JP3641753B2 - Propylene resin composition - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、塗装性に優れたプロピレン系樹脂組成物に関する。さらに詳しくは1,1,1−トリクロロエタンによる前洗浄工程を省略することの可能な塗装性の改良されたプロピレン系樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ポリプロピレンにポリオレフィン系軟質樹脂を配合した樹脂組成物が自動車用バンパー、マッドガード、インパネ用表皮材等に利用されている。ポリオレフィン系軟質樹脂としては種々のものが提案されており、例えば、特開平4−85487号公報には、ポリブテン成分、ポリプロピレン成分およびプロピレン−エチレン共重合体成分を含んでなるプロピレン系ブロック共重合体が、重合により一挙に製造でき、また、重合により得られた粒子の流動性に優れていることが示されている。また、特開平4−141334号公報には、上記のプロピレン系ブロック共重合体を有機過酸化物と溶融混練した分解生成物をプロピレンに配合したプロピレン系樹脂組成物が、優れた剛性と耐衝撃性を兼ね備え、加工性および品質安定性に優れていることが示されている。
【0003】
このようなプロピレン系樹脂組成物をバンパー、マッドガード等に適用する際、表面の保護、彩色といった目的のため、塗装が施されることが多い。しかし、一般にポリオレフィン系樹脂は非極性の材料であり塗料との親和性が低いため、通常は1,1,1−トリクロロエタン(以下、TCEと略称する。)蒸気により洗浄し、次いで塩素化ポリオレフィンのようなプライマーで処理した後、塗装されている。TCEによる前洗浄を行うことなくプライマー処理後塗装を行っても、塗装性の指標の一つである塗膜剥離強度は充分な値を示さない。このため、TCEによる前洗浄は必要不可欠とされていた。しかしながら、このTCEによる前洗浄は工程上大きな負担であるとともに、TCE自体が1995年中に全廃されることが決定されているため、早急にTCE前洗浄を必要としない技術の開発が求められてる。
【0004】
TCEによる前洗浄を必要としないポリオレフィン系樹脂組成物としては、これまでに、ポリオレフィン系樹脂と、ポリオレフィン系樹脂を不飽和カルボン酸等の極性基を持つ単量体で変性した変性ポリオレフィン系樹脂との混合物が数多く提案されている。しかし、このような混合物としてもその成形品の塗装性は充分なものではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上の背景にあって本発明は、TCEによる前洗浄工程を省略しても充分な塗装性を有する成形体を得ることのできるプロピレン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、メルトインデックスの異なるプロピレン系ブロック共重合体の混合物に、さらに不飽和カルボン酸若しくはその無水物またはそれらの誘導体で変性した変性ポリオレフィン系樹脂を配合することにより、TCEによる前洗浄工程を行わずとも高い塗装性を有するプロピレン系樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、(A)ポリプロピレン成分、及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分を含むブロック共重合体であって、ポリプロピレン成分が1〜70重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分が99〜30重量%であり、該プロピレン−エチレンランダム共重合体成分はエチレンに基づく単量体単位を10〜80モル%、プロピレンに基づく単量体単位を90〜20モル%含むランダム共重合体で構成されてなり、分子量1万以下の成分が1.0重量%以下であるプロピレン系ブロック共重合体
20〜99.5重量%、
(B)プロピレン単独重合体またはエチレンに基づく単量体単位の含有量が10モル%以下であるエチレン−プロピレン共重合体が不飽和カルボン酸若しくはその無水物またはそれらの誘導体により変性されたポリオレフィン系樹脂
80〜0.5重量%、
を含んでなり、(A)は(イ)メルトインデックス7g/10min以上のものと(ロ)メルトインデックス7g/10min未満のものが(イ)/(ロ)(重量比)=0.05〜20で配合された混合物であることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物である。
【0008】
本発明のプロピレン系樹脂組成物の(A)成分は、特定のプロピレン系ブロック共重合体である。ここで、プロピレン系ブロック共重合体(以下、単に「ブロック共重合体」と略称する。)は、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチレン共重合体成分よりなる。
【0009】
本発明で使用するブロック共重合体におけるポリプロピレン成分およびプロピレン−エチレンランダム共重合体成分それぞれの成分割合は、ポリプロピレン成分が1〜70重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分が99〜30重量%である。
【0010】
プロピレン成分が1重量%よりも少ないとブロック共重合体からなる成形品の強度及び耐熱性が低下する。ポリプロピレン成分の割合が70重量%を越えると、成形品の耐衝撃性が低下し好ましくない。ポリプロピレン成分は、機械的強度、耐熱性および耐衝撃性等を勘案すると、3〜60重量%の範囲であることが好ましい。
【0011】
さらに、エチレン−プロピレンランダム共重合体成分は30〜99重量%である。上記成分が30重量%未満のときは耐衝撃性に劣り、99重量%を超えると、成形品の強度及び耐熱性などの機械的物性に劣り好ましくない。エチレン−プロピレンランダム共重合体成分は耐衝撃性や強度、耐熱性を勘案すると、40〜97重量%の範囲であることが好ましい。
【0012】
プロピレン−エチレンランダム共重合体成分中におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づく単量体単位のそれぞれの含有割合は、エチレンに基づく単量体単位10〜80モル%、好ましくは15〜60モル%である。プロピレンに基づく単量体単位は90〜20モル%、好ましくは85〜40モル%である。エチレンに基づく単量体単位の含有割合が10モル%未満であり、プロピレンに基づく単量体単位の含有割合が90モル%を越える場合、成形品の柔軟性及び耐衝撃性が十分でなくなり好ましくない。一方、エチレンに基づく単量体単位の含有割合が80モル%を越え、プロピレンに基づく単量体単位の含有割合が20モル%未満である場合、成形品の強度及び耐熱性が十分でなくなり好ましくない。
【0013】
本発明におけるブロック共重合体中には、ブロック共重合体粒子の粒子性状を良好とするためにブロック成分としてポリブテン成分が含まれていることが好ましい。特に、ポリプロピレン成分の含量が少ないとき、例えば、30重量%以下のときには得られる共重合体粒子が粘着しやすくなるが、そのようなときにもポリブテン成分の存在により、良好な流動性の共重合体粒子とすることができる。ポリブテン成分は0.01〜5重量%の範囲で含まれていることが好ましく、さらに良好な流動性を勘案すると0.04〜3重量%の範囲が好ましい。
【0014】
本発明で使用するブロック共重合体中にポリブテン成分が含まれているときは、ポリブテン成分は、ブロック共重合体の粒子の固結防止、高温時の流動性を良好にするためには、アイソタクティシティが0.90以上であることが好ましい。ポリ1−ブテンのアイソタクティシティは13C−NMRにより測定を行い、ポリマー・ジャーナル(Polymer J.)第16巻(1984年)716〜726頁に基づいて帰属を行ったときのmmの値である。
【0015】
本発明で使用するブロック共重合体には、ポリプロピレン成分、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分のいづれかひとつ以上に、プロピレン系樹脂組成物の物性を阻害しない限り、他のα−オレフィンが少量、例えば5モル%以下の範囲で共重合されて含まれていてもよい。
【0016】
本発明で使用するブロック共重合体は、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分が一分子鎖中に配列したいわゆるブロック共重合体の分子鎖と、ポリプロピレン成分及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分のそれぞれ単独よりなる分子鎖とが機械的な混合では達成できない程度にミクロに混合しているものと考えられる。
【0017】
本発明で使用するブロック共重合体は、重合により流動性に優れた粉状体で得られる。これは、本発明で使用するブロック共重合体と同様のエチレン含量である従来のプロピレン−エチレンランダム共重合体が粒子同士の粘着により、塊状で得られることを考えると驚異的なことである。
【0018】
ブロック共重合体を粉状で得るためには、低分子量の成分量を少なくすることが好ましい。本発明におけるブロック共重合体は、ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略称する。)で測定した溶出曲線において、分子量1万以下の成分の割合を通常1.0重量%以下、好ましくは0.6重量%以下とすることで粉状を保持しうる。そして、ブロック共重合体の低分子量の成分を少なくする方法の一つは、相対的に重量平均分子量を高めることによって達成しうる。重合により得られたブロック共重合体の重量平均分子量は、通常、60万以上、さらに80万以上、好ましくは100万以上、より好ましくは130〜700万、最も好ましくは150〜300万である。尚、本発明における重量平均分子量は、GPCにより測定され、ポリスチレンで求められた検量線を基に換算された値である。
【0019】
本発明で使用するブロック共重合体はいかなる方法によって得てもよいが、特開平5−287035号公報等に詳述されてた方法に準じて製造するのが好ましい。
【0020】
本発明で使用されるブロック共重合体は、一般には重合で上記したような比較的高い分子量のものを製造し、その後有機過酸化物により分解して所定のメルトインデックス(以下、MIと略称する。)に調整する方法を好適に採用できる。この分解処理は、上記ブロック共重合体と有機過酸化物とを溶融混練することにより容易に達成される。有機過酸化物としては公知の化合物を何等制限なく用いうるが、代表的なものを例示すると、例えば、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;イソブチリルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシ−イソプロピル)−ベンゼン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ヘキサン−3等のジアルキルパーオキサイド;1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)−ブタン等のパーオキシケタール;t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーエステル;t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート等のパーカーボネート類等を挙げることができる。
【0021】
上記した有機過酸化物の配合量は特に制限されないが、一般には、ブロック共重合体100重量部に対して、0.001〜5重量部、さらに0.002〜3重量部の範囲であることが好ましい。
【0022】
上記したブロック共重合体と有機過酸化物の混練は、一般には、ブロック共重合体の融点且つ有機過酸化物の分解温度以上の温度で公知の混練装置を使用して行われる。例えば、スクリュー押出機、バンバリーミキサー、ミキシングロールなどを用いて、160〜330℃、好ましくは、170〜300℃で混練する方法を採用することができる。また、溶融混練は、窒素ガスなどの不活性ガス気流下で行うこともできる。なお、溶融混練前に公知の混合装置、例えば、タンブラー、ヘンシェルミキサー等を使用して予備混合を行うこともできる。
【0023】
本発明における(A)成分は、上記のブロック共重合体であって、(イ)メルトインデックス7g/10min以上のものと(ロ)メルトインデックス7g/10min未満のものの(イ)/(ロ)(重量比)=0.05〜20で配合された混合物である。(イ)と(ロ)は同一組成のブロック共重合体であってもよく、また、異なる組成のブロック共重合体であっても良い。より塗装性の優れたプロピレン系樹脂組成物を得るためには、(イ)と(ロ)のMIの比率は、(イ)のMI/(ロ)のMI=2〜100の範囲であることが好ましい。
【0024】
(イ)と(ロ)の混合比率は、(イ)/(ロ)(重量比)=0.05〜20でなければならず、0.1〜15の範囲、さらには0.4〜8の範囲であることがより塗装性の優れたプロピレン系樹脂組成物が得られるために好ましい。(イ)/(ロ)の重量比が0.05未満の場合および20を超える場合は、共に十分な塗装性が得られず好ましくない。
【0025】
本発明の(A)成分は、上記した少なくとも二種の異なるMIのブロック共重合体を含んでいればよく、さらに他の成分として、上記二種のMIとは異なるMIのブロック共重合体を含んでいてもよく、また、MIは上記二種のブロック共重合体のいずれか一方と同じであるが、組成が異なるブロック共重合体を含んでいてもよい。
【0026】
次に、本発明のプロピレン系樹脂組成物の(B)成分は、プロピレン単独重合体またはエチレンに基づく単量体単位の含有量が10モル%以下であるエチレン−プロピレン共重合体が不飽和カルボン酸若しくはその無水物またはそれらの誘導体により変性された変性ポリオレフィン系樹脂である。ここで、不飽和カルボン酸またはその無水物(以下、変性剤と略称する。)とは、分子中にラジカル重合可能な不飽和結合を1個以上と、カルボキシル基または酸無水物基の少なくとも一方を1個以上有する化合物である。具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸などを挙げることができ、これらを単独であるいは組み合わせて用いることができる。これらの中では、特に無水マレイン酸、無水イタコン酸が好適に使用される。
【0027】
また、不飽和カルボン酸またはその無水物の誘導体とは、上記不飽和カルボン酸またはその無水物が有するカルボキシル基または酸無水物基に、これらの官能基と反応可能な化合物(以下、誘導剤と略称する。)が反応した化合物である。誘導剤としては、具体的には例えば、1−デカノール、1−ドデカノール等のアルコール類、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール等のジオール類、1−アミノヘキサン、1−アミノデカン等のアミン類、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン等のジアミン類、6−アミノカプロン酸、12−アミノドデカン酸等のアミノ酸類、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール等のアミノアルコール類、12−ヒドロキシステアリン酸、16−ヒドロキシヘキサデカン酸等が挙げられる。これらの内、特に、アミノアルコール類が好適に使用される。これらの誘導剤は、あらかじめ不飽和カルボン酸またはその無水物と反応させ、得られた誘導体を用いて後述のような方法で樹脂を変性しても良く、または、まず不飽和カルボン酸またはその無水物で樹脂を変性した後、誘導剤を反応させ誘導体としても良い。
【0028】
これらの不飽和カルボン酸若しくはその無水物またはそれらの誘導体で変性される樹脂としては、プロピレン単独重合体またはエチレンに基づく単量体単位の含有量が10モル%以下であるエチレン−プロピレン共重合体である。これらのなかでも変性剤の導入量を多くすることができるという理由で、エチレン−プロピレンブロック共重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体等のエチレン−プロピレン共重合体であることが好ましい。
【0029】
変性ポリオレフィン系樹脂の不飽和カルボン酸若しくはその無水物またはそれらの誘導体での変性量は特に制限されないが、得られるプロピレン系樹脂組成物の塗装性および実用的に変性可能な範囲を考慮すると、0.01〜1.2mmol/gの範囲であることが好適である。
【0030】
また、変性ポリオレフィン系樹脂の数平均分子量は特に制限されないが、1000〜60万、さらには1500〜30万の範囲であることが、得られるプロピレン系樹脂組成物の塗装性をより向上させることができるために好適である。
【0031】
変性ポリオレフィン系樹脂の調製方法は特に制限されず、公知の方法であればよいが、例えば、上記したポリオレフィン系樹脂、有機過酸化物および変性剤をヘンシェルミキサー等で予め混合した後、通常の2軸押し出し機や単軸押し出し機、バンバリーミキサー等の混練機で加熱混練する方法を挙げることができる。混練時の温度は、用いる樹脂や有機過酸化物の種類によって異なるが、一般的には160〜280℃の間である。
【0032】
この時の変性剤の配合量は、上記した変性量とするためには、変性すべき樹脂100重量部に対し0.2〜12重量部、好ましくは0.5〜5.0重量部とすることが好ましい。また、有機過酸化物としては公知の化合物を何等制限なく用いうるが、具体的には前記ブロック共重合体の分解処理に用いられるものが挙げられる。有機過酸化物の配合量は、変性剤の導入量を上記範囲とし、また、変性すべき樹脂自体の分解の進みすぎを防止するために、変性すべき樹脂100重量部に対し0.01〜3.0重量部、好ましくは0.1〜2.0重量部である。
【0033】
本発明のプロピレン系樹脂組成物の前記した(A)成分および(B)成分の配合量は、両成分の合計量を100重量%としたとき(A)成分が20〜99.5重量%、(B)成分が80〜0.5重量%でなければならない。(A)成分および(B)成分の配合量が上記範囲を外れた場合は、得られるプロピレン系樹脂組成物よりなる成形品の塗装性が十分でないために好ましくない。これら両成分の配合量は、得られるプロピレン系樹脂組成物全体に占める変性剤の量に応じて決定することが好ましく、一般には、上記変性剤の量が5×10-5〜1.0mmol/g、好ましくは5×10-4〜0.7mmol/g 、さらには4.5×10-3〜0.7mmol/gとなるように配合することが好ましい。
【0034】
上記の(A)、(B)両成分の混合は、前記したブロック共重合体と有機過酸化物との溶融混練方法をそのまま採用することができる。
【0035】
本発明のプロピレン系樹脂組成物には、必要に応じて他の樹脂が混合されても良い。他の樹脂としては、例えば、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、およびそのケン化物、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、塩素化ポリエチレン、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、水添スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、エチレン−プロピレン共重合体ゴム等が挙げられる。
【0036】
これら他の樹脂は、(A)および(B)の両成分の合計100重量部に対し250重量部以下、さらに200重量部以下であることが塗装性を良好に保持するために好適である。
【0037】
さらに、本発明で得られたプロピレン系樹脂組成物には、適宜公知の添加剤、例えば、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤等を混合しても良い。
【0038】
【発明の効果】
本発明のプロピレン系樹脂組成物は、TCEによる前洗浄を行うことなく塗装したときに、優れた塗装性を有する成形品とすることができ、このため、従来、プロピレン系樹脂の使用されて来た分野で塗装の必要がある分野に適用された場合、TCE前洗浄工程の省略によるコスト削減、環境汚染の防止等に大きく寄与する。したがって、本発明のプロピレン系樹脂組成物は、バンパー、マッドガード、インパネ用表皮材等の自動車部品、あるいは各種家電部品等の分野において好適に用いることができる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例を掲げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0040】
以下の実施例において用いた測定方法について説明する。
【0041】
1)重量平均分子量、数平均分子量、分子量1万以下の割合は、GPC(ゲルパーミェーションクロマトグラフィー)法により測定した。ウォーターズ社製GPC−150CによりO−ジクロルベンゼンを溶媒とし、135℃で行った。用いたカラムは、東ソー製TSK gel GMH6−HT、ゲルサイズ10〜15μmである。較正曲線は標準試料として重量平均分子量が950、2900、1万、5万、49.8万、270万、675万のポリスチレンを用いて作成した。
【0042】
2)プロピレン−エチレンランダム共重合体成分におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づく単量体単位のそれぞれの割合の測定方法及びポリブテン成分の割合の測定方法
13C−NMRスペクトルのチャートを用いて算出した。即ち、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分におけるエチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づく単量体単位のそれぞれの割合は、まず、ポリマー(Polymer)第29巻(1988年)1848頁に記載された方法により、ピークの帰属を決定し、次にマクロモレキュールズ(Macromolecules)第10巻(1977年)773頁に記載された方法により、エチレンに基づく単量体単位及びプロピレンに基づく単量体単位のそれぞれの割合を算出した。
【0043】
次いで、プロピレンに基づいて単量体単位中のメチル炭素に起因するピークと、ポリブテン成分中のメチル炭素に起因するピークとの積分強度比からポリブテン成分の重量と割合を算出した。
【0044】
3)ポリ1−ブテンのアイソタクティシティーの測定
13C−NMRにより測定を行い、ポリマー・ジャーナル(Polymer J.)第16巻(1984年)716〜726頁に基づいて行った。
【0045】
4)MI
JIS K7210に準じて測定した。
【0046】
5)変性ポリオレフィン系樹脂中に含まれるカルボニル基の定量
変性ポリオレフィン系樹脂をp−キシレンに溶解させた後、アセトンで再沈澱・精製した。沈澱をろ過後、減圧乾燥し、所定の方法でIR測定をした。得られた吸収特性からカルボニル基についての検量線を用いて求めた。
【0047】
6)塗膜剥離強度
射出成形により、60mm×60mm×2mm(厚み)の成形品を作成し、温度23℃、相対湿度50%で48時間以上放置した。この成形品にスプレーガンを用い、日本ビーケミカル製プライマーRB−157を厚み10〜15μmで塗布し、室温で5分間放置した。次いで、日本ビーケミカル製上塗り塗料R−271を厚み30〜35μmで塗布し、室温で10分間放置した後、温度90℃に調整されたオーブン内で30分間焼き付け処理を行った。
【0048】
塗装した成形品を温度23℃、相対湿度50%で48時間放置した後、塗膜に幅10mmの切れ込みをいれ、オートグラフで剥離速度50mm/min、180度剥離で塗膜剥離強度を測定した。
【0049】
尚、実施例では以下に示す変性ポリオレフィン系樹脂を用いた。
【0050】
◎ 変性ポリオレフィン系樹脂(1):無水マレイン酸変性エチレン−プロピレンブロック共重合体(後述の製造例6により製造したもの、無水マレイン酸含有量0.061mmol/g、エチレン含有量7.3モル%、数平均分子量41000)
◎ 変性ポリオレフィン系樹脂(2):無水イタコン酸変性エチレン−プロピレンブロック共重合体(後述の製造例7により製造したもの、無水イタコン酸含有量0.056mmol/g、エチレン含有量7.3モル%、数平均分子量40000)
◎ 変性ポリオレフィン系樹脂(3):無水マレイン酸変性プロピレンオリゴマー(三洋化成製ユーメックス1010、無水マレイン酸含有量0.49mmol/g、数平均分子量4000)
◎ 変性ポリオレフィン系樹脂(4):無水マレイン酸のアミノアルコール誘導体変性プロピレンオリゴマー(三洋化成製ユーメックス1210、無水マレイン酸誘導体含有量0.49mmol/g、数平均分子量4000)
また、ブロック共重合体は以下の製造例1−1〜5で製造したものを用いた。
【0051】
製造例1−1〜1−2
(予備重合)
攪拌機を備えた内容積1リットルのガラス製オートクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプタン400mlを装入した。反応器内温度を20℃に保ち、ジエチレングリコールジメチルエーテル0.18mmol、ヨウ化エチル22.7mmol、ジエチルアルミニウムクロライド18.5mmol、及び三塩化チタン(丸紅ソルベイ化学社製「TOS−17」)22.7mmolを加えた後、プロピレンを三塩化チタン1g当たり3gとなるように30分間連続的に反応器に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持した。プロピレンの供給を停止した後、反応器内を窒素ガスで十分に置換し、得られたチタン含有ポリプロピレンを精製ヘプタンで4回洗浄した。分析の結果、三塩化チタン1g当たり2.9gのプロピレンが重合されていた。
【0052】
(本重合)
工程1:1−ブテンの重合
攪拌機を備えた内容量1リットルのステンレス製オートクレーブ反応器を窒素ガスで十分に置換した後、ヘプタン400mlを装入した。反応器内温度を20℃に保ち、ジエチルアルミニウムクロライド18.15mmol、ジエチレングリコールジメチルエーテル0.18mmol、ヨウ化エチル22.7mmol、予備重合で得られたチタン含有ポリプロピレンを三塩化チタンとして22.7mmolを加えた後、1−ブテンを三塩化チタン1g当たり15gとなるように2時間連続的に反応器に導入した。なお、この間の温度は20℃に保持した。1−ブテンの供給を停止した後、反応器内を窒素ガスで置換し、チタン含有ポリ1−ブテン重合体を得た。分析の結果、三塩化チタン1g当たり14gの1−ブテンが重合されていた。
【0053】
工程2:プロピレンの重合及びプロピレンエチレンの共重合
2置換を施した2リットルのオートクレーブに、液体プロピレンを1リットル、ジエチルアルミニウムクロライド0.70mmolを加え、オートクレーブの内温を70℃に昇温した。チタン含有ポリ1−ブテン重合体を三塩化チタンとして0.087mmol加え、60℃で30分間のプロピレンの重合を行った。この間水素は用いなかった。次いでオートクレーブの内温を急激に55℃に降温すると同時にエチルアルミニウムセスキエトキシド(EtAl(OEt)2)0.50mmol及びメタクリル酸メチル0.014mmolの混合溶液を加え、エチレンを供給し、気相中のエチレンガス濃度が15mol%となるようにし、55℃で120分間のプロピレンとエチレンの共重合を行った。この間のエチレンガス濃度はガスクロマトグラフで確認しながら15mol%を保持した。この間水素は用いなかった。重合終了後、未反応モノマーをパージし、粒子性の重合体を得た。重合槽内及び攪拌羽根への付着は全く認められなかった。全重合体の重合倍率は6900g−ポリマー/g−三塩化チタンであった。
【0054】
また別に上記のプロピレンだけの重合を行った結果、上記60℃、30分間で、三塩化チタン1g当たり540gのプロピレンが重合されていた。この結果、ブロック共重合体中のポリブテン成分は0.20重量%、及びポリプロピレン成分は7.8重量%であることがわかる。結果を表1に示した。
【0055】
次に、得られた重合体30kgに、有機過酸化物として1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンを表2に示す割合で添加し、また、酸化防止剤を0.1phr添加し、ヘンシェルミキサーで3分間混合した後、φ65mm単軸押出機で230℃の条件で溶融混練し、表2に示したペレットを得た。
【0056】
製造例2
製造例1のプロピレンの重合に於いて、プロピレンの重合を70℃で60分間とした以外は製造例1と同様の操作を行った。別途の重合実験でこの時のプロピレンの重合倍率は1030g−PP/g−三塩化チタンであった。結果を表1に示した。さらに、製造例1と同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混練した。
【0057】
製造例3
製造例1の1−ブテンの重合において1−ブテンの導入量を三塩化チタン1g当り50gとし、さらにプロピレンの重合に於いてプロピレンの重合を70℃で60分間とし、プロピレンとエチレンの共重合を気相中のエチレンガス濃度が7.0mol%となるように行った以外は製造例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。さらに、製造例1と同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混練した。
【0058】
製造例4、5
製造例1のプロピレンの重合に於いて、プロピレンの重合を70℃で3時間、および5時間とし、プロピレンとエチレンの共重合を55℃でそれぞれ90分間、および60分間行った以外は製造例1と同様の操作を行った。別途の重合実験でこの時のプロピレンの重合倍率はそれぞれ3000g−PP/g−三塩化チタン、及び5100g−PP/g−三塩化チタンであった。結果を表1に示した。さらに、製造例1と同様にして表2に示した量の有機過酸化物と溶融混練した。
【0059】
【表1】

Figure 0003641753
【0060】
【表2】
Figure 0003641753
【0061】
製造例6
エチレン含有量7.3モル%のエチレン−プロピレンブロック共重合体100重量部、無水マレイン酸1.5重量部、および1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン0.5重量部をヘンシェルミキサーで30秒混合し、φ30mmベント付き2軸押出機で220℃の条件で溶融混練を行った。次にこれを100℃で7時間乾燥させた。得られた変性エチレン−プロピレンブロック共重合体の無水マレイン酸含有量は0.061mmol/g、数平均分子量は41000であった。
【0062】
製造例7
製造例6において、無水マレイン酸を無水イタコン酸に変えた点を除き同様にして変性エチレン−プロピレンブロック共重合体を得た。無水イタコン酸含有量は0.056mmol/g、数平均分子量は40000であった。
【0063】
実施例1〜10
製造例1〜5で得られたブロック共重合体と、変性ポリオレフィン系樹脂を表3に示す割合で3分間ヘンシェルミキサーで混合し、φ30mmベント付き2軸押出機で220℃の条件で溶融混練した。得られたプロピレン系樹脂組成物を50トン射出成形機を用いて塗装用試験片に成形し、塗装し、塗膜剥離強度を測定した。結果を表3に示した。
【0064】
比較例1〜10
製造例1〜5で得られたブロック共重合体2種類に前記変性ポリオレフィン系樹脂を添加することなく、または、ブロック共重合体1種類のみに前記変性プロピレン系樹脂を配合し実施例と同様にして得られた樹脂組成物の塗装性を評価した。配合割合、および塗膜剥離強度を表3に示した。
【0065】
【表3】
Figure 0003641753
[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a propylene-based resin composition excellent in paintability. More specifically, the present invention relates to a propylene-based resin composition with improved paintability, which can omit a pre-cleaning step with 1,1,1-trichloroethane.
[0002]
[Prior art]
In recent years, resin compositions in which a polyolefin-based soft resin is blended with polypropylene have been used for automobile bumpers, mudguards, instrument panel skins, and the like. Various polyolefin-based soft resins have been proposed. For example, JP-A-4-85487 discloses a propylene-based block copolymer comprising a polybutene component, a polypropylene component, and a propylene-ethylene copolymer component. However, it can be produced at once by polymerization, and the fluidity of the particles obtained by polymerization is shown to be excellent. JP-A-4-141334 discloses a propylene-based resin composition in which a decomposition product obtained by melt-kneading the above-mentioned propylene-based block copolymer with an organic peroxide is added to propylene, which has excellent rigidity and impact resistance. It has been shown to be excellent in workability and quality stability.
[0003]
When such a propylene-based resin composition is applied to bumpers, mudguards, etc., painting is often performed for the purpose of protecting the surface and coloring. However, in general, a polyolefin-based resin is a non-polar material and has a low affinity with a coating material. Therefore, the resin is usually washed with 1,1,1-trichloroethane (hereinafter abbreviated as TCE) steam, and then chlorinated polyolefin. After being treated with such a primer, it is painted. Even if the coating after the primer treatment is performed without performing the pre-cleaning by TCE, the coating film peeling strength which is one of the paintability indexes does not show a sufficient value. For this reason, pre-cleaning with TCE has been considered indispensable. However, this pre-cleaning by TCE is a heavy burden on the process, and since it has been decided that TCE itself will be completely abolished in 1995, the development of a technique that does not require pre-TCE cleaning is urgently required. .
[0004]
As a polyolefin resin composition that does not require pre-cleaning by TCE, a polyolefin resin, a modified polyolefin resin obtained by modifying a polyolefin resin with a monomer having a polar group such as an unsaturated carboxylic acid, Many mixtures of these have been proposed. However, even with such a mixture, the paintability of the molded product was not sufficient.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above background, an object of the present invention is to provide a propylene-based resin composition capable of obtaining a molded body having sufficient paintability even if the pre-cleaning step by TCE is omitted.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have further modified with a mixture of propylene-based block copolymers having different melt indexes with an unsaturated carboxylic acid or an anhydride thereof or a derivative thereof. By blending the modified polyolefin resin, it was found that a propylene resin composition having high paintability can be obtained without performing a pre-cleaning step by TCE, and the present invention has been completed.
[0007]
That is, the present invention is a block copolymer containing (A) a polypropylene component and a propylene-ethylene random copolymer component, wherein the polypropylene component is 1 to 70% by weight, and the propylene-ethylene random copolymer component is 99. The propylene-ethylene random copolymer component is a random copolymer containing 10 to 80 mol% of monomer units based on ethylene and 90 to 20 mol% of monomer units based on propylene. Ri Na is configured, the propylene block copolymer molecular weight of 10,000 or less component is 1.0 wt% or less 20 to 99.5 wt%,
(B) A polyolefin system in which a propylene homopolymer or an ethylene-propylene copolymer having a content of monomer units based on ethylene of 10 mol% or less is modified with an unsaturated carboxylic acid or an anhydride thereof or a derivative thereof 80-0.5 wt% resin,
(A) (b) those having a melt index of 7 g / 10 min or more and (b) those having a melt index of less than 7 g / 10 min are (b) / (b) (weight ratio) = 0.05 to 20 A propylene-based resin composition characterized by being a mixture blended in (1).
[0008]
The component (A) of the propylene-based resin composition of the present invention is a specific propylene-based block copolymer. Here, the propylene-based block copolymer (hereinafter simply referred to as “block copolymer”) is composed of a polypropylene component and a propylene-ethylene copolymer component.
[0009]
The component ratio of the polypropylene component and the propylene-ethylene random copolymer component in the block copolymer used in the present invention is 1 to 70% by weight for the polypropylene component and 99 to 30% by weight for the propylene-ethylene random copolymer component. It is.
[0010]
When the propylene component is less than 1% by weight, the strength and heat resistance of the molded product made of the block copolymer are lowered. When the proportion of the polypropylene component exceeds 70% by weight, the impact resistance of the molded product is lowered, which is not preferable. The polypropylene component is preferably in the range of 3 to 60% by weight in consideration of mechanical strength, heat resistance, impact resistance and the like.
[0011]
Furthermore, the ethylene-propylene random copolymer component is 30 to 99% by weight. When the above component is less than 30% by weight, the impact resistance is inferior, and when it exceeds 99% by weight, the mechanical properties such as strength and heat resistance of the molded product are inferior. The ethylene-propylene random copolymer component is preferably in the range of 40 to 97% by weight in consideration of impact resistance, strength, and heat resistance.
[0012]
The content ratio of the monomer unit based on ethylene and the monomer unit based on propylene in the propylene-ethylene random copolymer component is 10 to 80 mol%, preferably 15 to 60 mol% based on ethylene. Mol%. The monomer units based on propylene are 90 to 20 mol%, preferably 85 to 40 mol%. When the content ratio of the monomer unit based on ethylene is less than 10 mol% and the content ratio of the monomer unit based on propylene exceeds 90 mol%, the flexibility and impact resistance of the molded product are not sufficient, which is preferable. Absent. On the other hand, when the content ratio of the monomer unit based on ethylene exceeds 80 mol% and the content ratio of the monomer unit based on propylene is less than 20 mol%, the strength and heat resistance of the molded product are not sufficient, which is preferable. Absent.
[0013]
The block copolymer in the present invention preferably contains a polybutene component as a block component in order to improve the particle properties of the block copolymer particles. In particular, when the content of the polypropylene component is small, for example, when it is 30% by weight or less, the resulting copolymer particles tend to stick, but even in such a case, the presence of the polybutene component makes it possible to maintain good fluidity. It can be combined particles. The polybutene component is preferably contained in the range of 0.01 to 5% by weight, and more preferably in the range of 0.04 to 3% by weight in consideration of good fluidity.
[0014]
When the block copolymer used in the present invention contains a polybutene component, the polybutene component is used to prevent block copolymer particles from solidifying and to improve fluidity at high temperatures. The tacticity is preferably 0.90 or more. The isotacticity of poly 1-butene is measured by 13 C-NMR, and is a value in mm when attribution is performed based on Polymer Journal, Vol. 16 (1984), pages 716 to 726. is there.
[0015]
The block copolymer used in the present invention has a small amount of other α-olefins, as long as the physical properties of the propylene-based resin composition are not inhibited by any one or more of the polypropylene component and the propylene-ethylene random copolymer component. It may be copolymerized and contained within a range of 5 mol% or less.
[0016]
The block copolymer used in the present invention includes a so-called block copolymer molecular chain in which a polypropylene component and a propylene-ethylene random copolymer component are arranged in a single molecular chain, and a polypropylene component and a propylene-ethylene random copolymer. It is considered that the molecular chains composed of the individual components are mixed microscopically to an extent that cannot be achieved by mechanical mixing.
[0017]
The block copolymer used in the present invention is obtained as a powdery material having excellent fluidity by polymerization. This is surprising considering that a conventional propylene-ethylene random copolymer having an ethylene content similar to that of the block copolymer used in the present invention can be obtained in a lump by adhesion between particles.
[0018]
In order to obtain the block copolymer in powder form, it is preferable to reduce the amount of low molecular weight components. In the elution curve measured by gel permeation chromatography (hereinafter abbreviated as “GPC”), the block copolymer in the present invention usually has a proportion of a component having a molecular weight of 10,000 or less of 1.0% by weight or less. The powdery state can be maintained by setting the amount to 0.6% by weight or less. One method for reducing the low molecular weight component of the block copolymer can be achieved by relatively increasing the weight average molecular weight. The weight average molecular weight of the block copolymer obtained by polymerization is usually 600,000 or more, further 800,000 or more, preferably 1 million or more, more preferably 1.3 to 7 million, and most preferably 1.5 to 3 million. In addition, the weight average molecular weight in this invention is the value converted based on the analytical curve measured by GPC and calculated | required with polystyrene.
[0019]
The block copolymer used in the present invention may be obtained by any method, but it is preferably produced according to the method described in detail in JP-A-5-287035.
[0020]
The block copolymer used in the present invention is generally produced by polymerization with a relatively high molecular weight as described above, and then decomposed with an organic peroxide to give a predetermined melt index (hereinafter abbreviated as MI). )) Can be suitably employed. This decomposition treatment is easily achieved by melt-kneading the block copolymer and the organic peroxide. As the organic peroxide, known compounds can be used without any limitation, but typical examples thereof include, for example, ketone peroxides such as methyl ethyl ketone peroxide, methyl isobutyl ketone peroxide, cyclohexanone peroxide; isobutyryl peroxide. , Diacyl peroxides such as lauroyl peroxide and benzoyl peroxide; hydroperoxides such as diisopropylbenzene hydroperoxide; dicumyl peroxide, 2,5-dimethyl-2,5-di- (t-butylperoxy) hexane 1,3-bis- (t-butylperoxy-isopropyl) -benzene, di-t-butyl peroxide, 2,5-dimethyl-2,5-di- (t-butylperoxy) -hexane-3 Dialkyl par such as Peroxyketals such as 1,1-di-t-butylperoxy-3,3,5-trimethylcyclohexane, 2,2-di- (t-butylperoxy) -butane; t-butylperoxypi Examples thereof include alkyl peresters such as barate and t-butyl peroxybenzoate; percarbonates such as t-butyl peroxyisopropyl carbonate.
[0021]
The amount of the organic peroxide described above is not particularly limited, but is generally in the range of 0.001 to 5 parts by weight, further 0.002 to 3 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the block copolymer. Is preferred.
[0022]
The kneading of the block copolymer and the organic peroxide is generally performed using a known kneading apparatus at a temperature equal to or higher than the melting point of the block copolymer and the decomposition temperature of the organic peroxide. For example, a method of kneading at 160 to 330 ° C., preferably 170 to 300 ° C., using a screw extruder, a Banbury mixer, a mixing roll, or the like can be employed. The melt kneading can also be performed under an inert gas stream such as nitrogen gas. Prior to melt kneading, premixing can also be performed using a known mixing device such as a tumbler or a Henschel mixer.
[0023]
The component (A) in the present invention is the above-mentioned block copolymer, and (A) a melt index of 7 g / 10 min or more and (B) a melt index of less than 7 g / 10 min (A) / (B) ( (Weight ratio) = 0.05-20. (A) and (b) may be block copolymers having the same composition, or may be block copolymers having different compositions. In order to obtain a propylene-based resin composition with better paintability, the ratio of MI between (A) and (B) should be in the range of MI of (A) / MI of (B) = 2-100. Is preferred.
[0024]
The mixing ratio of (A) and (B) must be (A) / (B) (weight ratio) = 0.05 to 20, in the range of 0.1 to 15, and further to 0.4 to 8. It is preferable that the propylene resin composition is more excellent in paintability. When the weight ratio of (A) / (B) is less than 0.05 and exceeds 20, it is not preferable because sufficient paintability cannot be obtained.
[0025]
The component (A) of the present invention only needs to contain at least two kinds of different block copolymers of MI as described above, and as another component, a block copolymer of MI different from the above two kinds of MI is used. MI may be included, and MI is the same as one of the above two types of block copolymers, but may include block copolymers having different compositions.
[0026]
Next, the component (B) of the propylene resin composition of the present invention is a propylene homopolymer or an ethylene-propylene copolymer whose content of monomer units based on ethylene is 10 mol% or less. It is a modified polyolefin resin modified with an acid or an anhydride thereof or a derivative thereof. Here, the unsaturated carboxylic acid or an anhydride thereof (hereinafter abbreviated as a modifier) refers to one or more unsaturated bonds capable of radical polymerization in the molecule and at least one of a carboxyl group or an acid anhydride group. Is a compound having one or more of Specific examples include acrylic acid, methacrylic acid, maleic acid, fumaric acid, itaconic acid, citraconic acid, maleic anhydride, citraconic anhydride, itaconic anhydride, and the like alone or in combination. Can be used. Among these, maleic anhydride and itaconic anhydride are particularly preferably used.
[0027]
Further, the unsaturated carboxylic acid or its derivative is a compound capable of reacting with these functional groups on the carboxyl group or acid anhydride group of the unsaturated carboxylic acid or its anhydride (hereinafter referred to as an inducer and Abbreviated) is the reacted compound. Specific examples of the inducer include alcohols such as 1-decanol and 1-dodecanol, diols such as 1,6-hexanediol and 1,10-decanediol, 1-aminohexane, 1-aminodecane and the like. Amines such as 1,6-hexamethylenediamine, diamines such as 1,10-decamethylenediamine, amino acids such as 6-aminocaproic acid and 12-aminododecanoic acid, 5-amino-1-pentanol, Examples include amino alcohols such as amino-1-hexanol, 12-hydroxystearic acid, and 16-hydroxyhexadecanoic acid. Of these, amino alcohols are particularly preferably used. These inducers may be previously reacted with an unsaturated carboxylic acid or an anhydride thereof, and the resulting derivative may be used to modify the resin by the method described below. Alternatively, an unsaturated carboxylic acid or an anhydride thereof may be used first. After the resin is modified with a product, a derivative may be reacted with an inducer.
[0028]
As resins modified with these unsaturated carboxylic acids or their anhydrides or derivatives thereof, propylene homopolymers or ethylene-propylene copolymers having a content of monomer units based on ethylene of 10 mol% or less It is. Among these, an ethylene-propylene copolymer such as an ethylene-propylene block copolymer and an ethylene-propylene random copolymer is preferable because the amount of the modifier introduced can be increased.
[0029]
The amount of modification of the modified polyolefin resin with the unsaturated carboxylic acid or its anhydride or derivative thereof is not particularly limited. However, in consideration of the coating properties of the resulting propylene resin composition and the practically modifiable range, it is 0. A range of 0.01 to 1.2 mmol / g is preferable.
[0030]
In addition, the number average molecular weight of the modified polyolefin resin is not particularly limited, but the range of 1000 to 600,000, more preferably 1500 to 300,000 can further improve the paintability of the resulting propylene resin composition. It is suitable because it can be done.
[0031]
The method for preparing the modified polyolefin resin is not particularly limited and may be any known method. For example, after mixing the above-described polyolefin resin, organic peroxide and modifier with a Henschel mixer or the like in advance, The method of heat-kneading with kneading machines, such as a shaft extruder, a single screw extruder, a Banbury mixer, can be mentioned. Although the temperature at the time of kneading changes with kinds of resin and organic peroxide to be used, it is generally between 160-280 degreeC.
[0032]
In this case, the blending amount of the modifier is 0.2 to 12 parts by weight, preferably 0.5 to 5.0 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the resin to be modified in order to obtain the above-described modification amount. It is preferable. Moreover, as an organic peroxide, although a well-known compound can be used without a restriction | limiting, Specifically, what is used for the decomposition process of the said block copolymer is mentioned. The compounding amount of the organic peroxide is within the above range of the introduction amount of the modifier, and in order to prevent excessive decomposition of the resin itself to be modified, 0.01 to 3.0 parts by weight, preferably 0.1 to 2.0 parts by weight.
[0033]
The blending amounts of the component (A) and the component (B) of the propylene-based resin composition of the present invention are 20 to 99.5% by weight of the component (A) when the total amount of both components is 100% by weight. (B) A component must be 80 to 0.5 weight%. When the blending amount of the component (A) and the component (B) is out of the above range, it is not preferable because the paintability of a molded product made of the resulting propylene resin composition is not sufficient. The blending amount of these two components is preferably determined according to the amount of the modifying agent in the entire propylene-based resin composition to be obtained. Generally, the amount of the modifying agent is 5 × 10 −5 to 1.0 mmol / g, preferably 5 × 10 −4 to 0.7 mmol / g, more preferably 4.5 × 10 −3 to 0.7 mmol / g.
[0034]
For the mixing of the above components (A) and (B), the melt-kneading method of the block copolymer and the organic peroxide can be employed as it is.
[0035]
Other resins may be mixed in the propylene-based resin composition of the present invention as necessary. Examples of other resins include high density polyethylene, low density polyethylene, linear low density polyethylene, ethylene-vinyl acetate copolymer, and saponified products thereof, ethylene-methyl methacrylate copolymer, ethylene-ethyl acrylate. Examples include copolymers, chlorinated polyethylene, styrene-butadiene copolymer rubber, hydrogenated styrene-butadiene copolymer rubber, polyamide, polyvinyl chloride, and ethylene-propylene copolymer rubber.
[0036]
These other resins are preferably not more than 250 parts by weight, more preferably not more than 200 parts by weight, based on a total of 100 parts by weight of both components (A) and (B), in order to maintain good paintability.
[0037]
Furthermore, known additives such as an antioxidant, a light stabilizer, an antistatic agent and the like may be appropriately mixed with the propylene-based resin composition obtained in the present invention.
[0038]
【The invention's effect】
The propylene-based resin composition of the present invention can be formed into a molded product having excellent paintability when coated without performing pre-cleaning with TCE. For this reason, propylene-based resins have been conventionally used. When applied to a field where painting is necessary, it greatly contributes to cost reduction and prevention of environmental pollution by omitting the pre-TCE cleaning process. Therefore, the propylene-based resin composition of the present invention can be suitably used in the fields of automobile parts such as bumpers, mudguards, instrument panel skins, and various home appliance parts.
[0039]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples and comparative examples, but the present invention is not limited to these examples.
[0040]
The measurement method used in the following examples will be described.
[0041]
1) The weight average molecular weight, the number average molecular weight, and the ratio of the molecular weight of 10,000 or less were measured by a GPC (gel permeation chromatography) method. The reaction was carried out at 135 ° C. using O-dichlorobenzene as a solvent by GPC-150C manufactured by Waters. The used column is TSK gel GMH6-HT manufactured by Tosoh, gel size of 10-15 μm. The calibration curve was prepared using polystyrene having a weight average molecular weight of 950, 2900, 10,000, 50,000, 498,000, 27,000, 67 million as a standard sample.
[0042]
2) Measuring method of each ratio of monomer unit based on ethylene and monomer unit based on propylene in propylene-ethylene random copolymer component and measuring method of ratio of polybutene component
Calculation was performed using a chart of 13 C-NMR spectrum. That is, the ratio of each of the monomer unit based on ethylene and the monomer unit based on propylene in the propylene-ethylene random copolymer component is first described in Polymer Vol. 29 (1988), page 1848. By the method described in Macromolecules, Vol. 10 (1977), page 773, and the monomer unit based on ethylene and the monomer based on propylene. The percentage of each unit was calculated.
[0043]
Subsequently, the weight and ratio of the polybutene component were calculated from the integral intensity ratio between the peak due to methyl carbon in the monomer unit and the peak due to methyl carbon in the polybutene component based on propylene.
[0044]
3) Measurement of isotacticity of poly 1-butene
The measurement was performed by 13 C-NMR, and the measurement was performed based on Polymer J. Vol. 16 (1984), pages 716 to 726.
[0045]
4) MI
It measured according to JIS K7210.
[0046]
5) Determination of carbonyl group contained in modified polyolefin resin The modified polyolefin resin was dissolved in p-xylene, and then reprecipitated and purified with acetone. The precipitate was filtered, dried under reduced pressure, and IR was measured by a predetermined method. It calculated | required using the analytical curve about a carbonyl group from the obtained absorption characteristic.
[0047]
6) Coating film peel strength A molded product of 60 mm × 60 mm × 2 mm (thickness) was prepared by injection molding and left at a temperature of 23 ° C. and a relative humidity of 50% for 48 hours or more. A spray gun was used for this molded article, and a primer RB-157 manufactured by Nippon Bee Chemical Co. was applied at a thickness of 10 to 15 μm and left at room temperature for 5 minutes. Next, Nihon Bee Chemical's top coating R-271 was applied at a thickness of 30 to 35 μm, allowed to stand at room temperature for 10 minutes, and then baked for 30 minutes in an oven adjusted to a temperature of 90 ° C.
[0048]
The coated molded article was allowed to stand at a temperature of 23 ° C. and a relative humidity of 50% for 48 hours, and then the coating film was cut into a width of 10 mm, and the coating film peel strength was measured by an autograph with a peeling speed of 50 mm / min and a 180 degree peeling. .
[0049]
In the examples, the following modified polyolefin resins were used.
[0050]
Modified polyolefin-based resin (1): Maleic anhydride-modified ethylene-propylene block copolymer (manufactured according to Production Example 6 described later, maleic anhydride content 0.061 mmol / g, ethylene content 7.3 mol% , Number average molecular weight 41000)
◎ Modified polyolefin-based resin (2): Itaconic anhydride-modified ethylene-propylene block copolymer (produced according to Production Example 7 described later, itaconic anhydride content 0.056 mmol / g, ethylene content 7.3 mol% , Number average molecular weight 40000)
Modified polyolefin-based resin (3): Maleic anhydride-modified propylene oligomer (Sanyo Kasei Yumex 1010, maleic anhydride content 0.49 mmol / g, number average molecular weight 4000)
◎ Modified polyolefin-based resin (4): amino alcohol derivative-modified propylene oligomer of maleic anhydride (Yumex 1210 manufactured by Sanyo Chemical Industries, maleic anhydride derivative content 0.49 mmol / g, number average molecular weight 4000)
Moreover, what was manufactured by the following manufacture examples 1-1-5 was used for the block copolymer.
[0051]
Production Examples 1-1 to 1-2
(Preliminary polymerization)
A glass autoclave reactor equipped with a stirrer and having an internal volume of 1 liter was sufficiently replaced with nitrogen gas, and then 400 ml of heptane was charged. Keeping the temperature inside the reactor at 20 ° C., 0.18 mmol of diethylene glycol dimethyl ether, 22.7 mmol of ethyl iodide, 18.5 mmol of diethylaluminum chloride, and 22.7 mmol of titanium trichloride (“TOS-17” manufactured by Marubeni Solvay Chemical Co., Ltd.) After the addition, propylene was continuously introduced into the reactor for 30 minutes at 3 g / g titanium trichloride. The temperature during this period was kept at 20 ° C. After stopping the supply of propylene, the inside of the reactor was sufficiently replaced with nitrogen gas, and the obtained titanium-containing polypropylene was washed with purified heptane four times. As a result of analysis, 2.9 g of propylene was polymerized per 1 g of titanium trichloride.
[0052]
(Main polymerization)
Step 1: A 1 liter stainless steel autoclave reactor equipped with a 1-butene polymerization stirrer was sufficiently substituted with nitrogen gas, and then charged with 400 ml of heptane. The reactor internal temperature was kept at 20 ° C., diethylaluminum chloride 18.15 mmol, diethylene glycol dimethyl ether 0.18 mmol, ethyl iodide 22.7 mmol, titanium-containing polypropylene obtained by prepolymerization was added as titanium trichloride, and 22.7 mmol was added. Thereafter, 1-butene was continuously introduced into the reactor at 15 g per 1 g of titanium trichloride for 2 hours. The temperature during this period was kept at 20 ° C. After the supply of 1-butene was stopped, the inside of the reactor was replaced with nitrogen gas to obtain a titanium-containing poly-1-butene polymer. As a result of analysis, 14 g of 1-butene was polymerized per 1 g of titanium trichloride.
[0053]
Step 2: Polymerization of propylene and copolymerization of propylene ethylene 1 liter of liquid propylene and 0.70 mmol of diethylaluminum chloride were added to a 2-liter autoclave subjected to N 2 substitution, and the internal temperature of the autoclave was raised to 70 ° C. . 0.087 mmol of titanium-containing poly 1-butene polymer as titanium trichloride was added, and propylene was polymerized at 60 ° C. for 30 minutes. During this time, hydrogen was not used. Next, the internal temperature of the autoclave is rapidly lowered to 55 ° C., and simultaneously, a mixed solution of 0.50 mmol of ethylaluminum sesquiethoxide (EtAl (OEt) 2 ) and 0.014 mmol of methyl methacrylate is added, ethylene is supplied, The ethylene gas concentration was 15 mol%, and copolymerization of propylene and ethylene was performed at 55 ° C. for 120 minutes. During this period, the ethylene gas concentration was maintained at 15 mol% while being confirmed by a gas chromatograph. During this time, hydrogen was not used. After the polymerization was completed, the unreacted monomer was purged to obtain a particulate polymer. Adhesion in the polymerization tank and on the stirring blade was not observed at all. The polymerization rate of all the polymers was 6900 g-polymer / g-titanium trichloride.
[0054]
In addition, as a result of polymerizing only propylene, 540 g of propylene was polymerized per 1 g of titanium trichloride at 60 ° C. for 30 minutes. As a result, it can be seen that the polybutene component in the block copolymer is 0.20% by weight and the polypropylene component is 7.8% by weight. The results are shown in Table 1.
[0055]
Next, to the obtained polymer 30 kg, 1,3-bis- (t-butylperoxyisopropyl) benzene as an organic peroxide was added at a ratio shown in Table 2, and an antioxidant was added in an amount of 0.1 phr. The mixture was added and mixed for 3 minutes with a Henschel mixer, and then melt-kneaded with a φ65 mm single screw extruder at 230 ° C. to obtain the pellets shown in Table 2.
[0056]
Production Example 2
In the polymerization of propylene in Production Example 1, the same operation as in Production Example 1 was performed except that the polymerization of propylene was changed to 70 ° C. for 60 minutes. In a separate polymerization experiment, the polymerization ratio of propylene at this time was 1030 g-PP / g-titanium trichloride. The results are shown in Table 1. Further, in the same manner as in Production Example 1, it was melt-kneaded with the amount of organic peroxide shown in Table 2.
[0057]
Production Example 3
In the polymerization of 1-butene in Production Example 1, the amount of 1-butene introduced was 50 g per 1 g of titanium trichloride, and in the polymerization of propylene, the polymerization of propylene was set at 70 ° C. for 60 minutes, and propylene and ethylene were copolymerized. The same operation as in Production Example 1 was performed except that the ethylene gas concentration in the gas phase was 7.0 mol%. The results are shown in Table 1. Further, in the same manner as in Production Example 1, it was melt-kneaded with the amount of organic peroxide shown in Table 2.
[0058]
Production Examples 4 and 5
Production Example 1 except that the polymerization of propylene in Production Example 1 was carried out at 70 ° C. for 3 hours and 5 hours, and the copolymerization of propylene and ethylene was carried out at 55 ° C. for 90 minutes and 60 minutes, respectively. The same operation was performed. In a separate polymerization experiment, the polymerization ratio of propylene at this time was 3000 g-PP / g-titanium trichloride and 5100 g-PP / g-titanium trichloride, respectively. The results are shown in Table 1. Further, in the same manner as in Production Example 1, it was melt-kneaded with the amount of organic peroxide shown in Table 2.
[0059]
[Table 1]
Figure 0003641753
[0060]
[Table 2]
Figure 0003641753
[0061]
Production Example 6
100 parts by weight of ethylene-propylene block copolymer having an ethylene content of 7.3 mol%, 1.5 parts by weight of maleic anhydride, and 0.5 parts by weight of 1,3-bis- (t-butylperoxyisopropyl) benzene Was mixed with a Henschel mixer for 30 seconds, and melt kneaded at 220 ° C. with a φ30 mm vented twin screw extruder. Next, this was dried at 100 ° C. for 7 hours. The resulting modified ethylene-propylene block copolymer had a maleic anhydride content of 0.061 mmol / g and a number average molecular weight of 41,000.
[0062]
Production Example 7
A modified ethylene-propylene block copolymer was obtained in the same manner as in Production Example 6 except that maleic anhydride was changed to itaconic anhydride. The itaconic anhydride content was 0.056 mmol / g, and the number average molecular weight was 40000.
[0063]
Examples 1-10
The block copolymers obtained in Production Examples 1 to 5 and the modified polyolefin resin were mixed at a ratio shown in Table 3 for 3 minutes with a Henschel mixer, and melt-kneaded at 220 ° C. with a φ30 mm vented twin screw extruder. . The obtained propylene-based resin composition was molded into a coating specimen using a 50-ton injection molding machine, coated, and the coating film peel strength was measured. The results are shown in Table 3.
[0064]
Comparative Examples 1-10
Without adding the modified polyolefin resin to the two types of block copolymers obtained in Production Examples 1 to 5, or by adding the modified propylene resin to only one type of the block copolymer in the same manner as in the examples. The paintability of the resin composition thus obtained was evaluated. The blending ratio and coating film peel strength are shown in Table 3.
[0065]
[Table 3]
Figure 0003641753

Claims (2)

(A)ポリプロピレン成分、及びプロピレン−エチレンランダム共重合体成分を含むブロック共重合体であって、ポリプロピレン成分が1〜70重量%、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分が99〜30重量%であり、該プロピレン−エチレンランダム共重合体成分はエチレンに基づく単量体単位を10〜80モル%、プロピレンに基づく単量体単位を90〜20モル%含むランダム共重合体で構成されてなり、分子量1万以下の成分が1.0重量%以下であるプロピレン系ブロック共重合体
20〜99.5重量%、
(B)プロピレン単独重合体またはエチレンに基づく単量体単位の含有量が10モル%以下であるエチレン−プロピレン共重合体が不飽和カルボン酸若しくはその無水物またはそれらの誘導体により変性されたポリオレフィン系樹脂
80〜0.5重量%、
を含んでなり、(A)は(イ)メルトインデックス7g/10min以上のものと(ロ)メルトインデックス7g/10min未満のものが(イ)/(ロ)(重量比)=0.05〜20で配合された混合物であることを特徴とするプロピレン系樹脂組成物。
(A) A block copolymer comprising a polypropylene component and a propylene-ethylene random copolymer component, wherein the polypropylene component is 1 to 70% by weight and the propylene-ethylene random copolymer component is 99 to 30% by weight. the propylene - ethylene random copolymer component is 10 to 80 mol% of monomer units derived from ethylene, Ri Na consists of a random copolymer containing a monomer unit based on propylene 90-20 mol%, 20 to 99.5% by weight of a propylene-based block copolymer in which a component having a molecular weight of 10,000 or less is 1.0% by weight or less ,
(B) A polyolefin system in which a propylene homopolymer or an ethylene-propylene copolymer having a content of monomer units based on ethylene of 10 mol% or less is modified with an unsaturated carboxylic acid or an anhydride thereof or a derivative thereof 80-0.5% by weight of resin,
(A) (b) those having a melt index of 7 g / 10 min or more and (b) those having a melt index of less than 7 g / 10 min are (b) / (b) (weight ratio) = 0.05 to 20 A propylene-based resin composition, which is a mixture formulated with
前記ブロック共重合体(A)のポリプロピレン成分が1〜56重量%であり、プロピレン−エチレンランダム共重合体成分が99〜44重量%であることを特徴とする請求項1に記載のプロピレン系樹脂組成物。The propylene-based resin according to claim 1, wherein the block copolymer (A) has a polypropylene component of 1 to 56% by weight and a propylene-ethylene random copolymer component of 99 to 44% by weight. Composition.
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