JP3705786B2 - Slide glass container - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライドガラス収納体に関するものであり、さらに詳しくは、標本用スライドガラスを搬送や染色作業などの目的で収納するためのスライドガラス収納体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、標本用スライドガラスに血液の塗抹を自動的に施して標本を作製する自動標本作製装置としては、特開平3−94159号公報に開示された、スライドガラスが複数枚積層された供給部と、この供給部からスライドガラスを1枚ずつ横方向へ移動させる移動部材と、この移動部材により移動されたスライドガラスを次工程へ搬送する搬送部と、処理の終わった複数のスライドガラスを収納しておく収納部とを備え、搬送部において、細管からの血液の滴下、引きガラスによる塗抹およびファンによる乾燥が行われるもの(装置A)が知られている。
【0003】
また、従来、血液の塗抹が施されたスライドガラスに染色を自動的に施して標本を作製する自動標本作製装置としては、実開平3−70355号公報に開示された、血液の塗抹が施されたスライドガラスを染色槽に浸すことで血液を染色するために、スライドガラスを染色槽に送り込む機構と、この機構を制御する制御部とを備え、この制御部が、染色槽の染色液を使用した回数または染色した標本の枚数を記憶して、この数に応じて染色時間を変えるもの(装置B)や、実開昭56−52244号公報に開示された、塗抹標本をそれぞれ1枚ずつ入れて染色するための複数の容器(染色槽)を有し、それらの容器を固定したベルトを間欠的に1ステップずつ回転移送するもの(装置C)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
装置Aにあっては、塗抹標本を効率よく、良好に作製することができるが、塗抹標本に染色を施そうとするときには別の染色装置によらなければならない。
【0005】
装置Bにあっては、塗抹が施されたスライドガラスを10〜50枚ほど染色用保持容器に収納して、染色液の入った染色槽に浸すことにより染色を施すものであり、染色液の使用頻度に応じて染色時間を長くすることで染色度合いを一定に保つことができるかも知れないが、数枚だけ染色する場合にも大量の染色液を要するという問題点がある。すなわち、装置Bに用いられるスライドガラス収納用容器(染色用保持容器)は、最大50枚ほどのスライドガラスを収納するような大きさであるため、数枚程度の少ない標本数の場合にも50枚ほどの標本数のときと同様に大量の染色液が必要になる、という不都合がある。
【0006】
また、装置Cにあっては、少ない標本数でも染色液のむだがないなどの利点を有しているが、染色用容器である染色槽がベルトに固定されているためスライドガラスの出し入れや移動操作などの取り扱いや制御に関して自由度が低いという問題点がある。
【0007】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、少ない標本数でも染色液のむだがなく、スライドガラスの取り扱いや制御に関して自由度が高いスライドガラス収納体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によれば、標本用スライドガラスおよび液体の収納が可能である収納部を有し、この収納部が、スライドガラスおよび液体の収納が可能である主スペースと、液体の収納が可能であり、収納部への液体の供給または収納部からの液体の排出を行うための副スペースと、主スペースと副スペースとが連通するよう収納部を区切る仕切り部材とを備えているスライドガラス収納体が提供される。
【0009】
本発明の第2の観点によれば、標本用スライドガラスおよび液体の収納が可能である収納部を有し、この収納部が、スライドガラスを収納部内の一方側部および他方側部のうちの一方側部に偏した保持位置に案内するためのガイド部材を備えているスライドガラス収納体が提供される。
【0010】
【作用など】
標本用スライドガラスとしては、各種の大きさおよび材質からなり、フロスト部を有するものや有しないもの、フロスト部に色の付されたものや付されないものなどが適宜選択されて用いられる。その一例としては、縦76mm、横26mm、厚さ0.9〜1.2mmであってコーナーカットおよび縁磨きが施され、色付きのフロスト部を有し、そのフロスト部の長さが15〜20mmのものがある。
【0011】
本発明の第1の観点におけるスライドガラス収納体は、収納部を有してなる。収納部は、スライドガラスを所定枚数、収納することが可能でありかつ染色液や洗浄液などの液体の収納が可能である。このようなスライドガラス収納体はたとえば、全体が偏平状であってプラスチック製の透明なものが用いられる。
【0012】
この収納部は、スライドガラスおよび液体の収納が可能である主スペースと、液体の収納が可能であり、収納部への液体の供給または収納部からの液体の排出を行うための副スペースと、主スペースと副スペースとが連通するよう収納部を区切る仕切り部材とを備えており、主スペースはたとえばスライドガラスを1枚のみ収納する空間を有してなり、副スペースはたとえば染色液や洗浄液を供給したり排出したりするためのピペットや管などの挿入可能な空間を有してなる。
【0013】
このようなスライドガラス収納体によれば、主スペースにスライドガラスを収納しておき、副スペースから染色液や洗浄液などを供給したり排出したりすることが容易に行えるので、従来の場合に比べて、少ない標本数でも染色液のむだがなく、また、スライドガラスの取り扱いや制御に関して自由度が高い。
【0014】
収納部は、主スペースの底部および副スペースの底部にわたって設けられた1つの底壁をさらに備え、この底壁の主スペース側部分が副スペース側部分より高く構成されているのが好ましい。
【0015】
このように構成されている場合には、主スペース側部分が副スペース側部分より高い底壁は、副スペースから染色液などを供給したり排出したりする際の利便を図るとともに、主スペースに収納されたスライドガラスの下部と主スペースの側壁との隙間における表面張力に起因して染色後、その隙間に染色液が残るのを防止する。
【0016】
この場合に、底壁は、主スペース側部分から副スペース側部分へ向かって下り傾斜に構成されているのがいっそう好ましい。
【0017】
主スペース側部分から副スペース側部分へ向かって下り傾斜に構成された底壁は、副スペースから染色液などを供給したり排出したりする際の利便をいっそう図るとともに、主スペースに収納されたスライドガラスの下部と主スペースの側壁との隙間における表面張力に起因して染色後、その隙間に染色液が残るのをいっそう有効に防止する。
【0018】
このスライドガラス収納体における副スペースは、液体を吸引排出することのできる開口部を備えているのが好ましい。この開口部は、たとえば染色液や洗浄液などを副スペースからピペットなどにより吸引排出するために設けられる。
【0019】
副スペースがこのような開口部を備えている場合には、開口部にピペットなどを挿入して、収納部内の液体を簡単に吸引排出することができる。
【0020】
本発明の第2の観点におけるスライドガラス収納体も、本発明の第1の観点におけるスライドガラス収納体と同様な収納部を有している。
【0021】
この収納部は、スライドガラスを収納部内の一方側部および他方側部のうちの一方側部に偏した保持位置に案内するためのガイド部材を備えている。ガイド部材はたとえば、収納部の入口および/または内部に設けられてスライドガラスを収納部内の一方側部に偏した保持位置に案内する単数あるいは複数のガイドからなる。
【0022】
このようなスライドガラス収納体によれば、スライドガラスを収納部内の一方側部―たとえば主スペースに近い方の側部―に偏した位置に保持しておくことにより、他方側部から染色液や洗浄液などを供給したり排出したりすることが容易に行えるので、従来の場合に比べて、少ない標本数でも染色液のむだがなく、また、スライドガラスの取り扱いや制御に関して自由度が高い。
【0023】
収納部は、一方側部の底部および他方側部の底部にわたって設けられた1つの底壁をさらに備え、この底壁の一方側部側部分が他方側部側部分より高く構成されているのが好ましい。
【0024】
このように構成されている場合には、一方側部側部分が他方側部側部分より高い底壁は、収納部の他方側部側から染色液などを供給したり排出したりする際の利便を図るとともに、収納部の一方側部側に収納されたスライドガラスの下部と一方側部側の側壁との隙間における表面張力に起因して染色後、その隙間に染色液が残るのを防止する。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の1つの実施例を図面に基づいて詳しく説明する。なお、これによって本発明が限定されるものではない。
【0026】
図1において、自動標本作製装置Dは、標本用スライドガラス10に血液の塗抹を施すための塗抹部1と、スライドガラス収納体(以下、「収納体」と略称する)2と、2本一組であって前方へ移動する収納体送り込みベルト3aおよび1本であって左方へ移動する収納体横送りベルト3bからなり収納体2を1個もしくは複数個、着脱可能にセットして搬送するための搬送部3(3a,3b)と、塗抹済みのスライドガラス10を搬送部3の収納体横送りベルト3bにおける収納体2に1枚ずつ収納するための収納操作部4と、収納体横送りベルト3bから送り込まれた収納体2に染色液を供給して塗抹済みスライドガラス10に染色を施すための染色部5と、染色済みスライドガラス10が収納されて染色部5から送り出された収納体2を保管しておくための保管部6とを備えている。
【0027】
図2に示すように、塗抹部1は、スライドガラス供給用ターンテーブル11を正・逆間欠回転可能に設け、ターンテーブル11にスライドガラス供給孔11aを2箇所設け(「ポジション1」および「ポジション2」)、それらのスライドガラス供給孔11a・11aに、100枚のスライドガラス10を積み重ねて収納しておく直方体状のスライドガラス供給用カセット12を2つ嵌め込んだものである。各カセット12の最下部には取出口が設けられ、その取出口から最下部のスライドガラス10が1枚ずつ取り出されるようにされている。
【0028】
各カセット12に収納されるスライドガラスは、縦76mm、横26mm、厚さ1.0mmであってコーナーカットおよび縁磨きが施され、フロスト部を有し、そのフロスト部の長さが15mmのものである。図2における左側のカセット12にはフロスト部に白色の付されたスライドガラス10が収納され、右側のカセット12にはフロスト部に赤色の付されたスライドガラス10が収納されている。ここで、フロスト部を白色と赤色とに色分けしたのは、2種類のスライドガラス10を男/女、入院/外来、午前/午後、サンプラ/マニュアルなどに区別して使用するためである。
【0029】
カセット12からのスライドガラス10の取り出しと、取り出されたスライドガラス10の塗抹のための所定位置までの搬送と、さらに塗抹後のスライドガラス10に印字を施すための所定位置までの搬送とは、図3〜図5に示すようにして行われる。
【0030】
すなわち、図3において13はスライドガラス取出機構であり、これはターンテーブル11よりも下方に配されている。スライドガラス取出機構13は、エアシリンダ14により左右に往復移動されるピストンロッド15と、ピストンロッド15の左端およびその上方の支軸17に軸支された第1アーム16と、第1アーム16の上端に当接しかつ支軸18に軸支された第1レバー19と、ピストンロッド15の後方に配されたモータ20と、左右2つのプーリ21・22の間に水平に張設されモータ20により駆動されて左右に移動するベルト23と、ベルト23に取り付けられた支軸24およびその上方の支軸25に軸支された第2アーム26とを備えている。
【0031】
2つの支軸17・18は、ベルト23よりも上方で水平に配されたガイドレール27にガイドされて左右に移動する第1スライダ28の一部である。また、支軸25は、ガイドレール27にガイドされて左右に移動する第2スライダ29の一部である。
【0032】
図3において、実線で示されたピストンロッド15がエアシリンダ14により2点鎖線の位置まで縮むと、第1アーム16が支軸17の周りに反時計回り方向へ回動して、2点鎖線で示すように直立する。すると、第1アーム16の上端により第1レバー19が支軸18の周りに時計回り方向へ回動して、2点鎖線で示すようにそのヘッド19aが押し上げられる。これにより、第1レバー19のヘッド19aが、ターンテーブル11に嵌め込まれた右側のカセット12の最下部に位置するスライドガラス10の下面に当接する。
【0033】
ピストンロッド15がさらに縮むと、第1アーム16および第1スライダ28を介して第1レバー19が右方向へ移動し、そのヘッド19aがそのスライドガラス10をカセット12の前記取出口から取り出して、図4の実線で示す第1所定位置(塗抹のための位置)まで持って来る。次に、ピストンロッド15が伸びると、第1アーム16が支軸17の周りに時計回り方向へ回動して、図4の2点鎖線で示す状態になる。すると、第1レバー19が支軸18の周りに反時計回り方向へ回動して、2点鎖線で示すようにそのヘッド19aが下がる。そして、ピストンロッド15がさらに伸びると、第1レバー19は、ヘッド19aが下がった状態で第1アーム16および第1スライダ28とともに左方へ移動する。
【0034】
一方、ベルト23の前面部分が左方へ移動して支軸24が図4の実線位置から2点鎖線位置まで移動すると、第2アーム26が支軸25の周りに時計回り方向へ回動して、そのヘッド26aが2点鎖線で示すように水平になる。そして、ベルト23の前面部分がさらに左方へ移動すると、第2アーム26は、ヘッド26aが水平になった状態で第2スライダ29とともに左方へ移動する。
【0035】
そして、第2アーム26が前記第1所定位置を通り過ぎた後にベルト23の移動がいったん止まる。このとき、第2アーム26は図5の実線位置にある。次いで、ベルト23はその前面部分が右方へ移動して支軸24が図5の2点鎖線位置まで移動する。すると、第2アーム26が支軸25の周りに反時計回り方向へ回動して、2点鎖線で示すようにヘッド26aの右端が第1所定位置にあるスライドガラス10の高さまで上がる。次に、ベルト23の前面部分がさらに右方へ移動することにより、第2アーム26は、ヘッド26aの右端が上がった状態で第2スライダ29とともに左方へ移動する。すると、第1所定位置にあるスライドガラス10は、第2アーム26のヘッド26aの右端により右方へ押されて、最終位置である第2所定位置(印字のための位置)まで運ばれる。
【0036】
次に、収納体2の構造を、図6〜図11に基づいて説明する。
【0037】
収納体2はポリサルフォン製の黒色半透明の偏平状縦長容器であり、1枚のスライドガラス10および液体の収納が可能である1つの収納部31と、この収納部31の上部に連なりかつ収納部31を吊り下げ状に支持するための左右2つの吊下支持部32・33とを備えてなる。収納部31は、垂直な左側壁31a、垂直な右側壁31b、傾斜状の底壁31c、垂直な前壁31dおよび垂直な後壁31eを備えるとともに、これらの壁31a〜31eによって囲まれてなる空間を備えてなる。
【0038】
この空間は、スライドガラス10および液体の収納が可能である主スペース34と、主スペース34の左に隣設されかつ主スペース34に連通する液体(染色液や洗浄液など)供給・排出用の副スペース35とからなる。底壁31cは、主スペース34および副スペース35にわたって設けられかつ主スペース34から副スペース35へ向かって約10度の下り傾斜になっている。
【0039】
主スペース34と副スペース35とは、収納部31のスライドガラス収納口40の左側に設けられたスライドガラス収納用左上ガイド36と、この左上ガイド36の下方に設けられた左下ガイド37とにより、隔てられている。スライドガラス収納口35の右側には、右側の吊下支持部33に連なるスライドガラス収納用右上ガイド38が設けられている。右上ガイド38の下方には、左下ガイド37と同じ高さに右下ガイド39が設けられている。左上ガイド36、左下ガイド37、右上ガイド38および右下ガイド39は、スライドガラス10を収納部31内の右方側部に偏した位置である主スペース34に保持するための保持用部分として機能する。
【0040】
主スペース34の左下ガイド37と底壁31cとの間には、前壁31dおよび後壁31eに水平に渡されたポリサルフォン製のピン42が配されている。このピン42は、主スペース34に収納されたスライドガラス10の下端を底壁31cから離れた状態に保持する機能を持っている。
【0041】
左右2つの吊下支持部32・33の高さは、収納部31の高さの約20%にされている。左側の吊下支持部32と左上ガイド36との間は、染色液や洗浄液などを注入・吸引するピペットを挿入するための開口部としてのピペット挿入口41にされている。ピペット挿入口41は下方ほど狭くされており、副スペース35に通じている。すなわち、左側の吊下支持部32には、水平からの傾斜角が約60度の下り傾斜部分32aが左上ガイド36に対向して設けられており、収納部31の左側壁31aの上部には、水平からの傾斜角が約75度の下り傾斜部分31fが左側の吊下支持部32の下り傾斜部分32aに連なって設けられている。これにより副スペース35は、下り傾斜部分31f付近において下方ほど狭くされている。
【0042】
収納部31の左側壁31aの上部における下り傾斜部分31fは、収納体2が所定状態以外にセットされるのを防止するための不正セット防止部分として機能する。所定状態とは、収納体2を搬送するための搬送部などに、収納体2が決められた向きで決められた位置にセットされる状態をいう。
【0043】
すなわち、図6に示すように、収納体2は、左側の吊下支持部32と垂直な左側壁31aとの間に下り傾斜部分31fが設けられているのに対し、右側壁31bは右側の吊下支持部33まで垂直になるように設けられている。換言すれば、収納体2の収納部31は左右非対称とされている。したがって、図12に示すように、垂直断面形状が凵状であって空の収納体2をセットするためのテーブル43の一方側壁43aに沿って、所定の垂直断面形状を持った逆向きセット防止部材44を配しておけば、収納体2を決められた向きに正しくセットすることができる。
【0044】
図12において45・46は、収納体2を吊下支持部32・33で垂直に吊り下げて搬送するための一対の搬送用ベルトである。また、32b・33bは、吊下支持部32・33の下面に設けられたガイド溝である。そして、収納体2が搬送用ベルト45・46に支持されて搬送される際にテーブル43の側壁43a・43bの上縁がガイド溝32・33に嵌まり込む。
【0045】
収納体2には図6および図8に示すように、2つの吊下支持部32・33のそれぞれに、前方および下方へ開口した凹所32c・33cが設けられている。これらの凹所32c・33cは、後記の収納体切り離し用ストッパが嵌まり込むためのものである。また、2つの吊下支持部32・33のそれぞれに、磁石に吸着される吸着部材101・102が埋め込まれている。これらの吸着部材101・102は、磁石と組み合わされて収納体2の位置決めを正しく行うためのものである。なお、左上ガイド36と左下ガイド37との間にさらに左中ガイドを設けてもよい。その場合には、主スペース34と副スペース35とが、左上ガイド36、左下ガイド37、左中ガイドにより仕切られるので、後述のスライドガラス10の乾燥効果をいっそう向上させることができる。
【0046】
次に、この自動標本作製装置Dの全体動作について、図13〜図15のフローチャートを参照しながら、同装置Dにおける各部のより詳しい構成とともに説明する。
【0047】
図13に示すように、血液試料が入った検体容器は、検体番号、日付、受付番号、氏名などを表示したバーコードラベルが貼られ、検体保持用ラックに装着されている。このラックはラック搬送装置により搬送され(「ラック搬送」)、自動標本作製装置Dの前で停止される。すると、検体容器に貼られたバーコードラベルのバーコードがバーコード読取器で読み取られる。次いで、ラック搬送装置から検体情報が受け取られ、オーダの有無が確認される。ここで、オーダがないときはラック搬送にもどり、前記ラックを搬送する。オーダがあるときは検体容器の試料は攪拌された後、血液分注機構47のアーム47aに取り付けられたピペット47bにより吸引される。
【0048】
一方、スライドガラス10のカセット12からの取り出しと塗抹のための所定位置までの搬送とは、図3〜図5に示すようにして行われるが、さらに付け加えると図13のようになる。すなわち、ターンテーブル11の「ポジション1」または「ポジション2」の確認(ポジション確認)が行われ、その確認結果に応じてターンテーブル11の時計周り方向または反時計周り方向への回転が行われる(ターンテーブル11のポジショニング)。
【0049】
次いで、カセット12にスライドガラス10があるかないかの判断がなされ、スライドガラス10がないときは、「スライドガラス10をセットして下さい」とのエラーメッセージが表示される。スライドガラス10があるときは、カセット12からのスライドガラス10の取り出しが前記のような方法で行われる。この取り出しは30秒ごとに1枚の割合で行われる。
【0050】
取り出されたスライドガラス10には、ピペット47bにより吸引された試料が約5マイクロリットル滴下される。このピペット47bはその後、ピペット洗浄槽48で洗浄される。
【0051】
次いで、試料の滴下されたスライドガラス10は、塗抹部1の前記第1所定位置においてウェッジ法に基づく塗抹機構49によって塗抹に付される。すなわち、第1所定位置に配された引きガラス50がスライドガラス10に当接した状態でその長手方向に移動されて塗抹が行われる。塗抹が終わると引きガラス50は、油分やタンパク質を取り除くための洗浄液が入った引きガラス洗浄槽51に一定時間浸けられた後に引き上げられてノズルで洗浄される。
【0052】
その後、塗抹確認手段52により塗抹状態の良否の検知が行われる。すなわち、塗抹後のスライドガラス10がその上方および下方に配された一対の光素子(受光素子および発光素子)の間を通過する際に、スライドガラス10の略中央の3箇所(短辺に平行な1直線上にある)における光透過度が測定され、それらの光透過度に基づいて所定の判断が行われる。そして、図14に示すように、塗抹不良の場合はエラーメッセージが出され、塗抹良好の場合は前記第2所定位置においてドットインパクト式印字プリンタ53によりスライドガラス10に印字が施される。すなわち、前記バーコード読取器で読み取られた検体番号、日付、受付番号、氏名などがスライドガラス10のフロスト部に印字される。
【0053】
印字の終わったスライドガラス10は、図2に示すように、第2所定位置の右側に配された乾燥用ファン54と第2所定位置の前側における第3所定位置(後記の収納待機位置)の右側に配された乾燥用ファン55とにより、強制乾燥される。
【0054】
スライドガラス10は、第1所定位置から第2所定位置まで水平に左方向へ移動し、第2所定位置から第3所定位置まで水平に前方へ移動するが、このようなスライドガラス10の水平移動を検知するために、次のような手段が設けられている。すなわち、第1所定位置から第2所定位置までの間には、水平に配されるスライドガラス10の前方および後方に一対のスリット付き光透過センサが設けられ、第2所定位置から第3所定位置までの間には、水平に配されるスライドガラス10の左側方および右側方に一対のスリット付き光透過センサが設けられている。
【0055】
スライドガラス10の移動を検知するこれら2種の光透過センサにおける受光側のスリットの高さ寸法は、スライドガラス10の厚さ以下に設定されている。また発光側は、光量を得るためにパルス電流を用いるようになっている。これら2種の光透過センサにより、スライドガラス10の上方または下方に移動用機構などがあっても、水平移動するスライドガラス10の検知をすることが可能になる。
【0056】
図2において、搬送部3の収納体送り込みベルト3aに吊り下げ状に支持されて後方から前方(白矢印方向)へ搬送される空の収納体2は、収納体送り込みベルト3aの前端で、垂直状態のまま収納体保持・移送部材56により保持される。すなわち、収納体保持・移送部材56は内外へ回動可能な左右一対の保持アーム56a・56aを有しており、これらの保持アーム56a・56aが外側から内側へ回動することにより収納体2の吊下支持部32・33を保持する。図6における32d・33dは、そのとき保持アーム56a・56aの係合爪が嵌まり込んで係合する係合孔である。収納体保持・移送部材56はまた、搬送部3の横送りベルト3bにおける収納体2を1個ずつ一時停止させる停止機構を備えている。
【0057】
垂直状態で保持された収納体2は収納体保持・移送部材56により左方向へ移送され、第3所定位置すなわち収納待機位置の前方で停止される。第3所定位置まで搬送されてきたスライドガラス10は、同位置で収納操作部4および収納体保持・移送部材56の作動により収納体2に収納される。以下、この収納方法について説明する。
【0058】
図16における左側は収納操作部4の前方部分を示し、右側は収納操作部4の後方部分を示す。図16において、収納操作部4は、前後へ水平にかつ互いに平行に伸びた状態に配設されスライドガラス10を水平に載置保持する2本一組のスライドガラス保持部7・8(図2参照)と、駆動源となる正・逆回転可能なモータ57と、前後2つのプーリ58・59と、これらのプーリ58・59の間に水平に張設されモータ57により駆動されて前後に移動するベルト60とを備えている。収納操作部4はさらに、ベルト60の上方に水平に配されたガイドレール61と、ガイドレール61にガイドされて前後に移動するスライダ62と、スライダ62の上面に取り付けられたアーム支持部材63と、アーム支持部材63の上部の前側における前方突出箇所に設けられた支軸64およびベルト60に設けられた支軸65に軸支された第1アーム66と、アーム支持部材63の上部の後側における上方突出箇所に設けられた支軸67に軸支された第2アーム68と、アーム支持部材63の前方でガイドレール61にスライド可能に取り付けられた収納体回動部材69と、アーム支持部材63と収納体回動部材69とを連結する連結棒70とを備えている。
【0059】
連結棒70は、アーム支持部材63に前後貫通状に設けられた挿入孔に遊嵌され、前端が収納体回動部材69の後面に固定され、後端に留金71が取り付けられている。連結棒70には、アーム支持部材63と収納体回動部材69との間に、両部材63・69を互いに離間させてアーム支持部材63の後面が留金71に当たるように付勢するコイルバネ72が嵌められている。
【0060】
第1アーム66は支軸64の周りに回動可能なものであり、上端前部には上方突出状に第1ヘッド73が設けられている。第1ヘッド73は2本のスライドガラス保持部7・8の間で出没可能なものである。第2アーム68は支軸67の周りに回動可能なものであり、後端上部には上方突出状に第2ヘッド74が設けられている。第2ヘッド74は2本のスライドガラス保持部7・8の間で出没可能なものである。第2アーム68は第1アーム66の回動に追従して回動するようにされている。
【0061】
収納体回動部材69の前端上部にはローラ75が取り付けられている。ローラ75は、収納体回動部材69が前方へ移動すると、垂直に配された収納体2の後面に当接した後に収納体2の係合孔32d・33dを回動軸として収納体2を前方へ回動させるものである。ローラ75の外径および取り付け高さは、収納体回動部材69およびローラ75により収納体2が前方へ最大限に回動したときに収納体2が水平になるように設定されている。
【0062】
図16において実線は、収納操作部4が作動し始める前の各部材の位置(初期位置)を示す。図16において、モータ57が正回転してベルト60が矢印方向へ動き、支軸65が実線部分から2点鎖線部分まで動くと、第1アーム66が支軸64の周りに時計回り方向へ回動して、2点鎖線で示すように直立する。これにともなって、第1ヘッド73も支軸64の周りに時計回り方向へ回動して、2点鎖線で示すように第1ヘッド19aが持ち上げられる。
【0063】
すると、第1アーム66の上端後部により第2アーム68が支軸67の周りに反時計回り方向へ回動させられて2点鎖線で示すように水平となり、第2ヘッド74が持ち上げられる。
【0064】
ベルト60がさらに矢印方向へ動くと、直立した第1アーム66および水平となった第2アーム68とともにアーム支持部材63が前方へ移動する。これにともなって、第1ヘッド73が収納待機位置にあるスライドガラス10(第1スライドガラス10−1)の後端を押し、第2ヘッド74が第1スライドガラス10−1の直後にあるスライドガラス10(第2スライドガラス10−2)の後端を押し、それぞれのスライドガラス10−1・10−2を前方へ移動させる。
【0065】
このとき、アーム支持部材63が、コイルバネ72を介して収納体回動部材69を押しながらともに前方へ移動する。そして、垂直に配された収納体2の後面にローラ75が当接する。
【0066】
次いで、図17に示すように、ローラ75は収納体2の係合孔32d・33dを回動軸として収納体2を前方へ最大限に(角度にして90度)回動させる。水平になった収納体2には、そのスライドガラス収納口40から、第1ヘッド73により押された第1スライドガラス10−1が挿入される。このとき、アーム支持部材63と収納体回動部材69とは前方へ最大限移動する。図17における実線はそのときの各部材の位置(終期位置)を示す。
【0067】
図17の終期位置における第2スライドガラス10−2の位置は、図16の初期位置における第1スライドガラス10−1の位置に等しい。また、終期位置における第2スライドガラス10−2の直後には、第2スライドガラス10−2に続く第3スライドガラス10−3が搬送されて来ている。
【0068】
図17に示す終期位置から、モータ57が逆回転してベルト60が矢印方向へ動き、支軸65が実線部分から2点鎖線部分まで動くと、第1アーム66が支軸64の周りに反時計回り方向へ回動して、2点鎖線で示すように傾く。これにともなって、第1ヘッド73も支軸64の周りに反時計回り方向へ回動して、2点鎖線で示すように第1ヘッド19aが下がる。
【0069】
すると、第1アーム66の上端後部が持ち上げれて第2アーム68が支軸67の周りに時計回り方向へ回動し、2点鎖線で示すように第2ヘッド74が下がる。次いで、ベルト60がさらに矢印方向へ動くと、第1アーム66および第2アーム68とともにアーム支持部材63が後方へ移動し、その後面が連結棒70の留金71に当接する。アーム支持部材63がさらに後方へ移動すると、連結棒70を介して収納体回動部材69も後方へ移動して、初期位置にもどる。
【0070】
終期位置から初期位置にもどるとき、第1ヘッド19aと第2ヘッド74とは図17の2点鎖線で示すように下がった状態にあるので、第2スライドガラス10−2や第3スライドガラス10−3の邪魔になることがない。
【0071】
以上のようにして、第3所定位置まで搬送されてきたスライドガラス10が同位置で収納操作部4および収納体保持・移送部材56の作動により収納体2に収納される。スライドガラス10を収納した収納体2は収納体保持・移送部材56により垂直状態にされた後、収納体横送りベルト3bに載せられて左方向へ搬送され、プッシャ76の前で停止される。
【0072】
プッシャ76は、その前の収納体2を1つずつ押し出して、染色部5における2本一組の収納体搬送ベルト5aへ載せるようにされている。このプッシャ76により収納体2は1つずつ染色部5へ送り込まれる。
【0073】
プッシャ76の右側には収納体割り込み供給部材77が設けられている。そして、収納体横送りベルト3bに載せられて左方向へ搬送される収納体2とは別に、染色に供するスライドガラスを収納した割り込み用収納体を所望により収納体割り込み供給部材77に装填して、収納体横送りベルト3bに載せることができるようにされている。
【0074】
図14に示すように、スライドガラス10を収納し染色部5へ送り込まれた収納体2には、その内部へ染色用のメイグリュンワルド液(以下、「メイ液」と略称する)が約6ミリリットル分注される。これにより以下に説明する染色工程が始まる。
【0075】
すなわち、染色部5には、図1に示すように、第1〜第4吸排装置78・79・80・81が前方から後方へ順次備えられている。第1吸排装置78は、図18に示すように、駆動源となる正・逆回転可能なモータ82と、上下2つのプーリ83・84と、これらのプーリ83・84の間に垂直に張設されモータ82により駆動されて上下に移動するベルト85と、ベルト85に取り付けられた連結部材86と、上部プーリ83の左方に固定されかつ垂直なガイド溝を有するガイド部材87と、ガイド部材87を覆う状態で垂直に配されて連結部材86に取り付けられた筒状のカバー88と、カバー88の内部で垂直に配されてガイド部材87のガイド溝にスライド可能に嵌められたスライドロッド89と、スライドロッド89の上端およびカバー88の上端に左方突出状に取り付けられた水平なアーム90と、アーム90の左端寄り箇所に設けられたピペット孔に垂直に挿入された分注用の第1ピペット91とを備えている。
【0076】
プッシャ76により染色部5の収納体搬送ベルト5aに載せられた収納体2は、第1吸排装置78の左まで搬送された後、そこで一旦停止される。このとき、収納体2のピペット挿入口41は第1吸排装置78の第1ピペット91の直下に位置している。収納体2が第1吸排装置78の左で一旦停止すると、図18に示すモータ82が正回転してベルト85が矢印方向へ動き、ベルト85に一体化された連結部材86およびカバー88を介してスライドロッド89が矢印方向へ動く。これにともなってアーム90が2点鎖線の位置まで下がる。このとき、第1ピペット91は収納体2のピペット挿入口41に挿入されて2点鎖線の位置まで下がっている。
【0077】
そして、染色液供給用チューブ(図示略)を通して供給されたメイ液が第1ピペット91から収納体2の副スペース35へ約6ミリリットル分注される。分注されたメイ液は収納体2の主スペース34へも供給されて、主スペース34内におけるスライドガラス10の塗抹箇所を浸す。次いで、収納体2は収納体搬送ベルト5aにより第2吸排装置79の左まで搬送された後、そこで一旦停止される。
【0078】
第2吸排装置79は図19に示すような構成である。すなわち、第2吸排装置79は、第1吸排装置78の各構成部材に加えて、アーム90における、第1ピペット91の左に設けられたピペット孔に垂直に挿入された吸引用の第2ピペット92と、第1ピペット91の右に設けられたピペット孔に垂直に挿入された分注用の第3ピペット93とを備えている。第1〜第3ピペット91・92・93は1列に配されている。
【0079】
第2吸排装置79の左まで搬送され、そこで一旦停止された収納体2のピペット挿入口41は第2吸排装置79の第1〜第3ピペット91・92・93の直下に位置している。
【0080】
収納体2が第2吸排装置79の左で一旦停止すると、第1吸排装置78の場合と同様にしてアーム90が2点鎖線の位置まで下がる。このとき、第1〜第3ピペット91・92・93は収納体2のピペット挿入口41に挿入されて2点鎖線の位置まで下がっている。
【0081】
この位置で、収納体2内のメイ液が第2吸排装置79の第2ピペット92によりすべて吸引され、液排出用チューブ(図示略)を通して排出される(メイ液排出)。図15に示すように、メイ液分注からメイ液排出までの時間、すなわちメイ固定処理の時間は、1〜5分の間で任意に設定することができるようにされている。
【0082】
なお、メイ液排出は、メイ液が第2ピペット92の外面に付着して第2ピペット92が汚れるのを防止するために、第2ピペット92が下降するのと同時に吸引・排出動作が行われるように制御される。すなわち、第2ピペット92の下降速度をvcm/s、第2ピペット92による吸引・排出量をVcm3 /s、ある時点における収納体2内のメイ液を上方から見たときのメイ液の面積(その時点における収納体2の内部断面積)をScm2 とすると、第2ピペット92がv≦V/Sを満たすような速度vで下降するように制御される。また、メイ液は毎回新しいものが使用されるが、ランニングコストを重視する場合などには2回または3回の再利用ができるようにしてもよい。
【0083】
メイ固定処理を終えた後、第2吸排装置79の染色液供給用チューブ(図示略)を通して供給されたメイ希釈液が第1ピペット91から収納体2の副スペース35へ約6ミリリットル分注される。分注されたメイ希釈液は収納体2の主スペース34へも供給されて、主スペース34内におけるスライドガラス10のメイ固定処理された箇所(塗抹箇所)を浸す。次いで、収納体2は収納体搬送ベルト5aにより第3吸排装置80の左まで搬送された後、そこで一旦停止される。
【0084】
第3吸排装置80は図19に示す第2吸排装置79と同一の構成である。収納体2が第3吸排装置80の左で一旦停止すると、第2吸排装置79の場合と同様にしてアーム90が2点鎖線の位置まで下がる。このとき、第1〜第3ピペット91・92・93は収納体2のピペット挿入口41に挿入されて2点鎖線の位置まで下がっている。
【0085】
この位置で、収納体2内のメイ希釈液が第3吸排装置80の第2ピペット92によりすべて吸引され、液排出用チューブ(図示略)を通して排出される(メイ希釈液排出)。メイ希釈液排出は、メイ希釈液が第2ピペット92の外面に付着して第2ピペット92が汚れるのを防止するために、メイ液排出の場合と同様に(第2ピペット92がv≦V/Sを満たすような速度vで下降するように)制御される。また、メイ希釈液は毎回新しいものが使用されるが、ランニングコストを重視する場合などには2回または3回と再利用できるようにしてもよい。
メイ希釈液分注からメイ希釈液排出までの時間、すなわちメイ染色処理の時間は、1〜5分の間で任意に設定することができるようにされている。
【0086】
なお、このメイ染色処理は、染色総処理時間の短縮やランニングコストの低減を図る場合などには省略され、代わりにスライドガラス10の洗浄が行われる。すなわち、図15に示すように、前記メイ液排出の終わった収納体2内へ、第2吸排装置79の第3ピペット93から洗浄用の水(たとえばイオン交換水)またはバッファ(たとえばリン酸緩衝液)を分注し、次いで第3吸排装置80の第2ピペット92でその水またはバッファを排出することにより、スライドガラス10の洗浄が行われる。また、メイ染色処理の後に、同様の洗浄処理が行われることもある。
【0087】
メイ染色処理あるいは洗浄処理が終わると、第3吸排装置80の染色液供給用チューブ(図示略)を通して供給された染色用ギムザ液が第1ピペット91から収納体2の副スペース35へ約6ミリリットル分注される。分注されたギムザ液は収納体2の主スペース34へも供給されて、主スペース34内におけるスライドガラス10のメイ染色処理または洗浄処理された箇所(塗抹箇所)を浸す。次いで、収納体2は収納体搬送ベルト5aにより第4吸排装置81の左まで搬送された後、そこで一旦停止される。
【0088】
第4吸排装置81は図20に示すような構成である。すなわち、第4吸排装置81は、第1〜第3吸排装置78・79・80とは異なり、アーム90に設けられたピペット孔に垂直に挿入された洗浄水分注用の第1ピペット94と、アーム90における、第1ピペット94の左に設けられたピペット孔に垂直に挿入されたオーバーフロー防止用の第2ピペット95と、アーム90における、第1ピペット94の右に設けられたピペット孔に垂直に挿入された液体吸引用の第3ピペット96とを備えている。第1〜第3ピペット94・95・96は1列に配されている。
【0089】
第1ピペット94は、その長さが第1〜第3吸排装置78・79・80の第1ピペット94とほぼ同じであるが、下端が左方へ曲げられている。これは、第1ピペット94から分注された洗浄水が収納体2内のスライドガラス10の右縁から前面および後面に当たるようにするためである。第2ピペット95は、第1ピペット94よりも短く、かつ直線状のものであり、収納体2内の洗浄水がオーバーフローするのを防止するために、一定レベルになった収納体2内の洗浄水を吸引する。第3ピペット96は、その長さが第1〜第3吸排装置78・79・80の第3ピペット93とほぼ同じであり、収納体2内の副スペース35へ挿入されるのを考慮して中間部が左方へ曲げられている。
【0090】
第4吸排装置81の左まで搬送され、そこで一旦停止された収納体2のピペット挿入口41は第4吸排装置81の第1〜第3ピペット94・95・96の直下に位置している。
【0091】
収納体2が第4吸排装置61の左で一旦停止すると、第1吸排装置78の場合と同様にしてアーム90が2点鎖線の位置まで下がる。このとき、第1〜第3ピペット94・95・96は収納体2のピペット挿入口41に挿入されて2点鎖線の位置まで下がっている。
【0092】
この位置で、収納体2内のギムザ液が第3ピペット96によりすべて吸引され、液排出用チューブ(図示略)を通して排出される(ギムザ液排出)。図15に示すように、ギムザ液分注からギムザ液排出までの時間、すなわちギムザ染色処理の時間は、5〜20分の間で任意に設定することができるようにされている。
【0093】
なお、ギムザ液排出は、ギムザ液が第3ピペット96の外面に付着して第3ピペット96が汚れるのを防止するために、メイ希釈液排出の場合と同様に、(第3ピペット96がv≦V/Sを満たすような速度vで下降するように)制御される。また、ギムザ液は毎回新しいものが使用されるが、ランニングコストを重視する場合などには2回または3回の再利用ができるようにしてもよい。
【0094】
ギムザ染色処理を終えた後、第4吸排装置81の洗浄水供給用チューブ(図示略)を通して供給された洗浄水(たとえばイオン交換水)が第1ピペット94から分注される。分注された洗浄水は収納体2の主スペース34および副スペース35を満たし、スライドガラス10におけるギムザ染色処理された箇所(塗抹箇所)を洗浄する。次いで、主スペース34および副スペース35内の洗浄水は第3ピペット96で吸引され、液排出用チューブ(図示略)を通して排出される。このような洗浄水の分注および吸引・排出を4回繰り返して、水洗処理を終える。
【0095】
以上の第1〜第4吸排装置78・79・80・81のそれぞれの左方において収納体2を一旦停止させるために、染色部5には一対の収納体停止用ストッパ(図示略)と収納体切り離し用ストッパ(図示略)とが前後に設けられている。これらのストッパは互いに逆動作する。すなわち、前方のもの(停止用ストッパ)が収納体搬送ベルト5aの上面よりも上方へ突出したときに後方のもの(切り離し用ストッパ)が同面よりも下方へ没入するようにされている。そして、切り離し用ストッパの上端は、突出した際に、収納体搬送ベルト5aに載せられて搬送される収納体2の吊下支持部32・33における凹所32c・33cに嵌まり込むようになっている。
【0096】
水洗処理の終わった収納体2は収納体搬送ベルト5aにより第4吸排装置81の後方に配された乾燥用ファン97の左へ搬送され、そこで、収納体2内のスライドガラス10がファン97の作動により強制乾燥される。この乾燥時間は1〜15分の間で任意に設定することができるようにされている。このとき、乾燥風は収納体2のピペット挿入口41から副スペース35内に吹き込まれ、主スペース34を経てスライドガラス収納口40へと吹き出されるので、スライドガラス10が効率よく乾燥される。
【0097】
乾燥の終わったスライドガラス10を収納した収納体2は、染色部5の収納体搬送ベルト5aから収納体送り出し・送り込み機構98へ送り出される。収納体送り出し・送り込み機構98は、染色部5および保管部6の後方にこれらを連結する状態に設けられており、収納体搬送ベルト5aから送り出された収納体2を1つずつ左方向へ移動させた後、その収納体2を保管部6における2本一組の収納体搬送ベルト6aへ送り込んで載せるように作動する。
【0098】
収納体送り出し・送り込み機構98により保管部6の収納体搬送ベルト6aに載せられた収納体2は、収納体搬送ベルト6aにより前方へ搬送される。そして、保管部6の前端まで搬送されてきた収納体2は保管部6の前壁6bに当たって停止する。なお、収納体搬送ベルト6aは常時、回転しており、後から順次搬送されてくる収納体2をその直前の停止した収納体2に当てるようにする。
【0099】
このようにして、保管部6の収納体搬送ベルト6aの上に所定個数の収納体2がたまっていく。所定個数たまった収納体2は保管部6から取り出される。
【0100】
【発明の効果】
本発明に係るスライドガラス収納体は、上記のように構成されているので、次のような顕著な効果を奏する。
【0101】
すなわち、請求項1記載のスライドガラス収納体にあっては、標本用スライドガラスおよび液体の収納が可能である収納部を有し、この収納部が、スライドガラスおよび液体の収納が可能である主スペースと、液体の収納が可能であり、収納部への液体の供給または収納部からの液体の排出を行うための副スペースと、主スペースと副スペースとが連通するよう収納部を区切る仕切り部材とを備えている。したがって、主スペースにスライドガラスを収納しておき、副スペースから染色液や洗浄液などを供給したり排出したりすることが容易に行えるので、従来の場合に比べて、少ない標本数でも染色液のむだがなく、また、スライドガラスの取り扱いや制御に関して自由度が高いという効果を奏することができる。
【0102】
請求項2記載のスライドガラス収納体にあっては、収納部が、主スペースの底部および副スペースの底部にわたって設けられた1つの底壁をさらに備え、この底壁の主スペース側部分が副スペース側部分より高く構成されている。したがって、請求項1記載のスライドガラス収納体が奏する前記効果に加えて、副スペースから染色液などを供給したり排出したりする際の利便を図ることができるとともに、主スペースに収納されたスライドガラスの下部と主スペースの側壁との隙間における表面張力に起因して染色後、その隙間に染色液が残るのを、底壁の存在により防止することができる。
【0103】
請求項3記載のスライドガラス収納体にあっては、底壁が、主スペース側部分から副スペース側部分へ向かって下り傾斜に構成されている。したがって、請求項2載のスライドガラス収納体が奏する前記効果をいっそう顕著に奏することができる。
【0104】
請求項4記載のスライドガラス収納体にあっては、副スペースが、液体を吸引排出することのできる開口部を備えている。したがって、請求項1記載のスライドガラス収納体が奏する前記効果に加えて、開口部にピペットなどを挿入して、収納部内の液体を簡単に吸引排出することができる。
【0105】
請求項5記載のスライドガラス収納体にあっては、標本用スライドガラスおよび液体の収納が可能である収納部を有し、この収納部が、スライドガラスを収納部内の一方側部および他方側部のうちの一方側部に偏した保持位置に案内するためのガイド部材を備えている。したがって、スライドガラスを収納部内の一方側部―たとえば主スペースに近い方の側部―に偏した位置に保持しておくことにより、他方側部から染色液や洗浄液などを供給したり排出したりすることが容易に行えるので、従来の場合に比べて、少ない標本数でも染色液のむだがなく、また、スライドガラスの取り扱いや制御に関して自由度が高いという効果を奏することができる。
【0106】
請求項6記載のスライドガラス収納体にあっては、収納部が、一方側部の底部および他方側部の底部にわたって設けられた1つの底壁をさらに備え、この底壁の一方側部側部分が他方側部側部分より高く構成されている。したがって、請求項5記載のスライドガラス収納体が奏する前記効果に加えて、収納部の他方側部側から染色液などを供給したり排出したりする際の利便を図るとともに、収納部の一方側部側に収納されたスライドガラスの下部と一方側部側の側壁との隙間における表面張力に起因して染色後、その隙間に染色液が残るのを、底壁の存在により防止することができる。
請求項7記載のスライドガラス収納体にあっては、ガイド部材は、収納部が収納するスライドガラスの厚さ方向について収納部の略中心にスライドガラスを保持するように構成されている。したがって、請求項5記載のスライドガラス収納体が奏する前記効果をいっそう確実に奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例に係るスライドガラス収納体が用いられる自動標本作製装置の全体構成を示す平面図。
【図2】図1の自動標本作製装置の部分構成を示す平面図。
【図3】図1の自動標本作製装置におけるスライドガラス取出機構によりスライドガラス供給用カセットからスライドガラスが取り出される前の状態を示す側面図。
【図4】図3のスライドガラス取出機構によりスライドガラス供給用カセットからスライドガラスが取り出された後の状態を示す側面図。
【図5】図3のスライドガラス取出機構によりスライドガラスが取り出されて印字のための位置まで搬送される状態を示す側面図。
【図6】図1の自動標本作製装置に用いられるスライドガラス収納体の背面図。
【図7】図6のスライドガラス収納体の平面図。
【図8】図6のスライドガラス収納体の下面図。
【図9】図6のスライドガラス収納体の側面図。
【図10】図6のP−P線に沿う断面図。
【図11】図6のQ−Q線に沿う断面図。
【図12】図6のスライドガラス収納体がテーブルに正しくセットされて搬送用ベルトにより搬送される状態を示す背面図。
【図13】図1の自動標本作製装置における、スライドガラスのセットから塗抹処理までの動作を示すフローチャート。
【図14】図1の自動標本作製装置における、塗抹後の検知からスライドガラスのスライドガラス収納体への収納までの動作を示すフローチャート。
【図15】図1の自動標本作製装置における染色処理の全体動作を示すフローチャート。
【図16】図1の自動標本作製装置における収納操作部によりスライドガラスがスライドガラス収納体に収納される前の状態を示す側面図。
【図17】図16の収納操作部によりスライドガラスがスライドガラス収納体に収納された後の状態を示す側面図。
【図18】図1の自動標本作製装置における染色部の第1吸排装置を示す正面図。
【図19】図18の染色部の第2吸排装置および第3吸排装置を示す正面図。
【図20】図18の染色部の第4吸排装置を示す正面図。
【符号の説明】
2 スライドガラス収納体(収納体)
10 スライドガラス
31 収納部
31a 左側壁
31b 右側壁
31c 底壁
31d 前壁
31e 後壁
32 吊下支持部
33 吊下支持部
34 主スペース
35 副スペース
36 左上ガイド(保持用部分)
37 左下ガイド(保持用部分)
38 右上ガイド(保持用部分)
39 右下ガイド(保持用部分)
40 スライドガラス収納口
41 ピペット挿入口(開口部)
44 逆向きセット防止部材(不正セット防止部分)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a slide glass storage body, and more particularly, to a slide glass storage body for storing a specimen slide glass for the purpose of transportation or staining work.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as an automatic specimen preparation device that automatically prepares a specimen by smearing blood on a specimen slide glass, a supply section in which a plurality of slide glasses are laminated, disclosed in JP-A-3-94159, A moving member for moving the slide glass from the supply unit one by one in the lateral direction; a transport unit for transporting the slide glass moved by the moving member to the next process; and a plurality of processed slide glasses. There is known an apparatus (apparatus A) that includes a storage section that holds the blood and drops the blood from a thin tube, smears with a pulling glass, and performs drying with a fan in the transport section.
[0003]
Conventionally, as an automatic specimen preparation apparatus for automatically preparing a specimen by staining a slide glass on which blood has been smeared, blood smear disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 3-70355 is applied. In order to stain blood by immersing the slide glass in the staining tank, it is equipped with a mechanism that feeds the slide glass into the staining tank and a control unit that controls this mechanism, and this control unit uses the staining solution in the staining tank. The number of times of staining or the number of stained specimens is memorized, and the staining time is changed according to this number (apparatus B) or smear specimens disclosed in Japanese Utility Model Publication No. 56-52244 There is known a device (apparatus C) that has a plurality of containers (dyeing tanks) for performing dyeing and that intermittently rotates and conveys a belt on which these containers are fixed step by step.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In the apparatus A, a smear can be produced efficiently and satisfactorily, but when a smear is to be dyed, another smearing apparatus must be used.
[0005]
In the apparatus B, about 10 to 50 slide glasses on which smear has been applied are stored in a staining container and dyed by immersing them in a staining tank containing the staining solution. Although it may be possible to keep the degree of dyeing constant by lengthening the dyeing time depending on the frequency of use, there is a problem that a large amount of dyeing solution is required even when dyeing only a few sheets. That is, the slide glass storage container (staining container) used in the apparatus B is sized to store a maximum of about 50 slide glasses. There is an inconvenience that a large amount of staining solution is required as in the case of the number of samples.
[0006]
In addition, the apparatus C has an advantage that the staining solution is not lost even with a small number of specimens. However, since the staining tank, which is a staining container, is fixed to the belt, the slide glass can be taken in and out. There is a problem that the degree of freedom in handling and control of operations is low.
[0007]
The present invention has been made in view of such a situation, and an object of the present invention is to provide a slide glass container that has a high degree of freedom in handling and controlling the slide glass without waste of staining solution even with a small number of specimens. There is.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
According to the first aspect of the present invention, there is a storage section capable of storing a specimen slide glass and a liquid, and the storage section includes a main space capable of storing a slide glass and a liquid.,liquidCan be storedYes, for supplying liquid to the storage or discharging liquid from the storageWith secondary spaceA partition member for separating the storage portion so that the main space and the sub space communicate with each other;A slide glass container is provided.
[0009]
According to the 2nd viewpoint of this invention, it has the accommodating part which can accommodate the sample slide glass and the liquid, and this accommodating part is a slide glass in one side part and the other side part in a storage part. Biased to one sideRetentionpositionguidein order toGuide memberA slide glass container is provided.
[0010]
[Action]
The specimen slide glass is made of various sizes and materials, and those having or not having a frosted portion, those having a frosted portion or not having a frosted portion, and the like are appropriately selected and used. As an example, the length is 76 mm, the width is 26 mm, the thickness is 0.9 to 1.2 mm, the corner cut and the edge polishing are performed, the colored frost portion is provided, and the length of the frost portion is 15 to 20 mm. There are things.
[0011]
The slide glass storage body according to the first aspect of the present invention has a storage portion. The storage unit can store a predetermined number of slide glasses and can store liquids such as staining liquid and cleaning liquid. As such a slide glass container, for example, a transparent plastic material having a flat shape as a whole is used.
[0012]
This storage unit has a main space where slide glass and liquid can be stored.,liquidCan be storedYes, for supplying liquid to the storage or discharging liquid from the storageWith secondary spaceA partition member for separating the storage portion so that the main space and the sub space communicate with each other;WithCageThe main space is only one slide glass, for exampleStorageFor example, the sub-space has an insertable space such as a pipette or a tube for supplying or discharging the staining liquid or the cleaning liquid.
[0013]
According to such a slide glass storage body, it is possible to store the slide glass in the main space and easily supply and discharge the staining solution and the cleaning solution from the sub space. Therefore, even with a small number of specimens, the staining solution can be wasted, and the degree of freedom in handling and controlling the slide glass is high.
[0014]
Preferably, the storage portion further includes one bottom wall provided over the bottom portion of the main space and the bottom portion of the sub space, and the main space side portion of the bottom wall is configured to be higher than the sub space side portion.
[0015]
When configured in this way, the bottom wall whose main space side portion is higher than the sub space side portion is convenient for supplying and discharging staining solution from the sub space, and in the main space. After dyeing due to the surface tension in the gap between the lower part of the housed slide glass and the side wall of the main space, the dyeing liquid is prevented from remaining in the gap.
[0016]
In this case, the bottom wall is more preferably configured to be inclined downward from the main space side portion toward the sub space side portion.
[0017]
The bottom wall, which is configured to be inclined downward from the main space side portion toward the sub space side portion, further enhances convenience when supplying and discharging staining solution from the sub space and is housed in the main space. After dyeing due to the surface tension in the gap between the lower part of the slide glass and the side wall of the main space, it is more effectively prevented that the dyeing liquid remains in the gap.
[0018]
The sub space in the slide glass container preferably has an opening through which liquid can be sucked and discharged. The opening is provided, for example, for sucking and discharging a staining solution, a cleaning solution, and the like from the sub space by a pipette.
[0019]
When the subspace includes such an opening, a pipette or the like can be inserted into the opening to easily suck and discharge the liquid in the storage portion.
[0020]
The slide glass container in the second aspect of the present invention also has a storage part similar to the slide glass container in the first aspect of the present invention.
[0021]
This storage part biased the slide glass to one side part of the one side part and the other side part in the storage part.Retentionpositionguidein order toGuide memberIt has.Guide memberFor example, the slide glass provided at the entrance and / or inside of the storage unit is biased to one side of the storage unit.RetentionpositionguideIt consists of one or more guides.
[0022]
According to such a slide glass storage body, by holding the slide glass in a position biased to one side portion in the storage portion--for example, the side portion closer to the main space--from the other side portion, Since the cleaning liquid can be easily supplied and discharged, compared to the conventional case, the staining liquid can be discharged even with a small number of samples, and the degree of freedom in handling and controlling the slide glass is high.
[0023]
The storage portion further includes one bottom wall provided over the bottom of the one side and the bottom of the other side, and the one side portion of the bottom wall is configured to be higher than the other side portion. preferable.
[0024]
When configured in this way, the bottom wall in which the one side portion is higher than the other side portion is convenient for supplying and discharging staining solution and the like from the other side portion of the storage portion. And preventing staining liquid from remaining in the gap after dyeing due to the surface tension in the gap between the lower part of the slide glass stored on one side of the storage and the side wall on the one side. .
[0025]
【Example】
Hereinafter, one embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings. Note that the present invention is not limited thereby.
[0026]
In FIG. 1, an automatic specimen preparation device D includes a smearing part 1 for smearing blood on a
[0027]
As shown in FIG. 2, the smearing unit 1 is provided with a slide
[0028]
The slide glass stored in each
[0029]
Taking out the
[0030]
That is, in FIG. 3,
[0031]
The two
[0032]
In FIG. 3, when the
[0033]
When the
[0034]
On the other hand, when the front portion of the
[0035]
Then, after the
[0036]
Next, the structure of the
[0037]
The
[0038]
This space includes a
[0039]
The
[0040]
Between the lower
[0041]
The heights of the two left and right
[0042]
The downward
[0043]
That is, as shown in FIG. 6, the
[0044]
In FIG. 12, 45 and 46 are a pair of conveyance belts for conveying the
[0045]
As shown in FIGS. 6 and 8, the
[0046]
Next, the overall operation of the automatic specimen preparation apparatus D will be described together with the detailed configuration of each part in the apparatus D with reference to the flowcharts of FIGS.
[0047]
As shown in FIG. 13, a specimen container containing a blood sample is attached with a barcode label displaying a specimen number, a date, a reception number, a name, and the like, and is attached to a specimen holding rack. This rack is transported by a rack transport device (“rack transport”) and stopped in front of the automatic specimen preparation device D. Then, the barcode on the barcode label attached to the sample container is read by the barcode reader. Next, sample information is received from the rack transport device, and whether or not there is an order is confirmed. Here, when there is no order, it returns to rack conveyance and conveys the said rack. When there is an order, the sample in the specimen container is agitated and then sucked by the
[0048]
On the other hand, taking out the
[0049]
Next, it is determined whether or not there is the
[0050]
About 5 microliters of the sample sucked by the
[0051]
Next, the
[0052]
Thereafter, the smear confirmation means 52 detects the quality of the smear state. That is, when the smeared
[0053]
As shown in FIG. 2, the
[0054]
The
[0055]
The height dimension of the slit on the light receiving side in these two types of light transmission sensors that detect the movement of the
[0056]
In FIG. 2, an
[0057]
The
[0058]
The left side in FIG. 16 shows the front part of the storage operation unit 4, and the right side shows the rear part of the storage operation unit 4. In FIG. 16, the storage operation unit 4 is arranged in a state of extending in the front-rear direction and in parallel with each other, and a pair of slide
[0059]
The connecting
[0060]
The
[0061]
A
[0062]
In FIG. 16, the solid line indicates the position (initial position) of each member before the storage operation unit 4 starts to operate. In FIG. 16, when the
[0063]
Then, the
[0064]
When the
[0065]
At this time, the
[0066]
Next, as shown in FIG. 17, the
[0067]
The position of the second slide glass 10-2 at the final position in FIG. 17 is equal to the position of the first slide glass 10-1 at the initial position in FIG. Further, immediately after the second slide glass 10-2 at the final position, the third slide glass 10-3 following the second slide glass 10-2 is conveyed.
[0068]
When the
[0069]
Then, the rear upper end of the
[0070]
When returning from the final position to the initial position, the
[0071]
As described above, the
[0072]
The
[0073]
A housing interrupt
[0074]
As shown in FIG. 14, the
[0075]
That is, as shown in FIG. 1, the dyeing | staining
[0076]
The
[0077]
Then, about 6 milliliters of the May liquid supplied through the staining liquid supply tube (not shown) is dispensed from the
[0078]
The second intake /
[0079]
The
[0080]
When the
[0081]
At this position, all the May liquid in the
[0082]
In order to prevent the May liquid from adhering to the outer surface of the
[0083]
After completing the May fixing process, about 6 milliliters of the May dilution liquid supplied through the staining liquid supply tube (not shown) of the second suction /
[0084]
The third suction /
[0085]
At this position, the May dilution liquid in the
The time from the May dilution liquid dispensing to the May dilution liquid discharge, that is, the May staining treatment time can be arbitrarily set between 1 and 5 minutes.
[0086]
This May dyeing process is omitted when the total dyeing process time is reduced or the running cost is reduced, and the
[0087]
When the May staining process or the washing process is finished, the staining Giemsa solution supplied through the staining solution supply tube (not shown) of the third suction /
[0088]
The fourth intake /
[0089]
The length of the
[0090]
The
[0091]
When the
[0092]
At this position, the Giemsa liquid in the
[0093]
In order to prevent the Giemsa solution from adhering to the outer surface of the
[0094]
After finishing the Giemsa staining process, the wash water (for example, ion exchange water) supplied through the wash water supply tube (not shown) of the fourth suction /
[0095]
In order to temporarily stop the
[0096]
The
[0097]
The
[0098]
The
[0099]
In this manner, a predetermined number of
[0100]
【The invention's effect】
Since the slide glass storage body according to the present invention is configured as described above, the following remarkable effects can be obtained.
[0101]
That is, the slide glass storage body according to claim 1 has a storage portion capable of storing the slide glass for specimen and liquid, and this storage portion is capable of storing slide glass and liquid. With space,liquidCan be storedYes, for supplying liquid to the storage or discharging liquid from the storageWith secondary spaceA partition member for separating the storage portion so that the main space and the sub space communicate with each other;It has. Therefore, the slide glass can be stored in the main space, and the staining solution and washing solution can be easily supplied and discharged from the sub space. In addition, there is an effect that the degree of freedom in handling and controlling the slide glass is high.
[0102]
In the slide glass storage body according to
[0103]
In the slide glass storage body according to
[0104]
In the slide glass container according to the fourth aspect, the subspace includes an opening through which liquid can be sucked and discharged. Therefore, in addition to the above-described effect achieved by the slide glass container according to the first aspect, a pipette or the like can be inserted into the opening to easily suck and discharge the liquid in the container.
[0105]
In the slide glass storage body according to
[0106]
In the slide glass storage body according to
In the slide glass storage body according to
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a plan view showing the overall configuration of an automatic specimen preparation apparatus in which a slide glass container according to one embodiment of the present invention is used.
FIG. 2 is a plan view showing a partial configuration of the automatic specimen preparation device of FIG. 1;
3 is a side view showing a state before the slide glass is taken out from the slide glass supply cassette by the slide glass take-out mechanism in the automatic specimen preparation apparatus of FIG. 1. FIG.
4 is a side view showing a state after the slide glass is taken out from the slide glass supply cassette by the slide glass take-out mechanism of FIG. 3;
5 is a side view showing a state in which the slide glass is taken out by the slide glass take-out mechanism of FIG. 3 and conveyed to a position for printing.
6 is a rear view of a slide glass container used in the automatic specimen preparation device of FIG. 1. FIG.
7 is a plan view of the slide glass container of FIG. 6. FIG.
8 is a bottom view of the slide glass container of FIG. 6. FIG.
9 is a side view of the slide glass container of FIG. 6;
10 is a cross-sectional view taken along the line P-P in FIG. 6;
11 is a sectional view taken along line QQ in FIG. 6;
12 is a rear view showing a state in which the slide glass container of FIG. 6 is correctly set on a table and conveyed by a conveying belt.
FIG. 13 is a flowchart showing the operation from the setting of the slide glass to the smearing process in the automatic specimen preparation device of FIG. 1;
14 is a flowchart showing operations from detection after smearing to storage of a slide glass in a slide glass container in the automatic specimen preparation device of FIG. 1;
15 is a flowchart showing an overall operation of a staining process in the automatic specimen preparation device of FIG.
16 is a side view showing a state before the slide glass is stored in the slide glass storage body by the storage operation unit in the automatic specimen preparation device of FIG. 1. FIG.
17 is a side view showing a state after the slide glass is stored in the slide glass storage body by the storage operation unit of FIG. 16;
18 is a front view showing a first suction / discharge device of a staining section in the automatic specimen preparation device of FIG.
19 is a front view showing a second suction / discharge device and a third suction / discharge device of the dyeing portion of FIG. 18;
20 is a front view showing a fourth intake / exhaust device of the dyeing portion of FIG. 18;
[Explanation of symbols]
2 Slide glass container (container)
10 Slide glass
31 Storage section
31a Left side wall
31b right side wall
31c Bottom wall
31d front wall
31e rear wall
32 Suspension support part
33 Suspension support part
34 Main space
35 Secondary space
36 Upper left guide (holding part)
37 Lower left guide (holding part)
38 Upper right guide (holding part)
39 Lower right guide (holding part)
40 Slide glass storage port
41 Pipette insertion opening (opening)
44 Reverse set prevention member (Illegal set prevention part)
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