JP3648650B2 - 水資源貯水施設 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水を安定供給するための貯水池を備える水資源貯水施設に係わり、特に、渇水期の貯水量の確保を容易にすることができる水資源貯水施設に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲料水、工業用水、農業用水等に用いられる水資源の安定的な確保においては、水資源貯水施設としてのダムが、重要な役割を担っている。このダムの容量は、10年に一度程度の頻度で発生する渇水期に対応できるように設計されている。このため、ダムの取水制限による水不足は稀である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、近年の異常気象の下では、設計時の予想を上回る渇水期が発生しており、その結果、水不足が起こり、社会生活にも深刻な影響を与えているという問題がある。また、ダムの容量を更に増すなどの対応では、異常小雨のような気象条件の影響を受け易いというダム本来の性質を改善することができないので、前記問題の根本的な解決を見出すことができない。
【0004】
一方、気象条件に影響を受けにくい水資源としては、岩盤地下水がある。しかし、この岩盤地下水の取水は、湧き出る分量しか利用できないので、条件に応じて変化する必要量を、安定的に取水すること自体が難しい。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑み、渇水期の貯水量の確保を容易にすることができる水資源貯水施設を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の発明は、貯水池を備える水資源貯水施設において、貯水池に岩盤地下水を供給する岩盤地下水取水施設を有し、岩盤地下水取水施設には、岩盤地下水を取水する取水設備と、該取水設備と前記貯水池の間に設けられた送水路とが備えられ、前記取水設備には、岩盤中に形成され、その壁面に該岩盤中に向けて形成された集水孔を有する集水トンネルと、該集水トンネルに連通された立坑と、該立坑内に貯留された岩盤地下水の水位を測定する水位計と、前記立坑内に貯留された前記岩盤地下水を前記送水路に送り出す揚水装置とが備えられ、前記集水トンネルは立坑に向けて下方に傾斜して形成されていることを特徴とする。
【0007】
即ち、渇水期には、水位計で立坑内の水位を見ながら揚水装置を調整して立坑内の水位を下げ、気象条件に影響を受けにくい水資源である岩盤地下水の湧き出し量を増加させる。そして、この岩盤地下水を送水路を通じて貯水池に供給して、貯水池の貯水量を増す。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づき説明する。
図1に示すように、本実施形態の水資源貯水施設1000は、貯水池2を備えるダム1と、貯水池2に岩盤地下水Waを供給する岩盤地下水取水施設500とを備えている。
【0011】
岩盤地下水取水施設500は、ダム1の周囲の地盤5に設けられており、図2に示すように地盤5は、表層の土壌地盤6と土壌地盤6の下の岩盤7とからなっている。また、地下水位Hoは、土壌地盤6に位置している。この地下水位Hoの図中の位置は、岩盤地下水取水施設500の建設前の位置であり、取水量に応じて岩盤地下水取水施設500の周辺の地下水位Hoは低下する。岩盤地下水取水施設500は、図1に示すように、取水設備100と、取水設備100と貯水池2の間に設けられる送水路200とからなっている。
【0012】
図2に示すように取水設備100は、岩盤7中に形成された集水トンネル10と、集水トンネル10の壁面11に岩盤7中に向けて多数形成された集水孔20と、集水トンネル10の低い方の端部に連通され、集水トンネル10より低い位置まで形成された立坑50と、立坑50内の岩盤地下水Waの水位Hを測定する水位計60と、立坑50に貯留された岩盤地下水Waを地上に揚げ、送水路200に送り出す揚水装置70とからなっている。
【0013】
水位計60は、例えば、地上から音波や光波で遠隔測定するものが好適である。
【0014】
集水トンネル10は、その底部12が立坑50に向けて若干下方に傾斜して形成されており、集水トンネル10の断面形状は、本実施形態では略矩形であるが、アーチ形等であってもよい。集水トンネル10の底部12は、その両側縁に、溝状の導水路12aを有しており、導水路12aは、集水トンネル10の一端から他端に渡って形成され、立坑50に向けて若干下方に傾斜している。
【0015】
集水トンネル10の壁面11に多数形成された集水孔20は、本実施形態では略水平に形成されたものと、斜め上に向けて形成されたものとがある。この集水孔20は、集水トンネル10のトンネル軸に沿って多数連設形成されている。
【0016】
図1の水資源貯水施設1000は、以上のような構成を有している。
【0017】
従って、まず、その岩盤地下水取水施設500では、図2に示す集水孔20と集水トンネル壁面11から主に湧き出る岩盤地下水Waの量は、地盤5中の地下水位Hoに対して立坑50内に貯留された岩盤地下水Waの水位Hを下げるほど、地下水位Hoと岩盤地下水Wa全体に作用する立坑水位Hとの水頭差(Ho−H)の関係で多量となるので、必要量に応じて、立坑50内の水位Hを調節して、立坑50内に集まる岩盤地下水Waの量を制御し、その湧き出る分量だけ取水することで、安定的に取水量を調整することができる。
【0018】
この立坑50内の水位Hの調節は、水位計60で立坑50内の水位Hを見ながら、揚水装置70の揚水力(吸引力)を調整し、集水孔20と集水トンネル壁面11から主に湧き出る岩盤地下水Waの量が必要量となる高さにする。尚、大まかに立坑50内の水位Hを調整した後、流量計等で検知された実際の取水量に基づいて、立坑50内の水位Hを微調整するようにすれば、より高精度に必要量の岩盤地下水Waを得ることができる。
【0019】
すると、立坑50内からの取水量と岩盤地下水取水施設500内への湧き水量とが、バランスした状態での取水となるので、むらのない、即ち、安定した取水ができる。
【0020】
また、この岩盤地下水取水施設500では、集水トンネル10及び多数の集水孔20で岩盤面の露出面積を増大させたので、岩盤地下水Waの取水を大量に、より効率的に行なうことができる。尚、各集水孔20の削孔作業は、その孔径が小さくてよいために容易である上、集水孔20と集水トンネル壁面11から主に得られる岩盤地下水Waを、集水トンネル10の拡径ないし延長により得られる岩盤地下水Waとを同程度に増大させる場合に、岩盤7の掘削量が少なくて済むので、一層施工を容易とすることができ、施工コストの低減を図ることができる。
【0021】
また、岩盤7中に形成された集水トンネル10の壁面11及び各集水孔20に湧き出た岩盤地下水Waは、重力で立坑50側に集水トンネル10の導水路12a、12aを流れるので、岩盤地下水Waの集水のための動力を省略することができ、運転コストが低減される。
【0022】
さて、図1の水資源貯水施設1000は、このような岩盤地下水取水施設500を有しているため、以下のように渇水期の貯水量の確保を容易に行なうことができる。
【0023】
即ち、まず、岩盤地下水Waは、岩盤7中の地下水であるため、気象条件に影響を受けにくい水資源であり、渇水期においても取水可能である。
【0024】
そこで、渇水期には、岩盤地下水取水施設500の立坑50内の水位Hを渇水時水位H1に下げて、岩盤地下水Waの湧き出し量を増して取水し、この岩盤地下水Waを送水路200を通じて、図1に示す貯水池2に供給する。これにより、貯水池2の貯水量を増すことができる。また、上述したように、岩盤地下水取水施設500は、岩盤地下水Waの取水を大量に、より効率的に行なうことができると共に、安定供給できるので、渇水期の貯水量の確保を容易にすることができる。
【0025】
また、渇水期以外では、岩盤地下水Waの供給が全く不要であれば、図2の岩盤地下水取水施設500の立坑50内の水位Hを地下水位Hoに合わせることで、岩盤地下水Waの湧き出しを無くし、その供給を停止することができるため、渇水期の取水で地盤5中の地下水位Hoが低下した場合も、早期に回復させることが可能である。また、岩盤地下水Waの供給が若干必要であれば、その必要量に応じて、立坑50内の水位Hを調節することで、所望の量の岩盤地下水Waを継続的に安定供給することができる。この場合も立坑水位Hは、地下水位Hoよりも若干低い程度であるため、渇水期の取水で低下した地下水位Hoも概ね回復させることができる。
【0026】
よって、水資源貯水施設1000では、貯水池2の貯水量を気象条件に関係なく容易に確保できると共にその調整を容易にすることができる。
【0027】
尚、上記実施形態では、岩盤地下水取水施設500により取水された岩盤地下水Waをダム1の貯水池2に供給する場合について記載したが、岩盤地下水取水施設500により取水された岩盤地下水Waは、ダム1に限らず、他の貯水池、貯水設備、給水設備に供給するようにしてもよい。
【0028】
【発明の効果】
本発明の第一の発明の水資源貯水施設によれば、渇水期には、水位計で立坑内の水位を見ながら揚水装置を調整して立坑内の水位を下げ、気象条件に影響を受けにくい水資源である岩盤地下水の湧き出し量を増加させる。そして、この岩盤地下水を送水路を通じて貯水池に供給して、貯水池の貯水量を増すことができるので、渇水期の貯水量の確保を容易にすることができる。
また、渇水期以外では、岩盤地下水の供給が全く不要であれば、揚水装置を停止して岩盤地下水取水施設の立坑内の水位を地下水位に合わせることで、岩盤地下水の湧き出しを無くし、その供給を停止することができるため、渇水期の取水で地盤中の地下水位が低下した場合も、早期に回復させることが可能である。
また、岩盤地下水の供給が若干必要であれば、その必要量に応じて揚水装置を調整して、立坑内の水位を調節することで、所望の量の岩盤地下水を継続的に安定供給することができる。この場合も立坑水位は、地下水位よりも若干低い程度であるため、渇水期の取水で低下した地下水位も概ね回復させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水資源貯水施設の一実施形態を示す簡略図である。
【図2】 図1の水資源貯水施設における岩盤地下水取水施設を示す断面図である。
【符号の説明】
2…貯水池
50…立坑
500…岩盤地下水取水施設
1000…水資源貯水施設
H…立坑内の水位
Wa…岩盤地下水
Claims (1)
- 貯水池を備える水資源貯水施設において、
前記貯水池に岩盤地下水を供給する岩盤地下水取水施設を有し、
岩盤地下水取水施設には、岩盤地下水を取水する取水設備と、該取水設備と前記貯水池の間に設けられた送水路とが備えられ、
前記取水設備には、岩盤中に形成され、その壁面に該岩盤中に向けて形成された集水孔を有する集水トンネルと、該集水トンネルに連通された立坑と、該立坑内に貯留された岩盤地下水の水位を測定する水位計と、前記立坑内に貯留された前記岩盤地下水を前記送水路に送り出す揚水装置とが備えられ、
前記集水トンネルは立坑に向けて下方に傾斜して形成されていることを特徴とする水資源貯水施設。
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JP14630396A JP3648650B2 (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 水資源貯水施設 |
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JPH09328737A JPH09328737A (ja) | 1997-12-22 |
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1996
- 1996-06-07 JP JP14630396A patent/JP3648650B2/ja not_active Expired - Fee Related
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