【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サイズ排除クロマトグラフ法(SEC)に関する。より詳しくはSECによる、分子量(重量平均分子量、数平均分子量、および分子量分布等)の測定、または該測定で得られる分子量を指標にSEC法により分離分取を行う方法に関する。本発明の方法は、研究、製造管理等における分析方法として採用できる。
【0002】
【従来の技術】
SECで化合物の分析を行う場合は、分析対象となる化合物が移動相の溶媒に溶解することが必要である。しかし、化合物が含フッ素化合物の場合は、通常は含フッ素高分子化合物は、含フッ素の溶媒にしか溶解しない問題がある。すなわち、分析対象として含フッ素化合物を分析しようとする場合、汎用の有機溶剤には不溶の場合が多く、移動相が限定される問題があった。
【0003】
SECの移動相としての含フッ素の溶剤の例としては、規制フロンである1,1,2−トリクロロトリフルオロエタン(CFC113)やパーフルオロアルカン、または含フッ素芳香族系溶剤等が知られている。また、最近になって、規制フロンのほか、HCFC類を移動相としたSECにより、パーフルオロポリエーテルを分析した例(特開平5−20673)が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
SECにより化合物の分子量を測定するためには、分子量分布の非常に狭い(すなわち、単分散)分子量既知の高分子化合物を分子量測定用標準試料とし、これの保持時間を測定し、検量線を得る必要がある。しかし、容易に入手しうる分子量測定用標準試料であってフッ素系溶媒に溶解しうるものは知られていない問題が認められた。
【0005】
また、従来のフッ素系溶剤には以下の問題があった。すなわち、CFC113はオゾン層を破壊する[オゾン破壊係数(ODP)=0.8〜0.9]ために製造が既に中止されている規制フロンである問題があった。CFC113は地球温暖化係数が高い[CFC113の温室効果指数(GWP)=1.3〜1.4]ために、地球環境保護の目的から使用は避けるべきである。パーフルオロカーボンもGWPが高い問題があった。含フッ素芳香族化合物は、SECで汎用的に用いられる検出器である紫外吸光検出器を用いた場合に、高いバックグラウンドを示すため、検出感度が低くなる問題が認められた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、SECを用いた汎用性の高い分析方法を検討し、移動相、特に含フッ素化合物の分子量測定に適した移動相、および分子量測定用標準試料について探索した。その結果、移動相にジクロロペンタフルオロプロパン(以下、HCFC225と記す。)を用い、分子量測定用標準試料としてポリメチルメタクリレート(PMMA)を選択して、SECを行ったところ、上記問題が解決され、分子量(重量平均分子量、数平均分子量、および分子量分布等)の測定、および該測定で得られる分子量を利用した分離分取方法が実現可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、移動相としてジクロロペンタフルオロプロパンを含む溶媒を用い、かつ、分子量測定用標準試料として分子量既知のポリメチルメタクリレートを用いて、化合物のサイズ排除クロマトグラフィーを行うことを特徴とするサイズ排除クロマトグラフ法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明におけるHCFC225は、分子式がC3 HF5 Cl2 である塩素化フッ素化炭化水素から選択される1種または2種以上である。HCFC225としては、分子式が同一で構造が異なる数種類の異性体が存在するが、本発明のHCFC225としては、HCFC225ca(CF3 CF2 CHCl2 )、HCFC225cb(CF2 ClCF2 CFHCl)、またはそれらの混合物が好ましい。HCFC225は市販されており、たとえば旭硝子(株)社製商品名アサヒクリン225が挙げられる。
【0009】
本発明における移動相としてはHCFC225を含む溶媒であり、HCFC225のみからなる溶媒またはHCFC225と他の溶媒とを含む混合溶媒のいずれであってもよい。
【0010】
他の溶媒を含ませる場合には、分離対象となる化合物に応じて選択され、HCFC225に溶解しうる有機溶媒から適宜選択されうる。
【0011】
他の溶媒の例としては、アセトン、アセトニトリル、ベンゼン、四塩化炭素、クロロホルム、ジオキサン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、エタノール、ノルマルヘキサン、メタノール、塩化メチレン、メチル−tert−ブチルエーテル、シクロペンタン、テトラヒドロフラン、フッ素系アルコール(ペンタフルオロプロパノール等)、HCFC類[ジクロロフルオロエタン(HCFC141b等)]、フッ素化環状エーテル類(パーフルオロ−2−ブチルテトラヒドロフラン等)が挙げられる。
【0012】
これらのうち、本発明における移動相としては、本質的にHCFC225cbのみを用いることが、移動相の組成安定性や分取時の濃縮操作上から望ましく、特にできるだけ純度の高いHCFC225cbのみを用いるのが好ましい。HCFC225cbのODPは0.03〜0.04であり、GWPは0.07〜0.1といずれも小さい。また、国際共同安全性試験(PAFT)の結果によれば、HCFC225の安全性が示されており、不快臭もないため作業環境上も問題はない。さらに、分離分取を目的に用いる場合には、移動相を大量に使用する必要があるが、HCFC225は通常使用されるSEC用の他の溶媒と比較しても同程度の価格であるため、経済的なメリットもある。さらに、HCFC225は不燃性であり、溶解性の高い化合物も多い汎用性に優れた移動相である。すなわち、HCFC225はSEC用の移動相として必要な要素を兼ね備えた優れた溶媒である。
【0013】
本発明においては、分子量測定用標準試料として分子量既知のポリメチルメタクリレート(PMMA)を用いる。分子量測定用標準試料として用いられる分子量既知のPMMAとは、分子量分布において単分散であるPMMAであり、これは市販品を用いることができる。たとえば、ポリマーラボラトリーズ社のPMMAキャリブレーションキット等の市販品を用いうる。また、PMMAの分子量範囲は、HCFC225に溶解しうるPMMAの分子量範囲であれば特に限定されず、通常は数百〜数百万である。PMMAは、HCFC225との間で屈折率や紫外光の吸光度に適度の差がある点においても、分子量測定用標準試料として適している。
【0014】
本発明の方法によれば、化合物の分子量の測定、または分子量を指標にSEC法による分離分取が可能となる。特に、化合物が2種以上の化合物の混合物である場合には、本発明の方法は、化合物の重量平均分子量、数平均分子量、および分子量分布等の測定方法、および、化合物の精製方法として有用である。
【0015】
本発明の方法により、分子量の測定および/または分離分取がされうる化合物(以下、分析対象化合物という)としては、HCFC225に溶解可能なものであれば特に限定されない。また、分析対象化合物の分子量は、HCFC225に溶解可能であり、かつ、PMMAの分子量範囲にあれば特に限定されず、通常は数百〜数百万の範囲である。
【0016】
これらのうち、本発明の方法は、通常は困難である含フッ素化合物の分析を可能にすることから、分析対象化合物は含フッ素化合物であるのが好ましく、特に高分子の含フッ素化合物が好ましい。
【0017】
含フッ素化合物とは、分子内にフッ素原子を含有する化合物であり、含フッ素有機化合物が好ましい。含フッ素有機化合物としては、フッ素化反応により得られる化合物やパーフルオロアルキル基等の含フッ素基を有する化合物等が挙げられる。また、含フッ素有機化合物は、低分子化合物、オリゴマー、または高分子化合物のいずれであってもよく、高分子化合物が好ましい。
【0018】
含フッ素有機化合物としては、フルオロシリコーンオイル、パーフルオロポリエーテル混合物、パーフルオロポリ(ブテニルビニルエーテル)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(フッ化ビニリデン)、テトラフルオロエチレンの重合単位を含む重合体、ヘキサフルオロプロピレンまたはこの重合単位を含む共重合体等が挙げられる。これらの含フッ素有機化合物は、合成品または市販品のいずれであってもよい。
【0019】
本発明のSEC法に用いられるカラムとしては、汎用の高分子ゲルを充填したSEC用カラムが挙げられ、高分子ゲルとして多孔性ポリスチレン−ジビニルベンゼン系共重合体ゲルを充填したSEC用カラムが好ましい。
【0020】
本発明のSEC法に用いられるSEC装置は、汎用のものが使用可能である。また、検出器は、紫外線吸光検出器、可視光線吸光検出器、または赤外線吸光検出器の吸光検出器、屈折率差測定器、光散乱強度測定器等が採用されうる。移動相の送液速度は、カラムのサイズ、カラム充填剤の種類に応じて適宜決定されるが、一般に、送液速度は、毎分0.1〜10mlが望ましい。
【0021】
【実施例】
[例1]
移動相として99%HCFC225cbを含有するHCFC225を用い、SEC用カラムとして、ポリマーラボラトリー社製のPLゲル5μm MIXED−C(内径4.6mm、長さ25cm、2本)を用い、分子量が12700〜1577000の単分散PMMA(ポリマーラボラトリー社製)および酢酸イソブチルの混合物を分析した。移動相流速は毎分1.0ml、カラム温度は37℃、検出器は示差屈折率(RI)検出器を用いた。
【0022】
得られたクロマトグラムを図1に示す。分子量既知の3種の単分散PMMAと酢酸イソブチル(i−Buthyl acetate)はこの系で検出でき、これをもとにした検量線により分子量評価が可能であることがわかった。
【0023】
[例2]
例1と同条件で、パーフルオロアルキル基を含むアクリル酸エステルの重合体(ホモポリマー)を分析した。クロマトグラムを図2に、これを微分することにより得た試料の分子量分布曲線を図3に示す。
【0024】
[例3]
SEC用カラムとして、ポリマーラボラトリー社製のPLゲル3μm MIXED−E(内径4.6mm、長さ25cm、2本)を用いること以外は実施例1と同条件で、分子量が4700〜68000の単分散PMMA(ポリマーラボラトリー社製)および酢酸イソブチルの混合物を分析した。
【0025】
得られたクロマトグラムを図4に示す。分子量既知の3種の単分散PMMAと酢酸イソブチルはこの系で検出でき、これをもとにした検量線により分子量評価が可能であることがわかった。
【0026】
[例4]
例3と同条件で、パーフルオロポリエーテル(アウジモント社製 AM−2001)を分析した。UV254nmで検出したクロマトグラムを図5に示す。この方法により分子量の評価が可能であることがわかった。
【0027】
【発明の効果】
本発明の方法により、化合物の分子量測定が高精度で測定でき、また、分子量を指標にした化合物の分離分取が可能であることがわかった。特に、本発明の方法によれば、汎用の有機溶剤に難溶性の含フッ素有機化合物の分子量測定や分離分取が可能である利点があり、これまでその評価が困難であったパーフルオロポリエーテル類やパーフルオロアルキル基を含むアクリル酸エステルの重合体等の含フッ素有機高分子化合物の分析が可能になった。
【0028】
本発明の方法において用いられる移動相のHCFC225は、オゾン破壊係数および地球温暖化係数が小さく、不燃性であること、さらに安全性が確かめられていることから、作業環境上の点でも有利である。また、本発明の方法は、通常のSEC装置と入手が容易なHCFC225で実施しうる方法であることから汎用性にも優れた方法である。
【図面の簡単な説明】
【図1】例1で測定された単分散PMMAおよび酢酸イソブチルのクロマトグラム
【図2】例2で測定された重合体(ホモポリマー)のクロマトグラム
【図3】図2のクロマトグラムを微分することにより得た試料の分子量分布曲線
【図4】例3で測定された単分散PMMAおよび酢酸イソブチルのクロマトグラム
【図5】例4で測定されたパーフルオロポリエーテルのクロマトグラム[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to size exclusion chromatography (SEC). More specifically, the present invention relates to the measurement of molecular weight (weight average molecular weight, number average molecular weight, molecular weight distribution, etc.) by SEC, or a method for performing separation and fractionation by the SEC method using the molecular weight obtained by the measurement as an index. The method of the present invention can be employed as an analysis method in research, production management and the like.
[0002]
[Prior art]
When analyzing a compound by SEC, it is necessary that the compound to be analyzed is dissolved in the solvent of the mobile phase. However, when the compound is a fluorine-containing compound, there is usually a problem that the fluorine-containing polymer compound is soluble only in a fluorine-containing solvent. That is, when a fluorine-containing compound is analyzed as an analysis target, it is often insoluble in a general-purpose organic solvent, and there is a problem that the mobile phase is limited.
[0003]
Examples of the solvent of the fluorine-containing as SEC mobile phase is, in a 1,1,2-trichloro Application Benefits fluoroethane (CFC 113) and perfluoro alkane or fluorinated aromatic solvents such are known, restriction Freon Yes. Recently, in addition to regulated chlorofluorocarbons, an example of analyzing perfluoropolyether by SEC using HCFCs as a mobile phase (JP-A-5-20673) has been proposed.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
In order to measure the molecular weight of a compound by SEC, a high molecular weight compound with a very narrow molecular weight distribution (that is, monodisperse) is used as a standard sample for molecular weight measurement, the retention time is measured, and a calibration curve is obtained. There is a need. However, there was a problem that a standard sample for molecular weight measurement that can be easily obtained and that can be dissolved in a fluorinated solvent is not known.
[0005]
Further, the conventional fluorinated solvents have the following problems. That is, the CFC 113 has a problem that it is a regulated chlorofluorocarbon whose production has already been stopped because the ozone layer is destroyed [ozone destruction coefficient (ODP) = 0.8 to 0.9]. CFC113 in order [greenhouse index CFC113 (GWP) = 1.3~1.4] high global warming potential should be avoided for the purpose or al use of global environmental protection. Perfluorocarbon also has a problem of high GWP. Since the fluorine-containing aromatic compound shows a high background when using an ultraviolet absorption detector which is a detector generally used in SEC, there has been a problem that the detection sensitivity is lowered.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventors examined a highly versatile analytical method using SEC, and searched for a mobile phase, particularly a mobile phase suitable for measuring the molecular weight of a fluorine-containing compound, and a standard sample for molecular weight measurement. As a result, dichloropentafluoropropane the mobile phase used (hereinafter. Referred to as HCFC225), select a polymethyl methacrylate (PMMA) as the molecular weight measurement for a standard sample was subjected to SEC, the problem is solved, The inventors have found that a measurement of molecular weight (weight average molecular weight, number average molecular weight, molecular weight distribution, etc.) and a separation and fractionation method using the molecular weight obtained by the measurement can be realized, and the present invention has been completed.
[0007]
That is, the present invention is characterized by performing size exclusion chromatography of a compound using a solvent containing dichloropentafluoropropane as a mobile phase and using polymethyl methacrylate having a known molecular weight as a standard sample for molecular weight measurement. A size exclusion chromatographic method is provided.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
HCFC225 in the present invention is one or more selected from chlorinated fluorinated hydrocarbons having a molecular formula of C 3 HF 5 Cl 2 . The HCFC225, although several isomers molecular formula different structures of the same is present, as the HCFC225 the present invention, HCFC225ca (CF 3 CF 2 CHCl 2), HCFC225cb (CF 2 ClCF 2 CFHCl), or mixtures thereof Is preferred. HCFC225 is commercially available, for example, Asahi Klin 225 manufactured by Asahi Glass Co., Ltd.
[0009]
The mobile phase in the present invention is a solvent containing HCFC225, and may be either a solvent consisting only of HCFC225 or a mixed solvent containing HCFC225 and another solvent.
[0010]
When other solvent is included, it is selected according to the compound to be separated and can be appropriately selected from organic solvents that can be dissolved in HCFC225.
[0011]
Examples of other solvents include acetone, acetonitrile, benzene, carbon tetrachloride, chloroform, dioxane, ethyl acetate, diethyl ether, ethanol, normal hexane, methanol, methylene chloride, methyl-tert-butyl ether, cyclopentane, tetrahydrofuran, fluorine. System alcohol (pentafluoropropanol etc.), HCFCs [dichlorofluoroethane (HCFC141b etc.)], fluorinated cyclic ethers (perfluoro-2-butyltetrahydrofuran etc.).
[0012]
Of these, as the mobile phase in the present invention, it is desirable to use essentially only HCFC225cb from the viewpoint of the composition stability of the mobile phase and the concentration operation during fractionation, and it is particularly preferable to use only HCFC225cb having the highest possible purity. preferable. The ODP of HCFC225cb is 0.03 to 0.04, and the GWP is as small as 0.07 to 0.1. In addition, according to the results of the international joint safety test (PAFT), the safety of HCFC 225 is shown and there is no unpleasant odor, so there is no problem in the working environment. Furthermore, when used for the purpose of separation and fractionation, it is necessary to use a large amount of mobile phase, but HCFC225 is comparable in price to other SEC solvents that are usually used. There are also economic benefits. Furthermore, HCFC225 is a non-flammable mobile phase with many versatile compounds and excellent versatility. That is, HCFC225 is an excellent solvent having elements necessary as a mobile phase for SEC.
[0013]
In the present invention, polymethyl methacrylate (PMMA) having a known molecular weight is used as a standard sample for molecular weight measurement. The PMMA having a known molecular weight used as the standard sample for molecular weight measurement is PMMA that is monodispersed in the molecular weight distribution, and a commercially available product can be used. For example, commercially available products such as Polymer Laboratories' PMMA calibration kit can be used. Moreover, the molecular weight range of PMMA will not be specifically limited if it is the molecular weight range of PMMA which can be melt | dissolved in HCFC225, Usually, it is several hundred-several million. PMMA is also suitable as a standard sample for molecular weight measurement in that there is an appropriate difference in refractive index and absorbance of ultraviolet light from HCFC225.
[0014]
According to the method of the present invention, the molecular weight of a compound can be measured, or separation and fractionation by the SEC method can be performed using the molecular weight as an index. In particular, when the compound is a mixture of two or more kinds of compounds, the method of the present invention is useful as a method for measuring the weight average molecular weight, number average molecular weight, molecular weight distribution, etc. of the compound and for purifying the compound. is there.
[0015]
A compound that can be measured for molecular weight and / or separated and separated by the method of the present invention (hereinafter referred to as an analysis target compound) is not particularly limited as long as it can be dissolved in HCFC225. The molecular weight of the analysis target compound is not particularly limited as long as it can be dissolved in HCFC225 and is in the molecular weight range of PMMA, and is usually in the range of several hundred to several million.
[0016]
Among these, since the method of the present invention enables analysis of a fluorine-containing compound that is usually difficult, the analysis target compound is preferably a fluorine-containing compound, and particularly a polymer fluorine-containing compound is preferable.
[0017]
The fluorine-containing compound is a compound containing a fluorine atom in the molecule, and a fluorine-containing organic compound is preferable. Examples of the fluorine-containing organic compound include a compound obtained by a fluorination reaction and a compound having a fluorine-containing group such as a perfluoroalkyl group. The fluorine-containing organic compound may be any of a low molecular compound, an oligomer, or a high molecular compound, and a high molecular compound is preferable.
[0018]
Fluorine-containing organic compounds include fluorosilicone oil, perfluoropolyether mixture, perfluoropoly (butenyl vinyl ether), poly (chlorotrifluoroethylene), poly (vinylidene fluoride), heavy polymer containing polymerized units of tetrafluoroethylene. Examples thereof include a copolymer, hexafluoropropylene, and a copolymer containing this polymerization unit. These fluorine-containing organic compounds may be either synthetic products or commercially available products.
[0019]
Examples of the column used in the SEC method of the present invention include a SEC column packed with a general-purpose polymer gel, and a SEC column packed with a porous polystyrene-divinylbenzene copolymer gel is preferred as the polymer gel. .
[0020]
A general-purpose apparatus can be used as the SEC apparatus used in the SEC method of the present invention. As the detector, an ultraviolet light absorption detector, a visible light absorption detector, an absorption detector such as an infrared absorption detector, a refractive index difference measurement device, a light scattering intensity measurement device, or the like can be adopted. The liquid-feeding speed of the mobile phase is appropriately determined according to the column size and the type of column filler, but generally the liquid-feeding speed is preferably 0.1 to 10 ml per minute.
[0021]
【Example】
[Example 1]
HCFC225 containing 99% HCFC225cb is used as the mobile phase, PL gel 5 μm MIXED-C (inner diameter 4.6 mm, length 25 cm, 2 pieces) manufactured by Polymer Laboratories is used as the SEC column, and the molecular weight is 12700 to 1577000. Of monodisperse PMMA (Polymer Laboratories) and isobutyl acetate were analyzed. The mobile phase flow rate was 1.0 ml / min, the column temperature was 37 ° C., and a differential refractive index (RI) detector was used as the detector.
[0022]
The obtained chromatogram is shown in FIG. It was found that three types of monodisperse PMMA having a known molecular weight and isobutyl acetate (i-butyl acetate) can be detected by this system, and the molecular weight can be evaluated by a calibration curve based on this.
[0023]
[Example 2]
Under the same conditions as in Example 1, a polymer (homopolymer) of an acrylate ester containing a perfluoroalkyl group was analyzed. A chromatogram is shown in FIG. 2, and a molecular weight distribution curve of a sample obtained by differentiating the chromatogram is shown in FIG.
[0024]
[Example 3]
Monodispersion having a molecular weight of 4700 to 68000 under the same conditions as in Example 1 except that PL gel 3 μm MIXED-E (inner diameter 4.6 mm, length 25 cm, 2 pieces) manufactured by Polymer Laboratories is used as the SEC column. A mixture of PMMA (Polymer Laboratories) and isobutyl acetate was analyzed.
[0025]
The obtained chromatogram is shown in FIG. It was found that three types of monodispersed PMMA and isobutyl acetate having a known molecular weight can be detected by this system, and the molecular weight can be evaluated by a calibration curve based on this.
[0026]
[Example 4]
Under the same conditions as in Example 3, perfluoropolyether (Audmont AM-2001) was analyzed. The chromatogram detected at UV254 nm is shown in FIG. It was found that the molecular weight can be evaluated by this method.
[0027]
【The invention's effect】
According to the method of the present invention, it has been found that the molecular weight of a compound can be measured with high accuracy, and the separation and fractionation of a compound using the molecular weight as an index is possible. In particular, according to the method of the present invention, there is an advantage that the molecular weight measurement and separation and fractionation of a fluorine-containing organic compound that is hardly soluble in a general-purpose organic solvent are possible, and perfluoropolyethers that have been difficult to evaluate so far. Analysis of fluorine-containing organic polymer compounds such as polymers of acrylates containing perfluoroalkyl groups and perfluoroalkyl groups is now possible.
[0028]
The mobile phase HCFC225 used in the method of the present invention is advantageous in terms of working environment because it has a low ozone depletion coefficient and a global warming coefficient, is nonflammable, and has been confirmed to be safe. . In addition, the method of the present invention is a method that is excellent in versatility because it is a method that can be implemented with a normal SEC device and an easily available HCFC 225.
[Brief description of the drawings]
1 is a chromatogram of monodisperse PMMA and isobutyl acetate measured in Example 1. FIG. 2 is a chromatogram of a polymer (homopolymer) measured in Example 2. FIG. 3 is a derivative of the chromatogram of FIG. Figure 4 shows the molecular weight distribution curve of the sample obtained. Fig. 4 shows the chromatogram of monodisperse PMMA and isobutyl acetate measured in Example 3. Fig. 5 shows the chromatogram of perfluoropolyether measured in Example 4.