JP3691813B2 - Non-linear Raman spectroscopy method and apparatus - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非線形ラマン分光方法及び装置に係り、特に、時間幅の狭い励起光と白色光又は白色光に近い(ほぼ単色の)スペクトル幅の広い励起光とを用いた、周波数領域4光波混合による非線形ラマン散乱ピークを検出するための非線形ラマン分光方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ラマン分光は、被測定物にレーザ光等の単色光を照射し、試料から放射されるラマン散乱光を分光する方法であり、放射されるラマン散乱光は被測定物質固有のものであることから、物質の解析、材料評価や新物質創製に広く活用されている。一方、4光波混合は、3つの光(2つのポンプ光(励起光)とプローブ光)を入射して、発生する光を検出する方法の総称である。4光波混合には、例えば、通常の縮退4光波混合、非縮退4光波混合、CARS(コヒーレント反ストークス散乱)、CSRS(コヒーレントストークス散乱)、フォトンエコー、逆ラマン分光、ラマン利得分光、光カー効果分光など、多くの非線形分光がその範疇に入る。
【0003】
ここで、CARS(コヒーレント反ストークス散乱)あるいはCSRS(コヒーレントストークス散乱)の分光法は4光波混合の一種であるが、ラマン散乱を測定するという面ではもっとも関係が深い分光法である。基本的にはこれらの分光法は2つの光(一方の光が2つの光パルスの役割をする)を入射し、一つの光の振動数を変化させることにより、信号光の強度を測定するものである。バリエーションとして3つの光パルスを入れ、時間差を変化させて測定する方法もある。なお、文献:Levenson「非線形レーザー分光学」オーム社、昭和63年、等を参照のこと。
【0004】
さらに、本発明者等により、フェムト秒パルスレーザーと光カーシャッターを用い、広い波長領域の微弱蛍光の時間分解スペクトルを一度に取得することができる超高速時間分解蛍光分光方法が提案された(特開2001−356095号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来のラマン散乱分光法については、例えば、次のような課題がある。
▲1▼ 通常のラマン散乱分光法は線形の分光法であるため、同じ線形の過程である蛍光がバックグラウンドになり、効率の小さいラマン散乱が測定できないことが多い。蛍光はそのもの自身でも発するが、不純物としても存在する。
▲2▼ CARSは非線形ラマン分光法であるため、蛍光のバックグラウンドの除去は可能であるが、振動数を掃引する必要があるため、周波数可変のレーザーが必要である。また、掃引に時間がかかり、また、一度に測定できる測定できるのは1つの振動数に対する信号光だけで効率がよくない。
【0006】
本発明は、以上の点に鑑み、例えば、次のような目的を達成するものである。
▲1▼ 非線形のラマン分光により、蛍光のバックグラウンドの除去を可能とする。
▲2▼ 広い振動数領域を一度に測定し、短時間の測定を可能とする。なお、例えばCSのように信号光の強いものを測定する場合、測定時間は、例えば、5−30秒程度で十分きれいなデータが得られる。)
▲3▼ 周波数可変のレーザーを必要とせず、装置の構成を簡単とする。
▲4▼ 不確定性の制限を受けず、パルスを用いながら、高分解能のラマンスペクトルを測定する。
【0007】
また、本発明の用途は、例えば、次のような測定が挙げられる。
▲1▼ 蛍光物質を含んだ工業品のラマンスペクトルの測定
▲2▼ 薄膜のラマン散乱スペクトルの測定
▲3▼ 蛍光物質を含んだ生体系のラマンスペクトルの測定
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の解決手段によると、
時間幅の狭い一方の励起光と、一方の励起光と同期したスペクトル幅の広い他方の励起光とを被測定物質に交叉させて照射し、
被測定物質中で生じた過渡格子に、単色又は単色に近いプローブ光を、ブラッグ条件を満足するように入射し、
被測定物質で非線形ラマン散乱により回折された信号光をスペクトル分解し、広い波長領域を同時に検出することにより、
非線形ラマンピークを測定する非線形ラマン分光方法が提供される。
【0009】
本発明の第2の解決手段によると、
スペクトル幅の狭い単色又は単色に近いプローブ光を発生する単色光源と、
スペクトル幅が狭く且つ時間幅の狭い一方の励起光を発生するパルス光源と、
前記パルス光源からの一方の励起光に基づき、該一方の励起光と同期したスペクトル幅の広い他方の励起光に変換する波長変換器と、
広い波長領域を同時に検出する分光器と
を備え、
前記パルス光源からの一方の励起光と前記波長変換器からの他方の励起光とを被測定物質中で交叉させて照射し、被測定物質中で生じた過渡格子に前記単色光源からのプローブ光をブラッグ条件を満足するように入射することにより、前記分光器で被測定物質で非線形ラマン散乱により回折された信号光をスペクトル分解して測定する非線形ラマン分光装置が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
1.原理
図1に、非線形ラマン測定の原理についての説明図を示す。
▲1▼ 一般に、二つの振動数f及びf(f>f)の光(ポンプ光、励起光)を、分光測定を行う物質中に入射すると、振動数f−fをもつうなりができ、これとちょうど一致する物質内の振動が励起される(誘導ラマン効果)。
▲2▼ ここに、振動数fの第3の光(プローブ光)を物質中に入射すると、光散乱の過程により、f+f−f(反ストークス散乱)とf−f+f(ストークス散乱)の振動数の光である各信号光が発生する(ラマン散乱)。
▲3▼ 実際はこれら▲1▼及び▲2▼の過程は別々に起きるのではなく、一連の過程として生じる。▲2▼の過程だけだと、入射光が振動数fをもつ光だけなので線形だが、▲1▼及び▲2▼の過程が両方発生すると、振動数f、f、fの各光が関係し、非線形な効果が生じることになる。
▲4▼ 測定すべき信号光が発生するラマン散乱は非線形なので、ポンプ光、プローブ光の方向により信号光の方向が決まっている。そのため、信号光から空間的に蛍光を除去できる。所定の信号光の方向については、これらの各光の間で運動量保存則が成り立つことで決定される。すなわち、一般に、光の運動量はhk/2πで表される(ここで、hはプランク定数、kは波数ベクトルの大きさ)。そして、被測定物質から信号光の出射される方向は、プローブ光の入射する方向によって次のような位相整合条件となる。
=k+k−k (kとkが並んで入射される場合)
または
=−k+k+k (kとkが並んで入射される場合)
(ここに、k〜kは、それぞれポンプ光1及び2、プローブ光、信号光の波数ベクトル)
要するに、ポンプ光kとkでつくられた過渡格子にブラッグ条件を満足するようにプローブ光kを入れれば、ほぼ正反射する方向に信号光は出る。ここで、ほぼというのはkとkのエネルギーが異なる場合、少し、ブラッグ条件からずれるからである。
▲5▼ さらに、入射光のうち一方(たとえば、振動数f)が単色ではなく、多くの振動数の光を含んでいると、同時にいろいろなうなりが生じ、物質中にあるいろいろな振動が同時に励起される。この場合、振動数fのプローブ光を入射すると、光散乱の過程により、いろいろな振動数の光が放出されるので、それを分光器とCCDカメラ等を備えた測定装置を用いて一度に検出すると、物質内の振動を広い範囲で一度に測定することができる。
【0011】
2.従来の方法との比較
つぎに、上述のような原理に基づく非線形ラマン分光の主な特徴を、従来技術と比較して説明する。
【0012】
▲1▼通常のラマン散乱
通常のラマン散乱は熱的に励起された物質内の振動を上述「1.原理」の▲2▼の過程で調べる。この通常のラマン散乱は基本的に線形であるので、同じ線形で生じる蛍光が邪魔をすることが多く、工業品、生体物質など多くの試料で測定が困難なことが多い。
これに対して、本発明のラマン散乱は非線形なので、放出される光の方向が決まっている。したがって、方向の決まっていない線形の蛍光とは空間的に区別できる。振動を励起するのにパルス光をもちいるので、例えば、検出器にゲート付きのCCDカメラを使えば、時間的にも区別することができ、特に蛍光を除去したラマンスペクトルを測定するのに有利である。
【0013】
▲2▼4光波混合
上述のように、4光波混合は3つの光(2つのポンプ光とプローブ光)を入射して、発生する光を検出する方法の総称である。通常の4光波混合は3つの光すべてにパルス光を用い、測定データはパルスの到達時間を変化させるか、振動数を変化させることでデータを得ている。
これに対して、本発明の特徴は、特に、次の3点に集約することができる。
1)第3の光(プローブ光)にスペクトルが単色に近い、連続光あるいは連続光に近いQスイッチパルスを用いている。
2)パルスの到達時間を変化させたり、振動数を変化させたりしないで、発生した信号光のスペクトルを測定するだけである。
3)ポンプ光の1つにスペクトルの広い光を用いている。
【0014】
▲3▼ CARS(コヒーレント反ストークス散乱)あるいはCSRS(コヒーレントストークス散乱)
上述のようにCARSあるいはCSRSの分光法は4光波混合の一種であるが、これに対して、本発明では、ポンプ光の1つをスペクトルの広い光を用いている点、単色のプローブ光を用いている点、信号光のスペクトルを測定する点で、CARS、CSRSとは異なっており、測定時間が圧倒的に早いことが特徴のひとつである。
【0015】
▲4▼ラマン散乱における蛍光の除去
一般に、ラマン散乱の測定における蛍光のバックグラウンドが邪魔する場合は、例えば、
A)バルクの測定を行い、バルク自身が蛍光を発する場合
B)バルクの測定を行い、不純物が蛍光を発する場合
C)少量あるいは微量の含有物の測定を行う場合
に分類される。
このような蛍光のバックグラウンドを線形のラマン散乱分光法において除去するには、例えば、
1)励起光源をパルスにして時間相関単一光子計数法を用いて時間ゲートをかける
2)励起光源をパルスにして光カーシャッターを用いる
3)偏光の差を用いる
4)赤外の励起光を用いる
5)強い光をあて蛍光物質を褪色させる
などが知られている。上記 A)、B)の場合はともに、上記 4)の赤外の励起光を用いることでかなりの部分は解決できる。しかし、上記 C)の場合は上記 1)〜5)のいずれの方法も十分に除去されない。もともと、ラマン散乱と蛍光は光を吸収して放出する同じ二次光学過程である。両者を区別するものは入射した光がつくる分極がいつまで位相を変化させずに振動しつづけるかという点にかかっており、位相がくずれた後の光放出を蛍光と呼んでいる。従って、時間の早い部分を測定するとラマン散乱が見られる。しかし、不確定性の関係により、時間のあまりに早い部分だけにゲートをかけて測定するとスペクトルが広がり、ラマンピークが分からなくなってしまう。その意味で、上記 2)の方法はおのずと限界があり、上記 1)は時間分解能が不足している。上記 3)は偏光では一般的に両者を分離することができない。上記 4)は少量の含有物の測定には向かない、上記 5)はすべてが褪色するわけではなく、また、試料に損傷をあたえるので、一般的ではない。このようなときに、非線形なラマン分光法は理想的な分光方法を与える。
【0016】
3.非線形ラマン分光方法のための概略構成
図2に、非線形ラマン分光方法を実現するための装置の概略構成図を示す。
この装置は、単色光源1、パルス光源2、波長変換器3、分光器4、検出器5及び分波器6を備え、被測定試料10の分光測定を行う。
【0017】
試料10は、この例では、光が透過するものであればなんでもよい。なお、反射型の分光測定を行う場合は透過なもの以外でもよい。
単色光源1は、プローブ光を発生するためのスペクトル幅の狭いレーザーである。単色光源1は、アルゴンレーザー、ヘリウムネオンレーザー、YAGレーザーなどの連続発振レーザーでもよいが、Qスイッチレーザーをパルス光源に同期させて用いるとより効率的である。このようなレーザーとしては、例えば、QスイッチYAGレーザー、QスイッチYLFレーザー等がある。
【0018】
パルス光源2は、励起光(ポンプ光)を発生するためのパルスレーザーである。パルス光源2は、例えば、フェムト秒あるいはピコ秒パルスのように尖頭値の高いレーザーがよい。このようなレーザーとしては、例えば、モード同期チタンサファイアレーザー、再生増幅されたモード同期チタンサファイアレーザー、モード同期YAGレーザーなどがある。分波器6は、パルス光源2から出射されたレーザー光を所定の偏光とし、且つ、前記波長変換器3へ向けて分岐する。
【0019】
波長変換器3は、パルス光源2から出射される光を、異なる波長で、スペクトル幅の広い、時間的に同期したパルス光に変換する。波長変換器3による励起光は、白色光又は白色光に近い光であり、もとのパルス光源との振動数差がちょうど測定するラマン散乱の振動数程度になるようなものがよい。このような波長変換器3の例としては、水/重水の混合物やサファイアにパルス光を当てて発生したスペクトル幅の広い白色光、ベンゼンやアセトンなどの物質に光を当てて発生させた誘導ラマン散乱光、光パラメトリック発振光を用いることなどが挙げられる。
【0020】
分光器4及び検出器5は、試料の10からの測定すべき信号光を広い波長領域において同時に検出する。検出器5は、CCD以外でも2次元検出器なら適宜用いることも可能である。検出器5として、時間ゲートが具備されたCCD検出器を用いると時間的にも分離ができ、蛍光の除去に有利である。時間ゲートにより、ポンプ光の照射タイミングと、測定タイミング及び/又は測定時間との関係を調整することにより、蛍光を除去又は減少させることができる。
【0021】
つぎに、非線形ラマン分光測定方法の動作について説明する。
パルス光源2からの光は、分波器6により分波され、一方の励起光と、波長変換器3で変換された他方の励起光となる。パルス光源2からの一方の励起光と波長変換器3からの他方の励起光とを被測定物質10中で交叉させて照射する。そして、被測定物質10中で生じた過渡格子に単色光源1からのプローブ光をブラッグ条件を満足するように入射することにより、分光器4で被測定物質により回折された信号光をスペクトル分解し、検出器5により広い波長領域を同時に測定する。
【0022】
信号光を測定する位置は、励起光1及び2、プローブ光及び信号光の波数ベクトルの大きさをそれぞれk、k、k、kとするとき、位相整合条件k=k−k+kまたはk=−k+k+kを満たすように調整されることができる。また、励起光1及び2は、時間的に同期し、且つ、偏光を指定することができ、プローブ光は、励起光1及び/又は2の偏光から所定角度傾いた偏光とするように調整することができる。また、信号光の偏光は励起光とプローブ光の偏光により決まり、一方、蛍光はプローブ光だけの偏光により決まるので、プローブ光の偏光を調整することで蛍光を減少させることも可能である。さらに、励起光の照射タイミングと、測定タイミング及び/又は測定時間との関係を調整することにより、蛍光を除去又は減少することができる。
【0023】
4.非線形ラマン分光装置の構成
図3に、非線形ラマン分光装置の構成図を示す。
この装置は、被測定試料10の分光測定を行うもので、図2及びその説明箇所と同様に、単色光源1、パルス光源2、波長変換器3、分光器4、検出器5及び分波器6を備え、さらに、第1及び第2の照射偏光調整部11及び12、測定偏光調整部13、第1〜第3の照射方向調整部21〜23、測定方向調整部24、コンピュータ30を備える。
【0024】
この実施の形態の装置では、一例として、プローブ光を発生する単色光源1として、QスイッチYLFレーザーを用いている。YLFレーザーは、例えば、波長523nm、パルス幅6nsの特性である。また、ポンプ光を発生するパルス光源2として、Ti:Sレーザー(チタンサファイアレーザー)を再生増幅器(Regen)で増幅したモード同期チタンサファイアレーザーを用いている。この特性としては、例えば、波長800nm、パルス幅130fs、160mW、1kHzのパルスレーザーである。出口すぐでビームを分けてオートコリレーターでパルス幅をモニターできるようにしてもよい。波長変換器3として、水/重水の混合物を用いた白色光発生を用いている。検出器5として、CCD検出器を用いている。また、コンピュータ30は、検出器5からの出力を入力し、測定結果を解析する。
【0025】
第1及び第2の照射偏光調整部11及び12は、他方の励起光及びプローブ光の偏光をそれぞれ調整する。測定偏光調整部13は、信号光の偏光を調整する。第1乃至第3の照射方向調整部21〜23は、一方及び他方の励起光、プローブ光の被測定物質への照射方向をそれぞれ調整する。測定方向調整部24は、被測定物質10からの信号光の測定方向を調整する。測定方向調整部24は、例えば、励起光1及び2、プローブ光及び信号光の波数ベクトルの大きさをそれぞれk、k、k、kとするとき、位相整合条件k=k−k+kを満たすように調整されている。
【0026】
第1及び第2の照射偏光調整部11及び12、測定偏光調整部13、第1〜第3の照射方向調整部21〜23、測定方向調整部24、のそれぞれの調整は、コンピュータ30により制御してもよいし、マニュアルで調整するようにしてもよい。
【0027】
つぎに、このような装置を用いたラマンピークの測定について説明する。
再生増幅器を含むパルス光源2からのパルスレーザーを可変型NDフィルターで20mW程度まで下げておく。あまり強いと、セルが焦げたり穴が開いたりすることを防ぐためである。次にλ/4板と偏光子を有する分波器6を用いてこの光を2つに分ける。白色光側はさらにλ/2板を有する第1の照射偏光調整部を通して偏光を垂直または水平にすることができる。白色光側を水と重水の1:1混合物による波長変換器3を介して、レンズで絞って白色光を発生させる。白色光は広がって発生するので、短い焦点距離のレンズを用いて平行光に戻す。この例ではこの直後にレッドフィルターを置いている。これは、フィルターなしで測定したときに、白色光の短波長成分の散乱と考えられるものが検出されてシグナルかどうかわからなくなることを防ぐためである。もう片方はそのままで、2つのポンプ光をレンズで絞って焦点がサンプル10の位置で重なるようにする。ある程度目視であわせておき、サンプル位置にBBOの結晶を置いてSHGがもっとも強く出るようにミラーの角度とタイミングを調節することができる。
【0028】
次に、BBOの結晶をピンホール(50μm)に置きかえてポンプ光を通す。2本ともピンホールを通ったら、さらに単色光源1のYLFレーザーをレンズで絞って通す。単色光源1のYLFレーザーからの光も途中でλ/2板を有する第2の照射偏光調整部12をいれて、偏光方向を変えることができる。
【0029】
3本の光ともピンホールを通ったら、サンプル10(例、CS:信号が強いので)を置いてポンプとプローブのタイミングを合わせる。単色光源1のYLFレーザーのタイミングは、外部トリガーでパルス光源2の再生増幅器からのパルスレーザーのタイミングとのディレイタイムを調節する。オシロスコープでポンプ光の片方とプローブ光が両方モニターできるようにして山の頂点を合わせた。3つのビームが空間的・時間的に重なるとサンプルが発光するので、それを目印にした。ただし、はじめから高振動数側のシグナルが弱くて確認できない場合で、低振動数領域を見られるようにした後で、プローブの入射角度を小さくして高振動数側へシフトさせるとよい。
【0030】
図4に、ポンプ光、プローブ光、信号光の配置の説明図を示す。
最初は低振動数領域を見るためにポンプ光とプローブ光の入射角を約800:523になるようにしておく。これは、回折格子の格子間隔がΛ=λ/(2sinθ)で与えられるので、回折条件を満たすためにtanθin:tanθpr≒sinθin:sinθpr=λin:λprとなるからである。二本のポンプ光は左右対称に入射していると考える。この配置なら、シグナルはプローブと対称な方向にスポット状に現れる。
【0031】
サンプルの後ろにゆらゆらした回折光が見えたら、アパーチャーで余計な散乱光をカットする。ただし、高振動数側にする時にシグナルの出射方向が少し動くので、あまり絞りすぎるとシグナルを検出できなくなるので注意する。焦点距離150mm程度のレンズでシグナルを平行光にし、偏光板を通して焦点距離を1mのダブルモノクロメーターに入れる。スリット幅は150μm程度にして、中心波長をプローブ光の中心19102cm−1付近に合わせておく。コンピュータ30でシグナルをモニターしながら最後の偏光板を回して、レイリー散乱が小さくなるようにあわせる。信号が入っていれば、プローブ光のスペクトルが広がったようになるので、プローブ光の入射角・タイミング・セルの位置を調節して信号が最大になるようにする。
【0032】
高振動数側のラマンピークを検出するにはプローブ光の入射角度θprを小さくすればいい。理想的にはプローブの角度とタイミングだけで高振動数側を見ることができるのだが、白色光にした際に群速度分散の効果を受けてポンプ光が時間的に広がっているので、ポンプ光のタイミングも調節しなければならない。さらに、ダブルモノクロメーターの中心波長も変えなければいけないので、次の3つの手順を繰り返してピークのある位置まで移動した。
▲1▼ダブルモノクロメーターの中心波長を200cm−1位増やす。
▲2▼信号が出ていることを確認する。
▲3▼高振動数側が強くなるようにプローブ光の入射角とタイミング、ポンプ光のタイミング、を調節する。
この方法で1000cm−1までのCSとベンゼンのラマン線を検出することができた。実際は、プローブの角度はあまり動かさなくても、ポンプ光のタイミングだけで高振動数側まで見ることができる場合がある。これは、広がったプローブをレンズで絞っているので、いろいろな入射角を持つ成分がすでに存在するからだと考えられる。
【0033】
図5に、CSの及びベンゼンのラマンピークの測定データの図の一例を示す。測定時間が、例えば、5秒程度と短いにもかかわらず、S/N比の良いデータが得られた。
【0034】
5.測定理論
つぎに、非線形ラマン分光の測定の理論について詳述する。
5.1.四光波混合
周波数領域4光波混合分光法とは、サンプルにパルス幅の短い2つのポンプ光(励起光)を集光し、もうひとつのパルス幅の広いパルスをプローブ光を入射させる。このとき、サンプル中には2つのポンプ光のエネルギー差によって、サンプル中の分子(原子)の電子状態や分子の回転・振動運動のエネルギー状態が励起される。このときエネルギー差と振動の周波数が同じであれば、プローブの中心波長とは別に、ラマンシフトしたピークがスペクトルに現れる。
【0035】
別の解釈では、サンプル上に2つのポンプ光による干渉縞と、物質の振動との相互作用で短時間に消える回折格子ができており、シグナル光は位相整合条件k=k−k+kを満たす方向に強く回折される。このとき、シグナル光の振動数は動いている回折格子との衝突によるドップラー効果で、ω=ω−ω+ωになっている。これを見ると、もとの周波数に物質の分子の振動に対応した周波数を足した形になっており、ラマン散乱を測定するのと等価になる。
【0036】
短いパルスの2本のポンプ光と、ほぼCWとみなせるプローブ光がサンプルに入射している場合を考える。二本のポンプ光をE(r、t)=E(t)eiω t−ik ・r(m=1、2)、プローブ光をE(r、t)=Eiω t−ik ・rとし、E(r、t)は時間tにサンプルに入射するとする。この時の3次の非線形分極のi番目の成分P(r、t)は次のように書ける。
【0037】
【数1】

Figure 0003691813
【0038】
ここで、ωとkは電場の振動数と波数ベクトルである。t’=t−t、t”=t−t、ω’=ω−ω+ωでk=k−k+kである。t12はポンプ1とポンプ2の時間差で、χijkl(t’、t”)は4光波混合過程の3次の非線形感受率テンソルのijkl成分である。物質の応答は応答関数Rijkl(t)を用いて、線形応答理論から導かれる。k=k−k+kの方向に伝播する分極は形式的に次のように書かれる。
【0039】
【数2】
Figure 0003691813
【0040】
この分極によって発生する回折されたシグナルのスペクトルは、時間相関関数をフーリエ変換したものであるから、次のようになる。
【0041】
【数3】
Figure 0003691813
【0042】
ここで、Δω=ω−ωであり、ωは回折光の振動数である。P(t)をこれに代入し、k=k−k+kの方向に進む項だけに着目すると次のような式を得る。
【0043】
【数4】
Figure 0003691813
【0044】
ここでG(2) 1k2lは二本のポンプ光の2次の相関関数で、チルダはフーリエ変換されていることを示している。実験ではポンプ光同士の時間差はなく、t12=0である。このことから、シグナルのスペクトルを見ることは、物質の周波数応答関数の絶対値の二乗とポンプ光の相互相関関数を見るのと等価である。
【0045】
非共鳴で、Born−Oppenheimer近似が成り立つ条件では、物質の応答関数Rijkl(t)は原子核の応答と電子の即時応答の項に分割されてRijkl(t)=σijklδ(t)+Nijkl(t)になる。σの項は電子の即時応答を表し、δ(t)はディラックのδ関数である。N(t)は原子核の応答関数である。このRijklを先ほどのスペクトルの式に代入すると次の式を得る。
【0046】
【数5】
Figure 0003691813
【0047】
δ関数を積分したので、σにはチルダはつかない。この式から、二本のポンプ光の相関関数Gが十分に広がっていれば、物質の周波数応答関数がプローブの広がったスペクトルとして直に観測できることが分かる。見方を変えれば、導入で述べた回折格子的な解釈となる。
【0048】
5.2.偏光選択
この分光法で得られるシグナルは応答関数の2乗に比例しているので、電子と核の応答が混ざってしまうのは避けられない。しかし、この分光法では4本のビームの偏光を自由に選ぶことができ、適切に設定してやれば片方の応答を消すことができる。例えば、ポンプ光の偏光を共に水平にしておき、それをx軸とする。反時計回りを正に取り、プローブはそこから45°傾けてある。
【0049】
図6に、ポンプ光、プローブ光及び信号光の偏光についての説明図を示す。
シグナルの偏光をΨとすると、電子σ、核Nそれぞれの応答による分極は次のようになる。
【0050】
【数6】
Figure 0003691813
【0051】
添え字の意味は左から、シグナル、プローブ、ポンプ2、ポンプ1の偏光のx、y成分に比例することを示す。一般的に等方的な物質ではσyyxx/σxxxx=1/3、Nyyxx/Nxxxx=−1/2の関係があるので
【0052】
【数7】
Figure 0003691813
【0053】
となる。偏光は180°回転対称なので、応答関数は結局、次のように書くことができる。
【0054】
【数8】
Figure 0003691813
【0055】
これより、シグナルの偏光を108.4°、63.4°に設定すれば、電子及び核の応答だけを得ることができる。
【0056】
【発明の効果】
本発明は、例えば、次のような特有の効果を奏する。
▲1▼ 非線形ラマン分光であるため、蛍光のバックグラウンドの除去が可能である。
▲2▼ 広い振動数領域を一度に測定でき、短時間の測定が可能である。(CSのように信号の強いものであると、測定時間は例えば、5−30秒程度で十分きれいなデータが得られる。)
▲3▼ 周波数可変のレーザーを必要とせず、装置が簡単になる。
▲4▼ 不確定性の制限を受けず、パルスを用いながら、高分解能のラマンスペクトルを測定することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】非線形ラマン測定の原理についての説明図。
【図2】非線形ラマン分光方法を実現するための装置の概略構成図。
【図3】非線形ラマン分光装置の構成図。
【図4】ポンプ光、プローブ光、信号光の配置の説明図。
【図5】CSの及びベンゼンのラマンピークの測定データの図。
【図6】ポンプ光、プローブ光及び信号光の偏光についての説明図。
【符号の説明】
1 単色光源
2 パルス光源
3 波長変換器
4 分光器
5 検出器
6 分波器
10 被測定試料
11、12 第1及び第2の照射偏光調整部
13 測定偏光調整部
21〜23 第1〜第3の照射方向調整部
24 測定方向調整部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
  The present invention relates to a nonlinear Raman spectroscopy method and apparatus, and in particular, excitation light and white light or near white light with a narrow time width.(Almost monochromatic)The present invention relates to a nonlinear Raman spectroscopy method and apparatus for detecting a nonlinear Raman scattering peak due to frequency-domain four-wave mixing using excitation light having a wide spectral width.
[0002]
[Prior art]
In general, Raman spectroscopy is a method of irradiating a measured object with monochromatic light such as a laser beam and spectrally diffusing Raman scattered light emitted from a sample, and the emitted Raman scattered light is specific to the substance to be measured. Therefore, it is widely used for material analysis, material evaluation and new material creation. On the other hand, four-wave mixing is a general term for a method of detecting light generated by entering three lights (two pump lights (excitation light) and probe light). For the four-wave mixing, for example, normal degenerate four-wave mixing, non-degenerate four-wave mixing, CARS (coherent anti-Stokes scattering), CSRS (coherent Stokes scattering), photon echo, inverse Raman spectroscopy, Raman gain spectroscopy, optical Kerr effect Many types of nonlinear spectroscopy, such as spectroscopy, fall into this category.
[0003]
Here, CARS (coherent anti-Stokes scattering) or CSRS (coherent Stokes scattering) spectroscopy is a kind of four-wave mixing, but is most closely related to measuring Raman scattering. Basically, these spectroscopic methods measure the intensity of signal light by entering two lights (one of which serves as two light pulses) and changing the frequency of one light. It is. As a variation, there is a method in which three light pulses are inserted and the time difference is changed for measurement. Note: Reference: Levenson "Nonlinear Laser Spectroscopy" Ohm, 1988.
[0004]
Furthermore, the present inventors have proposed an ultrafast time-resolved fluorescence spectroscopy method that can acquire a time-resolved spectrum of weak fluorescence in a wide wavelength region at once using a femtosecond pulse laser and an optical Kerr shutter (specialty). No. 2001-356095).
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional Raman scattering spectroscopy as described above has the following problems, for example.
{Circle around (1)} Since normal Raman scattering spectroscopy is linear spectroscopy, fluorescence, which is the same linear process, becomes the background, and in many cases, low-efficiency Raman scattering cannot be measured. Fluorescence is emitted by itself, but also exists as an impurity.
{Circle around (2)} Since CARS is a nonlinear Raman spectroscopy, it is possible to remove the background of fluorescence, but since it is necessary to sweep the frequency, a variable frequency laser is required. In addition, it takes time to sweep, and the signal that can be measured at one time can be measured only with signal light for one frequency, which is not efficient.
[0006]
In view of the above points, the present invention achieves the following objects, for example.
(1) The background of fluorescence can be removed by nonlinear Raman spectroscopy.
(2) A wide frequency range is measured at a time, enabling a short time measurement. For example, CS2When measuring a signal having a strong signal light, for example, the measurement time is about 5 to 30 seconds, and sufficiently clean data can be obtained. )
(3) The configuration of the apparatus is simplified without requiring a variable frequency laser.
(4) A high-resolution Raman spectrum is measured using pulses without being limited by uncertainty.
[0007]
Moreover, the following measurement is mentioned as an application of this invention, for example.
(1) Measurement of Raman spectra of industrial products containing fluorescent materials
(2) Measurement of Raman scattering spectrum of thin film
(3) Measurement of Raman spectra of biological systems containing fluorescent materials
[0008]
[Means for Solving the Problems]
According to the first solution of the present invention,
Irradiate one of the excitation light with a narrow time width and the other excitation light with a broad spectrum width synchronized with one of the excitation lights, crossing the substance to be measured,
A transient or near-monochromatic probe light is generated in the material to be measured so as to satisfy the Bragg condition.
By spectrally decomposing signal light diffracted by nonlinear Raman scattering in the measured substance and detecting a wide wavelength region simultaneously,
A nonlinear Raman spectroscopy method for measuring a nonlinear Raman peak is provided.
[0009]
According to the second solution of the present invention,
A monochromatic light source that generates a monochromatic or near monochromatic probe light with a narrow spectral width;
A pulse light source that generates one excitation light having a narrow spectrum width and a narrow time width;
A wavelength converter that converts one excitation light from the pulsed light source into the other excitation light having a wide spectral width synchronized with the one excitation light;
A spectrometer that simultaneously detects a wide wavelength range
With
One excitation light from the pulse light source and the other excitation light from the wavelength converter are irradiated in a crossing manner in the substance to be measured, and the probe light from the monochromatic light source is applied to the transient grating generated in the substance to be measured. Is provided so as to satisfy the Bragg condition, thereby providing a nonlinear Raman spectroscopic apparatus that performs spectral decomposition on the signal light diffracted by nonlinear Raman scattering by the substance to be measured by the spectrometer.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
1. principle
FIG. 1 is an explanatory diagram showing the principle of nonlinear Raman measurement.
(1) Generally, two frequencies f1And f2(F1> F2) Light (pump light, excitation light) is incident on a substance for spectroscopic measurement, the frequency f1-F2The vibration in the substance that exactly coincides with this is excited (induced Raman effect).
(2) Here, the frequency f3When the third light (probe light) is incident on the substance, the light scattering process causes f3+ F1-F2(Anti-Stokes scattering) and f3-F1+ F2Each signal light which is light having a frequency of (Stokes scattering) is generated (Raman scattering).
(3) Actually, these processes (1) and (2) do not occur separately but occur as a series of processes. In the process of (2) only, the incident light has a frequency f.3It is linear because it is only light with, but if both processes (1) and (2) occur, the frequency f1, F2, F3As a result, a non-linear effect occurs.
(4) Since Raman scattering in which signal light to be measured is generated is non-linear, the direction of signal light is determined by the directions of pump light and probe light. Therefore, fluorescence can be spatially removed from the signal light. The direction of the predetermined signal light is determined by the momentum conservation law established between these lights. That is, in general, the momentum of light is represented by hk / 2π (where h is the Planck constant and k is the magnitude of the wave vector). The direction in which the signal light is emitted from the substance to be measured has the following phase matching condition depending on the direction in which the probe light is incident.
k4= K3+ K1-K2  (K2And k3Are incident side by side)
Or
k4= -K1+ K2+ K3  (K1And k3Are incident side by side)
(Where k1~ K4Are pump light 1 and 2, wave vectors of probe light and signal light, respectively)
In short, pump light k1And k2The probe light k so that the Bragg condition is satisfied in the transient grating made by3, Signal light is emitted in the direction of almost regular reflection. Here, almost means k1And k2This is because when the energy of is different, the Bragg condition deviates slightly.
(5) Further, one of the incident lights (for example, the frequency f2) Is not monochromatic and contains many frequencies of light, various beats occur simultaneously, and various vibrations in the material are excited simultaneously. In this case, the frequency f3When the probe light is incident, light of various frequencies is emitted due to the process of light scattering. If this is detected at once using a measuring device equipped with a spectroscope, a CCD camera, etc., vibration in the substance will occur. Can be measured in a wide range at once.
[0011]
2. Comparison with conventional methods
Next, the main features of nonlinear Raman spectroscopy based on the above-described principle will be described in comparison with the prior art.
[0012]
(1) Normal Raman scattering
In normal Raman scattering, vibrations in a thermally excited material are examined in the process (2) of “1. Principle”. Since this normal Raman scattering is basically linear, the fluorescence generated with the same linear is often in the way, and measurement is often difficult for many samples such as industrial products and biological materials.
On the other hand, since the Raman scattering of the present invention is nonlinear, the direction of emitted light is determined. Therefore, it can be spatially distinguished from linear fluorescence whose direction is not determined. Since pulsed light is used to excite vibrations, for example, if a CCD camera with a gate is used as a detector, it can be distinguished in terms of time, and is particularly advantageous for measuring a Raman spectrum from which fluorescence has been removed. It is.
[0013]
(2) Four-wave mixing
As described above, four-wave mixing is a general term for a method of detecting light generated by entering three lights (two pump lights and probe lights). In normal four-wave mixing, pulse light is used for all three lights, and measurement data is obtained by changing the arrival time of pulses or changing the frequency.
In contrast, the features of the present invention can be summarized in the following three points.
1) The third light (probe light) uses a continuous light or a Q switch pulse close to continuous light whose spectrum is close to a single color.
2) Only the spectrum of the generated signal light is measured without changing the arrival time of the pulse or changing the frequency.
3) Light having a broad spectrum is used as one of pump lights.
[0014]
(3) CARS (Coherent anti-Stokes scattering) or CSRS (Coherent Stokes scattering)
As described above, CARS or CSRS spectroscopy is a kind of four-wave mixing. On the other hand, in the present invention, one of pump lights uses light having a wide spectrum, and monochromatic probe light is used. It is different from CARS and CSRS in that it is used and the spectrum of signal light is measured. One of the features is that the measurement time is overwhelmingly fast.
[0015]
(4) Removal of fluorescence in Raman scattering
In general, if the background of fluorescence in the measurement of Raman scattering interferes, for example,
A) When the bulk is measured and the bulk itself emits fluorescence
B) When the bulk is measured and the impurity emits fluorescence
C) When measuring small or trace amounts
are categorized.
To remove such fluorescent background in linear Raman scattering spectroscopy, for example:
1) Time-gating using a time-correlated single-photon counting method with a pulsed excitation light source
2) Using an optical car shutter with a pulsed excitation light source
3) Use polarization difference
4) Use infrared excitation light
5) Use strong light to fade the fluorescent material
Etc. are known. In both cases A) and B), a considerable part can be solved by using the infrared excitation light of 4). However, in the case of C), none of the methods 1) to 5) is sufficiently removed. Originally, Raman scattering and fluorescence are the same secondary optical processes that absorb and emit light. What distinguishes the two depends on how long the polarization produced by the incident light continues to oscillate without changing the phase, and light emission after the phase shift is called fluorescence. Therefore, Raman scattering can be seen when measuring an early part. However, due to uncertainties, if a measurement is performed with a gate only at a part that is too early, the spectrum will spread and the Raman peak will not be understood. In that sense, the above method 2) is naturally limited, and the above 1) is insufficient in time resolution. The above 3) generally cannot be separated with polarized light. The above 4) is not suitable for the measurement of a small amount of contents, and the above 5) is not general because not all of them are discolored and the sample is damaged. In such a case, nonlinear Raman spectroscopy provides an ideal spectroscopy method.
[0016]
3. Schematic configuration for nonlinear Raman spectroscopy
FIG. 2 shows a schematic configuration diagram of an apparatus for realizing the nonlinear Raman spectroscopy method.
This apparatus includes a monochromatic light source 1, a pulse light source 2, a wavelength converter 3, a spectrometer 4, a detector 5, and a branching filter 6, and performs spectroscopic measurement of the sample 10 to be measured.
[0017]
In this example, the sample 10 may be anything that transmits light. In addition, when performing a reflection type spectroscopic measurement, you may be other than a transmissive | pervious thing.
The monochromatic light source 1 is a laser having a narrow spectrum width for generating probe light. The monochromatic light source 1 may be a continuous wave laser such as an argon laser, a helium neon laser, or a YAG laser, but it is more efficient to use a Q switch laser in synchronization with a pulse light source. Examples of such a laser include a Q switch YAG laser and a Q switch YLF laser.
[0018]
The pulse light source 2 is a pulse laser for generating excitation light (pump light). The pulse light source 2 is preferably a laser with a high peak value, such as femtosecond or picosecond pulses. Examples of such a laser include a mode-locked titanium sapphire laser, a regenerated and amplified mode-locked titanium sapphire laser, and a mode-locked YAG laser. The demultiplexer 6 makes the laser beam emitted from the pulse light source 2 a predetermined polarization and branches it toward the wavelength converter 3.
[0019]
The wavelength converter 3 converts the light emitted from the pulse light source 2 into pulse light having a different wavelength and a wide spectrum width and synchronized in time. The excitation light by the wavelength converter 3 is white light or light close to white light, and it is preferable that the frequency difference from the original pulse light source is just about the Raman scattering frequency to be measured. Examples of such a wavelength converter 3 include white light having a wide spectral width generated by applying pulsed light to a water / heavy water mixture or sapphire, or stimulated Raman generated by applying light to a substance such as benzene or acetone. Examples include using scattered light and optical parametric oscillation light.
[0020]
The spectroscope 4 and the detector 5 simultaneously detect signal light to be measured from the sample 10 in a wide wavelength region. The detector 5 can be appropriately used as long as it is a two-dimensional detector other than the CCD. When a CCD detector provided with a time gate is used as the detector 5, separation can be performed in terms of time, which is advantageous in removing fluorescence. Fluorescence can be removed or reduced by adjusting the relationship between the irradiation timing of pump light and the measurement timing and / or measurement time by the time gate.
[0021]
Next, the operation of the nonlinear Raman spectroscopic measurement method will be described.
The light from the pulse light source 2 is demultiplexed by the demultiplexer 6 and becomes one excitation light and the other excitation light converted by the wavelength converter 3. One excitation light from the pulse light source 2 and the other excitation light from the wavelength converter 3 are crossed and irradiated in the substance to be measured 10. Then, the probe light from the monochromatic light source 1 is incident on the transient grating generated in the material to be measured 10 so as to satisfy the Bragg condition, so that the signal light diffracted by the material to be measured by the spectroscope 4 is spectrally resolved. A wide wavelength region is simultaneously measured by the detector 5.
[0022]
The position where the signal light is measured is determined by setting the magnitudes of the wave number vectors of the excitation light 1 and 2, the probe light and the signal light, respectively,1, K2, K3, K4When the phase matching condition k4= K1-K2+ K3Or k4= -K1+ K2+ K3Can be adjusted to meet. In addition, the excitation lights 1 and 2 are synchronized in time and can be specified in polarization, and the probe light is adjusted to be polarized at a predetermined angle from the polarization of the excitation lights 1 and / or 2. be able to. Further, since the polarization of the signal light is determined by the polarization of the excitation light and the probe light, while the fluorescence is determined by the polarization of only the probe light, the fluorescence can be reduced by adjusting the polarization of the probe light. Furthermore, the fluorescence can be removed or reduced by adjusting the relationship between the irradiation timing of the excitation light and the measurement timing and / or measurement time.
[0023]
4). Configuration of nonlinear Raman spectrometer
FIG. 3 shows a configuration diagram of the nonlinear Raman spectroscopic apparatus.
This apparatus performs spectroscopic measurement of the sample 10 to be measured, and similarly to FIG. 2 and the explanation thereof, the monochromatic light source 1, the pulse light source 2, the wavelength converter 3, the spectroscope 4, the detector 5, and the duplexer. 6, and further includes first and second irradiation polarization adjustment units 11 and 12, measurement polarization adjustment unit 13, first to third irradiation direction adjustment units 21 to 23, measurement direction adjustment unit 24, and computer 30. .
[0024]
In the apparatus of this embodiment, as an example, a Q-switched YLF laser is used as the monochromatic light source 1 that generates probe light. The YLF laser has, for example, characteristics with a wavelength of 523 nm and a pulse width of 6 ns. In addition, a mode-locked titanium sapphire laser obtained by amplifying a Ti: S laser (titanium sapphire laser) with a regenerative amplifier (Regen) is used as the pulsed light source 2 that generates pump light. This characteristic is, for example, a pulse laser with a wavelength of 800 nm, a pulse width of 130 fs, 160 mW, and 1 kHz. The beam may be divided immediately at the exit, and the pulse width may be monitored with an autocorrelator. As the wavelength converter 3, white light generation using a water / heavy water mixture is used. A CCD detector is used as the detector 5. Further, the computer 30 inputs the output from the detector 5 and analyzes the measurement result.
[0025]
The first and second irradiation polarization adjustment units 11 and 12 adjust the polarization of the other excitation light and probe light, respectively. The measurement polarization adjustment unit 13 adjusts the polarization of the signal light. The 1st thru | or 3rd irradiation direction adjustment parts 21-23 each adjust the irradiation direction to the to-be-measured substance of one and the other excitation light and probe light. The measurement direction adjustment unit 24 adjusts the measurement direction of the signal light from the substance 10 to be measured. For example, the measurement direction adjusting unit 24 sets the magnitudes of the wave number vectors of the excitation light 1 and 2, the probe light, and the signal light to k, respectively.1, K2, K3, K4When the phase matching condition k4= K1-K2+ K3It is adjusted to meet.
[0026]
Each adjustment of the first and second irradiation polarization adjustment units 11 and 12, the measurement polarization adjustment unit 13, the first to third irradiation direction adjustment units 21 to 23, and the measurement direction adjustment unit 24 is controlled by the computer 30. You may make it adjust manually.
[0027]
Next, the measurement of the Raman peak using such an apparatus will be described.
The pulse laser from the pulse light source 2 including the regenerative amplifier is lowered to about 20 mW with a variable ND filter. If it is too strong, the cell is prevented from being burnt or pierced. Next, this light is divided into two using a duplexer 6 having a λ / 4 plate and a polarizer. On the white light side, the polarization can be made vertical or horizontal through a first irradiation polarization adjustment unit having a λ / 2 plate. The white light side is squeezed with a lens through a wavelength converter 3 made of a 1: 1 mixture of water and heavy water to generate white light. Since white light spreads and is generated, it is returned to parallel light using a lens having a short focal length. In this example, a red filter is placed immediately after this. This is to prevent the detection of what is considered to be the scattering of the short wavelength component of the white light when measuring without a filter, so that it is not possible to know whether the signal is a signal. The other is left as it is, and the two pump lights are squeezed by the lens so that the focal point overlaps at the position of the sample 10. It is possible to adjust the angle and timing of the mirror so that SHG comes out most strongly by placing a BBO crystal at the sample position with some visual observation.
[0028]
Next, the BBO crystal is replaced with a pinhole (50 μm) and pump light is passed through. After both pass through the pinhole, the YLF laser of the monochromatic light source 1 is further squeezed with a lens and passed. The light from the YLF laser of the monochromatic light source 1 can also change the polarization direction by inserting the second irradiation polarization adjustment unit 12 having a λ / 2 plate in the middle.
[0029]
Once all three lights pass through the pinhole, sample 10 (eg CS2: Because the signal is strong), set the timing of the pump and the probe. The timing of the YLF laser of the monochromatic light source 1 is adjusted with a delay time from the timing of the pulse laser from the regenerative amplifier of the pulse light source 2 by an external trigger. The top of the mountain was adjusted so that one of the pump light and the probe light could be monitored with an oscilloscope. The sample emits light when the three beams overlap spatially and temporally, and was used as a landmark. However, when the signal on the high frequency side is weak and cannot be confirmed from the beginning, after making the low frequency region visible, the incident angle of the probe should be reduced and shifted to the high frequency side.
[0030]
FIG. 4 is an explanatory diagram of the arrangement of pump light, probe light, and signal light.
First, in order to see the low frequency region, the incident angles of the pump light and the probe light are set to about 800: 523. This is because the grating spacing of the diffraction grating is given by Λ = λ / (2 sin θ).in: Tanθpr≒ sinθin: Sinθpr= Λin: ΛprBecause it becomes. The two pump lights are considered to be incident symmetrically. In this arrangement, the signal appears in a spot shape in a direction symmetrical to the probe.
[0031]
If you see swaying diffracted light behind the sample, cut off the extra scattered light with an aperture. However, note that the signal emission direction moves slightly when moving to the high frequency side, so it is impossible to detect the signal if the aperture is reduced too much. The signal is collimated with a lens having a focal length of about 150 mm, and is put into a double monochromator with a focal length of 1 m through a polarizing plate. The slit width is about 150 μm and the center wavelength is 19102 cm at the center of the probe light.-1Keep it close. While the signal is monitored by the computer 30, the last polarizing plate is turned so as to reduce Rayleigh scattering. If there is a signal, the spectrum of the probe light spreads. Therefore, the signal is maximized by adjusting the incident angle of the probe light, the timing, and the position of the cell.
[0032]
To detect the Raman peak on the high frequency side, the incident angle θ of the probe lightprShould be reduced. Ideally, the high frequency side can be seen only with the angle and timing of the probe, but the pump light spreads in time due to the effect of group velocity dispersion when white light is used. You also have to adjust the timing. Furthermore, since the center wavelength of the double monochromator must also be changed, the following three steps were repeated to move to a position where there was a peak.
(1) Center wavelength of double monochromator is 200cm-1Increase the rank.
(2) Confirm that the signal is output.
(3) Adjust the incident angle and timing of the probe light and the timing of the pump light so that the high frequency side becomes stronger.
1000cm with this method-1CS2And the Raman line of benzene could be detected. Actually, even if the angle of the probe is not moved much, it may be possible to see the high frequency side only by the timing of the pump light. This is considered to be because components with various incident angles already exist because the widened probe is narrowed by the lens.
[0033]
Figure 5 shows the CS2An example of the measurement data of the Raman peak of benzene and benzene is shown. Although the measurement time is as short as about 5 seconds, for example, data with a good S / N ratio was obtained.
[0034]
5. Measurement theory
Next, the theory of measurement of nonlinear Raman spectroscopy will be described in detail.
5.1. Four-wave mixing
In the frequency domain four-wave mixing spectroscopy, two pump lights (excitation light) having a short pulse width are condensed on a sample, and probe light is incident on another pulse having a wide pulse width. At this time, the electronic state of the molecule (atom) in the sample and the energy state of the rotation / vibration motion of the molecule are excited by the energy difference between the two pump lights in the sample. At this time, if the energy difference and the vibration frequency are the same, a Raman shifted peak appears in the spectrum separately from the center wavelength of the probe.
[0035]
According to another interpretation, a diffraction grating that disappears in a short time due to the interaction between the interference fringes of the two pump lights and the vibration of the substance is formed on the sample, and the signal light is in phase matching condition k = k.1-K2+ K3Strongly diffracted in the direction satisfying At this time, the frequency of the signal light is the Doppler effect caused by the collision with the moving diffraction grating, and ω = ω1−ω2+ Ω3It has become. This shows that the original frequency is added to the frequency corresponding to the vibration of the molecule of the substance, which is equivalent to measuring Raman scattering.
[0036]
Consider a case in which two pump lights with short pulses and probe light that can be regarded as approximately CW are incident on the sample. Two pump lights Em(R, t) = Em(T) e m t-ik m ・ R(M = 1, 2), probe light is E3(R, t) = E3e 3 t-ik 3 ・ RAnd Em(R, t) is time tmIs incident on the sample. The i-th component P of the third-order nonlinear polarization at this timei(R, t) can be written as:
[0037]
[Expression 1]
Figure 0003691813
[0038]
Where ωmAnd kmIs the electric field frequency and wave vector. t '= t-t3, T ″ = t3-T2, Ω ’= ω1−ω2+ Ω3K = k1-K2+ K3It is. t12Is the time difference between pump 1 and pump 2, χijkl(T ′, t ″) is the ijkl component of the third-order nonlinear susceptibility tensor of the four-wave mixing process. The response of the substance is the response function RijklDerived from linear response theory using (t). k = k1-K2+ K3The polarization propagating in the direction of is written formally as follows.
[0039]
[Expression 2]
Figure 0003691813
[0040]
Since the spectrum of the diffracted signal generated by this polarization is a Fourier transform of the time correlation function, it is as follows.
[0041]
[Equation 3]
Figure 0003691813
[0042]
Where Δω = ω−ω3Ω is the frequency of the diffracted light. PiSubstituting (t) into this, k = k1-K2+ K3Focusing only on the terms that proceed in the direction of
[0043]
[Expression 4]
Figure 0003691813
[0044]
Where G(2) 1k2lIs a second-order correlation function of the two pump lights, and indicates that the tilde is Fourier transformed. In the experiment, there is no time difference between the pump lights, and t12= 0. Thus, looking at the spectrum of the signal is equivalent to looking at the square of the absolute value of the frequency response function of the material and the cross-correlation function of the pump light.
[0045]
Under the condition of non-resonance and the Born-Openheimer approximation, the substance response function Rijkl(T) is divided into terms of nuclear response and electron immediate responseijkl(T) = σijklδ (t) + Nijkl(T). The term σ represents the immediate response of electrons, and δ (t) is Dirac's δ function. N (t) is a nuclear response function. This RijklSubstituting into the previous spectral equation, we get
[0046]
[Equation 5]
Figure 0003691813
[0047]
Since the δ function is integrated, there is no tilde in σ. From this equation, it can be seen that if the correlation function G of the two pump lights is sufficiently widened, the frequency response function of the substance can be observed directly as a broadened spectrum of the probe. From a different perspective, the interpretation is similar to the diffraction grating described in the introduction.
[0048]
5.2. Polarization selection
Since the signal obtained by this spectroscopic method is proportional to the square of the response function, it is inevitable that the response of electrons and nuclei will be mixed. However, in this spectroscopic method, the polarization of the four beams can be freely selected, and if one is set appropriately, one of the responses can be eliminated. For example, both the polarizations of the pump light are kept horizontal, and this is taken as the x-axis. The probe is tilted 45 ° counterclockwise.
[0049]
FIG. 6 is an explanatory diagram for the polarization of pump light, probe light, and signal light.
If the polarization of the signal is ψ, the polarization due to the response of each of the electron σ and the nucleus N is as follows.
[0050]
[Formula 6]
Figure 0003691813
[0051]
The meaning of the subscript is proportional to the x and y components of the polarization of the signal, probe, pump 2 and pump 1 from the left. For generally isotropic materials, σyyxx/ Σxxx= 1/3, Nyyxx/ NxxxBecause there is a relationship
[0052]
[Expression 7]
Figure 0003691813
[0053]
It becomes. Since the polarization is 180 ° rotationally symmetric, the response function can eventually be written as:
[0054]
[Equation 8]
Figure 0003691813
[0055]
Therefore, if the polarization of the signal is set to 108.4 ° or 63.4 °, only the response of electrons and nuclei can be obtained.
[0056]
【The invention's effect】
The present invention has, for example, the following specific effects.
(1) Since it is nonlinear Raman spectroscopy, the background of fluorescence can be removed.
(2) A wide frequency range can be measured at a time, and a short-time measurement is possible. (CS2If the signal is strong like this, the measurement time is about 5-30 seconds, for example, and sufficiently clean data can be obtained. )
(3) No need for a variable frequency laser makes the device simple.
(4) It is possible to measure a high-resolution Raman spectrum using pulses without being limited by uncertainty.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory diagram of the principle of nonlinear Raman measurement.
FIG. 2 is a schematic configuration diagram of an apparatus for realizing a nonlinear Raman spectroscopy method.
FIG. 3 is a configuration diagram of a nonlinear Raman spectroscopic apparatus.
FIG. 4 is an explanatory diagram of the arrangement of pump light, probe light, and signal light.
FIG. 5 CS2The figure of the measurement data of the Raman peak of benzene and benzene.
FIG. 6 is an explanatory diagram of polarization of pump light, probe light, and signal light.
[Explanation of symbols]
1 Monochromatic light source
2 Pulse light source
3 Wavelength converter
4 Spectrometer
5 Detector
6 duplexer
10 Sample to be measured
11, 12 First and second irradiation polarization adjustment units
13 Measurement polarization adjuster
21-23 1st-3rd irradiation direction adjustment part
24 Measuring direction adjuster

Claims (13)

方の励起光と、一方の励起光と同期し、該一方の励起光よりもスペクトル幅の広い他方の励起光とを被測定物質に交叉させて照射し、
被測定物質中で生じた過渡格子に、単色又はほぼ単色プローブ光を、ブラッグ条件を満足するように入射し、
被測定物質で非線形ラマン散乱により回折された信号光をスペクトル分解し、測定すべき信号光を検出することにより、
非線形ラマンピークを測定する非線形ラマン分光方法。
And hand pump light synchronized one same excitation light said, and broad other excitation light spectral width than said one of the excitation light irradiated by crossing the substance to be measured,
The transient grating generated by the measurement substance, a monochromatic or nearly monochromatic probe light incident to satisfy the Bragg condition,
By analyzing the spectrum of the signal light diffracted by the nonlinear Raman scattering of the measured substance and detecting the signal light to be measured ,
A nonlinear Raman spectroscopy method for measuring a nonlinear Raman peak.
他方の励起光は、白色光又はほぼ白色光光であることを特徴とする請求項1に記載の非線形ラマン分光方法。The other excitation light, nonlinear Raman spectroscopy method of claim 1, characterized in that the light of the white light or nearly white light. 信号光を測定する位置は、一方及び他方の励起光、プローブ光及び信号光の波数ベクトルの大きさをそれぞれk、k、k、kとするとき、位相整合条件k=k−k+kまたはk=−k+k+kを満たすように調整されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の非線形ラマン分光方法。The position where the signal light is measured is that the phase matching condition k 4 = k when the magnitudes of the wave number vectors of one and the other of the excitation light, the probe light, and the signal light are k 1 , k 2 , k 3 , and k 4 3. The nonlinear Raman spectroscopic method according to claim 1, wherein the nonlinear Raman spectroscopic method is adjusted to satisfy 1 −k 2 + k 3 or k 4 = −k 1 + k 2 + k 3 . 一方の励起光及び他方の励起光は、時間的に同期し、且つ、
プローブ光、一方及び他方の励起光の偏光方向を調整することにより、非線形感受率テンソルのいろいろな成分を測定できることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の非線形ラマン分光方法。
One excitation light and the other excitation light are synchronized in time, and
4. The nonlinear Raman spectroscopic method according to claim 1, wherein various components of the nonlinear susceptibility tensor can be measured by adjusting the polarization directions of the probe light and the one and other excitation lights.
プローブ光の偏光を調整することにより、蛍光を除去又は減少することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の非線形ラマン分光方法。  The nonlinear Raman spectroscopic method according to claim 1, wherein fluorescence is removed or reduced by adjusting the polarization of the probe light. 励起光の照射タイミングと、測定タイミング及び/又は測定時間との関係を調整することにより、蛍光を除去又は減少することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の非線形ラマン分光方法。  6. The nonlinear Raman spectroscopic method according to claim 1, wherein fluorescence is removed or reduced by adjusting a relationship between an irradiation timing of excitation light and a measurement timing and / or a measurement time. 単色又はほぼ単色プローブ光を発生する単色光源と、
方の励起光を発生するパルス光源と、
前記パルス光源からの一方の励起光に基づき、該一方の励起光と同期し、該一方の励起光よりスペクトル幅の広い他方の励起光に変換する波長変換器と、
被測定物質により回折された信号光をスペクトル分解する分光器と
を備え、
前記パルス光源からの一方の励起光と前記波長変換器からの他方の励起光とを被測定物質中で交叉させて照射し、被測定物質中で生じた過渡格子に前記単色光源からのプローブ光をブラッグ条件を満足するように入射することにより、前記分光器で被測定物質で非線形ラマン散乱により回折された信号光をスペクトル分解して測定する非線形ラマン分光装置。
Monochromatic or monochromatic light source for generating substantially monochromatic probe light,
A pulse light source for generating a hand of the excitation light,
Based on one excitation light from the pulsed light source, a wavelength converter that synchronizes with the one excitation light and converts the other excitation light having a wider spectrum width than the one excitation light;
And a spectrometer for spectral decomposition of the signal beam diffracted by the substance to be measured,
One excitation light from the pulsed light source and the other excitation light from the wavelength converter are irradiated in a crossing manner in the material to be measured, and probe light from the monochromatic light source is applied to the transient grating generated in the material to be measured. Is a nonlinear Raman spectroscopic apparatus that spectrally decomposes and measures the signal light diffracted by nonlinear Raman scattering by the substance to be measured by the spectrometer.
前記パルス光源からの一方の励起光を所定の偏光とし、且つ、前記波長変換器へ向けて分岐する分波器をさらに備えた請求項7に記載の非線形ラマン分光装置。  The nonlinear Raman spectroscopic apparatus according to claim 7, further comprising: a demultiplexer that makes one excitation light from the pulse light source have a predetermined polarization and branches toward the wavelength converter. 他方の励起光及びプローブ光の偏光をそれぞれ調整するための第1及び第2の照射偏光調整部をさらに備えた請求項7又は8に記載の非線形ラマン分光装置。  The nonlinear Raman spectroscopic apparatus according to claim 7 or 8, further comprising first and second irradiation polarization adjustment units for adjusting the polarization of the other excitation light and probe light, respectively. 信号光の偏光をそれぞれ調整するための測定偏光調整部をさらに備えた請求項7乃至9のいずれかに記載の非線形ラマン分光装置。  The nonlinear Raman spectroscopic apparatus according to claim 7, further comprising a measurement polarization adjustment unit for adjusting the polarization of the signal light. 一方及び他方の励起光、プローブ光の被測定物質への照射方向をそれぞれ調整するための第1乃至第3の照射方向調整部と、
被測定物質からの信号光の測定方向を調整するための測定方向調整部と
をさらに備えた請求項7乃至10のいずれかに記載の非線形ラマン分光装置。
First to third irradiation direction adjusting units for adjusting the irradiation directions of the one and other excitation light and probe light to the measurement target material,
The nonlinear Raman spectroscopic apparatus according to claim 7, further comprising a measurement direction adjustment unit for adjusting a measurement direction of the signal light from the substance to be measured.
前記測定方向調整部は、一方及び他方の励起光、プローブ光及び信号光の波数ベクトルの大きさをそれぞれk、k、k、kとするとき、位相整合条件k=k−k+kまたはk=−k+k+kを満たすように調整されていることを特徴とする請求項11に記載の非線形ラマン分光装置。When the magnitudes of the wave number vectors of one and the other of the excitation light, the probe light, and the signal light are k 1 , k 2 , k 3 , and k 4 , respectively, the measurement direction adjusting unit is phase matching condition k 4 = k 1 The nonlinear Raman spectroscopic apparatus according to claim 11, wherein the nonlinear Raman spectroscopic apparatus is adjusted so as to satisfy −k 2 + k 3 or k 4 = −k 1 + k 2 + k 3 . 前記波長変換器は、水/重水の混合物、サファイア、ベンゼン、アセトンまたは非線形結晶のいずれかを有することを特徴とする請求項7乃至12のいずれかに記載の非線形ラマン分光装置。  The nonlinear Raman spectroscopic apparatus according to claim 7, wherein the wavelength converter includes any one of a water / heavy water mixture, sapphire, benzene, acetone, or a nonlinear crystal.
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