JP3703937B2 - Vehicle steering device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両を自動操舵することのできるステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、道路から送られる誘導信号や、道路や周囲の状況の検出信号等に基づき制御装置により指令信号を生成し、その指令信号に基づき操舵力発生用アクチュエータが発生する操舵力により車両を自動操舵するステアリング装置の開発が進められている。
【0003】
そのような自動操舵時において、上記操舵力発生用アクチュエータが発生する操舵力以外に、走行路における凹凸や横風等の外乱により、車両に操舵力が付加される場合がある。
【0004】
そこで、車両の舵角変化に対応する車両のヨーレートや横加速度等の値を検知し、その検知した値に応じて操舵力発生用アクチュエータを制御することで、その外乱による付加操舵力の影響を補償していた。
【0005】
また、そのようなステアリング装置においては、緊急事態等に対処するため、自動操舵モードから、ドライバーが操舵力を発生させる通常操舵モードに切り換え可能であることが要望されている。
【0006】
そこで、そのアクチュエータへの指令信号に対応する指令舵角と実際の舵角との偏差を求める手段を設け、その偏差が設定値以上である時はドライバーが自動操舵に逆らっていると判断し、自動操舵モードから通常操舵モードに切り換えることが考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術では、外乱による付加操舵力の影響を車両の舵角変化に対応する値に応じて補償している。換言すれば、実際に舵角が変化した後に、その付加操舵力の相殺していた。そのため、補償が遅れ、外乱により車両の挙動が不安定になるという問題があった。
【0008】
また、その操舵力発生用アクチュエータの発生する操舵力に逆らってドライバーが舵角を実際に変化させる場合、ドライバーは大きな労力と時間とを要する。そのため、緊急事態に迅速に対処できないという問題がある。
【0009】
また、その操舵力発生用アクチュエータの発生する操舵力以外に付加される操舵力が、外乱による付加操舵力かドライバーによる付加操舵力かを判定することができなかった。そのため、外乱による付加操舵力を、ドライバーによる操舵力である誤判定し、自動操舵モードから通常操舵モードに誤って切り換えられるという問題がある。
【0010】
また、凍結路面のような摩擦係数の小さい路面においては、通常の路面と同様の操舵を行うと車両の挙動を制御できなくなる。そのため、自動操舵を行うことは困難である。しかし、従来技術では、自動操舵時に路面の摩擦係数が小さくなる事態に何ら対処できなかった。
【0011】
また、自動操舵時に操舵補助力発生用アクチュエータの作動が不慮にロックされた場合に対するフェイルセーフ機能も充分ではなかった。
【0012】
本発明は、上記問題を解決することのできる車両のステアリング装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の車両のステアリング装置は、自動操舵モードにおいて制御装置からの信号に基づき操舵力を発生させる操舵力発生用アクチュエータと、その操舵力を車輪に伝達するステアリングシャフトと、その操舵力発生用アクチュエータが発生する操舵力以外に車両に外部から付加される操舵力に対応する値として、その付加操舵力に基づきステアリングシャフトにより伝達されるトルクを求める手段とを備え、その求められた付加操舵力を相殺する操舵力を発生するように、その操舵力発生用アクチュエータが制御されることを特徴とする。
車両に外部から操舵力が付加された場合、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクは実際の舵角が変化する前に変化する。よって、車両に外部から付加される操舵力に対応する値としてステアリングシャフトにより伝達されるトルクを求め、その求めた付加操舵力を相殺するように操舵力発生用アクチュエータを制御することで、外乱による付加操舵力により実際に舵角が変化する前に、その付加操舵力の影響を補償できる。
【0014】
本発明において、前記自動操舵モードと、ドライバーが発生させる操舵力を前記ステアリングシャフトを介し車輪に伝達する通常操舵モードとの間で操舵モードが切り換え可能とされ、その自動操舵モードにおいて、前記操舵力発生用アクチュエータが発生する操舵力以外の付加操舵力が、ドライバーにより付加されたのか車両に外部から付加されたのかを判断する手段が設けられ、その付加操舵力がドライバーにより付加され、且つ、その付加操舵力に対応するトルクが設定値以上である時に、自動操舵モードから通常操舵モードに切り換える手段が設けられているのが好ましい。
この構成によれば、自動操舵中にドライバーが操舵力を付加するだけで、実際の舵角を変化させることなく、通常操舵モードに切り換えることができる。これにより、緊急事態等において迅速に自動操舵モードから通常操舵モードに切り換えることができる。
しかも、その自動操舵中に付加される操舵力が、ドライバーにより付加されたのか、走行路における凹凸や横風等の外乱に基づき車両に外部から付加されたのかを判断するので、その車両に外部から付加される操舵力により、自動操舵モードから通常操舵モードに誤って切り換えられるのを防止できる。
【0015】
本発明において、前記操舵力発生用アクチュエータが発生する操舵力の方向と同一方向に車両に外部から操舵力が付加され、且つ、その付加操舵力に対応するトルクの絶対値が設定値以上である時に、自動操舵モードから通常操舵モードに切り換える手段を備えるのが好ましい。
路面の摩擦係数が減少すると、車輪に作用する操舵抵抗が減少するため、操舵力発生用アクチュエータが発生する操舵力の方向と同一方向に車両に外部から操舵力が付加されることになる。よって、その付加操舵力に対応するトルクの絶対値が設定値以上である時に自動操舵モードから通常操舵モードに切り換えることで、路面の摩擦係数が小さい場合に自動操舵を解除できる。
【0016】
本発明のステアリング装置は、操舵補助力発生用アクチュエータと、その操舵補助力発生用アクチュエータの作動がロックされた時に、そのロックを解除すると共に、前記操舵力発生用アクチュエータの出力を操舵補助力発生用アクチュエータによる操舵補助力分だけ増加させる手段とを備えるのが好ましい。
これにより、操舵補助力発生用アクチュエータの作動がロックされた場合でも、車両の操舵を行うことができる。しかも、操舵力発生用アクチュエータにより、操舵補助力発生用アクチュエータによる操舵補助力の欠如を補償できるので、操舵性能を維持できる。
【0017】
そのステアリングシャフトのステアリングホイール側と車輪側とは、そのステアリングシャフトにより伝達されるトルクに応じて弾性的に相対回転可能とされ、そのステアリングシャフトのステアリングホイール側での回転角に対応する値を時系列に求める手段と、そのステアリングシャフトの車輪側での回転角に対応する値を時系列に求める手段とが設けられ、そのステアリングシャフトのステアリングホイール側での回転角の変化が、車輪側での回転角の変化に先行する時、その付加操舵力はドライバーにより付加されたと判断し、そのステアリングシャフトの車輪側での回転角の変化が、ステアリングホイール側での回転角の変化に先行する時、その付加操舵力は車両に外部から付加されたと判断するのが好ましい。
そのトルクの変化がドライバーにより付加された操舵力に基づく場合、そのステアリングシャフトのステアリングホイール側での回転角の変化は、車輪側での回転角の変化に先行する。そのトルクの変化が車両に外部から付加された操舵力に基づく場合、そのステアリングシャフトの車輪側での回転角の変化は、ステアリングホイール側での回転角の変化に先行する。これにより、その付加操舵力が、ドライバーにより付加されたのか車両に外部から付加されたのかを確実に判断することができる。
【0018】
前記操舵力発生用アクチュエータは、そのステアリングシャフトと同心に同行回転するロータと、そのロータを囲むステータと、そのロータの回転角の検出器とを有するブラシレスモータとされ、そのロータの回転角の検出器により、そのステアリングシャフトのステアリングホイール側での回転角に対応する値が時系列に求められ、その操舵力発生用アクチュエータよりも車輪側におけるステアリングシャフトの回転角の第2検出器が設けられ、その第2検出器により、そのステアリングシャフトの車輪側での回転角に対応する値が時系列に求められ、そのロータの回転角の検出器により求められるステアリングシャフトの回転角と、その第2検出器により求められるステアリングシャフトの回転角との差から、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクが求められるのが好ましい。
この構成によれば、自動操舵モードにおいて操舵力を発生させるブラシレスモータのロータがステアリングシャフトと同心に同行回転するので、コンパクトな構造になる。また、そのロータの回転角の検出器により、そのステアリングシャフトのステアリングホイール側での回転角の変化に対応する値を時系列に求めることができるので、専用の検出器が不要になる。また、そのロータの回転角の検出器と第2検出器の出力とから、付加操舵力に対応するトルクを求めるので、専用のトルクセンサが不要になる。
【0019】
本発明のステアリング装置は、操舵補助力発生用の油圧アクチュエータと、その油圧アクチュエータに圧油を供給するポンプと、そのポンプを駆動するモータと、そのポンプ駆動用モータの回転速度を、操舵補助の必要時に操舵補助速度にし、操舵補助を必要としない時に待機速度にする手段とを備え、通常操舵モードにおいて、そのポンプ駆動用モータの回転速度が待機速度から操舵補助速度に増速する時に、その増速開始から一定期間だけ、前記操舵力発生用アクチュエータにより操舵補助力を発生可能であるのが好ましい。
これにより、そのポンプ駆動用モータを操舵補助の不要時に待機速度にして省エネルギー化を図る場合に、そのポンプ駆動用モータが待機速度から操舵補助速度まで増速するまでの立ち上がり期間において、ポンプにより操舵補助力発生用油圧アクチュエータに充分な量の圧油を供給できなくても、充分な操舵補助力を付与することができる。これにより、通常操舵モードにおける操舵フィーリングを向上できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0021】
図1に示すラックピニオン式ステアリング装置1は、ドライバーが発生させる操舵力をステアリングホイールHからステアリングシャフトを介して車輪Wに伝達する。また、後述のブラシレスモータ50が発生させる操舵力をステアリングシャフトを介して車輪Wに伝達する。
【0022】
そのステアリングシャフトは、そのステアリングホイールHに連結される入力シャフト2と、この入力シャフト2にトーションバー3を介し連結される出力シャフト4とを備えている。そのトーションバー3はピン5を介し入力シャフト2に連結され、また、セレーション6を介し出力シャフト4に連結されている。その出力シャフト4にピニオン7が形成され、このピニオン7に噛み合うラック8の各端に車輪Wが連結される。その入力シャフト2は、その外周に一体化されたスリーブ2aとベアリング9とを介してモータハウジング10cに支持され、また、ブッシュ11を介して出力シャフト4に支持されている。その出力シャフト4は、ベアリング12、13を介してラックハウジング10bに支持されている。そのラックハウジング10bとモータハウジング10cは、バルブハウジング10aを介して一体化されている。
【0023】
その入力シャフト2は、操舵力に基づく操舵トルクにより回転する。その入力シャフト2の回転はトーションバー3、出力シャフト4を介してピニオン7に伝達される。そのピニオン7の回転によりラック8は軸方向に移動する。このラック8の移動により車輪が転舵される。この際、そのステアリングシャフトのステアリングホイール側の入力シャフト2と車輪W側の出力シャフト4とは、操舵トルクに応じてトーションバー3が弾性的に捩じれることで、弾性的に同軸中心に相対回転する。
【0024】
なお、その入出力シャフト2、4とバルブハウジング10aとの間にオイルシール14、15が設けられている。また、そのラック8を支持するサポートヨーク16が設けられ、このサポートヨーク16はバネ17の弾力によりラック8に押し付けられている。
【0025】
操舵補助力を発生させる油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)18が設けられている。その油圧シリンダ18は、ラックハウジング10bにより構成されるシリンダチューブと、ラック8に一体化されるピストン20とを有し、そのピストン20により仕切られる第1油室21と第2油室22とを有する。
【0026】
各油室21、22は、操舵力に基づき作動するロータリー式油圧制御弁23に接続される。この制御弁23によりポンプ37から油圧シリンダ18に供給される圧油の油圧が制御されることで、操舵補助力が発生する。
【0027】
すなわち、その制御弁23は、筒状の第1バルブ部材24と、この第1バルブ部材24に同軸心に相対回転可能に挿入される第2バルブ部材25とを備えている。その第1バルブ部材24は、バルブハウジング10aに相対回転可能に挿入され、出力シャフト4にピン26を介し同行回転可能に取り付けられる。その第2バルブ部材25は入力シャフト2の外周に一体的に形成されることで、入力シャフト2と同行回転する。これにより、第1バルブ部材24と第2バルブ部材25とは、上記ステアリングシャフトにより伝達される操舵トルクに応じてトーションバー3がねじれることで、弾性的に相対回転する。その相対回転量に応じて油圧シリンダ18にポンプ37から供給される圧油の油圧が制御される。
【0028】
すなわち、図2に示すように、その第1バルブ部材24の内周と第2バルブ部材25の外周とに軸方向に沿う複数の凹部が周方向等間隔に形成されている。その第1バルブ部材側凹部は、互いに周方向等間隔に位置する右操舵用凹部27と左操舵用凹部28とで構成される。その第2バルブ部材側凹部は、互いに周方向等間隔に位置する圧油供給用凹部29と圧油排出用凹部30とで構成される。各右操舵用凹部27と各左操舵用凹部28とは周方向に交互に配置され、各圧油供給用凹部29と各圧油排出用凹部30とは周方向に交互に配置される。
【0029】
各右操舵用凹部27は、第1バルブ部材24に形成された第1流路31およびバルブハウジング10aに形成された第1ポート32から、油圧シリンダ18の第1油室21に通じる。
【0030】
各左操舵用凹部28は、第1バルブ部材24に形成された第2流路33およびバルブハウジング10aに形成された第2ポート34から、油圧シリンダ18の第2油室22に通じる。
【0031】
各圧油供給用凹部29は、第1バルブ部材24に形成された第3流路35と、バルブハウジング10aに形成された入口ポート36を介してポンプ37に通じる。
【0032】
各圧油排出用凹部30は、第2バルブ部材25に形成された第1排出路38、入力シャフト2とトーションバー3の内外周間の通路47、バルブハウジング10aに形成された排出ポート40を介してタンク41に通じる。
【0033】
これにより、第1バルブ部材24と第2バルブ部材25の内外周間に形成された弁間油路42を介して、その油圧シリンダ18の各油室21、22とポンプ37とが接続される。そのポンプ37はモータ64により駆動され、例えば、そのポンプ駆動用モータ64の回転速度に応じた流量の圧油を吐出するベーンポンプやギヤポンプにより構成できる。その弁間油路42において、第1バルブ部材側凹部と第2バルブ部材側凹部の間は、両バルブ部材24、25の相対回転により開度が変化する絞り部A、B、C、Dとされる。各絞り部A、B、C、Dの開度が操舵トルクに応じ変化することで、油圧シリンダ18に作用する油圧が制御される。図3は、その油圧回路を示す。
【0034】
図2は、操舵が行なわれていない直進操舵位置での両バルブ部材24、25の相対位置を示しており、この状態においては各圧油供給用凹部29と各圧油排出用凹部30との間の絞り部A、B、C、Dの開度は一定である。
【0035】
直進操舵位置から右方へ操舵すると、操舵トルクに応じたトーションバー3の捩じれによる両バルブ部材24、25の相対回転量に応じて、各右操舵用凹部27と各圧油供給用凹部29との間の絞り部Aの開度および各左操舵用凹部28と各圧油排出用凹部30との間の絞り部Bの開度が大きくなり、各左操舵用凹部28と各圧油供給用凹部29との間の絞り部Cの開度および各右操舵用凹部27と各圧油排出用凹部30との間の絞り部Dの開度が小さくなる。これにより、ポンプ37から第1油室21へ操舵トルクに応じた圧油が供給され、第2油室22からタンク41へ油が還流され、車両の右方への操舵補助力がラック8に作用する。
【0036】
直進操舵位置から左方へ操舵すると、各絞り部A、B、C、Dの開度は右方へ操舵した場合と逆に変化するので、車両の左方への操舵補助力がラック8に作用する。
【0037】
その油圧シリンダ18が作動しているか否かを検知するため、その油圧シリンダ18のピストンロッドを構成するラック8の動きを検知するセンサ44が設けられている。そのセンサ44は、例えばポテンショメータにより構成できる。
【0038】
その油圧シリンダ18の作動が不慮にロックされた時に、そのロックを解除するための電磁開閉弁43が、制御装置61に接続されている。その電磁開閉弁43は、その油圧シリンダ18の第1油室21と第2油室22との連通路を通常は閉鎖し、そのロック時に後述のように制御装置61から励磁電流がソレノイド43aに印加されることで、両油室21、22を互いに連通させる。
【0039】
図1に示すように、操舵力発生用のアクチュエータとして3相ブラシレスモータ50が設けられている。そのブラシレスモータ50は、上記モータハウジング10cの内部において、入力シャフト2にスリーブ2aを介して同心に同行回転するように取り付けられるロータ51と、そのロータ51を囲むようにモータハウジング10cに取り付けられるステータ52と、そのロータ51の回転角を検出する検出器とを有する。その検出器は、入力シャフト2にスリーブ2aを介して一体化される回転子53aと、モータハウジング10cに取り付けられる固定子53bとを有する第1レゾルバ53により構成される。上記制御弁23は、このブラシレスモータ50よりも車輪W側に配置される。
【0040】
その制御弁23よりも車輪W側において、ステアリングシャフトの回転角を検出する第2レゾルバ65が設けられている。その第2レゾルバ65は、上記出力シャフト4に一体化される回転子65aと、上記ラックハウジング10bに取り付けられる固定子65bとを有する。
【0041】
そのブラシレスモータ50のステータ52のコイルと、第1レゾルバ53の固定子53bとは、制御装置61に接続される。その制御装置61に、モード切り換えスイッチ62と、入力装置63と、上記ポンプ駆動用モータ64と、第2レゾルバ65の固定子65bと、車速センサ70とが接続される。
【0042】
そのモード切り換えスイッチ62の操作により、自動操舵モードと通常操舵モードとの間で車両の操舵モードを切り換えることが可能とされている。その自動操舵モードにおいては、制御装置61からの指令信号に基づきブラシレスモータ50が操舵力を発生させ、その通常操舵モードにおいてはドライバーが操舵力を発生させる。
【0043】
その入力装置63に、例えば、走行路やガードレールに設けられた発信器から発信される標識信号や、他車両に設けられた発信器から発信される衝突危険性を報知する警報信号や、道路の走行ラインの検知信号等の誘導信号が入力される。自動操舵モードにおいて誘導信号が入力装置63から入力されると、制御装置61は、その誘導信号に従って車両を操舵するのに必要な目標舵角と、実際の出力舵角との偏差をなくすための指令信号を出力する。その指令信号によりブラシレスモータ50が駆動される。そのブラシレスモータ50が発生する操舵力は、通常操舵モードにおいてドライバーが発生させる操舵力と同様に、ステアリングシャフトを介して車輪Wに伝達される。
【0044】
また、その制御装置61は、その自動操舵時に、ブラシレスモータ50が発生する操舵力以外に付加される操舵力に対応する値として、その付加操舵力に基づきステアリングシャフトにより伝達されるトルクを、その第1レゾルバ53と第2レゾルバ65の出力から求める。
【0045】
すなわち、その入力シャフト2と出力シャフト4とは、操舵トルクに応じてトーションバー3が弾性的に捩じれることで、弾性的に同軸中心に相対回転する。よって、その第1レゾルバ53により検出される入力シャフト2の回転角と、第2レゾルバ65により検出される出力シャフト4の回転角との差は、そのステアリングシャフトにより伝達されるトルクに対応する。
【0046】
図4の(1)は、その第1レゾルバ53の出力と入力シャフト2の回転角との関係を示す。制御装置61は、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクが零で、操舵角が零である時の第1レゾルバ53の出力Eaoを、入力シャフト2の基準位置Pでの基準出力として記憶する。制御装置61は、その第1レゾルバ53の実際の出力と基準出力Eaoとの差から、ロータ51の回転角とステアリングシャフトのステアリングホイールH側での回転角を時系列に求める。
【0047】
図4の(2)は、その第2レゾルバ65の出力と出力シャフト4の回転角との関係を示す。制御装置61は、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクが零で、操舵角が零である時の第2レゾルバ65の出力Eboを、出力シャフト4の基準位置Pでの基準出力として記憶する。制御装置61は、その第2レゾルバ65の実際の出力と基準出力Eboとの差から、ステアリングシャフトの車輪W側での回転角を時系列に求める。
【0048】
各レゾルバ53、65の出力は正弦波形であるため、出力が同一であっても回転角が異なる場合がある。そこで、その第1レゾルバ53の基準出力Eaoと第2レゾルバ65の基準出力Eboとを異なるものとしている。これにより、両レゾルバ53、65の出力を互いに比較することで、回転角を正確に求めることができ、基準位置Pを求めるための専用の検出器が不要になるのでコストを低減できる。すなわち、第1レゾルバ53の出力が基準出力Eaoであるとき、第2レゾルバ64の出力が基準出力Eboであれば、ロータ51とステアリングシャフトとは基準位置にあって、その回転角は零である。
【0049】
なお、ステアリングシャフトの回転角が各レゾルバ53、65の出力の正弦波形の1周期を超える場合に対応するため、制御装置61は、各レゾルバ53、65の出力の正弦波形の1周期毎にパルス信号を生成し、そのパルス毎に正弦波形の1周期分のステアリングシャフトの回転角を、各レゾルバ53、65の実際の出力と基準出力Eboとの差から求める回転角に加算する。
【0050】
図5は、上記構成による自動操舵モードでの制御系を示すブロック線図で、制御装置61において、車両の目標舵角θqと実際の出力舵角θoとの偏差と、伝達関数C1とから、目標トルクTqが演算される。その実際の出力舵角θoは、ステアリングシャフトの車輪W側での回転角に対応する。その目標トルクTqは、車速センサ70により検知される車速に対応した値とされる。その伝達関数C1は、その目標舵角θqと出力舵角θoとの偏差と、その偏差を補償する上で必要なトルクとの関係から実験により求めることができる。
その目標トルクTqとステアリングシャフトにより伝達される全トルクTとの偏差に、後述の補償トルクTcを加えたトルクと、伝達関数C2とから、目標モータ駆動電流Iqが演算される。その伝達関数C2は、ブラシレスモータ50のトルク定数をKt、ラプラス演算子をsとして、C2=1/(Kt×s)とすることができる。
その目標モータ駆動電流Iqとブラシレスモータ50の実際の駆動電流Iaとの偏差と、伝達関数C3とから、モータ印加電力Eqが演算される。その伝達関数C3は、K1を電流制御比例ゲイン、K2を電流制御積分ゲイン、τを電流制御積分時定数、ラプラス演算子をsとして、C3=K1+K2/(τ×s)とすることができる。
そのモータ印加電力Eqがブラシレスモータ50に常閉接点49を介して印加される。
そのブラシレスモータ50の駆動電流Iaは、そのモータ印加電力Eqとモータ出力電力Eaとの偏差と伝達関数C4とから求まる。その伝達関数C4は、Lをブラシレスモータ50のインダクタンス、Rをブラシレスモータ50の内部抵抗、ラプラス演算子をsとして、C4=1/(L×s+R)により求めることができる。そのモータ出力電力Eaは、ブラシレスモータ50の出力軸回転数、すなわち、ステアリングシャフトのステアリングホイールH側での回転角速度ωiと、伝達関数C5とから求まる。その伝達関数C5は、ブラシレスモータ50の誘起電圧定数に対応する。
そのブラシレスモータ50の出力トルクTaは、駆動電流Iaと、伝達関数C6とから求まる。その伝達関数C6は、ブラシレスモータ50のトルク定数に対応する。
そのブラシレスモータ50の出力トルクTaと、ドライバーが付加する操舵トルクThとの和と、伝達関数C7とから、ブラシレスモータ50の出力軸回転数、すなわち、ステアリングシャフトのステアリングホイールH側での回転角速度ωiが求まる。その伝達関数C7は、ステアリング装置の入力シャフト2側での慣性をIi、入力シャフト2側での粘性抵抗をCi、ラプラス演算子をsとして、C7=1/(Ii×s+Ci)により求めることができる。
そのブラシレスモータ50の出力軸回転数ωiの積分値が、ステアリングシャフトのステアリングホイールH側での回転角θiになる。
そのステアリングシャフトのステアリングホイールH側での回転角θiと車輪W側での回転角θoとの偏差と、伝達関数C8とから、ステアリングシャフトにより伝達される全トルクTが求まる。その伝達関数C8はトーションバー3の捩じりバネ定数に対応する。
そのステアリングシャフトにより伝達される全トルクTと、伝達関数C9とから、操舵補助力発生用油圧シリンダ18の出力トルクTvが求まる。その伝達関数C9は、その油圧シリンダ18に供給される圧油の上記制御弁23による油圧制御特性から求められる。
その油圧シリンダ18の出力トルクTvと車両に外部から付加される操舵力に対応する外乱トルクTdとの和と、伝達関数C10とから、ステアリングシャフトの車輪W側での回転角速度ωoが求まる。その伝達関数C10は、ステアリング装置の出力シャフト4側での慣性をIo、出力シャフト4側での粘性抵抗をCo、ラプラス演算子をsとして、C7=1/(Io×s+Co)により求めることができる。
そのステアリングシャフトの車輪W側での回転角速度ωoの積分値が、ステアリングシャフトの車輪W側での回転角θoになる。
【0051】
図6のフローチャートは、その制御装置61による操舵モードの切り換え制御手順を示す。
【0052】
その制御装置61は、まず、現時点が自動操舵モードか否かを判断する(ステップ1)。自動操舵モードであれば、ブラシレスモータ50を駆動することで自動操舵を行う(ステップ2)。
【0053】
その自動操舵時に、そのブラシレスモータ50が発生する操舵力以外の付加操舵力が、ドライバーにより付加されたのか車両に外部から付加された外乱なのかを判断する(ステップ3)。その付加操舵力が外乱である場合は自動操舵を継続する。
すなわち、そのステアリングシャフトのステアリングホイールH側での回転角の変化が、車輪W側での回転角の変化に先行する時、その付加操舵力はドライバーにより付加されたと判断する。一方、そのステアリングシャフトの車輪W側での回転角の変化が、ステアリングホイールH側での回転角の変化に先行する時、その付加操舵力は車両に外部から付加されたと判断する。本実施形態では、そのステアリングシャフトのステアリングホイールH側での回転角速度ωiと車輪W側での回転角速度ωoとの偏差を求め、制御装置61の判定部61aにおいて、ステアリングホイールH側での回転角速度ωiが車輪W側での回転角速度ωoよりも大きければドライバーにより付加されたと判断し、車輪W側での回転角速度ωoがステアリングホイールH側での回転角速度ωiよりも大きければ車両に外部から付加されたと判断する。
【0054】
その付加操舵力がドライバーにより付加された場合(ステップ3でNo)、判定部61aにおいて、その付加操舵力に対応するトルクThが設定値T1以上か否かを判断する(ステップ4)。
すなわち、上記第1レゾルバ53により求められるステアリングシャフトの回転角と、その第2レゾルバ65により求められるステアリングシャフトの回転角との差から、ステアリングシャフトにより伝達される全トルクTを求め、その全トルクTから、上記ブラシレスモータ50が発生させる操舵力によるトルクを差し引くことで、その付加操舵力に対応するトルクThを求める。そのブラシレスモータ50が発生させる操舵力によるトルクは、そのブラシレスモータ50の駆動電流Iaの値から求める。
【0055】
そのドライバーの付加操舵力に対応するトルクThが設定値T1以上である場合、上記常閉接点49に開信号を出力する。これにより、ブラシレスモータ50に印加される電力が断たれ、自動操舵モードが解除されて通常操舵モードに切り換えられる(ステップ5)。その設定値T1は、操舵の意思を示す時にドライバーが発生する操舵力に基づき定めることができる。
【0056】
そのドライバーの付加操舵力に対応するトルクThが設定値T1未満である場合、自動操舵を継続する。
【0057】
ステップ3において、その付加操舵力が外乱により車両に外部から付加された場合、判定部61aにおいて、その付加操舵力が、そのブラシレスモータ50が発生する操舵力の方向と同一方向か否かを判断する(ステップ6)。
すなわち、上記ステアリングシャフトにより伝達される全トルクが、ブラシレスモータ50が発生させる操舵力によるトルクよりも小さい時、両操舵力の方向は同一方向であると判断する。
【0058】
ステップ6において、そのブラシレスモータ50が発生する操舵力の方向と付加操舵力の方向とが同一方向である場合、判定部61aにおいて、その付加操舵力に対応する外乱トルクTdの絶対値が設定値T2以上であるか否かを判断する(ステップ7)。
【0059】
その外乱トルクTdの絶対値が設定値T2以上である時、警報信号を発し(ステップ8)、しかる後に上記常閉接点49に開信号を出力し、自動操舵モードを解除して通常操舵モードに切り換える(ステップ5)。その警報信号によりドライバーに警報を発するブザーやランプ等の警報装置(図示省略)を作動させる。なお、その自動操舵モードから通常操舵モードへの切り換え前に、一時的に車輪Wの舵角が変化しないようにブラシレスモータ50に操舵力を発生させることで、車両の安定化を図るようにしてもよい。
【0060】
ステップ6において、そのブラシレスモータ50が発生する操舵力の方向と付加操舵力の方向とが同一方向でない時、ステップ7において外乱トルクTdの絶対値が設定値T2未満である時、その外乱トルクTdを相殺する操舵力を発生するようにブラシレスモータ50を制御し、外乱の影響を補償する(ステップ9)。
すなわち、その外乱トルクTdを相殺するための補償トルクTcを演算し、その補償トルクTcを上記目標トルクTqに加えることで、その付加操舵力を相殺する操舵力を発生するようにブラシレスモータ50を制御する。その外乱トルクTdから補償トルクTcを求めるための演算式は予め実験により求めることができる。
【0061】
通常操舵モードおよび自動操舵モードの双方において、その制御装置61は、上記ポンプ駆動用モータ64の回転速度を、操舵補助の必要時に操舵補助速度にし、操舵補助を必要としない時に待機速度にする指示信号を出力する。
すなわち、ステアリングシャフトにより伝達される全トルクTが操舵の必要性に応じて予め定めた設定値以上であれば、その制御装置61はポンプ駆動用モータ64の回転速度を操舵補助速度とする指示信号を出力する。その操舵補助速度は、そのポンプ37から送り出される圧油の流量が操舵補助に必要な流量になるように予め設定される速度である。その操舵補助速度は、車速センサ70により検知される車速に応じて変化するものとされる。すなわち、低車速では操舵補助力を大きくして車両の旋回性能を向上し、高車速では操舵補助力を小さくして車両の走行安定性を向上できるように、その操舵補助速度は決定される。
また、そのステアリングシャフトにより伝達される全トルクTが設定値未満であれば、判定部61aはポンプ駆動用モータ64の回転速度を待機速度とする指示信号を出力する。その待機速度は、上記操舵補助速度よりも小さな予め設定される速度であって、本実施形態では零とされるが、零よりも大きな値であってもよい。これにより、省エネルギー化を図ることができる。
【0062】
通常操舵モードにおいて、そのポンプ駆動用モータ64の回転速度が待機速度から操舵補助速度に増速する時に、増速開始から一定期間だけ、上記ブラシレスモータ50に駆動指令信号を出力する。これにより、そのブラシレスモータ50が操舵補助力を発生する。そのブラシレスモータ50が発生する操舵補助力の大きさは、ポンプ駆動用モータ64が操舵補助速度において発生する操舵補助力を確保できる大きさとされる。そのブラシレスモータ50に操舵補助力を発生させる上記増速開始からの一定期間は、ドライバーの操舵フィーリングを向上できるように設定すればよい。
【0063】
自動操舵モードおよび通常操舵モードの双方において、その制御装置61は、そのブラシレスモータ50に駆動電流Iaが印加されている時に、上記センサ44からの信号により操舵補助力発生用油圧シリンダ18が作動しているか否かを判定する。その油圧シリンダ18の作動がロックされた時、制御装置61はロック解除信号を出力する。これにより、電磁開閉弁43のソレノイド43aが励磁され、油圧シリンダ18の第1油室21と第2油室22とが連通され、そのロックが解除される。このロック解除時に、制御装置61は、そのブラシレスモータ50の出力を油圧シリンダ18による操舵補助力分だけ増加させる信号を出力する。
【0064】
上記構成において、車両に外部から操舵力が付加された場合、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクは実際の舵角が変化する前に変化する。よって、車両に外部から付加される操舵力に対応する値としてステアリングシャフトにより伝達されるトルクを求め、その求めた付加操舵力を相殺するようにブラシレスモータ50を制御することで、外乱による付加操舵力により実際に舵角が変化する前に、その付加操舵力の影響を補償できる。これにより、外乱の影響を迅速かつ確実に補償でき、車両の挙動を安定化することができる。
【0065】
また、上記構成によれば、自動操舵中にドライバーが操舵力を付加した場合、実際の舵角を変化させることなく、通常操舵モードに切り換えることができる。これにより、緊急事態等において迅速に自動操舵モードから通常操舵モードに切り換えることができる。しかも、その自動操舵中に付加される操舵力が、ドライバーにより付加されたのか、車両に外部から付加されたのかを判断するので、外乱により自動操舵モードから通常操舵モードに誤って切り換えられるのを防止できる。
【0066】
上記構成においては、伝達トルクに応じて弾性的に相対回転するステアリングシャフトのステアリングホイールH側の回転角と車輪W側の回転角とを求めることで、専用のトルクセンサを用いることなく、付加操舵力に対応するトルクを簡易かつ迅速に求めることができる。そのトルクの変化がドライバーにより付加された操舵力に基づく場合、そのステアリングシャフトのステアリングホイールH側での回転角の変化は、車輪W側での回転角の変化に先行する。そのトルクの変化が車両に外部から付加された操舵力に基づく場合、そのステアリングシャフトの車輪W側での回転角の変化は、ステアリングホイールH側での回転角の変化に先行する。これにより、その付加操舵力が、ドライバーにより付加されたのか車両に外部から付加されたのかを確実に判断することができる。
【0067】
また、上記構成では、ブラシレスモータ50が発生する操舵力の方向と同一方向に車両に外部から操舵力が付加されたか否かの判定を行う。これにより、路面の摩擦係数の減少により車輪に作用する操舵抵抗が減少したか否かを判定できる。その付加操舵力に対応する外乱トルクTdの絶対値が設定値T2以上である時に、自動操舵モードから通常操舵モードに切り換えることで、路面の摩擦係数が小さい場合に自動操舵を解除できる。
【0068】
また、操舵補助力発生用油圧シリンダ18がロックされた時、そのロックを解除するので、車両の操舵を行うことができ、フェイルセーフ機能を向上できる。さらに、その油圧シリンダ18による操舵補助力分だけブラシレスモータ50の出力を増加させるので、操舵性能を維持できる。
【0069】
その自動操舵モードにおいて操舵力を発生させるブラシレスモータ50のロータ51は、ステアリングシャフトと同心に同行回転するので、制御装置61による制御に対する応答が迅速で、コンパクトでシンプルな構造になる。また、そのブラシレスモータ50の第1レゾルバ53により、そのステアリングシャフトのステアリングホイールH側での回転角の変化に対応する値を時系列に求めることができるので、専用の検出器が不要になる。また、その第1レゾルバ53と第2レゾルバ65の出力から、付加操舵力に対応するトルクを求めるので、専用のトルクセンサが不要になる。これにより、構造をシンプルでコンパクトにして、製造コストを低減できる。また、各レゾルバ53、65は、固定子53b、65bに対して回転子53a、65aを回転させるだけで出力調節できるので、組み付けが容易である。
【0070】
また、上記構成ではポンプ駆動用モータ64を操舵補助の不要時に待機速度にして省エネルギー化を図る場合に、そのポンプ駆動用モータ64が待機速度から操舵補助速度まで増速するまでの立ち上がり期間において、ポンプ37により操舵補助力発生用油圧シリンダ18に充分な量の圧油を供給できなくても、ブラシレスモータ50により操舵補助力を付与することができる。これにより、通常操舵時における操舵フィーリングを向上できる。
【0071】
図7、図8は本発明の第1変形例を示す。上記実施形態との相違は、第2レゾルバ65に代えて、トルクセンサ107をブラシレスモータ50と制御弁23との間に設けた点にある。
【0072】
そのトルクセンサ107は、バルブハウジング10aにより保持される第1、第2検出コイル133、134と、制御弁23の第1バルブ部材24に同行回転可能に連結部材140を介して連結される磁性材製の第1検出リング136と、入力シャフト2に同行回転可能に連結される磁性材製の第2検出リング137とを有する。
その第1検出リング136の一端面と第2検出リング137の一端面とは互いに対向するように配置され、各検出リング136、137の対向端面に、それぞれ歯136a、137aが周方向に沿って複数設けられている。
その第2検出リング137の他端側は一端側よりも外径の小さな小径部137bとされている。
その第1検出コイル133は第1検出リング136と第2検出リング137の対向間を覆うように配置され、第2検出コイル134は第2検出リング137を覆うように配置され、各検出コイル133、134は、バルブハウジング10aに取り付けられる基板に形成される信号処理回路141に接続される。その信号処理回路141において、第1検出コイル133は抵抗145を介して発振器146に接続され、第2検出コイル134は抵抗147を介して発振器146に接続され、各検出コイル133、134は差動増幅回路148に接続される。
これにより、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクによりトーションバー3が捩れ、両検出リング136、137が弾性的に相対回転すると、各検出リング136、137の歯136a、137aの対向面積が変化する。その面積変化により、その歯136a、137aの対向間における第1検出コイル133の発生磁束に対する磁気抵抗が変化することから、その変化に応じ第1検出コイル133の出力が変化し、その出力に対応した伝達トルクが検出される。そのトルク検出信号は制御装置61に入力される。
また、第2検出コイル134は第2検出リング137の小径部137bに対向する。その小径部137bの外径は、操舵抵抗の作用していない状態で、第2検出コイル134の発生磁束に対する磁気抵抗と第1検出コイル133の発生磁束に対する磁気抵抗とが等しくなるように設定されている。これにより、温度変動による第1検出コイル133の出力変動は、温度変動による第2検出コイル134の出力変動に等しくなるので差動増幅回路148により打ち消され、操舵トルクの検出値の温度による変動が補償される。
また、上記実施形態における入力シャフト2とバルブハウジング10aとの間のオイルシール14に代えて、連結部材140と入力シャフト2との間と、連結部材140とバルブハウジング10aとの間にオイルシール114が配置される。
他は上記実施形態と同様で、同一部分は同一符号で示す。
【0073】
上記第1変形例によれば、自動操舵時に、ブラシレスモータ50が発生する操舵力以外に付加される操舵力に対応する値として、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクをトルクセンサ107により求める。そのトルクセンサ107により検出されるトルクは、ステアリングシャフトの車輪W側での回転角に対応する。制御装置61は、そのトルクセンサ107により検出されるトルクを時系列に求める。制御装置61は、第1レゾルバ53により求められるステアリングシャフトのステアリングホイールH側での回転角の変化が、トルクセンサ107により検出されるトルクの変化に先行する時、その付加操舵力はドライバーにより付加されたと判断する。一方、そのトルクセンサ107により検出されるトルクの変化が、ステアリングホイールH側での回転角の変化に先行する時、その付加操舵力は車両に外部から付加されたと判断する。その回転角の変化とトルクの変化の何れが先行するかは、その回転角速度とトルク変化速度とを比較することで判断できる。
【0074】
図9、図10は本発明の第2変形例を示す。上記第1変形例との相違は、操舵補助力を油圧シリンダ18に代えて操舵補助用モータ180を用いて付与する点にある。そのため、トルクセンサ107により検知されるトルクと車速センサ70により検知される車速に応じた操舵補助力を付与できるように、制御装置61からの信号に基づきモータ180を駆動し、そのモータ180の出力をボールネジ機構190を介してラック8に伝達する。
すなわち、そのモータ180は、上記ラックハウジング10bから突出するラック8を覆うように設けられ、そのラックハウジング10bに取り付けられるモータハウジング180aと、このモータハウジング180a内周に固定されるステータ180bと、そのモータハウジング180aにベアリング180c、180dを介して回転可能に支持される筒状のロータ180eとを有し、そのロータ180eによってラック8が囲まれる。そのボールネジ機構190は、そのラック8の外周に一体的に形成された雄ねじ190aと、この雄ねじ190aにボールを介してねじ合わされるボールナット190bとを有する。そのボールナット190が上記ロータ180eに同行回転可能に連結される。制御装置61がステアリングシャフトにより伝達されるトルクと車速に応じた駆動電流を印加することでモータ180が駆動され、ロータ180eの回転力がボールナット190b、ボール、雄ねじ190aを介して軸方向力に変換されラック8に操舵補助力として伝達される。そのモータ180の出力トルクは、その制御装置61によるモータ180の駆動電流の制御特性から求められる。
また、そのモータ180の駆動電流は制御装置61からリレー回路181を介して印加される。そのリレー回路181は、モータ180に駆動電流が印加されている時にモータ180の回転がロックされると、そのモータ180への電力供給を遮断するリレースイッチを有する。そのリレー回路181は従来と同様のものを用いることができる。そのモータ180への電力供給の遮断により、モータ180のロックは解除される。制御装置61は、そのモータ180への電力供給が遮断される時、ブラシレスモータ50の出力をモータ180による操舵補助力分だけ増加させる信号を出力する。
他は第1変形例と同様で、同一部分は同一符号で示す。
【0075】
なお、本発明は上記実施形態や変形例に限定されない。例えば、ステアリングホイールと操舵力発生用アクチュエータとの間に、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクを検出するトルクセンサを設けてもよい。この場合、付加操舵力に基づきステアリングシャフトにより伝達されるトルクを、上記のようにステアリングシャフトにより伝達される全トルクからアクチュエータにより発生されるトルクを差し引くことなく、直接に求めることができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、車両を自動操舵できるステアリング装置において、外乱の影響を迅速かつ確実に補償でき、車両の挙動を安定化でき、摩擦係数の小さい凍結路面等において自動操舵を解除して車両の挙動が制御できなくなるのを防止でき、操舵補助力発生用アクチュエータの作動が不慮にロックされた場合に対するフェイルセーフ機能を向上でき、自動操舵モードにおいて緊急事態が生じたような場合、外乱の影響を受けることなくドライバーの意思に応じて迅速に通常操舵モードに切り換えることができ、構造をコンパクトでシンプルにして低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の車両のステアリング装置の断面図
【図2】図1のII‐II線断面図
【図3】本発明の実施形態の車両のステアリング装置の油圧回路図
【図4】本発明の実施形態の車両のステアリング装置のステアリングシャフトの回転角に対する(1)は第1レゾルバの出力の関係、(2)は第2レゾルバの出力の関係を示す図
【図5】本発明の実施形態の制御系を示すブロック線図
【図6】本発明の実施形態の車両のステアリング装置の制御手順を示すフローチャート
【図7】本発明の第1変形例の車両のステアリング装置の断面図
【図8】本発明の第1変形例の車両のステアリング装置のトルクセンサの出力処理回路図
【図9】本発明の第2変形例の車両のステアリング装置の構成説明図
【図10】本発明の第2変形例の車両のステアリング装置の断面図
【符号の説明】
2 入力シャフト
4 出力シャフト
18 油圧シリンダ(操舵補助力発生用アクチュエータ)
23 制御弁
37 ポンプ
50 ブラシレスモータ(操舵力発生用アクチュエータ)
51 ロータ
52 ステータ
53 第1レゾルバ
61 制御装置
64 ポンプ駆動用モータ
65 第2レゾルバ
107 トルクセンサ
180 モータ
H ステアリングホイール
W 車輪[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a steering apparatus capable of automatically steering a vehicle.
[0002]
[Prior art]
In recent years, a command signal is generated by a control device based on a guidance signal sent from a road, a detection signal of the road and surrounding conditions, and the vehicle is automatically steered by a steering force generated by an actuator for generating a steering force based on the command signal. Development of a steering device is underway.
[0003]
During such automatic steering, in addition to the steering force generated by the steering force generating actuator, a steering force may be applied to the vehicle due to disturbances such as unevenness and crosswinds on the road.
[0004]
Therefore, the value of the yaw rate, lateral acceleration, etc. of the vehicle corresponding to the change in the steering angle of the vehicle is detected, and the steering force generating actuator is controlled according to the detected value, so that the influence of the additional steering force due to the disturbance is reduced. I was compensated.
[0005]
Further, in such a steering apparatus, it is desired that the driver can switch from the automatic steering mode to the normal steering mode in which the steering force is generated in order to cope with an emergency situation or the like.
[0006]
Therefore, a means for obtaining a deviation between the command rudder angle corresponding to the command signal to the actuator and the actual rudder angle is provided, and when the deviation is equal to or greater than a set value, it is determined that the driver is against automatic steering, It is considered to switch from the automatic steering mode to the normal steering mode.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
In the prior art, the influence of the additional steering force due to disturbance is compensated according to the value corresponding to the change in the steering angle of the vehicle. In other words, after the rudder angle has actually changed, the additional steering force is offset. Therefore, there is a problem that compensation is delayed and the behavior of the vehicle becomes unstable due to disturbance.
[0008]
Further, when the driver actually changes the rudder angle against the steering force generated by the steering force generating actuator, the driver requires a large amount of labor and time. Therefore, there is a problem that it is impossible to deal with an emergency situation promptly.
[0009]
Further, it has not been possible to determine whether the steering force applied other than the steering force generated by the steering force generating actuator is the additional steering force due to disturbance or the additional steering force due to the driver. Therefore, there is a problem that the additional steering force due to the disturbance is erroneously determined as the steering force by the driver, and the automatic steering mode can be erroneously switched to the normal steering mode.
[0010]
Further, on a road surface having a small friction coefficient such as a frozen road surface, the vehicle behavior cannot be controlled if steering is performed in the same manner as a normal road surface. Therefore, it is difficult to perform automatic steering. However, the conventional technology cannot cope with a situation where the friction coefficient of the road surface becomes small during automatic steering.
[0011]
In addition, the fail-safe function for a case where the operation of the actuator for generating the steering assist force is accidentally locked during automatic steering is not sufficient.
[0012]
It is an object of the present invention to provide a vehicle steering apparatus that can solve the above-described problems.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
A vehicle steering device according to the present invention includes a steering force generating actuator that generates a steering force based on a signal from a control device in an automatic steering mode, a steering shaft that transmits the steering force to a wheel, and the steering force generating actuator. Means for obtaining a torque transmitted from the steering shaft based on the additional steering force as a value corresponding to the steering force applied to the vehicle from the outside in addition to the steering force generated by the vehicle. The steering force generation actuator is controlled so as to generate a canceling steering force.
When a steering force is applied to the vehicle from the outside, the torque transmitted by the steering shaft changes before the actual steering angle changes. Therefore, the torque transmitted by the steering shaft is obtained as a value corresponding to the steering force applied to the vehicle from the outside, and the steering force generation actuator is controlled so as to cancel the obtained additional steering force. Before the steering angle actually changes due to the additional steering force, the influence of the additional steering force can be compensated.
[0014]
In the present invention, the steering mode can be switched between the automatic steering mode and a normal steering mode in which a steering force generated by a driver is transmitted to the wheels via the steering shaft. In the automatic steering mode, the steering force is switched. Means are provided for determining whether an additional steering force other than the steering force generated by the generating actuator is applied by the driver or externally applied to the vehicle, and the additional steering force is applied by the driver, and It is preferable to provide means for switching from the automatic steering mode to the normal steering mode when the torque corresponding to the additional steering force is equal to or greater than the set value.
According to this configuration, it is possible to switch to the normal steering mode without changing the actual steering angle only by the driver adding a steering force during automatic steering. Thereby, it is possible to quickly switch from the automatic steering mode to the normal steering mode in an emergency situation or the like.
Moreover, since it is determined whether the steering force applied during the automatic steering is applied by the driver or externally applied to the vehicle based on disturbances such as unevenness and crosswinds on the traveling road, the vehicle is externally applied. The added steering force can prevent erroneous switching from the automatic steering mode to the normal steering mode.
[0015]
In the present invention, a steering force is externally applied to the vehicle in the same direction as the steering force generated by the steering force generation actuator, and the absolute value of the torque corresponding to the additional steering force is greater than or equal to a set value. Sometimes it is preferable to provide means for switching from automatic steering mode to normal steering mode.
When the friction coefficient of the road surface decreases, the steering resistance acting on the wheels decreases, so that the steering force is applied to the vehicle from the outside in the same direction as the steering force generated by the steering force generating actuator. Therefore, by switching from the automatic steering mode to the normal steering mode when the absolute value of the torque corresponding to the additional steering force is greater than or equal to the set value, the automatic steering can be canceled when the road surface friction coefficient is small.
[0016]
The steering device according to the present invention releases the lock when the operation of the steering assist force generating actuator and the steering assist force generating actuator are locked, and generates an output of the steering force generating actuator. And a means for increasing the amount corresponding to the steering assist force by the actuator.
Thus, the vehicle can be steered even when the operation of the steering assist force generating actuator is locked. In addition, since the steering force generating actuator can compensate for the lack of steering assisting force due to the steering assisting force generating actuator, the steering performance can be maintained.
[0017]
The steering wheel side and the wheel side of the steering shaft are elastically rotatable relative to each other according to the torque transmitted by the steering shaft, and have a value corresponding to the rotation angle of the steering shaft on the steering wheel side. There is provided means for obtaining a series, and means for obtaining a value corresponding to the rotation angle on the wheel side of the steering shaft in time series, and the change in the rotation angle on the steering wheel side of the steering shaft is When it precedes the change of the rotation angle, it judges that the additional steering force is added by the driver, and when the change of the rotation angle on the wheel side of the steering shaft precedes the change of the rotation angle on the steering wheel side, It is preferable to determine that the additional steering force is applied to the vehicle from the outside.
When the change in torque is based on the steering force applied by the driver, the change in the rotation angle on the steering wheel side of the steering shaft precedes the change in the rotation angle on the wheel side. When the change in torque is based on the steering force applied to the vehicle from the outside, the change in the rotation angle on the wheel side of the steering shaft precedes the change in the rotation angle on the steering wheel side. This makes it possible to reliably determine whether the additional steering force is applied by the driver or externally applied to the vehicle.
[0018]
The steering force generating actuator is a brushless motor having a rotor that rotates concentrically with the steering shaft, a stator that surrounds the rotor, and a detector for detecting the rotation angle of the rotor, and detecting the rotation angle of the rotor A value corresponding to the rotation angle of the steering shaft on the steering wheel side is obtained in time series, and a second detector of the rotation angle of the steering shaft on the wheel side with respect to the steering force generating actuator is provided, A value corresponding to the rotation angle on the wheel side of the steering shaft is obtained in time series by the second detector, the rotation angle of the steering shaft obtained by the detector of the rotation angle of the rotor, and the second detection. From the steering shaft rotation angle required by the Preferably, the torque transmitted is determined.
According to this configuration, since the rotor of the brushless motor that generates the steering force in the automatic steering mode rotates concentrically with the steering shaft, the structure is compact. In addition, since a value corresponding to a change in the rotation angle of the steering shaft on the steering wheel side can be obtained in a time series by the rotation angle detector of the rotor, a dedicated detector is not necessary. Further, since the torque corresponding to the additional steering force is obtained from the detector of the rotation angle of the rotor and the output of the second detector, a dedicated torque sensor is not required.
[0019]
The steering device according to the present invention includes a hydraulic actuator for generating a steering assist force, a pump for supplying pressure oil to the hydraulic actuator, a motor for driving the pump, and a rotational speed of the motor for driving the pump. Means for setting the steering assist speed when necessary, and setting the standby speed when steering assist is not required, and when the rotational speed of the pump drive motor increases from the standby speed to the steering assist speed in the normal steering mode, It is preferable that the steering assist force can be generated by the steering force generating actuator only for a certain period from the start of acceleration.
As a result, when the pump drive motor is set to a standby speed when steering assistance is not required to save energy, the pump is steered by the pump during the start-up period until the pump drive motor increases from the standby speed to the steering assist speed. Even if a sufficient amount of pressure oil cannot be supplied to the auxiliary force generating hydraulic actuator, a sufficient steering assist force can be applied. Thereby, the steering feeling in the normal steering mode can be improved.
[0020]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
[0021]
A rack and pinion
[0022]
The steering shaft includes an
[0023]
The
[0024]
Oil seals 14 and 15 are provided between the input /
[0025]
A hydraulic cylinder (hydraulic actuator) 18 that generates a steering assist force is provided. The
[0026]
Each of the
[0027]
That is, the
[0028]
That is, as shown in FIG. 2, a plurality of recesses along the axial direction are formed at equal intervals in the circumferential direction on the inner periphery of the
[0029]
Each of the right steering recesses 27 communicates with the
[0030]
Each
[0031]
Each pressure
[0032]
Each pressure
[0033]
As a result, the
[0034]
FIG. 2 shows the relative positions of the
[0035]
When the vehicle is steered to the right from the straight steering position, each
[0036]
When steering from the straight steering position to the left, the apertures of the throttles A, B, C, and D change in the opposite direction to the steering to the right, so that the steering assist force to the left of the vehicle is applied to the
[0037]
In order to detect whether or not the
[0038]
When the operation of the
[0039]
As shown in FIG. 1, a three-
[0040]
A
[0041]
The coil of the
[0042]
By operating the
[0043]
For example, a sign signal transmitted from a transmitter provided on a traveling road or a guard rail, an alarm signal for notifying a collision risk transmitted from a transmitter provided in another vehicle, An induction signal such as a travel line detection signal is input. When the guidance signal is input from the
[0044]
Further, the
[0045]
That is, the
[0046]
FIG. 4 (1) shows the relationship between the output of the
[0047]
FIG. 4B shows the relationship between the output of the
[0048]
Since the outputs of the
[0049]
In order to cope with the case where the rotation angle of the steering shaft exceeds one cycle of the sine waveform of the output of each
[0050]
FIG. 5 is a block diagram showing a control system in the automatic steering mode configured as described above. In the
A target motor drive current Iq is calculated from a torque obtained by adding a compensation torque Tc described later to a deviation between the target torque Tq and the total torque T transmitted by the steering shaft, and a transfer function C2. The transfer function C2 can be C2 = 1 / (Kt × s), where Kt is the torque constant of the
The motor applied power Eq is calculated from the deviation between the target motor drive current Iq and the actual drive current Ia of the
The motor applied power Eq is applied to the
The drive current Ia of the
The output torque Ta of the
From the sum of the output torque Ta of the
The integral value of the output shaft rotational speed ωi of the
The total torque T transmitted by the steering shaft is obtained from the deviation between the rotation angle θi on the steering wheel H side of the steering shaft and the rotation angle θo on the wheel W side and the transfer function C8. The transfer function C8 corresponds to the torsion spring constant of the
From the total torque T transmitted by the steering shaft and the transfer function C9, the output torque Tv of the
From the sum of the output torque Tv of the
The integral value of the rotational angular velocity ωo on the wheel W side of the steering shaft becomes the rotational angle θo on the wheel W side of the steering shaft.
[0051]
The flowchart of FIG. 6 shows a steering mode switching control procedure by the
[0052]
The
[0053]
At the time of the automatic steering, it is determined whether the additional steering force other than the steering force generated by the
That is, when the change in the rotation angle on the steering wheel H side of the steering shaft precedes the change in the rotation angle on the wheel W side, it is determined that the additional steering force is applied by the driver. On the other hand, when the change in the rotation angle on the wheel W side of the steering shaft precedes the change in the rotation angle on the steering wheel H side, it is determined that the additional steering force is applied to the vehicle from the outside. In the present embodiment, the deviation between the rotational angular velocity ωi on the steering wheel H side of the steering shaft and the rotational angular velocity ωo on the wheel W side is obtained, and the rotational angular velocity on the steering wheel H side is determined in the
[0054]
When the additional steering force is applied by the driver (No in Step 3), the
That is, the total torque T transmitted by the steering shaft is obtained from the difference between the rotation angle of the steering shaft obtained by the
[0055]
When the torque Th corresponding to the additional steering force of the driver is greater than or equal to the set value T1, an open signal is output to the normally closed
[0056]
When the torque Th corresponding to the additional steering force of the driver is less than the set value T1, automatic steering is continued.
[0057]
In
That is, when the total torque transmitted by the steering shaft is smaller than the torque due to the steering force generated by the
[0058]
In
[0059]
When the absolute value of the disturbance torque Td is equal to or greater than the set value T2, an alarm signal is issued (step 8), after which an open signal is output to the normally closed
[0060]
In
That is, the compensation torque Tc for canceling the disturbance torque Td is calculated, and the compensation torque Tc is added to the target torque Tq, so that the
[0061]
In both the normal steering mode and the automatic steering mode, the
That is, if the total torque T transmitted by the steering shaft is equal to or greater than a preset value according to the necessity of steering, the
If the total torque T transmitted by the steering shaft is less than the set value, the
[0062]
In the normal steering mode, when the rotational speed of the
[0063]
In both the automatic steering mode and the normal steering mode, the
[0064]
In the above configuration, when a steering force is applied to the vehicle from the outside, the torque transmitted by the steering shaft changes before the actual steering angle changes. Therefore, the torque transmitted by the steering shaft as a value corresponding to the steering force applied to the vehicle from the outside is obtained, and the
[0065]
Further, according to the above configuration, when the driver applies a steering force during automatic steering, it is possible to switch to the normal steering mode without changing the actual steering angle. Thereby, it is possible to quickly switch from the automatic steering mode to the normal steering mode in an emergency situation or the like. In addition, since it is determined whether the steering force applied during the automatic steering is applied by the driver or externally applied to the vehicle, it is possible to erroneously switch from the automatic steering mode to the normal steering mode due to disturbance. Can be prevented.
[0066]
In the above configuration, additional steering is performed without using a dedicated torque sensor by obtaining the rotation angle on the steering wheel H side and the rotation angle on the wheel W side of the steering shaft that elastically rotates relative to the transmission torque. The torque corresponding to the force can be obtained easily and quickly. When the change in torque is based on the steering force applied by the driver, the change in the rotation angle on the steering wheel H side of the steering shaft precedes the change in the rotation angle on the wheel W side. When the change in the torque is based on the steering force applied to the vehicle from the outside, the change in the rotation angle on the wheel W side of the steering shaft precedes the change in the rotation angle on the steering wheel H side. This makes it possible to reliably determine whether the additional steering force is applied by the driver or externally applied to the vehicle.
[0067]
In the above configuration, it is determined whether or not a steering force is applied to the vehicle from the outside in the same direction as the steering force generated by the
[0068]
Further, when the steering assist force generating
[0069]
Since the
[0070]
Further, in the above configuration, when the
[0071]
7 and 8 show a first modification of the present invention. The difference from the above embodiment is that a
[0072]
The
The one end surface of the first detection ring 136 and the one end surface of the second detection ring 137 are arranged so as to face each other, and teeth 136a and 137a are respectively provided on the opposing end surfaces of the detection rings 136 and 137 along the circumferential direction. A plurality are provided.
The other end side of the second detection ring 137 is a small-
The
As a result, when the
The
Further, in place of the
Others are the same as in the above embodiment, and the same parts are denoted by the same reference numerals.
[0073]
According to the first modification, torque transmitted by the steering shaft is obtained by the
[0074]
9 and 10 show a second modification of the present invention. The difference from the first modification is that the steering assist force is applied using a
That is, the
The driving current of the
Others are the same as those of the first modification, and the same parts are denoted by the same reference numerals.
[0075]
In addition, this invention is not limited to the said embodiment and modification. For example, a torque sensor that detects torque transmitted by the steering shaft may be provided between the steering wheel and the steering force generation actuator. In this case, the torque transmitted by the steering shaft based on the additional steering force can be directly obtained without subtracting the torque generated by the actuator from the total torque transmitted by the steering shaft as described above.
[0076]
【The invention's effect】
According to the present invention, in a steering device that can automatically steer a vehicle, the influence of disturbance can be compensated quickly and reliably, the behavior of the vehicle can be stabilized, and the automatic steering is canceled on a frozen road surface or the like having a small friction coefficient. The behavior can be prevented from becoming uncontrollable, and the fail-safe function can be improved when the operation of the actuator for generating steering assist force is accidentally locked.If an emergency situation occurs in the automatic steering mode, the influence of disturbance can be reduced. It is possible to quickly switch to the normal steering mode according to the driver's intention without receiving it, and it is possible to reduce the cost by making the structure compact and simple.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a vehicle steering apparatus according to an embodiment of the present invention.
2 is a sectional view taken along line II-II in FIG.
FIG. 3 is a hydraulic circuit diagram of a vehicle steering apparatus according to an embodiment of the present invention.
FIGS. 4A and 4B are views showing the relationship between the output of the first resolver and the relationship between the outputs of the second resolver with respect to the rotation angle of the steering shaft of the steering apparatus for a vehicle according to the embodiment of the present invention. FIGS.
FIG. 5 is a block diagram showing a control system according to the embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a flowchart showing a control procedure of the vehicle steering apparatus according to the embodiment of the present invention.
FIG. 7 is a cross-sectional view of a vehicle steering apparatus according to a first modification of the present invention.
FIG. 8 is an output processing circuit diagram of a torque sensor of a steering apparatus for a vehicle according to a first modification of the present invention.
FIG. 9 is a diagram illustrating the configuration of a steering apparatus for a vehicle according to a second modification of the present invention.
FIG. 10 is a sectional view of a steering apparatus for a vehicle according to a second modification of the present invention.
[Explanation of symbols]
2 Input shaft
4 Output shaft
18 Hydraulic cylinder (actuator for generating steering assist force)
23 Control valve
37 pump
50 Brushless motor (steering force generating actuator)
51 rotor
52 Stator
53 First resolver
61 Controller
64 Pump drive motor
65 Second resolver
107 Torque sensor
180 motor
H Steering wheel
W wheel
Claims (7)
その操舵力を車輪に伝達するステアリングシャフトと、
その操舵力発生用アクチュエータが発生する操舵力以外に車両に外部から付加される操舵力に対応する値として、その付加操舵力に基づきステアリングシャフトにより伝達されるトルクを求める手段と、
その自動操舵モードにおいて、前記操舵力発生用アクチュエータが発生する操舵力以外の付加操舵力が、ドライバーにより付加されたのか車両に外部から付加されたのかを判断する手段を備え、
その求められたトルクに対応する車両に外部から付加された付加操舵力を相殺する操舵力を発生するように、その操舵力発生用アクチュエータが制御される車両のステアリング装置。A steering force generating actuator for generating a steering force based on a signal from the control device in the automatic steering mode;
A steering shaft that transmits the steering force to the wheels;
Means for obtaining a torque transmitted by the steering shaft based on the additional steering force as a value corresponding to a steering force externally applied to the vehicle other than the steering force generated by the steering force generation actuator ;
In the automatic steering mode, there is provided means for determining whether an additional steering force other than the steering force generated by the steering force generating actuator is applied by the driver or externally applied to the vehicle ,
A vehicle steering apparatus in which a steering force generating actuator is controlled so as to generate a steering force that cancels an additional steering force applied from the outside to the vehicle corresponding to the obtained torque .
その付加操舵力がドライバーにより付加され、且つ、その付加操舵力に対応するトルクが設定値以上である時に、自動操舵モードから通常操舵モードに切り換える手段が設けられている請求項1に記載の車両のステアリング装置。The steering mode can be switched between the automatic steering mode and the normal steering mode in which the steering force generated by the driver is transmitted to the wheels via the steering shaft ,
Additional steering force of that is added by the driver, and, according to when the torque corresponding to the additional steering force is equal to or greater than a set value, to claim 1 where the means for switching from the automatic steering mode to the normal steering mode is provided Vehicle steering device.
その操舵補助力発生用アクチュエータの作動がロックされた時に、そのロックを解除すると共に、前記操舵力発生用アクチュエータの出力を操舵補助力発生用アクチュエータによる操舵補助力分だけ増加させる手段とを備える請求項2又は3に記載の車両のステアリング装置。An actuator for generating steering assist force;
And a means for releasing the lock when the operation of the actuator for generating steering assist force is locked and increasing the output of the actuator for generating steering assist force by an amount corresponding to the steering assist force by the actuator for generating steering assist force. Item 4. The vehicle steering device according to Item 2 or 3.
そのステアリングシャフトのステアリングホイール側での回転角に対応する値を時系列に求める手段と、
そのステアリングシャフトの車輪側での回転角に対応する値を時系列に求める手段とが設けられ、
そのステアリングシャフトのステアリングホイール側での回転角の変化が、車輪側での回転角の変化に先行する時、その付加操舵力はドライバーにより付加されたと判断し、そのステアリングシャフトの車輪側での回転角の変化が、ステアリングホイール側での回転角の変化に先行する時、その付加操舵力は車両に外部から付加されたと判断する請求項2〜4の何れか1項に記載の車両のステアリング装置。The steering wheel side and the wheel side of the steering shaft are elastically rotatable relative to the torque transmitted by the steering shaft,
Means for obtaining a value corresponding to the rotation angle of the steering shaft on the steering wheel side in time series;
Means for obtaining a value corresponding to the rotation angle on the wheel side of the steering shaft in time series,
When the change in the rotation angle on the steering wheel side of the steering shaft precedes the change in the rotation angle on the wheel side, it is determined that the additional steering force is applied by the driver, and the rotation of the steering shaft on the wheel side is determined. change corners, when preceding a change in the rotational angle at the steering wheel side, the steering apparatus for a vehicle according to any one of claims 2-4 to determine that the additional steering force is added from the outside to the vehicle .
そのロータの回転角の検出器により、そのステアリングシャフトのステアリングホイール側での回転角に対応する値が時系列に求められ、
その操舵力発生用アクチュエータよりも車輪側におけるステアリングシャフトの回転角の第2検出器が設けられ、
その第2検出器により、そのステアリングシャフトの車輪側での回転角に対応する値が時系列に求められ、
そのロータの回転角の検出器により求められるステアリングシャフトの回転角と、その第2検出器により求められるステアリングシャフトの回転角との差から、ステアリングシャフトにより伝達されるトルクが求められる請求項1〜5の何れか1項に記載の車両のステアリング装置。The steering force generating actuator is a brushless motor having a rotor that rotates concentrically with the steering shaft, a stator that surrounds the rotor, and a detector for the rotation angle of the rotor,
A value corresponding to the rotation angle on the steering wheel side of the steering shaft is obtained in time series by the rotation angle detector of the rotor,
A second detector of the rotation angle of the steering shaft on the wheel side relative to the steering force generating actuator is provided;
A value corresponding to the rotation angle on the wheel side of the steering shaft is obtained in time series by the second detector,
The torque transmitted by the steering shaft is obtained from the difference between the rotation angle of the steering shaft determined by the detector of the rotation angle of the rotor and the rotation angle of the steering shaft determined by the second detector. steering apparatus for a vehicle according to any one of 5.
その油圧アクチュエータに圧油を供給するポンプと、
そのポンプを駆動するモータと、
そのポンプ駆動用モータの回転速度を、操舵補助の必要時に操舵補助速度にし、操舵補助を必要としない時に待機速度にする手段とを備え、
通常操舵モードにおいて、そのポンプ駆動用モータの回転速度が待機速度から操舵補助速度に増速する時に、その増速開始から一定期間だけ、前記操舵力発生用アクチュエータにより操舵補助力を発生可能である請求項2〜6の何れか1項に記載の車両のステアリング装置。A hydraulic actuator for generating steering assist force;
A pump for supplying pressure oil to the hydraulic actuator;
A motor that drives the pump;
Means for setting the rotational speed of the pump drive motor to a steering assist speed when steering assistance is required, and a standby speed when steering assistance is not required,
In the normal steering mode, when the rotational speed of the motor for driving the pump increases from the standby speed to the steering assist speed, the steering assist force can be generated by the steering force generating actuator for a certain period from the start of the acceleration. steering apparatus for a vehicle according to any one of claims 2-6.
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