JP3695513B2

JP3695513B2 - Fixing device

Info

Publication number: JP3695513B2
Application number: JP24764499A
Authority: JP
Inventors: 保浩楠本
Original assignee: Fuji Xerox Co Ltd; Fujifilm Business Innovation Corp
Current assignee: Fujifilm Business Innovation Corp
Priority date: 1999-09-01
Filing date: 1999-09-01
Publication date: 2005-09-14
Anticipated expiration: 2019-09-01
Also published as: JP2001075392A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置において未定着画像を加熱・加圧定着するのに用いられる定着装置に係り、特に、加熱ロール等の定着部材に対して無端ベルトを圧接配置し、定着部材と無端ベルトとの間に形成された接触ニップ域に記録媒体を通過させる、所謂ベルトニップ方式の定着装置の改良に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来この種のベルトニップ方式の定着装置としては、例えば加熱源を有する回転可能な加熱ロールと、この加熱ロールに圧接し且つ加熱ロールと共に転動する無端ベルトと、この無端ベルトの内側に配設されて、前記無端ベルトを加熱ロールに押圧させ且つ前記無端ベルトと加熱ロールとの間に接触ニップ域を形成する加圧パッドとを備えたものが知られている（特開平１０−２２８１９６号公報参照）。
そして、この種の定着装置では、加熱ロールと無端ベルトとの間の接触ニップ域に記録媒体を挿通させることで、記録媒体上の未定着トナー像を加熱・加圧定着するようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようなベルトニップ方式の定着装置では、無端ベルトが、前記接触ニップ域を通過する際に加熱ロールによって加熱され、当該接触ニップ域通過後にその表裏面からの放熱で冷却され、再び接触ニップ域を通過する際に加熱されるというプロセスを繰り返すこととなる。
それゆえ、無端ベルトは、接触ニップ域に突入する際に必ず加熱ロールから熱を奪い、これによって加熱ロールの温度低下を生じさせることとなるため、加熱ロールの初期加熱や再加熱に要する時間を確保しなければならない分、ウォーミングアップ時間の長時間化や生産性の低下を招いたり、加熱電力を多く確保しなければならない分、エネルギー効率の低下を招いたりするという技術的課題がみられた。
【０００４】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、無端ベルトの熱損失を抑えることにより、ウォーミングアップ時間の長時間化や生産性の低下、そしてエネルギー効率の低下を防止することのできるベルトニップ方式の定着装置を提供するものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、図１に示すように、加熱源１ａを具備し且つ回転可能に配設される定着部材１と、前記定着部材１に圧接配置されて回転し、前記定着部材１との間に未定着トナー像Ｔを担持した記録媒体Ｋが挟持される無端ベルト２と、前記無端ベルト２の内側に当該無端ベルト２と当接するように設けられ、前記定着部材１側に向けて当該無端ベルト２を押圧する圧力付与部材３と、前記無端ベルト２の内側に配設され前記圧力付与部材３を保持する保持部材４とを備え、前記無端ベルト２内面と対向する前記保持部材４の外周面全域には前記保持部材４への熱流入が防止可能な断熱層５を具備させ、無端ベルト２と断熱層５との間に空間を確保することを特徴とする。
【０００６】
このような技術的手段において、定着部材１は、回転可能に配設されるものであれば、ロール状、ベルト状等適宜選定して差し支えない。
また、定着部材１に具備される加熱源１ａについては、図１に示すように定着部材１内部に内蔵されるタイプは勿論のこと、定着部材１を外部加熱するタイプのものであってもよい。
【０００７】
更に、無端ベルト２は、図１に示すように非張架状態で支持されるものであってもよいし、例えば複数のロールに掛け渡すなどして張架支持されるものであってもよい。
ここで、無端ベルト２が張架支持される態様にあっては、この無端ベルト２を張架する例えばロール部材等の外周面にも、後述する断熱層を設けることが好ましい。
【０００８】
また、圧力付与部材３は、前記定着部材１に向けて前記無端ベルト２を押圧するものであれば、その材質は適宜選定して差し支えないが、熱劣化を防止するという観点からすれば、耐熱性を具備するものであることが好ましい。
【０００９】
更に、保持部材４は、前記無端ベルト２の内側に配設され前記圧力付与部材３を保持する機能を有するものであればよい。
【００１０】
そして、断熱層５については、無端ベルト２の内面側から放熱される熱が保持部材４に奪われるのを防止する機能を有するものであれば適宜選定して差し支えないが、良好な耐熱性能の確保という観点からすれば発泡体であることが好ましく、また、良好な耐熱性能や機械特性の確保という観点からすれば、耐熱性樹脂であることが好ましい。
このような観点より、前記断熱層５は、ポリエチレンテレフタレート、ユリア樹脂及びメラミン樹脂のいずれかを含む発泡体で構成されることが好ましい。
【００１１】
また、無端ベルト２と断熱層５との接触により、無端ベルト２の正常な回転が妨げられるのを防止するという観点からすれば、前記断熱層５の前記無端ベルト２内面との対向部側表面には低摩擦層６を具備させることが好ましく、特に、前記無端ベルト２内面と前記低摩擦層６との間の摩擦係数を０．５以下に設定することが好ましい。
ここで、低摩擦層６については、断熱層５そのものが低摩擦性を有する材料で構成される態様にあっては断熱層５が低摩擦層６を兼用するようにしても良いし、また、断熱層５が高摩擦性を有する材料で構成される態様にあっても、この断熱層５の表面を低摩擦性に加工可能な態様にあっては、この加工層を低摩擦層６として構成するようにしても良い。更に、断熱層５とは別に低摩擦層６を構成しても良いことは勿論である。
【００１２】
更に、定着部材１の外周面側、または、無端ベルト２の外周面側から放出される熱を極力抑えるという観点からすれば、前記定着部材１または前記無端ベルト２のうち少なくともいずれか一方を、周囲に断熱層を有し且つ定着部材１と無端ベルト２との当接部近傍が開口する断熱ハウジング内に収納することが好ましい。
【００１３】
次に、上述した技術的手段の作用について説明する。
図１において、定着部材１は加熱源１ａにより加熱され、一方、無端ベルト２は、圧力付与部材３によって前記定着部材１側へと押圧される。
そして、前記定着部材１及び無端ベルト２は回転し、両者の間に未定着トナー像Ｔを担持した記録媒体Ｋが挟持されて定着される。
ここで、定着部材１との対向部を通過した無端ベルト２は、保持部材４の外周面に近接した状態で移動することとなるが、無端ベルト２内面と対向する保持部材４の外周面全域には保持部材４への熱流入が防止可能な断熱層５が形成され、無端ベルト２と断熱層５との間に空間を確保しているため、無端ベルト２に蓄積された熱が保持部材４に熱が奪われて無端ベルト２の温度低下を生じるという事態は回避される。
【００１４】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
◎実施の形態１
図２は、本発明が適用された定着装置の実施の形態１を示す概略構成図である。
同図において、本実施の形態に係る定着装置は、回転可能に配設される定着部材としての加熱ロール１０と、この加熱ロール１０に圧接し且つこの加熱ロール１０と共に従動回転する無端ベルト状の定着ベルト２０とを備えている。
本実施の形態において、加熱ロール１０は、肉厚３５０μｍの鉄製の中空ロール芯１１の外周面に厚さ１０〜８０μｍの四弗化エチレン樹脂等の耐熱離型性樹脂層１２を設け、その内部には加熱源としてのハロゲンランプ１３を内蔵配置したものである。尚、中空ロール芯１１の材質については、鉄に限られるものではなく、アルミニウム、ステンレス、銅などであってもよい。
また、ニップ幅を大きくする目的あるいは画質を向上させる目的で、前記中空ロール芯１１と耐熱離型性樹脂層１２との間に厚さ０．１〜３mm程度の耐熱性高熱伝導ゴム層を配設するようにしてもよい。
そして、この加熱ロール１０の外周面には、サーミスタ、熱電対等の温度センサ（図示せず）が配設されており、この検出信号を公知の制御手段（図示せず）に導き、加熱ロール１０の外周面の温度をハロゲンランプ１３によって制御することで用紙Ｐ上の未定着トナー像Ｔを常に一様に溶融するようになっている。
【００１５】
一方、定着ベルト２０は、直径３５ｍｍ、厚さ８０μｍのポリイミドフィルムの外周面に厚さ１０μｍの四弗化エチレンをコーティングしたものを用いている。尚、この定着ベルト２０の下地材料としては、ニッケル電鋳等の金属薄膜フィルムを使用することも可能である。
【００１６】
また、本実施の形態において、定着ベルト２０は、張架ロールなどを持たず、加熱ロール１０に対向する定着ベルト２０の内側に耐熱性を有するシリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム系材料からなる第一加圧パッド２１を配設して支持するようにしたものである。そして、当該第一加圧パッド２１にて定着ベルト２０を加熱ロール１０に向けて押圧することにより両者間に接触ニップ域ｎを形成し、この接触ニップ域ｎに未定着トナー像Ｔを担持した用紙Ｐを通過させることでこの未定着トナー像Ｔを加熱・加圧定着させるようになっている。
【００１７】
そして、この第一加圧パッド２１は、断面略凹状の第二加圧パッド２２に填め込まれるようになっている。
本実施の形態において、第二加圧パッド２２は、耐熱性を有するポリカーボネート等の樹脂系材料からなり、前記第一加圧パッド２１の下流側で前記定着ベルト２０に向かって突出する突起部２２ａが定着ベルト２０を押圧することで、前記接触ニップ域ｎを通過した用紙Ｐが加熱ロール１０に貼り付くことなく剥離されるようになっている。
【００１８】
ここで、本実施の形態においては、前記第一加圧パッド２１の定着ベルト２０との対向部側に、定着ベルト２０との摺動による摩耗や、駆動トルクを抑える目的で、ガラス繊維に四弗化エチレンを含浸させた耐熱性低摩擦係数フィルム（図示せず）を貼り付けるようになっている。
一方、第二加圧パッド２２の突起部２２ａには、このような耐熱性低摩擦係数フィルムを貼り付けないようにしている。これは、樹脂性の第二加圧パッド２２と定着ベルト２０との摩擦係数が０．４程度と比較的低く、また、突起部２２ａと定着ベルト２０との間に前記耐熱性低摩擦フィルム層を設けると、接触ニップ域ｎのニップ形状が安定せず、局所的な歪みを与えにくくなり、その結果用紙Ｐの剥離が困難となるためである。
【００１９】
また、第二加圧パッド２２及びこの第二加圧パッド２２に填め込まれた第一加圧パッド２１は、定着ベルト２０の内側に配設されたパッド支持部材２３によって支持されるようになっている。
このパッド支持部材２３は、その両端部が定着装置本体に支持されるようになっており、その剛性を確保する必要から、鉄、アルミニウム、ステンレス等比較的熱容量の大きいもので構成されている。本実施の形態においては、軽量化及び防錆の観点から、アルミニウムを採用しており、その体積は１．１×１０^-4ｍ³、その体積熱容量は約２８０Ｊ／Ｋｍ³である。
【００２０】
そして、本実施の形態では、このパッド支持部材２３の外周面すなわち定着ベルト２０内面との対向部側に、厚さ２ｍｍで３．５×１０^-2Ｗ／ｍ℃以下の熱伝導率を有する低熱伝導率ポリプロピレン発泡体（ＰＦＢ：積水化成品工業株式会社製）からなる断熱層２４が配設されている。
更に、この断熱層２４の外周には、定着ベルト２０との摺動による摩耗や、駆動トルクを押さえるために、ガラス繊維に四弗化エチレンを含浸させた耐熱性低摩擦係数フィルム（中興化成工業製FGF−400−4）からなる低摩擦層２５を設けている。
【００２１】
次に、本実施の形態に係る定着装置の定着プロセスについて説明する。
未定着トナー像Ｔが担持された用紙Ｐが接触ニップ域ｎを通過するとき、前記未定着トナー像Ｔは、ハロゲンランプ１３による加熱ロール１０からの熱と、接触ニップ域ｎから受ける圧力とにより用紙Ｐ上に定着される。
このとき、接触ニップ域ｎでは、定着ベルト２０も加熱ロール１０からの熱で加熱される。
そして、接触ニップ域ｎを通過した定着ベルト２０は、回動を続け再び接触ニップ域ｎに到達する。
この間、定着ベルト２０内部に蓄積された熱は、表裏面から放出されることとなるが、本実施の形態においては、定着ベルト２０の内面側に配設されるパッド支持部材２３の外周面に断熱層２４が形成されていることから、定着ベルト２０内部に蓄積された熱がアルミニウム製で熱容量の大きいパッド支持部材２３に奪われて、定着ベルト２０の温度が著しく低下するという事態は回避されることとなる。
従って、再度接触ニップ域ｎに到達した定着ベルト２０を再加熱するための熱量は少なくて済むこととなり、ウォーミングアップに要する時間や生産性が低下することはなく、また、再加熱に必要な電力も少なくて済むこととなる。
尚、本実施の形態では、圧力付与部材として、第一加圧パッド２１及び第二加圧パッド２２を組み合わせて用いるようにしていたが、これに限られるものではなく、一種類の加圧パッドを用いるようにしても良いことは勿論である。
【００２２】
◎実施の形態２
本実施の形態は、実施の形態１とほぼ同様であるが、図３に示すように、断熱層２４の表面層を低摩擦層として兼用するようにしたものである。
尚、本実施の形態に係る定着装置の構成要素のうち、実施の形態１に係る定着装置と同様のものについては、実施の形態１と同様の符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
本実施の形態において、断熱層２４は、ポリエチレンテレフタレート発泡体（セルペット：積水化成品工業株式会社製）からなる。そして、この断熱層２４のうち、パッド支持部材２３側の部位は通常の発泡層２４ａで構成されるが、定着ベルト２０側の部位（表面層）は、発泡面がむき出しになっていない、いわゆるスキン層２４ｂで覆われているようになっている。
これは、金型に流し込んで発泡体を成型する際に、金型と接触する部位が平滑化するために得られるものである。
【００２３】
本実施の形態においても、実施の形態１と同様に、定着ベルト２０の熱がパッド支持部材２３に奪われるという事態を回避することが可能である。
また、実施の形態１とは異なり、断熱層２４とは別に低摩擦層を配設する必要がないことから、部品点数の削減やコストの低減が可能である。
【００２４】
本発明者は、実施の形態１及び実施の形態２に係る定着装置と、パッド支持部材２３に断熱層が設けられていない比較の形態に係る定着装置とを用いて、加熱ロール１０の初期加熱時の昇温速度及び定着プロセス実行時の温度降下量について調査を行った。
この調査は次のようにして行った。まず、ハロゲンランプ１３に入力電力として６００Ｗを投入して室温から立ち上げると共に加熱ロール１０及び定着ベルト２０を回転させながら加熱ロール１０を昇温させた。ここで加熱ロール１０の設定温度は１５０℃とした。
そして、加熱ロール１０が設定温度に達した時点で富士ゼロックス社製Ｐ紙（ＪＩＳ規格Ａ４サイズ）を横送りにして連続１００枚通紙した。
評価は、加熱ロール１０の温度推移を測定することで行った。
【００２５】
結果を図４に示す。
実施の形態１及び実施の形態２に係る定着装置では、設定温度に到達するまでの立ち上がり時間が夫々３０秒、３２秒であったのに対し、断熱層のない比較の形態では４０秒であった。
一方、用紙Ｐの連続挿通による温度降下量も、実施の形態１及び実施の形態２に係る定着装置では、夫々最大で１３℃、１５℃であったので対し、断熱層のない比較の形態では２５℃であった。
これらの結果により、パッド支持部材２３に断熱層２４を設けることにより、定着ベルト２０からパッド支持部材２３への熱流入が防止されることが把握される。
【００２６】
また、本発明者は、実施の形態２に係る定着装置を用いて、断熱層２４として最適な材料について調査を行うとともに、同時にスキン層２４ｂの有無による相違についても調査を行った。
この調査においては、断熱層２４を構成する材料として、ポリエチレンテレフタレート発泡体、ポリプロピレン発泡体、ユリア樹脂発泡体、スチレン発泡体、シリコーンスポンジ、そしてメラミンスポンジを選択した。そして、各材料については、夫々スキン層２４ｂを有するもの及び有しないものを準備した。
そして、実施の形態２に示した定着装置を用い、加熱ロール１０の設定温度を１８０℃に、加熱ロール１０及び定着ベルト２０の回転速度を１００ｍｍ／ｓに設定し、１５０時間にわたって空回しを行い（これは、ＪＩＳ規格Ａ４サイズ横送りで２００，０００枚を定着するのに相当する）、定着ベルト２０の厚みの変動（摩滅量）及び試験後の断熱層２４の状態（損傷や摩滅のレベル）を評価した。
尚、この調査において、空回し時間を１５０時間に設定したのは、一般的にベルトのような機能部品の信頼性としては１００，０００枚の使用に耐えることが要求され、その信頼性保証を確実なものとするために、その倍の２００，０００枚の保証を前提とするためである。
【００２７】
結果を図５に示す。なお、同図においては、各材料のベルトとの摩擦係数、すなわちスキン層２４ｂを有するタイプの材料にあってはスキン層２４ｂと定着ベルト２０との間の摩擦係数、スキン層２４ｂを有しない材料にあっては発泡層２４ａと定着ベルト２０との間の摩擦係数も示している。
これによれば、スキン層２４ｂの有無に関わらず、スチレン発泡体及びポリプロピレン発泡体には加熱ロール１０から受けた熱により変形（収縮）が生じ、実用に適さないことが判明した。ここで、その変形量は、スチレン発泡体が大きく、ポリプロピレン発泡体は小さかった。
また、シリコーンスポンジに関しては、スキン層２４ｂの有無に関わらず、試験直後にシリコーンスポンジに破断が生じることが確認され、実用に適さないことが判明した。
【００２８】
一方、ポリエチレンテレフタレート発泡体、ユリア樹脂、メラミン樹脂に関しては、スキン層２４ｂの有無に関わらず、比較的良好な結果が得られた。
但し、各材料について、スキン層２４ｂの有無による相違を確認すると、スキン層２４ｂが無い場合、初期的には問題ないが、長期的に使用することを想定した場合、摺擦摩滅による断熱層２４の微粉が発生したり、定着ベルト２０の摩滅も顕著であることから、スキン層２４ｂを有している方が更に適していることが判明した。
また、メラミンスポンジに関しては、スキン層２４ｂを有する場合は良好な結果が得られ、有しない場合には試験直後にメラミンスポンジに破断が生じ実用に適さないことが確認された。
尚、この調査において選択された各材料は、実施の形態１で示した断熱層２４すなわち断熱層２４とは異なる材料で低摩擦層２５を形成する態様における断熱層２４として良好な性能を有するものである。
【００２９】
ところで、定着ベルト２０の厚さとしては、接触ニップ域ｎの形状形成性を考慮すると８０μｍ程度が限度であり、７０μｍ以下では機械的強度に問題が生じる。従って摩耗による許容厚さ減少量としては１０μｍ程度までと考えられる。ここで、図５を参照すると、定着ベルト２０と断熱層２４（発泡層２４ａまたはスキン層２４ｂ）との間の摩擦係数と、定着ベルト２０の摩滅量との間には相関関係があることがわかる。これより、定着ベルト２０の摩滅量を抑えるためには、定着ベルト２０と断熱層２４（発泡層２４ａまたはスキン層２４ｂ）との間の摩擦係数としては０．８以下、望ましくは０．５以下に設定すればよいことがわかる。
【００３０】
◎実施の形態３
本実施の形態は、実施の形態２とほぼ同様であるが、図６に示すように、加熱ロール１０及び定着ベルト２０を夫々断熱ハウジング内に収容することで、更にこれらからの放熱を防止するようにしたものである。
尚、本実施の形態に係る定着装置の構成要素のうち、実施の形態２に係る定着装置と同様のものについては、実施の形態２と同様の符号を付してここではその詳細な説明を省略する。
【００３１】
本実施の形態において、加熱ロール１０は、下側に向かって開口する断熱ハウジング４０に収容されるようになっている。
本実施の形態において、断熱ハウジング４０は、平均厚さ４ｍｍで３．５×１０^-2Ｗ／ｍ℃以下の熱伝導率を有する低熱伝導率ポリプロピレン発泡体（ＰＦＢ：積水化成品工業株式会社製）からなるベース層４３と、このベース層４３の内側に接着される２２０℃の耐熱温度を有する厚さ２ｍｍのポリエチレンテレフタレート発泡体（セルペット：積水化成品工業株式会社製）からなる耐熱層４４と、この耐熱層４４の内側に接着され加熱ロール１０と対向する厚さ１５μｍの高平滑アルミ層からなる高反射層４５とを有している。
本実施の形態では、これらベース層４３と耐熱層４４と高反射層４５とを夫々密着した構成とすることにより、この高反射層４５からの熱伝導、熱放射を著しく減少させることができ、その反射効率を向上することができるようになっている。そして、高反射層４５については、その厚さを５ないし２０μｍに設定すれば、それ自体の熱容量が小さくなることから熱反射効率が非常に良いものとなる。
【００３２】
そして、断熱ハウジング４０のうち、接触ニップ域ｎの上流側の端部４０ａには、加熱ロール１０に向かって延び且つ加熱ロール１０の軸方向に向かって延びるシールフィルム４１が加熱ロール１０に接触するように設けられている。
一方、断熱ハウジング４０のうち、接触ニップ域ｎの下流側の端部４０ｂにも、加熱ロール１０に向かって延び且つ加熱ロール１０の軸方向に向かって延びるシールフィルム４２が加熱ロール１０に接触するように配設されている。このシールフィルム４２は、接触ニップ域ｎを通過した用紙Ｐを加熱ロール１０から確実に分離する為の剥離部材としての役割も担うようになっている。
そして、これらシールフィルム４１及び４２は、厚さ７５μmのポリイミドフィルムに厚さ１０μｍのフッ素樹脂をコーティングして形成されている。
本実施の形態では、これら前記断熱ハウジング４０及び前記シールフィルム４１、４２により、加熱ロール１０の外周面に外気と遮断された断熱空気層４６が形成されるようになっている。
【００３３】
一方、定着ベルト２０は、上に向かって開口する断熱ハウジング５０に収容されるようになっている。
この断熱ハウジング５０は、上述した断熱ハウジング４０と同じ構成を有しており、また、この断熱ハウジング５０の接触ニップ域ｎ上流側の端部５０ａに取り付けられたシールフィルム５１、接触ニップ域ｎ下流側の端部５０ｂに取り付けられたシールフィルム５２についても、上述したシールフィルム４１、４２と同じ構成を有している。
本実施の形態では、これら前記断熱ハウジング５０及び前記シールフィルム５１、５２により定着ベルト２０の外周面に外気と遮断された断熱空気層５３が形成されるようになっている。
【００３４】
本実施の形態では、実施の形態２と同様に、定着ベルト２０の熱がパッド支持部材２３に奪われるという事態を回避することが可能であるのは勿論のこと、加熱ロール１０及び定着ベルト２０の周囲に外気と遮断された断熱空気層４６、５３が形成されることから、加熱ロール１０及び定着ベルト２０の保温効果が更に高められる。
【００３５】
本発明者は、実施の形態１に係る定着装置に実施の形態３に係る断熱ハウジング４０及び５０を配設した定着装置（以下、定着装置Ａという）と、実施の形態２に係る定着装置に実施の形態３に係る断熱ハウジング４０及び５０を配設した定着装置（以下、定着装置Ｂという）と、実施の形態１に係る定着装置（以下、定着装置Ｃという）と、実施の形態２に係る定着装置（以下、定着装置Ｄという）と、上述した比較の形態で用いた断熱層２４を有しない定着装置（以下、定着装置Ｅという）とを用いて、初期加熱時の放熱量について調査を行った。
この調査は次のようにして行った。まず、ハロゲンランプ１３に入力電力として５００Ｗを投入して立ち上げると共に加熱ロール１０及び定着ベルト２０を１５０ｍｍ／ｓで回転させ、設定温度（１５０℃）になった時点から設定温度１５０℃を維持できる最小電力をスライダックで調整しながら供給し、２分ごとに２０分を経過するまでその放熱量を測定し、その入力電力値を放熱した熱量として読み替え、その平均値で評価を行った。
【００３６】
結果を図７に示す。
これによれば、定着装置Ｅ（比較の形態）よりも定着装置Ｃ（実施の形態１）及び定着装置Ｄ（実施の形態２）の放熱量が小さく、これら定着装置Ｃや定着装置Ｄよりも定着装置Ａ及び定着装置Ｂ（共に実施の形態３）の放熱量が少ないことが確認された。
これにより、実施の形態１〜３で説明した定着装置を用いることにより、初期加熱時の供給電力を少なくできることが把握される。これは、小型の画像形成装置のように少部数の作業が多い場合に特に効果的である。
【００３７】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、所謂ベルトニップ方式の定着装置において、無端ベルト内面と対向する保持部材の外周面全域に保持部材への熱流入が防止可能な断熱層を具備させ、無端ベルトと断熱層との間に空間を確保することにより、無端ベルトの熱損失を抑えるようにしたので、ウォーミングアップ時間の長時間化や生産性の低下、そしてエネルギー効率の低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る定着装置の概要を示す説明図である。
【図２】実施の形態１に係る定着装置の概要を示す説明図である。
【図３】実施の形態２に係る定着装置の概要を示す説明図である。
【図４】初期加熱時の昇温速度及び定着プロセス実行時の温度降下量に関するグラフ図である。
【図５】断熱層を構成する材料に関する調査結果を示した図表である。
【図６】実施の形態３に係る定着装置の概要を示す説明図である。
【図７】初期加熱時の放熱量を示す図表である。
【符号の説明】
１…定着部材，１ａ…加熱源，２…無端ベルト，３…圧力付与部材，４…保持部材，５…断熱層，６…低摩擦層，Ｔ…未定着トナー像，Ｋ…記録媒体，１０…加熱ロール，１３…ハロゲンランプ，２０…定着ベルト，２１…第一加圧パッド，２２…第二加圧パッド，２３…パッド支持部材，２４…断熱層，２４ａ…発泡層，２４ｂ…スキン層，２５…低摩擦層，４０，５０…断熱ハウジング，４１，４２，５１，５２…シールフィルム，４６，５３…断熱空気層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a fixing device used to heat and pressure-fix an unfixed image in an image forming apparatus such as a copying machine, a printer, or a facsimile, and in particular, presses an endless belt against a fixing member such as a heating roll. The present invention relates to an improvement of a so-called belt nip type fixing device in which a recording medium is passed through a contact nip region formed between a fixing member and an endless belt.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, this type of belt nip type fixing device includes, for example, a rotatable heating roll having a heating source, an endless belt that is in pressure contact with the heating roll and rolls together with the heating roll, and is disposed inside the endless belt. Further, there is known one provided with a pressure pad that presses the endless belt against a heating roll and forms a contact nip region between the endless belt and the heating roll (Japanese Patent Laid-Open No. 10-228196). reference).
In this type of fixing device, an unfixed toner image on the recording medium is heated and pressure-fixed by inserting the recording medium into a contact nip region between the heating roll and the endless belt. .
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, in such a belt nip type fixing device, the endless belt is heated by a heating roll when passing through the contact nip region, and after passing through the contact nip region, is cooled by heat radiation from the front and back surfaces, and contacted again. The process of being heated as it passes through the nip zone will be repeated.
Therefore, the endless belt always takes heat from the heating roll when it enters the contact nip region, thereby causing the temperature of the heating roll to decrease, so the time required for initial heating and reheating of the heating roll is reduced. There are technical problems such as a longer warm-up time and a decrease in productivity due to the need to ensure, and a decrease in energy efficiency due to the need to ensure a large amount of heating power.
[0004]
The present invention has been made to solve the above technical problems, and by suppressing the heat loss of the endless belt, the warm-up time is prolonged, the productivity is lowered, and the energy efficiency is prevented. It is an object of the present invention to provide a belt nip type fixing device capable of performing the above.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
That is, as shown in FIG. 1, the present invention includes a fixing member 1 that includes a heating source 1 a and is rotatably disposed, and is pressed against the fixing member 1 and rotates to rotate the fixing member 1. An endless belt 2 between which a recording medium K carrying an unfixed toner image T is sandwiched, and an endless belt 2 are provided inside the endless belt 2 so as to contact the endless belt 2 and toward the fixing member 1 side. A pressure applying member 3 that presses the endless belt 2; and a holding member 4 that is disposed inside the endless belt 2 and holds the pressure applying member 3. The holding member 4 that faces the inner surface of the endless belt 2 is provided. Outer surface Whole area In Heat can be prevented from flowing into the holding member 4 Insulating layer 5 Securing a space between the endless belt 2 and the heat insulating layer 5 It is characterized by that.
[0006]
In such technical means, the fixing member 1 may be appropriately selected such as a roll shape or a belt shape as long as the fixing member 1 is rotatably arranged.
Further, the heating source 1a provided in the fixing member 1 may be of a type in which the fixing member 1 is externally heated as well as a type incorporated in the fixing member 1 as shown in FIG. .
[0007]
Furthermore, the endless belt 2 may be supported in a non-stretched state as shown in FIG. 1, or may be supported in a stretched manner, for example, by being stretched over a plurality of rolls. .
Here, in the aspect in which the endless belt 2 is stretched and supported, it is preferable to provide a heat insulating layer to be described later on the outer peripheral surface of the endless belt 2 such as a roll member.
[0008]
Further, the pressure applying member 3 may be appropriately selected as long as it presses the endless belt 2 toward the fixing member 1, but from the viewpoint of preventing thermal degradation, it is heat resistant. It is preferable that it has the property.
[0009]
Further, the holding member 4 may be any member provided inside the endless belt 2 and having a function of holding the pressure applying member 3.
[0010]
The heat insulating layer 5 may be appropriately selected as long as it has a function of preventing the heat radiated from the inner surface side of the endless belt 2 from being taken away by the holding member 4. From the viewpoint of securing, a foam is preferable, and from the viewpoint of securing good heat resistance and mechanical properties, a heat resistant resin is preferable.
From such a viewpoint, it is preferable that the heat insulating layer 5 is formed of a foam containing any of polyethylene terephthalate, urea resin, and melamine resin.
[0011]
Further, from the viewpoint of preventing normal rotation of the endless belt 2 due to contact between the endless belt 2 and the heat insulating layer 5, the surface of the heat insulating layer 5 facing the inner surface of the endless belt 2. Is preferably provided with a low friction layer 6, and in particular, the friction coefficient between the inner surface of the endless belt 2 and the low friction layer 6 is preferably set to 0.5 or less.
Here, with respect to the low friction layer 6, the heat insulating layer 5 itself may be used as the low friction layer 6 in an aspect in which the heat insulating layer 5 itself is made of a material having low friction properties. Even in a mode in which the heat insulating layer 5 is made of a material having a high friction property, in a mode in which the surface of the heat insulating layer 5 can be processed to have a low friction property, this processed layer is configured as the low friction layer 6. You may make it do. Furthermore, it is needless to say that the low friction layer 6 may be configured separately from the heat insulating layer 5.
[0012]
Furthermore, from the viewpoint of suppressing heat released from the outer peripheral surface side of the fixing member 1 or the outer peripheral surface side of the endless belt 2, at least one of the fixing member 1 and the endless belt 2 is It is preferable to store in a heat insulating housing having a heat insulating layer around and opening in the vicinity of the contact portion between the fixing member 1 and the endless belt 2.
[0013]
Next, the operation of the technical means described above will be described.
In FIG. 1, the fixing member 1 is heated by a heating source 1 a, while the endless belt 2 is pressed toward the fixing member 1 by a pressure applying member 3.
The fixing member 1 and the endless belt 2 rotate, and the recording medium K carrying the unfixed toner image T is sandwiched and fixed between them.
Here, the endless belt 2 that has passed through the portion facing the fixing member 1 moves in a state of being close to the outer peripheral surface of the holding member 4, but the outer peripheral surface of the holding member 4 that faces the inner surface of the endless belt 2. Whole area In Heat inflow to the holding member 4 can be prevented The heat insulating layer 5 is formed , Ensure a space between the endless belt 2 and the heat insulating layer 5 Therefore, a situation in which the heat accumulated in the endless belt 2 is taken away by the holding member 4 and the temperature of the endless belt 2 is lowered is avoided.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail based on embodiments shown in the accompanying drawings.
Embodiment 1
FIG. 2 is a schematic configuration diagram showing the first embodiment of the fixing device to which the present invention is applied.
In the figure, a fixing device according to the present embodiment includes a heating roll 10 as a fixing member that is rotatably arranged, and an endless belt-like shape that is in pressure contact with the heating roll 10 and is driven to rotate together with the heating roll 10. And a fixing belt 20.
In the present embodiment, the heating roll 10 is provided with a heat-resistant release resin layer 12 such as a tetrafluoroethylene resin having a thickness of 10 to 80 μm on the outer peripheral surface of an iron hollow roll core 11 having a thickness of 350 μm, Includes a halogen lamp 13 as a heating source. In addition, about the material of the hollow roll core 11, it is not restricted to iron, Aluminum, stainless steel, copper, etc. may be sufficient.
Further, for the purpose of increasing the nip width or improving the image quality, a heat resistant high thermal conductive rubber layer having a thickness of about 0.1 to 3 mm is disposed between the hollow roll core 11 and the heat resistant release resin layer 12. You may make it install.
A temperature sensor (not shown) such as a thermistor or a thermocouple is disposed on the outer peripheral surface of the heating roll 10, and this detection signal is guided to a known control means (not shown). By controlling the temperature of the outer peripheral surface of the paper P by the halogen lamp 13, the unfixed toner image T on the paper P is always melted uniformly.
[0015]
On the other hand, the fixing belt 20 is made of a polyimide film having a diameter of 35 mm and a thickness of 80 μm coated with 10 μm thick ethylene tetrafluoride on the outer peripheral surface. In addition, as a base material of the fixing belt 20, a metal thin film such as nickel electroforming can be used.
[0016]
Further, in the present embodiment, the fixing belt 20 does not have a tension roll or the like, and the inner side of the fixing belt 20 facing the heating roll 10 is made of a rubber-based material such as heat-resistant silicone rubber or fluorine rubber. One pressure pad 21 is disposed and supported. Then, by pressing the fixing belt 20 toward the heating roll 10 with the first pressure pad 21, a contact nip area n is formed between them, and an unfixed toner image T is carried in the contact nip area n. By passing the paper P, the unfixed toner image T is heated and pressurized and fixed.
[0017]
The first pressure pad 21 is fitted into a second pressure pad 22 having a substantially concave cross section.
In the present embodiment, the second pressure pad 22 is made of a heat-resistant resin material such as polycarbonate, and a protrusion 22 a that protrudes toward the fixing belt 20 on the downstream side of the first pressure pad 21. By pressing the fixing belt 20, the paper P that has passed through the contact nip region n is peeled off without being attached to the heating roll 10.
[0018]
Here, in the present embodiment, the first pressure pad 21 has four glass fibers on the side facing the fixing belt 20 for the purpose of suppressing wear due to sliding with the fixing belt 20 and driving torque. A heat resistant low coefficient of friction film (not shown) impregnated with ethylene fluoride is attached.
On the other hand, such a heat-resistant low-friction coefficient film is not attached to the protrusion 22 a of the second pressure pad 22. This is because the friction coefficient between the resinous second pressure pad 22 and the fixing belt 20 is relatively low, about 0.4, and the heat-resistant low-friction film layer is provided between the protrusion 22 a and the fixing belt 20. This is because the nip shape of the contact nip region n is not stable, and it becomes difficult to give local distortion, and as a result, it is difficult to peel off the paper P.
[0019]
In addition, the second pressure pad 22 and the first pressure pad 21 fitted in the second pressure pad 22 are supported by a pad support member 23 disposed inside the fixing belt 20. ing.
Both ends of the pad support member 23 are supported by the fixing device body, and the pad support member 23 is made of a material having a relatively large heat capacity, such as iron, aluminum, and stainless steel. In the present embodiment, aluminum is adopted from the viewpoint of weight reduction and rust prevention, and its volume is 1.1 × 10. ^-Four m ^Three Its volumetric heat capacity is about 280 J / Km ^Three It is.
[0020]
In the present embodiment, the pad support member 23 has a thickness of 3.5 × 10 2 mm on the outer peripheral surface thereof, that is, on the side facing the fixing belt 20. ^-2 A heat insulating layer 24 made of a low thermal conductivity polypropylene foam (PFB: manufactured by Sekisui Plastics Co., Ltd.) having a thermal conductivity of W / m ° C. or less is disposed.
Further, on the outer periphery of the heat insulating layer 24, a heat-resistant low-friction coefficient film in which glass fiber is impregnated with tetrafluoroethylene in order to suppress wear due to sliding with the fixing belt 20 and driving torque (Chuko Chemical Industries). A low friction layer 25 made of FGF-400-4) is provided.
[0021]
Next, a fixing process of the fixing device according to the present embodiment will be described.
When the paper P carrying the unfixed toner image T passes through the contact nip region n, the unfixed toner image T is caused by heat from the heating roll 10 by the halogen lamp 13 and pressure received from the contact nip region n. It is fixed on the paper P.
At this time, in the contact nip region n, the fixing belt 20 is also heated by the heat from the heating roll 10.
The fixing belt 20 that has passed through the contact nip region n continues to rotate and reaches the contact nip region n again.
During this time, the heat accumulated in the fixing belt 20 is released from the front and back surfaces. In the present embodiment, the heat is accumulated on the outer peripheral surface of the pad support member 23 disposed on the inner surface side of the fixing belt 20. Since the heat insulating layer 24 is formed, a situation in which the heat accumulated in the fixing belt 20 is taken by the pad support member 23 made of aluminum and having a large heat capacity, and the temperature of the fixing belt 20 is remarkably lowered is avoided. The Rukoto.
Accordingly, the amount of heat required to reheat the fixing belt 20 that has reached the contact nip region n can be reduced, the time required for warming up and productivity are not reduced, and the power required for reheating is also reduced. It will be less.
In the present embodiment, the first pressure pad 21 and the second pressure pad 22 are used in combination as the pressure applying member. like However, the present invention is not limited to this, and it goes without saying that one type of pressure pad may be used.
[0022]
Embodiment 2
Although the present embodiment is substantially the same as the first embodiment, the surface layer of the heat insulating layer 24 is also used as a low friction layer as shown in FIG.
Of the components of the fixing device according to the present embodiment, the same components as those of the fixing device according to the first embodiment are denoted by the same reference numerals as those in the first embodiment, and a detailed description thereof will be given here. Omitted.
In the present embodiment, the heat insulating layer 24 is made of a polyethylene terephthalate foam (Selpet: manufactured by Sekisui Plastics Co., Ltd.). In the heat insulating layer 24, the portion on the pad support member 23 side is configured by a normal foam layer 24 a, but the portion (surface layer) on the fixing belt 20 side is a so-called foam surface that is not exposed. It is covered with the skin layer 24b.
This is obtained because the portion in contact with the mold is smoothed when the foam is cast by pouring into the mold.
[0023]
Also in the present embodiment, as in the first embodiment, it is possible to avoid a situation in which the heat of the fixing belt 20 is taken away by the pad support member 23.
Further, unlike the first embodiment, it is not necessary to provide a low friction layer separately from the heat insulating layer 24, so that the number of parts and the cost can be reduced.
[0024]
The inventor uses the fixing device according to Embodiment 1 and Embodiment 2 and the fixing device according to a comparative embodiment in which the pad support member 23 is not provided with a heat insulating layer, to initially heat the heating roll 10. The temperature rise rate at the time and the temperature drop during the fixing process were investigated.
This survey was conducted as follows. First, 600 W was input as an input power to the halogen lamp 13 to start up from room temperature, and the heating roll 10 was heated while rotating the heating roll 10 and the fixing belt 20. Here, the set temperature of the heating roll 10 was 150 ° C.
When the heating roll 10 reached the set temperature, 100 sheets of P paper (JIS standard A4 size) manufactured by Fuji Xerox Co., Ltd. were laterally fed.
Evaluation was performed by measuring the temperature transition of the heating roll 10.
[0025]
The results are shown in FIG.
In the fixing devices according to the first and second embodiments, the rise time until reaching the set temperature was 30 seconds and 32 seconds, respectively, whereas in the comparative embodiment without the heat insulating layer, it was 40 seconds. It was.
On the other hand, the amount of temperature drop due to continuous insertion of the paper P was 13 ° C. and 15 ° C. at the maximum in the fixing devices according to the first and second embodiments, respectively, but in the comparative embodiment without a heat insulating layer, respectively. It was 25 ° C.
From these results, it is understood that the heat inflow from the fixing belt 20 to the pad support member 23 is prevented by providing the heat insulating layer 24 on the pad support member 23.
[0026]
In addition, the inventor investigated the optimum material for the heat insulating layer 24 using the fixing device according to the second embodiment, and at the same time, investigated the difference depending on the presence or absence of the skin layer 24b.
In this investigation, polyethylene terephthalate foam, polypropylene foam, urea resin foam, styrene foam, silicone sponge, and melamine sponge were selected as materials constituting the heat insulating layer 24. Each material was prepared with and without the skin layer 24b.
Then, using the fixing device shown in the second embodiment, the set temperature of the heating roll 10 is set to 180 ° C., the rotation speeds of the heating roll 10 and the fixing belt 20 are set to 100 mm / s, and idling is performed for 150 hours. (This corresponds to fixing 200,000 sheets by JIS standard A4 size lateral feed), variation in the thickness of the fixing belt 20 (abrasion amount), and the state of the heat insulating layer 24 after the test (the level of damage and abrasion) ) Was evaluated.
In this investigation, the idling time was set to 150 hours. Generally, the reliability of functional parts such as belts is required to withstand 100,000 sheets. This is because, in order to be sure, it is assumed that 200,000 sheets are guaranteed twice as much.
[0027]
The results are shown in FIG. In the figure, the friction coefficient between the belts of each material, that is, the type of material having the skin layer 24b, the friction coefficient between the skin layer 24b and the fixing belt 20, and the material not having the skin layer 24b. In this case, the coefficient of friction between the foam layer 24a and the fixing belt 20 is also shown.
According to this, it was found that the styrene foam and the polypropylene foam are deformed (shrinked) by the heat received from the heating roll 10 regardless of the presence or absence of the skin layer 24b, and are not suitable for practical use. Here, the amount of deformation was large for the styrene foam and small for the polypropylene foam.
Moreover, regarding the silicone sponge, it was confirmed that the silicone sponge was broken immediately after the test regardless of the presence or absence of the skin layer 24b, and it was found that the silicone sponge was not suitable for practical use.
[0028]
On the other hand, with respect to the polyethylene terephthalate foam, the urea resin, and the melamine resin, relatively good results were obtained regardless of the presence or absence of the skin layer 24b.
However, when the difference due to the presence or absence of the skin layer 24b is confirmed for each material, there is no problem in the initial stage when the skin layer 24b is not provided. As a result, it was found that the skin layer 24b is more suitable.
As for the melamine sponge, good results were obtained when the skin layer 24b was provided, and it was confirmed that the melamine sponge was not suitable for practical use because the melamine sponge was broken immediately after the test.
Each material selected in this investigation has good performance as the heat insulating layer 24 in the aspect in which the low friction layer 25 is formed of a material different from the heat insulating layer 24 shown in the first embodiment, that is, the heat insulating layer 24. It is.
[0029]
By the way, the thickness of the fixing belt 20 is limited to about 80 μm in consideration of the shape forming property of the contact nip region n, and if it is 70 μm or less, there is a problem in mechanical strength. Therefore, it is considered that the allowable thickness reduction due to wear is up to about 10 μm. Here, referring to FIG. 5, there is a correlation between the coefficient of friction between the fixing belt 20 and the heat insulating layer 24 (foamed layer 24 a or skin layer 24 b) and the amount of wear of the fixing belt 20. Understand. Accordingly, in order to suppress the wear amount of the fixing belt 20, the coefficient of friction between the fixing belt 20 and the heat insulating layer 24 (foamed layer 24a or skin layer 24b) is 0.8 or less, preferably 0.5 or less. It turns out that it should just set to.
[0030]
Embodiment 3
Although the present embodiment is substantially the same as the second embodiment, as shown in FIG. 6, the heat roll 10 and the fixing belt 20 are housed in heat insulating housings, respectively, to further prevent heat dissipation from these. It is what I did.
Of the components of the fixing device according to the present embodiment, the same components as those of the fixing device according to the second embodiment are denoted by the same reference numerals as those in the second embodiment, and detailed descriptions thereof are given here. Omitted.
[0031]
In the present embodiment, the heating roll 10 is accommodated in a heat insulating housing 40 that opens downward.
In the present embodiment, the heat insulating housing 40 has an average thickness of 4 mm and 3.5 × 10. ^-2 A base layer 43 made of a low thermal conductivity polypropylene foam (PFB: manufactured by Sekisui Plastics Co., Ltd.) having a thermal conductivity of W / m ° C. or less, and a heat resistant temperature of 220 ° C. adhered to the inside of the base layer 43 A heat-resistant layer 44 made of polyethylene terephthalate foam having a thickness of 2 mm (Selpet: manufactured by Sekisui Plastics Co., Ltd.), and a highly smooth surface having a thickness of 15 μm that is bonded to the inside of the heat-resistant layer 44 and faces the heating roll 10 And a highly reflective layer 45 made of an aluminum layer.
In the present embodiment, the base layer 43, the heat-resistant layer 44, and the highly reflective layer 45 are in close contact with each other, so that heat conduction and thermal radiation from the highly reflective layer 45 can be significantly reduced. The reflection efficiency can be improved. If the thickness of the highly reflective layer 45 is set to 5 to 20 μm, the heat reflection efficiency is very good because the heat capacity of the highly reflective layer 45 is reduced.
[0032]
And the sealing film 41 extended toward the heating roll 10 and extended toward the axial direction of the heating roll 10 contacts the heating roll 10 at the end 40a upstream of the contact nip region n in the heat insulating housing 40. It is provided as follows.
On the other hand, a seal film 42 extending toward the heating roll 10 and extending in the axial direction of the heating roll 10 also contacts the heating roll 10 at the downstream end 40 b of the contact nip region n in the heat insulating housing 40. It is arranged like this. The seal film 42 also serves as a peeling member for reliably separating the paper P that has passed through the contact nip region n from the heating roll 10.
The sealing films 41 and 42 are formed by coating a 75 μm thick polyimide film with a 10 μm thick fluororesin.
In the present embodiment, the heat insulating housing 40 and the sealing films 41 and 42 form a heat insulating air layer 46 that is shielded from the outside air on the outer peripheral surface of the heating roll 10.
[0033]
On the other hand, the fixing belt 20 is accommodated in a heat insulating housing 50 that opens upward.
The heat insulating housing 50 has the same configuration as the heat insulating housing 40 described above, and further includes a seal film 51 attached to the upstream end portion 50a of the contact nip region n of the heat insulating housing 50, and the contact nip region n downstream. The sealing film 52 attached to the side end 50b also has the same configuration as the sealing films 41 and 42 described above.
In the present embodiment, a heat insulating air layer 53 is formed on the outer peripheral surface of the fixing belt 20 by the heat insulating housing 50 and the seal films 51 and 52 so as to be blocked from outside air.
[0034]
In the present embodiment, as in the second embodiment, it is possible to avoid the situation where the heat of the fixing belt 20 is taken away by the pad support member 23, and the heating roll 10 and the fixing belt 20. Since the heat insulating air layers 46 and 53 that are blocked from the outside air are formed around the outer periphery, the heat retaining effect of the heating roll 10 and the fixing belt 20 is further enhanced.
[0035]
The inventor provides a fixing device (hereinafter, referred to as a fixing device A) in which the heat insulating housings 40 and 50 according to the third embodiment are arranged in the fixing device according to the first embodiment, and a fixing device according to the second embodiment. A fixing device (hereinafter, referred to as a fixing device B) provided with the heat insulating housings 40 and 50 according to the third embodiment, a fixing device (hereinafter, referred to as a fixing device C) according to the first embodiment, and a second embodiment. Using such a fixing device (hereinafter referred to as fixing device D) and a fixing device (hereinafter referred to as fixing device E) that does not have the heat insulation layer 24 used in the above-described comparative embodiment, the amount of heat released during initial heating is investigated. Went.
This survey was conducted as follows. First, 500 W is input as an input power to the halogen lamp 13 to start up, and the heating roll 10 and the fixing belt 20 are rotated at 150 mm / s, and the set temperature of 150 ° C. can be maintained from the time when the set temperature (150 ° C.) is reached. The minimum power was supplied while adjusting with a slidac, the amount of heat release was measured every 20 minutes until 20 minutes passed, the input power value was read as the amount of heat released, and the average value was evaluated.
[0036]
The results are shown in FIG.
According to this, the amount of heat radiation of the fixing device C (Embodiment 1) and the fixing device D (Embodiment 2) is smaller than that of the fixing device E (Comparative embodiment), and the fixing device C and the fixing device D are smaller. It was confirmed that the heat radiation amount of the fixing device A and the fixing device B (both Embodiment 3) is small.
Thus, it is understood that the power supplied during the initial heating can be reduced by using the fixing device described in the first to third embodiments. This is particularly effective when a small number of operations are performed as in a small image forming apparatus.
[0037]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in the so-called belt nip type fixing device, the outer peripheral surface of the holding member facing the inner surface of the endless belt. Whole area In Prevents heat from flowing into the holding member With a thermal insulation layer , Ensure space between the endless belt and the heat insulation layer As a result, the heat loss of the endless belt is suppressed, so that it is possible to prevent a long warm-up time, a decrease in productivity, and a decrease in energy efficiency.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram showing an outline of a fixing device according to the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram showing an outline of a fixing device according to the first embodiment.
FIG. 3 is an explanatory diagram showing an outline of a fixing device according to a second embodiment.
FIG. 4 is a graph regarding a temperature increase rate during initial heating and a temperature drop during execution of a fixing process.
FIG. 5 is a chart showing the results of a survey on materials constituting the heat insulation layer.
FIG. 6 is an explanatory diagram illustrating an outline of a fixing device according to a third embodiment.
FIG. 7 is a chart showing the amount of heat released during initial heating.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 ... Fixing member, 1a ... Heat source, 2 ... Endless belt, 3 ... Pressure applying member, 4 ... Holding member, 5 ... Heat insulation layer, 6 ... Low friction layer, T ... Unfixed toner image, K ... Recording medium, 10 DESCRIPTION OF SYMBOLS ... Heating roll, 13 ... Halogen lamp, 20 ... Fixing belt, 21 ... First press pad, 22 ... Second press pad, 23 ... Pad support member, 24 ... Heat insulation layer, 24a ... Foam layer, 24b ... Skin layer 25, low friction layer, 40, 50 ... heat insulation housing, 41, 42, 51, 52 ... seal film, 46, 53 ... heat insulation air layer

Claims

A fixing member having a heating source and rotatably disposed;
An endless belt in which a recording medium carrying an unfixed toner image is sandwiched between the fixing member and the fixing member, which rotates while being pressed against the fixing member;
A pressure applying member that is provided inside the endless belt so as to contact the endless belt and presses the endless belt toward the fixing member;
A holding member that is disposed inside the endless belt and holds the pressure applying member;
A heat insulating layer capable of preventing heat from flowing into the holding member is provided over the entire outer peripheral surface of the holding member facing the inner surface of the endless belt, and a space is secured between the endless belt and the heat insulating layer. Fixing device to do.

The fixing device according to claim 1,
The fixing device, wherein the heat insulating layer is made of a foam containing any of polyethylene terephthalate, urea resin, and melamine resin.

The fixing device according to claim 1,
A fixing device comprising a low friction layer on the surface of the heat insulating layer facing the inner surface of the endless belt.

The fixing device according to claim 3.
A fixing device, wherein a friction coefficient between an inner surface of the endless belt and the low friction layer is set to 0.5 or less.

The fixing device according to claim 1,
At least one of the fixing member and the endless belt is housed in a heat insulating housing having a heat insulating layer around and opening in the vicinity of a contact portion between the fixing member and the endless belt. .