JP3687248B2 - 粒度分布測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レ−ザ−回折・散乱法を用いて粉粒体の粒度分布を測定する湿式粒度分布測定装置、特に三方弁或いはON/OFF弁等を無くして配管系全体の洗浄を一層完全とし試料懸濁液の回収等も容易とすることのできる粒度分布測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
レ−ザ−回折・散乱法の湿式粒度分布測定装置は、適当な液の中に粉粒体を分散させたもの(試料懸濁液)を光学系の検出部に連続供給し、そこから得られる回折光・散乱光の強度分布から粒度分布を求める装置である。この場合、試料懸濁液を分散させ、連続供給できしかもその液の交換が容易であるサンプリング装置が必要である。図4は、このようなサンプリング装置の例である。即ち、このサンプリング装置Aは、媒液供給管路2と、攪拌用プロペラ3を入れ超音波発振器4を取り付けた試料槽1と、送液用管路5の途中に配置した送液用ポンプ6と、送液用管路5と排液用管路7との交点に配置した三方弁8と、光学系20を通過して前記試料槽1へ測定した懸濁液を戻すための帰還液用管路9と、で構成される。
【0003】
また、図5に示すように、連続供給用のサンプリング装置Bとして、媒液供給管路2と、攪拌用プロペラ3を入れ超音波発振器4を取り付けた試料槽1と、送液用管路5の途中に配置した送液用ポンプ6と、該送液用管路5から排液用管路7を接続し該排液用管路7の途中に配置したON/OFF弁10と、光学系20を通過して前記試料槽1へ測定した懸濁液を戻すための帰還液用管路9と、で構成されるものも知られている。
【0004】
前記サンプリング装置の光学系20は、図6に示すように、レ−ザ−光源21と、集光レンズ22と、空間フィルタ23と、コリメ−トレンズ24と、フロ−セル25と、散乱光集光用レンズ26と、回折・散乱光センサ(リングセンサ)27と、アンプやAD変換装置等を内蔵した通信・制御部28と、コンピュ−タ29と、で構成される。なお、前記フロ−セル25の後方や側方には後方散乱光センサ30や側方散乱光センサ31等が配置される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記する従来のサンプリング系で使用される排液切換用の三方弁8やON/OFF弁10等では、バルブのシ−ル部に試料粒子が付着してシ−ルの劣化が起こりやすいという問題がある。特に、図5に示すようなサンプリング装置Bでは、分岐部の排液用管路7のON/OFF弁10の上に試料粒子の堆積が生じやすいため循環中でも濃度の経時変化を引き起こす可能性が高い。また、試料懸濁液の排液ラインと配管洗浄時の排液ラインは共通であるため試料懸濁液の回収、再利用がしにくいという問題がある。
【0006】
この発明は上記する課題に対処するためなされたものであり、循環路や排液管路途中の三方弁やON/OFF弁を廃止し、しかも配管全体の構成を単純とし洗浄をより一層完全として粒度分布測定も正確となり、試料懸濁液の回収・再利用等も容易で安価な粒度分布測定装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、この発明は、上記する課題を解決するするために、請求項1に記載の発明は、試料懸濁液を攪拌混合するための試料槽と、該試料槽に接続した送液管路と、該送液管路より送液された試料懸濁液にレ−ザ光を照射し粒度分布を測定する光学系と、該光学系で測定された試料懸濁液を前記試料槽に帰還させる帰還液用管路と、廃液槽と、より成る粒度分布測定装置において、
前記帰還液用管路を、U字形の管路の前記試料槽側でない側の一方とフレキシブルチュ−ブとを固定部に設けたガイドホルダを通して上下移動及び回転可能に接続して構成し、前記U字形の管路の前記試料槽側の他方の端部を、前記試料槽と廃液槽と試料回収容器のいずれかに向けて固定可能とし、固定部に設けた前記ガイドホルダに前記U字形の管路の試料槽側でない前記一方を摺動可能に嵌合させて通すと共に、該U字形の管路の一方には、嵌め換え可能で且つ回転不能に前記ガイドホルダに着脱固定することのできるガイドを固定したことを特徴とする換え可能で且つ回転不能に前記ガイドホルダに着脱固定することのできるガイドを固定したことを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の具体的な実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この発明の粒度分布測定装置の説明において、重複記載を避けるため同一要素には従来技術の説明で使用した符号と同一の符号を用いて説明する。
図1はこの発明の粒度分布測定装置の構成図であり、図2はこの発明の粒度分布測定装置で用いる試料懸濁液帰還用管路の構成を示す斜視図である。
この粒度分布測定装置は、試料懸濁液を攪拌混合するための試料槽1と、該試料槽1の下部に接続した送液管路5と、該送液管路5途中に配置したポンプ6と、該送液管路5より送液された試料懸濁液にレ−ザ光を照射し粒度分布を測定する光学系20と、該光学系20で測定された試料懸濁液を前記試料槽1に帰還させる帰還液用管路11と、で構成される。
【0009】
前記試料槽1内には、モ−タMで駆動される攪拌用プロペラ3が設置され、また外側には超音波発振器4が取り付けられることもある。尚、超音波発振器4には投入式のもの(図1の想像線4aに示す)もある。
図2に示すように、前記帰還液用管路11は、U字形の管路の一方の途中にガイド13を固定した管路11aと、フレキシブルチュ−ブ11bとで構成されている。そして前記管路11aの一方は、装置のケ−ス等の固定部に固定して設置されたガイド14を貫通させて前記チュ−ブ11bに接続されている。この場合、管路11aはガイド14に設けたガイド用ベアリング(図示省略)に摺動可能に嵌合させて通してある。このため、管路11aを回転させる場合、その動作をスム−ズに行うことができる。
【0010】
図2に示すように、前記管路11aに設けたガイド13には、横方向に突出する棒状の凸起13aを設け、前記ガイドホルダ14には、該棒状の凸起13aを嵌め入れる複数の切欠部14a,14a,・・をその端部に周設してある。
即ち、後述するように、U字形の管路11aは、上方に少し引き上げて回転させ、該U字形の管路11aのガイド13を設けていない方を、試料槽1か、排液槽16か、回収容器17か、のいずれかに挿入するが、この管路11aを上方に引き上げ且つ回転させて下ろし、ガイド13の棒状の凸起13aを、ガイドホルダ14の切欠部14a,14a,・・に嵌め入れたとき、管路11aが勝手に回転しないようにしてある。
【0011】
こうしてU字形の管路11aに固定したガイド13と、装置の固定部に固定して設けたガイドホルダ14とは、該管路11aを上下移動及び回転させることにより、嵌め換え可能で且つ回転不能に固定することができる。この場合、U字型の管路11aを上下移動或いは回転させるとチュ−ブ11bも上下移動或いは回転するが、チュ−ブ11bはフレキシブルなチュ−ブであるから該管路11aの上下移動や回転に追随させることが可能であり、また、回転により閉塞することはない。
【0012】
なお、上記実施の形態において、前記管路11aのガイド13には棒状の凸起13aを設け、ガイドホルダ14には該棒状の凸起13aを嵌め入れる切欠14a,14a,・・を設けたが、ガイド13の端面の周方向一定間隔に凸起を設けると共にガイドホルダ14の端面の周方向一定間隔に該凸起を嵌め入れる凹部を設けてもよい。
【0013】
上記構成からなるこの粒度分布測定装置において、試料懸濁液を光学系の検出部に連続供給する場合と、排液する場合と、試料懸濁液を回収する場合について図3を参照して説明する。
(1)試料懸濁液を光学系に連続供給する場合、
帰還液用管路11のU字型の管路11aを少し持ち上げて、該管路11aのガイド13を設けていない側の先端が試料槽1に入るように向けて、棒状の凸起13aをガイドホルダ14の切欠部14a,14aに嵌め入れてこれらガイド13とガイドホルダ14を回転しないように固定させる。この状態で試料懸濁液を試料槽1で攪拌し、ポンプ6で送液し光学系20で粒度分布を測定する。
(2)試料懸濁液を排液する場合、
帰還液用管路11のU字型の管路11aを少し持ち上げ、該管路11aのガイド13を設けていない側の先端が排液槽16に入るように向けて回転させて下ろし、棒状の凸起13aをガイドホルダ14の切欠部14a,14aに嵌め入れてこれらガイド13とガイドホルダ14を回転しないように固定させる。この状態で試料懸濁液を排液する。
(3)試料懸濁液を回収する場合、
帰還液用管路11のU字型の管路11aを少し持ち上げ、該管路11aのガイド13を設けていない側の先端が回収容器17に入るように向けて回転させて下ろし、棒状の凸起13aをガイドホルダ14の切欠部14a,14aに嵌め入れてこれらガイド13とガイドホルダ14を回転しないように固定させる。この状態で試料懸濁液を回収する。
【0014】
なお、この粒度分布測定装置の配管全体を洗浄するときには、試料懸濁液を排液或いは回収した後、帰還液用管路11を持ち上げて、該管路11aのガイド13を設けていない側の先端が試料槽1に入るように向けて下ろし、洗浄液を光学系20に連続供給する状態としてポンプ6を駆動して全体を洗浄し、ポンプを休止させる。再び管路11を持ち上げ、回転させて排液槽16へ向け、ポンプを作動させて洗浄液を排出する。この動作を数回繰り返す。
【0015】
この粒度分布測定装置においては、試料懸濁液の連続供給、排液、回収、洗浄のいずれの場合においても、粒度分布測定装置の管路のどこにも三方弁8やON/OFF弁10(図4、図5参照)等を使用しないため、試料懸濁液がこの管路の途中のいずこかに堆積したり、付着することはない。
【0016】
この発明の粒度分布測定装置の上記実施の形態においては、帰還液用管路11では、U字形の管路11aの途中に棒状の凸起13aを設けた切り換え用ガイド13を設け、固定部のガイドホルダ14には、前記棒状の凸起13aを嵌め入れる切欠14a,14a,・・を設け、該管路11aを持ち上げ、回転させて試料槽1か、排液槽16か、回収容器17へ流路方向を切り換えるようにした。しかし、切換手段は上下移動及び回転の動き以外に平行移動させたり、クイックコネクタを用いたつなぎ換え手段でもよい。
【0017】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明の粒度分布測定装置によれば、試料懸濁液の循環路のどこにも三方弁やON/OFF弁等を設けないため、配管路全体が単純となり試料粒子が堆積する場所は殆どなくなる。したがって、試料懸濁液に他の懸濁液の粒子の混入の恐れもなくなり、粒度分布測定がより正確となる。また、三方弁やON/OFF弁を使用しないため装置も安価となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の粒度分布測定装置の構成図である。
【図2】この発明の粒度分布測定装置で用いる試料懸濁液帰還用管路の構成を示す斜視図である。
【図3】この発明の粒度分布測定装置で用いる試料懸濁液帰還用管路を、それぞれ試料槽と、排液槽と、回収容器に切り換える場合の平面図である。
【図4】従来の粒度分布測定装置の試料サンプリング装置の構成を示す例図である。
【図5】従来の粒度分布測定装置の試料サンプリング装置の構成を示す他の例図である。
【図6】粒度分布測定装置で用いられる光学系の例図である。
【符号の説明】
1 試料槽
2 媒液供給管路
3 プロペラ
4 超音波発振器
5 送液管路
6 ポンプ
11 帰還液用管路
11a U字形管路
11b フレキシブルチュ−ブ
13 ガイド
13a 凸起
14 ガイドホルダ
14a 切欠
16 排液槽
17 回収容器
Claims (1)
- 試料懸濁液を攪拌混合するための試料槽と、該試料槽に接続した送液管路と、該送液管路より送液された試料懸濁液にレ−ザ光を照射し粒度分布を測定する光学系と、該光学系で測定された試料懸濁液を前記試料槽に帰還させる帰還液用管路と、廃液槽と、より成る粒度分布測定装置において、
前記帰還液用管路を、U字形の管路の前記試料槽側でない側の一方とフレキシブルチュ−ブとを固定部に設けたガイドホルダを通して上下移動及び回転可能に接続して構成し、前記U字形の管路の前記試料槽側の他方の端部を、前記試料槽と廃液槽と試料回収容器のいずれかに向けて固定可能とし、固定部に設けた前記ガイドホルダに前記U字形の管路の試料槽側でない前記一方を摺動可能に嵌合させて通すと共に、該U字形の一方の管路には、嵌め換え可能で且つ回転不能に前記ガイドホルダに着脱固定することのできるガイドを固定したことを特徴とする粒度分布測定装置。
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