JP3686948B2 - Method for forming self-regenerating carbon nanotube / graphite mixed film - Google Patents

Method for forming self-regenerating carbon nanotube / graphite mixed film Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、自己再生型カーボンナノチューブ・グラファイト混合膜の形成方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、走査プローブ顕微鏡の探針、電界放射材料、水素吸収材料、耐食性皮膜材料、低ガス放出性真空材料、電極材料等として有用なカーボンナノチューブをグラファイトとの混合膜として再生可能に金属表面に形成することのできる新しい方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、カーボンナノチューブの代表的な創製方法として、アーク蒸発法(文献1および2)やレーザー蒸発法(文献3)、あるいはまた一般にCVD法と呼ばれている化学気相蒸着法(以下、CVD法と称す)(文献4)等が知られているが、これら従来の方法は、いずれも気相状態にした炭素を直接基体の表面へ供給する方法であり、カーボンナノチューブが創製される速度は気相中の分子もしくは原子が表面に衝突する頻度に依存するため、複雑な形状をした基体の全面にカーボンナノチューブを簡便、かつ効率的に、均一に被覆することは困難であった。
【0003】
【文献】
1:特開2002−249306号公報
2:特開2002−201014号公報
3:特開2002−80211号公報
4:特開2002−180252号公報
【0004】
そこで、この出願の発明は従来技術の問題点を解消して、複雑形状をしている基体であっても、カーボンナノチューブを簡便、かつ効率的に、しかも均一に生成被覆することのできる新しい技術手段を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、炭素を固溶させたニッケル−炭素合金を1×10 -6 Torr未満の真空減圧下で炭素固溶限温度以上に加熱した後に0.1K/分〜100K/分の冷却速度で冷却して前記合金表面にカーボンナノチューブとグラファイトの混合膜を形成することを特徴とする自己再生型カーボンナノチューブ・グラファイト混合膜の形成方法を提供し、第2には、ニッケル−炭素合金の炭素濃度は2.7at%以下の範囲とする上記カーボンナノチューブ・グラファイト混合膜の形成方法を提供する。
【0006】
さらにこの出願の発明は、第3には、炭素固溶ニッケル−炭素合金を1×10 -6 Torr未満の真空減圧下で炭素固溶限温度以上に加熱した後に0.1K/分〜100K/分の冷却速度で冷却することを特徴とする炭素固溶ニッケル−炭素合金の表面に偏析されたカーボンナノチューブ・グラファイト混合膜を提供し、第4には、炭素固溶ニッケル−炭素合金の炭素濃度が2.7at%以下であることを特徴とするカーボンナノチューブ・グラファイト混合膜を、第5には、上記いずれかの混合膜を有することを特徴とする物品を、また第6には、トンネル顕微鏡微細探針であることを特徴とする物品を提供する。
【0008】
以上のとおりのこの出願の発明は、発明者により見出された全く新しい技術的知見、すなわち炭素を固溶したニッケル合金を真空中で炭素偏析および炭素析出の熱処理を施す場合、表面にグラファイトとカーボンナノチューブの混合層が生成されるとの知見に基づいて完成されたものである。
【0009】
この出願の発明を図1に沿って原理的に説明すると、まず、(A)炭素を固溶したニッケル−炭素合金(C-doped Ni)を、(B)真空減圧下において、炭素の固溶限直上の温度にまで加熱すると、固溶していた炭素は合金の表面に偏析する。そして、(C)温度を固溶限直下にまで降下させるとニッケル−炭素合金の表面にはカーボンナノチューブとグラファイトの混合層が生成される。
【0010】
この出願の発明の方法は、以上のとおりの機序に基づくものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
この出願の発明は、上記のとおりの特徴をもつものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0012】
まず、この出願の発明に使用するニッケル−炭素合金としては、好適には、ニッケルに対して炭素を0.1〜2.7at%の範囲で固溶させたものが考慮される。上限を2.7at%については、図2に示されているように、炭素のニッケルに対する最大固溶量が2.7at%であることに基づいている。
【0013】
ニッケル−炭素合金には、他の金属元素が添加されてもよいが、金属元素は炭化物を生成しないものであることが必要であり、添加に好適な金属元素としてはたとえばコバルト(Co)やパラジュウム(Pd)が考慮される。
【0014】
炭素を0.1〜2.7at%の範囲で固溶したニッケル−炭素合金の作製には、たとえば図3に例示したような装置を用いることができる。この装置は、グラファイト容器(3)、高温炉(4)、超高真空容器(5)、PID温度制御電源(6)、真空計(7)、ターボ分子ポンプ(8)、粗引きポンプ(9)を備えており、グラファイト容器(3)内にニッケル(1)とグラファイト粉末(2)を装填して超高真空高温に保持することにより、炭素をニッケルへ固溶させることができる。この方法は一般に拡散固溶法と呼ばれている。そして、たとえば、このようにして作製したニッケル−炭素合金の表面を研磨した後、充分に清浄化処理をする。
【0015】
得られた炭素固溶ニッケルー炭素合金について、この出願の発明では真空減圧下に炭素固溶温度以上に加熱し、次いで冷却する。この際の真空減圧の条件については、通常、1×10-6Torr未満の、たとえば1×10-8Torr、さらには1×10-9Torr未満の超高真空領域にまで減圧することが望ましい。1×10-6Torrよりも高い圧力の雰囲気では酸化反応が顕著になり、析出した炭素がCOに酸化されて気化してしまう。このため酸化によるCO放出を最小限にするためには、真空度は高いほど望ましい。
【0016】
また、炭素固溶限温度以上での加熱保持時間は最低1時間以上保持することが望ましい。長いほど表面層の安定化と平坦化が進む。炭素の析出の度合と、表面層の安定化、平坦化を考慮して実際の保持時間を定めることができる。
【0017】
固溶限度温度以下への冷却速度については、一般に冷却速度は遅い方が炭素ナノチューブの成長が促進されるので長いナノチューブが形成されやすく、また、冷却速度が速い程、成長核密度が増大するが、長さは短くなることを考慮して、通常は、炭素ナノチューブの成長可能な温度範囲として、0.1K/分から100K/分までとすることができる。
【0018】
たとえば冷却速度を1K/分〜30K/分の範囲とすること等が考慮される。
【0019】
この出願の発明においては外部から炭素源を供給することなくニッケル−炭素合金の表面にカーボンナノチューブとグラファイトの混合層を形成することができる。
【0020】
したがって、この出願の発明では、たとえ、要求される基体の形状が複雑であっても、基体であるニッケル−炭素合金の形状そのものを所望の形状に成形しておくことで全表面に均一にカーボンナノチューブとグラファイトの混合層を形成することができる。
【0021】
このような特徴は、基体の裏面まで均一に被覆することが困難であった従来法のアーク蒸発法、レーザー蒸発法、CVD法等の方法に比較して優れた利点である。
【0022】
しかも、この出願の発明によれば、内部に固溶した炭素原子濃度が充分であれば、たとえ、カーボンナノチューブとグラファイトの混合層が剥離したとしても、同じ熱処理を繰り返すことにより再びカーボンナノチューブとグラファイトの混合層の析出が可能となる、いわゆる自己再生機能が実現される。
【0023】
そして、この出願の発明で創製されるものはカーボンナノチューブとグラファイトの混合層であり、基板のニッケルに比較して安定で耐酸化性が優れており、走査プローブ顕微鏡の探針として好適である。しかも、表面層は導電性のグラファイトとカーボンナノチューブの混合層により被覆されているため燃料電池の電極材料などの耐食性と電気伝導性が要求される材料に適している。
【0024】
グラファイトと炭素ナノチューブの混合割合は熱処理条件及び初期炭素濃度により制御することができる。たとえば、炭素固溶濃度が大きいほど、また、冷却速度が大きいほど、表面への炭素供給速度が大きくなり、ナノチューブ化の為の核形成が起こりやすく、ナノチューブの表面密度は大きくなる。しかし、冷却速度が大きすぎるとナノドット化の段階で成長が止まるので、長いナノチューブの成長が阻害される。
【0025】
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって発明が限定されることはない。
【0026】
【実施例】
<実施例1>
図3の装置を用いて、純度99.995%の高純度ニッケル(111)単結晶の板状試料(1)と純度99.99%の高純度グラファイト粉末(2)をグラファイト容器(3)内に装填し、超高真空高温炉(5)中で約1045Kに保持してニッケルのバルク中へ炭素を0.3at%拡散固溶させた。この炭素の固溶量と温度の関係については図2の炭素−ニッケル(C−Ni)2元系の状態図から求めることができる。
【0027】
そして、得られた炭素固溶ニッケル単結晶をアルミナの微粉末で表面研磨し、アセトン液中に浸しながら超音波クリーナで清浄化処理をして充分に脱脂した。
【0028】
次いで、炭素固溶ニッケル単結晶試料を超高真空高温装置に入れて1150Kの温度に加熱して5〜6時間程度保持した。試料表面は、グラファイトからなる炭素表面偏析状態となる。この炭素の表面偏析状態は1195〜1045Kの温度範囲において生成することが確認されている。その後、2.5K/minの速さで冷却すると、温度が850Kあたりでカーボンナノチューブとグラファイト混合層が形成されることが確認された。
【0029】
図4はニッケル合金基体の表面に析出したカーボンナノチューブの走査トンネル顕微鏡(STM)写真である。このSTM写真においてグラファイトとカーボンナノチューブが成長している下地テラスはグラファイト(0001)基底面である。グラファイトとカーボンナノチューブとの混合状態が確認される。そして、カーボンナノチューブによる表面被覆割合は約3%である。なお、この他にも走査オージェ顕微鏡や走査電子顕微鏡により同定した。そして、図5は図4と同じものの断面プロファイルである。
<実施例2>
実施例1と同様にして、約1at%の炭素を固溶させた多結晶ニッケルワイヤの表面に、カーボンナノチューブ・グラファイトの混合膜を形成させた。図6に模式的に示したように、ワイヤの先端にはカーボンナノチューブ探針が形成された。このカーボンナノチューブ探針で珪素(Si)(111)表面を観測したところ、原子分解能の像が安定して得られ、高分解能かつ長寿命、さらに再生可能な探針として利用することが可能であることが確認された。図7はカーボンナノチューブ探針により計測した珪素(111)表面の走査トンネル顕微鏡写真である。
【0030】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、ニッケル−炭素合金を高真空中で加熱処理をするだけで任意の形状の基材表面にカーボンナノチューブとグラファイト混合層を均一に形成することが可能となる。混合層は安定で電導性を有しているため走査プローブ顕微鏡の探針や燃料電池等の電極材料に適している。さらに自己再生機能を有しており、高価な部品に使用しても何度でも再利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機序を原理的に示した図である。
A:炭素完全固溶状態を示したものであり、
B:固溶限直上に保持した炭素表面偏析状態を示したものであり、
C:固溶限直下に保持した炭素表面析出状態を示したものである。
【図2】固溶限の温度依存性を示した炭素−ニッケル(C−Ni)2元系の状態図である。
【図3】拡散固溶法によるニッケル試料へ炭素を固溶させるための装置の模式図である。
【図4】炭素を固溶させたニッケル(111)を真空中熱処理により表面にグラファイトとカーボンナノチューブの混合層を析出成長させた時の走査トンネル顕微鏡写真である。
【図5】炭素を固溶させたニッケル(111)を真空中熱処理により表面にグラファイトとカーボンナノチューブの混合層を析出成長させた時の断面プロファイルである。
【図6】炭素固溶ニッケル上に創製させたカーボンナノチューブの応用例を示す模式図である。
【図7】カーボンナノ探針により計測した珪素(111)表面の走査トンネル顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 高純度ニッケル単結晶
2 高純度グラファイト粉末
3 グラファイト容器
4 高温炉
5 超高真空容器
6 PID温度制御電源
7 真空計
8 ターボ分子ポンプ
9 粗引きポンプ
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The invention of this application relates to a method for forming a self-regenerating carbon nanotube / graphite mixed film. More specifically, the invention of this application relates to a carbon nanotube mixed film with graphite that is useful as a probe of a scanning probe microscope, a field emission material, a hydrogen absorption material, a corrosion-resistant coating material, a low gas emission vacuum material, an electrode material, etc. As a new method that can be reproducibly formed on a metal surface.
[0002]
[Prior art and its problems]
Conventionally, as a typical method for creating a carbon nanotube, an arc evaporation method (References 1 and 2), a laser evaporation method (Reference 3), or a chemical vapor deposition method generally referred to as a CVD method (hereinafter referred to as a CVD method). (Reference 4) and the like are known, but these conventional methods are all methods of supplying carbon in a gas phase state directly to the surface of the substrate, and the rate at which carbon nanotubes are created is not limited. Since it depends on the frequency with which molecules or atoms in the phase collide with the surface, it has been difficult to easily and efficiently uniformly coat the carbon nanotubes on the entire surface of the substrate having a complicated shape.
[0003]
[Literature]
1: JP 2002-249306 A 2: JP 2002-201014 A 3: JP 2002-80211 A 4: JP 2002-180252 A
Therefore, the invention of this application solves the problems of the prior art and is a new technology that can easily and efficiently form and coat carbon nanotubes even on a substrate having a complicated shape. The problem is to provide means.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the invention of this application is as follows. First, a nickel-carbon alloy in which carbon is dissolved is brought to a temperature higher than the carbon solid solution limit temperature under a vacuum reduced pressure of less than 1 × 10 −6 Torr. A method for forming a self-regenerating carbon nanotube / graphite mixed film, comprising heating and cooling at a cooling rate of 0.1 K / min to 100 K / min to form a mixed film of carbon nanotubes and graphite on the surface of the alloy. And second, a method for forming the carbon nanotube / graphite mixed film, wherein the carbon concentration of the nickel-carbon alloy is in the range of 2.7 at% or less.
[0006]
Further, the invention of this application is thirdly, after heating the carbon solid solution nickel-carbon alloy to a temperature higher than the carbon solid solution limit temperature under a vacuum reduced pressure of less than 1 × 10 −6 Torr, 0.1K / min to 100K / And a carbon nanotube / graphite mixed film segregated on the surface of the carbon solid solution nickel-carbon alloy, characterized in that the carbon concentration of the carbon solid solution nickel-carbon alloy is provided. Is a carbon nanotube / graphite mixed film characterized in that it is 2.7 at% or less , fifth is an article characterized by having any of the above mixed films, and sixth is a tunnel microscope An article characterized by being a fine probe is provided.
[0008]
The invention of this application as described above is a completely new technical finding found by the inventor, that is, when a nickel alloy in which carbon is dissolved is subjected to carbon segregation and carbon precipitation heat treatment in a vacuum, graphite and It has been completed based on the knowledge that a mixed layer of carbon nanotubes is produced.
[0009]
The invention of this application will be described in principle with reference to FIG. 1. First, (A) a carbon-solid nickel-carbon alloy (C-doped Ni) is dissolved in (B) a carbon solid solution in a vacuum. When heated to a temperature just above the limit, the solid solution carbon segregates on the surface of the alloy. (C) When the temperature is lowered to just below the solid solution limit, a mixed layer of carbon nanotubes and graphite is formed on the surface of the nickel-carbon alloy.
[0010]
The method of the invention of this application is based on the mechanism as described above.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The invention of this application has the features as described above, and an embodiment thereof will be described below.
[0012]
First, as the nickel-carbon alloy used in the invention of this application, a solution in which carbon is solid-solved in a range of 0.1 to 2.7 at% with respect to nickel is preferably considered. The upper limit of 2.7 at% is based on the fact that the maximum solid solution amount of carbon to nickel is 2.7 at%, as shown in FIG.
[0013]
Other metal elements may be added to the nickel-carbon alloy, but the metal elements must be those that do not generate carbides. Examples of metal elements suitable for addition include cobalt (Co) and palladium. (Pd) is taken into account.
[0014]
For example, an apparatus as illustrated in FIG. 3 can be used to manufacture a nickel-carbon alloy in which carbon is solid-solved in the range of 0.1 to 2.7 at%. This apparatus comprises a graphite vessel (3), a high temperature furnace (4), an ultra-high vacuum vessel (5), a PID temperature control power source (6), a vacuum gauge (7), a turbo molecular pump (8), a roughing pump (9 The carbon can be dissolved in nickel by charging nickel (1) and graphite powder (2) in the graphite container (3) and maintaining the temperature at an ultrahigh vacuum and high temperature. This method is generally called a diffusion solid solution method. For example, after the surface of the nickel-carbon alloy thus produced is polished, it is sufficiently cleaned.
[0015]
In the invention of this application, the obtained carbon solid solution nickel-carbon alloy is heated to the carbon solid solution temperature or higher under a vacuum and then cooled. Regarding the vacuum decompression conditions at this time, it is usually desirable to reduce the pressure to an ultra-high vacuum region of less than 1 × 10 −6 Torr, for example, 1 × 10 −8 Torr, or even less than 1 × 10 −9 Torr. . In an atmosphere at a pressure higher than 1 × 10 −6 Torr, the oxidation reaction becomes significant, and the precipitated carbon is oxidized to CO and vaporized. Therefore, in order to minimize CO emission due to oxidation, a higher degree of vacuum is desirable.
[0016]
Further, it is desirable that the heating and holding time at the carbon solid solubility temperature or higher is held for at least one hour. The longer the length, the more stable and flatten the surface layer. The actual holding time can be determined in consideration of the degree of carbon deposition and the stabilization and planarization of the surface layer.
[0017]
As for the cooling rate below the solid solution limit temperature, generally, the slower the cooling rate, the easier the formation of long nanotubes because the growth of carbon nanotubes is promoted, and the faster the cooling rate, the higher the growth nucleus density. Considering that the length is shortened, the temperature range in which carbon nanotubes can be grown is usually 0.1 K / min to 100 K / min.
[0018]
For example, it is considered that the cooling rate is in the range of 1 K / min to 30 K / min.
[0019]
In the invention of this application, a mixed layer of carbon nanotubes and graphite can be formed on the surface of a nickel-carbon alloy without supplying a carbon source from the outside.
[0020]
Therefore, in the invention of this application, even if the required shape of the substrate is complicated, the shape of the nickel-carbon alloy itself, which is the substrate, is formed into a desired shape so that the carbon is uniformly distributed over the entire surface. A mixed layer of nanotubes and graphite can be formed.
[0021]
Such a feature is an advantage over the conventional methods such as the arc evaporation method, the laser evaporation method, and the CVD method, in which it is difficult to uniformly coat the back surface of the substrate.
[0022]
Moreover, according to the invention of this application, as long as the concentration of carbon atoms dissolved in the interior is sufficient, even if the mixed layer of carbon nanotubes and graphite is peeled off, the carbon nanotubes and graphite are again obtained by repeating the same heat treatment. Thus, a so-called self-regeneration function is realized in which the mixed layer can be deposited.
[0023]
And what is created by the invention of this application is a mixed layer of carbon nanotubes and graphite, which is stable and superior in oxidation resistance as compared with nickel of the substrate, and is suitable as a probe for a scanning probe microscope. Moreover, since the surface layer is covered with a mixed layer of conductive graphite and carbon nanotubes, it is suitable for materials that require corrosion resistance and electrical conductivity, such as electrode materials for fuel cells.
[0024]
The mixing ratio of graphite and carbon nanotubes can be controlled by the heat treatment conditions and the initial carbon concentration. For example, the higher the carbon solid solution concentration and the higher the cooling rate, the higher the carbon supply rate to the surface, the easier the nucleation for nanotube formation, and the higher the surface density of the nanotubes. However, if the cooling rate is too high, growth stops at the stage of nanodot formation, so that the growth of long nanotubes is hindered.
[0025]
Therefore, an example will be shown below and will be described in more detail. Of course, the invention is not limited by the following examples.
[0026]
【Example】
<Example 1>
Using the apparatus of FIG. 3, a plate sample (1) of a high purity nickel (111) single crystal having a purity of 99.995% and a high purity graphite powder (2) having a purity of 99.99% are placed in a graphite container (3). And held at about 1045 K in an ultra-high vacuum high temperature furnace (5) to allow 0.3 at% diffusion solid solution of carbon into the nickel bulk. The relationship between the solid solution amount of carbon and the temperature can be obtained from the phase diagram of the carbon-nickel (C-Ni) binary system in FIG.
[0027]
The obtained carbon solid solution nickel single crystal was surface-polished with fine powder of alumina, cleaned with an ultrasonic cleaner while immersed in an acetone solution, and sufficiently degreased.
[0028]
Next, the carbon solid solution nickel single crystal sample was put in an ultra high vacuum high temperature apparatus and heated to a temperature of 1150 K and held for about 5 to 6 hours. The sample surface is in a carbon surface segregation state made of graphite. It has been confirmed that this surface segregation state of carbon is generated in a temperature range of 1195 to 1045K. Thereafter, when cooling at a rate of 2.5 K / min, it was confirmed that a carbon nanotube and graphite mixed layer was formed at a temperature of about 850 K.
[0029]
FIG. 4 is a scanning tunneling microscope (STM) photograph of carbon nanotubes deposited on the surface of a nickel alloy substrate. In this STM photograph, the base terrace on which graphite and carbon nanotubes are grown is the graphite (0001) base surface. A mixed state of graphite and carbon nanotubes is confirmed. The surface coverage with carbon nanotubes is about 3%. In addition to this, it was identified by a scanning Auger microscope or a scanning electron microscope. FIG. 5 shows the same cross-sectional profile as FIG.
<Example 2>
In the same manner as in Example 1, a carbon nanotube / graphite mixed film was formed on the surface of a polycrystalline nickel wire in which about 1 at% carbon was dissolved. As schematically shown in FIG. 6, a carbon nanotube probe was formed at the tip of the wire. When the surface of silicon (Si) (111) is observed with this carbon nanotube probe, an image of atomic resolution can be stably obtained, and it can be used as a probe that can be reproducible with high resolution and long life. It was confirmed. FIG. 7 is a scanning tunneling micrograph of the silicon (111) surface measured with a carbon nanotube probe.
[0030]
【The invention's effect】
As described above in detail, the invention of this application makes it possible to uniformly form a carbon nanotube-graphite mixed layer on the surface of a base material of any shape by simply heat-treating a nickel-carbon alloy in a high vacuum. Become. Since the mixed layer is stable and has electrical conductivity, it is suitable for a probe of a scanning probe microscope or an electrode material such as a fuel cell. Furthermore, since it has a self-regenerating function, it can be reused as many times as it is used for expensive parts.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing in principle the mechanism of the present invention.
A: It shows the complete solid solution state of carbon,
B: The carbon surface segregation state held just above the solid solubility limit is shown.
C: The carbon surface deposition state held just below the solid solubility limit is shown.
FIG. 2 is a phase diagram of a carbon-nickel (C—Ni) binary system showing the temperature dependence of the solid solubility limit.
FIG. 3 is a schematic view of an apparatus for dissolving carbon in a nickel sample by a diffusion solid solution method.
FIG. 4 is a scanning tunneling micrograph when a mixed layer of graphite and carbon nanotubes is deposited and grown on a surface of nickel (111) in which carbon is solid-dissolved by heat treatment in a vacuum.
FIG. 5 is a cross-sectional profile when a mixed layer of graphite and carbon nanotubes is deposited and grown on a surface of nickel (111) in which carbon is solid-dissolved by heat treatment in a vacuum.
FIG. 6 is a schematic view showing an application example of carbon nanotubes created on carbon solute nickel.
FIG. 7 is a scanning tunneling micrograph of the surface of silicon (111) measured by a carbon nanoprobe.
[Explanation of symbols]
1 High-purity nickel single crystal 2 High-purity graphite powder 3 Graphite vessel 4 High-temperature furnace 5 Ultra-high vacuum vessel 6 PID temperature control power supply 7 Vacuum gauge 8 Turbo molecular pump 9 Roughing pump

Claims (6)

炭素を固溶させたニッケル−炭素合金を1×10 -6 Torr未満の真空減圧下で炭素固溶限温度以上に加熱した後に0.1K/分〜100K/分の冷却速度で冷却して前記合金表面にカーボンナノチューブとグラファイトの混合膜を形成することを特徴とする自己再生型カーボンナノチューブ・グラファイト混合膜の形成方法。The nickel-carbon alloy in which carbon is solid-dissolved is heated to a carbon solid solution limit temperature or higher under a vacuum reduced pressure of less than 1 × 10 −6 Torr, and then cooled at a cooling rate of 0.1 K / min to 100 K / min. A method of forming a self-regenerating carbon nanotube / graphite mixed film, comprising forming a mixed film of carbon nanotubes and graphite on an alloy surface. ニッケル−炭素合金の炭素濃度は2.7at%以下の範囲とすることを特徴とする請求項1の自己再生型カーボンナノチューブ・グラファイト混合膜の形成方法。  2. The method of forming a self-regenerating carbon nanotube / graphite mixed film according to claim 1, wherein the carbon concentration of the nickel-carbon alloy is in a range of 2.7 at% or less. 炭素固溶ニッケル−炭素合金を1×10 -6 Torr未満の真空減圧下で炭素固溶限温度以上に加熱した後に0.1K/分〜100K/分の冷却速度で冷却することを特徴とする炭素固溶ニッケル−炭素合金の表面に偏析されたカーボンナノチューブ・グラファイト混合膜。The carbon solid solution nickel-carbon alloy is heated to a carbon solid solution limit temperature or higher under a vacuum reduced pressure of less than 1 × 10 −6 Torr, and then cooled at a cooling rate of 0.1 K / min to 100 K / min. Carbon nanotube / graphite mixed film segregated on the surface of carbon solid solution nickel-carbon alloy . 炭素固溶ニッケル−炭素合金の炭素濃度が2.7at%以下であることを特徴とする請求項3のカーボンナノチューブ・グラファイト混合膜。 4. The carbon nanotube / graphite mixed film according to claim 3, wherein the carbon concentration of the carbon solid solution nickel-carbon alloy is 2.7 at% or less . 請求項3または4の混合膜を有することを特徴とする物品 An article comprising the mixed film according to claim 3 . トンネル顕微鏡微細探針であることを特徴とする請求項5の物品。 6. The article of claim 5, wherein the article is a tunneling microscope fine probe .
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