JP3710063B2 - Magnetic recording medium - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、記録容量、アクセス速度、転送速度が高い磁気記録媒体に関し、特に磁気抵抗効果型素子(MR素子)を利用した再生ヘッド(以下、MRヘッド)を使用するデータバックアップ用磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
磁気テープは、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピユータ用テープなど種々の用途があるが、特にデータバックアップ用テープの分野ではバックアップ対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻当たり数十GB以上の記憶容量のものが商品化されており、今後ハードディスクのさらなる大容量化に対応するためバックアップテープの高容量化は不可欠である。また、アクセス速度、転送速度を大きくするため、テープの送り速度、テープとヘッド間の相対速度を高めることが必要不可欠である。
【0003】
バックアップテープ1巻当たりの高容量化のためには、テープ全厚を薄くして1巻あたりのテープ長さを長くすること、磁性層厚さを0.3μm以下と極めて薄くすることで厚さ減磁を小さくして記録波長を短くすることと共に、トラック幅(テープ上の信号パターン幅)を15μm以下と狭くして幅方向の記録密度を高くすることが必要である。
【0004】
磁性層厚さを0.3μm以下と極めて薄くすると、耐久性が劣化したりするので、非磁性支持体と磁性層との間に少なくとも一層の下塗層を設ける必要がある。また、記録波長を短くすると、磁性層と磁気ヘッドとのスペーシングの影響が大きくなるので、磁性層に大きな突起があると、スペーシングロスにより、出力ピークの半値幅(以下、PW50)が広くなったり出力が低下したりして、エラーレートが高くなる。
【0005】
トラック幅を15μm以下と狭くして幅方向の記録密度を高くすると磁気記録媒体からの漏れ磁束が小さくなるため、再生ヘッドに微小磁束でも高い出力が得られる磁気抵抗効果型素子を使用した再生ヘッド(以下、MRヘッド)を使用する必要がある。
【0006】
従来、MRヘッド対応の磁気記録媒体においては、磁気記録媒体の磁束(残留磁束密度と厚さの積)を特定の値に制御してMRヘッドの出力の歪を防止したり(例えば特許文献1、2参照)、磁性層表面のへこみを特定の値以下にしてMRヘッドのサーマル・アスペリティを低減したり(例えば特許文献3参照)することが提案されている。
【0007】
【特許文献1】
特開平11−238225号公報(特許請求の範囲、段落番号0007〜0011、実施例)
【特許文献2】
特開2000−40217号公報(特許請求の範囲、段落番号0006〜0009、実施例)
【特許文献3】
特開2000−40218号公報(特許請求の範囲、段落番号0005〜0014、0023、実施例、図2、図3)
【0008】
従来の磁気ヘッドは記録用の磁気誘導型ヘッドと再生用の磁気誘導型ヘッドとを貼り合わせたチップをそのまま使用する。一方、図2および図3に模式的に示すようにMRヘッド20は、記録用の磁気誘導型の記録ヘッド21と複合した形でスライダ22に埋めこんで使用される。これらの図において、符号20aはMR素子、21a・21bは記録ヘッド21を構成する磁気素子、21cは書き込みギャップ、23はシールド材を示す。また、MRヘッド20はスライダ面22aより25nm程度引っ込んだ状態で埋め込まれている。すなわち、従来のヘッドは非常に小さいチップからなり、ナイフエッジが磁気テープに食い込むような形態で走行するのに対して、図2および図3に示したようなMRヘッド20は大きなスライダ22に引っ込んだ状態で埋め込まれているので、スライダ22に対して磁気テープ30が接触しながら走行する。また、磁気テープ30がMRヘッド20の方に膨らむようにして磁気テープ30とMRヘッド20とがコンタクトする。このようにコンタクト形態が従来とは大幅に異なっているので、一口にスペーシングロスの低減といっても、磁気テープに要求される特性は全く異なっている。さらに、MRヘッド20はMR素子20aが非常に薄い薄膜から構成されるので、摩耗し易いという問題点もある。なお、図2および図3に示したごとく、磁気テープ30がフォワード方向およびバック方向のいずれの方向に走行しても記録・再生できるように、MRヘッド20および記録ヘッド21は通常は対で設けられ、また複数のトラックを同時に読み書きできるように図2の左右方向に複数設けられる。
【0009】
加えて、MRヘッドはトラック幅が非常に狭いので、MRヘッドのトラッキングサーボのために、サーボ信号が設けられる。トラックサーボ方式には磁気サーボ方式や光学サーボ方式があるが、前者は、サーボバンドを磁気記録により磁性層に形成し、これを磁気的に読み取ってサーボトラッキングを行うものであり、後者は、凹部アレイからなるサーボバンドをレーザー照射等でバックコート層に形成し、これを光学的に読み取ってサーボトラッキングを行うものである。なお、これら以外に、磁気サーボ方式にはバックコート層にも磁性を持たせ、このバックコート層に磁気サーボ信号を記録する方式があり、また光学サーボ方式にはバックコート層に光を吸収する材料等で光学サーボ信号を記録する方式もある。
【0010】
テープの送り速度やテープとヘッド間の相対速度の高速化に対応するためには、サーボ信号をトレースしながら高速走行する必要があるが、スライダ材料(例えば、アルミナ/チタニア/カーバイド)やガイドローラ材料等に対する磁性層やバックコート層との摩擦係数の最適化が不充分であると、磁気テ−プが蛇行してトラッキングずれ(オフトラック)が起こり、PW50が広くなったり出力が低下したりして、エラーレートが高くなるという問題がある。
【0011】
本発明は、MRヘッドに対応した磁気テープのスペーシングロスの低減と、磁気テープの蛇行によるオフトラックの低減とを図ることにより、エラーレートを低下させることを目的とする。また、本発明の磁気記録媒体と組み合わせて使用されるMRヘッドの摩耗低減を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の目的を達成するため、鋭意検討した結果、磁気テープの最大凸量(P1 )と凹凸の平均値(P0 )との差(P1 −P0 )を特定の値以下とし、かつ最大凸量(P1 )と第20番目の凸量(P20)との差(P1 −P20)を特定の値以下にすることで、スペーシングロスが低減され、また、磁性層とスライダ材料(例えば、アルミナ/チタニア/カーバイド)との動摩擦係数(以下単に摩擦係数という)をμmSL 、磁性層とSUS(SUS304、以下単にSUSという)との摩擦係数をμmSUS、バックコート層とSUSとの摩擦係数をμBSUSとした時の(μmSL /μmSUS)および(μmSL /μBSUS)を特定の値に制御することにより、磁気テ−プの蛇行によるオフトラックが低減され、エラーレートが低下することを見出した。このオフトラック低減によるエラーレートの低減効果は、トラック幅を15μm以下とした場合に特に大きい。
【0013】
本発明は、以上の知見をもとにして、完成されたものである。すなわち、非磁性支持体上の一面に、少なくとも一層の下塗層と、磁性層とがこの順に形成され、反対面にバックコート層を有し、磁気抵抗効果型素子を利用した再生ヘッドによって磁気記録信号が再生される磁気記録媒体において、非磁性支持体の厚さが2.0μm以上7.0μm以下、磁性層の厚さが0. 01μm以上0.30μm以下で、中心線平均表面粗さRaが0. 5nm以上3.2nm以下で、走査型白色光干渉法により350μm×260μmの視野で測定した場合の磁性層の凹凸の中心値をP0 、磁性層の最大の凸量をP1 、順次第2番目、第3番目、第4番目、第5番目、・・・、第19番目、第20番目の凸量をP2 、P3 、P4 、P5 ・・・、P19、P20とした時の(P1 −P0 )が5nm以上30nm以下で、かつ(P1 −P20)が0. 4nm以上5nm以下である磁気記録媒体(請求項1)と、磁性層の保磁力が120〜320kA/m、長手方向の残留磁束密度と厚さの積が0.0018μTm〜0.06μTmである磁気記録媒体(請求項2)と、非磁性支持体の長手方向のヤング率が6.08GPa(600kg/mm2 )以上1 2. 0GPa(1184 kg / mm 2 )であり、当該長手方向のヤング率をMD、幅方向のヤング率をTDとした時の比(MD/TD)が0.6〜1.80である磁気記録媒体(請求項3)とに係るものである。なお、本発明でいう摩擦係数は先にも述べたように動摩擦係数を意味し、その具体的な測定法は後述する実施例で説明する。
【0014】
【発明の実施の形態】
非磁性支持体上の少なくとも一面に、少なくとも一層の下塗層と、磁性層とがこの順に形成された磁気記録媒体において、磁性層の厚さを0.3μm以下とした磁気記録媒体は、磁性層が極めて薄く厚み損失が小さいので磁気ヘッド走行方向の記録密度が高い。磁性層の厚さは、0.01〜0.3μmが好ましく、0.01〜0.25μmがより好ましく、0.01〜0.2μmがさらに好ましく、0.01〜0.15μmがいっそう好ましい。この範囲がより好ましいのは、0.01μm未満では均一な磁性層が得にくく、0.3μmを越えると厚さ損失により、再生出力が小さくなるためである。
【0015】
磁性層の中心線平均表面粗さ(Ra)は3.2nm以下が好ましく、0.5〜3.2nmがより好ましく、0.7〜2.9nmがさらに好ましく、0.7〜2.5nmがいっそう好ましい。この範囲が好ましいのは、磁性層のRaが0.5nm未満では磁気テープの走行が不安定になり、Raが3.2nmを越えると、スペーシングロスにより、PW50が広くなったり出力が低下したりして、エラーレートが高くなるためである。
【0016】
磁性層の凹凸の中心値をP0 、磁性層の最大の凸量をP1 とした時の(P1 −P0 )は、30nm以下が好ましく、5〜30nmがより好ましく、5〜25nmがさらに好ましく、5〜20nmがいっそう好ましい。この範囲が好ましいのは、磁性層の(P1 −P0 )が5nm未満では磁気テープの走行が不安定になる場合があり、(P1 −P0 )が30nmを越えると、スペーシングロスにより、PW50が広くなったり出力が低下したりして、エラーレートが高くなるためである。また、(P1 −P0 )を30nm以下にすると、MRヘッドとの衝突によるサーマル・アスペリティの低減にも有効である。さらに、上記の条件を満たすと共に、磁性層の最大の凸量をP1 、順次第2番目、第3番目、第4番目、第5番目、・・・、第19番目、第20番目の凸量をP2 、P3 、P4 、P5 、・・・、P19、P20とした時の(P1 −P20)が5nm以下であることが好ましい。(P1 −P20)は1.8nm以下がより好ましく、1.5nm以下がさらに好ましく、1.0nm以下が特に好ましい。この範囲が好ましいのは、(P1 −P20)を5nm(より好ましくは1.8nm)以下にすると、スライダ(アルミナ/チタニア/カーバイド)から約25nm引っ込んで埋め込まれたMRヘッドと磁気テープが均一に当たるのでコンタクトが良くなり、PW50の低減と出力の向上によって、エラーレートが低くなるためである。また、このような均一な突起があると、摩擦係数が低くなると共に、MRスライダ(AlTiC;アルミナ/チタニア/カーバイド)との引っ掛かりが低減され、スムーズな走行性が得られるという副次的な効果もある。なお、最大の凸量と第20番目の凸量の差が重要な理由は、MRヘッドがスライダ面から約25nm引っ込んだ形態で埋め込まれていることと関係があると考えられるが、明確な理由は不明である。現在のところは、実験事実を述べるに留める。
【0017】
さらに、スライダに埋め込まれたMRヘッドを使用する磁気テープでは、[(P1 −P0 )/Ra]は12以下が好ましく、10以下がさらに好ましく、8以下がさらに好ましく、6以下がいっそう好ましい。[ (P1 −P0 )/Ra ]について12以下が好ましいのは、MR素子が磨耗した場合にも、MRヘッドと磁気テープが均一に当たり、PW50が狭く出力が高く維持されてエラーレートが低くなるためである。このような磁気テープは、磁性層に施すラッピング/ロータリ/ティシュ処理(LRT処理)の処理条件のコントロールによって得られる。
【0018】
磁性層とスライダ材料(例えば、アルミナ/チタニア/カーバイド)との摩擦係数をμmSL 、磁性層とSUSとの摩擦係数をμmSUS、バックコート層とSUSとの摩擦係数をμBSUSとした時の[(μmSL )/(μmSUS)]を0.7〜1.3に設定し、かつ[(μmSL )/(μBSUS)]を0.8〜1.5に設定すると、磁気テープの蛇行によるオフトラックが低減され、エラーレートが低下する。この効果は、トラック幅が5μm以下の場合に特に大きい。[(μmSL )/(μmSUS)]が0.85〜1.15で、かつ[(μmSL )/(μBSUS)]が1.0〜1.3であればより好ましく、[(μmSL )/(μmSUS)]が0.9〜1.1で、かつ[(μmSL )/(μBSUS)]が1.0〜1.3であればさらに好ましい。このような磁気テープは、(1)磁性層に高級脂肪酸のエステルとともに脂肪酸アミドを含有させ、あるいは磁性層中の架橋剤量を減少させる等の工夫を磁性層に施し、(2)バックコート層に粒径300nm〜400nmの大粒径カーボンブラックと、粒径5nm〜200nmの小粒径カーボンブラックとを含有させるとともに、(3)上記のLRT処理を磁性層に施すことにより得られる。
【0019】
磁性層の保磁力は、120〜320kA/mが好ましく、140〜320kA/mがより好ましく、160〜320kA/mがさらに好ましい。磁性層の保磁力が120kA/m未満では記録波長を短くすると反磁界減磁で出力低下が起こり、320kA/mを越えると磁気ヘッドによる記録が困難になることがある。
【0020】
長手方向の残留磁束密度と厚さの積は0.0018〜0.06μTmが好ましく、0.0036〜0.050μTmがより好ましく、0.004〜0.045μTmがさらに好ましく、0.004〜0.040μTmがいっそう好ましい。長手方向の残留磁束密度と厚さの積が0.0018μTm未満では、MRヘッドによる再生出力が小さく、0.06μTmを越えるとMRヘッドによる再生出力が歪みやすくなることがある。このような磁性層からなる磁気記録媒体は、記録波長を短くでき、しかも、MRヘッドで再生した時の再生出力を大きくすることができ、さらには再生出力の歪を低減できて出力対ノイズ比を大きくできるので好ましい。
【0021】
下塗層の厚さは、0.3〜3.0μmが好ましく、0.5〜2.5μmがより好ましく、0.5〜2.0μmがさらに好ましく、0.5〜1.5μmがいっそう好ましい。下塗層の厚さが0.3μm未満では磁気記録媒体の耐久性が悪くなる場合があり、3.0μmを越えると磁気記録媒体の耐久性向上効果が飽和するばかりでなく、磁気テープの場合は全厚が厚くなって、1巻当りのテープ長さが短くなり、記憶容量が小さくなることがある。
【0022】
バックコート層の厚さは、0.2〜0.8μmが好ましい。この範囲が好ましいのは、0.2μm未満では磁気記録媒体の走行性が悪くなり、0.8μmを越えると磁気記録媒体の全厚が厚くなって、1巻当りのテープ長さが短くなり、記憶容量が小さくなるためである。バックコート層の中心線平均表面粗さ(Ra)は2〜15nmが好ましく、3〜8nmがより好ましい。バックコート層のRaが2nm未満では磁気テープの走行が不安定になることがあり、Raが15nmを越えると、裏写により、磁性層の表面粗さが大きくなって、スペーシングロスが大きくなることがある。このようなバックコート層は、粒径5nm〜100nmの小粒径カーボンブラックと粒径300〜400nmの大粒径カーボンブラックとを、小粒径カーボンブラックと大粒径カーボンブラック合計の添加量が無機粉体重量を基準にして60〜98重量%となるように含有し、粒子径が0.1μm〜0.6μmの酸化鉄を、無機粉体重量を基準にして2〜40重量%含有させ、カレンダ処理を行うことによって得られる。なお、大粒径カーボンブラックの添加量は、通常、小粒径カーボンブラックの5〜15重量%である。
【0023】
以下に、各構成要素毎の好ましい形態を述べる。
〈非磁性支持体〉
非磁性支持体の厚さは、7.0μm以下が好ましく、2.0〜7.0μmがより好ましく、2〜6.5μmがさらに好ましく、2.5〜6.0μmがいっそう好ましい。この範囲の厚さの非磁性支持体が好ましいのは、2μm未満では製膜が難しく、またテープ強度が小さくなり、7.0μmを越えるとテープ全厚が厚くなり、テープ1巻当りの記憶容量が小さくなるためである。
【0024】
非磁性支持体の長手方向のヤング率は、非磁性支持体の厚さによって異なるが、通常5.07GPa(500kg/mm2 )以上のものが使用される。このヤング率は6.08GPa(600kg/mm2 )以上が好ましく、7.09GPa(700kg/mm2 )以上が好ましい。また、非磁性支持体の厚さが5.0μm以下の場合は、10.13GPa(1000kg/mm2 )以上のヤング率のものが好ましく使用される。非磁性支持体の長手方向のヤング率が6.08GPa(600kg/mm2 )未満では、磁気テープの強度が弱くなったり、磁気テープの走行が不安定になったりすることがある。
【0025】
非磁性支持体の長手方向のヤング率をMD、幅方向のヤング率をTDとした時の比(MD/TD)が0.6〜1.8である非磁性支持体を用いると、MRヘッドとの当たりが良くなるので好ましい。MD/TDの好ましい範囲は、ヘリキャルスキャンタイプとリニアレコーディングタイプとで異なっており、ヘリキャルスキャンタイプで好ましいMD/TDの範囲は、0.6〜1.2で、0.6〜1.0がより好ましく、0.60〜0.80がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、メカニズムは現在のところ不明であるが、磁気ヘッドのトラックの入り側から出側間の出力のばらつき(フラットネス)が大きくなるためである。リニアレコーディングタイプでは、1.0〜1.8が好ましく、1.1〜1.7がより好ましく、1.2〜1.6がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、ヘッドタッチが良くなるためである。このような非磁性支持体には、ポリエチレンナフタレートフィルム、芳香族ポリアミドフィルム、芳香族ポリイミドフィルム等がある。
【0026】
〈下塗層〉
上述のように、下塗層の厚さは、0.3〜3.0μmが好ましく、0.5〜2.5μmがより好ましく、0.5〜2.0μmがさらに好ましく、0.5〜1.5μmがいっそう好ましい。この範囲が好ましいのは、0.3μm未満では磁気記録媒体の耐久性が悪くなる場合があり、3.0μmを越えると磁気記録媒体の耐久性向上効果が飽和するばかりでなく、磁気テープの場合は全厚が厚くなって、1巻当りのテープ長さが短くなり、記憶容量が小さくなるためである。
【0027】
下塗層には、導電性改良の目的でカーボンブラック、塗料粘度やテープ剛性の制御を目的に非磁性粒子を添加する。下塗層に使用する非磁性粒子としては、酸化チタン、酸化鉄、アルミナ等があるが、酸化鉄単独または酸化鉄とアルミナの混合系が使用される。下塗層に、下塗層中の全無機粉体の重量を基準にして、粒径10〜100nmのカーボンブラックを15〜35重量%、長軸長0.05〜0.20μm、短軸長5〜200nmの非磁性の酸化鉄を35〜83重量%、必要に応じて粒径10〜100nmのアルミナを0〜20重量%含有させると、ウエット・オン・ウエットで、その上に形成した磁性層の表面粗さが小さくなるので好ましい。なお、非磁性酸化鉄は通常針状であるが、粒状または無定形の非磁性酸化鉄を使用する場合には粒径5〜200nmの酸化鉄が好ましい。なお、表面の平滑性を損なわない範囲で100nm以上の大粒径カーボンブラックを添加することを排除するものではない。その場合のカーボンブラック量は、小粒径カーボンブラック量と大粒径カーボンブラック量との和を上記範囲内にすることが好ましい。大粒径カーボンブラック量は通常、全カーボンブラック量の20重量%以下である。
【0028】
下塗層に添加するカーボンブラック(以下、CBともいう)としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。通常、粒径が5nm〜100nmのものが使用されるが、粒径10nm〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、CBがストラクチャーを持っているため、粒径が10nm未満になるとCBの分散が難しく、100nmを越えると平滑性が悪くなるためである。CB添加量は、CBの粒子径によって異なるが、15〜35重量%が好ましい。この範囲が好ましいのは、15重量%未満では導電性向上効果が乏しく、35重量%を越えると効果が飽和するためである。粒径15nm〜80nmのCBを15〜35重量%使用するのがより好ましく、粒径20nm〜50nmのCBを20〜30重量%用いるのがさらに好ましい。このような粒径・量のカーボンブラックを添加することにより電気抵抗が低減され、かつ走行むらが小さくなる。
【0029】
下塗層に添加する非磁性の酸化鉄としては、針状の場合、長軸長0.05〜0.20μm、短軸長(粒径)5〜200nmのものが好ましく、粒状または無定形のものでは、粒径5〜200nmが好ましい。粒径0.05〜150nmがより好ましく、粒径0.05〜100nmがさらに好ましい。なお、針状のものが磁性層の配向がよくなるのでより好ましい。添加量は、35〜83重量%が好ましく、40〜80重量%がより好ましく、50〜75重量%がさらに好ましい。この範囲の粒径(針状の場合は短軸長)が好ましいのは、粒径5nm未満では均一分散が難しく、200nmを越えると下塗層と磁性層の界面の凹凸が増加するためである。この範囲の添加量が好ましいのは、35重量%未満では塗膜強度向上効果が小さく、83重量%を越えると却って塗膜強度が低下することがあるためである。
【0030】
下塗層には酸化鉄に加えてアルミナを添加してもよい。アルミナの粒径は、10〜100nmが好ましく、20〜100nmがより好ましく、30〜100nmがさらに好ましい。粒径10nm未満では均一分散が難しく、100nmを越えると下塗層と磁性層の界面の凹凸が増加することがある。アルミナの添加量は、通常0〜20重量%であるが、2〜10重量%がより好ましく、4〜8重量%がさらに好ましい。
【0031】
〈潤滑剤〉
下塗層と磁性層からなる塗布層に、役割の異なる潤滑剤を使用する。下塗層には全粉体に対して0.5〜4.0重量%の高級脂肪酸を含有させ、0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、磁気テープと走行系のヘッドおよびガイドローラ等との摩擦係数が小さくなるので好ましい。高級脂肪酸の添加量が0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、4.0重量%を越えると下塗層が可塑化してしまい強靭性が失われることがある。また、この範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.5重量%未満では、摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越えると磁性層への移入量が多すぎるため、磁気テープと走行系のヘッドおよびガイドローラ等が貼り付く等の副作用があるためである。
【0032】
磁性層に、強磁性粉末に対して0.2〜3.0重量%の脂肪酸アミドを含有させ、0.2〜3.0重量%の高級脂肪酸のエステルを含有させると、磁気テープと走行系のキャプスタンやMRヘッドのスライダ等との摩擦係数が小さくなるので好ましい。前記脂肪酸アミドの含有量が0.2重量%未満ではヘッドスライダ/磁性層の摩擦係数が大きくなりやすく、3.0重量%を越えるとブリードアウトしてしまいドロップアウトなどの欠陥が発生することがある。脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸などの高級脂肪酸が使用される。脂肪酸エステルとしては、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、モノ−ステアリン酸無水ソルビタン、ジ−ステアリン酸無水ソルビタン、トリ−ステアリン酸無水ソルビタンなどが使用される。脂肪酸アミドとしては、パルミチン酸、ステアリン酸等の上記高級脂肪酸のアミドが使用可能である。また、上記範囲の高級脂肪酸のエステル添加が好ましいのは、0.2重量%未満では摩擦係数低減効果が小さく、3.0重量%を越えると磁気テープと走行系のヘッドおよびガイドローラ等が貼り付く等の副作用があるためである。なお、磁性層の潤滑剤と下塗層の潤滑剤の相互移動を排除するものではない。MRヘッドのスライダとの摩擦係数は0.30以下が好ましく、0.25以下がより好ましい。この範囲が好ましいのは、0.30を越えると、スライダ汚れによるスペーシングロスが起こりやすいためである。なお、0.10未満は実現が困難である。SUSとの摩擦係数は0.10〜0.25が好ましく、0.12〜0.20がより好ましい。この範囲が好ましいのは、0.10未満になるとヘッドおよびガイドローラ部分で滑りやすく走行が不安定になり、0.25を越えるヘッドおよびガイドローラが汚れやすくなるためである。また、[(μmSL )/(μmSUS)]は0.7〜1.3が好ましく、0.8〜1.2がより好ましい。この範囲が好ましいのは、磁気テ−プの蛇行によるトラッキングずれ(オフトラック)が小さくなるためである。
【0033】
〈磁性層〉
磁性層の厚さは上述のように、通常0.3μm以下で、0.01〜0.3μmが好ましく、0.01〜0.25μmがより好ましく、0.01〜0.2μmがさらに好ましく、0.01〜0.15μmがいっそう好ましい。この範囲がより好ましいのは、0.01μm未満では均一な磁性層が得にくく、0.3μmを越えると厚さ損失により、再生出力が小さくなったり、当該磁性層における残留磁束密度(Br)と厚さ(δ)との積(Brδ)が大きくなり過ぎて、MRヘッドの飽和による再生出力の歪が起こりやすくなるためである。また、上述のように、磁性層の保磁力は、120〜320kA/mが好ましく、140〜320kA/mがより好ましく、160〜320kA/mがさらに好ましい。磁性層の保磁力が120kA/m未満では記録波長を短くした場合に反磁界減磁で出力低下が起こり、320kA/mを越えると磁気ヘッドによる記録が困難になることがある。長手方向の残留磁束密度と厚さの積は0.0018〜0.06μTmが好ましく、0.0036〜0.050μTmがより好ましく、0.004〜0.045μTmがさらに好ましく、0.004〜0.040μTmがいっそう好ましい。この範囲が好ましいのは、0.0018μTm未満では、MRヘッドによる再生出力が小さく、0.06μTmを越えるとMRヘッドによる再生出力が歪みやすいからである。
【0034】
磁性層に添加する磁性粉には、強磁性鉄系金属粉末、六方晶バリウムフェライト粉末が使用される。強磁性鉄系金属粉末、六方晶バリウムフェライト粉末の保磁力は、120〜320kA/mが好ましく、飽和磁化量は、強磁性鉄系金属粉末では、120〜200A・m2 /kg(120〜200emu/g)が好ましく、130〜180A・m2 /kg(130〜180emu/g)がより好ましい。六方晶バリウムフェライト粉末では、50〜70A・m2 /kg(50〜70emu/g)が好ましい。なお、この磁性層の磁気特性と、強磁性粉末の磁気特性は、いずれも試料振動形磁束計で外部磁場1.28MA/m(16kOe)での測定値をいうものである。
【0035】
本発明の磁気記録媒体において使用する強磁性鉄系金属粉末の平均長軸長としては、0.03〜0.2μmが好ましく、0.03〜0.18μmがより好ましく、0.04〜0.15μmがさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、平均長軸長が0.03μm未満となると、磁性粉の凝集力が増大するため塗料中への分散が困難になり、0.2μmより大きいと、保磁力が低下し、また粒子の大きさに基づく粒子ノイズが大きくなるからである。また、六方晶バリウムフェライト粉末では、同様の理由により、板径5〜200nmが好ましい。なお、上記の平均長軸長、粒径は、走査型電子顕微鏡(SEM)にて撮影した写真の粒子サイズを実測し、100個の平均値により求めたものである。また、この強磁性鉄系金属粉末のBET比表面積は、35m2 /g以上が好ましく、40m2 /g以上がより好ましく、50m2 /g以上が最も好ましい。六方晶バリウムフェライト粉末のBET比表面積は、1〜100m2 /g以上が好ましい。
【0036】
下塗層、磁性層に含有させる結合剤としては、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体、ニトロセルロースなどの中から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂との組み合わせを用いることができる。中でも、塩化ビニル−水酸基含有アルキルアクリレート共重合体とポリウレタン樹脂を併用するのが好ましい。ポリウレタン樹脂には、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタンなどがある。
【0037】
官能基としてCOOH、SO3 M、OSO2 M、P=O(OM)3 、O−P=O(OM)2 [Mは水素原子、アルカリ金属塩基又はアミン塩]、OH、NR' R''、N+ R''' R''''R''''' [R' 、R''、R''' 、R''''、R''''' は水素または炭化水素基]、エポキシ基を有する高分子からなるウレタン樹脂等の結合剤が使用される。このような結合剤を使用するのは、上述のように磁性粉等の分散性が向上するためである。2種以上の樹脂を併用する場合には、官能基の極性を一致させるのが好ましく、中でも−SO3 M基どうしの組み合わせが好ましい。
【0038】
これらの結合剤は、強磁性粉末100重量部に対して、7〜50重量部、好ましくは10〜35重量部の範囲で用いられる。特に、結合剤として、塩化ビニル系樹脂5〜30重量部と、ポリウレタン樹脂2〜20重量部とを、複合して用いるのが最も好ましい。
【0039】
これらの結合剤とともに、結合剤中に含まれる官能基などと結合させて架橋する熱硬化性の架橋剤を併用するのが望ましい。この架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなどや、これらのイソシアネート類とトリメチロールプロパンなどの水酸基を複数個有するものとの反応生成物、上記イソシアネート類の縮合生成物などの各種のポリイソシアネートが好ましい。これらの架橋剤は、結合剤100重量部に対して、通常10〜50重量部の割合で用いられる。より好ましくは10〜35重量部である。なお、磁性層に使用する架橋剤の量を、下塗層に使用する量の1/2程度(30%〜60%)にすれば、MRヘッドのスライダに対する摩擦係数が小さくなるので好ましい。この範囲が好ましいのは、30%未満では、磁性層の塗膜強度が弱くなりやすく、60%を越えるとスライダに対する摩擦係数を小さくするために、LRT処理条件を強くする必要があり、コストアップにつながるためである。
【0040】
導電性向上と表面潤滑性向上を目的に従来公知のCBを添加することができる。これらのCBとしては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。粒径が5nm〜100nmのものが使用されるが、粒径10nm〜100nmのものが好ましい。この範囲が好ましいのは、粒径が5nm以下になるとCBの分散が難しく、100nm以上では多量のCBを添加することが必要になり、何れの場合も表面が粗くなり、出力低下の原因になるためである。添加量は強磁性粉末に対して0.2〜5重量%が好ましく、0.5〜4重量%がより好ましく、0.5〜3.5重量%がさらに好ましく、0.5〜3重量%がいっそう好ましい。この範囲が好ましいのは、0.2重量%未満では効果が小さく、5重量%を越えるCBを添加すると、磁性層表面が粗くなりやすいからである。
【0041】
〈バックコート層〉
走行性向上を目的に、厚さ0.2〜0.8μmの従来公知のバックコート層を使用できる。この範囲が良いのは、0.2μm未満では、走行性向上効果が不充分であり、0.8μmを越えるとテープ全厚が厚くなって1巻当たりの記憶容量が小さくなるためである。バックコート層とSUSとの摩擦係数は0.10〜0.30が好ましく、0.10〜0.25がより好ましい。この範囲が好ましいのは、0.10未満になるとガイドローラ部分で滑りやすく走行が不安定になり、0.30を越えるとガイドローラが汚れやすくなるためである。また、[(μmSL )/(μBSUS)]は0.8〜1.5が好ましく、0.9〜1.4がより好ましい。この範囲が好ましいのは、磁気テープの蛇行によるトラッキングずれ(オフトラック)が小さくなることがあるためである。
【0042】
バックコート層のカーボンブラック(CB)としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等を使用できる。通常、小粒径カーボンと大粒径カーボンを使用する。小粒径カーボンには、粒径が5nm〜100nmのものを使用することができるが、粒径10nm〜100nmのものがより好ましい。この範囲がより好ましいのは、粒径が10nm以下になるとCBの分散が難しく、粒径が100nm以上では多量のCBを添加することが必要になり、何れの場合も表面が粗くなり、磁性層への裏移り(エンボス)原因になるためである。大粒径カーボンとして、粒径300〜400nmのカーボンを小粒径カーボンの添加量に対して5〜15重量%の割合で添加すると、表面も粗くならず、走行性向上効果も大きくなる。小粒径カーボンと大粒径カーボン合計の添加量は無機粉体重量を基準にして60〜98重量%が好ましく、70〜95重量%がより好ましい。バックコート層の中心線平均表面粗さRaは2〜15nmが好ましく、3〜8nmがより好ましい。
【0043】
また、バックコート層には、強度向上を目的に、粒子径が0.1μm〜0.6μmの酸化鉄を添加するのが好ましく、0.2μm〜0.5μmがより好ましい。添加量は無機粉体重量を基準にして2〜40重量%が好ましく、5〜30重量%がより好ましい。
【0044】
バックコート層には結合剤として、前述した磁性層や下塗層に用いるのと同じ樹脂を用いることができるが、これらの中でも摩擦係数を低減し走行性を向上させるため、セルロース系樹脂とポリウレタン樹脂を複合して併用することが好ましい。結合剤の含有量は通常、カーボンブラックと前記無機非磁性粉末との合計量100重量部に対して40〜150重量部で、50〜120重量部が好ましく、60〜110重量部がより好ましく、70〜110重量部がさらに好ましい。この範囲が好ましいのは、50重量部未満では、バックコート層の強度が不十分で、120重量部を越えると摩擦係数が高くなりやすいためである。セルロース系樹脂を30〜70重量部、ポリウレタン系樹脂を20〜50重量部使用することが好ましい。また、さらに結合剤を硬化するために、ポリイソシアネート化合物などの架橋剤を用いることが好ましい。
【0045】
バックコート層には架橋剤として、前述した磁性層や下塗層に用いる架橋剤を使用する。架橋剤の量は、結合剤100重量部に対して、通常10〜50重量部の割合で用いられる。好ましくは10〜35重量部、より好ましくは10〜30重量部である。この範囲が好ましいのは、10重量部未満では、バックコート層の塗膜強度が弱くなりやすく、35重量部を越えるとSUSに対する動摩擦係数が大きくなるためである。
【0046】
磁気サーボ信号が記録される特殊用途のバックコート層には、磁性層に使用する上述の強磁性粉末を30〜60重量部、バックコート層に使用する上述のカーボンブラックを40〜70重量部、必要に応じて、バックコート層に使用する上述の酸化鉄、アルミナを2〜15重量部添加する。また、結合剤には、強磁性粉末、カーボンブラック、無機非磁性粉末との合計量100重量部に対して、上記バックコート層に用いる樹脂を通常、40〜150重量部、好ましくは50〜120重量部使用する。また、架橋剤には、上述の架橋剤を結合剤100重量部に対して、通常10〜50重量部の割合で用いることができる。上述の磁性層で述べたのと同じ理由で、保磁力は120〜320kA/m、残留磁束密度Brと膜厚の積は、0.018〜0.06μTmが好ましい。
【0047】
〈LRT(ラッピング/ロータリ/ティシュ)処理〉
LRT処理の概略を図1を用いて説明する。図1中の符号1は磁気テープ30用の送り出しロール、2は送りロール、3は研磨テープ(ラッピングテープ)、4は研磨テープ用のガイドブロック、5は研磨テープ用の回転ロール、6はアルミ製のロータリホイール、7は磁気テープ30のバックコート層30b側に対する不織布面当て用の回転棒、8は磁性層30a側に対する不織布面当て用の回転棒、9は不織布(ティシュ)、10は不織布用の回転ロール、11はフィードローラ、12は巻き取りロールを示す。
【0048】
(1)ラッピング処理: 図1に示すように研磨テープ(ラッピングテープ)3は、回転ロール5によって磁気テープ30の送り方向(テープ送り速度は、標準:400m/min )と反対方向に一定の速さ(標準:14.4cm/min )で移動し、図中の下部側からガイドブロック4によって押さえられることによって磁気テープ30の磁性層30a側と接触し、この時の磁気テープ巻き出しテンションおよび研磨テープ3のテンションを一定(標準:各100g、250g)として研磨処理を行う。この工程で使用する研磨テープ(ラッピングテープ)3は、例えば、M20000番、WA10000番あるいはK10000番のような研磨砥粒の細かいラッピングテープである。なお、研磨ホイール(ラッピングホイール)を研磨テープ(ラッピングテープ)3の代りにまたは併用して使用することを排除するものではないが、頻繁に交換を要する場合は、研磨テープ(ラッピングテープ)3のみを使用する。
【0049】
(2)ロータリ処理: 図1に示す空気抜き用溝付ロータリホイール[標準:幅1インチ(25.4mm)、直径60mmφ、空気抜き用溝2mm幅、溝の角度45度、協和精工社製]6を、磁気テープ30の走行方向(図中に矢印で示す)と反対方向に一定の回転速度(通常:200〜3000rpm、標準:1100rpm)で回転させつつ、磁気テープ30の磁性層30aに対して一定の接触角度(標準:90度)で接触させることにより、磁性層30aの表面処理を行う。
【0050】
(3)ティシュ処理: ティシュ(不織布、例えば東レ社製のトレシー)を、磁気テープの30の送り方向と反対方向に一定の速度(標準:14.0mm/min )で送り、回転棒7・8でそれぞれ磁気テープ30のバックコート層30bおよび磁気層30aの表面に押し当ててクリーニング処理を行う。
【0051】
本発明のテープを組み込んだカセットテープは、1巻当たりの容量が大きく、MR再生ヘッドを使用した場合のPW50が小さく、再生出力が高いので、エラーレートが低く、ハードディスクドライブのバックアップ用テープとして、信頼性も高く、特に優れている。
【0052】
【実施例】
以下に実施例によって本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例、比較例の部は重量部を示す。
【0053】
実施例1:
《下塗層用塗料成分》
(1)
酸化鉄粉末(平均粒径:0.11×0.02μm) 68部
α−アルミナ(平均粒径:0.07μm) 8部
カーボンブラック(平均粒径:25nm、吸油量:55g/cc) 24部
ステアリン酸 2.0部
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 0.8部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 4.4部
(Tg:40℃、含有−SO3 Na基:1×10-4当量/g)
シクロヘキサノン 25部
メチルエチルケトン 40部
トルエン 10部
(2)
ステアリン酸ブチル 1部
シクロヘキサノン 70部
メチルエチルケトン 50部
トルエン 20部
(3)
ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 4.4部
シクロヘキサノン 10部
メチルエチルケトン 15部
トルエン 10部
【0054】
《磁性層用塗料成分》
(1)
強磁性鉄系金属粉 100部
(Co/Fe:20at%、Y/(Fe+Co):3at%、
Al/(Fe+Co):5wt%、Ca/Fe:0wt%、
σs :155A・m2 /kg、Hc:149.6kA/m、
pH:9.4、長軸長:0.10μm)
塩化ビニル−ヒドロキシプロピルアクリレート共重合体 12.3部
(含有−SO3 Na基:0.7×10-4当量/g)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5.5部
(含有−SO3 Na基:1.0×10-4当量/g)
α−アルミナ(平均粒径:0.12μm) 8部
α−アルミナ(平均粒径:0.07μm) 2部
カーボンブラック 1.0部
(平均粒径:75nm、DBP吸油量:72cc/100g)
メタルアシッドホスフェート 2部
パルミチン酸アミド 1.5部
ステアリン酸n−ブチル 1.0部
テトラヒドロフラン 65部
メチルエチルケトン 245部
トルエン 85部
(2)
ポリイソシアネート 2.0部
シクロヘキサノン 167部
【0055】
上記の下塗層用塗料成分において(1)をニーダで混練したのち、(2)を加えて攪拌の後サンドミルで滞留時間を60分として分散処理を行い、これに(3)を加え攪拌・濾過した後、下塗層用塗料とした。これとは別に、上記の磁性層用塗料成分(1)をニーダで混練したのち、サンドミルで滞留時間を45分として分散し、これに磁性層用塗料成分(2)を加え攪拌・濾過後、磁性塗料とした。上記の下塗層用塗料を、ポリエチレンナフタレートフイルム(厚さ6.2μm、MD=6.08GPa、MD/TD=1.3、帝人社製)からなる支持体上に、乾燥、カレンダ後の厚さが1.8μmとなるように塗布し、この下塗層上に、さらに上記の磁性塗料を磁場配向処理、乾燥、カレンダー処理後の磁性層の厚さが0.15μmとなるようにウエット・オン・ウエットで塗布し、磁場配向処理後、ドライヤを用いて乾燥し、磁気シートを得た。なお、磁場配向処理は、ドライヤ前にN−N対抗磁石(5kG)を設置し、ドライヤ内で塗膜の指蝕乾燥位置の手前側75cmからN−N対抗磁石(5kG)を2基50cm間隔で設置して行った。塗布速度は100m/分とした。
【0056】
《バックコート層用塗料成分》
カーボンブラック(平均粒径:25nm) 80部
カーボンブラック(平均粒径:370nm) 10部
酸化鉄(長軸長:0.4μm、軸比:約10) 10部
ニトロセルロース 45部
ポリウレタン樹脂(SO3 Na基含有) 30部
シクロヘキサノン 260部
トルエン 260部
メチルエチルケトン 525部
【0057】
上記バックコート層用塗料成分をサンドミルで滞留時間45分として分散した後、ポリイソシアネート15部を加えてバックコート層用塗料を調整し濾過した後、上記で作製した磁気シートの磁性層の反対面に、乾燥、カレンダ後の厚みが0.5μmとなるように塗布し、乾燥した。このようにして得られた磁気シートを金属ロールからなる7段カレンダで、温度100℃、線圧150kg/cmの条件で鏡面化処理し、磁気シートをコアに巻いた状態で70℃で72時間エージングしたのち、1/2インチ幅に裁断し、下記の条件でLRT処理を行った。このようにして得られた磁気テープを、カートリッジに組み込み、コンピュータ用テープを作製した。バックコート層のRaは8nmであった。
【0058】
〈LRT(ラッピング/ロータリ/ティシュ)処理〉
(1)ラッピング処理: 図1に示すように研磨テープ(ラッピングテープ)3を、回転ロール5によって磁気テープ30の送り方向(磁気テープ送り速度:標準で400m/min )と反対方向に14.4cm/min の速さで移動させ、図中の下部からガイドブロック4によって押さることによって磁気テープ30の磁性層30aの表面と接触させ、この時の磁気テープ巻き出しテンションを100g、研磨テープ3のテンションを250gとして研磨処理を行った。
【0059】
(2)ロータリホイール処理: 図1に示す幅1インチ(25.4mm)、直径60mmφ、溝幅2mmの空気抜き用溝付アルミ製ロータリホイール(溝角度45度、協和精工社製)6を磁気テープ30の送り方向と反対方向に回転(回転速度1100rpm)させて、磁性層30aに対して接触角度90度で接触させることにより、磁性層30aの表面処理を行った。
【0060】
(3)ティシュ処理: 不織布(ここでは、東レ社製の不織布トレシー)9を、磁気テープ30の送り方向と反対方向に14.0mm/min の速度で送り、回転棒7、8で各々バックコート層30bおよび磁性層30aの表面に押し当てて、これらの表面に対するクリーニング処理を行った。
【0061】
実施例2〜10:
一部条件を表1〜表3の条件に変更したことを除き、実施例1と同様にして実施例2〜10のコンピュータ用磁気テープを作製した。
【0062】
比較例1:
LRT処理を行わなかったことを除き、実施例1と同様にして比較例1のコンピュータ用テープを作製した。
【0063】
比較例2:
LRT処理の代りに下記のLBT処理を行ったことを除き、実施例1と同様にして比較例2のコンピュータ用テープを作製した。
【0064】
〈LBT処理〉
磁気テープを400m/min で走行させながら磁性層表面をラッピングテープ研磨、ブレード研磨そして表面拭き取りの後処理を行い、磁気テ−プを作製した。この時、ラッピングテープ(研磨テープ)にはK10000、ブレードには超硬刃、表面拭き取りには東レ製トレシーを用い、走行テンション30gで処理を行った。上記のようにして得られた磁気テープを、カートリッジに組み込み、コンピュータ用磁気テープを作製した。
【0065】
比較例3:
LBT処理を10回行ったことを除き、比較例2と同様にして比較例3のコンピュータ用テープを作製した。
【0066】
比較例4〜6:
一部条件を表5の条件に変更したことを除き、比較例2と同様にして比較例4〜6のコンピュータ用磁気テープを作製した。
【0067】
特性の評価は、以下のようにして行った。
〈PW50、再生出力およびエラーレート等の測定〉
PW50、再生出力およびエラーレート(ERT)の測定は、薄手テープも測定できるように改造したLTOドライブを用いて記録(記録波長0.55μm)・再生することによって求めた。PW50は、比較例1テープのPW50を1とした時の値、再生出力は、比較例1テープを0dBとした時の値、出力劣化はそれぞれの磁気テープの初期値を0dBとして記録再生を100回行った後の値である。
【0068】
〈磁性層の表面粗さ、凹凸の中心値および凸量の評価〉
ZYGO社製汎用三次元表面構造解析装置NewView5000による走査型白色光干渉法にてScan Lengthを5μmで測定した。測定視野は、350μm×260μmである。磁性層の中心線平均表面粗さをRaとし、凹凸の中心値をP0 、最大の凸量(第1番目の凸量)をP1 、順次第2番目、第3番目、第4番目、第5番目、・・・、第19番目、第20番目の凸量を、P2 、P3 、P4 、P5 、・・・、P19、P20とした時の(P1 −P0 )と(P1 −P20)および[(P1 −P0 )/Ra]を求めた。
【0069】
〈MRヘッドの突出量と、磨耗量の測定〉
DI(Digital Instrument)社製の走査型プローブ顕微鏡(Nano Scopea/Dimension-3100 Tapping mode AFM)で、80μm×80μmの視野を測定し、傾き、ノイズ等の補正をしたのち、断面プロファイルの解析を行い、MRヘッドの突出量、走行前後の磨耗量を測定した。
【0070】
〈磁性層とスライダ材料およびSUSとの摩擦係数の測定〉
[SUS]
外径5mmのSUSピン(SUS304)に磁気テープを角度90°、荷重0.64Nで掛け、磁気テープの同一箇所を送り速度20mm/sec で繰り返し10回摺動させた時の摩擦係数を測定した。
【0071】
[スライダ材料]
外径7mmのALTICのピンに磁気テープを角度90°、荷重0.64Nで掛け、磁気テープの同一箇所を送り速度20mm/sec で繰り返し10回摺動させた時の摩擦係数を測定した。
【0072】
〈非磁性支持体のヤング率(MD、TD)の測定〉
小型引っ張り試験機(横浜システム社製)を用い、23℃、50%RHの環境での歪み・引っ張り強度を測定した。試料の測定長さは10mm、引っ張り速度10%歪み/分で引っ張り、得られた強度の0.3%歪みの値をもとに、0.3%伸び弾性率を評価した。この評価は試料の長手方向と幅方向で行った。
【0073】
以上の測定結果を表1〜表5に示す。表中の略号の意味は、以下の通りである。
・μmSL :磁性層とスライダ材料との摩擦係数
・μmSUS:磁性層とSUSとの摩擦係数
・μBSUS:バックコート層とSUSとの摩擦係数
・Brδ:磁性層の残留磁束密度(Br)と厚さ(δ)との積
・Hc:磁性層の保磁力
・BC:バックコート層
・CB:カーボンブラック
・MD/TD:非磁性支持体の長手方向のヤング率(MD)と幅方向のヤング率(TD)との比
・磁性面表面粗度Ra:磁性層の中心線平均表面粗さRa
【0074】
【表1】
【0075】
【表2】
【0076】
【表3】
【0077】
【表4】
【0078】
【表5】
【0079】
【発明の効果】
表1ないし表5に示した実施例1〜10および比較例1〜6から明らかなように、非磁性支持体、下塗層、磁性層、バックコート層からなる磁気記録媒体であって、磁性層の厚さが0.30μm以下、中心線平均表面粗さRaが3.2nm以下で、磁性層の凹凸の中心値をP0 、該磁性層の最大の凸量をP1 、第20番目の凸量をP20とした時の(P1 −P0 )が30nm以下で、かつ(P1 −P20)が5nm以下である磁気記録媒体は、エラーレートが小さい優れた磁気記録媒体である。このような効果は、(P1 −P20)を1.8nm以下とした磁気記録媒体において特に顕著である。また、磁性層とスライダ材料との摩擦係数をμmSL 、磁性層とSUSとの摩擦係数をμmSUS、バックコート層とSUSとの摩擦係数をμBSUSとした時の[(μmSL )/(μmSUS)]が0.7〜1.3で、かつ[(μmSL )/(μBSUS)]が0.8〜1.5である磁気記録媒体は、オフトラックが小さい優れた磁気記録媒体である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体を製造する場合に行うLRT(ラッピング/ロータリ/ティシュ)処理の一例を示す概略工程図である。
【図2】スライダ上に載置された、記録ヘッドと再生用のMRヘッドとを示す概略平面図である。
【図3】図2のY−Y線で切断した概略断面図である。
【符号の説明】
20 MRヘッド
22 スライダ
30 磁気記録媒体(磁気テープ)
30a 磁性層
30b バックコート層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a magnetic recording medium having high recording capacity, access speed, and transfer speed, and more particularly to a data recording magnetic recording medium using a reproducing head (hereinafter referred to as MR head) using a magnetoresistive element (MR element). .
[0002]
[Background Art and Problems to be Solved by the Invention]
Magnetic tapes have various uses such as audio tapes, video tapes, and computer tapes. In particular, in the field of data backup tapes, storage of tens of GB or more per volume is accompanied by an increase in the capacity of a hard disk to be backed up. The capacity of the backup tape has been commercialized, and it is indispensable to increase the capacity of the backup tape in order to cope with the further increase in capacity of the hard disk in the future. Also, in order to increase the access speed and transfer speed, it is essential to increase the tape feed speed and the relative speed between the tape and the head.
[0003]
In order to increase the capacity per volume of backup tape, the total tape thickness is reduced to increase the tape length per volume, and the magnetic layer thickness is reduced to 0.3 μm or less to reduce the thickness. In addition to shortening the recording wavelength by reducing demagnetization, it is necessary to increase the recording density in the width direction by reducing the track width (signal pattern width on the tape) to 15 μm or less.
[0004]
If the thickness of the magnetic layer is as thin as 0.3 μm or less, the durability deteriorates. Therefore, it is necessary to provide at least one undercoat layer between the nonmagnetic support and the magnetic layer. Also, if the recording wavelength is shortened, the effect of spacing between the magnetic layer and the magnetic head increases, so if there are large protrusions in the magnetic layer, the half-value width (hereinafter referred to as PW50) of the output peak is wide due to spacing loss. The error rate increases because the output becomes lower or the output decreases.
[0005]
When the track width is narrowed to 15 μm or less and the recording density in the width direction is increased, the leakage magnetic flux from the magnetic recording medium is reduced. Therefore, the reproducing head uses a magnetoresistive effect element capable of obtaining a high output even with a minute magnetic flux. (Hereinafter referred to as MR head) is required.
[0006]
Conventionally, in a magnetic recording medium compatible with an MR head, the magnetic flux of the magnetic recording medium (product of residual magnetic flux density and thickness) is controlled to a specific value to prevent distortion of the output of the MR head (for example, Patent Document 1). 2), it is proposed to reduce the thermal asperity of the MR head by setting the dent on the surface of the magnetic layer to a specific value or less (see, for example, Patent Document 3).
[0007]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-238225 (Claims, paragraph numbers 0007 to 0011, Examples)
[Patent Document 2]
JP 2000-40217 A (Claims, paragraph numbers 0006 to 0009, Examples)
[Patent Document 3]
JP 2000-40218 A (Claims, paragraph numbers 0005 to 0014, 0023, Examples, FIGS. 2 and 3)
[0008]
A conventional magnetic head uses a chip in which a magnetic induction head for recording and a magnetic induction head for reproduction are bonded together. On the other hand, as schematically shown in FIGS. 2 and 3, the
[0009]
In addition, since the track width of the MR head is very narrow, a servo signal is provided for tracking servo of the MR head. The track servo system includes a magnetic servo system and an optical servo system. The former is a servo band formed on a magnetic layer by magnetic recording, and this is magnetically read to perform servo tracking. A servo band composed of an array is formed on the backcoat layer by laser irradiation or the like, and this is optically read to perform servo tracking. In addition to these, the magnetic servo system has a system in which the back coat layer is also magnetized and records a magnetic servo signal on the back coat layer, and the optical servo system absorbs light in the back coat layer. There is also a method of recording an optical servo signal with a material or the like.
[0010]
In order to cope with the increase in the tape feed speed and the relative speed between the tape and the head, it is necessary to run at high speed while tracing the servo signal. However, slider material (for example, alumina / titania / carbide) or guide roller If the friction coefficient between the magnetic layer and the back coat layer with respect to the material, etc. is not adequately optimized, the magnetic tape will meander and a tracking error (off-track) will occur, resulting in a wide PW50 or a reduced output. There is a problem that the error rate becomes high.
[0011]
The present invention reduces the error rate by reducing the spacing loss of the magnetic tape corresponding to the MR head and reducing the off-track by meandering the magnetic tape.DeclineThe purpose is to let you. Another object of the present invention is to reduce the wear of the MR head used in combination with the magnetic recording medium of the present invention.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned object, the present inventors have conducted intensive studies. As a result, the maximum convex amount (P1 ) And the average value of the unevenness (P0 ) (P)1 -P0 ) Below a specific value and the maximum convex amount (P1 ) And the 20th convex amount (P20) (P)1 -P20) Below a specific value, the spacing loss is reduced, and the dynamic friction coefficient between the magnetic layer and the slider material (eg, alumina / titania / carbide) (hereinafter simply referred to as the friction coefficient) is μ.mSL The coefficient of friction between the magnetic layer and SUS (SUS304, hereinafter simply referred to as SUS) is μ.mSUS, The coefficient of friction between the backcoat layer and SUS is μBSUS(ΜmSL / ΜmSUS) And (μmSL / ΜBSUS) To a specific value, the off-track due to magnetic tape meandering is reduced and the error rate is reduced.DeclineI found out. This off-track reduction reduces the error rateReductionThe effect is particularly great when the track width is 15 μm or less.
[0013]
The present invention has been completed based on the above findings. That is, at least one undercoat layer and a magnetic layer are formed in this order on one surface of the nonmagnetic support, and a backcoat layer is provided on the opposite surface.The magnetic recording signal is reproduced by the reproducing head using the magnetoresistive element.In the magnetic recording medium, the thickness of the nonmagnetic support is 2.0 μm or more and 7.0 μm or less, and the thickness of the magnetic layer is0. 01μm or moreThe centerline average surface roughness Ra is 0.30 μm or less.0. 5nm or more3.2 nm or less,When measured in a field of view of 350 μm × 260 μm by scanning white light interferometryThe center value of the irregularities of the magnetic layer is P0 , The maximum convex amount of the magnetic layer is P1 The second, third, fourth, fifth,..., Nineteenth and twentieth convex amounts are sequentially set to P.2 , PThree , PFour , PFive ... P19, P20(P1 -P0 )But5nm or more30 nm or less and (P1 -P20)But0. 4nm or moreA magnetic recording medium having a thickness of 5 nm or less (claim 1);, MagnetismA magnetic recording medium having a coercive force of 120 to 320 kA / m and a product of residual magnetic flux density and thickness in the longitudinal direction of 0.0019 μTm to 0.06 μTm.2) And a Young's modulus in the longitudinal direction of the nonmagnetic support is 6.08 GPa (600 kg / mm2 )that's
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
In a magnetic recording medium in which at least one undercoat layer and a magnetic layer are formed in this order on at least one surface of a nonmagnetic support, a magnetic recording medium having a magnetic layer thickness of 0.3 μm or less is magnetic Since the layer is extremely thin and the thickness loss is small, the recording density in the traveling direction of the magnetic head is high. The thickness of the magnetic layer is preferably 0.01 to 0.3 μm, more preferably 0.01 to 0.25 μm, still more preferably 0.01 to 0.2 μm, and still more preferably 0.01 to 0.15 μm. This range is more preferable because when the thickness is less than 0.01 μm, it is difficult to obtain a uniform magnetic layer, and when it exceeds 0.3 μm, the reproduction output becomes small due to the thickness loss.
[0015]
The centerline average surface roughness (Ra) of the magnetic layer is preferably 3.2 nm or less, more preferably 0.5 to 3.2 nm, further preferably 0.7 to 2.9 nm, and 0.7 to 2.5 nm. Even more preferable. This range is preferable because when the magnetic layer Ra is less than 0.5 nm, the running of the magnetic tape becomes unstable, and when Ra exceeds 3.2 nm, the PW50 becomes wide or the output decreases due to spacing loss. This is because the error rate increases.
[0016]
The center value of the irregularities of the magnetic layer is P0 , The maximum convex amount of the magnetic layer is P1 (P1 -P0 ) Is preferably 30 nm or less, more preferably 5 to 30 nm, still more preferably 5 to 25 nm, and even more preferably 5 to 20 nm. This range is preferred because the (P1 -P0 ) Less than 5 nm, the running of the magnetic tape may become unstable.1 -P0 ) Exceeds 30 nm, the PW50 is widened or the output is reduced due to spacing loss, resulting in a high error rate. Also, (P1 -P0 ) Of 30 nm or less is also effective in reducing thermal asperity due to collision with the MR head. Furthermore, while satisfying the above conditions, the maximum convex amount of the magnetic layer is set to P1 The second, third, fourth, fifth,..., Nineteenth and twentieth convex amounts are sequentially set to P.2 , PThree , PFour , PFive ... P19, P20(P1 -P20) Is preferably 5 nm or less. (P1 -P20) Is more preferably 1.8 nm or less, further preferably 1.5 nm or less, and particularly preferably 1.0 nm or less. This range is preferred because (P1 -P20) Is 5 nm (more preferably 1.8 nm) or less, the contact is improved because the MR head embedded by about 25 nm from the slider (alumina / titania / carbide) and the magnetic tape uniformly contact each other, and the PW50 is reduced and the output is reduced. This is because the error rate is lowered by the improvement. In addition, the presence of such uniform protrusions lowers the coefficient of friction and reduces the catch with the MR slider (AlTiC; alumina / titania / carbide), thereby providing a secondary effect that smooth running performance can be obtained. There is also. The reason why the difference between the maximum convex amount and the twentieth convex amount is important is considered to be related to the fact that the MR head is embedded in a form in which about 25 nm is retracted from the slider surface. Is unknown. For now, I will only describe the experimental facts.
[0017]
Furthermore, in a magnetic tape using an MR head embedded in a slider, [(P1 -P0 ) / Ra] is preferably 12 or less, more preferably 10 or less, further preferably 8 or less, and even more preferably 6 or less. [(P1 -P0 ) / Ra] is preferably 12 or less even when the MR element is worn, because the MR head and the magnetic tape are uniformly hit, the PW50 is narrow and the output is maintained high, and the error rate is lowered. Such a magnetic tape can be obtained by controlling processing conditions of lapping / rotary / tissue processing (LRT processing) applied to the magnetic layer.
[0018]
The friction coefficient between the magnetic layer and the slider material (for example, alumina / titania / carbide) is μmSL , The coefficient of friction between the magnetic layer and SUS is μmSUS, The coefficient of friction between the backcoat layer and SUS is μBSUS[(ΜmSL ) / (ΜmSUS)] Between 0.7 and 1.3 and [(μmSL ) / (ΜBSUS)] Between 0.8 and 1.5 reduces off-track caused by magnetic tape meandering and reduces the error rate.DeclineTo do. This effect is particularly great when the track width is 5 μm or less. [(ΜmSL ) / (ΜmSUS)] Between 0.85 and 1.15, and [(μmSL ) / (ΜBSUS)] Is more preferably 1.0 to 1.3, and [(μmSL ) / (ΜmSUS)] Is 0.9 to 1.1, and [(μmSL ) / (ΜBSUS)] Is more preferably 1.0 to 1.3. In such a magnetic tape, (1) the magnetic layer contains a fatty acid amide together with an ester of higher fatty acid, or the magnetic layer is devised to reduce the amount of the crosslinking agent in the magnetic layer, and (2) the backcoat layer. Is obtained by adding a large particle size carbon black having a particle size of 300 nm to 400 nm and a small particle size carbon black having a particle size of 5 nm to 200 nm, and (3) applying the above LRT treatment to the magnetic layer.
[0019]
The coercive force of the magnetic layer is preferably 120 to 320 kA / m, more preferably 140 to 320 kA / m, and still more preferably 160 to 320 kA / m. If the coercive force of the magnetic layer is less than 120 kA / m, if the recording wavelength is shortened, the output is reduced due to demagnetization, and if it exceeds 320 kA / m, recording by the magnetic head may be difficult.
[0020]
The product of the residual magnetic flux density in the longitudinal direction and the thickness is preferably 0.0019 to 0.06 μTm, more preferably 0.0030 to 0.050 μTm, still more preferably 0.004 to 0.045 μTm, and 0.004 to 0.005. 040 μTm is even more preferred. If the product of the residual magnetic flux density in the longitudinal direction and the thickness is less than 0.0019 μTm, the reproduction output by the MR head is small, and if it exceeds 0.06 μTm, the reproduction output by the MR head may be easily distorted. A magnetic recording medium comprising such a magnetic layer can shorten the recording wavelength, increase the reproduction output when reproduced by an MR head, and further reduce the distortion of the reproduction output, thereby reducing the output to noise ratio. Can be increased.
[0021]
The thickness of the undercoat layer is preferably 0.3 to 3.0 μm, more preferably 0.5 to 2.5 μm, still more preferably 0.5 to 2.0 μm, and even more preferably 0.5 to 1.5 μm. . If the thickness of the undercoat layer is less than 0.3 μm, the durability of the magnetic recording medium may be deteriorated. If the thickness exceeds 3.0 μm, not only the durability improvement effect of the magnetic recording medium is saturated but also in the case of magnetic tape. May increase the overall thickness, shorten the tape length per roll, and reduce the storage capacity.
[0022]
The thickness of the back coat layer is preferably 0.2 to 0.8 μm. This range is preferable when the magnetic recording medium is run less than 0.2 μm, and when it exceeds 0.8 μm, the total thickness of the magnetic recording medium is increased, and the tape length per roll is shortened. This is because the storage capacity is reduced. The center line average surface roughness (Ra) of the backcoat layer is preferably 2 to 15 nm, and more preferably 3 to 8 nm. When the backcoat layer Ra is less than 2 nm, the running of the magnetic tape may become unstable. When the Ra exceeds 15 nm, the surface roughness of the magnetic layer increases due to the back copy and the spacing loss increases. Sometimes. Such a backcoat layer comprises a small particle size carbon black having a particle size of 5 nm to 100 nm and a large particle size carbon black having a particle size of 300 to 400 nm. Iron oxide containing 60 to 98% by weight based on the weight of the inorganic powder and having a particle size of 0.1 μm to 0.6 μm is contained in an amount of 2 to 40% by weight based on the weight of the inorganic powder. It is obtained by performing calendar processing. The addition amount of the large particle size carbon black is usually 5 to 15% by weight of the small particle size carbon black.
[0023]
Below, the preferable form for every component is described.
<Non-magnetic support>
The thickness of the nonmagnetic support is preferably 7.0 μm or less, more preferably 2.0 to 7.0 μm, further preferably 2 to 6.5 μm, and even more preferably 2.5 to 6.0 μm. Nonmagnetic supports with a thickness in this range are preferred because film formation is difficult if the thickness is less than 2 μm, and the strength of the tape decreases, and if it exceeds 7.0 μm, the total thickness of the tape increases, and the storage capacity per tape roll This is because becomes smaller.
[0024]
The Young's modulus in the longitudinal direction of the nonmagnetic support varies depending on the thickness of the nonmagnetic support, but is usually 5.07 GPa (500 kg / mm2 ) The above is used. This Young's modulus is 6.08 GPa (600 kg / mm2 ) Or more, preferably 7.09 GPa (700 kg / mm2 The above is preferable. Further, when the thickness of the nonmagnetic support is 5.0 μm or less, it is 10.13 GPa (1000 kg / mm2 ) The above Young's modulus is preferably used. The Young's modulus in the longitudinal direction of the nonmagnetic support is 6.08 GPa (600 kg / mm2 If it is less than), the strength of the magnetic tape may be weakened or the running of the magnetic tape may become unstable.
[0025]
When a nonmagnetic support having a ratio (MD / TD) of 0.6 to 1.8 when the Young's modulus in the longitudinal direction of the nonmagnetic support is MD and the Young's modulus in the width direction is TD is used, the MR head This is preferable because the contact with the surface is improved. The preferable range of MD / TD is different between the helical scan type and the linear recording type. The preferable MD / TD range is 0.6 to 1.2 for the helical scan type, and 0.6 to 1. 0 is more preferable, and 0.60 to 0.80 is even more preferable. This range is preferable because the mechanism is unknown at present, but the output variation (flatness) between the entrance side and the exit side of the track of the magnetic head becomes large. In the linear recording type, 1.0 to 1.8 is preferable, 1.1 to 1.7 is more preferable, and 1.2 to 1.6 is more preferable. This range is preferable because the head touch is improved. Such nonmagnetic supports include polyethylene naphthalate films, aromatic polyamide films, aromatic polyimide films and the like.
[0026]
<Undercoat layer>
As described above, the thickness of the undercoat layer is preferably 0.3 to 3.0 μm, more preferably 0.5 to 2.5 μm, still more preferably 0.5 to 2.0 μm, and 0.5 to 1 More preferred is .5 μm. This range is preferable when the magnetic recording medium has a durability of less than 0.3 μm, and when it exceeds 3.0 μm, not only the durability improvement effect of the magnetic recording medium is saturated but also in the case of a magnetic tape. This is because the total thickness is increased, the tape length per roll is shortened, and the storage capacity is reduced.
[0027]
Carbon black and nonmagnetic particles are added to the undercoat layer for the purpose of controlling the viscosity of the paint and the tape rigidity for the purpose of improving conductivity. Nonmagnetic particles used for the undercoat layer include titanium oxide, iron oxide, alumina, and the like, and iron oxide alone or a mixed system of iron oxide and alumina is used. In the undercoat layer, 15 to 35% by weight of carbon black having a particle diameter of 10 to 100 nm, a major axis length of 0.05 to 0.20 μm, and a minor axis length based on the weight of the total inorganic powder in the undercoat layer When 35 to 83% by weight of non-magnetic iron oxide of 5 to 200 nm is contained, and 0 to 20% by weight of alumina having a particle size of 10 to 100 nm is contained as necessary, the magnetic material formed thereon is wet-on-wet. This is preferable because the surface roughness of the layer becomes small. In addition, although nonmagnetic iron oxide is usually acicular, when granular or amorphous nonmagnetic iron oxide is used, iron oxide having a particle size of 5 to 200 nm is preferable. The addition of carbon black having a large particle diameter of 100 nm or more is not excluded as long as the smoothness of the surface is not impaired. In this case, the amount of carbon black is preferably within the above range, with the sum of the small particle size carbon black amount and the large particle size carbon black amount. The amount of large particle carbon black is usually 20% by weight or less of the total carbon black amount.
[0028]
As carbon black (hereinafter also referred to as CB) to be added to the undercoat layer, acetylene black, furnace black, thermal black and the like can be used. Usually, those having a particle size of 5 nm to 100 nm are used, but those having a particle size of 10 nm to 100 nm are preferred. This range is preferable because CB has a structure, so that dispersion of CB is difficult when the particle diameter is less than 10 nm, and smoothness is deteriorated when it exceeds 100 nm. The amount of CB added varies depending on the particle size of CB, but is preferably 15 to 35% by weight. This range is preferable because if the amount is less than 15% by weight, the effect of improving conductivity is poor, and if it exceeds 35% by weight, the effect is saturated. It is more preferable to use 15 to 35% by weight of CB having a particle size of 15 to 80 nm, and it is even more preferable to use 20 to 30% by weight of CB having a particle size of 20 to 50 nm. By adding carbon black having such a particle size and amount, electric resistance is reduced and running unevenness is reduced.
[0029]
The nonmagnetic iron oxide to be added to the undercoat layer preferably has a major axis length of 0.05 to 0.20 μm and a minor axis length (particle diameter) of 5 to 200 nm in the case of needles, and is granular or amorphous. In the thing, a particle size of 5-200 nm is preferable. A particle size of 0.05 to 150 nm is more preferable, and a particle size of 0.05 to 100 nm is more preferable. Needle-shaped ones are more preferable because the orientation of the magnetic layer is improved. The added amount is preferably 35 to 83% by weight, more preferably 40 to 80% by weight, and still more preferably 50 to 75% by weight. The particle size within this range (short axis length in the case of needles) is preferred because uniform dispersion is difficult when the particle size is less than 5 nm, and unevenness at the interface between the undercoat layer and the magnetic layer increases when the particle size exceeds 200 nm. . The addition amount within this range is preferable because if the amount is less than 35% by weight, the effect of improving the coating film strength is small, and if it exceeds 83% by weight, the coating film strength may decrease.
[0030]
In addition to iron oxide, alumina may be added to the undercoat layer. The particle diameter of alumina is preferably 10 to 100 nm, more preferably 20 to 100 nm, and further preferably 30 to 100 nm. If the particle size is less than 10 nm, uniform dispersion is difficult, and if it exceeds 100 nm, irregularities at the interface between the undercoat layer and the magnetic layer may increase. The amount of alumina added is usually 0 to 20% by weight, more preferably 2 to 10% by weight, and still more preferably 4 to 8% by weight.
[0031]
<lubricant>
Lubricants with different roles are used in the coating layer composed of the undercoat layer and the magnetic layer. When the subbing layer contains 0.5 to 4.0% by weight of higher fatty acid and 0.2 to 3.0% by weight of higher fatty acid ester based on the total powder, it will run with magnetic tape. This is preferable because the friction coefficient with the system head, guide roller, and the like becomes small. If the amount of the higher fatty acid added is less than 0.5% by weight, the effect of reducing the friction coefficient is small, and if it exceeds 4.0% by weight, the primer layer may be plasticized and the toughness may be lost. The addition of higher fatty acid esters within this range is preferable because if the amount is less than 0.5% by weight, the effect of reducing the friction coefficient is small, and if it exceeds 3.0% by weight, the amount transferred into the magnetic layer is too large. This is because there are side effects such as sticking of the tape and the running system head, guide rollers, and the like.
[0032]
When the magnetic layer contains 0.2 to 3.0% by weight of fatty acid amide and 0.2 to 3.0% by weight of higher fatty acid ester with respect to the ferromagnetic powder, the magnetic tape and the running system This is preferable because the coefficient of friction with the capstan or the slider of the MR head becomes small. If the fatty acid amide content is less than 0.2% by weight, the friction coefficient of the head slider / magnetic layer tends to increase, and if it exceeds 3.0% by weight, bleed out and defects such as dropout may occur. is there. As the fatty acid, higher fatty acids such as lauric acid, myristic acid, palmitic acid, stearic acid, behenic acid, oleic acid and linoleic acid are used. Fatty acid esters include butyl stearate, octyl stearate, amyl stearate, isooctyl stearate, octyl myristate, butoxyethyl stearate, mono-stearic anhydride sorbitan, di-stearic anhydride sorbitan, tri-stearic anhydride sorbitan Etc. are used. As the fatty acid amide, amides of higher fatty acids such as palmitic acid and stearic acid can be used. The addition of higher fatty acid esters in the above range is preferable when the content is less than 0.2% by weight, and the effect of reducing the friction coefficient is small. When the content exceeds 3.0% by weight, the magnetic tape and the head and guide roller of the running system are stuck. This is because there are side effects such as sticking. Note that the mutual movement of the lubricant in the magnetic layer and the lubricant in the undercoat layer is not excluded. The friction coefficient with the slider of the MR head is preferably 0.30 or less, and more preferably 0.25 or less. This range is preferable because if it exceeds 0.30, spacing loss due to slider contamination is likely to occur. In addition, if less than 0.10, it is difficult to realize. The coefficient of friction with SUS is preferably 0.10 to 0.25, more preferably 0.12 to 0.20. This range is preferable because when it is less than 0.10, the head and the guide roller are slippery and the running becomes unstable, and the head and the guide roller exceeding 0.25 are easily soiled. Also, [(μmSL ) / (ΜmSUS)] Is preferably 0.7 to 1.3, more preferably 0.8 to 1.2. This range is preferable because tracking deviation (off-track) due to meandering of the magnetic tape is reduced.
[0033]
<Magnetic layer>
As described above, the thickness of the magnetic layer is usually 0.3 μm or less, preferably 0.01 to 0.3 μm, more preferably 0.01 to 0.25 μm, still more preferably 0.01 to 0.2 μm, 0.01 to 0.15 μm is even more preferable. It is more preferable that this range is less than 0.01 μm, and it is difficult to obtain a uniform magnetic layer, and if it exceeds 0.3 μm, the reproduction output is reduced due to thickness loss, or the residual magnetic flux density (Br) in the magnetic layer. This is because the product (Brδ) with the thickness (δ) becomes too large, and distortion of the reproduction output due to saturation of the MR head tends to occur. Further, as described above, the coercive force of the magnetic layer is preferably 120 to 320 kA / m, more preferably 140 to 320 kA / m, and further preferably 160 to 320 kA / m. When the coercive force of the magnetic layer is less than 120 kA / m, the output is reduced due to demagnetization when the recording wavelength is shortened, and when it exceeds 320 kA / m, recording by the magnetic head may be difficult. The product of the residual magnetic flux density in the longitudinal direction and the thickness is preferably 0.0019 to 0.06 μTm, more preferably 0.0030 to 0.050 μTm, still more preferably 0.004 to 0.045 μTm, and 0.004 to 0.005. 040 μTm is even more preferred. This range is preferable because the reproduction output by the MR head is small if it is less than 0.0019 μTm, and the reproduction output by the MR head tends to be distorted if it exceeds 0.06 μTm.
[0034]
Ferromagnetic iron metal powder and hexagonal barium ferrite powder are used for the magnetic powder added to the magnetic layer. The coercive force of the ferromagnetic iron metal powder and the hexagonal barium ferrite powder is preferably 120 to 320 kA / m, and the saturation magnetization is 120 to 200 A · m for the ferromagnetic iron metal powder.2 / Kg (120 to 200 emu / g) is preferred, 130 to 180 A · m2 / Kg (130 to 180 emu / g) is more preferable. For hexagonal barium ferrite powder, 50-70A ・ m2 / Kg (50-70 emu / g) is preferred. The magnetic characteristics of the magnetic layer and the magnetic characteristics of the ferromagnetic powder are both measured values with a sample vibration type magnetometer at an external magnetic field of 1.28 MA / m (16 kOe).
[0035]
The average major axis length of the ferromagnetic iron-based metal powder used in the magnetic recording medium of the present invention is preferably 0.03 to 0.2 μm, more preferably 0.03 to 0.18 μm, and 0.04 to 0.00. 15 μm is more preferable. This range is preferable because when the average major axis length is less than 0.03 μm, the cohesive force of the magnetic powder increases, making it difficult to disperse in the paint. When the average major axis length is greater than 0.2 μm, the coercive force decreases. This is because the particle noise based on the size of the particles becomes large. Moreover, in the hexagonal barium ferrite powder, a plate diameter of 5 to 200 nm is preferable for the same reason. The average major axis length and particle size are obtained by measuring the particle size of a photograph taken with a scanning electron microscope (SEM) and calculating the average value of 100 pieces. The ferromagnetic iron-based metal powder has a BET specific surface area of 35 m.2 / G or more is preferable, 40 m2 / G or more is more preferable, 50 m2 / G or more is most preferable. The BET specific surface area of hexagonal barium ferrite powder is 1-100m2 / G or more is preferable.
[0036]
As binders to be included in the undercoat layer and the magnetic layer, vinyl chloride resin, vinyl chloride-vinyl acetate copolymer, vinyl chloride-vinyl alcohol copolymer, vinyl chloride-vinyl acetate-vinyl alcohol copolymer, vinyl chloride A combination of at least one selected from vinyl acetate-maleic anhydride copolymer, vinyl chloride-hydroxyl group-containing alkyl acrylate copolymer, nitrocellulose and the like and a polyurethane resin can be used. Among these, it is preferable to use a vinyl chloride-hydroxyl group-containing alkyl acrylate copolymer and a polyurethane resin in combination. Examples of the polyurethane resin include polyester polyurethane, polyether polyurethane, polyether polyester polyurethane, polycarbonate polyurethane, and polyester polycarbonate polyurethane.
[0037]
COOH, SO as functional groupsThree M, OSO2 M, P = O (OM)Three , O-P = O (OM)2 [M is a hydrogen atom, an alkali metal base or an amine salt], OH, NR′R ″, N+ R '' 'R' '' 'R' '' '' [R ′, R ″, R ′ ″, R ″ ″, R ′ ″ ″ are hydrogen or hydrocarbon groups], epoxy groups A binder such as a urethane resin made of a polymer having the following is used. The reason why such a binder is used is that the dispersibility of magnetic powder and the like is improved as described above. When two or more kinds of resins are used in combination, it is preferable to match the polarities of the functional groups.Three A combination of M groups is preferred.
[0038]
These binders are used in the range of 7 to 50 parts by weight, preferably 10 to 35 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the ferromagnetic powder. In particular, it is most preferable to use a composite of 5 to 30 parts by weight of a vinyl chloride resin and 2 to 20 parts by weight of a polyurethane resin as a binder.
[0039]
In addition to these binders, it is desirable to use a thermosetting crosslinking agent that is bonded to a functional group contained in the binder and crosslinked. Examples of the crosslinking agent include tolylene diisocyanate, hexamethylene diisocyanate, isophorone diisocyanate, reaction products of these isocyanates with a plurality of hydroxyl groups such as trimethylolpropane, and condensation products of the above isocyanates. Various polyisocyanates are preferred. These crosslinking agents are usually used in a proportion of 10 to 50 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the binder. More preferably, it is 10-35 weight part. Note that it is preferable that the amount of the crosslinking agent used in the magnetic layer be about ½ (30% to 60%) of the amount used in the undercoat layer because the friction coefficient of the MR head with respect to the slider becomes small. This range is preferred if the coating strength is less than 30%, the coating strength of the magnetic layer tends to be weak, and if it exceeds 60%, it is necessary to increase the LRT processing conditions in order to reduce the friction coefficient against the slider, resulting in an increase in cost. Because it leads to.
[0040]
Conventionally known CB can be added for the purpose of improving conductivity and improving surface lubricity. As these CB, acetylene black, furnace black, thermal black, etc. can be used. A particle size of 5 nm to 100 nm is used, but a particle size of 10 nm to 100 nm is preferable. This range is preferable because when the particle size is 5 nm or less, it is difficult to disperse CB. When the particle size is 100 nm or more, it is necessary to add a large amount of CB. In any case, the surface becomes rough and the output decreases. Because. The addition amount is preferably 0.2 to 5% by weight, more preferably 0.5 to 4% by weight, still more preferably 0.5 to 3.5% by weight, and more preferably 0.5 to 3% by weight based on the ferromagnetic powder. Is more preferable. This range is preferable because the effect is small if it is less than 0.2% by weight, and the surface of the magnetic layer tends to become rough if CB exceeding 5% by weight is added.
[0041]
<Back coat layer>
For the purpose of improving running performance, a conventionally known back coat layer having a thickness of 0.2 to 0.8 μm can be used. This range is good because if it is less than 0.2 μm, the effect of improving the running performance is insufficient, and if it exceeds 0.8 μm, the total thickness of the tape becomes thick and the storage capacity per roll becomes small. The coefficient of friction between the backcoat layer and SUS is preferably from 0.10 to 0.30, and more preferably from 0.10 to 0.25. This range is preferable because if it is less than 0.10, the guide roller portion is slippery and traveling becomes unstable, and if it exceeds 0.30, the guide roller is likely to become dirty. Also, [(μmSL ) / (ΜBSUS)] Is preferably 0.8 to 1.5, more preferably 0.9 to 1.4. This range is preferable because tracking deviation (off-track) due to meandering of the magnetic tape may be reduced.
[0042]
As the carbon black (CB) of the back coat layer, acetylene black, furnace black, thermal black, and the like can be used. Usually, small particle size carbon and large particle size carbon are used. As the small particle size carbon, those having a particle size of 5 nm to 100 nm can be used, but those having a particle size of 10 nm to 100 nm are more preferable. This range is more preferable because when the particle size is 10 nm or less, it is difficult to disperse CB, and when the particle size is 100 nm or more, it is necessary to add a large amount of CB. This is because it causes a setback (embossing). When carbon having a particle size of 300 to 400 nm is added as a large particle size carbon at a ratio of 5 to 15% by weight with respect to the addition amount of the small particle size carbon, the surface is not roughened and the effect of improving running performance is increased. The total addition amount of the small particle size carbon and the large particle size carbon is preferably 60 to 98% by weight, more preferably 70 to 95% by weight based on the weight of the inorganic powder. The center line average surface roughness Ra of the backcoat layer is preferably 2 to 15 nm, and more preferably 3 to 8 nm.
[0043]
Further, for the purpose of improving the strength, it is preferable to add iron oxide having a particle diameter of 0.1 μm to 0.6 μm, and more preferably 0.2 μm to 0.5 μm. The addition amount is preferably 2 to 40% by weight, more preferably 5 to 30% by weight based on the weight of the inorganic powder.
[0044]
As the binder, the same resin as that used in the magnetic layer and the undercoat layer can be used for the back coat layer. Among these, the cellulose resin and polyurethane are used for reducing the friction coefficient and improving the running property. It is preferable to use a combination of resins. The binder content is usually 40 to 150 parts by weight, preferably 50 to 120 parts by weight, more preferably 60 to 110 parts by weight, based on 100 parts by weight of the total amount of carbon black and the inorganic nonmagnetic powder. More preferred is 70 to 110 parts by weight. This range is preferable because if the amount is less than 50 parts by weight, the strength of the backcoat layer is insufficient, and if it exceeds 120 parts by weight, the friction coefficient tends to increase. It is preferable to use 30 to 70 parts by weight of cellulose resin and 20 to 50 parts by weight of polyurethane resin. In order to further cure the binder, it is preferable to use a crosslinking agent such as a polyisocyanate compound.
[0045]
As the crosslinking agent, the crosslinking agent used in the magnetic layer and the undercoat layer described above is used for the backcoat layer. The amount of the crosslinking agent is usually 10 to 50 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the binder. Preferably it is 10-35 weight part, More preferably, it is 10-30 weight part. This range is preferred because if less than 10 parts by weight, the coating strength of the backcoat layer tends to be weak, and if it exceeds 35 parts by weight, the dynamic friction coefficient against SUS increases.
[0046]
The special-purpose backcoat layer on which the magnetic servo signal is recorded includes 30 to 60 parts by weight of the above-described ferromagnetic powder used for the magnetic layer, 40 to 70 parts by weight of the above-described carbon black used for the backcoat layer, If necessary, 2 to 15 parts by weight of the above-described iron oxide and alumina used for the back coat layer are added. The binder is usually 40 to 150 parts by weight, preferably 50 to 120 parts by weight of the resin used for the back coat layer with respect to 100 parts by weight of the total amount of the ferromagnetic powder, carbon black, and inorganic nonmagnetic powder. Use parts by weight. Moreover, the above-mentioned crosslinking agent can be normally used for a crosslinking agent in the ratio of 10-50 weight part with respect to 100 weight part of binders. For the same reason as described in the above magnetic layer, the coercive force is preferably 120 to 320 kA / m, and the product of the residual magnetic flux density Br and the film thickness is preferably 0.018 to 0.06 μTm.
[0047]
<LRT (wrapping / rotary / tissue) processing>
An outline of the LRT process will be described with reference to FIG. In FIG. 1, reference numeral 1 is a feeding roll for the
[0048]
(1) Wrapping treatment: As shown in FIG. 1, the polishing tape (wrapping tape) 3 has a constant speed in the direction opposite to the feeding direction of the magnetic tape 30 (tape feeding speed is standard: 400 m / min) by the rotating roll 5. (Standard: 14.4 cm / min), and is pressed by the guide block 4 from the lower side in the figure to come into contact with the
[0049]
(2) Rotary treatment: Rotary wheel with groove for air venting shown in FIG. 1 [Standard: width 1 inch (25.4 mm), diameter 60 mmφ,
[0050]
(3) Tissue treatment: Tissue (non-woven fabric, for example, Toraysee, manufactured by Toray Industries, Inc.) is fed at a constant speed (standard: 14.0 mm / min) in the direction opposite to the feeding direction of the
[0051]
The cassette tape incorporating the tape of the present invention has a large capacity per volume, a small PW50 when the MR reproducing head is used, and a high reproduction output. It is highly reliable and particularly excellent.
[0052]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be described in detail below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples. In addition, the part of an Example and a comparative example shows a weight part.
[0053]
Example 1:
《Coating component for undercoat layer》
(1)
68 parts of iron oxide powder (average particle size: 0.11 × 0.02 μm)
α-alumina (average particle size: 0.07 μm) 8 parts
Carbon black (average particle size: 25 nm, oil absorption: 55 g / cc) 24 parts
Stearic acid 2.0 parts
0.8 parts of vinyl chloride-hydroxypropyl acrylate copolymer
(Contains-SOThree Na group: 0.7 × 10-FourEquivalent / g)
Polyester polyurethane resin 4.4 parts
(Tg: 40 ° C, contained -SOThree Na group: 1 × 10-FourEquivalent / g)
25 parts of cyclohexanone
40 parts of methyl ethyl ketone
(2)
1 part butyl stearate
70 parts of cyclohexanone
50 parts of methyl ethyl ketone
20 parts of toluene
(3)
Polyisocyanate (Coronate L manufactured by Nippon Polyurethane Co., Ltd.) 4.4 parts
10 parts of cyclohexanone
15 parts of methyl ethyl ketone
[0054]
<Coating component for magnetic layer>
(1)
100 parts of ferromagnetic iron metal powder
(Co / Fe: 20 at%, Y / (Fe + Co): 3 at%,
Al / (Fe + Co): 5 wt%, Ca / Fe: 0 wt%,
σs: 155 A · m2 / Kg, Hc: 149.6 kA / m,
(pH: 9.4, long axis length: 0.10 μm)
12.3 parts of vinyl chloride-hydroxypropyl acrylate copolymer
(Contains-SOThree Na group: 0.7 × 10-FourEquivalent / g)
Polyester polyurethane resin 5.5 parts
(Contains-SOThree Na group: 1.0 × 10-FourEquivalent / g)
α-alumina (average particle size: 0.12 μm) 8 parts
α-alumina (average particle size: 0.07 μm) 2 parts
Carbon black 1.0 parts
(Average particle size: 75 nm, DBP oil absorption: 72 cc / 100 g)
Palmitic acid amide 1.5 parts
N-Butyl stearate 1.0 part
65 parts of tetrahydrofuran
245 parts of methyl ethyl ketone
Toluene 85 parts
(2)
Polyisocyanate 2.0 parts
167 parts of cyclohexanone
[0055]
After kneading (1) with the kneader in the paint component for the undercoat layer, add (2) and stir, and then disperse with a sand mill for a residence time of 60 minutes. After filtering, it was set as the coating material for undercoat layers. Separately, after kneading the above-mentioned magnetic layer coating component (1) with a kneader, it was dispersed with a sand mill with a residence time of 45 minutes, and after adding and stirring and filtering the magnetic layer coating component (2), A magnetic paint was used. The undercoat paint is dried on a support made of polyethylene naphthalate film (thickness 6.2 μm, MD = 6.08 GPa, MD / TD = 1.3, manufactured by Teijin Ltd.), and after calendering. The thickness of the magnetic layer is applied to the undercoat layer, and the above magnetic coating is further wetted so that the thickness of the magnetic layer after the magnetic field orientation treatment, drying, and calendering treatment is 0.15 μm. -On-wet coating, magnetic field orientation treatment, and drying using a drier to obtain a magnetic sheet. In the magnetic field orientation treatment, an NN counter magnet (5 kG) is installed in front of the dryer, and two NN counter magnets (5 kG) are spaced from each other at a distance of 50 cm from the front side 75 cm of the position where the coating film is dry. It was installed at. The coating speed was 100 m / min.
[0056]
《Paint component for back coat layer》
80 parts of carbon black (average particle size: 25 nm)
Carbon black (average particle size: 370 nm) 10 parts
10 parts of iron oxide (major axis length: 0.4 μm, axial ratio: approx. 10)
45 parts of nitrocellulose
Polyurethane resin (SOThree (Containing Na group) 30 parts
260 parts of cyclohexanone
260 parts of toluene
525 parts of methyl ethyl ketone
[0057]
After the coating component for the backcoat layer is dispersed with a sand mill for a residence time of 45 minutes, 15 parts of polyisocyanate is added to adjust and filter the coating for the backcoat layer, and then the opposite side of the magnetic layer of the magnetic sheet prepared above Then, it was applied so that the thickness after drying and calendering was 0.5 μm and dried. The magnetic sheet thus obtained was mirror-finished at a temperature of 100 ° C. and a linear pressure of 150 kg / cm with a seven-stage calendar made of a metal roll, and the magnetic sheet was wound on a core at 70 ° C. for 72 hours. After aging, it was cut into a 1/2 inch width and subjected to LRT treatment under the following conditions. The magnetic tape thus obtained was incorporated into a cartridge to produce a computer tape. Ra of the backcoat layer was 8 nm.
[0058]
<LRT (wrapping / rotary / tissue) processing>
(1) Lapping process: As shown in FIG. 1, the polishing tape (lapping tape) 3 is 14.4 cm in the direction opposite to the feeding direction of the magnetic tape 30 (magnetic tape feeding speed: 400 m / min as a standard) by the rotating roll 5. Of the
[0059]
(2) Rotary wheel processing: A grooved aluminum rotary wheel (groove angle 45 degrees, manufactured by Kyowa Seiko Co., Ltd.) 6 having a width of 1 inch (25.4 mm), a diameter of 60 mm, and a groove width of 2 mm shown in FIG. The surface treatment of the
[0060]
(3) Tissue treatment: Non-woven fabric (here, Toray's non-woven Toraysee) 9 is fed at a speed of 14.0 mm / min in the direction opposite to the feeding direction of the
[0061]
Examples 2-10:
Magnetic tapes for computers of Examples 2 to 10 were produced in the same manner as in Example 1 except that the partial conditions were changed to those in Tables 1 to 3.
[0062]
Comparative Example 1:
A computer tape of Comparative Example 1 was produced in the same manner as in Example 1 except that the LRT treatment was not performed.
[0063]
Comparative Example 2:
A computer tape of Comparative Example 2 was produced in the same manner as in Example 1 except that the following LBT process was performed instead of the LRT process.
[0064]
<LBT processing>
While the magnetic tape was run at 400 m / min, the surface of the magnetic layer was subjected to post-processing such as lapping tape polishing, blade polishing, and surface wiping to prepare a magnetic tape. At this time, K10000 was used for the wrapping tape (polishing tape), a carbide blade was used for the blade, and Toray Toray manufactured by Toray was used for wiping the surface, and processing was performed with a running tension of 30 g. The magnetic tape obtained as described above was incorporated into a cartridge to produce a magnetic tape for computers.
[0065]
Comparative Example 3:
A computer tape of Comparative Example 3 was produced in the same manner as Comparative Example 2 except that the LBT treatment was performed 10 times.
[0066]
Comparative Examples 4-6:
Magnetic tapes for computers of Comparative Examples 4 to 6 were produced in the same manner as Comparative Example 2 except that the partial conditions were changed to those shown in Table 5.
[0067]
The characteristics were evaluated as follows.
<Measurement of PW50, playback output, error rate, etc.>
The PW50, reproduction output and error rate (ERT) were measured by recording (recording wavelength 0.55 μm) and reproducing using an LTO drive modified so that thin tape could be measured. PW50 is the value when the PW50 of the comparative example 1 tape is 1, the reproduction output is the value when the comparative example 1 tape is 0 dB, and the output deterioration is 100 dB when the initial value of each magnetic tape is 0 dB. It is the value after having performed it once.
[0068]
<Evaluation of surface roughness of magnetic layer, center value of unevenness and convexity>
Scan Length was measured at 5 μm by scanning white light interferometry using a general-purpose three-dimensional surface structure analyzer NewView 5000 manufactured by ZYGO. The measurement visual field is 350 μm × 260 μm. Ra is the centerline average surface roughness of the magnetic layer, and P is the center value of the irregularities.0 , P is the maximum convex amount (first convex amount)1 , The second, third, fourth, fifth,..., 19th and 20th convex amounts in order, P2 , PThree , PFour , PFive ... P19, P20(P1 -P0 ) And (P1 -P20) And [(P1 -P0 ) / Ra].
[0069]
<Measurement of MR head protrusion and wear>
DI (Digital Instrument) scanning probe microscope (Nano Scopea / Dimension-3100 Tapping mode AFM) measures 80 μm × 80 μm field of view, corrects tilt, noise, etc., and analyzes cross-sectional profile The amount of protrusion of the MR head and the amount of wear before and after running were measured.
[0070]
<Measurement of friction coefficient between magnetic layer and slider material and SUS>
[SUS]
The friction coefficient was measured when a magnetic tape was applied to a SUS pin (SUS304) with an outer diameter of 5 mm at an angle of 90 ° and a load of 0.64 N, and the same part of the magnetic tape was repeatedly slid 10 times at a feed rate of 20 mm / sec. .
[0071]
[Slider material]
The friction coefficient was measured when the magnetic tape was applied to an ALTIC pin with an outer diameter of 7 mm at an angle of 90 ° and a load of 0.64 N, and the same part of the magnetic tape was repeatedly slid 10 times at a feed rate of 20 mm / sec.
[0072]
<Measurement of Young's modulus (MD, TD) of non-magnetic support>
Using a small tensile tester (manufactured by Yokohama System Co., Ltd.), the strain and tensile strength in an environment of 23 ° C. and 50% RH were measured. The measured length of the sample was 10 mm, the sample was pulled at a tensile rate of 10% strain / minute, and the 0.3% elongation elastic modulus was evaluated based on the value of 0.3% strain of the obtained strength. This evaluation was performed in the longitudinal direction and the width direction of the sample.
[0073]
The above measurement results are shown in Tables 1 to 5. The meanings of the abbreviations in the table are as follows.
・ ΜmSL : Friction coefficient between magnetic layer and slider material
・ ΜmSUS: Friction coefficient between magnetic layer and SUS
・ ΜBSUS: Friction coefficient between backcoat layer and SUS
Brδ: product of residual magnetic flux density (Br) and thickness (δ) of the magnetic layer
Hc: coercivity of the magnetic layer
・ BC: Backcoat layer
・ CB: Carbon black
MD / TD: Ratio of Young's modulus (MD) in the longitudinal direction and Young's modulus (TD) in the width direction of the non-magnetic support
Magnetic surface roughness Ra: center line average surface roughness Ra of the magnetic layer
[0074]
[Table 1]
[0075]
[Table 2]
[0076]
[Table 3]
[0077]
[Table 4]
[0078]
[Table 5]
[0079]
【The invention's effect】
As apparent from Examples 1 to 10 and Comparative Examples 1 to 6 shown in Tables 1 to 5, a magnetic recording medium comprising a nonmagnetic support, an undercoat layer, a magnetic layer, and a backcoat layer, When the layer thickness is 0.30 μm or less, the center line average surface roughness Ra is 3.2 nm or less, and the center value of the unevenness of the magnetic layer is P0 , The maximum convex amount of the magnetic layer is P1 , The 20th convex amount is P20(P1 -P0 ) Is 30 nm or less and (P1 -P20) Of 5 nm or less is an excellent magnetic recording medium having a small error rate. Such an effect is (P1 -P20) Is particularly remarkable in a magnetic recording medium having a thickness of 1.8 nm or less. Also, the coefficient of friction between the magnetic layer and the slider material is μmSL , The coefficient of friction between the magnetic layer and SUS is μmSUS, The coefficient of friction between the backcoat layer and SUS is μBSUS[(ΜmSL ) / (ΜmSUS)] Is 0.7 to 1.3, and [(μmSL ) / (ΜBSUS)] Is 0.8 to 1.5, which is an excellent magnetic recording medium with small off-track.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic process diagram showing an example of LRT (wrapping / rotary / tissue) processing performed when manufacturing a magnetic recording medium of the present invention.
FIG. 2 is a schematic plan view showing a recording head and a reproducing MR head placed on a slider.
3 is a schematic cross-sectional view taken along line YY in FIG.
[Explanation of symbols]
20 MR head
22 Slider
30 Magnetic recording media (magnetic tape)
30a Magnetic layer
30b Backcoat layer
Claims (3)
非磁性支持体の厚さが2.0μm以上7.0μm以下、
磁性層の厚さが0.01μm以上0.30μm以下、
中心線平均表面粗さRaが0.5nm以上3.2nm以下で、
走査型白色光干渉法により350μm×260μmの視野で測定した場合の磁性層の凹凸の中心値をP0 、磁性層の最大の凸量をP1 、順次第2番目、第3番目、第4番目、第5番目、・・・、第19番目、第20番目の凸量をP2 、P3 、P4 、P5 、・・・、P19、P20とした時の(P1 −P0 )が5nm以上30nm以下で、かつ(P1 −P20)が0.4nm以上5nm以下であることを特徴とする磁気記録媒体。At least one undercoat layer and magnetic layer are formed in this order on one surface of a nonmagnetic support, and a backcoat layer is formed on the opposite surface, and reproduction is performed using a magnetoresistive element retracted from the slider surface. In a magnetic recording medium in which a magnetic recording signal is reproduced by a head,
The thickness of the non-magnetic support is 2.0 μm or more and 7.0 μm or less,
The thickness of the magnetic layer is 0.01 μm or more and 0.30 μm or less,
The center line average surface roughness Ra is 0.5 nm or more and 3.2 nm or less,
The center value of the unevenness of the magnetic layer when measured in a field of view of 350 μm × 260 μm by scanning white light interferometry is P 0 , the maximum convex amount of the magnetic layer is P 1 , and the second, third, and fourth in order. th, fifth, ..., th first 19, P 2 the twentieth projection height, P 3, P 4, P 5, ..., at the time of the P 19, P 20 (P 1 - the magnetic recording medium comprising a P 0) is in 5nm or 30nm or less, and (P 1 -P 20) are under 5nm or less than 0.4 nm.
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