JP3696945B2 - 液化ガスを利用した動力発生装置 - Google Patents

液化ガスを利用した動力発生装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体空気などの極低温液化ガスを初めとする液化ガスを利用した動力発生装置に関し、自動車、列車、船舶等の動力源として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の動力発生装置の代表例を自動車を例にとり、図14を参照して説明する。図14において、自動車の車体7には燃料タンク15と、燃料ポンプ14と、ガソリンエンジンまたはディーゼルエンジンといった内燃機関30とが搭載されている。燃料タンク15にはガソリンや軽油等の化石燃料が貯蔵され、この化石燃料を燃料ポンプ14で燃料タンク15から汲み出して昇圧し、内燃機関30に送る。内燃機関30では空気中の酸素を用いて化石燃料を燃焼させることにより、作動流体を作り、そのときの爆発力から駆動力を得ている。図14中、モータ3は燃料ポンプ14を駆動する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図14に示した従来装置では、化石燃料を燃焼させるので、炭酸ガスや硫化物が発生する。また、化石燃料はその埋蔵量が限られており、将来枯渇する恐れがある。更に、燃焼に必要な酸素を大気から取り込むため、水中など周囲に空気が存在しない環境下では使用することができない。
【0004】
そこで本発明は液化ガスを利用した動力発生装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明に係る動力発生装置は、
(1)移動体に搭載されており、この移動体を移動させるための動力を発生する液化ガスを利用した動力発生装置であって、
液化ガスを貯蔵するタンクと、
このタンクから液化ガスを汲み出し昇圧するポンプと、
このポンプで昇圧された液化ガスを、移動体の熱及び外気の熱により加熱して高圧ガスに変える熱交換器と、
この熱交換器により得られた高圧ガスを膨張させて、移動体を移動させるための動力を取り出す高圧ガス駆動エンジンと、
バッテリと、
前記移動体を移動させるための動力を発生するため、前記バッテリの電力を用いて駆動する駆動モータと、
前記高圧ガス駆動エンジンから排気された低温の低圧ガスを用いて、前記駆動モータを冷却する冷却構造と、
を具備することを特徴とする。
(2)また本発明は、移動体に搭載されており、この移動体を移動させるための動力を発生する液化ガスを利用した動力発生装置であって、
液化ガスを貯蔵するタンクと、
このタンクから液化ガスを汲み出し昇圧するポンプと、
このポンプで昇圧された液化ガスを、移動体の熱及び外気の熱により加熱して高圧ガスに変える熱交換器と、
この熱交換器により得られた高圧ガスを膨張させて、移動体を移動させるための動力を取り出す高圧ガス駆動エンジンと、
バッテリと、
前記タンク内に取り付けられた超伝導コイルと、
前記移動体を移動させるための動力を発生するため、前記バッテリの電力及び前記超伝導コイルの電力を用いて駆動する一方、過剰動力が発生している場合には電力を発生して前記超伝導コイルに貯蔵する駆動モータと、
を具備することを特徴とする。
(3)また本発明は、移動体に搭載されており、この移動体を移動させるための動力を発生する液化ガスを利用した動力発生装置であって、
液化ガスを貯蔵するタンクと、
このタンクから液化ガスを汲み出し昇圧するポンプと、
太陽電池と、
前記ポンプで昇圧された液化ガスを、前記太陽電池の熱及び移動体の熱及び外気の熱により加熱して高圧ガスに変える熱交換器と、
この熱交換器により得られた高圧ガスを膨張させて、移動体を移動させるための動力を取り出す高圧ガス駆動エンジンと、
前記太陽電池で発生した電力を貯蔵するバッテリと、
前記移動体を移動させるための動力を発生するため、前記バッテリの電力を用いて駆動する駆動モータと、
を具備することを特徴とする。
(4)また本発明は、移動体に搭載されており、この移動体を移動させるための動力を発生する液化ガスを利用した動力発生装置であって、
液化ガスを貯蔵するタンクと、
このタンクから液化ガスを汲み出し昇圧するポンプと、
このポンプで昇圧された液化ガスを、移動体の熱及び外気の熱により加熱して高圧ガスに変える熱交換器と、
燃料を貯蔵する燃料タンクと、
前記燃料タンクから燃料を取り出して昇圧する燃料ポンプと、
前記熱交換器から導かれた高圧ガスと前記燃料ポンプから供給されて噴霧された燃料とを燃焼させる補助燃焼器と、
この補助燃焼器により燃焼して更に高圧化した高圧ガスを膨張させて、移動体を移動させるための動力を取り出す高圧ガス駆動エンジンと、
を具備することを特徴とする。
(5)また本発明は、前記液化ガスが液体空気であることを特徴とする。
(6)また本発明は、前記移動体は、自動車または列車または船舶であることを特徴とする。
【0006】
<作用>
上記構成において、液化ガスを液体状態のまま昇圧した後、加熱することにより高圧ガスを生成し、この高圧ガスを膨張させることによりその膨張力から動力を得る。従って、動力を得るための作動流体を動力発生装置内に持つことから、従来のように化石燃料を燃焼させて作動流体を得るために外部から空気を取り込む必要はなく、水中など周囲に空気が存在しない環境でも使用することができる。また、従来のような燃焼後の排気ガスの問題もない。更に、液化ガスは常温で十分気化するので、加熱源としては常温の外気あるいはハードウェア熱容量、太陽熱、海水など常温付近のものを利用することができる。
【0007】
特に、液体空気を用いる場合は、排気されるガスは空気だけである。また、液体空気を昇圧した後に加熱して高圧ガスを生成する場合は、大気を直接圧縮して高圧にするよりも、必要とする動力がはるかに少なくて済む。更に、液体空気は大気から製造できるので、化石燃料のように枯渇することがない。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明に係る動力発生装置の実施例を説明する。なお、以下の各実施例は代表例として本発明を自動車の動力用エンジンシステムに適用したものであるが、列車、船舶(水中翼艇、水中ボート、魚雷等も含む)等の動力用エンジンシステムに適用することができる。
【0009】
<第1実施例;構成>
図1は第1実施例として液体空気を利用した動力発生装置の構成を示す。同装置は液体空気タンク1と、液体空気ポンプ2と、熱交換器と、高圧空気駆動エンジン5から構成され、自動車の車体7に搭載されて配管等で接続されている。図1中、符号3はモータを示し、符号6は排気管を示す。
【0010】
図1において、まず液体空気タンク1に液体空気を貯蔵しておく。この際、液体空気は大気圧で約−190℃の極低温であるから、液体空気タンク1には十分な断熱処理を施してある。液体空気タンク1内の液体空気は、モータ3で駆動される液体空気ポンプ2により配管等を通して液体空気タンク1から汲み出され、必要な圧力に昇圧されて、車体7に取り付けられた熱交換器4に送られる。このようにして高圧になった液体空気は熱交換器4を通ることにより、同熱交換器4で外気及び車体7(これらの温度はほぼ常温であるが液体空気よりも極めて高い)と熱交換されて、ほぼ常温の高圧空気ガスとなる。この高圧空気ガスは配管等によりピストン型やタービン型等の高圧空気駆動エンジン5に導かれる。
【0011】
高圧空気駆動エンジン5がピストン型エンジンである場合は、エンジン内で高圧空気ガスを膨張させることによりピストンを押してクランクにより回転力とし、これを外部に動力として取り出す。高圧空気駆動エンジン5がタービン型である場合は、高圧空気ガスを膨張させてタービンを回転させることにより、外部に動力として取り出す。このような動力を自動車の駆動力として車体7を動かす。膨張後の空気は排気管6により車体7の外部に排気させる。
【0012】
<第1実施例の作用効果>
図1に示した第1実施例の動力発生装置では、排気されるのは空気のみであるから、炭酸ガス及び硫化物等の公害物が発生しない。また、液体空気はガソリン等の化石燃料と異なり大気から製造することができるため、ほぼ無限なエネルギー源となり得る。更に、熱交換器4により車体7の内外の熱を奪うことができるため、夏期などで車体7が過度に温度上昇することを防止することも可能である。また、燃焼用等に外部から空気を取り込まないため、水中等の空気が無い環境でも本装置を使用することができる。
【0013】
<第2実施例;構成>
図2は第2実施例として本発明の動力発生装置を電気自動車に付加したシステムの構成を示す。本実施例の動力発生装置自体の構成及びそれにより駆動力を得る方法は第1実施例と同じであるが、高圧空気駆動エンジン5の動力と同時に、バッテリ9に貯えられている電力を用いて駆動モータ8を駆動して車体7を動かすようにしている。具体的には、図9(A)〜(D)、図10に示す構成により、両方の駆動力を同時に用いることができる。
【0014】
図9(A)に示す構成では、電気的駆動モータ8と高圧空気駆動エンジン5の出力軸を同一軸21上に結合して、車体の駆動輪20と結合している。通常駆動モータ8のみの駆動の場合は高圧空気ガスの送り込みを止めることにより高圧空気駆動エンジン5は空回りとなるが、一時的に駆動力の増加を図る時には同エンジン5に高圧空気ガスを送り込んで膨張させ出力を取り出す。
【0015】
図9(B)に示す構成は、図9(A)に対しクラッチ22を付加したものである。即ち、駆動モータ8と高圧空気駆動エンジン5との間にクラッチ22を設け、同エンジン5を作動させない場合は切り離すことができるようにしてある。
【0016】
図9(C)に示す構成は、駆動モータ8と高圧空気駆動エンジン5との間にクラッチ22だけでなく、トランスミッシュョン23を付加したものであり、高圧空気駆動エンジン5と駆動モータ8との回転数の関係を変えることができる。
【0017】
図9(D)に示す構成では、駆動モータ8と高圧空気駆動エンジン5の各出力軸25,26にそれぞれクラッチ22とトランスミッション23を順に取り付け、両トランスミッション23,23の出力軸をギヤ24により互いに結合して、駆動輪20と結合している。
【0018】
図10に示す構成は、前輪27に駆動モータ8(もしくは高圧空気駆動エンジン5)を結合し、後輪28には逆に高圧空気駆動エンジン5(もしくは駆動モータ5)を結合している。これにより、いずれか一方、または両方の動力を利用する。
【0019】
<第2実施例の作用効果>
図2、図9、図10に示した第2実施例では、第1実施例と同様の作用効果を得ることができるが、更に固有の作用効果として、従来の電気自動車と比べると上り坂等で一時的な出力増加を必要とする場合に、液体空気のエネルギによる駆動力を付加して出力増加を得ることが可能であり、クリーンなハイブリッド構成とすることができる。なお、通常は高圧空気エンジン5のみを作動させて一時的に駆動モータ8を作動させて出力増を図るという使い方も、あるいは常時両方を作動させるという使い方も可能である。
【0020】
<第3実施例;構成>
図3に第3実施例として、図2に示した電気自動車のモータ効率の向上と出力の向上を図るように工夫したシステムの構成を示す。本実施例の動力発生装置自体の構成及びそれにより駆動力を得る方法は第1実施例と同じであり、また高圧空気駆動エンジン5と電気的駆動モータ8の両方を車体7の駆動に同時に用いる方法は第2実施例と同じであって図9,図10いずれの構成をとることができる。
【0021】
即ち、本第3実施例では、図3において、高圧空気駆動エンジン5から排気される低圧空気は低温であることに着目し、同低圧空気を排気管6の途中部分6Aで駆動モータ8に導き、同モータ8の冷却に使用した後、外部へ排気するように構成している。図11と図12を比較すれば判るように、先の第2実施例では図11に示すように高圧空気駆動エンジン5からの低温の排気空気はそのまま外部へ排出されるが、本第3実施例では図12に示すように排気空気は6A部分で駆動モータ8の冷却に供した後外部へ排出される。
【0022】
<第3実施例の作用効果>
図3,図9,図10,図12に示した第3実施例では、第1及び第2実施例と同様の作用効果を得ることができ、更に固有の作用効果として、駆動モータ8と同時に高圧空気駆動エンジン5が作動する場合には低温の排気空気により駆動モータ8を冷却するので、駆動モータ8の発熱損失(銅損)を抑え、同モータ8の高効率化,高出力化及び小形化を図ることができる。
【0023】
<第4実施例;構成>
図4に第4実施例として、図2に示した電気自動車に超伝導コイル(超電導コイルとも呼ばれる)による電力貯蔵システムを有する動力発生装置を付加した構成を示す。液体空気を利用した動力発生装置自体の構成及びそれにより駆動力を得る方法は第1実施例と同じであり、また高圧空気駆動エンジン5と電気的駆動モータ8の両方を車体7の駆動に同時に用いる方法は第2実施例と同じであり、図9,図10いずれの構成をとることができる。
【0024】
即ち、本第4実施例では駆動モータ8が原理上発電機としても動作することに着目し、図4において、液体空気タンク1内に超伝導コイル12を取り付け、駆動モータ8が発生する電力をバッテリ9及び超伝導コイル12に貯蔵するように構成してある。駆動モータ8が直流モータのうち他励電動機または分巻電動機であれば、外部から駆動されるとそのまま発電機として動作するので、そのまま電気出力を超伝導コイル12に貯える。駆動モータ8が直巻電動機であるならば、同モータ8のコイルの配線を電動機と発電機との動作で逆に切り換える必要があるので、図13に示すようにコンバータ29を介して駆動モータ8を超伝導コイル12及びバッテリ9とを接続し、コンバータ29内で電動機として動作する場合と発電機として動作する場合とで配線の切り換えを行う。また、駆動モータ8が交流モータである場合には、コンバータ29内で交流と直流との変換を行うように構成する。
【0025】
本実施例の動力発生装置に使用に際しては、液体空気を利用して高圧空気駆動エンジン5で駆動力を得ている場合に同エンジン5で発生する過剰な出力などを、駆動モータ8により電力に変換して、超伝導コイル12に貯蔵する。駆動力を増加するなど電力が必要になった場合は、バッテリ9及び超伝導コイル12に貯蔵してある電力を用いて駆動モータ8を駆動する。
【0026】
<第4実施例の作用効果>
図4,図9,図10,図13に示した第4実施例では第1及び第2実施例と同様の作用効果を得ることができ、更に、固有の作用効果として超伝導コイル12を用いた電力貯蔵システムを用いるので、駆動モータ8に要求される急激な動力変化に対して好適に対応することができる。また、超伝導コイル12は液体空気自身で冷却されるので、新たな冷熱源を必要としない。
【0027】
<第5実施例;構成>
図5に第5実施例として、ソーラーカーなどの太陽光発電を利用した電気自動車に、液体空気を利用した動力発生装置を付加したシステムの構成を示す。本実施例の動力発生装置自体の構成及びそれにより駆動力を得る方法も第1実施例と同じであり、また高圧空気駆動エンジン5と電気駆動モータ8の両方を車体7の駆動に同時に用いる方法は第2実施例と同じであって図9,図10いずれの構成をとることができる。
【0028】
即ち、本第5実施例では図5において、太陽電池10を車体7の上面に取り付け、太陽電池10が太陽光を吸収して発生する電力を取り出し、バッテリ9に貯蔵するように構成している。従って、駆動モータ8は太陽電池10の出力を利用して駆動される。更に、太陽電池10と動力発生装置の熱交換器4とは、太陽電池10が熱交換器4によって冷却されるように配置してある。
【0029】
<第5実施例の作用効果>
図5,図9,図10に示した第5実施例では第1及び第2実施例と同様の作用効果を得ることができ、更に固有の作用効果として、太陽電池10が熱交換器4による液体空気との熱交換により冷却されるので、従来のソーラーカーに比べて発電出力を数10%以上向上させることができる。また、高圧液体空気が太陽熱によっても熱交換器4を介して加熱されるので、一層高圧の空気が作動流体として得られ、高圧空気駆動エンジン5からより大きな動力が発生する。
【0030】
<第6実施例;構成>
図6に第6実施例として、第1実施例に補助燃焼器を付加したシステムの構成を示す。即ち、液体空気タンク1に貯蔵された液体空気は液体空気ポンプ2により必要な圧力まで昇圧され、熱交換器4内で外気等と熱交換して常温高圧ガスとなる。このガスは補助燃焼器13内に導びかれる。燃料タンク15内にあるガソリン等の化石燃料は燃料ポンプ14で昇圧され、必要に応じて補助燃焼器13内に噴霧されて高圧空気と希薄燃焼させる。補助燃焼器13内での燃焼により熱交換器4からの高圧空気は加熱され更に高圧化される。燃料流量を調整することにより加熱量を調整することができるようにしてある。この高圧空気は高圧空気駆動エンジン5内で膨張することにより駆動力を得る。同エンジン5から排気される低圧空気は、触媒16内で公害物を除去もしくは軽減したあと、排気管6より排気される。燃料流量の調整に加えて化石燃料の燃焼を必要なときだけ行うようにもしてある。
【0031】
<第6実施例の作用効果>
図6に示した第6実施例では、基本的には第1実施例と同様に動力を得るが、液体空気のみでは出力が不足する場合、補助燃焼器13内で化石燃料を希薄燃焼させ空気を加熱させることによって出力を向上させることができる。従って、低燃費であるとともに補助燃焼器13内では希薄燃焼させることにより、排気ガス中に含まれる公害物質(炭酸ガス及び硫化物)を最小限におさえ、しかも触媒16で極力公害物を除去することができるため低公害でもある。また負荷変動が大きい場合も対応できる柔軟なシステムである。
【0032】
<第7実施例;構成>
図7に第7実施例として、第1実施例の高圧空気駆動エンジン5の代りに、中間再加熱式高圧空気駆動エンジン17を有する動力発生装置の構成を示す。高圧空気駆動エンジン17以外は図1の実施例と同じである。
【0033】
即ち、図7において、まず液体空気タンク1に貯蔵された液体空気は、液体空気ポンプ2により必要な圧力まで昇圧され、熱交換器4内で熱交換されて常温高圧の空気ガスとなる。このガスは中間再加熱式高圧空気駆動エンジン17に導びかれる。図8に中間再加熱式高圧空気駆動エンジン17の構成を示し、適当数の膨張室と再加熱用の熱交換器を備えている。まず、高圧空気は第1膨張室18で膨張させ、ピストン型の場合はピストンを押し下げクランクにより回転力とする。タービン型の場合はタービンを回転させる。膨張したあとの中圧の空気は温度が下がっているため、熱交換器11により再加熱する。この再加熱された空気は第2膨張室19内で膨張させ、回転力として負荷をとりだす。以後必要な段数まで再加熱と膨張をくり返す。最終的に排気された空気は排気管6を通して外部に排気される。
【0034】
<第7実施例の作用効果>
図7,図8に示した第7実施例では、第1実施例と同様の作用効果を得ることができるが、更に固有の作用効果として、中間再加熱式高圧空気駆動エンジン17とすることにより再加熱しない場合よりも高効率高出力とすることができる。
【0035】
上述した各実施例では液化ガスとして液体空気を利用しているが、それ以外のもの、例えば適宜な極低温液化ガスを利用することができる。また、動力発生装置を自動車以外のものに対する駆動源として利用することもできる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、液化ガスを液体状態のまま昇圧した後、加熱することにより高圧ガスを生成し、この高圧ガスを膨張させることによりその膨張力から動力を得るので、動力を得るための作動流体を動力発生装置内に持つことになり、従来のように化石燃料を燃焼させて作動流体を得るために外部から空気を取り込む必要はなく、水中など周囲に空気が存在しない環境でも使用することができる。また、従来のような燃焼後の排気ガスの問題もない。更に、液化ガスは常温で十分気化するので、加熱源としては常温の外気あるいはハードウェア熱容量、太陽熱、海水など常温付近のものを利用することができる。
【0037】
特に、液体空気を用いる場合は、排気されるガスは空気だけである。また、液体空気を昇圧した後に加熱して高圧ガスを生成する場合は、大気を直接圧縮して高圧にするよりも、必要とする動力がはるかに少なくて済む。更に、液体空気は大気から製造できるため、化石燃料のように枯渇することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図。
【図2】本発明の第2実施例を示す図。
【図3】本発明の第3実施例を示す図。
【図4】本発明の第4実施例を示す図。
【図5】本発明の第5実施例を示す図。
【図6】本発明の第6実施例を示す図。
【図7】本発明の第7実施例を示す図。
【図8】中間再加熱式高圧空気駆動エンジンの構成を示す図。
【図9】高圧空気駆動エンジンと駆動モータの接続構造例を示す図。
【図10】高圧空気駆動エンジンと駆動モータの接続構造例を示す図。
【図11】第2実施例の排気の様子を示す図。
【図12】排気空気を駆動モータの冷却に利用する様子を示す図。
【図13】第4実施例のうちコンバータを用いるシステム構成を示す図。
【図14】従来例を示す図。
【符号の説明】
1 液体空気タンク
2 液体空気ポンプ
3 モータ
4 熱交換器
5 高圧空気駆動エンジン
6 排気管
6A 冷却に利用する部分
7 車体
8 駆動モータ
9 バッテリ
10 太陽電池
11 熱交換器
12 超伝導コイル
13 補助燃焼器
14 燃料ポンプ
15 燃料タンク
16 触媒
17 中間再加熱式高圧空気駆動エンジン
18,19 膨張室

Claims (6)

  1. 移動体に搭載されており、この移動体を移動させるための動力を発生する液化ガスを利用した動力発生装置であって、
    液化ガスを貯蔵するタンクと、
    このタンクから液化ガスを汲み出し昇圧するポンプと、
    このポンプで昇圧された液化ガスを、移動体の熱及び外気の熱により加熱して高圧ガスに変える熱交換器と、
    この熱交換器により得られた高圧ガスを膨張させて、移動体を移動させるための動力を取り出す高圧ガス駆動エンジンと、
    バッテリと、
    前記移動体を移動させるための動力を発生するため、前記バッテリの電力を用いて駆動する駆動モータと、
    前記高圧ガス駆動エンジンから排気された低温の低圧ガスを用いて、前記駆動モータを冷却する冷却構造と、
    を具備することを特徴とする液化ガスを利用した動力発生装置。
  2. 移動体に搭載されており、この移動体を移動させるための動力を発生する液化ガスを利用した動力発生装置であって、
    液化ガスを貯蔵するタンクと、
    このタンクから液化ガスを汲み出し昇圧するポンプと、
    このポンプで昇圧された液化ガスを、移動体の熱及び外気の熱により加熱して高圧ガスに変える熱交換器と、
    この熱交換器により得られた高圧ガスを膨張させて、移動体を移動させるための動力を取り出す高圧ガス駆動エンジンと、
    バッテリと、
    前記タンク内に取り付けられた超伝導コイルと、
    前記移動体を移動させるための動力を発生するため、前記バッテリの電力及び前記超伝導コイルの電力を用いて駆動する一方、過剰動力が発生している場合には電力を発生して前記超伝導コイルに貯蔵する駆動モータと、
    を具備することを特徴とする液化ガスを利用した動力発生装置。
  3. 移動体に搭載されており、この移動体を移動させるための動力を発生する液化ガスを利用した動力発生装置であって、
    液化ガスを貯蔵するタンクと、
    このタンクから液化ガスを汲み出し昇圧するポンプと、
    太陽電池と、
    前記ポンプで昇圧された液化ガスを、前記太陽電池の熱及び移動体の熱及び外気の熱により加熱して高圧ガスに変える熱交換器と、
    この熱交換器により得られた高圧ガスを膨張させて、移動体を移動させるための動力を取り出す高圧ガス駆動エンジンと、
    前記太陽電池で発生した電力を貯蔵するバッテリと、
    前記移動体を移動させるための動力を発生するため、前記バッテリの電力を用いて駆動する駆動モータと、
    を具備することを特徴とする液化ガスを利用した動力発生装置。
  4. 移動体に搭載されており、この移動体を移動させるための動力を発生する液化ガスを利用した動力発生装置であって、
    液化ガスを貯蔵するタンクと、
    このタンクから液化ガスを汲み出し昇圧するポンプと、
    このポンプで昇圧された液化ガスを、移動体の熱及び外気の熱により加熱して高圧ガスに変える熱交換器と、
    燃料を貯蔵する燃料タンクと、
    前記燃料タンクから燃料を取り出して昇圧する燃料ポンプと、
    前記熱交換器から導かれた高圧ガスと前記燃料ポンプから供給されて噴霧された燃料とを燃焼させる補助燃焼器と、
    この補助燃焼器により燃焼して更に高圧化した高圧ガスを膨張させて、移動体を移動させるための動力を取り出す高圧ガス駆動エンジンと、
    を具備することを特徴とする液化ガスを利用した動力発生装置。
  5. 前記液化ガスが液体空気であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の液化ガスを利用した動力発生装置。
  6. 前記移動体は、自動車または列車または船舶であることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の液化ガスを利用した動力発生装置。
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