JP3646161B2 - Method for producing non-human animal enhanced foreign phase metabolism system by Keap1 gene modification - Google Patents

Method for producing non-human animal enhanced foreign phase metabolism system by Keap1 gene modification Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、異物代謝系第二相酵素群を恒常的に活性化させた非ヒト動物を作出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
産業の発達に伴って、発癌性や催奇形性を有する環境化学物質は年々増大しており、それら化学物質の体外排出能を向上させることは、より安全な畜産動物の開発に繋がる基本的技術である。そしてこれら化学物質に対する代謝能を増強した、環境化学物質が体内に残留しにくい家畜などの非ヒト動物の作製は、非常に興味深い課題である。
【0003】
生体が生体異物に暴露されると生体内で解毒酵素群が誘導され、これらの酵素により生体異物をより水溶性の高い誘導体へと変換する。このような環境化学物質に対する生体反応は、異物代謝系第一相とその後引き続いて起こる第二相の反応からなる。第一相反応は、主にチトクロームP−450モノオキシダーゼ系による官能基付加反応であり、化学的に不活性な化合物を反応性に富んだ代謝中間体に変換する。続いて起こる第二相反応は、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)やNAD(P)H:キノン酸化還元酵素(NQO1)などの酵素による反応であり、第一相で得られた中間体を一般的により毒性の低い誘導体へと変換する。
【0004】
異物代謝系第一相の誘導はレセプター型転写因子であるアリルハイドロカーボン受容体(AhR:別名ダイオキシンレセプター)により制御されていることが明らかとなっている。
【0005】
一方、これまでに異物代謝系第二相を活性化する薬剤として、幾つかの化合物が知られていたがその作用機序は不明であった。また、その誘導は一過性であり、恒常的な活性化を誘導するためには薬剤を持続的に投与する必要があった。
【0006】
また異物代謝系第二相を制御する転写因子については明らかとされていなかったが、本件の発明者等は既に、Nrf2が異物代謝系第二相酵素群の転写活性化因子であることを世界に先駆けて報告している。さらに、本件の発明者等は細胞質タンパク質Keap1が、CNC群(Cap’n’ collar family)において最強の転写活性を有するNrf2の核移行を制御することにより異物代謝系第二相を制御していることも明らかにしている(Itoh, K.ら, Genes & Development 13: 76〜86, 1999年)。即ち、Keap1−Nrf2機能複合体に関与する以下の分子メカニズムを提唱した。非ストレス条件下において、Nrf2は細胞質に局在するKeap1のβプロペラドメインに結合しているが、酸化的ストレス又は第一相解毒酵素により代謝された第二相基質のような刺激に対する細胞防御反応が起こると、Nrf2はKeap1から放出され、すばやく核に移行する。その結果、Nrf2は小Maf(以下、sMafとも表記する)のような別のbZipパートナーとヘテロ二量体を形成する(Marini, M. G.ら, J Biol Chem 272, 16490〜16497, 1997年;Motohashi, H.ら, Nucleic Acids Res 25, 2953〜2959, 1997年)。結果として、ヘテロ二量体は標的遺伝子の遺伝子調節領域(以下、GRRとも表記する)に存在する抗酸化剤応答配列(以下、AREとも表記する)(Xie, T.ら, J Biol Chem 270, 6894〜6900, 1995年;Venugopal, R.and Jaiswal, A. K., Oncogene 17, 3145〜3156, 1998年)を介して、標的遺伝子の発現(例えば、第二相解毒酵素や酸化的ストレス低減タンパク質)をトランス活性化させる。
【0007】
既に樹立されたNrf2欠損マウスの個体レベルの解析及びそのマウスより単離した初代培養マクロファージの解析では、それらの標的遺伝子の誘導発現は観察されなかった(Itoh, K.ら, Biochem Biophys Res Commun 236, 313〜322, 1997年;Itoh, K.ら, Free Radic Res 31, 319〜324, 1999年)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、異物代謝系第二相を制御する転写因子Nrf2及び細胞質タンパク質Keap1に注目し、Keap1の役割及びKeap1−Nrf2機能複合体の生体内での機能及び制御機構を解明し、異物代謝系第二相を恒常的に活性化させた生存可能な非ヒト動物を作製することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、Keap1遺伝子を破壊した胚幹細胞クローンを用いて、Keap1ヘテロ欠損非ヒト動物を作出する方法、前記方法を用いて作出したKeap1へテロ欠損非ヒト動物を交配させることにより異物代謝系第二相を恒常的に活性化させたKeap1ホモ欠損非ヒト動物を作出する方法、Keap1へテロ欠損非ヒト動物とNrf2ホモ欠損マウスを交配して、生存可能なKeap1へテロ欠損Nrf2ヘテロ欠損非ヒト動物を作出する方法、並びに前記方法を用いて作出したKeap1へテロ欠損Nrf2ヘテロ欠損非ヒト動物を交配させて、生存可能なKeap1へテロ欠損Nrf2ヘテロ欠損非ヒト動物又は異物代謝系第二相を恒常的に活性化させた生存可能なKeap1ホモ欠損Nrf2ヘテロ欠損非ヒト動物を作出する方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、異物代謝系第二相を恒常的に活性化させた非ヒト動物を作製する方法を提供する。具体的には、Keap1を欠失させることにより、異物代謝系第二相酵素群を恒常的に発現させた非ヒト動物を作製する。
【0011】
本明細書において、「異物代謝系」とは、暴露により生体に取り込まれた物質を水溶化することで無毒化する系を意味する。
「異物代謝系第二相酵素群」とは、チトクロームP−450モノオキシダーゼをはじめとした異物代謝系第一相酵素群の作用により生成した原癌性を有するような代謝中間体を、より毒性の低い中間体へと代謝する一連の代謝関連酵素群を意味する。第二相酵素としては、例えばGSTπやGSTμのようなグルタチオンSトランスフェラーゼ(以下、GSTとも表記する)、NAD(P)H:キノン酸化還元酵素(以下、NQO1とも表記する)又はエポキシドヒドラターゼ等が挙げられる。
【0012】
ここで異物代謝系応答を引き起こす環境化学物質としては、例えば、発ガン性物質、催奇形性物質、慢性毒性物質、亜急性毒性物質又は急性毒性物質等が挙げられる。
【0013】
本明細書において「恒常的に活性化する」とは、酸化的ストレス又は第一相解毒酵素により代謝された第二相基質を投与したときのような刺激条件下でなくても、第二相酵素群が誘導的でなく恒常的に発現することを意味する。
【0014】
本明細書において、「非ヒト動物」とは、ヒトを除く動物を意味し、例えばヒトを除く哺乳動物(マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、サル、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ等)、鳥類(例えば、ニワトリ等)、両生類(例えば、カエル等)、爬虫類又は昆虫が挙げられる。
【0015】
本発明の態様の一つに従って、Keap1を欠損させたマウスを作製することにより、Nrf2の細胞内制御タンパク質であるKeap1の生体内での機能を明らかにすることができる。
ここで、「Nrf2」は上述の通りCNC群の転写因子であり、小Maf群タンパク質とヘテロ二量体を形成して抗酸化剤反応配列に結合することが可能なタンパク質で、第二相酵素群の制御因子であることを意味する。
【0016】
「Keap1」(elch−like CH ssociating rotein1)は、Nrf2に直接結合する分子として、Nrf2において種間で保存されたNeh2ドメインをベイトとした酵母ツーハイブリッドシステムを用いてクローニングされたタンパク質である(Itoh, K.ら, Genes Dev 13, 76〜86, 1999年)。Keap1はNrf2の細胞質制御タンパク質であり、Nrf2を細胞質に局在化することでNrf2活性を抑制している。
【0017】
Keap1遺伝子ノックアウト非ヒト動物は、次に示す方法により得ることができる。まず例えば相同組換えにより少なくとも一方の対立遺伝子を破壊した胚幹細胞(以下、ES細胞とも表記する)を、受精卵の胚盤胞に注入してキメラ非ヒト動物を得る。得られたキメラ動物を相当する野生型非ヒト動物と交配させて、対立遺伝子の一方のみが破壊されたヘテロ接合体非ヒト動物(以下、Keap1+/−とも表記する)を作出することができる。さらにこれら得られたヘテロ接合体非ヒト動物を交配させて、両方の対立遺伝子が破壊されたホモ接合体非ヒト動物(以下、Keap1−/−とも表記する)を作出することができる。野生型はKeap1+/+で表現される。
【0018】
ES細胞として、マウスの場合には、E14、CCE、J1又はT2等を用いることができる。
ES細胞の相同組換えは、例えばKeap1発現を妨害し得る任意のDNA配列を挿入した組換えDNAを、ES細胞に導入することにより行うことができる。前記Keap1発現を妨害し得る任意のDNA配列は、組換えDNAのES細胞への導入を確認できるような薬剤耐性遺伝子(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子(neo))等を用いるのが好ましく、またレポーター遺伝子(β−ガラクトシダーゼ(lacZ))等を用いるのが好ましいが、特に限定されない。
【0019】
上述のDNA導入法としては、例えば電気穿孔法又はマイクロインジェクション法が挙げられる。ES細胞におけるKeap1遺伝子破壊は、常法に従って、例えばPCRとサザンブロットハイブリダイゼーションで確認することができる。
【0020】
相同組換えによりKeap1遺伝子を破壊したES細胞を有するキメラ非ヒト動物の作出方法は、例えば胚盤胞マイクロインジェクション法等が挙げられる。胚盤胞インジェクション法は、非ヒト動物の胚盤胞にKeap1を破壊したES細胞をマイクロインジェクションし、処理した胚盤胞を擬妊娠非ヒト動物に移植することにより所望のキメラ非ヒト動物を作出することができる。
【0021】
上述のように得られたキメラ非ヒト動物を相当する野生型非ヒト動物に交配させることで得られるヘテロ接合体非ヒト動物、あるいは該へテロ接合体非ヒト動物を更に交配させることで得られるホモ接合体非ヒト動物は、例えば、尾部から採取したDNAを用いたサザンブロット法によりその遺伝子型を確認することができる。またRNAブロット分析によりKeap1遺伝子の発現の有無を確認することができる。
【0022】
また、本発明は、Keap1ヘテロ欠損非ヒト動物とNrf2ホモ欠損非ヒト動物を交配させて、生存可能なKeap1へテロ欠損Nrf2ヘテロ欠損非ヒト動物を作出する方法を提供する。
更に、本発明は、上記方法により作出したKeap1へテロ欠損Nrf2ヘテロ欠損非ヒト動物同士を交配させて、異物代謝系第二相酵素群を恒常的に発現させた生存可能な非ヒト動物を作出する方法を提供する。
【0023】
Keap1−Nrf2複合変異非ヒト動物の作出方法は、上述の本発明に従った方法により得られるKeap1+/−非ヒト動物とNrf2−/−非ヒト動物を交配させて、野生型非ヒト動物となんら差異のないKeap1+/−Nrf2+/−(これは、Keap1に関してヘテロ欠損体、即ち一方の対立遺伝子のみ破壊、Nrf2に関してもヘテロ欠損体、即ち一方の対立遺伝子のみ破壊されていることを意味する、これ以降、K1N1とも表記する)の遺伝子型を有する非ヒト動物を作出する。該非ヒト動物同士を交配させることにより、全ての遺伝子型を有する非ヒト動物を作製することができ、従ってKeap1−Nrf2の両方を欠損した非ヒト動物を容易に得ることができる。
【0024】
Nrf2−/−非ヒト動物の作製方法は、Keap1−/−と同様の方法に従って、まず相同組換えにより少なくとも一方の対立遺伝子を破壊した胚幹細胞を、受精卵の胚盤胞に注入するか、あるいは桑実胚と会合させた後に、擬妊娠非ヒト動物に移植することにより、ES細胞由来の細胞と胚由来の細胞とが混ざったキメラ非ヒト動物が得られる。得られたキメラ動物を相当する野生型非ヒト動物と交配させて、対立遺伝子の一方のみが破壊されたヘテロ接合体非ヒト動物(以下、Nrf2+/−とも表記する)を作出することができる。さらにこれら得られたヘテロ接合体非ヒト動物を交配させて、両方の対立遺伝子が破壊されたホモ接合体非ヒト動物(以下、Nrf2−/−とも表記する)を作出することができる(特願平11−064772参照)。野生型はNrf2+/+で表現される。
【0025】
上述の方法により得られたK1N1非ヒト動物、K0N0非ヒト動物(Keap1−/−Nrf2−/−非ヒト動物)やK0N2非ヒト動物(Keap1−/−Nrf2+/+)等について、例えば、尾部から採取したDNAを用いたサザンブロット法によりその遺伝子型を確認することができる。
【0026】
以下、実施例に従って、本発明をより詳細に説明するが、これによって如何なる意味においても本発明の範囲を限定されると解釈されるべきではない。
【0027】
【実施例】
実施例1:Keap1欠損マウスの作出
(1)ターゲティングベクターの作製
129・SvJマウスゲノムライブラリー(ストラタジーン)をスクリーニングすることにより、完全長のKeap1遺伝子とターゲティングベクターを作製するのに十分な長さの5’及び3’フランキング配列を含む、2つのファージクローン(以下、クローン1及びクローン2と称する)を分離した。
【0028】
得られた2つのファージクローンのうちターゲティングベクター作製に適した、即ち相同組換えを実施するのに十分なフランキング配列を有するクローン1を用いて、pBluescriptプラスミド(ストラタジーン)にクローン化してターゲティングベクターを作製した。このターゲティングベクターは、核移行シグナル(Nuclear localization Signal:以下、NLSとも表記する)−β−ガラクトシダーゼ(lacZ)遺伝子をHindIIIとSmaI部位間のKeap1cDNAのオープン読み取り枠(以下、ORFとも表記する)領域に挿入しており、該遺伝子をKeap1遺伝子と置換されるように設計されている。また形質転換体を選択するために、ネオマイシン耐性(neo)遺伝子をNLS−lacZ遺伝子下流に配置し、更に非相同性組換え体のネガティブ選択のために、ジフテリア毒素A(DT−A)遺伝子(東京大学、Dr.M.Taketohより分与)をKeap1遺伝子下流に挿入した。
【0029】
該ベクターは、5’ゲノム配列と3’ゲノム配列を、それぞれ5.5kb及び2.7kb含有しており、更にネオマイシンと隣接して5.7kbのNLS−lacZ cDNAを配置するように設計されている。このターゲティングベクターは、Keap1の8番目から204番目の197のアミノ酸残基をコードする配列を欠失させるように設計されており、Keap1のN末端側の7つのアミノ酸残基をNLS−LacZに連結している。
【0030】
ターゲティングベクター、野生型Keap1遺伝子座、及びターゲティングベクターを用いた相同組換えにより得られると予想される破壊されたKeap1遺伝子座(組換え体)の構造を図1に示す。
【0031】
(2)ターゲティングベクターのES細胞への導入と確認
実施例1(1)で得られたターゲティングベクター25μgをリニア化した。ES細胞(E14)約1×107個を懸濁した培地0.6mLに、リニア化したターゲティングベクター20μgを添加し、ジーンパルサー(バイオラッド)を用いて、0.21kV/0.5Fの条件で、電気穿孔法により前記ES細胞に遺伝子を導入した。該細胞懸濁液に、0.3mg/mL−G418(ギブコ)を含有する培地30mLを添加し、37℃にて9日間培養した。
【0032】
G418耐性ES細胞のコロニー約360個が得られ、該ESクローンを常法に従って、高分子量DNAを調製し、ポリメラーゼ連鎖反応(以下、PCRとも表記する)により組換え体をスクリーニングした。PCRは、neo遺伝子にアニーリングすることができるスクリーニングブライマー1:5’−TCAGAGCAGCCGATTGTCTGTTGTGCCCAGTCAT−3’(配列表の配列番号1の配列)、及びターゲティングベクターの外側のKeap1遺伝子とアニ−リングすることができるプライマー2:5’−ACCCAGTCGATGCACGCGTGGAACACCTCGG−3’(配列表の配列番号2の配列)を用いて、98℃で10秒間及び68℃で5分間からなるサイクルを30サイクル行った。
【0033】
上述の通り、PCRを実施したところ、360個のクローンのうち、所望の相同的組換えが起こっている陽性クローン(約3.5kbのDNA断片を生じるクローン)は17個であった。これら陽性クローンについて、サザンブロット法により更に詳細に解析して遺伝子型を決定したところ、該17種類のESクローンの遺伝子座何れにおいてもKeap1破壊が見られ、すべてKeap1ヘテロ欠損であることが確認された。野生型(+/+)、ESクローン1(ES1)及びESクローン2(ES2)に実施したサザンブロット結果を図2Aに示す。なお、サザンブロット法による解析は、ゲノムDNAを制限酵素EcoRIで消化した際に生じるDNA断片(野生型:〜7.7kb、組換え体:〜8.7kb)をターゲティングの外側に配置する5’プローブ(EcoRI−Xbalフラグメント:140bp)とハイブリダイゼーションさせて、またゲノムDNAを制限酵素SacIで消化した際に生じるDNA断片(野生型:〜4.5kb、組換え型:〜6.6kb)をターゲティングベクターの外側に配置する3’プローブ(EcoRI−SacIフラグメント200bp)とハイブリダイゼーションさせることにより実施した(図1参照)。
【0034】
(3)Keap1遺伝子破壊マウスの作出
実施例1(2)で得られた17種類のクローンのうち、3種類のESクローン生殖細胞系キメラ作製用クローン(以下、それぞれESクローン1、ESクローン2及びESクローン3と称する)として用い、胚盤胞マイクロインジェクション方法によりキメラマウスを作製した。即ち、C57BL/6Jマウスの胚盤胞に、前記3種類のうち1種のES細胞をマイクロインジェクションして、処理した胚盤胞を偽妊娠マウスに移植してキメラマウスを作出した。
【0035】
前記3種類のESクローンのうち2種類のクローン(ESクローン1及びESクローン2)を用いて作出したキメラマウス雄を用いて、これをC57BL/6J雌と交配させて、アグーチの毛の色を呈するF1子孫を得た。F1子孫における変異遺伝子の生殖系列への伝播を、尾部のゲノムのサザンブロット解析により確認した。更に、前記F1子孫のうちで、Keap1ヘテロ欠損体同士を交配させることでF2子孫を作出し、同様にサザンブロット法により遺伝子型を決定した。
【0036】
上記ESクローンを用いて作出したF1同士のかけ合わせにより作出したF2子孫に実施したサザンブロット解析の結果を図2Bに示す。図2Bにおいて、+/+は野生型マウスを表し、+/−はKeap1ヘテロ欠損マウスを表し、−/−はKeap1ホモ欠損マウスを表す。サザンブロット解析の結果、相同組換えにより得られると予想される、破壊されたKeap1遺伝子座由来のDNA断片のバンドが見られることから、F2子孫にはKeap1遺伝子座に関してヘテロなマウス及びホモなマウスが含まれており、これらのマウスにおいてはKeap1遺伝子の破壊が起きていることが確認された。
【0037】
(4)Keap1ノックアウトマウスのRNAブロット解析
実施例1(3)で得られたKeap1ヘテロ欠損マウス及びKeap1ホモ欠損マウスと、野生型マウスから、胚線維芽細胞(以下、MEFとも表記する)を取り出し、ISOGEN(ニッポンジーン)を用いてRNAを分離した。該RNA25μgを、ホルムアミド/1.2%アガロースゲルで電気泳動し、ナイロン膜(HybondN+、アマルシャム)に転写した後に、pCMV−ECFP−mKeap1発現ベクター由来のマウスKeap1cDNAの完全なORFを含有するBamHI−XbaIフラグメント(1924bp)をランダムプライマーラベルキット(宝酒造)を用いて放射ラベルして、これをプローブとして用いた。50%ホルムアミド、4×SSC(なお、20×SSCは、3M NaCl及び0.3M クエン酸ナトリウム含有水溶液:pH7.0を意味する)、5×デンハルト試薬、0.2%ドデシル硫酸ナトリウム(以下、SDSとも表記する)中にて、42℃、一晩で上述の転写膜と該プローブとをハイブリダイゼーションさせた。0.5%SDSを含む2×SSC中にて、処理した転写膜をまず58℃で10分間洗浄し、続いて58℃で1時間洗浄し、最後に0.1%SDSを含む0.4×SSC中にて、60℃0.5時間洗浄した。
【0038】
またコントロールとしてGAPDHプローブを用いた。上述のKeap1cDNAプローブと同様に上記転写膜をGAPDHプローブとハイブリダイゼーションさせた後に、0.5%SDSを含む0.5×SSC中にて60℃で20分間洗浄し、次に0.2%SDSを含む0.2×SSC中にて60℃で45分間、最後に0.1%SDSを含む0.2×SSC中にて室温で20分間洗浄した。
増感スクリーンを用いて、この転写膜を−80℃で一晩X線フィルム(BioMax又はXOR、コダック)に感光させた。
【0039】
上述の通りに実施したRNAブロット解析の結果を図3に示す。図3において、+/+は野生型マウスを表し、+/−はKeap1へテロ欠損マウスを表し、−/−はKeap1ホモ欠損マウスを表す。図3中の下方のパネルはコントロールを意味する。その結果、Keap1へテロ欠損マウスのMEF中に存在するKeap1RNAレベルは、野生型マウスのMEF中に存在するレベルの約半分であり、Keap1ホモ欠損マウスのMEFにおいては、Keap1RNAは検出されなかった。このことから、Keap1へテロ欠損マウス及びKeap1ホモ欠損マウスにおいて、Keap1破壊が起こっていることがわかる。
【0040】
(5)免疫ブロット解析によるlacZcDNAのノックインの確認
野生型マウス、実施例1(3)で得られたKeap1ヘテロ欠損マウス及びKeap1ホモ欠損マウスから摘出した肝臓の全核タンパク質をディグナム法(Dignam, J. D., Methods Enzymol 182, 194〜203, 1990年)により調製した。 上述の方法により得られた核抽出物のタンパク質濃度は、タンパク質アッセイ試薬(バイオラッド)を用いて決定し、この際、標準物質としてウシ血清アルブミンを使用した。
【0041】
肝臓の核抽出物(タンパク質量で20μg)に等容量の2×SDSサンプル緩衝液(100mMトリス塩酸:pH6.8、200mMジチオスレイトール(以下、DTTとも表記する)、4%SDS、0.1%ブロモフェノールブルー、20%グリセロール)を加えた後に、すぐに5分間煮沸させた。これを適切なSDS−ポリアクリルアミドゲル(以下、PAGEとも表記する)で分離し、更にPVDF膜(ミリポア)に転写した。続いて抗β−ガラクトシダーゼ抗体(ICN)を用いて免疫染色した。
【0042】
免疫染色方法について以下に示す。3%スキムミルク及び二次抗体源と同じ動物の2%正常血清/TBS−T(10mMトリス塩酸:pH8.0、150mM塩化ナトリウム、0.05%ツィーン20)を用いて前記転写膜を、室温で1時間ブロックして、その後、5%スキムミルク/TBS−T中で1時間、抗β−ガラクトシダーゼ抗体と処理した転写膜を反応させて、セイヨウワサビペルオキシダーゼに結合させた適切な二次抗体を用いてECL発色キット(アマルシャム)を用いて検出した。抗ラミンBポリクローナル抗体(サンタクルーズ)により検出される核ラミンBのバンドコントロールとした。
【0043】
上述のように実施した免疫ブロット解析の結果を図4に示す。図4において、+/+は野生型マウスを表し、+/−はKeap1へテロ欠損マウスを表し、−/−はKeap1ホモ欠損マウスを表す。その結果、Keap1ホモ欠損マウスの肝臓抽出物中のNLS−LacZレベルは、Keap1へテロ欠損マウスの肝臓抽出物中のNLS−LacZレベルの約2倍であり、野生型マウスの肝臓抽出物にはNLS−LacZは検出されなかった。このことから、Keap1へテロ欠損マウス及びKeap1ホモ欠損マウスに、lacZ遺伝子がノックインされていることが確認された。
【0044】
さらに、β−ガラクトシダーゼ染色法(Maniplating the Mouse Embryo, A Laboratory Method 2nd Edition 参照)を用いて、Keap1+/−マウス又はKeap1−/−マウスにおけるNLS−LacZ発現は、Keap1mRNAを発現する組織の細胞と重複しており、またLacZが核内に位置していることを確認した(データは示していない)。
【0045】
(6)Keap1欠損マウスの表現型の観察
F1交配によって得られる、同じ母体から生まれたヘテロ欠損体マウスと野生型マウスの表現型には、なんら差異を見出すことはできなかった。しかしホモ欠損体マウスにはいくつか異なる表現型が見られた。
【0046】
ホモ欠損体Keap1−/−マウスは、同じ母体から生まれた野生型マウスやヘテロ欠損体マウスと、体の大きさや行動においてはなんら差異はなく、正常に誕生した。しかし生後4日目から成長遅延が観察された。そして生後5、6日目には体表面一帯にふけが見られた。また野生型マウスやヘテロ欠損体マウスと比較して、ホモ欠損体は、マウスの腹側の皮膚のケラチン層が明らかに厚くなっていた。一方、毛や歯の生え方に異常は見られなかった。該ホモ欠損体マウスは衰弱を伴い、3週間以内に全て死亡した。
【0047】
(7)Keap1欠損マウスの解剖学的分析
解剖学的分析により、Keap1ホモ欠損マウスの各器官の大きさは、体の大きさに比例していることがわかった。また食道や噴門洞を除く全ての器官には組織学的に異常は見られなかったが、食道や噴門洞の内壁には、皮膚と同様に異常ケラチン層が観察された。さらにKeap1ホモ欠損マウスの胃の噴門部に巨大な腫瘍が見られた。胃の切片の分析から、この腫瘍が多層のケラチンから構成されていることがわかった。個体を用いたブロモデオキシウリジン(BrdU)の取り込み実験から、野生型マウスやヘテロマウスと比較して、Keap1ホモ欠損マウスの食道や噴門洞において未熟な扁平上皮細胞の割合に大きな差がないことがわかった(データは示していない)。
【0048】
(8)Keap1欠損マウスにおける免疫組織化学分析
各遺伝型マウスに関して、表皮細胞に関連する分化マーカーや増殖マーカーの発現について免疫組織化学分析により解析した。
野生型マウス、Keap1へテロ欠損マウス及びKeap1ホモ欠損マウスの食道切片を、数種のサイトケラチンに対する抗体で処理した。用いた各サイトケラチンに対する一次抗体は、抗cK1、抗cK13、抗Loricrin、抗cK14である(これら全てDr.DennisRoopからご好意で頂いた)。調製した切片を顕微鏡(LeicaDMRD、DMRE)で観察した。
【0049】
その結果、同じ母体から生まれた野生型マウス、Keap1へテロ欠損マウス及びKeap1ホモ欠損マウスにおいて、幾つかのサイトケラチンに強烈な変化が見られた。Keap1ホモ欠損マウスにおいて、サイトケラチンcK1に増加が見られ、特に分化マーカーLoricrinは著しく増加した。一方、サイトケラチンcK13の発現は減少し、cK14は野生型マウスとほぼ同等の発現レベルを示した。
【0050】
(9)免疫ブロット解析によるサイトケラチン変化の確認
プロテアーゼ抑制因子カクテル(Biolab)を含有するRIPA緩衝液(50mMトリス塩酸:pH8.0、150mM塩化ナトリウム、0.02%アジ化ナトリウム、0.1%SDS、1%NonidetP−40、0.5%デオキシコール酸ナトリウム)中に、各遺伝型のマウスから摘出した食道5mmをホモジナイズさせた。
【0051】
サンプル緩衝液のSDS濃度が10%SDSである以外は、実施例1(5)の記載に従って、タンパク質濃度を測定し、ホモジナイズした食道(タンパク質量で5μg)を用いて、実施例1(5)の記載に従って、免疫ブロット解析を行った。なお、用いた抗体は抗cK6(Dr.Dennisよりご好意で頂いた)及び抗Loricrinであり、抗cK14(COVANCE)により得られたバンドをコントロールとした。
その結果、Keap1ホモ欠損マウスにおいて、サイトケラチンcK6に増加が見られ、また実施例1(8)の結果と同様にLoricrinは著しく増加し、cK14は野生型マウスとほぼ同等の発現レベルを示した。
【0052】
実施例1(8)及び実施例1(9)の結果に見られるように、Keap1ホモ欠損マウスにおいて幾つかのサイトケラチンに変化が起こった理由は明らかでないが、しかし、これら変化がKeap1ホモ欠損マウスの成長遅延や短命の一因となっていると予想される。
【0053】
(10)組織化学分析
各遺伝型の10日後のマウスの肝臓をヘマトキシリン−エオシン染色(以下、HE染色とも表記する)した。
その結果、HE染色切片の組織化学的分析からは、野生型、Keap1ヘテロ欠損マウス及びKeap1ホモ欠損マウス全てに差異は見られなかった。
【0054】
(11)RNAブロット解析による第二相解毒酵素群の発現の確認
上述の通り、Nrf2は核内で第二相解毒酵素の誘導的発現に重要な役割を果たす。またKeap1はNrf2を細胞質にトラップし、正常な細胞状態においてはNrf2の核への移行を妨げる。これらの観点から、Keap1と第二相酵素群の発現との関係が非常に興味深いと考えられた。
【0055】
そこでKeap1欠損マウスの肝臓における第二相解毒酵素群の発現について検討した。
まずRNAブロット分析により、数種の第二相酵素群の発現(NQO1及びGSTπ)を確認した。
【0056】
実施例1(4)と同様に、Keap1ヘテロ欠損マウス及びKeap1ホモ欠損マウスと、野生型マウスから、胚線維芽細胞(MEF)、12日目の胚全量(E12.5)、新生児及び生後10日目の肝臓(P10肝臓)から全RNAを分離した。ここで、NQO1の全ORF領域及びGSTπのORF領域の一部をプローブとして用いた。またコントロールとしてGAPDHを用いた。
【0057】
RNAブロット解析の結果を図5に示す。図5において、Wtは野生型マウスを表し、HtはKeap1へテロ欠損マウスを表し、HmはKeap1ホモ欠損マウスを表す。その結果、Keap1へテロ欠損マウスにおいて、NQO1及びGSTπの遺伝子の発現は、野生型マウスやKeap1へテロ欠損マウスと比較し、MEF、肝臓等の全てのRNAにおいて著しく増加した。このことからKeap1欠損マウスにおいて第二解毒酵素であるNQO1及びGSTπの発現が増加することがわかった。
【0058】
これまでの知見では、これら第二相酵素群遺伝子の発現は、第一相を経由して通常誘導されるが、驚くべきことに、Keap1ホモ欠損マウスにおいて、これら第二相酵素のRNAは恒常的に高レベルであることがわかった。
【0059】
従って、Keap1ホモ欠損マウスにおいては、Nrf2は、正常な細胞条件でさえ、もはやKeap1にトラップされることなく核に移行して、恒常的に活性化していると考えられる。Nrf2やKeap1の発現は、通常体内のいたるところで検出されるために、このKeap1欠損によるNrf2の増加現象は、解毒代謝臓器のみならず種々の組織でも起こり得る。そのためKeap1を欠損させることで、未知のNrf2標的遺伝子の発現レベルも変化している可能性があり、これが原因でKeap1ホモ欠損マウスが死に至るのかもしれない。
【0060】
(12)CBB染色法及び免疫ブロット分解析による第二相解毒酵素群の発現の確認
プロテアーゼ抑制因子カクテル(Biolab)を含有するRIPA緩衝液(50mMトリス塩酸:pH8.0、150mM塩化ナトリウム、0.02%アジ化ナトリウム、0.1%SDS、1%NonidetP−40、0.5%デオキシコール酸ナトリウム)中に、各遺伝型の生後10日目のマウスから摘出した肝臓0.2gをホモジナイズさせた。
上述の方法により得られた肝臓抽出物のタンパク質濃度は、タンパク質アッセイ試薬(バイオラッド)を用いて決定し、この際、標準物質としてウシ血清アルブミンを使用した。
【0061】
肝臓抽出物(タンパク質量で10μg)に等容量の2×SDSサンプル緩衝液(100mMトリス塩酸:pH6.8、200mM DTT、4%SDS、0.1%ブロモフェノールブルー、20%グリセロール)を加えた後に、すぐに5分間煮沸させた。これを適切なSDS−ポリアクリルアミドゲル(以下、PAGEとも表記する)で分離し、クマシーブリリアントブルー(以下、CBBとも表記する)で染色した。なお、サイズマーカーとしてブロードプレステインドマーカー(バイオラッド)を使用した。
CBB染色の結果を図6の上部パネルに示す。その結果、GSTタンパク質の明らかな誘導が確認された。その誘導は、CBB色素によるタンパク質染色法で確認できるほど強力なものであった。
【0062】
さらに、実施例1(5)の記載に従って、上述の通り得られた肝臓抽出物(タンパク質量で10μg)を用いて、実施例1(5)の記載に従って、免疫ブロット解析を行い、数種のGSTタンパク質の発現レベルを解析した。なお、マウスのGSTサブユニット(α、μ及びπクラス)については、すでに報告されている各サブユニットに特異的に反応するウサギ抗体を用いて免疫染色した(Itoh, K.ら, Biochem Biophys Res Commun 236, 313〜322, 1997年)。NuclearLaminBバンドをコントロールバンドとした。
【0063】
その結果を図6に示す。図6において、Wtは野生型マウスを表し、HtはKeap1へテロ欠損マウスを表し、HmはKeap1ホモ欠損マウスを表す。構成的に発現するGSTαに関しては全ての遺伝子型のマウスは等しい発現レベルを示したが、通常誘導的に発現するGSTμ及びGSTπは、雄雌ともにKeap1ホモ欠損マウスの肝臓において顕著に増加した。
従って、Keap1を欠失させることで、異物代謝系第二相解毒酵素群を恒常的に増加させることが明らかとなった。
【0064】
(13)免疫ブロット法によるNrf2発現の確認
Keap1の破壊によりNrf2は細胞質にトラップされることなく、自動的に核へ移行すると予想できる。従って、Nrf2は核内に蓄積されると考えられる。この仮説を検証するために、免疫ブロット法によりNrf2発現を確認した。
【0065】
実施例1(5)に従って、各遺伝子型を有する生後10日目のマウスの肝臓の核抽出物に対して、免疫ブロット解析を実施した。なお、用いた抗Nrf2抗体は、アジュバンド系(RIBI Immunochem Research,Inc)を用いて日本シロウサギにNrf2のN末端領域組換え型ポリペプチドを免疫して産生した。また抗Nrf2ポリクローナル抗体を用いて、pEFmock又はpEFNrf2発現ベクターでトランスフェクションした293T由来の細胞の全タンパク質をNrf2検出用基準物質として用い、D3Tで処理したマウスの肝臓の全タンパク質を肝臓Nrf2検出のコントロールとして用い、NuclearLaminBバンドをローディングコントロールとした。
【0066】
その結果を図7に示す。図7において、Wtは野生型マウスを表し、HtはKeap1へテロ欠損マウスを表し、HmはKeap1ホモ欠損マウスを表す。Keap1ホモ欠損マウスの肝臓においてNrf2の発現は増加した。
従って、Keap1破壊マウスにおける異物代謝系第二相解毒酵素の高レベルの発現は、Nrf2の恒常的な活性化によることがわかった。
【0067】
以上の実施例1の結果から、Keap1遺伝子を破壊することにより、非ヒト動物においてNrf2の発現を増加させ、さらにそれに伴い異物代謝系第二相酵素群を恒常的に活性化させることが可能となることが明らかとなった。
しかし、実施例1で作出した恒常的に第二相酵素群が活性な非ヒト動物は、成長遅延が見られ、しかも短命であるという決定的な欠点を有する。
【0068】
実施例2:Keap1−Nrf2欠損マウスの作出
実施例1に記載するように、Keap1ホモ欠損マウスは、野生型と比較して成長遅延や異なる種々の表現型が見られ、最終的には死に至ってしまう。上述のように、Keap1を欠損することによりNrf2の制御がなされずに恒常的に活性化された状態となり、このことがこれら表現型や死の一因となっていると示唆される。そのことから本発明者等は、Keap1ホモ欠損マウスからさらにNrf2の発現を低減させることで、種々の表現型や死を回避できると考え、Keap1ホモ欠損マウスにおいて、Nrf2遺伝子も半分欠失したマウスを作出することにした。
【0069】
(1)Nrf2欠損マウスの作出
1)ターゲティングベクターの作出
Nrf2 cDNA全長をプローブとして用いて、129・SvJマウスゲノムライブラリー(ストラタジーン)をスクリーニングすることにより、ターゲティングベクターを作出するのに十分な長さの5’及び3’フランキング配列とを含む、配列の一部が重複する2つのゲノムファージクローンを得た。
2つのゲノムクローンのうち、2.5kbの5’フランキング配列と9.5kbの3’フランキング配列とを含むファージクローンを用いてターゲティングベクターを作出した。このターゲィングベクターは、SV40NLS−lacZリコンビナント遺伝子と、Nrf2遺伝子のb−Zip領域とを置換するように設計されている。また、形質転換体を選択するために、ネオマイシン耐性(neo)遺伝子をNLS−lacZ遺伝子下流に配置し、更に、非相同性組み換え体に対するネガティブセレクションのために、ジフテリア毒素(DT−A)遺伝子をNrf2遺伝子の上流に配置するように設計されている。
【0070】
2)ターゲティングベクターのES細胞への導入と確認
上記実施例2(1)の1)で得られたターゲティングベクターを制限酵素でリニア化し、4×107個のES細胞に電気穿孔装置を用いて遺伝子導入した。その後、0.3mg/mL−G418(ギブコ社)を含有する培地中で、37℃にて9日間培養した。その結果、G418耐性のES細胞コロニー約1000個が得られ、そのうち96個のコロニーから、常法により、高分子DNAを調製し、PCR法によって組み換え体の一次スクリーニングを実施した。その結果、所望の相同性組み換えが起こっているクローンは21種類であった。これらについて、サザンブロット法により詳細に解析したところ、前記の21種のクローンはNrf2の遺伝子座に関してすべてへテロであることが確認された。
【0071】
3)上記実施例2(1)の2)で得られた21種類のクローンのうち、2種類のESクローン(以下、ES細胞クローンNo.68及び細胞ESクローンNo.20と称する)を生殖細胞系キメラ作製用として使用し、以下に示す2種類の異なる方法により、キメラマウスを作出した。第一の方法、すなわち胚盤胞マイクロインジェクション法では、C57BL/6Jマウスの3.5日目の胚盤胞にES細胞クローンNo.68をマイクロインジェクションし、処理した胚盤胞をICR偽妊娠マウスに移植した。第二の方法、すなわち、会合法では、C57BL/6Jマウスの2.5日目の桑実胚と、ESクローンNo.20とを会合させ、それをICR偽妊娠マウスに移植した。ES細胞クローンNo.68又はES細胞クローンNo.20を用いて作出した雄性キメラマウスと、雌性ICRマウス又は雌性BALB/cAマウスとを交配することにより、チンチラ色を呈するF1子孫を得た。F1子孫における変異遺伝子単位の生殖系列への伝播を、尾部DNAのサザンブロット解析により確定した。さらに、前記F1子孫のうち、Nrf2遺伝子座に関してヘテロなマウス同士をかけ合わせることにより、F2子孫を作出し、サザンブロット解析により遺伝子型を確認した。なお、これにより得られるNrf2ホモ欠損マウスは生存可能であることは既に確認されている。
【0072】
(2)Keap1−Nrf2遺伝子欠損マウスの作出
実施例1(3)で得られるKeap1へテロ欠損マウスと実施例2(1)で得られるNrf2ホモ欠損マウスを交配させて、K1N1の遺伝型を有するマウスを作出した。更に、該K1N1マウス同士を交配させて、種々の遺伝子型のマウスを作製した。
【0073】
それぞれのマウスの遺伝子型は下記のプライマーを用いてPCRにより決定した。Nrf2遺伝子型決定は、96℃で2分間の反応により開始し、次に96℃で20秒間、59℃で30秒間、72℃で45秒間からなるサイクルを35サイクル行うことでPCRを実施した。用いたプライマーは、Nrf2遺伝子にアニーリングすることができるプライマー3:5’−TGGACGGGACTATTGAAGGCTG−3’(配列表の配列番号3の配列)及びプライマー4:5’−GCCGCCTTTTCAGTAGATGGAGG−3’(配列表の配列番号4の配列)、ノックイン対立遺伝子に位置するlacZ遺伝子にアニーリングすることができるプライマー5:5’−GCGGATTGACCGTAATGGGATAGG−3’(配列表の配列番号5の配列)である。734bp及び511bpバンドのPCR生成物は、それぞれ野生型対立遺伝子及び突然変異体対立遺伝子を示す。
【0074】
Keap1遺伝子型は、94℃で1分間の反応より開始し、次に94℃で30秒間、60℃で30秒間、72℃で1分間からなるサイクルを30サイクル行うことでPCRを実施した。用いたプライマーは、Keap1遺伝子とアニーリングすることができるプライマー6:5’−CGGGATCCCCATGGAAAGGCTTATTGAGTTC−3’(配列表の配列番号6の配列)及びプライマー7:5’−GAAGTGCATGTAGATATACTCCC−3’(配列表の配列番号7の配列)、ノックイン対立遺伝子に位置するneo遺伝子にアニーリングすることができるプライマー8:5’−TCAGAGCAGCCGATTGTCTGTTGTGCCCAGTCA−3’(配列表の配列番号8の配列)である。236bp及び429bpのバンドのPCR生成物が、それぞれ野生型対立遺伝子及び突然変異対立遺伝子を示す。
【0075】
(3)Keap1−Nrf2欠損マウスの表現型の観察
同じ母体から生まれたKeap1−/−Nrf2+/+(K0N2)マウスは実施例1(3)で得られたKeap1ホモ欠損マウスと同様に数週間後に死亡した。しかし、K0N0マウスだけでなく、Nrf2に関してヘテロ欠損体であるK0N1マウスは死亡することなく生存可能であった。これらK0N0マウス及びK0N1マウスは、野生型と比較してなんら差異を認識することはなく、またKeap1ホモ欠損マウスに見られた成長遅延やふけは見られなくなり、食道における異常ケラチン層も観察されなかった。
従って、Nrf2は、Keap1ホモ欠損マウスの表現型に深く関与しており、また死の一因となっていることがわかった。
【0076】
(4)組織化学分析
K0N0マウス及びK2N2マウスの食道をHE染色して観察した。HE染色切片の組織化学的分析から、Keap1ホモ欠損マウスに見られた表現型は、K0N0においては見られなかった。
【0077】
(5)第二相酵素遺伝子の発現
実施例1(11)に記載に従って、K0N0マウス及びK0N1マウスにおける第二相酵素遺伝子の発現を調べたところ、Keap1ホモ欠損体マウスの肝臓抽出物に見られた恒常的な第二相酵素群の遺伝子の発現が、K0N0マウスにおいては野生型マウスの正常な発現レベルと同等であった。この発現レベルはNrf2遺伝子の割合に依存していた(データは示していない)。
従って、GST発現がNrf2によって制御されていることが示唆される。
【0078】
以上の実施例2の結果から、Nrf2がKeap1ホモ欠損マウスにおける表現型を引き起こし、また死の一因である異常ケラチン層の増加を招き、また異物代謝系第二相酵素の発現に関与することが明らかとなった。
また、Nrf2を低減させたK0N0マウス及びK0N1マウスは死に至ることはなく、生存が可能であることが明らかとなったが、K0N0マウスは、完全にNrf2遺伝子を欠損しているため、異物に暴露された場合に、それを代謝する能力はもはや備わっていない。一方、Nrf2遺伝子を半分だけ欠損させたK0N1マウスは、Nrf2が恒常的に活性化されているため、異物を体外へと排出する能力に優れており、かつNrf2の過剰発現が原因で死に至ることはない。
【0079】
さらに、Keap1遺伝子を半分欠損させたマウスで、かつNrf2遺伝子も半分欠損したマウス(K1N1マウス)は、正常に成長繁殖し、K0N1マウスの増殖に有用である。
【0080】
従ってここではじめて、恒常的に異物代謝系第二相酵素群が活性化し、かつ生存可能な非ヒト動物を作出することが可能となった。
また実施例1と実施例2の結果から、Keap1とNrf2の複合体がマウス個体の死を左右していることがわかる。Keap1を破壊することでKeap1−Nrf2複合体は形成されず、Nrf2が核へ移行する。このことによりNrf2の過剰発現が種々の表現型を引き起こし、個体に死をもたらす。従って、Keap1は個体生存のために、またNrf2の機能を調節するために必須の細胞質分子であることがわかる。
【0081】
さらにNrf2欠損マウスが第二相酵素の誘導的遺伝子を発現することなく生存できることから、Keap1−Nrf2複合体においてKeap1が生体異物刺激や酸化的刺激に対する細胞応答の役割を果たし、Keap1−Nrf2複合体が解毒システムを維持するのに非常に重要な役割を果たしていることがわかる。
【0082】
【発明の効果】
Keap1遺伝子を破壊するか、あるいはKeap1とNrf2との相互作用を妨げることで、非ヒト動物においてNrf2の発現を増加させ、さらにそれに伴いGSTπやGSTμのような異物代謝系第二相酵素群を恒常的に活性化させることが可能となる。
【0083】
またKeap1破壊マウスにおいて、さらにNrf2遺伝子の対立遺伝子の一方を欠損させることにより、Nrf2の過剰発現することなく、かつ薬剤投与等の必要なく異物代謝系第二相が恒常的に活性化している生存可能な非ヒト動物の作出が可能になる。
【0084】
さらに本発明は、Keap1とNrf2の相互作用を遮断することによる異物代謝系第二相酵素群の強力な誘導剤開発の引き金となり、これによりガン予防や薬の副作用予防が可能となる。
【0085】
【配列表】

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【図面の簡単な説明】
【図1】ターゲティングベクター、野生型Keap1遺伝子座、及びターゲティングベクターを用いた相同組換えにより得られると予想される、破壊されたKeap1遺伝子座(組換え体)の構造を示す。
【図2】ES細胞(図2A)及びF2マウス(図2B)におけるサザンブロット解析の結果を示す。
【図3】MEFの全RNAのRNAブロット解析によるKeap1破壊の確認を示す。
【図4】免疫ブロット分析による抗β−ガラクトシダーゼ抗体を用いたLacZcDNAノックインの確認を示す。
【図5】RNAブロット分析による代表的な異物代謝系第二相酵素群の発現を示す。
【図6】CBB染色及び免疫ブロット解析による異物代謝系第二相酵素群の発現を示す。
【図7】免疫ブロット法による生後10日目の肝臓核抽出物におけるNrf2発現を示す。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a non-human animal in which a foreign substance metabolic system phase II enzyme group is constantly activated.
[0002]
[Prior art]
With the development of industry, environmental chemical substances with carcinogenicity and teratogenicity are increasing year by year, and improving the ability of these chemical substances to be released from the body is a basic technology that leads to the development of safer livestock animals. It is. The production of non-human animals such as domestic animals, which have enhanced metabolic ability for these chemical substances and environmental chemical substances are difficult to remain in the body, is a very interesting issue.
[0003]
When a living body is exposed to a xenobiotic, a group of detoxification enzymes is induced in the living body, and these enzymes convert the xenobiotic into a more water-soluble derivative. Such a biological reaction to environmental chemicals consists of a first phase of the foreign body metabolic system and a subsequent second phase reaction. The first phase reaction is a functional group addition reaction mainly by a cytochrome P-450 monooxidase system, which converts a chemically inactive compound into a reactive metabolic intermediate. The subsequent second phase reaction is a reaction with an enzyme such as glutathione S transferase (GST) or NAD (P) H: quinone oxidoreductase (NQO1), and the intermediate obtained in the first phase is generally more Converts to a less toxic derivative.
[0004]
It has been clarified that induction of the first phase of the foreign body metabolic system is controlled by an allyl hydrocarbon receptor (AhR: also known as dioxin receptor) which is a receptor transcription factor.
[0005]
On the other hand, several compounds have been known as drugs that activate the second phase of the foreign body metabolism system, but the mechanism of action has not been known. In addition, the induction was transient, and it was necessary to continuously administer the drug in order to induce constant activation.
[0006]
Moreover, although the transcription factor that controls the second phase of the xenobiotic metabolism system has not been clarified, the inventors of the present case have already confirmed that Nrf2 is a transcriptional activator of the xenobiotic metabolism type 2 phase enzyme group Reported ahead of. Furthermore, the inventors of the present case control the second phase of the xenobiotic metabolic system by controlling the nuclear translocation of Nrf2 having the strongest transcriptional activity in the CNC group (Cap'n 'color family). (Itoh, K. et al., Genes & Development 13: 76-86, 1999). That is, the following molecular mechanism involved in the Keap1-Nrf2 functional complex was proposed. Under non-stress conditions, Nrf2 binds to the β-propeller domain of Keap1 located in the cytoplasm, but it is protective against oxidative stress or stimuli such as phase II substrates metabolized by phase I detoxification enzymes. Occurs, Nrf2 is released from Keap1 and quickly translocates to the nucleus. As a result, Nrf2 forms a heterodimer with another bZip partner such as small Maf (hereinafter also referred to as sMaf) (Marini, MG et al., J Biol Chem 272, 16490-16497, 1997; Motohashi, H. et al., Nucleic Acids Res 25, 2953-2959, 1997). As a result, the heterodimer is an antioxidant response element (hereinafter also referred to as ARE) present in the gene regulatory region of the target gene (hereinafter also referred to as GRR) (Xie, T. et al., J Biol Chem 270, 6894-6900, 1995; Venugopal, R. and Jaiswal, AK, Oncogene 17, 3145-3156, 1998) through target gene expression (eg, phase 2 detoxification enzymes and oxidative stress-reducing proteins) Transactivate.
[0007]
In the individual level analysis of established Nrf2-deficient mice and the analysis of primary cultured macrophages isolated from the mice, inducible expression of their target genes was not observed (Itoh, K. et al., Biochem Biophys Res Commun 236). , 313-322, 1997; Itoh, K. et al., Free Radic Res 31, 319-324, 1999).
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
Therefore, the purpose of the present invention is to elucidate the role of Keap1 and the function and control mechanism of Keap1-Nrf2 functional complex in vivo by paying attention to the transcription factor Nrf2 and cytoplasmic protein Keap1 that control the second phase of the foreign body metabolism system. It is to create a viable non-human animal in which the second phase of the foreign body metabolism system is constantly activated.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention provides a method for producing a Keap1 hetero-deficient non-human animal using an embryonic stem cell clone in which the Keap1 gene is disrupted, and a Keap1 hetero-deficient non-human animal produced using the method. A method of producing a Keap1 homo-deficient non-human animal in which the second phase of the foreign body metabolic system is constitutively activated by mating, and Keap1 hetero-deficient non-human animal and Nrf2 homo-deficient mouse are mated and viable Keap1 Method for producing hetero deficient Nrf2 hetero deficient non-human animal, and Keap 1 hetero deficient Nrf 2 hetero deficient non-human animal produced by mating Keap 1 hetero deficient Nrf 2 hetero deficient non-human animal produced using said method Or a viable Keap1 homo-deficient Nrf2 heterozygous with constitutively activated foreign substance metabolism system second phase Provides methods for making losses nonhuman animal.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention provides a method for producing a non-human animal in which the second phase of the xenobiotic metabolism system is constantly activated. Specifically, a non-human animal in which a foreign substance metabolic system phase II enzyme group is constantly expressed is produced by deleting Keap1.
[0011]
In the present specification, the “foreign substance metabolic system” means a system that detoxifies the substance taken into the living body by exposure to water.
The “foreign substance metabolizing system second phase enzyme group” means a metabolic intermediate having a protocarcinogenicity produced by the action of a foreign substance metabolizing system first phase enzyme group such as cytochrome P-450 monooxidase, which is more toxic. A group of metabolic enzymes that metabolize to low intermediates. Examples of the second phase enzyme include glutathione S transferase such as GSTπ and GSTμ (hereinafter also referred to as GST), NAD (P) H: quinone oxidoreductase (hereinafter also referred to as NQO1), and epoxide hydratase. Can be mentioned.
[0012]
Examples of environmental chemical substances that cause a foreign body metabolic system response include carcinogenic substances, teratogenic substances, chronic toxic substances, subacute toxic substances, and acute toxic substances.
[0013]
As used herein, “constantly activated” refers to the second phase, even under non-stimulating conditions such as when administering a second phase substrate metabolized by oxidative stress or first phase detoxification enzyme. It means that the enzyme group is not inducible but expressed constantly.
[0014]
In the present specification, “non-human animals” means animals other than humans, for example, mammals other than humans (mouse, rat, rabbit, dog, cat, monkey, sheep, pig, cow, horse, etc.), Examples include birds (for example, chickens), amphibians (for example, frogs), reptiles, and insects.
[0015]
According to one embodiment of the present invention, by producing a mouse deficient in Keap1, the function of Keap1, which is an intracellular regulatory protein of Nrf2, can be clarified in vivo.
Here, “Nrf2” is a transcription factor of the CNC group as described above, and is a protein capable of forming a heterodimer with a small Maf group protein and binding to an antioxidant reaction sequence. Means a group control factor.
[0016]
“Keap1” ( K elch-like E CH A sociating P rotein1) is a protein that was cloned using a yeast two-hybrid system using a Neh2 domain conserved between species in Nrf2 as a molecule that directly binds to Nrf2 (Itoh, K. et al., Genes Dev 13, 76-86, 1999). Keap1 is a cytoplasmic regulatory protein of Nrf2, and suppresses Nrf2 activity by localizing Nrf2 in the cytoplasm.
[0017]
A Keap1 gene knockout non-human animal can be obtained by the following method. First, for example, embryonic stem cells in which at least one allele has been disrupted by homologous recombination (hereinafter also referred to as ES cells) are injected into blastocysts of fertilized eggs to obtain chimeric non-human animals. The resulting chimeric animal can be crossed with a corresponding wild-type non-human animal to produce a heterozygous non-human animal in which only one of the alleles is disrupted (hereinafter also referred to as Keap1 +/−). Furthermore, these obtained heterozygous non-human animals can be bred to produce homozygous non-human animals in which both alleles are disrupted (hereinafter also referred to as Keap1 − / −). Wild type is expressed as Keap1 + / +.
[0018]
In the case of a mouse, E14, CCE, J1, or T2 can be used as the ES cell.
Homologous recombination of ES cells can be performed, for example, by introducing recombinant DNA into which an arbitrary DNA sequence capable of interfering with Keap1 expression is inserted into ES cells. As the arbitrary DNA sequence capable of interfering with the expression of Keap1, it is preferable to use a drug resistance gene (for example, neomycin resistance gene (neo)) that can confirm introduction of recombinant DNA into ES cells, and a reporter gene. Although it is preferable to use (β-galactosidase (lacZ)) or the like, it is not particularly limited.
[0019]
Examples of the DNA introduction method include an electroporation method and a microinjection method. The Keap1 gene disruption in ES cells can be confirmed by, for example, PCR and Southern blot hybridization according to a conventional method.
[0020]
Examples of a method for producing a chimeric non-human animal having ES cells in which the Keap1 gene is disrupted by homologous recombination include a blastocyst microinjection method. In the blastocyst injection method, a desired chimeric non-human animal is produced by microinjecting ES cells in which Keap1 is disrupted into a non-human animal blastocyst and transplanting the treated blastocyst into a pseudopregnant non-human animal. can do.
[0021]
A heterozygous non-human animal obtained by mating a chimeric non-human animal obtained as described above with a corresponding wild-type non-human animal, or obtained by further mating the heterozygous non-human animal The homozygous non-human animal can be confirmed for its genotype by, for example, Southern blotting using DNA collected from the tail. In addition, the presence or absence of expression of the Keap1 gene can be confirmed by RNA blot analysis.
[0022]
The present invention also provides a method for producing a viable Keap1 heterodeficient Nrf2 heterodeficient non-human animal by crossing a Keap1 heterodeficient nonhuman animal and an Nrf2 homodeficient nonhuman animal.
Furthermore, the present invention creates a viable non-human animal in which the Keap1 hetero-deficient Nrf2 hetero-deficient non-human animals produced by the above method are bred with each other to constantly express the foreign phase II enzyme group. Provide a way to do it.
[0023]
A method for producing a Keap1-Nrf2 compound mutant non-human animal is obtained by mating a Keap1 +/− nonhuman animal and an Nrf2 − / − nonhuman animal obtained by the method according to the present invention as described above to obtain a wild type nonhuman animal. No difference Keap1 +/− Nrf2 +/− (which means that a heterodeficient for Keap1, ie, only one allele is destroyed, a heterodeficient for Nrf2, ie, only one allele is destroyed, Hereinafter, a non-human animal having a genotype of K1N1) is produced. By mating the non-human animals, non-human animals having all genotypes can be produced, and therefore non-human animals lacking both Keap1-Nrf2 can be easily obtained.
[0024]
According to a method for producing Nrf2 − / − non-human animals, embryo stem cells in which at least one allele has been disrupted by homologous recombination are first injected into a blastocyst of a fertilized egg according to the same method as Keap1 − / −. Alternatively, a chimera non-human animal in which ES cell-derived cells and embryo-derived cells are mixed is obtained by associating with mulberry embryos and then transplanting into pseudopregnant non-human animals. The resulting chimeric animal can be crossed with a corresponding wild-type non-human animal to produce a heterozygous non-human animal (hereinafter also referred to as Nrf2 +/−) in which only one of the alleles has been disrupted. Furthermore, these obtained heterozygous non-human animals can be bred to produce a homozygous non-human animal (hereinafter also referred to as Nrf2 − / −) in which both alleles are disrupted (Japanese Patent Application). Hei 11-064772). The wild type is expressed as Nrf2 + / +.
[0025]
Regarding K1N1 non-human animals, K0N0 non-human animals (Keap1-/-Nrf2-/-non-human animals), K0N2 non-human animals (Keap1-/-Nrf2 + / +), etc. obtained by the above method, for example, from the tail The genotype can be confirmed by Southern blotting using the collected DNA.
[0026]
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, the scope of the present invention should not be construed as being limited thereby in any way.
[0027]
【Example】
Example 1: Production of Keap1-deficient mice
(1) Preparation of targeting vector
Two phage clones containing the full-length Keap1 gene and 5 ′ and 3 ′ flanking sequences long enough to create a targeting vector by screening the 129 · SvJ mouse genomic library (Stratagene) (Hereinafter referred to as clone 1 and clone 2) were isolated.
[0028]
Among the two phage clones obtained, clone 1 was cloned into pBluescript plasmid (Stratagene) using clone 1 suitable for targeting vector preparation, that is, having flanking sequence sufficient to perform homologous recombination. Was made. This targeting vector contains a nuclear localization signal (hereinafter also referred to as NLS) -β-galactosidase (lacZ) gene in an open reading frame (hereinafter also referred to as ORF) region of Keap1 cDNA between HindIII and SmaI sites. It is inserted and designed to replace the gene with the Keap1 gene. In order to select a transformant, a neomycin resistance (neo) gene is arranged downstream of the NLS-lacZ gene, and a diphtheria toxin A (DT-A) gene (for negative selection of heterologous recombinants) ( (Distributed by Dr. M. Taketoh, University of Tokyo) was inserted downstream of the Keap1 gene.
[0029]
The vector contains 5 ′ and 3 ′ genomic sequences, 5.5 kb and 2.7 kb, respectively, and is designed to place a 5.7 kb NLS-lacZ cDNA adjacent to neomycin. Yes. This targeting vector is designed to delete a sequence encoding the 197th amino acid residue from the 8th to 204th of Keap1, and the 7 amino acid residues on the N-terminal side of Keap1 are linked to NLS-LacZ. doing.
[0030]
FIG. 1 shows the structure of a targeting vector, a wild-type Keap1 locus, and a disrupted Keap1 locus (recombinant) expected to be obtained by homologous recombination using the targeting vector.
[0031]
(2) Introduction and confirmation of targeting vector into ES cells
25 μg of the targeting vector obtained in Example 1 (1) was linearized. ES cell (E14) approx. 1 × 10 7 20 μg of the linearized targeting vector was added to 0.6 mL of the medium in which the cells were suspended, and the ES cells were electroporated using Gene Pulser (Bio-Rad) under the condition of 0.21 kV / 0.5 F. The gene was introduced. To the cell suspension, 30 mL of a medium containing 0.3 mg / mL-G418 (Gibco) was added and cultured at 37 ° C. for 9 days.
[0032]
About 360 colonies of G418-resistant ES cells were obtained, high molecular weight DNA was prepared from the ES clones according to a conventional method, and recombinants were screened by polymerase chain reaction (hereinafter also referred to as PCR). PCR is a screening brimer that can anneal to the neo gene 1: 5′-TCAGAGCAGCCCGATTGTCTGTTTGCCCCAGTCAT-3 ′ (sequence of SEQ ID NO: 1 in the sequence listing), and a primer that can be annealed with the Keap1 gene outside the targeting vector Using 2: 5′-ACCCACGTCGATGCACGCGTGGAACACCTCGGG-3 ′ (sequence of SEQ ID NO: 2 in the Sequence Listing), 30 cycles of 98 ° C. for 10 seconds and 68 ° C. for 5 minutes were performed.
[0033]
As described above, when PCR was performed, among the 360 clones, 17 positive clones (clone that produced a DNA fragment of about 3.5 kb) in which the desired homologous recombination occurred were found. These positive clones were analyzed in more detail by Southern blotting to determine the genotype. As a result, Keap1 disruption was observed at any of the 17 ES clone loci, and it was confirmed that all of them were Keap1 heterozygous. It was. FIG. 2A shows the results of Southern blotting performed on wild type (+ / +), ES clone 1 (ES1) and ES clone 2 (ES2). In the analysis by Southern blotting, a DNA fragment (wild type: ˜7.7 kb, recombinant: ˜8.7 kb) generated when genomic DNA is digested with the restriction enzyme EcoRI is placed outside the targeting 5 ′. Hybridization with a probe (EcoRI-Xbal fragment: 140 bp) and targeting of a DNA fragment (wild type: ~ 4.5 kb, recombinant type: ~ 6.6 kb) generated when digesting genomic DNA with the restriction enzyme SacI This was carried out by hybridization with a 3 ′ probe (EcoRI-SacI fragment 200 bp) placed outside the vector (see FIG. 1).
[0034]
(3) Creation of Keap1 gene disrupted mice
Among the 17 types of clones obtained in Example 1 (2), 3 types of clones for ES clone germline chimera production (hereinafter referred to as ES clone 1, ES clone 2 and ES clone 3 respectively) were used. Chimeric mice were prepared by the blastocyst microinjection method. That is, one of the three types of ES cells was microinjected into C57BL / 6J mouse blastocysts, and the treated blastocysts were transplanted into pseudopregnant mice to produce chimeric mice.
[0035]
Using a chimeric mouse male produced using two of the three types of ES clones (ES clone 1 and ES clone 2), this was crossed with a C57BL / 6J female, and Agouti's hair color was changed. Obtained F1 offspring. Transmission of the mutant gene to the germline in F1 progeny was confirmed by Southern blot analysis of the tail genome. Furthermore, among the F1 progeny, F2 progeny were produced by crossing Keap1 heterozygous mutants, and the genotype was determined by Southern blotting in the same manner.
[0036]
FIG. 2B shows the result of Southern blot analysis performed on F2 progeny produced by crossing F1 produced using the ES clone. In FIG. 2B, + / + represents a wild type mouse, +/− represents a Keap1 hetero-deficient mouse, and − / − represents a Keap1 homo-deficient mouse. As a result of Southern blot analysis, a band of a DNA fragment derived from a disrupted Keap1 locus, which is expected to be obtained by homologous recombination, is observed. Therefore, F2 progeny have heterozygous and homozygous mice with respect to the Keap1 locus. It was confirmed that the disruption of the Keap1 gene occurred in these mice.
[0037]
(4) RNA blot analysis of Keap1 knockout mice
Embryonic fibroblasts (hereinafter also referred to as MEF) are taken out from the Keap1 hetero-deficient mouse and Keap1 homo-deficient mouse obtained in Example 1 (3), and wild-type mice, and RNA is extracted using ISOGEN (Nippon Gene). separated. 25 μg of the RNA was electrophoresed on a formamide / 1.2% agarose gel, transferred to a nylon membrane (HybondN +, Amarsham), and then BamHI- containing the complete ORF of mouse Keap1 cDNA derived from the pCMV-ECFP-mKeap1 expression vector. The XbaI fragment (1924 bp) was radiolabeled using a random primer label kit (Takara Shuzo) and used as a probe. 50% formamide, 4 × SSC (20 × SSC means an aqueous solution containing 3M NaCl and 0.3M sodium citrate: pH 7.0), 5 × Denhardt's reagent, 0.2% sodium dodecyl sulfate (hereinafter, The above-mentioned transfer membrane and the probe were hybridized at 42 ° C. overnight. The treated transfer membrane was first washed at 58 ° C. for 10 minutes in 2 × SSC containing 0.5% SDS, then washed at 58 ° C. for 1 hour, and finally 0.4% containing 0.1% SDS. X Washed in SSC at 60 ° C for 0.5 hour.
[0038]
A GAPDH probe was used as a control. Similar to the above Keap1 cDNA probe, the transfer membrane was hybridized with the GAPDH probe, washed in 0.5 × SSC containing 0.5% SDS at 60 ° C. for 20 minutes, and then 0.2% SDS. Washing was performed in 0.2 × SSC containing 0.1% SDS at 60 ° C. for 45 minutes and finally in 0.2 × SSC containing 0.1% SDS at room temperature for 20 minutes.
The transfer film was exposed to X-ray film (BioMax or XOR, Kodak) at −80 ° C. overnight using an intensifying screen.
[0039]
The results of RNA blot analysis performed as described above are shown in FIG. In FIG. 3, + / + represents a wild type mouse, +/− represents a Keap1 hetero-deficient mouse, and − / − represents a Keap1 homo-deficient mouse. The lower panel in FIG. 3 means a control. As a result, the level of Keap1 RNA present in the MEF of Keap1 hetero-deficient mice was about half of the level present in MEF of wild-type mice, and no Keap1 RNA was detected in the MEF of Keap1 homo-deficient mice. This shows that Keap1 destruction occurs in Keap1 hetero-deficient mice and Keap1 homo-deficient mice.
[0040]
(5) Confirmation of lacZ cDNA knock-in by immunoblot analysis
Total nuclear protein of liver extracted from wild-type mice, Keap1 hetero-deficient mice and Keap1 homo-deficient mice obtained in Example 1 (3) was analyzed using the dignum method (Dignam, JD, Methods Enzymol 182, 194-203, 1990). It was prepared by. The protein concentration of the nuclear extract obtained by the above method was determined using a protein assay reagent (BioRad), and bovine serum albumin was used as a standard substance.
[0041]
An equal volume of 2 × SDS sample buffer (100 mM Tris-HCl: pH 6.8, 200 mM dithiothreitol (hereinafter also referred to as DTT), 4% SDS, 0.1 to liver nuclear extract (20 μg protein) % Bromophenol blue, 20% glycerol) and immediately boiled for 5 minutes. This was separated with an appropriate SDS-polyacrylamide gel (hereinafter also referred to as PAGE), and further transferred to a PVDF membrane (Millipore). Subsequently, immunostaining was performed using an anti-β-galactosidase antibody (ICN).
[0042]
The immunostaining method is shown below. Using 2% normal serum / TBS-T (10 mM Tris-HCl: pH 8.0, 150 mM sodium chloride, 0.05% Tween 20) from the same animal as 3% skim milk and secondary antibody source, Block for 1 hour, then react the treated transfer membrane with anti-β-galactosidase antibody in 5% skim milk / TBS-T for 1 hour with an appropriate secondary antibody conjugated to horseradish peroxidase Detection was performed using an ECL color development kit (Amarsham). A band control of nuclear lamin B detected by an anti-lamin B polyclonal antibody (Santa Cruz) was used.
[0043]
The results of immunoblot analysis performed as described above are shown in FIG. In FIG. 4, + / + represents a wild type mouse, +/− represents a Keap1 hetero-deficient mouse, and − / − represents a Keap1 homo-deficient mouse. As a result, the NLS-LacZ level in the liver extract of the Keap1 homo-deficient mouse is about twice the NLS-LacZ level in the liver extract of the Keap1 hetero-deficient mouse. NLS-LacZ was not detected. From this, it was confirmed that the lacZ gene was knocked into Keap1 hetero-deficient mice and Keap1 homo-deficient mice.
[0044]
Furthermore, using β-galactosidase staining method (see Maniplating the Mouse Embryo, A Laboratory Method 2nd Edition), NLS-LacZ expression in Keap1 +/− mice or Keap1 − / − mice overlaps with cells of tissues expressing Keap1 mRNA. In addition, it was confirmed that LacZ is located in the nucleus (data not shown).
[0045]
(6) Observation of phenotype of Keap1-deficient mice
No difference was found in the phenotypes of hetero-deficient mice and wild-type mice born from the same mother obtained by F1 mating. However, several different phenotypes were found in homo-deficient mice.
[0046]
Homo-deficient Keap1 − / − mice were born normally with no difference in body size or behavior from wild-type mice or hetero-deficient mice born from the same maternal body. However, growth delay was observed from the fourth day of life. On the 5th and 6th days after birth, dandruff was found all over the body surface. In addition, compared to wild-type mice and hetero-deficient mice, homo-deficient mice clearly had a thick keratin layer on the ventral skin of the mice. On the other hand, no abnormality was found in the way the hair and teeth grew. The homo-deficient mice were debilitated and all died within 3 weeks.
[0047]
(7) Anatomical analysis of Keap1-deficient mice
Anatomical analysis revealed that the size of each organ of the Keap1 homo-deficient mouse was proportional to the size of the body. Although no histological abnormalities were observed in all organs except the esophagus and cardia, an abnormal keratin layer was observed on the inner wall of the esophagus and cardia as well as the skin. Furthermore, a huge tumor was observed in the cardia of the stomach of Keap1 homo-deficient mice. Analysis of stomach sections revealed that the tumor was composed of multiple layers of keratin. From the experiment of bromodeoxyuridine (BrdU) uptake using individuals, the proportion of immature squamous epithelial cells in the esophagus and cardia sinus of Keap1 homo-deficient mice is not significantly different from that of wild-type mice and heterozygous mice Okay (data not shown).
[0048]
(8) Immunohistochemical analysis in Keap1-deficient mice
For each genotype mouse, the expression of differentiation markers and proliferation markers related to epidermal cells was analyzed by immunohistochemical analysis.
Esophageal sections of wild-type mice, Keap1 heterodeficient mice, and Keap1 homodeficient mice were treated with antibodies against several types of cytokeratins. The primary antibodies against each cytokeratin used are anti-cK1, anti-cK13, anti-Loricrin, and anti-cK14 (all of which were kindly provided by Dr. Dennis Loop). The prepared sections were observed with a microscope (Leica DMRD, DMRE).
[0049]
As a result, intense changes were observed in some cytokeratins in wild-type mice, Keap1 hetero-deficient mice and Keap1 homo-deficient mice born from the same maternal body. In Keap1 homo-deficient mice, an increase was observed in cytokeratin cK1, and in particular, the differentiation marker Loricrin was significantly increased. On the other hand, the expression of cytokeratin cK13 decreased, and cK14 showed almost the same expression level as that of wild type mice.
[0050]
(9) Confirmation of cytokeratin changes by immunoblot analysis
RIPA buffer containing protease inhibitor cocktail (Biolab) (50 mM Tris-HCl: pH 8.0, 150 mM sodium chloride, 0.02% sodium azide, 0.1% SDS, 1% Nonidet P-40, 0.5% The esophagus 5 mm excised from each genotype mouse was homogenized in sodium deoxycholate.
[0051]
Except for the SDS concentration of the sample buffer being 10% SDS, the protein concentration was measured and the homogenized esophagus (5 μg of protein amount) was used as described in Example 1 (5). Immunoblot analysis was performed as described in The antibodies used were anti-cK6 (kindly from Dr. Dennis) and anti-Loricrin, and the band obtained with anti-cK14 (COVANCE) was used as a control.
As a result, an increase was observed in cytokeratin cK6 in Keap1 homo-deficient mice, and similarly to the result of Example 1 (8), Loricrin was remarkably increased, and cK14 showed almost the same expression level as that of wild-type mice. .
[0052]
As can be seen in the results of Example 1 (8) and Example 1 (9), it is not clear why some changes in cytokeratin occurred in Keap1 homo-deficient mice, but these changes are not related to Keap1 homo-deficiency. It is expected to contribute to the growth delay and short life of mice.
[0053]
(10) Histochemical analysis
The livers of mice 10 days after each genotype were stained with hematoxylin-eosin (hereinafter also referred to as HE staining).
As a result, from the histochemical analysis of the HE-stained sections, no difference was observed in all of the wild type, the Keap1 hetero-deficient mouse and the Keap1 homo-deficient mouse.
[0054]
(11) Confirmation of the expression of phase II detoxification enzymes by RNA blot analysis
As mentioned above, Nrf2 plays an important role in the inducible expression of phase 2 detoxification enzymes in the nucleus. Keap1 also traps Nrf2 in the cytoplasm and prevents Nrf2 from entering the nucleus in a normal cell state. From these viewpoints, it was considered that the relationship between Keap1 and the expression of the second phase enzyme group was very interesting.
[0055]
Therefore, the expression of the second phase detoxification enzyme group in the liver of Keap1-deficient mice was examined.
First, the expression (NQO1 and GSTπ) of several types of second-phase enzymes was confirmed by RNA blot analysis.
[0056]
Similar to Example 1 (4), Keap1 hetero-deficient mouse, Keap1 homo-deficient mouse, and wild type mouse, embryonic fibroblasts (MEF), total amount of embryo on day 12 (E12.5), newborn and postnatal day 10 Total RNA was isolated from day-old liver (P10 liver). Here, the entire ORF region of NQO1 and a part of the ORF region of GSTπ were used as probes. GAPDH was used as a control.
[0057]
The results of RNA blot analysis are shown in FIG. In FIG. 5, Wt represents a wild type mouse, Ht represents a Keap1 hetero-deficient mouse, and Hm represents a Keap1 homo-deficient mouse. As a result, the expression of NQO1 and GSTπ genes in Keap1 heterodeficient mice was remarkably increased in all RNAs such as MEF and liver as compared to wild type mice and Keap1 heterodeficient mice. From this, it was found that the expression of NQO1 and GSTπ, which are the second detoxification enzymes, increased in Keap1-deficient mice.
[0058]
According to the findings so far, the expression of these second phase enzyme group genes is usually induced via the first phase, but surprisingly, in the Kap1 homozygous mice, the RNAs of these second phase enzymes are constitutive. It turned out to be a high level.
[0059]
Therefore, in Keap1 homo-deficient mice, Nrf2 appears to be constitutively activated by translocating to the nucleus without being trapped by Keap1 even under normal cell conditions. Since the expression of Nrf2 and Keap1 is usually detected everywhere in the body, this increase phenomenon of Nrf2 due to Keap1 deficiency can occur not only in detoxified metabolic organs but also in various tissues. Therefore, deletion of Keap1 may also change the expression level of an unknown Nrf2 target gene, which may cause death of Keap1 homo-deficient mice.
[0060]
(12) Confirmation of the expression of phase II detoxification enzymes by CBB staining and immunoblot analysis
RIPA buffer containing protease inhibitor cocktail (Biolab) (50 mM Tris-HCl: pH 8.0, 150 mM sodium chloride, 0.02% sodium azide, 0.1% SDS, 1% Nonidet P-40, 0.5% 0.2 g of liver extracted from 10 days old mice of each genotype was homogenized in sodium deoxycholate).
The protein concentration of the liver extract obtained by the above-described method was determined using a protein assay reagent (BioRad), and bovine serum albumin was used as a standard substance.
[0061]
An equal volume of 2 × SDS sample buffer (100 mM Tris-HCl: pH 6.8, 200 mM DTT, 4% SDS, 0.1% bromophenol blue, 20% glycerol) was added to the liver extract (10 μg protein). Later, it was immediately boiled for 5 minutes. This was separated with an appropriate SDS-polyacrylamide gel (hereinafter also referred to as PAGE) and stained with Coomassie Brilliant Blue (hereinafter also referred to as CBB). A broad prestained marker (Bio-Rad) was used as a size marker.
The results of CBB staining are shown in the upper panel of FIG. As a result, clear induction of GST protein was confirmed. The induction was strong enough to be confirmed by protein staining with CBB dye.
[0062]
Furthermore, according to the description of Example 1 (5), immunoblot analysis was performed according to the description of Example 1 (5) using the liver extract (protein amount of 10 μg) obtained as described above. The expression level of GST protein was analyzed. The mouse GST subunits (α, μ, and π classes) were immunostained using a rabbit antibody that specifically reacts with each previously reported subunit (Itoh, K. et al., Biochem Biophys Res). Commun 236, 313-322, 1997). The Nuclear Lamin B band was used as a control band.
[0063]
The result is shown in FIG. In FIG. 6, Wt represents a wild type mouse, Ht represents a Keap1 hetero-deficient mouse, and Hm represents a Keap1 homo-deficient mouse. Regarding constitutively expressed GSTα, mice of all genotypes showed equal expression levels, but normally inducibly expressed GSTμ and GSTπ were significantly increased in the livers of Keap1 homo-deficient mice in both males and females.
Therefore, it has been clarified that deletion of Keap1 steadily increases the foreign substance metabolism system phase II detoxification enzyme group.
[0064]
(13) Confirmation of Nrf2 expression by immunoblotting
It can be expected that Nrf2 is automatically transferred to the nucleus without being trapped in the cytoplasm due to the destruction of Keap1. Therefore, Nrf2 is considered to accumulate in the nucleus. To verify this hypothesis, Nrf2 expression was confirmed by immunoblotting.
[0065]
According to Example 1 (5), immunoblotting analysis was performed on the nuclear extract of the liver of a 10-day-old mouse having each genotype. The anti-Nrf2 antibody used was produced by immunizing Japanese white rabbits with the N-terminal region recombinant polypeptide of Nrf2 using the adjuvant system (RIBI Immunochem Research, Inc). In addition, 293T-derived cell total protein transfected with pEFmock or pEFNrf2 expression vector using an anti-Nrf2 polyclonal antibody was used as a reference substance for Nrf2 detection, and total protein of D3T-treated mouse liver was used as a control for liver Nrf2 detection. As a loading control, the Nuclear Lamin B band was used.
[0066]
The result is shown in FIG. In FIG. 7, Wt represents a wild type mouse, Ht represents a Keap1 hetero-deficient mouse, and Hm represents a Keap1 homo-deficient mouse. Nrf2 expression increased in the liver of Keap1 homo-deficient mice.
Therefore, it was found that the high level expression of the foreign substance metabolic system phase II detoxification enzyme in Keap1 disrupted mice was due to constitutive activation of Nrf2.
[0067]
From the results of Example 1 above, it is possible to increase the expression of Nrf2 in non-human animals by disrupting the Keap1 gene, and to constitutively activate the foreign phase II enzyme group accordingly. It became clear that
However, the non-human animal produced in Example 1 and constantly active in the second-phase enzyme group has a definite disadvantage that growth is delayed and it is short-lived.
[0068]
Example 2: Production of Keap1-Nrf2-deficient mice
As described in Example 1, Keap1 homozygous mice have growth delay and various different phenotypes compared to wild type, and eventually die. As described above, lack of Keap1 results in a state of constant activation without Nrf2 control, suggesting that this contributes to these phenotypes and death. Therefore, the present inventors considered that various phenotypes and death can be avoided by further reducing the expression of Nrf2 from the Keap1 homo-deficient mouse, and in the Keap1 homo-deficient mouse, the mouse in which the Nrf2 gene is also half-deleted Decided to create.
[0069]
(1) Creation of Nrf2-deficient mice
1) Creation of targeting vector
Screening the 129 · SvJ mouse genomic library (Stratagene) using the full length Nrf2 cDNA as a probe, and including 5 ′ and 3 ′ flanking sequences long enough to generate a targeting vector, Two genomic phage clones with overlapping sequences were obtained.
Of the two genomic clones, a targeting vector was generated using a phage clone containing a 2.5 kb 5 'flanking sequence and a 9.5 kb 3' flanking sequence. This targeting vector is designed to replace the SV40NLS-lacZ recombinant gene with the b-Zip region of the Nrf2 gene. In order to select a transformant, a neomycin resistance (neo) gene is arranged downstream of the NLS-lacZ gene, and a diphtheria toxin (DT-A) gene is used for negative selection against a heterologous recombinant. It is designed to be placed upstream of the Nrf2 gene.
[0070]
2) Introduction and confirmation of targeting vector into ES cells
The targeting vector obtained in 1) of Example 2 (1) was linearized with a restriction enzyme and 4 × 10 4 7 Genes were introduced into individual ES cells using an electroporation apparatus. Thereafter, the cells were cultured for 9 days at 37 ° C. in a medium containing 0.3 mg / mL-G418 (Gibco). As a result, about 1,000 G418-resistant ES cell colonies were obtained. From among these 96 colonies, a high molecular weight DNA was prepared by a conventional method, and a primary screening of a recombinant was performed by a PCR method. As a result, there were 21 clones in which the desired homologous recombination occurred. When these were analyzed in detail by Southern blotting, it was confirmed that the 21 clones were all heterozygous for the Nrf2 locus.
[0071]
3) Two types of ES clones (hereinafter referred to as ES cell clone No. 68 and cell ES clone No. 20) among the 21 types of clones obtained in 2) of Example 2 (1) above are germ cells. Chimeric mice were produced by two different methods shown below, which were used for the production of the chimeras. In the first method, that is, the blastocyst microinjection method, ES cell clone No. 5 was added to the blastocyst on day 3.5 of C57BL / 6J mice. 68 was microinjected and the treated blastocysts were transplanted into ICR pseudopregnant mice. In the second method, that is, the association method, C57BL / 6J mouse day 2.5 morula and ES clone no. 20 were associated and transplanted into ICR pseudopregnant mice. ES cell clone no. 68 or ES cell clone no. F1 offspring exhibiting a chinchilla color was obtained by crossing a male chimeric mouse produced using 20 with a female ICR mouse or female BALB / cA mouse. Transmission of mutant gene units in the F1 progeny to the germline was determined by Southern blot analysis of tail DNA. Furthermore, among the F1 progeny, F2 progeny were generated by crossing heterozygous mice with respect to the Nrf2 locus, and the genotype was confirmed by Southern blot analysis. In addition, it has already been confirmed that the Nrf2 homo-deficient mouse obtained by this can survive.
[0072]
(2) Production of Keap1-Nrf2 gene-deficient mice
The Kap1 heterodeficient mouse obtained in Example 1 (3) and the Nrf2 homodeficient mouse obtained in Example 2 (1) were crossed to produce a mouse having the K1N1 genotype. Furthermore, the K1N1 mice were crossed to produce mice of various genotypes.
[0073]
The genotype of each mouse was determined by PCR using the following primers. Nrf2 genotyping was initiated by a reaction at 96 ° C. for 2 minutes, and then PCR was performed by performing 35 cycles of 96 ° C. for 20 seconds, 59 ° C. for 30 seconds, and 72 ° C. for 45 seconds. The primers used were primer 3: 5′-TGGACGGGACTATTGAAGGCTG-3 ′ (sequence of SEQ ID NO: 3 in the sequence listing) and primer 4: 5′-GCCGCCCTTTTCAGTAGATGAGG-3 ′ (SEQ ID NO: of the sequence listing) that can anneal to the Nrf2 gene. 4), primer 5: 5′-GCGGATTGACCGTAATGGGATAGG-3 ′ (sequence of SEQ ID NO: 5 in the sequence listing) that can anneal to the lacZ gene located in the knock-in allele. The 734 bp and 511 bp band PCR products show the wild type allele and the mutant allele, respectively.
[0074]
The Keap1 genotype was started by a reaction at 94 ° C. for 1 minute, and then PCR was performed by performing 30 cycles of 94 ° C. for 30 seconds, 60 ° C. for 30 seconds, and 72 ° C. for 1 minute. The primers used were primer 6: 5′-CGGGATCCCCCATGAGAAGGCTTATTGAGTTC-3 ′ (sequence of SEQ ID NO: 6 in the sequence listing) and primer 7: 5′-GAAGTGCATGTATATACACTCCCC-3 ′ (SEQ ID NO: of the sequence listing) that can be annealed with the Keap1 gene 7), primer 8: 5′-TCAGAGCAGCCCGATTGTCTGTTGGCCCAGTCA-3 ′ (sequence of SEQ ID NO: 8 in the sequence listing) that can anneal to the neo gene located in the knock-in allele. PCR products of 236 bp and 429 bp bands show the wild type allele and the mutant allele, respectively.
[0075]
(3) Observation of phenotype of Keap1-Nrf2-deficient mice
The Keap1 − / − Nrf2 + / + (K0N2) mice born from the same mother died several weeks after the Keap1 homo-deficient mice obtained in Example 1 (3). However, not only K0N0 mice but also K0N1 mice that are heterodeficient for Nrf2 were able to survive without dying. These K0N0 and K0N1 mice do not recognize any difference compared to the wild type, and the growth delay and dandruff seen in the Keap1 homo-deficient mice are not observed, and an abnormal keratin layer in the esophagus is not observed. It was.
Therefore, it was found that Nrf2 is deeply involved in the phenotype of Keap1 homo-deficient mice and contributes to death.
[0076]
(4) Histochemical analysis
The esophagus of K0N0 and K2N2 mice was observed with HE staining. From the histochemical analysis of HE-stained sections, the phenotype seen in Keap1 homo-deficient mice was not seen in K0N0.
[0077]
(5) Phase 2 enzyme gene expression
According to the description in Example 1 (11), the expression of the second phase enzyme gene in the K0N0 mouse and the K0N1 mouse was examined. As a result, the constitutive second phase enzyme group found in the liver extract of the Keap1 homozygous mouse Gene expression was comparable in K0N0 mice to normal expression levels in wild type mice. This expression level was dependent on the proportion of the Nrf2 gene (data not shown).
Therefore, it is suggested that GST expression is controlled by Nrf2.
[0078]
From the results of Example 2 above, Nrf2 causes a phenotype in Keap1 homo-deficient mice, causes an increase in abnormal keratin layer that is a cause of death, and is involved in the expression of foreign phase 2 metabolizing enzymes. Became clear.
In addition, it was revealed that K0N0 mice and K0N1 mice with reduced Nrf2 never die and can survive, but K0N0 mice are completely deficient in the Nrf2 gene and thus exposed to foreign substances. If you do, you no longer have the ability to metabolize it. On the other hand, K0N1 mice in which only half of the Nrf2 gene is deleted have excellent ability to excrete foreign substances because Nrf2 is constantly activated, and death is caused by overexpression of Nrf2. There is no.
[0079]
Furthermore, a mouse that is half-deficient in the Keap1 gene and a mouse that is also half-deficient in the Nrf2 gene (K1N1 mouse) grows and reproduces normally and is useful for the proliferation of K0N1 mice.
[0080]
Therefore, for the first time, it has become possible to produce a non-human animal that is constantly activated and capable of activating the foreign substance metabolism phase II enzyme group.
Moreover, it can be seen from the results of Example 1 and Example 2 that the complex of Keap1 and Nrf2 affects the death of the mouse individual. By destroying Keap1, the Keap1-Nrf2 complex is not formed, and Nrf2 moves to the nucleus. This causes overexpression of Nrf2 to cause various phenotypes and death to the individual. Therefore, it can be seen that Keap1 is an essential cytoplasmic molecule for individual survival and for regulating the function of Nrf2.
[0081]
Furthermore, since Nrf2-deficient mice can survive without expressing an inducible gene of a phase II enzyme, Keap1 plays a role in cellular response to xenobiotic stimulation and oxidative stimulation in the Keap1-Nrf2 complex, and the Keap1-Nrf2 complex Can play a very important role in maintaining the detoxification system.
[0082]
【The invention's effect】
By disrupting the Keap1 gene or preventing the interaction between Keap1 and Nrf2, the expression of Nrf2 is increased in non-human animals, and a foreign phase II enzyme group such as GSTπ and GSTμ is made constant. Can be activated.
[0083]
Further, in Keap1-disrupted mice, further deletion of one of the alleles of the Nrf2 gene allows survival in which the second phase of the foreign body metabolism system is constantly activated without overexpression of Nrf2 and without the need for drug administration. Possible non-human animals can be created.
[0084]
Furthermore, the present invention triggers the development of a powerful inducer of the foreign substance metabolism system phase II enzymes by blocking the interaction between Keap1 and Nrf2, thereby enabling cancer prevention and prevention of drug side effects.
[0085]
[Sequence Listing]
Figure 0003646161
Figure 0003646161
Figure 0003646161
Figure 0003646161

[Brief description of the drawings]
FIG. 1 shows the structure of a disrupted Keap1 locus (recombinant) expected to be obtained by homologous recombination using a targeting vector, wild-type Keap1 locus, and targeting vector.
FIG. 2 shows the results of Southern blot analysis in ES cells (FIG. 2A) and F2 mice (FIG. 2B).
FIG. 3 shows confirmation of Keap1 disruption by RNA blot analysis of total MEF RNA.
FIG. 4 shows confirmation of LacZ cDNA knock-in using anti-β-galactosidase antibody by immunoblot analysis.
FIG. 5 shows the expression of representative foreign body metabolic system phase II enzymes by RNA blot analysis.
FIG. 6 shows the expression of foreign substance metabolic system phase II enzymes by CBB staining and immunoblot analysis.
FIG. 7 shows Nrf2 expression in 10-day-old liver nuclear extracts by immunoblotting.

Claims (5)

異物代謝系第二相を恒常的に活性化させた生存可能な非ヒト動物であって、Keap1ホモ欠損で且つNrf2ヘテロ欠損の遺伝子型を有する非ヒト動物。  A viable non-human animal in which the second phase of the xenobiotic metabolism system is constitutively activated, and has a genotype of Keap1 homo-deficiency and Nrf2 hetero-deficiency. 請求項1に記載の非ヒト動物を作出するための親動物として使用するための非ヒト動物であって、Keap1ヘテロ欠損で且つNrf2ヘテロ欠損の遺伝子型を有する生存可能な非ヒト動物。  A nonhuman animal that is a nonhuman animal for use as a parent animal for producing the nonhuman animal according to claim 1 and has a genotype of Keap1 heterodeficiency and Nrf2 heterodeficiency. 請求項2に記載の生存可能な非ヒト動物を作出する方法であって:
Keap1遺伝子を破壊した胚幹細胞クローンから、Keap1へテロ欠損非ヒト動物を作出する第一の工程と;
該第一の工程で得た非ヒト動物と、Nrf2ホモ欠損非ヒト動物とを交配させて、生存可能なKeap1ヘテロ欠損で且つNrf2ヘテロ欠損の遺伝子型を有する非ヒト動物を作出する第二の工程と;
を具備する方法。
A method for producing a viable non-human animal according to claim 2 comprising:
Creating a Keap1 heterodeficient non-human animal from an embryonic stem cell clone having a disrupted Keap1 gene;
A non-human animal obtained in the first step is crossed with a Nrf2 homo-deficient non-human animal to produce a non-human animal having a viable Keap1 hetero-deficient and Nrf2 hetero-deficient genotype Process and;
A method comprising:
請求項2に記載の生存可能な非ヒト動物を繁殖させる方法であって:
請求項2に記載の非ヒト動物同士を交配させて、親と同じ遺伝子型を有する生存可能な非ヒト動物の子を作出する工程を具備する方法。
A method for breeding a viable non-human animal according to claim 2 comprising:
A method comprising the step of mating the non-human animals according to claim 2 to produce a viable non-human animal offspring having the same genotype as the parent.
請求項1に記載の異物代謝系第二相を恒常的に活性化させた生存可能な非ヒト動物を作出する方法であって:
請求項2に記載の非ヒト動物同士を交配させて、Keap1ホモ欠損で且つNrf2ヘテロ欠損の遺伝子型を有する非ヒト動物を作出する工程を具備する方法。
A method for producing a viable non-human animal in which the second phase of the xenobiotic metabolism system according to claim 1 is constantly activated:
A method comprising the step of mating the non-human animals according to claim 2 to produce a non-human animal having a Kap1 homo-deficient and Nrf2 hetero-deficient genotype.
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