JP3702852B2 - Processing method using dielectric barrier discharge lamp - Google Patents
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Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、光化学反応を利用した処理方法、例えば、フロンガス、各種の廃ガスの処理、あるいは上水、下水、各種の工場廃水の処理、あるいは洗浄、または太陽電池などに使用される水素化アモルファスシリコン薄膜等を製造する成膜方法などに関する。特に、光化学反応用の光源として誘電体バリヤ放電ランプを使用した処理方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明に関連した技術としては、例えば、日本国公開特許公報平3−211283号には、誘電体バリヤ放電(別名オゾナイザ放電あるいは無声放電。電気学会発行改定新版「放電ハンドブック」平成1年6月再版7刷発行第263ページ参照)を使用したランプから放射される紫外線を利用したCVD法による薄膜の製造装置について記載されている。また、1988年発行のJAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS 第26巻6号の805から811ページには、被処理物であるシリコンウエハと処理用流体であるジシランガスと酸素の混合ガスを収納した処理室の外側から、重水素ランプとキセノンランプからの放射光でシリコンウエハとジシランガスと酸素の混合ガスを照射し、該シリコンウエハ上に酸化シリコンの薄膜を形成する方法が記されている。
【0003】
誘電体バリヤ放電ランプを利用した処理方法は、誘電体バリヤ放電ランプが従来の低圧水銀放電ランプや高圧アーク放電ランプには無い種々の特長、特に狭い波長領域に単色光的に光を放射する、管壁温度が低いなどの特徴を有しているため、特長ある処理が得られるため、有用である。しかし、一般的に、ある物質を光化学反応によって活性化、分解、イオン化あるいは合成するのに最適な条件、すなわち照射する紫外線の波長と強度などは、物質の種類によって異なる。従って、被処理物と処理用流体を接触させて該被処理物を処理する方法において、被処理物と処理用流体に誘電体バリヤ放電ランプからの1種の紫外線照射を照射して処理する方法は、処理が不完全であり、処理の速度あるいは処理効率が必ずしも十分ではないという問題があった。また、従来のアーク放電ランプは広い波長範囲に渡って放射光を有しているので、むしろ処理にとって有害である波長の光も同時に照射されることになり、従来のアーク放電ランプを2種類使用したとしても、1種類のランプを使用した場合に比較し、改善は必ずしも十分ではなかった。
【0004】
【本発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、各種の処理を高品位で行い、かつ、高速度であるいは高効率で行うことが出来る誘電体バリヤ放電ランプを利用した処理方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記本発明の目的は、被処理物と処理用流体を接触させた状態で、波長の異なる光を放射する少なくとも2種類以上の光源によって、前記被処理物と処理用流体を同時に照射して処理する方法であって、前記光源の少なくとも1種類を誘電体バリヤ放電ランプとし、且つ、この誘電体バリヤ放電ランプを、前記被処理物と前記処理用流体を収納している処理室内に配置して処理することを特徴とする。
【0006】
【作用】
被処理物と処理用流体を接触させた状態において、波長の異なる光を放射する少なくとも2種類以上の光源によって該被処理物と処理用流体を同時に照射して該被処理物を処理する処理方法において、該光源の少なくとも1種を誘電体バリヤ放電ランプにし、且つ該誘電体バリヤ放電ランプを該被処理物と処理用流体を収納している処理室内に設けたことにより、該誘電体バリヤ放電ランプは、狭い波長領域に単色的に高効率で光を放射する、ランプへの入力電力を変化させることによって分光分布を変えること無く光出力を変化できるなど、従来のアーク放電ランプにはない特徴を有しているため、従来のアーク放電ランプだけの組み合わせでは得ることの出来ない特徴ある分光分布の光を高効率で照射することが可能になり、従って小型の装置で高効率、高速度で、高品位の処理が可能になる。
【0007】
また、処理室と光源の間の窓部材による吸収が無くなり、かつ被処理物と光源が近接するため、高効率で照射することが可能になり、従って小型の装置で高効率、高速で、高品位の処理が可能になる。更に、該誘電体バリヤ放電ランプは、形状の自由度が大きい、管壁の温度変化による光出力特性、特に分光分布の変化が無い、管壁の温度が低いなど、従来のアーク放電ランプなどの光源を処理室内に設けた場合に問題となる事項を解決できるという、従来のアーク放電ランプにはない特長を有しているため、小型の装置で高効率、高速で高品位の処理が可能になる。
【0008】
該誘電体バリヤ放電ランプが、気密な放電空間を有し、紫外線を透過する光取り出し窓部材を通して紫外線を放射する場合には、nm単位で表した波長範囲180から200、165から190、240から255、200から240、120から190、および300から320の波長範囲の紫外線を放射させる事により、高効率、高品位の処理方法が達成される。なぜなら、上記の波長範囲の紫外線は、少なくとも、それぞれ主たる発光用ガスとして、アルゴンとフッ素、アルゴンと塩素、クリプトンとフッ素、クリプトンと塩素、キセノン、およびキセノンと塩素の混合ガスを使用することにより、それぞれの混合ガスのエキシマ分子によって発光可能であるが、これらのガスを使用することにより、発光用ガスの劣化が少なく、かつ光取り出し窓部材の劣化が少ない状態を実現できるからである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施例である水処理方法の概略図を図1に示す。箱型の反応容器5内には異なった波長の紫外線を放射する第1の誘電体バリヤ放電ランプ6a,6bおよび第2の誘電体バリヤ放電ランプ7a,7bの2種類の誘電体バリヤ放電ランプが交互に設けられている。 第1の実施例に使用した同軸円筒形誘電体バリヤ放電ランプの概略図を図2に示す。放電容器13は石英ガラス製で内側管14と外側管15を同軸に配置して中空円筒状にしたものである。内側管14と外側管15は誘電体バリヤ放電の誘電体バリヤと光取り出し窓部材を兼任しており、それぞれの外面に光を透過する金属網からなる電極16,17が設けられている。放電空間19の一端にリング状のゲッター18が設けられている。気密に形成された放電空間19内に誘電体バリヤ放電によってエキシマ分子を形成する放電用ガスを封入して、誘電体14,15の表面に設けられた金属網からなる透明電極16,17に交流電源26によって電圧を印加すると、放電空間19内にいわゆる誘電体バリヤ放電、別名オゾナイザ放電あるいは無声放電が発生して、誘電体14,15、透明電極16,17を通して、高効率で紫外線が放射される。図には示していないが、必要に応じて、透明電極16,17の表面を紫外線透過性の樹脂、ガラスなどで覆い電気的に絶縁する。また、被処理物あるいは処理用流体に直接接触する外側の電極17は、アース電位で使用することが望ましい。
【0010】
第1の誘電体バリア放電ランプ6a,6bは、発光ガスの主成分としてキセノンガスが封入されており、172nm付近で最大値を有する120から190nmの波長範囲の紫外線を放出する。また、第2の誘電体バリヤ放電ランプ7a,7bは、発光ガスの主成分としてクリプトンと塩素の混合ガスが封入されており、222nm付近で最大値を有する200から240nmの波長範囲の紫外線を放出する。処理用流体である酸素1が処理用流体供給口2から多孔質の泡発生器8を通して泡状にして反応容器5に供給され、被処理物供給口4から反応容器5に供給された被処理物である水3に混合される。該被処理物である水と処理用流体である酸素の混合物に、反応空間領域10,11において第2および第1の誘電体バリヤ放電ランプ7a,7bおよび6a,6bからの紫外線が同時に照射される。第1の誘電体バリヤ放電ランプ6a,6bから放射される紫外線によって酸素から非常に活性である酸素原子とオゾンとが生成される。該オゾンは第2の誘電体バリヤ放電ランプ7a,7bから放射される紫外線と第1の誘電体バリヤ放電ランプ6a,6bら放射される紫外線によって活性酸素原子と酸素分子に分解されるが、第1の紫外線と第2の紫外線のオゾンによる吸収係数が異なるので、反応空間領域10,11の広い範囲において活性酸素原子が生成される。
【0011】
上記のようにして生成したオゾンと、第1と第2の誘電体バリヤ放電ランプから放射された紫外線が同時に被処理物に作用する結果、水に不純物として含まれているメタノール、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、トリクロルエチレン、ドデシルベンゼンスルフォン酸、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、トリメチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等が分解され、無害な炭酸ガス、水等に変換される。処理された水は、排出口12から排出される。
【0012】
本実施例の利点として、第1に、オゾンの生成とオゾンの分解用のランプを別の種類に構成したので、それぞれの化学反応が最適になるように紫外線の波長および強度を調節でき、且つ、第1および第2の光源が誘電体バリヤ放電ランプなのでランプへの入力電力を調節することによって分光分布を変えること無く光出力を変更することが出来るので、従って高効率の処理が可能になり、第2に、被処理物と処理用流体の混合物に、第2の誘電体バリヤ放電ランプからの紫外線に加えて、第1の誘電体バリヤ放電ランプによって従来の低圧水銀放電ランプや高圧アークランプでは発生できない短波長の紫外線を高効率で照射することが出来るので、従来の方法では分解が困難であったトリメチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等が分解可能になり、第3に、第1および第2の誘電体バリヤ放電ランプの光出力特性が周囲温度によって変化しないので、比較的低温度でしかも温度の一定化には多大のエネルギーが必要である水の処理を安定に行うことが出来、第4に、第1および第2の誘電体バリヤ放電ランプの形状の変更に大きな自由度があるので、反応容器に合致した最適なランプ形状にする事が可能であり、従って高効率の処理が出来る等が生じる。
【0013】
該2種類の誘電体バリヤ放電ランプの一種を、254nmを効率よく発生できかつ少量の185nmの紫外線も発生できる従来の低圧水銀ランプに置き換えると、254nmと185nmの強度比及び強度を自由に変更できない等の不利点があるが、誘電体バリヤ放電ランプは進相負荷であるのに対して低圧水銀ランプの点灯システムは遅相負荷なので、両者を同時に使用することによって力率を1に近い状態にすることが出来、従って主電源の電流容量を小さく出来るという利点が生じる。
【0014】
本発明の第2の実施例は、第1の実施例において、被処理物供給口4を閉じてしまい、被処理物3と処理用流体1の混合物を処理用流体供給口2から混合供給する方法である。この方法は装置が簡単になる利点がある。 本発明の第3の実施例は、第1あるいは第2の実施例において、処理用流体として過酸化水素水を使用したものである。供給された過酸化水素水は、紫外線の照射によってヒドロキシラジカルを生成する。被処理物と過酸化水素水の混合物に、反応空間領域10,11において両ランプからの紫外線が同時に照射され、被処理物が処理される。 本発明の第4の実施例は、第1から第3の実施例において、被処理物を工業廃水や、下水としたものである。この実施例においても、被処理物に含まれている固形物の分離などの前処理工程が必要になる場合があるが、第1から第3の実施例と同様の機構で被処理物が処理される。
【0015】
第1から第4までの実施例は被処理物が液体であったが、第5の実施例は第1から第4の実施例における被処理物を、ガスに置き換えたものである。例えば、被処理物を成層圏オゾン層を破壊するCFC−11,CFC−12,CFC−114およびCFC−112等のフロンガスとし、処理用流体として過酸化水素水を使用すると、炭素、塩素、フッ素の化合物であるフロンを、該処理方法によって無害な低級フッ素樹脂、炭酸ガス、或いは塩化水素に変換する事が可能になる。なお、塩化水素ガスは、別工程でナトリウム化合物等にして処理する。 四塩化炭素やメチルクロロホルムなどを含む工業廃ガスなど各種の廃ガスも第5の実施例の方法で処理することが出来る。
【0016】
第6の実施例である湿式洗浄方法の概略図を図3に示す。箱形の洗浄槽30内の両側に第1の誘電体バリヤ放電ランプ6a,6b,6c,6dと第2の誘電体バリヤ放電ランプ7a,7b,7c,7dが交互に設置されている。誘電体バリヤ放電ランプの構造は、実施例1と実質的に同一である。第1の誘電体バリヤ放電ランプ群は、発光ガスの主成分としてキセノンガスが封入されており、172nm付近で最大値を有する120から190nmの波長範囲の紫外線を放出する。また、第2の誘電体バリヤ放電ランプ群は、発光ガスの主成分としてクリプトンとフッ素の混合ガスが封入されており、249nm付近で最大値を有する240から255nmの波長範囲の紫外線を放出する。処理用流体である空気1と水1aが処理用流体供給口2および2aから支持具35によって支持された被処理物、例えばプラスチックの瓶34の周辺に供給される。被処理物と処理用流体が接触した状態において、第1の誘電体バリヤ放電ランプ群から放射される172nm付近で最大値を有する120から190nmの範囲の紫外線によって空気1中の酸素から非常に活性な酸素原子とオゾンが生成される。該オゾンは、第2の誘電体バリヤ放電ランプ群から放射される249nm付近で最大値を有する240から255nmの波長範囲の紫外線を照射され、活性酸素原子と酸素分子に分解される。上記したように被処理物、例えばプラスチックの瓶34の外表面付近には高濃度のオゾンと活性酸素原子が存在し、且つ、第1および第2の誘電体バリヤ放電ランプからの紫外線の同時照射を受けるので、外表面が洗浄される。該洗浄によって、瓶34の外表面への印刷などが高品位で行えるようになる。支持具35を回転させることにより被処理物であるプラスチックの瓶34を回転させる方法や、処理用流体の温度を変えることによって、処理速度を大きくすることができる。尚、処理後の水は、排出口12から排出される。
【0017】
第7の実施例であるフォトレジストの灰化方法の概略図を図4に示す。灰化ダクト40内に第1の誘電体バリヤ放電ランプ41a,41b,41cと第2の誘電体バリヤ放電ランプ42a,42bが被処理物であるフォトレジストが塗布されたシリコンウエハ43に近接して設けられている。第1の誘電体バリヤ放電ランプ41a,41b,41cが、比較的波長の短い180から200nm,160から190nm,120から190nmの範囲の紫外線を放射するように発光物質を選択し、第2の誘電体バリヤ放電ランプ42a,42bが、比較的波長の長い240から255nm,200から240nm,300から320nmの範囲の紫外線を放射するように発光物質を選択する。処理用流体供給口2より注入された処理用流体酸素1は、灰化ダクト40内に設けられた第1の誘電体バリヤ放電ランプ群から放射される短波長の紫外線によって非常に活性な酸素原子とオゾンに変換される。さらに、オゾンは第2の誘電体バリヤ放電ランプ群から放射された紫外線によって活性な酸素原子と酸素分子に分解される。上記の活性な酸素原子、オゾン、酸素分子の混合物と接触した状態で、被処理物であるフォトレジストに第1の誘電体バリヤ放電ランプと第2の誘電体バリヤ放電ランプから放射された紫外線が同時に照射され、被処理物であるシリコンウエハ43に塗布されたフォトレジストは灰化される。
【0018】
誘電体バリヤ放電ランプへの入力電力を調整する事により、第2の誘電体バリヤ放電ランプから放射される比較的波長の長い紫外線の量に対する第1の誘電体バリヤ放電ランプから放射される短波長の紫外線の割合を大きくすると、フォトレジストに照射される短波長の該紫外線は、酸素分子の吸収断面積が大きいので基板表面近くにおいて化学活性の高い酸素原子の密度を極めて高くすることが出来、かつ、シリコンウエハ43に照射される光子のエネルギーが大きいので、イオンが注入されて灰化しにくくなったフォトレジストも灰化することが出来るという利点が生じる。 また、第2の誘電体バリヤ放電ランプから放射される比較的波長の長い紫外線の量を多くすると、フォトレジストに照射される光子のエネルギーが小さいので、基板であるシリコンウエハを損傷することが少ないという利点が生じる。
【0019】
第8の実施例である表面改質方法は第7の実施例と類似である。第8の実施例における被処理物は、シリコンウエハ43の代わりにプラスチックであり、第1の誘電体バリヤ放電ランプ41a,41b,41cが、比較的波長の短い160から190nmの範囲の紫外線を放射するように発光物質を選択し、第2の誘電体バリヤ放電ランプ42a,42bが、比較的波長の長い300から320nmの範囲の紫外線を放射するように発光物質を選択する。その他は第7の実施例と同一である。処理用流体供給口2より注入された処理用流体酸素1は、処理ダクト40内に設けられた第1の誘電体バリヤ放電ランプ群から放射される短波長の紫外線によって非常に活性な酸素原子とオゾンに変換される。第1の誘電体バリヤ放電ランプから放射された比較的短波長の紫外線が被処理物に強く照射されないように、第1の誘電体バリヤ放電ランプへの入力電力と、第1の誘電体バリヤ放電ランプと被処理物との距離を調節する。上記の活性な酸素原子、オゾン、酸素分子の混合物と接触した状態で、被処理物であるプラスチックに第2の誘電体バリヤ放電ランプから放射された紫外線が照射されると、表面に存在する分子の結合が切断され、表面に−C00H基、−OH基が形成される。上記のような処理によって、プラスチック表面への印刷、接着などが高品位で出来るようになる。第2の誘電体バリヤ放電ランプから放射される紫外線の波長が比較的長いので、被処理物であるプラスチックの幹ポリマーが分解される等の被処理物の損傷が無いという利点が生じる。さらに、この実施例では被処理物は大気圧以上の雰囲気にあるので、被処理物の移動が簡単であるという利点が生じる。
【0020】
第9の実施例である成膜方法の概略図を図5に示す。反応容器70の上部に設けられた発光用ガス供給口75に近接して窓部材を有さない第1の誘電体バリヤ放電ランプ6a,6bと、第2の誘電体バリヤ放電ランプ7a,7b,7cが設けられている。発光用ガス供給口75から発光用ガスアルゴン74が供給されるので、第1の誘電体バリヤ放電ランプ群からはアルゴンのエキシマ分子から放射される107から165nmの波長範囲の紫外線が放射される。第2の誘電体バリヤ放電ランプ群は、比較的長い波長の紫外線を放射する。処理用流体供給口2から供給された処理用流体モノシランガスとメタンガスの混合ガス1は基板71と接触した状態で第1と第2の誘電体バリヤ放電ランプから同時に照射され、107から165nmの波長範囲の紫外線によって分解、活性化され、被処理物である基板71の表面において第2の誘電体バリヤ放電ランプ群からの紫外線の支援のもとに水素化アモルファス炭化シリコンの薄膜を形成する。第2の誘電体バリヤ放電ランプ群として比較的長い波長の紫外線を放射するランプを採用し、第1と第2の誘電体バリヤ放電ランプの紫外線の出力を調整することにより、膜を損傷することが少なく、高品質の膜を生成することが出来る。
【0021】
被処理物支持装置72に被処理物の温度を調整する機構を組み込み被処理物の温度を調整したり、支持具73によって被処理物と第1の誘電体バリヤ放電ランプとの距離を調整することにより、さらに良質の膜を形成することが可能になる。尚、76は使用済みガスの排出口である。
【0022】
第10の実施例である乾式洗浄方法は第7の実施例と類似である。図4において、第10の実施例における被処理物は、シリコンウエハ43の代わりに成型後のプラスチックであり、第1の誘電体バリヤ放電ランプ41a,41b,41cが、比較的波長の短い160から190nmの範囲の紫外線を放射するように発光物質を選択し、第2の誘電体バリヤ放電ランプ42a,42bが、比較的波長の長い300から320nmの範囲の紫外線を放射するように発光物質を選択する。処理用流体供給口2より注入された処理用流体酸素1は、処理ダクト40内に設けられた第1の誘電体バリヤ放電ランプ群から放射される短波長の紫外線によって非常に活性な酸素原子とオゾンに変換される。上記の活性な酸素原子、オゾン、酸素分子の混合物と接触した状態で、被処理物であるプラスチックに第1の誘電体バリヤ放電ランプ群と第2の誘電体バリヤ放電ランプ群から放射された紫外線が同時に照射され、プラスチックの外面に付着した有機物を短時間で分解、除去することが出来る。
【0023】
第11の実施例であるエッチング方法の概略図を図6に示す。処理ダクト40内に第1の誘電体バリヤ放電ランプ41a,41b,41cと第2の誘電体バリヤ放電ランプ42a,42bが被処理物に近接して設けられている。第1の誘電体バリヤ放電ランプ41a,41b,41cが、比較的波長の短い180から200nm,160から190nm,120から190nmの範囲の紫外線を放射するように発光物質を選択し、第2の誘電体バリヤ放電ランプ42a,42bが、比較的波長の長い240から255nm,200から240nm,300から320nmの範囲の紫外線を放射するように発光物質を選択する。処理ダクト40に注入された処理用流体である塩素ガス1は、処理ダクト40内に設けられた誘電体バリヤ放電ランプ群のランプの間を通過する間に誘電体バリヤ放電ランプ群から放射された紫外線によって、活性塩素原子に変換される。この活性塩素原子は、酸化シリコン61でマスクされたシリコン基板62に吹きつけられ、第1と第2の誘電体バリヤ放電ランプからの紫外線の同時照射のもとにシリコン基板と反応して塩化シリコンを生成し、シリコン基板をエッチングする。第2の誘電体バリヤ放電ランプからの比較的波長の長い紫外線はシリコン基板に直接作用するので、異方性エッチングが可能になる。
【0024】
【発明の効果】
上記したように、本発明によれば、各種の処理を高品質で、高効率で、十分な速度で行うことができる処理方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を使用した水処理方法の説明図である。
【図2】 誘電体バリヤ放電ランプの概略図である。
【図3】 本発明を使用した湿式洗浄方法の説明図である。
【図4】 本発明を使用したフォトレジストの灰化方法の説明図である。
【図5】 本発明を使用した成膜方法の説明図である。
【図6】 本発明を使用したシリコン基板のエッチング方法の説明図である。
【符号の説明】
6a,6b,7a,7b 誘電体バリヤ放電ランプ
10,11 反応空間領域
14,15 誘電体
16,17 透明電極
18 ゲッター
19 放電空間
20 交流電源[0001]
[Technical field to which the invention belongs]
The present invention relates to a treatment method using a photochemical reaction, for example, treatment of CFCs, various waste gases, treatment of clean water, sewage, various factory waste waters, or cleaning, or a hydrogenated amorphous material used for solar cells, etc. The present invention relates to a film forming method for manufacturing a silicon thin film or the like. In particular, it relates to an improvement in the processing method using a dielectric barrier discharge lamp as a light source for photochemical reaction.
[0002]
[Prior art]
As a technology related to the present invention, for example, Japanese Patent Publication No. Hei 3-212183 discloses dielectric barrier discharge (also known as ozonizer discharge or silent discharge. Revised edition published by the Institute of Electrical Engineers, “Discharge Handbook”, June, 1999. Describes an apparatus for producing a thin film by a CVD method using ultraviolet rays radiated from a lamp using a reprint 7 printing issue (see page 263). Also, on page 805 to 811 of JAPANESE JOURNAL OF APPLIED PHYSICS Vol. 26, No. 6 issued in 1988, the outside of the processing chamber containing the silicon wafer as the object to be processed and the mixed gas of disilane gas and oxygen as the processing fluid. Thus, a method of forming a silicon oxide thin film on a silicon wafer by irradiating a mixed gas of a silicon wafer, a disilane gas and oxygen with radiation light from a deuterium lamp and a xenon lamp is described.
[0003]
The processing method using the dielectric barrier discharge lamp has various features that the dielectric barrier discharge lamp does not have in the conventional low-pressure mercury discharge lamp and high-pressure arc discharge lamp, in particular, emits light in a monochromatic light in a narrow wavelength region. Since it has characteristics such as low tube wall temperature, it is useful because a characteristic treatment can be obtained. However, generally, the optimum conditions for activating, decomposing, ionizing or synthesizing a certain substance by a photochemical reaction, that is, the wavelength and intensity of the irradiated ultraviolet rays vary depending on the kind of the substance. Accordingly, in a method of processing a workpiece by bringing the workpiece into contact with a processing fluid, a method of processing the workpiece and the processing fluid by irradiating with one type of ultraviolet radiation from a dielectric barrier discharge lamp. However, there is a problem that the processing is incomplete and the processing speed or processing efficiency is not always sufficient. In addition, since the conventional arc discharge lamp has a radiated light over a wide wavelength range, the light having a wavelength that is harmful to processing is also irradiated at the same time, and two types of conventional arc discharge lamps are used. Even so, the improvement was not always sufficient as compared with the case of using one kind of lamp.
[0004]
[Problems to be solved by the present invention]
An object of the present invention is to provide a processing method using a dielectric barrier discharge lamp that can perform various processes with high quality and can be performed at high speed or with high efficiency.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The object of the present invention is to perform treatment by simultaneously irradiating the object to be processed and the processing fluid with at least two kinds of light sources that emit light having different wavelengths while the object to be processed is in contact with the processing fluid. In this method, at least one of the light sources is a dielectric barrier discharge lamp, and the dielectric barrier discharge lamp is disposed in a processing chamber containing the object to be processed and the processing fluid. It is characterized by processing.
[0006]
[Action]
A processing method for processing an object to be processed by simultaneously irradiating the object to be processed and the processing fluid with at least two types of light sources that emit light having different wavelengths in a state where the object to be processed and the processing fluid are in contact with each other In this case, at least one of the light sources is a dielectric barrier discharge lamp, and the dielectric barrier discharge lamp is provided in a processing chamber containing the object to be processed and a processing fluid. The lamp emits light with high efficiency in a monochromatic manner in a narrow wavelength range, and the light output can be changed without changing the spectral distribution by changing the input power to the lamp. Therefore, it is possible to irradiate light with a characteristic spectral distribution that cannot be obtained with a combination of only conventional arc discharge lamps with high efficiency. High efficiency apparatus, at high speed, it is possible to process high quality.
[0007]
In addition, absorption by the window member between the processing chamber and the light source is eliminated, and since the object to be processed and the light source are close to each other, it is possible to irradiate with high efficiency. Quality processing becomes possible. Further, the dielectric barrier discharge lamp has a large degree of freedom in shape, light output characteristics due to temperature change of the tube wall, in particular, no change in spectral distribution, low temperature of the tube wall, etc. Because it has a feature not found in conventional arc discharge lamps that can solve problems that arise when a light source is installed in the processing chamber, it enables high-efficiency, high-speed, high-quality processing with a compact device. Become.
[0008]
When the dielectric barrier discharge lamp has an airtight discharge space and radiates ultraviolet rays through a light extraction window member that transmits ultraviolet rays, the wavelength range expressed in nm units 180 to 200, 165 to 190, 240 By radiating ultraviolet rays in the wavelength ranges of 255, 200 to 240, 120 to 190, and 300 to 320, a highly efficient and high quality processing method is achieved. This is because the ultraviolet rays in the above-mentioned wavelength range use at least argon and fluorine, argon and chlorine, krypton and fluorine, krypton and chlorine, xenon, and a mixed gas of xenon and chlorine, respectively, as main light emission gases. This is because light can be emitted by the excimer molecules of each mixed gas, but by using these gases, it is possible to realize a state in which the light emission gas member is less deteriorated and the light extraction window member is less deteriorated.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A schematic diagram of a water treatment method according to the first embodiment of the present invention is shown in FIG. Two types of dielectric barrier discharge lamps, first dielectric
[0010]
The first dielectric
[0011]
As a result of the ozone generated as described above and the ultraviolet rays emitted from the first and second dielectric barrier discharge lamps simultaneously acting on the object to be processed, methanol, isopropyl alcohol, methyl ethyl ketone contained as impurities in water , Trichloroethylene, dodecylbenzenesulfonic acid, polyoxyethylene octylphenyl ether, trimethylamine, tetramethylammonium hydroxide and the like are decomposed and converted into harmless carbon dioxide, water, and the like. The treated water is discharged from the discharge port 12.
[0012]
As an advantage of this embodiment, first, since the lamps for generating ozone and decomposing ozone are configured in different types, the wavelength and intensity of ultraviolet rays can be adjusted so that the respective chemical reactions are optimized, and Since the first and second light sources are dielectric barrier discharge lamps, the light output can be changed without changing the spectral distribution by adjusting the input power to the lamp, thus enabling high-efficiency processing. Second, in addition to the ultraviolet light from the second dielectric barrier discharge lamp, the first dielectric barrier discharge lamp adds a mixture of the workpiece and the processing fluid to the conventional low pressure mercury discharge lamp or high pressure arc lamp. It is possible to irradiate ultraviolet rays with a short wavelength that cannot be generated with high efficiency. Therefore, trimethylamine and tetramethylammonium hydroxide, which were difficult to decompose by the conventional methods, are used. Third, since the light output characteristics of the first and second dielectric barrier discharge lamps do not change depending on the ambient temperature, a great deal of energy is required for making the temperature constant at a relatively low temperature. Can be stably treated, and fourthly, there is a great degree of freedom in changing the shape of the first and second dielectric barrier discharge lamps, so that the optimum lamp suitable for the reaction vessel It can be made into a shape, so that high-efficiency processing can be performed.
[0013]
When one of the two types of dielectric barrier discharge lamps is replaced with a conventional low-pressure mercury lamp that can efficiently generate 254 nm and can also generate a small amount of 185 nm ultraviolet light, the intensity ratio and intensity between 254 nm and 185 nm cannot be changed freely. Although the dielectric barrier discharge lamp has a phase advance load, the lighting system of the low pressure mercury lamp has a slow phase load, so the power factor is brought close to 1 by using both simultaneously. Therefore, there is an advantage that the current capacity of the main power source can be reduced.
[0014]
In the second embodiment of the present invention, the
[0015]
In the first to fourth embodiments, the object to be processed was liquid. In the fifth example, the object to be processed in the first to fourth examples was replaced with gas. For example, if CFC-11, CFC-12, CFC-114 and CFC-112 are used as the CFC-11 that destroys the stratospheric ozone layer, and hydrogen peroxide is used as the treatment fluid, carbon, chlorine, fluorine It is possible to convert chlorofluorocarbon, which is a compound, into harmless lower fluororesin, carbon dioxide gas, or hydrogen chloride by the treatment method. The hydrogen chloride gas is treated as a sodium compound or the like in a separate process. Various waste gases such as industrial waste gas containing carbon tetrachloride and methyl chloroform can be treated by the method of the fifth embodiment.
[0016]
A schematic diagram of a wet cleaning method according to the sixth embodiment is shown in FIG. The first dielectric
[0017]
FIG. 4 shows a schematic diagram of the photoresist ashing method according to the seventh embodiment. In the
[0018]
By adjusting the input power to the dielectric barrier discharge lamp, the short wavelength emitted from the first dielectric barrier discharge lamp with respect to the amount of relatively long UV radiation emitted from the second dielectric barrier discharge lamp. When the proportion of ultraviolet rays is increased, the ultraviolet rays with a short wavelength irradiated to the photoresist have a large absorption cross section of oxygen molecules, so that the density of oxygen atoms having high chemical activity near the substrate surface can be extremely increased. In addition, since the energy of the photons irradiated to the
[0019]
The surface modification method according to the eighth embodiment is similar to the seventh embodiment. The object to be processed in the eighth embodiment is plastic instead of the
[0020]
A schematic diagram of a film forming method according to the ninth embodiment is shown in FIG. A first dielectric
[0021]
A mechanism for adjusting the temperature of the object to be processed is incorporated in the
[0022]
The dry cleaning method according to the tenth embodiment is similar to the seventh embodiment. In FIG. 4, the object to be processed in the tenth embodiment is molded plastic instead of the
[0023]
A schematic diagram of an etching method according to the eleventh embodiment is shown in FIG. In the
[0024]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a processing method capable of performing various processes with high quality, high efficiency, and sufficient speed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of a water treatment method using the present invention.
FIG. 2 is a schematic view of a dielectric barrier discharge lamp.
FIG. 3 is an explanatory view of a wet cleaning method using the present invention.
FIG. 4 is an explanatory diagram of a photoresist ashing method using the present invention.
FIG. 5 is an explanatory diagram of a film forming method using the present invention.
FIG. 6 is an explanatory diagram of a method for etching a silicon substrate using the present invention.
[Explanation of symbols]
6a, 6b, 7a, 7b Dielectric
Claims (2)
前記処理用流体は少なくとも空気と水を含む流体からなり、
前記光源の少なくとも1種類を誘電体バリヤ放電ランプとし、且つ、この誘電体バリヤ放電ランプを、前記被処理物と前記処理用流体を収納している処理室内に配置して処理することを特徴とする誘電体バリヤ放電ランプを使用した処理方法。An outer surface of the object to be processed by simultaneously irradiating the object to be processed and the processing fluid with at least two types of light sources that emit light having different wavelengths in a state where the object to be processed and the processing fluid are in contact with each other. A wet processing method for a workpiece to be cleaned,
The processing fluid comprises a fluid containing at least air and water,
At least one of the light sources is a dielectric barrier discharge lamp, and the dielectric barrier discharge lamp is disposed and processed in a processing chamber containing the object to be processed and the processing fluid. A processing method using a dielectric barrier discharge lamp.
前記処理用流体は少なくとも酸素を含むガスからなり、
前記光源の少なくとも1種類を誘電体バリヤ放電ランプとし、且つ、この誘電体バリヤ放電ランプを、前記被処理物と前記処理用流体を収納している処理室内に配置して処理することを特徴とする誘電体バリヤ放電ランプを使用した処理方法。An outer surface of the object to be processed by simultaneously irradiating the object to be processed and the process fluid with at least two kinds of light sources that emit light having different wavelengths in a state where the object to be processed and the process fluid are in contact with each other. A dry processing method for a workpiece to be cleaned,
The processing fluid comprises a gas containing at least oxygen,
At least one of the light sources is a dielectric barrier discharge lamp, and the dielectric barrier discharge lamp is disposed and processed in a processing chamber containing the object to be processed and the processing fluid. A processing method using a dielectric barrier discharge lamp.
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