JP3701785B2 - Vibrator, vibratory gyroscope, linear accelerometer and measuring method of rotational angular velocity - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転系内の回転角速度を検出するために使用される角速度センサに用いられる振動子、振動型ジャイロスコープ、回転角速度の測定方法、および直線加速度計に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、回転系内の回転角速度を検出するための角速度センサとして、圧電体を用いた振動型ジャイロスコープが、航空機や船舶、宇宙衛星などの位置の確認用として利用されてきた。最近では、民生用の分野としてカーナビゲーションや、VTRやスチルカメラの手振れの検出などに使用されている。
【0003】
このような圧電振動型ジャイロスコープは、振動している物体に角速度が加わると、その振動と直角方向にコリオリ力が生じることを利用している。そして、その原理は力学的モデルで解析される(例えば、「弾性波素子技術ハンドブック」、オーム社、第491〜497頁)。そして、圧電型振動ジャイロスコープとしては、これまでに種々のものが提案されている。例えば、スペリー音叉型ジャイロスコープ、ワトソン音叉型ジャイロスコープ、正三角柱型音片ジャイロスコープ、円筒型音片ジャイロスコープ等が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の圧電振動型ジャイロスコープにおいては、いずれも、駆動振動アームの駆動振動が、何らかの形で検出アームにも歪みとして影響を及ぼし、検出信号にノイズを発生させていた。このため、検出信号における信号/雑音比率(S/N比)を、ある程度以上、向上させることは困難であった。
【0005】
本発明の課題は、圧電振動型ジャイロスコープにおいて、駆動振動アームの駆動振動による、検出アームへの影響を抑制し、検出信号におけるS/N比を向上させることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、所定の回転軸を中心として回転させるための振動子であって、この振動子が、内側に中空領域が形成されている枠部と、複数の振動系とを備えており、前記複数の振動系のうちの少なくとも一つが、前記枠部の前記中空領域に面する内縁から前記中空領域内に突出し、前記複数の振動系が、前記回転軸に対して交差する所定面内に延びるように形成され、前記複数の振動系のうちの少なくとも一対の振動系が、振動子全体の重心に対して互いに反対側の位置に設けられていることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、回転系の回転角速度を検出するための振動型ジャイロスコープであって、前記振動子と、この振動子に対して駆動振動を励振する励振手段と、振動子の回転によって振動子に発生した検出振動を検出する検出手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、回転系の回転角速度を検出する方法であって、前記の振動子内に駆動振動を励振し、この駆動振動に応じて振動子を回転させたときに生ずるコリオリ力に起因し、振動子に励起される検出振動を検出し、この検出結果から回転角速度を測定することを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、直線加速度を検出するための直線加速度計であって、前記の振動子と、この振動子に直線加速度が加わったときに振動子に加わるニュートンの力による振動子の変形を検出するための検出手段とを備えることを特徴とする、直線加速度計に係るものである。
【0010】
本発明者は、振動型ジャイロスコープに使用できる振動子の振動原理について基礎研究を行ってきたが、この過程で、まったく新しい原理に基づく振動子および振動型ジャイロスコープを開発することに成功した。この点について、図1−図3の各模式図を参照しつつ、説明する。
【0011】
例えば図1においては、振動子が枠部10Aを備えており、枠部10Aの内側の中空領域8内には、所定の複数の振動系1A,1B、2A、2Bが設けられている。各振動系は、それぞれ、枠部10Aの内縁10aから中空領域8内に向かって突出している。振動系1A、1B、2A、2Bは、すべて枠部10Aを介して連結されている。
【0012】
特に図1−3に示す各実施形態においては、各振動系および枠部が、所定面内に延びており、これによって平板状の振動子を形成している。これらの実施形態においては、この振動子を、回転軸Zを中心として矢印ωのように回転させることで、回転角速度の検出を行える。これらの実施形態における回転角速度の検出の原理について更に説明し、その後で本発明の利点を述べる。
【0013】
複数の振動系のうち、第一の振動系1A、1Bの重心の振動は、振動子全体の重心GOを中心としたときに、所定面内で径方向に振動する径方向振動成分5A、5Bを含む第一の振動となる。また、第二の振動系2A、2Bの重心の振動は、振動子全体の重心GOを中心としたときに、所定面内で周方向に振動する周方向振動成分6A、6Bを含む第二の振動となる。
【0014】
第一の振動系1A、1B中の各振動体3A、3Bを駆動振動体として使用し、径方向の振動成分5A、5Bを駆動振動として使用した場合には、回転後に各振動系1A、1Bに対して、コリオリ力7Aが作用する。これに対応して、第二の振動系2A、2B内の振動体4A、4Bに、周方向の振動成分6A、6Bが発生する。この振動成分を主体とする振動系2A、2Bの振動を検出し、この検出値から回転角速度を算出する。
【0015】
また、第二の振動系2A、2B内の各振動体4A、4Bを駆動振動体として使用し、周方向の振動成分6A、6Bを駆動振動として使用した場合には、回転後に振動系2A、2Bにコリオリ力7Bが作用する。これに対応して、第一の振動系1A、1B内の振動体3A、3Bに、径方向の振動成分5A、5Bが発生する。この振動成分を検出し、この検出値から回転角速度を算出する。
【0016】
こうした形態の振動型ジャイロスコープによれば、駆動振動系が、振動子全体の重心GOの両側にあることから、駆動振動が緩衝、相殺されていて、検出振動系には駆動振動の影響が伝達されにくい。そして、この際、枠部10Aから、駆動振動系と検出振動系とが突出する形態をとったことが重要であり、これによって、互いに異なる振動をする各振動系の各振動が効果的に分離され、S/N比が改善されることがわかった。この点で、本発明は、振動型ジャイロスコープに内在していた根本的な問題点を解決したものである。
【0017】
なお、周方向振動成分とは、振動子全体の重心GOから見て、所定面内で円周方向に振動する振動成分のことを指している。径方向振動成分とは、振動子全体の重心GOからみて、所定面内で円の直径方向に振動する振動成分のことを指しており、つまり、振動子全体の重心GOに対して遠ざかる方向と近づく方向とに対して交互に振動する成分のことを言う。
【0018】
このような振動子および振動型ジャイロスコープによれば、振動子の駆動振動および検出のための振動が、いずれも所定面内で行われ、振動子の振動アームが回転軸に対して交差する方向に延びるように、振動子を設置した場合にも、振動子から回転軸の方向に向かって一定重量の突出部を設けることなく、十分に高い感度で回転角速度を検出できる。
【0019】
図1−図3に示すように、例えば第一の振動系1A、1Bにおける径方向振動成分5A、5Bを駆動振動として使用した場合に、第一の振動系が、振動子全体の重心GOを中心として回転対称な位置に設けられており、この結果、各駆動振動が互いに相殺し合う。これによって、検出振動を検出するための第二の振動系に対する駆動振動の影響が小さくなる。
【0020】
このように、第一の振動系を複数設け、各振動系を、振動子全体の重心GOを中心として、互いに回転対称の位置に設けることができる。例えば図1−図3においては、第一の振動系1Aと1Bとは、重心GOを中心として二回対称の位置に設けられている。
【0021】
また、第二の振動系を複数設け、各第二の振動系を、重心GOを中心として互いに回転対称の位置に設けることが好ましい。例えば、図1−図3においては、第二の振動系2Aと2Bとは、重心GOを中心として二回対称の位置に設けられている。
【0022】
ここで、各振動系が重心GOを中心として回転対称の位置にあるとは、重心GOを中心として、問題とする複数の振動系がそれぞれ所定面内で同じ所定角度離れている状態を意味する。従って、一つの振動系を所定面内で所定角度回転させる操作を行うと、他の振動系の位置に位置する。例えば、図1−図3においては、第一の振動系1Aと1Bとは、180°離れているので、振動系1Aを180°回転させる操作を行うと、振動系1Bの位置にくる。
【0023】
回転対称は、具体的には2回対称、3回対称、4回対称であることが好ましい。また、駆動振動系が、第一の振動系である場合も、第二の振動系である場合も、複数の駆動振動系を、重心GOを中心として回転対称の位置に設けることによって、特に比較的微小な検出振動への影響を抑制できることから、効果が大きい。
【0024】
また、特に駆動振動系(例えば第一の振動系1A、1B)の振動の全体の重心GDが、重心GOの近傍領域に位置していることが好ましく、これによって検出振動系(例えば第二の振動系)への影響を抑制できる。
【0025】
駆動振動系の振動の全体の重心GDが、重心GOの近傍領域に位置しているとは、具体的には、実質的に重心GO上に位置していてもよいが、重心GOから直径1mmの円内に存在していることを意味する。
【0026】
なお、図1(および図2−図6)においては、回転中心(回転軸と所定面との交点)Oが、振動子の重心GOおよび駆動振動の全体の重心GDと一致している。しかし、OはGOと一致する必要はない。なぜなら、回転中心Oが振動子の重心GOとは一致していない場合も、更には回転中心Oが振動子の外部に位置している場合も、基本的に本願発明の振動子は有用であり、本発明の振動型ジャイロスコープに使用できるからである。
【0027】
なぜなら、振動子が回転しているときに、回転中心Oと振動子の重心GOとが一致していない場合の振動子の各部分の変位速度は、回転中心Oが振動子の重心GOと一致している場合の振動子の各部分の変位速度(回転による振動子の各部分の変位)と、振動子の各部分の並進運動による変位速度とのベクトル和となる。そして、振動子の各部分の並進運動による変位速度については、コリオリ力は働かないので、振動型ジャイロスコープによって検出することなく消去できるからである。
【0028】
「複数の振動系が所定面内に延びている」とは、厚さにして1mm以下の範囲内に複数の振動系が形成されている場合を含む。また、前記振動系以外の部分は、前記の所定面から突出することもありえるが、振動子の全体が所定面内に形成されていることが好ましい。
【0029】
また、所定面と回転軸とがなす角度は、60−120度とすることが好ましく、85−95度とすることが好ましく、直交していることが一層好ましい。
【0030】
本発明においては、図1に例示するように、枠部の内縁から、第一の振動系および第二の振動系をすべて突出させることができる。この場合には、駆動振動系の振動が検出振動系に影響するのを抑制しつつ、かつ振動子の幅を最も小さくすることができ、コンパクトな振動子を提供できる。特に、圧電性単結晶を加工することによって、振動子を作製する場合においては、圧電性単結晶の平板を用意し、この平板の周縁部分を枠部とし、その枠部の内側を加工することだけで、振動子を作製できる。
【0031】
図2においては、第一の振動系1A、1Bを、枠部10Bの内縁10aから中空領域8に突出させており、第二の振動系2A、2Bは、枠部10Bの外縁10bから外側へと向けて突出させている。この場合にも、各振動系は前述したようにして動作する。また、図2に示したものとは逆に、第二の振動系2A、2Bを、枠部10Bの内縁10aから中空領域8に突出させ、第一の振動系1A、1Bを、枠部10Bの外縁10bから外側へと向けて突出させることができる。
【0032】
このように、駆動振動系(例えば第一の振動系)と検出振動系(例えば第二の振動系)との一方を枠部の内側に設け、他方を枠部の外側に設けることによって、駆動振動系の振動による検出信号への影響が一層小さくなる。
【0033】
図3においては、枠部10Cの内側の中空領域8内に基部9が設けられている。第二の振動系2A、2Bが、枠部10Cの内縁10aから、基部9の方へと向かって突出している。第一の振動系1A、1Bは、基部9の周縁9aから、重心GOに対して遠ざかる方向へと放射状に延びている。
【0034】
図3において、第一の振動系1A、1Bを、枠部10Cの内縁10aから、基部9の方へと向かって突出させ、第二の振動系2A、2Bを、基部9の周縁9aから、重心GOに対して遠ざかる方向へと放射状に延びるように形成できる。更には、図3において、第二の振動系2A、2Bを、枠部10Cの外縁10bから枠部10Cの外側へと向かって突出させることができる。
【0035】
このように、駆動振動系(例えば第一の振動系)と検出振動系(例えば第二の振動系)との一方を基部に設け、他方を枠部に設けることによって、駆動振動系の振動による検出信号への影響が、より一層小さくなる。
【0036】
第一の振動系は、例えば、基部の周縁部、枠部の内縁または枠部の外縁から径方向に突出する支持部と、この支持部に対して交差する方向に延びる第一の屈曲振動片とを備えている。第一の振動系においては、支持部の長手方向と第一の屈曲振動片の長手方向とは、必ずしも垂直である必要はないが、垂直であることが好ましい。また、第二の振動系は、最も簡略な形態としては、基部の周縁部、枠部の内縁または枠部の外縁からから径方向に突出する第二の屈曲振動片からなる。第二の屈曲振動片に重量部を設けることによって、この屈曲振動片の全体の寸法を短くすることもできる。
【0037】
以下、本発明の更に具体的な実施形態について述べる。
本発明の振動子の変位が所定面内で生ずる場合には、振動子の全体を、同一の圧電単結晶によって形成することができる。この場合には、まず圧電単結晶の薄板を作製し、この薄板をエッチング、研削により加工することによって、振動子を作製できる。振動子の各部分は、別の部材によってそれぞれ形成することもできるが、一体で構成することが特に好ましい。
【0038】
平板形状の材料、例えば水晶等の圧電単結晶の平板状の材料から、エッチングプロセスによって振動子を形成する場合には、振動子の各屈曲振動片等の各構成片に特定形状の突起、例えば細長い突起が生成することがある。このような突起は、厳密には設計時に予定された振動子の対称性を低下させる原因となる。しかし、この突起は存在していても良く、突起の高さは小さい方が好ましいが、突起の高さが振動子の構成片の幅の1/5以下であれば一般に問題なく使用できる。他の製造上の原因による突起以外の非対称部分が振動子に存在する場合にも同様である。
【0039】
なお、このように突起などが振動子に存在する場合には、この突起の一部をレーザー加工等によって削除することによって、または振動子の突起以外の部分をレーザー加工等によって削除することによって、駆動時に駆動振動系の重心GDが、振動子の重心GOの近傍領域内に位置するように、エッチング加工後に調整できる。
【0040】
また、振動子の材質は特に限定するものでないが、水晶、LiNbO3 、LiTaO3 、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体(Li(Nb,Ta)O3 )単結晶、ホウ酸リチウム単結晶、ランガサイト単結晶等からなる圧電単結晶を使用することが好ましい。
【0041】
前記した単結晶の中では、LiNbO3 単結晶、LiTaO3 単結晶、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体単結晶が、電気機械結合係数が特に大きい。また、LiNbO3 単結晶とLiTaO3 単結晶とを比較すると、LiTaO3 単結晶の方がLiNbO3 単結晶よりも電気機械的結合係数が一層大きく、かつ温度安定性も一層良好である。
【0042】
圧電単結晶を使用すると、検出感度を良好にすることができるとともに、検出ノイズを小さくできる。しかも、圧電単結晶を使用すると、温度変化に対して特に鈍感な振動子を作製でき、このような振動子は、温度安定性を必要とする車載用として好適である。この点について更に説明する。
【0043】
音叉型の振動子を使用した角速度センサとしては、例えば特開平8−128833号公報に記載された圧電振動型ジャイロスコープがある。しかし、こうした振動子においては、振動子が2つの方向に向かって振動する。このため、振動子を特に圧電単結晶によって形成した場合には、圧電単結晶の2方向の特性を合わせる必要がある。しかし、現実には圧電単結晶には異方性がある。
【0044】
一般に圧電振動型ジャイロスコープでは、測定感度を良好にするために、駆動の振動モードの固有共振周波数と検出の振動モードの固有共振周波数との間に、一定の振動周波数差を保つことが要求されている。しかし、圧電単結晶は異方性を持っており、結晶面が変化すると、振動周波数の温度変化の度合いが異なる。例えば、ある特定の結晶面に沿って切断した場合には、振動周波数の温度変化がほとんどないが、別の結晶面に沿って切断した場合には、振動周波数が温度変化に敏感に反応する。従って、振動子が2つの方向に向かって振動すると、2つの振動面のうち少なくとも一方の面は、振動周波数の温度変化が大きい結晶面になる。
【0045】
これに対して、振動子の全体を所定面内で振動するようにし、かつ振動子を圧電単結晶によって形成することで、単結晶の最も温度特性の良い結晶面のみを振動子において利用できるようになった。
【0046】
即ち、振動子の全体が所定平面内で振動するように設計されていることから、圧電単結晶のうち振動周波数の温度変化がほとんどない結晶面のみを利用して、振動子を製造することができる。これによって、きわめて温度安定性の高い振動型ジャイロスコープを提供できる。
【0047】
本発明の振動子を圧電性材料によって形成した場合には、この振動子に駆動電極および検出電極を設ける。圧電性材料としては、圧電単結晶の他に、PZT等の圧電セラミックスがある。
また、本発明の振動子を、エリンバー等の恒弾性金属によって形成することもできる。この場合には、振動子の所定箇所に圧電体を取り付ける必要がある。
【0048】
本発明の振動子は、前述した圧電材料や恒弾性合金の他に、シリコンマイクロマシンにおいて使用されるように、シリコン半導体プロセスによって形成することもできる。この場合には、振動子を駆動する際には、静電力等を利用する。
【0049】
本発明の振動型ジャイロスコープは、例えば自動車の車体回転速度フィードバック式の車両制御方法に用いる回転速度センサーに、使用できる。こうしたシステムにおいては、操舵輪の方向自身は、ハンドルの回転角度によって検出する。これと同時に、実際に車体が回転している回転速度を振動ジャイロスコープによって検出する。そして、操舵輪の方向と実際の車体の回転速度を比較して差を求め、この差に基づいて車輪トルク、操舵角に補正を加えることによって、安定した車体制御を実現する。
【0050】
そして、図1−図3に示したような形態の振動型ジャイロスコープによれば、振動子を回転軸に対して垂直に配置(いわゆる横置き)した場合にも、回転角速度を検出できる。
【0051】
図4−図6は、本発明の各実施形態に係る各振動型ジャイロスコープの振動子を概略的に示す斜視図である。
【0052】
図4の振動子は、図3の類型に該当するものである。ただし、本実施形態においては、図3における枠部を分割することによって、枠部10Dを2つ設ける。基部9Aは、GOを中心として4回対称の正方形をしている。基部9Aの周縁部9aから、二つの駆動振動系1A、1B(本例では第一の振動系)が突出している。駆動振動系1Aと1BとはGOを中心として2回対称である。
【0053】
駆動振動系1A、1Bは、基部9Aの周縁部9aから突出する支持部12と、支持部12の先端12b側から支持部12に直交する方向に延びる第一の屈曲振動片3C、3Dを備えている。各屈曲振動片3C、3Dは、中央部分が拘束されており、両端が開放されている。第一の屈曲振動片は、更に詳細には屈曲振動片11A、11B、および11C、11Dからなる。
【0054】
各検出振動系2A、2Bにおいては、基部9から枠部10Dが突出しており、各枠部10Dの中空領域8A内に、それぞれ、細長い周方向屈曲振動片4C、4Dが突出している。各屈曲振動片4C、4Dは、それぞれ重心GOからみて径方向に延びており、各屈曲振動片の重心GOから最も遠い側の端部13が枠部10Dに固定されている。検出振動系2Aと2Bとは、重心GOを中心として2回対称である。
【0055】
駆動時には、各屈曲振動片3C、3Dが、支持部12の先端部分12b付近を中心として、矢印5A、5Bのように屈曲振動する。この振動子を回転させると、各支持部12に対して矢印7Aのようにコリオリ力が作用し、各支持部12が、その基部への固定部12aを中心として周方向に屈曲振動する。これに対応して、検出振動系の屈曲振動片4C、4Dが矢印6A、6Bのように屈曲振動する。この際、各屈曲振動片4C、4Dの振動は、重心GOに近いほど大きくなり、重心GOから遠ざかるほどに小さくなる。
【0056】
図5の振動子は、図2の類型に該当するものである。枠部10Cの内側の中空領域8B内には、枠部10Cの内縁10aから、二つの駆動振動系1A、1Bが突出している。
【0057】
駆動振動系1A、1Bは、枠部10Cの内縁10aから突出する支持部12Aと、支持部12Aの先端12b側から支持部12Aに直交する方向に延びる第一の屈曲振動片3E、3Fを備えている。各屈曲振動片3E、3Fは、中央部分が拘束されており、両端が開放されている。第一の屈曲振動片は、更に詳細には屈曲振動片11E、11F、および11G、11Hからなる。駆動振動系1Aと1Bとは、重心GOを中心として2回対称である。
【0058】
各検出振動系2A、2Bにおいては、枠部10Cの外縁10bから各屈曲振動片4E、4Fが突出している。各屈曲振動片4E、4Fは、それぞれ交点Oからみて径方向に延びており、各屈曲振動片の重心GOに最も近い側の端部13Aが枠部10Cに固定されている。検出振動系2Aと2Bとは、重心GOを中心として2回対称である。
【0059】
駆動時には、各屈曲振動片3E、3Fが、支持部12Aの先端部分12b付近を中心として、矢印5A、5Bのように屈曲振動する。この振動子を回転させると、各支持部12Aに対して矢印7Aのようにコリオリ力が作用し、各支持部12Aが、枠部への固定部分12aを中心として屈曲振動する。この振動の大きさは、重心GOに近いほど大きくなり、重心GOから遠いほど、小さくなる。これに対応して、検出振動系の屈曲振動片4E、4Fが、矢印6A、6Bのように屈曲振動する。
【0060】
図6の振動子は、図1の類型に該当するものである。枠部10Cの内側の中空領域内には、枠部10Cの内縁10aから、二つの駆動振動系1A、1Bが突出している。各駆動振動系は、図5に示したものと同じである。
【0061】
各検出振動系2A、2Bにおいては、枠部10Cの内縁10aから各屈曲振動片4C、4Dが突出している。各屈曲振動片4C、4Dは、それぞれ交点Oからみて径方向に延びており、各屈曲振動片の重心GOから最も遠い側の端部13が枠部10Cに固定されている。
【0062】
駆動時には、各屈曲振動片3E、3Fが、矢印5A、5Bのように屈曲振動する。この振動子を回転させると、各支持部12Aに対して矢印7Aのようにコリオリ力が作用し、各支持部12Aが、枠部への固定部分12aを中心として屈曲振動する。この振動の大きさは、重心GOに近いほど大きくなり、重心GOから遠いほど、小さくなる。これに対応して、検出振動系の屈曲振動片4C、4Dが、矢印6A、6Bのように屈曲振動する。この際、各屈曲振動片4C、4Dの振動は、重心GOに近いほど大きくなり、重心GOから遠ざかるほどに小さくなる。
【0063】
本発明の振動型ジャイロスコープにおいて特に好ましくは、枠部内を支持し、固定する。これによって、コリオリの力により発生する検出振動を減衰させることなく効果的に発生させることができ、検出振動のQ値が高くなり、感度を上昇させることができる。この場合において特に好ましくは、各駆動振動系に対してほぼ等距離である領域内で、振動子を保持する。ここで、「各駆動振動系に対してほぼ等距離である領域」とは、その領域内の各点から各駆動振動系に至るまでの距離の差が、1%以内である領域を言う。
【0064】
例えば、図4、図5、図6において、枠部内の領域20内で振動子を保持すると、最も駆動振動、検出振動による影響が小さくなり、感度が向上する。
【0065】
振動子を支持する具体的方法については特に限定せず、あらゆる支持方法、固定方法を採用できる。
【0066】
例えば、圧電材料の接着方法として公知のあらゆる接着方法を使用できる。その一例として、振動子に所定の支持孔を設け、支持孔内に何らかの支持具を挿入して振動子を固定できる。例えば、振動子を支持するための治具から支持具を突出させ、支持具を支持孔内に挿入し、固定できる。支持具を支持孔中に挿入し、固定する際には、支持具の表面にメタライズ層を設け、および/または支持孔の内周面にメタライズ層を設け、次いで支持具と支持孔の内周面とをハンダ付け又はロウ付けする。あるいは、支持具と支持孔との間に樹脂を配することにより、振動子を固定できる。
【0067】
この支持孔は、振動子を貫通していてもよく、また振動子を貫通していなくともよい。支持孔が振動子を貫通する貫通孔である場合には、支持孔に支持具を貫通させることもできるが、支持具を貫通させなくともよい。
【0068】
また、振動子に支持孔を設けない場合には、振動子の表面および/または裏面に、支持具をハンダ付けしたり、あるいは支持具を樹脂によって接着できる。
【0069】
本発明の振動子を使用した直線加速度計によれば、振動子に駆動振動を与えたときの基部の伸縮振動によるノイズ信号が顕著に低減されているので、このノイズ信号の温度変化による誤差を防止することができる。
【0070】
また、本発明の振動子を用いて、回転速度と直線加速度とを同時に計測するセンサーを作製することができる。本発明の振動子では、振動子に回転速度と直線加速度が同時に加わった場合、回転速度に対応する検出信号と、直線加速度に対応する信号とが同時に発生する。このときの検出信号のうち、駆動信号と同じ周波数の信号成分の振幅の変化が回転速度に比例しており、直流電圧信号成分の変化が直線加速度に比例している。
【0071】
図6に示す形態の振動子を作製し、そのS/N比を測定した。ただし、厚さ0.3mmの水晶のZ板の両面に、クロムを200オングストローム、更に金を3000オングストロームを蒸着し、フォトリソグラフィー法によってアーム長さが6mmとなるようにマスクパターンを形成し、フッ化アンモニウム溶液を用い、エッチング法によって、図6の形状の振動子を作製した。更に、振動子の表面に、電極として、クロムを200オングストローム、更に金を3000オングストロームを、所定のパターンとなるように蒸着し、振動子を作製した。この振動子を利用したジャイロスコープのS/N比を測定したところ、1500となった。
【0072】
なお、S/N比を測定する際には、振動子が回転系内に設置されないときに、検出電極に現れる電圧の振幅をノイズ(N)とする。また、振動子を、回転角速度1ラジアン/秒の回転系内に設置したときに、検出電極に現れる電圧の振幅を信号(S)とする。そして、前記の信号(S)/ノイズ(N)をS/N比とした。
【0073】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、圧電振動型ジャイロスコープにおいて、駆動振動アームの駆動振動による、検出アームへの影響を抑制し、検出信号におけるS/N比を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】枠部10Aの内側の中空領域内に各振動系が設けられている実施形態の振動子を示す模式図である。
【図2】枠部10Bの内側の中空領域内に第一の振動系が設けられており、枠部10Bの外側へと向かって第二の振動系が突出している振動子を示す模式図である。
【図3】枠部10Cの内側の中空領域内に第二の振動系が設けられており、枠部10C内の基部から第一の振動系が突出している振動子を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る振動子を概略的に示す斜視図である。
【図5】本発明の他の実施形態に係る振動子を概略的に示す斜視図である。
【図6】本発明の更に他の実施形態に係る振動子を概略的に示す斜視図である。
【符号の説明】
1A、1B 第一の振動系 2A、2B 第二の振動系 3C、3D 第一の屈曲振動片 4C、4D 周方向屈曲振動片 8、8A、8B 中空領域 9、9A 基部 10A、10B、10C、10D 枠部 10a 枠部の内縁 10b 枠部の外縁 12、12A 支持部 O 所定面と回転軸Zとの交点[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a vibrator, a vibratory gyroscope, a rotational angular velocity measuring method, and a linear accelerometer used in an angular velocity sensor used to detect a rotational angular velocity in a rotating system.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as an angular velocity sensor for detecting a rotational angular velocity in a rotating system, a vibratory gyroscope using a piezoelectric body has been used for confirming the position of an aircraft, a ship, a space satellite, or the like. Recently, it is used as a consumer field for car navigation, detection of camera shake of a VTR or a still camera, and the like.
[0003]
Such a piezoelectric vibrating gyroscope utilizes the fact that when an angular velocity is applied to a vibrating object, a Coriolis force is generated in a direction perpendicular to the vibration. The principle is analyzed by a mechanical model (for example, “Acoustic wave device technology handbook”, Ohm, pages 491 to 497). Various piezoelectric vibratory gyroscopes have been proposed so far. For example, Sperry tuning fork type gyroscope, Watson tuning fork type gyroscope, equilateral triangular prism type piece gyroscope, cylindrical type piece gyroscope, etc. are known.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in all of the conventional piezoelectric vibration type gyroscopes, the drive vibration of the drive vibration arm has some sort of influence on the detection arm as distortion, and noise is generated in the detection signal. For this reason, it has been difficult to improve the signal / noise ratio (S / N ratio) in the detection signal to some extent.
[0005]
An object of the present invention is to suppress the influence on the detection arm due to the drive vibration of the drive vibration arm in the piezoelectric vibration type gyroscope, and to improve the S / N ratio in the detection signal.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is a vibrator for rotating around a predetermined rotation axis, and the vibrator includes a frame portion in which a hollow region is formed inside, and a plurality of vibration systems, At least one of the plurality of vibration systems protrudes into the hollow region from an inner edge of the frame portion facing the hollow region. The plurality of vibration systems are formed so as to extend in a predetermined plane intersecting the rotation axis, and at least a pair of vibration systems of the plurality of vibration systems are mutually with respect to the center of gravity of the entire vibrator. Provided on the opposite side It is characterized by.
[0007]
The present invention also relates to a vibratory gyroscope for detecting a rotational angular velocity of a rotating system, wherein the vibrator, excitation means for exciting drive vibration to the vibrator, and vibration caused by rotation of the vibrator. And detecting means for detecting detection vibration generated in the child.
[0008]
The present invention also relates to a method for detecting the rotational angular velocity of a rotating system, which is caused by Coriolis force generated when drive vibration is excited in the vibrator and the vibrator is rotated in accordance with the drive vibration. The detection vibration excited by the vibrator is detected, and the rotational angular velocity is measured from the detection result.
[0009]
The present invention is also a linear accelerometer for detecting linear acceleration, wherein the transducer and the deformation of the transducer by Newton's force applied to the transducer when linear acceleration is applied to the transducer. The present invention relates to a linear accelerometer characterized by comprising a detecting means for detecting.
[0010]
The present inventor has conducted basic research on the vibration principle of a vibrator that can be used in a vibratory gyroscope. In this process, the inventors have succeeded in developing a vibrator and a vibratory gyroscope based on a completely new principle. This point will be described with reference to the schematic diagrams of FIGS.
[0011]
For example, in FIG. 1, the vibrator includes a
[0012]
In particular, in each embodiment shown in FIGS. 1-3, each vibration system and the frame portion extend in a predetermined plane, thereby forming a flat plate-like vibrator. In these embodiments, the rotational angular velocity can be detected by rotating the vibrator about the rotation axis Z as indicated by an arrow ω. The principle of detection of the rotational angular velocity in these embodiments will be further described, and then the advantages of the present invention will be described.
[0013]
Of the plurality of vibration systems, the
[0014]
When the
[0015]
Further, when the vibrating
[0016]
According to the vibratory gyroscope of this form, since the drive vibration system is on both sides of the center of gravity GO of the entire vibrator, the drive vibration is buffered and offset, and the influence of the drive vibration is transmitted to the detection vibration system. It is hard to be done. At this time, it is important that the drive vibration system and the detection vibration system protrude from the
[0017]
Note that the circumferential vibration component refers to a vibration component that vibrates in the circumferential direction within a predetermined plane as viewed from the center of gravity GO of the entire vibrator. The radial vibration component refers to a vibration component that vibrates in the diameter direction of a circle within a predetermined plane when viewed from the center of gravity GO of the entire vibrator, that is, a direction away from the center of gravity GO of the entire vibrator. A component that vibrates alternately with respect to the approaching direction.
[0018]
According to such a vibrator and a vibratory gyroscope, the vibrator drive vibration and the vibration for detection are both performed within a predetermined plane, and the vibrator arm of the vibrator intersects the rotation axis. Even when the vibrator is installed so as to extend in the direction, it is possible to detect the rotational angular velocity with sufficiently high sensitivity without providing a protrusion having a constant weight in the direction of the rotation axis from the vibrator.
[0019]
As shown in FIGS. 1 to 3, for example, when the
[0020]
In this way, a plurality of first vibration systems can be provided, and each vibration system can be provided in a rotationally symmetric position around the center of gravity GO of the entire vibrator. For example, in FIGS. 1 to 3, the first vibration systems 1 </ b> A and 1 </ b> B are provided at positions that are two-fold symmetrical about the center of gravity GO.
[0021]
It is preferable that a plurality of second vibration systems are provided, and each second vibration system is provided at a rotationally symmetric position with respect to the center of gravity GO. For example, in FIGS. 1 to 3, the second vibration systems 2 </ b> A and 2 </ b> B are provided at positions that are two-fold symmetrical about the center of gravity GO.
[0022]
Here, each vibration system being in a rotationally symmetric position with the center of gravity GO as the center means a state where a plurality of vibration systems in question are separated from each other by the same predetermined angle within a predetermined plane with the center of gravity GO as the center. . Therefore, when an operation is performed to rotate one vibration system by a predetermined angle within a predetermined plane, the vibration system is positioned at another vibration system. For example, in FIGS. 1 to 3, the first vibration systems 1 </ b> A and 1 </ b> B are separated from each other by 180 °, and therefore, when an operation of rotating the vibration system 1 </ b> A by 180 ° is performed, the first vibration system 1 </ b> A is positioned.
[0023]
Specifically, the rotational symmetry is preferably a 2-fold symmetry, 3-fold symmetry, or 4-fold symmetry. Further, whether the drive vibration system is the first vibration system or the second vibration system, a plurality of drive vibration systems are provided at rotationally symmetric positions with the center of gravity GO as the center. Since the influence on the minute detection vibration can be suppressed, the effect is great.
[0024]
In particular, it is preferable that the entire center of gravity GD of the vibration of the drive vibration system (for example, the
[0025]
Specifically, the fact that the entire center of gravity GD of the vibration of the drive vibration system is located in the region near the center of gravity GO may be substantially located on the center of gravity GO, but the diameter from the center of gravity GO is 1 mm. Means it is in the circle.
[0026]
In FIG. 1 (and FIGS. 2 to 6), the rotation center (intersection of the rotation axis and the predetermined surface) O coincides with the center of gravity GO of the vibrator and the entire center of gravity GD of the drive vibration. However, O need not match GO. This is because the vibrator of the present invention is basically useful even when the rotation center O does not coincide with the center of gravity GO of the vibrator, and even when the rotation center O is located outside the vibrator. This is because it can be used for the vibratory gyroscope of the present invention.
[0027]
This is because when the vibrator is rotating, the displacement speed of each part of the vibrator when the center of rotation O and the center of gravity GO of the vibrator do not coincide is the same as the center of gravity GO of the vibrator. In this case, the vector sum of the displacement speed of each part of the vibrator (displacement of each part of the vibrator due to rotation) and the displacement speed caused by the translational motion of each part of the vibrator in the case of being applied. This is because the Coriolis force does not act on the displacement speed due to the translational motion of each part of the vibrator, and can be eliminated without being detected by the vibratory gyroscope.
[0028]
“A plurality of vibration systems extending in a predetermined plane” includes a case where a plurality of vibration systems are formed within a thickness of 1 mm or less. Further, the part other than the vibration system may protrude from the predetermined surface, but it is preferable that the entire vibrator is formed within the predetermined surface.
[0029]
The angle formed between the predetermined surface and the rotation axis is preferably 60 to 120 degrees, more preferably 85 to 95 degrees, and still more preferably orthogonal.
[0030]
In the present invention, as illustrated in FIG. 1, all of the first vibration system and the second vibration system can be protruded from the inner edge of the frame portion. In this case, the vibration of the drive vibration system can be suppressed from affecting the detection vibration system, and the width of the vibrator can be minimized, so that a compact vibrator can be provided. In particular, when a vibrator is produced by processing a piezoelectric single crystal, a piezoelectric single crystal flat plate is prepared, the peripheral portion of the flat plate is used as a frame portion, and the inside of the frame portion is processed. The vibrator can be manufactured only by this.
[0031]
In FIG. 2, the
[0032]
In this way, driving is performed by providing one of the driving vibration system (for example, the first vibration system) and the detection vibration system (for example, the second vibration system) inside the frame portion and the other outside the frame portion. The influence on the detection signal due to vibration of the vibration system is further reduced.
[0033]
In FIG. 3, the base 9 is provided in the
[0034]
In FIG. 3, the
[0035]
In this way, by providing one of the drive vibration system (for example, the first vibration system) and the detection vibration system (for example, the second vibration system) at the base and the other at the frame portion, The influence on the detection signal is further reduced.
[0036]
The first vibration system includes, for example, a support portion protruding in a radial direction from the peripheral edge portion of the base portion, the inner edge of the frame portion or the outer edge of the frame portion, and a first bending vibration piece extending in a direction intersecting the support portion. And. In the first vibration system, the longitudinal direction of the support portion and the longitudinal direction of the first bending vibration piece are not necessarily perpendicular, but are preferably perpendicular. In the simplest form, the second vibration system includes a second flexural vibration piece projecting radially from the peripheral edge of the base, the inner edge of the frame, or the outer edge of the frame. By providing a weight portion on the second bending vibration piece, the overall dimension of the bending vibration piece can be shortened.
[0037]
Hereinafter, more specific embodiments of the present invention will be described.
When the displacement of the vibrator of the present invention occurs in a predetermined plane, the whole vibrator can be formed of the same piezoelectric single crystal. In this case, first, a piezoelectric single crystal thin plate is prepared, and the thin plate is processed by etching and grinding, whereby a vibrator can be manufactured. Each part of the vibrator can be formed by a separate member, but it is particularly preferable that the parts are integrally formed.
[0038]
When a vibrator is formed from a flat plate material, for example, a piezoelectric single crystal flat plate material such as quartz, by an etching process, a protrusion having a specific shape on each constituent piece such as each bending vibration piece of the vibrator, for example, An elongated protrusion may be generated. Strictly speaking, such protrusions cause a decrease in the symmetry of the vibrator planned at the time of design. However, this protrusion may be present, and it is preferable that the height of the protrusion is small. However, if the height of the protrusion is 1/5 or less of the width of the constituent piece of the vibrator, it can be generally used without any problem. The same applies to the case where an asymmetric part other than the protrusion due to other manufacturing causes exists in the vibrator.
[0039]
In addition, when protrusions and the like are present on the vibrator as described above, by removing a part of the protrusions by laser processing or the like, or by removing parts other than the protrusions of the vibrator by laser processing or the like, The center of gravity GD of the driving vibration system can be adjusted after the etching process so that the center of gravity GD of the driving vibration system is located in a region near the center of gravity GO of the vibrator during driving.
[0040]
Further, the material of the vibrator is not particularly limited, but crystal, LiNbO Three LiTaO Three Lithium niobate-lithium tantalate solid solution (Li (Nb, Ta) O Three It is preferable to use a piezoelectric single crystal made of a single crystal, a lithium borate single crystal, a langasite single crystal, or the like.
[0041]
Among the single crystals described above, LiNbO Three Single crystal, LiTaO Three The single crystal, lithium niobate-lithium tantalate solid solution single crystal has a particularly large electromechanical coupling coefficient. LiNbO Three Single crystal and LiTaO Three Compared with single crystal, LiTaO Three Single crystal is LiNbO Three The electromechanical coupling coefficient is larger than that of the single crystal, and the temperature stability is better.
[0042]
When a piezoelectric single crystal is used, detection sensitivity can be improved and detection noise can be reduced. In addition, when a piezoelectric single crystal is used, a vibrator that is particularly insensitive to temperature changes can be manufactured, and such a vibrator is suitable for in-vehicle use that requires temperature stability. This point will be further described.
[0043]
As an angular velocity sensor using a tuning fork type vibrator, for example, there is a piezoelectric vibration type gyroscope described in JP-A-8-128833. However, in such a vibrator, the vibrator vibrates in two directions. For this reason, when the vibrator is formed of a piezoelectric single crystal, it is necessary to match the characteristics of the two directions of the piezoelectric single crystal. However, in reality, the piezoelectric single crystal has anisotropy.
[0044]
In general, a piezoelectric vibration type gyroscope is required to maintain a certain vibration frequency difference between the natural resonance frequency of the driving vibration mode and the natural resonance frequency of the detection vibration mode in order to improve measurement sensitivity. ing. However, the piezoelectric single crystal has anisotropy, and when the crystal plane changes, the degree of temperature change of the vibration frequency differs. For example, when cutting along a specific crystal plane, there is almost no change in temperature of the vibration frequency, but when cutting along another crystal plane, the vibration frequency responds sensitively to temperature change. Therefore, when the vibrator vibrates in two directions, at least one of the two vibration surfaces becomes a crystal surface with a large temperature change of vibration frequency.
[0045]
In contrast, by making the entire vibrator vibrate within a predetermined plane and forming the vibrator by a piezoelectric single crystal, only the crystal plane having the best temperature characteristics of the single crystal can be used in the vibrator. Became.
[0046]
In other words, since the entire vibrator is designed to vibrate within a predetermined plane, it is possible to manufacture the vibrator using only the crystal plane of the piezoelectric single crystal that hardly changes the temperature of the vibration frequency. it can. As a result, a vibratory gyroscope with extremely high temperature stability can be provided.
[0047]
When the vibrator of the present invention is formed of a piezoelectric material, the vibrator is provided with a drive electrode and a detection electrode. Examples of the piezoelectric material include piezoelectric ceramics such as PZT in addition to the piezoelectric single crystal.
Further, the vibrator of the present invention can be formed of a constant elastic metal such as Elinvar. In this case, it is necessary to attach a piezoelectric body to a predetermined portion of the vibrator.
[0048]
In addition to the piezoelectric material and the constant elastic alloy described above, the vibrator of the present invention can also be formed by a silicon semiconductor process so as to be used in a silicon micromachine. In this case, electrostatic force or the like is used when driving the vibrator.
[0049]
The vibratory gyroscope of the present invention can be used, for example, in a rotational speed sensor used in a vehicle control method of a vehicle body rotational speed feedback type of an automobile. In such a system, the direction of the steering wheel itself is detected by the rotation angle of the steering wheel. At the same time, the rotational speed at which the vehicle body is actually rotating is detected by the vibration gyroscope. Then, the direction of the steering wheel is compared with the actual rotational speed of the vehicle body to obtain a difference, and based on this difference, correction is made to the wheel torque and the steering angle, thereby realizing stable vehicle body control.
[0050]
The vibrating gyroscope having the configuration shown in FIGS. 1 to 3 can detect the rotational angular velocity even when the vibrator is arranged perpendicularly to the rotation axis (so-called horizontal placement).
[0051]
4 to 6 are perspective views schematically showing the vibrator of each vibration gyroscope according to each embodiment of the present invention.
[0052]
The vibrator shown in FIG. 4 corresponds to the type shown in FIG. However, in the present embodiment, two
[0053]
The
[0054]
In each of the
[0055]
At the time of driving, the bending
[0056]
The vibrator of FIG. 5 corresponds to the type of FIG. Two
[0057]
The
[0058]
In each of the
[0059]
At the time of driving, each bending
[0060]
The vibrator shown in FIG. 6 corresponds to the type shown in FIG. Two
[0061]
In each of the
[0062]
At the time of driving, the bending
[0063]
In the vibratory gyroscope of the present invention, it is particularly preferable that the inside of the frame is supported and fixed. Thereby, the detection vibration generated by the Coriolis force can be effectively generated without being attenuated, the Q value of the detection vibration is increased, and the sensitivity can be increased. In this case, it is particularly preferable that the vibrator is held in a region that is substantially equidistant with respect to each drive vibration system. Here, the “region that is substantially equidistant with respect to each drive vibration system” refers to a region in which the difference in distance from each point in the region to each drive vibration system is within 1%.
[0064]
For example, in FIGS. 4, 5, and 6, when the vibrator is held in the
[0065]
The specific method for supporting the vibrator is not particularly limited, and any support method and fixing method can be adopted.
[0066]
For example, any known bonding method can be used as a bonding method of the piezoelectric material. As an example, the vibrator can be fixed by providing a predetermined support hole in the vibrator and inserting some support into the support hole. For example, the support tool can be protruded from a jig for supporting the vibrator, and the support tool can be inserted into the support hole and fixed. When inserting and fixing the support tool into the support hole, a metallized layer is provided on the surface of the support tool and / or a metallized layer is provided on the inner peripheral surface of the support hole, and then the inner periphery of the support tool and the support hole. Solder or braze the surface. Alternatively, the vibrator can be fixed by arranging a resin between the support and the support hole.
[0067]
The support hole may penetrate the vibrator or may not penetrate the vibrator. When the support hole is a through hole penetrating the vibrator, the support tool can be passed through the support hole, but the support tool need not be passed through.
[0068]
Further, when the vibrator is not provided with a support hole, the support tool can be soldered to the front surface and / or the back surface of the vibrator, or the support tool can be bonded with resin.
[0069]
According to the linear accelerometer using the vibrator of the present invention, the noise signal due to the stretching vibration of the base when driving vibration is applied to the vibrator is remarkably reduced. Can be prevented.
[0070]
In addition, a sensor that simultaneously measures the rotational speed and the linear acceleration can be manufactured using the vibrator of the present invention. In the vibrator of the present invention, when a rotational speed and a linear acceleration are simultaneously applied to the vibrator, a detection signal corresponding to the rotational speed and a signal corresponding to the linear acceleration are generated simultaneously. Among the detection signals at this time, the change in the amplitude of the signal component having the same frequency as that of the drive signal is proportional to the rotation speed, and the change in the DC voltage signal component is proportional to the linear acceleration.
[0071]
A vibrator having the form shown in FIG. 6 was produced, and the S / N ratio was measured. However, 200 angstroms of chromium and 3000 angstroms of gold are vapor-deposited on both sides of a 0.3 mm thick quartz crystal Z plate, and a mask pattern is formed by photolithography so that the arm length becomes 6 mm. A vibrator having the shape shown in FIG. 6 was produced by an etching method using an ammonium fluoride solution. Furthermore, 200 angstroms of chromium and 3000 angstroms of gold were vapor-deposited as electrodes in the predetermined pattern on the surface of the vibrator to produce a vibrator. When the S / N ratio of the gyroscope using this vibrator was measured, it was 1500.
[0072]
When measuring the S / N ratio, the amplitude of the voltage appearing on the detection electrode when the vibrator is not installed in the rotating system is defined as noise (N). Further, when the vibrator is installed in a rotating system with a rotational angular velocity of 1 radians / second, the amplitude of the voltage appearing on the detection electrode is defined as a signal (S). And said signal (S) / noise (N) was made into S / N ratio.
[0073]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in the piezoelectric vibration type gyroscope, the influence on the detection arm due to the drive vibration of the drive vibration arm can be suppressed, and the S / N ratio in the detection signal can be improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing a vibrator of an embodiment in which each vibration system is provided in a hollow region inside a
FIG. 2 is a schematic diagram showing a vibrator in which a first vibration system is provided in a hollow region inside the
FIG. 3 is a schematic diagram showing a vibrator in which a second vibration system is provided in a hollow region inside the
FIG. 4 is a perspective view schematically showing a vibrator according to an embodiment of the invention.
FIG. 5 is a perspective view schematically showing a vibrator according to another embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a perspective view schematically showing a vibrator according to still another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
1A, 1B
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