JP3639920B2 - Manufacturing method of thermal ink jet head - Google Patents

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に複数の発熱素子を備えたサーマルインクジェットヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、サーマルインクジェット方式のプリンタが広く用いられている。このサーマルインクジェット方式は、印字のために吐出するインクの液滴形成の過程において、▲1▼発熱素子を熱してこの発熱素子上に核気泡を発生させる。▲2▼この核気泡が合体して膜気泡が生まれる。▲3▼この膜気泡が断熱膨脹して成長し周囲のインクを押し遣る。▲4▼その成長した膜気泡が周囲のインクに熱を取られて収縮する。▲5▼ついには膜気泡が消滅し、次のヒータ加熱を待つ、という一連の工程を瞬時に行うことによって成り立っている。そして上記の▲1▼〜▲3▼の工程には膜沸騰現象が利用されている。
【0003】
膜沸騰現象は、例えば鉄の焼き入れのように高温に加熱された物体を液体中に漬けた場合と、液体と接する物体の表面温度を急激に上げた場合とに発現するが、サーマルインクジェットプリンタに用いられる膜沸騰現象は後者の「液体と接する物体の表面温度を急激に上げる」方法によっている。また、このようなサーマルインクジェットヘッドにおいては、モノクロ印刷ばかりでなく、三原色のインクをそれぞれ吐出してフルカラー印刷を行う構成のものもある。
【0004】
尚、上記インク滴の吐出方向には、発熱素子の発熱面に垂直な方向に吐出する構成のものと、発熱素子の発熱面に平行な方向へ吐出する構成のものとがある。この発熱素子の発熱面に平行な方向へインク滴を吐出する構成のものは、インク滴の吐出エネルギーが比較的大きく、1ドット当り概ね8〜10μJである。
【0005】
一方、発熱素子の発熱面に垂直な方向にインク滴を吐出する構成のもののフルカラー用サーマルインクジェットヘッドの製法として、シリコンLSIと薄膜技術を利用して、複数の発熱素子と個々の駆動回路とインク吐出ノズル(オリフィス)を一括してモノリシック(monolithic)に形成する方法がある。
【0006】
この方法によれば、例えば幅が10mmのシリコンチップ上に解像度が360dpi(ドット/インチ)の印字ヘッドを作成しようとする場合は、128個の発熱素子と駆動回路とオリフィス(一般には導波管等の終端または壁面に形成されたエネルギー伝達用の孔又は窓の意に用いられてきた用語)を形成することができ、また、解像度が720dpiの場合であれば256個の発熱素子と駆動回路とオリフィスを形成することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにサーマルインクジェットヘッドを製造する後段の工程に、ポリイミドからなるオリフィス板に孔空けを行って多数のオリフィスを形成する工程がある。これには上記のポリイミド板にAl、Ni又はCuなどの金属膜を積層した後、これをパターン化し、このパターン化した金属膜をマスクにしてポリイミド板を選択的にエッチングする。
【0008】
一般に、ポリイミドに対して毎分1μm以上のエッチングを行うことができるプラズマ密度の高いヘリコン波エッチング装置によると、ポリイミドと金属膜の選択比が1/50〜1/100である。このエッチングの速度や金属膜との選択比はヘリコン波エッチングのガス条件やバイアス条件などによって変化する。
【0009】
上記のオリフィス板のポリイミドの加工の場合には、加工時間を設定して丁度オリフィスが加工された(ノズル孔がオリフィス板を貫通した)状況においてエッチングを止める必要がある。さもないと、インク滴を発熱素子の発熱面に垂直な方向に吐出する構成の、すなわち、ルーフシュータ型のサーマルインクジェットヘッドでは、オリフィスの位置に対向して形成されている発熱素子を破損する虞がある。
【0010】
上記のエッチング装置には1枚のウェハを入れてエッチングを行うが、このエッチングにおけるバラツキは、先ず、第1には、ウェハ単位で発生する。即ち1枚のウェハの各オリフィスの加工にはバラツキはないが、1枚の加工が終わり、交換した次のウェハには、1枚目のウェハと同一の加工が行われるとは限らない。次に、第2には、オリフィス板のロットの違いによりエッチングのバラツキが発生する。これは、オリフィス板の微妙な厚さの違い、微量な成分の違いが原因と考えられている。そして、第3には、エッチング装置の個体差がある。エッチング装置は一つの装置で1枚のウェハを加工する方法が主流であるが、同一特性であるべきエッチング装置にも個体差があり、エッチング状態のバラツキが発生する。
【0011】
このため、上記のエッチングのバラツキにより、オリフィスの孔開けが不十分となって孔がオリフィス板を貫通しないことがしばしば発生する。そして、この場合は、そのウェハを再び真空装置にセットしてエッチングするという非効率な作業を行っていた。
【0012】
また、他方では、上記の発熱素子の形成においても、ウェハ上に発熱抵抗体を成膜するときに、1枚のウェハ内における成膜の場所によるバラツキは殆ど無いのだが、ウェハ毎、及び成膜装置毎のバラツキが発生するという問題も有していた。
【0013】
本発明の課題は、上記従来の実情に鑑み、オリフィスの加工を確実に行うと共に発熱素子のバラツキを解消するサーマルインクジェットヘッドの製造方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
先ず、請求項1記載の発明のサーマルインクジェットヘッドの製造方法は、基板上に複数の発熱素子を設け、該発熱素子上に供給されるインクを上記発熱素子にて加熱し、上記インクと上記発熱素子の界面に気泡を発生させることにより上記発熱素子に対向して設けられたオリフィスよりインク滴を吐出するサーマルインクジェットヘッドの製造方法であって、上記発熱素子に対向して設けられたオリフィス板にオリフィス加工を行いながら、上記発熱素子の抵抗値を監視し、該監視により得られる上記抵抗値が所定の値となったとき、上記オリフィス加工を終了するように編成される。
【0015】
そして、例えば請求項2記載のように、上記抵抗値を監視される発熱素子は上記複数の発熱素子のうちの特定の発熱素子であるように編成される。
次に、請求項3記載の発明のサーマルインクジェットヘッドの製造方法は、基板上に複数の発熱素子を設け、該発熱素子上に供給されるインクを上記発熱素子にて加熱し、上記インクと上記発熱素子の界面に気泡を発生させることにより上記発熱素子に対向して設けられたオリフィスよりインク滴を吐出するサーマルインクジェットヘッドの製造方法であって、上記インクを吐出させる発熱素子とは別体の監視専用の抵抗体を上記発熱素子と同様に設け、上記発熱素子に対向して設けられたオリフィス板にオリフィス加工を行いながら、上記抵抗体の抵抗値を監視し、該監視により得られる上記抵抗値が所定の値となったとき、上記オリフィス加工を終了するように編成される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明する。
図1(a),(b),(c) 及び図2(a),(b),(c) は、一実施の形態におけるサーマルインクジェットヘッドの製造方法を工程順に示す図である。図1(a),(b),(c) はそれぞれ概略の平面図と断面図を示しており、図2(a),(b),(c) の上段はそれぞれ図1(a),(b),(c) の平面図を一部拡大して詳細に示す図であり、中段は上段のA−A′断面矢視図(同図(a) 参照)、下段は上段のB−B′断面矢視図(同図(a) 参照)である。また、図1(a),(b),(c) のそれぞれ下に示している断面図は、図2(a),(b),(c) の中段に示す断面図と同一のものである。
【0017】
尚、これらの図では、説明の便宜上、いずれもフルカラー用のサーマルインクジェットヘッドの1個の発熱ヘッド(モノクロ用インクジェットヘッドの構成と同じ)のみを示しているが、実際には後述するように、このような発熱ヘッドが複数個(通常は4個)連なった形状のものが、1個の基板(シリコンチップ)上に形成され、そのような基板が1枚のシリコンウェハ上に多数形成される。
【0018】
最初に、基本的な製造方法について説明する。先ず、工程1として、4インチ以上のシリコン基板に、LSI形成処理により電極配線を備える駆動回路とその端子を形成すると共に、厚さ1〜2μmの酸化膜を形成する。次に、工程2として、薄膜技術を用いて、Ta−Si−Oなどからなる抵抗性保護膜(発熱素子形成用の抵抗膜と下部層保護用の保護膜を兼ねている)をスパッタ技術などにより4000Åの厚みで成膜し、Al又はNiによる共通電極と個別配線電極の各電極膜を形成する。更には、W−Al(又はW−Ti、W−Si)などからなる導電性保護膜と、Auによる各電極膜を積層してもよい。
【0019】
そして、ホトリソ技術によって電極膜に(導電性保護膜が形成されている場合はその導電性保護膜も)配線部分のパターンを形成し、抵抗性保護膜にはほぼ正方形の微細な発熱部(発熱抵抗体、発熱素子)のパターンを形成する。それぞれの発熱抵抗体の抵抗を後からの調整を配慮して最終的な厚さよりも厚く、即ち抵抗値としては最終的な抵抗値よりも低い抵抗値、例えば230Ωに設定する。この工程で発熱素子の位置が決められる。
【0020】
図1(a) 及び図2(a) は、上記の工程1及び工程2が終了した直後の状態を示している。すなわち、シリコン基板1上には共通電極2、共通電極給電端子3(図1(a) 参照)、個別配線電極4、多数の発熱抵抗体(発熱素子)5、駆動回路6及び駆動回路端子7(図1(a) 参照)が形成されている。
【0021】
続いて、工程3として、個々の発熱素子5に対応するインク溝を形成すべく感光性ポリイミドなどの有機材料からなる隔壁部材をコーティングにより高さ20μm程度に形成し、これをパターン化した後に、30分〜60分、場合によって2時間、300℃〜400℃の熱を加えるキュア(乾燥硬化、焼成)を行い、キュア後の高さ10μmの上記感光性ポリイミドによる隔壁をシリコン基板上に形成・固着させる。更に、工程4として、ウェットエッチングまたはサンドブラスト法などにより上記シリコン基板の面に溝状のインク供給路を形成し、更にこのインク供給路に連通し下面に開口するインク給送孔を形成する。
【0022】
図1(b) 及び図2(b) は、上述の工程3及び工程4が終了した直後の状態を示している。すなわち、溝状のインク供給路8及びインク給送孔10が形成され、インク供給路8の左側に位置する共通電極2部分と、右方の個別配線電極4が配設されている部分、及び各発熱抵抗体5と発熱抵抗体5の間に、隔壁9(9、9−1、9−2)が形成されている。隔壁9の上記各発熱抵抗体5間に積層される部分は、個別配線電極4上の部分9−1を櫛の胴とすれば、各発熱抵抗体5間に伸び出す部分9−2は櫛の歯に相当する形状をなしている。これにより、この櫛の歯を仕切り壁として、その歯と歯の間の付け根部分に発熱抵抗体5が位置する微細なインク溝が、発熱抵抗体5の数だけ形成される。この櫛の歯の長さを変えることによりインクの流通するコンダクタンスが変わり、また隣接するインク溝を流動するインク間の干渉にも影響する。
【0023】
この後、工程5として、ポリイミドからなる厚さ10〜30μmのフィルムのオリフィス板を、その片面に接着剤としての熱可塑性ポリイミドを極薄に例えば厚さ2〜5μmにコーテングし、上記積層構造の最上層に張り付けて、隔壁9−2によって形成されたインク溝に蓋をし、これにより、個別の微細通路(インク溝坑)を形成する。そして、200〜300℃で加熱しながら加圧してオリフィス板を固着させる。続いて、Ni、Cu又はAlなどの厚さ0.5〜1μm程度の金属膜を形成する。
【0024】
更に、工程6として、オリフィス板の上の金属膜をパターン化して、ポリイミドを選択的にエッチングするマスクを形成し、続いて、オリフィス板をへリコン波エッチング装置などにより上記の金属膜マスクに従って、40μmφ〜20μmφの孔空けをして多数のノズル孔(オリフィス)を一括形成する。これについては、更に詳しく後述する。
【0025】
図1(c) 及び図2(c) は、上述した工程5と工程6が終了した直後の状態を示している。すなわち、オリフィス板11が駆動回路6と給電端子3及び7の部分を除く全領域を覆っており、上記のインク溝も上を覆われて隔壁9の厚さ10μmに対応する高さの坑状のインク溝(インク供給路)12を形成している。そして、オリフィス板11には、発熱抵抗体5に対応する部分にノズル孔(オリフィス)13がエッチングによって形成されており、これにより、1列のノズル孔13を備えたモノカラーヘッド14が完成する。
【0026】
このようにオリフィス板11を張り付けて、その後で、下地のパターンつまり発熱抵抗体5の位置に合わせてノズル孔(オリフィス)を加工することは、予めオリフィスを加工したオリフィス板を張り合わせるよりも、遥かに生産性の高い実用性のある方法である。また、ドライエッチングによる場合は、マスクはNi、Cu、又はAlなどの金属膜を使うことで樹脂と金属膜との選択比が概略100程度得られる。したがって、20〜40μmのポリイミドフィルムのエッチングには1μm以下の金属膜でマスクを形成することで十分である。
【0027】
ここまでが、ウエハの状態で処理される。そして、最後に、工程7として、ダイシングソーなどを用いてカッテングして、単位毎に個別に分割し、実装基板にダイスボンデングし、端子接続して完成する。
【0028】
尚、上記の例では駆動回路6が露出した状態で示されているが、実際には保護膜が形成されている。また、保護膜を後からわざわざ形成するのではなく、オリフィス板11を図1(c) (図2(c) も同様)の右方に延長して積層するようにして、オリフィス板11に駆動回路6の保護膜を兼用させるようにしてもよい。
【0029】
上記の1列のノズル孔13を備えたモノカラーヘッド14はモノクロ用インクジェットヘッドの構成であるが、通常フルカラー印字においては、減法混色の三原色であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の3色に、文字や画像の黒部分に専用されるブラック(Bk)を加えて合計4色のインクを必要とする。したがって、最低でも4列のノズル列が必要である。そして、上述した製造方法によれば4列の発熱ヘッドをモノリシックに構成することが可能であり、各列の位置関係も今日の半導体の製造技術により正確に配置することが可能である。
【0030】
図3(a) は上述のモノカラーヘッド14を4個横に並べてフルカラーのサーマルインクジェットヘッド15を構成した状態を示す図であり、同図(b) はサーマルインクジェットヘッド15の基板(チップ)をシリコンウエハ17上に多数形成した状態を示す図である。尚、同図(a) はオリフィス板11に駆動回路6(図1(c) 及び図2(c) 参照)の保護膜を兼用させる形式のものを示している。
【0031】
この図3(a) に示すように、サーマルインクジェットヘッド15は、やや大きな基板16上に、4個のモノカラーヘッド14(14a、14b、14c、14d)が並んで配置されて形成される。このサーマルインクジェットヘッド15は、例えば右方から左方に順に、マゼンタ、シアン、イエロー、ブラックのインクを吐出するように構成される。
このサーマルインクジェットヘッド15は、印字に際しては発熱抵抗体5(図2(a),(b) 参照)が印字情報に応じて選択的に通電され、瞬時に発熱して膜沸騰現象を発生させ、その発熱抵抗体5に対応するノズル孔13からインク滴が吐出される。このようなサーマルインクジェットヘッドではインク滴はノズル孔13の径に対応する大きさの略球形で吐出され、紙面上に略その倍の径の大きさとなって印字される。
【0032】
このようにして得られるフルカラーのインクジェットヘッドは、解像度が360dpiの場合であれば、概略8.5mm×19.0mmの大きさのチップに、128ノズル×4列=640ノズルを備えることが可能であり、また、解像度が720dpiの場合であれば、ほぼ8.5mm×19.0mmの大きさのチップの中に256ノズル×4列=1280ノズルを形成することが可能である。
【0033】
ところで、上述したサーマルインクジェットヘッド15の製造方法においては本実施の形態における特徴として、オリフィスの形成と発熱素子の発熱特性の定格化に特別の工夫が凝らされている。これによって、エッチング装置の個体毎のバラツキやオリフィス板毎のバラツキを吸収して常に安定したオリフィス加工(孔空け加工)と発熱素子の所望の抵抗値が得られ、結果として所望の発熱特性を得られるようにしている。以下に、これを説明する。
【0034】
図4(a) は、本実施の形態におけるサーマルインクジェットヘッド15を製造する工程6において形成されるオリフィス13と、これに対向する位置に形成されている発熱素子5を拡大して示す側断面図であり、同図(b) は、発熱素子5の状態を分かりやすくするためオリフィス板11を取り除いて示す平面図である。尚、同図(a),(b) には、図1〜図3を参照可能なように、図1〜図3に示した構成と同一の部分には、図1〜図3と同一の番号を付与して示している。
【0035】
本実施の形態におけるサーマルインクジェットヘッドの製造において、先ず前述した工程2では、薄膜技術によりTa−Si−Oなどからなる抵抗性保護膜がやや厚めに、すなわち4000Åに形成され(図4(a) 参照)、ホトリソ技術により発熱部(発熱素子)5が形成される(図4(b) 参照)。そして、この後、オリフィス板11が加熱圧着される。
【0036】
オリフィス板11は、本体のポリイミドフィルム11−1の下面に熱可塑性ポリイミド11−2を極薄にコーテングされ、上面にマスク用の金属膜11−3を蒸着されている。そして、この金属膜11−3のパターン化されたマスクにしたがって、ドライエッチングされる。一般に、本例で用いられるオリフィス板11の如くポリイミド材に対しては、毎分1.5μm以上のエッチング速度が得られるエッチング条件では、選択比が1/50〜1/100である。
【0037】
そして、本例では、ここで、貫通後たとえば3分程の余裕をみてオーバエッチングを行う。このオーバーエッチングは、抵抗膜(発熱抵抗体5)に対しての選択比を1/75とすると、毎分200Åであり、前述したように抵抗膜の形成時の膜厚を4000Åとすると、図4(a) に示すようにオリフィス13の直下に配置されている発熱抵抗体5の中央部には、同図(b) に示すように600Åほどの凹み5−1が形成される。つまり、部分的に抵抗膜(発熱抵抗体5)が薄くなってその抵抗値が増大する。
【0038】
図5は、抵抗膜(発熱抵抗体5)を、初期の厚さに対して1割又は2割薄く加工(オーバエッチング)したときの抵抗値の変化を示す図表である。同図に示すように、抵抗値は発熱抵抗体5とオリフィス13の大きさの関係に依存して変化し、例えば同図の1行目は、発熱抵抗体の大きさが40μm口であり、これに対向するオリフィスの径が30μmφである場合を示し、この場合に抵抗膜(発熱抵抗体5)を10%薄くすると、つまりこの例では400Å薄くすると、抵抗値が5%上昇することを示し、また、20%薄く(800Å薄く)すると、抵抗値は11%上昇することを示している。
【0039】
また、同図の2行目は、発熱抵抗体の大きさが同じ40μm口であっても、オリフィスの径が35μmφである場合は、発熱抵抗体を10%薄く(400Å薄く)すると抵抗値が8%上昇し、20%薄く(800Å薄く)すると抵抗値が15%上昇することを示している。
【0040】
これによれば、初期値を200Ωに設定してあるので、上記の1行目に示す構成の場合、241Ωから255Ωまで調整できることになる。このオーバエッチングしたときの発熱抵抗体の抵抗値の変化を利用して、本例では、ドライエッチングが終了したときオリフィスが確実にオリフィス板を貫通して形成されているようにし、また、抵抗膜の膜厚バラツキやロット間のバラツキがあっても、発熱部(発熱抵抗体)の抵抗値を所望の値に合わせて一定にしている。
【0041】
図6(a) は、エッチング装置と上記オーバエッチングしたときの発熱抵抗体5の抵抗値の変化を測定・監視しながらエッチングを実行する制御装置を模式的に示しており、同図(b) は、上記発熱抵抗体へのオーバエッチングを含むオリフィスのエッチング工程の終了までのタイミングを説明する図である。
【0042】
同図(a) に示すように、エッチング装置20内にウェハ(図3(b) 参照)を装着して、エッチング加工を行う。このとき共通電極2と1つの個別配線電極4間の発熱抵抗体5の抵抗値を、制御装置21によって監視(モニター)しながらエッチングを行う。この場合、通常、複数の発熱抵抗体5間のエッチングバラツキは発生しないことが判明しているので、これを前提にして、抵抗値をモニターする発熱抵抗体5は1つで良い。
【0043】
同図(b) に示すように、エッチングを開始した時刻t0 からオリフィス13がオリフィス板11を貫通する時刻t1 までは、発熱抵抗体5の初期抵抗値Ωu (本例では200Ω)は同図(b) の実線aに示すように変化しない。しかし、オリフィス13がオリフィス板11を貫通した瞬間から同図(b) の実線bに示すように抵抗値が変化する。そして、上記の監視(モニター)の結果、時刻t2 で発熱抵抗体5の抵抗値が所望の値である抵抗値Ωa になったとき、制御装置21はエッチング装置20にエッチングを終了させる。
【0044】
前述した工程2における抵抗成膜時の、ウェハのロット毎のバラツキは避けられないものであるが、上述した方法で、オリフィス加工時に抵抗膜の発熱部を加工することにより、発熱部の抵抗値の揃ったサーマルインクジェットヘッドを作ることが出来ると共に、エッチングが終了したときにはオリフィス13が確実にオリフィス板11を貫通して形成されている。したがって、オリフィスが貫通しないために孔の空け直しをするなどという二重の手数をかけるような不具合は発生することがない。
【0045】
尚、上記の製造方法では、駆動回路と一体で構成する例を示したが、これに限ることなく、サーマルインクジェットヘッドの部分だけ(電極配線、発熱抵抗体、隔壁、インク溝、インク孔、オリフィス等だけ)をシリコン基板またはガラス基板などの基板に形成する場合でも全く同様に適用可能である。また、上記の例では、ヘッドに使用される1つの発熱抵抗体をモニターしているが、これに限ることなく、印字用の発熱抵抗体とは別のモニター専用の抵抗体を形成してモニターするようにしても良い。
【0046】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、抵抗膜の形成を厚めに形成して発熱部の抵抗値を所望の値よりも小さく設定しておき、オリフィスのドライエッチング加工時にポリイミドに孔が貫通したとき、次いで抵抗膜の発熱部をエッチングするようにし、このエッチング時に発熱部の抵抗値を監視して、その抵抗値が所定の値になったときにドライエッチングを停止させるので、ドライエッチングの終了したときにはオリフィスが確実にオリフィス板を貫通して形成されるだけでなく、抵抗膜の膜厚バラツキがあっても発熱部の抵抗値をロット間のバラツキを含めて所望の値に合わせて一定にすることが可能となり、これにより、駆動回路の駆動条件をサーマルインクジェットヘッド毎に調整することなく一定にすることができ、したがって、チップ化した後の調整の手数がかからない、特性の揃ったサーマルインクジェットヘッドを作ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a),(b),(c) は一実施の形態におけるサーマルインクジェットヘッドの製造方法を工程順に示す概略の平面図と断面図である。
【図2】 (a),(b),(c) の上段はそれぞれ図1(a),(b),(c) の平面図を一部拡大して詳細に示す図、中段は上段のA−A′断面矢視図、下段は上段のB−B′断面矢視図である。
【図3】 (a) はモノカラーヘッドを4個横に並べてフルカラーのサーマルインクジェットヘッドを構成した状態を示す図、(b) はサーマルインクジェットヘッドのチップをシリコンウエハ上に多数形成した状態を示す図である。
【図4】 (a) は一実施形態において形成されるオリフィスと発熱素子を拡大して示す側断面図、(b) はその発熱素子の状態を分かりやすくするためオリフィス板を取り除いて示す平面図である。
【図5】抵抗膜(発熱抵抗体)を初期の厚さに対して1割又は2割薄く加工したときの抵抗値の変化を示す図表である。
【図6】 (a) はエッチング装置とオーバエッチングしたときの発熱抵抗体の抵抗値の変化を測定・監視しながらエッチングを実行する制御装置を模式的に示す図、(b) は発熱抵抗体へのオーバエッチングを含むオリフィスのエッチング工程の終了までのタイミングを説明する図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板
2 共通電極
3 共通電極給電端子
4 個別配線電極
5 発熱抵抗体(発熱素子)
6 駆動回路
7 駆動回路端子
8 インク供給路
9(9−1、9−2) 隔壁
10 インク給送孔
11 オリフィス板
13 ノズル孔(オリフィス)
14(14a、14b、14c、14d) モノカラーヘッド
15 フルカラーのサーマルインクジェットヘッド
16 基板(チップ)
17 シリコンウエハ
20 エッチング装置
21 制御装置
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a thermal ink jet head having a plurality of heating elements on a substrate.
[0002]
[Prior art]
In recent years, thermal ink jet printers have been widely used. In this thermal ink jet method, in the process of forming ink droplets to be ejected for printing, (1) a heating element is heated to generate nuclear bubbles on the heating element. (2) Membrane bubbles are formed by combining these nuclear bubbles. {Circle around (3)} This film bubble expands adiabatically and grows, pushing the surrounding ink. {Circle around (4)} The grown film bubbles are contracted by the surrounding ink taking heat. {Circle around (5)} Finally, the film bubbles disappear and the next heater heating is waited for to perform a series of steps instantaneously. The film boiling phenomenon is used in the above steps (1) to (3).
[0003]
The film boiling phenomenon occurs when an object heated to a high temperature, for example, iron quenching, is immersed in a liquid, and when the surface temperature of an object in contact with the liquid is suddenly increased. The film boiling phenomenon used in the above is based on the latter method of “raising the surface temperature of an object in contact with a liquid rapidly”. Such thermal ink jet heads include not only monochrome printing but also full-color printing by ejecting three primary color inks.
[0004]
The ink droplets are ejected in a direction in which the ink droplets are ejected in a direction perpendicular to the heat generating surface of the heat generating element and in a structure in which the ink droplets are ejected in a direction parallel to the heat generating surface of the heat generating element. In the configuration that ejects ink droplets in a direction parallel to the heat generating surface of the heat generating element, the ejection energy of the ink droplets is relatively large, and is approximately 8 to 10 μJ per dot.
[0005]
On the other hand, as a manufacturing method of a thermal ink jet head for full color, which is configured to eject ink droplets in a direction perpendicular to the heat generating surface of the heat generating element, a plurality of heat generating elements, individual drive circuits and inks are utilized by utilizing silicon LSI and thin film technology. There is a method in which discharge nozzles (orifices) are collectively formed in a monolithic manner.
[0006]
According to this method, for example, when a print head having a resolution of 360 dpi (dots / inch) is formed on a silicon chip having a width of 10 mm, 128 heating elements, a drive circuit, and an orifice (generally a waveguide) The terminology used for the energy transmission hole or window formed on the end or wall surface of the like), and if the resolution is 720 dpi, 256 heating elements and drive circuit And an orifice can be formed.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, there is a step of forming a large number of orifices by forming holes in an orifice plate made of polyimide as a subsequent step of manufacturing the thermal ink jet head as described above. For this purpose, after laminating a metal film such as Al, Ni or Cu on the above polyimide plate, this is patterned, and the polyimide plate is selectively etched using the patterned metal film as a mask.
[0008]
In general, according to a helicon wave etching apparatus having a high plasma density capable of performing etching of 1 μm or more per minute on polyimide, the selection ratio of polyimide to metal film is 1/50 to 1/100. The etching speed and the selection ratio with the metal film vary depending on the gas condition and bias condition of the helicon wave etching.
[0009]
In the case of processing the polyimide of the above orifice plate, it is necessary to set the processing time and stop the etching in a state where the orifice is just processed (nozzle hole penetrates the orifice plate). Otherwise, in a configuration in which ink droplets are ejected in a direction perpendicular to the heat generating surface of the heat generating element, that is, in the roof shooter type thermal ink jet head, the heat generating element formed facing the position of the orifice may be damaged. There is.
[0010]
Etching is performed by putting a single wafer in the above etching apparatus. First, variations in this etching occur first in wafer units. That is, there is no variation in the processing of each orifice of one wafer, but the processing of one wafer is finished, and the next processing after the replacement is not necessarily performed the same processing as the first wafer. Secondly, etching variation occurs due to the difference in orifice plate lots. This is considered to be caused by a subtle difference in the thickness of the orifice plate and a difference in a small amount of components. Third, there are individual differences in etching apparatuses. Etching apparatuses mainly process one wafer with one apparatus, but there are individual differences in etching apparatuses that should have the same characteristics, resulting in variations in etching state.
[0011]
For this reason, due to the variation in etching described above, it is often the case that the orifice is not sufficiently drilled and the hole does not penetrate the orifice plate. In this case, an inefficient operation is performed in which the wafer is again set in the vacuum apparatus and etched.
[0012]
On the other hand, in the formation of the heating element, there is almost no variation depending on the position of film formation in one wafer when the heating resistor is formed on the wafer. There is also a problem that variation occurs between the membrane devices.
[0013]
An object of the present invention is to provide a method for manufacturing a thermal ink jet head that reliably processes an orifice and eliminates variation in heating elements in view of the above-described conventional situation.
[0014]
[Means for Solving the Problems]
First, in the method of manufacturing a thermal ink jet head according to the first aspect of the present invention, a plurality of heating elements are provided on a substrate, ink supplied onto the heating elements is heated by the heating elements, and the ink and the heating are generated. A method of manufacturing a thermal ink jet head that discharges ink droplets from an orifice provided opposite to the heating element by generating bubbles at an interface of the element, wherein the orifice plate is provided opposite to the heating element. While performing the orifice machining, the resistance value of the heating element is monitored, and when the resistance value obtained by the monitoring reaches a predetermined value, the orifice machining is finished.
[0015]
For example, the heating element whose resistance value is monitored is organized so as to be a specific heating element among the plurality of heating elements.
Next, according to a third aspect of the present invention, there is provided a thermal ink jet head manufacturing method comprising: providing a plurality of heat generating elements on a substrate; heating the ink supplied on the heat generating elements with the heat generating elements; A method of manufacturing a thermal ink jet head that ejects ink droplets from an orifice provided opposite to a heating element by generating bubbles at an interface of the heating element, wherein the method is separate from the heating element that discharges the ink. A resistor dedicated for monitoring is provided in the same manner as the heating element, and the resistance value of the resistor is monitored while performing orifice processing on an orifice plate provided opposite to the heating element, and the resistance obtained by the monitoring is obtained. When the value reaches a predetermined value, the knitting is performed so as to end the orifice processing.
[0016]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
1 (a), (b), (c) and FIGS. 2 (a), (b), (c) are diagrams showing a method of manufacturing a thermal ink jet head in one embodiment in the order of steps. 1 (a), (b), and (c) show a schematic plan view and a cross-sectional view, respectively. The upper part of FIGS. 2 (a), (b), and (c) is shown in FIGS. (b), (c) is a partially enlarged view showing a part of the plan view in detail, the middle is a cross-sectional view of the upper AA 'cross section (see (a)), the lower is the upper B- It is a B 'cross-sectional view (refer to the figure (a)). The cross-sectional views shown below in FIGS. 1 (a), (b) and (c) are the same as the cross-sectional views shown in the middle of FIGS. 2 (a), (b) and (c). is there.
[0017]
In these drawings, for convenience of explanation, only one heating head of the thermal ink jet head for full color (same as the configuration of the monochrome ink jet head) is shown, but actually, as will be described later, A plurality of such heat generating heads (usually four) are formed on a single substrate (silicon chip), and a large number of such substrates are formed on a single silicon wafer. .
[0018]
First, a basic manufacturing method will be described. First, as step 1, a driver circuit having electrode wiring and its terminals are formed on a silicon substrate of 4 inches or more by LSI formation processing, and an oxide film having a thickness of 1 to 2 μm is formed. Next, as a step 2, using a thin film technique, a resistive protective film made of Ta—Si—O or the like (which serves as both a resistance film for forming a heating element and a protective film for protecting a lower layer) is sputtered. To form a film having a thickness of 4000 mm, and forming each electrode film of a common electrode and individual wiring electrodes of Al or Ni. Furthermore, a conductive protective film made of W-Al (or W-Ti, W-Si) or the like and each electrode film made of Au may be laminated.
[0019]
Then, the pattern of the wiring part is formed on the electrode film by the photolithography technique (and the conductive protective film, if a conductive protective film is formed), and the resistive protective film has a substantially square fine heating part (heating A pattern of a resistor and a heating element is formed. The resistance of each heating resistor is set to be thicker than the final thickness in consideration of later adjustment, that is, the resistance value is set to a resistance value lower than the final resistance value, for example, 230Ω. In this step, the position of the heating element is determined.
[0020]
FIG. 1A and FIG. 2A show a state immediately after the above steps 1 and 2 are completed. That is, on the silicon substrate 1, the common electrode 2, the common electrode power supply terminal 3 (see FIG. 1A), the individual wiring electrode 4, a large number of heating resistors (heating elements) 5, the drive circuit 6 and the drive circuit terminal 7. (See FIG. 1 (a)).
[0021]
Subsequently, as step 3, a partition member made of an organic material such as photosensitive polyimide is formed to have a height of about 20 μm by coating so as to form an ink groove corresponding to each heating element 5, and this is patterned, 30 minutes to 60 minutes, optionally 2 hours, curing (dry curing, baking) applying heat at 300 ° C. to 400 ° C., and forming a partition with the above-mentioned photosensitive polyimide having a height of 10 μm on the silicon substrate after curing. Secure. Further, as step 4, a groove-like ink supply path is formed on the surface of the silicon substrate by wet etching or sand blasting, and an ink feed hole which is open to the lower surface in communication with the ink supply path is formed.
[0022]
FIG. 1B and FIG. 2B show a state immediately after the above-described step 3 and step 4 are finished. That is, the groove-shaped ink supply path 8 and the ink supply hole 10 are formed, the common electrode 2 portion located on the left side of the ink supply path 8, the portion where the right individual wiring electrode 4 is disposed, and A partition wall 9 (9, 9-1, 9-2) is formed between each heating resistor 5 and the heating resistor 5. The portion of the partition wall 9 that is laminated between the heat generating resistors 5 is a portion 9-2 that extends between the heat generating resistors 5 if the portion 9-1 on the individual wiring electrode 4 is a comb body. It has a shape corresponding to the tooth. As a result, the comb teeth are used as partition walls, and as many fine ink grooves as the heat generating resistors 5 are located at the base portion between the teeth are formed. By changing the length of the comb teeth, the conductance of the ink changes, and it also affects the interference between the inks flowing in the adjacent ink grooves.
[0023]
Thereafter, as step 5, an orifice plate of a film made of polyimide having a thickness of 10 to 30 μm is coated with a thermoplastic polyimide as an adhesive on one side thereof to an extremely thin thickness of, for example, 2 to 5 μm. Affixed to the uppermost layer, the ink groove formed by the partition wall 9-2 is covered, thereby forming individual fine passages (ink groove pits). And it pressurizes, heating at 200-300 degreeC, and an orifice plate is fixed. Subsequently, a metal film having a thickness of about 0.5 to 1 μm such as Ni, Cu or Al is formed.
[0024]
Further, as step 6, a metal film on the orifice plate is patterned to form a mask for selectively etching polyimide, and then the orifice plate is subjected to the above-described metal film mask by a helicon wave etching apparatus or the like. A large number of nozzle holes (orifices) are formed at once by making holes of 40 μmφ to 20 μmφ. This will be described in more detail later.
[0025]
FIG. 1C and FIG. 2C show a state immediately after the above-described step 5 and step 6 are finished. That is, the orifice plate 11 covers the entire area except for the drive circuit 6 and the power supply terminals 3 and 7, and the ink groove is also covered on the top so that the height of the partition wall 9 corresponds to the thickness of 10 μm. Ink grooves (ink supply paths) 12 are formed. In the orifice plate 11, nozzle holes (orifices) 13 are formed by etching in portions corresponding to the heating resistors 5, thereby completing a monocolor head 14 having one row of nozzle holes 13. .
[0026]
By pasting the orifice plate 11 in this way and then processing the nozzle hole (orifice) in accordance with the position of the underlying pattern, that is, the heating resistor 5, rather than pasting the orifice plate in which the orifice has been processed in advance, It is a far more productive and practical method. In the case of dry etching, a metal / Ni film such as Ni, Cu, or Al is used as the mask, so that a selectivity ratio between the resin and the metal film is approximately 100. Therefore, it is sufficient to form a mask with a metal film of 1 μm or less for etching a polyimide film of 20 to 40 μm.
[0027]
Up to this point, the wafer is processed. Finally, as step 7, cutting is performed using a dicing saw or the like, and the unit is individually divided, die-bonded to a mounting board, and terminal-connected to complete.
[0028]
In the above example, the drive circuit 6 is exposed, but a protective film is actually formed. In addition, the protective film is not formed afterwards, and the orifice plate 11 is extended to the right side of FIG. 1 (c) (the same applies to FIG. 2 (c)) and laminated to drive the orifice plate 11. The protective film of the circuit 6 may also be used.
[0029]
The monocolor head 14 having the nozzle holes 13 in one row has a monochrome ink jet head configuration. However, in full-color printing, yellow (Y), magenta (M), cyan (subtractive three primary colors) are usually used. A total of four colors of ink are required by adding black (Bk) dedicated to the black portion of characters and images to the three colors of C). Therefore, at least four nozzle rows are necessary. According to the manufacturing method described above, the four rows of heat generating heads can be configured monolithically, and the positional relationship of each row can be accurately arranged by today's semiconductor manufacturing technology.
[0030]
FIG. 3A is a diagram showing a state in which the above-described mono-color heads 14 are arranged side by side to form a full-color thermal inkjet head 15, and FIG. 3B is a diagram showing a substrate (chip) of the thermal inkjet head 15. FIG. 6 is a view showing a state where a large number of silicon wafers 17 are formed. FIG. 6A shows a type in which the orifice plate 11 is also used as the protective film of the drive circuit 6 (see FIGS. 1C and 2C).
[0031]
As shown in FIG. 3A, the thermal inkjet head 15 is formed by arranging four monocolor heads 14 (14a, 14b, 14c, 14d) side by side on a slightly larger substrate 16. The thermal inkjet head 15 is configured to eject magenta, cyan, yellow, and black inks, for example, sequentially from right to left.
In the thermal ink jet head 15, during printing, the heating resistor 5 (see FIGS. 2A and 2B) is selectively energized according to the printing information, and instantaneously generates heat to generate a film boiling phenomenon. Ink droplets are ejected from the nozzle holes 13 corresponding to the heating resistors 5. In such a thermal ink-jet head, ink droplets are ejected in a substantially spherical shape having a size corresponding to the diameter of the nozzle hole 13, and are printed on the paper surface with a diameter that is approximately twice that of the nozzle hole 13.
[0032]
If the resolution is 360 dpi, the full-color inkjet head obtained in this way can be equipped with 128 nozzles × 4 rows = 640 nozzles on a chip of approximately 8.5 mm × 19.0 mm. In addition, if the resolution is 720 dpi, 256 nozzles × 4 rows = 1280 nozzles can be formed in a chip having a size of approximately 8.5 mm × 19.0 mm.
[0033]
By the way, in the manufacturing method of the thermal ink jet head 15 described above, as a feature in the present embodiment, a special contrivance is made in the formation of the orifice and the rating of the heat generation characteristics of the heat generating element. As a result, variations in each etching apparatus and variations in each orifice plate are absorbed, so that stable orifice processing (perforation processing) and a desired resistance value of the heating element are obtained, and as a result, desired heat generation characteristics are obtained. I am trying to do it. This will be described below.
[0034]
FIG. 4A is an enlarged side sectional view showing the orifice 13 formed in the step 6 of manufacturing the thermal ink jet head 15 in the present embodiment and the heating element 5 formed at a position facing the orifice 13. FIG. 5B is a plan view showing the state of the heating element 5 with the orifice plate 11 removed for easy understanding. In FIGS. 1A and 1B, the same parts as those shown in FIGS. 1 to 3 are the same as those shown in FIGS. A number is given.
[0035]
In the manufacture of the thermal ink jet head in the present embodiment, first, in the above-described step 2, a resistive protective film made of Ta—Si—O or the like is formed slightly thick, that is, 4000 mm by thin film technology (FIG. 4A). The heat generating part (heat generating element) 5 is formed by the photolithography technique (see FIG. 4B). Thereafter, the orifice plate 11 is heat-pressed.
[0036]
The orifice plate 11 is coated with a thermoplastic polyimide 11-2 very thinly on the lower surface of the main body polyimide film 11-1, and a mask metal film 11-3 is deposited on the upper surface. Then, dry etching is performed according to the patterned mask of the metal film 11-3. In general, with respect to a polyimide material such as the orifice plate 11 used in this example, the selection ratio is 1/50 to 1/100 under an etching condition that provides an etching rate of 1.5 μm or more per minute.
[0037]
In this example, the over-etching is performed after allowing for a margin of about 3 minutes after the penetration. This over-etching is 200 mm / min when the selection ratio with respect to the resistance film (heating resistor 5) is 1/75, and when the film thickness at the time of forming the resistance film is 4000 mm as described above, As shown in FIG. 4 (a), a recess 5-1 of about 600 mm is formed in the central portion of the heating resistor 5 arranged immediately below the orifice 13, as shown in FIG. 4 (b). That is, the resistance film (heating resistor 5) is partially thinned and the resistance value is increased.
[0038]
FIG. 5 is a chart showing a change in resistance value when the resistance film (heating resistor 5) is processed 10% or 20% thinner than the initial thickness (overetching). As shown in the figure, the resistance value changes depending on the relationship between the size of the heating resistor 5 and the orifice 13. For example, in the first row of the figure, the size of the heating resistor is a 40 μm mouth, This shows the case where the diameter of the opposed orifice is 30 μmφ. In this case, if the resistance film (heating resistor 5) is made 10% thinner, that is, 400 mm thinner in this example, the resistance value increases by 5%. In addition, when the thickness is 20% thinner (800 mm thinner), the resistance value increases by 11%.
[0039]
Also, the second line in the figure shows that even if the heating resistor has the same size of 40 μm, and the orifice diameter is 35 μmφ, the resistance value is reduced by making the heating resistor 10% thinner (400 mm thinner). It shows that the resistance value increases by 15% when it increases by 8% and thins by 20% (thickness of 800 mm).
[0040]
According to this, since the initial value is set to 200Ω, in the case of the configuration shown in the first row, it is possible to adjust from 241Ω to 255Ω. By utilizing the change in the resistance value of the heating resistor when this over-etching is performed, in this example, when dry etching is completed, the orifice is surely formed through the orifice plate, and the resistance film The resistance value of the heat generating portion (heat generating resistor) is made constant to a desired value even if there is a variation in film thickness or variation between lots.
[0041]
FIG. 6A schematically shows an etching apparatus and a control apparatus that performs etching while measuring and monitoring the change in resistance value of the heating resistor 5 when the over-etching is performed. These are figures explaining the timing until the completion | finish of the etching process of the orifice including the over-etching to the said heating resistor.
[0042]
As shown in FIG. 3A, a wafer (see FIG. 3B) is mounted in the etching apparatus 20 and etching is performed. At this time, etching is performed while monitoring (monitoring) the resistance value of the heating resistor 5 between the common electrode 2 and one individual wiring electrode 4. In this case, it has been found that the etching variation does not usually occur between the plurality of heating resistors 5. Therefore, on the assumption of this, only one heating resistor 5 for monitoring the resistance value is sufficient.
[0043]
As shown in FIG. 6B, the initial resistance value Ωu (200Ω in this example) of the heating resistor 5 is from the time t0 when the etching is started to the time t1 when the orifice 13 penetrates the orifice plate 11. It does not change as shown by the solid line a in b). However, the resistance value changes from the moment when the orifice 13 passes through the orifice plate 11 as shown by the solid line b in FIG. As a result of the above monitoring, when the resistance value of the heating resistor 5 reaches the desired resistance value Ωa at time t2, the control device 21 causes the etching device 20 to finish etching.
[0044]
Variation in wafer lots during resistance film formation in Step 2 described above is unavoidable, but the resistance value of the heat generation part is obtained by processing the heat generation part of the resistance film during orifice processing by the method described above. A thermal ink jet head having a uniform thickness can be produced, and the orifice 13 is formed so as to penetrate the orifice plate 11 when the etching is completed. Therefore, there is no problem that a double labor such as re-opening the hole because the orifice does not penetrate is caused.
[0045]
In the above manufacturing method, an example in which the drive circuit is integrated with the drive circuit has been shown. However, the present invention is not limited to this, and only the thermal ink jet head portion (electrode wiring, heating resistor, partition, ink groove, ink hole, orifice) Can be applied to a substrate such as a silicon substrate or a glass substrate. In the above example, one heating resistor used for the head is monitored. However, the present invention is not limited to this, and a monitor-dedicated resistor other than the printing heating resistor is formed for monitoring. You may make it do.
[0046]
【The invention's effect】
As described above in detail, according to the present invention, the resistance film is formed thicker and the resistance value of the heat generating portion is set to be smaller than a desired value, and the hole is formed in the polyimide during dry etching of the orifice. Then, the heat generating portion of the resistance film is etched, and the resistance value of the heat generating portion is monitored during the etching, and the dry etching is stopped when the resistance value reaches a predetermined value. When etching is completed, not only the orifice is surely formed through the orifice plate, but also the resistance value of the heat generating part is adjusted to the desired value including the lot-to-lot variation even if the film thickness of the resistance film varies. This makes it possible to keep the driving conditions of the driving circuit constant without adjusting for each thermal ink jet head. Te, not applied troublesome adjustments after chip, it is possible to make a thermal ink jet head having uniform characteristics.
[Brief description of the drawings]
FIGS. 1A, 1B, and 1C are a schematic plan view and a cross-sectional view showing a method of manufacturing a thermal ink-jet head in one embodiment in order of steps.
Fig. 2 (a), (b), (c) is an enlarged view of the top plan view of Fig. 1 (a), (b), (c). AA 'cross-sectional arrow view, the lower stage is an upper BB' cross-section arrow view.
3A is a diagram showing a state in which four monocolor heads are arranged side by side to form a full-color thermal inkjet head, and FIG. 3B is a diagram showing a state in which a large number of chips of the thermal inkjet head are formed on a silicon wafer. FIG.
4A is an enlarged side sectional view showing an orifice and a heating element formed in an embodiment, and FIG. 4B is a plan view showing an orifice plate removed for easy understanding of the state of the heating element. It is.
FIG. 5 is a chart showing a change in resistance value when a resistance film (heating resistor) is processed to be 10% or 20% thinner than the initial thickness.
6A is a diagram schematically showing a control device that performs etching while measuring and monitoring a change in resistance value of the heating resistor when overetching with the etching device, and FIG. 6B is a diagram showing a heating resistor. It is a figure explaining the timing until the completion | finish of the etching process of an orifice including the over-etching to.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Silicon substrate 2 Common electrode 3 Common electrode feeding terminal 4 Individual wiring electrode 5 Heating resistor (heating element)
6 Drive circuit 7 Drive circuit terminal 8 Ink supply path 9 (9-1, 9-2) Partition 10 Ink feed hole 11 Orifice plate 13 Nozzle hole (orifice)
14 (14a, 14b, 14c, 14d) Mono-color head 15 Full-color thermal inkjet head 16 Substrate (chip)
17 Silicon wafer 20 Etching device 21 Control device

Claims (3)

基板上に複数の発熱素子を設け、該発熱素子上に供給されるインクを前記発熱素子にて加熱し、前記インクと前記発熱素子の界面に気泡を発生させることにより前記発熱素子に対向して設けられたオリフィスよりインク滴を吐出するサーマルインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記発熱素子に対向して設けられたオリフィス板にオリフィス加工を行いながら、前記発熱素子の抵抗値を監視し、該監視により得られる前記抵抗値が所定の値となったとき、前記オリフィス加工を終了する
ことを特徴とするサーマルインクジェットヘッドの製造方法。
A plurality of heat generating elements are provided on the substrate, the ink supplied onto the heat generating elements is heated by the heat generating elements, and bubbles are generated at the interface between the ink and the heat generating elements to face the heat generating elements. A method of manufacturing a thermal ink jet head that discharges ink droplets from an orifice provided,
While performing orifice processing on an orifice plate provided facing the heating element, the resistance value of the heating element is monitored, and when the resistance value obtained by the monitoring becomes a predetermined value, the orifice processing is performed. A method for producing a thermal ink jet head, comprising: ending.
前記抵抗値を監視される発熱素子は前記複数の発熱素子のうちの特定の発熱素子であることを特徴とする請求項1記載のサーマルインクジェットヘッドの製造方法。2. The method of manufacturing a thermal ink jet head according to claim 1, wherein the heating element whose resistance value is monitored is a specific heating element among the plurality of heating elements. 基板上に複数の発熱素子を設け、該発熱素子上に供給されるインクを前記発熱素子にて加熱し、前記インクと前記発熱素子の界面に気泡を発生させることにより前記発熱素子に対向して設けられたオリフィスよりインク滴を吐出するサーマルインクジェットヘッドの製造方法であって、
前記インクを吐出させる発熱素子とは別体の監視専用の抵抗体を前記発熱素子と同様に設け、
前記発熱素子に対向して設けられたオリフィス板にオリフィス加工を行いながら、前記抵抗体の抵抗値を監視し、該監視により得られる前記抵抗値が所定の値となったとき、前記オリフィス加工を終了する
ことを特徴とするサーマルインクジェットヘッドの製造方法。
A plurality of heat generating elements are provided on the substrate, the ink supplied onto the heat generating elements is heated by the heat generating elements, and bubbles are generated at the interface between the ink and the heat generating elements to face the heat generating elements. A method of manufacturing a thermal ink jet head that discharges ink droplets from an orifice provided,
Provided in the same manner as the heating element, a resistor dedicated to monitoring, separate from the heating element that discharges the ink,
While performing the orifice processing on the orifice plate provided facing the heating element, the resistance value of the resistor is monitored, and when the resistance value obtained by the monitoring becomes a predetermined value, the orifice processing is performed. A method for producing a thermal ink jet head, comprising: ending.
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