JP3644092B2 - Starter - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、オーバーランニングクラッチを有する遊星歯車減速機構付スタータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の実開昭52−19528号公報に示す遊星歯車減速機構付スタータにおいては、遊星歯車減速機構のインターナルギヤの外周面と、この遊星歯車減速機構を収容する固定側をなすケーシングの内周面との間にオーバーランニングクラッチを配設することを開示している。
【0003】
上述の従来のものでは、遊星歯車減速機構の外周にオーバーランニングクラッチが配設されているので、オーバーランニングクラッチの占有する軸方向のスペースが不要となり、デッドスペースが小さく、重量増加による製造コストのアップが小さくてすむという利点がある。また、高負荷のオーバーランニングクラッチとして直径が大きな動力伝達部を必要とする場合にも、遊星歯車減速機構の外周を利用できる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のものでは以下のような問題点がある。
このクラッチのクラッチアウタ(ローラカム)はフロントブラケットに嵌着されており、スタータがエンジンによりオーバーランされたとき、その回転をスタータモータに伝達しないようにするために、エンジンにより回されるピニオンギヤとスタータモータの回転差を吸収すべくリングギヤ(クラッチインナ)が回転する。このとき、このクラッチインナである遊星歯車減速装置のリングギヤ外周にローラを常に接するように構成しているので、周速が大きいクラッチインナ円周上をローラが転動することになり、ローラが摩耗しやすいという問題がある。
【0005】
また、オーバーランニングクラッチ部分が遊星歯車減速装置の外周に配設されているので、必然的にクラッチインナの径は大きくなってしまうが、このことは以下のような問題をも生じさせる。例えばクラッチインナの肉厚を、上述のスタータ出力軸上に配設されたローラ式オーバーランニングクラッチのクラッチインナの肉厚と同じにした場合と比較すると、本公報によるクラッチではクラッチインナ外径に対する肉厚の比が小さくなり、クラッチインナの円環としての強度が低下して、クラッチインナのローラ接触部にかかる内径方向の力に対し、クラッチインナの変形量が大きくなって、トルク伝達のために必要な接触面の抗力が得られなくなり、高トルクの伝達ができなくなるという問題がある。また、これを解決するためにクラッチインナの肉厚を確保すると、内歯歯車の内径は内包する遊星歯車等の寸法や減速比による歯数で決められているので、おのずと外径を大きくするしかなく、遊星歯車減速装置部分だけが他の部分より径大となってしまうという問題もある。
【0006】
さらに、このオーバーランニングクラッチは、クラッチアウタである固定側のブラケットの内周に設けられた、周方向に傾斜したカム状の溝と、クラッチインナである遊星歯車減速機構の内歯歯車外周とで形成された楔状空間の狭小方向にローラが食い込んで回転力を伝達する機構であるので、スタータがオーバーランされる時には、クラッチインナをなす内歯歯車は高速回転させられ、その素材が金属であり重量物であることから、回転時の慣性エネルギーが大きく、オーバーラン状態から急激にエンジン駆動状態に移行したときに、他のクラッチ部品に与える衝撃が増加したり、回転時のアンバランスを発生したりして、装置の破損や駆動時の異音が生じるという問題があった。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、第1の目的は、ローラの磨耗を、大幅に低減できるスタータ用オーバーランニングクラッチを提供することにある。
さらに、第2の目的は、トルク伝達が確実に行われる、信頼性の高いスタータ用オーバーランニングクラッチを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のオーバーランニングクラッチを有するスタータは、次の技術的手段を採用した。請求項1のスタータは、遊星歯車減速装置の内歯歯車に設けられた第1の円筒部をクラッチアウタとなし、固定側をなす第2の円筒部をクラッチインナとするとともに、クラッチアウタの内周にクラッチインナの外周面との間でローラを係止するローラ係合面を有するローラ溝を形成するとともに、該ローラ溝にローラを収納したときに、ローラがクラッチインナの外周面に接しないようにローラ収納部が連設されているので、スタータがエンジンを駆動しているときには、固定側であるクラッチインナに対してクラッチアウタは拘束されて、スタータモータの動力はドライブシャフトに伝達され、スタータがエンジンによりオーバーランされた時、スタータモータとピニオンギヤとの回転差を吸収するようにクラッチアウタである内歯歯車がクラッチインナに対し空転するため、ローラはその遠心力を受けてクラッチインナ外周面から離脱し、ローラやクラッチインナ外周面の異常磨耗が防止される。また、前記ドライブシャフトの一端に形成され、前記遊星歯車を回転自在に支持する径大部の外周側に少なくとも一部が重なって配置された第2の円筒部を有することで、第2の円筒部およびローラを径大部の外周のわずかな空間を利用して、配置することができる。それによって、スタータ全体の軸方向長を少なくすることかできる。
【0009】
請求項2のスタータは、第2の円筒部にも、ローラの一部を収容する溝部を設け、そこにローラを介在させて、ローラ収納部及び溝部のローラ接触面でトルク伝達方向前後から挟み込むようにしているので、それぞれの接触面とローラとの接触部に、楔効果を利用したローラ式オーバーランニングクラッチのような大きな応力がかからず、トルク容量の大きなオーバーランニングクラッチが供給できる。
【0010】
請求項3のスタータは、溝部の数を、収納部の数より多くしているので、スタータを始動させる時、ローラがローラ溝部に係合していない状態から起動したり、スタータがオーバーランされた状態から急にエンジンが停止して再度エンジン駆動状態に移行する場合など、ローラをローラ溝部に再係合する時に、第1および第2の円筒部の空転距離が少なくなり、滑らかで確実にローラとクラッチインナが係合でき、係合時に発生する衝撃を低く抑えることができる。
【0011】
請求項4のスタータは、ローラ係合面をローラの半径と略同一の曲率半径を有する曲面としているので、トルクの伝達面が広くなり、さらにトルク容量の大きなクラッチを供給できる。この結果スタータをますます小型化することができる。なお、ここで述べる略同一の曲率半径とはローラの中心と同じ側に中心を持ち半径がローラの半径と同じかそれ以上であることを意味している。
【0012】
請求項5のスタータは、クラッチアウタの内周に収納溝を採用しているため、大きな応力を生じることなく、クラッチアウタやクラッチインナに特に高強度材料を使用しなくても確実なトルク伝達ができるので、加工方法が簡単な樹脂や非鉄金属材料が採用できる。そのため、例えば鉄鋼材料より材料費、加工費が安価で軽量な材料を使用することも可能で、低コストで、軽量なオーバーランニングクラッチを提供できる。また、内歯歯車と同時に、樹脂によって一体に形成することができる。
【0013】
請求項6のスタータでは、前記第2の円筒部は、前記ドライブシャフトを回転自在に保持する中間ブラケットに一体で設けていることで、部品点数を少なくすることができる。
【0014】
【実施例】
次に、本発明装置スタータを、図1ないし図11に示す一実施例に基づき説明する。
スタータは、エンジンに配設されたリングギヤ100に噛み合うピニオン200や遊星歯車減速機構300を内包するハウジング400と、モータ500と、マグネットスイッチ600を内包するエンドフレーム700とに大別される。また、スタータの内部では、ハウジング400とモータ500との間がモータ隔壁800によって区画され、モータ500とエンドフレーム700との間がブラシ保持部材900によって区画されている。
【0015】
(ピニオン200の説明)
図1または図2に示すように、ピニオン200には、エンジンのリングギヤ100に噛合するピニオンギヤ210が形成されている。
ピニオンギヤ210の内周面には、出力軸220に形成されたヘリカルスプライン221に嵌まり合うピニオンヘリカルスプライン211が形成されている。
【0016】
ピニオンギヤ210の反リングギヤ側には、ピニオンギヤ210の外径寸法よりも大径なフランジ213が環状に形成されている。このフランジ213の外周には、全周に亘ってピニオンギヤ210の外歯枚数よりも多い凹凸214が形成されている。この凹凸214は、後述するピニオン回転規制部材230の規制爪231が嵌まり合うためのものである。ワッシャ215は、ピニオンギヤ210の後端に形成した円環部216を外周側へ曲げ込むことにより、フランジ213の後面において回転自在で、且つ軸方向へ抜けない構造としている。
【0017】
一方、ピニオンギヤ210は、圧縮コイルバネよりなるリターンスプリング240により、常に出力軸220の後方へ付勢されている。リターンスプリング240は、直接ピニオンギヤ210を付勢するのではなく、本実施例では、ハウジング400の開口部410を開閉する後述するシャッタ420のリング体421を介してピニオンギヤ210を付勢する。
【0018】
(ピニオン回転規制部材230の説明)
回転規制部232の一端には、ピニオンギヤ210のフランジ213に形成された多数の凹凸214に嵌まり合う軸方向にのびる規制部をなす規制爪231が設けられている。この規制爪231は、ピニオンギヤ210の凹凸214に嵌合するとともに、規制爪231の剛性を向上するために、軸方向に長く形成されるとともに、径方向内側に折り曲げられ、断面L字状に形成されている。(棒状となっている)
ピニオン回転規制部材230の作動を説明する。紐状部材680は、マグネットスイッチ600の作動を規制爪231に伝達する伝達手段で、マグネットスイッチ600の作動によって、回転規制部232を下方へ引き、規制爪231と、ピニオンギヤ210のフランジ213の凹凸214とを係合させる。その際、復帰バネ部233の一端部236が、位置の規制のための規制棚362に当接されており、復帰バネ部233がたわむこととなる。規制爪231がピニオンギヤ210の凹凸214に係合しているので、モータ500のアーマチャシャフト510及び遊星歯車減速機構300を介して、ピニオンギヤ210を回転させようとすると、ピニオンギヤ210が出力軸220のヘリカルスプライン221に沿って、前進する。ピニオンギヤ210が、リングギヤ100に当接し、ピニオンギヤ210の前進が防止されると、出力軸210の更なる回動力により、ピニオン回転規制部材230自身がたわんで、ピニオンギヤ210がわずかに回動し、リングギヤ100に噛み合う。そして、ピニオンギヤ210が前進すると、規制爪231が凹凸214から外れ、規制爪231がピニオンギヤ210のフランジ213の後方に落ち込み、規制爪231の前端がワッシャ215の後面に当たり、ピニオンギヤ210がエンジンのリングギヤ100の回転を受けて後退するのを防ぐ。
【0019】
(ピニオン係止リング250の説明)
ピニオン係止リング250は、出力軸220の周囲に形成された断面矩形の環状溝内に固定されている。このピニオン係止リング250は、断面矩形の鋼材を丸め加工して形成したもので、両端のそれぞれには、図4ないし図6に示すように、略S字状の凹凸251(係合手段の一例)が形成され、一方の凸部が他方の凹部に係合し、他方の凸部が一方の凹部に係合している。
【0020】
(遊星歯車減速機構300の説明)
遊星歯車減速機構300は、図1に示すように、後述するモータ500の回転数を減速して、モータ500の出力トルクを増大する減速手段である。遊星歯車機構300は、モータ500のアーマチャシャフト510(後述する)の前側外周に形成されたサンギヤ310と、このサンギヤ310に噛合し、このサンギヤ310の周囲で回転する複数のプラネタリーギヤ320と、このプラネタリーギヤ320をサンギヤ310の周囲で回転自在に支持する出力軸220と一体形成されたプラネットキャリア330と、プラネタリーギヤ320の外周においてプラネタリーギヤ320と噛合する筒状で、かつ樹脂からなるインターナルギヤ340とからなる。
【0021】
(オーバーランニングクラッチ350の説明)
図3に示すように、オーバーランニングクラッチ350は、インターナルギヤ340を、一方向のみ(エンジンの回転を受けて回転する方向のみ)回転可能に支持されている。(図7はオーバーランニングクラッチ350の部分拡大図である。)オーバーランニングクラッチ350は、インターナルギヤ340の前側に一体形成された第1の円筒部をなすクラッチアウタ351と、遊星歯車機構300の前方を覆う固定側をなすセンターブラケット360の後面に形成され、クラッチアウタ351の内周と対抗して配置された第2の円筒部をなす環状のクラッチインナ352と、クラッチアウタ351の内周面に傾斜して形成されたローラ収納部351aに収納されるローラ353とを有している。このローラ収納部351aは周方向に傾斜しており、スタータ駆動時にローラ353と係合するローラ係合面351bを有している。
【0022】
クラッチインナ352の外周面には、周方向に複数個のローラ溝部355が形成されている。このローラ溝部355はスタータ駆動時にローラ353を係合するローラ係合面352bと、このローラ収納部352bに導くローラガイド面352cとを有している。また、ローラ収納部351aのローラ係合面351bの対面側には、スタータオーバーラン時に、ローラ353をローラ収納部351aにすくい上げる働きをするローラ収納ガイド部351dを備える。ここで、ローラ溝部355は、クラッチアウタ351のローラ収納部351aより多く形成しているが、少なくとも、同じ数だけ形成し、ローラを介在させれば、クラッチのトルク伝達容量の等しいクラッチが構成できるのは明白である。
【0023】
クラッチアウタ351のローラ係合面351bと、クラッチインナ352のローラ係合面352bとの位置関係は、スタータ駆動時にローラ353をそれぞれの面でトルク伝達方向前後から挟み込みように構成されている。
また、クラッチアウタ351のローラ収納部351aは、スタータオーバーラン時に、ローラ353を収納した際に、ローラ353の最内径がクラッチインナ352の最外径より若干大きくなるように設定されている。
【0024】
このように構成すれば、遊星歯車機構300のインターナルギヤ340に設けられた第1の円筒部をクラッチアウタ351となし、固定側をなす第2の円筒部をクラッチインナ352とするともに、クラッチアウタ351の内周にローラ353のローラ収納部351aを形成しているので、スタータがエンジンによりオーバーランされた時に、モータ500とピニオンギヤ210との回転差を吸収するようにクラッチアウタ351であるインターナルギヤ340がクラッチインナ352に対し空転すると、ローラ353はその遠心力を受けてクラッチインナ352外周面から離脱し、ローラ353やクラッチインナ352外周面の異常摩耗が防止できる。
【0025】
また、第2の円筒部をなすクラッチインナ352にも、ローラ係合面352bとローラ353との接触部に、楔効果を利用したローラ式一方向クラッチのような大きな応力がかからず、トルク容量の大きな一方向クラッチが供給できる。
さらに、オーバランニングクラッチ350は、出力軸220を軸受370を介して回転自在に支持するセンターブラケット360を利用しているので、軸方向長も長くすることをなし、小型化を計ることができる。
【0026】
(センターブラケット360の説明)
センターブラケット360は、図4および図5に示すもので、ハウジング400の後側の内部に配置されている。ハウジング400とセンターブラケット360とは、一端がハウジング400に係止され、他端がセンターブラケット360に係止されたリングバネ390によって連結され、オーバーランニングクラッチ350を構成するクラッチインナ352の受ける回転反力をリングバネ390で吸収し、反力が直接ハウジング400に伝わらないように設けられている。
【0027】
また、センターブラケット360の前面には、ピニオン回転規制部材230を保持する2本の支持腕361と、ピニオン回転規制部材230の下端が搭載される規制棚362が設けられている。さらに、センターブラケット360の周囲には、ハウジング400の内側の凸部(図示しない)と嵌まり合う切欠部363が複数形成されている。また、センターブラケット360の下端には、紐状部材680(後述する)を軸方向に挿通する凹部364が形成されている。
【0028】
(プラネットキャリア330の説明)
プラネットキャリア330は、後端に、プラネタリーギヤ320を支持するために径方向に伸びるフランジ形突出部331を備える。このフランジ形突出部331には、後方に伸びるピン332が固定されており、このピン332がメタル軸受333を介してプラネタリーギヤ320を回転自在に支持している。
【0029】
また、プラネットキャリア330は、前側端部がハウジング400の前端内部に固定されたハウジング軸受440と、センターブラケット360の内周の内側筒部365内に固定されたセンターブラケット軸受370とによって、回転自在に支持されている。
このプラネットキャリア330は、内側筒部365の前端位置に環状溝334を備え、この環状溝334には、止め輪335が嵌め合わされている。この止め輪335と内側筒部365の前端との間には、プラネットキャリア330に対して回転自在に装着されたワッシャ336が設けられており、止め輪335がワッシャ336を介して内側筒部365の前端に当接することにより、プラネットキャリア330が後方に移動することが規制される。また、プラネットキャリア330の後側を支持するセンターブラケット軸受370の後端は、内側筒部365の後端と、フランジ形突出部331との間に挟まれるフランジ部371を備え、フランジ形突出部331がフランジ部371を介して内側筒部365の後端に当接することにより、プラネットキャリア330が前方に移動することが規制される。
【0030】
なお、プラネットキャリア330の後面には、軸方向に伸びる凹部337を備え、この凹部337内に配置されるプラネットキャリア軸受380を介してアーマチャシャフト510の前端を回転自在に支持している。
(ハウジング400の説明)
ハウジング400は、ハウジング400の前端内部に固定されたハウジング軸受440で出力軸220を軸支するとともに、開口部410からの雨水等の進入を極力低減するために、開口部410の下部においてハウジング400とピニオンギヤ210の外径との隙間を極力小さくする遮水壁460を備えている。また、ハウジング400の前端の下部には、軸方向に伸びる2つのスライド溝450が設けられ、このスライド溝450に後述するシャッタ420が配設される。
【0031】
(シャッタ420の説明)
シャッタ420は、樹脂性部材(例えばナイロン)からなり、出力軸220の周囲に装着され、リターンスプリング240とピニオンギヤ210との間に挟持されるリング体421と、ハウジング400の開口部410を開閉する遮水部422とからなる。
【0032】
シャッタ420の作動は、スタータが起動してピニオンギヤ210が出力軸220に沿って前方へ移動すると、リング体421がピニオンギヤ210ともに前方へ移動する。すると、リング体421と一体の遮水部422が前方へ移動し、ハウジング400の開口部410を開く。スタータの作動が停止してピニオンギヤ210が出力軸220に沿って後方へ移動すると、リング体421もピニオンギヤ210とともに後方へ移動する。すると、リング体421と一体の遮水部422も後方へ移動し、ハウジング400の開口部410を閉じる。この結果、開閉手段をなすシャッタ420は、スタータの非作動時には、リングギヤ100の遠心力等によって飛散する雨水等が遮水部422によってハウジング400内に進入するのを防ぐ。
【0033】
(シール部材430の説明)
シール部材430は、端面に環状溝430aが配設され、この環状溝430aに、リターンスプリング240の一端が配置される。このシール部材430は、出力軸220の周囲をシールするもので、ハウジング400の開口部410より進入した雨水や塵等が、ハウジング400の前端のハウジング軸受440へ進入するのを阻止している。
【0034】
(モータ500の説明)
モータ500は、ヨーク501、モータ隔壁800、後述するブラシ保持部材900に囲まれて構成される。なお、モータ隔壁800は、センターブラケット360との間で遊星歯車機構300を収納するもので、遊星歯車機構300内の潤滑油がモータ500に進入するのを防ぐ役目も果たす。
【0035】
モータ500は、図1に示すように、アーマチャシャフト510、このアーマチャシャフト510に固定されて一体に回転する電機子鉄心520および電機子コイル530から構成されるアーマチュア540と、アーマチュア540を回転させる固定磁極550とから構成され、固定磁極550はヨーク501の内周に固定される。
【0036】
(アーマチャシャフト510の説明)
アーマチャシャフト510は、プラネットキャリア330の後内部のプラネットキャリア軸受380、およびブラシ保持部材900の内周に固着されたブラシ保持部材軸受564によって回転自在に支持される。このアーマチャシャフト510の前端は、遊星歯車機構300の内側に挿通されるとともに、上述のように、アーマチャシャフト510の前端外周には遊星歯車機構300のサンギヤ310が形成されている。
【0037】
(電機子コイル530の説明)
電機子コイル530は、本実施例では複数(例えば25本)の上層コイルバー531と、この上層コイルバー531と同数の下層コイルバー532とを用い、それぞれの上層コイルバー531と下層コイルバー532とを径方向に積層した2層巻コイルを採用する。そして、各上層コイルバー531と各下層コイルバー532とを組み合わせ、各上層コイルバー531の端部と各下層コイルバー532の端部とを電気的に接続して環状のコイルを構成している。
【0038】
(上層コイルバー531の説明)
上層コイルバー531は、電導性に優れた材質(例えば銅)よりなり、固定磁極550に対して平行に伸び、スロット524の外周側に保持される上層コイル辺533と、この上層コイル辺533の両端から内側に曲折され、アーマチャシャフト510の軸方向に対して垂直方向に伸びる2つの上層コイル端534とを備える。なお、上層コイル辺533および2つの上層コイル端534は、冷間鍛造によって一体成形したものであっても、プレスによってコ字状に曲折して形成したものであっても、別部品で形成した上層コイル辺533と2つの上層コイル端534とを溶接等の接合技術で接合して形成したものであっても良い。
【0039】
(下層コイルバー532の説明)
下層コイルバー532は、上層コイルバー531と同様、電導性に優れた材質(例えば銅)よりなり、固定磁極550に対して平行に伸び、スロット524の内側に保持される下層コイル辺536と、この下層コイル辺536の両端から内側に曲折され、シャフト510の軸方向に対して垂直方向に伸びる2つの下層コイル端537とを備える。なお、下層コイル辺536および2つの下層コイル端537は、上層コイルバー531と同様、冷間鋳造によって一体成形したものであっても、プレスによってコ字状に曲折して形成したものであっても、別部品で形成した下層コイル辺536と2つの下層コイル端537とを溶接等の接合技術で接合して形成したものであっても良い。
【0040】
なお、各上層コイル端534と各下層コイル端537との絶縁は、絶縁スペーサ560によって確保され、各下層コイル端537と電機子鉄心520との絶縁は、樹脂製(例えばナイロンやフェノール樹脂)の絶縁リング590によって確保される。
また、2つの上層コイル端534の内周端部には、軸方向に伸びる上層内部延長部538を備える。この上層内部延長部538の内周面は、前述した下層コイルバー532の内端に設けられた下層内部延長部539の外周に重ね合わされ、溶接等の接合技術で電気的、且つ機械的に接続される。また、上層内部延長部538の外周面は、アーマチャシャフト510に圧入固定された固定部材570の外周環状部571の内面に、絶縁キャップ580を介して当接する。
【0041】
このアーマチャ540においては、電機子コイル530を構成する上層コイルバー531の両端の上層コイル端534、および下層コイルバー532の両端の下層コイル端537が、それぞれアーマチャシャフト510の軸方向に対して、垂直に設けられているため、アーマチャ540の軸方向寸法を短くできるため、モータ500の軸方向寸法も短くでき、この結果、スタータを従来に比較して小型化できる。
【0042】
(固定磁極550の説明)
固定磁極550は、固定磁極550の内周に配置される固定スリーブ553によって、ヨーク501の内部に固定され、本実施例では永久磁石を用いたものであるが、永久磁石の代わりに通電によって磁力を発生するコイルを用いても良い。
【0043】
(マグネットスイッチ600の説明)
マグネットスイッチ600は、図1に示すように、後述するブラシ保持体900に保持されて、後述するエンドフレーム700内に配置され、アーマチャシャフト510に対して略垂直方向になるように固定されている。
マグネットスイッチ600は、通電によって、プランジャ610を上方へ駆動し、プランジャ610と一体に移動する2つの接点(下側可動接点611と上側可動接点612)を、順次、端子ボルト620の頭部621および固定接点630の当接部631に当接させるものである。なお、端子ボルト620には、図示されないバッテリケーブルが接続されている。
【0044】
プランジャ610の上側には、プランジャ610の上方へ伸びるプランジャシャフト615が固定されている。このプランジャシャフト615は、ステーショナリコア642の中央に設けられた貫通穴から上方に突出している。このプランジャシャフト615のステーショナリコア642の上側には、上側可動接点612がプランジャシャフト615に沿って上下方向に摺動自在に挿通されている。この上側可動接点612は、図7に示すように、プランジャシャフト615の上端に取り付けられた止め輪616によって、プランジャシャフト615の上端より上方に移動しないように規制されている。この結果、上側可動接点612は、止め輪616とステーショナリコア642の間においてプランジャシャフト615に沿って上下方向に摺動自在とされている。なお、上側可動接点612は、プランジャシャフト615に取り付けられた板バネよりなる接点圧スプリング670によって、常に上方へ付勢されている。
【0045】
上側可動接点612は、銅など導電性に優れた金属よりなり、上側可動接点612の両端が上側に移動した際、固定接点630に設けられた2つの当接部631に当接する。また、上側可動接点612には、一対のブラシ910の各リード線910aが、カシメや溶接等によって、電気的、且つ機械的に固定されている。さらに、上側可動接点612の溝部には、複数(本実施例では2つ)の制限手段をなす抵抗体617の端部が、挿入され、電気的、且つ機械的に固定されている。
【0046】
なお、上側可動接点612にはブラシ910の各リード線910aが、カシメや溶接等によって電気的、且つ機械的に固定されているが、上側可動接点612とブラシ910の各リード線910aとを一体形成しても良い。
抵抗体617は、スタータの起動初期時に、モータ500の回転を低速回転させるためのもので、抵抗値の大きな金属線を複数巻いて構成されている。抵抗体617の他端には、端子ボルト620の頭部621の下側に位置する下側可動接点611がカシメ等によって固定されている。
【0047】
下側可動接点611は、銅など導電性に優れた金属よりなり、マグネットスイッチ600が停止して、プランジャ610が下方に位置する際にステーショナリコア642の上面に当接し、抵抗体617がプランジャシャフト615の移動に伴って上方に移動する際、上側可動接点612が固定接点630の当接部631に当接する前に、端子ボルト620の頭部621に当接するように設けられている。
【0048】
(エンドフレーム700の説明)
エンドフレーム700は、図8に示すように、樹脂製(例えばフェノール樹脂)のマグネットスイッチカバーで、内部にマグネットスイッチ600を収容する。
エンドフレーム700の後面には、ブラシ910を前方へ付勢する圧縮コイルバネ914を保持するバネ保持柱710が、ブラシ910の位置に応じて前方に突出して設けられている。
【0049】
(ブラシ保持体900の説明)
ブラシ保持体900は、ヨーク501の内部とエンドフレーム700の内部とを区画してアーマチャシャフト510の後端をブラシ保持体軸受564を介して回転自在に支持する役目のほか、ブラシホルダの役目、マグネットスイッチ600を保持する役目、および紐状部材680を案内する滑車690を保持する役目を果たす。なお、ブラシ保持体900には、紐状部材680が通る図示されない穴部を有している。
【0050】
ブラシ保持体900は、アルミニウム等の金属を鋳造技術によって成形した隔壁で、図9および図10に示すように、ブラシ910を軸方向に保持するブラシ保持穴911、912を複数(本実施例では上側に2つ、下側に2つ)備える。上側のブラシ保持穴911は、プラス電圧を受けるブラシ910を保持する穴で、この上側のブラシ保持穴911は、樹脂製(例えばナイロン、フェノール樹脂)の絶縁筒913を介してブラシ910を保持する。また、下側のブラシ保持穴912は、アース接地されるブラシ910を保持する穴で、この下側のブラシ保持穴912は、穴の内部で直接ブラシ910を保持する。
【0051】
このように、ブラシ保持体900によって、ブラシ910を保持させることにより、スタータに独立したブラシホルダを設ける必要がない。このため、スタータの部品点数を低減し、組付工数を低減することができる。
また、ブラシ910は、圧縮コイルバネ914によって、前端面が電機子コイル530の後側の上層コイル端534の後面に付勢される。
【0052】
〔実施例の作動〕
次に、上記スタータの作動を図11(a)ないし(c)の電気回路図に従い、説明する。
乗員によって、キースイッチ10がスタート位置に設定されると、バッテリ20から、マグネットスイッチ600の吸引コイル650に通電される。吸引コイル650が通電されると、吸引コイル650の発生する磁力にプランジャ610が引き寄せられ、プランジャ610が下方位置から上方へ上昇する。
【0053】
プランジャ610が上昇を開始すると、プランジャシャフト615の上昇に伴って上側可動接点612および下側可動接点611が上昇するとともに、紐状部材680の後端も上方に上昇する。紐状部材680の後端が上昇すると、紐状部材680の前端は下方に引かれ、ピニオン回転規制部材230が下降する。ピニオン回転規制部材230の下降によって、規制爪231がピニオンギヤ210の外周の凹凸214に嵌まり合う時点で、下側可動接点611が端子ボルト620の頭部621に当接する(図11(a)参照)。端子ボルト620には、バッテリ20の電圧が印加されており、端子ボルト620の電圧が、下側可動接点611→抵抗体617→上側可動接点612→リード線910aを介して上側のブラシ910に伝えられる。つまり、抵抗体617を介した低電圧が上側のブラシ910を介して電機子コイル530に伝えられる。そして、下側のブラシ910は、ブラシ保持体900を介して常にアース接地されているため、各上層コイルバー531と各下層コイルバー532とを組み合わせてコイル状に構成された電機子コイル530が低電圧で通電される。すると、電機子コイル530が比較的弱い磁力を発生し、この磁力が固定磁極550の磁力に作用(吸着あるいは反発)して、アーマチャ540が低速回転する。
【0054】
アーマチャシャフト510が回転すると、遊星歯車機構300のプラネタリーギヤ320が、アーマチャシャフト510の前端のサンギヤ310によって回転駆動される。プラネタリーギヤ320がプラネットキャリア330を介してリングギヤ100を回転駆動する方向の回転トルクをインターナルギヤ340に与える場合は、オーバーランニングクラッチ350の作動によって、インターナルギヤ340の回転が規制される。つまり、インターナルギヤ340は回転しないため、プラネタリーギヤ320の回転によって、プラネットキャリア330が減速回転する。プラネットキャリア330が回転すると、ピニオンギヤ210も回転しようとするが、ピニオンギヤ210はピニオン回転規制部材230によって回転が規制されているため、ピニオンギヤ210は出力軸220のヘリカルスプライン221に沿って前進する。
【0055】
ピニオンギヤ210の前進に伴い、シャッタ420も前進し、ハウジング400の開口部410を開く。そして、ピニオンギヤ210の前進によって、ピニオンギヤ210がエンジンのリングギヤ100に完全に噛合し、その後、ピニオン係止リング250に当接する。また、ピニオンギヤ210が前進すると、規制爪231がピニオンギヤ210の凹凸214から外れ、その後、規制爪231の前端が、ピニオンギヤ210の後面に設けられたワッシャ215の後側に落ち込む。
【0056】
一方、ピニオンギヤ210が前進した状態で、上側可動接点612が固定接点630の当接部631に当接する。すると、端子ボルト620のバッテリ電圧が、上側可動接点612→リード線910aを介して直接上側のブラシ910に伝えられる。つまり、各上層コイルバー531および各下層コイルバー532よりなる電機子コイル530に高い電流が流れ、電機子コイル530が強い磁力を発生し、アーマチャ540を高速回転する。
【0057】
アーマチャシャフト510の回転は、遊星歯車機構300によって減速されて回転トルクが増大し、プラネットキャリア330を回転駆動する。このとき、ピニオンギヤ210は、前端がピニオン係止リング250に当接して、プラネットキャリア330と一体に回転する。そして、ピニオンギヤ210は、エンジンのリングギヤ100に噛合しているため、ピニオンギヤ210は、リングギヤ100を回転駆動して、エンジンの出力軸を回転駆動する。
【0058】
さらに、オーバーランニングクラッチ350について詳しく言うと、オーバーラン時に、エンジンの駆動力は出力軸220から、プラネタリーギヤ320に伝達されるが、この時ピニオンギヤ210の回転数はアーマチャ540による回転数より高くなり、プラネタリーギヤ320が噛み合うインターナルギヤ340と一体のクラッチアウタ351は図7の矢印C方向へ回り出す。すると、その遠心力により、ローラ353はローラ収納ガイド部351dとローラガイド部352cによって、クラッチインナ352のローラ収納部352b内に収納され、クラッチアウタ351はクラッチインナ352の外周を空転する。
【0059】
このようにしてクラッチアウタ351、すなわちインターナルギヤ340が空転することにより、アーマチャシャフト510に形成されたサンギヤ310へのエンジン駆動力の伝達が遮断され、アーマチャ540が過回転するのを防止する。
次に、エンジンが始動し、エンジンのリングギヤ100がピニオンギヤ210の回転よりも速く回転すると、ヘリカルスプラインの作用によって、ピニオンギヤ210に後退力が生じる。しかるに、ピニオンギヤ210の後方に落ち込んだ回転規制爪231によって、ピニオンギヤ210の後退が阻止され、ピニオンギヤ210の早期離脱を防止して、エンジンを確実に始動することができる(図11(b)参照)。
また、エンジンの始動によって、エンジンのリングギヤ100がピニオンギヤ210の回転よりも速く回転されると、リングギヤ100の回転によってピニオンギヤ210が回転駆動される。すると、リングギヤ100からピニオンギヤ210に伝えられた回転トルクは、プラネットキャリア330を介してプラネタリーギヤ320を支持するピン332に伝えられる。つまり、プラネットキャリア330によってプラネタリーギヤ320が駆動される。すると、インターナルギヤ340には、エンジン始動時とは逆回転のトルクがかかるため、オーバーランニングクラッチ350がリングギヤ100の回転を許す。つまり、インターナルギヤ340にエンジン始動時とは逆回転のトルクがかかると、オーバーランニングクラッチ350のローラ353が、クラッチインナ352の凹部355の外側へ離脱し、インターナルギヤ340の回転が可能になる。
【0060】
つまり、エンジンが始動して、エンジンのリングギヤ100がピニオンギヤ210を回転駆動する相対回転は、オーバーランニングクラッチ350で吸収され、エンジンによってアーマチャ540が回転駆動されることがない。
エンジンが始動すると、乗員によってキースイッチ10がスタート位置から外され、マグネットスイッチ600の吸引コイル650への通電が停止される。吸引コイル650の通電が停止されると、プランジャ610が圧縮コイルバネ660の作用によって、下方に戻される。
【0061】
すると、上側可動接点612が固定接点630の当接部631から離れるとともに、その後下側可動接点611も端子ボルト620の頭部621から離れ、上側のブラシ910への通電が停止する。
また、プランジャ610が下方に戻されると、ピニオン回転規制部材230の復帰バネ部236の作用によって、ピニオン回転規制部材230が上方に復帰し、規制爪231がピニオンギヤ210の後方から離脱する。すると、ピニオンギヤ210は、戻しバネ240の作用によって後方に戻され、ピニオンギヤ210とエンジンのリングギヤ100との噛み合いが外れるとともに、ピニオンギヤ210の後端が出力軸220のフランジ形突出部222に当接する。つまり、ピニオンギヤ210が、スタータの始動前に戻される(図11(c)参照)。
【0062】
さらに、プランジャ610が下方に戻されることにより、下側可動接点611が、マグネットスイッチ600のステーショナリコア642の上面に当接し、上側のブラシ910のリード線が、上側可動接点612→抵抗体617→下側可動接点611→ステーショナリコア642→マグネットスイッチカバー640→ブラシ保持体900の順に導通する。つまり、上側のブラシ910と下側のブラシ910とが、ブラシ保持体900を介して短絡する。一方、アーマチャ540の惰性回転により電機子コイル530には、起電力が生じる。そして、この起電力が、上側のブラシ910、ブラシ保持体900、下側のブラシ910を介して短絡するため、アーマチャ540の惰性回転に制動力が与えらえる。この結果、アーマチャ540は急速に停止する。
【0063】
(実施例の効果)
遊星歯車機構300のインターナルギヤ340に設けられた第1の円筒部をクラッチアウタ351をなし、固定側をなす第2の円筒部をクラッチインナ352とするともに、クラッチアウタ351の内周にローラ353のローラ収納部351aを形成しているので、スタータがエンジンによりオーバーランされた時に、モータ500とピニオンギヤ210との回転差を吸収するようにクラッチアウタ351であるインターナルギヤ340がクラッチインナ352に対し空転すると、ローラ353はその遠心力を受けてクラッチインナ352外周面から離脱し、ローラ353やクラッチインナ352外周面の異常摩耗が防止できる。
【0064】
また、第2の円筒部をなすクラッチインナ352にも、ローラ353の一部を収納するローラ溝部355を設け、そこにローラ353を介在させて、ローラ収納部351a及びローラ溝部355のローラ接触面でトルク伝達方向前後から挟み込むようにしているので、それぞれの接触面とローラ353との接触部に、楔効果を利用したローラ式一方向クラッチのような大きな応力がかからず、トルク容量の大きな一方向クラッチが供給できる。
【0065】
さらに、オーバランニングクラッチ350は、出力軸220を軸受370を介して回転自在に支持するセンターブラケット360の外周側の空間を有効利用しているので、軸方向長も長くすることをなし、小型化を計ることができる。
また、クラッチインナ352は、センターブラケット360に一体に形成していることで部品点数の低減を計ることができる。
【0066】
さらに、この実施例では、クラッチアウタ351のローラ収納部351aの数を、クラッチインナ352の溝部352aの数より多くしたものである。このようにすれば、スタータを始動させる時、ローラ353がローラ収納部351aに係合していない状態から起動したり、スタータがオーバーランされた状態から急にエンジンが停止して再度エンジン駆動状態に移行する場合など、ローラ353をローラ収納部351aに再係合する時に、クラッチインナ352の空転距離が少なくなり、係合時に発生する衝撃を低く抑えることができる。
【0067】
(実施例2)
実施例2を図12を参照して説明する。
この実施例2は、クラッチアウタ351が樹脂成形により内歯歯車340と一体で形成されており、クラッチインナ352はアルミニウムで形成されているものである。そして、ローラ係合面351b、352bが軸心からの半径線とのなす角度を一般的な平歯車の圧力角である20°程度に形成しているものである。これは、一般的にスタータの遊星歯車減速装置に採用されている樹脂製の内歯歯車340の圧力角が20°であり、圧力角20°の金属製歯車と組み合わせた噛合でも充分耐久性があることから、この圧力角と同じ角度を有するローラ係合面であれば、そのまま一体でクラッチアウタやクラッチインナとして使用できることを意味するものである。また、樹脂だけでなく一般に鉄鋼材料より低強度の非鉄金属材料も使用可能であり、いわゆる加工方法が簡単な素材を使用できることになる。
【0068】
本実施例では、例として平歯車の圧力角と同等の圧力角を有するローラ係合面を示したが、これに限らず全実施例に示されるように、内歯歯車とスタータ静止部材とに形成されたクラッチインナとクタッチアウタのローラ係合面で、トルク伝達方向前後からローラを挟み込むようにしているので、楔状空間の狭小方向にローラが食い込んでトルクを伝達するローラ式一方向クラッチのように、クラッチインナ、クラッチアウタ、ローラのそれぞれの接触面に大きな応力がかからないことは、本実施例のように、クラッチインナやクラッチアウタの素材に樹脂や非鉄金属材料などの低強度材料が使用できることであり、耐久性は充分確保しつつ、安価で軽量な一方向クラッチを供給できる。
【0069】
(実施例3)
この実施例3は、図13に示すように、ローラ353をクラッチインナ352のローラ溝部352a方向に押圧するように、ローラ押しバネ356をクラッチアウタ351のローラ収納部351aに配設するとともに、ローラ押しバネ356の一端を収納するローラ押しバネ収納部351eをローラ収納部351aに併設したものである。さらに、クラッチアウタ351とクラッチインナ352に設けられたローラ係合面351b、352bを、ローラ353の半径と略同一の曲率半径を有する曲面で構成したものである。これにより、トルクの伝達面が広くなり、さらにトルク容量の大きなクラッチを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明スタータの実施例1を示す側面断面図である。
【図2】(a)及び(b)は、ピニオン回転規制部材をピニオン部に組付けた際の正面図及び一部断面側面図である。
【図3】オーバーランニングクラッチの要部を示す断面図である。
【図4】センターブラケットの後面図である。
【図5】センターブラケットの側面断面図である。
【図6】アーマチュアの側面断面図である。
【図7】マグネットスイッチのプランジャーを示す斜視図である。
【図8】エンドフレームおよびブラシスプリングを示す断面図である。
【図9】ブラシ保持体を示す縦断面図である。
【図10】ブラシ保持体を示す横断面図である。
【図11】(a)、(b)及び(c)は、ピニオンの作動状態を示してある、電気回路図である。
【図12】実施例2のクラッチの要部拡大断面図である。
【図13】実施例3のクラッチの要部拡大断面図である。
【符号の説明】
100 リングギヤ
200 ピニオン
220 出力軸
300 遊星歯車減速機構
310 サンギヤ
320 プラネタリギヤ
340 インターナルギヤ
350 オーバーランニングクラッチ
351 クラッチアウタ
351a 収納部
352 クラッチインナ
352a 溝部
353 ローラ
360 センターブラケット
500 スタータモータ
510 シャフト
550 固定磁極[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a starter with a planetary gear reduction mechanism having an overrunning clutch.
[0002]
[Prior art]
In a conventional starter with a planetary gear reduction mechanism shown in Japanese Utility Model Publication No. 52-19528, the outer peripheral surface of the internal gear of the planetary gear reduction mechanism and the inner periphery of the casing that forms the stationary side that accommodates the planetary gear reduction mechanism. It discloses disposing an overrunning clutch between the two surfaces.
[0003]
In the above-described conventional one, since the overrunning clutch is disposed on the outer periphery of the planetary gear reduction mechanism, the axial space occupied by the overrunning clutch becomes unnecessary, the dead space is small, and the manufacturing cost due to the increase in weight is reduced. There is an advantage that the up is small. In addition, there is an advantage that the outer periphery of the planetary gear speed reduction mechanism can be used even when a power transmission portion having a large diameter is required as a high-load overrunning clutch.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the above-described conventional one has the following problems.
The clutch outer (roller cam) of this clutch is fitted to the front bracket, and when the starter is overrun by the engine, the rotation of the pinion gear and the starter that are rotated by the engine is prevented so that the rotation is not transmitted to the starter motor. The ring gear (clutch inner) rotates to absorb the difference in rotation of the motor. At this time, since the roller is always in contact with the outer periphery of the ring gear of the planetary gear speed reducer which is the clutch inner, the roller rolls on the circumference of the clutch inner where the peripheral speed is high, and the roller is worn. There is a problem that it is easy to do.
[0005]
Further, since the overrunning clutch portion is disposed on the outer periphery of the planetary gear reduction device, the diameter of the clutch inner inevitably increases, but this also causes the following problems. For example, when compared with the case where the thickness of the clutch inner is the same as the thickness of the clutch inner of the roller-type overrunning clutch disposed on the starter output shaft described above, the clutch according to this publication has a wall thickness relative to the outer diameter of the clutch inner. The thickness ratio decreases, the strength of the clutch inner ring decreases, and the amount of deformation of the clutch inner increases with respect to the force in the inner diameter direction applied to the roller contact portion of the clutch inner for torque transmission. There is a problem that a necessary contact surface drag cannot be obtained and high torque cannot be transmitted. In order to solve this problem, if the thickness of the clutch inner is secured, the inner diameter of the internal gear is determined by the size of the planetary gear and the like and the number of teeth according to the reduction ratio. In addition, there is a problem that only the planetary gear speed reduction device portion is larger in diameter than the other portions.
[0006]
Further, this overrunning clutch is formed by a cam-like groove inclined in the circumferential direction provided on the inner periphery of the fixed bracket that is the clutch outer, and the outer peripheral gear of the planetary gear reduction mechanism that is the clutch inner. Since the roller bites in the narrow direction of the formed wedge-shaped space and transmits the rotational force, the internal gear that forms the clutch inner is rotated at high speed when the starter is overrun, and the material is metal. Because it is heavy, the inertial energy at the time of rotation is large, and when it suddenly shifts from the overrun state to the engine drive state, the impact on other clutch parts increases or unbalance at the time of rotation occurs. In other words, there is a problem that the device is broken or abnormal noise is generated during driving.
[0007]
OBJECT OF THE INVENTION
The present invention has been made in view of the above circumstances, and a first object thereof is to provide an overrunning clutch for a starter that can significantly reduce roller wear.
Furthermore, a second object is to provide a reliable starter overrunning clutch in which torque transmission is reliably performed.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
The starter having the overrunning clutch of the present invention employs the following technical means. According to a first aspect of the present invention, the first cylindrical portion provided in the internal gear of the planetary gear reduction device is a clutch outer, the second cylindrical portion forming the fixed side is a clutch inner, A roller groove having a roller engaging surface for engaging the roller with the outer peripheral surface of the clutch inner is formed on the periphery, and the roller does not contact the outer peripheral surface of the clutch inner when the roller is stored in the roller groove. Thus, when the starter is driving the engine, the clutch outer is restrained with respect to the clutch inner which is the fixed side, and the power of the starter motor is transmitted to the drive shaft. When the starter is overrun by the engine, an internal gear that is a clutch outer so as to absorb the rotational difference between the starter motor and the pinion gear To idles to the clutch inner, the roller disengages from the clutch inner peripheral surface receiving the centrifugal force, abnormal wear of the rollers and the clutch inner peripheral surface can be prevented.In addition, the second cylinder is formed by having a second cylindrical portion formed at one end of the drive shaft and at least partially overlapping the outer peripheral side of the large-diameter portion that rotatably supports the planetary gear. The part and the roller can be arranged using a small space on the outer periphery of the large-diameter part. Thereby, the axial length of the entire starter can be reduced.
[0009]
The starter according to claim 2 is provided with a groove portion that accommodates a part of the roller in the second cylindrical portion, and the roller is interposed between the roller portion and the roller contact surface of the groove portion and sandwiched from the front and rear in the torque transmission direction. Thus, a large stress is not applied to the contact portion between each contact surface and the roller, unlike the roller overrunning clutch using the wedge effect, and an overrunning clutch having a large torque capacity can be supplied.
[0010]
In the starter of the third aspect, since the number of the groove portions is larger than the number of the storage portions, when the starter is started, the starter is started from a state where the roller is not engaged with the roller groove portion, or the starter is overrun. When the engine is suddenly stopped from the stopped state and the engine is driven again, the idle distance of the first and second cylindrical portions is reduced when the roller is reengaged with the roller groove portion. The roller and the clutch inner can be engaged, and the impact generated at the time of engagement can be kept low.
[0011]
In the starter according to the fourth aspect of the present invention, the roller engaging surface is a curved surface having a curvature radius substantially the same as the radius of the roller, so that the torque transmission surface is widened and a clutch having a large torque capacity can be supplied. As a result, the starter can be further miniaturized. The substantially same radius of curvature described here means that the center is on the same side as the center of the roller and the radius is equal to or greater than the radius of the roller.
[0012]
The starter of claim 5 employs a storage groove on the inner periphery of the clutch outer, so that a large torque is not generated, and reliable torque transmission can be achieved without using a particularly high-strength material for the clutch outer and the clutch inner. Therefore, it is possible to adopt a resin or a non-ferrous metal material that can be easily processed. Therefore, for example, it is possible to use a lighter material that is cheaper in material cost and processing cost than steel material, and can provide a low-cost and light overrunning clutch. Moreover, it can form integrally with resin simultaneously with an internal gear.
[0013]
In the starter according to claim 6, the second cylindrical portion is provided integrally with an intermediate bracket that rotatably holds the drive shaft, thereby reducing the number of parts.it can.
[0014]
【Example】
Next, the device starter of the present invention will be described based on one embodiment shown in FIGS.
The starter is roughly divided into a
[0015]
(Description of pinion 200)
As shown in FIG. 1 or FIG. 2, the
On the inner peripheral surface of the
[0016]
A
[0017]
On the other hand, the
[0018]
(Description of Pinion Rotation Restricting Member 230)
One end of the
The operation of the pinion
[0019]
(Description of pinion locking ring 250)
The
[0020]
(Description of planetary gear reduction mechanism 300)
As shown in FIG. 1, the planetary gear
[0021]
(Description of overrunning clutch 350)
As shown in FIG. 3, the overrunning
[0022]
A plurality of
[0023]
The positional relationship between the
Further, the
[0024]
With this configuration, the first cylindrical portion provided in the
[0025]
Further, the clutch inner 352 forming the second cylindrical portion is not subjected to a large stress on the contact portion between the
Further, since the overrunning clutch 350 uses the
[0026]
(Description of center bracket 360)
The
[0027]
Further, two
[0028]
(Description of Planet Carrier 330)
The
[0029]
The
The
[0030]
The rear surface of the
(Description of housing 400)
The
[0031]
(Description of shutter 420)
The
[0032]
When the starter is activated and the
[0033]
(Description of seal member 430)
The
[0034]
(Description of motor 500)
The
[0035]
1, the
[0036]
(Description of armature shaft 510)
The
[0037]
(Description of armature coil 530)
In this embodiment, the armature coil 530 uses a plurality (for example, 25) of upper layer coil bars 531 and the same number of lower layer coil bars 532 as the upper layer coil bars 531, and each upper
[0038]
(Description of upper layer coil bar 531)
The upper
[0039]
(Description of lower layer coil bar 532)
Similar to the upper
[0040]
Insulation between each upper layer coil end 534 and each lower
Further, the inner peripheral ends of the two upper layer coil ends 534 are provided with an upper layer
[0041]
In this
[0042]
(Description of fixed magnetic pole 550)
The fixed
[0043]
(Description of magnet switch 600)
As shown in FIG. 1, the
The
[0044]
A
[0045]
The upper
[0046]
Note that each lead wire 910a of the
The
[0047]
The lower
[0048]
(Description of end frame 700)
As shown in FIG. 8, the
On the rear surface of the
[0049]
(Description of brush holder 900)
The
[0050]
The
[0051]
Thus, by holding the
Further, the
[0052]
[Operation of Example]
Next, the operation of the starter will be described with reference to the electric circuit diagrams of FIGS.
When the
[0053]
When the
[0054]
When the
[0055]
As the
[0056]
On the other hand, the upper
[0057]
The rotation of the
[0058]
More specifically, the overrunning
[0059]
In this manner, the clutch outer 351, that is, the
Next, when the engine is started and the
In addition, when the
[0060]
That is, the relative rotation in which the engine is started and the
When the engine starts, the
[0061]
Then, the upper
When the
[0062]
Furthermore, when the
[0063]
(Effect of Example)
The first cylindrical portion provided in the
[0064]
Also, the clutch inner 352 forming the second cylindrical portion is provided with a
[0065]
Further, the overrunning clutch 350 effectively utilizes the space on the outer periphery side of the
Further, since the clutch inner 352 is formed integrally with the
[0066]
Furthermore, in this embodiment, the number of
[0067]
(Example 2)
A second embodiment will be described with reference to FIG.
In the second embodiment, the clutch outer 351 is integrally formed with the
[0068]
In the present embodiment, a roller engagement surface having a pressure angle equivalent to the pressure angle of a spur gear is shown as an example, but not limited to this, as shown in all the embodiments, the internal gear and the starter stationary member The roller engagement surface of the formed clutch inner and couture outer is designed to sandwich the roller from the front and back in the torque transmission direction, so that the roller bites in the narrow direction of the wedge-shaped space and transmits the torque. The reason why no significant stress is applied to the contact surfaces of the clutch inner, the clutch outer, and the roller is that a low-strength material such as a resin or a nonferrous metal material can be used for the material of the clutch inner or the clutch outer as in this embodiment. In addition, an inexpensive and lightweight one-way clutch can be supplied while ensuring sufficient durability.
[0069]
(Example 3)
In the third embodiment, as shown in FIG. 13, a
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side sectional view showing Embodiment 1 of a starter of the present invention.
FIGS. 2A and 2B are a front view and a partial cross-sectional side view when a pinion rotation restricting member is assembled to a pinion portion, respectively.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a main part of an overrunning clutch.
FIG. 4 is a rear view of the center bracket.
FIG. 5 is a side sectional view of the center bracket.
FIG. 6 is a side sectional view of the armature.
FIG. 7 is a perspective view showing a plunger of a magnet switch.
FIG. 8 is a cross-sectional view showing an end frame and a brush spring.
FIG. 9 is a longitudinal sectional view showing a brush holder.
FIG. 10 is a cross-sectional view showing a brush holder.
FIGS. 11A, 11B, and 11C are electric circuit diagrams showing an operating state of the pinion. FIGS.
FIG. 12 is an enlarged cross-sectional view of a main part of the clutch according to the second embodiment.
FIG. 13 is an enlarged cross-sectional view of a main part of a clutch according to a third embodiment.
[Explanation of symbols]
100 ring gear
200 pinion
220 Output shaft
300 Planetary gear reduction mechanism
310 Sungear
320 Planetary gear
340 Internal gear
350 overrunning clutch
351 Clutch outer
351a storage unit
352 Clutch inner
352a Groove
353 Laura
360 Center bracket
500 Starter motor
510 shaft
550 Fixed magnetic pole
Claims (6)
前記アーマチャシャフトの同一軸心上に配置されるドライブシャフトの一端に枢支され、前記サンギヤと噛合するプラネタリーギヤと、
このプラネタリーギヤと噛合するインターナルギヤとを有する遊星歯車減速装置を備えたスタータにおいて、
前記インターナルギヤに設けられ、軸方向にのびる第1の円筒部と、前記第1の円筒部の内周と所定の間隔を介し配置され、固定側をなす第2の円筒部と、前記第1の円筒部と前記第2の円筒部との間に配置されるローラとを備え、前記第1の円筒部の内周に、前記第2の円筒部との間で前記ローラを係止するローラ係合面を有するローラ溝を形成すると共に、該ローラ溝には前記ローラを収納したときに前記第2の円筒部の外周に接しないように収納部が連設されているオーバーランニングクラッチを有し、かつ
前記ドライブシャフトの一端に形成された径大部を有し、この径大部に前記遊星歯車を回転自在に支持すると共に、前記第2の円筒部は、前記径大部の外周側に少なくとも一部が重なって配置されていることを特徴とするスタータ。A sun gear formed on the outer periphery of the armature shaft of the starter motor;
A planetary gear pivotally supported by one end of a drive shaft disposed on the same axis of the armature shaft and meshing with the sun gear;
In a starter provided with a planetary gear reduction device having an internal gear meshing with this planetary gear,
A first cylindrical portion provided in the internal gear and extending in the axial direction; a second cylindrical portion disposed on the inner periphery of the first cylindrical portion at a predetermined interval and forming a fixed side; A roller disposed between the first cylindrical portion and the second cylindrical portion, and the roller is locked between the second cylindrical portion and an inner periphery of the first cylindrical portion. An overrunning clutch is formed which has a roller groove having a roller engaging surface and has a storage portion continuously provided so as not to contact the outer periphery of the second cylindrical portion when the roller is stored in the roller groove. Yes and, and
The drive shaft has a large-diameter portion formed at one end of the drive shaft, and the planetary gear is rotatably supported by the large-diameter portion, and the second cylindrical portion is at least one on the outer peripheral side of the large-diameter portion. A starter characterized in that the parts are arranged overlapping .
前記第2の円筒部の外周には、前記ローラの一部のみが入り込む溝部が設けられていることを特徴とするスタータ。The starter according to claim 1,
A starter characterized in that a groove portion into which only a part of the roller enters is provided on the outer periphery of the second cylindrical portion.
前記溝部の数は、前記収納部の数よりも多いことを特徴するスタータ。The starter according to claim 2,
The starter characterized in that the number of the groove portions is larger than the number of the storage portions.
前記溝部の前記ローラを係止する面は、前記ローラの半径と略同一の曲率半径を有することを特徴とするスタータ。The starter according to claim 2 or 3,
The starter according to claim 1, wherein a surface of the groove portion that engages the roller has a radius of curvature substantially the same as the radius of the roller.
前記インターナルギヤ及び第1の円筒部は、樹脂、または非鉄金属材料で一体に形成されていることを特徴とするスタータ。The starter according to any one of claims 1 to 4,
The starter characterized in that the internal gear and the first cylindrical portion are integrally formed of a resin or a non-ferrous metal material.
前記第2の円筒部は、前記ドライブシャフトを回転自在に保持し、かつ前記遊星歯車減速機構を覆うセンタブラケットに一体で設けられていることを特徴とするスタータ。The starter according to any one of claims 1 to 6,
The starter characterized in that the second cylindrical portion is integrally provided on a center bracket that rotatably holds the drive shaft and covers the planetary gear reduction mechanism.
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