JP3681666B2 - Method for enriching mutant proteins with modified binding properties - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、標的分子に対して改変された結合性を有する新規な結合タンパク質の製造および体系的な選択に関する。さらに具体的には、本発明は、天然の結合パートナーの結合活性を模倣した外性ポリペプチドを製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
結合パートナーとは、通常は非共有性の相互作用によって互いに特異的に結合する物質である。結合パートナーの例には、リガンド−受容体、抗体−抗原、薬物−標的、および酵素−基質の相互作用が含まれる。結合パートナーは、治療および診断の両分野で極めて有用である。
【0003】
過去において、結合パートナーは、天然からの収集(例えば、抗体−抗原、およびリガンド−受容体ペアリング)を含む種々の方法によって、および偶発的な同定(例えば、候補分子のランダムスクリーニングを用いる伝統的な薬物開発)によって調製されている。ある場合には、これら2種類の方法が組合せられている。例えば、結合に関与している鍵となる機能的残基を含むタンパク質またはポリペプチドの変異体(ポリペプチドフラグメントなど)が調製されている。次いで、これらのポリペプチドフラグメントは、伝統的な薬物開発と同種の方法によって誘導体化されている。このような誘導体化の例には、ポリペプチドフラグメントを立体配座的に制約して新規な候補結合パートナーを得るための環化などの方法が含まれるであろう。
【0004】
従来の方法を用いたときの問題は、天然のリガンドがすべての治療学的応用に適した性質を有していないことがあることである。さらに、ポリペプチドリガンドは一部の標的物質に対して使用できないこともある。また、非天然の合成結合パートナーを製造するための方法は高価かつ困難であることが多く、通常はそれぞれの候補を得るために複雑な合成法を必要とする。候補分子をさらに最適化するために合理的な薬物設計法を適用することができるように、得られた候補の構造の特徴を調べることができないことが、これらの方法の一層の妨げとなっている。
【0005】
これらの問題を克服しようとする試みにおいて、Geysen〔Immun.Today 6: 364-369 (1985)〕およびGeysenら〔 Mol.Immun. 23: 709-715 (1986)〕は、体系的な反復結合パートナーの同定および製造のための骨組みを与えるポリペプチド合成の使用を提案した。Geysenら(同上)によると、初めにジペプチドなどの短いポリペプチドを、標的分子に結合する能力についてスクリーニングする。次いで、最も活性なジペプチドを次の試験用に選択する。この試験は、出発ジペプチドに別の残基を結合させ(または、最初の出発ジペプチドの構成成分を内部修飾することによる)、次いでこの一組の候補を所望の活性についてスクリーニングすることからなる。所望の性質を有する結合パートナーが同定されるまでこの過程を繰り返す。
【0006】
Geysenらの方法は、その方法の基礎となっている化学、即ちペプチド合成が明白ではないかまたは変化に富んだ2次および3次構造を有する分子を生成するという不都合が障害となっている。選択の繰り返し回数が増えるにつれて、ランダムな相互作用がポリペプチドの種々の置換基の間で加速度的に増え、再現性ある高次構造を有する相互作用分子の真のランダム集団が得られなくなる。例えば、アミノ酸の側鎖(これらは配列的には大きく離れているが、空間的には隣接している)の間の相互作用が任意に起こる。さらに、立体配座的に安定な2次構造を促進しない配列は複雑なペプチド−側鎖の相互作用を与え、これがあるアミノ酸の標的分子との側鎖相互作用を妨げることもある。このような複雑な相互作用は、ポリペプチド候補のポリアミド骨格の柔軟性によって促進される。また、候補は多数の立体配座において存在することができ、最大の親和性または特異性を有する標的と相互作用するかまたはそれに結合する配座異性体の同定を困難にし、合理的な薬物設計を困難にする。
【0007】
Geysenの反復ポリペプチド法を用いたときの最後の問題は、現在のところ、多様性の高い別種ペプチドを製造、スクリーニングおよび分析しうる実際的な方法が存在しないことである。20種の天然アミノ酸を用いると、合成しなければならないヘキサペプチドのすべての組合せの合計数は64,000,000である。このような多様性の高いペプチドを製造したとしても、このような多様性の高いペプチドの混合物を迅速にスクリーニングして標的分子に対して高い親和性を有するペプチドを選択することができる利用可能な方法が存在しない。現在のところ、それぞれの「付着」ペプチドは、タンパク質の配列決定を行なうに十分な多量で回収されなければならない。
【0008】
Geysenの方法に固有の多くの問題を克服するために、生物学的な選択およびスクリーニングが代替法として選ばれた。生物学的な選択およびスクリーニングは、タンパク質機能の探索および所望の性質を有する変異タンパク質の単離のための強力な手段である〔Shortle, Protein Engineering, OxenderおよびFox編, A.R.Liss,Inc., NY, pp.103-108 (1988); およびBowieら, Science 247: 1306-1310 (1990)〕。しかし、得られる選択またはスクリーニングは、1つだけかまたは少数の関連タンパク質に適用できるにすぎない。
【0009】
最近になって、Smithとその共同研究者〔Smith, Science 228: 1315-1317 (1985); およびParmleyおよびSmith, Gene 73: 305-318 (1985)〕は、短い遺伝子フラグメントをfdファージ(「融合ファージ」)の遺伝子III中に挿入することにより、小さなタンパク質フラグメント(10〜50アミノ酸)を線状ファージの表面に効率的に「表示(顕示)」させうることを示した。遺伝子IIIの副コートタンパク質(ビリオンの一方の末端に約5コピー存在する)は、適切なファージ組立ておよび大腸菌の線毛への付着による感染に重要である〔Raschedら, Microbiol.Rev. 50: 401-427 (1986)〕。最近、「融合ファージ」は、外性タンパク質〔Devlinら, Science 249: 404-406 (1990)〕または抗体〔Scottら, Science 249: 386-390 (1990); およびCwirlaら, Proc.Natl.Acad.USA 87: 6378-6382 (1990)〕と反応しうるペプチドを同定するための短い突然変異ペプチド配列を表示させるのに有用であることがわかった。
【0010】
しかし、このような「融合ファージ」を、新規または増強された結合性を有する改変されたペプチドまたはタンパク質を同定するために使用する際には、いくつかの重要な制限が存在する。第1に、大きな挿入体は恐らくは遺伝子IIIの機能を破壊し、従ってファージの組立ておよび感染性を破壊するので、100未満、好ましくは50未満のアミノ酸残基のタンパク質を表示させるときにのみ融合ファージが有用であることが示されている〔Parmleyら, Gene 73: 305-318 (1988)〕。第2に、従来の方法は、標的分子に対して最大の結合親和性を有するライブラリーからペプチドを選択することができない。例えば、ランダムペプチドライブラリーを抗−βエンドルフィン モノクローナル抗体で徹底的に選別した後には、Cwirlaとその共同研究者はファージに融合させた高親和性ペプチド(Kd〜0.4μM)から中親和性ペプチド(Kd〜10μM)を分離することができなかったであろう。さらに、極めて高い親和性(Kd〜7nM)を有する親のβ−エンドルフィンペプチド配列は、エピトープライブラリーから選別されなかった。
【0011】
Ladner〔WO 90/02802〕は、ウイルス粒子および細胞の外側表面に表示された新規な結合タンパク質を選択するための方法を開示している(異種タンパク質は164個までのアミノ酸残基を有していてよいとされている)。この方法は、表示されたタンパク質を単離および増幅して標的分子に対して所望の親和性を有する新しい群の結合タンパク質を設計することを意図している。さらに具体的には、Ladnerは、M13遺伝子IIIコートタンパク質に融合させた46残基(クラムビン)から164残基(T4リソチーム)までの範囲の「最初のタンパク質結合ドメイン」を有するタンパク質を表示する「融合ファージ」を開示している。Ladnerは、比較的小さいアミノ酸配列に制限部位をアレンジするのは比較的容易であるので、「必要以上に大きくない」これらタンパク質の使用を教示し、58アミノ酸残基のウシ膵臓トリプシンインヒビター(BPTI)を好んで用いている。BPTIなどの小さい融合タンパク質は標的がタンパク質または巨大分子であるときに好ましく、一方、T4リソチームなどの比較的大きい融合タンパク質はステロイドなどの小さい標的分子に好ましいが、これはこのような大きいタンパク質が小さい分子を嵌め込むことができる裂け目および溝を有しているためである。この好ましいタンパク質BPTIをSmithらまたはde la Cruzら〔J.Biol.Chem. 263: 4318-4322 (1988)〕が開示した遺伝子IIIの部位に、またはその末端の一方に、遺伝子IIIの第2の合成コピーと共に融合させて、「一部」の未改変遺伝子IIIタンパク質が存在するようにすることが提案されている。Ladnerは、従来技術の生物学的な選択およびスクリーニング法の障害となる、ランダムペプチドライブラリーから高親和性ペプチドを成功裏に選別する際の問題についてはふれていない。
【0012】
ヒト成長ホルモン(hGH)は、正常なヒトの成長および発達の調節に多大に関与している。この22,000ダルトンの脳下垂体ホルモンは、特に、線状成長(体形成)、泌乳、マクロファージの活性化、インスリン様および糖尿発生作用を含む多数の生物学的作用を示す〔Chawla,R.K., Ann.Rev,Med. 34: 519 (1983); Edwards,C.K.ら, Science 239: 769 (1988); Thomer,M.O.ら, J.Clin.Invest. 81: 745 (1988)〕。子供における成長ホルモンの欠損は小人症を導くが、これは10年以上にわたるhGHの外部投与によって成功裏に治療されている。hGHは、胎盤ラクトゲン、プロラクチン、ならびに他の遺伝的および種的変異体または成長ホルモンを含む一群の相同ホルモンの一員である〔Nicoll,C.S.ら, Endocrine Reviews 7: 169 (1986)〕。hGHはこれらの中で独特であり、広い種特異性を示し、クローン化した体形成受容体〔Leung,D.W.ら, Nature 330: 537 (1987)〕またはプロラクチン受容体〔Boutin,J.M.ら, Ce 53: 69 (1988)〕に結合する。クローン化されたhGHの遺伝子は大腸菌において分泌型で発現されており〔Chang,C.N.ら, Gene 55: 189 (1987)〕、そのDNAおよびアミノ酸配列が報告されている〔Goeddelら, Nature 281: 544 (1979); Grayら, Gene 39: 247 (1985)〕。hGHの3次元構造は利用することができない。しかし、ブタ成長ホルモン(pGH)の3次元折り畳みパターンは普通の分解能および精度で報告されている〔Abdel-Meguid,S.S.ら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84: 6434 (1987)〕。ヒト成長ホルモンの受容体および抗体エピトープは、ホモログ-スキャニング突然変異誘発によって同定されている〔Cunninghamら, Science 243: 1330 (1989)〕。ヒスチジン18とヒスチジン21を含むヒト成長ホルモンのスプライスされた配列を含有する新規なアミノ末端メチオニル ウシ成長ホルモンの構造が示されている〔米国特許 No.4,880,910〕。
【0013】
ヒト成長ホルモン(hGH)は、種々の動物モデルにおいて線状骨格成長、泌乳、マクロファージの活性化、インスリン様および糖尿作用などを含む多種の生理学的および代謝作用を引き起こす〔R.K.Chawlaら, Annu.Rev.Med. 34: 519 (1983); O.G.P.Isakssonら, Annu.Rev.Physiol. 47: 483 (1985); C.K.Edwardsら, Science 239: 769 (1988); M.O.ThornerおよびM.L.Vance, J.Clin.Invest. 82: 745 (1988); J.P.HughesおよびH.G.Friesen, Ann.Rev.Physiol. 47: 469 (1985)〕。これらの生物学的作用は、hGHと特異的な細胞受容体の間の相互作用によって導かれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、候補の結合物質の体系的製造のための迅速かつ効率的な方法を提供することである。
本発明の別の目的は、ファージミド粒子の表面に表示される立体配座的に安定な候補結合物質を製造することである。
本発明の他の目的は、ファージのコートタンパク質と異種ポリペプチドの融合タンパク質からなる候補結合物質を製造することである〔ここで、該ポリペプチドは長さが100アミノ酸以上であり、1サブユニット以上であってよく、そしてファージミド粒子上に表示されるものである(該ポリペプチドはこのファージミドのゲノムにコードされている)〕。
本発明のさらに別の目的は、非共有性の結合相互作用に関与する可能性のあるすべてのペプチジル部分を与えるかまたは表示し、また、立体的に制限された様式でこれらの部分を与えるに十分な融通性を備えた結合物質を製造および選択するための方法を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、
(a)ポリペプチドをコードしている第1の遺伝子と天然または野生型ファージコートタンパク質の少なくとも一部をコードしている第2の遺伝子を含有する複製可能な発現ベクター(ここで、第1および第2の遺伝子は異種であり、転写調節要素が第1および第2の遺伝子に機能的に結合されており、従って融合タンパク質をコードしている遺伝子融合が得られる)を構築し;
(b)該ベクターの第1の遺伝子内の1またはそれ以上の選択した位置において突然変異を行なって一群の関連プラスミドを生成させ;
(c)該プラスミドで適当な宿主細胞を形質転換し;
(d)該形質転換した宿主細胞を該ファージコートタンパク質をコードしている遺伝子を有するヘルパーファージに感染させ;
(e)該プラスミドの少なくとも一部を含有する組換えファージミド粒子の形成に適切かつ宿主を形質転換しうる条件のもと、少量のファージミド粒子だけが融合タンパク質の1を越えるコピーを粒子の表面に表示するように該条件を調節して、該形質転換して感染させた宿主細胞を培養し;
(f)該ファージミド粒子を標的分子と接触させて、ファージミド粒子の少なくとも一部を該標的分子に結合させ;そして
(g)結合したファージミド粒子を未結合の粒子から分離する;
ことからなる新規な結合ポリペプチドを選択するための方法を提供することによって達成した。この方法は、さらに、標的分子に結合する組換えファージミド粒子で適切な宿主細胞を形質転換し、工程(d)〜(g)を1またはそれ以上の回数繰り返す工程を含んでいるのが好ましい。
【0016】
さらに、1を越えるサブユニットからなる新規な結合タンパク質を選択する方法を、次のように新規な結合ペプチドを選択することによって達成する:即ち、この選択法は、
・1またはそれ以上のサブユニットを含む所望のタンパク質をコードしているDNAに機能的に結合させた転写調節要素を含有する複製可能な発現ベクター(ここで、該サブユニットの少なくとも1つをコードしているDNAはファージコートタンパク質の少なくとも一部をコードしているDNAに融合している)を構築し;
・1またはそれ以上の選択した位置において該所望のタンパク質をコードしているDNAに突然変異を行なって一群の関連ベクターを生成させ;
・該ベクターで適当な宿主細胞を形質転換し;
・該形質転換した宿主細胞を該ファージコートタンパク質をコードしている遺伝子を有するヘルパーファージに感染させ;
・該プラスミドの少なくとも一部を含有する組換えファージミド粒子の形成に適切かつ宿主を形質転換しうる条件のもと、少量のファージミド粒子だけが融合タンパク質の1を越えるコピーを粒子の表面に表示するように該条件を調節して、該形質転換して感染させた宿主細胞を培養し;
・該ファージミド粒子を標的分子と接触させて、ファージミド粒子の少なくとも一部を該標的分子に結合させ;そして
・結合したファージミド粒子を未結合の粒子から分離する;
ことからなる。
【0017】
本発明の方法においては、プラスミドが転写調節要素の厳格な制御下にあり、粒子の表面に融合タンパク質の1を越えるコピーを表示するファージミド粒子の量または数が約1%未満となるように培養条件が調節されているのが好ましい。
【0018】
また、融合タンパク質の1を越えるコピーを表示するファージミド粒子の量が、融合タンパク質の単一コピーを表示するファージミド粒子の量の10%未満であるのが好ましい。最も好ましいのは、この量が20%未満である。
【0019】
通常、本発明の方法においては、発現ベクターはポリペプチドのそれぞれのサブユニットをコードしているDNAに融合させた分泌シグナル配列をさらに含有し、転写調節要素はプロモーター系であろう。好ましいプロモーター系は、LacZ、λPL、TAC、T7ポリメラーゼ、トリプトファン、およびアルカリホスファターゼプロモーターならびにこれらの組合せから選択される。
【0020】
また、第1の遺伝子は通常は哺乳動物タンパク質をコードしているであろう。好ましいタンパク質は次のものから選択されるであろう:ヒト成長ホルモン(hGH)、N-メチオニル ヒト成長ホルモン、ウシ成長ホルモン、副甲状腺ホルモン、チロキシン、インスリンA鎖、インスリンB鎖、プロインスリン、レラキシンA鎖、レラキシンB鎖、プロレラキシン、糖タンパク質ホルモン、例えば卵胞刺激ホルモン(FSH)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)およびロイチナイジング(Leutinizing)ホルモン(LH)、糖タンパク質ホルモン受容体、カルシトニン、グルカゴン、因子VIII、抗体、肺表面活性物質、ウロキナーゼ、ストレプトキナーゼ、ヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)、ボンベシン、因子IX、トロンビン、造血成長ホルモン、腫瘍壊死因子αおよびβ、エンケファリナーゼ、ヒト血清アルブミン、ミュラー阻害物質、マウスゴナドトロピン関連ペプチド、微生物タンパク質、例えばβ−ラクタマーゼ、組織因子タンパク質、インヒビン、アクチビン、血管内皮成長因子、ホルモンまたは成長因子の受容体;インテグリン、トロンボポエチン、プロテインAまたはD、リウマトイド因子、神経成長因子、例えばNGF−β、血小板成長因子、トランスフォーミング成長因子(TGF)、例えばTGF−αおよびTGF−β、インスリン様成長因子IおよびII、インスリン様成長因子結合タンパク質、CD−4、DNアーゼ、潜在性関連ペプチド、エリトロポエチン、骨誘導因子、インターフェロン、例えばインターフェロンα、βおよびγ、コロニー刺激因子(CSF)、例えばM−CSF、GM−CSFおよびG−CSF、インターロイキン(IL)、例えばIL−1、IL−2、IL−3、IL−4、スーパーオキシドジスムターゼ;崩壊促進因子、ウイルス抗原、HIVエンベロープタンパク質、例えばGP120、GP140、心房性ナトリウム利尿ペプチドA、BまたはC、免疫グロブリン、ならびに上記タンパク質のいずれかのフラグメント。
【0021】
好ましくは、第1の遺伝子は約100以上のアミノ酸残基を含む1またはそれ以上のサブユニットのポリペプチドをコードしており、標的と相互作用しうる複数のアミノ酸を表示する複数の堅い2次構造を形成するように折り畳まれているであろう。好ましくは、第1の遺伝子は、堅い2次構造の完全性が保存されるように、標的と相互作用しうるアミノ酸にのみ対応するコドンのところで突然変異が為されているであろう。
【0022】
通常、本発明の方法は、M13KO7、M13R408、M13-VCSおよびPhiX174から選択されるヘルパーファージを用いるであろう。好ましいヘルパーファージはM13KO7であり、好ましいコートタンパク質はM13ファージの遺伝子IIIコートタンパク質である。好ましい宿主は大腸菌であり、大腸菌のプロテアーゼ欠損株である。本発明の方法によって選択される新規なhGH変異体を検出した。このポリペプチドとファージコートタンパク質をコードしている核酸の間に機能的に設置した抑制可能な終止コドンを含有するファージミド発現ベクターを構築した。
【0023】
以下の議論は、図1を参照することによって最も良く理解されるであろう。最も単純な形態においては、本発明の方法は、標的分子に対して所望の通常は高い親和性を有する新規な結合ポリペプチド(タンパク質リガンドなど)を構造的に関連した結合ポリペプチドのライブラリーから選択する方法からなる。ファージコートタンパク質に融合させた構造的に関連したポリペプチドのライブラリーは突然変異誘発によって調製し、好ましくはそれぞれの関連ポリペプチドの単一コピーを、該ポリペプチドをコードしているDNAを含有するファージミド粒子の表面に表示(顕示)する。次いで、これらのファージミド粒子を標的分子と接触させ、標的に対して最も高い親和性を有する粒子を低親和性の粒子から分離する。次いで、高親和性の結合体を細菌宿主の感染によって増幅し、競合結合工程を繰り返す。所望の親和性のポリペプチドが得られるまでこの過程を繰り返す。
【0024】
本発明の方法によって製造される新規な結合ポリペプチドまたはリガンドは、それ自体が生物学的有機体の処置において用いられる診断薬または治療薬(例えば、アゴニストまたはアンタゴニスト)として有用である。また、選択したポリペプチドの構造分析を用いて合理的な薬物設計を進めることもできる。
【0025】
本明細書において用いる「結合ポリペプチド」は、選択性の親和性でもって標的分子に結合するあらゆるポリペプチドを意味する。好ましくは、このポリペプチドはタンパク質であり、最も好ましくは約100以上のアミノ酸残基を含有するタンパク質である。通常、このポリペプチドはホルモンもしくは抗体またはそれらのフラグメントであろう。
【0026】
本明細書において用いる「高親和性」は、生理学的条件下で<10-5M、好ましくは<10-7Mの親和定数(Kd)を意味する。
【0027】
本明細書において用いる「標的分子」は、それに対してリガンドを製造するのが所望であるあらゆる分子であり、必ずしもタンパク質に限られない。しかし、この標的はタンパク質であるのが好ましく、最も好ましくは、この標的はホルモン受容体などの受容体である。
【0028】
本明細書において用いる「ヒト化抗体」は、マウスまたは他の非ヒト抗体の相補性決定領域(CDR)がヒト抗体のフレームワーク(枠組み構造)に結合している抗体を意味する。ヒト抗体のフレームワークはCDRを除く全ヒト抗体を意味する。
【0029】
I.ファージの表面に表示させるためのポリペプチドの選択
本発明の方法における第1の工程は、ファージの表面に表示させるためのポリペプチドの表面に露出される堅い2次構造を有するポリペプチドを選択することである。
【0030】
本明細書において用いる「ポリペプチド」は、特異的なDNA配列によって発現させることができる任意の分子を意味する。本発明のポリペプチドは1を越えるサブユニットからなり、それぞれのサブユニットは別個のDNA配列によってコードされている。
【0031】
本明細書において用いる「堅い2次構造」は、例えば、α−ヘリックス、310ヘリックス、πヘリックス、平行および逆平行β−シート、ならびに逆ターンなどにおいて見い出される規則的な反復構造を示す任意のポリペプチドセグメントを意味する。また、認識しうる幾何秩序を欠くある種の「非秩序」構造も、それらが標的との相互作用が可能なアミノ酸残基のドメインまたは「パッチ」を形成し、構造の全体形状が構造中のアミノ酸の置換によって破壊されない限り、堅い2次構造の定義中に含まれる。ある種の非秩序構造は逆ターンの組合せであると考えられている。これら堅い2次構造の幾何は、ペプチド「骨格」のα−炭素のまわりのφおよびψねじれ角によって十分に定義される。
【0032】
2次構造をポリペプチド表面に露出させるのに必要なことは、標的分子に対して露出され標的分子と結合することができるアミノ酸残基のドメインまたは「パッチ」を提供することである。これは基本的には突然変異誘発によって置換されるアミノ酸残基であり、この突然変異誘発によってファージの表面に表示される構造的に関連した(突然変異体)結合ポリペプチドの「ライブラリー」が得られ、これから新規なポリペプチドリガンドが選択される。通常、ポリペプチドの内部に向かうアミノ酸残基の突然変異誘発または置換は避けられ、これにより堅い2次構造の全体構造が保存される。堅い2次構造の内部領域のアミノ酸の、特に疎水性アミノ酸残基による置換の一部は、これら保存性の置換がポリペプチドの全体構造を歪めるようには考えられないので許容されるであろう。
【0033】
「ポリペプチド」選択の繰返しサイクルを用い、複数の選択サイクルによって選択した複数のアミノ酸変化のファージミド選択によってさらに高い親和性の結合を選択する。第1ラウンドのファージミド選択(リガンドポリペプチド中のアミノ酸の選択または第1領域が関係する)に続いて、リガンドポリペプチドの他の領域またはアミノ酸において追加ラウンドのファージミド選択を行なう。リガンドポリペプチドの所望の親和性が達成されるまでこのファージミド選択サイクルを繰り返す。この方法を説明するために、実施例VIIIのhGHのファージミド選択をサイクルで行なった。第1サイクルにおいて、hGHのアミノ酸172、174、176および178に突然変異を行ない、ファージミドを選択した。第2サイクルにおいて、hGHのアミノ酸167、171、175および179をファージミド選択した。第3サイクルにおいて、hGHのアミノ酸10、14、18および21をファージミド選択した。先のサイクルからの最適アミノ酸変化は、次サイクルの選択の前にポリペプチド中に導入することができる。例えば、hGHのアミノ酸置換174(セリン)および176(チロシン)を、hGHのアミノ酸167、171、175および179のファージミド選択の前にhGH中に導入した。
【0034】
上記から、ポリペプチドの結合ドメインを形成するアミノ酸残基が連続的に結合したものではなく、ポリペプチドの異なるサブユニット上に存在していてよいことが理解されるであろう。即ち、結合ドメインは、結合部位における特定の2次構造をたどるものであって、1次構造をたどるものではない。従って、突然変異はポリペプチドの内部から外側へ向かう部位の特定の2次構造内のアミノ酸をコードしているコドンに導入して、それらが標的と相互作用する可能性を持つようにするのが普通である。説明のため、hGH−結合タンパク質への結合を強力に変調させることが知られているhGH中の残基の位置を図2に示す〔Cunninghamら, Science 247: 1461-1465 (1990)〕。即ち、突然変異誘発に適切な代表的な部位には、ヘリックス4の残基172、174、176および178、ならびに「非秩序」2次構造内の残基64が含まれる。
【0035】
ある標的に対するリガンドとして選択したポリペプチドが該標的に正常に結合する必要はない。即ち、例えばTSHなどの糖タンパク質ホルモンをFSH受容体のリガンドとして選択することができ、突然変異TSH分子のライブラリーを本発明の方法に用いて新規な薬物候補を得る。
【0036】
即ち、本発明は標的分子に結合する任意のポリペプチドを意図したものであり、抗体を包含している。好ましいポリペプチドは医薬用途を有しているポリペプチドである。さらに好ましいポリペプチドには次のものが含まれる:即ち、成長ホルモン(ヒト成長ホルモン、デス−N−メチオニル ヒト成長ホルモン、およびウシ成長ホルモンを含む);副甲状腺ホルモン;甲状腺刺激ホルモン;チロキシン;インスリンA鎖;インスリンB鎖;プロインスリン;卵胞刺激ホルモン;カルシトニン;ロイチナイジング ホルモン;グルカゴン;因子VIII;抗体;肺表面活性物質;プラスミノーゲン活性化因子〔例えば、ウロキナーゼまたはヒト組織型プラスミノーゲン活性化因子(t−PA)〕;ボンベシン;因子IX;トロンビン;造血成長因子;腫瘍壊死因子αおよびβ;エンケファリナーゼ;血清アルブミン(例えば、ヒト血清アルブミン);ミュラー阻害物質;レラキシンA鎖;レラキシンB鎖;プロレラキシン;マウスゴナドトロピン関連ペプチド;微生物タンパク質(例えば、β−ラクタマーゼ);組織因子タンパク質;インヒビン;アクチビン;血管内皮成長因子;ホルモンまたは成長因子の受容体;インテグリン;トロンボポエチン;プロテインAまたはD;リウマトイド因子;神経成長因子(例えば、NGF−β);血小板由来の成長因子;線維芽細胞成長因子(例えば、aFGFおよびbFGF);表皮成長因子;トランスフォーミング成長因子(TGF)(例えば、TGF−αおよびTGF−β);インスリン様成長因子IおよびII;インスリン様成長因子結合タンパク質;CD−4;DNアーゼ;潜在性関連ペプチド;エリトロポエチン;骨誘導因子;インターフェロン(例えば、インターフェロンα、βおよびγ);コロニー刺激因子(CSF)(例えば、M−CSF、GM−CSFおよびG−CSF);インターロイキン(IL)(例えば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4);スーパーオキシドジスムターゼ;崩壊促進因子;心房性ナトリウム利尿ペプチドA、BまたはC;ウイルス抗原(例えば、HIVエンベロープの一部);免疫グロブリン;ならびに上記ポリペプチドのいずれかのフラグメントである。さらに、ポリペプチド上の1またはそれ以上の予め決定したアミノ酸残基に置換、挿入または削除を行なって、例えば改善された生物学的性質を有する生成物を得ることができる。また、これらポリペプチドのフラグメント、特に生物学的に活性なフラグメントが包含される。本発明のさらに好ましいポリペプチドは、ヒト成長ホルモン、心房性ナトリウム利尿ペプチドA、BおよびC、エンドトキシン、スブチリシン、トリプシン、ならびに他のセリンプロテアーゼ類である。
【0037】
さらに好ましいポリペプチドホルモンは、第1の細胞において産生される任意のアミノ酸配列であって、同じ細胞種(自己分泌ホルモン)または第2の細胞種(非自己分泌)上の受容体に特異的に結合し、受容体保持細胞に特徴的な生理学的反応を引き起こすアミノ酸配列として定義しうるポリペプチドホルモンである。このようなポリペプチドホルモンには、サイトカイン類、リンホカイン類、神経栄養ホルモンおよび脳下垂体腺ポリペプチドホルモン、例えば成長ホルモン、プロラクチン、胎盤性ラクトゲン、黄体形成ホルモン、卵胞刺激ホルモン、チロトロピン、絨毛ゴナドトロピン、コルチコトロピン、αまたはβ−メラノサイト刺激ホルモン、β−リポトロピン、γ−リポトロピンおよびエンドルフィン類;視床下部放出抑制ホルモン、例えばコルチコトロピン放出因子、成長ホルモン放出抑制ホルモン、成長ホルモン放出因子;ならびに心房性ナトリウム利尿ペプチドA、BおよびCなどの他のポリペプチドホルモンが含まれる。
【0038】
II.所望のポリペプチドをコードしている第1遺伝子(遺伝子1)の入手
所望のポリペプチド(即ち、堅い2次構造を有するポリペプチド)をコードしている遺伝子は、当分野で既知の方法によって得ることができる〔一般には、Sambrookら, Molecular Biology: A laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (1989)を参照〕。この遺伝子の配列が既知である場合には、この遺伝子をコードしているDNAを化学的に合成してもよい〔Merrfield, J.Am.Chem.Soc. 85: 2149 (1963)〕。この遺伝子の配列が未知である場合、またはこの遺伝子がそれまでに単離されていない場合には、cDNAライブラリー(所望の遺伝子が発現される適当な組織から得たRNAから調製する)から、または適当なゲノムDNAライブラリーからクローン化することができる。次いで、適当なプローブを用いて遺伝子を単離する。cDNAライブラリーのための適当なプローブには、モノクローナルもしくはポリクローナル抗体(ただし、cDNAライブラリー発現ライブラリーであるとき)、オリゴヌクレオチド、および相補性もしくは相同性cDNAまたはそれらのフラグメントが含まれる。ゲノムDNAライブラリーから所望の遺伝子を単離するのに用いることができるプローブには、同一もしくは類似の遺伝子をコードしているcDNAもしくはそのフラグメント、相同なゲノムDNAもしくはDNAフラグメント、およびオリゴヌクレオチドが含まれる。選択したプローブによるcDNAもしくはゲノムライブラリーのスクリーニングは、Sambrookら(上記)の第10〜12章に記載されている標準法を用いて行なう。
【0039】
所望のタンパク質をコードしている遺伝子を単離するための別の方法は、Sambrookら(上記)のセクション14に記載されているポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)を使用することである。この方法は、所望の遺伝子にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドの使用を必要とする。即ち、オリゴヌクレオチドを得るために、この遺伝子のDNA配列の少なくと一部が既知でなければならない。
遺伝子を単離した後、これをSambrookら(上記)が一般的に記載しているように増幅用の適当なベクター(好ましくは、プラスミド)中に挿入することができる。
【0040】
III.複製可能な発現ベクターの構築
いくつかの型のベクターが利用可能であり、本発明の実施に用いることができるが、プラスミドベクターが本発明において使用するに好ましいベクターである。これは、これらベクターを比較的容易に構築することができ、容易に増幅することができるためである。一般にプラスミドベクターは、当業者には既知のように、プロモーター、シグナル配列、表現型選択遺伝子、複製起点部位、および他の必要な成分を含む種々の構成成分を含有している。
【0041】
原核性ベクターにおいて最も普通に用いられるプロモーターには、lacZプロモーター系、アルカリホスファターゼphoAプロモーター、バクテリオファージλPLプロモーター(温度感受性プロモーター)、tacプロモーター(lacリプレッサーによって調節されるハイブリッドtrp-lacプロモーター)、トリプトファンプロモーター、およびバクテリオファージT7プロモーターが含まれる。プロモーターの全般的な説明については、Sambrookら(上記)のセクション17を参照。最もよく用いられるプロモーターが存在するが、他の適当な微生物プロモーターも同様に用いることができる。
【0042】
本発明の実施に好ましいプロモーターは、融合遺伝子の発現を制御しうるように厳格に調節することができるプロモーターである。従来技術において認識されないままであった問題は、ファージミド粒子の表面における融合タンパク質の複数コピーの表示がファージミドと標的との複数点結合を導くことであったと考えられる。「キレート作用」と呼ばれるこの作用は、融合タンパク質の複数コピーが互いにすぐ近接してファージミド粒子上に表示されて標的が「キレート化」されたときに、誤った「高親和性」ポリペプチドを選択する結果を与えると考えられる。複数点結合が起こったときには、有効または見掛けKdは表示された融合タンパク質のそれぞれのコピーに対する個々のKdの積と同程度に高いであろう。この作用が、Cwirlaとその共同研究者(上記)が比較的高親和性のペプチドから中親和性のペプチドを分離できなかった理由であるのかもしれない。
【0043】
少量(即ち、約1%よりも少ない)のファージミド粒子だけが複数コピーの融合タンパク質を含有するように融合タンパク質の発現を厳格に調節することによって、「キレート作用」が克服され、高親和性のポリペプチドの適切な選択が可能になることを発見した。即ち、プロモーターに依存して、宿主の培養条件を調節して単一コピーの融合タンパク質を含有するファージミド粒子の数を最大にし、複数コピーの融合タンパク質を含有するファージミド粒子の数を最少にする。
【0044】
本発明の実施に用いられる好ましいプロモーターは、lacZプロモーターおよびphoAプロモーターである。このlacZプロモーターはlacリプレッサータンパク質lac iによって調節され、従って融合遺伝子の転写をlacリプレッサータンパク質の量の操作によって制御することができる。説明のためであるが、このlacZプロモーターを含有するファージミドは、lacZプロモーターのリプレッサーであるlac iリプレッサー遺伝子のコピーを含有する細胞株中で増殖させる。lac i遺伝子を含有する細胞株の例には、JM101およびXL1-Blueが含まれる。別法によれば、リプレッサーlac iおよびlacZプロモーターの両方を含有するプラスミドで宿主細胞を同時トランスフェクトすることができる。ときには上記方法の両方を同時に用いる。即ち、lacZプロモーターを含有するファージミド粒子をlac i遺伝子を含有する細胞株中で増殖させ、この細胞株をlacZおよびlac i遺伝子の両方を含有するプラスミドで同時トランスフェクトする。通常、上記のトランスフェクトされた宿主に遺伝子を発現させたいときには、イソプロピルチオガラクトシド(IPTG)などの誘導物質を加える。しかし、本発明においては、この工程を割愛して、(a)遺伝子III融合タンパク質の発現を最少にしてコピー数を最少にし(即ち、ファージミド数に対する遺伝子III融合体の数)、そして、(b)低濃度であってもIPTGなどの誘導物質によって引き起こされるファージミドの劣るかまたは不適切なパッケージングを防止する。通常、誘導物質を加えないときには、ファージミド粒子あたりの融合タンパク質の数は約0.1である(バルク融合タンパク質の数/ファージミド粒子の数)。本発明の実施に用いられる最も好ましいプロモーターはphoAである。このプロモーターは細胞中の無機リン酸の量によって調節されると考えられており、このリン酸がプロモーターの活性を下方調節する。即ち、細胞のリン酸を減少させることによって、プロモーターの活性を高めることができる。所望の結果は、2YTまたはLBなどのリン酸に富む培地で細胞を増殖させ、遺伝子III融合体の発現を制御することによって達成される。
【0045】
本発明の実施に用いられるベクターの他の有用な成分はシグナル配列である。通常、この配列は融合タンパク質をコードしている遺伝子のすぐ5′側に位置しており、従って融合タンパク質のアミノ末端に転写される。しかし、ある種の場合には、このシグナル配列は、分泌させようとするタンパク質をコードしている遺伝子の他の5′の位置に存在することが示されている。この配列は、細菌細胞の内部膜を越えてこの配列が結合しているタンパク質を標的とする。このシグナル配列をコードしているDNAは、シグナル配列を有するタンパク質をコードしている任意の遺伝子から制限エンドヌクレアーゼフラグメントとして得ることができる。適当な原核性シグナル配列は、例えば、LamBもしくはOmpF〔Wongら, Gene 68: 193 (1983)〕、MalE、PhoAおよびその他の遺伝子をコードしている遺伝子から得ることができる。本発明の実施に好ましい原核性シグナル配列は、Changら〔Gene 55: 189 (1987)〕が記載している大腸菌の熱安定性エンテロトキシンII(STII)シグナル配列である。
【0046】
本発明の実施に用いられるベクターの別の有用な成分は、表現型選択遺伝子である。通常の表現型選択遺伝子は、宿主細胞に抗生物質耐性を与えるタンパク質をコードしている遺伝子である。説明のためのものであるが、アンピシリン耐性遺伝子(amp)およびテトラサイクリン耐性遺伝子(tet)がこの目的に使用するのが容易である。
【0047】
上記の成分ならびに所望のポリペプチドをコードしている遺伝子(遺伝子1)を含有する適当なベクターの構築は、Sambrookら(上記)が記載している標準的な組換えDNA法を用いて行なう。ベクターを形成させるために結合される単離したDNAフラグメントを切断し、加工し、そして特定の順序および配向で一緒に連結して所望のベクターを創製する。
【0048】
適当な緩衝液中で適当な制限酵素または酵素群を用いてDNAを切断する。通常、約20μlの緩衝溶液において、約0.2〜1μgのプラスミドまたはDNAフラグメントを約1〜2単位の適当な制限酵素と共に用いる。適当な緩衝液、DNA濃度、ならびにインキュベート時間および温度は、制限酵素の製造元によって指定されている。通常、37℃で約1または2時間のインキュベート時間が適切であるが、いくつかの酵素はさらに高い温度を必要とする。インキュベート後に、酵素および他の不純物をフェノールとクロロホルムの混合物による消化溶液の抽出によって除去し、DNAをエタノールによる沈澱によって水性分画から回収する。
【0049】
DNAフラグメントを共に連結して機能的なベクターを得るためには、これらDNAフラグメントの末端を互いに適合させなければならない。ある場合には、エンドヌクレアーゼ消化の後にこれら末端はそのままで適合性である。しかし、これらを連結に対して適合するようにするために、通常はエンドヌクレアーゼ消化によって生成する接着末端を初めに平滑末端に変換することが必要になることもある。末端を平滑にするために、DNAを、適当な緩衝液中、4種のデオキシヌクレオチド三リン酸の存在下に10単位のDNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント(クレノウ)を用いて15℃で少なくとも15分間処理する。次いで、このDNAのフェノール-クロロホルム抽出とエタノール沈澱により精製する。
【0050】
DNAゲル電気泳動を用いて、切断したDNAフラグメントをサイズ分離し、選択することができる。アガロースまたはポリアクリルアミドマトリックスのどちらかによりDNAを電気泳動することができる。マトリックスの選択は、分離しようとするDNAフラグメントのサイズに依存するであろう。電気泳動の後、Sambrookら(上記)のセクション6.30〜6.33の記載のように、電気溶離によって、または、低溶融アガロースをマトリックスとして使用したときにはアガロースの溶融とそれからのDNAの抽出によって、DNAをマトリックスから抽出する。
【0051】
共に連結しようとするDNAフラグメント(連結しようとするそれぞれのフラグメントの末端が適合するように適切な制限酵素により予め消化)を、ほぼ等しい量で溶液に入れる。この溶液は、ATP、リガーゼ緩衝液およびリガーゼ、例えば0.5μgのDNAあたり約10単位のT4 DNAリガーゼをも含んでいるであろう。DNAフラグメントをベクター中に連結するときには、最初にこのベクターを適当な制限エンドヌクレアーゼ(群)で切断することによって直線化する。次いで、この直線化したベクターをアルカリホスファターゼまたはウシ腸ホスファターゼで処理する。このホスファターゼ処理は連結工程中のベクターの自己連結を防止する。
【0052】
連結の後、外来遺伝子が挿入されているベクターを適当な宿主細胞に導入する。原核生物が本発明に好ましい宿主細胞である。適当な原核性宿主細胞には、大腸菌株JM101、大腸菌K12株294(ATCC No.31,446)、大腸菌株W3110(ATCC No.27,325)、大腸菌X1776(ATCC No.31,537)、大腸菌XL-1Blue(stratagene)、および大腸菌Bが含まれるが、大腸菌の他の多数の株(例えば、HB101、NM522、NM538、NM539)、ならびに他の多数の原核生物の属および種も同様に用いることができる。上に挙げた大腸菌株に加えて、バチルス(例えば、Bacillus Subtilis)、他の腸内細菌(例えば、Salmonella typhimuriumあるいはSerratia marcesans)、および種々のPseudomonas種もすべて宿主として使用することができる。
【0053】
原核細胞の形質転換は、Sambrookら(上記)のセクション1.82に記載の塩化カルシウム法を用いて容易に達成される。別法によれば、電気穿孔法〔Neumannら, EMBO J. 1: 841 (1982)〕を用いてこれら細胞を形質転換することができる。通常はテトラサイクリン(tet)またはアンピシリン(amp)などの抗生物質上で増殖させることによって、形質転換した細胞を選択する(形質転換細胞は、ベクター上のtetおよび/またはamp耐性遺伝子の存在によりこれら抗生物質に対して耐性になっている)。
【0054】
形質転換細胞の選択の後、これら細胞を培養増殖させ、次いでプラスミドDNA(または、外来遺伝子が挿入された他のベクター)を単離する。プラスミドDNAは当分野で既知の方法を用いて単離することができる。2つの適当な方法は、Sambrookら(上記)のセクション1.25〜1.33に記載されている小スケールのDNA調製および大スケールのDNA調製である。単離したDNAは、Sambrookら(上記)のセクション1.40に記載されている方法のような当分野で既知の方法によって精製することができる。次いで、この精製したプラスミドDNAを、制限マッピングおよび/またはDNA配列決定によって分析する。通常、DNAの配列決定は、Messingら〔Nucleic Acids Res. 9: 309 (1981)〕の方法またはMaxamら〔Meth.Enzymol. 65: 499 (1980)〕の方法のいずれかによって行なう。
【0055】
IV.遺伝子の融合
本発明は、転写中に融合タンパク質が生成するように、所望のポリペプチドをコードしている遺伝子(遺伝子1)を第2の遺伝子(遺伝子2)に融合させることを意図している。通常、遺伝子2はファージのコートタンパク質遺伝子であり、ファージM13の遺伝子IIIコートタンパク質またはそのフラグメントであるのが好ましい。遺伝子1および2の融合は、遺伝子1を含むプラスミド上の特定の部位に遺伝子2を挿入することによって、または遺伝子2を含むプラスミド上の特定の部位に遺伝子1を挿入することによって達成することができる。
【0056】
プラスミド中への遺伝子の挿入は、遺伝子を挿入しようとする正確な位置においてプラスミドが切断されることを必要とする。即ち、この位置に制限エンドヌクレアーゼ部位が存在していなければならない(制限エンドヌクレアーゼ消化中にプラスミドが1カ所でのみ切断されるように唯一の部位であるのが好ましい)。上記のようにプラスミドを消化し、ホスファターゼ処理し、精製する。次いで、2つのDNAを共に連結することによって、この直線化したプラスミドに遺伝子を挿入する。プラスミドの末端が挿入しようとする遺伝子の末端に適合するときに、連結を達成することができる。制限酵素を用いてプラスミドを切断し、挿入すべき遺伝子を単離するときには(平滑末端または適合性の接着末端を創製する)、Sambrookら(上記)のセクション1.68の記載のように、バクテリオファージT4 DNAリガーゼなどのリガーゼを用い、ATPおよびリガーゼ緩衝液の存在下に混合物を16℃で1〜4時間インキュベートすることによって、DNAを直接一緒に連結することができる。末端が適合性ではないときには、最初にこれらを、DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントあるいはバクテリオファージT4 DNAポリメラーゼ(これらは、消化されたDNAの突出1本鎖末端を充填するために4種のデオキシリボヌクレオチド三リン酸を必要とする)の使用によって平滑にしなければならない。別法によれば、これら末端を、ヌクレアーゼS1あるいは緑豆ヌクレアーゼ(これらは、DNAの突出1本鎖を後退切断することによって機能する)などのヌクレアーゼを用いて平滑にすることができる。次いで、DNAを上記のリガーゼを用いて連結する。ある場合には、暗号領域の読み枠が変化するので、挿入すべき遺伝子の末端を平滑にすることができないこともある。この問題を克服するために、オリゴヌクレオチドリンカーを用いてもよい。このリンカーは、プラスミドと挿入すべき遺伝子を接続する橋となる。これらリンカーは、常法を用いて2本鎖または1本鎖DNAとして合成により調製することができる。これらリンカーは、挿入すべき遺伝子の末端に適合する一方の末端を有しており、上記の連結法を用いて初めにこの遺伝子に連結する。リンカーの他の末端は、連結用のプラスミドに適合するように設計されている。リンカーを設計する際には、挿入すべき遺伝子の読み枠またはプラスミド上に含まれる遺伝子の読み枠を破壊しないように注意しなければならない。ある場合には、これらがアミノ酸の一部をコードするように、または1またはそれ以上のアミノ酸をコードするようにリンカーを設計することが必要になることもある。
【0057】
遺伝子1と遺伝子2の間に終止コドンをコードしているDNAを挿入することもできる。このような終止コドンはUAG(アンバー)、UAA(オーカー)およびUGA(オペル)である〔Davisら, Microbiology, Harper & Row, New York, pp.237, 245-47および274 (1980)〕。野生型宿主細胞において発現される終止コドンは、遺伝子2のタンパク質の結合していない遺伝子1のタンパク質産物の合成の結果を与える。しかし、サプレッサー宿主細胞中での増殖は検出可能な量の融合タンパク質の合成の結果を与える。このようなサプレッサー宿主細胞は、mRNAの終止コドン位置にアミノ酸を挿入するように修飾されたtRNAを含有しており、従って検出可能な量の融合タンパク質を産生する結果を与える。このようなサプレッサー宿主細胞は、例えば大腸菌のサプレッサー株〔Bullockら, Bio Techniques 5: 376-379 (1987)〕のように周知であり、開示されている。任意の受け入れられている方法を用いて、このような終止コドンを融合ポリペプチドをコードしているmRNA中に設置することができる。
【0058】
この抑制可能なコドンを、ポリペプチドをコードしている第1の遺伝子とファージコートタンパク質の少なくとも一部をコードしている第2の遺伝子の間に挿入することができる。別法によれば、この抑制可能な終止コドンを、ポリペプチド中の最後のアミノ酸トリプレットまたはファージコートタンパク質中の最初のアミノ酸の置換によって融合部位に隣接して挿入することができる。この抑制可能なコドンを含有しているファージミドをサプレッサー宿主細胞中で増殖させると、ポリペプチドとコートタンパク質を含有する融合ポリペプチドが検出可能に産生される結果が得られる。このファージミドを非サプレッサー宿主細胞中で増殖させると、UAG、UAAまたはUGAをコードしている挿入された抑制可能なトリプレットのところでの終止により、ファージコートタンパク質に融合していないポリペプチドが実質的に合成される。非サプレッサー細胞においては、ポリペプチドが合成され、融合したファージコートタンパク質(他の方法ではポリペプチドを宿主細胞に固定する)が存在しないことにより宿主細胞から分泌される。
【0059】
V.選択した位置における遺伝子1の改変(突然変異)
所望のポリペプチドをコードしている遺伝子1を、1またはそれ以上の選択したコドンにおいて改変することができる。改変は、ポリペプチドをコードしている遺伝子中の1またはそれ以上のコドンの置換、削除または挿入と定義される。この改変によって、同じポリペプチドの未改変または天然の配列と比較してポリペプチドのアミノ酸配列が変化することになる。好ましくは、この改変は、分子の1またはそれ以上の領域において少なくとも1個のアミノ酸を他のいずれかのアミノ酸で置換することによる。この改変は、当分野で既知の種々の方法によって行なうことができる。これらの方法には、オリゴヌクレオチド媒介の突然変異誘発およびカセット突然変異誘発が含まれるが、これらに限定はされない。
【0060】
A.オリゴヌクレオチド媒介の突然変異誘発
オリゴヌクレオチド媒介の突然変異誘発は、遺伝子1の置換、削除および挿入変異体を調製するのに好ましい方法である。この方法は、Zollerら〔Nucleic Acids Res. 10: 6487-6504 (1987)〕が記載しているように当分野で周知である。簡単に説明すると、未改変または天然のDNA配列の遺伝子1を含有するプラスミドの1本鎖形のDNA鋳型に所望の突然変異をコードしているオリゴヌクレオチドをハイブリダイズさせることによって遺伝子1を改変する。ハイブリダイゼーションの後、DNAポリメラーゼを用いて、該オリゴヌクレオチドプライマーが導入されて遺伝子1中の選択した改変をコードしている、この鋳型の完全な第2相補鎖を合成する。
【0061】
通常、長さが少なくとも25ヌクレオチドのオリゴヌクレオチドを用いる。最適オリゴヌクレオチドは、突然変異をコードしているヌクレオチド(群)の両側に鋳型に完全に相補性である12〜15ヌクレオチドを有するものであろう。これにより、オリゴヌクレオチドが1本鎖DNA鋳型分子に適切にハイブリダイズすることが確実になる。このオリゴヌクレオチドは、当分野で既知の方法、例えばCreaら〔Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75: 5765 (1978)〕が記載している方法を用いて容易に合成される。
【0062】
このDNA鋳型は、バクテリオファージM13ベクター(市販品から入手可能なM13mp18およびM13mp19ベクターが適当である)から導かれるベクター、またはVeiraら〔Meth.Enzymol. 153: 3 (1987)〕が記載しているような一本鎖ファージ複製起点を含有するベクターによってのみ得ることができる。即ち、突然変異を行なうべきDNAは、1本鎖の鋳型を創製するために、これらベクターのいずれかに挿入しなければならない。1本鎖鋳型の調製はSambrookら(上記)のセクション4.21〜4.41に記載されている。
【0063】
天然のDNA配列を改変するために、このオリゴヌクレオチドを適当なハイブリダイゼーション条件のもとで一本鎖の鋳型とハイブリダイズさせる。次いで、DNA重合酵素、通常はDNAポリメラーゼIのクレノウフラグメントを加え、このオリゴヌクレオチドを合成のためのプライマーとして用いて鋳型の相補鎖を合成する。このようにして、DNAの一方の鎖が遺伝子1の突然変異形をコードしており、他方の鎖(最初の鋳型)が遺伝子1の天然の未改変配列をコードしているヘテロ2本鎖分子が形成される。次いで、このヘテロ2本鎖分子を適当な宿主細胞、通常は大腸菌JM101などの原核生物に導入する。この細胞を増殖させた後、アガロースプレートにプレーティングし、32-リン酸で放射標識したオリゴヌクレオチドプライマーを用いてスクリーニングして、突然変異したDNAを含有する細菌コロニーを同定する。
【0064】
すぐ上に記載した方法を、プラスミドの両方の鎖が突然変異(群)を含むヘテロ2本鎖分子が創製されるように修飾することができる。この修飾は次のようである。1本鎖のオリゴヌクレオチドを上記のように1本鎖鋳型にアニールさせる。3種のデオキシリボヌクレオチド、即ちデオキシリボアデノシン(dATP)、デオキシリボグアノシン(dGTP)およびデオキシリボチミジン(dTTP)の混合物を、dCTP-(aS)と呼ばれる修飾されたチオ-デオキシリボシトシン(Amershamから入手することができる)と混合する。この混合物を鋳型-オリゴヌクレオチドのコンプレックスに加える。この混合物にDNAポリメラーゼを加えると、突然変異した塩基を除いて鋳型と同一のDNA鎖が創製される。さらに、この新規なDNA鎖はdCTPの代わりにdCTP-(aS)を含有しており、これがこの鎖を制限エンドヌクレアーゼ消化から保護するように働く。ヘテロ2本鎖の鋳型鎖に適当な制限酵素でニックを入れた後、この鋳型鎖を、突然変異すべき部位(群)を含む領域を越えてExoIIIヌクレアーゼまたは別の適当なヌクレアーゼで消化することができる。次いで、この反応を停止させて一部だけが1本鎖である分子を残す。次いで、4種すべてのデオキシリボヌクレオチド三リン酸、ATPおよびDNAリガーゼの存在下にDNAポリメラーゼを用いて、完全なDNAホモ2本鎖を形成させる。次いで、このホモ2本鎖分子を、上記のように大腸菌JM101などの適当な宿主細胞に導入することができる。
【0065】
1を越える置換すべきアミノ酸を有する突然変異体は、いくつかの方法のいずれかにより創製することができる。これらアミノ酸がポリペプチド鎖中に互いに近接して存在しているときには、所望のアミノ酸置換のすべてをコードしている1つのオリゴヌクレオチドを用いて同時に突然変異させることができる。しかし、アミノ酸が互いにある程度の距離を置いて存在しているときには(約10以上のアミノ酸によって隔てられている)、所望の変化のすべてをコードしている単一のオリゴヌクレオチドを創製するのは比較的困難である。これに代えて、2種類の異なる方法のいずれかを用いることができる。
【0066】
第1の方法においては、独立したオリゴヌクレオチドを置換すべきアミノ酸のそれぞれに対して創製する。次いで、これらオリゴヌクレオチドを1本鎖鋳型DNAに同時にアニールさせると、この鋳型から合成される第2のDNA鎖は所望のアミノ酸置換のすべてをコードしているであろう。この第1のラウンドは単一突然変異について説明したものと同じである。即ち、野生型DNAを鋳型に用い、第1の所望のアミノ酸置換(群)をコードしているオリゴヌクレオチドをこの鋳型にアニールさせ、次いでヘテロ2本鎖DNA分子を創製する。突然変異誘発の第2ラウンドは、第1ラウンドの突然変異誘発で得られた突然変異DNAを鋳型として用いる。即ち、この鋳型は既に1またはそれ以上の突然変異を含んでいる。次いで、別の所望のアミノ酸置換(群)をコードしているオリゴヌクレオチドをこの鋳型にアニールさせると、得られるDNA鎖は第1および第2ラウンドの突然変異誘発の両方に由来する突然変異をコードしている。この得られたDNAを、第3ラウンドの突然変異誘発における鋳型などとして用いることができる。
【0067】
B.カセット突然変異誘発
この方法も遺伝子1の置換、削除および挿入変異体を調製するのに好ましい方法である。この方法は、Wellsら〔Gene 34: 315 (1985)〕の記載の方法に基づいている。出発材料は、突然変異させようとする遺伝子である遺伝子1を含有するプラスミド(または、他のベクター)である。突然変異させようとする遺伝子1中のコドンは決定されている。決定された突然変異部位(群)の両側に唯一の制限エンドヌクレアーゼ部位が存在していなければならない。このような制限部位が存在していなければ、上記のオリゴヌクレオチド媒介の突然変異誘発法を用いてこれら部位を創製し、遺伝子1中の適当な位置に導入することができる。プラスミド中に制限部位を導入した後、プラスミドをこれら部位のところで切断して直線化する。これら制限部位の間のDNA配列をコードしており、そして所望の突然変異を含んでいる2本鎖オリゴヌクレオチドを常法により合成する。この2本の鎖は別々に合成し、次いで常法により一緒にハイブリダイズさせる。この2本鎖のオリゴヌクレオチドをカセットと呼ぶ。このカセットは直線化したプラスミドの両末端に適合する3′および5′末端を有するように設計して、これをプラスミドに直接連結できるようにする。これにより、このプラスミドは遺伝子1の突然変異DNA配列を含むことになる。
【0068】
VI.所望のタンパク質をコードしているDNAの調製
別の態様においては、本発明は1またはそれ以上のサブユニットを含有する所望のタンパク質の変異体の製造を意図するものである。通常、それぞれのサブユニットは別の遺伝子によってコードされている。それぞれのサブユニットをコードしているそれぞれの遺伝子は、当分野で既知の方法によって得ることができる(例えば、セクションIIを参照)。ある場合には、セクションIIに記載した任意の方法から選択した独立した複数の方法を用いて、種々のサブユニットをコードしている遺伝子を得るのが必要であることもある。
【0069】
所望のタンパク質が1を越えるサブユニットを含有している複製可能な発現ベクターを構築するときには、すべてのサブユニットを、通常はサブユニットをコードしているDNAの5′側に位置する同一のプロモーターによって調節するか、または各サブユニットを、ベクター中で適切に配向された独立したプロモーターであってそれぞれのプロモーターが調節しようとするDNAに機能的に連結されたプロモーターによって調節することもできる。プロモーターの選択は上記セクションIIIの記載のように行なう。
【0070】
複数サブユニットを有する所望のタンパク質をコードしているDNAを含有する複製可能な発現ベクターを構築する際には図10を参照すべきであり、この図には説明のためにベクターが図示されており、抗体フラグメントの各サブユニットをコードしているDNAが示されている。この図は、通常、所望のタンパク質のサブユニットの1つがM13遺伝子IIIなどのファージコートタンパク質に融合されることを示している。通常、この遺伝子融合体はそれ自体のシグナル配列を含有しているであろう。別の遺伝子が他のサブユニットまたはサブユニット群をコードしており、各サブユニットが通常はそれ自体のシグナル配列を有していることがわかる。また、図10は、単一のプロモーターが両サブユニットの発現を調節しうることを示している。これとは異なり、各サブユニットが異なるプロモーターによって独立して調節されていてもよい。所望のタンパク質サブユニット-ファージコートタンパク質の融合構築物は、上記セクションIVの記載のように調製することができる。
【0071】
所望の複数サブユニットタンパク質の一群の変異体を構築するときには、ベクター中の各サブユニットをコードしているDNAを、各サブユニット中の1またはそれ以上の位置において突然変異させてもよい。複数サブユニットの抗体変異体が構築されるときには、好ましい突然変異誘発部位は、軽鎖、重鎖または両鎖のいずれかの相補性決定領域(CDR)中に位置するアミノ酸残基をコードしているコドンに一致する。通常、このCDRは超可変領域と呼ばれている。所望のタンパク質の各サブユニットをコードしているDNAを突然変異させる方法は、実質的に上記セクションVの記載のように実施する。
【0072】
VII.標的分子の調製およびファージミドとの結合
受容体などの標的タンパク質は、当分野で既知の方法により、天然供給源から単離するかまたは組換え法によって調製することができる。例示すると、糖タンパク質ホルモン受容体はMcFarlandら〔Science 245: 494-499 (1989)〕が記載している方法によって調製することができ、大腸菌中で発現させた非グリコシル化型はFuhら〔J.Biol.Chem. 265: 3111-3115 (1990)〕が記載している。他の受容体は常法によって調製することができる。
【0073】
精製した標的タンパク質を、アガロースビーズ、アクリルアミドビーズ、ガラスビーズ、セルロース、種々のアクリル系コポリマー、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、ポリアクリル酸およびポリメタクリル酸コポリマー、ナイロン、中性およびイオン性担体などの適当なマトリックスに結合させることができる。マトリックスへの標的タンパク質の結合は、文献〔Methods in Enzymology 44 (1976)〕に記載の方法によって、または当分野で既知の他の手段によって行なうことができる。
【0074】
マトリックスに標的タンパク質を結合させた後、固定化した標的を、ファージミド粒子の少なくとも一部を固定化標的と結合させるに適切な条件下で、ファージミド粒子のライブラリーと接触させる。通常、pH、イオン強度、温度などを含む条件は生理学的条件に類似したものであろう。
【0075】
固定化標的に対して高親和性を有する結合ファージミド粒子(「結合体」)を、洗浄により低親和性の粒子(従って、標的に結合しない粒子)から分離する。結合体は種々の方法によって固定化標的から解離させることができる。これら方法には、野生型リガンド、pHおよび/またはイオン強度の変更を用いる競合解離、ならびに当分野で既知の方法が含まれる。
【0076】
適当な宿主細胞を結合体とヘルパーファージに感染させ、この宿主細胞をファージミド粒子の増幅に適切な条件下で培養する。次いで、ファージミド粒子を集め、標的分子に対して所望の親和性を有する結合体が選択されるまで選択工程を1またはそれ以上の回数繰り返す。
【0077】
所望により、ファージミド粒子のライブラリーを、1を越える固定化標的に連続的に接触させて特定の標的に対する選択性を改善することができる。例えば、hGHなどのリガンドは1を越える天然受容体を有していることが多い。このhGHの場合には、成長ホルモン受容体とプロラクチン受容体の両方がhGHリガンドに結合する。hGHの選択性を、プロラクチン受容体に対する以上に成長ホルモン受容体に対して改善するのが望ましいであろう。これは、初めにファージミド粒子ライブラリーを固定化プロラクチン受容体と接触させ、これを低親和性(即ち、野生型hGHよりも低い)でプロラクチン受容体について溶離し、次いでこの低親和性プロラクチン「結合体」または非結合体を固定化成長ホルモン受容体と接触させ、高親和性成長ホルモン受容体結合体を選択することによって達成することができる。この場合、プロラクチン受容体に対して低親和性を有するhGHの突然変異体は、成長ホルモン受容体に対する親和性が野生型hGHの親和性よりも若干低いときであっても、治療用途を有しているであろう。これと同じ方法を用いて、特定ホルモンまたはタンパク質の、そのクリアランス受容体を凌ぐ1次機能受容体に対する選択性を改善することができる。
【0078】
本発明の別の態様においては、改良された基質アミノ酸配列を得ることができる。これらは、タンパク質リンカーのためのより良好な「切断部位」を作成する際に、またはより良好なプロテアーゼ基質/阻害物質のために有用であろう。この態様においては、固定化しうる分子(例えば、hGH-受容体、ビオチン-アビジン、またはマトリックスと共有結合しうる分子)をリンカーによって遺伝子IIIに融合させる。このリンカーは、好ましくは長さが3〜10アミノ酸であり、プロテアーゼの基質として作用する。ファージミドを上記のように構築する(ここで、リンカー領域をコードしているDNAにランダム突然変異を行なって、結合部位に異なるアミノ酸配列を有するファージミド粒子のランダムライブラリーを調製する)。次いで、このファージミド粒子のライブラリーをマトリックス上に固定化し、所望のプロテアーゼに暴露する。所望のプロテアーゼのライナー領域に好ましいかまたはより良好な基質アミノ酸配列を有するファージミド粒子が溶離され、好ましいリンカーをコードしているファージミド粒子の豊富化されたプールが最初に得られるであろう。次いで、さらに数回これらファージミド粒子を反復処理し、コンセンス配列(群)をコードしている粒子の豊富化されたプールを得る(実施例XIIIおよびXIVを参照)。
【0079】
VIII.成長ホルモン変異体および使用方法
hGHのクローン化遺伝子がEschericha colaにおいて分泌型で発現され〔Chang,C.N.ら, Gene 55: 189 (1987)〕、そのDNAおよびアミノ酸配列が報告されている〔Goeddelら, Nature 281: 544 (1979); Grayら, Gene 39: 247 (1985)〕。本発明は、ファージミド選択法を用いて得た新規なhGH変異体を記載するものである。10、14、18、21、167、171、172、174、175、176、178および179位に置換を含むヒト成長ホルモン変異体が記載されている。比較的高い結合親和性を有する変異体を表VII、XIIIおよびXIVに記載している。これら変異体を記載するためのアミノ酸命名法は後記する。成長ホルモン変異体は、正規の成長ホルモンと同じように投与および製剤化してよい。本発明の成長ホルモン変異体は、天然またはmet hGHを発現しうる任意の組換え系において発現させることができる。
【0080】
治療用投与のためのhGHの製剤は、所望の精製度のhGHを所望により生理学的に許容しうる担体、賦形剤または安定剤〔Remington's Pharmaceutical Sciences, 第16版, Osol,A.編 (1980)〕と混合することにより、凍結乾燥ケーキまたは水溶液の形態で保存用に調製される。許容しうる担体、賦形剤または安定剤は使用される用量および濃度で受容対象に対して非毒性であり、これらには、緩衝液(例えば、リン酸、クエン酸、および他の有機酸の緩衝液);抗酸化剤(アスコルビン酸を含む);低分子量(約10残基未満)のポリペプチド;タンパク質(例えば、血清アルブミン、ゼラチン、あるいは免疫グロブリン);親水性ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン);アミノ酸(例えば、グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニン、あるいはリジン);単糖類、二糖類およびその他の炭水化物(グルコース、マンノースあるいはデキストリンを含む);キレート化剤(例えば、EDTA);二価の金属イオン(例えば、亜鉛、コバルトあるいは銅);糖アルコール(例えば、マンニトールあるいはソルビトール);塩を形成する対イオン(例えば、ナトリウム);および/またはノニオン系界面活性化剤〔例えば、ツイーン、プルロニックあるいはポリエチレングリコール(PEG)〕が含まれる。本発明の製剤は、薬学的に許容しうる緩衝剤、アミノ酸、増量剤、および/またはノニオン系界面活性剤をさらに含有していてもよい。これらには、例えば緩衝液、キレート化剤、抗酸化剤、保存剤、共溶媒などが含まれる。これらの具体例には、トリメチルアマイン塩(「トリス緩衝液」)、および二ナトリウム・エデテートが含まれるであろう。本発明のファージミドを用いてファージタンパク質を含まない多量のhGH変異体を製造することができる。融合体の遺伝子III部分を含まないhGH変異体を発現させるために、単にpS0643および誘導体を16C9などの非サプレッサー株中で増殖させることができる。この場合には、アンバーコドン(TAG)が翻訳の終止を導き、独立したDNAの構築を必要とすることなく遊離のホルモンが得られる。hGH変異体は宿主から分泌され、これを培養培地から単離することができる。
【0081】
8つのhGHアミノ酸F10、M14、H18、H21、R167、D171、T175およびI179のうちの1またはそれ以上のアミノ酸を、ここに示した天然hGH中の該位置に見い出されるアミノ酸以外のいずれかのアミノ酸に置換することができる。即ち、ここに示したアミノ酸F10、M14、H18、H21、R167、D171、T175およびI179のうちの1、2、3、4、5、6、7、または8個全部を、以下に挙げる20アミノ酸のうちの他の19アミノ酸のいずれかで置換することができる。好ましい態様においては、ここに挙げた8個全部のアミノ酸を別のアミノ酸で置換する。置換されるべき最も好ましい8個のアミノ酸は、実施例XII中の表XIVに示す。
アミノ酸の命名
Ala(A)
Arg(R)
Asn(N)
Asp(D)
Cys(C)
Gln(Q)
Glu(E)
Gly(G)
His(H)
Ile(I)
Leu(L)
Lys(K)
Met(M)
Phe(F)
Pro(P)
Ser(S)
Thr(T)
Trp(W)
Tyr(Y)
Val(V)
1文字のhGH変異体の命名法は、削除されるhGHアミノ酸(例えば、グルタメート179)を最初に記し、次に挿入されるアミノ酸(例えば、セリン)を記し、結果として(E1795S)となる。
【0082】
【実施例】
さらに説明することなく、当業者なら以上の説明および例示の実施例を用いて本発明を完全に実施および利用することができると考えられる。即ち、以下の具体的な実施例は本発明の好ましい態様を示すものであり、いかなる意味においても開示の残部を限定するものとみなすべきではない。
【0083】
実施例1 プラスミドの構築およびhGH−ファージミド粒子の調製
プラスミドphGH-M13gIII(図1)を、M13KO77およびhGH産生プラスミドpBO473〔Cunningham,B.C.ら, Science 243: 1330-1336 (1989)〕から構築した。合成オリゴヌクレオチド:
5'-AGC-TGT-GGC-TTC-GGG-CCC-TTA-GCA-TTT-AAT-GCG-GTA-3'
を用いて、pBO473中のhGHの最後のPhe191コドンの後に唯一のApaI制限部位(下線部)を導入した。オリゴヌクレオチド:
5'-TTC-ACA-AAC-GAA-GGG-CCC-CTA-ATT-AAA-GCC-AGA-3'
を用いて、唯一のApaI制限部位(最初の下線部)、およびGlu197−アンバー停止コドン(2番目の下線部)をM13KO7遺伝子III中に導入した。オリゴヌクレオチド:
5'-CAA-TAA-TAA-CGG-GCT-AGC-CAA-AAG-AAC-TGG-3'
により、遺伝子III暗号配列の3′末端の後に唯一のNheI部位(下線部)を導入する。二重に突然変異させたM13KO7の遺伝子III由来の得られた650塩基対(bp)のApaI−NheIフラグメントを、pBO473の大きいApaI−NheIフラグメント中にクローン化してプラスミドpSO132を創製した。これにより、ApaI部位からコードされるグリシン残基を挿入しつつhGHのカルボキシ末端(Phe191)を遺伝子IIIタンパク質のPro198残基に融合させ、この融合タンパク質を大腸菌アルカリホスファターゼ(phoA)プロモーターおよびstII分泌シグナル配列〔Chang,C.N.ら, Gene 55: 189-196 (1987)〕の支配下に置いた。豊富培地中での融合タンパク質の誘導可能な発現のために、このphoAプロモーターをlacプロモーターおよびオペレーターで置換した。lacプロモーター、オペレーター、およびCap結合部位を含有する138bpのEcoRI−XbaIフラグメントを、オリゴヌクレオチド:
5'-CACGACAGAATTCCCGACTGGAAA-3' および 5'-CTGTTTCTAGAGTGAAATTGTTA-3'
〔これらは、所望のlac配列と境界を接し、EcoRIおよびXbaI制限部位(下線部)を導入する〕
を用いるプラスミドpUC119のPCRによって調製した。このlacフラグメントをゲル精製し、pSO132の大きいEcoRI−XbaIフラグメントに連結してプラスミドphGH-M13gIIIを創製した。すべての加工したDNA連結点の配列はジデオキシ配列決定法によって確認した〔Sanger,F.ら, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74: 5463-5467 (1977)〕。R64A変異hGHファージミドは次のようにして構築した。即ち、Arg64のAla置換(R64A)〔Cunningham,B.C., Wells,J.A, Science 244: 1081-1085 (1989)〕をコードしているhGH〔Cunninghamら(上記)〕のNsiI−BglII突然変異フラグメントを、phGH-M13gIIIプラスミド(図1)中の対応する制限部位の間にクローン化して野生型hGH配列を置換した。このR64A hGHファージミド粒子を、野生型hGH−ファージミドについて以下に記載したようにして増殖させ、滴定した。
【0084】
プラスミドを大腸菌の雄性株(JM101)中に導入し、カルベニシリン・プレート上で選択した。単一の形質転換体を2YT培地(2ml)中にて37℃で4時間増殖させ、M13KO7ヘルパーファージ(50μl)に感染させた。この感染培養物を2YT(30ml)に希釈し、一晩培養し、ポリエチレングリコールによる沈澱によってファージミド粒子を集めた〔Vierra,J., Messing,J., Methods in Enzymology 153: 3-11 (1987)〕。通常、ファージミド粒子の力価は2〜5x1011cfu/mlの範囲内であった。この粒子をCsCl密度遠心〔Day,L.A., J.Mol.Biol. 39: 265-277 (1969)〕によって均質になるまで精製し、ビリオンに未結合のすべての融合タンパク質を除去した。
【0085】
実施例 II 融合ファージ上のhGHの免疫化学分析
hGHに対するウサギポリクローナル抗体をプロテインAを用いて精製し、50mM炭酸ナトリウム緩衝液(pH10)中、2μg/mlの濃度にて4℃で16〜20時間、微量滴定プレート(Nunc)に被覆した。0.05%ツイーン20を含むPBS中で洗浄した後、hGHまたはhGH−ファージミド粒子を緩衝液A〔50mMトリス(pH7.5)、50mM NaCl、2mM EDTA、5mg/mlウシ血清アルブミン、および0.05%ツイーン20〕中で2.0〜0.002nMに連続希釈した。室温(rt)で2時間の後、このプレートを十分に洗浄し、示したMab〔Cunninghamら(上記)〕をrtで2時間、緩衝液A中1μg/mlで加えた。洗浄の後、西洋ワサビペルオキシダーゼ-コンジュゲート化したヤギ抗-マウスIgG抗体をrtで1時間結合させた。最後の洗浄の後、ペルオキシダーゼ活性を、基質o-フェニレンジアミンを用いて検定した。
【0086】
実施例 III hGH結合タンパク質のポリアクリルアミドビーズへの結合および結合の豊富化
オキシラン ポリアクリルアミドビーズ(Sigma)を、237位に部位指向性突然変異誘発により導入した余分のシステイン残基(hGHの結合に悪影響を及ぼさない;J.Wells:未公表)を含むhGH受容体の精製した細胞外ドメイン(hGHbp)〔Fuh,G.ら, J.Biol.Chem. 265: 3111-3115 (1990)〕とコンジュゲート化した。このhGHbpは、供給元の推奨のように、樹脂に対する〔125I〕hGHの結合によって測定したときに1.7pモルhGHbp/mg乾燥オキシランビーズの量となるようにコンジュゲート化した。次いで、すべての未反応オキシラン基をBSAおよびトリスでブロックした。ファージミド粒子の非特異的結合の対照として、BSAを同様にビーズに結合させた。吸着および洗浄のための緩衝液は、10mMトリス-HCl(pH7.5)、1mM EDTA、50mM NaCl、1mg/ml BSAおよび0.02%ツイーン20を含有していた。溶離緩衝液は、洗浄緩衝液に加えて200nM hGHまたは0.2Mグリシン(pH2.1)を含有していた。親ファージM13KO7をhGHファージミド粒子とほぼ3000:1(最初の混合物)の比で混合し、50μl容量中、室温でいずれかの吸収剤(5μlづつ;0.2mgのアクリルアミドビーズ)と8〜12時間混合した。このビーズを遠心によってペレット化し、上清を注意深く除去した。このビーズを洗浄緩衝液(200μl)に再懸濁し、室温で4時間混合した(洗浄液1)。2回目の洗浄の後(洗浄液2)、このビーズを2回、それぞれ200nMのhGHで6〜10時間溶離した(溶出液1、溶出液2)。最後の溶離はグリシン緩衝液(pH2.1)を用いて4時間行ない、残存するhGHファージミド粒子を除去した(溶出液3)。それぞれの分画を2YT培地で適切に希釈し、新鮮なJM101と混合し、37℃で5分間インキュベートし、そして2YT軟寒天(3ml)を用いてLBまたはLBカルベニシリンプレートにプレーティングした。
【0087】
実施例 IV 遺伝子III産物の混合物によるhGH−ファージミド粒子の構築
遺伝子IIIタンパク質は410残基からなり、可変リンカー配列によって隔てられた2つのドメインに分かれている〔Armstrong,J.ら, FEBS Lett. 135: 167-172 (1981)〕。アミノ末端ドメインは大腸菌の線毛に付着するために必要であり、一方、カルボキシ末端ドメインはファージのコート(外殻)に組込まれ、適切なファージ組立てに必要である〔Crissman,J.W., Smith,G.P., Virology 132: 445-455 (1984)〕。遺伝子IIIのシグナル配列およびアミノ末端ドメインを、遺伝子IIIのカルボキシ末端ドメイン中の残基198への融合により、stIIシグナルおよび全hGH遺伝子〔Changら(上記)〕で置換した(図1)。このhGH−遺伝子III融合体を、pBR322のβ−ラクタマーゼ遺伝子およびColE1複製起点ならびにファージf1の遺伝子間領域を含むプラスミド(phGH-M13gIII;図1)中のlacプロモーター/オペレーターの支配下に置いた。このベクターは、カルベニシリンによる選択によって小さなプラスミドベクターとして容易に維持することができ、これにより増殖のために機能的な遺伝子III融合体に依存することが回避される。また、このプラスミドは、M13KO7〔Vieraら(上記)〕などのヘルパーファージによる感染によってビリオン(即ち、ファージミド粒子)に効率的にパッケージングされることができ、これによりファージ組立ての問題が回避される。この系におけるカルベニシリン耐性に対する形質導入に基づくファージミドの感染性力価は、2〜5x1011コロニー形成単位(cfu)/mlに変化した。これらのファージミド保存物におけるM13KO7ヘルパーファージの力価は〜1010プラーク形成単位(pfu)/mlである。
【0088】
この系を用いて、遺伝子IIIに融合した大きいタンパク質の均質発現がファージの生成に有害であるという以前の研究〔Parmley, Smith (上記)〕を確認した(データは示していない)。例えば、IPTGの添加によるphGH-M13gIII中のlacプロモーターの誘導により、低いファージミド力価が得られた。さらに、遺伝子III中にアンバー突然変異を含むM13KO7による同時感染によって得られたファージミド粒子は、極めて低いファージミド力価(<1010cfu/ml)を与えた。我々は、ファージミド表面に結合した複数コピーの遺伝子III融合体が、固定化標的タンパク質への融合ファージの複数点結合(「キレート作用」)を導きうるものと考えた。従って、融合タンパク質のコピー数を制御するために、構成的に高レベルのlacリプレッサータンパク質を含有する大腸菌JM101(laclQ)中でプラスミドを培養することによって、hGH−遺伝子III融合体の転写を制限した。phGH-M13gIIIを含有する大腸菌JM101培養物を最高に増殖させ、lacオペロン誘導物質(IPTG)の非存在下にM13KO7に感染させた(しかし、この系は柔軟性を持っており、他の遺伝子III融合タンパク質の同時発現と平衡させることができる)。我々は、ビリオンあたりのhGH量の比(CsCl勾配で精製したファージミド中のhGH免疫反応性物質に基づく)から、約10%のファージミド粒子が1コピーのhGH遺伝子III融合タンパク質を含有しているものと概算している。従って、hGH遺伝子III融合体を表示する融合ファージの力価は約2〜5x1010/mlである。この数値は、これらを導いた培養物中の大腸菌の力価(〜108〜109/ml)よりも相当に大きい。即ち、平均的に全大腸菌細胞は、hGH遺伝子III融合タンパク質で装飾されたファージを10〜100コピー生成する。
【0089】
実施例V hGH−遺伝子III融合体の構造的完全性
hGH−遺伝子IIIファージミドの免疫ブロット分析(図2)により、hGH交差反応性物質がアガロースゲル中でファージミド粒子と同時移動することがわかる。このことは、hGHがファージミド粒子に強固に結合していることを示すものである。このファージミド粒子からのhGH−遺伝子III融合タンパク質は単一の免疫染色されるバンドとして移動し、hGHが遺伝子IIIに結合したときにhGHの分解がわずかしかないことを示す。約25%のファージミド粒子が感染性であるので、野生型遺伝子IIIタンパク質が明らかに存在する。これは、UV吸収によって評価した濃度、および同様に精製(CsCl密度勾配法による)した野生型M13ファージに対して行なった比感染性評価に類似する〔Smith,G.P.(上記)およびParmley, Smith(上記)〕。即ち、野生型遺伝子IIIおよびhGH−遺伝子III融合タンパク質の両方がファージプール中に表示される。
【0090】
結合選択による結果が天然タンパク質に転換するという信頼性を得るために、表示されたhGHの3次構造が維持されていることを確認するのが重要であった。hGHに対するモノクローナル抗体(Mab)を用いて、表示されたhGH遺伝子III融合タンパク質の構造的完全性を評価した(表I)。
【0091】
これらMabに対するhGH上のエピトープはマッピングされており〔Cunninghamら(上記)〕、8種のMabのうちの7種に対する結合はhGHが適切に折り畳まれることを必要とする。すべてのMabのIC50値は、Mab 5および6を除いて野生型hGHと等価であった。Mab 5および6の両方は、遺伝子III融合タンパク質中でブロックされるhGHのカルボキシ末端の近くに結合決定基を有していることが知られている。天然および変性hGHの両方と反応するMab1の相対IC50値は、立体配座的に敏感なMab 2〜5、7および8と比較して変わることがない。即ち、Mab1は、hGH−遺伝子III融合体の濃度に対するhGH標準の濃度を適合させる際のあらゆる過誤の良好な内部対照として働く。
【0092】
実施例 VI 受容体親和性ビーズに対する結合の豊富化
これまでの研究者〔Parmley, Smith(上記);Smith(上記);Cwirlaら(上記);およびDevlinら(上記)〕は、ストレプトアビジン被覆したポリスチレン製ペトリ皿または微量滴定プレートで選別することによってファージを分画していた。しかし、クロマトグラフィー系は、異なる結合親和性を有する突然変異タンパク質を表示するファージミド粒子のさらに効率的な分画を可能にする。我々は、非多孔性のオキシランビーズ(Sigma)を選択してクロマトグラフィー樹脂中のファージミド粒子の捕捉を回避した。さらに、これらビーズは小さい粒子サイズ(1μm)を有しており、量に対する表面積の比が最大になる。遊離のシステイノ残基を含有するhGH受容体の細胞外ドメイン(hGHbp)〔Fuhら(上記)〕はこれらビーズに効率的に結合し、ファージミド粒子はウシ血清アルブミンにのみ結合させたビーズに対して極めて低い非特異的な結合を示した(表II)。
【0093】
【0094】
代表的な豊富化実験(表II)において、1部のhGHファージミドを>3,000部のM13KO7ファージと混合した。1サイクルの結合と溶離の後、106のファージが回収され、ファージミドのM13KO7ファージに対する比は2:1であった。即ち、1回の結合選択工程によって、>5000倍の豊富化が得られた。残存するファージミドを除去するための遊離hGHまたは酸処理による追加の溶離によって、さらに高い豊富化が得られた。この豊富化は、被覆ポリスチレンプレートからのバッチ溶離を用いてSmithおよびその共同研究者が得た豊富化に匹敵した〔Smith,G.P.(上記)およびParmley, Smith(上記)〕。しかし、さらに少ない容量がビーズに対して用いられている(200μl vs 6ml)。BSAにのみ結合させたビーズを用いたときには、M13KO7を凌ぐhGHファージミドの豊富化はほとんど存在しなかった。対照ビーズに対して観察されたわずかな豊富化(pH2.1溶離に対して〜10倍;表2)は、ビーズに結合するBSA中に存在するウシ成長ホルモン結合タンパク質の微量の不純物に由来するものであろう。それにもかかわらず、これらのデータは、hGHファージの豊富化がビーズ上のhGHbpの存在に依存することを示し、結合がhGHとhGHbpの間の特異的な相互作用によって起こることを示唆する。
【0095】
我々は、融合ファージミド上のhGHの比較的弱い結合変異体を凌ぐ野生型hGHの豊富化を評価して、豊富化の特異性をさらに調べ、精製ホルモンに対する結合親和性の減少を融合ファージミド選別後の豊富化因子と関連させた。Arg64がAlaで置換されたhGH突然変異体(R64A)を用いて融合ファージミドを構築した。このR64A変異ホルモンは、hGHと比べて受容体結合親和性が約20倍減少している〔それぞれ、Kd値が7.1nMおよび0.34nM;Cunningham, Wells(上記)〕。R64A hGH−遺伝子III融合ファージミドの力価は、野生型hGHファージミドの力価と同等であった。1ラウンドの結合と溶離の後(表III)、野生型hGHファージミドは、2種類のファージミドとM13KO7の混合物から、ファージミドR64Aに対しては8倍およびM13KO7ヘルパーファージに対しては〜104で豊富化された。
【0096】
【0097】
ファージミド粒子上に野生型遺伝子IIIおよび遺伝子III融合タンパク質の混合物を表示させることにより、遺伝子IIIに対する融合体として大きな適切に折り畳まれたタンパク質を表示するビリオンを組立てそして増殖させることができる。遺伝子III融合タンパク質のコピー数を有効に制御して、ファージミドプールにおいて十分に高いレベルになお維持されている「キレート作用」を避け、大きいエピトープライブラリー(>1010)の選別をすることができる。我々は、hGH(22kDのタンパク質)を天然の折り畳まれた形態で表示させうることを示した。遊離のhGHで溶離し、受容体親和性ビーズ上で行なった結合選択は、低い受容体結合親和性を有することが示された突然変異hGHファージミド以上に野生型hGHファージミドを効率的に豊富化した。即ち、結合定数がナノモル範囲で低下しているファージミド粒子を選別することができる。
タンパク質−タンパク質および抗体−抗原の相互作用は、不連続エピトープによって支配されている〔Janin,J.ら, J.Mol.Biol. 204: 155-164 (1988); Argos,P., Prot.Eng. 2: 101-113 (1988); Barlow,D.J.ら, Nature 322: 747-748 (1987); およびDavies,D.R.ら, J.Biol.Chem. 263: 10541-10544 (1988)〕。即ち、結合に直接関与している残基は3次構造において近接しているが、結合に関与していない残基によって隔てられている。本発明により提供されるスクリーニング系は、さらに好都合にタンパク質−受容体の相互作用を分析し、新規かつ高親和性の結合性を有するタンパク質中の不連続エピトープを単離することを可能にするものである。
【0098】
実施例 VII hGHコドン172、174、176、178においてランダム化したライブラリーからのhGH突然変異体の選択
鋳型の構築
hGH−遺伝子III融合タンパク質の突然変異体は、Kunkelら〔Meth.Enzymol. 154: 367-382 (1987)〕の方法を用いて構築した。鋳型DNAは、M13-K07ファージをヘルパーとして加えて、プラスミドpS0132(M13遺伝子IIIのカルボキシ末端側半分に融合させた天然hGH遺伝子をアルカリホスファターゼプロモーターの支配下に含有する)をCJ236細胞中で増殖させることによって調製した。1本鎖のウラシル含有DNAを突然変異誘発用に調製して、(1)hGH結合タンパク質(hGHbp)に対する結合を大きく減少させるhGH中の突然変異;および(2)親のバックグラウンドファージを検定し、それに対して選択するために使用しうる唯一の制限部位(KpnI)を導入した。T7 DNAポリメラーゼおよび以下のオリゴデオキシヌクレオチド:
を用いてオリゴヌクレオチド指向性の突然変異誘発を行なった。このオリゴは、hGH中に突然変異(R178G、I179T)と共にKpnI部位(上に示す)を導入する。突然変異誘発からのクローンをKpnI消化によってスクリーニングし、ジデオキシDNA配列決定によって確認した。ランダム突然変異誘発の鋳型として使用されるこの得られた構築物をpHO415と命名した。
【0099】
h GHのヘリックス4中のランダム突然変異誘発
ここでもKunkelの方法を用いて、コドン172、174、176、178をhGH中のランダム突然変異誘発の標的とした。上記のようにpHO415から1本鎖鋳型を調製し、以下のオリゴ:
のプールを用いて突然変異誘発を行なった。上に示したように、このオリゴプールはコドン179を野生型(Ile)に復帰させ、pH0415の唯一のKpnI部位を破壊し、そして172、174、176および178位にランダムコドン(NNS;ここで、NはA、G、CまたはTであり、SはGまたはCである)を導入する。上記の配列に対してこのコドン選択を用いて、付加的なKpnI部位を創製することはできない。このNNS同義性配列の選択により、4つの部位に32種の可能なコドン(1つの「停止」コドンおよび少なくとも1つの各アミノ酸のためのコドン)が得られ、合計(32)4=1,048,576の可能なヌクレオチド配列(この12%は少なくとも1つの停止コドンを含有する)、または(20)4=160,000の可能なポリペプチド配列と34,481の未成熟で終止した配列(即ち、少なくとも1つの停止コドンを含有する配列)が得られる。
【0100】
最初のライブラリーの増殖
突然変異誘発産物をフェノール:クロロホルム(50:50)で2回抽出し、後の電気穿孔工程を面倒にする塩の添加を避けるために過剰のキャリアーtRNAを用いてエタノール沈澱させた。約50ng(15fモル)のDNAを、0.2cmキュベット中の全容量45μlにおいて、単一パルスの電圧設定2.49kV(時間定数=4.7m秒)でWJM101細胞(2.8x1010細胞/ml)に電気穿孔導入した。
【0101】
この細胞を振盪しながら37℃で1時間回復させ、次いで2YT培地(25ml)、100μg/mlカルベニシリン、およびM13-K07(感染の多重度=1000)と混合した。この培養物からの連続希釈物をカルベニシリン含有培地にプレーティングすることにより、8.2x106の電気形質転換体が得られたことがわかった。23℃で10分間の後、培養物を振盪しながら37℃で一晩(15時間)インキュベートした。
【0102】
一晩インキュベートの後、細胞をペレット化し、pLIB1と命名した2本鎖DNA(dsDNA)をアルカリ溶解法によって調製した。この上清をもう一度遠心してすべての残存細胞を除去し、ファージプールφ1と命名したファージをPEG沈澱させ、STE緩衝液〔10mMトリス(pH7.6)、1mM EDTA、50mM NaCl〕(1ml)に再懸濁した。ファージ力価は、hGH-g3p遺伝子III融合(hGH-g3)プラスミドを含有する組換えファージミドについてはコロニー形成単位(CFU)として、そしてM13-K07ヘルパーファージについてはプラーク形成単位(PFU)として測定した。
【0103】
固定化 h GH bp を用いる結合選択
1.結合:ファージプールφ1(6x109CFU、6x107PFU)の一部を緩衝液A〔リン酸緩衝食塩水、0.5%BSA、0.05%ツイーン20、0.01%チメロサール〕で4.5倍に希釈し、1.5mlのシラン処理したポリプロピレン試験管において、Ser237Cys突然変異を含むhGHbp(350fモル)と結合させたオキシラン-ポリアクリルアミドビーズの懸濁液(5μl)と混合した。対照として、等量のファージを、BSAだけで被覆したビーズと別の試験管で混合した。このファージを、ゆっくり回転(約7rpm)させながら室温(23℃)で3時間インキュベートすることによって、ビーズと結合させた。以下の工程は、200μlの一定容量を用い、室温で行なった。
【0104】
2.洗浄:ビーズを15秒間回転させ、上清を除去した(上清1)。非特異的に結合したファージ/ファージミドを除去するため、このビーズを緩衝液Aに再懸濁することにより2回洗浄し、次いでペレット化した。最後の洗浄は、緩衝液A中で2時間、このビーズを回転させることにより行なった。
【0105】
3.hGH溶離:ビーズに弱く結合したファージ/ファージミドを、hGHによる段階溶離によって除去した。最初の工程において、ビーズを2nM hGH含有の緩衝液Aを用いて回転させた。17時間後に、このビーズをペレット化し、20nM hGH含有の緩衝液Aに再懸濁し、3時間回転させ、次いでペレット化した。最後のhGH洗浄において、このビーズを200nM hGH含有の緩衝液Aに懸濁させ、3時間回転させ、次いでペレット化した。
【0106】
4.グリシン溶離:最も強固に結合したファージミド(即ち、hGH洗浄後になお結合しているファージミド)を除去するため、ビーズをグリシン緩衝液〔1Mグリシン、HClでpH2.0〕に懸濁させ、2時間回転させ、ペレット化した。この上清(分画「G」;200μl)を、1Mトリス塩基(30μl)の添加によって中和した。
【0107】
hGHbp-ビーズから溶出した分画G(1x106CFU、5x104PFU)は、実質的にK07ヘルパーファージ以上にファージミドに富むことはなかった。我々は、これは、組換えファージミドの増殖中にパッケージされたK07ファージがhGH-g3p融合体を表示するということに起因するものと考えている。
【0108】
しかし、BSA被覆された対照ビーズから溶出した分画Gと比較すると、hGHbp-ビーズは14倍高いCFUを与えた。これは、非特異的に結合したファージミド以上の、強固に結合したhGHを表示するファージミドの豊富化を反映するものである。
【0109】
5.増殖:hGHbp-ビーズから溶出した分画Gの一部(4.3x105CFU)を用いて対数増殖期のWJM101細胞を感染させた。形質導入は、分画G(100μl)をWJM101細胞(1ml)と混合し、37℃で20分間インキュベートし、次いでK07(感染の多重度=1000)を加えることによって行なった。培養物(25mlの2YTとカルベニシリン)を上記のように増殖させ、ファージの第2プール(ライブラリー1G、第1のグリシン溶離用)を上記のように調製した。
【0110】
ライブラリー1Gからのファージ(図3)を、上記のように、hGHbpビーズへの結合について選択した。hGHbpビーズから溶出した分画Gは、この選択においてBSAビーズから溶出した分画Gに比べて30倍高いCFUを含んでいた。もう一度、分画Gの一部をWJM101細胞中で増殖させ、ライブラリー1G2(グリシン溶離によってこのライブラリーを2回選択したことを示す)を得た。また、2本鎖DNA(pLIB 1G2)をこの培養物から調製した。
ds DNAのK pn I検定および制限選択
【0111】
バックグラウンド(KpnI+)鋳型の量を減少させるため、pLIB 1G2の一部(約0.5μg)をKpnIで消化し、WJM101細胞中に電気穿孔導入した。これらの細胞を、最初のライブラリーについて記載したようにK07(感染の多重度=100)の存在下で増殖させ、新しいファージプールpLIB3を調製した(図3)。
【0112】
さらに、最初のライブラリー(pLIB1)由来のdsDNAの一部(約0.5μg)をKpnIで消化し、WJM101細胞中に直接電気穿孔導入した。形質転換体を上記のように回復させ、M13-K07に感染させ、一晩増殖させてファージライブラリー2と命名した新しいファージライブラリーを得た(図3)。
【0113】
連続ラウンドの選択
(1)過剰(CFUの10倍)の精製K07ファージ(hGHを表示しない)をビーズ結合カクテル中に添加した;および(2)hGH段階溶離を緩衝液A単独の短い洗浄に換えたことを除き、上記のようにしてpLIB2およびpLIB3の両方に由来するファージミドに対して連続ラウンドでファージミドの結合、溶離および増殖を行なった。また、一部においてはXL1-Blue細胞をファージミドの増殖に用いた。
【0114】
KpnIによるdsDNAの追加の消化を、最終ラウンドのビーズ結合選択の前にpLIB 2G3およびpLIB 3G5に対して実施した(図3)。
【0115】
選択したファージミドのDNA配列決定
LIB 4G4由来の4種の独立して単離したクローンおよびLIB 5G6由来の4種の独立して単離したクローンを、ジデオキシ配列決定によって配列決定した。これら8種クローンのすべてが、同一のDNA配列:
を有していた。即ち、これらのすべてがhGHの同一突然変異体(E174S、F176Y)をコードしている。これらクローン中の残基172は野生型と同様にLysである。また、172に対して選択されたコドンも野生型hGHと同一である。このことは、AAGが同義「NNS」コドンのセットから可能な唯一のリジン-コドンであるので驚くには当たらない。さらに、残基178-Argも野生型と同一であるが、ここではライブラリーから選択されたコドンはAAGであって野生型hGHで見い出されるCGCではなかった(後者コドンも「NNS」コドンのセットを用いて可能である)。
【0116】
K07感染の多重度
K07感染の感染多重度は、組換えファージミドの増殖において重要なパラメーターである。K07の感染多重度は、ファージミドで形質転換またはトランスフェクションされた実質的にすべての細胞が新しいファージミド粒子をパッケージしうることを確保するに十分に高いものでなければならない。さらに、それぞれの細胞中の野生型遺伝子IIIの濃度は高く維持されて、複数のhGH−遺伝子III融合分子がそれぞれのファージミド粒子上に表示される可能性を減少させ、それによって結合におけるキレート作用を減少させるものであるべきである。しかし、K07の感染多重度が高すぎるときには、K07のパッケージングは組換えファージミドのパッケージングと競合するであろう。我々は、1〜10%のバックグラウンドK07ファージしか持たない許容しうるファージミド収量が、K07の感染多重度が100であるときに得られることを見い出した。
【0117】
【0118】
ファージプールを先に示したように標識した(図3)。感染多重度(moi)はファージミドの増殖の際のK07感染の多重度(PFU/細胞)を意味する。PFUを越えるCFUの豊富化は、精製したK07を結合工程に加えたときに示される。BSAビーズから溶出したCFUを越える、hGHbpビーズから溶出されるCFUの比が示されている。プール中に残存するKpnI含有鋳型(即ち、pH0415)の分画は、dsDNAをKpnIおよびEcoRIで消化し、生成物を1%アガロースゲルで移動させ、陰性の臭化エチジウム染色DNAをレーザー-スキャニングすることによって測定した。
【0119】
ホルモン h GH(E174S、F176Y)の受容体結合の親和性
単一のクローンが2種類の異なる選択経路(図3)から単離されたという事実は、二重突然変異体(E174S、F176Y)がhGHbpに強く結合することを示唆した。hGHbpに対するこのhGH突然変異体の親和性を測定するために、我々はこのhGH突然変異体を、プラスミドpB0720を用いる部位指向性突然変異誘発によって構築した。このプラスミドは、鋳型としての野生型hGH遺伝子、ならびにコドン174および176を変化させる次のオリゴヌクレオチド:
を含有している。得られた構築物pH0458Bを、突然変異ホルモンの発現のために大腸菌株16C9に導入した。hGHbpに対するhGH(E174S、F176Y)と125I-hGHの競合結合のスカッチャード分析により、この(E174S、F176Y)突然変異体が野生型hGHの結合親和性よりも少なくとも5.0倍強固な結合親和性を有していることがわかった。
【0120】
実施例 VIII ホルモン−ファージのヘリックス4ランダムカセットライブラリーからのhGH変異体の選択
ヒト成長ホルモン変異体を、図9に記載のファージミドを用いる本発明の方法によって調製した。
【0121】
脱 - 融合性のホルモン−ファージベクターの構築
我々は、(1)ファージ上でhGH部分の表示をさらに有利にするように、hGHと遺伝子III部分の間の結合を改良する;(2)実質的に「一価の表示」を得るために融合タンパク質の発現を限定する;(3)出発ベクターに対する制限ヌクレアーゼの選択を可能にする;(4)出発ベクターからの融合タンパク質の発現を排除する;および(5)あるhGH−遺伝子III融合突然変異体からの対応する遊離ホルモンの容易な発現を達成する;という目的をもって、カセット突然変異誘発〔Wellsら, Gene 34: 315-323 (1985)〕およびhGH−遺伝子III融合タンパク質の発現のためのベクターを設計した。
【0122】
pBR322およびf1の複製起点を含有し、大腸菌phoAプロモーター〔Bassら, Proteins 8: 309-314 (1990)〕の支配下にhGH−遺伝子III融合タンパク質(hGH残基1〜191、これに1個のGly残基が続き、遺伝子IIIのPro-198に融合している)を発現する、pS0132のオリゴヌクレオチド指向性の突然変異誘発〔Kunkelら, Methods Enzymol. 154: 367-382 (1987)〕によってプラスミドpS0643を構築した(図9)。オリゴヌクレオチド:
5'-GGC-AGC-TGT-GGC-TTC-TAG-AGT-GGC-GGC-GGC-TCT-GGT-3'
を用いて突然変異誘発を行った〔このオリゴヌクレオチドは、hGHのPhe-191に続いてXbaI部位(下線部)およびアンバー停止コドン(TAG)を導入する〕。得られた構築物pS0643においては、遺伝子IIIの一部が削除され、2つのサイレント突然変異誘発(下線部)が生じ、hGHと遺伝子IIIの間に次の連結点が生成する:
--- hGH ---------> 遺伝子III ----->
187 188 189 190 191 am* 249 250 251 252 253 254
Gly Ser Cys Gly Phe Glu Ser Gly Gly Gly Ser Gly
GGC AGC TGT GGA TTC TAG AGT GGC GGT GGC TCT GGT
これは、融合タンパク質の全体サイズをpS0132中の401残基からpS0643中の350残基まで短縮する。hGHに対するモノクローナル抗体を用いた実験により、ファージ粒子に組立てられる新しい融合タンパク質のhGH部分は以前の長い融合体よりも接近しやすいことがわかった。
【0123】
ホルモンを表示するファージを増殖させるため、pS0643および誘導体をJM101またはXL1-Blueなどの大腸菌のアンバー-サプレッサー株〔Bullockら, BioTechniques 5: 376-379 (1987)〕中で増殖させることができる。上に示したのは、supEサプレッサー株中で起こるアンバーコドンにおけるGluの置換である。また、他のアミノ酸による抑制が、周知かつ一般に入手可能な種々の大腸菌株において可能である。
【0124】
融合体の遺伝子III部分を含まないhGH(または、突然変異体)を発現させるために、pS0643および誘導体を単に16C9などの非サプレッサー株において増殖させることができる。この場合にはアンバーコドン(TAG)は翻訳の終止を導き、独立したDNA構築を必要とすることなく遊離のホルモンを与える。
【0125】
カセット突然変異誘発のための部位を創製するため、pS0643をオリゴヌクレオチド:
(1)5'-CGG-ACT-GGG-CAG-ATA-TTC-AAG-CAG-ACC-3'
〔これは、pS0643の唯一のBglII部位を破壊する〕;
(2)5'-CTC-AAG-AAC-TAC-GGG-TTA-CCC-TGA-CTG-CTT-CAG-GAA-GG-3'〔これは、唯一のBstEII部位、1塩基のフレームシフト、および非アンバー停止コドン(TGA)を挿入する〕;および
(3)5'-CGC-ATC-GTG-CAG-TGC-AGA-TCT-GTG-GAG-GGC-3'
〔これは、新規なBglII部位を導入する〕
で突然変異させて出発ベクターpH0509を得た。TGA停止コドンと共にフレームシフトを加えることにより、出発ベクターから遺伝子III融合体が産生され得ないことが確保される。BstEII−BglIIセグメントをpH0509から切出し、所望のコドンのところで突然変異させたDNAカセットで置換した。また、hGH中の他の位置におけるカセット突然変異誘発のための他の制限部位も、このホルモン−ファージベクター中に導入した。
【0126】
h GHのヘリックス4内のカセット突然変異誘発
hGHのコドン172、174、176および178をランダム突然変異誘発の標的とした。この理由は、これらすべてがhGHの表面またはその近くに存在し、受容体結合に有意に寄与し〔CunninghamおよびWells, Science 244: 1081-1085 (1989)〕;これらすべてが十分に定義された構造内に存在し、ヘリックス4の同じ側の2「ターン」を占め;そして、これらのそれぞれがhGHの既知の進化変異体の中の少なくとも1つのアミノ酸で置換されているためである。
【0127】
我々は、それぞれの標的残基にNNS(N=A/G/C/T;S=G/C)の置換を選択した。このNNS同義性配列の選択により、4つの部位に32種の可能なコドン(少なくとも1つの各アミノ酸のためのコドン)が得られ、合計(32)4=1,048,576の可能なヌクレオチド配列、または(20)4=160,000の可能なポリペプチド配列が得られる。唯一の停止コドンであるアンバー(TAG)がこのコドン選択により可能であり、このコドンは大腸菌のsupE株においてGlu1として抑制することができる。
【0128】
コドン172、174、176および178にNNSを有する2種類の同義性(縮重)オリゴヌクレオチドを合成し、ホスホリル化し、アニールさせて突然変異カセットを構築した:
5'-GT-TAC-TCT-ACT-GCT-TTC-AGG-AAG-GAC-ATG-GAC-NNS-GTC-NNS-ACA-NNS-CTG-NNS-ATC-GTG-CAG-TGC-A-3'
および
5'-GA-TCT-GCA-CTG-CAC-GAT-SNN-CAG-SNN-TGT-SNN-GAC-SNN-GTC-CAT-GTC-CTT-CCT-GAA-GCA-GTA-GA-3' 。
BstEIIに続いてBglIIでpH0509を消化することによってベクターを調製した。生成物を1%アガロースゲル上で移動させ、大きいフラグメントを切り出し、フェノール抽出し、エタノール沈澱させた。このフラグメントをウシ腸ホスファターゼ(Boehringer)で処理し、次いでフェノール:クロロホルム抽出し、エタノール沈澱させ、突然変異用カセットとの連結用に再懸濁した。
【0129】
XL1 - B lue 細胞における最初のライブラリーの増殖
連結の後、反応生成物をBstEIIでもう一度消化し、次いでフェノール:クロロホルム抽出し、エタノール沈澱させ、水に再懸濁した〔BstEII認識部位(GGTNACC)が、コドン172の3位にGおよび174にACC(Thr)コドンを含むカセット内に創製される。しかし、この工程でのBstEIIによる処理は、あらゆる可能な突然変異カセットに対して選択しないはずである。この理由は、実質的にすべてのカセットがヘテロ2本鎖であり、この酵素によって切断され得ないためである〕。約150ng(45fモル)のDNAを、0.2cmキュベット中のXL1-Blue細胞(0.045ml中に1.8x109細胞)に、単一パルスの電圧設定2.49kV(時間定数=4.7m秒)で電気穿孔導入した。
【0130】
この細胞を振盪しながらS.O.C.培地において37℃で1時間回復させ、次いで2YT培地(25ml)、100mg/mlカルベニシリン、およびM13-K07(moi=100)と混合した。23℃で10分間の後、培養物を振盪しながら37℃で一晩(15時間)インキュベートした。この培養物からの連続希釈物をカルベニシリン含有培地にプレーティングすることにより、3.9x107の電気形質転換体が得られたことがわかった。
【0131】
一晩インキュベートの後、細胞をペレット化し、pH0529E(最初のライブラリー)と命名した2本鎖DNA(dsDNA)をアルカリ溶解法によって調製した。この上清をもう一度遠心してすべての残存細胞を除去し、ファージプールφH0529E(最初のファージライブラリー)と命名したファージをPEG沈澱させ、STE緩衝液〔10mMトリス(pH7.6)、1mM EDTA、50mM NaCl〕(1ml)に再懸濁した。ファージ力価は、hGH-g3pを含有する組換えファージミドについてコロニー形成単位(CFU)として測定した。出発ライブラリーから約4.5x1013CFUが得られた。
【0132】
出発ライブラリーの同義性(縮重)
電気形質転換体のプールからの58のクローンを、BstEII−BglIIカセットの領域において配列決定した。これらの中で、17%が出発ベクターに対応しており、17%が少なくとも1つのフレームシフトを含有しており、そして7%が4つの標的コドンの外側に非サイレント(非終止)突然変異を含有していた。我々は、41%のクローンが上記基準のいずれかによる欠点を有しており、2.0x107の当初形質転換体の合計機能的プールが残るものと結論した。それでもなお、この数は可能性あるDNA配列数をほぼ20倍越えている。従って、我々は出発ライブラリーにおいて示されるすべての可能性ある配列を有することを確信している。
【0133】
我々は、選択されなかったファージの配列を調べて突然変異誘発におけるコドンの偏向度を評価した(表V)。これらの結果により、一部のコドン(および、アミノ酸)がランダムな予想に比べて多いかまたは少ないことが示されるが、このライブラリーは極めて多様性が高く、大量の「兄弟」縮重の証拠は存在しないことがわかった(表VI)。
【0134】
表V.選択されなかったホルモンファージのコドン分布(188コドンあたり)クローンを出発ライブラリー(pH0529E)から配列決定した。疑似突然変異および/またはフレームシフトを含有するクローンからのコドンを含むすべてのコドンを表にした。*:アンバー停止コドン(TAG)はXL1-Blue細胞においてはGluとして抑制される。下線を引いたコドンは、50%またはそれ以上に多い/少ないことが示された。
【0135】
表 VI.オープン読み枠を有する選択されなかった
(pH0529E)クローン
表示、例えばTWGSは、hGH突然変異体172T/174W/176G/178Sを示す。XL1-Blue細胞においてGluとして翻訳されたアンバー(TAG)コドンはεで示す。
【0136】
固定化 h GH bp および h PRL bp の調製
野生型hGHbp〔Fuhら, J.Biol.Chem. 265: 3111-3115 (1990)〕を用いたことを除き、文献〔Bassら, Proteins 8: 309-314 (1990)〕に記載のようにして固定化hGHbp(「hGHbp-ビーズ」)を調製した。〔125I〕hGHとの競合結合実験により、1μlのビーズ懸濁液あたり58fモルの機能的hGHbpが結合することがわかった。
【0137】
プロラクチン受容体〔Cunninghamら, Science 250: 1709-1712 (1990)〕の211残基の細胞外ドメインを用いて、上記のように固定化hPRLbp(「hPRLbp-ビーズ」)を調製した。50μMの亜鉛の存在下での〔125I〕hGHとの競合結合実験により、1μlのビーズ懸濁液あたり2.1fモルの機能的hPRLbpが結合することがわかった。
【0138】
「ブランクビーズ」は、オキシラン-アクリルアミドビーズを0.6Mエタノールアミン(pH9.2)により4℃で15時間処理することによって調製した。
【0139】
固定化 h GH bp および h PRL bp を用いる結合選択
ビーズに対するホルモン−ファージの結合を、次の緩衝液のいずれかにおいて実施した:hGHbpおよびブランクビーズを用いる選択に対しては緩衝液A〔PBS、0.5% BSA、0.05%ツイーン20、0.01%チメロサール〕;亜鉛の存在下(+Zn2+)にhPRLbpを用いる選択に対しては緩衝液B〔50mMトリス(pH7.5)、10mM MgCl2、0.5% BSA、0.05%ツイーン20、100mM ZnCl2〕;または、亜鉛の非存在下(+EDTA)にhPRLbpを用いる選択に対しては緩衝液C〔PBS、0.5% BSA、0.05%ツイーン20、0.01%チメロサール、10mM EDTA〕。結合選択は、次の経路のそれぞれに従って実施した:(1)ブランクビーズに対する結合、(2)hGHbp-ビーズに対する結合、(3)hPRLbp-ビーズに対する結合(+Zn2+)、(4)hPRLbp-ビーズに対する結合(+EDTA)、(5)hGHbpビーズによる2回の予備吸着とその後の未吸着分画のhPRLbp-ビーズへの結合(「−hGHbp、+hPRLbp」選択)、または(6)hPRLbp-ビーズによる2回の予備吸着とその後の未吸着分画のhGHbp-ビーズへの結合(「−hPRLbp、+hGHbp」選択)。後者の2つの操作は、それぞれhPRLbpと結合するがhGHbpとは結合しない突然変異体、またはhGHbpと結合するがhPRLbpとは結合しない突然変異体を豊富化するものと予想される。各サイクルにおけるファージの結合と溶離は、次のように実施した:
【0140】
1.結合:ホルモンファージの一部(通常は109〜1010CFU)を等量の非ホルモンファージ(pCAT)と混合し、適当な緩衝液(A、BまたはC)で希釈し、1.5mlのポリプロピレン試験管において200mlの総容量でhGHbp、hPRLbpまたはブランクビーズの懸濁液(10ml)と混合した。このファージを、ゆっくり回転(約7rpm)させながら室温(23℃)で1時間インキュベートすることによってビーズと結合させた。以下の工程は、200μlの一定容量を用い、室温で行なった。
【0141】
2.洗浄:ビーズを15秒間回転させ、上清を除去した。非特異的に結合したファージ数を減少させるため、このビーズを適当な緩衝液に短時間再懸濁することにより5回洗浄し、次いでペレット化した。
【0142】
3.hGH溶離:ビーズに弱く結合したファージを、hGHによる溶離によって除去した。このビーズを400nM hGH含有の適当な緩衝液と共に15〜17時間回転させた。この上清を「hGH溶出液」およびビーズとした。このビーズを緩衝液に短時間再懸濁し、ペレット化することによって洗浄した。
【0143】
4.グリシン溶離:最も強固に結合したファージ(即ち、hGH洗浄後になお結合しているファージ)を除去するため、ビーズをグリシン緩衝液〔緩衝液Aに0.2Mグリシンを追加し、HClでpH2.0にする〕に懸濁させ、1時間回転させ、ペレット化した。この上清(「グリシン溶出液」;200μl)を、1Mトリス塩基(30ml)の添加によって中和し、4℃で保存した。
【0144】
5.増殖:各組の条件のもと各組のビーズからのhGH溶出液およびグリシン溶出液の一部を用いて対数増殖期のXL1-Blue細胞の独立した培養物を感染させた。形質導入は、ファージをXL1-Blue細胞(1ml)と混合し、37℃で20分間インキュベートし、次いでK07(moi=100)を加えることによって行なった。培養物(25mlの2YTとカルベニシリン)を上記のように増殖させ、ファージの次のプールを上記のように調製した。
【0145】
ファージの結合、溶離および増殖を、上記のサイクルに従って、連続ラウンドで行なった。例えば、hGHbpビーズからのhGH溶出液から増幅したファージをhGHbpビーズでもう一度選択し、hGHで溶離し、次いでXL1-Blue細胞の新鮮培養物の感染に用いた。上記の選択法のそれぞれに対して5ラウンドの選択および増殖の3ラウンドを実施した。
【0146】
選択したファージミドのDNA配列決定
各サイクルのhGHおよびグリシン溶離工程からのファージの一部をXL1-Blue細胞の接種に用い、これをカルベニシリンおよびテトラサイクリン含有のLB培地にプレーティングして各ファージプールに由来する独立したクローンを得た。単離したコロニーから1本鎖DNAを調製し、突然変異カセット領域の配列決定を行なった。このDNA配列決定の結果を、図5、図6、図7および図8に推定アミノ酸配列としてまとめる。
【0147】
h GH突然変異体の発現および検定
hGHbpに対する選択したhGH突然変異体の一部の結合親和性を測定するため、配列決定したクローン由来のDNAを大腸菌株16C9に導入した。上記のように、この株は非サプレッサー株であり、hGHの最後のPhe-191残基の後でタンパク質の翻訳を終止させる。1本鎖DNAをこれらの形質転換に用いたが、2本鎖DNAまたは全ファージであっても、遊離ホルモンの発現用の非サプレッサー株中に容易に電気穿孔導入することができる。
【0148】
hGHの突然変異体は、hGHについて記載されているように、硫酸アンモニウム沈澱により浸透圧ショックを与えた細胞から調製した〔Olsonら, Nature 293: 408-411 (1981)〕。また、タンパク質濃度は、hGHを標準として用いて、クーマシー染色SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動ゲルのレーザー・デンシトメトリーによって測定した〔CunninghamおよびWells, Science 244: 1081-1085 (1989)〕。
【0149】
各突然変異体の結合親和性は、抗-受容体モノクローナル抗体(Mab263)を用い、文献〔Spencerら, J.Biol.Chem. 263: 7862-7867 (1988); Fuhら, J.Biol.Chem. 265: 3111-3115 (1990)〕記載のように125I hGHを置換することによって測定した。
【0150】
異なる経路(図6)によって選択したhGH突然変異体数の結果を表VIIに示す。これら突然変異体の多くが、hGHbpに対して野生型hGHよりも強い結合親和性を有している。最も改善された突然変異体であるKSYRは、野生型hGHよりも5.6倍高い結合親和性を有している。これら検定した突然変異体の中で選択された最も弱い突然変異体は、hGHに比べて結合親和性が約10倍低いものでしかなかった。
【0151】
結合検定は、hPRLbp-結合に対して選択した突然変異体について実施することもできる。
【0152】
表 VII. hGHbpに対する競合結合
それぞれの突然変異体が見い出された選択したプールを、1G(第1のグリシン選択)、3G(第3のグリシン選択)、3H(第3のhGH選択)、3*(第3の選択:hPRLbpに結合しなかったがhGHbpに結合した)と表示する。配列決定したすべてのクローンの中に現れる各突然変異体の回数を( )に示す。
【0153】
結合に及ぼす加成および非加成効果
一部の残基において、特定アミノ酸の置換が周囲残基とは独立した実質的に同じ作用を有している。例えば、172R/174SのバックグラウンドにおいてF176Yの置換は結合親和性を2.0倍減少させる(RSFR対RSYR)。同様に、172K/174AのバックグラウンドにおいてF176Y突然変異体(KAYR)の結合親和性は、対応する176F突然変異体〔KAFR;CunninghamおよびWells (1989)〕よりも2.9倍弱い。
【0154】
他方、いくつかの選択したhGH突然変異体について測定した結合定数は、残基172、174、176および178における一部のアミノ酸置換の非加成性の効果を示す。例えば、172K/176Yのバックグラウンドにおいて、E174Sの置換は、E174Aを含有する対応する突然変異体(KAYR)よりも3.7倍強固にhGHbpと結合する突然変異体(KSYR)を与える結果になる。しかし、172R/176Yのバックグラウンドにおいて、これらE174置換の効果は逆になる。この場合、E174A突然変異体(RAYR)はE174S突然変異体(RSYR)よりも1.5倍強固に結合する。
【0155】
このような近接残基における置換の結合に及ぼす非加成性効果は、いくつかの位置においてランダム化されたライブラリーから最適突然変異体を選択する手段としてのタンパク質-ファージ結合選択の用途を示すものである。詳細な構造の情報が存在せず、このような選択法がないと、最適突然変異体の発見までに多数の置換の組合せが試されることになるであろう。
【0156】
実施例 IX ホルモン−ファージのヘリックス1ランダムカセットライブラリーからのhGH突然変異体の選択
【0157】
実施例VIIIに記載した方法を用いて、hGHbpおよび/またはhPRLbpへの結合に関与しているhGHの別の領域、即ちヘリックス1の残基10、14、18、21をphGHam-g3pベクター(pS0643としても知られている;実施例VIIIを参照)におけるランダム突然変異誘発の標的とした。
【0158】
我々は「アンバー」hGH-g3構築物(phGHam-g3pと呼ぶ)の使用を選択したが、この理由はそれが結合に対してより接近しやすい標的タンパク質hGHを作成するようであるためである。このことは、モノクローナル抗体結合の比較ELISA検定からのデータによって支持される。pS0132〔S.Bass, R.Greene, J.A.Wells, Proteins 8: 306 (1990)〕およびphGHam-g3の両方から生成したファージを、hGHのカルボキシ末端の近くに結合決定基を有することが知られている3種の抗体(Medix2、1B5.G2、および5B7.C10)〔B.C.Cunningham, P.Jhurani, P.Ng, J.A.Wells, Science 243: 1330 (1989); B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Science 244: 1081 (1989); L.JinおよびJ.Wells(未公表の結果)〕、ならびにヘリックス1および3中の決定基を認識する1種の抗体(Medix1)〔B.C.Cunningham, P.Jhurani, P.Ng, J.A.Wells, Science 243: 1330 (1989); B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Science 244: 1081 (1989)〕を用いて試験した。phGHam-g3からのファージミド粒子は、pS0132からのファージミド粒子よりも抗体Medix2、1B5.G2および5B7.C10とさらに強く反応した。特に、pS0132粒子の結合は、Medix1に対する結合と比較して、Medix2および5B7.C10の両方に対しては>2000倍減少し、1B5.G2に対しては>25倍減少した。一方、phGHam-g3ファージの結合は、Medix1に対する結合と比較して、Medix2、1B5.G2および5B7.C10抗体に対してそれぞれ約1.5倍、1.2倍および2.3倍弱くなるにすぎなかった。
【0159】
カセット突然変異誘発によるヘリックス1ライブラリーの作成
アラニン-スキャニング突然変異誘発〔B.C.Cunningham, P.Jhurani, P.Ng, J.A.Wells, Science 243: 1330 (1989); B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Science 244: 1081 (1989),15, 16〕によって以前に同定されていたヘリックス1中の残基に突然変異を行なって、hGHおよび/またはhPRL受容体(それぞれ、hGHbpおよびhPRLbpと呼ぶ)の細胞外ドメインの結合を変調させた。カセット突然変異誘発は実質的に文献〔J.A.Wells, M.Vasser, D.B.Powers, Gene 34: 315 (1985)〕記載のように行なった。このライブラリーは、オリゴヌクレオチド:
5'-GCC TTT GAC AGG TAC CAG GAG TTT G-3' および
5'-CCA ACT ATA CCA CTC TCG AGG TCT ATT CGA TAA C-3'
をそれぞれ用いる突然変異誘発によって唯一のKpnI(hGHコドン27のところ)およびXhoI(hGHコドン6のところ)制限部位(下線部)が挿入されたphGHam-g3〔T.A.Kunkel, J.D.Roberts, R.A.Zakour, Methods Enzymol. 154: 367-382〕の突然変異体を用いる、4残基を一度にすべて突然変異させるカセット突然変異誘発(実施例VIIIを参照)によって作成した。また、後者のオリゴは+1のフレームシフト(下線部の最後のG)を導入し、これが出発ベクターからの翻訳を終止させ、ファージミドライブラリー中の野生型のバックグラウンドを最少にした。この出発ベクターをpH0508Bと命名した。hGH残基10、14、18、21を突然変異させたヘリックス1ライブラリーは、相補性オリゴヌクレオチド:
5'-pTCG AGG CTC NNS GAC AAC GCG NNS CTG CGT GCT NNS CGT CTT NNS CAG CTG GCC TTT GAC ACG TAC-3' および
5'-pGT GTC AAA GGC CAG CTG SNN AAG ACG SNN AGC ACG CAG SNN CGC GTT GTC SNN GAG CC-3'
から調製したカセットを、pH0508Bの大きいXhoI−KpnIフラグメントに連結することによって作成した。このKpnI部位は連結生成物の連結部において破壊され、非突然変異バックグラウンドの分析に制限酵素消化を使用することを可能にした。
【0160】
このライブラリーは少なくとも107の別個の形質転換体を含んでおり、このライブラリーが完全にランダム(106の異なるコドン組合せ)であるときには、平均して約10コピーのそれぞれ可能な突然変異hGH遺伝子が得られる。KpnIを用いる制限分析により、ヘリックス1ライブラリー構築物の少なくとも80%が挿入されたカセットを含有していることがわかった。
【0161】
このライブラリーからのhGH-ファージの結合豊富化を、既述(実施例VIII)のようにオキシラン-ポリアクリルアミドビーズ(Sigma Chemical Co.)上に固定化したhGHbpを用いて行なった。ヘリックス1中の4つの残基(F10、M14、H18およびH21)が同じように突然変異され、4および6サイクル後に非野生型コンセンサスが現れた(表VIII)。ヘリックス1の疎水性面の10位は疎水性である傾向にあり、一方、親水性面の21および18位は傾向的にAsnが優勢であり、14位には明白なコンセンサスが認められなかった(表IX)。
【0162】
hGHbpに対するこれらhGH突然変異体の結合定数は、非サプレッサー大腸菌株16C9中で遊離のホルモン変異体を発現させ、このタンパク質を精製し、そしてhGHbpからの標識化wt-hGHの競合置換により検定することによって測定した(実施例VIIIを参照)。示したように、いくつかの突然変異体がwt-hGHが結合するよりもhGHbpに強く結合する。
【0163】
表 VIII.hGHヘリックス1突然変異体の選択
ファージミド粒子上に発現されたhGH変異体(残基F10、M14、H18、H21においてランダム突然変異)を、hGHbp-ビーズへの結合、およびhGH(0.4mM)緩衝液と次いでグリシン(0.2M、pH2)緩衝液による溶離によって選択した(実施例VIIIを参照)。
【0164】
表 IX.選択したヘリックス1ライブラリーからのコンセンサス配列
観察された頻度は、表示したアミノ酸を有する配列決定した全クローンの分数である。名目頻度はNNSの32コドン縮重に基づいて計算した。最大豊富化因子は、ある残基に対する名目頻度値に依存して11〜32に変化する。単一のアラニン突然変異に対する〔Kd(Ala突然変異体)/Kd(wt-hGH)〕の値は、文献〔B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Science 244: 1081(1989);B.C.Cunningham, D.J.Henner, J.A.Wells, Science 247: 1461(1990);B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 3407(1991)〕から採用した。
【0165】
表X.hGHbpに対する精製したhGHヘリックス1突然変異体の結合
競合結合実験は、〔125I〕hGH(野生型)、hGHbp(細胞外受容体ドメイン、残基1〜238を含む)、およびMab263〔B.C.Cunningham, P.Jhurani, P.Ng, J.A.Wells, Science 243: 1330 (1989)〕を用いて行なった。数値Pは、1またはそれ以上の選択ラウンド後に配列決定した全クローン中の各突然変異体の発生率を分数で示すものである。
【0166】
実施例X ホルモン−ファージの豊富化により予め見い出した突然変異を含むヘリックス4ランダムカセットライブラリーからのhGH変異体の選択
ホルモン−ファージを用いる反復選択による改善された結合性を有する突然変異タンパク質の設計
hGH進化変異体の新入の非結合相同体を用いる我々の実験から、多数の独立したアミノ酸置換を組合せることによって特定受容体との結合に関してhGHの累積して改善された突然変異体を得ることができると示唆される〔B.C.Cunningham, D.J.Henner, J.A.Wells, Science 247: 1461 (1990); B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 3407 (1991); H.B.Lowman, B.C.Cunningham, J.A.Wells, J.Biol.Chem. 266, 印刷中 (1991)〕。
【0167】
hGH受容体にさらに強固に結合することがわかったヘリックス4aライブラリーから選択したヘリックス4の二重突然変異体(E174S/F176Y;実施例VIIIを参照)をさらに改善する試みにおいて、ヘリックス4bライブラリーを作成した。E174S/F176Y hGH突然変異体をバックグラウンドの出発ホルモンとして用いて、ヘリックス4の親水性面上の174および176位の周りの残基に突然変異を行なった。
【0168】
カセット突然変異誘発によるヘリックス4 b ライブラリーの作成
実質的に文献〔J.A.Wells, M.Vasser, D.B.Powers, Gene 34: 315 (1985)〕記載のようにしてカセット突然変異誘発を行なった。唯一のBstEIIおよびBglII制限部位が予め挿入されたphGHam-g3(実施例VIII)の突然変異体を用い、4残基を一度にすべて突然変異させるカセット突然変異誘発(実施例VIIIを参照)を用いて、E174S/F176Yバックグラウンド内で残基167、171、175および179を突然変異させたヘリックス4bライブラリーを作成した。相補性オリゴヌクレオチド:
5'-pG TTA CTC TAC TGC TTC NNS AAG GAC ATG NNS AAG GTC AGC NNS TAC CTG CGC NNS GTG CAG TGC A-3' および
5'-pGA TCT GCA CTG CAC SNN GCG CAG GTA SNN GCT GAC CTT SNN CAT GTC CTT SNN GAA GCA GTA GA-3'
から調製したカセットを、ベクターのBstEII−BglII部位に挿入した。このBstEII部位は連結したカセットにおいて削除された。このヘリックス4bライブラリー由来の15の選択されなかったクローンを配列決定した。これらのうち、カセット挿入体を欠くものはなく、20%がフレームシフトしており、7%が非サイレント突然変異を有していた。
【0169】
h GH bp 豊富化の結果
このライブラリーからのhGH-ファージの結合豊富化を、既述(実施例VIII)のようにオキシラン-ポリアクリルアミドビーズ(Sigma Chemical Co.)上に固定化したhGHbpを用いて行なった。6サイクルの結合の後に、合理的かつ明白なコンセンサスが現れた(表XI)。興味あることに、すべての位置が極性の残基、特にSer、ThrおよびAsnを含有する傾向があった(表XII)。
【0170】
h GH突然変異体の検定
hGHbpに対するこれらhGH突然変異体の一部の結合定数を、非サプレッサー大腸菌株16C9中で遊離のホルモン変異体を発現させ、このタンパク質を精製し、そしてhGHbpからの標識化wt-hGHの競合置換により検定することによって測定した(実施例VIIIを参照)。示したように、いくつかのヘリックス4b突然変異体のhGHbpに対する結合親和性はwt-hGHのものよりも強固であった(表XIII)。
【0171】
h GH変異体の受容体選択性
最後に、我々は、hPRLbpに結合する能力について、いくつかの一層強固なhGHbp結合突然変異体の結合親和性の分析を始めた。E174S/F176Y突然変異体は、hGHに比べてhPRLbpに200倍弱く結合する。E174T/F176Y/R178KおよびR167N/D171S/E174S/F176Y/I179T突然変異体のそれぞれは、hGHに比べhPRLbpに>500倍弱く結合する。即ち、ファージ表示法によってhGHの新規な受容体選択性突然変異体を得ることができる。
【0172】
ホルモン−ファージミド選択によって同定される特定残基の情報内容
3種のhGH−ファージミドライブラリー(実施例VIII、IX、X)において突然変異させた12残基のうち、4種が野生型残基の強い(他を排除するものではない)保存を示した(K172、T175、F176およびR178)。驚くべきことではないが、Alaに変換したときにhGHbpに対する結合親和性に最大の破壊(4〜60倍)を引き起こす残基が存在した。Ala置換が結合に対してより弱い作用(2〜7倍)を引き起こす一群の4個の他の残基(F10、M14、D171およびI179)が存在し、これらの位置はわずかの野生型コンセンサスしか示さなかった。最後に、hPRLbpへの結合を促進したがhGHbpへの結合は促進しなかった別の4残基(H18、H21、R167およびE174)は、hGHbp-ビーズによる選択によって野生型hGH配列に対してどのようなコンセンサスも示さなかった。事実、2つの残基(E174およびH21)は、Ala置換したときにhGHbpに対する結合親和性を2〜4倍に高める〔B.C.Cunningham, P.Jhurani, P.Ng, J.A.Wells, Science 243: 1330 (1989);B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Science 244: 1081 (1989);B.C.Cunningham, D.J.Henner, J.A.Wells, Science 247: 1461 (1990);B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 3407 (1991)〕。即ち、アラニン-スキャニング突然変異誘発データは、それぞれの位置を置換する可変性と十分合理的に関係している。事実、アラニン置換によって引き起こされる結合親和性の減少〔B.C.Cunningham, P.Jhurani, P.Ng, J.A.Wells, Science 243: 1330 (1989);B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Science 244: 1081 (1989);B.C.Cunningham, D.J.Henner, J.A.Wells, Science 247: 1461 (1990);B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 3407 (1991)〕は、3〜6ラウンドの選択後にファージミドプール中に野生型残基が見い出される割合を合理的に予言するものとなる。アラニン-スキャニングの情報は結合を変調させる側鎖を標的化するのに有用であり、ファージ選択は側鎖の最適化に、および置換のための各部位(および/または部位の組合せ)の可変性を定義するのに適している。スキャニング突然変異法〔B.C.Cunningham, P.Jhurani, P.Ng, J.A.Wells, Science 243: 1330 (1989);B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Science 244: 1081 (1989)〕とファージ表示の組合せは、受容体−リガンドの界面の設計およびインビトロでの分子進化の研究に対する強力な手段である。
【0173】
ホルモン−ファージミドライブラリーの反復豊富化の変異
hGH中の組合せ突然変異が受容体に対する結合親和性に加成効果を有している場合には、結合を改良するためのホルモン−ファージミド豊富化により既知となった突然変異を、単に制限フラグメントの切断と連結または突然変異誘発によって組合わせてhGHの累積して最適化された突然変異体を得ることができる。
【0174】
一方、受容体結合を最適化するhGHの1つの領域における突然変異が、分子の重なり合うかまたは別の領域における突然変異と構造的または機能的に適合しないこともある。このような場合には、以下に挙げる反復豊富化法のいくつかの変法のいずれかによってホルモン−ファージミド豊富化を行なうことができる:(1)カセットまたは他の突然変異誘発法によって分子の2つ(または、恐らくはそれ以上)の領域のそれぞれにおいてランダムDNAライブラリーを創製することができる:次いで、これら2つのDNAライブラリーからの制限フラグメントの連結によって混合ライブラリーを創製することができる;(2)分子の1つの領域における突然変異により結合を最適化されたhGH変異体を、ヘリックス4bライブラリーの例のように分子の第2の領域においてランダムに突然変異させることができる;(3)2またはそれ以上のランダムライブラリーを、ホルモン−ファージミド豊富化により、改善された結合について部分的に選択することができる:この最適化結合部位の「粗選択」の後、なお部分的な別のライブラリーを制限フラグメントの連結によって再混合して、分子の2またはそれ以上の領域において部分的に異なっている単一のライブラリーを得ることができ、次いでこのライブラリーをホルモン−ファージミド豊富化を用いて最適化結合についてさらに選択することができる。
【0175】
表 XI.4および6サイクルの豊富化の後にヘリックス4bライブラリーから選択したhGHの突然変異ファージミド
それぞれがE174S/F176Y二重突然変異を含むhGHヘリックス4b突然変異体(残基167、171、175、179においてランダム突然変異)を、hGHbp-ビーズへの結合、およびhGH(0.4mM)緩衝液と次いでグリシン(0.2M、pH2)緩衝液による溶離によって選択した。1つの突然変異体(+)が疑突然変異R178Hを含んでいた。
【0176】
【0177】
表 XII.選択したライブラリーからのコンセンサス配列
観察された頻度は、表示したアミノ酸を有する配列決定した全クローンの分数である。名目頻度はNNSの32コドン縮重に基づいて計算した。最大豊富化因子は、ある残基に対する名目頻度値に依存して11〜16〜32に変化する。単一のアラニン突然変異に対する〔Kd(Ala突然変異体)/Kd(wt-hGH)〕の値は、以下の文献から採用した;175位に対してはT175S突然変異体の値のみ〔B.C.Cunningham, P.Jhurani, P.Ng, J.A.Wells, Science 243: 1330 (1989);B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Science 244: 1081 (1989);B.C.Cunningham, D.J.Henner, J.A.Wells, Science 247: 1461 (1990);B.C.CunninghamおよびJ.A.Wells, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 3407 (1991)〕。
【0178】
【0179】
表 XIII.hGHbpに対する精製したhGH突然変異体の結合
競合結合実験は、〔125I〕hGH(野生型)、hGHbp(細胞外受容体ドメイン、残基1〜238を含む)、およびMab263(11)を用いて行なった。数値Pは、1またはそれ以上の選択ラウンド後に配列決定した全クローン中の各突然変異体の発生率を分数で示すものである。ヘリックス4b突然変異(*)はhGH(E174S/F176Y)のバックグラウンドにあることに注意すべきである。このヘリックス4b突然変異のリストにおいて、167、171、175、179にwt残基を有するE174S/F176Y突然変異体(*)は下線で示す。
【0180】
【0181】
実施例 XI ファージミド表面におけるFab分子の組立て
プラスミドの構築
プラスミドpDH188は、HER-2受容体を認識する4D5と呼ばれるヒト化IgG抗体のFab部分をコードしているDNAを含有する。このプラスミドは大腸菌株SR101中に含まれ、ATCC〔Rockville, MD〕に寄託されている。
【0182】
簡単に説明すると、このプラスミドは次のようにして調製された。出発プラスミドは、上記のアルカリホスファターゼプロモーターを含有するpS0132である。ヒト成長ホルモンをコードしているDNAを切り出し、プラスミドの末端を連結に適合するようにする一連の操作を行なった後、4D5をコードしているDNAを挿入した。この4D5 DNAは2つの遺伝子を含有している。第1の遺伝子は、軽鎖の可変および不変領域をコードしており、その5′末端にstIIシグナル配列をコードしているDNAを含有する。第2の遺伝子は4つの部分を含有し、その第1は5′末端のstIIシグナル配列をコードしているDNAである。これに重鎖の可変ドメインをコードしているDNAが続き、次いで重鎖不変領域の第1ドメインをコードしているDNAが続き、さらにM13遺伝子IIIをコードしているDNAが続く。この構築物の顕著な特徴が図10に示されている。4D5をコードしているDNAの配列を図11に示す。
【0183】
大腸菌の形質転換およびファージの生成
ポリエチレングリコール(PEG)および電気穿孔の両方を用いて、SR101細胞にプラスミドを導入した。PEGコンピテントな細胞は、ChungおよびMiller〔Nucleic Acids Res. 16: 3580 (1988)〕の方法に従って調製し、形質転換した。電気穿孔にコンピテントな細胞は、ZabarovskyおよびWinberg〔Nucleic Acids Res. 18: 5912 (1990)〕の方法に従って調製し、次いで電気穿孔により形質転換した。SOC培地〔Sambrookら(上記)が記載〕(1ml)に細胞を蒔いた後、振盪しながら37℃で1時間増殖させた。この時点で、細胞濃度をOD600の光分散を用いて測定した。滴定したKO7ファージストックを加えて感染多重度(MOI)が100となるようにし、このファージを室温で20分間、細胞に付着させた。次いで、この混合物を2YTブロス〔Sambrookら(上記)が記載〕(25ml)中に希釈し、振盪しながら37℃で一晩インキュベートした。翌日、5000xgで10分間遠心することによって細胞をペレット化し、上清を集め、0.5M NaClおよび4%PEG(最終濃度)を用いて室温で10分間、ファージ粒子を沈澱させた。10,000xgで10分間遠心することによってファージ粒子をペレット化し、TEN〔10mMトリス(pH7.6)、1mM EDTA、および150mM NaCl〕(1ml)に再懸濁し、4℃で保存した。
【0184】
抗原被覆したプレートの調製
0.1M炭酸水素ナトリウム(pH8.5)中のBSA(対照抗原)の0.5mg/ml溶液またはHER−2抗原の細胞外ドメイン(EDC)の0.1mg/ml溶液からの0.5mlづつを用いて、Falcon12ウエル組織培養プレートのウエルを被覆した。溶液をウエルに適用した後、このプレートを揺れ台の上にて4℃で一晩インキュベートした。次いで、最初の溶液を除去し、ブロック緩衝液〔0.1M炭酸水素ナトリウム中に30mg/ml BSA〕(0.5ml)を適用し、そして室温で1時間インキュベートすることによって、プレートをブロックした。最後に、このブロック緩衝液を除去し、緩衝液A〔PBS、0.5%BSA、および0.05%ツイーン20〕(1ml)を加え、そしてこのプレートをファージ選択に使用するまで4℃で10日間まで保存した。
【0185】
ファージの選択法
約109のファージ粒子を100倍過剰のKO7ヘルパーファージおよび緩衝液A(1ml)と混合した。この混合物を0.5mlづつ2つに分け、その1つをECD被覆ウエルに適用し、他方をBSA被覆ウエルに適用した。これらのプレートを振盪させながら室温で1〜3時間インキュベートし、次いで緩衝液A(1mlづつ)を用いて30分間、3回洗浄した。プレートからのファージの溶離は次の2つの方法のいずれかにより室温で行なった:(1)0.025mg/mlの精製Mu4D5抗体(ネズミ)の最初の一晩インキュベートとそれに続いて酸溶離緩衝液〔0.2Mグリシン(pH2.1)、0.5%BSA、および0.05%ツイーン20〕(0.4ml)による30分間インキュベート、または(2)酸溶離緩衝液単独によるインキュベート。次いで、溶出液を1Mトリス塩基で中和し、TEN(0.5mlづつ)を加えた。次に、これら試料を増殖させ、滴定し、4℃で保存した。
【0186】
ファージの増殖
溶出したファージの一部を2YTブロス(0.4ml)に加え、約108の中間対数期雄性大腸菌株SR101と混合した。ファージを室温で20分間、細胞に付着させ、次いで50μg/mlカルベニシリンおよび5μg/mlテトラサイクリンを含有する2YTブロス(5ml)に加えた。これら細胞を、中間対数相に到達するまで37℃で4〜8時間増殖させた。OD600を測定し、細胞をファージ生成用のKO7ヘルパーファージに重感染させた。ファージ粒子を得た後、これらを滴定してコロニー形成単位(cfu)数を測定した。これは、あるファージストックの連続希釈液の一部を取り、中間対数期のSR101に感染させ、50νg/mlカルベニシリン含有のLBプレートにプレーティングすることにより行なった。
【0187】
RIA親和性の測定
ECD抗原に対するFabファージおよびh4D5 Fabフラグメントの親和性を、競合受容体結合RIA〔Burt,D.R., Receptor Binding in Drug Research, O'Brien,R.A.(編), pp.3-29, Dekker, New York (1986)〕を用いて測定した。このECD抗原は連続クロラミン-T法〔De Larco,J.E.ら, J.Cell.Physiol. 109: 143-152 (1981)〕を用いて125Iで標識した。これにより、受容体1モルあたり0.47モルのヨウ素が導入された14μCi/μgの比活性を有する放射活性トレーサーが得られた。0.5ng(ELISAによる)のFabまたはFabファージ、50nCiの125I-ECDトレーサー、およびある範囲量の未標識ECD(6.4ng〜3277ng)を含有する一連の0.2ml溶液を調製し、室温で一晩インキュベートした。標識化ECD-FabまたはECD-Fabファージ コンプレックスを、抗ヒトIgG(Fitzgerald 40-GH23)と6%PEG8000の添加により誘導される集合コンプレックスを形成させることによって、未結合の標識化抗原から分離した。このコンプレックスを遠心(15,000xgで20分間)によってペレット化し、標識化ECDの量(cpm)をガンマカウンターで測定した。解離定数(Kd)は、スカッチャード分析〔Scatchard,G., Ann.N.Y.Acad.Sci. 51: 660-672 (1949)〕を用いるプログラムLIGANDの改良バージョン〔Munson,P.およびRothbard,D., Anal.Biochem. 107: 220-239 (1980)〕を用いて計算した。このKd値を図13に示す。
【0188】
競合細胞結合の検定
ロドゲン法を用い、125Iによりネズミ4D5抗体を40〜50μCi/μgの比活性に標識した。一定量の標識化抗体と増加量の未標識変異Fabを含有する溶液を調製し、96ウエル微量滴定皿中のほぼ全面のSK-BR-3細胞培養物に加えた(標識化抗体の最終濃度は0.1nMであった)。4℃で一晩インキュベートした後、上清を除去し、細胞を洗浄し、細胞に結合した放射活性をガンマカウンターで測定した。プログラムLIGANDの改良バージョン〔Munson,P.およびRothbard,D.(上記)〕を用いてデータを分析することによってKd値を決定した。
【0189】
プラスミドpDH188(ATCC No.68663)の寄託は、特許手続上の微生物寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の規定およびその規則(ブダペスト条約)のもとに為されている。これにより、寄託日から30年間の生存微生物の維持が確保されている。この微生物は、ブダペスト条約の条項のもとで、およびジェネンテク,インコーポレイテッドとATCCの間の同意のもとでATCCから入手可能となるものであり、関連米国特許の発行またはいずれかの米国もしくは外国特許出願の公開のいずれか早い方により、だれでもこの培養物の子孫を永続的かつ制限されずに入手可能になることが保証されており、また、35 USC §122に従って権利を付与された米国特許商標庁長官およびそれに従う規則(886 OG 638に具体的に言及している37 CFR §1.14を含む)によって決定された者に該子孫が入手可能になることが保証されている。
【0190】
本出願の譲受人は、寄託微生物が適切な条件下で培養されたときに死滅しているか、失われているか、または破壊されているときには、通知により該培養物の生存試料と速やかに交換することに同意している。寄託培養物の入手可能性は、各国特許法に従っていずれかの政府の権限のもとに認可された権利に違反して本発明を実施するライセンスと解釈すべきではない。
【0191】
以上に既述した明細書は、当業者に本発明の実施を可能ならしめるに十分であると考えられる。寄託が為された態様は本発明の特定態様の独立した例示として意図されており、機能的に等価なあらゆる培養物が本発明の範囲内にあるので、本発明は寄託された微生物によってその範囲を限定されるものではない。本明細書中の物質の寄託は、本明細書中に含まれる既述が本発明のいずれかの態様(最良の態様を含む)の実施を可能にするに不適切であるということを認めたものではなく、また、特許請求の範囲をその特定の例示に限定することを意図するものでもない。実際には、本明細書中で説明および示したものに加えて本発明の種々の修飾が上記既述から当業者には明白になるものであり、これらは添付した請求の範囲内に入るものである。
【0192】
必然的に本発明を好ましい態様との関係で説明したが、上記明細書を読んだ後に当業者なら、本発明の思想および範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載した対象に種々の変化、等価置換、変異を加えることができるであろう。即ち、本発明は本明細書に具体的に記載した方法以外の方法で実施することができる。従って、本願の特許証により認められる保護は添付した請求の範囲およびその等価物によってのみ限定されるものである。
【0193】
実施例 XII ヘリックス1およびヘリックス4 ホルモン−ファージ変異体の組合せ体からのhGH変異体の選択
h GHの加成変異体の作成
加成性の原理〔J.A.Wells, Biochemistry 29: 8509 (1990)〕によると、タンパク質の異なる部分の突然変異が相互に作用を及ぼしていないときであっても、それらを組合せることによって、別の分子に対する結合の遊離エネルギーにおいて加成的な変化が得られることが予想される(変化はΔΔGbindingの点で加法的であるか、またはKd=exp〔−ΔG/RT〕の点で乗法的である)。即ち、結合親和性において2倍の増加を与える突然変異は、3倍の増加を引き起こす第2の突然変異と組合せたときに、出発変異体の6倍増加した親和性を有する二重突然変異を与えることが予想される。
【0194】
hGH-ファージ選択によって得た複数の突然変異がhGHbp(hGH−結合タンパク質;hGH受容体の細胞外ドメイン)結合において累積的に良好な効果を与えるか否かを試験するため、ヘリックス1ライブラリーに由来するhGHの最も強固に結合する3種の変異体(実施例IX:F10A/M14W/H18D/H21N、F10H/M14G/H18N/H21N、およびF10F/M14S/H18F/H21L)に見い出される突然変異を、ヘリックス4bライブラリーにおいて見い出される最も強固に結合する3種の変異体(実施例X:R167N/D171S/T175/I179T、R167E/D171S/T175/I179、およびR167N/D171N/T175/I179T)に見い出される突然変異と組合せた。
【0195】
1ヘリックス変異体のそれぞれからhGH−ファージミド2本鎖DNA(dsDNA)を単離し、制限酵素EcoRIおよびBstXIで消化した。次いで、それぞれのヘリックス4b変異体から大きいフラグメントを単離し、それぞれのヘリックス1変異体からの小さいフラグメントと連結して表XIIIに示す新規な2ヘリックス変異体を得た。さらに、これら変異体のすべては先のhGH-ファージ結合選択において得られたE174S/F176Yの突然変異を含有していた(詳細には実施例Xを参照)。
【0196】
h GHの選択組合せライブラリーの作成
加成性の原理は多数の突然変異の組合せに当てはまるようであるが、一部の組合せ(例えば、F176Yを伴うE174S)は明らかに非加成性である(実施例VIIIおよびXを参照)。例えば、ヘリックス1中に4つの突然変異とヘリックス4中に4つの突然変異を有する最も強固に結合する変異体を確実性をもって同定するためには、理想的には8残基全部を一度に突然変異させ、次いで全体的に最も強固に結合する変異体のプールを選別することになるであろう。しかし、このようなプールは、2.6x1010の異なるポリペプチドをコードしている1.1x1012のDNA配列(NNSコドンの縮重を用いて)からなる。全変異体(恐らく、1013の形質転換体)の表示を確実にするに十分大きなランダムファージミドライブラリーを得ることは、現在の形質転換法によっては実際的ではない。
【0197】
我々は、第1に、連続ラウンドの突然変異誘発を用い、1つのライブラリーから最も強固に結合する変異を取り、次いで他の残基を突然変異させてさらに結合を改善することによってこの難題に取り組んだ(実施例X)。第2の方法において、我々は、加成性の原理を用いて2つの独立して選別したライブラリーからの最良の突然変異を組合わせて、改善された結合を有する複数の突然変異体を創製した(上記)。ここで我々は、ランダムまたは部分的ランダム突然変異体の組合せライブラリーを創製することによって、hGH中の10、14、18、21、167、171、175、および179位における可能な突然変異の組合せをさらに探索した。ヘリックス1ライブラリーからのプールしたファージミド(独立して0、2または4サイクル選別;実施例IX)およびヘリックス4bライブラリーからのプール(独立して0、2または4サイクル選別;実施例X)を用いてhGH−ファージミドの3つの異なる組合せライブラリーを作成し、この組合せ変異体プールをhGHbp結合について選別した。ある量の配列多様性がこれらプールのそれぞれに存在するので、得られる組合せライブラリーは手で作成しうる配列の組合せよりも多くの配列組合せを調べることができる(例えば、表XIII)。
【0198】
1ヘリックスライブラリーのプール(0、2または4ラウンド選択)のそれぞれからhGH−ファージミドの2本鎖DNA(dsDNA)を単離し、制限酵素AccIおよびBstXIで消化した。次いで、それぞれのヘリックス1変異体プールから大きいフラグメントを単離し、それぞれのヘリックス4b変異体プールからの小さいフラグメントと連結して、3つの組合せライブラリーpH0707A(実施例IXおよびXに記載の未選択のヘリックス1およびヘリックス4bプール)、pH0707B(2回選択したヘリックス1プールと2回選択したヘリックス4bプール)、およびpH0707C(4回選択したヘリックス1プールと4回選択したヘリックス4bプール)を得た。さらに、より少ないDNAを用いて同じ連結を行ない、pH0707D、pH0707EおよびpH0707F(それぞれ、0、2および4ラウンドの出発ライブラリーに対応する)と命名した。また、これら変異体プールのすべては、先のhGH-ファージ結合選択で得られた突然変異E174S/F176Yを含有していた(詳細については実施例Xを参照)。
【0199】
h GH - ファージ変異体の組合せライブラリーの選別
連結生成物pH0707A〜Fを加工処理し、記載(実施例VIII)のようにXL1-Blue細胞に電気導入した。コロニー形成単位(CFU)に基づいて、それぞれのプールから得られた形質転換体の数は次のようであった:pH0707Aから2.4x106、pH0707Bから1.8x106、pH0707Cから1.6x106、pH0707Dから8x105、pH0707Eから3x105、およびpH0707Fから4x105。hGH−ファージミド粒子を調製し、実施例VIIIの記載のように2〜7サイクルにわたってhGHbp-結合について選択した。
【0200】
h GH−ファージミドライブラリーの迅速な選別
平衡結合親和性によって測定したときの強固に結合するタンパク質変異体についてのファージミドライブラリーの選別に加えて、受容体あるいは他の分子に対する結合のオン-速度(kon)またはオフ-速度(koff)のどちらかが変化した変異体を選別することも重要である。熱力学から、これら速度は平衡解離定数 Kd=(koff/kon)に関係している。我々は、特定タンパク質の一部の変異体は結合に対して類似したKdを有しているが、非常に異なったkonおよびkoffを有しているものと想定している。逆に、ある変異体と別の変異体のKdの変化は、konに対する効果、koffに対する効果、またはその両方によるものであろう。タンパク質の薬理学的性質は、結合親和性またはkonもしくはkoffに依存していることもある(作用の詳細な機序に依存する)。ここで我々は、より高いオン-速度を有するhGH変異体を同定してkonの変化の効果を調べようとした。我々は、結合時間を増加させることによって、ならびに同族リガンド(hGH)による洗浄時間および/または濃縮を増加させることによって、選択をkoffの方に選択的に加重することができると想定している。
【0201】
固定化hGHbpに対する野生型hGH−ファージミド結合の経時分析から、最終のpH2洗浄液中に溶出されうる全hGH−ファージミド粒子(全体の結合および溶離プロトコールについては実施例VIIIを参照)のうち、10%未満が1分間のインキュベートの後に結合するが、90%以上は15分間のインキュベート後に結合するようである。
【0202】
「迅速な結合選択」のために、pH0707Bプール由来のファージミド粒子(ヘリックス1および4に対して独立して2回選択)を固定化hGHbpと1分間だけインキュベートし、次いで結合緩衝液(1ml)で6回洗浄した〔hGH洗浄工程は削除し、残存するhGH−ファージミド粒子はpH2(結合緩衝液中の0.2Mグリシン)洗浄液で溶離した〕。非表示粒子に対するhGH−ファージミド粒子の豊富化は、短時間の結合を用い、同族リガンド(hGH)チャレンジを用いないときであっても、hGH−ファージミド結合選択がランダム化プールから強固に結合する変異体を選別することを示した。
【0203】
h GH突然変異体の検定
これらhGH突然変異体の一部のhGHbpに対する結合定数を、非サプレッサー大腸菌株16C9または34B8中で遊離のホルモン変異体を発現させ、このタンパク質を精製し、そして放射免疫沈澱検定法におけるhGHbpからの標識化wt-hGHの競合置換(実施例VIIIを参照)により検定することによって測定した。以下の表XIII-Aにおいて、すべての変異体はセリン174によって置換されたグルタメート174およびチロシン176によって置換されたフェニルアラニン176(E174SおよびF176Y)に加えて、hGHアミノ酸の10、14、18、21、167、171、175および179位に表中に示した追加の置換を有している。
【0204】
【0205】
以下の表XIVにおいて、hGH変異体を、ファージミド結合選択法によって組合せライブラリーから選択した。表XIV中のすべてのhGH変異体は2つのバックグラウンド突然変異(E174S/F176Y)を含んでいる。ライブラリーpH0707A(パートA)、pH0707BおよびpH0707E(パートB)またはpH0707C(パートC)からのhGH−ファージミドプールを、hGHbpに対する結合について2〜7サイクルで選別した。数値Pは、それぞれのプールから配列決定した1組のクローン中のそれぞれの変異体型の分数発生率を示す。
【0206】
【0207】
以下の表XVにおいて、hGH変異体を、ファージミド結合選択法によって組合せライブラリーから選択した。表XV中のすべてのhGH変異体は2つのバックグラウンド突然変異(E174S/F176Y)を含んでいる。数値Pは、4サイクルの迅速結合選択の後に配列決定した全クローン中の特定変異体の分数発生率である。
【0208】
【0209】
以下の表XVIにおいて、hGHbp(1〜238)およびMab5またはMab263のいずれかを用いる125I-標識化ホルモンH0650BDまたは標識化hGHの競合置換によって結合定数を測定した。変異H0650BDは野生型hGHよりも30倍強固に結合するようである。
【0210】
【0211】
実施例 XIII プロテアーゼ基質配列を含有するhGH-ファージと非基質ファージの選択豊富化
実施例Iに記載したように、プラスミドpS0132は、余分のグリシン残基の挿入を伴って遺伝子IIIタンパク質の残基Pro198に融合したhGHの遺伝子を含有している。このプラスミドを用いて、hGH−遺伝子III融合産物がファージ表面に1価で表示されるhGH-ファージ粒子を得ることができる(実施例IV)。この融合タンパク質は、可変性リンカー配列によって遺伝子IIIのカルボキシ末端ドメインに融合した全hGHタンパク質を含有している。
【0212】
あるタンパク質加水分解酵素の好ましい基質配列を選択するためにファージ表示法を使用することの可能性を調べるために、スブチリシンBPN'の遺伝子操作変異体を用いた〔Carter,P.ら, Proteins: Structure, function and genetics 6: 240-248 (1989)〕。この変異体(以下においてはA64SALスブチリシンと呼ぶ)は以下の突然変異:Ser24Cys、His64Ala、Glu156Ser、Gly169AlaおよびTyr217Leuを含んでいる。この酵素は必須の触媒残基His64を欠いているので、その基質特異性が大きく制限されており、ある種のヒスチジン含有基質が優先的に加水分解される〔Carterら, Science 237: 394-399 (1987)〕。
【0213】
h GH - 基質 - ファージベクターの構築
pS0132中のリンカー領域の配列を、オリゴヌクレオチド:
5'-TTC-GGG-CCC-TTC-GCT-GCT-CAC-TAT-ACG-CGT-CAG-TCG-ACT-GAC-CTG-CCT-3'
を用いて突然変異させ、A64SALスブチリシンの基質配列を創製した。これにより、タンパク質配列:
Phe-Gly-Pro-Phe-Ala-Ala-His-Tyr-Thr-Arg-Gln-Ser-Thr-Asp
がhGHと遺伝子IIIのカルボキシ末端ドメインの間のリンカー領域中に導入される結果が得られた(上記配列中の最初のPhe残基はhGHのPhe191である)。配列:
Ala-Ala-His-Tyr-Thr-Arg-Gln
はA64SALスブチリシンの良好な基質であることが既知である〔Carterら(1989);上記〕。得られたプラスミドをpS0640と命名した。
【0214】
h GH - 基質 - ファージの選択豊富化
pS0132およびpS0640から導かれるファージミド粒子を実施例Iの記載のように作成した。最初の実験において、それぞれのファージプール(10μlづつ)を、20mMトリス-HCl(pH8.6)および2.5M NaClを含有する緩衝液(100μl)中でオキシランビーズ(実施例IIの記載のように調製;30μl)と別々に混合した。結合と洗浄工程は実施例VIIの記載のように行なった。次いで、このビーズを50nMのA64SALスブチリシンを含むかまたは含まない同緩衝液(400μl)に再懸濁した。10分間インキュベートした後、上清を集め、ファージ力価(cfu)を測定した。表XVIIは、約10倍多い基質含有ファージミド粒子(pS0640)が、酵素の非存在下よりも酵素の存在下において溶出され、また、酵素の存在下もしくは非存在下の非基質ファージミド(pS0132)の場合よりも多く溶出されることを示している。酵素、ファージミドまたはビーズ濃度の増加はこの比率を変えることはなかった。
【0215】
選択豊富化法の改良
固定化ファージミドの非特異的溶離を減少させる試みにおいて、強固に結合するhGH変異体を野生型hGH遺伝子の代わりにpS0132およびpS0640に導入した。使用したhGH変異体は実施例XIに記載した変異体(pH0650bp)であり、突然変異Phe10Ala、Met14Trp、His18Asp、His21Asn、Arg167Asn、Asp171Ser、Glu174Ser、Phe176TyrおよびIle179Thrを含有している。これにより、2つの新規なファージミド:pDM0390(強固に結合するhGHを含有し、基質配列を含まない)およびpDM0411(強固に結合するhGHおよび基質配列Ala-Ala-His-Tyr-Thr-Arg-Glnを含有する)が構築された。また、結合の洗浄および溶離のプロトコールは次のように変えた:
(i) 結合:COSTAR 12ウエル組織培養プレートを、0.5ml/ウエルの炭酸ナトリウム緩衝液(pH10.0)中の2μg/ml hGHbpで16時間被覆した。次いで、このプレートを、1ml/ウエルのブロック緩衝液〔0.1%w/vウシ血清アルブミンを含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)〕とともに2時間インキュベートし、10mMトリス-HCl(pH7.5)、1mM EDTAおよび100mM NaClを含有する検定緩衝液で洗浄した。ファージミドを再び実施例Iの記載のように調製し、ファージプールを上記検定緩衝液で1:4に希釈し、ウエルあたり0.5mlのファージを2時間インキュベートした。
(ii)洗浄:このプレートをPBS+0.05%ツイーン20で徹底的に洗浄し、この洗浄緩衝液(1ml)とともに30分間インキュベートした。この洗浄工程を3回繰返した。
(iii)溶離:このプレートを、20mMトリス-HCl(pH8.6)+100mM NaClからなる溶離緩衝液中で10分間インキュベートし、次いで500nMのA64SALスブチリシンを含むかまたは含まない上記緩衝液(0.5ml)でファージを溶離した。
【0216】
表XVIIは、pS0640およびpS0132について先に記載した方法と比較して、特異的に溶出した基質-ファージミド粒子の割合が劇的に増加したことを示している。この結果は、強固に結合するhGH突然変異体が、野生型hGHに比べてhGH結合タンパク質への結合に対して有意に低いオフ-速度を有していることによるものと考えられる。
【0217】
表 XVII.A64SALスブチリシンによる基質-ファージミドの特異的溶離
ファージの10倍希釈液(10μl)を、50μg/mlカルベニシリンを含有するLB寒天プレート上のXL1-Blue細胞の10μlスポット上にプレーティングすることによってコロニー形成単位(cfu)を評価した。
【0218】
実施例 XIV 基質配列ライブラリーの選択豊富化を用いるA64SALスブチリシンの好ましい基質の同定
実施例XIIIに記載した選択的豊富化法を用いてランダム基質配列のライブラリーから良好な基質配列を同定しようとした。
ランダム化基質カセットの挿入のためのベクターの構築
ランダム化基質カセットの導入およびその後の基質配列ライブラリーの発現に適したベクターを設計した。出発点は実施例VIIIに記載したベクターpS0643であった。オリゴヌクレオチド:
5'-AGC-TGT-GGC-TTC-GGG-CCC-GCC-GCC-GCG-TCG-ACT-GGC-GGT-GGC-TCT-3'
を用いて部位指向性の突然変異誘発を行ない、これによってhGHと遺伝子IIIの間にApaI(GGGCCC)およびSalI(GTCGAC)制限部位が導入された。この新規な構築物をpDM0253と命名した(pDM0253の実際の配列は、
5'-AGC-TGT-GGC-TTC-GGG-CCC-GCC-CCC-GCG-TCG-ACT-GGC-GGT-GGC-TCT-3'
であり、下線を引いた塩基の置換は突然変異オリゴヌクレオチド中の偽錯誤によるものである)。また、pDM0411(実施例XIII)由来のフラグメントを交換することによって、実施例中に記載した強固に結合するhGH変異体を導入した。得られたライブラリーベクターをpDM0454と命名した。
【0219】
ライブラリーカセットベクターの調製および突然変異カセットの挿入
ライブラリーカセットを導入するために、pDM0454をApaI、次いでSalIで消化し、次に13%PEG8000+10mM MgCl2で沈澱させ、70%エタノールで2回洗浄し、再懸濁した。これによりベクターが効率的に沈澱するが、小さいApaI−SalIフラグメントが溶液中に残る〔Paithankar,K.R.およびPrasad,K.S.N., Nucleic Acids Research 19: 1346〕。この生成物を1%アガロースゲル上を移動させ、ApaI−SalI消化したベクターを切り出し、Bandprepキット(Pharmacia)を用いて精製し、そして突然変異カセットとの連結用に再懸濁した。
【0220】
挿入するカセットはpS0640およびpDM0411のリンカー領域中のDNA配列と同様の配列を含有していたが、ランダム化コドンによって置換された基質配列中のヒスチジンおよびチロシン残基のコドンを有していた。実施例VIIIに記載したようにランダム化位置のそれぞれにおいてNNS(N=G/A/T/C;S=G/C)を置換することを選択した。突然変異カセット中に用いたオリゴヌクレオチドは、
5'-C-TTC-GCT-GCT-NNS-NNS-ACC-CGG-CAA-3'(暗号鎖)および
5'-T-CGA-TTG-CCG-GGT-SNN-SNN-AGC-AGC-GAA-GGG-CC-3'(非暗号鎖)
であった。また、このカセットはSalI部位を破壊し、従ってSalIによる消化を用いてベクター バックグラウンドを減少させることができる。これらオリゴヌクレオチドはApa−Salカセット部位への挿入の前にホスホリル化しなかった。この理由は、続いて起こるカセット小集団のオリゴマー化が複数カセット挿入体による偽の結果を導くことがあることを恐れたためである。アニールと連結の後、反応生成物をフェノール:クロロホルム抽出し、エタノール沈澱させ、そして水に再懸濁した。最初は、バックグラウンドベクターを減少させるためのSalIによる消化を行なわなかった。実施例VIIIに記載したように、約200ngをXL1-Blue細胞に電気穿孔導入し、ファージミドライブラリーを調製した。
【0221】
基質ライブラリーからの切断されやすい基質の選択
使用した選択法は、実施例XIIIにおいてpDM0411およびpDM0390について記載した方法と同じである。各ラウンドの選択の後、実施例VIIIにおいてhGH-ファージについて記載されているように、新鮮なXL1-Blue細胞の培養物に形質導入し、新しいファージミドライブラリーを増殖させることによって、溶出したファージを増殖させた。選択法の進行は、溶出ファージの力価の測定および各ラウンドの選択後の個々のクローンの配列決定によってモニターした。
【0222】
表Aは、1、2および3ラウンドの選択後の酵素の存在下および非存在下での溶離に対する連続ファージ力価を示すものである。特異的に溶出したファージ:非特異的に溶出したファージ(即ち、酵素を用いて溶出したファージ:酵素を用いずに溶出したファージ)の比がラウンド1からラウンド3まで劇的に増加しているのが明らかであり、このことは、良好な基質集団が各選択ラウンドにつれて増加していることを示唆する。
【0223】
出発ライブラリーからの10個の単離体の配列決定は、これらのすべてが野生型pDM0464配列からなることを示した。このことは、ApaIによる消化の後にSalI部位がDNAフラグメントの末端に非常に近接しており、従って低効率の消化を導くことに起因している。それにもかかわらず、ライブラリー中に400の可能な配列が存在しているにすぎず、従ってこの集団はなお特筆されるべきである。
【0224】
表B1およびB2は、ラウンド2およびラウンド3の選択後に得られた単離体の配列を示すものである。2ラウンドの選択の後に、ヒスチジン残基の高い発生が明確に存在する。これは正に予想されていたことである(実施例XIIIに記載したように、A64SALスブチリシンは基質中にヒスチジン残基を必要とするが、この理由はそれが基質-助力の触媒機序を使用するためである)。3ラウンドの選択の後に、配列決定した10個のクローンのそれぞれがランダム化カセット中にヒスチジンを有している。しかし、これら配列の2つはpDM0411のものであり、出発ライブラリー中に存在していなかったものであり、従って不純物であることに注意すべきである。
【0225】
表A.最初のファージプールおよび3ラウンドの選択豊富化からの溶出
ファージの滴定
ファージの10倍希釈液(10μl)を、50μg/mlカルベニシリンを含有するLB寒天プレート上のXL1-Blue細胞の10μlスポット上にプレーティングすることによってコロニー形成単位(cfu)を評価した。
【0226】
表B1.2ラウンドの選択豊富化の後の溶出ファージの配列
すべてのタンパク質配列はAA**TRQの形態にあるはずである(ここで、*はランダム化コドンを表す)。以下の表においては、ランダム化コドンおよびアミノ酸に下線を引く。
表B2.3ラウンドの選択豊富化の後の溶出ファージの配列
すべてのタンパク質配列はAA**TRQの形態にあるはずである(ここで、*はランダム化コドンを表す)。以下の表においては、ランダム化コドンおよびアミノ酸に下線を引く。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1:線状ファージの表面に大きいタンパク質を表示(顕示)させるための方法および改変された受容体結合性を豊富化する方法を示すものである。hGHの全暗号配列をM13遺伝子IIIのカルボキシ末端ドメインに融合させたプラスミドphGH-M13gIIIを構築した。この融合タンパク質の転写はlacプロモーター/オペレーター配列の支配下にあり、分泌はstIIシグナル配列によって指令されている。ファージミド粒子は「ヘルパー」ファージM13KO7による感染によって得られ、hGHを表示する粒子はhGH受容体を含む親和性マトリックスに結合させることによって豊富化することができる。野生型遺伝子III(M13KO7ファージから導く)はファージの先端の4〜5コピーの複数矢印により図示し、融合タンパク質(ファージミドphGH-M13gIIIから導く)はhGHの折り畳み図形(矢印の頭部を置換)によって図示した。
【図2】図2:全ファージ粒子の免疫ブロットはhGHがファージと同時移動することを示す。塩化セシウム勾配で精製したファージミド粒子を二重のウエルに付し、375mMトリス、40mMグリシン(pH9.6)緩衝液中、1%アガロースゲルで電気泳動を行なった。このゲルを、2%SDSおよび2%β−メルカプトエタノールを含む移転緩衝液〔25mMトリス(pH8.3)、200mMグリシン、20%メタノール〕中に2時間浸漬し、次いで移転緩衝液中で6時間すすいだ。次いで、ゲル中のタンパク質をイモビロン膜(Millipore)上に電気ブロットした。1組の試料を含む膜はクーマシーブルーで染色してファージタンパク質の位置を示した(A)。二重の膜をポリクローナルウサギ抗-hGH抗体と反応させ、次いで西洋ワサビペルオキシダーゼ-コンジュゲート化したヤギ抗-ウサギIgG抗体と反応させることによって、膜のhGHを免疫染色した(B)。レーン1はM13KO7親ファージを含み、これはhGHを欠いているのでクーマシーブルー染色した膜においてのみ観察することができた。レーン2および3はホルモン ファージミド粒子の別の調製物を含んでおり、クーマシーおよびhGH免疫染色の両方で観察することができた。親のM13KO7ファージとホルモン ファージミド粒子の間の移動距離の差異は、内部にパッケージされたゲノムの大きさの相違を反映するものである(それぞれ、8.7kbと5.1kb)。
【図3】図3:コドン172、174、176および178のところをランダム化したhGH-ファージライブラリーの選択法における各工程をまとめる図である。hGH(R178G、I179T)遺伝子および唯一のKpnI制限部位を含有する鋳型分子pH0415を本明細書に記載のように突然変異誘発し、大腸菌株WJM101中に電気導入して最初のファージミドライブラリー(ライブラリー1)を得た。ライブラリー1の一部(約2%)を、本明細書に記載のように最初の選択ラウンドに直接用いてライブラリー1Gを得た。一方、2本鎖DNA(dsDNA)をライブラリー1から調製し、制限酵素KpnIで消化して鋳型のバックグラウンドを排除し、WJM101中に電気導入してライブラリー2を得た。これらに続く選択ラウンド(または、KpnI消化;陰影を付けた箱)とその後のファージミドの増殖は、本明細書に記載した方法に従い、矢印で示したように行なった。ライブラリー4G4からの4種の独立したクローンおよびライブラリー5G6からの4種の独立したクローンをジデオキシ配列決定法によって配列決定した。これらクローンのすべてが、hGH突然変異体(Glu 174 Ser、Phe 176 Tyr)に一致する同一DNA配列を有していた。
【図4】図4:結晶学により決定したブタ成長ホルモンの2.8Å折り畳み図から導いたhGHの構造モデルを示すものである。hGH−結合タンパク質への結合を強く変調させるhGH中の残基の位置を陰影を付けた円内に示した。結合親和性において10倍以上の減少(黒丸)、4〜10倍の減少(・)、増加(○)、または2〜4倍の減少(・)を引き起こすアラニン置換が示されている。α−ヘリックス領域におけるらせん輪投影により、これらの両極性が明らかになった。黒くした、陰影を付けた、あるいは陰影を付けていない残基は、それぞれ荷電、極性、または非極性を示す。ヘリックス4において、突然変異のための最も重要な残基は親水性の面上にある。
【図5】図5:表示した経路(hGH溶離、グリシン溶離、または予吸着後のグリシン溶離)に対するラウンド1および3の選択工程からの多数のクローンを配列決定した後にわかったhGHの172、174、176および178位のアミノ酸置換を示すものである(例えば、KSYRという表示はhGH突然変異体172K/174S/176Y/178Rを表す)。非機能的な配列(即ち、ベクター バックグラウンド、または他の未成熟に終わった突然変異体および/またはフレームシフトした突然変異体)は「NF」として示している。非サイレントの疑似突然変異(即ち、上に挙げた組の標的残基以外)を含む機能的な配列は「+」で示している。すべての配列決定クローンの中で1回を越えて現れたが異なるDNA配列を有するタンパク質配列は「#」で示している。配列決定クローンの中で1回を越えて現れ、そして同じDNA配列を有するタンパク質配列は「*」で示している。3ラウンドの選択の後に2種の異なる汚染配列が見い出されたことに注意すべきである(これらのクローンはカセット突然変異体に一致しなかったが、先に構築したホルモン ファージに一致した)。pS0643汚染体は野生型hGH-ファージに一致する(hGH「KEFR」)。第3ラウンドのグリシン選択したファージのプールに多いpH0457汚染体は、先に同定したhGHの突然変異体「KSYR」に一致する。これら汚染体の増幅は、まれにしか発生しない突然変異体を選択するためのホルモン−ファージ選択法の能力を強調するものである。また、これらの配列の集中性は3種すべての経路において顕著であった(即ち、RまたはKは172および178位に最も多く発生し、YまたはFは176位に最も多く発生し、そしてS、T、Aおよびその他の残基は174位に発生する)。
【図6】図6:亜鉛の存在下にhPRLbp-ビーズ上で選択したファージからの配列を示すものである。表示は図5で説明したものと同じである。ここでは、配列の集中性は予測できないが、最もストリンジェントな(グリシン)選択条件下で疎水性配列への偏りがあるようである(L、WおよびP残基がこのプールに多く見い出される)。
【図7】図7:亜鉛の非存在下にhPRLbp-ビーズ上で選択したファージからの配列を示すものである。表示は図5で説明したものと同じである。図6の配列とは対照的に、ここでの配列は比較的親水性が高いようである。hGH溶離による4ラウンドの選択の後、2種類のクローン(ANHQおよびTLDT/171V)がプールに多く存在する。
【図8】図8:ブランクのビーズ上で選択したファージからの配列を示すものである。表示は図5で説明したものと同じである。グリシン溶離による3ラウンドの選択の後、同胞体は観察されず、非機能的な配列のバックグラウンド水準が保持された。
【図9】図9:pHO415からのファージミドfl起点(ori)の構築を示すものである。カセット突然変異誘発およびhGH−遺伝子III融合タンパク質の発現のためのこのベクターを次のように構築した。pBR322およびflの複製起点を含有し、大腸菌phoAプロモーターの制御下にhGH−遺伝子III融合タンパク質(hGHの残基1〜191に1個のGly残基が続き、これが遺伝子IIIのPro-198に融合している)を発現する、pS0132のオリゴヌクレオチド指向性の突然変異誘発によって、プラスミドpS0643を構築した。以下のオリゴヌクレオチド:
5'-GGC-AGC-TGT-GGC-TTC-TAG-AGT-GGC-GGC-GGC-TCT-GGT-3'
を用いて突然変異誘発を行なった。このオリゴヌクレオチドは、hGHのPhe-191に続いてXbaI部位(下線部)とアンバー終止コドン(TAG)を導入した。
【図10】図10:Aは、HER-2受容体に指向性のFabヒト化抗体の軽鎖および重鎖(可変および不変ドメイン1)をコードしているDNAを含有するプラスミドpDH188挿入体を図示したものである。VLおよびVHはそれぞれ軽鎖および重鎖の可変領域である。Ckはヒトκ軽鎖の不変領域である。CH1G1はヒトγ1鎖の最初の不変領域である。両暗号領域は細菌性のstIIシグナル配列から始まっている。Bは、5Aに示した挿入体を含有する全プラスミドpDH188を図示するものである。このプラスミドを大腸菌SR101細胞に導入し、ヘルパーファージを添加した後、このプラスミドはファージ粒子にパッケージされる。これら粒子の一部はFab-pIII融合体を表示する(ここで、pIIIはM13遺伝子III DNAによってコードされているタンパク質である)。このプラスミド図中のセグメントは5Aに示した挿入体に対応している。
【図11A】図11A:ファージミド表面に発現された4D5 Fab分子をコードしているDNAのヌクレオチド配列(配列番号25)を示すものである。軽鎖のアミノ酸配列(配列番号26)も、重鎖pIII融合体のアミノ酸配列(配列番号27)と同様に示されている。
【図11B】図11B:ファージミド表面に発現された4D5 Fab分子をコードしているDNAのヌクレオチド配列(配列番号25)を示すものである。軽鎖のアミノ酸配列(配列番号26)も、重鎖pIII融合体のアミノ酸配列(配列番号27)と同様に示されている。
【図11C】図11C:ファージミド表面に発現された4D5 Fab分子をコードしているDNAのヌクレオチド配列(配列番号25)を示すものである。軽鎖のアミノ酸配列(配列番号26)も、重鎖pIII融合体のアミノ酸配列(配列番号27)と同様に示されている。
【図11D】図11D:ファージミド表面に発現された4D5 Fab分子をコードしているDNAのヌクレオチド配列(配列番号25)を示すものである。軽鎖のアミノ酸配列(配列番号26)も、重鎖pIII融合体のアミノ酸配列(配列番号27)と同様に示されている。
【図11E】図11E:ファージミド表面に発現された4D5 Fab分子をコードしているDNAのヌクレオチド配列(配列番号25)を示すものである。軽鎖のアミノ酸配列(配列番号26)も、重鎖pIII融合体のアミノ酸配列(配列番号27)と同様に示されている。
【図11F】図11F:ファージミド表面に発現された4D5 Fab分子をコードしているDNAのヌクレオチド配列(配列番号25)を示すものである。軽鎖のアミノ酸配列(配列番号26)も、重鎖pIII融合体のアミノ酸配列(配列番号27)と同様に示されている。
【図11G】図11G:ファージミド表面に発現された4D5 Fab分子をコードしているDNAのヌクレオチド配列(配列番号25)を示すものである。軽鎖のアミノ酸配列(配列番号26)も、重鎖pIII融合体のアミノ酸配列(配列番号27)と同様に示されている。
【図11H】図11H:ファージミド表面に発現された4D5 Fab分子をコードしているDNAのヌクレオチド配列(配列番号25)を示すものである。軽鎖のアミノ酸配列(配列番号26)も、重鎖pIII融合体のアミノ酸配列(配列番号27)と同様に示されている。
【図12】図12:変異Fabファージミドからの野生型4D5 Fabファージミドの豊富化を示すものである。1:1,000の比の野生型ファージミドと変異4D5 Fabファージミドの混合物を、HER-2受容体の細胞外ドメインタンパク質で被覆したプレートで選択した。各ラウンドの選択の後、溶離したファージミドの一部を大腸菌に感染させ、プラスミドDNAを調製した。次いで、このプラスミドDNAをEcoRVおよびPstIで消化し、5%ポリアクリルアミドゲルで分離し、臭化エチジウムで染色した。バンドをUV光のもとで可視化した。野生型および変異プラスミドに起因するバンドは矢印で示した。第1ラウンドの選択は酸条件のもとでのみ溶離した。以後のラウンドは、酸溶離(図の左側)または実施例VIIIに記載した方法を用いるヒト化4D5抗体洗浄工程とその後の酸溶離(図の右側)のいずれかによって溶離した。3種の変異4D5 Fab分子を調製した。即ち、H91A(VL鎖の91位のアミノ酸ヒスチジンをアラニンに突然変異させた;図中の「A」レーンに示す)、Y49A(VL鎖の49位のアミノ酸チロシンをアラニンに突然変異させた;図中の「B」レーンに示す)、ならびにY92A(VL鎖の92位のアミノ酸チロシンをアラニンに突然変異させた;図中の「C」レーンに示す)である。アミノ酸位置の数え方はKabatらに従った〔「免疫学的挿入体のタンパク質の配列」, 第4版, U.S.Dept of Health and Human Services, Public Health Service, Nat'l.Institute of Health, Bethesda, MD (1987)〕。
【図13】図13:実験プロトコール中に記載したRIA親和性測定のスカッチャード分析が示されている。結合した標識化ECD抗原の量がx軸に示されており、結合量を遊離量で割った数値がy軸に示されている。線の傾きはKaを示し、計算したKdは1/Kaである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to the production and systematic selection of novel binding proteins with altered binding properties to target molecules. More specifically, the present invention relates to a method for producing an external polypeptide that mimics the binding activity of a natural binding partner.
[0002]
[Prior art]
A binding partner is a substance that specifically binds to each other, usually through non-covalent interactions. Examples of binding partners include ligand-receptor, antibody-antigen, drug-target, and enzyme-substrate interactions. Binding partners are extremely useful in both therapeutic and diagnostic fields.
[0003]
In the past, binding partners have been traditionally used by various methods, including collection from nature (eg, antibody-antigen and ligand-receptor pairing) and by accidental identification (eg, using random screening of candidate molecules). Preparation). In some cases, these two methods are combined. For example, protein or polypeptide variants (such as polypeptide fragments) containing key functional residues involved in binding have been prepared. These polypeptide fragments are then derivatized by methods similar to traditional drug development. Examples of such derivatization would include methods such as cyclization to conformally constrain polypeptide fragments to yield new candidate binding partners.
[0004]
The problem with using conventional methods is that natural ligands may not have the properties suitable for all therapeutic applications. Furthermore, polypeptide ligands may not be usable for some target substances. Also, methods for producing non-natural synthetic binding partners are often expensive and difficult and usually require complex synthetic methods to obtain each candidate. The inability to investigate the structural characteristics of the resulting candidate so that reasonable drug design methods can be applied to further optimize the candidate molecule further hinders these methods. Yes.
[0005]
In an attempt to overcome these problems, Geysen [Immun.Today 6: 364-369 (1985)] and Geysen et al.[ Mol.Immun. 23: 709-715 (1986)] proposed the use of polypeptide synthesis to provide a framework for the identification and manufacture of systematic repetitive binding partners. According to Geysen et al. (Id.), A short polypeptide such as a dipeptide is first screened for the ability to bind to the target molecule. The most active dipeptide is then selected for the next test. This test consists of linking another residue to the starting dipeptide (or by internally modifying the components of the initial starting dipeptide) and then screening this set of candidates for the desired activity. This process is repeated until a binding partner with the desired properties is identified.
[0006]
The method of Geysen et al. Is hampered by the inconvenience that the chemistry underlying the method, ie peptide synthesis, produces molecules with secondary and tertiary structures that are unclear or varied. As the number of iterations of selection increases, random interactions increase at an accelerated rate between the various substituents of the polypeptide and a true random population of interacting molecules with reproducible higher order structures cannot be obtained. For example, interactions between the side chains of amino acids (these are far apart in sequence but spatially adjacent) occur arbitrarily. In addition, sequences that do not promote conformationally stable secondary structure can give complex peptide-side chain interactions that may prevent side chain interactions of certain amino acids with the target molecule. Such complex interactions are facilitated by the flexibility of the polypeptide candidate polyamide backbone. Candidates can also exist in multiple conformations, making it difficult to identify conformers that interact with or bind to targets with the greatest affinity or specificity, and rational drug design Make it difficult.
[0007]
The last problem when using Geysen's iterative polypeptide method is that there is currently no practical method for producing, screening and analyzing highly diverse variants. With 20 natural amino acids, the total number of all combinations of hexapeptides that must be synthesized is 64,000,000. Even if such highly diversified peptides are produced, it is possible to rapidly screen a mixture of such highly diversified peptides and select peptides having high affinity for the target molecule. There is no way. Currently, each “attachment” peptide must be recovered in sufficient quantity to effect protein sequencing.
[0008]
Biological selection and screening have been chosen as an alternative to overcome many of the problems inherent in Geysen's method. Biological selection and screening is a powerful tool for exploring protein function and isolating mutant proteins with the desired properties [Shortle, Protein Engineering, Oxender and Fox, Ed., ARLiss, Inc., NY , pp. 103-108 (1988); and Bowie et al., Science 247: 1306-1310 (1990)]. However, the resulting selection or screening can only be applied to one or a few related proteins.
[0009]
More recently, Smith and his collaborators [Smith, Science 228: 1315-1317 (1985); and Parmley and Smith, Gene 73: 305-318 (1985)] have introduced short gene fragments into fd phage ("fusions" It has been shown that small protein fragments (10-50 amino acids) can be efficiently “displayed” on the surface of linear phages by insertion into gene III of “phage”). The gene III minor coat protein (approximately 5 copies at one end of the virion) is important for proper phage assembly and infection by attachment to E. coli pilus [Rasched et al., Microbiol. Rev. 50: 401 -427 (1986)]. Recently, "fusion phage" have been described as exogenous proteins [Devlin et al., Science 249: 404-406 (1990)] or antibodies [Scott et al., Science 249: 386-390 (1990); and Cwirla et al., Proc. Natl. Acad. .USA 87: 6378-6382 (1990)] has been found useful for displaying short mutant peptide sequences to identify peptides that can react.
[0010]
However, there are several important limitations when using such “fusion phage” to identify modified peptides or proteins with new or enhanced binding properties. First, large inserts probably disrupt the function of gene III, thus destroying the assembly and infectivity of the phage, so that only when displaying proteins with less than 100, preferably less than 50 amino acid residues, a fusion phage Have been shown to be useful [Parmley et al.,Gene 73: 305-318 (1988)]. Secondly, conventional methods cannot select peptides from a library that has the greatest binding affinity for the target molecule. For example, after a random peptide library has been thoroughly screened with anti-β endorphin monoclonal antibodies, Cwirla and co-workers have identified medium affinity peptides from high-affinity peptides (Kd ~ 0.4 μM) fused to phage. (Kd-10 μM) could not be separated. Furthermore, extremely high affinity (Kd˜7nMThe parental β-endorphin peptide sequence with) was not selected from the epitope library.
[0011]
Ladner [WO 90/02802] discloses a method for selecting novel binding proteins displayed on the outer surface of viral particles and cells (heterologous proteins have up to 164 amino acid residues). Is good). This method is intended to isolate and amplify the displayed protein to design a new group of binding proteins with the desired affinity for the target molecule. More specifically, Ladner displays a protein having a “first protein binding domain” ranging from 46 residues (clambin) to 164 residues (T4 lysozyme) fused to an M13 gene III coat protein. "Fusion phage" is disclosed. Ladner teaches the use of these proteins “not larger than necessary” because it is relatively easy to arrange restriction sites into relatively small amino acid sequences, and is a 58 amino acid residue bovine pancreatic trypsin inhibitor (BPTI). Is preferred. Small fusion proteins such as BPTI are preferred when the target is a protein or macromolecule, while relatively large fusion proteins such as T4 lysozyme are preferred for small target molecules such as steroids, which are small for such large proteins This is because it has a tear and a groove that can be fitted with a molecule. This preferred protein BPTI is named Smith et al. Or de la Cruz et al. [J. Biol. Chem. 263: 4318-4322 (1988)] present at the site of gene III or at one of its ends together with a second synthetic copy of gene III to present a “partial” unmodified gene III protein It has been proposed to do so. Ladner does not address the problem of successfully selecting high affinity peptides from random peptide libraries, which hinders prior art biological selection and screening methods.
[0012]
Human growth hormone (hGH) is greatly involved in the regulation of normal human growth and development. This 22,000 dalton pituitary hormone exhibits numerous biological effects including, inter alia, linear growth (body formation), lactation, macrophage activation, insulin-like and diabetic effects [Chawla, RK, Ann. Rev, Med. 34: 519 (1983); Edwards, CK et al., Science 239: 769 (1988); Thomer, MO et al., J. Clin. Invest. 81: 745 (1988)]. Growth hormone deficiency in children leads to dwarfism, which has been successfully treated by external administration of hGH for over 10 years. hGH is a member of a group of homologous hormones including placental lactogen, prolactin, and other genetic and species variants or growth hormones [Nicoll, C.S. et al., Endocrine Reviews 7: 169 (1986)]. hGH is unique among these and exhibits broad species specificity, cloned somatic receptors [Leung, DW et al., Nature 330: 537 (1987)] or prolactin receptors [Boutin, JM et al., Ce 53]. : 69 (1988)]. The cloned hGH gene is secreted in E. coli [Chang, CN et al., Gene 55: 189 (1987)], and its DNA and amino acid sequences have been reported [Goeddel et al., Nature 281: 544. (1979); Gray et al., Gene 39: 247 (1985)]. The three-dimensional structure of hGH cannot be used. However, the three-dimensional folding pattern of porcine growth hormone (pGH) has been reported with normal resolution and accuracy [Abdel-Meguid, S.S. et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84: 6434 (1987)]. Human growth hormone receptor and antibody epitopes have been identified by homolog-scanning mutagenesis [Cunningham et al., Science 243: 1330 (1989)]. The structure of a novel amino-terminal methionyl bovine growth hormone containing the spliced sequence of human growth hormone including histidine 18 and histidine 21 has been shown [US Patent No. 4,880,910].
[0013]
Human growth hormone (hGH) causes a variety of physiological and metabolic effects in various animal models, including linear skeletal growth, lactation, macrophage activation, insulin-like and diabetic effects [RKChawla et al., Annu. Rev. Med. 34: 519 (1983); OGPIsaksson et al., Annu. Rev. Physiol. 47: 483 (1985); CKEdwards et al., Science 239: 769 (1988); MOThorner and MLVance, J. Clin. Invest. 82: 745 (1988); JPHughes and HGFriesen, Ann. Rev. Physiol. 47: 469 (1985)]. These biological effects are guided by the interaction between hGH and specific cell receptors.
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, it is an object of the present invention to provide a quick and efficient method for the systematic production of candidate binding substances.
Another object of the present invention is to produce a conformationally stable candidate binding substance displayed on the surface of phagemid particles.
Another object of the present invention is to produce a candidate binding substance consisting of a fusion protein of a phage coat protein and a heterologous polypeptide [wherein the polypeptide has a length of 100 amino acids or more and is composed of one subunit. And may be displayed on phagemid particles (the polypeptide is encoded in the genome of this phagemid)).
Yet another object of the present invention is to provide or display all peptidyl moieties that may participate in non-covalent binding interactions and to provide these moieties in a sterically restricted manner. It provides a method for producing and selecting a binding material with sufficient flexibility.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
The above purpose is
(a) a replicable expression vector containing a first gene encoding a polypeptide and a second gene encoding at least a portion of a natural or wild-type phage coat protein, wherein the first and The second gene is heterologous and the transcriptional regulatory elements are operably linked to the first and second genes, thus resulting in a gene fusion encoding the fusion protein);
(b) mutating at one or more selected positions within the first gene of the vector to generate a group of related plasmids;
(c) transforming a suitable host cell with the plasmid;
(d) infecting the transformed host cell with a helper phage having a gene encoding the phage coat protein;
(e) Under conditions suitable for the formation of recombinant phagemid particles containing at least a portion of the plasmid and capable of transforming the host, only a small amount of phagemid particles can transfer more than one copy of the fusion protein to the surface of the particles. Culturing the transformed and infected host cells, adjusting the conditions as indicated;
(f) contacting the phagemid particle with a target molecule to bind at least a portion of the phagemid particle to the target molecule; and
(g) separating bound phagemid particles from unbound particles;
This was achieved by providing a method for selecting novel binding polypeptides consisting of: Preferably, the method further comprises the step of transforming a suitable host cell with a recombinant phagemid particle that binds to the target molecule and repeating steps (d)-(g) one or more times.
[0016]
Furthermore, a method of selecting a novel binding protein consisting of more than one subunit is achieved by selecting a novel binding peptide as follows:
A replicable expression vector containing transcriptional regulatory elements operably linked to DNA encoding the desired protein comprising one or more subunits, wherein at least one of the subunits is encoded The DNA being fused is fused to DNA encoding at least a portion of the phage coat protein;
Mutating DNA encoding the desired protein at one or more selected positions to generate a group of related vectors;
Transforming a suitable host cell with the vector;
Infecting the transformed host cell with a helper phage having a gene encoding the phage coat protein;
-Only a small amount of phagemid particles will display more than one copy of the fusion protein on the surface of the particle under conditions suitable for the formation of recombinant phagemid particles containing at least a portion of the plasmid and capable of transforming the host. Culturing the transformed and infected host cells, adjusting the conditions as follows;
Contacting the phagemid particle with a target molecule to bind at least a portion of the phagemid particle to the target molecule; and
• separating bound phagemid particles from unbound particles;
Consists of.
[0017]
In the method of the present invention, the plasmid is under strict control of transcriptional regulatory elements and cultured such that the amount or number of phagemid particles displaying more than one copy of the fusion protein on the surface of the particle is less than about 1%. It is preferred that the conditions are adjusted.
[0018]
It is also preferred that the amount of phagemid particles displaying more than one copy of the fusion protein is less than 10% of the amount of phagemid particles displaying a single copy of the fusion protein. Most preferably, this amount is less than 20%.
[0019]
Usually, in the methods of the invention, the expression vector will further contain a secretory signal sequence fused to the DNA encoding the respective subunit of the polypeptide and the transcriptional regulatory element will be a promoter system. Preferred promoter systems are LacZ, λPL, TAC, T7 polymerase, tryptophan, and alkaline phosphatase promoters and combinations thereof.
[0020]
The first gene will also usually encode a mammalian protein. Preferred proteins will be selected from: human growth hormone (hGH), N-methionyl human growth hormone, bovine growth hormone, parathyroid hormone, thyroxine, insulin A chain, insulin B chain, proinsulin, relaxin A chain, relaxin B chain, prorelaxin, glycoprotein hormones such as follicle stimulating hormone (FSH), thyroid stimulating hormone (TSH) and leutinizing hormone (LH), glycoprotein hormone receptor, calcitonin, glucagon, factor VIII, antibody, lung surfactant, urokinase, streptokinase, human tissue-type plasminogen activator (t-PA), bombesin, factor IX, thrombin, hematopoietic growth hormone, tumor necrosis factor α and β, enkephalinase , Human serum Albumi , Mueller inhibitor, mouse gonadotropin related peptide, microbial protein such as β-lactamase, tissue factor protein, inhibin, activin, vascular endothelial growth factor, hormone or growth factor receptor; integrin, thrombopoietin, protein A or D, rheumatoid factor Nerve growth factors such as NGF-β, platelet growth factor, transforming growth factor (TGF) such as TGF-α and TGF-β, insulin-like growth factors I and II, insulin-like growth factor binding protein, CD-4, DNase, latency related peptide, erythropoietin, osteoinductive factor, interferon such as interferon α, β and γ, colony stimulating factor (CSF) such as M-CSF, GM-CSF and G-CSF, interleukin (IL), such as IL-1, IL-2, IL-3, IL-4, superoxide dismutase; decay accelerating factor, viral antigen, HIV envelope protein, such as GP120, GP140, atrial natriuretic peptide A, B or C, immunoglobulins, and fragments of any of the above proteins.
[0021]
Preferably, the first gene encodes a polypeptide of one or more subunits comprising about 100 or more amino acid residues, and a plurality of rigid secondary molecules displaying a plurality of amino acids that can interact with the target. It will be folded to form a structure. Preferably, the first gene will be mutated at a codon corresponding only to an amino acid capable of interacting with the target so that the integrity of the rigid secondary structure is preserved.
[0022]
Typically, the methods of the invention will use helper phage selected from M13KO7, M13R408, M13-VCS and PhiX174. A preferred helper phage is M13KO7 and a preferred coat protein is the gene III coat protein of M13 phage. A preferred host is E. coli, which is a protease-deficient strain of E. coli. A novel hGH variant selected by the method of the present invention was detected. A phagemid expression vector containing a repressible stop codon functionally placed between the polypeptide and the nucleic acid encoding the phage coat protein was constructed.
[0023]
The following discussion will be best understood by referring to FIG. In its simplest form, the method of the present invention comprises a novel binding polypeptide (such as a protein ligand) having a desired, usually high affinity for a target molecule from a library of structurally related binding polypeptides. It consists of a method to choose. A library of structurally related polypeptides fused to a phage coat protein is prepared by mutagenesis and preferably contains a single copy of each related polypeptide containing the DNA encoding the polypeptide. Display (display) on the surface of the phagemid particle. These phagemid particles are then contacted with the target molecule to separate the particles with the highest affinity for the target from the low affinity particles. The high affinity binder is then amplified by infection of the bacterial host and the competitive binding process is repeated. This process is repeated until a polypeptide with the desired affinity is obtained.
[0024]
The novel binding polypeptides or ligands produced by the methods of the present invention are useful as diagnostic or therapeutic agents (eg, agonists or antagonists) that are themselves used in the treatment of biological organisms. It is also possible to proceed with rational drug design using structural analysis of the selected polypeptide.
[0025]
As used herein, “binding polypeptide” means any polypeptide that binds to a target molecule with selective affinity. Preferably, the polypeptide is a protein, most preferably a protein containing about 100 or more amino acid residues. Usually the polypeptide will be a hormone or antibody or a fragment thereof.
[0026]
“High affinity” as used herein is <10 under physiological conditions.-FiveM, preferably <10-7It means the affinity constant (Kd) of M.
[0027]
As used herein, a “target molecule” is any molecule for which it is desired to produce a ligand, not necessarily a protein. However, the target is preferably a protein, and most preferably the target is a receptor such as a hormone receptor.
[0028]
As used herein, “humanized antibody” refers to an antibody in which the complementarity determining regions (CDRs) of a mouse or other non-human antibody are bound to the framework of a human antibody. Human antibody framework means all human antibodies except CDRs.
[0029]
I.Selection of polypeptides for display on the surface of phage
The first step in the method of the invention is to select a polypeptide having a rigid secondary structure that is exposed on the surface of the polypeptide for display on the surface of the phage.
[0030]
As used herein, “polypeptide” means any molecule that can be expressed by a specific DNA sequence. The polypeptides of the present invention consist of more than one subunit, each subunit being encoded by a separate DNA sequence.
[0031]
As used herein, “hard secondary structure” is, for example, α-helix, 3TenBy any helix, pi helix, parallel and antiparallel β-sheet, and any polypeptide segment that exhibits a regular repeating structure found in reverse turns and the like. Certain “disordered” structures that lack recognizable geometrical order also form domains or “patches” of amino acid residues that can interact with the target, and the overall shape of the structure is It is included in the definition of a rigid secondary structure unless destroyed by amino acid substitution. Certain disordered structures are thought to be a combination of reverse turns. The geometry of these rigid secondary structures is well defined by the φ and ψ twist angles around the α-carbon of the peptide “backbone”.
[0032]
What is needed to expose the secondary structure to the polypeptide surface is to provide a domain or “patch” of amino acid residues that can be exposed to and bound to the target molecule. This is basically an amino acid residue that is replaced by mutagenesis, and a “library” of structurally related (mutant) binding polypeptides displayed on the surface of the phage by this mutagenesis. From this, a novel polypeptide ligand is selected. Usually, mutagenesis or substitution of amino acid residues towards the interior of the polypeptide is avoided, thereby preserving the overall structure of a rigid secondary structure. Some substitutions of amino acids in rigid internal regions, particularly with hydrophobic amino acid residues, may be tolerated because these conservative substitutions are not considered to distort the overall structure of the polypeptide. .
[0033]
A repeated cycle of “polypeptide” selection is used to select higher affinity binding by phagemid selection of multiple amino acid changes selected by multiple selection cycles. Following the first round of phagemid selection (which involves selection of amino acids in the ligand polypeptide or a first region is involved), additional rounds of phagemid selection are performed in other regions or amino acids of the ligand polypeptide. This phagemid selection cycle is repeated until the desired affinity of the ligand polypeptide is achieved. To illustrate this method, the hGH phagemid selection of Example VIII was cycled. In the first cycle, mutations were made at
[0034]
From the above, it will be appreciated that the amino acid residues that form the binding domain of a polypeptide may be present on different subunits of the polypeptide, rather than being sequentially linked. That is, the binding domain follows a specific secondary structure at the binding site, not a primary structure. Thus, mutations may be introduced into codons that encode amino acids within a specific secondary structure at the site from the inside to the outside of the polypeptide so that they have the potential to interact with the target. It is normal. For illustration purposes, the positions of residues in hGH known to strongly modulate binding to hGH-binding proteins are shown in FIG. 2 [Cunningham et al.,Science 247: 1461-1465 (1990)]. That is, representative sites suitable for mutagenesis include
[0035]
A polypeptide selected as a ligand for a target need not normally bind to the target. That is, for example, a glycoprotein hormone such as TSH can be selected as a ligand for the FSH receptor, and a library of mutant TSH molecules is used in the method of the present invention to obtain novel drug candidates.
[0036]
That is, the present invention contemplates any polypeptide that binds to the target molecule and includes antibodies. Preferred polypeptides are those that have pharmaceutical uses. Further preferred polypeptides include: growth hormone (including human growth hormone, des-N-methionyl human growth hormone, and bovine growth hormone); parathyroid hormone; thyroid stimulating hormone; thyroxine; insulin A chain; insulin B chain; proinsulin; follicle stimulating hormone; calcitonin; reutizing hormone; glucagon; factor VIII; antibody; pulmonary surfactant; plasminogen activator [eg urokinase or human tissue type plasminogen Activator (t-PA)]; Bombesin; Factor IX; Thrombin; Hematopoietic growth factor; Tumor necrosis factor alpha and beta; Enkephalinase; Serum albumin (eg, human serum albumin); Muller inhibitor; Relaxin A chain; Relaxin B chain; prorelaxin; ma Sugonadotropin-related peptide; microbial protein (eg, β-lactamase); tissue factor protein; inhibin; activin; vascular endothelial growth factor; hormone or growth factor receptor; integrin; thrombopoietin; protein A or D; rheumatoid factor; Factors (eg, NGF-β); platelet-derived growth factors; fibroblast growth factors (eg, aFGF and bFGF); epidermal growth factors; transforming growth factors (TGF) (eg, TGF-α and TGF-β) Insulin-like growth factor I and II; insulin-like growth factor binding protein; CD-4; DNase; latency-related peptide; erythropoietin; osteoinductive factor; interferon (eg, interferon α, β and γ); CSF) For example, M-CSF, GM-CSF and G-CSF); Interleukin (IL) (eg, IL-1, IL-2, IL-3, IL-4); Superoxide dismutase; Decay promoting factor; Atrial Natriuretic peptides A, B or C; viral antigens (eg part of the HIV envelope); immunoglobulins; and fragments of any of the above polypeptides. In addition, substitutions, insertions or deletions can be made at one or more predetermined amino acid residues on the polypeptide to obtain, for example, a product with improved biological properties. Also included are fragments of these polypeptides, particularly biologically active fragments. Further preferred polypeptides of the present invention are human growth hormone, atrial natriuretic peptides A, B and C, endotoxin, subtilisin, trypsin, and other serine proteases.
[0037]
Further preferred polypeptide hormones are any amino acid sequences produced in the first cell, specifically for receptors on the same cell type (autocrine hormone) or a second cell type (non-autocrine). A polypeptide hormone that can be defined as an amino acid sequence that binds and causes a physiological response characteristic of receptor-bearing cells. Such polypeptide hormones include cytokines, lymphokines, neurotrophic hormones and pituitary gland polypeptide hormones such as growth hormone, prolactin, placental lactogen, luteinizing hormone, follicle stimulating hormone, thyrotropin, chorionic gonadotropin, Corticotropin, α or β-melanocyte stimulating hormone, β-lipotropin, γ-lipotropin and endorphins; hypothalamic release inhibiting hormones such as corticotropin releasing factor, growth hormone releasing inhibitory hormone, growth hormone releasing factor; and atrial natriuretic peptide A , Other polypeptide hormones such as B and C are included.
[0038]
II.Obtaining the first gene (gene 1) encoding the desired polypeptide
A gene encoding the desired polypeptide (ie, a polypeptide having a rigid secondary structure) can be obtained by methods known in the art [in general, Sambrook et al.,Molecular Biology: A laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Cold Spring Harbor, New York (1989)]. If the sequence of this gene is known, the DNA encoding this gene may be chemically synthesized [Merrfield,J.Am.Chem.Soc. 85: 2149 (1963)]. If the sequence of this gene is unknown, or if this gene has not been previously isolated, from a cDNA library (prepared from RNA from the appropriate tissue in which the desired gene is expressed) Alternatively, it can be cloned from a suitable genomic DNA library. The gene is then isolated using a suitable probe. Suitable probes for cDNA libraries include monoclonal or polyclonal antibodies (but when cDNA library expression libraries), oligonucleotides, and complementary or homologous cDNAs or fragments thereof. Probes that can be used to isolate a desired gene from a genomic DNA library include cDNA encoding the same or similar genes or fragments thereof, homologous genomic DNA or DNA fragments, and oligonucleotides It is. Screening of the cDNA or genomic library with the selected probe is performed using standard methods described in Chapters 10-12 of Sambrook et al. (Supra).
[0039]
Another method for isolating the gene encoding the desired protein is to use the polymerase chain reaction (PCR) described in
After the gene is isolated, it can be inserted into a suitable vector (preferably a plasmid) for amplification as generally described by Sambrook et al. (Supra).
[0040]
III.Construction of replicable expression vector
Although several types of vectors are available and can be used in the practice of the present invention, plasmid vectors are the preferred vectors for use in the present invention. This is because these vectors can be constructed relatively easily and can be easily amplified. In general, plasmid vectors contain a variety of components including promoters, signal sequences, phenotypic selection genes, origins of replication, and other necessary components, as is known to those skilled in the art.
[0041]
The most commonly used promoters in prokaryotic vectors include the lacZ promoter system, alkaline phosphatase phoA promoter, bacteriophage λPLPromoters (temperature-sensitive promoters), tac promoters (hybrid trp-lac promoters regulated by lac repressor), tryptophan promoters, and bacteriophage T7 promoters. See Section 17 of Sambrook et al. (Supra) for a general description of promoters. Although the most commonly used promoters exist, other suitable microbial promoters can be used as well.
[0042]
Preferred promoters for the practice of the present invention are promoters that can be tightly regulated so that expression of the fusion gene can be controlled. The problem that remained unrecognized in the prior art is believed to be that the display of multiple copies of the fusion protein on the surface of the phagemid particle led to multiple point binding of the phagemid and the target. This action, called “chelation”, selects the wrong “high affinity” polypeptide when multiple copies of the fusion protein are displayed in close proximity to each other on the phagemid particle and the target is “chelated”. It is thought that it gives the result. When multipoint binding occurs, the effective or apparent Kd will be as high as the product of the individual Kd for each copy of the displayed fusion protein. This action may be the reason why Cwirla and his collaborators (above) were unable to separate medium affinity peptides from relatively high affinity peptides.
[0043]
By tightly controlling the expression of the fusion protein so that only a small amount (ie, less than about 1%) of the phagemid particles contain multiple copies of the fusion protein, “chelation” is overcome and high affinity It has been found that an appropriate selection of polypeptides is possible. That is, depending on the promoter, host culture conditions are adjusted to maximize the number of phagemid particles containing a single copy of the fusion protein and to minimize the number of phagemid particles containing multiple copies of the fusion protein.
[0044]
Preferred promoters used in the practice of the present invention are the lacZ promoter and the phoA promoter. This lacZ promoter is regulated by the lac repressor protein laci, so that transcription of the fusion gene can be controlled by manipulation of the amount of lac repressor protein. For illustration purposes, the phagemid containing this lacZ promoter is grown in a cell line containing a copy of the laci repressor gene, which is a repressor of the lacZ promoter. Examples of cell lines containing the lac i gene include JM101 and XL1-Blue. Alternatively, host cells can be co-transfected with a plasmid containing both the repressor laci and lacZ promoters. Sometimes both of the above methods are used simultaneously. That is, phagemid particles containing the lacZ promoter are propagated in a cell line containing the lac i gene and this cell line is co-transfected with a plasmid containing both the lacZ and lac i genes. Usually, when a gene is to be expressed in the above-described transfected host, an inducer such as isopropylthiogalactoside (IPTG) is added. However, in the present invention, this step is omitted, (a) minimizing the expression of the gene III fusion protein and minimizing the copy number (ie the number of gene III fusions relative to the number of phagemids), and (b ) Prevent inferior or improper packaging of phagemids caused by inducers such as IPTG, even at low concentrations. Usually, when no inducer is added, the number of fusion proteins per phagemid particle is about 0.1 (number of bulk fusion proteins / number of phagemid particles). The most preferred promoter used in the practice of the present invention is phoA. This promoter is thought to be regulated by the amount of inorganic phosphate in the cell, and this phosphate down regulates the activity of the promoter. That is, the activity of the promoter can be increased by decreasing the phosphate of the cell. The desired result is achieved by growing the cells in a phosphate rich medium such as 2YT or LB and controlling the expression of the gene III fusion.
[0045]
Another useful component of the vector used in the practice of the invention is a signal sequence. Usually this sequence is located immediately 5 'to the gene encoding the fusion protein and is therefore transcribed to the amino terminus of the fusion protein. However, in certain cases, this signal sequence has been shown to be present at the other 5 'position of the gene encoding the protein to be secreted. This sequence targets the protein to which it is bound across the inner membrane of the bacterial cell. The DNA encoding this signal sequence can be obtained as a restriction endonuclease fragment from any gene encoding a protein having a signal sequence. Suitable prokaryotic signal sequences are, for example, LamB or OmpF [Wong et al.Gene 68: 193 (1983)], and can be obtained from genes encoding MalE, PhoA and other genes. Preferred prokaryotic signal sequences for the practice of the present invention are Chang et al. [Gene 55: 189 (1987)] is a heat-stable enterotoxin II (STII) signal sequence of Escherichia coli.
[0046]
Another useful component of the vectors used in the practice of the invention is a phenotypic selection gene. A normal phenotypic selection gene is a gene encoding a protein that confers antibiotic resistance to a host cell. For illustration purposes, the ampicillin resistance gene (amp) and the tetracycline resistance gene (tet) are easy to use for this purpose.
[0047]
Construction of a suitable vector containing the above components as well as the gene encoding the desired polypeptide (gene 1) is performed using standard recombinant DNA methods described by Sambrook et al. (Supra). The isolated DNA fragments that are combined to form a vector are cleaved, processed, and ligated together in a specific order and orientation to create the desired vector.
[0048]
The DNA is cleaved using an appropriate restriction enzyme or enzyme group in an appropriate buffer. Usually, about 0.2-1 μg of plasmid or DNA fragment is used with about 1-2 units of the appropriate restriction enzyme in about 20 μl of buffer solution. Appropriate buffers, DNA concentrations, and incubation times and temperatures are specified by the restriction enzyme manufacturer. Usually an incubation time of about 1 or 2 hours at 37 ° C is adequate, but some enzymes require higher temperatures. After incubation, enzymes and other impurities are removed by extraction of the digestion solution with a mixture of phenol and chloroform, and DNA is recovered from the aqueous fraction by precipitation with ethanol.
[0049]
In order to ligate DNA fragments together to obtain a functional vector, the ends of these DNA fragments must be matched to each other. In some cases, these ends are compatible in situ after endonuclease digestion. However, to make them compatible for ligation, it may be necessary to first convert the sticky ends, usually produced by endonuclease digestion, to blunt ends. To smooth the ends, the DNA is at least 15 ° C. at 15 ° C. with 10 units of DNA polymerase I Klenow fragment (Klenow) in the presence of four deoxynucleotide triphosphates in a suitable buffer. Process for minutes. The DNA is then purified by phenol-chloroform extraction and ethanol precipitation.
[0050]
DNA gel electrophoresis can be used to size separate and select the cleaved DNA fragments. DNA can be electrophoresed on either agarose or polyacrylamide matrices. The choice of matrix will depend on the size of the DNA fragment to be separated. After electrophoresis, by electroelution, as described in Sambrook et al. (Supra), sections 6.30-6.33, or by melting agarose and extracting DNA therefrom when low melting agarose is used as the matrix. DNA is extracted from the matrix.
[0051]
DNA fragments to be ligated together (predigested with appropriate restriction enzymes so that the ends of each fragment to be ligated fit) are placed in solution in approximately equal amounts. This solution will also contain ATP, ligase buffer and ligase, eg about 10 units of T4 DNA ligase per 0.5 μg of DNA. When ligating a DNA fragment into a vector, the vector is first linearized by cutting with the appropriate restriction endonuclease (s). The linearized vector is then treated with alkaline phosphatase or bovine intestinal phosphatase. This phosphatase treatment prevents self-ligation of the vector during the ligation process.
[0052]
After ligation, the vector having the foreign gene inserted is introduced into an appropriate host cell. Prokaryotes are the preferred host cells for the present invention. Suitable prokaryotic host cells include E. coli strain JM101, E. coli K12 strain 294 (ATCC No. 31,446), E. coli strain W3110 (ATCC No. 27,325), E. coli X1776 (ATCC No. 31,537), E. coli XL-1 Blue (stratagene) And many other strains of E. coli (eg, HB101, NM522, NM538, NM539) and many other prokaryotic genera and species can be used as well. In addition to the E. coli strains listed above, Bacillus (for example,Bacillus Subtilis), Other enteric bacteria (e.g.,Salmonella typhimuriumOrSerratia marcesans), And variousPseudomonasAll species can also be used as hosts.
[0053]
Prokaryotic transformation is readily accomplished using the calcium chloride method described in Section 1.82 of Sambrook et al. (Supra). According to another method, electroporation [Neumann et al.,EMBO J. 1: 841 (1982)] can be used to transform these cells. Transformed cells are usually selected by growth on antibiotics such as tetracycline (tet) or ampicillin (amp) (transformed cells are identified by the presence of tet and / or amp resistance genes on the vector. It is resistant to the substance).
[0054]
After selection of transformed cells, these cells are grown in culture and then the plasmid DNA (or other vector into which the foreign gene has been inserted) is isolated. Plasmid DNA can be isolated using methods known in the art. Two suitable methods are the small scale DNA preparation and the large scale DNA preparation described in Sambrook et al. (Supra), sections 1.25 to 1.33. The isolated DNA can be purified by methods known in the art, such as those described in Sambrook et al. (Supra), section 1.40. The purified plasmid DNA is then analyzed by restriction mapping and / or DNA sequencing. Usually, DNA sequencing is performed by Messing et al.Nucleic Acids Res. 9: 309 (1981)] or Maxam et al. [Meth.Enzymol. 65: 499 (1980)].
[0055]
IV.Gene fusion
The present invention contemplates fusing a gene (gene 1) encoding a desired polypeptide to a second gene (gene 2) so that a fusion protein is generated during transcription. Usually,
[0056]
Insertion of a gene into the plasmid requires that the plasmid be cleaved at the exact location where the gene is to be inserted. That is, a restriction endonuclease site must be present at this position (preferably the only site so that the plasmid is cleaved at only one place during restriction endonuclease digestion). The plasmid is digested, treated with phosphatase and purified as described above. The gene is then inserted into this linearized plasmid by ligating the two DNAs together. Ligation can be achieved when the end of the plasmid matches the end of the gene to be inserted. When the plasmid is cut using restriction enzymes and the gene to be inserted is isolated (creating blunt ends or compatible cohesive ends), bacteriophage is used as described in section 1.68 of Sambrook et al. DNA can be directly ligated together using a ligase such as phage T4 DNA ligase and incubating the mixture at 16 ° C. for 1-4 hours in the presence of ATP and ligase buffer. When the ends are not compatible, they are first added to the Klenow fragment of DNA polymerase I or bacteriophage T4 DNA polymerase (which contains four deoxyribonucleotides to fill the overhanging single stranded ends of the digested DNA. Must be smoothed by the use of triphosphate). Alternatively, these ends can be made blunt using nucleases such as nuclease S1 or mung bean nuclease, which function by retreating the overhanging single strands of DNA. The DNA is then ligated using the above ligase. In some cases, the reading frame of the coding region changes, so that the end of the gene to be inserted cannot be smoothed. Oligonucleotide linkers may be used to overcome this problem. This linker serves as a bridge connecting the plasmid and the gene to be inserted. These linkers can be prepared synthetically as double-stranded or single-stranded DNA using conventional methods. These linkers have one end that matches the end of the gene to be inserted and are first linked to this gene using the ligation method described above. The other end of the linker is designed to be compatible with the ligation plasmid. When designing the linker, care must be taken not to destroy the reading frame of the gene to be inserted or the reading frame of the gene contained on the plasmid. In some cases, it may be necessary to design the linker such that they encode a portion of an amino acid, or encode one or more amino acids.
[0057]
A DNA encoding a stop codon can be inserted between
[0058]
This suppressible codon can be inserted between the first gene encoding the polypeptide and the second gene encoding at least a portion of the phage coat protein. Alternatively, this suppressible stop codon can be inserted adjacent to the fusion site by substitution of the last amino acid triplet in the polypeptide or the first amino acid in the phage coat protein. Growth of phagemids containing this suppressible codon in suppressor host cells results in detectably producing a fusion polypeptide containing the polypeptide and coat protein. When this phagemid is grown in a non-suppressor host cell, the polypeptide not fused to the phage coat protein is substantially freed by termination at the inserted repressible triplet encoding UAG, UAA or UGA. Synthesized. In non-suppressor cells, the polypeptide is synthesized and secreted from the host cell by the absence of fused phage coat protein (otherwise immobilizing the polypeptide to the host cell).
[0059]
V.Modification (mutation) of
[0060]
A.Oligonucleotide-mediated mutagenesis
Oligonucleotide-mediated mutagenesis is a preferred method for preparing
[0061]
Usually, oligonucleotides with a length of at least 25 nucleotides are used. Optimal oligonucleotides will have 12-15 nucleotides that are perfectly complementary to the template on either side of the nucleotide (s) encoding the mutation. This ensures that the oligonucleotide will hybridize properly to the single stranded DNA template molecule. This oligonucleotide can be obtained by methods known in the art, such as Crea et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 75: 5765 (1978)] and is easily synthesized.
[0062]
This DNA template may be a vector derived from a bacteriophage M13 vector (M13mp18 and M13mp19 vectors available from commercial sources are suitable) or Veira et al.Meth.Enzymol. 153: 3 (1987)] can be obtained only by vectors containing a single-stranded phage origin of replication. That is, the DNA to be mutated must be inserted into one of these vectors in order to create a single stranded template. The preparation of single-stranded templates is described in Sambrook et al. (Supra), sections 4.21 to 4.41.
[0063]
In order to modify the native DNA sequence, the oligonucleotide is hybridized to a single stranded template under suitable hybridization conditions. A DNA polymerase, usually the Klenow fragment of DNA polymerase I, is then added and the complementary strand of the template is synthesized using this oligonucleotide as a primer for synthesis. In this way, a heteroduplex molecule in which one strand of DNA encodes a mutant form of
[0064]
The method described immediately above can be modified to create a heteroduplex molecule in which both strands of the plasmid contain the mutation (s). This modification is as follows. A single stranded oligonucleotide is annealed to a single stranded template as described above. A mixture of three deoxyribonucleotides, deoxyriboadenosine (dATP), deoxyriboguanosine (dGTP) and deoxyribothymidine (dTTP), is available from a modified thio-deoxyribocytosine (Amersham) called dCTP- (aS) ). This mixture is added to the template-oligonucleotide complex. When DNA polymerase is added to this mixture, a DNA strand identical to the template is created except for the mutated base. In addition, this new DNA strand contains dCTP- (aS) instead of dCTP, which serves to protect this strand from restriction endonuclease digestion. After nicking the heteroduplex template strand with an appropriate restriction enzyme, the template strand is digested with ExoIII nuclease or another suitable nuclease beyond the region containing the site (s) to be mutated. Can do. The reaction is then stopped, leaving a molecule that is only partially single-stranded. A complete DNA homoduplex is then formed using DNA polymerase in the presence of all four deoxyribonucleotide triphosphates, ATP and DNA ligase. This homoduplex molecule can then be introduced into a suitable host cell such as E. coli JM101 as described above.
[0065]
Mutants with more than one amino acid to be substituted can be created by any of several methods. When these amino acids are in close proximity to each other in a polypeptide chain, they can be mutated simultaneously using one oligonucleotide encoding all of the desired amino acid substitutions. However, when amino acids are present at some distance from each other (separated by about 10 or more amino acids), it is comparative to create a single oligonucleotide that encodes all of the desired changes. Difficult. Alternatively, one of two different methods can be used.
[0066]
In the first method, an independent oligonucleotide is created for each amino acid to be substituted. If these oligonucleotides are then simultaneously annealed to the single stranded template DNA, the second DNA strand synthesized from this template will encode all of the desired amino acid substitutions. This first round is the same as described for the single mutation. That is, using wild-type DNA as a template, an oligonucleotide encoding the first desired amino acid substitution (s) is annealed to this template, and then a heteroduplex DNA molecule is created. In the second round of mutagenesis, the mutated DNA obtained in the first round of mutagenesis is used as a template. That is, the template already contains one or more mutations. An oligonucleotide encoding another desired amino acid substitution (s) is then annealed to this template and the resulting DNA strand encodes a mutation from both the first and second rounds of mutagenesis. doing. The obtained DNA can be used as a template in the third round of mutagenesis.
[0067]
B.Cassette mutagenesis
This method is also a preferred method for preparing
[0068]
VI.Preparation of DNA encoding the desired protein
In another aspect, the invention contemplates the production of a desired protein variant containing one or more subunits. Usually, each subunit is encoded by a different gene. Each gene encoding each subunit can be obtained by methods known in the art (see, eg, Section II). In some cases, it may be necessary to obtain genes encoding various subunits using multiple independent methods selected from any of the methods described in Section II.
[0069]
When constructing a replicable expression vector in which the desired protein contains more than one subunit, all subunits are usually the same promoter located 5 'to the DNA encoding the subunit. Alternatively, each subunit can be regulated by an independent promoter appropriately oriented in the vector, each promoter being operably linked to the DNA to be regulated. Promoter selection is performed as described in Section III above.
[0070]
In constructing a replicable expression vector containing DNA encoding a desired protein having multiple subunits, reference should be made to FIG. 10, which illustrates the vector for purposes of illustration. The DNA encoding each subunit of the antibody fragment is shown. This figure usually shows that one of the desired protein subunits is fused to a phage coat protein such as the M13 gene III. Usually, this gene fusion will contain its own signal sequence. It can be seen that another gene encodes another subunit or group of subunits, and each subunit usually has its own signal sequence. FIG. 10 also shows that a single promoter can regulate the expression of both subunits. In contrast, each subunit may be independently regulated by a different promoter. Desired protein subunit-phage coat protein fusion constructs can be prepared as described in Section IV above.
[0071]
In constructing a group of variants of the desired multi-subunit protein, the DNA encoding each subunit in the vector may be mutated at one or more positions in each subunit. When multi-subunit antibody variants are constructed, preferred mutagenesis sites encode amino acid residues that are located in the complementarity determining regions (CDRs) of either the light chain, heavy chain, or both chains. Matches the existing codon. This CDR is usually called a hypervariable region. The method of mutating the DNA encoding each subunit of the desired protein is carried out substantially as described in Section V above.
[0072]
VII.Preparation of target molecule and binding with phagemid
Target proteins such as receptors can be isolated from natural sources or prepared by recombinant methods by methods known in the art. Illustratively, the glycoprotein hormone receptor is McFarland et al.Science 245: 494-499 (1989)], and the non-glycosylated form expressed in E. coli is Fuh et al.J. Biol. Chem. 265: 3111-3115 (1990)]. Other receptors can be prepared by conventional methods.
[0073]
Purified target protein can be used in a suitable matrix such as agarose beads, acrylamide beads, glass beads, cellulose, various acrylic copolymers, hydroxyalkyl methacrylate, polyacrylic acid and polymethacrylic acid copolymers, nylon, neutral and ionic carriers Can be combined. Binding of target proteins to the matrix has been described in the literature [Methods in Enzymology 44 (1976)] or by other means known in the art.
[0074]
After binding the target protein to the matrix, the immobilized target is contacted with a library of phagemid particles under conditions suitable to bind at least a portion of the phagemid particle to the immobilized target. Usually, conditions including pH, ionic strength, temperature, etc. will be similar to physiological conditions.
[0075]
Bound phagemid particles (“conjugates”) with high affinity for the immobilized target are separated from the low affinity particles (and thus those that do not bind to the target) by washing. The conjugate can be dissociated from the immobilized target by various methods. These methods include wild-type ligands, competitive dissociation using pH and / or alteration of ionic strength, and methods known in the art.
[0076]
A suitable host cell is infected with the conjugate and helper phage, and the host cell is cultured under conditions suitable for amplification of phagemid particles. The phagemid particles are then collected and the selection process is repeated one or more times until a conjugate with the desired affinity for the target molecule is selected.
[0077]
If desired, the library of phagemid particles can be sequentially contacted with more than one immobilized target to improve selectivity for a particular target. For example, ligands such as hGH often have more than one natural receptor. In the case of this hGH, both growth hormone receptor and prolactin receptor bind to the hGH ligand. It would be desirable to improve the selectivity of hGH for growth hormone receptors over prolactin receptors. This is done by first contacting the phagemid particle library with the immobilized prolactin receptor, eluting it for the prolactin receptor with low affinity (ie, lower than wild type hGH) and then this low affinity prolactin “binding”. This can be achieved by contacting the “body” or non-conjugate with an immobilized growth hormone receptor and selecting a high affinity growth hormone receptor conjugate. In this case, hGH mutants with low affinity for the prolactin receptor have therapeutic use even when the affinity for the growth hormone receptor is slightly lower than that of wild-type hGH. It will be. This same method can be used to improve the selectivity of a specific hormone or protein for a primary functional receptor over its clearance receptor.
[0078]
In another aspect of the invention, improved substrate amino acid sequences can be obtained. These may be useful in creating better “cleavage sites” for protein linkers or for better protease substrates / inhibitors. In this embodiment, a molecule that can be immobilized (eg, hGH-receptor, biotin-avidin, or a molecule that can be covalently bound to a matrix) is fused to gene III by a linker. This linker is preferably 3-10 amino acids in length and acts as a substrate for the protease. A phagemid is constructed as described above (where a random library of phagemid particles having a different amino acid sequence at the binding site is prepared by random mutagenesis in the DNA encoding the linker region). The library of phagemid particles is then immobilized on a matrix and exposed to the desired protease. Phagemid particles having a preferred or better substrate amino acid sequence in the liner region of the desired protease will be eluted and an enriched pool of phagemid particles encoding the preferred linker will first be obtained. The phagemid particles are then iterated several more times to obtain an enriched pool of particles encoding the consensus sequence (s) (see Examples XIII and XIV).
[0079]
VIII.Growth hormone variants and methods of use
The cloned gene of hGH is expressed secreted in Eschericha cola [Chang, C.N. et al.,Gene 55: 189 (1987)], and its DNA and amino acid sequences have been reported [Goeddel et al.,Nature 281: 544 (1979); Gray et al.,Gene 39: 247 (1985)]. The present invention describes a novel hGH variant obtained using the phagemid selection method. Human growth hormone variants containing substitutions at
[0080]
Formulations of hGH for therapeutic administration include carriers, excipients or stabilizers that are optionally physiologically acceptable to the desired degree of purification of hGH.Remington's Pharmaceutical Sciences, 16th edition, Osol, A. Ed. (1980)] and prepared for storage in the form of a lyophilized cake or an aqueous solution. Acceptable carriers, excipients or stabilizers are nontoxic to recipients at the dosages and concentrations used, and include buffers (eg, phosphates, citrates, and other organic acids). Buffer); antioxidants (including ascorbic acid); low molecular weight (less than about 10 residues) polypeptide; protein (eg, serum albumin, gelatin, or immunoglobulin); hydrophilic polymer (eg, polyvinylpyrrolidone) Amino acids (eg, glycine, glutamine, asparagine, arginine, or lysine); monosaccharides, disaccharides and other carbohydrates (including glucose, mannose or dextrin); chelating agents (eg, EDTA); divalent metal ions (Eg zinc, cobalt or copper); sugar alcohols (eg mannitol or Rubitoru); counter ion forming the salt (e.g., sodium); and / or nonionic surface active agents [e.g., Tween, Pluronics or polyethylene glycol (PEG)] are included. The preparation of the present invention may further contain a pharmaceutically acceptable buffer, an amino acid, a bulking agent, and / or a nonionic surfactant. These include, for example, buffers, chelating agents, antioxidants, preservatives, cosolvents and the like. Examples of these would include trimethylamate salt (“Tris buffer”), and disodium edetate. Using the phagemid of the present invention, a large amount of hGH mutant free of phage protein can be produced. To express hGH variants that do not contain the gene III portion of the fusion, pS0643 and derivatives can simply be grown in non-suppressor strains such as 16C9. In this case, the amber codon (TAG) leads to the termination of translation and free hormone is obtained without the need for independent DNA construction. The hGH variant is secreted from the host and can be isolated from the culture medium.
[0081]
Any one of the eight hGH amino acids F10, M14, H18, H21, R167, D171, T175, and I179 is any amino acid other than the amino acid found at that position in the native hGH shown herein. Can be substituted. That is, 20 amino acids listed below, including all 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, or 8 of amino acids F10, M14, H18, H21, R167, D171, T175 and I179 shown here Can be substituted with any of the other 19 amino acids. In a preferred embodiment, all eight amino acids listed here are substituted with another amino acid. The most preferred 8 amino acids to be substituted are shown in Table XIV in Example XII.
Amino acid nomenclature
Ala (A)
Arg (R)
Asn (N)
Asp (D)
Cys (C)
Gln (Q)
Glu (E)
Gly (G)
His (H)
Ile (I)
Leu (L)
Lys (K)
Met (M)
Phe (F)
Pro (P)
Ser (S)
Thr (T)
Trp (W)
Tyr (Y)
Val (V)
The nomenclature for the one letter hGH variant is the first to describe the deleted hGH amino acid (eg, glutamate 179), and then the inserted amino acid (eg, serine), resulting in (E1795S).
[0082]
【Example】
Without further explanation, it is believed that one skilled in the art can fully practice and utilize the invention using the foregoing description and illustrative examples. That is, the following specific examples illustrate preferred embodiments of the present invention and should not be construed as limiting the remainder of the disclosure in any way.
[0083]
Example 1 Plasmid construction and hGH-phagemid particle preparation
Plasmid phGH-M13gIII (FIG. 1) was transformed into M13KO77And hGH production plasmid pBO473 [Cunningham, BC et al.,Science 243: 1330-1336 (1989)]. Synthetic oligonucleotide:
5'-AGC-TGT-GGC-TTC-GGG-CCC-TTA-GCA-TTT-AAT-GCG-GTA-3 '
Was used to introduce a unique ApaI restriction site (underlined) after the last Phe191 codon of hGH in pBO473. Oligonucleotide:
5'-TTC-ACA-AAC-GAA-GGG-CCC-CTA-ATT-AAA-GCC-AGA-3 '
Was used to introduce a unique ApaI restriction site (first underlined) and a Glu197-amber stop codon (second underlined) into the M13KO7 gene III. Oligonucleotide:
5'-CAA-TAA-TAA-CGG-GCT-AGC-CAA-AAG-AAC-TGG-3 '
To introduce a unique NheI site (underlined) after the 3 'end of the gene III coding sequence. The resulting 650 base pair (bp) ApaI-NheI fragment from doubly mutated M13KO7 gene III was cloned into the large ApaI-NheI fragment of pBO473 to create plasmid pSO132. This fused the hGH carboxy terminus (Phe 191) to the Pro 198 residue of the gene III protein, inserting the glycine residue encoded from the Apa I site, and the fusion protein was transformed into the E. coli alkaline phosphatase (phoA) promoter and the stII secretion signal Sequence [Chang, CN et al.,Gene 55: 189-196 (1987)]. The phoA promoter was replaced with the lac promoter and operator for inducible expression of the fusion protein in rich medium. A 138 bp EcoRI-XbaI fragment containing the lac promoter, operator, and the Cap binding site was oligonucleotides:
5'-CACGACAGAATTCCCGACTGGAAA-3 'and 5'-CTGTTTCTAGAGTGAAATTGTTA-3 '
[These border the desired lac sequence and introduce EcoRI and XbaI restriction sites (underlined)]
Was prepared by PCR of plasmid pUC119 using This lac fragment was gel purified and ligated to the large EcoRI-XbaI fragment of pSO132 to create plasmid phGH-M13gIII. The sequence of all processed DNA junctions was confirmed by dideoxy sequencing [Sanger, F. et al.Proc.Natl.Acad.Sci.USA 74: 5463-5467 (1977)]. R64A mutant hGH phagemid was constructed as follows. That is, Arg64 Ala substitution (R64A) [Cunningham, BC, Wells, J.A.Science 244: 1081-1085 (1989)], the NsiI-BglII mutant fragment of hGH [Cunningham et al. (Supra)] was cloned between the corresponding restriction sites in the phGH-M13gIII plasmid (FIG. 1). To replace the wild type hGH sequence. The R64A hGH phagemid particles were grown and titrated as described below for wild type hGH-phagemid.
[0084]
The plasmid was introduced into a male strain of E. coli (JM101) and selected on carbenicillin plates. Single transformants were grown for 4 hours at 37 ° C. in 2YT medium (2 ml) and infected with M13KO7 helper phage (50 μl). The infected culture was diluted to 2YT (30 ml), incubated overnight, and phagemid particles were collected by precipitation with polyethylene glycol [Vierra, J., Messing, J.,Methods in Enzymology 153: 3-11 (1987)]. Usually, the titer of phagemid particles is 2-5x1011It was within the range of cfu / ml. CsCl density centrifuge [Day, L.A.,J. Mol. Biol. 39: 265-277 (1969)] to remove all fusion protein unbound to the virion.
[0085]
Example II Immunochemical analysis of hGH on fusion phage
Rabbit polyclonal antibodies against hGH were purified using protein A and coated on microtiter plates (Nunc) in 50 mM sodium carbonate buffer (pH 10) at a concentration of 2 μg / ml at 4 ° C. for 16-20 hours. After washing in PBS containing 0.05
[0086]
Example III Binding and enrichment of hGH binding protein to polyacrylamide beads
Purification of an hGH receptor containing an extra cysteine residue introduced by oxirane polyacrylamide beads (Sigma) by site-directed mutagenesis at position 237 (does not adversely affect hGH binding; J. Wells: unpublished) Extracellular domain (hGHbp) [Fuh, G. et al.,J. Biol. Chem. 265: 3111-3115 (1990)]. This hGHbp is based on the resin [125I] Conjugated to an amount of 1.7 pmol hGHbp / mg dry oxirane beads as measured by hGH binding. All unreacted oxirane groups were then blocked with BSA and Tris. As a control for non-specific binding of phagemid particles, BSA was similarly bound to the beads. The buffer for adsorption and washing contained 10 mM Tris-HCl (pH 7.5), 1 mM EDTA, 50 mM NaCl, 1 mg / ml BSA and 0.02
[0087]
Example IV Construction of hGH-phagemid particles by a mixture of gene III products
The gene III protein consists of 410 residues and is divided into two domains separated by a variable linker sequence [Armstrong, J. et al.,FEBS Lett. 135: 167-172 (1981)]. The amino-terminal domain is required for attachment to E. coli pili, whereas the carboxy-terminal domain is incorporated into the coat of the phage and is required for proper phage assembly [Crissman, JW, Smith, GP ,Virology 132: 445-455 (1984)]. The signal sequence and amino terminal domain of gene III were replaced with the stII signal and the entire hGH gene [Chang et al. (Supra)] by fusion to residue 198 in the carboxy terminal domain of gene III (FIG. 1). This hGH-gene III fusion was placed under the control of the lac promoter / operator in a plasmid (phGH-M13gIII; FIG. 1) containing the β-lactamase gene of pBR322 and the ColE1 origin of replication and the intergenic region of phage f1. This vector can be easily maintained as a small plasmid vector by selection with carbenicillin, thereby avoiding reliance on a functional gene III fusion for growth. This plasmid can also be efficiently packaged into virions (ie, phagemid particles) by infection with helper phage such as M13KO7 [Viera et al. (Supra)], thereby avoiding the problem of phage assembly. . The infectious titer of phagemid based on transduction for carbenicillin resistance in this system is 2-5 × 1011Changed to colony forming units (cfu) / ml. The titer of M13KO7 helper phage in these phagemid stocks is -10TenPlaque forming units (pfu) / ml.
[0088]
This system was used to confirm previous studies [Parmley, Smith (supra)] that homogeneous expression of large proteins fused to gene III is detrimental to phage production (data not shown). For example, induction of the lac promoter in phGH-M13gIII by the addition of IPTG resulted in low phagemid titers. Furthermore, the phagemid particles obtained by co-infection with M13KO7 containing an amber mutation in gene III have very low phagemid titers (<10Tencfu / ml). We thought that multiple copies of the gene III fusion bound to the phagemid surface could lead to multiple point binding (“chelation”) of the fused phage to the immobilized target protein. Thus, to control the copy number of the fusion protein, E. coli JM101 (lacl containing a constitutively high level of lac repressor protein).QThe transcription of the hGH-gene III fusion was restricted by culturing the plasmid in). E. coli JM101 cultures containing phGH-M13gIII were maximally grown and infected with M13KO7 in the absence of the lac operon inducer (IPTG) (but this system is flexible and other genes III Can be equilibrated with the co-expression of the fusion protein). From the ratio of the amount of hGH per virion (based on the hGH immunoreactive material in the phagemid purified with a CsCl gradient), approximately 10% of the phagemid particles contain one copy of the hGH gene III fusion protein. It is approximated. Therefore, the titer of the fusion phage displaying the hGH gene III fusion is about 2-5 × 10Ten/ Ml. This number represents the titer of E. coli in the culture that led them (-108-109/ Ml). That is, on average all E. coli cells produce 10-100 copies of phage decorated with hGH gene III fusion protein.
[0089]
Example V Structural integrity of hGH-gene III fusion
Immunoblot analysis of the hGH-gene III phagemid (FIG. 2) shows that hGH cross-reactive material migrates simultaneously with the phagemid particles in the agarose gel. This indicates that hGH is firmly bound to the phagemid particles. The hGH-gene III fusion protein from this phagemid particle migrates as a single immunostained band, indicating that there is little degradation of hGH when hGH binds to gene III. Since about 25% of the phagemid particles are infectious, wild type gene III protein is clearly present. This is similar to the concentration assessed by UV absorption, and the specific infectivity assessment performed on wild-type M13 phage, similarly purified (by CsCl density gradient method) [Smith, GP (above) and Parmley, Smith ( the above)〕. That is, both wild type gene III and hGH-gene III fusion proteins are displayed in the phage pool.
[0090]
It was important to confirm that the tertiary structure of the displayed hGH was maintained in order to obtain the confidence that the result of the binding selection was converted to a natural protein. The structural integrity of the indicated hGH gene III fusion proteins was assessed using a monoclonal antibody (Mab) against hGH (Table I).
[0091]
These epitopes on hGH for Mabs have been mapped [Cunningham et al. (Supra)] and binding to 7 of the 8 Mabs requires hGH to be properly folded. All Mab ICs50The values were equivalent to wild type hGH except for
[0092]
Example VI Enrichment of binding to receptor affinity beads
Previous investigators [Parmley, Smith (above); Smith (above); Cwirla et al. (Above); and Devlin et al. (Above]) have selected by sorting on streptavidin-coated polystyrene Petri dishes or microtiter plates. Phage was fractionated. However, the chromatographic system allows for a more efficient fractionation of phagemid particles displaying muteins with different binding affinities. We selected non-porous oxirane beads (Sigma) to avoid capture of phagemid particles in the chromatography resin. In addition, these beads have a small particle size (1 μm), maximizing the ratio of surface area to quantity. The extracellular domain (hGHbp) of the hGH receptor containing free cysteino residues [Fuh et al. (Supra)] binds efficiently to these beads and the phagemid particles bind to bovine serum albumin only. It showed very low non-specific binding (Table II).
[0093]
[0094]
In a representative enrichment experiment (Table II), 1 part of hGH phagemid was mixed with> 3,000 parts of M13KO7 phage. After one cycle of binding and elution, 106Of phage were recovered and the ratio of phagemid to M13KO7 phage was 2: 1. That is,> 5000 times enrichment was obtained by one binding selection step. Further elution was obtained by additional elution with free hGH or acid treatment to remove residual phagemids. This enrichment was comparable to the enrichment obtained by Smith and co-workers using batch elution from coated polystyrene plates [Smith, G.P. (above) and Parmley, Smith (above)]. However, a smaller volume is used for the beads (200 μl vs 6 ml). When using beads conjugated only to BSA, there was little enrichment of hGH phagemid over M13KO7. The slight enrichment observed for the control beads (-10-fold to pH 2.1 elution; Table 2) is due to trace impurities of bovine growth hormone binding protein present in BSA binding to the beads. It will be a thing. Nevertheless, these data indicate that hGH phage enrichment is dependent on the presence of hGHbp on the beads, suggesting that binding occurs by a specific interaction between hGH and hGHbp.
[0095]
We evaluated the enrichment of wild-type hGH over a relatively weak binding mutant of hGH on the fusion phagemid to further investigate the specificity of the enrichment and to determine the reduction of binding affinity for purified hormone after selection of the fusion phagemid. Associated with the enrichment factor. A fusion phagemid was constructed using an hGH mutant (R64A) in which Arg64 was replaced with Ala. This R64A mutant hormone has about 20-fold decrease in receptor binding affinity compared to hGH [Kd values of 7.1 nM and 0.34 nM, respectively, Cunningham, Wells (above)]. The titer of R64A hGH-gene III fusion phagemid was comparable to that of wild type hGH phagemid. After one round of binding and elution (Table III), the wild-type hGH phagemid was derived from a mixture of two phagemids and M13KO7, 8 fold for phagemid R64A and -10 for M13KO7 helper phage.FourEnriched with.
[0096]
[0097]
By displaying a mixture of wild type gene III and gene III fusion proteins on phagemid particles, virions that display large properly folded proteins as fusions to gene III can be assembled and propagated. Effectively control the copy number of the gene III fusion protein to avoid “chelation” that is still maintained at a sufficiently high level in the phagemid pool, avoiding large epitope libraries (> 10Ten) Can be selected. We have shown that hGH (22 kD protein) can be displayed in its native folded form. Binding selections eluted with free hGH and performed on receptor affinity beads efficiently enriched wild-type hGH phagemids over mutant hGH phagemids that were shown to have low receptor binding affinity. . That is, it is possible to select phagemid particles whose binding constant is reduced in the nanomolar range.
Protein-protein and antibody-antigen interactions are governed by discontinuous epitopes [Janin, J. et al.,J. Mol. Biol. 204: 155-164 (1988); Argos, P.,Prot.Eng. 2: 101-113 (1988); Barlow, D.J., et al.,Nature 322: 747-748 (1987); and Davies, D.R., et al.,J. Biol. Chem. 263: 10541-10544 (1988)]. That is, residues that are directly involved in binding are close in tertiary structure but are separated by residues that are not involved in binding. The screening system provided by the present invention more advantageously allows for the analysis of protein-receptor interactions and the isolation of discontinuous epitopes in proteins with novel and high affinity binding properties. It is.
[0098]
Example VII Selection of hGH mutants from libraries randomized at
Template construction
Mutants of the hGH-gene III fusion protein are described by Kunkel et al.Meth.Enzymol. 154: 367-382 (1987)]. Template DNA is propagated in CJ236 cells with plasmid pS0132 (containing the native hGH gene fused to the carboxy-terminal half of M13 gene III under the control of the alkaline phosphatase promoter) with M13-K07 phage as a helper Prepared. Single-stranded uracil-containing DNA is prepared for mutagenesis and (1) mutations in hGH that greatly reduce binding to hGH binding protein (hGHbp); and (2) parental background phage is assayed. Introduced a unique restriction site (KpnI) that could be used to select against it. T7 DNA polymerase and the following oligodeoxynucleotides:
Was used for oligonucleotide-directed mutagenesis. This oligo introduces a KpnI site (shown above) with mutations (R178G, I179T) in hGH. Clones from the mutagenesis were screened by KpnI digestion and confirmed by dideoxy DNA sequencing. This resulting construct used as a template for random mutagenesis was named pHO415.
[0099]
h Random mutagenesis in
Again, using Kunkel's method,
Mutagenesis was performed using a pool of As indicated above, this oligopool reverted
[0100]
First library propagation
The mutagenized product was extracted twice with phenol: chloroform (50:50) and ethanol precipitated with excess carrier tRNA to avoid the addition of salts that complicate later electroporation steps. About 50 ng (15 fmol) of DNA in a total volume of 45 μl in a 0.2 cm cuvette with a single pulse voltage setting of 2.49 kV (time constant = 4.7 msec) (2.8 × 10 4 cells)TenCells / ml) were electroporated.
[0101]
The cells were allowed to recover for 1 hour at 37 ° C. with shaking and then mixed with 2YT medium (25 ml), 100 μg / ml carbenicillin, and M13-K07 (multiplicity of infection = 1000). By plating serial dilutions from this culture onto carbenicillin-containing medium, 8.2 × 10 86It was found that an electrotransformant was obtained. After 10 minutes at 23 ° C., the cultures were incubated overnight (15 hours) at 37 ° C. with shaking.
[0102]
After overnight incubation, the cells were pelleted and a double stranded DNA (dsDNA) designated pLIB1 was prepared by the alkaline lysis method. The supernatant was centrifuged once more to remove all remaining cells, and the phage designated phage pool φ1 was PEG precipitated and re-suspended in STE buffer [10 mM Tris (pH 7.6), 1 mM EDTA, 50 mM NaCl] (1 ml). Suspended. The phage titer is determined by hGH-g3p gene III fusion (hGH-gThree) Recombinant phagemids containing plasmids were measured as colony forming units (CFU) and for M13-K07 helper phage as plaque forming units (PFU).
[0103]
Immobilization h GH bp Join selection with
1. Binding: Phage pool φ1 (6 × 109CFU, 6x107A portion of PFU) was diluted 4.5 times with buffer A (phosphate buffered saline, 0.5% BSA, 0.05
[0104]
2. Washing: The beads were spun for 15 seconds and the supernatant was removed (Supernatant 1). The beads were washed twice by resuspending in buffer A to remove non-specifically bound phage / phagemid and then pelleted. The final wash was performed by spinning the beads in buffer A for 2 hours.
[0105]
3. hGH elution: Phage / phagemids that were weakly bound to the beads were removed by step elution with hGH. In the first step, the beads were spun using buffer A containing 2 nM hGH. After 17 hours, the beads were pelleted, resuspended in buffer A containing 20 nM hGH, rotated for 3 hours, and then pelleted. In the final hGH wash, the beads were suspended in buffer A containing 200 nM hGH, spun for 3 hours and then pelleted.
[0106]
4). Glycine elution: To remove the most tightly bound phagemid (ie, phagemid still bound after hGH wash), suspend the beads in glycine buffer [1M glycine, pH 2.0 with HCl] and rotate for 2 hours. And pelletized. The supernatant (fraction “G”; 200 μl) was neutralized by addition of 1M Tris base (30 μl).
[0107]
Fraction G eluted from hGHbp-beads (1 × 106CFU, 5x10FourPFU) was not substantially richer in phagemid than K07 helper phage. We believe this is due to the fact that the K07 phage packaged during propagation of the recombinant phagemid displays the hGH-g3p fusion.
[0108]
However, hGHbp-beads gave 14 times higher CFU when compared to fraction G eluted from BSA-coated control beads. This reflects the enrichment of phagemids that display tightly bound hGH over non-specifically bound phagemids.
[0109]
5. Proliferation: A fraction of fraction G eluted from hGHbp-beads (4.3 x 10FiveCFU) was used to infect WJM101 cells in logarithmic growth phase. Transduction was performed by mixing fraction G (100 μl) with WJM101 cells (1 ml), incubating at 37 ° C. for 20 minutes, and then adding K07 (multiplicity of infection = 1000). Cultures (25 ml of 2YT and carbenicillin) were grown as described above and a second pool of phage (Library 1G, for first glycine elution) was prepared as described above.
[0110]
Phages from library 1G (FIG. 3) were selected for binding to hGHbp beads as described above. Fraction G eluted from hGHbp beads contained 30 times higher CFU than fraction G eluted from BSA beads in this selection. Once again, a portion of fraction G was grown in WJM101 cells and library 1G2(Indicating that this library was selected twice by glycine elution). In addition, double-stranded DNA (pLIB 1G2) Was prepared from this culture.
ds DNA K pn I test and restriction selection
[0111]
Background (KpnI+) PLIB 1G to reduce the amount of template2A part (about 0.5 μg) of the lysate was digested with KpnI and electroporated into WJM101 cells. These cells were grown in the presence of K07 (multiplicity of infection = 100) as described for the initial library and a new phage pool pLIB3 was prepared (FIG. 3).
[0112]
Furthermore, a part of dsDNA (about 0.5 μg) derived from the first library (pLIB1) was digested with KpnI and directly electroporated into WJM101 cells. Transformants were recovered as described above, infected with M13-K07, and grown overnight to obtain a new phage library designated phage library 2 (FIG. 3).
[0113]
Select consecutive rounds
(1) An excess (10 times CFU) of purified K07 phage (not displaying hGH) was added into the bead-bound cocktail; and (2) except that the hGH step elution was replaced with a short wash of buffer A alone. The phagemids from both pLIB2 and pLIB3 were bound, eluted and propagated in successive rounds as described above. In some cases, XL1-Blue cells were used for phagemid growth.
[0114]
Additional digestion of dsDNA with KpnI was performed before pLIB 2G prior to the final round of bead binding selection.ThreeAnd pLIB 3GFive(Fig. 3).
[0115]
DNA sequencing of selected phagemids
Had. That is, all of these encode the same mutant of hGH (E174S, F176Y).
[0116]
Multiplicity of K07 infection
The multiplicity of infection of K07 infection is an important parameter in the growth of recombinant phagemid. The multiplicity of infection of K07 must be high enough to ensure that virtually all cells transformed or transfected with phagemid can package new phagemid particles. Furthermore, the concentration of wild type gene III in each cell is kept high, reducing the likelihood that multiple hGH-gene III fusion molecules will be displayed on each phagemid particle, thereby chelating upon binding. Should be reduced. However, when K07 multiplicity of infection is too high, K07 packaging will compete with recombinant phagemid packaging. We have found that an acceptable phagemid yield with only 1-10% background K07 phage is obtained when the multiplicity of infection of K07 is 100.
[0117]
[0118]
The phage pool was labeled as indicated previously (Figure 3). The multiplicity of infection (moi) means the multiplicity of K07 infection (PFU / cell) during the growth of phagemid. Enrichment of CFU over PFU is shown when purified K07 is added to the binding step. The ratio of CFU eluted from hGHbp beads over CFU eluted from BSA beads is shown. The fraction of the KpnI containing template (ie pH0415) remaining in the pool digests dsDNA with KpnI and EcoRI, migrates the product on a 1% agarose gel, and laser-scans negative ethidium bromide stained DNA. Was measured.
[0119]
hormone h Receptor binding affinity of GH (E174S, F176Y)
The fact that a single clone was isolated from two different selection pathways (FIG. 3) suggested that the double mutant (E174S, F176Y) binds strongly to hGHbp. To determine the affinity of this hGH mutant for hGHbp, we constructed this hGH mutant by site-directed mutagenesis using the plasmid pB0720. This plasmid contains the wild type hGH gene as a template and the following oligonucleotides that change
Contains. The resulting construct pH0458B was introduced into E. coli strain 16C9 for expression of mutant hormones. hGH (E174S, F176Y) against hGHbp125Scatchard analysis of competitive binding of I-hGH revealed that this (E174S, F176Y) mutant had a binding affinity that was at least 5.0 times stronger than that of wild-type hGH. .
[0120]
Example VIII Selection of hGH variants from a hormone-
Human growth hormone mutants were prepared by the method of the present invention using the phagemid described in FIG.
[0121]
Prolapse - Construction of a fusogenic hormone-phage vector
We (1) improve the binding between hGH and the gene III part to further favor the display of the hGH part on phage; (2) to obtain a substantially “monovalent display” Limit expression of the fusion protein; (3) allow selection of restriction nucleases relative to the starting vector; (4) eliminate expression of the fusion protein from the starting vector; and (5) certain hGH-gene III fusion mutations. Cassette mutagenesis [Wells et al., With the goal of achieving easy expression of the corresponding free hormone from the body;Gene 34: 315-323 (1985)] and vectors for the expression of hGH-gene III fusion proteins were designed.
[0122]
Contains the origin of replication of pBR322 and f1, and contains the E. coli phoA promoter [Bass et al.,Proteins 8: 309-314 (1990)], hGH-gene III fusion protein (hGH residues 1-191, followed by one Gly residue, fused to Pro-198 of gene III) PS0132 oligonucleotide-directed mutagenesis [Kunkel et al.,Methods Enzymol. 154: 367-382 (1987)] to construct plasmid pS0643 (FIG. 9). Oligonucleotide:
5'-GGC-AGC-TGT-GGC-TTC-TAG-AGT-GGC-GGC-GGC-TCT-GGT-3 '
[This oligonucleotide introduces the Phe-191 of hGH followed by an XbaI site (underlined) and an amber stop codon (TAG)). In the resulting construct pS0643, part of gene III is deleted, two silent mutagenesis (underlined) occurs, and the following junction is generated between hGH and gene III:
--- hGH ---------> Gene III ----->
187 188 189 190 191 am * 249 250 251 252 253 254
Gly Ser Cys Gly Phe Glu Ser Gly Gly Gly Ser Gly
GGC AGC TGT GGA TTC TAG AGT GGC GGT GGC TCT GGT
This shortens the overall size of the fusion protein from 401 residues in pS0132 to 350 residues in pS0643. Experiments with monoclonal antibodies against hGH have shown that the hGH portion of the new fusion protein assembled into phage particles is more accessible than previous long fusions.
[0123]
In order to grow phage displaying hormones, pS0643 and derivatives were transformed into E. coli amber-suppressor strains such as JM101 or XL1-Blue [Bullock et al.,BioTechniques 5: 376-379 (1987)]. Shown above is the Glu substitution at the amber codon that occurs in the supE suppressor strain. In addition, suppression by other amino acids is possible in various well-known and generally available E. coli strains.
[0124]
To express hGH (or mutants) that do not contain the gene III portion of the fusion, pS0643 and derivatives can simply be grown in non-suppressor strains such as 16C9. In this case, the amber codon (TAG) leads to termination of translation and gives the free hormone without the need for independent DNA construction.
[0125]
To create a site for cassette mutagenesis, pS0643 is an oligonucleotide:
(1) 5'-CGG-ACT-GGG-CAG-ATA-TTC-AAG-CAG-ACC-3 '
[This destroys the unique BglII site of pS0643];
(2) 5'-CTC-AAG-AAC-TAC-GGG-TTA-CCC-TGA-CTG-CTT-CAG-GAA-GG-3 ′ [this inserts a unique BstEII site, a one base frameshift, and a non-amber stop codon (TGA)]; and
(3) 5'-CGC-ATC-GTG-CAG-TGC-AGA-TCT-GTG-GAG-GGC-3 '
[This introduces a new BglII site]
To obtain the starting vector pH0509. Adding a frameshift with the TGA stop codon ensures that no gene III fusion can be produced from the starting vector. The BstEII-BglII segment was excised from pH 0509 and replaced with a mutated DNA cassette at the desired codon. Other restriction sites for cassette mutagenesis at other positions in hGH were also introduced into this hormone-phage vector.
[0126]
h Cassette mutagenesis in
[0127]
We chose NNS (N = A / G / C / T; S = G / C) substitution for each target residue. This selection of NNS synonymous sequences resulted in 32 possible codons (codons for at least one amino acid) at four sites, for a total of (32)Four= 1,048,576 possible nucleotide sequences, or (20)Four= 160,000 possible polypeptide sequences are obtained. The only stop codon, amber (TAG), is possible by this codon selection and this codon can be suppressed as Glu1 in the supE strain of E. coli.
[0128]
Two synonymous (degenerate) oligonucleotides with NNS at
5'-GT-TAC-TCT-ACT-GCT-TTC-AGG-AAG-GAC-ATG-GAC-NNS-GTC-NNS-ACA-NNS-CTG-NNS-ATC-GTG-CAG-TGC-A-3 '
and
5'-GA-TCT-GCA-CTG-CAC-GAT-SNN-CAG-SNN-TGT-SNN-GAC-SNN-GTC-CAT-GTC-CTT-CCT-GAA-GCA-GTA-GA-3 '.
The vector was prepared by digesting pH0509 with BstEII followed by BglII. The product was run on a 1% agarose gel, the large fragment was excised, phenol extracted and ethanol precipitated. This fragment was treated with bovine intestinal phosphatase (Boehringer), then phenol: chloroform extracted, ethanol precipitated and resuspended for ligation with the mutagenesis cassette.
[0129]
XL1 - B lue Growth of the first library in cells
After ligation, the reaction product was digested once more with BstEII, then phenol: chloroform extracted, ethanol precipitated, and resuspended in water [BstEII recognition site (GGTNACC) is at
[0130]
The cells were allowed to recover for 1 hour at 37 ° C. in SOC medium with shaking and then mixed with 2YT medium (25 ml), 100 mg / ml carbenicillin, and M13-K07 (moi = 100). After 10 minutes at 23 ° C., the cultures were incubated overnight (15 hours) at 37 ° C. with shaking. By plating serial dilutions from this culture onto carbenicillin-containing medium, 3.9 × 107It was found that an electrotransformant was obtained.
[0131]
After overnight incubation, the cells were pelleted and a double stranded DNA (dsDNA) designated pH0529E (first library) was prepared by the alkaline lysis method. The supernatant was centrifuged once more to remove all remaining cells, and a phage designated phage pool φH0529E (first phage library) was PEG precipitated and STE buffer [10 mM Tris (pH 7.6), 1 mM EDTA, 50 mM. Resuspended in NaCl (1 ml). Phage titers were measured as colony forming units (CFU) for recombinant phagemids containing hGH-g3p. Approximately 4.5x10 from departure library13CFU was obtained.
[0132]
Synonymity of starting library (degenerate)
58 clones from the pool of electrotransformants were sequenced in the region of the BstEII-BglII cassette. Of these, 17% correspond to the starting vector, 17% contain at least one frameshift, and 7% have non-silent (non-stopping) mutations outside the four target codons. Contained. We have 41% clones have the disadvantages according to any of the above criteria, and 2.0 × 107It was concluded that a total functional pool of the original transformants would remain. Nevertheless, this number is almost 20 times greater than the number of possible DNA sequences. We are therefore confident that we have all possible sequences shown in the starting library.
[0133]
We evaluated the codon bias in mutagenesis by examining the sequences of unselected phages (Table V). These results indicate that some codons (and amino acids) are more or less than random predictions, but this library is highly diverse and evidences a large amount of “sibling” degeneracy Was found to be absent (Table VI).
[0134]
Table V. Unselected hormone phage codon distribution (per 188 codon) clones were sequenced from the starting library (pH 0529E). All codons were tabulated, including codons from clones containing pseudomutations and / or frameshifts. *: The amber stop codon (TAG) is suppressed as Glu in XL1-Blue cells. The underlined codons were shown to be more / less than 50% or more.
[0135]
table VI. Not selected with open reading frame
(PH0529E) clone
Indications, eg TWGS, indicate hGH mutant 172T / 174W / 176G / 178S. The amber (TAG) codon translated as Glu in XL1-Blue cells is indicated by ε.
[0136]
Immobilization h GH bp and h PRL bp Preparation of
Wild-type hGHbp [Fuh et al.,J. Biol. Chem. 265: 3111-3115 (1990)] (Bass et al.,Proteins 8: 309-314 (1990)] to prepare immobilized hGHbp (“hGHbp-beads”). [125I] Competitive binding experiments with hGH showed that 58 fmol of functional hGHbp was bound per μl of bead suspension.
[0137]
Prolactin receptor (Cunningham et al.,Science 250: 1709-1712 (1990)], an immobilized hPRLbp ("hPRLbp-bead") was prepared as described above. In the presence of 50 μM zinc125I] Competitive binding experiments with hGH revealed that 2.1 fmol of functional hPRLbp was bound per μl of bead suspension.
[0138]
“Blank beads” were prepared by treating oxirane-acrylamide beads with 0.6 M ethanolamine (pH 9.2) at 4 ° C. for 15 hours.
[0139]
Immobilization h GH bp and h PRL bp Join selection with
Hormone-phage binding to the beads was performed in one of the following buffers: Buffer A [PBS, 0.5% BSA, 0.05
[0140]
1. Binding: part of a hormone phage (usually 109-10TenCFU) is mixed with an equal volume of non-hormone phage (pCAT), diluted with the appropriate buffer (A, B or C) and hGHbp, hPRLbp or blank beads in a total volume of 200 ml in a 1.5 ml polypropylene tube. And a suspension (10 ml). The phage was bound to the beads by incubating at room temperature (23 ° C.) for 1 hour with slow rotation (about 7 rpm). The following steps were performed at room temperature using a constant volume of 200 μl.
[0141]
2. Washing: The beads were spun for 15 seconds and the supernatant was removed. To reduce the number of non-specifically bound phage, the beads were washed 5 times by briefly resuspending in an appropriate buffer and then pelleted.
[0142]
3. hGH elution: Phage that weakly bound to the beads were removed by elution with hGH. The beads were spun for 15-17 hours with an appropriate buffer containing 400 nM hGH. This supernatant was used as “hGH eluate” and beads. The beads were washed by resuspending briefly in buffer and pelleting.
[0143]
4). Glycine elution: To remove the most tightly bound phage (ie, phage still bound after hGH washing), the beads were added to glycine buffer (0.2 M glycine in buffer A and pH 2.0 with HCl. And then rotated for 1 hour to pelletize. The supernatant (“Glycine eluate”; 200 μl) was neutralized by the addition of 1M Tris base (30 ml) and stored at 4 ° C.
[0144]
5. Proliferation: Under each set of conditions, an independent culture of XL1-Blue cells in logarithmic growth was infected with a portion of hGH eluate and glycine eluate from each set of beads. Transduction was performed by mixing the phage with XL1-Blue cells (1 ml), incubating at 37 ° C. for 20 minutes, and then adding K07 (moi = 100). The culture (25 ml of 2YT and carbenicillin) was grown as above and the next pool of phage was prepared as above.
[0145]
Phage binding, elution and growth were performed in successive rounds according to the cycle described above. For example, phage amplified from hGH eluate from hGHbp beads were again selected with hGHbp beads, eluted with hGH, and then used to infect fresh cultures of XL1-Blue cells. Five rounds of selection and three rounds of growth were performed for each of the above selection methods.
[0146]
DNA sequencing of selected phagemids
A portion of the phage from each cycle of hGH and glycine elution steps was used for inoculation of XL1-Blue cells and was plated on LB medium containing carbenicillin and tetracycline to obtain independent clones from each phage pool. . Single-stranded DNA was prepared from the isolated colonies and the mutation cassette region was sequenced. The results of this DNA sequencing are summarized as deduced amino acid sequences in FIG. 5, FIG. 6, FIG. 7 and FIG.
[0147]
h GH mutant expression and assay
In order to determine the binding affinity of some of the selected hGH mutants for hGHbp, DNA from sequenced clones was introduced into E. coli strain 16C9. As mentioned above, this strain is a non-suppressor strain and terminates protein translation after the last Phe-191 residue of hGH. Although single-stranded DNA was used for these transformations, even double-stranded DNA or whole phage can be easily electroporated into non-suppressor strains for free hormone expression.
[0148]
hGH mutants were prepared from cells subjected to osmotic shock by ammonium sulfate precipitation as described for hGH [Olson et al.,Nature 293: 408-411 (1981)]. The protein concentration was measured by laser densitometry of Coomassie-stained SDS-polyacrylamide gel electrophoresis gel using hGH as a standard [Cunningham and Wells,Science 244: 1081-1085 (1989)].
[0149]
The binding affinity of each mutant was determined by using an anti-receptor monoclonal antibody (Mab263) and the literature [Spencer et al.,J. Biol. Chem. 263: 7862-7867 (1988); Fuh et al.,J. Biol. Chem. 265: 3111-3115 (1990)]125Measured by replacing I hGH.
[0150]
The results for the number of hGH mutants selected by different routes (Figure 6) are shown in Table VII. Many of these mutants have a stronger binding affinity for hGHbp than wild type hGH. The most improved mutant, KSYR, has a binding affinity that is 5.6 times higher than wild type hGH. The weakest mutant selected among these tested mutants had only about 10-fold lower binding affinity compared to hGH.
[0151]
Binding assays can also be performed on mutants selected for hPRLbp-binding.
[0152]
table VII. Competitive binding to hGHbp
The selected pool in which each mutant was found was selected as 1G (first glycine selection), 3G (third glycine selection), 3H (third hGH selection), 3 * (third selection: hPRLbp Is bound to hGHbp). The number of each mutant appearing in all sequenced clones is shown in ().
[0153]
Additive and non-additive effects on bonding.
In some residues, certain amino acid substitutions have substantially the same effect independent of surrounding residues. For example, substitution of F176Y in the background of 172R / 174S reduces binding affinity by a factor of 2.0 (RSFR vs. RSYR). Similarly, in the background of 172K / 174A, the binding affinity of the F176Y mutant (KAYR) is 2.9 times weaker than the corresponding 176F mutant [KAFR; Cunningham and Wells (1989)].
[0154]
On the other hand, the binding constants measured for some selected hGH mutants show the non-additive effect of some amino acid substitutions at
[0155]
This non-additive effect on the binding of substitutions at adjacent residues demonstrates the use of protein-phage binding selection as a means of selecting optimal mutants from libraries randomized at several positions Is. Without detailed structural information and without such a selection method, many substitution combinations would be tried before finding the optimal mutant.
[0156]
Example IX Selection of hGH mutants from hormone-
[0157]
Using the method described in Example VIII, another region of hGH involved in binding to hGHbp and / or hPRLbp, ie,
[0158]
We chose to use the “Amber” hGH-g3 construct (referred to as phGHam-g3p) because it appears to create a target protein hGH that is more accessible for binding. This is supported by data from a comparative ELISA assay for monoclonal antibody binding. pS0132 [S. Bass, R. Greene, J. A. Wells,Proteins 8: 306 (1990)] and phages generated from both phGHam-g3 were expressed by three antibodies known to have binding determinants near the carboxy terminus of hGH (Medix2, 1B5.G2, and 5B7). C10) [BCCunningham, P. Jhurani, P. Ng, JAWells,Science 243: 1330 (1989); B.C.Cunningham and J.A.Wells,Science 244: 1081 (1989); L. Jin and J. Wells (unpublished results)], and one antibody (Medix1) that recognizes determinants in
[0159]
Creation of
Alanine-scanning mutagenesis (B.C.Cunningham, P.Jhurani, P.Ng, J.A.Wells,Science 243: 1330 (1989); B.C.Cunningham and J.A.Wells,Science 244: 1081 (1989), 15, 16] by mutating residues in
5'-GCC TTT GAC AGG TAC CAG GAG TTT G-3 'and
5'-CCA ACT ATA CCA CTC TCG AGG TCT ATT CGA TAA C-3 '
PhGHam-g3 [T.A.Methods Enzymol. 154: 367-382] was made by cassette mutagenesis (see Example VIII), which mutates all four residues at once. The latter oligo also introduced a +1 frame shift (G at the end of the underline), which terminated translation from the starting vector and minimized wild-type background in the phagemid library. This starting vector was named pH0508B. A
5'-pTCG AGG CTC NNS GAC AAC GCG NNS CTG CGT GCT NNS CGT CTT NNS CAG CTG GCC TTT GAC ACG TAC-3 'and
5'-pGT GTC AAA GGC CAG CTG SNN AAG ACG SNN AGC ACG CAG SNN CGC GTT GTC SNN GAG CC-3 '
Was prepared by ligation to a large XhoI-KpnI fragment of pH 0508B. This KpnI site was destroyed at the junction of the ligation product, allowing restriction enzyme digestion to be used for analysis of non-mutated background.
[0160]
This library is at least 107Separate transformants, and this library is completely random (106On average, about 10 copies of each possible mutant hGH gene is obtained. Restriction analysis using KpnI showed that at least 80% of the
[0161]
Enrichment of hGH-phage from this library was performed using hGHbp immobilized on oxirane-polyacrylamide beads (Sigma Chemical Co.) as previously described (Example VIII). Four residues in Helix 1 (F10, M14, H18 and H21) were mutated in the same way and a non-wild type consensus appeared after 4 and 6 cycles (Table VIII).
[0162]
The binding constant of these hGH mutants to hGHbp is expressed by expressing a free hormonal variant in non-suppressor E. coli strain 16C9, purifying the protein, and assaying by competitive displacement of labeled wt-hGH from hGHbp. (See Example VIII). As shown, some mutants bind to hGHbp more strongly than wt-hGH binds.
[0163]
table VIII. Selection of
HGH variants expressed on phagemid particles (random mutations at residues F10, M14, H18, H21) were bound to hGHbp-beads and hGH (0.4 mM) buffer followed by glycine (0.2 M , PH 2) by elution with buffer (see Example VIII).
[0164]
table IX. Consensus sequence from selected
The observed frequency is the fraction of all clones sequenced with the indicated amino acid. Nominal frequency was calculated based on NNS 32 codon degeneracy. The maximum enrichment factor varies from 11 to 32 depending on the nominal frequency value for a residue. The value of [Kd (Ala mutant) / Kd (wt-hGH)] for a single alanine mutation is given in the literature [B. C. Cunningham and J. A. Wells,Science 244: 1081 (1989); B.C.Cunningham, D.J.Henner, J.A.Wells,Science 247: 1461 (1990); B.C. Cunningham and J.A. Wells,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 3407 (1991)].
[0165]
Table X. Binding of purified
Competition binding experiments125I] hGH (wild type), hGHbp (extracellular receptor domain, including residues 1-238), and Mab263 [B.C. Cunningham, P. Jhurani, P.Ng, J.A. Wells,Science 243: 1330 (1989)]. The numerical value P represents the fractional occurrence of each mutant in all clones sequenced after one or more selection rounds.
[0166]
Example X Selection of hGH variants from a
Design of muteins with improved binding by iterative selection using hormone-phages
From our experiments using new unbound homologues of hGH evolutionary variants, we obtain cumulative and improved mutants of hGH for binding to specific receptors by combining multiple independent amino acid substitutions [BCCunningham, DJHenner, JAWells,Science 247: 1461 (1990); B.C.Cunningham and J.A.Wells,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 3407 (1991); H.B.Lowman, B.C.Cunningham, J.A.Wells,J. Biol. Chem. 266, printing (1991)].
[0167]
In an attempt to further improve a double mutant of helix 4 (E174S / F176Y; see Example VIII) selected from the helix 4a library found to bind more tightly to the hGH receptor, the helix 4b library It was created. Mutations were made at residues around
[0168]
Substantially the literature [J.A.Wells, M.Vasser, D.B.Powers,Gene 34: 315 (1985)] cassette mutagenesis was performed as described. Using cassette mutagenesis (see Example VIII) using a mutant of phGHam-g3 (Example VIII) pre-inserted with only BstEII and BglII restriction sites, mutating all four residues at once A helix 4b library was created in which
5'-pG TTA CTC TAC TGC TTC NNS AAG GAC ATG NNS AAG GTC AGC NNS TAC CTG CGC NNS GTG CAG TGC A-3 'and
5'-pGA TCT GCA CTG CAC SNN GCG CAG GTA SNN GCT GAC CTT SNN CAT GTC CTT SNN GAA GCA GTA GA-3 '
The cassette prepared from was inserted into the BstEII-BglII site of the vector. This BstEII site was deleted in the linked cassette. Fifteen unselected clones from this helix 4b library were sequenced. Of these, none lacked the cassette insert, 20% were frameshifted and 7% had non-silent mutations.
[0169]
h GH bp Results of enrichment
Enrichment of hGH-phage from this library was performed using hGHbp immobilized on oxirane-polyacrylamide beads (Sigma Chemical Co.) as previously described (Example VIII). After 6 cycles of binding, a reasonable and clear consensus appeared (Table XI). Interestingly, all positions tended to contain polar residues, especially Ser, Thr and Asn (Table XII).
[0170]
h GH mutant assay
The binding constants of some of these hGH mutants to hGHbp were expressed by expressing a free hormonal variant in non-suppressor E. coli strain 16C9, purifying the protein, and competitive displacement of labeled wt-hGH from hGHbp. Measured by assay (see Example VIII). As shown, the binding affinity for hGHbp of some helix 4b mutants was stronger than that of wt-hGH (Table XIII).
[0171]
h Receptor selectivity of GH mutant
Finally, we began analyzing the binding affinity of several more robust hGHbp binding mutants for their ability to bind hPRLbp. The E174S / F176Y mutant binds 200 times weakly to hPRLbp compared to hGH. Each of the E174T / F176Y / R178K and R167N / D171S / E174S / F176Y / I179T mutants binds> 500-fold weakly to hPRLbp compared to hGH. That is, a novel receptor-selective mutant of hGH can be obtained by the phage display method.
[0172]
Information content of specific residues identified by hormone-phagemid selection
Of the 12 residues mutated in the 3 hGH-phagemid libraries (Examples VIII, IX, X), 4 showed strong (but not exclusive) conservation of wild-type residues (K172, T175, F176 and R178). Not surprisingly, there were residues that caused the greatest disruption (4-60 fold) in binding affinity for hGHbp when converted to Ala. There is a group of four other residues (F10, M14, D171 and I179) that cause the Ala substitution to have a weaker effect on binding (2-7 fold), and these positions have only a few wild-type consensus Not shown. Finally, another four residues (H18, H21, R167 and E174) that promoted binding to hPRLbp but not hGHbp were selected against the wild-type hGH sequence by selection with hGHbp-beads. There was no such consensus. In fact, two residues (E174 and H21) increase the binding affinity for hGHbp by 2-4 fold when Ala substituted [B. C. Cunningham, P. Jhurani, P. Ng, J. A. Wells,Science 243: 1330 (1989); B.C. Cunningham and J.A. Wells,Science 244: 1081 (1989); B.C.Cunningham, D.J.Henner, J.A.Wells,Science 247: 1461 (1990); B.C. Cunningham and J.A. Wells,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 3407 (1991)]. That is, alanine-scanning mutagenesis data is reasonably related to the variability that replaces each position. In fact, the reduction in binding affinity caused by alanine substitution (B.C.Cunningham, P.Jhurani, P.Ng, J.A.Wells,Science 243: 1330 (1989); B.C. Cunningham and J.A. Wells,Science 244: 1081 (1989); B.C.Cunningham, D.J.Henner, J.A.Wells,Science 247: 1461 (1990); B.C. Cunningham and J.A. Wells,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 3407 (1991)] reasonably predicts the proportion of wild-type residues found in the phagemid pool after 3-6 rounds of selection. Alanine-scanning information is useful for targeting side chains that modulate binding, and phage selection can be used for side chain optimization and variability at each site (and / or combination of sites) for substitution. It is suitable for defining. Scanning mutation method (B.C.Cunningham, P.Jhurani, P.Ng, J.A.Wells,Science 243: 1330 (1989); B.C. Cunningham and J.A. Wells,Science 244: 1081 (1989)] and phage display are powerful tools for designing receptor-ligand interfaces and for studying molecular evolution in vitro.
[0173]
Mutations in iterative enrichment of hormone-phagemid libraries
If the combination mutation in hGH has an additive effect on the binding affinity for the receptor, the mutation known by hormone-phagemid enrichment to improve the binding is simply Combined by cleavage and ligation or mutagenesis, a cumulative optimized mutant of hGH can be obtained.
[0174]
On the other hand, mutations in one region of hGH that optimize receptor binding may be structurally or functionally incompatible with mutations in overlapping or other regions of the molecule. In such cases, hormone-phagemid enrichment can be performed by any of several variations of the iterative enrichment method listed below: (1) 2 molecules of the molecule by cassette or other mutagenesis methods. A random DNA library can be created in each of one (or perhaps more) regions: a mixed library can then be created by ligation of restriction fragments from these two DNA libraries; 2) hGH variants that are optimized for binding by mutation in one region of the molecule can be randomly mutated in the second region of the molecule, as in the example of a helix 4b library; (3) Two or more random libraries can be linked to improved binding by hormone-phagemid enrichment. TePartialAfter “crude selection” of this optimized binding site, yet another partial library can be remixed by ligation of restriction fragments and partially in two or more regions of the molecule Can be obtained, and this library can then be further selected for optimized binding using hormone-phagemid enrichment.
[0175]
table XI. Mutated phagemid of hGH selected from helix 4b library after 4 and 6 cycles of enrichment
HGH helix 4b mutants, each containing an E174S / F176Y double mutation (random mutations at
[0176]
[0177]
table XII. Consensus sequence from the selected library
The observed frequency is the fraction of all clones sequenced with the indicated amino acid. Nominal frequency was calculated based on NNS 32 codon degeneracy. The maximum enrichment factor varies from 11 to 16 to 32 depending on the nominal frequency value for a residue. The value of [Kd (Ala mutant) / Kd (wt-hGH)] for a single alanine mutation was taken from the following literature; only the value of the T175S mutant for position 175 [BCCunningham , P.Jhurani, P.Ng, JAWells,Science 243: 1330 (1989); B.C. Cunningham and J.A. Wells,Science 244: 1081 (1989); B.C.Cunningham, D.J.Henner, J.A.Wells,Science 247: 1461 (1990); B.C. Cunningham and J.A. Wells,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88: 3407 (1991)].
[0178]
[0179]
table XIII. Binding of purified hGH mutant to hGHbp
Competition binding experiments125I] Performed with hGH (wild type), hGHbp (extracellular receptor domain, including residues 1-238), and Mab263 (11). The numerical value P represents the fractional occurrence of each mutant in all clones sequenced after one or more selection rounds. Note that the helix 4b mutation (*) is in the background of hGH (E174S / F176Y). In this list of helix 4b mutations, the E174S / F176Y mutant (*) with wt residues at 167, 171, 175, 179 is underlined.
[0180]
[0181]
Example XI Assembly of Fab molecules on the phagemid surface
Plasmid construction
Plasmid pDH188 contains DNA encoding the Fab portion of a humanized IgG antibody called 4D5 that recognizes the HER-2 receptor. This plasmid is contained in E. coli strain SR101 and has been deposited with ATCC [Rockville, MD].
[0182]
Briefly, this plasmid was prepared as follows. The starting plasmid is pS0132 containing the alkaline phosphatase promoter described above. A DNA encoding human growth hormone was excised, and a series of operations were performed so that the ends of the plasmid were adapted for ligation, and then a DNA encoding 4D5 was inserted. This 4D5 DNA contains two genes. The first gene encodes the variable and constant regions of the light chain and contains DNA encoding the stII signal sequence at its 5 'end. The second gene contains four parts, the first of which is the DNA encoding the 5 'end stII signal sequence. This is followed by the DNA encoding the heavy chain variable domain, followed by the DNA encoding the first domain of the heavy chain constant region, followed by the DNA encoding the M13 gene III. The salient features of this construct are shown in FIG. The sequence of the DNA encoding 4D5 is shown in FIG.
[0183]
E. coli transformation and phage production
The plasmid was introduced into SR101 cells using both polyethylene glycol (PEG) and electroporation. PEG-competent cells include Chung and Miller [Nucleic Acids Res. 16: 3580 (1988)] and transformed. Cells that are competent for electroporation are Zabarovsky and Winberg.Nucleic Acids Res. 18: 5912 (1990)] and then transformed by electroporation. Cells were seeded in SOC medium (described in Sambrook et al. (Supra)) (1 ml) and grown at 37 ° C. for 1 hour with shaking. At this point, the cell concentration is OD600Was measured using light dispersion. A titrated KO7 phage stock was added to give a multiplicity of infection (MOI) of 100 and the phages were allowed to attach to the cells for 20 minutes at room temperature. This mixture was then diluted in 2YT broth (described by Sambrook et al. (Supra)) (25 ml) and incubated overnight at 37 ° C. with shaking. The next day, the cells were pelleted by centrifugation at 5000 xg for 10 minutes, the supernatant was collected, and phage particles were precipitated with 0.5 M NaCl and 4% PEG (final concentration) for 10 minutes at room temperature. Phage particles were pelleted by centrifugation at 10,000 × g for 10 minutes, resuspended in TEN [10 mM Tris (pH 7.6), 1 mM EDTA, and 150 mM NaCl] (1 ml) and stored at 4 ° C.
[0184]
Preparation of antigen-coated plates
0.5 ml each from a 0.5 mg / ml solution of BSA (control antigen) in 0.1 M sodium bicarbonate (pH 8.5) or a 0.1 mg / ml solution of the extracellular domain (EDC) of HER-2 antigen. Was used to coat the wells of a Falcon 12 well tissue culture plate. After the solution was applied to the wells, the plate was incubated overnight at 4 ° C. on a rocking platform. The plate was then blocked by removing the initial solution, applying blocking buffer [30 mg / ml BSA in 0.1 M sodium bicarbonate] (0.5 ml) and incubating at room temperature for 1 hour. Finally, the block buffer is removed, buffer A [PBS, 0.5% BSA, and 0.05% Tween 20] (1 ml) is added, and the plate is used at 4 ° C. until used for phage selection. Stored for up to 10 days.
[0185]
Phage selection method
About 109Of phage particles were mixed with 100-fold excess of KO7 helper phage and buffer A (1 ml). This mixture was divided into two 0.5 ml portions, one applied to an ECD coated well and the other applied to a BSA coated well. The plates were incubated at room temperature for 1-3 hours with shaking and then washed 3 times for 30 minutes with buffer A (1 ml each). Phage elution from the plate was performed at room temperature by either of the following two methods: (1) Initial overnight incubation of 0.025 mg / ml of purified Mu4D5 antibody (murine) followed by acid elution buffer. Incubate with [0.2 M glycine (pH 2.1), 0.5% BSA, and 0.05% Tween 20] (0.4 ml) for 30 minutes, or (2) Incubate with acid elution buffer alone. The eluate was then neutralized with 1M Tris base and TEN (0.5 ml increments) was added. These samples were then grown, titrated and stored at 4 ° C.
[0186]
Phage growth
A portion of the eluted phage is added to 2YT broth (0.4 ml) and about 108Of mid log phase male E. coli strain SR101. Phages were allowed to attach to the cells for 20 minutes at room temperature and then added to 2YT broth (5 ml) containing 50 μg / ml carbenicillin and 5 μg / ml tetracycline. The cells were grown for 4-8 hours at 37 ° C. until the mid-log phase was reached. OD600And the cells were superinfected with KO7 helper phage for phage production. After obtaining the phage particles, they were titrated to determine the number of colony forming units (cfu). This was done by taking a portion of a serial dilution of a phage stock, infecting mid-log phase SR101, and plating on LB plates containing 50 νg / ml carbenicillin.
[0187]
Measurement of RIA affinity
The affinity of Fab phage and h4D5 Fab fragment for ECD antigen was determined by competitive receptor binding RIA [Burt, D.R.,Receptor Binding in Drug Research, O'Brien, R.A. (ed.), Pp.3-29, Dekker, New York (1986)]. This ECD antigen is obtained by the continuous chloramine-T method [De Larco, J.E. et al.,J.Cell.Physiol. 109: 143-152 (1981)]125Labeled with I. As a result, a radioactive tracer having a specific activity of 14 μCi / μg into which 0.47 mol of iodine was introduced per mol of the receptor was obtained. 0.5 ng (by ELISA) Fab or Fab phage, 50 nCi125A series of 0.2 ml solutions containing I-ECD tracer and a range of unlabeled ECD (6.4 ng-3277 ng) were prepared and incubated overnight at room temperature. Labeled ECD-Fab or ECD-Fab phage complexes were separated from unbound labeled antigen by forming aggregate complexes induced by the addition of anti-human IgG (Fitzgerald 40-GH23) and 6% PEG8000. The complex was pelleted by centrifugation (15,000 xg for 20 minutes) and the amount of labeled ECD (cpm) was measured with a gamma counter. The dissociation constant (Kd) is determined by Scatchard analysis [Scatchard, G.,Ann.NYAcad.Sci. 51: 660-672 (1949)], an improved version of the program LIGAND [Munson, P. and Rothbard, D.,Anal.Biochem. 107: 220-239 (1980)]. This Kd value is shown in FIG.
[0188]
Competitive cell binding assay
Using the rhodogen method,125I labeled murine 4D5 antibody with a specific activity of 40-50 μCi / μg. A solution containing a fixed amount of labeled antibody and increasing amounts of unlabeled mutant Fab was prepared and added to almost the entire SK-BR-3 cell culture in a 96-well microtiter dish (final concentration of labeled antibody). Was 0.1 nM). After overnight incubation at 4 ° C., the supernatant was removed, the cells were washed, and the radioactivity bound to the cells was measured with a gamma counter. Kd values were determined by analyzing the data using an improved version of the program LIGAND [Munson, P. and Rothbard, D. (above)].
[0189]
The deposit of the plasmid pDH188 (ATCC No. 68663) is made under the provisions of the Budapest Treaty and the rules (Budapest Treaty) concerning the international recognition of the deposit of microorganisms in the patent procedure. This ensures the maintenance of viable microorganisms for 30 years from the date of deposit. This microorganism is made available from the ATCC under the terms of the Budapest Treaty and with the consent of Genentech, Inc. and ATCC, and is issued by the relevant US patent or any US or foreign The earlier of the publication of the patent application, which guarantees that anyone of this culture's progeny will be made available permanently and unrestricted, and is entitled to the US according to 35 USC §122 It is guaranteed that the offspring will be made available to those determined by the Office of the Patent and Trademark Office and the rules that follow (including 37 CFR §1.14, which specifically refers to 886 OG 638).
[0190]
The assignee of the present application will promptly replace a living sample of the culture upon notification when the deposited microorganism is killed, lost or destroyed when cultured under appropriate conditions I agree. The availability of deposited cultures should not be construed as a license to practice the invention in violation of rights granted under the authority of any government in accordance with national patent laws.
[0191]
The foregoing specification is considered to be sufficient to enable one skilled in the art to practice the invention. The deposited embodiment is intended as an independent illustration of a particular embodiment of the present invention, and since any functionally equivalent culture is within the scope of the invention, the invention is covered by the deposited microorganism. Is not limited. Deposits of substances in this specification have acknowledged that the statements contained herein are inadequate to allow implementation of any aspect of the invention, including the best mode. It is not intended to be limiting, nor is it intended to limit the scope of the claims to that particular example. Indeed, various modifications of the invention in addition to those described and shown herein will become apparent to those skilled in the art from the foregoing description, which fall within the scope of the appended claims It is.
[0192]
Although the present invention has been described in connection with the preferred embodiments, it will be appreciated by those skilled in the art after reading the above specification that various objects may be found in the subject matter described herein without departing from the spirit and scope of the invention. Changes, equivalent substitutions and mutations could be added. That is, the present invention can be carried out by methods other than those specifically described in this specification. Accordingly, the protection granted by this patent is limited only by the appended claims and equivalents thereof.
[0193]
Example XII Selection of hGH variants from
h Creation of additive mutants of GH
The principle of additivity (J.A. Wells,Biochemistry 29: 8509 (1990)], even when mutations in different parts of the protein do not interact with each other, by combining them, they are additive in the free energy of binding to another molecule. Change is expected (change is ΔΔGbindingOr additive in terms of Kd = exp [−ΔG / RT]). That is, a mutation that gives a 2-fold increase in binding affinity results in a double mutation with a 6-fold increased affinity of the starting variant when combined with a second mutation that causes a 3-fold increase. Expected to give.
[0194]
In order to test whether multiple mutations obtained by hGH-phage selection have a cumulatively good effect on hGHbp (hGH-binding protein; extracellular domain of hGH receptor) binding, The mutations found in the three most tightly binding variants of hGH from which they were derived (Example IX: F10A / M14W / H18D / H21N, F10H / M14G / H18N / H21N, and F10F / M14S / H18F / H21L) , Found in the three tightest binding variants found in the helix 4b library (Example X: R167N / D171S / T175 / I179T, R167E / D171S / T175 / I179, and R167N / D171N / T175 / I179T) Combined with mutations.
[0195]
HGH-phagemid double stranded DNA (dsDNA) was isolated from each of the 1 helix mutants and digested with restriction enzymes EcoRI and BstXI. The large fragment was then isolated from each helix 4b variant and ligated with the small fragment from each
[0196]
h Creation of GH selective combination library
While the principle of additivity seems to apply to a number of mutation combinations, some combinations (eg, E174S with F176Y) are clearly non-additive (see Examples VIII and X). For example, to reliably identify the most tightly bound variants with 4 mutations in
[0197]
We first address this challenge by using sequential rounds of mutagenesis, taking the most tightly binding mutation from one library, and then mutating other residues to further improve binding. Worked (Example X). In the second method, we combine the best mutations from two independently selected libraries using the principle of additivity to create multiple mutants with improved binding. (Above). Here we combine possible mutations at
[0198]
Double-stranded DNA (dsDNA) of hGH-phagemid was isolated from each of the 1-helix library pools (0, 2 or 4 round selections) and digested with restriction enzymes AccI and BstXI. Large fragments were then isolated from each
[0199]
h GH - Selection of combinatorial library of phage variants
The ligated products pH0707A-F were processed and electro-introduced into XL1-Blue cells as described (Example VIII). Based on colony forming units (CFU), the number of transformants obtained from each pool was as follows: pH 0707A to 2.4 × 106, PH 0707B to 1.8x106, PH 0707C to 1.6x106, PH 0707D to 8x10Five, PH 0707E to 3x10Five, And pH 0707F to 4 × 10Five. hGH-phagemid particles were prepared and selected for hGHbp-binding for 2-7 cycles as described in Example VIII.
[0200]
h Rapid selection of GH-phagemid library
In addition to screening phagemid libraries for protein variants that bind tightly as measured by equilibrium binding affinity, the on-rate of binding to receptors or other molecules (kon) Or off-speed (koffIt is also important to select mutants in which either of them has changed. From thermodynamics, these rates are the equilibrium dissociation constants Kd = (koff/ Kon). We have found that some variants of certain proteins have similar Kd for binding, but very different konAnd koffIt is assumed that Conversely, the Kd change between one mutant and another is konEffect on koffThis may be due to effects on or both. The pharmacological properties of a protein are binding affinity or konOr koff(Depending on the detailed mechanism of action). Here we identify hGH mutants with higher on-rates and konI tried to investigate the effect of changes. We increase the selection by increasing the binding time and by increasing the washing time and / or enrichment with the cognate ligand (hGH).offIt is assumed that it can be selectively weighted towards
[0201]
From time course analysis of wild type hGH-phagemid binding to immobilized hGHbp, less than 10% of the total hGH-phagemid particles that can be eluted in the final pH2 wash (see Example VIII for overall binding and elution protocol) Appear to bind after 1 minute incubation, but over 90% appear to bind after 15 minutes incubation.
[0202]
For “rapid binding selection”, phagemid particles from the pH0707B pool (selected twice independently for
[0203]
h GH mutant assay
The binding constants of some of these hGH mutants to hGHbp were expressed in free suppressor mutants in non-suppressor E. coli strains 16C9 or 34B8, the protein was purified and labeled from hGHbp in a radioimmunoprecipitation assay. Measured by assaying by competitive displacement of conjugated wt-hGH (see Example VIII). In Table XIII-A below, all variants are serine174Glutamate substituted by174And tyrosine176Phenylalanine substituted by176In addition to (E174S and F176Y), the hGH amino acids have the additional substitutions shown in the table at
[0204]
[0205]
In Table XIV below, hGH variants were selected from combinatorial libraries by the phagemid binding selection method. All hGH variants in Table XIV contain two background mutations (E174S / F176Y). HGH-phagemid pools from libraries pH0707A (Part A), pH0707B and pH0707E (Part B) or pH0707C (Part C) were screened in 2-7 cycles for binding to hGHbp. The value P indicates the fractional incidence of each variant type in a set of clones sequenced from each pool.
[0206]
[0207]
In Table XV below, hGH variants were selected from combinatorial libraries by the phagemid binding selection method. All hGH variants in Table XV contain two background mutations (E174S / F176Y). The value P is the fractional incidence of a particular variant in all clones sequenced after 4 cycles of rapid binding selection.
[0208]
[0209]
In Table XVI below, hGHbp (1-238) and either Mab5 or Mab263 are used.125Binding constants were determined by competitive displacement of I-labeled hormone H0650BD or labeled hGH. Mutation H0650BD appears to bind 30 times more tightly than wild type hGH.
[0210]
[0211]
Example XIII Selective enrichment of hGH-phage and non-substrate phage containing protease substrate sequences
As described in Example I, plasmid pS0132 contains the gene for hGH fused to residue Pro198 of gene III protein with the insertion of an extra glycine residue. This plasmid can be used to obtain hGH-phage particles in which the hGH-gene III fusion product is monovalently displayed on the phage surface (Example IV). This fusion protein contains the entire hGH protein fused to the carboxy-terminal domain of gene III by a variable linker sequence.
[0212]
To examine the possibility of using phage display to select a preferred substrate sequence for a protein hydrolase, a genetically engineered mutant of subtilisin BPN 'was used [Carter, P. et al.,Proteins: Structure, function and genetics 6: 240-248 (1989)]. This variant (hereinafter referred to as A64SAL subtilisin) contains the following mutations: Ser24Cys, His64Ala, Glu156Ser, Gly169Ala and Tyr217Leu. Since this enzyme lacks the essential catalytic residue His64, its substrate specificity is greatly limited and certain histidine-containing substrates are preferentially hydrolyzed [Carter et al.,Science 237: 394-399 (1987)].
[0213]
h GH - Substrate - Construction of phage vector
The sequence of the linker region in pS0132 is the oligonucleotide:
5'-TTC-GGG-CCC-TTC-GCT-GCT-CAC-TAT-ACG-CGT-CAG-TCG-ACT-GAC-CTG-CCT-3 '
Was used to create a substrate sequence for A64SAL subtilisin. This results in a protein sequence:
Phe-Gly-Pro-Phe-Ala-Ala-His-Tyr-Thr-Arg-Gln-Ser-Thr-Asp
Was introduced into the linker region between hGH and the carboxy-terminal domain of gene III (the first Phe residue in the sequence is hGH Phe191). Array:
Ala-Ala-His-Tyr-Thr-Arg-Gln
Is known to be a good substrate for A64SAL subtilisin [Carter et al. (1989); supra]. The resulting plasmid was named pS0640.
[0214]
h GH - Substrate - Selective enrichment of phage
Phagemid particles derived from pS0132 and pS0640 were made as described in Example I. In the first experiment, each phage pool (10 μl each) was added to oxirane beads (as described in Example II) in a buffer (100 μl) containing 20 mM Tris-HCl (pH 8.6) and 2.5 M NaCl. Preparation; 30 μl) and mixed separately. The binding and washing steps were performed as described in Example VII. The beads were then resuspended in the same buffer (400 μl) with or without 50 nM A64SAL subtilisin. After 10 minutes of incubation, the supernatant was collected and the phage titer (cfu) was measured. Table XVII shows that about 10 times more substrate-containing phagemid particles (pS0640) were eluted in the presence of enzyme than in the absence of enzyme, and for non-substrate phagemid (pS0132) in the presence or absence of enzyme. It shows that it elutes more than the case. Increasing enzyme, phagemid or bead concentration did not change this ratio.
[0215]
Improved selection enrichment method
In an attempt to reduce non-specific elution of immobilized phagemid, tightly binding hGH mutants were introduced into pS0132 and pS0640 instead of the wild type hGH gene. The hGH variant used is the variant described in Example XI (pH 0650 bp) and contains the mutations Phe10Ala, Met14Trp, His18Asp, His21Asn, Arg167Asn, Asp171Ser, Glu174Ser, Phe176Tyr and Ile179Thr. This results in two new phagemids: pDM0390 (contains tightly bound hGH, no substrate sequence) and pDM0411 (strongly bound hGH and substrate sequence Ala-Ala-His-Tyr-Thr-Arg-Gln) Containing) was constructed. Also, the binding wash and elution protocol was changed as follows:
(i) Binding: COSTAR 12 well tissue culture plates were coated with 2 μg / ml hGHbp in 0.5 ml / well sodium carbonate buffer (pH 10.0) for 16 hours. The plate was then incubated for 2 hours with 1 ml / well blocking buffer [phosphate buffered saline (PBS) containing 0.1% w / v bovine serum albumin] and 10 mM Tris-HCl (pH 7.5). ) Washed with assay buffer containing 1 mM EDTA and 100 mM NaCl. The phagemid was again prepared as described in Example I, the phage pool was diluted 1: 4 with the above assay buffer, and 0.5 ml of phage per well was incubated for 2 hours.
(Ii) Wash: The plate was washed thoroughly with PBS + 0.05
(Iii) Elution: The plate is incubated for 10 minutes in elution buffer consisting of 20 mM Tris-HCl (pH 8.6) +100 mM NaCl, and then the above buffer with or without 500 nM A64SAL subtilisin (0.5 ml). ) To elute the phage.
[0216]
Table XVII shows a dramatic increase in the proportion of specifically eluted substrate-phagemid particles compared to the method previously described for pS0640 and pS0132. This result is thought to be due to the tightly binding hGH mutant having a significantly lower off-rate for binding to hGH binding protein compared to wild type hGH.
[0217]
table XVII. Specific elution of substrate-phagemid by A64SAL subtilisin
Colony forming units (cfu) were assessed by plating 10-fold dilutions of phage (10 μl) onto 10 μl spots of XL1-Blue cells on LB agar plates containing 50 μg / ml carbenicillin.
[0218]
Example XIV Identification of preferred substrates for A64SAL subtilisin using selective enrichment of substrate sequence libraries
We tried to identify good substrate sequences from a library of random substrate sequences using the selective enrichment method described in Example XIII.
Construction of vector for insertion of randomized substrate cassette
A vector was designed that was suitable for the introduction of a randomized substrate cassette and subsequent expression of the substrate sequence library. The starting point was the vector pS0643 described in Example VIII. Oligonucleotide:
5'-AGC-TGT-GGC-TTC-GGG-CCC-GCC-GCC-GCG-TCG-ACT-GGC-GGT-GGC-TCT-3 '
Was used for site-directed mutagenesis, which introduced an ApaI (GGGCCC) and SalI (GTCGAC) restriction site between hGH and gene III. This new construct was named pDM0253 (the actual sequence of pDM0253 is
5'-AGC-TGT-GGC-TTC-GGG-CCC-GCC-CCC-GCG-TCG-ACT-GGC-GGT-GGC-TCT-3 '
And the underlined base substitution is due to pseudo-error in the mutant oligonucleotide). Also, the strongly binding hGH mutant described in the Examples was introduced by exchanging fragments derived from pDM0411 (Example XIII). The resulting library vector was named pDM0454.
[0219]
Preparation of library cassette vector and insertion of mutation cassette
To introduce the library cassette, pDM0454 was digested with ApaI and then with SalI and then 13% PEG8000 + 10 mM MgCl.2Precipitated with, washed twice with 70% ethanol and resuspended. This effectively precipitates the vector but leaves a small ApaI-SalI fragment in solution [Paithankar, K.R. and Prasad, K.S.N.,Nucleic Acids Research 19: 1346]. The product was run on a 1% agarose gel, the ApaI-SalI digested vector was excised, purified using the Bandprep kit (Pharmacia) and resuspended for ligation with the mutation cassette.
[0220]
The cassette to be inserted contained a sequence similar to the DNA sequence in the linker region of pS0640 and pDM0411, but had histidine and tyrosine residue codons in the substrate sequence replaced by randomized codons. We chose to replace NNS (N = G / A / T / C; S = G / C) at each of the randomized positions as described in Example VIII. The oligonucleotides used in the mutation cassette are
5'-C-TTC-GCT-GCT-NNS-NNS-ACC-CGG-CAA-3 '(cryptographic chain) and
5'-T-CGA-TTG-CCG-GGT-SNN-SNN-AGC-AGC-GAA-GGG-CC-3 '(unencrypted chain)
Met. This cassette also destroys the SalI site and thus digestion with SalI can be used to reduce the vector background. These oligonucleotides did not phosphorylate prior to insertion into the Apa-Sal cassette site. The reason for this is that the subsequent oligomerization of the cassette subpopulation was afraid that it could lead to false results with multiple cassette inserts. After annealing and ligation, the reaction product was phenol: chloroform extracted, ethanol precipitated and resuspended in water. Initially, digestion with SalI to reduce the background vector was not performed. As described in Example VIII, about 200 ng was electroporated into XL1-Blue cells to prepare a phagemid library.
[0221]
Selection of easily cleaved substrates from a substrate library
The selection method used is the same as described for pDM0411 and pDM0390 in Example XIII. After each round of selection, the eluted phage were transformed by transducing a culture of fresh XL1-Blue cells and growing a new phagemid library as described for hGH-phage in Example VIII. Allowed to grow. The progress of the selection method was monitored by measuring the titer of eluted phage and sequencing individual clones after each round of selection.
[0222]
Table A shows serial phage titers for elution in the presence and absence of enzyme after 1, 2 and 3 rounds of selection. The ratio of specifically eluted phage: nonspecifically eluted phage (ie phage eluted with enzyme: phage eluted without enzyme) has increased dramatically from
[0223]
Sequencing of 10 isolates from the starting library showed that all of these consisted of the wild type pDM0464 sequence. This is due to the fact that the SalI site is very close to the end of the DNA fragment after digestion with ApaI, thus leading to low efficiency digestion. Nevertheless, there are only 400 possible sequences in the library, so this population should still be noted.
[0224]
Tables B1 and B2 show the sequences of isolates obtained after
[0225]
Table A. Elution from initial phage pool and 3 rounds of selective enrichment
Titration of phage
Colony forming units (cfu) were assessed by plating 10-fold dilutions of phage (10 μl) onto 10 μl spots of XL1-Blue cells on LB agar plates containing 50 μg / ml carbenicillin.
[0226]
Table B1. Sequence of eluted phage after two rounds of selective enrichment
All protein sequences should be in the form AA ** TRQ (where * represents a randomized codon). In the table below, randomized codons and amino acids are underlined.
Table B2. Sequence of eluted phage after 3 rounds of selective enrichment
All protein sequences should be in the form AA ** TRQ (where * represents a randomized codon). In the table below, randomized codons and amino acids are underlined.
[Sequence Listing]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows a method for displaying large proteins on the surface of filamentous phages and a method for enriching modified receptor binding. Plasmid phGH-M13gIII was constructed in which the entire coding sequence of hGH was fused to the carboxy terminal domain of M13 gene III. Transcription of this fusion protein is under the control of the lac promoter / operator sequence and secretion is directed by the stII signal sequence. Phagemid particles are obtained by infection with “helper” phage M13KO7, and particles displaying hGH can be enriched by binding to an affinity matrix containing the hGH receptor. The wild type gene III (derived from M13KO7 phage) is illustrated by 4-5 copies of multiple arrows at the top of the phage, and the fusion protein (derived from phagemid phGH-M13gIII) is represented by the hGH folding figure (replaces the head of the arrow) Illustrated.
FIG. 2: Immunoblot of total phage particles shows that hGH co-migrates with phage. Phagemid particles purified with a cesium chloride gradient were applied to double wells and electrophoresed on a 1% agarose gel in 375 mM Tris, 40 mM glycine (pH 9.6) buffer. The gel was soaked in transfer buffer [25 mM Tris (pH 8.3), 200 mM glycine, 20% methanol] containing 2% SDS and 2% β-mercaptoethanol for 2 hours, and then 6 hours in transfer buffer. Rinse. The protein in the gel was then electroblotted onto an immobilon membrane (Millipore). The membrane containing a set of samples was stained with Coomassie blue to indicate the location of the phage protein (A). The membrane hGH was immunostained by reacting the double membrane with a polyclonal rabbit anti-hGH antibody and then with a horseradish peroxidase-conjugated goat anti-rabbit IgG antibody (B).
FIG. 3 is a diagram summarizing each step in the method for selecting an hGH-phage library in which
FIG. 4: A structural model of hGH derived from a 2.8-fold folding diagram of porcine growth hormone determined by crystallography. The positions of the residues in hGH that strongly modulate binding to hGH-binding protein are shown in shaded circles. Shown are alanine substitutions that cause a 10-fold or greater decrease in binding affinity (black circles), a 4-10 fold decrease (•), an increase (◯), or a 2-4 fold decrease (•). Spiral ring projection in the α-helix region revealed these polarities. Residues that are blackened, shaded, or unshaded indicate charge, polarity, or nonpolarity, respectively. In
FIG. 5: 172, 174 of hGH found after sequencing a large number of clones from
FIG. 6: Sequence from phage selected on hPRLbp-beads in the presence of zinc. The display is the same as described in FIG. Here, sequence concentration is unpredictable, but appears to be biased towards hydrophobic sequences under the most stringent (glycine) selection conditions (L, W and P residues are found in this pool a lot) .
FIG. 7: Sequence from phage selected on hPRLbp-beads in the absence of zinc. The display is the same as described in FIG. In contrast to the arrangement of FIG. 6, the arrangement here appears to be relatively hydrophilic. After 4 rounds of selection by hGH elution, two types of clones (ANHQ and TLDT / 171V) are present in the pool.
FIG. 8: Sequence from phage selected on blank beads. The display is the same as described in FIG. After 3 rounds of selection by glycine elution, no siblings were observed and the background level of non-functional sequence was retained.
FIG. 9: Construction of phagemid fl origin (ori) from pHO415. This vector for cassette mutagenesis and expression of hGH-gene III fusion protein was constructed as follows. Contains an origin of replication for pBR322 and fl, and under the control of the E. coli phoA promoter, an hGH-gene III fusion protein (residues 1-191 of hGH followed by one Gly residue, which is fused to gene III Pro-198 Plasmid pS0643 was constructed by oligonucleotide-directed mutagenesis of pS0132. The following oligonucleotides:
5'-GGC-AGC-TGT-GGC-TTC-TAG-AGT-GGC-GGC-GGC-TCT-GGT-3 '
Was used for mutagenesis. This oligonucleotide introduced a Phe-191 of hGH followed by an XbaI site (underlined) and an amber stop codon (TAG).
FIG. 10: A shows plasmid pDH188 insert containing DNA encoding light and heavy chains (variable and constant domain 1) of Fab humanized antibody directed against the HER-2 receptor. It is illustrated. VLAnd VHAre the variable regions of the light and heavy chains, respectively. CkIs the constant region of the human kappa light chain. CH1G1Is the first invariant region of the human γ1 chain. Both coding regions start with the bacterial stII signal sequence. B illustrates the entire plasmid pDH188 containing the insert shown in 5A. After introducing this plasmid into E. coli SR101 cells and adding helper phage, this plasmid is packaged into phage particles. Some of these particles display Fab-pIII fusions, where pIII is a protein encoded by M13 gene III DNA. The segment in this plasmid diagram corresponds to the insert shown in 5A.
FIG. 11A shows the nucleotide sequence (SEQ ID NO: 25) of DNA encoding 4D5 Fab molecule expressed on the surface of phagemid. The amino acid sequence of the light chain (SEQ ID NO: 26) is also shown as well as the amino acid sequence of the heavy chain pIII fusion (SEQ ID NO: 27).
FIG. 11B shows the nucleotide sequence (SEQ ID NO: 25) of DNA encoding the 4D5 Fab molecule expressed on the phagemid surface. The amino acid sequence of the light chain (SEQ ID NO: 26) is also shown as well as the amino acid sequence of the heavy chain pIII fusion (SEQ ID NO: 27).
FIG. 11C: shows the nucleotide sequence (SEQ ID NO: 25) of the DNA encoding the 4D5 Fab molecule expressed on the phagemid surface. The amino acid sequence of the light chain (SEQ ID NO: 26) is also shown as well as the amino acid sequence of the heavy chain pIII fusion (SEQ ID NO: 27).
FIG. 11D shows the nucleotide sequence (SEQ ID NO: 25) of DNA encoding the 4D5 Fab molecule expressed on the phagemid surface. The amino acid sequence of the light chain (SEQ ID NO: 26) is also shown as well as the amino acid sequence of the heavy chain pIII fusion (SEQ ID NO: 27).
FIG. 11E: shows the nucleotide sequence (SEQ ID NO: 25) of the DNA encoding the 4D5 Fab molecule expressed on the phagemid surface. The amino acid sequence of the light chain (SEQ ID NO: 26) is also shown as well as the amino acid sequence of the heavy chain pIII fusion (SEQ ID NO: 27).
FIG. 11F shows the nucleotide sequence of DNA encoding the 4D5 Fab molecule expressed on the phagemid surface (SEQ ID NO: 25). The amino acid sequence of the light chain (SEQ ID NO: 26) is also shown as well as the amino acid sequence of the heavy chain pIII fusion (SEQ ID NO: 27).
FIG. 11G shows the nucleotide sequence of DNA encoding the 4D5 Fab molecule expressed on the phagemid surface (SEQ ID NO: 25). The amino acid sequence of the light chain (SEQ ID NO: 26) is also shown as well as the amino acid sequence of the heavy chain pIII fusion (SEQ ID NO: 27).
FIG. 11H: shows the nucleotide sequence (SEQ ID NO: 25) of the DNA encoding the 4D5 Fab molecule expressed on the phagemid surface. The amino acid sequence of the light chain (SEQ ID NO: 26) is also shown as well as the amino acid sequence of the heavy chain pIII fusion (SEQ ID NO: 27).
FIG. 12 shows enrichment of wild-type 4D5 Fab phagemid from mutant Fab phagemids. A mixture of wild type phagemid and mutant 4D5 Fab phagemid in a ratio of 1: 1,000 was selected on plates coated with the extracellular domain protein of the HER-2 receptor. After each round of selection, a portion of the eluted phagemid was infected with E. coli to prepare plasmid DNA. The plasmid DNA was then digested with EcoRV and PstI, separated on a 5% polyacrylamide gel and stained with ethidium bromide. Bands were visualized under UV light. Bands attributed to wild type and mutant plasmids are indicated by arrows. The first round of selection eluted only under acid conditions. Subsequent rounds were eluted either by acid elution (left side of the figure) or a humanized 4D5 antibody wash step using the method described in Example VIII followed by acid elution (right side of the figure). Three mutant 4D5 Fab molecules were prepared. That is, H91A (VLThe amino acid histidine at position 91 of the chain was mutated to alanine; shown in “A” lane in the figure), Y49A (VLThe amino acid tyrosine at position 49 of the chain was mutated to alanine; shown in “B” lane in the figure), as well as Y92A (VLThe amino acid tyrosine at position 92 of the chain was mutated to alanine; shown in “C” lane in the figure). The amino acid position was counted according to Kabat et al. ("Protein sequence of immunological insert", 4th edition, USDept of Health and Human Services, Public Health Service, Nat'l. Institute of Health, Bethesda, MD (1987)].
FIG. 13: Scatchard analysis of RIA affinity measurements as described in the experimental protocol is shown. The amount of bound labeled ECD antigen is shown on the x-axis, and the numerical value obtained by dividing the amount bound by the amount released is shown on the y-axis. The slope of the line indicates Ka, and the calculated Kd is 1 / Ka.
Claims (10)
該ベクターは成熟コートタンパク質をコードしている遺伝子を含まず、及び
(i)完全なファージゲノムを含まず、及び/又は
(ii)該ベクターによる宿主細胞の形質転換はヘルパーファージの不存在下ではファージ粒子を作らず、及び/又は
(iii)mRNAの抑制可能な終止コドンをコードしているDNAトリプレットコドンが該第1及び第2の遺伝子の融合末端の間に挿入されているかまたは該遺伝子融合連結点に隣接するアミノ酸コード化トリプレットコドンの代わりに置換されているファージミド発現ベクター、
ただし、
(a)該ベクターは成熟コートタンパク質をコードしている遺伝子を含まず、
(b)完全なファージゲノムを含まず、
(c)該ベクターによる宿主細胞の形質転換はヘルパーファージの不存在下ではファージ粒子を作らない、
からなる群から選択される1つのみを、
(d)mRNAの抑制可能な終止コドンをコードしているDNAトリプレットコドンが該第1及び第2の遺伝子の融合末端の間に挿入されているかまたは該遺伝子融合連結点に隣接するアミノ酸コード化トリプレットコドンの代わりに置換されているファージミド発現ベクターと組み合わせて含むベクターを除く。A phagemid expression vector comprising a transcriptional regulatory element operably linked to a gene fusion encoding a fusion protein, the gene fusion comprising a first gene encoding a polypeptide and a phage coat protein A second gene encoding at least a portion of
The vector does not contain a gene encoding a mature coat protein, and
(I) does not contain the complete phage genome and / or
(Ii) transformation of host cells with the vector does not produce phage particles in the absence of helper phage and / or
(Iii) an amino acid-encoded triplet in which a DNA triplet codon encoding a repressible stop codon of mRNA is inserted between the fusion ends of the first and second genes or adjacent to the gene fusion junction A phagemid expression vector substituted for a codon,
However,
(a) the vector does not contain a gene encoding a mature coat protein;
(b) does not contain the complete phage genome,
(c) transformation of host cells with the vector does not produce phage particles in the absence of helper phage;
Only one selected from the group consisting of
(d) an amino acid-encoded triplet in which a DNA triplet codon encoding a repressible stop codon of mRNA is inserted between or adjacent to the fusion ends of the first and second genes Excludes vectors containing in combination with phagemid expression vectors substituted for codons.
(a)請求項1〜5のいずれかに記載のファージミド発現ベクターのファミリーを構築し(ここで、ファージミド発現ベクターは、変異体のポリペプチドをコードする変異体の第1遺伝子を含有する);
(b)ファージミド発現ベクターで適当な宿主細胞を形質転換し;
(c)該形質転換した宿主細胞を、組換えファージミド粒子を製造するのに十分な該ファージコートタンパク質をコードしている遺伝子を有するヘルパーファージに感染させ;
(d)請求項1〜5のいずれかに記載されるファージミド発現ベクターの1つの少なくとも一部を含有する組換えファージミド粒子の形成に適切でかつ宿主を形質転換しうる条件のもと、該形質転換して感染させた宿主細胞を培養し(ここで、その粒子表面に融合タンパク質の2コピー以上を表示するファージミド粒子の量又は数が、20%未満である);
(e)該組換えファージミド粒子を標的分子と接触させて、ファージミド粒子の少なくとも一部を該標的分子と結合させ;そして
(f)標的分子に結合するファージミド粒子を未結合の粒子から分離する;
工程を含む方法。A method for selecting a novel binding polypeptide comprising:
(a) constructing a family of phagemid expression vectors according to any one of claims 1 to 5 (wherein the phagemid expression vector contains a mutant first gene encoding a mutant polypeptide);
(b) transforming a suitable host cell with a phagemid expression vector;
(c) infecting the transformed host cell with a helper phage having a gene encoding the phage coat protein sufficient to produce recombinant phagemid particles;
(d) Under the conditions suitable for formation of recombinant phagemid particles containing at least a part of one of the phagemid expression vectors according to any one of claims 1 to 5 and capable of transforming a host, Culturing transformed and infected host cells, wherein the amount or number of phagemid particles displaying more than 2 copies of the fusion protein on the particle surface is less than 20%;
(e) contacting the recombinant phagemid particle with a target molecule to bind at least a portion of the phagemid particle to the target molecule; and
(f) separating phagemid particles that bind to the target molecule from unbound particles;
A method comprising the steps.
(f)結合したファージミド粒子を、該結合したファージミド粒子の少なくとも一部の結合アミノ酸配列を加水分解できるプロテアーゼと接触させ;そして
(g)加水分解したファージミド粒子を単離し;そして場合により、
(h)さらに、適切な宿主細胞を、その加水分解したファージミド粒子と接触させ、そして工程(d)〜(g)を繰り返すこと;
によって置換する請求項8に記載の方法。9. The method of claim 8, wherein the first gene encodes a polypeptide linked to a linker amino acid sequence, and the phagemid expression vector contains a mutant first gene encoding a variant linker amino acid sequence, Step (f)
(f) contacting the bound phagemid particle with a protease capable of hydrolyzing the bound amino acid sequence of at least a portion of the bound phagemid particle;
(g) isolating hydrolyzed phagemid particles; and optionally,
(h) further contacting a suitable host cell with the hydrolyzed phagemid particle and repeating steps (d)-(g);
The method of claim 8, wherein
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