JP3664602B2 - 情報処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のインターフェース記述言語を解するが、アクセスしようとするデータに対し、アクセスインターフェースを持たないプログラム言語処理機能を有する情報処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プログラム外のデータにアクセスする必要のあるアプリケーションを開発する場合、データアクセスを行うためのアクセスルーチンをあらかじめ用意することにより、開発を効率的に進めることができる。用意すべきアクセスルーチンの作成/変更の作業の負荷を減らすため、データアクセスを行うためのアクセスルーチンを自動生成する方法が提案されている。
【0003】
例えば、特開平4−245328号公報「データアクセスパッケージ生成装置」では、データ構造を入力することにより、データにアクセスするためのデータアクセスパッケージを自動生成する方法が提案されている。
【0004】
また、特開平7−146785号公報「プログラム自動生成方法および装置」では、仕様書から、適切なデータ型のデータ変数の自動定義、およびデータアクセス関数の自動生成を行う方法および装置が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、アクセスしようとするデータに対して、プログラム言語処理機能が解読できるプログラミング言語がアクセスルーチンを記述できない、即ちプログラム言語処理機能がアクセスインターフェースを持たない場合、データへのアクセスのためのアクセスドライバを作成しなければならない。このためにはこのプログラム言語処理機能自体を修正するか、このプログラム言語処理機能専用のライブラリルーチンを作成する必要がある。また、この修正/作成作業は、このプログラム言語処理機能に特化したものとなり、他の言語処理機能への流用は困難である。上述した従来の方式では、アクセスされるデータは、データ処理を記述するプログラム言語でアクセスルーチンを記述できることを前提としており、上記のような問題点に対する解決策は提示されていない。
【0006】
一方、あらゆる性格の、あらゆる場所にあるデータのアクセスや処理機能を実行するための手段として、IDL(Interface Definition Language)と呼ばれる言語で記述される分散オブジェクト基盤が開発されている。この分散オブジェクト基盤では、IDLで記述されたインターフェースを持つコンポーネントを実装することによりデータのアクセスや処理機能を実現できる。IDLで記述されたインターフェースを持つコンポーネントは、言語、オペレーティングシステム、ネットワークを介するか否かにかからわず使用することができる。CORBA(Common Object Request Broker Architecture)、DCOM(Distributed Component Object Model)といった分散オブジェクト基盤は、世の中ですでに広まりつつあり、これらの分散オブジェクト基盤についても、インターフェースの記述にはIDLが用いられている。従って、これらに準拠したIDLで記述されたインターフェースを持つデータアクセスのためのコンポーネント(以下データオブジェクトという)を新しく作成した場合、このデータオブジェクトは、多数のプログラム言語処理機能でその変更なしに使用することができる。
【0007】
しかし、IDLで記述されたインターフェースを持つデータオブジェクトが保有するデータにアクセスするためには、アクセス対象のデータオブジェクトが保有するデータのフォーマット及びインターフェースの仕様を把握し、アクセスルーチンに反映させる必要がある。アクセスルーチンの記述は単にプログラム上の変数にアクセスする場合と比較するとかなり複雑となり、アクセスルーチン作成の際の負担が大きくなる。
【0008】
また、アクセスルーチンがコンピュータネットワークを介して別のコンピュータ上のデータオブジェクトにアクセスしようとする場合、闇雲にデータオブジェクトへのアクセスを試みると、データオブジェクトのあるコンピュータの負荷が増大し、アクセス性能を著しく低下させる恐れがある。
【0009】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、特定のインターフェース記述言語は解するが、アクセスの対象となるデータに対してアクセスインターフェースを持たないプログラム実行処理機能を有する情報処理システムにおいて、第1の目的は、プログラム言語処理機能が実行できるプログラムを生成し、プログラム言語処理機能に実行させることによってデータにアクセスできる情報処理システムを得るものである。
【0010】
また、第2の目的は、データのアクセスを行うアプリケーションの作成において、作成者の負担を軽減することができる情報処理システムを得るものである。
【0011】
また、第3の目的は、アクセスの対象となるデータへのアクセス性能を向上できる情報処理システムを得るものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る情報処理システムは、処理対象となりうるデータに含まれる各要素データのフォーマットを定義したフォーマット情報を複数格納したフォーマットデータベースと、特定のプログラム言語で記述されたプログラムを実行でき、且つ特定のインターフェース記述言語を解するプログラム言語処理手段と、処理対象となったデータを格納するデータ格納手段と、前記データ格納手段に格納された処理対象データに対する処理を行うための、前記プログラム言語処理手段が実行する実行プログラムの生成処理を行う生成処理手段と、を備える情報処理システムであって、前記生成処理手段は、前記処理対象データに対応するフォーマット情報を、前記処理対象データに含まれるフォーマット識別子に基づき前記フォーマットデータベースから読み出し、読み出したフォーマット情報に基づき、前記処理対象データに含まれる各要素データに対応する各変数を定義する定義文を生成し、さらに、前記定義文に定義された各変数に、前記処理対象データに含まれる各要素データをそれぞれ対応付けてコピーする処理を実行する第1のサブルーチンと、前記処理対象データに含まれる各要素データに、前記定義文に定義された各変数の値をそれぞれ対応付けてコピーする処理を実行する第2のサブルーチンと、を生成し、前記実行プログラムは、前記処理対象データの処理を行う前記特定のプログラム言語で記述されたデータ処理プログラムと、前記定義文と、前記第1のサブルーチンと、前記第2のサブルーチンと、を結合することで生成され、前記プログラム言語処理手段は、生成された実行プログラムを実行することで、前記第1のサブルーチンに基づき、前記定義文に定義された各変数にそれぞれ対応する前記処理対象データに含まれる各要素データ前記特定のインターフェース記述言語でアクセスして、各要素データを読み出し、読み出した各要素データをそれぞれ対応する前記定義文に定義された各変数にコピーし、前記コピーされた各要素データを前記特定のプログラム言語で記述されたデータ処理プログラムで処理し、前記第2のサブルーチンに基づき、処理対象データに含まれる各要素データに前記特定のインターフェース記述言語でアクセスして、前記データ処理プログラムで処理された各変数を、それぞれ対応する前記処理対象データに含まれる各要素データにコピーすることを特徴とする。
【0013】
また、前記インターフェース記述言語は、インターフェース・ディフィニション・ランゲッジとするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下に、本発明の実施の形態を図を用いて説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る情報処理システムの構成と、入出力データとの関係を示した図である。システム10は本発明の情報処理システムに該当し、生成処理手段11、プログラム言語処理手段14、フォーマットデータベース12及びデータオブジェクト13より構成される。生成処理手段11は、システム10においてデータに基づくプログラムの制御を行う手段である。プログラム言語処理手段14は、特定のプログラム言語で作成されたプログラムを解読、実行する手段である。また、このプログラム言語処理手段14は、IDLを解することを特徴とする。フォーマットデータベース12は、複数の入力データのフォーマットが格納されたデータベースである。データオブジェクト13は、本発明のデータ格納手段に該当し、IDLで規定されたインターフェースを持つ。このデータオブジェクト13に格納されているデータには、上述のインターフェースによってアクセスできる。
【0018】
生成処理手段11はプログラム言語処理手段14、データオブジェクト13に対して、IDLのインターフェースを用いて操作を行う。また生成処理手段11は、フォーマットデータベース12から入力データのフォーマットを一般的なデータベース操作で読み出す。
【0019】
ユーザプログラム15は、本発明のデータ処理プログラムに該当し、システム10を用いてデータを処理するためにユーザが作成したプログラムであり、プログラム言語処理手段14が解読できるプログラム言語で記述されている。入力データ16は、本発明の処理対象データに該当し、ユーザプログラム15が処理を行おうとするデータである。プログラム言語処理手段14はこの入力データ16へのアクセスインターフェースを持たない。入力データ16は、データのフォーマットを規定するデータフォーマットIDと、アクセス対象のデータが入っているデータ部より構成される。データフォーマットIDは、本発明のフォーマット識別子に該当する。ユーザプログラム15をシステム10で実行した結果の出力データ17は、ユーザプログラム13によって入力データ16のデータ部を処理したものであり、データフォーマットIDは入力データ16と同じである。
【0020】
図2は、図1の入力データ16の構成図である。データフォーマットID21には、図1のフォーマットデータベース12に格納されている複数のデータフォーマットのうちの、該当するフォーマットに対応する識別子が付けられている。
【0021】
データ部22は、単一のデータである単項目データを格納する単項目格納域(図2ではFUNCデータ格納域23及びINSERTNAMEデータ格納域24)と、複数のデータを表形式で保存する表データを格納する表項目格納域(LIST_NAMEデータ格納域25及びLIST_DEPOSITデータ格納域26)とで構成される。
【0022】
図3は表データの概念図である。図3は、LISTという名前の表データ31には、NAMEとDEPOSITという属性を持つデータがそれぞれ20個ずつあることを示しており、それぞれのデータには番号が割り振られ識別できるようになっている。それぞれの属性のデータは、図2のデータ部22ではLIST_NAMEデータ格納域25とLIST_DEPOSITデータ格納域26に格納される。以下、NAME又はDEPOSITのような表データのそれぞれの属性に属するデータの集合を配列データと呼ぶ。
【0023】
図4は、図1のフォーマットデータベース12におけるデータフォーマット管理の概念図である。フォーマットデータベース12は、データフォーマットのリストを格納するテーブル40と、各データフォーマットの詳細を格納するデータフォーマット詳細テーブル51及び52で構成されている。データフォーマット詳細テーブルは、本発明のフォーマット情報に該当する。テーブル40では、データフォーマットの識別子であるID番号として、データID1とデータID2が格納されており、図1の生成処理手段11は、このID番号を手がかりに、対応するデータフォーマット詳細テーブル41又は42を参照することができる。この実施の形態では、データフォーマット詳細テーブル41は、図2のデータ部22のデータフォーマットを定義したものであり、図2のデータフォーマットID21と、図4のデータID1は同一である。図4のデータフォーマット詳細テーブル41では、このデータフォーマットに含まれる複数の要素データを行に、これらのデータの属性を列に取った表形式で示している。図4のNAMEやDEPOSITのような、表データに含まれるそれぞれの属性も、要素データとして示されている。要素データのうち単項目データであるものは、表名と繰り返し数は空白となり、表データに属するものは表名と繰り返し数が定義されている。同じ表に属する要素データについては、同じ表名と同じ繰り返し数となる。
【0024】
図5は実施の形態1におけるデータアクセス方法のフローチャートである。以下に、図5のフローチャートを基に実施の形態1におけるデータアクセス方法について各ステップ毎に説明する。
【0025】
ステップS1において、図1の生成処理手段11は、アクセスの対象となる入力デ−タ16をIDLインターフェースを持つデータオブジェクト13の形式で実装するために、入力データ16をデータオブジェクト13のデ−タ格納域にコピ−する。
【0026】
図6は、入力データ16と、データオブジェクト13の関係を示した図である。データオブジェクト13は、データを格納するためのデータ格納域61を保有しており、ここに入力データ16がコピーされる。チェックマーク62はデータオブジェクト13がIDLインターフェースを持つかどうかのフラグであり、生成処理手段11はチェックマーク62によってIDLインターフェースでアクセスできるか否かを判別する。データ格納域61に格納された入力デ−タ16は、図4のデータフォーマット詳細テーブル41によってフォ−マットが定義されており、外部からの特定の要素データへのアクセスは、このフォ−マットで定義された各要素データの名前によって行われる。
【0027】
ステップS2において、図1の生成処理手段11は、上述のステップS1で格納された、データオブジェクト13の中の入力データ16のフォ−マットを読み出す。具体的には生成処理手段11は、フォーマットデータベース12のテーブル20から、入力デ−タ16のデータフォーマットID21と同一のデータID1を検索し、対応するデータフォーマット詳細テーブル21を参照して読み出し、これをデータオブジェクト13の中の入力データのフォ−マットとして、メモリ上に格納する。データオブジェクト13の中の入力データ16のフォーマットが読み出されたことにより、デ−タオブジェクト13の中の入力デ−タ16を生成処理手段11からアクセスすることができるようになる。
【0028】
図7は、データオブジェクト13で規定されているインターフェースの仕様を示した図である。
【0029】
図7(1)GETメソッドは、データオブジェクト13のデ−タ格納域61に格納された入力デ−タ16中の要素データ(以下、データオブジェクト13の要素デ−タという)を、プログラムの変数に読み出すためのものである。OBJ1は、対象となるオブジェクトを示しており、この実施の形態では、OBJ1は図6のデ−タオブジェクト13と同一である。GETは、メソッド名を示しており、括弧内の複数のパラメータを基に、要素データの読み出しを行う。以下にGETメソッドのパラメータについて説明する。
【0030】
表名は、要素データが属している表名を示す。要素データが単項目データのときは、このパラメータに””(空文字)を指定する。名前は、要素データの名前である。インデックスは、表に属している要素データを扱うときに使用するパラメータである。表に属している要素データは表の繰り返し数分のデータを持つ、即ち配列データである。インデックスに0または正の値を指定すると、インデックスの値は配列データの何番目のデータを取り出すかの指標となり、配列データ中の該当する一つのデータがコピー先変数に格納される。インデックスに負の値を設定すると、配列データの先頭からインデックスの絶対値の個数のデータが、配列データの形でコピー先変数に格納される。例えば、インデックスの値に”2”を指定すると、コピー先変数には配列データの先頭から3番目のデータが格納され、”−2”と指定すると、コピー先変数には配列データの先頭から2番目までのデータが、配列データで格納される。コピー先変数は、GETメソッドで読み出されるデ−タオブジェクト13の中の要素デ−タが入るプログラムの変数である。
【0031】
図7(2)SETメソッドは、デ−タオブジェクト13の要素デ−タに、プログラムの変数の値を書き込むためのものである。OBJ1は、対象となるオブジェクトを示しており、この実施の形態では、OBJ1は図6のデ−タオブジェクト13と同一である。SETは、メソッド名を示しており、括弧内の複数のパラメータを基に、要素データへの書き込みを行う。以下にSETメソッドのパラメータのうち、GETメソッドと異なるものについて説明する。
【0032】
インデックスは、表に属している要素データ、即ち配列データを扱うときに使用するパラメータである。インデックスに0または正の値を指定すると、インデックスの値は配列データの何番目にデータを格納するかの指標となり、配列データ中の該当する一つのデータにコピー元変数の値がコピーされる。インデックスに負の値を設定すると、配列データの先頭からインデックスの絶対値の個数のデータが、コピー元変数からコピーされる。このとき、コピー元変数は配列データの型である必要がある。コピー元変数は、SETメソッドでデ−タオブジェクト13の中の要素デ−タに値が書き出されるプログラムの変数である。
【0033】
データオブジェクト13の要素データは、上述のメソッドによって、データオブジェクト13の外部からアクセスができる。
【0034】
図8は、入力データ16のデータフォーマットが常に同じである、即ち固定されていると分かっている場合は、データオブジェクト13で規定されるインターフェースの仕様を示した図である。このインターフェースの仕様では、GET、SETメソッドを使わずに、データオブジェクト13の中の要素データを、プログラムの変数のように扱うことが可能である。
【0035】
ステップS3において、図1の生成処理手段11は、データオブジェクト13の各要素データに対応する変数を定義する定義文を、図1のプログラム言語処理手段14が解読できるプログラム言語を用いて生成する。
【0036】
図9は生成された変数定義文のコードを示した図である。図9の変数定義文91では、それぞれの変数は、ステップS2で読み込まれた入力データ16のデータフォーマット詳細テーブル41の各要素データを基に生成されている。
【0037】
ステップS4において、図1の生成処理手段11は、ステップS3で定義した変数とデータオブジェクト13の要素データ間の操作のための部分プログラム(以下サブルーチンという)を、図2のプログラム言語処理手段14が解読できるプログラム言語を用いて生成する。
【0038】
図10は生成されるサブルーチンのコードを示した図である。サブルーチン101は、データオブジェクト13の要素データから、変数定義文91で定義された変数にコピーするサブルーチンである。サブルーチン101が実行されることによって、データオブジェクト13のすべての要素データは、変数定義文91で定義された変数にコピーされる。
【0039】
図11は生成されるサブルーチンのコードを示した図である。サブルーチン111は、変数定義文91で定義された変数の値をデータオブジェクト13の要素データにコピーするサブルーチンである。サブルーチン111を実行することによって、データオブジェクト13のすべての要素データには、変数定義文91で定義された変数の値がコピーされる。
【0040】
図12及び図13は、入力データ16のデータフォーマットが固定されていると分かっており、データオブジェクト13のインターフェース仕様が図8の通りに規定されている場合、生成されるサブルーチンのコードを示した図である。
【0041】
ステップS5において、図1の生成処理手段11は、ステップS3で生成された変数定義文91と、ステップS4で生成されたサブルーチン101及び111を、データオブジェクト13の要素データを処理するユーザプログラム15と結合して実行プログラムを生成し、プログラム言語処理手段14に実行プログラムを実行させる。
【0042】
図14は、ユーザプログラム15のコードの一例を示した図である。ユーザプログラムコード141において、コード142のFLD_NAME(i)及びコード143のFLD_DEPOSIT(i)は、ステップS3で自動生成された変数定義文91で定義された変数であり、ユーザプログラム141中では、これらの変数を参照/更新することにより、データオブジェクト13の要素データの参照/更新ができる。
【0043】
図15は、実行プログラムのコードを示した図である。実行プログラム151は、実際に実行されるプログラムである。実行プログラム151は、ユーザが作成したコード141、ステップS3で生成された変数定義文91とステップS4で自動生成されたサブルーチン101及び111とを結合し、さらにサブルーチン101を呼び出すためのコード152及びサブルーチン111を呼び出すためのコード153を加えたものである。コード152を実行することにより、変数定義文91で定義された全ての変数に、データオブジェクト13の要素データが全てコピーされるので、以降、変数の値はデータオブジェクト13の要素データとみなして処理することができる。また、コード153を実行することにより、変数定義文91で定義された全ての変数の値がデータオブジェクト13の全ての要素データにコピーされる。コード152及び153はこのステップにおいて自動的に生成されるものである。また、データオブジェクト13への実際のアクセスは、コード152及び153を通して行われる。
【0044】
以上のステップS1〜ステップS5を実施することにより、IDLを解するが、入力データ16に対してアクセスインターフェースを持たないプログラム言語処理手段14を介した入力データ16へのアクセスが可能となる。
【0045】
またデータオブジェクト13は、IDLによりアクセスインターフェースが規定されているため、多種類のプログラム言語処理機能によるデータオブジェクト13の要素データへのアクセスが可能となる。
【0046】
また、データオブジェクト13の要素データに対応する変数定義文91や、データオブジェクト13の要素データにアクセスするためのサブルーチン101及び111は自動生成されるので、ユーザプログラム15ではこれに対応するコードを記述する必要はない。これによりユーザ側でのデータアクセスのためのプログラム作成の負担を軽減できる。
【0047】
また、実行プログラム151において、サブルーチン101を呼び出すコード152をユーザプログラム15に対応するコード141の前に実行することで、変数定義文91で定義された変数にデータオブジェクト13のすべての要素データがコピーされ、以降は変数をデータオブジェクト13の要素データと見立てて処理を行うことができる。サブルーチン111を呼び出すコード153をユーザプログラム15に対応するコード191の後に実行することで、すべての変数の値がデータオブジェクト13の要素データにコピーされ、変数の処理結果がデータオブジェクト13の要素データに反映される。よってデータオブジェクト13の要素データに対応する変数の処理することが要素データの処理とみなされ、性能劣化の原因であるデータオブジェクト13の要素データへのアクセス及び処理を行う必要がないため、アクセス性能の向上につながる。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る情報処理システムによれば、処理対象データを、データ格納手段に格納し、処理対象データのフォーマットを読み出し、データ格納手段のデータへのアクセスインターフェース及びフォーマットを基に実行プログラムを生成し、プログラム言語処理手段に実行プログラム実行させデータ格納手段にある入力対象データにアクセスさせることで、プログラム言語処理手段がアクセスインターフェースを持たない処理対象データへのアクセスを実現することができる。
【0049】
また、データ格納手段にあるデータへのアクセスインターフェースをIDLで規定することにより、IDLを解するがアクセス対象のデータに対してアクセスインターフェースを持たない多くのプログラム言語処理機能において、データへのアクセスができる。IDLでインターフェースを規定している分散オブジェクト基盤が世の中に広まっていることから、コンピュータネットワークを介した広域に渡るデータのアクセスもできる。
【0050】
また、処理対象データの受け渡しを行う変数の定義文及びデータ格納手段にある処理対象データにアクセスし、変数の値との受け渡しを行うサブルーチンが自動生成され、処理対象データの処理を行うプログラムと結合し実行プログラムが生成されることで、処理対象データにアクセスするためのアクセスルーチンの作成の負担が軽減される。
【0051】
また、実行プログラムにおいて、データ処理プログラムの開始前又は終了後のうち少なくとも一方で変数定義文又はサブルーチンが呼び出されることで、定義文で定義された変数の値とデータ格納手段に格納された処理対象データとの受け渡しが行われ、その結果、変数をデータ格納手段データと見立ててデータの処理を行うことができ、直接にデータ格納手段にある処理対象データにアクセスし処理を行う場合と比較して、アクセス性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1で示されるシステム構成と入出力データの関係図である。
【図2】 入力データの構成図である。
【図3】 入力データに含まれる表データの概念図である。
【図4】 フォーマットデータベースにおけるデータフォーマット管理の概念図である。
【図5】 この発明の実施の形態1のデータアクセスのフローチャートである。
【図6】 入力データとデータオブジェクトの関係図である。
【図7】 データオブジェクトで規定されるインターフェース仕様を示した図である。
【図8】 入力データのフォーマットが固定されている場合、データオブジェクトで規定されるインターフェース仕様を示した図である。
【図9】 図1のステップS3で自動生成される変数定義文のコードを示した図である。
【図10】 図1のステップS4で自動生成される、データオブジェクトの要素データから変数にコピーするサブルーチンのコードを示した図である。
【図11】 図1のステップS4で自動生成される、変数の値をデータオブジェクトの要素データにコピーするサブルーチンのコードを示した図である。
【図12】 データオブジェクトのインターフェース仕様が図8の場合に自動生成される、データオブジェクトの要素データから変数にコピーするサブルーチンのコードを示した図である。
【図13】 データオブジェクトのインターフェース仕様が図8の場合に自動生成される、変数の値をデータオブジェクトの要素データにコピーするサブルーチンのコードを示した図である。
【図14】 ユーザプログラムのコードを示した図である。
【図15】 プログラム言語処理手段で実行される実行プログラムのコードを示した図である。
【符号の説明】
10 システム(情報処理システム)、11 生成処理手段、12 フォーマットデータベース、13 データオブジェクト(データ格納手段)、14 プログラム言語処理手段、15 ユーザプログラム(データ処理プログラム)、16 入力データ(処理対象データ)、17 出力データ。

Claims (2)

  1. 処理対象となりうるデータに含まれる各要素データのフォーマットを定義したフォーマット情報を複数格納したフォーマットデータベースと、
    特定のプログラム言語で記述されたプログラムを実行でき、且つ特定のインターフェース記述言語を解するプログラム言語処理手段と、
    処理対象となったデータを格納するデータ格納手段と、
    前記データ格納手段に格納された処理対象データに対する処理を行うための、前記プログラム言語処理手段が実行する実行プログラムの生成処理を行う生成処理手段と、
    を備える情報処理システムであって、
    前記生成処理手段は、
    前記処理対象データに対応するフォーマット情報を、前記処理対象データに含まれるフォーマット識別子に基づき前記フォーマットデータベースから読み出し、
    読み出したフォーマット情報に基づき、前記処理対象データに含まれる各要素データに対応する各変数を定義する定義文を生成し、
    さらに、前記定義文に定義された各変数に、前記処理対象データに含まれる各要素データをそれぞれ対応付けてコピーする処理を実行する第1のサブルーチンと、
    前記処理対象データに含まれる各要素データに、前記定義文に定義された各変数の値をそれぞれ対応付けてコピーする処理を実行する第2のサブルーチンと、
    を生成し、
    前記実行プログラムは、
    前記処理対象データの処理を行う前記特定のプログラム言語で記述されたデータ処理プログラムと、
    前記定義文と、
    前記第1のサブルーチンと、
    前記第2のサブルーチンと、
    を結合することで生成され、
    前記プログラム言語処理手段は、
    生成された実行プログラムを実行することで、
    前記第1のサブルーチンに基づき、前記定義文に定義された各変数にそれぞれ対応する前記処理対象データに含まれる各要素データに前記特定のインターフェース記述言語でアクセスして、各要素データを読み出し、読み出した各要素データをそれぞれ対応する前記定義文に定義された各変数にコピーし、
    前記コピーされた各要素データを前記特定のプログラム言語で記述されたデータ処理プログラムで処理し、
    前記第2のサブルーチンに基づき、処理対象データに含まれる各要素データに前記特定のインターフェース記述言語でアクセスして、前記データ処理プログラムで処理された各変数を、それぞれ対応する前記処理対象データに含まれる各要素データにコピーすることを特徴とする情報処理システム。
  2. 前記インターフェース記述言語は、インターフェース・ディフィニション・ランゲッジであることを特徴とする請求項1記載の情報処理システム。
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