4に記載のイオン加速装置は、上記入射用スリットを、上記イオン線形加速器のイオン入射口の径方向に調整自在に取り付けるように構成した。
【0038】
このように構成すると、イオン線形加速器に対して正確な入射用スリットの軸出しに対する位置調整が可能になる。
【0039】
請求項5に記載のイオン加速装置は、上記イオン加速装置において、上記イオン線形加速器内部に設置され、プラズマ発生用レーザーを集光する分割型集光レンズを備えた構成とした。
【0040】
このように構成すると、プラズマ発生ターゲットとイオン線形加速器との距離が小さくなり、加速できるイオンの量を増大することができる。
【0041】
請求項6に記載のイオン加速装置は、上記集光装置を3軸移動可能となるように取り付けるように構成した。
【0042】
このように構成すると、プラズマ発生ターゲット上でのプラズマ発生用レーザーの焦点位置を調整できる。
【0043】
請求項7に記載のイオン加速装置は、上記イオン加速装置において、1又は2以上のミラーと、1又は2以上の軸出し用レーザーを具備し、プラズマ発生ターゲットとプラズマ発生用レーザーの焦点との位置合わせを行うターゲット位置決め装置を備えた構成とした。
【0044】
このように構成すると、プラズマ発生ターゲットとプラズマ発生用レーザーの焦点との位置合わせが正確に行えるようになる。
【0045】
請求項8に記載のイオン加速装置は、上記プラズマ発生ターゲットを回転可能な円筒形とした構成とした。
【0046】
このように構成すると、プラズマ発生ターゲットは、プラズマ発生用レーザーを照射すると損傷を受けるが、プラズマ発生ターゲットを所定角度回転し、照射位置を変えることができるため、プラズマ発生ターゲットを交換することなく、常時良好なターゲット表面が得られる。
【0047】
請求項9に記載のイオン加速装置は、上記イオン線形加速器として、RFQ線形加速器、又は、ドリフトチューブ線形加速器を用いるように構成した。
【0048】
このように構成すると、イオン加速に好適なイオン線形加速器を備えたイオン加速装置とすることができる。
【0049】
【発明の実施の形態】
本発明のイオン加速装置について、図1乃至図3を用い、図5を参照して説明する。
先ず、本発明のイオン加速装置20の基本構成について、図1及び図2を用いて説明する。
【0050】
図1は、本実施の形態のイオン加速装置20の全体を示す平面図である。
図2は、本発明のイオン加速装置20に用いるイオン線形加速器として、4ロッド型RFQ線形加速器を用いた場合における、プラズマ発生ターゲットと集光レンズを配置した概略構成斜視図である。
【0051】
本実施の形態のイオン加速装置20の主要構成は、図1に示すように、イオン線形加速器30と、このイオン線形加速器30のイオン入射口に、直接、取付けられるイオン直接入射装置10である。
【0052】
イオン線形加速器30には、従来のイオン加速装置100(図4参照)と同様に、RFQ線形加速器、又は、ドリフトチューブ線形加速器等の周知のイオン線形加速器が用いられる。
従って、以下において、イオン線形加速器を適宜、RFQ線形加速器と記載する場合がある。
【0053】
イオン直接入射装置10は、プラズマ発生用レーザーLを照射してプラズマを発生するプラズマ発生ターゲット12、プラズマ発生用レーザーLをプラズマ発生ターゲット12に集光する集光レンズ14(図2参照)、発生したプラズマを真空内で収容する真空容器16を備えている。
【0054】
集光レンズ14は、イオン線形加速器30内部にプラズマ発生用レーザーを集光する分割型集光レンズ14としている。
なお、図2には、本発明のイオン加速装置20に用いるイオン線形加速器30として、4ロッド型RFQ線形加速器を用いた例を図示しているが、これを4ヴェイン型RFQ線形加速器に適用できるのは勿論のことである。
【0055】
一方、従来のイオン加速装置100とは異なり、イオン直接入射装置10は、真空容器16を昇圧し、プラズマよりイオンを引き出す高圧電源を用いず、真空容器16をイオン線形加速器30のイオン入射口38に、直接、取り付ける構造となっている。
【0056】
なお、図1において、60は、プラズマ発生用レーザーLを生成するレーザー発生装置、62A、62Bは、プラズマ発生用レーザーLをイオン直接入射装置10に誘導するミラーである。
【0057】
以上の構成で、本実施の形態のイオン加速装置20の基本動作、本発明のイオン直接入射方法について、図1及び図2を用い、図5を参照して説明する。
【0058】
レーザー発生装置60により発生したパルス状のプラズマ発生用レーザーLは、ミラー62A、62Bにより真空容器16に導かれ、集光レンズ14で反射され、プラズマ発生ターゲット12に集光され、加熱されたプラズマ発生ターゲット12表面からプラズマが発生、拡散する。
【0059】
この発生、拡散したプラズマは、拡散速度を有しており、イオン型線形加速器30の共振器(図5の134を参照)に、イオン入射口38を経て進入し、質量の違いからイオン線形加速器30の設計入射電位をもったイオンは加速チャンネル(加速電極の間隙)に入射する。
一方、電子は発散力を受け最終的に共振器の内壁に吸収される。
【0060】
本実施の形態のイオン加速装置20では、従来のイオン加速装置100とは異なり、高電圧を印加したプラズマの生成する真空容器16を絶縁部分を介して取り付けることを廃している(図5の132を参照)。
【0061】
この結果、プラズマ発生ターゲット12を、イオン線形加速器30の加速電極(図5の136を参照)に極限まで近づけることができ、発生したイオンの殆ど総てを、高電圧を印加することなくプラズマ自身の拡散速度でイオン線形加速器30内に入射させることが可能となる。
【0062】
従って、本実施の形態のイオン加速装置20によれば大電流のレーザー励起によるパルスイオンビームでも、従来のイオン加速装置100よりも単純化された構成となり、より効率良く加速することが可能となる。
【0063】
また、イオン線形加速器30の内部では、通常、強力な高周波電界が発生しており、入射された殆どの電子はイオン線形加速器30の加速チャンネルにとどまることができないため、イオンと電子は効率良く分離される。
【0064】
また、本実施の形態のイオン加速装置20では、イオン線形加速器30内部にプラズマ発生用レーザーを集光する分割型集光レンズ14を取り付けた構成としたためにプラズマ発生ターゲット12とイオン線形加速器30との距離が、一層小さくなり、加速できるイオンの量を更に増大することができる。
【0065】
ここで、図2に示すように、イオン線形加速器30として、4ロッド型のRFQ線形加速器30を用いることにより、高周波共振器に対するターゲットの影響を最小限に押さえつつ、その距離を極限まで近づけることができる。
【0066】
例えば、本実施の形態では、プラズマの発散角は最大、20度程度であるので、平均ボア半径が5mm程度のRFQ線形加速器の場合で、15mm程度の距離にプラズマ発生用ターゲットを配置すれば殆ど全てのイオンを捕獲できることになる。
【0067】
次に、上記実施の形態とは異なる、本発明のイオン加速装置20の実施の形態を、図3を用いて説明する。
図3は、本発明のイオン加速装置20に用いるイオン線形加速器30として、4ヴェイン型RFQ加速器を用い、このヴェイン電極に無変調区間を形成した場合のRFQ電極の水平又は垂直方向の断面図である。
【0068】
ところで、加速チャンネルに入射されたイオンビームは進行方向と垂直な方向には、RFQ線形加速器30の収束力によって捕獲され、進行方向には、クーロン反発力と速度分布の影響で急激に広がる。
【0069】
従って、図3に示すように、加速電極の先端形状が直線的で、加速電極の変調がない、すなわち、進行方向にビームのバンチ構造を発生したり、加速しない電極の形状の区間を設けることによって、バンチの長さを数メートルの区間で数10倍以上に簡単に増大することができる。
【0070】
特に、本願発明のイオン加速装置20のように、プラズマ発生ターゲット12表面からプラズマが発生、拡散したプラズマの入射速度が極めて遅いためこの方法は有効である。
【0071】
このようにイオン線形加速器30の加速電極にイオンのパルス幅を広げる無変調区間を形成するようにすると、イオン線形加速器30によって分離捕獲されたイオンビームは、比較的低速であり、なおかつ、イオンビームの速度と同程度の各イオン粒子の速度分布をもつため、イオン線形加速器30の加速電界が発生しない領域を長く設計することによってイオン粒子はイオン線形加速器30の軸方向に広がり数mのイオン線形加速器30で数十μ秒のパルス幅を発生することができる。
【0072】
例えば、核子当たり100eVのプラズマが、±50eVのエネルギーの広がりを持って4ヴェイン型のRFQ線形加速器30に入射したとすると、3mの無変調区間を設けることによって、ビームパルス幅を14μ秒まで広げることができる。
更に、ビーム軸方向には、クーロン反発力が強く働くため、より長いパルス幅が期待できる。
【0073】
本発明のイオン加速装置は、上記実施の形態には限定されず種々の変更が可能である。
例えば、イオン線形加速器のイオン入射口に入射用スリットをイオン入射口の径方向に調整自在に取り付けるようにしてもよい。
このようにすると、発生したプラズマの発散角度が大きい場合、余分なプラズマが線形加速器の加速電極をたたき、放電を起こすのを防止することができ、イオンと電子は効率良く分離される。
また、線形加速器に対して正確な入射用スリットの軸出に対する位置調整が可能になる。
【0074】
他の実施の形態の変更例として、プラズマ発生ターゲットを回転可能な円筒形としてもよい。
このようにすると、プラズマ発生ターゲットは、プラズマ発生用レーザーを照射すると損傷を受けるが、プラズマ発生ターゲットを所定角度回転し照射位置を変えることにより、プラズマ発生ターゲットを交換することなく、常時、良好なターゲット表面が得られる。
【0075】
更に、上記実施の形態で説明した集光装置を、ベローズ等で取り付けることにより、3軸移動可能となるようにしてもよい。
このようにすると、プラズマ発生ターゲット上でのプラズマ発生用レーザーの焦点位置を調整できるようになり、プラズマの生成効率を向上させることができる。
【0076】
また、上記実施の形態において、2枚のミラーと、2つの軸出し用レーザー発生装置を具備し、プラズマ発生ターゲットとプラズマ発生用レーザーの焦点との位置合わせを行うターゲット位置決め装置を、真空容器内に取り付けると、2つの軸出し用レーザー発生装置からの測量用レーザーを、真空容器後方から照射し、この2つの測量用レーザーが交差する点を、本来の位置に合わせておくことによって簡単に、プラズマ発生ターゲットとプラズマ発生用レーザーの焦点との位置合わせが正確に行えるようになる。
【0077】
【発明の効果】
本発明のイオン加速装置は、上述のように構成されているので、以下に記載される優れた効果を有する。
(1)本発明のイオン加速装置は、請求項1に記載に記載したように、構成すると、従来のものとは異なり、高電圧を印加したプラズマの生成する真空容器を絶縁部分を介して取り付けることを廃し、プラズマ発生用ターゲットをイオン線形加速器の加速電極に極限まで近づけることができ、発生したイオンの殆ど総てを、高電圧を印加することなく、プラズマ自身の拡散速度でイオン線形加速器内に入射させることが可能となる。
(2)従って、本発明によれば大電流のレーザー励起によるパルスイオンビームでも、単純化された装置により、効率良く加速することが可能となる。
(3)この結果、プラズマ中では、負の電荷を持った電子と正の電荷を持ったイオンが混在するため、クーロン反発力は発生しないので、イオン線形加速器の直前までその影響を回避することができる。
(4)その際、イオンビームはプラズマから放出された直後であるため、クーロン反発力の影響は非常に小さく、パルス内で変化するイオン電荷数と電流量の急激な変化の影響も回避できる。
(5)また、イオン線形加速器の内部では、通常、強力な高周波電界が発生しており、入射された殆どの電子は線形加速器の加速チャンネルにとどまることができないため、イオンと電子は効率良く分離される。
【0078】
(6)請求項2に記載したように、イオン加速装置に用いるイオン線形加速器の加速電極にイオンのパルス幅を広げる無変調区間を形成するように構成すると、イオン線形加速器によって分離捕獲されたイオンビームは、比較的低速であり、なおかつ、イオンビームの速度と同程度の各イオン粒子の速度分布をもつため、イオン線形加速器の加速電界が発生しない領域を長く設計することによって、イオンはイオン加速器の軸方向に広がり数mのイオン加速器で数十μ秒のパルス幅を発生することができる。
【0079】
(7)請求項3に記載したように、イオン加速装置において、イオン線形加速器のイオン入射口に入射用スリットを取り付けるように構成すると、発生したプラズマの発散角度が大きい場合、余分なプラズマが線形加速器の加速電極をたたき、放電を起こすのを防止することができる。
(8)また、イオン線形加速器の入り口付近では、通常、強力な高周波電界が発生しており、この領域でスリットを通過した殆どの電子は、イオン線形加速器の加速チャンネルに入射することができないため、イオンと電子は効率良く分離される。
【0080】
(9)請求項4に記載したように、入射用スリットを、イオン線形加速器のイオン入射口の径方向に調整自在に取り付けるように構成すると、イオン線形加速器に対して正確な入射用スリットの軸出しに対する位置調整が可能になる。
【0081】
(10)請求項5に記載したように、イオン加速装置において、イオン線形加速器内部に設置され、プラズマ発生用レーザーを集光する分割型集光レンズを備えた構成とすると、プラズマ発生ターゲットとイオン線形加速器との距離が小さくなり、加速できるイオンの量を増大することができる。
【0082】
(11)請求項6に記載したように、集光装置を3軸移動可能となるように取り付けるように構成すると、プラズマ発生ターゲット上でのプラズマ発生用レーザーの焦点位置を調整できる。
【0083】
(12)請求項7に記載したように、イオン加速装置において、1又は2以上のミラーと、1又は2以上の軸出し用レーザーを具備し、プラズマ発生ターゲットとプラズマ発生用レーザーの焦点との位置合わせを行うターゲット位置決め装置を備えた構成とすると、プラズマ発生ターゲットとプラズマ発生用レーザーの焦点との位置合わせが正確に行えるようになる。
【0084】
(13)請求項8に記載したように、プラズマ発生ターゲットを回転可能な円筒形とした構成とすると、プラズマ発生ターゲットは、プラズマ発生用レーザーを照射すると損傷を受けるが、プラズマ発生ターゲットを所定角度回転し、照射位置を変えることができるため、プラズマ発生ターゲットを交換することなく、常時良好なターゲット表面が得られる。
【0085】
(14)請求項9に記載したように、イオン線形加速器として、RFQ線形加速器、又は、ドリフトチューブ線形加速器を用いるように構成すると、イオン加速に好適なイオン線形加速器を備えたイオン加速装置とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のイオン加速装置の全体を示す平面図である。
【図2】本発明のイオン加速装置に用いるイオン線形加速器として、4ロッド型RFQ線形加速器を用いた場合における、プラズマ発生ターゲットと集光レンズを配置した概略構成斜視図である。
【図3】本発明のイオン加速装置に用いるイオン線形加速器として、4ヴェイン型RFQ線形加速器を用い、このヴェイン電極に無変調区間を形成した場合のRFQ電極の水平又は垂直方向の断面図である。
【図4】従来のイオン加速装置の全体を示す平面図である。
【図5】従来のイオン加速装置に用いるイオン直接入射装置のプラズマ発生部分とイオン加速装置のイオン入射口近辺の一部拡大断面図である。
【図6】RFQ線形加速器の構成を示す縦断正面図である。
【図7】RFQ線形加速器の構成を示す縦断側面図である。
【符号の説明】
10:イオン直接入射装置
12:プラズマ発生ターゲット
14:集光レンズ
16:真空容器
20:イオン加速装置
30:イオン線形加速器
38:イオン入射口
60:レーザー発生装置
62A、62B:ミラー
L:プラズマ発生用レーザー[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an ion accelerator that efficiently irradiates ions generated by a plasma generation target that generates a plasma by irradiating a plasma generating laser to an ion linear accelerator using the diffusion speed of the plasma.
[Prior art]
[0002]
The inventors of the present application have developed an ion accelerator for accelerating ions generated in plasma by directly incident on an ion linear accelerator such as an RFQ linear accelerator or a drift tube linear accelerator (Japanese Patent Application 2001). -135357, unpublished at the time of filing this application).
[0003]
This conventional ion accelerator will be described with reference to FIGS. 4 and 5. FIG.
FIG. 4 is a plan view showing the entire
FIG. 5 is a partially enlarged cross-sectional view of the plasma generating portion of the ion
[0004]
First, the basic configuration of the
As shown in FIG. 4, the main configuration of the
[0005]
As the ion
The RFQ linear accelerator will be supplementarily described later.
[0006]
On the other hand, as shown in FIG. 5, the ion
[0007]
The
An
[0008]
In FIG. 4,
[0009]
With the above configuration, the basic operation of the
[0010]
The pulsed plasma generation laser L generated by the
[0011]
The generated plasma fills between the
[0012]
Here, due to the difference in mass, ions having the design incident potential of the ion
[0013]
The ion beam incident on the acceleration channel is captured by the convergence force of the ion
[0014]
In this case, since the voltage corresponding to the ion beam energy satisfying the design condition of the ion
[0015]
The
[0016]
Next, as an example of the ion
[0017]
FIG. 6 is a longitudinal sectional front view showing the configuration of the RFQ
FIG. 7 is a longitudinal side view showing the configuration of the RFQ
[0018]
The RFQ (Radio Frequency Quadrupole)
As will be described later, a four-rod type RFQ linear accelerator has also been developed.
[0019]
A
[0020]
A section in which the ions of the
[0021]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in the conventional ion accelerator described above, the vacuum vessel is kept at a high potential with a high-voltage power source, and ions are extracted from the plasma.
[0022]
However, in this way, in the method of maintaining the plasma at a high potential, it is necessary to maintain a distance of more than a dozen cm between the plasma generation target and the ion linear accelerator for insulation. For this reason, the generated plasma has a large divergence angle. Therefore, it was not possible to capture all the plasma.
[0023]
In addition, when a high-intensity pulse laser is used, the obtained ion beam pulse is only about 1 μsec, and it is very difficult to increase the pulse width with an ion accelerator using a conventional ion linear accelerator. .
[0024]
Furthermore, in the conventional ion accelerator, it is necessary to insulate the vacuum vessel including the plasma generation target, and a complicated structure including an apparatus for generating high pressure is required.
[0025]
On the other hand, if the ion source used in the conventional ion accelerator is limited to the plasma generation target that generates plasma by irradiating the target with a laser, the diffusion rate is used to focus the plasma on the ion linear accelerator. It has been found that the high-voltage power supply is not always necessary because it can enter the acceleration channel.
[0026]
The present invention solves the above-mentioned conventional problems, further simplifies the combination of a conventional vacuum vessel for target of an ion accelerator and an ion linear accelerator, and makes a total of ions contained in the generated accelerating plasma generated. An object of the present invention is to provide an ion acceleration apparatus that can efficiently extract the ion beam and can accelerate an ion beam having a long pulse width.
[0027]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, the ion accelerator according to the present invention includes a plasma generation target for generating plasma by irradiating a plasma generation laser, and the plasma generation target generated from the plasma generation target. Bring out plasma In addition, a vacuum vessel directly attached to the ion entrance of the ion linear accelerator, Ions are extracted from the plasma and accelerated to the desired energy An ion linear accelerator is connected in series, and ions are directly incident on the ion linear accelerator using the diffusion rate of plasma.
[0028]
When configured in this manner, unlike conventional ones, it is not necessary to attach a vacuum vessel that generates plasma to which high voltage is applied via an insulating portion, and the target for plasma generation is brought as close as possible to the acceleration electrode of the ion linear accelerator. Therefore, almost all of the generated ions can be incident into the ion linear accelerator at the diffusion speed of the plasma itself without applying a high voltage.
[0029]
Therefore, according to the present invention, even a pulsed ion beam generated by laser excitation with a large current can be efficiently accelerated by a simplified apparatus.
[0030]
As a result, since electrons having a negative charge and ions having a positive charge are mixed in the plasma, no Coulomb repulsive force is generated, so that the influence can be avoided until just before the ion linear accelerator.
[0031]
At that time, since the ion beam is immediately after being emitted from the plasma, the influence of the Coulomb repulsive force is very small, and the influence of the sudden change in the number of ion charges and the amount of current that change within the pulse can be avoided.
[0032]
In addition, a strong high-frequency electric field is usually generated inside the ion linear accelerator, and since most of the incident electrons cannot stay in the acceleration channel of the linear accelerator, ions and electrons are efficiently separated.
[0033]
The ion accelerator according to claim 2 is configured to form a non-modulation section in which an ion pulse width is widened in an acceleration electrode of an ion linear accelerator used in the ion accelerator.
[0034]
With this configuration, the ion beam separated and captured by the ion linear accelerator is relatively slow and has a velocity distribution of each ion particle that is comparable to the velocity of the ion beam. By designing the region where no is generated, the ions spread in the axial direction of the ion accelerator, and a pulse width of several tens of microseconds can be generated by an ion accelerator of several meters.
[0035]
An ion accelerator according to a third aspect of the present invention is configured such that, in the ion accelerator, an incident slit is attached to an ion incident port of the ion linear accelerator.
[0036]
If comprised in this way, when the divergence angle of the produced | generated plasma is large, it can prevent that extra plasma hits the acceleration electrode of a linear accelerator, and raise | generates discharge.
In addition, a strong high-frequency electric field is usually generated near the entrance of the ion linear accelerator, and most of the electrons that have passed through the slit in this region cannot enter the acceleration channel of the ion linear accelerator. Electrons are separated efficiently.
[0037]
The ion accelerator according to claim 4 is configured such that the incident slit is attached to be adjustable in a radial direction of an ion incident port of the ion linear accelerator.
[0038]
With this configuration, it is possible to accurately adjust the position of the incident slit relative to the axis of the ion linear accelerator.
[0039]
According to a fifth aspect of the present invention, there is provided the ion accelerator according to the fifth aspect, wherein the ion accelerator includes a split-type condensing lens that is installed inside the ion linear accelerator and condenses a plasma generating laser.
[0040]
If comprised in this way, the distance of a plasma generation target and an ion linear accelerator becomes small, and the quantity of the ion which can be accelerated can be increased.
[0041]
The ion accelerator according to claim 6 is configured to attach the light concentrator so as to be movable in three axes.
[0042]
With this configuration, the focal position of the plasma generation laser on the plasma generation target can be adjusted.
[0043]
The ion accelerator according to claim 7, wherein the ion accelerator includes one or more mirrors and one or more axising lasers, and includes a plasma generation target and a focal point of the plasma generation laser. A target positioning device that performs positioning is provided.
[0044]
With this configuration, the plasma generation target and the focus of the plasma generation laser can be accurately aligned.
[0045]
The ion accelerator according to claim 8 is configured such that the plasma generation target has a rotatable cylindrical shape.
[0046]
With this configuration, the plasma generation target is damaged when irradiated with the plasma generation laser, but the plasma generation target can be rotated by a predetermined angle and the irradiation position can be changed. A good target surface is always obtained.
[0047]
The ion accelerator according to claim 9 is configured to use an RFQ linear accelerator or a drift tube linear accelerator as the ion linear accelerator.
[0048]
If comprised in this way, it can be set as the ion accelerator provided with the ion linear accelerator suitable for ion acceleration.
[0049]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The ion accelerator of the present invention will be described with reference to FIG.
First, the basic configuration of the
[0050]
FIG. 1 is a plan view showing the entirety of the
FIG. 2 is a schematic configuration perspective view in which a plasma generation target and a condensing lens are arranged when a 4-rod type RFQ linear accelerator is used as the ion linear accelerator used in the
[0051]
As shown in FIG. 1, the main configuration of the
[0052]
As the ion
Therefore, in the following description, the ion linear accelerator may be appropriately described as an RFQ linear accelerator.
[0053]
The ion
[0054]
The condensing
FIG. 2 shows an example in which a 4-rod type RFQ linear accelerator is used as the ion
[0055]
On the other hand, unlike the
[0056]
In FIG. 1,
[0057]
With the above configuration, the basic operation of the
[0058]
The pulsed plasma generation laser L generated by the
[0059]
The generated and diffused plasma has a diffusion speed, and enters the resonator of the ion-type linear accelerator 30 (see 134 in FIG. 5) via the
On the other hand, the electrons receive a diverging force and are finally absorbed by the inner wall of the resonator.
[0060]
In the
[0061]
As a result, the
[0062]
Therefore, according to the
[0063]
In addition, a strong high-frequency electric field is usually generated inside the ion
[0064]
In the
[0065]
Here, as shown in FIG. 2, by using a 4-rod type RFQ
[0066]
For example, in the present embodiment, the plasma divergence angle is about 20 degrees at the maximum, so in the case of an RFQ linear accelerator having an average bore radius of about 5 mm, it is almost possible to arrange the plasma generation target at a distance of about 15 mm. All ions can be captured.
[0067]
Next, an embodiment of the
FIG. 3 is a horizontal or vertical cross-sectional view of the RFQ electrode when a 4-vain type RFQ accelerator is used as the ion
[0068]
By the way, the ion beam incident on the acceleration channel is captured by the convergence force of the RFQ
[0069]
Therefore, as shown in FIG. 3, the tip shape of the accelerating electrode is linear and there is no modulation of the accelerating electrode, that is, a beam bunch structure is generated in the traveling direction, or a section of an electrode shape that does not accelerate is provided. Thus, the length of the bunch can be easily increased to several tens of times in a section of several meters.
[0070]
In particular, this method is effective because the incident speed of plasma generated and diffused from the surface of the
[0071]
In this way, when an unmodulated section for expanding the pulse width of ions is formed in the acceleration electrode of the ion
[0072]
For example, if a plasma of 100 eV per nucleon is incident on a 4-vain type RFQ
Furthermore, since the Coulomb repulsive force acts strongly in the beam axis direction, a longer pulse width can be expected.
[0073]
The ion accelerator of the present invention is not limited to the above embodiment, and various modifications can be made.
For example, an entrance slit may be attached to the ion entrance of an ion linear accelerator so as to be adjustable in the radial direction of the ion entrance.
In this way, when the divergence angle of the generated plasma is large, it is possible to prevent excess plasma from hitting the acceleration electrode of the linear accelerator and causing discharge, and ions and electrons are efficiently separated.
Further, it is possible to accurately adjust the position of the incident slit with respect to the axial alignment with respect to the linear accelerator.
[0074]
As a modification of the other embodiment, the plasma generation target may be a rotatable cylindrical shape.
In this way, the plasma generation target is damaged when the plasma generation laser is irradiated, but by rotating the plasma generation target by a predetermined angle and changing the irradiation position, the plasma generation target is always good without changing the plasma generation target. A target surface is obtained.
[0075]
Further, the light collecting device described in the above embodiment may be mounted with a bellows or the like so as to be movable in three axes.
In this way, the focal position of the plasma generation laser on the plasma generation target can be adjusted, and the plasma generation efficiency can be improved.
[0076]
Further, in the above embodiment, the target positioning device that includes the two mirrors and the two laser generating devices for axial alignment and performs alignment between the plasma generating target and the focal point of the plasma generating laser is provided in the vacuum vessel. By attaching the laser beam for surveying from the two laser generators for alignment from the back of the vacuum vessel and aligning the point where the two laser beams for surveying intersect with the original position, The plasma generation target and the focal point of the plasma generation laser can be accurately aligned.
[0077]
【The invention's effect】
Since the ion accelerator of the present invention is configured as described above, the ion accelerator has the excellent effects described below.
(1) When the ion accelerator of the present invention is configured as described in claim 1, unlike the conventional apparatus, a vacuum vessel for generating plasma to which a high voltage is applied is attached via an insulating portion. The target for plasma generation can be made as close as possible to the acceleration electrode of the ion linear accelerator, and almost all of the generated ions can be kept in the ion linear accelerator at the diffusion rate of the plasma itself without applying a high voltage. It becomes possible to make it enter.
(2) Therefore, according to the present invention, even a pulsed ion beam generated by laser excitation with a large current can be efficiently accelerated by a simplified apparatus.
(3) As a result, since negatively charged electrons and positively charged ions are mixed in the plasma, no Coulomb repulsive force is generated, so avoid the influence until just before the ion linear accelerator. Can do.
(4) At this time, since the ion beam is immediately after being emitted from the plasma, the influence of the Coulomb repulsive force is very small, and the influence of the sudden change in the number of ion charges and the amount of current changing within the pulse can be avoided.
(5) Also, a strong high-frequency electric field is usually generated inside the ion linear accelerator, and most of the incident electrons cannot remain in the acceleration channel of the linear accelerator, so that the ions and electrons are efficiently separated. Is done.
[0078]
(6) According to the second aspect of the present invention, when an unmodulated section is formed in the acceleration electrode of the ion linear accelerator used in the ion accelerator to widen the pulse width of the ions, ions separated and captured by the ion linear accelerator are formed. Since the beam is relatively slow and has a velocity distribution of each ion particle that is comparable to the velocity of the ion beam, the ion is accelerated by designing the region where the acceleration electric field of the ion linear accelerator is not generated long. A pulse width of several tens of microseconds can be generated by an ion accelerator having a spread of several meters in the axial direction.
[0079]
(7) As described in claim 3, in the ion accelerator, when the entrance slit is attached to the ion entrance of the ion linear accelerator, the excess plasma is linear when the divergence angle of the generated plasma is large. It is possible to prevent discharge by hitting the acceleration electrode of the accelerator.
(8) In addition, a strong high-frequency electric field is usually generated near the entrance of the ion linear accelerator, and most electrons that have passed through the slit in this region cannot enter the acceleration channel of the ion linear accelerator. , Ions and electrons are separated efficiently.
[0080]
(9) As described in claim 4, when the entrance slit is configured so as to be adjustable in the radial direction of the ion entrance of the ion linear accelerator, the axis of the entrance slit is accurate with respect to the ion linear accelerator. It is possible to adjust the position with respect to the ejection.
[0081]
(10) As described in claim 5, when the ion accelerator is configured to include a split-type condensing lens that is installed inside the ion linear accelerator and condenses the plasma generating laser, the plasma generating target and the ion The distance to the linear accelerator is reduced, and the amount of ions that can be accelerated can be increased.
[0082]
(11) As described in claim 6, when the condensing device is attached so as to be movable in three axes, the focal position of the plasma generating laser on the plasma generating target can be adjusted.
[0083]
(12) As described in claim 7, in the ion accelerator, the ion accelerator includes one or more mirrors and one or more axising lasers, and the plasma generating target and the focal point of the plasma generating laser are With a configuration including a target positioning device that performs alignment, alignment between the plasma generation target and the focal point of the plasma generation laser can be accurately performed.
[0084]
(13) As described in claim 8, when the plasma generating target is configured to be a rotatable cylindrical shape, the plasma generating target is damaged when irradiated with the plasma generating laser. Since it can rotate and change the irradiation position, a good target surface can always be obtained without exchanging the plasma generation target.
[0085]
(14) As described in claim 9, when the ion linear accelerator is configured to use an RFQ linear accelerator or a drift tube linear accelerator, an ion accelerator having an ion linear accelerator suitable for ion acceleration is obtained. be able to.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing an entire ion accelerator of the present invention.
FIG. 2 is a schematic configuration perspective view in which a plasma generation target and a condenser lens are arranged when a 4-rod type RFQ linear accelerator is used as the ion linear accelerator used in the ion accelerator of the present invention.
FIG. 3 is a horizontal or vertical cross-sectional view of an RFQ electrode when a four-vain type RFQ linear accelerator is used as an ion linear accelerator used in the ion accelerator of the present invention and a non-modulation section is formed on the vane electrode. .
FIG. 4 is a plan view showing the entire conventional ion accelerator.
FIG. 5 is a partially enlarged cross-sectional view of a plasma generating portion of an ion direct injection device used in a conventional ion accelerator and a portion near an ion entrance of the ion accelerator.
FIG. 6 is a longitudinal front view showing a configuration of an RFQ linear accelerator.
FIG. 7 is a longitudinal side view showing a configuration of an RFQ linear accelerator.
[Explanation of symbols]
10: Ion direct injection device
12: Plasma generation target
14: Condensing lens
16: Vacuum container
20: Ion accelerator
30: Ion linear accelerator
38: Ion entrance
60: Laser generator
62A, 62B: Mirror
L: Laser for plasma generation
Claims (9)
前記プラズマ発生ターゲットから発生したプラズマを引き出すとともに、イオン線形加速器のイオン入射口に、直接、取り付けられる真空容器と、
前記プラズマからイオンを引き出し、このイオンを所望のエネルギーに加速するイオン線形加速器とが直列に接続され、
プラズマの拡散速度を利用して、前記イオン線形加速器に、直接、イオンを入射するようにしたことを特徴とするイオン加速装置。A plasma generation target for generating plasma by irradiating a plasma generating laser; and
A vacuum vessel that draws out the plasma generated from the plasma generation target and is directly attached to the ion entrance of the ion linear accelerator;
An ion linear accelerator that extracts ions from the plasma and accelerates the ions to a desired energy is connected in series,
An ion acceleration apparatus characterized in that ions are directly incident on the ion linear accelerator by utilizing a plasma diffusion rate.
上記イオン線形加速器のイオン入射口に入射用スリットを取り付けるようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン加速装置。In the above ion accelerator,
The ion accelerator according to claim 1 or 2, wherein an entrance slit is attached to an ion entrance of the ion linear accelerator.
上記イオン線形加速器内部に設置され、プラズマ発生用レーザーを集光する分割型集光レンズを備えたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のイオン加速装置。In the above ion accelerator,
The ion accelerator according to any one of claims 1 to 4, further comprising a split-type condensing lens that is installed inside the ion linear accelerator and condenses a plasma generating laser.
1又は2以上のミラーと、1又は2以上の軸出し用レーザーを具備し、プラズマ発生ターゲットとプラズマ発生用レーザーの焦点との位置合わせを行うターゲット位置決め装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のイオン加速装置。In the above ion accelerator,
2. A target positioning device comprising one or more mirrors and one or more axial lasers, wherein the target positioning device aligns the plasma generation target and the focal point of the plasma generation laser. The ion accelerator according to any one of 1 to 6.
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