JP3669511B2 - 刺激−応答出力信号マトリックスの生成および分析のためのシステム - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明の分野は、ニューラルネットワークおよびエキスパートシステム等のコンピューターに基づく人工知能システムに適合させた刺激−応答信号プロファイルの生成および分析、ならびに全身性応答のモデルとしての上記プロファイルの使用である。
発明の背景
人工知能(AI)システムは、より高レベルの分析および決定プロトコルを用いて、データの蓄積、認識および格納機能を統合することができる。エキスパートシステムおよびニューラルネットワーク等のAIシステムは、定性分析において広い用途で使用され得る。典型的にはエキスパートシステムは、内蔵のデータベースと共働する知識ベースに従って分析される個々のデータ構造を生成する。例えば、最近司法審査にかけられたHollowayら(1993)の米国特許第5,253,164号, GMIC Inc, 34 USPQ2d 1389 (1995) を参照されたい。別な例である"MYCIN"は、個々の臨床評価を用いて個人のデータ構造を生成するコンピュータープロトコルである。この個人のデータ構造は、知識ベースに従って分析され、心筋梗塞が予測または診断され、そして入院が許可されるかが決定される(Goldmanら, (1988) New England Journal of Medicine 318, 797-803)。
ニューラルネットワークシステムとは、相互接続された処理エレメントのネットワークであり、各エレメントは多数の入力信号を受けることができ、1つの出力信号を発生する。ニューラルネットワークは、1セットのトレーニング用信号を入力し、応答と相関させる(correlating)ことにより訓練される。次に、訓練されたネットワークを使用して、新規な信号を分析する。例えば、ニューラルネットワークは、光学的文字認識および音声認識の応用に広範に用いられてきた(例えば、Colleyら(1993)、米国特許第5,251,268号)。
生体等の複雑な系の分析は、AIシステムに特に適している。他では処理しきれない複雑な刺激−応答パターンを、AIシステムを介して適用される推論プロトコルを用いて効果的に分析することができる。例えば、医薬品の開発は、薬剤の構造、形態または投与における改変に対する全身性応答の大規模な研究を必要とする。現在、このような全身性応答の知識は、生きた動物モデルによって通常提供されるが、こうした生きた動物モデルは、高価であり、限定的かつ比較的に情報性に乏しい出力信号(死亡、体重減少、等)を提供し、そして測定された生体応答の下に横たわる無数の生化学経路の抑制および活性化をしばしば覆い隠す。連結されたレポーターの活性化による特定の生物的効果を用いた、化合物の同定のためのin vitroの方法または細胞培養に基づく方法が多数記述されている(例えば、Gadskiら(1992) EP92304902.7 は、アポリポタンパク質の合成を制御する物質の同定方法を記述している;Evansら(1991)米国特許第4,981,784号はレポーターのリガンドを同定する方法を記述している;そしてFarrら(1994) WO 94/17208は、ストレスプロモーターを用いて化合物の毒性を測定する方法およびキットを記述している)。
本発明は、これらのアプローチを組み合わせて、in vitroの、または細胞培養に基づいた、全身性応答パターンの分析を提供する。特に、本発明は、情報性の高い刺激−全身性抑制および活性化応答パターンを発生させ、そして分析する高性能な方法を包含する。
発明の概要
本発明は、出力信号マトリックスデータベースを生成するためのシステムおよび方法、並びに候補の刺激および応答を相関させるための出力信号マトリックスデータベースとの比較により、出力信号マトリックスを分析するためのシステムおよび方法を提供する。
本発明による出力信号マトリックスデータベースの生成は、以下の工程を包含する。すなわち、(I)刺激された物理マトリックスを構築する工程と;(ii)物理マトリックスの各ユニットにおいて物理的信号を検出する工程と;(iii) 各物理的信号を変換し、対応する電気的出力信号を発生させる工程と;(iv) 各出力信号を、対応する物理マトリックスユニットのX座標値およびY座標値並びに刺激と関連づける(associating)出力信号マトリックスデータ構造中に格納する工程と;および(v)上記工程(I)〜(iv)を繰り返して、複数の刺激に対する出力信号マトリックスデータ構造を反復的(iteratively)に格納し、出力信号マトリックスデータ構造を刺激によりインデックス付けする(indexing)出力信号マトリックスデータベースを形成する工程と、を有する。
本発明による出力信号マトリックスデータベースとの比較による出力信号マトリックスの分析は、以下の工程を包含する。すなわち、(a)刺激された物理マトリックスを構築する工程と;(b)物理マトリックスの各ユニットにおいて物理的信号を検出する工程; (c)各物理的信号を変換し、対応する電気的出力信号を発生させる工程と(d)各出力信号を、対応する物理マトリックスユニットのX座標値およびY座標値並びに刺激と関連づける出力信号マトリックスデータ構造中に格納する工程と;および(e) (d)工程の出力信号マトリックスデータ構造を、上記の出力信号マトリックスデータベース生成方法によって生成した出力信号マトリックスデータベースと比較する工程とを含む。
刺激された物理マトリックスは、X座標値およびY座標値を有する複数のユニットの秩序立った配列(ordered array of units)からなる。各ユニットは、(1) ある生物の異なるレスポンダー(responder) 、または、このような異なるレスポンダーに対応するプローブ、および(2) 上記レスポンダーまたはプローブの識別子(identifier)を包含する。生物は、複数のユニットのレスポンダーを抑制することのできる刺激を受け、そして識別子はそのような異なるレスポンダーの抑制に対応する物理的信号を提供する。上記の配列は、生物のレスポンダー(これは遺伝子、遺伝子調節エレメント、遺伝子転写物または遺伝子翻訳物でありうる)の全レパートリー、または、生物の全レパートリーの内の予め定めた機能クラスまたはサブセットを含みうる。好ましい実施態様においては、上記配列は、作用機作に関わりなく刺激の作用を推論するに十分なレスポンダーの集合(ensemble)からなる。
【図面の簡単な説明】
図1は、マトリックス分析システムの一例の概観である。
図2は、出力信号マトリックスデータベースの生成において実行される工程を表すフローチャートである。
図3は、刺激された物理マトリックスを表す図である。
図4は、出力信号マトリックスデータ構造を生成し、そして該データ構造を出力信号マトリックスデータベースと比較する際に実行される工程を表すフローチャートである。
図5は、出力信号プロファイルを分析するのに用いうるエキスパートシステムの設計図である。
図6は、未知の刺激に対する遺伝子レポーターマトリックス出力応答プロファイル、制御テーブル(regulation tables)、基礎的レファレンス応答プロファイル、既知化学物質応答プロファイル、および既知遺伝子応答プロファイルの生成において実行される工程を表すフローチャートである。
図7は、未知の刺激に対する遺伝子レポーターマトリックス出力応答プロファイルの分析において実行される工程を表すフローチャートである。
発明の詳細な説明
本発明は、ニューラルネットワークおよびエキスパートシステム等のAIシステムを介して適用される推論プロトコルを用いた、生物的刺激−応答パターンの生成および分析方法に関する。このようなシステムは、例えば、生きた動物を用いる薬効試験に代わるin vitroまたは細胞培養の代替として使用可能である。図1は、本発明によるシステムの概要を示す。システム100は中央処理装置(CPU)110、コンピューターメモリー122、ユーザーインターフェース114、システムコミュニケーションバス112、および物理マトリックス出力信号変換サブシステム116を含む。サブシステム116は、刺激された物理マトリックス120ならびに物理マトリックス出力信号検出器および信号変換器118を含む。コンピューターメモリー122は、集められた出力信号マトリックスデータ構造を出力信号マトリックスデータベース124、比較関数126、およびしばしば知識ベース128の形で含む。
図2は、対応する刺激によって、N個の出力信号マトリックスデータ構造をインデックス付けする(indexing)出力信号マトリックスデータベースを生成する際に実行される工程を模式的に表す。第1の工程205では、第1の刺激に対応する第1の出力信号マトリックスデータ構造を生成するため、Nに1という整数値を割り当てる。
図2に示す方法の第2の工程210では、刺激された物理マトリックスを構築する。図3は、刺激された物理マトリックスを模式的に表す。刺激された物理マトリックス310は、X座標値およびY座標値を有する複数のユニットの秩序立った配列からなる。図3は、例示的に4個のユニット312を示しているのみであるが、実際にはマトリックスは典型的には100以上のユニットを有する。これらのユニットは一般的には固体基質の1領域(例えば、シリコンを基礎とするウエハーの表面の2次元部分)、マイクロタイタープレートの1ウェル、等である。各ユニットは、ある生物の異なるレスポンダー314、または、このような異なるレスポンダーに対応するプローブ316、および上記レスポンダーまたはプローブの識別子318を包含する。一般に、特定のマトリックスの全ユニットがレスポンダーを採用するか、または全ユニットがプローブを有する。さらに、最も簡易な検出およびデータ処理のために、特定マトリックスの全ユニットでは、同一の識別子を一般的に用いる。
生物(または生体)は、複数のユニット312のレスポンダー314を抑制することのできる刺激を受け、そして識別子318は、こうした異なるレスポンダー314の抑制に対応する物理的信号を提供する。広範な刺激に対する応答(これは通常、細胞性のものである)をモニターすることが可能である。刺激の例は、候補となった医薬作用物質、疑わしい病原性作用物質、トランスフェクトされた核酸、放射性エネルギー、等を含む。刺激は、対応するユニットにおける刺激前の出力信によって測定される、マトリックスの複数のレスポンダーの抑制(誘導の刺激前の状態と比較しての)を誘導する。典型的には、刺激はマトリックスを横切る抑制、サイレンスおよび誘導の複雑な応答パターンをもたらす。応答プロファイルは、薬剤の存在下におけるホメオスタシスを維持するための細胞の転写の(transcriptional)調整を反映する。したがって、広範な刺激が評価できる一方、インキュベーション条件(例えば、刺激強度、暴露時間、等)を調節して細胞のストレスを前もって排除し、そして医薬的に適切な応答プロファイルの測定を確実にすることが重要である。上記配列は、生物のレスポンダー〔これは遺伝子、遺伝子調節エレメント、遺伝子転写物または遺伝子翻訳物(タンパク質)でありうる〕の全レパートリー、または、生物の全レパートリーのうちのあらかじめ定められた機能クラスまたはサブセットを含みうる。生物の少なくとも0.5%、好ましくは少なくとも5%、より好ましくは少なくとも半分、最も好ましくは本質的に全部のレスポンダー(例えば、遺伝子調節領域)を組み込むことにより、生物(例えば動物)のin vitroまたは細胞培養モデルを得ることができる。好ましい実施態様においては、上記配列は、生物の全身性応答のモデルを作り、そして作用機作に関わりなく刺激の作用を推論するに十分なレスポンダーの集合からなる。
レスポンダーと識別子の間の結合部320の性質は、マトリックスの適用により異なる。例としては、遺伝子発現についてレポートするマトリックスの各ユニットは、異なる転写プロモーターに機能しうる形で連結されたレポーター遺伝子の構築物を有する細胞を含むかもしれない;あるいは、遺伝子発現についてレポートするマトリックスの各ユニットは、対応する異なるレポーター転写物にハイブリダイズ可能な異なるオリゴヌクレオチドプローブを含むかもしれない;DNA−タンパク質相互作用についてレポートするマトリックスの各ユニットは、標的とされた転写因子結合部位に機能しうる形で連結されたレポーター遺伝子の第1構築物、および異なる構造遺伝子に融合した転写活性化ドメインをコードする第2のハイブリッド構築物を有する細胞を含むかもしれない(一次元一ハイブリッド系マトリックス);タンパク質−タンパク質相互作用についてレポートするマトリックスの各ユニットは、標的とされた転写因子結合部位に機能しうる形で連結されたレポーター遺伝子の第1構築物、異なる構造的に発現される遺伝子に融合した転写活性化ドメインをコードする第2のハイブリッド構築物、および、さらに異なる構造物に発現される遺伝子に融合したDNA結合ドメインをコードする第3の構築物を有する細胞を含みうる(二次元二ハイブリッド系マトリックス)。図2に示す方法の第3の工程212は、物理マトリックスの各ユニットにおける物理的信号を検出する工程を含む。物理的信号は、レスポンダーおよび/または識別子の性質に依存する。典型的には、信号とはユニットにおける1つ、またはそれ以上の電磁気特性、特に光学特性における変化である。例としては、レポーター遺伝子は、ユニットにおける光吸収特性を変化させる反応を触媒する酵素をコードすることができる;放射性標識された、または蛍光タグで標識されたヌクレオチドを新生転写物に組み込んで、オリゴヌクレオチドプローブと結合した時にこれを同定することができる、等である。光学信号、放射性信号等の信号用の電子検出器は市販されている。例えば、図1は自動化されたELISAリーダーに類似した、内蔵のマイクロタイタープレート型物理マトリックス120を読む自動化されたマルチウエル比色検出器118を示す。一般的に、この方法は、第1強度と再び第2強度での候補の刺激に応答するマトリックスの各ユニットにおけるレポーターの信号の検出を含む。しばしば、強度の1つはゼロ、または少なくとも細胞のいずれかに対して影響を及ぼすのに必要なしきい値に満たない。例えば、信号は、マトリックスの細胞を候補の医薬作用物質と共に一定時間、細胞が該作用物質の存在に応答するのに十分な条件下でインキュベートする前および後に検出することができる。信号はまた、刺激強度または期間、存続時間(動的応答分析の場合)、等の他の変数の関数としてモニターすることができる。
図2に示す方法の第4の工程214は、各ユニットにおける物理的信号を変換して対応する電気的出力信号を発生させる工程を含む。一般に、この信号変換はデジタル信号への線形電子的変換である。線形信号変換が可能な電子的変換器は市販されている。図1に示す物理マトリックス出力信号検出器および信号変換器118は、こうした変換機能を有する。
図2に示す方法の第5の工程216は、各出力信号を、各出力信号と対応する物理マトリックスユニットのX座標値およびY座標値並びに刺激とを関連づける出力信号マトリックスデータ構造のメモリー内に格納する工程を含む。図1に示すように、データ構造は、コンピューター110のメモリー122内の出力信号マトリックスデータベース124という形で格納することができる。
図2に示す方法の第5工程の後、手順は決定ブロック218に進む。全ての必要なデータ構造が完成されていない場合は、手順は工程220に進む。ここでは、nはインクリメントされ、データ構造生成工程210〜216がn+1番目の刺激された物理マトリックスについて繰り返される。図2に示す方法の第5工程の後に、全ての必要なデータ構造が完成された場合は、手順は工程222に進む。工程222は、出力信号マトリックスデータ構造を刺激によりインデックス付けする出力信号マトリックスデータベースを形成する工程を含む。この編纂工程は、通常、各ユニットにおけるレポーター信号に対応するアナログ信号をデジタル化し、各デジタル化信号とマトリックスユニット識別子とを対にし、そしてこの対を出力信号データベースとしてコンピューターのメモリーに格納することを含む。
図4は、出力信号マトリックスデータ構造を生成し、そして該データ構造を、N個の出力信号マトリックスデータ構造を対応する刺激によりインデックス付けする出力信号マトリックスデータベースと比較する際に実行される工程を表すフローチャートである。
最初の4つの工程410、412、414および416は、図2の工程210、212、214および216について記述した通りである。具体的には、この方法の工程410では、刺激された物理マトリックスを構築する;第2工程412では、物理マトリックスの各ユニットにおける物理的信号を検出する;第3工程414では、各物理的信号を変換して対応する電気的出力信号を発生させる;そして、この方法の第4工程416では、各出力信号を出力信号マトリックスデータ構造中にメモリーとして格納する。この方法の第5工程418では、工程(d) の出力信号マトリックスデータ構造を、先に記述した出力信号マトリックスデータベース生成方法によって生成した出力信号マトリックスデータベースと比較する。この比較工程は、一般に、AI技術を用いたコンピューターシステムによって実行される。例えば、図1のシステム100は、中央処理装置ならびに、出力信号マトリックスデータベース124および比較関数126を格納しているメモリー122と共働するユーザーインターフェース114を示す。ここで比較関数126は、例えば未知の出力信号マトリックスをデータベース124と比較して関与した刺激の作用機作および特徴を推論するためのAI技術を提供する。例えば、比較規則(comparison rules)の入力知識ベースを用いたエキスパートシステム、または既知の刺激−応答対の集団について訓練したニューラルネットワークが使用可能である。
特に、図5は出力信号マトリックスデータ構造を出力信号マトリックスデータベースと比較するのに用いうるエキスパートシステム500を模式的に示す。このようなシステムは、ハードウエアまたはソフトウエアにおいて達成可能である。知識ベース510は出力信号マトリックスデータベースおよび一連の比較規則からなる。システムインターフェース514は、データベースおよび疑問のデータ構造または疑問の刺激についてライブラリーデータ構造の入力を可能とする。推論エンジン(inference engine) 512は、内蔵の知識ベースのデータベースに照らして比較するためのデータ構造を知識ベースの規則に従って処理して、相関関係(correlates)並びに定性的および/または定量的推論分析の結果を生成するコンピュータープログラムである。このような分析は、Basic Local Alignment String Transformer (BLAST)サーチ・レポート、Altschulら, (1990) Basic Local Alignment Search Tool, J. Mol. Biol. 215, 403-410におけるように、順位をつけた1セットの対(match)(各対は識別子および相関性スコアを含む)として好都合にアウトプットされる。
本発明の特定の実施態様は、実質的に包括的な遺伝子レポーターマトリックスまたはゲノムレポーターマトリックスである。このような実質的に包括的なマトリックスは生物の遺伝子の少なくとも過半数を含み、そして好ましい実施態様においては、標的生物の異なる遺伝子を本質的に全部含む。サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)等の酵母は真の真核細胞であるので、酵母とヒト細胞の間にはステロール生合成経路からRasガン遺伝子にいたるまで殆んどの経路において生化学的機能の実質的保存が存在する。実際、効果的な抗真菌化合物が多数存在しないことは、優先的に真菌を殺すがヒト細胞を殺さない医薬標的を見いだすのがどれほど困難であったかを説明している。
共通の応答経路の一例は、ステロール生合成である。ヒト細胞においては、薬物Mevacor(ロバスタチン)がステロール生合成経路の重要な調節酵素であるHMG-CoA還元酵素を阻害する。その結果、特定の調節ステロールのレベルが低下し、細胞はLDL受容体をコードする遺伝子の転写を増大させることにより応答する。酵母においても、MevacorはHMG-CoA還元酵素を阻害し、重要な調節ステロールのレベルを低下させる。酵母細胞は、ヒト細胞と類似した様式で応答する。しかし、酵母はLDL受容体の遺伝子を持たない。その代わり、同一の効果が、アセトアセチルCoAチオラーゼ(これもステロール合成に関与する酵素である)をコードするERG10遺伝子の転写の増大によって測定される。このように、応答する遺伝子の同一性は異なるが、酵母とヒトの間で調節応答は保存されている。
ゲノムレポーターマトリックスを、細胞に基づく遺伝子産物レポーターシステムを用いて以下に説明する。しかし、本明細書に記述する他の種類の刺激された物理マトリックスも使用可能である。酵母の約6000個の遺伝子に対するレポーター遺伝子の包括的なコレクション(collection)からなるゲノムレポーターマトリックスは、細胞の機能に影響する如何なるものに対しても、単一遺伝子の調節応答を信号で知らせる。例えば、ERG10レポーターの産生の増大は、ステロール合成のインヒビターの存在を知らせるであろう。実際には、酵母ゲノムレポーターマトリックスは、各株が酵母遺伝子とレポーター遺伝子との単一の遺伝子融合を含有する、数千の酵母株のコレクションを用いて作成することが可能である。ある態様においては、酵母遺伝子プロモーターの活性がβ−ガラクトシダーゼの合成を引き出すことができるように、レポーター融合体はlacZ遺伝子が酵母遺伝子と融合したハイブリッド遺伝子であろう。これらの融合遺伝子含有株は、マイクロタイタープレートに好都合に整列させて液体培養され、永久コレクションは-80℃に維持される。このコレクションのコピーを作成し、単純な技術により増殖させることができる。そして、市販のロボット工学を用いて自動化することが可能である。株の全コレクションへのインヒビターの添加は、幾つかの株においてはレポーターの発現に何ら変化をもたらさず、幾つかの株においては発現の増大をもたらし、そして他の株においては発現の減少をもたらす。各株において報告されている遺伝子が何であるかを知ることにより、ゲノム全体にわたる応答が解明される。
この方法の威力は例によって最も良く説明される。製薬産業によって現在実施されているHMG-CoA還元酵素インヒビターに関するin vitroアッセイと、ERG10レポーターによって示されるステロール生合成のインヒビターに関するアッセイの相違を考えてみられたい。前者の場合、情報はこの1個の酵素をたまたま阻害する稀な化合物についてのみ得られる。対照的に、ERG10レポーターの場合、ステロール生合成経路の約35工程のうち殆どいずれを阻害する化合物もレポーターの合成を誘導するのである。したがって、レポーターは精製酵素が検出できるよりも遙に広い範囲の標的を検出できる(この場合、in vitroアッセイの35倍)。
薬物はしばしば、標的特異性の欠如が部分的に原因となっている副作用を有する。しかし、HMG-CoA還元酵素のin vitroアッセイは化合物の特異性に関する情報を何らもたらさない。対照的に、ゲノムレポーターマトリックスは、該化合物に影響されるゲノム中の他の遺伝子のスペクトルを明らかにする。両者ともERG10レポーターを誘導する2つの異なる化合物を考えた場合、第1の化合物が5個の他のレポーターの発現に影響を及ぼし、第2の化合物が50個の他のレポーターの発現に影響を及ぼすならば、第1の化合物は副作用がより少ないと推定的に考えられる。レポーターが何であるかは分かっているか、または決定可能であるので、影響を受ける他のレポーターに関する情報は副作用の性質について知識を与える。レポーターのパネル(panel)を用いてリード(lead)化合物の誘導体を試験し、誘導体のうちどれが最初の化合物より大きい特異性を有するかを決定することが可能である。
別の例として、HMG-CoA還元酵素に関するin vitroアッセイに影響を与えず、またERG10レポーターの発現を誘導しない化合物の場合を考えてみられたい。薬物発見のための伝統的アプローチでは、試験されている標的を阻害しない化合物は、何ら有用な情報を提供しない。しかし、生物的プロセスに対して何らかの有意な効果を有する化合物は、一般に、遺伝子発現に何らかの重要性を有する。よってゲノムレポーターマトリックスは、殆どの化合物について2つの異なる種類の情報を提供することができる。ある場合においては、インヒビターによって影響されるレポーター遺伝子が何であるかが、インヒビターがいかに機能するかを立証する。例えば、酵母においてcAMP依存性プロモーターを誘導する化合物は、Ras経路の活性に影響を及ぼしうる。化合物が一組の遺伝子の発現に影響を及ぼすが、これら遺伝子が該化合物の作用を立証しない場合においても、上記マトリックスは化合物の作用の包括的評価を提供する。そして、その評価は後の分析のためデータベースに格納することができる。化学の分野で化学スペクトル大要(Spectral Compendiums)が絶え間なく参照されているように、このような応答プロファイルのライブラリーを絶え間なく調査することができる。例えば、データベースが化合物Xは遺伝子Yの発現を変更することを示し、そして遺伝子Yの発現は、例えばイノシトールリン酸シグナル経路に対して感受性であると報告する論文が刊行されている場合、化合物Xはイノシトールリン酸シグナル経路を調節する候補である。事実上、ゲノムレポーターマトリックスは、ある遺伝子に関する情報を該遺伝子の発現に影響を及ぼすことが判明しているかもしれない化合物の所へ直接持っていく情報の翻訳者である。この道具は、薬物開発の研究および発見期間を劇的に短縮するに相違なく、そして全ての遺伝子に関する公的に利用可能な研究ポートフォリオ(portfolio)の価値に効果的にてこ入れをするであろう。異なるアッセイの連続的な開発を必要とする現存のアプローチとは対照的に、ゲノムレポーターマトリックスは全てのインヒビターの効果を同一のアッセイを用いて測定する。
ゲノムレポーターマトリックスは、3クラスのレポーターから構成することができる。すなわち、PCR技術によって構築された、遺伝子のサブセット(これは理解されており、その発現は細胞全体にわたって生理的変化を最も良く示す)と融合している100のレポーター遺伝子融合体;殆どの酵母遺伝子との融合体を含むに十分複雑な整列されたランダムライブラリー;遺伝子的に感作された株のコレクション中の、特定経路への影響に対して株を感作する突然変異を有する重要な遺伝子に対するレポーター、である。例えば、第1のクラスのレポーターは、β−ガラクトシダーゼをコードする配列が興味のある遺伝子の開始コドンに融合している、完全なlacZ翻訳融合体として設計される。このような融合体は、転写における変化、または翻訳における変化による発現レベルの変化を検出することができる。この方法により検出される遺伝子は、細胞サイクル機能への影響をモニターするHO遺伝子;マップキナーゼカスケード(map kinase cascades)の1つにおける変化を検出するFUS1遺伝子;ステロース生合成経路における変化をレポートするERG10およびHMG-CoA還元酵素;電荷を帯びたアミノアシルtRNAのレベルをサポートするGCN4;レトロポソンの発現レベルをレポートするTy1;酵母JUNがん遺伝子相同体への影響をレポートするHIS3発現;ヘム生合成の阻害をレポートするHMG2;RAS経路、他のマップキナーゼカスケードの活性、リン脂質活性のレベル、等をレポートする遺伝子を含む。
多くの場合、興味のある薬物は、遺伝子発現への影響を推定的に知ることのできないタンパク質標的に作用する。例えば、可能性のある乳癌療法における最近の進歩であるタキソール(taxol)は、チューブリンに基づく細胞骨格要素を阻害することにより機能すると考えられている。ゲノムレポーターマトリックスのどの遺伝子がチューブリンに基づく微小管細胞骨格のインヒビターによって誘導または抑制されるのかという知識がなくても、ゲノムレポーターマトリックスを用いてそれを確認することが可能である。具体的には、優性突然変異形態のチューブリンをゲノムレポーターマトリックスの全株に導入し、そして微小管細胞骨格を阻害する優性突然変異体の影響を各レポーターについて評価する。この遺伝子的アッセイは、類似の作用機作を有する薬物によってどの遺伝子が影響を受けるであろうかを我々に教える。タキソールの場合、同じ情報を得るために薬物そのものを用いることが可能であった。しかし、上記の例は、タキソール自体が利用できなくても、遺伝子学を用いてゲノムレポーターマトリックスにおける応答プロファイルがいかなるものであるか、あらかじめ決定することができることを示している。さらに、応答する遺伝子のいずれについてもそれが何かを知る必要はない。その代わり、突然変異体チューブリンを用いた遺伝子コントロールは、ゲノムを応答する遺伝子と応答しない遺伝子に分類する。したがって、アクチン細胞骨格を破壊する薬物が望まれる場合は、ゲノムレポーターマトリックスに導入された優勢なアクチン突然変異体が、そのような作用物質に対してどのような応答プロファイルを予想すべきかを明らかにする。
薬物開発における最も重要な進歩には、化学物質ライブラリーのコンビナトリアル合成(combinatorial synthesis)における進歩が挙げられる。精製された標的酵素を用いる従来の薬物スクリーニングにおいて、コンビナトリアルケミストリーはしばしばリード化合物の新しい誘導体(これも標的酵素を阻害するが、何らかの異なる、そして望ましい特性を有する)の作出を助けることができる。しかし、従来の方法は、本質的に異なる特異性を有する分子を認識することはしない。ゲノムレポーターマトリックスは、コンビナトリアルライブラリーにおいて新規な特異性を認識するための簡単な解決を提供する。具体的には、新規化合物のプールを、マトリックス全体にわたる混合物として試験する。そのプールが、最初のリード化合物に存在しない何らかの新規な活性を有する場合、レポーター中の新規な遺伝子が影響を受ける。その遺伝子が何であるかは、新規化合物の標的へのガイドを提供する。さらに、上記マトリックスは、殆どの化学合成における共通の弱点を埋め合わせるさらなる利点を提供する。具体的には、殆どの合成は所望の産物を大量に、そして合成における副反応による汚染物としての他の関連産物の集合として生産する。伝統的には、汚染物への解決策は精製してそれらを除くことである。しかし、ゲノムレポーターマトリックスはこれら汚染物の存在を利用する。合成は、より多数の副反応およびより多くの汚染物に対してその特異性を低下させるように調整して、全合成物のうちの何かが興味のある標的遺伝子の発現に影響を及ぼすかどうかを決定することができる。混合物の成分で特定のレポーターに対して所望の活性を有するものが存在する場合は、そのレポーターを用いて所望の成分の混合物からの精製をアッセイすることができる。事実上、レポーターマトリックスは、単一遺伝子に対する影響に焦点をあてた研究に、試験される混合物の不純を埋め合わせさせる。
イソプレノイド類はゲノムレポーターマトリックスにとって特に魅力的なクラスである。天然において、イソプレノイド類は信号を発する分子の王者である。イソプレノイド類は、ステロール生合成において中間体とされる5炭素化合物イソプレンの誘導体である。イソプレノイド類は最も有名な芳香、色素、および他の生理活性化合物(例えば抗真菌性セスキテルペノイド等)の多くを含む。およそ10,000個の特徴づけられたイソプレン誘導体が存在し、そして多くのより可能性のある誘導体が存在する。天然においてこれらの化合物は生物的プロセスを信号で知らせるのに使用されるので、それらは最良の膜透過性分子を含むものと思われる。
イソプレンは、ゲノムレポーターマトリックスによる薬物発見に良く役に立つ別の特徴を有する。純粋なイソプレノイド化合物は、炭化水素鎖における二重結合の特別な配置により、化学的に処理して異なる化合物の幅広い混合物を迅速かつ容易に創出することが可能である。事実、イソプレノイド類は、野生型遺伝子を突然変異させて多数の突然変異体にすることができるように、1つの形から多数の異なる形に突然変異させることができる。例えば、ミルクを強化するのに使用されるビタミンDは、エルゴステロールとして知られているイソプレン誘導体を紫外線照射することにより製造される。新規な生物的に活性なイソプレノイド類は、ゲノムレポーターマトリックスを用いて以下のように作成され、分析される。まずリモネン等の純粋なイソプレノイドを試験して、マトリックス全体にわたる応答プロファイルを確認する。次に、このイソプレノイド(例えばリモネン)を化学的に変化させ、異なる化合物の混合物を創出する。次にこの混合物をマトリックス全体にわたり試験する。何らかの新しい応答が観察されたならば、その混合物は新規な生物的に活性な種を有する。さらに、レポーター遺伝子が何であるかは、新規な活性種が何をするか、その精製をモニターするために用いるべき活性、等に関する情報を提供する。このアプローチは、イソプレノイド類の他に、突然変異させることのできる他の異なる化学物質ファミリーにおいても実施可能である。
真菌は植物および動物の重要な病原体であり、多数の食用作物の生産および動物(ヒトを含む)の健康に重大な影響を及ぼす。抗真菌性化合物の開発において、大きな目標の1つは、どの対象化合物が感染している真菌に対して特異的かを決定することであった。ゲノムレポーターマトリックスはこの問題を解決するための新しい道具を提供する。具体的には、クリプトコックス、カンジダ、アスペルギルス、ニューモシスティス、等の標的病原体からレポーターライブラリーを創出する。各レポーター遺伝子が何であるかを知る必要はないし、また標的種のゲノムを配列決定する必要もない。真菌中の任意の遺伝子の発現に影響を及ぼすものについて化合物を試験する。次に、これら陽性化合物を、サッカロマイセスに対して全く、または殆ど影響を及ぼさないものについて試験する。標的真菌において特異的に影響されたレポーター遺伝子の配列を決定し、そしてGenbankにある他の配列と比較することにより、標的種に独特な生化学経路を同定することができる。同定される有用な産物は、標的真菌を殺す作用物質を含むばかりでなく、他の医薬品スクリーニングアッセイのための上記真菌における特異的標的の同定をも含む。
細菌を殺す化合物の同定は、数十年にわたり製薬産業によって上首尾に遂行されてきた。ペトリ皿を用いたスポットテストにより細菌を殺す化合物を見つけることはかなり単純である。しかし、細菌の生理および生態には、細菌に関する、そして実際には細菌細胞を殺さない化合物に関する組合せ療法の開発を危うくしうる非常な複雑さがある。例えば、尿道に侵入し、房(fimbrae)として知られる巧妙な表面付着によりそこに残存する細菌を考えてみられたい。尿流中の抗生物質は、細菌への接近が制限されている。なぜなら、尿流は短命で、頻繁ではないからである。しかし、房の合成をブロックして細菌を引き離すことができれば、既存の療法はより有効になるであろう。同様に、細菌の化学走性機構を麻痺させたならば、有効な感染を確立する細菌の能力は幾つかの種においては弱められるであろう。例えば化学走性または房の合成に関与する遺伝子の発現に関するレポーターを有する、細菌性病原体のためのゲノムレポーターマトリックスは、スポットテストで細菌を殺す化合物のみならず、病原体の生物学における重要な工程を阻害する化合物をも同定する。これらの化合物は、従来の手段では見いだすのが極めて難しいであろう。
ヒト細胞に基づくゲノムレポーターマトリックスは、多数の重要な用途を提供する。例えば、興味深い用途は抗ウイルス性化合物の開発である。ヒト細胞が広範なウイルスに感染すると、細胞は複雑な方法で応答し、その応答の構成要素のうちわずか2〜3のものが同定されているにすぎない。たとえば、2本鎖RNaseが誘導されるにつれ、特定のインターフェロンが誘導される。これらの応答は両方ともそれぞれ何らかの保護手段をもたらす。インターフェロン遺伝子および2本鎖RNaseの誘導をレポートするマトリックスは、ウイルスが到達する前に予防的に細胞を保護することができる化合物を検出することができる。他の保護的効果が並行して誘導されうる。一団の他のレポーター遺伝子をマトリックスに組み込むことが、最も高い特異性を有する化合物を同定するのに用いられる。
本明細書に記述するゲノムレポーターマトリックスの使用に関する方法は、本質的には上記の通りである。具体的には、そのようなゲノムレポーターマトリックス出力信号データベース(これはN個の出力信号マトリックスデータ構造を、対応する刺激によりインデックス付けしている)を生成して分析する際に実施される工程は、図1および4に示す一般的な方法の工程と同様である。第1および第2工程は、それぞれ、第1の出力信号マトリックスデータ構造を生成するためnに1という整数値を割り当てる工程、および刺激された物理的ゲノムレポーターマトリックスを構築する工程である。この実施態様において、刺激された物理マトリックスは典型的には、X座標値およびY座標値で秩序づけられて並べられた96個のウエルを有するマイクロタイタープレートからなる。各ウエルは、異なる転写プロモーターに機能しうる形で連結されたレポーター遺伝子の構築物を有する1個の細胞または細胞コロニーを含有する。上記プロモーターを抑制して複数のウエルにおいてレポーターの発現を減少させることのできる刺激を細胞に与える。遺伝子レポーターマトリックス法の第3工程は、各ウエルにおけるレポーター発現により生じる物理的信号の検出を行う。一般に、レポーター遺伝子は分光法により便利に検出される反応生成物をもたらすlacZ等の酵素をコードする。第4工程は、各ウエルにおける光学的レポーター信号を線形に(linearly)変換して対応するデジタル電気出力信号を発生させる工程である。そして、第5工程は各電気的出力信号を、各出力信号を対応するマイクロタイタープレートウエルの座標および刺激と関連づける遺伝子レポーター出力信号マトリックスデータ構造としてコンピューターメモリーに格納する工程である。工程5の後、手順は決定ブロックに進む。必要なデータ構造が全て完成されていない場合は、Nがインクリメントされ、そしてデータ構造生成工程1〜5がN+1番目の刺激されたゲノムレポーターマトリックスについて繰り返される。第5工程の後に、全ての必要なデータ構造が完成された場合は、手順は出力信号マトリックスデータ構造を刺激によりインデックスする出力信号マトリックスデータベースを形成する工程に進む。未知の刺激(例えば、薬物候補)の分析には、先に記述したようなAIシステムを用いて未知の刺激への応答(通常は希釈物シリーズ)をデータベースと比較する。
図6は、未知の刺激に対する遺伝子レポーターマトリックス出力応答プロファイル、制御テーブル(regulation tables)、基礎的レファレンス応答プロファイル、既知化学物質応答プロファイル、および既知遺伝子応答プロファイルの生成において実行される工程を示す。
ゲノムレポーターマトリックス610を生成するため、lacZ融合体の1セットを酵母遺伝子の包括的セットに構築する。一般に、融合体はa/a交配型の二倍体細胞を用いて構築し、交配による優性突然変異の導入を可能とする。しかし、特定の機能に対して特に感受性の高いレポーターの場合は半数体株も使用される。融合体は、個々の融合体を明確なX座標値およびY座標値を有するユニットに分離するグリッド(grid)上に並べられる。遺伝子同定関数612は、レポーターによってタグづけされた各遺伝子について、融合部位に隣接する短い配列を決定することにより実行される。次に、その配列を酵母ゲノムデータベースと比較し、該遺伝子が何であるかを確立する。インデックステーブル614は、マトリックス内の各遺伝子を、その遺伝子に対する融合構築物のX−Y座標値に関連づけて確立される。
基本応答決定関数616は、種々の物理的条件下(温度およびpH、培地および重量オスモル濃度、等)でマトリックス内の各細胞の基本応答を測定することにより実行される。この情報はマトリックスに対してインデックスづけられ、レファンス応答プロファイルセット618を形成する。これは、刺激が与えられるかもしれない任意の環境に対する各レポーターの応答を測定するのに用いられる。
化合物処理関数620は、マトリックスの各ユニットを試験化合物に接触させることにより実行される。一般に、全マトリックスのコピーが、第1の目的の化合物を含有する新鮮な培地に移され、そして全マトリックスに対して応答が得られる。レファンス差分(subtraction)関数622においては、適切なレファレンス応答プロファイルが応答プロファイルから引き算され、その差が第1化学応答プロファイル624として知識ベースに格納される。または、応答プロファイルを適切なレファンスプロファイルで割り算し、誘導率(induction ratio)を求める。このプロセスを化合物または化合物の混合物2からNについて繰り返す。
遺伝子突然変異関数626は、各レポーター細胞に、優性対立遺伝子を導入する細胞における各タンパク質または遺伝子またはRNAの関数喪失に対するマトリックスの応答を測定し、そしてレポーターの応答を突然変異の関数として測定する。この目的のためには、優性突然変異が好ましいが、別の種類の突然変異も用いることができる。優性突然変異は、クローン化した遺伝子をin vitro突然変異誘発にかけ、次に二倍体細胞を優性突然変異対立遺伝子についてスクリーニングすることにより作出される。また、UPF遺伝子関数を欠く株中でレポーターマトリックスを開発することができる。この株においては、ナンセンス突然変異の大部分が優性表現型をもたらし、任意の遺伝子に対して優性突然変異の構築を可能とする。得られたデータは遺伝子応答プロファイル1−N 628を識別する。Nは、ある種における全遺伝子数より大きくなりうることに注意されたい。
これらのデータは、個々の遺伝子応答によってソートするソート関数(sorting function)630に供し、特定の刺激に対する特異性を測定する。信号を、対応するレポーターの特異性に比例して重みづけする重みづけマトリックス632が確立される。重みづけマトリックスは動的に修正され、すべてのスクリーニングからのデータをN+1加重マトリックスにとり込む。次に、遺伝子制御関数634を用いて制御テーブル(tables of regulation)634、636を構築する。これらは、マトリックスのどの細胞がインデックスつけされた遺伝子のどの突然変異に応答するか、そしてどの突然変異がマトリックスのどの細胞に影響を及ぼすかを識別する。
未知の刺激マトリックススクリーニング関数636は、等しい化学物質または未知の化合物または未知の混合物を連続的に試験して、出力応答プロファイル642を識別する。
図7は、未知の刺激に対する遺伝子レポーターマトリックス出力応答プロファイルの分析において実行される工程を示す。
新しい刺激に対して作出された出力応答プロファイル710が、2つの二者択一的な分析経路にしたがって示されている。左側に示されている経路、すなわちエレメント712〜732において、新規刺激応答プロファイル710は、この新規刺激応答プロファイルを既知の化学的刺激に対する応答プロファイルと比較する比較関数712に供される。上記関数712は、典型的には、マッチする(matching)各レポーターの重みづけされた値、すなわち出力応答評価スコア(ORE SCORE)にしたがってランク付けされた、レファレンス化学物質応答プロファイルまたは遺伝子応答プロファイルに対してインデックスつけされた対(matches)のレポートという形で比較分析を提供する。比較は、線形デシジョントリーに沿って進むことができる。第1の質問714は、マッチ(match、よく釣り合うもの) があるかどうかである。もしyes (すなわち、完全なORE SCORE)であれば、出力応答プロファイルは、同一標的716、または応答プロファイルデータベースが構築されている既知化合物の1つとして標的にされている経路を有する刺激を識別する。もしNoであれば、第2の質問718は、出力応答プロファイルが、既知の化合物によって刺激されたマトリックス中の細胞のサブセットであるかどうかである。もしyesであれば、その新しい化合物はレファレンス化合物より大きい特異性を有する分子の候補720である。特に、レファレンス化学物質に対してユニークに応答をするレポーターが低い重みづけ応答値を有する場合、その新しい化合物はより大きい特異性を有すると結論される。または、レファレンス化合物に対してユニークに応答をするレポーターが高い重みづけ応答値を有する場合、その新しい化合物は同一経路の下流で活性であると結論される。もし出力応答プロファイルが、既知の化合物によって刺激されたマトリックス中の細胞サブセットでないならば、第3の質問722は、出力が既知のレファレンス化合物の応答プロファイルとオーバーラップするかどうかである。もしyesであれば、そのオーバーラップはソート関数724に供され、そこで重みづけマトリックスを用いて定量的に評価され、共通726およびユニーク728のレポーターを生じる。ユニークなレポーター728は制御テーブル618、620に対してソート730され、最良の対(matches)を用いて候補の標的732を推論する。出力応答プロファイルが化学物質応答プロファイルとオーバーラップもマッチもしない場合は、データベースは関数を推論するに不適切であり、レファレンス化学物質応答プロファイルに出力応答プロファイルを追加することができる。
図7の右側に示されている経路、すなわちエレメント736〜750において、新しい化学刺激の出力応答プロファイルは、標的遺伝子に対する遺伝応答プロファイルと比較される736。第1の質問738は、2つの応答プロファイルの間にマッチがあるかどうかである。もしyesであれば、推論740は、標的遺伝子がその化学物質の推定上の標的である、となる。もしnoであれば、第2の質問742は、化学応答プロファイルは遺伝応答プロファイルのサブセットであるかどうかである。もしyesであれば、推論744は、その薬物の標的は突然変異遺伝子の下流にあるが、同一経路内にある、である。もしnoであれば、第3の質問は746は出力応答プロファイルはサブセットとして遺伝応答プロファイルを含むかどうかである。もしyesであれば、推論748は、その化学物質の標的は標的遺伝子と同一経路内にあるが上流にある、である。もしnoであれば、推論750は、化学応答プロファイルは新規であり、孤立(orphan)経路を定義する、である。
以下の実施例は説明のために提供されるものであり、本を限定するものではない。
実施例
1.転写プロモーター-レポーター遺伝子マトリックス
A)薬物メビノリン(mevinolin)(ロバスタチン)を用いた刺激された物理マトリックスの構造
メビノリンはコレステロール生合成を阻害することが知られている化合物である。最初に、連続希釈によりレポーター細胞に対するメビノリンの最大非毒性(細胞増殖および生存率により測定される)濃度が25ug/mlであると確認された。メビノリンによって刺激されたマトリックスを作成するため、60個のマイクロタイタープレートの各ウエルを、2%エタノール溶液に溶解した25μmg/mlのメビノリンを含有する100μlの培養用培地で満たす。レポーターマトリックスの各メンバーのアリコートを各ウエルに添加し、約1:100の希釈物を作成する。平均的レポーター濁度が20倍に増加するまで、培地中で細胞をインキュベートする。次に各ウエルを増殖の尺度としての濁度について定量し、そして溶解溶液で処理して各融合物由来のβ-ガラクトシダーゼの測定を可能とする。
B)出力信号マトリックスデータ構造の作成
濁度およびβ-ガラクトシダーゼの両方を市販のマイクロタイタープレートリーダー (例えば、BioRad)で読み取り、ASCIIファイルとしてデータを格納する。このファイルから、レファレンス応答プロファイルにおけるレポーターマトリックス中の個々の細胞の2%エタノール溶液に対する値が引き算される。その差はメビノリン応答プロファイルと一致する。このファイルを、コンピューターを用いて、各細胞のインヒビターに対する応答によってインデックスつけされたテーブルに変換する。例えば、アセトアセチル-CoAチオラーゼおよびスクアレンシンターゼをコードする遺伝子は10倍に増加し、他方SIR3およびLEU2(2個の関係のない遺伝子)は変化しないままである。他の化合物に対するレポーターマトリックスの応答が同様に測定され、出力応答プロファイルとして格納される。
C)出力信号マトリックスデータ構造と出力信号マトリックスデータベースの比較
メビノリンを未知の試験化合物に置き換える以外は上記と同様にして物理マトリックスを構築する。得られた出力応答プロファイルを、既知の生物活性な化合物のライブラリーの応答プロファイルと比較し、上記のように分析する。例えば、試験化合物の出力プロファイルがアセトアセチル-CoAチオラーゼおよびスクアレンシンターゼ両遺伝子の誘導を示す場合、この出力プロファイルはコレステロール生合成のインヒビターに予想される出力プロファイルにマッチする。もし出力応答プロファイルがメビノリンに対する応答プロファイルより少ない数の、影響された他の細胞を有する場合、その未知の化合物はより大きい特異性の候補である。もし新しい化学物質の出力応答プロファイルが、メビノリンに対する応答プロファイルよりも少ない数の他のレポーターに影響を及ぼすならば、そしてもしメビノリンによって影響される他のレポーターがより低い重みづけの値を有するならば、その化合物はより大きい特異性の候補である。もし出力応答プロファイルがメビノリンに対する応答プロファイルより影響されたさらに異なる細胞を有する場合、その化合物はより少ない特異性の候補である。化合物の混合物を試験する場合は、最も高い重みづけ応答を評価して、2つの異なる化合物応答プロファイル、または2つの異なる遺伝応答プロファイルに切りわけできるかどうかを決定する。
2.レポーター転写物-オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブマトリックス:刺激された物理マトリックスの構築および出力信号マトリックスデータ構造の生成
各酵母遺伝子のmRNA転写物に相補的な未標識オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションプローブを、標準的技法 (例えば、Fodorら, (1991) Science 252, 767)によりエッチングしたシリコン基質上に秩序づけて整列させた。これらのプローブは、対応する酵母遺伝子への特異性を確実にする長さ、および配列を有するもので、典型的には長さが約24〜240ヌクレオチドである。
コンフルエントなHeLa細胞培養物を、加湿した5%CO2雰囲気中に35℃で維持しながら、2%エタノールに溶解した15μg/mlのメビノリンを用いて4時間処理する。標準的方法にしたがってmRNAを抽出し、逆転写し、発蛍光団で標識する(Sambrookら, Molecular Cloning, 第3版) 。得られたcDNAを上記のプローブの配列とハイブリダイズさせ、アレイを洗浄してハイブリダイズしていない標識化cDNAを除去し、コンフォーカル顕微鏡スキャナー(Molecular Device)を用いて配列の各ユニットにおけるハイブリダイゼーション信号を定量し、そして得られたマトリックス応答データをデジタルな形式で格納する。
3.二次元二ハイブリッドマトリックス
A)刺激された物理マトリックスの構築
二次元二ハイブリッドマトリックスは、2つのタンパク質の相互作用、例えばヒト信号伝達物質および転写アクチベーター(STAT)とインターロイキン受容体との相互作用に特異的に影響する化合物をスクリーニングするために設計される。標準的方法により、2つのハイブリッド融合体を作成する。各株は、DNA結合ドメインをコードする酵母または細菌遺伝子の一部 (例:GAL4:1-147)と融合している標的ヒトSTAT遺伝子の一部を含む。このDNA結合ドメインによって認識されるDNA配列(例:UASG)が、エンハンサー配列の代りに、選択されたレポーター(例:lacZ)の5'末端に挿入される。この株はまた、タンパク質産物がSTATと相互作用する標的受容体遺伝子の細胞内部分からなる別の融合体を含む。この受容体遺伝子は、転写活性化ドメインをコードする遺伝子断片 (例:GAL4:768-881)と融合している。
B)出力信号マトリックスデータ構造の生成
濁度およびガラクトシダーゼの両方を市販のマイクロタイタープレートリーダー (BioRad)で読み取り、ASCIIファイルとしてデータを格納する。
C)出力信号マトリックスデータ構造とデータベースとの比較
ヒトタンパク質の対を有する種々の株に存在するレポーターから生じる信号を減少させることにより、上記2つのヒトタンパク質の相互作用をブロックする化合物についてデータを分析する。出力を処理して、発現が相互作用しているヒトタンパク質の単一の対に依存するレポーターに対して大きい影響を有する化合物を識別する。これらのデータを評価するのに逆重みづけマトリックス(inverted weighting matrix)が用いられる。なぜなら、好ましい化合物はマトリックス中の最も特異性の低いレポーターに対してさえも影響を及ぼさないからである。
本明細書に引用した全ての刊行物および特許出願は、あたかも各刊行物または特許出願がレファレンスとして組み込まれていることを具体的かつ個別的に指示されているかのように、レファレンスとしてここに組み入れる。理解を明確にするために上記の発明をある程度詳しく説明および例証したが、当業者には本発明の教示に照らして、添付の請求の範囲の精神または技術範囲から逸脱することなく変更および改変がなされうることが明らかであろう。
Claims (28)
- 出力信号マトリックスを、エキスパートシステムおよびニューラルネットワークにおいて、候補の刺激と生物の全身性応答を相関させる(correlating)のに有用な、出力信号マトリックスデータベースとの比較によって分析する方法であって、
(a) X座標値およびY座標値を有する複数のユニットの秩序立った配列を備える刺激された物理マトリックスを構築するステップであって、各ユニットは、複数の異なるレスポンダーまたは該異なるレスポンダーに対応するプローブを含む生物の異なるレスポンダー(responder)、および該異なるレスポンダーまたは該プローブの識別子(identifier)を有し、該生物は複数の該ユニットの該異なるレスポンダーを抑制する刺激を受け、該識別子は該異なるレスポンダーの抑制に対応する物理的信号を提供し、そして該配列は予め定められた機能クラスの該複数の異なるレスポンダーを含むステップ;
(b) 該物理マトリックスの各ユニットにおいて物理的信号を検出するステップ;
(c) 各物理的信号を変換し、対応する電気的出力信号を発生させるステップ;
(d) 各電気的出力信号を、各出力信号と対応する物理マトリックスユニットのX座標値およびY座標値並びに該刺激と関連づける(associating)出力信号マトリックスデータ構造中に格納するステップ;および
(e) 該刺激の該生物に及ぼす影響を決定するステップであって、
(i) X座標値およびY座標値を有する複数のユニットの秩序立った配列を備える刺激された物理マトリックスを構築するサブステップであって、各ユニットは複数の異なるレスポンダーまたは該異なるレスポンダーに対応するプローブを含む生物の異なるレスポンダー、および該異なるレスポンダーまたは該プローブの識別子を有し、該生物は複数の該ユニットの該異なるレスポンダーを抑制する刺激を受け、該識別子は該異なるレスポンダーの抑制に対応する物理的信号を提供し、そして該配列は予め定められた機能クラスの該複数の異なるレスポンダーを含むサブステップ;
(ii)該物理マトリックスの各ユニットにおいて物理的信号を検出するサブステップ;
(iii) 各物理的信号を変換し、対応する電気的出力信号を発生させるサブステップ;
(iv)各電気的出力信号を、各出力信号と対応する物理マトリックスユニットのX座標値およびY座標値並びに該刺激と関連づける出力信号マトリックスデータ構造中に格納するサブステップ;
(v)上記のステップ(i)〜(iv)を繰り返して、複数の刺激に対する出力信号マトリックスデータ構造を反復的(iteratively)に格納し、出力信号マトリックスデータ構造を刺激によりインデックス付けする(indexing)出力信号マトリックスデータベースを形成するサブステップ
を含む方法で作成された出力信号マトリックスデータベースとステップ(d)の出力信号マトリックスデータ構造と比較することにより、該刺激の該生物に及ぼす影響を決定するステップ
を備える方法。 - 該比較ステップが、知識ベースに含有される比較規則(rule)にしたがってステップの出力信号マトリックスデータ構造を該出力信号マトリックスデータベースと比較することを含む、請求項1に記載の方法。
- 該比較ステップが、該出力信号データベースについて出力信号マトリックスデータ構造を該出力信号データベースと比較するように訓練したニューラルネットワークを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
- 該物理的信号が光学的信号である。請求項1に記載の方法。
- 該機能クラスが、該比較ステップ(e)において該刺激が該出力信号マトリックスデータ構造を引き出す道(path)を推論するのに十分な該生物の全ての該異なるレスポンダーの集合(ensemble)を含む、請求項1に記載の方法。
- 該機能クラスが該生物の全ての該異なるレスポンダーの大部分を含む、請求項1に記載の方法。
- 該構築ステップが、X座標値およびY座標値を有する複数のユニットの秩序立った配列を含んでなる刺激された物理マトリックスを構築するステップであり、各ユニットはレポーター遺伝子を含む組換え構築物を含有する細胞を有し、該レポーター遺伝子の発現は複数の異なる内因性遺伝子を含む1つの生物の異なる内因性遺伝子の発現と機能的に連結されており、該細胞のそれぞれは複数の該ユニットにおいて該異なる内因性遺伝子の発現を抑制する刺激を与えられ、該レポーター遺伝子の発現は該異なる内因性遺伝子の発現抑制に対応する物理的信号を提供し、そして該配列は予め定められた機能クラスの該複数の異なる内因性遺伝子を含む、請求項1に記載の方法。
- 該機能クラスが、該比較ステップ(e)において該刺激が該出力信号マトリックスデータの構造を引き出す道を推論するのに十分な該生物の全ての該異なる内因性遺伝子の集合を含む、請求項7に記載の方法。
- 該機能クラスが該生物の全ての該異なる内因性遺伝子の大部分を含む、請求項7に記載の方法。
- 該構築ステップが、X座標値およびY座標値を有する複数のユニットの秩序立った配列含んでなる刺激された物理マトリックスを構築するステップであり、各ユニットは、レポーター遺伝子を含む組換え構築物を含有する細胞を有し、該レポーター遺伝子の発現は複数の異なる内因性タンパク質を含む1つの生物の異なる内因性タンパク質の機能と機能的に連結されており、該細胞のそれぞれは複数の該ユニットにおいて該異なる内因性タンパク質の機能を抑制する刺激を与えられ、該レポーター遺伝子の発現は該異なる内因性タンパク質の機能抑制に対応する物理的信号を提供し、そして該配列は予め定められた機能クラスの該複数の異なる内因性タンパク質を含む、請求項1に記載の方法。
- 該機能クラスが、該比較ステップ(e)において該刺激が該出力信号マトリックスデータ構造を引き出す道を推論するのに十分な該生物の全ての該異なる内因性タンパク質の集合を含む、請求項10に記載の方法。
- 該機能クラスが該生物の全ての該異なる内因性タンパク質の大部分を含む、請求項10に記載の方法。
- 該構築ステップが、X座標値およびY座標値を有する複数のユニットの秩序立った配列を含んでなる刺激された物理マトリックスを構築するステップであり、各ユニットは、複数の異なる内因性転写物を含む生物の異なる内因性転写物または該異なる内因性転写物に対応するプローブに対して特異的なハイブリダイザー(hybridizer)を有し、該生物は複数の該ユニットの該異なる内因性転写物の発現を抑制する刺激を与えられ、該ハイブリダイザーは該異なる内因性転写物の発現抑制に対応する物理信号を提供し、そして該配列は予め定められた機能クラスの該複数の異なる内因性転写物を含む、請求項1に記載の方法。
- 該機能クラスが、該比較ステップ(e)において該刺激が該出力信号マトリックスデータ構造を引き出す道を推論するのに十分な該生物の全ての該異なる内因性転写物の集合を含む、請求項13に記載の方法。
- 該機能クラスが該生物の全ての該異なる内因性転写物の大部分を含む、請求項13に記載の方法。
- 候補刺激と全身性応答を相互関連させるのに有用な出力信号マトリックスデータベースを作成する方法であって、
(a) X座標値およびY座標値を有する複数のユニットの秩序立った配列を含んでなる刺激された物理マトリックスを構築するステップであって、各ユニットは、複数の異なるレスポンダーを含む生物の異なるレスポンダーまたは該異なるレスポンダーに対応するプローブ、および該異なるレスポンダーまたは該プローブの識別子を有し、該生物は複数の該ユニットの該異なるレスポンダーを抑制する刺激を受け、該識別子は該異なるレスポンダーの抑制に対応する物理的信号を提供し、そして該配列は予め定められた機能クラスの該複数の異なるレスポンダーを含むステップ;
(b) 該物理マトリックスの各ユニットにおいて物理的信号を検出するステップ;
(c) 各物理的信号を変換し、対応する電気的出力信号を発生させるステップ;
(d) 各電気的出力信号を、各出力信号と対応する物理マトリックスユニットのX座標値およびY座標値並びに該刺激とを関連づける出力信号マトリックスデータ構造中に格納するステップ;および
(e) 上記のステップ(a)〜(d)を繰り返して複数の刺激に対する出力信号マトリックスデータ構造を反復的に保存し、出力信号マトリックスデータ構造を刺激によりインデックス付けする出力信号マトリックスデータベースを形成するステップ
を含んでなる方法。 - 該物理的信号が光学的信号である、請求項16に記載の方法。
- 該機能クラスが、該刺激が該出力信号マトリックスデータ構造を引き出す道を推論するのに十分な該生物の全ての異なるレスポンダーの集合を含む、請求項16に記載の方法。
- 該機能クラスが該生物の全ての異なるレスポンダーの大部分を含む、請求項16に記載の方法。
- 該構築ステップが、X座標値およびY座標値を有する複数のユニットの秩序立った配列を含んでなる刺激された物理マトリックスを構築するステップであり、各ユニットは、レポーター遺伝子を含む組換え構築物を含有する細胞を有し、該レポーター遺伝子の発現は複数の異なる内因性遺伝子を含む1つの生物の異なる内因性遺伝子の発現と機能的に連結されており、該細胞のそれぞれは複数の該ユニットにおいて該異なる内因性遺伝子の発現を抑制する刺激を与えられ、該レポーター遺伝子の発現は該異なる内因性遺伝子の発現抑制に対応する物理的信号を提供し、そして該配列は予め定められた機能クラスの該複数の異なる内因性遺伝子を含む、請求項16に記載の方法。
- 該機能クラスが、該刺激が該出力信号マトリックスデータ構造を引き出す道を推論するのに十分な該生物の全ての異なる内因性遺伝子の集合を含む、請求項20に記載の方法。
- 該機能クラスが該生物の全ての異なる内因性遺伝子の大部分を含む、請求項20に記載の方法。
- 該構築ステップが、X座標値およびY座標値を有する複数のユニットの秩序立った配列を含んでなる刺激された物理マトリックスを構築するステップであり、各ユニットは、レポーター遺伝子を含む組換え構築物を含有する細胞を有し、該レポーター遺伝子の発現は複数の異なる内因性タンパク質を含む1つの生物の異なる内因性タンパク質の機能と機能的に連結されており、該細胞のそれぞれは複数の該ユニットにおいて該異なる内因性タンパク質の機能を抑制する刺激を与えられ、該レポーター遺伝子の発現は該異なる内因性タンパク質の機能抑制に対応する物理的信号を提供し、そして該配列は予め定められた機能クラスの該複数の異なる内因性タンパク質を含む、請求項16に記載の方法。
- 該機能クラスが、該刺激が該出力信号マトリックスデータ構造を引き出す道を推論するのに十分な該生物の全ての異なる内因性タンパク質の集合を含む、請求項23に記載の方法。
- 該機能クラスが該生物の全ての異なる内因性タンパク質の大部分を含む、請求項23に記載の方法。
- 該構築ステップが、X座標値およびY座標値を有する複数のユニットの秩序立った配列を含んでなる刺激された物理マトリックスを構築するステップであり、各ユニットは、複数の異なる内因性転写物を含む生物の異なる内因性転写物または該異なる内因性転写物に対応するプローブに対して特異的なハイブリダイザーを有し、該生物は複数の該ユニットの該異なる内因性転写物の発現を抑制する刺激を与えられ、該ハイブリダイザーは該異なる内因性転写物の発現抑制に対応する物理的信号を提供し、そして該配列は予め定められた機能クラスの該複数の異なる内因性転写物を含む、請求項16に記載の方法。
- 該機能クラスが、該刺激が該出力信号マトリックスデータ構造を引き出す道を推論するのに十分な該生物の全ての異なる内因性転写物の集合を含む、請求項26に記載の方法。
- 該機能クラスが該生物の全ての異なる内因性転写物の大部分を含む、請求項26に記載の方法。
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