JP3692666B2 - 蛍光検出装置 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、フラッシュランプを光源として具備する蛍光検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
通常、蛍光検出器の光源としては、キセノンランプ(Xeランプ)等の強力な連続光源が使用されるが、発熱量や温度ドリフトが大きいという課題がある。またランプ寿命が短く、頻繁にメンテナンスを行ってランプを交換しなければならないという課題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
これに対してキセノンフラッシュランプ(Xeフラッシュランプ)等のフラッシュランプでは、低い平均入力で高いピーク発光量が得られることから蛍光検出器への応用が検討されてきた。しかし、Xeフラッシュランプはトリガーを与えるとサブマイクロ秒の間発光するものの、一般に検出用センサの出力がパルス状でかつピークホールド回路で検出するため、ピーク高さはノイズによって変動してしまい、十分な感度を得ることができなかった。
【0004】
このため、フラッシュランプを具備した蛍光検出装置は広く実用化されるには至らず、蛍光強度の減衰を調査する等、特殊な用途でしか使用されていない。
【0005】
【課題課題を解決するための手段】
本発明者らは、キセノンランプ等と比較して発熱量や温度ドリフトが小さく、低い平均入力で高いピーク発光量が得られ、かつランプ寿命が長いという特徴を有するフラッシュランプを用いて高感度蛍光検出器を提供すべく検討を行った。
本発明はかかる目的に鑑みてなされたものであり、第1に、(1)トリガー信号発生回路及びゲート信号発生回路を作動するためのタイミング信号を発生し出力するタイミング信号発生回路、(2)タイミング信号に基づきランプ電源回路を作動するためのトリガー信号を発生し出力するトリガー信号発生回路、トリガー信号に基づきフラッシュランプをパルス点灯するランプ電源回路及びフラッシュランプから構成される発光系及び(3)試料からの蛍光を受光し、相関した検出信号を出力する蛍光検出センサ、蛍光検出センサが出力した検出信号を通過させ又は遮断するゲート回路、タイミング信号に基づきゲート回路を作動するためのゲート信号を発生し出力するゲート信号発生回路、ゲート回路を通過した検出信号を積分し出力する積分回路、から構成される蛍光検出装置である。
【0006】
この第1の蛍光検出装置は、更に、前記トリガー信号発生回路及びゲート信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に少なくとも2回ゲート信号を発生するように構成されていても良い。例えば、トリガー信号発生回路を、タイミング信号を2回受けた場合にトリガー信号を発生するように構成する一方、ゲート信号発生回路はタイミング信号1回につき1回、ゲート信号を発生するように構成すればよい。また、トリガー信号発生回路はタイミング信号1回につき1回、トリガー信号を発生するように構成する一方、ゲート信号発生回路をタイミング信号1回につき2回、ゲート信号を発生するように構成しても良い。
【0007】
この第1の発明は、また更に、(4)タイミング信号に基づきサンプルホールド信号を発生し出力するサンプルホールド信号発生回路及びサンプルホールド信号に基づき積分回路からの出力信号を保存するサンプルホールド回路とを具備していても良い。更に、前記トリガー信号発生回路、ゲート信号発生回路及びサンプルホールド信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に少なくとも2回、同一時にゲート信号及びサンプルホールド信号を発生するように構成されていても良い。このような構成は、例えば、トリガー信号発生回路を、タイミング信号を2回受けた場合にトリガー信号を発生するように構成する一方、ゲート信号発生回路とサンプルホールド発生回路はタイミング信号1回につき1回、ゲート信号を発生するように構成すればよい。また、トリガー信号発生回路はタイミング信号1回につき1回、トリガー信号を発生するように構成する一方、ゲート信号発生回路及びサンプルホールド回路をタイミング信号1回につき2回、ゲート信号を発生するように構成しても良い。
【0008】
第1の発明は、前記構成に代えて、更に、(4)タイミング信号に基づきサンプルホールド信号を発生し出力するサンプルホールド信号発生回路、サンプルホールド信号に基づき積分回路からの出力信号を保存する2個のサンプルホールド回路とを具備していても良い。この場合、前記トリガー信号発生回路、ゲート信号発生回路及びサンプルホールド信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に2回、同一時にゲート信号及びサンプルホールド信号を発生するものであり、サンプルホールド回路が発生した2個のサンプルホールド信号の一方は第1のサンプルホールド回路に入力し、他方のサンプルホールド信号は第2のサンプルホールド回路に入力するように構成されていても良い。
【0009】
これら第1の発明において、2個のサンプルホールド回路を具備する場合には、それぞれのサンプルホールド回路に保存された信号の差分を出力する差分回路を追加しても良い。なお、差分回路を用いる代わりにA/D変換(アナログ/デジタル変換)を行い、コンピュータ等を用いて差を取ることもできる。
【0010】
本発明の装置は、第2に、(1)トリガー信号発生回路及びゲート信号発生回路を作動するためのタイミング信号を発生し出力するタイミング信号発生回路、(2)タイミング信号に基づきランプ電源回路を作動するためのトリガー信号を発生し出力するトリガー信号発生回路、トリガー信号に基づきフラッシュランプをパルス点灯するランプ電源回路及びフラッシュランプから構成される発光系、(3)タイミング信号に基づきゲート回路を作動するためのゲート信号を発生し出力するゲート信号発生回路、(4)試料からの蛍光を受光し、相関した第1検出信号を出力する蛍光検出センサ、蛍光検出センサが出力した第1検出信号を通過させ又は遮断する第1のゲート回路、ゲート回路を通過した第1検出信号を積分し出力する第1の積分回路及び(5)フラッシュランプからの励起光を受光し、相関した第2検出信号を出力する励起光検出センサ、励起光検出センサが出力した第2検出信号を通過させ又は遮断する第2のゲート回路、ゲート回路を通過した第2検出信号を積分し出力する第2の積分回路から構成される蛍光検出装置である。
【0011】
そして本発明の装置は、第3に、(1)ランプ電源回路を作動するためのトリガー信号を発生し出力するトリガー信号発生回路、トリガー信号に基づきフラッシュランプをパルス点灯するランプ電源回路及びフラッシュランプから構成される発光系、(2)タイミング信号に基づきゲート回路を作動するためのゲート信号を発生し出力するゲート信号発生回路、(3)試料からの蛍光を受光し、相関した第1検出信号を出力する蛍光検出センサ、蛍光検出センサが出力した第1検出信号を通過させ又は遮断する第1のゲート回路、ゲート回路を通過した第1検出信号を積分し出力する第1の積分回路、(4)フラッシュランプからの励起光を受光し、相関した第2検出信号を出力する励起光検出センサ、励起光検出センサが出力した第2検出信号を通過させ又は遮断する第2のゲート回路、ゲート回路を通過した第2検出信号を積分し出力する第2の積分回路及び(5)前記第2検出信号に基づきゲート信号発生回路を作動するためのタイミング信号を発生し出力するタイミング信号発生回路から構成される蛍光検出装置である。
【0012】
これら本発明の第2及び第3の装置は、更に、前記トリガー信号発生回路及びゲート信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に少なくとも2回ゲート信号を発生するように構成されていても良い。また更に、(6)タイミング信号に基づきサンプルホールド信号を発生し出力するサンプルホールド信号発生回路及び、サンプルホールド信号に基づき第1の積分回路からの出力信号を保存する第1のサンプルホールド回路と、同サンプルホールド信号に基づき第2の積分回路からの出力信号を保存する第2のサンプルホールド回路を具備していても良い。この場合、前記第1の装置と同様に、トリガー信号発生回路、ゲート信号発生回路及びサンプルホールド信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に少なくとも2回、同一時にゲート信号及びサンプルホールド信号を発生するように構成されていても良い。
【0013】
また、第2及び第3の装置は、前記構成に代えて、更に、(6)タイミング信号に基づきサンプルホールド信号を発生し出力するサンプルホールド信号発生回路及び、サンプルホールド信号に基づき第1の積分回路からの出力信号を保存する第1及び第2のサンプルホールド回路と、同サンプルホールド信号に基づき第2の積分回路からの出力信号を保存する第3及び第4のサンプルホールド回路を具備していても良い。この場合、前記トリガー信号発生回路、ゲート信号発生回路及びサンプルホールド信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に2回、同一時にゲート信号及びサンプルホールド信号を発生し出力するものであり、サンプルホールド回路が発生した2個のサンプルホールド信号の一方は第1及び第3のサンプルホールド回路に入力し、他方のサンプルホールド信号は第2及び第4のサンプルホールド回路に入力するように構成されていても良い。
【0014】
これら第2及び第3の装置においても、2個のサンプルホールド回路を具備する場合には、それぞれのサンプルホールド回路に保存された信号の差分を出力する差分回路を追加しても良い。なお、差分回路を用いる代わりにA/D変換(アナログ/デジタル変換)を行い、コンピュータ等を用いて差を取ることもできる。 また第3、第4の装置において、4個のサンプルホールド回路を具備する場合には、それぞれ2個のサンプルホールド回路に保存された関連する信号の差分を出力する差分回路を追加することもできる。この場合にも差分回路を用いる代わりにA/D変換(アナログ/デジタル変換)を行い、コンピュータ等を用いて差を取ることができる。
【0015】
なお、第1及び第2のサンプルホールド回路、及び、第3及び第4のサンプルホールド回路を同一の回路とすることもできる。この場合、第1及び第2の積分回路には、それぞれ単一のサンプルホールド回路が連絡することになるが、例えばA/D変換(アナログ/デジタル変換)を行い、コンピュータ等を用いて差を取れば良い。
【0016】
また、上述した第1、第2及び第3の装置において、トリガー信号が1回発生する間に2回、同一時にゲート信号及びサンプルホールド信号を発生する場合等、ゲート回路を開いて蛍光検出センサ又は励起光検出センサからの出力を積分回路に導くと共に積分回路からの出力をサンプルホールド回路でホールドする構成においては、前記「同一時」は厳密な意味での同一時以外に、積分回路の出力が正しくサンプルホールド回路に導かれる限りにおいて、少々の時間差がある場合も「同一時」の範疇に属する。このような意味において、ゲート信号とサンプルホールド信号を、「同期して」発生するということもできる。例えば、積分回路の出力が減衰することなく一定時間持続される場合には、ゲート回路が開いた後、該一定時間の内に積分回路からの出力をサンプルホールド回路がホールドし得るような時間的なズレをもってサンプルホールド信号を発生することや、電気回路の作動時間、特にゲート回路が開いてから積分回路の出力が一定となった段階でサンプルホールド回路を作動させるため、この時間的ズレを考慮した上で、一定時間、サンプルホールド信号の発生を遅延した場合も前記「同一時」の範疇に属する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、実施の形態を記載した図面に基づき本発明を更に詳細に説明する。
【0018】
図1は本発明の第1の装置の実施の形態を示す図である。タイミング信号発生回路で発生したタイミング信号は、一方でトリガー信号発生回路に送られる。これによりトリガー信号発生回路はトリガー信号を発生するが、発生したトリガー信号は電源等から構成されるフラッシュランプを発光させるための発光回路に送られる。タイミング信号は、他方でゲート回路を作動するためのゲート信号発生回路に送られる。
【0019】
ランプ電源等から構成されるフラッシュランプ発光回路の作動により、フラッシュランプはトリガー信号の発生から数μ秒遅れて発光(パルス点灯)する。ランプからの光(励起光)は測定セル等に入れられた試料を照射し、試料中の蛍光性物質は蛍光(蛍光パルス)を発する。試料が発した蛍光パルスは、蛍光検出センサにより受光され、電気パルスとして出力される。このセンサからの出力は、必要に応じて増幅回路等で増幅された後、ゲート回路が開いている間のみ当該回路を通過し、積分回路に送られる。積分回路は、積分を開始する前、即ち蛍光測定を開始する前にリセット(放電)しておく。
【0020】
ゲート回路は、例えばゲート信号発生回路からのゲート信号が入力されている間だけ蛍光検出センサの出力信号を通過させ、当該信号が入力されていない時は遮断するように構成する。ここで、前記したように、トリガ−信号の発生からフラッシュランプが発光するまでの「ずれ(点灯遅延時間)」はトリガ−信号毎に変動するため、変動した場合でも蛍光検出センサからの出力信号がゲート回路を通過できるようにゲート信号発生回路を構成することが好ましい。一例を述べれば、本発明者らの知見では、1キロボルトでランプを点灯した場合に2μ秒±100n(ナノ)秒、700ボルトの場合に2.5μ秒±500n秒の範囲で前記遅延時間の変動が認められている。一方で、タイミング信号の発生からトリガ−信号発生までの遅延時間や、ランプ発光後、センサ−の出力信号がゲ−ト回路に入力されるまでの遅延時間は概ね一定である。従って、ゲ−ト信号発生回路におけるゲ−ト信号の発生タイミングは、使用する回路における前記のような変動やランプに印加する電圧等の諸条件を考慮して決定れば良い。
【0021】
図1に示した構成では、フラッシュランプを発光させていない間(暗光時)の蛍光検出センサの出力(バックグランド)を差し引くため、暗光時にもゲート信号を発生させてゲート回路と積分回路を作動させ、フラッシュランプ発光時と暗光時の出力信号の差を差分回路で求めることができる。
【0022】
この目的を達成するためには、トリガー信号発生回路及びゲート信号発生回路を、トリガー信号が1回発生する間に少なくとも2回ゲート信号を発生するように構成することを例示できる。前述したように、2回のタイミング信号に対して1回トリガー信号を発生するようにしても良いし、1回のタイミング信号に対して2回ゲート信号を発生するように構成しても良い。なお当該目的でトリガー信号が1回発生する間に少なくとも2回ゲート信号を発生するように構成する場合、暗光時の出力信号を得るためのゲート信号はトリガー信号が発生された時以外の任意の時点で発生させることができる。
【0023】
図1に示した例の場合、積分回路の出力を保持するため、積分回路における発光時及び暗光時の積分終了後の出力信号を2のサンプルホールド回路でそれぞれ保持した上で差分を行なうと良い。また、例えば2つのサンプルホールド回路の出力をデジタル変換し、デジタル回路で差を計算するようにしたり、更には、発光時及び暗光時の積分終了後の出力信号を1つのサンプルホールド回路で保持し、保持した2つの出力をそれぞれデジタル変換し、デジタル回路で差を計算するようにすることもできる。なお、上記のように発光時と暗光時の2回に渡りゲート回路を開閉させる場合には2回ゲート信号を発生させることになるが、必要に応じて3回以上、ゲート信号を発生させる構成とすることもできる。このような構成とは異なり、例えば発光時と暗光時の信号を得る等に、2のゲート回路と2の積分回路を付加する構成を採用することも可能である。
【0024】
図1の構成では、タイミング信号に基づいてトリガー信号、ゲート信号及びサンプルホールド信号を発生するようにしたが、例えばタイミング信号発生回路の役割をトリガー信号発生回路に担わせ、トリガー発生回路とゲート回路及びサンプルホールド信号発生回路を連絡し、トリガー信号に基づきゲート信号及びサンプルホールド信号が発生するように構成することもできる。
【0025】
前記のように発光時及び暗光時の差を求める場合、タイミング信号を基にしてサンプルホールド回路で異なる2のサンプルホールド信号を発生させる。サンプルホ−ルド信号は、ゲ−ト回路が閉じた後、即ち積分回路からの出力が一定となった後にサンプルホ−ルド回路がその出力信号をホ−ルドできるようなタイミングで発生するように設定する。2のサンプルホールド信号のうち一方はフラッシュバルブ発光時の出力信号を保持するためのものであり、他方は暗光時の出力信号を保持するために使用される。なお、この場合のタイミング信号発生回路の役割をゲート信号発生回路に担わせることも可能である。
【0026】
必要に応じて発光時及び暗光時以外の任意の時点での出力信号を保持するためには、前記ゲート信号を3回以上発生させると共に、サンプルホールド信号も3回以上発生させる構成とすれば良い。
【0027】
発光時と暗光時の差を取らない場合、例えば単に積分回路からの出力信号を保持する場合や、発光時と暗光時の出力信号をそれぞれ発光周期に合わせて毎回デジタル変換する場合には、単一のサンプルホールド回路で十分であるが、差分回路の出力を記録計で記録する場合や発光周期よりも低い頻度でデジタル変換する場合には、発光時の出力信号と暗光時の出力信号の両方にサンプルホールド回路を使うことが好ましい。
【0028】
図2は本発明の第2の装置の実施の形態を示す図である。主要な構成や各回路の役割等は図1で説明した装置と同様であるが、図2の構成においてはフラッシュランプの発光量の変動を補正するため、ゲート回路及び積分回路をそれぞれ2組使用し、一方の組を蛍光検出センサからの出力系に、他方を補正のための励起光センサからの出力系(励起光検出系)に使用している。このように、試料からの蛍光を測定すると共に、試料を照射する励起光を励起光検出センサで検出しておき、この励起光値で蛍光値を除することにより、フラッシュランプの発光量の変動をも補正することが可能である。除算は、割り算回路やコンピュ−タ−を用いて行うことができる。
【0029】
先に説明したように、2の積分回路に対してそれぞれ1ずつのサンプルホールド回路を付加すれば十分であるが、図1において説明したような暗光時のバックグランドとの差を求める場合、それぞれの積分回路に対して2のサンプルホールド回路と1の差分回路を付加すると良い。もっとも、例えば2つのサンプルホールド回路の出力をデジタル変換し、デジタル回路で差を計算するようにしたり、更には、発光時及び暗光時の積分終了後の出力信号を1つのサンプルホールド回路で保持し、保持した2つの出力をそれぞれデジタル変換し、デジタル回路で差を計算するようにすることもできる。
【0030】
例えば合計4のサンプルホールド回路を付加する場合、サンプルホールド信号発生回路において第1及び第2のサンプルホールド信号を発生させ、第1のサンプルホールド信号に基づき第1の積分回路からの出力信号を入力信号とする第1のサンプルホールド回路と、第2のサンプルホールド信号に基づき第1の積分回路からの出力信号を入力信号とする第2のサンプルホールド回路と、第1のサンプルホールド信号に基づき第2の積分回路からの出力信号を入力信号とする第3のサンプルホールド回路と、第2のサンプルホールド信号に基づき第2の積分回路からの出力信号を入力信号とする第4のサンプルホールド回路と、第1及び第2のサンプルホールド回路からの出力の差を出力する第1の差分回路及び第3及び第4のサンプルホールド回路からの出力の差を出力する第2の差分回路を付加することが例示できる。
【0031】
図3は本発明の第3の装置の実施の形態を示す図である。主要な構成は図1及び図2で説明した装置と同様であるが、図3の構成においてはフラッシュランプの発光量の変動を補正するためにゲート回路及び積分回路をそれぞれ2組使用すると同時に、励起光検出センサからの出力信号をゲート信号発生回路に入力してゲート信号を発生し、蛍光検出センサ側及び励起光検出センサ側のゲート回路に送る構成とすることで、ランプのジッタに合わせてゲート信号を前後させることが可能となり、その結果、ゲート回路を開いている時間の幅を狭くして余分な信号(ノイズ)の侵入を防ぐことができる、という効果を得るものである。なお、図3の構成ではサンプルホールド信号発生回路を励起光検出センサの出力信号で作動しているが、トリガー信号やゲート信号で作動することもできる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、光源として寿命の長いフラッシュランプを使用した結果、ランプ寿命が長いため頻繁にランプを交換する必要のない、低メンテナンス要求性の蛍光検出装置を提供することが可能である。このような装置は、蛍光検出装置の光源を連続点灯させる必要のある環境においては、非常に有効なものである。しかも本発明の蛍光検出装置では、フラッシュランプの発光に同期して蛍光検出センサの出力信号を通過させるゲート回路等を具備したことにより、平均入力が小さなフラッシュランプであっても、キセノンランプ等を用いた通常の蛍光検出装置と比較して遜色のない感度を得ることが可能である。差分回路や2組のゲート回路、積分回路を具備した本発明の蛍光検出装置によれば、特にバックグランドやノイズを減少することが可能となり、より高感度の装置を提供することができる。
【0033】
また本発明では、熱発生の少ないフラッシュランプを光源として具備するため、温度ドリフトが小さく、装置に電源を投入して即蛍光検出を行う必要が生じた場合等でも誤差の少ない測定を実現する蛍光検出装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蛍光検出装置、特に第1の蛍光検出装置の実施形態の一例を示す図である。
【図2】本発明の蛍光検出装置、特に第2の蛍光検出装置の実施形態の一例を示す図である。
【図3】本発明の蛍光検出装置、特に第3の蛍光検出装置の実施形態の一例を示す図である。
Claims (8)
- (1)トリガー信号発生回路及びゲート信号発生回路を作動するためのタイミング信号を発生し出力するタイミング信号発生回路、(2)タイミング信号に基づきランプ電源回路を作動するためのトリガー信号を発生し出力するトリガー信号発生回路、トリガー信号に基づきフラッシュランプをパルス点灯するランプ電源回路及びフラッシュランプから構成される発光系、(3)試料からの蛍光を受光し、相関した検出信号を出力する蛍光検出センサ、蛍光検出センサが出力した検出信号を通過させ又は遮断するゲート回路、タイミング信号に基づきゲート回路を作動するためのゲート信号を発生し出力するゲート信号発生回路、ゲート回路を通過した検出信号を積分し出力する積分回路及び、(4)タイミング信号に基づきサンプルホールド信号を発生し出力するサンプルホールド信号発生回路及びサンプルホールド信号に基づき積分回路からの出力信号を保存する2個のサンプルホールド回路、から構成され、トリガー信号発生回路及びゲート信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に少なくとも2回ゲート信号を発生するように構成されていることを特徴とする蛍光検出装置。
- 前記トリガー信号発生回路、ゲート信号発生回路及びサンプルホールド信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に2回、同一時にゲート信号及びサンプルホールド信号を発生するものであり、サンプルホールド回路が発生した2個のサンプルホールド信号の一方は第1のサンプルホールド回路に入力し、他方のサンプルホールド信号は第2のサンプルホールド回路に入力するように構成された請求項1の蛍光検出装置。
- (1)トリガー信号発生回路及びゲート信号発生回路を作動するためのタイミング信号を発生し出力するタイミング信号発生回路、(2)タイミング信号に基づきランプ電源回路を作動するためのトリガー信号を発生し出力するトリガー信号発生回路、トリガー信号に基づきフラッシュランプをパルス点灯するランプ電源回路及びフラッシュランプから構成される発光系、(3)タイミング信号に基づきゲート回路を作動するためのゲート信号を発生し出力するゲート信号発生回路、(4)試料からの蛍光を受光し、相関した第1検出信号を出力する蛍光検出センサ、蛍光検出センサが出力した第1検出信号を通過させ又は遮断する第1のゲート回路、ゲート回路を通過した第1検出信号を積分し出力する第1の積分回路、(5)フラッシュランプからの励起光を受光し、相関した第2検出信号を出力する励起光検出センサ、励起光検出センサが出力した第2検出信号を通過させ又は遮断する第2のゲート回路、ゲート回路を通過した第2検出信号を積分し出力する第2の積分回路及び、(6)タイミング信号に基づきサンプルホールド信号を発生し出力するサンプルホールド信号発生回路及び、サンプルホールド信号に基づき第1の積分回路からの出力信号を保存する第1及び第2のサンプルホールド回路と、同サンプルホールド信号に基づき第2の積分回路からの出力信号を保存する第3及び第4のサンプルホールド回路から構成され、トリガー信号発生回路及びゲート信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に少なくとも2回ゲート信号を発生するように構成されていることを特徴とする蛍光検出装置。
- 前記トリガー信号発生回路、ゲート信号発生回路及びサンプルホールド信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に2回、同一時にゲート信号及びサンプルホールド信号を発生し出力するものであり、サンプルホールド回路が発生した2個のサンプルホールド信号の一方は第1及び第3のサンプルホールド回路に入力し、他方のサンプルホールド信号は第2及び第4のサンプルホールド回路に入力するように構成された請求項3の蛍光検出装置。
- (1)ランプ電源回路を作動するためのトリガー信号を発生し出力するトリガー信号発生回路、トリガー信号に基づきフラッシュランプをパルス点灯するランプ電源回路及びフラッシュランプから構成される発光系、(2)タイミング信号に基づきゲート回路を作動するためのゲート信号を発生し出力するゲート信号発生回路、(3)試料からの蛍光を受光し、相関した第1検出信号を出力する蛍光検出センサ、蛍光検出センサが出力した第1検出信号を通過させ又は遮断する第1のゲート回路、ゲート回路を通過した第1検出信号を積分し出力する第1の積分回路、(4)フラッシュランプからの励起光を受光し、相関した第2検出信号を出力する励起光検出センサ、励起光検出センサが出力した第2検出信号を通過させ又は遮断する第2のゲート回路、ゲート回路を通過した第2検出信号を積分し出力する第2の積分回路、(5)前記第2検出信号に基づきゲート信号発生回路を作動するためのタイミング信号を発生し出力するタイミング信号発生回路及び、(6)タイミング信号に基づきサンプルホールド信号を発生し出力するサンプルホールド信号発生回路及び、サンプルホールド信号に基づき第1の積分回路からの出力信号を保存する第1及び第2のサンプルホールド回路と、同サンプルホールド信号に基づき第2の積分回路からの出力信号を保存する第3及び第4のサンプルホールド回路、から構成され、トリガー信号発生回路、ゲート信号発生回路及びサンプルホールド信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に少なくとも2回、同一時にゲート信号及びサンプルホールド信号を発生するように構成されていることを特徴とする蛍光検出装置。
- 前記トリガー信号発生回路、ゲート信号発生回路及びサンプルホールド信号発生回路が、トリガー信号が1回発生する間に2回、同一時にゲート信号及びサンプルホールド信号を発生し出力するものであり、サンプルホールド回路が発生した2個のサンプルホールド信号の一方は第1及び第3のサンプルホールド回路に入力し、他方のサンプルホールド信号は第2及び第4のサンプルホールド回路に入力するように構成された請求項5の蛍光検出装置。
- 更に、2個のサンプルホールド回路のそれぞれに保存された信号の差分を出力する差分回路を具備する請求項1又は2に記載の蛍光検出装置。
- 更に、第1及び第2のサンプルホールド回路のそれぞれに保存された信号の差分を出力する第1の差分回路と、第3及び第4のサンプルホールド回路のそれぞれに保存された信号の差分を出力する第2の差分回路を具備する請求項3、4、5又は6に記載の蛍光検出装置。
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