JP3644681B2 - Flame retardant polycarbonate resin composition excellent in light reflectivity and light reflector comprising the same - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、特定の表面処理を施した酸化チタン、ポリオルガノ水素シロキサン、シリコーン系難燃剤、有機金属塩および滴下防止剤が配合された光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、および該組成物より成形されてなる光反射板に関する。本発明に係わる樹脂組成物は、光反射性に優れ、さらには、成形時の熱安定性、機械的強度、難燃性、外観にも優れていることから、特に液晶バックライト等の反射板に好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】
ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃性、耐熱性などに優れた熱可塑性樹脂であり、電気、電子、機械、自動車などの分野に広く用いられている。一方、ポリカーボネート樹脂が有するこれらの優れた性能に加えて、電気、電子、OA分野では安全上の要求を満たすため、高い難燃性を具備した材料が求められている。そこで、ポリカーボネート樹脂の難燃性を向上するために有機臭素化合物やリン系化合物などの各種難燃剤を配合する方法が種々提案され採用されている。液晶バックライト等の光反射板の用途でも同様の状況であり、その具体例として、特開平6−207092号、特開平7−258554号、特開平9−111109号、特開平9−12853号、特開平10−1600号公報などが開示されている。
【0003】
しかしながら、有機臭素化合物などのハロゲン系化合物を配合した場合には、燃焼時に当該ハロゲンを含むガスが発生する懸念もあり、環境面でも塩素、臭素等を含有しない難燃剤の使用が望まれている。また、リン系化合物にしても環境影響に及ぼす懸念から、こういった難燃剤に代わる新規の難燃剤が求められているのが現状である。
【0004】
また、光反射性ポリカーボネート樹脂材料を得るために、酸化チタンを使用し、さらに有機臭素化合物やリン系化合物を難燃剤として使用した場合に衝撃強度などの機械的性質が低下する問題があり、その改良が求められていた。そこで、本発明者らは、ポリオルガノ水素シロキサンおよびエポキシ変性エラストマーを更に配合することによりこの問題が改良できることを見出し、特許出願を行った。(特開2000−302959号公報)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、エポキシ変性エラストマーを配合することにより、衝撃強度の低下は抑制されうるが、樹脂組成物の流れ性が低下する傾向にあり、これに起因して成形性が低下するといった問題があった。また、前述の環境面への配慮から有機臭素化合物やりん系化合物に代わる難燃剤を用いた配合系にて、優れた光反射性、難燃性、機械的性質、流れ性、成形性を具備し、かつ熱安定性、外観にも優れたポリカーボネート樹脂組成物が望まれていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、難燃剤として特定構造のシリコーン化合物を用いて、これと有機金属塩および繊維形成型の含フッ素ポリマーとを併用することにより、驚くべきことに、難燃性のみならずエラストマーを配合することなく衝撃強度や流れ性、成形性も飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、
(A)ポリカーボネート樹脂:100重量部、
(B)酸化チタン:5〜25重量部、
(C)ポリオルガノ水素シロキサン:0.01〜3重量部、
(D)主鎖が分岐構造でかつ含有する有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるシリコーン化合物:0.01〜1重量部、
(E)有機金属塩:0.01〜2重量部、および
(F)繊維形成型の含フッ素ポリマー:0.01〜2重量部
からなることを特徴とする光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、ならびにこれを成形してなる光反射板を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に説明する。
【0009】
本発明に使用されるポリカーボネート樹脂(A)とは、種々のジヒドロキシジアリール化合物とホスゲンとを反応させるホスゲン法、またはジヒドロキシジアリール化合物とジフェニルカーボネートなどの炭酸エステルとを反応させるエステル交換法によって得られる重合体であり、代表的なものとしては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)から製造されたポリカーボネート樹脂が挙げられる。
【0010】
上記ジヒドロキシジアリール化合物としては、ビスフェノールAの他に、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3、5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパンのようなビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンのようなビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルエーテルのようなジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホキシドのようなジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルジフェニルスルホンのようなジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。
【0011】
これらは、単独または2種類以上混合して使用されるが、ハロゲンで置換されていない方が燃焼時に懸念される当該ハロゲンを含むガスの環境への排出防止の面から好ましい。これらの他に、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル等を混合して使用してもよい。
【0012】
さらに、上記のジヒドロキシアリール化合物と以下に示すような3価以上のフェノール化合物を混合使用してもよい。3価以上のフェノールとしてはフロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプテン、2,4,6−ジメチル−2,4,6−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ヘプタン、1,3,5−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−ベンゾール、1,1,1−トリ−(4−ヒドロキシフェニル)−エタンおよび2,2−ビス−[4,4−(4,4′−ジヒドロキシジフェニル)−シクロヘキシル]−プロパンなどが挙げられる。
【0013】
ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量は通常10000〜100000、好ましくは15000〜35000である。かかる芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するに際し、分子量調節剤、触媒等を必要に応じて使用することができる。
【0014】
本発明で使用される酸化チタン(B)としては、塩素法、硫酸法どちらで製造されたものでもよく、その結晶形態としてはルチル型、アナターゼ型のどちらであっても構わない。また、酸化チタンの粒径としては0.1〜0.5μm程度のものが好適である。とりわけ、ポリエンのリン酸化物により表面処理されている酸化チタンが好適に用いられる。
【0015】
酸化チタンがリン酸化ポリエンにより処理される度合いとしては、酸化チタンに対し少なくとも0.02重量%のリンを含むことが望ましく、より好適には0.04〜0.1重量%のリンを含むよう処理された酸化チタンが好ましい。
【0016】
ポリエンとは、その分子構造内に複数の不飽和結合を有する高級脂肪酸であって、その炭素数は最低が10、好適には18程度、最大で28ものが使用される。より具体的なポリエンの例としては、リノレン酸やリノール酸が挙げられる。
【0017】
また、分子中に1個の不飽和結合しか有さない脂肪酸、例えばオレイン酸や飽和の脂肪酸、例えばステアリン酸等との混合物の形態であってもよく、さらには、脂肪酸の種々の誘導体のリン酸化物等が含まれていても構わない。これらの誘導体のより具体的な例としては、アルキル脂肪酸エステル類、脂肪酸アミド類等を挙げることができる。
【0018】
ポリエンのリン酸化方法としては種々の方法が挙げられるが、最も一般的な手段としては、フリーデルクラフツ触媒を使用する方法が挙げられ、その詳細手順に関しては下記の公知文献等において開示されている。
・E. Jungermann and J.J. McBridge,J.Org.Chem.26,4182(1961)
・E. Jungermann and J.J. McBridge,R. Clutter and
A.Masis,J.Org.Chem.27,606(1962) 等
【0019】
その他の有効なポリエンとしては、パラメンタンのジホスホン酸もしくはジホスホン酸エステル類が挙げられる。その構造としては、
一般式▲1▼
【化1】
【0020】
一般式▲2▼
【化2】
一般式▲1▼および▲2▼において、R1、R2、R3およびR4はそれぞれ水素原子またはC1〜C10のアルキル基をあらわす。
【0021】
酸化チタン(B)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり5〜25重量部である。配合量が5重量部未満では光反射性に劣り、また25重量部を超えると外観や機械強度(衝撃強度)が悪化するので好ましくない。より好適な配合量は 9〜16重量部の範囲である。
【0022】
本発明にて使用されるポリオルガノ水素シロキサン(C)としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシクロシロキサン等が挙げられ、とりわけ下記一般式▲3▼〜▲5▼の構成単位から選択された化合物が好ましい。
【0023】
一般式▲3▼
【化3】
(式中、Rは脂肪族不飽和を含まない一価の炭化水素基、
aは1.00〜2.10、
bは0.1〜1.0、
(a+b)は2.00〜2.67である。)
【0024】
一般式▲4▼
【化4】
【0025】
一般式▲5▼
【化5】
【0026】
これら以外のポリオルガノ水素シロキサンを使用すると、高温下での溶融混練時にポリカーボネート樹脂の分子量低下や黄色度の上昇がみられたり、成形加工時に多量のガスの発生や成形品へのシルバーストリーク等が発生することがある。
【0027】
前記酸化チタン(B)とポリオルガノ水素シロキサン(C)は、そのままの状態で直接ポリカーボネート樹脂(A)に配合することも可能である。また、ポリカーボネート樹脂(A)に配合する前に、酸化チタン(B)を一旦ポリオルガノ水素シロキサン(C)で表面処理し、これをポリカーボネート樹脂(A)に配合しても良い。
【0028】
前記の表面処理の方法としては、湿式、乾式いずれの方法を用いても良い。湿式法としては、ポリオルガノ水素シロキサン(C)と低沸点溶媒との混合溶液に酸化チタン(B)を添加し、これを攪拌後、脱溶媒処理を行う方法等が挙げられる。その後、さらに120〜200℃の温度で熱処理しても良い。乾式法としては、ポリオルガノ水素シロキサン(C)と酸化チタン(B)をスーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、V型タンブラー等の混合装置により混合攪拌処理する方法等が挙げられる。この際に、120〜200℃の温度条件で熱処理しても良い
【0029】
本発明にて使用されるシリコーン化合物(D)としては、下記一般式▲6▼に示されるような、主鎖が分岐構造でかつ有機官能基が芳香族基からなるか、または芳香族基と炭化水素基(芳香族基を除く)とからなるものである。
【0030】
一般式▲6▼
【化6】
【0031】
すなわち、分岐単位としてT単位(RSiO1. 5)および/またはQ単位(SiO2.0)を持つことを特徴とする。これらは全体のシロキサン単位(R3〜0SiO2〜0.5)の20モル%以上含有することが好ましい。(Rは有機官能基をあらわす。)また、シリコーン化合物(D)は、含有される有機官能基のうち芳香族基が20モル%以上であることが好ましい。
【0032】
この含有される芳香族基としては、フェニル、ビフェニル、ナフタレンまたはこれらの誘導体であるが、フェニル基が好適に使用できる。
【0033】
シリコーン化合物(D)中の有機官能基で、主鎖や分岐した側鎖に付いたもののうち芳香族基以外の有機基としては、炭素数4以下の炭化水素基が好ましく、メチル基が好適に使用できる。さらに、末端基はメチル基、フェニル基、水酸基の内から選ばれた1種またはこれらの2種から3種までの混合物であることが好ましい。
【0034】
シリコーン化合物(D)の平均分子量(重量平均)は、好ましくは3000〜50万であり、更に好ましくは5000〜27万の範囲である。
【0035】
シリコーン化合物(D)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.01〜1重量部である。配合量が当該範囲外においてはいずれの場合も難燃効果が不十分であるので好ましくない。更に好ましくは0.5〜0.9重量部の範囲である。
【0036】
本発明にて使用される(E)有機金属塩とは、芳香族スルホン酸の金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸の金属塩があげられ、好適には、4−メチル−N−(4−メチルフェニル)スルフォニル−ベンゼンスルフォンアミドのカリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3−3'−ジスルホン酸カリウム、パラトルエンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩等が使用できる。
【0037】
有機金属塩(E)の配合量は、ポリカーボネート樹脂(A)100重量部あたり0.01〜2重量部である。配合量が0.01重量部未満では、難燃性が低下するので好ましくない。また、2重量部を超えると、機械物性や難燃性が得られなかったり、表面外観が悪化するといった問題が発生する。より好適な配合量は、0.2〜1重量部の範囲である。
【0038】
本発明にて使用される滴下防止剤(F)としては、ポリカーボネート樹脂(A)中でフィブリル状構造を形成するものがよく、例えばポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン系共重合体(例えば、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、等)、米国特許第4379910号に示される様な部分フッ素化ポリマー、フッ素化ジフェノールから製造されるポリカーボネート等が挙げられる。とりわけ、分子量1000000以上で二次粒子径100μm以上のフィブリル形成能を有するポリテトラフルオロエチレンが好適に使用される。
【0039】
滴下防止剤(F)の配合量は、ポリカーボネート樹脂100重量部あたり0.01〜2重量部である。配合量が0.01重量部未満では滴下防止性に劣り、また2重量部を超えると表面外観や機械物性(衝撃強度)が悪化するので好ましくない。より好適には、0.2〜1重量部の範囲である。
【0040】
更に、本発明の効果を損なわない範囲で、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に各種の熱安定剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、充填材、離型剤、軟化材、帯電防止剤等の添加剤、他のポリマーを配合しても良い。
【0041】
充填材としては、例えばガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスフレーク、炭素繊維、タルク粉、クレイ粉、マイカ、チタン酸カリウムウィスカー、ワラストナイト粉、シリカ粉、アルミナ粉等が挙げられる。
【0042】
他のポリマーとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレンロニトリル・エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム(EPDM)・スチレン共重合体等のスチレン系ポリマー、ポリプロピレン、さらにポリカーボネートとアロイ化して通常使用されるポリマーが挙げられる。
【0043】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はそれら実施例に制限されるものではない。尚、「部」は断りのない限り重量基準に基づく。
【0044】
1.ポリカーボネート樹脂(住友ダウ社製 カリバー200−20分子量:18600)
2.酸化チタン:
▲1▼ポリエンリン酸化物(ポリエンにはリノレン酸を用い、これをリン酸化した。)により表面処理された酸化チタン。
(酸化チタン中のリン濃度は0.06%であった。)
▲2▼ポリエンリン酸化物(ポリエンにはリノレン酸を用い、これをリン酸化した。)により表面処理された酸化チタン。
(酸化チタン中のリン濃度は0.1%であった。)
▲1▼、▲2▼ともに無機表面処理剤はアルミナを使用した。
3.ポリオルガノ水素シロキサン:
信越化学工業社製KF99(粘度:20cSt、25℃)
4.シリコーン化合物
シリコーン化合物は、一般的な製造方法に従って製造した。すなわち、適量のジオルガノジクロロシラン、モノオルガノトリクロロシランおよびテトラクロロシラン、あるいはそれらの部分加水分解縮合物を有機溶剤中に溶解し、水を添加して加水分解して、部分的に縮合したシリコーン化合物を形成し、さらにトリオルガノクロロシランを添加して反応させることによって重合を終了させ、その後、溶媒を蒸留等で分離した。上記方法で合成したシリコーン化合物の構造特性は、以下のとおり:
・主鎖構造のD/T/Q単位の比率: 40/60/0(モル比)
・全有機官能基中のフェニル基の比率(*): 60モル%
・末端基: メチル基のみ
・重量平均分子量(**): 15,000
*:フェニル基は、T単位を含むシリコーン中ではT単位にまず含まれ、残った場合がD単位に含まれる。D単位にフェニル基が付く場合、1個付くものが優先し、さらにフェニル基が残余する場合に2個付く。末端基を除き、有機官能基は、フェニル基以外は全てメチル基である。
**:重量平均分子量は、有効数字2桁。
5.有機金属塩:
▲1▼パラトルエンスルホン酸ナトリウム
▲2▼パーフルオロブタンスルホン酸カリウム
6.ポリテトラフルオロエチレン:ダイキン工業社製ネオフロンFA500
7.臭素化ポリカーボネートオリゴマー:グレートレークス社製BC−52(臭素含有率:52%)
8.エポキシ変性エラストマー:呉羽化学工業社製パラロイドEXL2314
【0045】
配合方法としては、前述の各種原料を表1〜2に示す配合比率にて一括してタンブラーに投入し、10分間乾式混合した後、二軸押出機(神戸製鋼製KTX37)を用いて、溶融温度280℃にて溶融混練し、難燃性ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
【0046】
得られたペレットから、日本製鋼社製J100E−C5射出成形を用いて溶融温度:300℃の条件下、ASTM仕様の機械物性評価用試験片とUL94燃焼性評価用の試験片(1.0mm厚み)を作成した。
【0047】
評価方法はそれぞれ下記のとおりである。
1.衝撃強度:23℃における1/8インチ厚みのノッチ付アイゾット衝撃強度ASTM D256に準拠して測定した。数値が500J/M以上を合格とした。
2.燃焼性:下記のUL94V垂直燃焼試験法に準拠して燃焼性を評価した。該試験片を温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間放置し、アンダーライターズ・ラボラトリーズが定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼性試験)に準拠した難燃性の評価を行った。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、以下のクラスに分けられる。
上に示す残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の試験片が有炎燃焼を続ける時間の長さであり、ドリップによる綿の着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。評価の基準は、1.0mm厚さの試験においてV−0を合格とした。
3.光反射性
長さ90mm、幅40mmの3段プレート(厚み3、2、1mm)状試験片を作成し、厚み1mmの部分につき波長400〜800nmにおけるY値を分光光度計(村上色彩技術研究所製CMS−35SP)により測定した。Y値が94%以上となるものを合格とした。
4.流れ性
ASTM D1238に準拠し、溶融温度300℃でのメルトフロレートを測定した。数値が20g/10分以上を合格とした。
5.表面外観
長さ90mm、幅40mmの3段プレート(厚み3、2、1mm)状試験片を作成し、その表面外観の状態(シルバーストリークの状態)を目視にて観察した。
シルバーストリークの発生がみられない:○
シルバーストリークが発生:×
【0048】
【表1】
表−1 配合比率と評価結果
【0049】
【表2】
表−2 配合比率と評価結果
【0050】
実施例1〜5に示すように、本発明の必須成分および各配合成分の配合量の規定値範囲を満足するものについては、難燃性、光反射性、アイゾット衝撃強度等全ての性能の規格を満たしていた。一方、比較例1〜5に示すように、本発明の必須成分および各配合成分の配合量の規定値範囲を満足しないものについては、それぞれ欠点を有していた。
●酸化チタン:
比較例1においては、酸化チタンの配合量が規定範囲の下限より少ないため、光反射性が極めて低い値を示した。また、比較例2では、酸化チタンの配合量が規定範囲を越えるため、難燃性、アイゾッド衝撃強度、表面外観等が規格を満足しなかった。
●シリコーン化合物:
比較例3のように本発明のシリコーン化合物が規定範囲の下限を下回る場合には、燃焼時にドリップが発生し難燃性が規格を満足せず、アイゾット衝撃強度等の面においても規格を満足していなかった。
比較例4のように、シリコーン化合物の配合量が規定範囲の上限を上回る場合には、やはり比較例3と同様に燃焼時にドリップが発生し、難燃性の規格を満足しなかった。
比較例5は、難燃剤として臭素系難燃剤を、さらに耐衝撃強化剤としてエポキシ変性エラストマーを配合した場合であるが、エポキシ変性エラストマーの影響により、流れ性が大きく低下し規格を満足しなかった。
【0051】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明の光反射性に優れた難燃性ポリカーボネート樹脂組成物は、塩素、臭素化合物等からなるハロゲン系難燃剤やリン系難燃剤を含まないことから、環境保護の面において優れた性能を持ち、さらに高度な難燃性と光反射性を具備するのみならず優れた耐衝撃性、流れ性(成形性)を有しており、とりわけ液晶バックライト用途等の反射板の素材として好適に用いることができる。[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a flame retardant polycarbonate resin composition excellent in light reflectivity blended with a specific surface-treated titanium oxide, polyorganohydrogensiloxane, silicone flame retardant, organometallic salt and anti-dripping agent, and The present invention relates to a light reflecting plate formed from a composition. The resin composition according to the present invention is excellent in light reflectivity, and further excellent in heat stability during molding, mechanical strength, flame retardancy, and appearance. Can be suitably used.
[0002]
[Prior art]
Polycarbonate resin is a thermoplastic resin excellent in impact resistance, heat resistance, and the like, and is widely used in fields such as electricity, electronics, machinery, and automobiles. On the other hand, in addition to these excellent performances possessed by the polycarbonate resin, in order to satisfy safety requirements in the electrical, electronic and OA fields, a material having high flame retardancy is required. Therefore, various methods for blending various flame retardants such as organic bromine compounds and phosphorus compounds have been proposed and adopted in order to improve the flame retardancy of polycarbonate resins. The same situation applies to the use of a light reflector such as a liquid crystal backlight. Specific examples thereof include JP-A-6-207092, JP-A-7-258554, JP-A-9-111109, JP-A-9-12853, Japanese Patent Laid-Open No. 10-1600 is disclosed.
[0003]
However, when a halogen-based compound such as an organic bromine compound is blended, there is a concern that a gas containing the halogen is generated at the time of combustion, and it is desired to use a flame retardant that does not contain chlorine, bromine or the like from an environmental viewpoint. . Moreover, the present condition is that the new flame retardant which replaces such a flame retardant is calculated | required from the concern which influences an environmental influence even if it is a phosphorus compound.
[0004]
In addition, when titanium oxide is used to obtain a light-reflective polycarbonate resin material, and when an organic bromine compound or phosphorus compound is used as a flame retardant, mechanical properties such as impact strength are deteriorated. Improvements were sought. Accordingly, the present inventors have found that this problem can be improved by further blending polyorganohydrogensiloxane and an epoxy-modified elastomer, and filed a patent application. (Japanese Unexamined Patent Publication No. 2000-302959)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, by blending an epoxy-modified elastomer, a decrease in impact strength can be suppressed, but there is a tendency that the flowability of the resin composition tends to decrease, resulting in a decrease in moldability. In addition, it has excellent light reflectivity, flame retardancy, mechanical properties, flowability, and moldability in the compounding system using flame retardants instead of organic bromine compounds and phosphorus compounds in consideration of the above-mentioned environmental aspects. However, a polycarbonate resin composition having excellent thermal stability and appearance has been desired.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors have used a silicone compound having a specific structure as a flame retardant, and by using this together with an organometallic salt and a fiber-forming fluorine-containing polymer. Surprisingly, it has been found that not only flame retardancy but also impact strength, flowability, and moldability are dramatically improved without blending an elastomer, and the present invention has been completed.
[0007]
That is, the present invention
(A) Polycarbonate resin: 100 parts by weight
(B) Titanium oxide: 5 to 25 parts by weight,
(C) Polyorganohydrogensiloxane: 0.01 to 3 parts by weight,
(D) Silicone compound in which the main chain has a branched structure and the organic functional group contained is composed of an aromatic group, or is composed of an aromatic group and a hydrocarbon group (excluding an aromatic group): 0.01 to 1 weight Part,
(E) Organometallic salt: 0.01 to 2 parts by weight, and (F) Fiber-forming fluorine-containing polymer: 0.01 to 2 parts by weight A polycarbonate resin composition and a light reflecting plate formed by molding the polycarbonate resin composition are provided.
[0008]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is described in detail below.
[0009]
The polycarbonate resin (A) used in the present invention is a phosgene method in which various dihydroxydiaryl compounds and phosgene are reacted or a transesterification method obtained by reacting a dihydroxydiaryl compound and a carbonate such as diphenyl carbonate. A typical example is a polycarbonate resin produced from 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) propane (bisphenol A).
[0010]
Examples of the dihydroxydiaryl compound include bisphenol 4-, bis (4-hydroxyphenyl) methane, 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) ethane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl) butane, 2, 2-bis (4-hydroxyphenyl) octane, bis (4-hydroxyphenyl) phenylmethane, 2,2-bis (4-hydroxyphenyl-3-methylphenyl) propane, 1,1-bis (4-hydroxy-3) -Tert-butylphenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxy-3-bromophenyl) propane, 2,2-bis (4-hydroxy-3,5-dibromophenyl) propane, 2,2-bis ( Bis (hydroxyaryl) alkanes such as 4-hydroxy-3,5-dichlorophenyl) propane, 1,1- (4-hydroxyphenyl) cyclopentane, bis (hydroxyaryl) cycloalkanes such as 1,1-bis (4-hydroxyphenyl) cyclohexane, 4,4'-dihydroxydiphenyl ether, 4,4'-dihydroxy-3 Dihydroxy diaryl ethers such as 3,3'-dimethyldiphenyl ether, dihydroxy diaryl sulfides such as 4,4'-dihydroxydiphenyl sulfide, 4,4'-dihydroxydiphenyl sulfoxide, 4,4'-dihydroxy-3,3 ' Dihydroxy diaryl sulfoxides such as dimethyldiphenyl sulfoxide, dihydroxy diary such as 4,4'-dihydroxydiphenyl sulfone, 4,4'-dihydroxy-3,3'-dimethyldiphenyl sulfone Sulfone, and the like.
[0011]
These are used singly or as a mixture of two or more. However, it is preferable not to be substituted with a halogen from the viewpoint of preventing discharge of a gas containing halogen, which is a concern during combustion, into the environment. In addition to these, piperazine, dipiperidyl hydroquinone, resorcin, 4,4'-dihydroxydiphenyl, and the like may be mixed and used.
[0012]
Furthermore, the above dihydroxyaryl compound and a trivalent or higher valent phenol compound as shown below may be used in combination. Trihydric or higher phenols include phloroglucin, 4,6-dimethyl-2,4,6-tri- (4-hydroxyphenyl) -heptene, 2,4,6-dimethyl-2,4,6-tri- (4 -Hydroxyphenyl) -heptane, 1,3,5-tri- (4-hydroxyphenyl) -benzol, 1,1,1-tri- (4-hydroxyphenyl) -ethane and 2,2-bis- [4 4- (4,4'-dihydroxydiphenyl) -cyclohexyl] -propane and the like.
[0013]
The viscosity average molecular weight of the polycarbonate resin (A) is usually 10,000 to 100,000, preferably 15,000 to 35,000. In producing such an aromatic polycarbonate resin, a molecular weight regulator, a catalyst, and the like can be used as necessary.
[0014]
The titanium oxide (B) used in the present invention may be produced by either the chlorine method or the sulfuric acid method, and the crystal form may be either a rutile type or an anatase type. Further, the particle size of titanium oxide is preferably about 0.1 to 0.5 μm. In particular, titanium oxide surface-treated with polyene phosphorous oxide is preferably used.
[0015]
The degree of treatment of the titanium oxide with the phosphorylated polyene is preferably at least 0.02% by weight of phosphorus with respect to the titanium oxide, and more preferably 0.04 to 0.1% by weight of phosphorus. Treated titanium oxide is preferred.
[0016]
Polyene is a higher fatty acid having a plurality of unsaturated bonds in its molecular structure, and has a minimum of 10 carbon atoms, preferably about 18, and a maximum of 28. More specific examples of polyenes include linolenic acid and linoleic acid.
[0017]
Further, it may be in the form of a mixture with a fatty acid having only one unsaturated bond in the molecule, such as oleic acid or a saturated fatty acid, such as stearic acid, and further, phosphorous of various derivatives of fatty acids. An oxide or the like may be included. More specific examples of these derivatives include alkyl fatty acid esters and fatty acid amides.
[0018]
There are various methods for phosphorylation of polyene, but the most common means is a method using a Friedel-Crafts catalyst, and the detailed procedure is disclosed in the following publicly known documents and the like. .
・ E. Jungermann and JJ McBridge, J. Org. Chem. 26, 4182 (1961)
・ E. Jungermann and JJ McBridge, R. Clutter and
A. Masis, J. et al. Org. Chem. 27,606 (1962) etc.
Other effective polyenes include diphosphonic acid or diphosphonic acid esters of paramentane. As its structure,
General formula (1)
[Chemical 1]
[0020]
General formula (2)
[Chemical formula 2]
In the general formulas (1) and (2), R1, R2, R3, and R4 each represent a hydrogen atom or a C1-C10 alkyl group.
[0021]
The compounding quantity of a titanium oxide (B) is 5-25 weight part per 100 weight part of polycarbonate resin (A). If the blending amount is less than 5 parts by weight, the light reflectivity is inferior, and if it exceeds 25 parts by weight, the appearance and mechanical strength (impact strength) are deteriorated. A more preferable blending amount is in the range of 9 to 16 parts by weight.
[0022]
Examples of the polyorganohydrogensiloxane (C) used in the present invention include methyl hydrogen polysiloxane, methyl hydrogen polycyclosiloxane and the like, and particularly selected from the structural units represented by the following general formulas (3) to (5). The compounds are preferred.
[0023]
General formula (3)
[Chemical 3]
Wherein R is a monovalent hydrocarbon group free from aliphatic unsaturation,
a is 1.00-2.10,
b is 0.1 to 1.0,
(A + b) is 2.00 to 2.67. )
[0024]
General formula (4)
[Formula 4]
[0025]
General formula (5)
[Chemical formula 5]
[0026]
When other polyorganohydrogensiloxanes are used, the molecular weight and yellowness of the polycarbonate resin are reduced during melt kneading at high temperatures, and a large amount of gas is generated during molding and silver streaks are generated in the molded product. There are things to do.
[0027]
The titanium oxide (B) and the polyorganohydrogensiloxane (C) can be directly blended into the polycarbonate resin (A) as it is. Further, before blending with the polycarbonate resin (A), the titanium oxide (B) may be once surface-treated with the polyorganohydrogensiloxane (C) and blended with the polycarbonate resin (A).
[0028]
As the surface treatment method, either a wet method or a dry method may be used. Examples of the wet method include a method in which titanium oxide (B) is added to a mixed solution of polyorganohydrogensiloxane (C) and a low-boiling solvent, and this is stirred and then subjected to a solvent removal treatment. Then, you may heat-process further at the temperature of 120-200 degreeC. Examples of the dry method include a method of mixing and stirring polyorganohydrogensiloxane (C) and titanium oxide (B) with a mixing apparatus such as a super mixer, a Henschel mixer, and a V-type tumbler. At this time, heat treatment may be performed at a temperature of 120 to 200 ° C.
As the silicone compound (D) used in the present invention, as shown in the following general formula (6), the main chain has a branched structure and the organic functional group is an aromatic group, or It consists of hydrocarbon groups (excluding aromatic groups).
[0030]
General formula (6)
[Chemical 6]
[0031]
That, characterized by having T units as branching units (RSiO 1. 5) and / or Q units (SiO 2.0). These preferably contains more than 20 mol% of the total siloxane units (R 3~0 SiO 2~0.5). (R represents an organic functional group.) Further, the silicone compound (D) preferably contains 20 mol% or more of aromatic groups among the organic functional groups contained therein.
[0032]
The aromatic group contained is phenyl, biphenyl, naphthalene or a derivative thereof, but a phenyl group can be preferably used.
[0033]
Of the organic functional groups in the silicone compound (D) attached to the main chain or branched side chain, the organic group other than the aromatic group is preferably a hydrocarbon group having 4 or less carbon atoms, and preferably a methyl group. Can be used. Further, the terminal group is preferably one kind selected from methyl group, phenyl group and hydroxyl group, or a mixture of these two kinds to three kinds.
[0034]
The average molecular weight (weight average) of the silicone compound (D) is preferably 3,000 to 500,000, more preferably 5,000 to 270,000.
[0035]
The compounding quantity of a silicone compound (D) is 0.01-1 weight part per 100 weight part of polycarbonate resin (A). If the blending amount is outside the range, the flame retardant effect is insufficient in any case, which is not preferable. More preferably, it is the range of 0.5-0.9 weight part.
[0036]
Examples of the (E) organometallic salt used in the present invention include aromatic sulfonic acid metal salts and perfluoroalkanesulfonic acid metal salts, and 4-methyl-N- (4-methyl) is preferred. Phenyl) sulfonyl-benzenesulfonamide potassium salt, potassium diphenylsulfone-3-sulfonate, potassium diphenylsulfone-3-3′-disulfonate, sodium paratoluenesulfonate, potassium perfluorobutanesulfonate, and the like can be used.
[0037]
The compounding amount of the organic metal salt (E) is 0.01 to 2 parts by weight per 100 parts by weight of the polycarbonate resin (A). If the blending amount is less than 0.01 parts by weight, the flame retardancy is lowered, which is not preferable. On the other hand, when the amount exceeds 2 parts by weight, problems such as failure to obtain mechanical properties and flame retardancy and deterioration of the surface appearance occur. A more preferable blending amount is in the range of 0.2 to 1 part by weight.
[0038]
The anti-dripping agent (F) used in the present invention is preferably one that forms a fibril structure in the polycarbonate resin (A). For example, polytetrafluoroethylene, a tetrafluoroethylene copolymer (for example, tetra Fluoroethylene / hexafluoropropylene copolymer, etc.), partially fluorinated polymers as shown in US Pat. No. 4,379,910, polycarbonates produced from fluorinated diphenols, and the like. In particular, polytetrafluoroethylene having a molecular weight of 1,000,000 or more and a fibril-forming ability having a secondary particle diameter of 100 μm or more is preferably used.
[0039]
The amount of the anti-dripping agent (F) is 0.01 to 2 parts by weight per 100 parts by weight of the polycarbonate resin. If the blending amount is less than 0.01 parts by weight, the anti-dripping property is inferior, and if it exceeds 2 parts by weight, the surface appearance and mechanical properties (impact strength) deteriorate, which is not preferable. More preferably, it is in the range of 0.2 to 1 part by weight.
[0040]
Furthermore, various heat stabilizers, antioxidants, fluorescent brighteners, fillers, mold release agents, softeners, antistatic agents are added to the aromatic polycarbonate resin composition of the present invention within a range not impairing the effects of the present invention. Etc., and other polymers may be blended.
[0041]
Examples of the filler include glass fiber, glass bead, glass flake, carbon fiber, talc powder, clay powder, mica, potassium titanate whisker, wollastonite powder, silica powder, and alumina powder.
[0042]
Examples of other polymers include polyesters such as polyethylene terephthalate and polybutylene terephthalate; styrene polymers such as polystyrene and high impact polystyreneronitrile / ethylene-propylene / diene rubber (EPDM) / styrene copolymer, polypropylene, and polycarbonate. And polymers usually used after alloying.
[0043]
【Example】
EXAMPLES The present invention will be specifically described below with reference to examples, but the present invention is not limited to these examples. “Parts” are based on weight unless otherwise specified.
[0044]
1. Polycarbonate resin (manufactured by Sumitomo Dow Caliber 200-20 molecular weight: 18600)
2. Titanium oxide:
{Circle around (1)} Titanium oxide surface-treated with polyene phosphorous oxide (polyene was phosphorylated using linolenic acid).
(The phosphorus concentration in the titanium oxide was 0.06%.)
{Circle around (2)} Titanium oxide surface-treated with polyene phosphorus oxide (linolenic acid was used for polyene and phosphorylated).
(The phosphorus concentration in the titanium oxide was 0.1%.)
Alumina was used as the inorganic surface treating agent for both (1) and (2).
3. Polyorganohydrogensiloxane:
KF99 manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. (viscosity: 20 cSt, 25 ° C.)
4). Silicone Compound The silicone compound was produced according to a general production method. That is, an appropriate amount of diorganodichlorosilane, monoorganotrichlorosilane and tetrachlorosilane, or a partially hydrolyzed condensate thereof, dissolved in an organic solvent, hydrolyzed by adding water, and partially condensed silicone compound Then, triorganochlorosilane was added and reacted to terminate the polymerization, and then the solvent was separated by distillation or the like. The structural characteristics of the silicone compound synthesized by the above method are as follows:
・ D / T / Q unit ratio of main chain structure: 40/60/0 (molar ratio)
-Ratio of phenyl group in all organic functional groups (*): 60 mol%
-End group: Methyl group only-Weight average molecular weight (**): 15,000
*: The phenyl group is first contained in the T unit in the silicone containing the T unit, and the remaining D group is contained in the D unit. When the phenyl group is attached to the D unit, the one attached is preferential, and when the phenyl group remains, two are attached. Except for the terminal group, the organic functional group is a methyl group except for the phenyl group.
**: The weight average molecular weight is two significant digits.
5. Organometallic salt:
(1) Sodium paratoluenesulfonate (2) Potassium perfluorobutanesulfonate Polytetrafluoroethylene: NEOFRON FA500 manufactured by Daikin Industries, Ltd.
7). Brominated polycarbonate oligomer: BC-52 manufactured by Great Lakes (bromine content: 52%)
8). Epoxy-modified elastomer: Paraloid EXL2314 manufactured by Kureha Chemical Industry Co., Ltd.
[0045]
As a blending method, the above-mentioned various raw materials are collectively put into a tumbler at the blending ratios shown in Tables 1-2, and after dry mixing for 10 minutes, they are melted using a twin screw extruder (Kobe Steel KTX37). Melt kneading was performed at a temperature of 280 ° C. to obtain pellets of a flame retardant polycarbonate resin composition.
[0046]
From the obtained pellets, a test piece for mechanical property evaluation of ASTM specifications and a test piece for UL94 flammability evaluation (1.0 mm thickness) under the condition of melting temperature: 300 ° C. using J100E-C5 injection molding manufactured by Nippon Steel Co., Ltd. )created.
[0047]
The evaluation methods are as follows.
1. Impact strength: 1/8 inch thick notched Izod impact strength at 23 ° C. Measured according to ASTM D256. A numerical value of 500 J / M or more was considered acceptable.
2. Flammability: Flammability was evaluated according to the following UL94V vertical combustion test method. The test piece is allowed to stand for 48 hours in a thermostatic chamber at a temperature of 23 ° C. and a humidity of 50%, and is flame retardant in accordance with UL94 test (flammability test of plastic materials for equipment parts) established by Underwriters Laboratories. Sexuality was evaluated. UL94V is a method of evaluating flame retardance from the afterflame time and drip properties after indirect flames of a burner for 10 seconds on a test piece of a predetermined size held vertically, and is divided into the following classes: .
The after-flame time shown above is the length of time that the specimen keeps flaming combustion after moving the ignition source away, and the ignition of cotton by drip is about 300 mm below the lower end of the specimen. It is determined by whether the marking cotton is ignited by a drip from the specimen. As a criterion for evaluation, V-0 was set to pass in the 1.0 mm thickness test.
3. A three-stage plate (thickness 3, 2, 1 mm) test piece having a light reflective length of 90 mm and a width of 40 mm was prepared, and a Y value at a wavelength of 400 to 800 nm was measured for a 1 mm thick portion with a spectrophotometer (Murakami Color Research Laboratory). CMS-35SP). A sample having a Y value of 94% or more was regarded as acceptable.
4). The melt flow rate at a melting temperature of 300 ° C. was measured in accordance with flowability ASTM D1238. A numerical value of 20 g / 10 min or more was considered acceptable.
5. A three-stage plate (thickness 3, 2, 1 mm) test piece having a surface appearance length of 90 mm and a width of 40 mm was prepared, and the surface appearance state (silver streak state) was visually observed.
No occurrence of silver streak: ○
Silver streak occurs: ×
[0048]
[Table 1]
Table-1 Mixing ratio and evaluation results
[0049]
[Table 2]
Table-2 Mixing ratio and evaluation results
[0050]
As shown in Examples 1-5, the standards for all performances such as flame retardancy, light reflectivity, Izod impact strength, etc. are satisfied for the essential components of the present invention and those satisfying the specified value ranges of the blending amounts of the blending components. Was met. On the other hand, as shown in Comparative Examples 1 to 5, each of the essential components of the present invention and those not satisfying the specified range of the blending amount of each blending component had drawbacks.
● Titanium oxide:
In Comparative Example 1, since the blending amount of titanium oxide was less than the lower limit of the specified range, the light reflectivity showed a very low value. In Comparative Example 2, the amount of titanium oxide exceeded the specified range, so the flame retardancy, Izod impact strength, surface appearance, etc. did not satisfy the standards.
● Silicone compounds:
When the silicone compound of the present invention falls below the lower limit of the specified range as in Comparative Example 3, drip occurs during combustion and the flame retardancy does not satisfy the standard, and also satisfies the standard in terms of Izod impact strength and the like. It wasn't.
As in Comparative Example 4, when the compounding amount of the silicone compound exceeded the upper limit of the specified range, drip was generated during combustion as in Comparative Example 3, and the flame retardancy standard was not satisfied.
Comparative Example 5 is a case where a brominated flame retardant was blended as a flame retardant, and an epoxy-modified elastomer was further blended as an impact resistance enhancer. However, due to the influence of the epoxy-modified elastomer, the flowability was greatly reduced and the standard was not satisfied. .
[0051]
【The invention's effect】
As described above, the flame-retardant polycarbonate resin composition having excellent light reflectivity according to the present invention does not contain a halogen-based flame retardant or a phosphorus-based flame retardant composed of chlorine, bromine compounds, etc. In addition to having excellent flame retardancy and light reflectivity, it also has excellent impact resistance and flowability (formability), especially for LCD backlight applications It can be suitably used as a material for the above.
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