JP3673977B2 - 止水性山留壁の構築方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、止水性山留壁の構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の柱列式の止水性山留壁は、多数本の杭を多少の寸法だけ重ね合わせる状態で並べて壁面を構築する方法である。
この構築方法では各杭の直径が頭部から先端まで同じ寸法で構成してあり、すべての断面において隣接する杭と杭を重ねて構築するものであった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
しかし実際の地層の堆積状態をみると、砂質土と粘性土が互層になっている場合が多く、地下水の流れがあるのは主に砂質土の層である。
したがって山留壁を止水性の高いものにする必要があるのは、主に地下水の流れのある砂質土層である。
しかるに公知の山留壁はその直径がすべて一定であり、全長にわたって同一寸法だけ隣接杭と重ね合わせて構築する方法であるから、止水壁を構築する必要のない粘性土層にも止水壁を構築するという不経済なものであった。
【0004】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、止水性の要求される部分にだけ、止水性の山留壁を構築することができる、経済的な止水山留壁の構築方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の止水性山留壁の構築方法は、地中に多数本の杭を隣接させて山留壁を構築する方法であって、止水性を必要としない深さ方向の区間では、杭と杭とを接触させて山留壁を構築し、止水性を必要とする深さ方向の区間では、杭と杭との断面を一部重ね合わせて山留壁を構築する、止水性山留壁の構築方法を特徴としたものである。
【0006】
【本発明の実施の態様】
以下図面を参照しながら本発明の止水性山留壁の構築方法の実施例について説明する。
【0007】
<イ>使用する装置。
本発明の構築方法では図2、3に示すような削孔装置を使用する。
すなわち、回転ロッド1の先端にスクリューヘッド12を設け、回転ロッド1の外周にはスクリュー11を取り付けた構造である。
先端のスクリューヘッド12と、後方のスクリュー11との間には、スクリューヘッド12よりも直径の大きい拡大翼13を取り付ける。
この拡大翼は、その基端をロッド1にピン14で取り付けてある。そして通常は拡大翼13はロッド1と平行に畳まれている。
必要のあるときには油圧の供給その他の方法によって拡大翼13をピン14を中心に90度回転させる。すると拡大翼13は外周に向けて突出し、スクリューヘッド12よりも大きい直径の削孔を行うことができる装置である。
なお、回転ロッド1の内部に硬化剤を圧送するパイプ15を貫通しておき、先端付近から外側に向けてセメントミルクやモルタルを吐出して周囲の土砂と混合してソイルセメントやモルタルの柱列山留壁を構築する工程は、公知の方法と同様である。
【0008】
<ロ>対象とする地盤。
前記したように本発明の構築方法の対象とする地盤は、砂質土と粘性土とが互層になっているような、透水層と不透水層とが交互に存在している地盤である。
このような地盤において、地中に多数本の杭を隣接させて柱列山留壁を構築する方法である。
【0009】
<ハ>不透水層の深さ方向の区間。
前記した削孔装置を使用して山留壁の構築を行うが、地盤の状況は事前のボーリングによって、どの深さ方向の区間の深さに粘土層、砂層が存在するか分かっている。
簡単にするために地表側に粘土層、中間に砂層、その下に粘土層が交互に存在する地盤を例として説明する。(図1)
地表側の粘土層は不透水性の地盤であるから、隣接する杭と杭とを重ねて構築する必要はない。そのために削孔装置の拡大翼13を使用することなく、先端のスクリューヘッド12の直径のまま掘削する。
このように、止水性を必要としない深さ方向の区間では、スクリューヘッド12の直径に等しい範囲で、杭と杭とが接点で接触するか、わずかに重ね合わせた状態で山留壁を構築する。したがってこの範囲では止水性は乏しく、土圧だけを負担できる柱列山留壁を構築することができる。
【0010】
<ニ>透水層の深さ方向の区間。
粘土層を貫通して砂層に至ると、この区間では柱列山留壁には止水性が要求される。そのために、止水性を必要とする深さ方向の区間に至った段階でスクリューヘッド12よりも大きい直径の拡大翼13を油圧などの作用によって拡大する。 すると、隣接する杭の範囲まで削孔することになり、杭と杭との断面はその一部を重ね合わせた状態の止水性の柱列山留壁を構築することができる。
以上の杭群は、内部にH鋼やコンクリート杭などの芯材を挿入して柱列山留壁の構築を終了する。
こうして柱列山留壁の深さ方向に、任意の区間だけを止水性を有する柱列山留壁とし、他の区間を止水性のない柱列山留壁として自由に選択して構築することができる。
【0011】
【本発明の効果】
本発明の止水性柱列山留壁の構築方法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>従来の柱列山留壁のように、全長にわたって同一の直径でオーバーラップさせて構築する必要がない。地下水の流出が予想される深さ方向の区間だけを止水性のある柱列山留壁として構築し、他の深さ方向の区間は止水性を備えない単に接触しているだけの柱列山留壁を構築すれば良い。
<ロ>このように対象地盤に応じた構造の切り替えを、一工程の連続作業で完成させることができる。そのために施工の作業時間を短縮することができ、工事費も大幅に低減することができる構築方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の止水性柱列山留壁の構築方法の実施例の説明図
【図2】削孔装置の実施例の説明図
【図3】削孔装置の拡大翼を拡大した状態の説明図
【発明の属する技術分野】
本発明は、止水性山留壁の構築方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の柱列式の止水性山留壁は、多数本の杭を多少の寸法だけ重ね合わせる状態で並べて壁面を構築する方法である。
この構築方法では各杭の直径が頭部から先端まで同じ寸法で構成してあり、すべての断面において隣接する杭と杭を重ねて構築するものであった。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
しかし実際の地層の堆積状態をみると、砂質土と粘性土が互層になっている場合が多く、地下水の流れがあるのは主に砂質土の層である。
したがって山留壁を止水性の高いものにする必要があるのは、主に地下水の流れのある砂質土層である。
しかるに公知の山留壁はその直径がすべて一定であり、全長にわたって同一寸法だけ隣接杭と重ね合わせて構築する方法であるから、止水壁を構築する必要のない粘性土層にも止水壁を構築するという不経済なものであった。
【0004】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、止水性の要求される部分にだけ、止水性の山留壁を構築することができる、経済的な止水山留壁の構築方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために、本発明の止水性山留壁の構築方法は、地中に多数本の杭を隣接させて山留壁を構築する方法であって、止水性を必要としない深さ方向の区間では、杭と杭とを接触させて山留壁を構築し、止水性を必要とする深さ方向の区間では、杭と杭との断面を一部重ね合わせて山留壁を構築する、止水性山留壁の構築方法を特徴としたものである。
【0006】
【本発明の実施の態様】
以下図面を参照しながら本発明の止水性山留壁の構築方法の実施例について説明する。
【0007】
<イ>使用する装置。
本発明の構築方法では図2、3に示すような削孔装置を使用する。
すなわち、回転ロッド1の先端にスクリューヘッド12を設け、回転ロッド1の外周にはスクリュー11を取り付けた構造である。
先端のスクリューヘッド12と、後方のスクリュー11との間には、スクリューヘッド12よりも直径の大きい拡大翼13を取り付ける。
この拡大翼は、その基端をロッド1にピン14で取り付けてある。そして通常は拡大翼13はロッド1と平行に畳まれている。
必要のあるときには油圧の供給その他の方法によって拡大翼13をピン14を中心に90度回転させる。すると拡大翼13は外周に向けて突出し、スクリューヘッド12よりも大きい直径の削孔を行うことができる装置である。
なお、回転ロッド1の内部に硬化剤を圧送するパイプ15を貫通しておき、先端付近から外側に向けてセメントミルクやモルタルを吐出して周囲の土砂と混合してソイルセメントやモルタルの柱列山留壁を構築する工程は、公知の方法と同様である。
【0008】
<ロ>対象とする地盤。
前記したように本発明の構築方法の対象とする地盤は、砂質土と粘性土とが互層になっているような、透水層と不透水層とが交互に存在している地盤である。
このような地盤において、地中に多数本の杭を隣接させて柱列山留壁を構築する方法である。
【0009】
<ハ>不透水層の深さ方向の区間。
前記した削孔装置を使用して山留壁の構築を行うが、地盤の状況は事前のボーリングによって、どの深さ方向の区間の深さに粘土層、砂層が存在するか分かっている。
簡単にするために地表側に粘土層、中間に砂層、その下に粘土層が交互に存在する地盤を例として説明する。(図1)
地表側の粘土層は不透水性の地盤であるから、隣接する杭と杭とを重ねて構築する必要はない。そのために削孔装置の拡大翼13を使用することなく、先端のスクリューヘッド12の直径のまま掘削する。
このように、止水性を必要としない深さ方向の区間では、スクリューヘッド12の直径に等しい範囲で、杭と杭とが接点で接触するか、わずかに重ね合わせた状態で山留壁を構築する。したがってこの範囲では止水性は乏しく、土圧だけを負担できる柱列山留壁を構築することができる。
【0010】
<ニ>透水層の深さ方向の区間。
粘土層を貫通して砂層に至ると、この区間では柱列山留壁には止水性が要求される。そのために、止水性を必要とする深さ方向の区間に至った段階でスクリューヘッド12よりも大きい直径の拡大翼13を油圧などの作用によって拡大する。 すると、隣接する杭の範囲まで削孔することになり、杭と杭との断面はその一部を重ね合わせた状態の止水性の柱列山留壁を構築することができる。
以上の杭群は、内部にH鋼やコンクリート杭などの芯材を挿入して柱列山留壁の構築を終了する。
こうして柱列山留壁の深さ方向に、任意の区間だけを止水性を有する柱列山留壁とし、他の区間を止水性のない柱列山留壁として自由に選択して構築することができる。
【0011】
【本発明の効果】
本発明の止水性柱列山留壁の構築方法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<イ>従来の柱列山留壁のように、全長にわたって同一の直径でオーバーラップさせて構築する必要がない。地下水の流出が予想される深さ方向の区間だけを止水性のある柱列山留壁として構築し、他の深さ方向の区間は止水性を備えない単に接触しているだけの柱列山留壁を構築すれば良い。
<ロ>このように対象地盤に応じた構造の切り替えを、一工程の連続作業で完成させることができる。そのために施工の作業時間を短縮することができ、工事費も大幅に低減することができる構築方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の止水性柱列山留壁の構築方法の実施例の説明図
【図2】削孔装置の実施例の説明図
【図3】削孔装置の拡大翼を拡大した状態の説明図
Claims (3)
- 地中に多数本の杭を隣接させて山留壁を構築する方法であって、
止水性を必要としない深さ方向の区間では、杭と杭とを接触させて山留壁を構築し、
止水性を必要とする深さ方向の区間では、杭と杭との断面を一部重ね合わせて連続して山留壁を構築する、
止水性山留壁の構築方法 - 地中に多数本の杭を隣接させて山留壁を構築する方法であって、
止水性を必要としない深さ方向の区間では、杭と杭とを接触させて山留壁を構築し、
止水性を必要とする深さ方向の区間では、杭と杭との断面を一部重ね合わせて連続して山留壁を構築し、
杭の全部または一部の内部には鋼材、コンクリート杭などを芯材として挿入して行う、
止水性山留壁の構築方法 - 地中に多数本の杭を隣接させて山留壁を構築する方法であって、
止水性を必要としない深さ方向の区間では、拡大しない掘削装置によって削孔して、
杭と杭とを接触させて山留壁を構築し、
止水性を必要とする深さ方向の区間では、大きい直径に拡大した掘削装置によって削孔して、
杭と杭との断面を一部重ね合わせて連続して山留壁を構築する、
止水性山留壁の構築方法
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11962496A JP3673977B2 (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | 止水性山留壁の構築方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11962496A JP3673977B2 (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | 止水性山留壁の構築方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09279569A JPH09279569A (ja) | 1997-10-28 |
JP3673977B2 true JP3673977B2 (ja) | 2005-07-20 |
Family
ID=14766056
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11962496A Expired - Fee Related JP3673977B2 (ja) | 1996-04-17 | 1996-04-17 | 止水性山留壁の構築方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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CN101793024B (zh) * | 2010-03-31 | 2011-08-24 | 中交二航局第三工程有限公司 | 基坑多头小直径深搅和高喷组合防渗墙的建造方法 |
CN110158626B (zh) * | 2019-06-20 | 2020-11-24 | 广东宏丰建设工程有限公司 | 一种止水帷幕结构 |
CN110512616A (zh) * | 2019-08-26 | 2019-11-29 | 中国十七冶集团有限公司 | 一种钢梁连接砼芯水泥土挡墙组合支护体系 |
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---|---|---|---|---|
JPH04203017A (ja) * | 1990-11-30 | 1992-07-23 | Taisei Corp | 柱列山留壁および施工方法 |
JP2842771B2 (ja) * | 1993-10-13 | 1999-01-06 | 株式会社テノックス | 節付きソイルセメントコラム築造装置 |
-
1996
- 1996-04-17 JP JP11962496A patent/JP3673977B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09279569A (ja) | 1997-10-28 |
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Legal Events
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