JP3654841B2 - Transparent conductive film and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水蒸気バリヤー性、酸素バリヤー性などのガスバリヤー性、導電性および透明性が良好であり、かつフィルム基板と透明バリヤー性薄膜との付着力が十分な液晶表示素子用透明導電性フィルムおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エレクトロニクス技術の急速な進歩にともない、液晶表示素子、太陽電池用光電交換素子などへの応用が進んでいる透明電極、さらには、該透明電極あるいはその他の用途に好適な導電性薄膜の特性の向上が急務となっている。
【0003】
一般に、このような透明電極は導電性薄膜をガラス基板上に形成して得られる。ガラス基板上に導電性薄膜を形成することにより得られる製品の例としては、酸化スズなどにより薄膜を形成したネサガラス、酸化インジウムと酸化スズとの混合物(ITO)により薄膜を形成したITOガラス、金・銀などにより導電性薄膜を形成した導電性ガラスなどが知られている。しかしながら、基板として用いるガラスには、衝撃に弱い、重い、可とう性がない、大面積化がしにくいなどの欠点がある。
【0004】
それらの欠点を補うために、例えばプラスチックフィルムを基板とする透明導電性フィルムが製造されている。プラスチックフィルムには、耐衝撃性、可とう性、軽量、大面積化のしやすさ、加工性の良さなどの利点があり、プラスチックフィルムを基板とする透明電導性フィルムは、この利点を活用して液晶表示素子、タッチパネル、帯電防止用フィルム、赤外線反射膜などに用いられている。
【0005】
現在、透明導電性フィルムは、エレクトロニクス表示デバイス分野で広く利用されており、それに用いられている透明導電性薄膜としては、導電性と透明性との双方に優れ、しかもパターン加工が容易であることからITO薄膜が主流である。
【0006】
前記ITO薄膜をプラスチックフィルム基板上に形成する方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などが知られている。これらの中では、フィルムへの密着性がよい、膜の均一性がよい、膜質のコントロールが容易である、生産性がよいなどの理由から、マグネトロンスパッタリング法が多く利用されている。
【0007】
一般に、基板として単一のプラスチックフィルム材料を用いる場合には、酸素バリヤー性、水蒸気バリヤー性、耐溶剤性などの諸特性を満足することができない。そのため、フィルム材料に対して下塗や表面処理を施して複合化したものが用いられる。複合化には、コーティング法、スパッタリング法などの公知の方法を用いるが、従来はコーティング法による複合化が広く用いられてきた。コーティング法による複合化において、酸素バリヤー性を付与するために、通常エバール樹脂をコーティングするが、糊が必要であるし、エバール樹脂自身耐熱性が不足し、できた複合化材料の耐熱性が不十分であった。スパッタリング法による複合化においては、SiOXを蒸着するのが普通であったが、必要なバリヤー性を得るには60nm程度の厚みが必要であり、この厚みになると、クラックが発生しやすい、着色しやすいなどの問題がある。さらに、酸素バリヤー性が十分な水蒸気バリヤー性材料はなかった。このほか、液晶表示素子用の基板には、その製造工程上、フィルム基板と薄膜層との十分な付着力が必要となるが、パターン加工中に薄膜剥離などの障害が発生するなどの問題がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の欠点を解決しようとするもので、その目的は、水蒸気バリヤー性、酸素バリヤー性などのガスバリヤー性、導電性および透明性が良好な液晶表示素子用透明導電性フィルムを提供することにある。本発明の他の目的は、透明フィルム基板上に、バリヤー性薄膜および導電性薄膜が積層され、上記性能を有する透明導電性フィルムであって、フィルム基板と透明バリヤー性薄膜との接着性に優れた液晶表示素子用透明導電性フィルムを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、そのような液晶表示素子用透明導電性フィルムの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは前記問題点を解決するために鋭意研究を行った結果、スパッタリング法により透明バリヤー性薄膜および透明導電性薄膜をフィルム基板上に形成する際に、成膜条件を制御することによって、ガスバリヤー性、導電性および透明性が良好であり、かつフィルム基板と透明バリヤー性薄膜との付着力が十分な液晶表示素子用透明導電性フィルムが得られることを見いだし、本発明を完成した。
【0011】
本発明の液晶表示素子用透明導電性フィルムは、透明フィルム基板上に、ケイ素酸化物を主体とする金属酸化物、またはケイ素窒化物を主体とする金属窒化物の透明バリヤー性薄膜が形成され、さらにインジウム酸化物を主体とする金属酸化物の透明導電性薄膜が形成された透明導電性フィルムであって該フィルム基板と透明バリヤー性薄膜との付着力が100g/cm以上である。
【0012】
本発明の液晶表示素子用透明導電性フィルムの製造方法は、透明フィルム基板上に、マグネトロンスパッタリング法により、ケイ素酸化物を主体とする金属酸化物、またはケイ素窒化物を主体とする金属窒化物の透明バリヤー性薄膜を形成する工程、および該透明バリヤー性薄膜上に、マグネトロンスパッタリング法により、インジウム酸化物を主体とする金属酸化物の透明導電性薄膜を形成する工程を包含し、そのことにより上記目的が達成される。
【0013】
本発明の液晶表示素子用透明導電性フィルムに用いられる透明フィルム基板は、透明なプラスチックフィルムから形成され、厚みが20〜200μm、好ましくは75〜125μmの範囲の基板であり、光線透過率が85%以上、好ましくは90%以上であり、表面の平滑性が良好なフィルムである。
【0014】
前記基板の厚みが20〜200μmであれば、光線透過率が85%以上となり、表面の平滑性が良好で、フィルムの厚みが均一な透明導電性フィルムが得られやすい。前記基板の光線透過率が90%以上の場合には、形成された透明導電性フィルムの透明度も良好であり、かつ透明導電性フィルムの表面の平滑性も良好となるため、エッチングなどの微細加工性も向上する。また、前記基板の光線透過率が85%未満の場合には、作成された透明導電性フィルムの透明度が低くなるため、一般には好ましくない。
【0015】
上記プラスチックフィルムを形成するプラスチック材料としては、ポリアリレート(PAR)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリサルフォン、ポリアミド、セルローストリアセテート(TAC)などが挙げられるが、これらに限定されない。上記プラスチック材料の中では、透明性が高く、耐熱性に優れたポリアリレートが好ましく、特に液晶表示素子の用途に使用するのに適している。
【0016】
上記プラスチックフィルムは、単一の材料から形成されるフィルムに限定されず、フィルム基板と透明バリヤー性薄膜との付着強度の改善、ガスバリヤー性の向上、耐溶剤性の改善などの目的で、各種下塗または表面処理が施された複合フィルムを用いてもよい。複合化にあたっては、コーティング法またはスパッタリング法などの公知の方法が用いられる。
【0017】
上記透明フィルム基板上に形成される透明バリヤー性薄膜は、ケイ素酸化物を主体とする金属酸化物、またはケイ素窒化物を主体とする金属窒化物で形成され、その厚みは20〜100nm、好ましくは25〜60nmの範囲であり、酸素透過度が5ml/m2/日以下、好ましくは1ml/m2/日以下であり、水蒸気透過度が5g/m2/日以下、好ましくは1g/m2/日以下である。厚みが20nm未満の場合には、ガスバリヤー性が不十分で好ましくなく、100nmを越える場合には、クラックが発生しやすくなり、好ましくない。
【0018】
上記ケイ素酸化物を主体とする金属酸化物とは、二酸化ケイ素であるか、あるいはこれを主成分とする混合物であり、該混合物中には一酸化ケイ素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物の少なくとも1種が含有され得る。上記ケイ素窒化物を主体とする金属窒化物とは、窒化ケイ素であるか、あるいはこれを主成分とする混合物であり、該混合物中には窒化アルミニウムなどの金属窒化物の少なくとも1種が含有され得る。
【0019】
これらの化合物としては、SiOX、SiAlNなどが挙げられる。これらの化合物のうち、SiOX、特にxの値が1.3〜1.8、好ましくは1.5である化合物を用いた透明バリヤー性薄膜においては、酸素バリヤー性および水蒸気バリヤー性が十分であり、透明バリヤー性薄膜の透明フィルム基板に対する付着力を発現することから好ましい。
【0020】
透明バリヤー性薄膜上に形成される透明導電性薄膜は、インジウム酸化物を主体とする金属酸化物で形成され、その厚みは20〜200nm、好ましくは50〜150nmの範囲である。この薄膜は、好ましくはその光線透過率が80%以上、さらに好ましくは85%以上であり、好ましくはシート抵抗が100Ω/□以下、さらに好ましくは50Ω/□以下である。上記透明導電性薄膜の厚みが60〜150nmの範囲の場合には、光線透過率およびシート抵抗の双方を好適な範囲(80%以上、100Ω/□以下)に調節ししやすい。上記の厚みが20nm未満の場合には、シート抵抗が100Ω/□以上となり、好ましくなく、200nmを越える場合には、光線透過率が80%以下となり、またクラックも発生しやすく、好ましくない。上記光線透過率が85%程度以上の場合には、形成された透明導電性フィルムの透明性が良好であるため特に好ましい。
【0021】
上記インジウム酸化物を主体とする金属酸化物とは、酸化インジウムであるか、またはこれを主成分とする混合物であり、該混合物中には、酸化インジウムが80重量%以上、好ましくは90〜95重量%の割合で含有され、酸化スズ、酸化カドミウムなどの、1種以上の金属酸化物が20重量%以下、好ましくは5〜10重量%の割合で含有され得る。
【0022】
これらの化合物としては、ITO(酸化インジウムと酸化スズとの混合物)、CdIn2O4などが挙げられる。これらの化合物のうち、特に金属換算でスズが10重量%以下、好ましくは5〜10重量%の割合で含有される化合物を用いると、得られた透明導電性薄膜は透明性が高く、シート抵抗が低いため好ましい。本発明の液晶表示素子用透明導電性フィルムは、例えば、上記透明フィルム基板上にマグネトロンスパッタリング法により透明バリヤー性薄膜および透明導電性薄膜を形成することによって製造される。
【0023】
フィルム基板上に透明バリヤー性薄膜を形成する場合に使用されるターゲットとしては、上述のケイ素酸化物を主体とする金属酸化物の混合焼結体、またはケイ素窒化物を主体とする金属窒化物の混合焼結体が用いられる。特に、二酸化ケイ素と一酸化ケイ素との複合酸化物焼結体を用いるのが好ましい。スパッタリング時のガス組成としては、アルゴンなどの不活性ガスか、またはこれを主成分として酸素、水素などを加えたものが用いられる。総ガス圧としては、1×10-3〜3×10-3Torrの範囲が好ましい。1×10-3Torr未満の場合には放電が不安定になり、好ましくなく、3×10-3Torrを越える場合には、透明バリヤー性薄膜が十分なガスバリヤー性を示さず、好ましくない。使用する電源は、バリヤー材料のターゲットが絶縁材料であるため、高周波電源(以下、RFとする)が好ましく、電力密度をRF1.0〜4.0W/cm2にして成膜することが好ましい。RF1.0W/cm2未満の場合には、形成された透明バリヤー性薄膜のフィルム基板に対する付着力が不十分となり、好ましくなく、RF4.0W/cm2を越える場合には、ターゲットの冷却不足が起こり、ターゲットが破損する恐れがあり好ましくない。このようにして形成された透明バリヤー性薄膜の厚みは20〜100nmであり、好ましくは25〜60nmである。
【0024】
透明バリヤー性薄膜上に透明導電性薄膜を形成する場合に使用されるターゲットとしては、酸化インジウムを主体とする金属酸化物の複合酸化物焼結体が用いられる。特に、ITOの焼結体を用いるのが好ましい。ITOにおける酸化インジウムと酸化スズの比率としては、上述のように、スズを金属換算で10重量%以下の割合で含有することが好ましい。スパッタリング時のガス組成は、上記透明バリヤー性薄膜の場合と同様である。総ガス圧としては、3×10-3〜9×10-3Torrの範囲が好ましい。3×10-3Torr未満の場合には、透明導電性薄膜の内部応力が増大するために透明導電性薄膜の反りが大きくなり、また透明導電性薄膜および透明バリヤー性薄膜のフィルム基板に対する付着力が低下するため、剥離が起こし易くなり、好ましくない。また、9×10-3Torrを越える場合には、シート抵抗がきわめて大きくなるために実用的でなく、好ましくない。添加ガスとして、例えばITO薄膜の場合、酸素分圧を総ガス圧の0〜5.0%の範囲内でコントロールするのが好ましい。酸素分圧が、5.0%を越える場合には、シート抵抗が100Ω/□以上となり、好ましくない。使用する電源は、生産性の観点から直流電源(以下、DCとする)が好ましい。DC0.1〜2.0W/cm2の電力密度で成膜することが好ましく、さらに好ましくは、1.2W/cm2未満で成膜することが好ましい。電力密度が0.1W/cm2 未満の場合には、生産性が低くなる恐れがあり好ましくなく、電力密度が2.0W/cm2 を越える場合には、ITO薄膜の内部応力が大きくなるためにITO薄膜の反りが大きくなり、また透明導電性薄膜および透明バリヤー性薄膜のフィルム基板に対する付着力が低下するために、剥離などを起こす恐れがあり、好ましくない。透明導電性薄膜の厚みは20〜200nm、好ましくは50〜150nmである。厚い方が電気抵抗が低下するので好ましいが、折り曲げ時にクラックなどを引き起こし易い。
【0025】
このようにして得られた透明導電性フィルムは、水蒸気バリヤー性、酸素バリヤー性などのガスバリヤー性、導電性および透明性が良好であり、かつフィルム基板と透明バリヤー性薄膜との付着力が十分であるので、液晶セル基板、液晶表示素子などの用途に好適に用いられる。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれに限定されない。実施例中の評価における得られた透明導電性フィルムの評価は、下記の方法により行った。
(1)酸素バリヤー性
フィルム基板上に形成させた透明バリヤー性薄膜の酸素バリヤー性を、米国モダンコントロール社製OX−TRAN100を用いて測定し、ml/m2/日の単位で表示した。
【0027】
(2)水蒸気バリヤー性
フィルム基板上に形成させた透明バリヤー性薄膜の水蒸気バリヤー性を、防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)JIS−Z−0208に基づいて測定した。
【0028】
(3)シート抵抗
透明導電性フィルムのシート抵抗を四探針抵抗率測定法に準じて測定した。
【0029】
(4)光線透過率
空気をリファレンスとして、波長550nmでの透明導電性フィルムの光線透過率を百分率で表した。
【0030】
(5)付着力
JIS−C−2107、Z−0237に準じて、透明導電性フィルムの90度引き剥し付着力を測定した。
【0031】
(実施例1)
基板として厚みが125μmのポリアリレート透明フィルムを使用し、直径6インチのターゲットを2台備えたマグネトロンスパッタ機(島津製作所株式会社製HSM−720型)を用いて、透明バリヤー性薄膜および透明電導性薄膜を順次フィルム基板上に形成した。透明バリヤー性薄膜を形成する際に、ターゲットとしてSiO1.5を用い、スパッタガスとしてアルゴンのみを用いた。総ガス圧1.0×10-3Torrおよびガス流量10sccm、パワー条件として、RF400W(2.35W/cm2)、スパッタ時間1.5分間の条件で成膜を行うと、30nmの厚みの透明バリヤー性薄膜が得られた。このようにしてフィルム基板上に形成された透明バリヤー性薄膜を用いて、上記(1)および(2)項の試験を行った。
【0032】
次いで、この透明バリヤー性薄膜上に透明電導性薄膜を形成した。そのときの条件は、次の通りである。ターゲットとしては酸化スズ比10重量%のITOを用い、スパッタガスとしてアルゴンに酸素を1%加えたものを用いた。総ガス圧7.0×10-3Torrおよびガス流量20sccm、パワー条件としてDC0.6A250V(0.88W/cm2)、スパッタ時間3分間の条件で成膜を行い、100nmの厚みの透明電導性薄膜が得られた。このようにして得られた透明電導性フィルムについて、上記(3)〜(5)項の試験を行った。上記のスパッタ条件および試験の結果を表1に示す。後述の比較例1および2についても同様に試験を行った。それらの結果も併せて表1に示す。
【0033】
透明バリヤー性薄膜の成膜パワーを2.35W/cm2にして成膜すると、シート抵抗が74Ω/□、光線透過率が79%、酸素バリヤー性が0.5ml/m2/日、水蒸気バリヤー性が0.5g/m2/日、および付着力が150g/cmである透明導電性フィルムが得られた。
【0034】
(比較例1)
透明電導性薄膜の成膜パワーをDC1.6A250V(2.35W/cm2)としたこと以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作成した。結果を表1に示す。透明電導性薄膜の成膜パワーを0.88W/cm2から2.35W/cm2に上げて成膜すると、付着力が20g/cmと不十分で薄膜層が剥離してしまった。
【0035】
(比較例2)
透明電導性薄膜の成膜時のプロセス圧力を1.0×10-3Torrとしたこと以外は実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを作成した。結果を表1に示す。透明電導性薄膜の成膜時のプロセス圧力を7.0×10-3Torrから1.0×10-3Torrに下げて成膜すると、シート抵抗が35Ω/□となり、電気抵抗の低い透明電導性薄膜が得られるものの、付着力が不足するため剥離が起こった。
【0036】
【表1】
【0037】
(実施例2)
200×700mm2のターゲットを2台備えたマグネトロンスパッタリング装置(島津製作所株式会社製SLC−15S型)を使用して、次のように透明電導性フィルムを作成した。基板として厚みが125μmのポリアリレート透明フィルムを使用した。透明バリヤー性薄膜を形成する際に、ターゲットとしてSiO1.5を用い、スパッタガスとしてアルゴンのみを用いた。総ガス圧1.4×10-3Torrおよびガス流量100sccm、パワー条件として、RF1000W(1.11W/cm2)、スパッタ時間7.5分間の条件で成膜を行うと、40nmの厚みの透明バリヤー性薄膜が得られた。このようにしてフィルム基板上に形成された透明バリヤー性薄膜を用いて、上記(1)および(2)項の試験を行った。次いで、この透明バリヤー性薄膜上に透明電導性薄膜を形成した。そのときの条件は、次の通りである。ターゲットとしては酸化スズ比10重量%のITOを用い、スパッタガスとしてアルゴンに酸素を1%加えたものを用い、総ガス圧5.0×10-3Torrおよびガス流量50sccm、パワー条件として、DC0.5A300V(0.17W/cm2)、スパッタ時間30分間の条件で成膜を行い、100nmの厚みの透明電導性薄膜が得られた。得られた透明電導性フィルムについて、上記(3)〜(5)項の試験を行った。上記のスパッタ条件および試験の結果を表2に示す。後述の比較例3についても同様に試験を行った。それらの結果も併せて表2に示す。
【0038】
透明バリヤー性薄膜の成膜パワーを1.11W/cm2にして成膜すると、シート抵抗が50Ω/□、光線透過率が80%、酸素バリヤー性が1.0ml/m2/日、水蒸気バリヤー性が0.5g/m2/日、および付着力が150g/cmである透明導電性フィルムが得られた。
【0039】
(比較例3)
透明電導性薄膜の成膜時のプロセス圧力を1.0×10-3Torrとすること以外は実施例2と同様にして、透明電導性フィルムを作成した。透明電導性薄膜の成膜時のプロセス圧力を5.0×10-3Torrから1.0×10-3Torrに下げるとシート抵抗が45Ω/□、光線透過率が80%、酸素バリヤー性が1.0ml/m2/日、水蒸気バリヤー性が0.5g/m2/日である透明電導性フィルムが得られるものの、付着力が20g/cmと低下し、付着力不足による剥離が発生してしまった。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、酸素バリヤー性、水蒸気バリヤー性、導電性、透明性などの諸特性を満足し、かつ、フィルム基板と透明バリヤー性薄膜との付着力が100g/cm以上という、これまでに得られなかった特性を有する透明導電性フィルムを提供することができる。このフィルムは、透明バリヤー性薄膜および透明電導性薄膜の成膜条件を適切にコントロールすることによって調製され得る。透明フィルム基板を使用しているために、耐衝撃性、軽量、可とう性、大面積化のしやすさ、加工性のよさなどの特徴も有するこの透明導電性フィルムは、各種用途に利用され、特に液晶表示素子用フィルムとして好適に用いられる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention provides a transparent conductive film for a liquid crystal display device having good gas barrier properties such as water vapor barrier properties and oxygen barrier properties, conductivity and transparency, and sufficient adhesion between a film substrate and a transparent barrier thin film. And a manufacturing method thereof.
[0002]
[Prior art]
With the rapid advancement of electronics technology, the application of liquid crystal display elements, solar cell photoelectric exchange elements, etc. to transparent electrodes, and further improvements to the properties of the transparent electrodes or other conductive thin films suitable for other applications Is an urgent need.
[0003]
In general, such a transparent electrode is obtained by forming a conductive thin film on a glass substrate. Examples of products obtained by forming a conductive thin film on a glass substrate include Nesa glass in which a thin film is formed by tin oxide, ITO glass in which a thin film is formed from a mixture of indium oxide and tin oxide (ITO), gold -Conductive glass having a conductive thin film formed of silver or the like is known. However, glass used as a substrate has drawbacks such as weakness to impact, heavyness, lack of flexibility, and difficulty in increasing the area.
[0004]
In order to compensate for these drawbacks, for example, a transparent conductive film using a plastic film as a substrate has been manufactured. Plastic film has advantages such as impact resistance, flexibility, light weight, ease of enlargement, and good workability. Transparent conductive films using plastic film as a substrate take advantage of these advantages. It is used for liquid crystal display elements, touch panels, antistatic films, infrared reflective films and the like.
[0005]
At present, transparent conductive films are widely used in the field of electronic display devices, and the transparent conductive thin films used therein are excellent in both conductivity and transparency, and are easy to pattern. Therefore, ITO thin films are the mainstream.
[0006]
Known methods for forming the ITO thin film on a plastic film substrate include a vacuum deposition method, a sputtering method, and an ion plating method. Among these, the magnetron sputtering method is often used because of its good adhesion to the film, good film uniformity, easy film quality control, and good productivity.
[0007]
In general, when a single plastic film material is used as a substrate, various characteristics such as oxygen barrier property, water vapor barrier property, and solvent resistance cannot be satisfied. Therefore, a composite material obtained by subjecting the film material to undercoating or surface treatment is used. For the compounding, a known method such as a coating method or a sputtering method is used. Conventionally, compounding by a coating method has been widely used. In compounding by the coating method, in order to provide oxygen barrier properties, EVAL resin is usually coated, but glue is required, EVAL resin itself lacks heat resistance, and the heat resistance of the resulting composite material is poor. It was enough. In the compounding by the sputtering method, it was usual to deposit SiO x , but in order to obtain the necessary barrier properties, a thickness of about 60 nm is necessary. There are problems such as easy to do. Furthermore, there was no water vapor barrier material with sufficient oxygen barrier properties. In addition, the substrate for the liquid crystal display element requires sufficient adhesion between the film substrate and the thin film layer in the manufacturing process, but there are problems such as the occurrence of thin film peeling during pattern processing. is there.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention is intended to solve the above-mentioned drawbacks, and its purpose is to provide a transparent conductive film for liquid crystal display elements having good gas barrier properties such as water vapor barrier properties and oxygen barrier properties, conductivity and transparency. There is to do. Another object of the present invention is a transparent conductive film having the above-mentioned performance in which a barrier thin film and a conductive thin film are laminated on a transparent film substrate, and is excellent in adhesion between the film substrate and the transparent barrier thin film. Another object of the present invention is to provide a transparent conductive film for a liquid crystal display element .
[0009]
Another object of the present invention is to provide a method for producing such a transparent conductive film for liquid crystal display elements .
[0010]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the inventors of the present invention controlled the film formation conditions when forming a transparent barrier thin film and a transparent conductive thin film on a film substrate by a sputtering method. The present inventors have found that a transparent conductive film for a liquid crystal display device having good gas barrier properties, electrical conductivity, and transparency and having sufficient adhesion between the film substrate and the transparent barrier thin film can be obtained. .
[0011]
The liquid crystal display device a transparent conductive film for the present invention, a transparent film substrate, transparent barrier property thin film of a metal nitride mainly metal oxide mainly of silicon oxide or silicon nitride is made form is more adhesion between a transparent conductive film transparent conductive thin film is made form to the film substrate and the transparent barrier film of metal oxide based on indium oxide is 100 g / cm or more.
[0012]
The method for producing a transparent conductive film for a liquid crystal display device according to the present invention comprises a metal oxide mainly composed of silicon oxide or a metal nitride mainly composed of silicon nitride formed on a transparent film substrate by magnetron sputtering. Including a step of forming a transparent barrier thin film, and a step of forming a transparent conductive thin film of a metal oxide mainly composed of indium oxide on the transparent barrier thin film by a magnetron sputtering method. The objective is achieved.
[0013]
The transparent film substrate used for the transparent conductive film for a liquid crystal display element of the present invention is a substrate having a thickness of 20 to 200 μm, preferably 75 to 125 μm, and a light transmittance of 85, formed from a transparent plastic film. % Or more, preferably 90% or more, and a film having a good surface smoothness.
[0014]
If the thickness of the substrate is 20 to 200 μm, the light transmittance is 85% or more, the surface smoothness is good, and a transparent conductive film with a uniform film thickness is easily obtained. When the light transmittance of the substrate is 90% or more, the transparency of the formed transparent conductive film is good and the smoothness of the surface of the transparent conductive film is also good. Also improves. Further, when the light transmittance of the substrate is less than 85%, the transparency of the produced transparent conductive film is lowered, which is generally not preferable.
[0015]
Examples of the plastic material forming the plastic film include polyarylate (PAR), polyethylene terephthalate (PET), polycarbonate (PC), polyethersulfone (PES), polysulfone, polyamide, and cellulose triacetate (TAC). However, it is not limited to these. Among the plastic materials, polyarylate having high transparency and excellent heat resistance is preferable, and particularly suitable for use in liquid crystal display elements.
[0016]
The plastic film is not limited to a film formed from a single material, and various kinds of plastic films are used for the purpose of improving the adhesion strength between the film substrate and the transparent barrier thin film, improving the gas barrier property, and improving the solvent resistance. You may use the composite film in which the primer or the surface treatment was given. For compounding, a known method such as a coating method or a sputtering method is used.
[0017]
The transparent barrier thin film formed on the transparent film substrate is formed of a metal oxide mainly composed of silicon oxide or a metal nitride mainly composed of silicon nitride, and has a thickness of 20 to 100 nm, preferably The oxygen permeability is 5 ml / m 2 / day or less, preferably 1 ml / m 2 / day or less, and the water vapor permeability is 5 g / m 2 / day or less, preferably 1 g / m 2. / Day or less. When the thickness is less than 20 nm, the gas barrier property is not preferable because it is insufficient, and when it exceeds 100 nm, cracks are likely to occur, which is not preferable.
[0018]
The metal oxide mainly composed of silicon oxide is silicon dioxide or a mixture mainly composed of silicon dioxide, and the mixture contains at least one of metal oxides such as silicon monoxide and aluminum oxide. Species may be included. The metal nitride mainly composed of silicon nitride is silicon nitride or a mixture mainly composed of silicon nitride, and the mixture contains at least one metal nitride such as aluminum nitride. obtain.
[0019]
Examples of these compounds include SiO x and SiAlN. Among these compounds, oxygen barrier properties and water vapor barrier properties are sufficient in transparent barrier thin films using SiO x , especially compounds having a value of x of 1.3 to 1.8, preferably 1.5. It is preferable because the adhesiveness of the transparent barrier thin film to the transparent film substrate is exhibited.
[0020]
The transparent conductive thin film formed on the transparent barrier thin film is formed of a metal oxide mainly composed of indium oxide and has a thickness of 20 to 200 nm, preferably 50 to 150 nm. The thin film preferably has a light transmittance of 80% or more, more preferably 85% or more, and preferably has a sheet resistance of 100Ω / □ or less, more preferably 50Ω / □ or less. When the thickness of the transparent conductive thin film is in the range of 60 to 150 nm, it is easy to adjust both the light transmittance and the sheet resistance to a suitable range (80% or more, 100Ω / □ or less). When the thickness is less than 20 nm, the sheet resistance is 100 Ω / □ or more, which is not preferable. When the thickness exceeds 200 nm, the light transmittance is 80% or less, and cracks are easily generated. The light transmittance of about 85% or more is particularly preferable because the formed transparent conductive film has good transparency.
[0021]
The metal oxide mainly composed of indium oxide is indium oxide or a mixture mainly composed of indium oxide. In the mixture, indium oxide is 80% by weight or more, preferably 90 to 95%. One or more metal oxides such as tin oxide and cadmium oxide may be contained in a proportion of 20% by weight or less, preferably 5 to 10% by weight.
[0022]
Examples of these compounds include ITO (mixture of indium oxide and tin oxide), CdIn 2 O 4 and the like. Among these compounds, in particular, when a compound containing 10% by weight or less, preferably 5 to 10% by weight of tin in terms of metal is used, the obtained transparent conductive thin film has high transparency and sheet resistance. Is preferable because of low. The transparent conductive film for liquid crystal display elements of the present invention is produced, for example, by forming a transparent barrier thin film and a transparent conductive thin film on the transparent film substrate by a magnetron sputtering method.
[0023]
As a target used when forming a transparent barrier thin film on a film substrate, a mixed sintered body of a metal oxide mainly composed of the above-mentioned silicon oxide or a metal nitride mainly composed of silicon nitride is used. A mixed sintered body is used. In particular, it is preferable to use a composite oxide sintered body of silicon dioxide and silicon monoxide. As a gas composition at the time of sputtering, an inert gas such as argon, or a gas containing oxygen and hydrogen as a main component is used. The total gas pressure is preferably in the range of 1 × 10 −3 to 3 × 10 −3 Torr. If it is less than 1 × 10 −3 Torr, the discharge becomes unstable, which is not preferred. If it exceeds 3 × 10 −3 Torr, the transparent barrier thin film does not exhibit sufficient gas barrier properties and is not preferred. The power source to be used is preferably a high frequency power source (hereinafter referred to as RF) because the barrier material target is an insulating material, and it is preferable to form a film at a power density of RF 1.0 to 4.0 W / cm 2 . If it is less than RF 1.0 W / cm 2, the adhesion of the formed transparent barrier thin film to the film substrate becomes insufficient, which is not preferable, and if it exceeds RF 4.0 W / cm 2 , there is insufficient cooling of the target. May occur and the target may be damaged. The transparent barrier thin film thus formed has a thickness of 20 to 100 nm, preferably 25 to 60 nm.
[0024]
As a target used when forming a transparent conductive thin film on a transparent barrier thin film, a composite oxide sintered body of a metal oxide mainly composed of indium oxide is used. In particular, it is preferable to use a sintered body of ITO. As a ratio of indium oxide and tin oxide in ITO, it is preferable to contain tin in a ratio of 10% by weight or less in terms of metal as described above. The gas composition at the time of sputtering is the same as that of the transparent barrier thin film. The total gas pressure is preferably in the range of 3 × 10 −3 to 9 × 10 −3 Torr. If it is less than 3 × 10 −3 Torr, the internal stress of the transparent conductive thin film increases, so that the warp of the transparent conductive thin film increases, and the adhesion of the transparent conductive thin film and the transparent barrier thin film to the film substrate , Which is not preferable because peeling easily occurs. On the other hand, if it exceeds 9 × 10 −3 Torr, the sheet resistance becomes extremely large, which is not practical and not preferable. As the additive gas, for example, in the case of an ITO thin film, it is preferable to control the oxygen partial pressure within a range of 0 to 5.0% of the total gas pressure. When the oxygen partial pressure exceeds 5.0%, the sheet resistance becomes 100Ω / □ or more, which is not preferable. The power source to be used is preferably a direct current power source (hereinafter referred to as DC) from the viewpoint of productivity. It is preferable to form a film with a power density of DC 0.1 to 2.0 W / cm 2 , and it is more preferable to form a film with less than 1.2 W / cm 2 . When the power density is less than 0.1 W / cm 2 , the productivity may be lowered, which is not preferable. When the power density exceeds 2.0 W / cm 2 , the internal stress of the ITO thin film increases. In addition, the warp of the ITO thin film is increased, and the adhesion of the transparent conductive thin film and the transparent barrier thin film to the film substrate is lowered, which may cause peeling and the like, which is not preferable. The thickness of the transparent conductive thin film is 20 to 200 nm, preferably 50 to 150 nm. A thicker one is preferable because the electric resistance is lowered, but it tends to cause cracks when bent.
[0025]
The transparent conductive film thus obtained has good gas barrier properties such as water vapor barrier and oxygen barrier properties, conductivity and transparency, and sufficient adhesion between the film substrate and the transparent barrier thin film. Therefore, it is suitably used for applications such as a liquid crystal cell substrate and a liquid crystal display element.
[0026]
【Example】
Hereinafter, although the present invention is explained based on an example, the present invention is not limited to this. The evaluation of the transparent conductive film obtained in the evaluation in Examples was performed by the following method.
(1) Oxygen barrier property The oxygen barrier property of the transparent barrier thin film formed on the film substrate was measured using OX-TRAN100 manufactured by Modern Control, USA, and displayed in units of ml / m 2 / day.
[0027]
(2) Water vapor barrier property The water vapor barrier property of the transparent barrier thin film formed on the film substrate was measured based on the moisture permeability test method (cup method) JIS-Z-0208 of the moisture-proof packaging material.
[0028]
(3) Sheet resistance The sheet resistance of the transparent conductive film was measured according to the four-point probe resistivity measurement method.
[0029]
(4) Light transmittance With reference to air, the light transmittance of the transparent conductive film at a wavelength of 550 nm was expressed as a percentage.
[0030]
(5) Adhesive force According to JIS-C-2107 and Z-0237, 90 degree peeling adhesive force of the transparent conductive film was measured.
[0031]
(Example 1)
Using a magnetron sputtering machine (HSM-720 model, manufactured by Shimadzu Corporation) using a polyarylate transparent film with a thickness of 125 μm as a substrate and two targets having a diameter of 6 inches, a transparent barrier thin film and a transparent conductive material Thin films were sequentially formed on the film substrate. When forming the transparent barrier thin film, SiO 1.5 was used as a target, and only argon was used as a sputtering gas. When a film is formed under the conditions of a total gas pressure of 1.0 × 10 −3 Torr, a gas flow rate of 10 sccm, and a power condition of RF 400 W (2.35 W / cm 2 ) and a sputtering time of 1.5 minutes, the film is transparent with a thickness of 30 nm. A barrier film was obtained. Using the transparent barrier thin film thus formed on the film substrate, the tests of the above items (1) and (2) were conducted.
[0032]
Next, a transparent conductive thin film was formed on the transparent barrier thin film. The conditions at that time are as follows. As the target, ITO having a tin oxide ratio of 10% by weight was used, and as the sputtering gas, 1% oxygen was added to argon. The film was deposited under conditions of a total gas pressure of 7.0 × 10 −3 Torr, a gas flow rate of 20 sccm, a power condition of DC 0.6 A 250 V (0.88 W / cm 2 ), and a sputtering time of 3 minutes. A thin film was obtained. Thus, about the obtained transparent conductive film, the test of said (3)-(5) term was done. Table 1 shows the sputtering conditions and the test results. The same test was performed for Comparative Examples 1 and 2 described later. The results are also shown in Table 1.
[0033]
When the film forming power of the transparent barrier thin film is 2.35 W / cm 2 , the sheet resistance is 74Ω / □, the light transmittance is 79%, the oxygen barrier property is 0.5 ml / m 2 / day, the water vapor barrier A transparent conductive film having a property of 0.5 g / m 2 / day and an adhesive force of 150 g / cm was obtained.
[0034]
(Comparative Example 1)
A transparent conductive film was prepared in the same manner as in Example 1 except that the deposition power of the transparent conductive thin film was set to DC 1.6 A 250 V (2.35 W / cm 2 ). The results are shown in Table 1. When the film formation power of the transparent conductive thin film was increased from 0.88 W / cm 2 to 2.35 W / cm 2 , the thin film layer was peeled off due to insufficient adhesive force of 20 g / cm.
[0035]
(Comparative Example 2)
A transparent conductive film was produced in the same manner as in Example 1 except that the process pressure during the formation of the transparent conductive thin film was 1.0 × 10 −3 Torr. The results are shown in Table 1. When the film is formed by reducing the process pressure at the time of forming the transparent conductive thin film from 7.0 × 10 −3 Torr to 1.0 × 10 −3 Torr, the sheet resistance becomes 35Ω / □, and the transparent conductive with low electrical resistance Although an adhesive thin film was obtained, peeling occurred due to insufficient adhesion.
[0036]
[Table 1]
[0037]
(Example 2)
Using a magnetron sputtering device (SLC-15S type, manufactured by Shimadzu Corporation) equipped with two 200 × 700 mm 2 targets, a transparent conductive film was prepared as follows. A polyarylate transparent film having a thickness of 125 μm was used as the substrate. When forming the transparent barrier thin film, SiO 1.5 was used as a target, and only argon was used as a sputtering gas. When a film is formed under the conditions of a total gas pressure of 1.4 × 10 −3 Torr, a gas flow rate of 100 sccm, and a power condition of RF 1000 W (1.11 W / cm 2 ) and a sputtering time of 7.5 minutes, the film is transparent with a thickness of 40 nm. A barrier film was obtained. Using the transparent barrier thin film thus formed on the film substrate, the tests of the above items (1) and (2) were conducted. Next, a transparent conductive thin film was formed on the transparent barrier thin film. The conditions at that time are as follows. The target was ITO with a tin oxide ratio of 10% by weight, the sputtering gas was argon with 1% oxygen, the total gas pressure was 5.0 × 10 −3 Torr, the gas flow rate was 50 sccm, and the power conditions were DC0 Film formation was performed under conditions of 0.5 A 300 V (0.17 W / cm 2 ) and a sputtering time of 30 minutes, and a transparent conductive thin film having a thickness of 100 nm was obtained. About the obtained transparent conductive film, the test of said (3)-(5) term was done. Table 2 shows the sputtering conditions and the test results. The same test was performed for Comparative Example 3 described later. The results are also shown in Table 2.
[0038]
When the film formation power of the transparent barrier thin film was 1.11 W / cm 2 , the sheet resistance was 50Ω / □, the light transmittance was 80%, the oxygen barrier property was 1.0 ml / m 2 / day, and the water vapor barrier A transparent conductive film having a property of 0.5 g / m 2 / day and an adhesive force of 150 g / cm was obtained.
[0039]
(Comparative Example 3)
A transparent conductive film was prepared in the same manner as in Example 2 except that the process pressure during the formation of the transparent conductive thin film was 1.0 × 10 −3 Torr. When the process pressure during the formation of the transparent conductive thin film is lowered from 5.0 × 10 −3 Torr to 1.0 × 10 −3 Torr, the sheet resistance is 45Ω / □, the light transmittance is 80%, and the oxygen barrier property is improved. Although a transparent conductive film with 1.0 ml / m 2 / day and water vapor barrier property of 0.5 g / m 2 / day can be obtained, the adhesive force decreases to 20 g / cm, and peeling due to insufficient adhesive force occurs. I have.
[0040]
[Table 2]
[0041]
【The invention's effect】
According to the present invention, various properties such as oxygen barrier property, water vapor barrier property, conductivity, and transparency are satisfied, and the adhesive force between the film substrate and the transparent barrier thin film is 100 g / cm or more. A transparent conductive film having characteristics not obtained can be provided. This film can be prepared by appropriately controlling the film forming conditions of the transparent barrier thin film and the transparent conductive thin film. Because it uses a transparent film substrate, this transparent conductive film, which has features such as impact resistance, light weight, flexibility, ease of enlargement, and good workability, is used in various applications. In particular, it is suitably used as a film for a liquid crystal display element.
Claims (4)
該フィルム基板と透明バリヤー性薄膜との付着力が100g/cm以上であり、該フィルム基板を含む透明バリアー性薄膜の酸素透過度が5ml/m 2 /日以下および水蒸気透過度が5g/m 2 /日以下である、液晶表示素子用透明導電性フィルム。 The thickness of the metal oxide mainly composed of silicon oxide or the metal nitride mainly composed of silicon nitride is 20 to 100 nm on a transparent film substrate having a thickness of 20 to 200 μm and a light transmittance of 85% or more . A transparent conductive film in which a transparent barrier thin film is formed, and further a metal oxide mainly composed of indium oxide and a transparent conductive thin film having a thickness of 20 to 200 nm is formed,
Ri der adhesion is 100 g / cm or more and the film substrate and the transparent barrier film, the oxygen permeability of 5 ml / m 2 / day or less and water vapor permeability of the transparent barrier film comprising the film substrate 5 g / m The transparent conductive film for liquid crystal display elements which is 2 / day or less .
該透明バリヤー性薄膜上に、マグネトロンスパッタリング法により、インジウム酸化物を主体とする金属酸化物の透明導電性薄膜を形成する工程であって、ターゲット上の成膜電力密度が0.1〜2.0W/cm 2 であり、かつ成膜プロセス圧力が3×10 −3 〜9×10 −3 Torrである工程を包含する、
液晶表示素子用透明導電性フィルムの製造方法。A transparent barrier of a metal oxide mainly composed of silicon oxide or a metal nitride mainly composed of silicon nitride on a transparent film substrate having a thickness of 20 to 200 μm and a light transmittance of 85% or more by magnetron sputtering. A film forming power density on a target is 1.0 to 4.0 W / cm 2 and a film forming process pressure is 1 × 10 −3 to 3 × 10 −3 Torr. A step of forming a transparent conductive thin film of a metal oxide mainly composed of indium oxide on the transparent barrier thin film by a magnetron sputtering method, wherein a film formation power density on the target is 0. Including a step of 1 to 2.0 W / cm 2 and a film forming process pressure of 3 × 10 −3 to 9 × 10 −3 Torr .
A method for producing a transparent conductive film for a liquid crystal display element.
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