JP3698149B2 - Position sensorless control method for synchronous motor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、同期モータの制御方法に関わり、特に同期モータの位置センサレス制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
同期モータの回転子構造には、回転位置によって巻線インダクタンスが変化する突極型と、ほぼ一定である非突極型があり、回転子を構成する永久磁石の配置が、前者ではコア内部に埋め込まれ、後者は回転子の表面に配置されている。
【0003】
これら同期モータを駆動する方法として、
(1)回転位置を検出しないで、誘導モータのインバータ制御と同等にオープンループで駆動する、いわゆる同期運転方法
(2)何らかの回転位置検出手段を用いて閉ループで運転する、いわゆるブラシレスDCモータ運転方法
の2種類がある。
【0004】
このうち、同期運転方法では、インバータ周波数に見合って、負荷に応じた最適なモータ電圧を印加することが求められる。このため、何らかの最適電圧制御を行わないと、モータ電流の増加を招くだけでなく、負荷の急変化,急加減速時にトルク不足を起こしモータは停止する。
【0005】
一方ブラシレスDCモータ運転の場合では、何らかの回転子位置センサを設ける場合、誘導モータのインバータ駆動と比較して、インバータとモータ間の配線本数が増加し、その保守性,信頼性を損なうために、一般産業への普及及び圧縮機などの特殊雰囲気中での使用が妨げられる。この欠点をなくすために、回転子位置センサを用いずに位置を検出する各種の位置センサレス技術が発表されている。
【0006】
この位置センサレス技術をまとめると停止・低速領域の位置センサレス技術と中・高速領域の位置センサレス技術がある。停止・低速位置検出では、突極型モータに適用され、巻線インダクタンスが回転位置により相違することを利用して、高周波信号の注入など何らかの手法により位置を測定している。
【0007】
また中・高速領域では、モータ巻線に誘起される電圧を利用し、その利用方法に各種の方式が発表されている。
【0008】
たとえば、特開平8−308286 号公報に開示された技術がある。この技術は、永久磁石回転子の磁束方向の位置であるd軸と、それから回転方向に90度進んだq軸からなるd−q実回転座標系に対して、制御上の仮想回転位置dc軸と、それから回転方向に90度進んだ仮想位置qc軸からなる制御上のdc−qc制御回転座標系を定義付ける。d−q実回転座標上で、モータ抵抗,モータインダンクタンス,モータ発電定数などのモータパラメータを用いて、電流と電圧の関係式によりモータモデルを表現し、このモータモデルから予測されるd軸電流と、制御軸上のdc軸電流の差が位置誤差Δθに比例するとしている。
【0009】
d軸電流の予測計算においては、モータモデルと実モータとでモータパラメータが等しいこと、またΔθが0に近いとしてsinΔθ=Δθ の近似を行い、また計算に用いる電流値は制御上観測されるdc−qc回転座標軸での電流を使用する。
【0010】
他の方法として、特開平9−191698 号公報の技術がある。この技術は、先ず、停止状態から見た時にモータの回転と共に発生するモータ誘起電圧は外乱であるとして扱い、周知の外乱オブザーバ手法に則り、モータ誘起電圧の大きさと極性を推定している。この外乱オブザーバは、先の技術と同様dc−qc回転制御座標系での状態方程式に基づいている。次に、推定したモータ誘起電圧とモータパラメータを用いて速度を演算し、更にこの速度を積算演算によって位置情報とし、実際の回転位置とのずれを、誘起電圧dc軸成分推定値と推定速度から得られる位置誤差Δθを用いて補正を行っている。
【0011】
このΔθの算出にあたっては、先の例と同様に、Δθが0に近いとして sinΔθ=Δθ の近似を行っている。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−308286号公報
【特許文献2】
特開平9−191698号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来の誘起電圧を利用した中・高速領域の位置センサレス技術は、モータ位置を推定するのに、仮想の回転軸である制御回転座標系の電流値を用いていること、また、sinΔθ=Δθ の近似を行っていることなどの理由により、位置誤差が大きい場合には制御精度が低下する。このため、負荷の急変化,急な加減速運転の用途には適さない。また、モータパラメータが含まれる場合には推定位置に誤差を有する。
【0014】
本発明は、中・高速領域の位置センサレス技術として、同期モータを位置センサレスで駆動するのに好適な制御方法の提供を目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明者は次の点を検討した。
【0016】
(1)制御軸に依存しない値で位相角を表現して、軸誤差Δθを求めること。
【0017】
(2)その軸誤差に基づいて周波数を決定すること。
【0018】
(3)制御軸に依存しない電流,電圧に基づいて速度を推定すること。
【0019】
(4)上記軸誤差に含まれるパラメータ誤差の影響を解決すること。
【0020】
(5)中高速領域の位置センサレス技術に対して、停止,低速時での運転手法を組み合わせることである。
【0021】
上記検討に基づいてなされた本発明による同期モータの位置センサレス制御方法においては、永久磁石を界磁とする同期モータのモータ電流と実回転位置との第1の位相差と、モータ電流と仮想回転位置との第2の位相差を求める。そして、第1の位相差と前記第2の位相差の差より、実回転位置と仮想回転位置の位相誤差を推定する。第1及び第2の位相差を用いるので、位相誤差が大きい場合でも、制御精度が高くなる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態について、以下図1から図16を参照して説明する。
【0023】
図1は、本発明による同期モータの位置センサレス制御方法を適用した同期モータ駆動装置である。この装置は、主回路2,検出部4,中間パワー部5,制御部6に大きく分けられる。
【0024】
主回路2は、交流電源1より整流回路21,直流リアクトル22,平滑コンデンサ23を用いて直流電圧Ed を作成し、インバータ回路24によって可変電圧,可変周波数の3相交流を同期モータ3に加える。
【0025】
検出部4は、位置センサレス制御に必要なモータ電流検出のためのモータ電流検出部42と、モータに加える電圧を制御するために必要な直流電圧Ed を検出する電圧検出部41からなる。
【0026】
中間パワー部5は、インバータ回路24を構成するスイッチング素子を駆動するドライブ回路53,ドライブ回路53のためのドライブ電源51、また後述の制御部6のための制御電源52からなる。
【0027】
制御部6においては、本発明による制御方法が適用される。この実施例での位置センサレス制御は、永久磁石回転子の磁束方向の位置をd軸、それから回転方向に90度進んだq軸からなるd−q実回転座標系に対して、制御上の仮想回転子位置dc軸と、それから回転方向に90度進んだ制御上の位置qc軸からなる制御上のdc−qc制御回転座標系での制御を基本としている。なお、これ以降の説明においてdc−qc座標軸を単に制御軸と呼ぶ。
【0028】
座標変換部60では、モータ電流検出部42で検出されたモータ電流iu,
iw、仮想回転子位置dc軸の位相θdcを入力として、仮想dc−qc座標系におけるdc軸電流Idcf ,qc軸電流Iqcf を出力する。
【0029】
位相誤差演算部61では、dc軸電流Idcf ,qc軸電流Iqcf 、後述のモータ電圧V1 *,qc軸とモータ電圧V1 *との位相差δc を入力としてd−q実座標系と制御軸系との位相誤差Δθを出力する。
【0030】
周波数/位相作成・速度検出部62では、位相誤差Δθを入力として検出速度ωr を演算する。
【0031】
速度制御部63では、指令速度ωr *と検出速度ωr よりqc軸電流指令Iq *を作成する。
【0032】
電流制御部64では、qc軸電流指令Iq *,検出速度ωr より、qc軸電圧指令Vq **,dc軸電圧指令Vd **を作成する。
【0033】
逆変換部65では、qc軸電圧指令Vq **,dc軸電圧指令Vd **より3相電圧指令Vu*,Vv*,Vw* を作成し、PWM信号発生部より周知のPWMドライブ信号が作られドライブ回路53に伝えられる。
【0034】
起動・運転管理部66は、停止時,低速時の運転方法を実現するためのもので、起動時qc軸電流指令Iqs *,起動時dc軸電流指令Ids *,起動時速度指令 ωlsを電流制御部64や周波数/位相作成・速度検出部62に伝える。また、選択信号sel は、起動時の運転法と、位置センサレス制御による運転法を切り替えるための信号データであり、電流制御部64と周波数/位相作成・速度検出部62に伝える。
【0035】
オペレータ7は運転停止指令や速度指令をマニュアル操作で行ったり、速度の表示や、各種運転パラメータを設定するためのものである。インターフェース部67は、オペレータ7で設定された各種データを起動・運転管理部66に伝えるもので、これらデータとして速度指令ωr ** や加速時間Tacの他に、起動を各種負荷条件で最適とするための位置決め時間Tp ,初期回転時間Ts ,位置決め時目標電流指令Im0,初期回転最終目標周波数ωls0 などがある。
【0036】
制御部6中に破線で示したパラメータ推定部68V,パラメータ推定部68L,位相調整部69I、及び位相調整部69Sは、いずれも位相誤差演算部61にて求める位相誤差Δθに含まれるモータ定数の影響をなくすためのものである。
【0037】
パラメータ推定部68Vは、電圧指令Vu*,Vv*,Vw*と実電圧の誤差が位相誤差Δθに与える影響を軽減し、パラメータ推定部68Lは、モータの実インダクタンスが位相誤差演算で使用するモータインダクタンス設定値Lとの相違で与える位相誤差Δθへの影響を軽減する。また、位相調整部69Iと位相調整部69Sはいずれも、位相誤差に与える複数のモータ定数やモータ電圧誤差の影響を軽減するためのもので、モータ電流が最小になるように位相調整部69Iではdc軸電流指令Id*を、位相調整部69Sでは位相誤差指令Δθ*を作成する。
【0038】
次に本実施例における同期モータの回転子位置を推定する方法について説明する。
【0039】
図2に、同期モータの回転子,固定子、前述のd−q軸回転座標、及びdc−qc制御回転座標の関係を示す。なお、図2は同期モータの解析モデル図であり、回転角度はモータを駆動する交流電圧の電気角で表す。前述のように、d軸を永久磁石回転子の磁束方向の位置にとる。また、制御上の仮想回転子位置としてdc軸をとる。固定子のU相巻線軸を基準とし、回転しているd軸の位相をθd とする。dc軸の位相も同様に固定子のU相巻線軸を基準として表示し、θdcで表す。なお、位相の極性は、図2の回転座標軸の回転方向が反時計回りの場合を正と定める。また、d軸からみたdc軸の位相を位相誤差Δθとする。本実施例では回転子位置を推定するため、位相誤差Δθを演算により求める。
【0040】
図3に、同期モータが交流電圧により駆動され、回転子が正方向に回転している場合のベクトル図を示す。ここでV1 はモータ電圧、Im はモータ電流、E0は誘起電圧を表す。誘起電圧E0 の位相は回転子磁束軸に対して90度進み位相となるから、誘起電圧E0 とq軸は同じ位相になる。また、モータ電流Im からモータ電圧V1 までの位相をφv、qc軸からみたモータ電圧V1 の位相をδc、qc軸からみた電流Im の位相をφc (第2の位相差)、及びq軸からみた電流Im の位相をφm (第1の位相差)と定める。
【0041】
モータ電圧V1 をd−q座標系でd軸成分vd ,q軸成分vq に分離して、モータ電流Im のd軸成分Id ,同q軸成分Iq ,誘起電圧E0 ,モータ定数であるモータ巻線抵抗r及びモータ巻線インダクタンスL、並びにd−q座標の回転速度ωr を用いて、式(1)の電圧方程式が表わされる。但し、pは微分演算を表わす演算子である。
【0042】
【数1】
【0043】
式(1)左辺のvd ,vq のそれぞれの2乗の和の平方根がモータ電圧V1 の大きさ|V1 |であり、制御軸でのdc軸成分vdc,qc軸成分vqc、とすると、次式の関係があり、制御軸の位置に依存しない値である。
【0044】
【数2】
【0045】
式(1)右辺の第1項は、モータ電流Im と同方向の電圧降下分ベクトル、第2項は電流Im を90度回転させた方向の電圧降下分ベクトルである。これら電圧降下分ベクトルの大きさは、モータ電流Im の制御軸成分Iqc,Idc、大きさ|Im |とすると、次式で表わされる。
【0046】
【数3】
【0047】
すなわち、それぞれの電圧降下分ベクトルの大きさは、制御軸と実軸の位置関係に無関係に、モータ電流Im の大きさによって表現される。
【0048】
尚、以下の説明にあたり、モータ電圧V1 、及びモータ電流の大きさは単に、それぞれV1 ,Im と表わす。
【0049】
本実施例では、位相誤差Δθを求めるに当たり、前述の位相φc 及び位相φm を選び、式(4)により位相誤差Δθを表す。
【0050】
【数4】
Δθ=φm −φc …式(4)
ここで、位相φc は、観測可能な、モータ電流Im のdc−qc軸の値Idc,Iqcから式(5)に従って求められる。
【0051】
【数5】
【0052】
次に位相φm を求める式の導出について述べる。図3に示すベクトル図において、直角三角形(A−B1 −C1 )に着目する。ここで、直角三角形の底辺(A−C1 )の長さは、辺(A−C2 )から辺(C1 −C2 )を差し引いたものであり、式(6)により求められる。なお、式(6)では辺の長さについて符号情報を持たせている。
【0053】
【数6】
辺(A−C1)=V1 cosφv −(r+pL)・Im …式(6)
また、直角三角形の高さは辺(B2 −C2 )からモータ巻線インダクタンスでの電圧降下分を差し引いたものであり、式(7)により求められる。なお、式 (7)についても辺の長さについて符号情報を持たせている。
【0054】
【数7】
辺(B1−C1)=V1 sinφv −ωrL・Im …式(7)
さらに、直角三角形の斜辺(A−B1 )は誘起電圧ベクトルE0 の長さであり、式(8)により求められる。ただし、kE は発電定数である。
【0055】
【数8】
辺(A−B1)=kE ・ωr …式(8)
また、式(6),式(7)における、φv は次式で求められる。
【0056】
【数9】
【0057】
すなわち、直角三角形(A−B1 −C1 )の3辺の長さは、すべて制御部6が観測可能で、かつ制御軸の位置に影響されない量によって求められる。
【0058】
以上より直角三角形の角度φm は式(10)〜(12)に示す3通りの式により求められる。
【0059】
【数10】
【0060】
【数11】
【0061】
【数12】
【0062】
なお、式(5),式(9),式(10)に示す三角関数の逆関数は、関数の出力範囲を−π〜π[rad] にひろげた拡張関数を用いる。特に断りのないかぎり、本実施例において用いる三角関数の逆関数は上述のように拡張された関数とする。
【0063】
以上示したように、本実施例では位相φm が制御軸に依存しない量より求めることができる。さらに、本実施例では位相誤差Δθの大きさに基づいて、Δθが零になるようにモータに加える交流電圧の周波数を修正する。このように周波数を制御することによって、仮想回転軸である制御軸はモータの回転子位相に合わせて回転する。
【0064】
なお、これまではモータ回転子の回転方向が正の場合について説明したが、回転方向が逆の場合では、φm 算出時、関数の出力範囲を−π〜π[rad] に広げるにあたり、分母,分子の符号を考慮することにより、同様に位相φm を求めることができる。
【0065】
ところで、先の直角三角形(A−B1 −C1 )の3辺の長さの関係より、
【0066】
【数13】
(kEωr)2=(V1sinφv−ωrLIm)2+{V1cosφv−(r+pL)Im)2…式(13)
を得て、これよりモータ速度は、次式で表現できる。
【0067】
【数14】
【0068】
以上、式(10)ないし式(11)によるφm の演算、及び式(14)によるモータ速度の演算において、電流の変化成分pL・Im の項は、制御系の応答が速ければ無視してよく、また、抵抗rなり、ωLがそれぞれ他の値に比して十分小さければ、これらを無視してもよい。
【0069】
次に座標変換部60について、図4を用いて演算内容を説明する。
【0070】
モータ電流検出部42より出力された観測電流iu,iw、及び周波数/位相作成・速度検出部62より出力された位相θdcは演算部601に入力される。演算部601ではiu,iwから固定座標軸上の2相電流iα,iβが演算され、さらに位相θdcを用いてdc−qc座標軸上の電流Idc,Iqcが演算される。電流Idcはフィルター602に入力される。フィルター602では、観測電流Idcから高周波成分を取り除いた電流Idcf が演算される。電流Iqcはフィルター603に入力される。フィルター603では、観測電流Iqcから高周波成分を取り除いた電流Igcf が演算される。なお、フィルター602及び603は、モータ電流に含まれるスイッチングリプル及びノイズを除去する。また、フィルターの時定数TIDは、インバータのスイッチング周波数やモータ電流検出部42の回路仕様にあわせて所定の値に設定される。
【0071】
次に位相誤差演算部61について、図5を用いて演算内容を説明する。
【0072】
位相誤差演算部61においては、位相φm を、式(10)に基づいて算出する。また、先に示した軸誤差Δθ算出の説明と相違する点は、位相φm 算出に必要なモータ電圧V1 、及びモータ定数であるモータ巻線抵抗rとモータ巻線インダクタンスLとして、それぞれモータ電圧に対する指令値V1 *,モータ巻線抵抗設定値rc ,モータ巻線インダクタンス設定値Lc を用いている点、及び回転速度ωr に対してモータ速度指令ωr *を用いる点である。更に、制御系の応答が十分速いとして、電流変化の成分である(pL・Im )の項は無視している。
【0073】
座標変換部60より出力された観測電流Idcf 及びIqcf は演算部611及び612に入力される。演算部611では式(15)により位相φc が演算される。
【0074】
【数15】
【0075】
上記の位相φc は演算部612及び613に入力される。演算部612では式(16)によりモータ電流の大きさIm が演算される。
【0076】
【数16】
Im=−Idcf・sinφc+Iqcf・cosφc …(式16)
逆変換部65より出力されたモータ電圧指令V1 *及び位相δc は演算部613に入力される。起動・運転管理部66から出力されたモータ速度指令ωr *は演算部613に入力される。演算部613では入力されたV1 *,Im ,ωr *,δc 及びφc と、モータ巻線抵抗設定値rc ,モータ巻線インダクタンス設定値Lc から式(17)により位相誤差Δθが演算される。本実施例によれば、sinΔθ =Δθなどの近似を用いることとなく、直接的に位相誤差を推定することができる。従って、位相誤差が大きい場合でも、制御精度が高くなる。
【0077】
【数17】
【0078】
次に周波数/位相作成・速度検出部62について、図6を用いて演算内容を説明する。
【0079】
位相誤差演算部61により出力された位相誤差Δθ,位相調整部69sにより出力された位相誤差指令Δθ*は加算器621に入力され、差分(Δθ*)−Δθが演算される。なお、位相誤差指令Δθ* としては、後述の位相調整部69Sを用いた場合に有効な値が入力され、位相調整部69Sを用いない場合はΔθ* =0に設定される。差分(Δθ*)−ΔθはPI補償器622に入力される。
【0080】
PI補償器622では、リミッタ623と組み合わされて、インバータ出力周波数ω1 が演算される。このインバータ出力周波数ω1 はフィルター624に入力され、周波数ω1 から高周波変動成分を取り除いたモータ速度ωr が演算される。
【0081】
インバータ出力周波数ω1 ,起動・運転管理部66が出力した選択信号sel 及び起動時速度信号ωlsはセレクタ625に入力される。セレクタ625では、選択信号sel が後述の位置決め初期回転モードを表す「起動時」の場合はωlsが選択され出力され、選択信号sel が後述の位置センサレス運転モードを表す「通常運転時」の場合はω1 が選択され出力される。
【0082】
セレクタ625により選択出力された周波数ω1selは、演算部626に入力される。演算部626では周波数ω1selの値に基づいて位相θdcが演算される。
【0083】
PI補償器622はΔθをΔθ* に追従させるようにインバータ出力周波数
ω1 を演算する。同じ機能を有するPI補償以外の手段を用いてもよい。また、リミッタ623の上限値及び下限値の設定は、上限値として定格周波数以上の所定の固定値を設定する。なお、下限値には、上限値の極性を負にした値を設定し、モータ回転方向が逆の場合の制限値とする。
【0084】
PI補償器622の出力は、位相誤差Δθを調整するために常に変動しており、高い周波数成分を含んでいる。このため、PI補償器622の出力をモータの検出速度としてモータの速度制御を行うと、速度制御特性が悪化する。そこで本実施例では低域通過フィルター624を設け、高周波成分を取り除いたものをモータの検出速度とする。
【0085】
演算部626では入力された周波数により位相θdcが求められる。なお、図6の演算部626においては、周波数/位相作成・速度検出部62がソフトウェア演算処理により実行され、制御周期Δtの時間間隔で演算が実行される。位相演算は、前回位相θdc(i−1)にω1sel×Δtを加算することで今回位相θdc(i)を求めている。
【0086】
前述のように、図6では、PI補償器622の出力にモータの検出速度分と位相誤差Δθを調整する高周波成分が含まれる。このため検出速度を求めるにあたり、PI補償器622の出力をそのまま速度制御で用いることはできず、高周波成分が低域通過フィルタによって除去される。ここでは、別の実施例として、モータ回転速度を推定演算することで、低域通過フィルタを用いない方式を示す。
【0087】
図7に周波数/位相作成・速度検出部62の他の構成を示す。インバータ出力周波数ω1 を第1の周波数と第2の周波数の2つの和として求め、第1の周波数は式(14)に基づいて、モータ電流の大きさと、モータ電圧の大きさと、これらモータ電流とモータ電圧の位相差と、モータ誘起電圧定数、及びモータ巻線抵抗とモータ巻線インダクタンスを用いて求めたモータ速度として、第2の周波数はΔθがΔθ* に等しくするための周波数とする。モータ電流の大きさIm ,モータ電圧指令値V1 *、及びモータ電流とモータ電圧の位相差φv が演算部627に入力され、第1の周波数であるモータ速度ωr が演算される。ただし、この演算にあたっては、式(14)と相違して、モータ電圧V1 →V1 *,モータ巻線抵抗r→rc 、及びモータ巻線インダクタンスL→Lc ,モータ発電定数kE →同設定値kEc,電流変化の成分である(pL,Im )の項を無視して、次式による。
【0088】
【数18】
【0089】
Δθ* とΔθの差を入力としたPI補償器622とリミッタ623と組み合わされて第2の周波数ωpll が演算される。
【0090】
モータの検出速度ωr と第2の周波数ωpll とが加算器628に入力され、両者の和が演算されインバータ出力周波数ω1 として出力される。ここで、PI補償器622の出力は位相誤差Δθを調整する高周波成分である。従って、リミッタ623の上限値及び下限値は、先の図6に示したリミッタの上限値,下限値より小さくてよい。
【0091】
図6及び図7に示す実施例では、位相誤差Δθを位相誤差指令Δθ* に合わせるため、PI補償器622によりインバータ出力周波数が修正される。ここでは別の方法として、演算した位相θdcを直接修正することにより、位相誤差Δθを位相誤差指令Δθ* に合わせる方法を示す。
【0092】
図8に周波数/位相作成・速度検出部62の更に他の構成を示す。ここでは、図7と異なる部分について信号の接続と流れを説明する。検出速度ωr ,選択信号sel 及び起動時速度信号ωlsはセレクタ625に入力される。セレクタ625では、選択信号sel の値に応じてωr またはωlsが選択され、選択速度ω1selが出力される。演算部626では周波数ω1selの値に基づいて位相が演算される。加算器628では、演算部626の出力位相及び加算器621の出力(Δθ*)−Δθが入力され、位相θdcが出力される。加算器621が出力した位相ずれ (Δθ*)−Δθの分だけ、演算部626が出力した位相が直接修正される。このため、図7において必要だったPI補償器およびリミッタが不要になり、制御部の演算量を減らすことができる。
【0093】
次に速度制御部63について、図9を用いて説明する。起動・運転管理部66から出力された速度指令値ωr *、及び周波数/位相作成・速度検出部62から出力された検出速度ωr は、加算器631に入力される。加算器631では(ωr *)−ωr が演算され、その差はPI補償器632に入力される。PI補償器632ではωr がωr *に追従するように、電流指令値が演算される。PI補償器632の出力はリミッター633に入力される。リミッター633では、あらかじめ設定された上限値及び下限値を超えないように入力された値のリミット演算が行われ、q軸電流指令Iq *が出力される。
【0094】
次に電流制御部64について、図10を用いて内容を説明する。
【0095】
周波数/位相作成・速度検出部62から出力された検出速度ωr と起動・運転管理部66から出力された速度指令ωls,速度制御部63から出力された電流指令Iq *と起動・運転管理部66から出力された電流指令Iqs *,位相調整部69Iから出力された電流指令Id *と起動・運転管理部66から出力されたIds * は、それぞれ組として、セレクタ640に入力される。同じく、セレクタ640に入力される選択信号sel に従って、選択信号sel が「起動時」を表す場合は、起動時d軸電流指令Ids * ,起動時q軸電流指令Iqs * 、及び起動時速度指令ωlsがそれぞれ選択され、選択信号sel が「通常運転時」を表す場合はd軸電流指令Id *,q軸電流指令Iq *、及び検出速度ωr が選択され出力される。
【0096】
セレクタ640により選択されたd軸電流指令Ids * もしくはId *、及び座標変換部60から出力されたd軸電流Idcf は加算器641に入力され、両者の差が演算される。PI補償器643では加算器641の出力を零にするような補償電圧が演算される。補償電圧はリミッター645に入力され、あらかじめ設定された上限値及び下限値を値が超えないように処理が行われ、d軸補償電圧VId が出力される。
【0097】
一方、セレクタ640により選択されたq軸電流指令Iqs * もしくはIq *、及び座標変換部60から出力されたq軸電流Iqcf は加算器642に入力され、両者の差が演算される。PI補償器644では加算器642の出力を零にするような補償電圧が演算される。補償電圧はリミッター646に入力され、あらかじめ設定された上限値及び下限値を値が超えないように処理が行われ、q軸補償電圧VIq が出力される。
【0098】
更に、d軸電流指令Ids * もしくはId *、q軸電流指令Iqs * もしくはIq *、及び起動時速度指令ωlsもしくは検出速度ωr は、モータ電圧モデル647に入力され、d軸モデル電圧Vd *、及びq軸モデル電圧Vq *が出力される。このモータ電圧モデルには、Id *,Iq *,ωr を用いる場合には、次式にて表現される。
【0099】
【数19】
Vd *=rcId *−ωrLcIq *
Vq *=ωrLcId *+rcIq *+KEcωr …式(19)
上式のように、このモータ電圧モデルは、式(1)より導出されるもので、式(1)に対して、電流変化項を省略し、電圧,電流をすべて指令値に、また、モータ定数をすべて設定値に置き換えたものである。
【0100】
d軸補償電圧VId 及びd軸モデル電圧Vd *は加算器648に入力され、両者の和がdc軸電圧指令Vd ** として出力される。同様にq軸補償電圧VIq 及びq軸モデル電圧Vq * は加算器649に入力され、両者の和がqc軸電圧指令Vq ** として出力される。
【0101】
ここで、d軸補償電圧VId とq軸補償電圧VIq は、加速時,減速時、または定常時であっても、モータ電圧モデルに用いる抵抗設定値rc ,巻線インダクタンス設定値Lc ,発電定数kEcのいずれかが実際の値と相違する場合に、何らかの値を発生するもので、それ以外は0の値となる。
【0102】
次に逆変換部65について、図11を用いて内容を説明する。
【0103】
図11に示す逆変換部65は、制御軸電圧指令Vd ** ,Vq ** を受けて3相電圧指令を生成する。電流制御部64より出力されたdc軸電圧指令Vd ** 及びqc軸電圧指令Vq ** は演算部651に入力される。演算部651ではqc軸からみたモータ電圧V1 の位相δc が式(9)に従い演算される。位相δc ,dc軸電圧指令Vd **、及びqc軸電圧指令Vq **は演算部652に入力される。演算部652では電圧指令の大きさV1 *が演算される。位相δc 及び位相θdcは演算部653に入力され、位相θv が演算される。位相θv 及び電圧指令の大きさV1 *は演算部654に入力され、3相電圧指令Vu*,Vv*,Vw* が演算される。なお、位相θdcは固定子U相巻線軸からみた仮想回転子磁束軸(dc軸)の位相を表しており、演算部653で演算された位相θv は出力電圧ベクトルの位相を表している。
【0104】
次に起動・運転管理部66について、図12を用いて内容を説明する。
【0105】
インタフェース部67より出力された位置決め時間Tp ,電流目標値Im0,初期回転時間Ts ,初期周波数ωls0 ,加速時間Tac、及び設定周波数ωr ** はシーケンス演算部661に入力される。シーケンス演算部661では、設定値の入力と、経過時間に応じた指令値が演算される。ここで、時間tに対してシーケンス演算部661の出力値は式(20)により演算される。
【0106】
【数20】
【0107】
シーケンス演算部より出力された位相指令φc *及び電流指令Im *は、演算部662に入力され、位置決めと初期回転時のdq軸電流指令Ids * ,Iqs * が式(21)により演算される。
【0108】
【数21】
【0109】
以上の構成により運転を行えば、モータ運転開始から時間がTp 経過するまでは位置決めモード,位置決めモード終了から時間がTs 経過するまでは初期回転モード、及び初期回転モード終了後は位置センサレス運転モードの合計3つの制御モードを連続的に変化させることにより、永久磁石モータの起動を行うことができる。なお、周波数/位相作成・速度検出部62及び電流制御部64では各制御モードに応じた制御を行う。このため、制御モードに応じた選択信号sel が出力される。
【0110】
次に各制御モードでの電圧位相、及び電流指令の変化について説明する。まず、位置決めモードでは、周波数ωlsが零に固定されるため、電圧位相はあらかじめ設定された所定の値に固定されて変化しない。また、電流指令Im *は所定値Im0まで徐々に増加するが、位相φc *は−π/2に固定されるため、dq軸電流指令にはIds * =Im *,Iqs * =0がそれぞれ出力される。次に、初期回転モードでは周波数ωlsが徐々に増加するため、電圧位相が回転方向に変化する。また、電流指令Im *はIm0に固定されるが、位相φc *は位相が−π/2から0まで変化する。従ってdq軸電流指令は、最初にIds * =Im0,Iqs * =0の状態から、Ids * が徐々に減少かつIqs * が徐々に増加していき、最終的にはIds * =0,Iqs * =Im0に変化する。
【0111】
なお、位置決めモード、及び初期回転モードでは図9に示した速度制御を行わない。従って、制御モードが位置センサレス運転モードに返り替わった以降に、モータ速度指令ωr *の値が速度制御部63に出力される。
【0112】
なお、インタフェース部67より出力される位置決め時間Tp ,電流目標値Im0,初期回転時間Ts ,初期周波数ωls0 、及び設定周波数ωr ** の値のうち少なくとも一つは、設定値の変更が可能である。これにより、モータ定数の変動や負荷条件が変動しても、モータを確実に起動させることができる。なお、図1に示す実施例では、オペレータ7による操作により、設定値を変更できる。
【0113】
図13に、本実施例の制御方法を用いて同期モータを運転した場合の、モータ回転周波数とインバータ出力周波数の関係を示す。図13では、モータ運転開始から、3つの制御モード(位置決めモード,初期回転モード、及び位置センサレス制御モード(通常運転モード))を経てモータが駆動される様子を表している。また、位置センサレス制御モードでは加速,減速,負荷増加,負荷減少の4つの要因による周波数変化を示す。なお、モータ回転周波数はモータ電気角周波数を表すものとする。以下、各モードにおけるモータ回転周波数とインバータ出力周波数の関係を述べる。
【0114】
(1)位置決めモードではインバータ出力周波数は零に固定される。一方、位置決め制御によって回転子が所定の位置へ方向を変えるため、モータ回転周波数は正負の間で振動する。速度の振動は次第に減衰していく。
【0115】
(2)初期回転モードでは、モータ回転周波数及びインバータ周波数が上昇する。
【0116】
(3)位置センサレス制御モードにおいて加速運転を行うと、インバータ周波数はモータ回転周波数に対して低くなるように制御される。
【0117】
(4)位置センサレス制御モードにおいて減速運転を行うと、インバータ周波数はモータ回転周波数に対して高くなるように制御される。
【0118】
(5)位置センサレス制御モードにおいてモータの負荷を増やすと、負荷変化の直後にはインバータ周波数はモータ回転周波数に対して高くなるように制御される。
【0119】
(6)位置センサレス制御モードにおいてモータの負荷を減らすと、負荷変化の直後にはインバータ周波数はモータ回転周波数に対して低くなるように制御される。
【0120】
なお、上述(3)〜(6)において、インバータ出力周波数とモータ回転周波数の高低が決まるのは、周波数/位相作成・速度検出部62において、位相誤差Δθが位相誤差指令Δθ* に一致するようにインバータ出力周波数をモータ回転周波数に追従させるためである。
【0121】
図5に示した位相誤差演算部61では、位相φm を、モータ電圧に対する指令値V1 *,モータ巻線抵抗設定値rc ,モータ巻線インダクタンス設定値Lc 、及びモータ速度指令ωr *が用いて求める。このうちモータ定数であるモータ巻線抵抗設定値rc ,モータ巻線インダクタンス設定値Lc 、また電圧指令値V1 *が実際の値とずれると、演算で求めた位相φm は実際の値と異なり、位相誤差Δθに定常誤差が発生する。ここでは、その誤差を低減する方法としてd軸補償電圧VId 及びq軸補償電圧VIq を用いた方法及びモータ電流が最小になるように位相調整をする方法について、それぞれ2つの例を示す。
【0122】
補償電圧VId 及びVIq を用いた方法を説明するにあたり、簡単のため、電圧とインダクタンスが実際値と相違する場合を示す。
【0123】
式(1)の電圧方程式は、位相誤差Δθ=0の場合であり、位相誤差が発生すると、電圧方程式は式(22)となる。ただし、電流変化項は無視している。
【0124】
【数22】
vdc=r・idc−ωr・L・iqc+kE・ωr・sinΔθ
vqc=ωr・L・idc+r・iqc+kE・ωr・cosΔθ …式(22)
ここで、
【0125】
【数23】
vd ** =vdc+dvd ,vq ** =vqc+dvq ,v1 * =v1+dv
Id * =idc ,Id * =iqc …式(23)
Lc=L+dL,rc=r,kEC=kE
とおいて、まとめると式(24)となる。
【0126】
【数24】
式(24)のそれぞれの第1項は、モータ電圧モデル647に相当するから、他の項はそれぞれd軸補償電圧VId 及びq軸補償電圧VIq に対応する。これより次式が得られる。
【0127】
【数25】
VId =ωrdLIq *+kEcωrsinΔθ+dvd
VIq =−ωrdLId *−kE *ωr+kECωrcosΔθ+dvq …式(25)
ここで、1次電圧指令その誤差,d軸指令その誤差,q軸指令その誤差の比率は同じとすると式(26)の関係が得られ、更に式(27)の関係式を用いて式(25)からΔθを消去すると式(28)が得られる。
【0128】
【数26】
【0129】
【数27】
sin2θ+cos2θ=1 …式(27)
【0130】
【数28】
【0131】
式(28)は、インダクタンス誤差と電圧誤差を含んでいる。もし、どちらか一方のみの誤差がある場合には、式(28)を用いて、その誤差を推定することができる。
【0132】
パラメータ推定部68Lについて、図14を用いて説明する。電流制御部64内の演算で出力されるd軸電流制御の補償電圧VId 、及びq軸電流制御の補償電圧VIq 、dq軸電流指令Id *及びIq *、及び速度指令ωr *はパラメータ推定部68Lに入力される。パラメータ推定部68Lでは、図5における演算部613において用いる周波数指令・インダクタンス積(ωr *)×Lc と実際値のずれ量としてωr *×dLが演算される。
【0133】
ここに、ωr *×dLは、式(28)においてdv=0とおいて求めたもので、式(29)で得られる。この値を図5で示した位相誤差演算部の式(17)での(ωr *)×Lc から引くことによって正しいインダクタンスが式に反映される。ただし式(29)では、平方根の演算結果を加算するか、減算するかによって2通りの値が求められるが、これは、誤差の大きさによりいずれか一方を選ぶことになる。
【0134】
【数29】
【0135】
次にパラメータ推定部68Vについて、図15を用いて説明する。電流制御部64内の演算で出力されるd軸電流制御の補償電圧VId 、及びq軸電流制御の補償電圧VIq ,dq軸電圧指令Vd ** 及びVq ** 、モータ電圧の大きさV1 *、及び指令速度ωr *はパラメータ推定部68Vに入力される。パラメータ推定部68Vでは、図5中の演算部613において用いるモータ電圧の大きさV1 *と実際値のずれ量としてdVが演算される。
【0136】
【数30】
【0137】
ここにdVは、式(28)においてdL=0とおいて求めたもので、式(30)で得られる。この値を図5で示した位相誤差演算部の式(17)でのV1 *から引くことによって正しい電圧が式に反映される。ただし式(30)では、平方根の演算結果を加算するか、減算するかによって2通りの値が求められるが、これは、誤差の大きさによりいずれか一方を選ぶことになる。
【0138】
図14及び図15で示したパラメータ誤差のためのd軸補償電圧VId 及びq軸補償電圧VIq を用いた方法は、複数のパラメータの中でひとつのパラメータのみに誤差が生じた場合に有効な方法である。これに対し、複数パラメータ誤差に対して有効な方法として、図1の全体構成の図では位相調整部69I及び69Sの2つの例を示した。以下、位相調整部69I及び69Sについて、図16を用いて説明する。
【0139】
前述のように、位相誤差Δθの演算結果には、パラメータ誤差に起因する誤差分が含まれる。この誤差のためdc−qc軸回転座標の位相はd−q軸回転座標に一致させることはできず、定常軸ずれΔθe が残る。電流制御部64においてq軸方向成分にのみ電流を流すようにdc軸電流指令Id *を零として制御するが、実軸と制御軸が軸ずれしている場合には、実線のd軸方向にも電流が流れてしまい、その分q軸方向のトルク電流成分は減少する。トルク電流成分は軸ずれΔθe が大きいほど減少する。
【0140】
この結果速度の低下を招くため、速度制御部63がトルク電流指令Iq *を増加させることになり、結局、モータ電流の大きさIm が軸ずれのため増加する。逆に言えば、実軸と制御軸の位相が一致し、最もトルクが発生する位相で電流が流れると、モータ電流の大きさIm は最小値をとる。そこで、モータ電流位相を調整して、電流の大きさIm が最小になる位相にて電流を流す。
【0141】
電流位相の変える2つの方法を示す。
【0142】
第1の方法は、励磁電流指令値Id *に所定の値を設定する方法である。通常は零が設定されるId *に値を代入してやることにより、モータ電流の位相を任意に変化させることができる。第2の方法は、位相誤差指令Δθ* に所定の値を設定する方法である。通常は零が設定されるΔθ* に値を代入してやることにより、実軸と制御軸の軸ずれは、前述のパラメータ誤差に起因する軸ずれΔθe と位相誤差指令Δθ*の和となる。そこで、位相誤差指令Δθ*を調整し(Δθ*)+Δθeを零にすることにより、実軸と制御軸を一致させることができる。第1の方法は位相調整部69Iにより実現される。また、第2の方法は位相制御部69Sにより実現される。
【0143】
図16に、励磁電流指令値Id *或いは位相誤差指令Δθ* を調整し、モータ電流Im を最小にする方法の一例を示す。制御周期i番目において、励磁電流指令値Id *或いは位相誤差指令Δθ* に値が設定され、モータ電流の大きさが Im(i)であるとする。次に、制御周期i+1番目において、Id *或いはΔθ*にランダムに選んだ値を代入し、モータ電流の大きさがIm(i+1)に変化したとする。Im(i+1)がIm(i)よりも小さければ、Id *或いはΔθ* の値として制御周期i+1番目で用いた設定値を選ぶ。以上を繰り返すことにより、モータ電流Im を最小にする設定値を探すことができる。また、上記方法以外では、既知のニュートン・ラプソン法などの最適解探索アルゴリズムを用いれば、設定値を求めることができる。
【0144】
【発明の効果】
本発明によれば、制御軸の位置に依存しない値で位相角を表現して位相誤差を求めており、負荷の急変化や急加減速運転など、大きな位相誤差が発生する場合でも安定な同期モータの位置センサレス制御系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる同期モータの位置センサレス制御方法を実現するための全体構成図である。
【図2】同期モータの回転子,固定子、前述のd−q軸回転座標、及びdc−qc制御回転座標の関係を示した解析モデル図である。
【図3】同期モータが交流電圧により駆動され、回転子が正方向に回転している場合のベクトル図を示す。
【図4】座標変換部の演算内容をブロックで示した図である。
【図5】位相誤差演算部の演算内容をブロックで示した図である。
【図6】周波数/位相作成・速度検出部の演算内容をブロックで示した図である。
【図7】周波数/位相作成・速度検出部の他の演算内容をブロックで示した図である。
【図8】周波数/位相作成・速度検出部のさらに他の演算内容をブロックで示した図である。
【図9】速度制御部の演算内容をブロックで示した図である。
【図10】電流制御部の演算内容をブロックで示した図である。
【図11】逆変換部の演算内容をブロックで示した図である。
【図12】起動・運転管理部の演算内容をブロックで示した図である。
【図13】本発明による制御方法を用いて同期モータを運転した場合の、加速,減速、及び負荷変化に対応するモータ回転周波数とインバータ出力周波数の関係を示した図である。
【図14】インダクタンスLのパラメータ誤差を推定する方法を示した図である。
【図15】出力電圧V1 *のパラメータ誤差を推定する方法を示した図である。
【図16】位相調整部によって、電流位相を最適な状態に合わせる原理を説明する図である。
【符号の説明】
1…交流電源、2…主回路部、3…同期モータ、4…検出部、5…中間パワー部、6…制御部、7…オペレータ、21…整流回路、22…直流リアクトル、23…平滑コンデンサ、24…インバータ回路、41…電圧検出部、42…モータ電流検出部、51…ドライブ電源、52…制御電源、53…ドライブ回路、60…座標変換部、61…位相誤差演算部、62…周波数/位相作成・速度検出部、63…速度制御部、64…電流制御部、65…逆変換部、66…起動・運転管理部、67…インターフェース部、68V,68L…パラメータ推定部、69I,69S…位相調整部、Ed …直流電圧、iu…U相モータ電流、iw…W相モータ電流、d軸…永久磁石回転子の磁束方向の位置の軸、q軸…d軸に対し回転方向に90度進んだ位置の軸、dc軸…制御上の仮想回転子位置の軸、qc軸…dc軸に対し回転方向に90度進んだ位置の軸、Idcf …仮想dc−qc座標系のdc軸電流、Iqcf …仮想dc−qc座標系のqc軸電流、V1 *…モータ電圧、δc …qc軸とモータ電圧V1 *との位相差、Δθ…d−q実座標系とdc−qc仮想座標系との位相誤差、ωr …検出速度、ωr *…指令速度、Id *…dc軸電流指令、Iq*…qc軸電流指令、Vd **…dc軸電圧指令、Vq **…qc軸電圧指令、Vu*,Vv*,Vw* …3相電圧指令、Ids * …起動時dc軸電流指令、Iqs * …起動時qc軸電流指令、ωls…起動時運転周波数、sel …選択信号、Tp …位置決め時間、Ts …初期回転時間、Im0…位置決め時目標電流指令、ωls0 …初期回転最終目標周波数、Δθ* …位相誤差指令。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a synchronous motor control method, and more particularly to a synchronous motor position sensorless control method.
[0002]
[Prior art]
The rotor structure of the synchronous motor includes a salient pole type in which the winding inductance changes depending on the rotational position, and a non-salient pole type that is substantially constant. In the former case, the permanent magnets constituting the rotor are arranged inside the core. Embedded, the latter being placed on the surface of the rotor.
[0003]
As a method of driving these synchronous motors,
(1) A so-called synchronous operation method in which the rotation position is not detected and the drive is performed in an open loop equivalent to the inverter control of the induction motor.
(2) A so-called brushless DC motor operation method of operating in a closed loop using some rotational position detection means
There are two types.
[0004]
Among these, in the synchronous operation method, it is required to apply an optimum motor voltage corresponding to the load in accordance with the inverter frequency. For this reason, if some optimum voltage control is not performed, not only will the motor current increase, but the motor will stop due to a shortage of torque when the load suddenly changes or suddenly accelerates or decelerates.
[0005]
On the other hand, in the case of brushless DC motor operation, when some rotor position sensor is provided, the number of wires between the inverter and the motor increases compared to the inverter drive of the induction motor, and the maintainability and reliability are impaired. Dissemination to general industries and use in special atmospheres such as compressors are hindered. In order to eliminate this drawback, various position sensorless techniques for detecting the position without using the rotor position sensor have been announced.
[0006]
This position sensorless technology can be summarized into a stop / low speed region sensorless technology and a medium / high speed region sensorless technology. In the stop / low-speed position detection, the position is measured by some technique such as injection of a high-frequency signal by utilizing the fact that the winding inductance is different depending on the rotation position, which is applied to a salient pole type motor.
[0007]
In the middle and high speed range, various methods have been announced for using the voltage induced in the motor winding.
[0008]
For example, there is a technique disclosed in JP-A-8-308286. This technique is based on a virtual rotation position dc axis for control with respect to a dq real rotation coordinate system consisting of a d axis that is a position in the magnetic flux direction of a permanent magnet rotor and a q axis that is advanced 90 degrees in the rotation direction. Then, a dc-qc control rotation coordinate system on the control composed of the virtual position qc axis advanced by 90 degrees in the rotation direction is defined. A d-axis predicted from this motor model by expressing a motor model by a relational expression of current and voltage using motor parameters such as motor resistance, motor inductance, and motor power generation constant on the dq actual rotation coordinates. It is assumed that the difference between the current and the dc axis current on the control axis is proportional to the position error Δθ.
[0009]
In the prediction calculation of the d-axis current, the motor parameter is the same between the motor model and the actual motor, and sin Δθ = Δθ is approximated assuming that Δθ is close to 0, and the current value used for the calculation is observed in the control. Use the current in the -qc rotating coordinate axis.
[0010]
As another method, there is a technique disclosed in JP-A-9-191698. In this technique, first, the motor induced voltage generated along with the rotation of the motor when viewed from the stop state is treated as a disturbance, and the magnitude and polarity of the motor induced voltage are estimated according to a known disturbance observer method. This disturbance observer is based on a state equation in the dc-qc rotation control coordinate system as in the previous technique. Next, the speed is calculated using the estimated motor induced voltage and the motor parameters, and this speed is used as position information by integration calculation, and the deviation from the actual rotational position is calculated from the estimated voltage dc axis component estimated value and the estimated speed. Correction is performed using the obtained position error Δθ.
[0011]
In calculating this Δθ, as in the previous example, assuming that Δθ is close to 0, sinΔθ = Δθ is approximated.
[0012]
[Patent Document 1]
JP-A-8-308286
[Patent Document 2]
JP-A-9-191698
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional medium / high-speed position sensorless technology using the induced voltage uses the current value of the control rotation coordinate system, which is a virtual rotation axis, to estimate the motor position, and sinΔθ = Δθ For example, if the position error is large, the control accuracy decreases. For this reason, it is not suitable for sudden load changes and sudden acceleration / deceleration operation. Further, when the motor parameter is included, there is an error in the estimated position.
[0014]
An object of the present invention is to provide a control method suitable for driving a synchronous motor without a position sensor as a position sensorless technique in the middle / high speed region.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present inventor studied the following points.
[0016]
(1) The axis error Δθ is obtained by expressing the phase angle with a value independent of the control axis.
[0017]
(2) Determine the frequency based on the axis error.
[0018]
(3) Estimating speed based on current and voltage independent of the control axis.
[0019]
(4) To solve the influence of the parameter error included in the axis error.
[0020]
(5) Combining the operation method at the time of stop and low speed with the position sensorless technology in the middle and high speed range.
[0021]
In the position sensorless control method for a synchronous motor according to the present invention based on the above examination, the first phase difference between the motor current and the actual rotational position of the synchronous motor having a permanent magnet as a field, the motor current and the virtual rotation A second phase difference from the position is obtained. Then, the phase error between the actual rotational position and the virtual rotational position is estimated from the difference between the first phase difference and the second phase difference. Since the first and second phase differences are used, the control accuracy is increased even when the phase error is large.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to FIGS.
[0023]
FIG. 1 shows a synchronous motor driving apparatus to which a synchronous motor position sensorless control method according to the present invention is applied. This apparatus is roughly divided into a
[0024]
The
[0025]
The
[0026]
The intermediate power unit 5 includes a drive circuit 53 for driving the switching elements constituting the inverter circuit 24, a drive power source 51 for the drive circuit 53, and a control power source 52 for the
[0027]
In the
[0028]
In the coordinate conversion unit 60, the motor current iu detected by the motor current detection unit 42,
iw, phase θ of virtual rotor position dc axisdcDc axis current I in the virtual dc-qc coordinate systemdcf , Qc axis current Iqcf Is output.
[0029]
In the phase error calculation unit 61, the dc axis current Idcf , Qc axis current Iqcf , Motor voltage V described later1 *, Qc axis and motor voltage V1 *Phase difference withc Is input, and the phase error Δθ between the dq real coordinate system and the control axis system is output.
[0030]
The frequency / phase creation / speed detector 62 receives the phase error Δθ as an input and detects the speed ω.r Is calculated.
[0031]
In the speed control unit 63, the command speed ωr *And detection speed ωr Qc-axis current command Iq *Create
[0032]
In the current control unit 64, the qc-axis current command Iq *, Detection speed ωr Qc-axis voltage command Vq **, Dc axis voltage command Vd **Create
[0033]
In the inverse conversion unit 65, the qc-axis voltage command Vq **, Dc axis voltage command Vd **3-phase voltage command Vu*, Vv*, Vw* And a known PWM drive signal is generated from the PWM signal generator and transmitted to the drive circuit 53.
[0034]
The start / operation management unit 66 is for realizing the operation method at the time of stop and low speed, and the qc-axis current command I at start-upqs *, Dc axis current command I at startupds *, Speed command at startup ωlsIs transmitted to the current control unit 64 and the frequency / phase creation / speed detection unit 62. The selection signal sel is signal data for switching between the driving method at the start and the driving method by position sensorless control, and is transmitted to the current control unit 64 and the frequency / phase creation / speed detection unit 62.
[0035]
The operator 7 is used to manually issue an operation stop command and a speed command, to display a speed, and to set various operation parameters. The interface unit 67 transmits various data set by the operator 7 to the start-up / operation management unit 66, and as these data, a speed command ωr ** And acceleration time TacIn addition, positioning time T for optimizing start-up under various load conditionsp , Initial rotation time Ts , Target current command I during positioningm0, Initial rotation final target frequency ωls0 and so on.
[0036]
The parameter estimation unit 68V, parameter estimation unit 68L, phase adjustment unit 69I, and phase adjustment unit 69S indicated by broken lines in the
[0037]
The parameter estimation unit 68V is connected to the voltage command Vu*, Vv*, Vw*The parameter estimator 68L reduces the effect of the actual voltage error on the phase error Δθ, and the parameter estimation unit 68L affects the effect on the phase error Δθ caused by the difference between the motor actual inductance and the motor inductance setting value L used in the phase error calculation. Reduce. The phase adjustment unit 69I and the phase adjustment unit 69S are both for reducing the influence of a plurality of motor constants and motor voltage errors on the phase error. In the phase adjustment unit 69I, the motor current is minimized. dc axis current command Id*In the phase adjustment unit 69S, the phase error command Δθ*Create
[0038]
Next, a method for estimating the rotor position of the synchronous motor in this embodiment will be described.
[0039]
FIG. 2 shows the relationship among the rotor and stator of the synchronous motor, the dq axis rotation coordinates described above, and the dc-qc control rotation coordinates. FIG. 2 is an analysis model diagram of the synchronous motor, and the rotation angle is represented by the electrical angle of the AC voltage that drives the motor. As described above, the d-axis is set at a position in the magnetic flux direction of the permanent magnet rotor. Further, the dc axis is taken as a virtual rotor position for control. Using the U-phase winding axis of the stator as a reference, the phase of the rotating d-axis is θd And Similarly, the phase of the dc axis is displayed with reference to the U phase winding axis of the stator, and θdcRepresented by The phase polarity is defined as positive when the rotation direction of the rotation coordinate axis in FIG. 2 is counterclockwise. The phase of the dc axis as viewed from the d axis is defined as a phase error Δθ. In this embodiment, in order to estimate the rotor position, the phase error Δθ is obtained by calculation.
[0040]
FIG. 3 shows a vector diagram when the synchronous motor is driven by an AC voltage and the rotor rotates in the positive direction. Where V1 Is the motor voltage, Im Is the motor current, E0Represents an induced voltage. Induced voltage E0 Of the induced voltage E is 90 degrees with respect to the rotor magnetic flux axis.0 And the q axis have the same phase. The motor current Im To motor voltage V1 Phase up to φv, Motor voltage V seen from qc axis1 The phase of δc, Current I seen from qc axism The phase of φc (Second phase difference) and current I viewed from the q-axism The phase of φm (First phase difference).
[0041]
Motor voltage V1 D-axis component v in the dq coordinate systemd , Q-axis component vq Motor current Im D-axis component Id , Q-axis component Iq , Induced voltage E0 , Motor winding resistance r and motor winding inductance L, which are motor constants, and rotational speed ω in dq coordinatesr Is used to represent the voltage equation of equation (1). Here, p is an operator representing a differential operation.
[0042]
[Expression 1]
[0043]
V on the left side of equation (1)d , Vq Is the square root of the sum of the squares of the motor voltage V1 Size | V1 │ and dc axis component v at the control axisdc, Qc axis component vqc, There is a relationship of the following equation, which is a value that does not depend on the position of the control axis.
[0044]
[Expression 2]
[0045]
The first term on the right side of equation (1) is the motor current Im And the second term is the current Im Is a voltage drop vector in a direction rotated 90 degrees. The magnitude of these voltage drop vectors is the motor current Im Control axis component Iqc, Idc, Size | Im When | is expressed by the following equation.
[0046]
[Equation 3]
[0047]
That is, the magnitude of each voltage drop vector is determined regardless of the positional relationship between the control axis and the real axis.m It is expressed by the size of.
[0048]
In the following description, the motor voltage V1 , And the magnitude of the motor current is simply V1 , Im It expresses.
[0049]
In the present embodiment, when the phase error Δθ is obtained, the above-described phase φc And phase φm And the phase error Δθ is expressed by equation (4).
[0050]
[Expression 4]
Δθ = φm −φc ... Formula (4)
Where phase φc Is the observable motor current Im Dc-qc axis value Idc, IqcIs obtained according to equation (5).
[0051]
[Equation 5]
[0052]
Next, the phase φm The derivation of the equation for obtaining In the vector diagram shown in FIG. 3, a right triangle (AB)1 -C1 ). Here, the base of the right triangle (A-C1 ) Is the length of the side (A-C2 ) To edge (C1 -C2 ) Is subtracted, and is obtained by equation (6). In addition, in Formula (6), the code | symbol information is given about the length of a side.
[0053]
[Formula 6]
Side (AC1) = V1 cosφv − (R + pL) · Im ... Formula (6)
The height of the right triangle is the side (B2 -C2 ) Is subtracted from the voltage drop at the motor winding inductance, and is obtained from equation (7). Note that the sign information is also given to the length of the side in equation (7).
[0054]
[Expression 7]
Side (B1-C1) = V1 sinφv −ωrLIm ... Formula (7)
Furthermore, the hypotenuse (AB) of the right triangle1 ) Is the induced voltage vector E0 It is obtained by the equation (8). Where kE Is the power generation constant.
[0055]
[Equation 8]
Side (AB1) = KE ・ Ωr ... Formula (8)
Further, in the equations (6) and (7), φv Is obtained by the following equation.
[0056]
[Equation 9]
[0057]
That is, a right triangle (AB)1 -C1 The length of the three sides is determined by an amount that can be observed by the
[0058]
From the above, the angle φ of the right trianglem Is obtained by three formulas shown in formulas (10) to (12).
[0059]
[Expression 10]
[0060]
## EQU11 ##
[0061]
[Expression 12]
[0062]
Note that the inverse function of the trigonometric function shown in Expression (5), Expression (9), and Expression (10) uses an extended function in which the function output range is expanded to −π to π [rad]. Unless otherwise specified, the inverse function of the trigonometric function used in this embodiment is a function extended as described above.
[0063]
As shown above, in this embodiment, the phase φm Can be obtained from an amount independent of the control axis. Furthermore, in this embodiment, the frequency of the AC voltage applied to the motor is corrected so that Δθ becomes zero based on the magnitude of the phase error Δθ. By controlling the frequency in this way, the control shaft, which is a virtual rotation shaft, rotates in accordance with the rotor phase of the motor.
[0064]
In the above description, the case where the rotation direction of the motor rotor is positive has been described. However, when the rotation direction is opposite, φm When calculating the output range of the function from -π to π [rad], the phase φm Can be requested.
[0065]
By the way, the right triangle (AB)1 -C1 ) Of the three side lengths
[0066]
[Formula 13]
(kEωr)2= (V1sinφv−ωrLIm)2+ {V1cosφv-(R + pL) Im)2... Formula (13)
From this, the motor speed can be expressed by the following equation.
[0067]
[Expression 14]
[0068]
As described above, φ according to the equations (10) to (11)m And the current change component pL · I in the calculation of the motor speed according to the equation (14)m This term may be ignored if the response of the control system is fast, and may be ignored if the resistance is r and ωL is sufficiently smaller than the other values.
[0069]
Next, the calculation content of the coordinate conversion unit 60 will be described with reference to FIG.
[0070]
The observation currents iu and iw output from the motor current detection unit 42 and the phase θ output from the frequency / phase creation / speed detection unit 62dcIs input to the calculation unit 601. In the calculation unit 601, the two-phase current i on the fixed coordinate axis from iu, iwα, IβAnd the phase θdcTo the current I on the dc-qc coordinate axisdc, IqcIs calculated. Current IdcIs input to the
[0071]
Next, the calculation contents of the phase error calculation unit 61 will be described with reference to FIG.
[0072]
In the phase error calculation unit 61, the phase φm Is calculated based on Equation (10). Further, the difference from the description of the calculation of the axis error Δθ described above is that the phase φm Motor voltage V required for calculation1 , And motor winding resistance r and motor winding inductance L, which are motor constants, respectively, are command values V for the motor voltage.1 *, Motor winding resistance set value rc , Motor winding inductance setting value Lc And rotation speed ωr Motor speed command ωr *It is a point to use. Furthermore, assuming that the response of the control system is sufficiently fast, it is a component of current change (pL · Im ) Is ignored.
[0073]
Observation current I output from the coordinate conversion unit 60dcf And Iqcf Are input to the
[0074]
[Expression 15]
[0075]
Above phase φc Is input to the
[0076]
[Expression 16]
Im= -Idcf・ Sinφc+ Iqcf・ Cosφc ... (Formula 16)
Motor voltage command V output from the inverse conversion unit 651 *And phase δc Is input to the calculation unit 613. Motor speed command ω output from the start / operation manager 66r *Is input to the calculation unit 613. In the calculation unit 613, the input V1 *, Im , Ωr *, Δc And φc And motor winding resistance set value rc , Motor winding inductance setting value Lc From (17), the phase error Δθ is calculated. According to the present embodiment, the phase error can be estimated directly without using approximation such as sin Δθ = Δθ. Therefore, even when the phase error is large, the control accuracy is increased.
[0077]
[Expression 17]
[0078]
Next, the calculation contents of the frequency / phase creation / speed detection unit 62 will be described with reference to FIG.
[0079]
The phase error Δθ output by the phase error calculation unit 61 and the phase error command Δθ output by the phase adjustment unit 69s*Is input to the adder 621 and the difference (Δθ*) −Δθ is calculated. The phase error command Δθ* For example, a valid value is input when a phase adjustment unit 69S described later is used, and Δθ is obtained when the phase adjustment unit 69S is not used.* = 0 is set. Difference (Δθ*) −Δθ is input to the
[0080]
In the
[0081]
Inverter output frequency ω1 , The selection signal sel and the startup speed signal ω output from the startup / operation management unit 66.lsIs input to the
[0082]
The frequency ω selected and output by the
[0083]
PI compensator 622 converts Δθ to Δθ* Inverter output frequency to follow
ω1 Is calculated. Means other than PI compensation having the same function may be used. The upper limit value and the lower limit value of the
[0084]
The output of the
[0085]
In the calculation unit 626, the phase θdcIs required. In the calculation unit 626 of FIG. 6, the frequency / phase creation / speed detection unit 62 is executed by software calculation processing, and the calculation is executed at a time interval of the control period Δt. The phase calculation is the previous phase θdcω in (i-1)1selBy adding xΔt, the current phase θdcWe are looking for (i).
[0086]
As described above, in FIG. 6, the output of the
[0087]
FIG. 7 shows another configuration of the frequency / phase creation / speed detection unit 62. Inverter output frequency ω1 As the sum of two of the first frequency and the second frequency, and the first frequency is calculated based on the equation (14) based on the magnitude of the motor current, the magnitude of the motor voltage, As the motor speed obtained using the phase difference, motor induced voltage constant, motor winding resistance and motor winding inductance, the second frequency is Δθ* The frequency is set to be equal to. Motor current magnitude Im , Motor voltage command value V1 *, And phase difference φ between motor current and motor voltagev Is input to the calculation unit 627, and the motor speed ω which is the first frequencyr Is calculated. However, in this calculation, unlike the equation (14), the motor voltage V1 → V1 *, Motor winding resistance r → rc , And motor winding inductance L → Lc , Motor power generation constant kE → Same setting value kEc, Current change components (pL, Im ) Ignore the term and use the following formula.
[0088]
[Expression 18]
[0089]
Δθ* The second frequency ω is combined with the
[0090]
Motor detection speed ωr And the second frequency ωpll Are input to the adder 628, the sum of the two is calculated, and the inverter output frequency ω1 Is output as Here, the output of the
[0091]
In the embodiment shown in FIGS. 6 and 7, the phase error Δθ is changed to the phase error command Δθ.* Therefore, the
[0092]
FIG. 8 shows still another configuration of the frequency / phase creation / speed detection unit 62. Here, connection and flow of signals will be described with respect to portions different from FIG. Detection speed ωr , Selection signal sel and startup speed signal ωlsIs input to the
[0093]
Next, the speed control unit 63 will be described with reference to FIG. Speed command value ω output from start-up / operation management unit 66r *, And the detection speed ω output from the frequency / phase creation / speed detection unit 62r Is input to the adder 631. In the adder 631, (ωr *) −ωr And the difference is input to the
[0094]
Next, the contents of the current control unit 64 will be described with reference to FIG.
[0095]
Detection speed ω output from frequency / phase creation / speed detection unit 62r And the speed command ω output from the startup / operation management unit 66ls, Current command I output from the speed control unit 63q *And the current command I output from the startup / operation management unit 66.qs *, Current command I output from phase adjuster 69Id *I output from the start-up / operation management unit 66ds * Are input to the
[0096]
D-axis current command I selected by
[0097]
On the other hand, the q-axis current command I selected by the
[0098]
Furthermore, d-axis current command Ids * Or Id *Q-axis current command Iqs * Or Iq *, And startup speed command ωlsOr detection speed ωr Is input to the
[0099]
[Equation 19]
Vd *= RcId *−ωrLcIq *
Vq *= ΩrLcId *+ RcIq *+ KEcωr ... Formula (19)
As shown in the above equation, this motor voltage model is derived from equation (1). Compared to equation (1), the current change term is omitted, and the voltage and current are all set to command values. All constants are replaced with set values.
[0100]
d-axis compensation voltage VId And d-axis model voltage Vd *Is input to the adder 648 and the sum of the two is a dc-axis voltage command Vd ** Is output as Similarly, q-axis compensation voltage VIq And q-axis model voltage Vq * Is input to the adder 649, and the sum of the two is the qc-axis voltage command Vq ** Is output as
[0101]
Where d-axis compensation voltage VId And q-axis compensation voltage VIq Is the resistance set value r used in the motor voltage model even during acceleration, deceleration or steady state.c , Winding inductance setting value Lc , Power generation constant kEcIf any of these is different from the actual value, some value is generated, otherwise it is 0.
[0102]
Next, the contents of the inverse transform unit 65 will be described with reference to FIG.
[0103]
The inverse conversion unit 65 shown in FIG.d ** , Vq ** To generate a three-phase voltage command. The dc-axis voltage command V output from the current control unit 64d ** And qc axis voltage command Vq ** Is input to the calculation unit 651. In the calculation unit 651, the motor voltage V viewed from the qc axis.1 Phase δc Is calculated according to equation (9). Phase δc , Dc axis voltage command Vd **, And qc axis voltage command Vq **Is input to the
[0104]
Next, the contents of the activation / operation management unit 66 will be described with reference to FIG.
[0105]
Positioning time T output from the interface unit 67p Current target value Im0, Initial rotation time Ts , Initial frequency ωls0 , Acceleration time Tac, And set frequency ωr ** Is input to the sequence calculation unit 661. The sequence calculation unit 661 calculates a set value input and a command value corresponding to the elapsed time. Here, the output value of the sequence calculation unit 661 with respect to the time t is calculated by the equation (20).
[0106]
[Expression 20]
[0107]
Phase command φ output from the sequence calculatorc *And current command Im *Is input to the calculation unit 662, and dq-axis current command I during positioning and initial rotationds * , Iqs * Is calculated by the equation (21).
[0108]
[Expression 21]
[0109]
If operation is performed with the above configuration, the time from the start of motor operation is Tp Until the time elapses, the positioning mode and the time from the end of the positioning mode are Ts The permanent magnet motor can be activated by continuously changing a total of three control modes, that is, the initial rotation mode until the elapsed time and the position sensorless operation mode after the end of the initial rotation mode. The frequency / phase creation / speed detection unit 62 and the current control unit 64 perform control according to each control mode. For this reason, the selection signal sel corresponding to the control mode is output.
[0110]
Next, changes in voltage phase and current command in each control mode will be described. First, in positioning mode, the frequency ωlsIs fixed at zero, the voltage phase is fixed at a predetermined value and does not change. Also, the current command Im *Is the predetermined value Im0Gradually increases until phase φc *Is fixed at −π / 2, so the dq-axis current command has Ids * = Im *, Iqs * = 0 is output. Next, in the initial rotation mode, the frequency ωlsGradually increases, the voltage phase changes in the rotational direction. Also, the current command Im *Is Im0Phase φc *Changes in phase from -π / 2 to 0. Therefore, the dq axis current command isds * = Im0, Iqs * From the state of = 0, Ids * Gradually decreases and Iqs * Gradually increases and eventually Ids * = 0, Iqs * = Im0To change.
[0111]
Note that the speed control shown in FIG. 9 is not performed in the positioning mode and the initial rotation mode. Therefore, after the control mode returns to the position sensorless operation mode, the motor speed command ωr *Is output to the speed control unit 63.
[0112]
The positioning time T output from the interface unit 67p Current target value Im0, Initial rotation time Ts , Initial frequency ωls0 , And set frequency ωr ** At least one of the values can be changed. Thereby, even if the fluctuation of the motor constant or the load condition fluctuates, the motor can be reliably started. In the embodiment shown in FIG. 1, the set value can be changed by an operation by the operator 7.
[0113]
FIG. 13 shows the relationship between the motor rotation frequency and the inverter output frequency when the synchronous motor is operated using the control method of this embodiment. FIG. 13 illustrates a state in which the motor is driven through three control modes (positioning mode, initial rotation mode, and position sensorless control mode (normal operation mode)) from the start of motor operation. Further, in the position sensorless control mode, frequency change due to four factors of acceleration, deceleration, load increase, and load decrease is shown. The motor rotation frequency represents the motor electrical angular frequency. Hereinafter, the relationship between the motor rotation frequency and the inverter output frequency in each mode will be described.
[0114]
(1) In the positioning mode, the inverter output frequency is fixed to zero. On the other hand, since the rotor changes direction to a predetermined position by positioning control, the motor rotation frequency vibrates between positive and negative. The velocity oscillation gradually attenuates.
[0115]
(2) In the initial rotation mode, the motor rotation frequency and the inverter frequency increase.
[0116]
(3) When acceleration operation is performed in the position sensorless control mode, the inverter frequency is controlled to be lower than the motor rotation frequency.
[0117]
(4) When the deceleration operation is performed in the position sensorless control mode, the inverter frequency is controlled to be higher than the motor rotation frequency.
[0118]
(5) When the motor load is increased in the position sensorless control mode, the inverter frequency is controlled to be higher than the motor rotation frequency immediately after the load change.
[0119]
(6) When the motor load is reduced in the position sensorless control mode, the inverter frequency is controlled to be lower than the motor rotation frequency immediately after the load change.
[0120]
In the above (3) to (6), the level of the inverter output frequency and the motor rotation frequency is determined because the phase error Δθ is determined by the phase error command Δθ in the frequency / phase creation / speed detection unit 62.* This is because the inverter output frequency is made to follow the motor rotation frequency so as to coincide with.
[0121]
In the phase error calculation unit 61 shown in FIG.m Is the command value V for the motor voltage.1 *, Motor winding resistance set value rc , Motor winding inductance setting value Lc , And motor speed command ωr *Use to find. Of these, motor winding resistance setting value r, which is a motor constantc , Motor winding inductance setting value Lc In addition, voltage command value V1 *Is shifted from the actual value, the calculated phase φm Unlike the actual value, a steady-state error occurs in the phase error Δθ. Here, as a method of reducing the error, the d-axis compensation voltage VId And q-axis compensation voltage VIq Two examples of the method using the method and the method of adjusting the phase so that the motor current is minimized will be described.
[0122]
Compensation voltage VId And VIq For the sake of simplicity, the case where the voltage and the inductance are different from the actual values will be described.
[0123]
The voltage equation of equation (1) is for the phase error Δθ = 0, and when a phase error occurs, the voltage equation becomes equation (22). However, the current change term is ignored.
[0124]
[Expression 22]
vdc= R · idc−ωr・ L ・ iqc+ KE・ Ωr・ SinΔθ
vqc= Ωr・ L ・ idc+ R · iqc+ KE・ ΩrCosΔθ Equation (22)
here,
[0125]
[Expression 23]
vd ** = Vdc+ Dvd , Vq ** = Vqc+ Dvq , V1 * = V1+ Dv
Id * = Idc , Id * = Iqc ... Formula (23)
Lc= L + dL, rc= R, kEC= KE
In summary, equation (24) is obtained.
[0126]
[Expression 24]
Since each first term of the equation (24) corresponds to the
[0127]
[Expression 25]
VId = ΩrdLIq *+ KEcωrsinΔθ + dvd
VIq = -ΩrdLId *-KE *ωr+ KECωrcosΔθ + dvq ... Formula (25)
Here, if the primary voltage command error, d-axis command error, and q-axis command error ratio are the same, the relationship of equation (26) is obtained, and further the equation (27) Eliminating Δθ from 25) yields equation (28).
[0128]
[Equation 26]
[0129]
[Expression 27]
sin2θ + cos2θ = 1 Formula (27)
[0130]
[Expression 28]
[0131]
Expression (28) includes an inductance error and a voltage error. If there is only one of the errors, the error can be estimated using equation (28).
[0132]
The parameter estimation unit 68L will be described with reference to FIG. Compensation voltage VI for d-axis current control output by calculation in the current control unit 64d And q-axis current control compensation voltage VIq Dq axis current command Id *And Iq *, And speed command ωr *Is input to the parameter estimation unit 68L. In the parameter estimation unit 68L, the frequency command / inductance product (ωr *) X Lc As the amount of deviation betweenr *XdL is calculated.
[0133]
Where ωr *XdL is obtained by setting dv = 0 in the equation (28), and is obtained by the equation (29). This value is calculated as (ω in equation (17) of the phase error calculation unit shown in FIG.r *) X Lc The correct inductance is reflected in the equation by subtracting from. However, in equation (29), two values are obtained depending on whether the square root calculation result is added or subtracted, and either one is selected depending on the magnitude of the error.
[0134]
[Expression 29]
[0135]
Next, the parameter estimation unit 68V will be described with reference to FIG. Compensation voltage VI for d-axis current control output by calculation in the current control unit 64d And q-axis current control compensation voltage VIq , Dq axis voltage command Vd ** And Vq ** , Motor voltage magnitude V1 *, And command speed ωr *Is input to the parameter estimation unit 68V. In the parameter estimation unit 68V, the magnitude V of the motor voltage used in the calculation unit 613 in FIG.1 *And dV is calculated as a deviation amount of the actual value.
[0136]
[30]
[0137]
Here, dV is obtained by setting dL = 0 in the equation (28), and is obtained by the equation (30). This value is expressed as V in equation (17) of the phase error calculation unit shown in FIG.1 *By subtracting from the correct voltage is reflected in the equation. However, in equation (30), two values are obtained depending on whether the square root calculation result is added or subtracted, and one of these values is selected depending on the magnitude of the error.
[0138]
D-axis compensation voltage VI for the parameter error shown in FIGS.d And q-axis compensation voltage VIq The method using is an effective method when an error occurs in only one parameter among a plurality of parameters. On the other hand, as an effective method for a plurality of parameter errors, two examples of the phase adjustment units 69I and 69S are shown in the overall configuration diagram of FIG. Hereinafter, the phase adjustment units 69I and 69S will be described with reference to FIG.
[0139]
As described above, the calculation result of the phase error Δθ includes an error due to the parameter error. Due to this error, the phase of the dc-qc axis rotation coordinate cannot be made coincident with the dq axis rotation coordinate, and the steady axis deviation Δθe Remains. In the current control unit 64, the dc axis current command I is set so that the current flows only in the q axis direction component.d *However, when the real axis and the control axis are misaligned, current flows also in the d-axis direction of the solid line, and the torque current component in the q-axis direction is reduced accordingly. Torque current component is axis deviation Δθe Decreases as the value increases.
[0140]
As a result, a reduction in speed is caused, so that the speed control unit 63 causes the torque current command Iq *As a result, the magnitude of the motor current Im Increases due to misalignment. In other words, if the current axis and the control axis are in phase and the current flows at the phase where the torque is generated most, the magnitude of the motor current Im Takes the minimum value. Therefore, by adjusting the motor current phase, the current magnitude Im A current is passed at a phase where the current is minimized.
[0141]
Two methods of changing the current phase are shown.
[0142]
In the first method, the excitation current command value Id *This is a method of setting a predetermined value in Normally set to zero Id *By substituting a value for, the phase of the motor current can be arbitrarily changed. The second method is to use a phase error command Δθ* This is a method of setting a predetermined value in Normally Δθ is set to zero* By substituting a value for, the axis deviation between the real axis and the control axis is the axis deviation Δθ due to the parameter error described above.e And phase error command Δθ*The sum of Therefore, the phase error command Δθ*(Δθ*) + ΔθeBy setting the zero to zero, the real axis and the control axis can be matched. The first method is realized by the phase adjustment unit 69I. The second method is realized by the phase control unit 69S.
[0143]
FIG. 16 shows the excitation current command value Id *Or phase error command Δθ* Adjusting the motor current Im An example of a method for minimizing the error will be described. In the control cycle i-th, the excitation current command value Id *Or phase error command Δθ* Is set, and the magnitude of the motor current is ImAssume that (i). Next, in the control cycle i + 1, Id *Or Δθ*Substituting a randomly chosen value for the motor current magnitude ImAssume that it has changed to (i + 1). Im(i + 1) is ImIf smaller than (i), Id *Or Δθ* As the value, the setting value used in the control cycle i + 1 is selected. By repeating the above, the motor current Im It is possible to search for a setting value that minimizes. In addition to the above method, the set value can be obtained by using an optimal solution search algorithm such as the known Newton-Raphson method.
[0144]
【The invention's effect】
According to the present invention, the phase angle is obtained by expressing the phase angle with a value that does not depend on the position of the control axis, and stable synchronization is possible even when a large phase error occurs, such as a sudden load change or sudden acceleration / deceleration operation. A position sensorless control system for the motor can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall configuration diagram for realizing a position sensorless control method for a synchronous motor according to the present invention.
FIG. 2 is an analysis model diagram showing a relationship among a rotor and a stator of a synchronous motor, the dq axis rotation coordinates described above, and a dc-qc control rotation coordinate.
FIG. 3 shows a vector diagram when the synchronous motor is driven by an AC voltage and the rotor rotates in the positive direction.
FIG. 4 is a diagram showing calculation contents of a coordinate conversion unit in blocks.
FIG. 5 is a diagram showing calculation contents of a phase error calculation unit in blocks.
FIG. 6 is a block diagram showing calculation contents of a frequency / phase creation / speed detection unit.
FIG. 7 is a block diagram showing another calculation content of the frequency / phase creation / speed detection unit.
FIG. 8 is a block diagram showing still another calculation content of the frequency / phase creation / speed detection unit.
FIG. 9 is a diagram showing calculation contents of a speed control unit in blocks.
FIG. 10 is a block diagram showing calculation contents of a current control unit.
FIG. 11 is a block diagram showing calculation contents of an inverse conversion unit.
FIG. 12 is a diagram showing calculation contents of a startup / operation management unit in blocks.
FIG. 13 is a diagram showing a relationship between a motor rotation frequency and an inverter output frequency corresponding to acceleration, deceleration, and load change when a synchronous motor is operated using the control method according to the present invention.
FIG. 14 is a diagram illustrating a method for estimating a parameter error of an inductance L.
FIG. 15: Output voltage V1 *It is the figure which showed the method of estimating the parameter error of.
FIG. 16 is a diagram for explaining the principle of adjusting a current phase to an optimum state by a phase adjustment unit;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (3)
前記永久磁石を回転子とする同期モータのモータ電流の位相と回転子の実回転位相との第1の位相差と、
前記モータ電流の位相と制御上の回転子の位相である仮想回転位相との第2の位相差とを求め、
前記第1の位相差と前記第2の位相差の差とから、前記回転子の実回転位置と前記回転子の仮想回転位置との位相誤差を推定し、
前記モータ電流の大きさが最小となる方向に前記モータ電流の位相を調整する同期モータの位置センサレス制御方法。In a synchronous motor position sensorless control method for estimating the rotor position of a synchronous motor driven by an inverter circuit using a permanent magnet as a rotor,
A first phase difference between a phase of a motor current of a synchronous motor having the permanent magnet as a rotor and an actual rotation phase of the rotor;
Obtaining a second phase difference between the phase of the motor current and a virtual rotational phase which is the phase of the rotor on control;
From the difference between the first phase difference and the second phase difference, a phase error between the actual rotation position of the rotor and the virtual rotation position of the rotor is estimated,
Position sensorless control method of a synchronous motor for adjusting the phase of the motor current in a direction size of the motor current is minimized.
前記永久磁石を回転子とする同期モータのモータ電流の位相と回転子の実回転位相との第1の位相差と、
前記モータ電流の位相と制御上の回転子の位相である仮想回転位相との第2の位相差とを求め、
前記第1の位相差と前記第2の位相差の差とから、前記回転子の実回転位置と前記回転子の仮想回転位置との位相誤差を推定し、
位相誤差指令を調整することによって、前記実回転位相に対するモータ電流位相を変化させてモータ電流の大きさを変化させ、モータ電流が最小となる前記モータ電流位相を探索し、これによって得られたモータ電流が最小となるモータ電流位相により同期モータを駆動する同期モータの位置センサレス制御方法。In a synchronous motor position sensorless control method for estimating the rotor position of a synchronous motor driven by an inverter circuit using a permanent magnet as a rotor,
A first phase difference between a phase of a motor current of a synchronous motor having the permanent magnet as a rotor and an actual rotation phase of the rotor;
Obtaining a second phase difference between the phase of the motor current and a virtual rotational phase which is the phase of the rotor on control;
From the difference between the first phase difference and the second phase difference, a phase error between the actual rotation position of the rotor and the virtual rotation position of the rotor is estimated,
By adjusting the phase error command, the motor current phase with respect to the actual rotation phase is changed to change the magnitude of the motor current, and the motor current phase at which the motor current is minimized is searched, and the motor obtained thereby A position sensorless control method for a synchronous motor in which the synchronous motor is driven by a motor current phase that minimizes the current.
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