JP3660408B2 - アレイアンテナ測定用装着具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、アレイアンテナの送信部分に装着して、送信電波等の測定を、空間に電波を漏洩させることなく、送信機を動作状態にして実施するための測定用装着具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アレイアンテナを用いた送信装置は空間合成が特徴であるので、機器の調整やその状態を把握しようとすると、従来は大規模な電波無響室、または小規模な電波無響室にニヤフィールド装置を組み合わせて、電波を発射せざるを得なかった。このため送信電力の測定など電波の質に関する測定では、あらかじめ電波無響室内でコリメーション用の受信系を含めた測定系を校正しなければならず大規模な測定システムを必要とし、送信機の調整を簡単に行うことができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
アレイアンテナでは、各サブアレイアンテナへの供給点が多くて、従来のようにアンテナに電波を供給する代わりにダミーへ供給する機構を設けることは、携帯性が保たれずポータブルタイプの送信装置を製作することが困難である。また、アレイアンテナを用いた送信装置は発射された電波を空間合成するので、機器の状態を把握するに当たっては、実際に電波を発射してアレイアンテナから放射した電波を確認しないとすべての動作を確認することができない。可搬性の高いアレイアンテナを用いた送信装置が開発され、運用時には実際に外部に電波を発射する前にその電波の質を確認することが必要になってきた。しかし、それを可能とする装置が従来存在しなかった。
【0004】
そこで本発明の目的は、可搬性に優れたアレイアンテナを用いた送信装置を、運用状態で動作させても外部への影響がなく、その送信装置の状態を把握でき、機器の故障状態や調整を可能とするアレイアンテナ測定用装着具を提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明アレイアンテナ測定用装着具は、アレイアンテナを用いた送信装置のアンテナ面を覆い、アレイアンテナ面より電波を発射しても外部に影響を与えることのないよう、電波遮蔽可能な、内面に電波吸収体を内張りした電波遮蔽筺体を具えるとともに、その内部中央部に、不連続による反射で前記アレイアンテナの特性に悪い影響を与えることなく前記発射された電波を減衰させるため、媒質定数が徐々に層状に変化し、かつ、中央の面に対し媒質定数分布が面対称の形の多層電波吸収体を装填したことを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明装着具の好適な実施態様は、当該装着具がさらに、前記アレイアンテナ面の対面の電波遮蔽筺体の内側に、前記発射された電波の特性を測定するためのプローブアレイを具えたことを特徴とするものである。
【0007】
アレイアンテナを用いた送信装置は、主に通信衛星を用いた衛星伝送装置として開発されているが、多数の電力増幅器がそれぞれの放射素子に接続されており、法令により定められた電波検査などの際、装置全体の送信電力など電波の質に関する測定を直接行うことが困難であった。
【0008】
本発明に係る測定用装着具を装着したアレイアンテナ電力測定系では、アレイアンテナの送信出力を最大にしても外に電波が漏れない状態で電力や位相などの電波の質が測定できる構造になっている。しかも装着具の内部では、特殊な構造の多層電波吸収体により電波を減衰させて、アレイアンテナの送信特性を乱さないとともに、アレイアンテナから放射された電波は、その吸収体を通った後、プローブで検出される。その検出値より、アレイアンテナまたはその送信機や制御器の特性を確認して、機器の状態を把握できるとともに、他に妨害を与えずに、空間合成された電波を直接測ることにより精度良く電波の質や機器の故障状態を把握することができる。
【0009】
【実施例】
以下添付図面を参照し、本発明に係る装着具を適用したアレイアンテナ測定系の具体例により発明の実施の態様を詳細に説明する。
図1に本発明に係る装着具を装着したアレイアンテナ電力測定系の第1の実施例を示す。
【0010】
本発明に係る装着具の側壁は、アレイアンテナ1の放射素子2を完全に囲み、外部に電波を出さないようにした電波遮蔽板たとえば電波吸収体4を内張りした金属板の筺体3でできている。また、アレイアンテナに対向する対面も電波を外部に出さないように測定用のプローブ6の放射素子7でできている。内部中央部には、不連続による反射でアンテナの特性に悪い影響を与えることなく電波を減衰させるため、媒質定数が徐々に層状に変化し、しかも中央の面12に関して媒質定数分布が面対称の形の多層電波吸収体5を装填してある。さらにその減衰された電波を検出するための送信アンテナと同一形状の測定用の放射素子7に接続されたプローブ6、ダウンコンバータ8、検波器9、スイッチ10及びメータ11が設けられている。プローブ6で検出された各放射素子7の信号は、切り換えスイッチ10を経由してメータ11で測定する。図1において電波遮蔽筺体3の内張り電波吸収体4は、多層電波吸収体5の周縁部分には存在しないように記載されているが、この周縁部分に電波吸収体4は存在してもよくこれは本発明の本質には関係ない。以下の図面も同じである。
【0011】
この第1の実施例を図2を使用してさらに詳細に説明する。s,t,u,vはそれぞれアレイアンテナ面2、多層電波吸収体のアレイアンテナ面側、多層電波吸収体の検出プローブ面側、検出プローブ面7を示す。d1,d2は、それぞれs面とt面の距離、u面とv面の距離である。d1,d2はアレイアンテナおよび検出プローブの放射パターンを乱さない範囲で非常に短い距離であるので、s−t間、u−v間ではアレイアンテナから放射された電波は平面波と見なせる。t−u間は多層の電波吸収体である。その各層を電波が通る際には、それぞれの面で屈折するが多層電波吸収体が吸収体対称面12に対し面対称のため、この間を通過しても電波は屈折せずに通過したのと同様になる。したがって、減衰してはいるがアレイアンテナから放射された電波を等価的にd1+d2の近距離において、プローブで検出できる。そのため、アレイアンテナの放射特性に影響を与えずに、アレイアンテナより放射された電波の分布状態を、検出用プローブがアンテナ面の極近傍に設置された場合と同じように検出できて、各放射素子ごとの状態を正確に把握できる。多層電波吸収体5のμ,ε,σはそれぞれ各層の透磁率、誘電率、導電率を示している。
【0012】
図3に前記電力測定系の第2の実施例を示す。プローブ6でピックアップされた電波をRFスイッチ13で切り替えてパワー計、スペクトラムアナライザ14に接続し、運用状態で他への妨害を与えずに電波の質を確認できるとともに、アンテナを含む機器の特性のチェックと故障状態の把握ができる。
【0013】
図4に前記電力測定系の第3の実施例を示す。アレイアンテナの出力の一部をリファレンス信号としてネットワークアナライザ17に供給でき、アレイアンテナの面積に比較して十分な密度で検出できるM個のプローブ6が装填されており、その出力をネットワークアナライザ17で検出できる構成である。アレイアンテナから放射された電力値のみならず、放射された電波の位相特性もわかる。一例として、図5が60cm×60cmのアレイアンテナをプローブで測定した電界分布図である。この測定値よりコントローラ16の計算で、アレイアンテナの遠方特性を把握できる。このため、運用状態で他への妨害を与えずに電波の質をより確度高く確認できる。図5で横軸、縦軸はそれぞれx方向、y方向の中心点からの距離で単位はインチ単位であり、図中の数字はそれぞれ振幅値(dB)を示す。
【0014】
図6に前記電力測定系第4の実施例を示す。N個のサブアレイに分割されたアレイアンテナ21に対して、各サブアレイに対向して装填されたN個のプローブ23でピックアップされた電波を、RFスイッチ13で切り替えて、パワー計、スペクトラムアナライザ14に接続し、運用状態で他への妨害を与えずに各サブアレイごとの実際に発射される電力を確認できるとともに、アンテナを含む機器の状態の把握ができる。
【0015】
図7に示す本発明に係る装着具の他の実施例では、吸収体5の後に接続されているプローブから後の測定系を用いずに、アレイアンテナ用終端装置のみにしている。アレイアンテナを完全に囲む外部に電波を出さないようにした電波遮蔽筺体3ができている。内部は、アンテナの特性に影響なく電波を減衰するために、多層電波吸収体が装填してある。アレイアンテナを用いた送信装置による送信現場で、これをアレイアンテナを完全に覆うように装着して、運用レベルで送信した状態で送信装置のチェックや故障状態の把握をするために使用される。この装着具の使用時には、送信装置は運用状態であるが、他の装置等への妨害はない。
【0016】
【発明の効果】
本発明装着具を使用することにより、アレイアンテナを用いたポータブル送信装置の保守性が格段に向上するので、報道取材等に迅速に対応し、かつ電波の質を確保することが可能となった。また、機器の点検調整等も簡便になるので、アレイアンテナを用いたポータブル送信装置の製作や利用が促進された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る装着具を装着したアレイアンテナ電力測定系の第1の実施例を示す。
【図2】図1図示測定系の部分拡大図を示す。
【図3】本発明に係る装着具を装着したアレイアンテナ電力測定系の第2の実施例を示す。
【図4】本発明に係る装着具を装着したアレイアンテナ電力測定系の第3の実施例を示す。
【図5】本発明に係る装着具を装着したアレイアンテナ電力測定系を用いて測定したアレイアンテナの電界分布の一例(振幅)を示す。
【図6】本発明に係る装着具を装着したアレイアンテナ電力測定系の第4の実施例を示す。
【図7】本発明に係る装着具の他の実施例を示す。
【符号の説明】
1 アレイアンテナ
2 1の放射素子(アンテナ面)
3 電波遮蔽筺体
4 3の内張りの電波吸収体
5 多層電波吸収体
6 プローブ
7 6の放射素子(検出プローブ面)
8 ダウンコンバータ
9 検波器
10 スイッチ
11 パワー計
12 5の吸収体対称面
13 RFスイッチ
14 電力計またはスペクトラムアナライザ
15 RFスイッチ
16 コントローラ
17 ネットワークアナライザ
21 N個のサブアレイアンテナ
22 21の放射素子(アンテナ面)
23 N個のプローブ
24 23の放射素子(検出プローブ面)
Claims (2)
- アレイアンテナを用いた送信装置のアンテナ面を覆い、アレイアンテナ面より電波を発射しても外部に影響を与えることのないよう、電波遮蔽可能な、内面に電波吸収体を内張りした電波遮蔽筺体を具えるとともに、その内部中央部に、不連続による反射で前記アレイアンテナの特性に悪い影響を与えることなく前記発射された電波を減衰させるため、媒質定数が徐々に層状に変化し、かつ、中央の面に対し媒質定数分布が面対称の形の多層電波吸収体を装填したことを特徴とするアレイアンテナ測定用装着具。
- 請求項1記載の装着具において、当該装着具がさらに、前記アレイアンテナ面の対面の電波遮蔽筺体の内側に、前記発射された電波の特性を測定するためのプローブアレイを具えたことを特徴とするアレイアンテナ測定用装着具。
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JP26313695A JP3660408B2 (ja) | 1995-10-11 | 1995-10-11 | アレイアンテナ測定用装着具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26313695A JP3660408B2 (ja) | 1995-10-11 | 1995-10-11 | アレイアンテナ測定用装着具 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09107234A JPH09107234A (ja) | 1997-04-22 |
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ID=17385320
Family Applications (1)
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JP26313695A Expired - Fee Related JP3660408B2 (ja) | 1995-10-11 | 1995-10-11 | アレイアンテナ測定用装着具 |
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JP4802744B2 (ja) * | 2006-02-07 | 2011-10-26 | 三菱電機株式会社 | Rf特性自動測定装置 |
-
1995
- 1995-10-11 JP JP26313695A patent/JP3660408B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH09107234A (ja) | 1997-04-22 |
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