JP3639658B2 - Beam deflector for ophthalmic examination - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対物レンズを介して被検物に検査光を照射し、かつその反射光を再び対物レンズを介し受光する眼科検査用光束偏向装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の眼科機器のコンフォーカル走査型眼底カメラのような光学装置においては、被検物に照射される検査用光束の光路が二次元に走査を行い、その反射光をその光路とほぼ同じ光路に戻し、同一の走査部材を用い再びその走査を相殺するような光束偏向手段が利用されている。より一般的には、コンフォーカル走査型の顕微鏡においても同様のものが用いられたり、又は治療用レーザー装置でその治療部位の情報をも同時に取り込むようなものにも利用が進んでいる。
【0003】
このような光束偏向器の代表例として、特表平6−501166号公報が知られている。この装置は図7に示すように、検査用光路と反射光路のクロストークを防ぐために、回転可能な第1の両面ミラー1、第2の両面ミラー2を有している。
【0004】
発光器3からの検査用光束は光軸Laに沿って進み、第1の両面ミラー1の第1面1aで反射し、ミラーレンズ4、ミラー5、ミラーレンズ6を介して第2の両面ミラー2の第1面2aで反射された後に、対物レンズ7により被検眼Eへ向けて照射される。一方、被検眼Eにおいて反射された反射光は光路Lbに沿って受光されるが、それは対物レンズ7で受光された後に、第1の第1の両面ミラー1の第2面1b、第2の両面ミラー2の第2面2bでその偏向角が相殺された形で、図示しない受光素子へ向かうように構成されている。
【0005】
即ち、対物レンズ7以外では、両光束は完全に分離した状態で偏向が行われるのである。このような光束偏向器を有する眼科装置としては、例えば米国特許公報5106184号に記載されているように、被検眼の眼圧の血管内を流れる血流速度を計測する眼底血流計が知られている。
【0006】
その測定原理を図8〜図10を用いて説明すると、光路K1上には照明光学系が配置されており、照明用光源11からの白色光束は孔あきミラー12で反射され、スリット13、レンズ14、被検眼Eの角膜の屈折力を相殺して眼底Eaを観察可能とするコンタクトレンズ15を介して、眼底Ea上の血管Evを照明する。また、孔あきミラー12の背後の光路上には、測定用のHe−Neレーザー光を発する測定用レーザー光源16が配置されており、測定用レーザー光源16からの測定光は孔あきミラー12の中央の開孔部を通り、照明用光源11からの光束と同軸にされ、スリット13、レンズ14、コンタクトレンズ15を介して眼底Eaを点状に照射する。
【0007】
血管Ev内を流れる血球及び血管壁により散乱反射された光束は、角度α’を成す光路K2、K3上に配置された立体観察用の受光光学系の対物レンズ17a、17bを通り、ミラー18a、18b、ミラー19a、19bで反射され、接眼レンズ20a、20bを介して検者により眼底像として観察され、検者は接眼レンズ20a、20bを覗いて眼底Eaを観察しながら測定部位を選択する。
【0008】
図9は検者により観察される眼底像であり、照明光により照明されている領域Io内において、測定対象となる血管Evと接眼レンズ20a、20bの焦点面に予め用意されているスケールSCとを合軸にすると、測定用レーザー光源16による測定光と血管Evが合軸となり、測定用レーザー光源16によるスポット光PSによって測定部位が決定される。このとき、眼底Eaからの反射光は光ファイバ21a、21bを介してフォトマルチプライヤ22a、22bに受光される。
【0009】
この受光信号は血管Ev内を流れる血流によりドップラーシフトした成分と、静止している血管壁で反射された成分とが、それぞれ干渉することによって生ずる所定のビート信号成分を含んでおり、このビート信号を周波数解析して血管Ev内の血流速度を求めることができる。
【0010】
図10はフォトマルチプライヤ22a、22bで測定された受光信号を周波数解析した結果の一例であり、横軸は周波数Δf 、縦軸はその出力ΔSを示している。周波数の最大シフトΔfmaxと、入射光の波数ベクトルκi 及び受光光の波数ベクトルκs と、血流の速度ベクトルυとの関係は、次の式(1) で表すことができる。
Δfmax=(κs −κi)・υ …(1)
【0011】
従って、フォトマルチプライヤ22a、22bのそれぞれの受光信号から算出された周波数の最大シフトΔfmax1 、Δfmax2 、レーザー光の波長λ、測定部位の屈折率n、眼内での受光光軸K2、K3のなす角度α、眼内で受光光軸K2、K3の作る平面と血流の速度ベクトルυとのなす角度βを用いて式(1) を変形すると、血流の最大速度Vmaxは、次式で表すことができる。
Vmax={λ/(n・α)}・|Δfmax1 −Δfmax2 |/ cosβ …(2)
【0012】
このように、2方向から計測を行うことにより測定光の入射方向の寄与が相殺され、眼底Ea上の任意の部位の血流を計測することができる。
【0013】
また、図9に示す2本の受光光路K2、K3が作る平面と眼底Eaとの交線Aと、この交線Aと血流の速度ベクトルυとのなす角βとの関係から、真の血流速度を測定するためには、式(2) においてβ=0°として、交線Aを速度ベクトルυに一致させる必要がある。このため従来例では、受光光学系全体を回転させるか又は受光光学系中にイメージローテータを配置して、光学的に一致させるような構成となっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のこの種の光束偏向手段においては、検査光と反射光が共用する対物レンズ6によるフレアを考慮する必要がある。その他の光路については、光路の分離がなされており、特に光束偏向器として作用する両面ミラーは各面が各光束に割り当てられ、そこで発生するクロストークは十分に抑制されているが、この対物レンズ6によるクロストークに対する処理も必要である。
【0015】
このことは、特に反射率の非常に低い被検物を対称とする装置にとって重要であり、その代表例は被検物が被検眼内にある眼科装置である。眼科装置においては、被検物は被検眼前眼部の中間透光体であったり眼底であり、これらの反射率は極めて低いことはよく知られている。
【0016】
本発明の目的は、反射率の低い被検眼内の被検物でも正確に測定し得る眼科検査用光束偏向装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係る眼科検査用光束偏向装置は、被検眼に対向する対物レンズと、該対物レンズを介して被検眼内の被検物の検査のために検査光を照射する照射手段と、前記対物レンズを介して前記検査光による被検物からの反射光を受光する受光手段と、該受光手段の出力に基づいて被検物の特性を算出する特性算出手段と、前記対物レンズによって作られる被検眼瞳と略共役な位置に配置し前記対物レンズの光軸に垂直な方向の軸を中心に回転する回転ミラーにより前記検査光を被検眼の所定位置に導く光束偏向器とを有する眼科検査用光束偏向装置において、 前記回転ミラーは前記検査光を反射する第1反射面と、前記対物レンズにより集光された前記反射光を反射し前記受光手段に偏向する第2反射面を有する両面ミラーであり、被検眼瞳との共役面において被検眼瞳を前記対物レンズの光軸を含む第1の領域とそれ以外の第2の領域とに分離するように配し、かつ前記両面ミラーの第1反射面で反射した前記検査光の反射方向における前記対物レンズの光軸と同軸に配した被検眼瞳を略等倍で結像する反射型リレー光学系を有し、前記検査光が前記両面ミラーの第1反射面上の前記対物レンズの光軸外の領域で反射し、前記反射型リレー光学系により再び前記両面ミラーを配した被検眼共役面の前記第2の領域に偏向し、前記両面ミラーを介さずに前記対物レンズに向かうようにすると共に、前記受光手段内の被検眼瞳と略共役な平面上における受光光束を前記受光手段の光学系光軸上に配し、前記受光手段内の被検眼瞳の瞳共役面から前記対物レンズを構成するレンズ面までを反射面とみなし、前記第2の領域を通り前記反射型リレー光学系に至る光学系において、前記瞳共役面の共役位置の光軸上に遮光部材を設けたことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明を図1〜図6に図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明を眼底血流計へ応用した実施例の構成図であり、白色光を発するタングステンランプ等から成る観察用光源31から被検眼Eと対向する対物レンズ32へ至る照明光路上には、コンデンサレンズ33、例えば黄色域の波長光のみを透過するバンドパスフィルタ付のフィールドレンズ34、被検眼Eの瞳孔とほぼ共役な位置に設けられたリングスリット35、被検眼Eの水晶体とほぼ共役な位置に設けられた遮光部材36、リレーレンズ37、光路に沿って移動自在な固視標表示用素子である透過型液晶板38、リレーレンズ39、被検眼Eの角膜近傍と共役に設けられた遮光部材40、孔あきミラー41、黄色域の波長光を透過し他の光束を殆ど反射するバンドパスミラー42が順次に配列されている。
【0020】
孔あきミラー41の背後には眼底観察光学系が構成されており、光路に沿って移動自在なフォーカシングレンズ43、リレーレンズ44、スケール板45、光路中に挿脱自在な光路切換えミラー46、接眼レンズ47が順次に配列され、検者眼eに至っている。光路切換えミラー46が光路中に挿入されているときの反射方向の光路上には、テレビリレーレンズ48、CCDカメラ49が配置されており、CCDカメラ49の出力は液晶モニタ50に接続されている。
【0021】
バンドパスミラー42の反射方向の光路上には、イメージローテータ51、紙面に垂直な方向に回転軸を有するガルバノメトリックミラー52が配置され、ガルバノメトリックミラー52の右側反射面52aの反射方向には第2のフォーカシングレンズ53が配置され、左側反射面52bの反射方向にはレンズ54、光路に沿って移動自在なフォーカスユニット55が配置されている。なお、レンズ54の前側焦点面は被検眼Eの瞳孔と共役関係にあり、この焦点面に光束偏向器である例えばガルバノメトリックミラー52が配置されている。
【0022】
また、ガルバノメトリックミラー52の後方には、光路長補償半月板56、光路中に遮光部を有する黒点板57、凹面ミラー58が配され、ガルバノメトリックミラー52の右側反射面52aで反射されず通過する光束を左側反射面52bへ導くリレー光学系を構成している。
【0023】
フォーカスユニット55においては、レンズ54と同一光路上に、ダイクロイックミラー59、集光レンズ60が順次に配列され、ダイクロイックミラー59の入射方向の光路上にはマスク61、ミラー62が配置されており、このフォーカスユニット55は一体的に矢印で示す方向に移動可能とされている。
【0024】
集光レンズ60の入射方向の光路上には、固定ミラー63、光路から退避可能な光路切換えミラー64が平列して配置され、光路切換えミラー64の入射方向の光路上には、コリメータレンズ65、コヒーレントな赤色光を発する測定用のレーザーダイオード66が配列されている。光路切換えミラー64が光路上にないときは、レーザーダイオード66からの測定光は集光レンズ60に直接入射し、光路上にあるときは光路切換えミラー64、固定ミラー63を介して集光レンズ60に入射するようになっている。更に、ミラー62の入射方向の光路上には、シリンドリカルレンズ等から成るビームエクスパンダ67、高輝度の緑色光を発するトラッキング用光源68が配列されている。
【0025】
ガルバノメトリックミラー52の右側反射面52aの反射方向の光路上には、光路に沿って移動自在なフォーカシングレンズ53、ダイクロイックミラー69、フィールドレンズ70、拡大レンズ71、イメージインテンシファイヤ付の一次元CCD72が順次に配列され、血管検出系が構成されている。
【0026】
また、ダイクロイックミラー69の反射方向の光路上には、結像レンズ73、共焦点絞り74、被検眼Eの瞳孔とほぼ共役に設けられたミラー対75a、75bが配置され、ミラー対75a、75bの反射方向にはそれぞれフォトマルチプライヤ76a、76bが配置され、測定用受光光学系が構成されている。なお、図示の都合上、全ての光路を同一平面上に示したが、ミラー対75a、75bの反射光路、トラッキング用光源68の出射方向の測定光路、レーザーダイオード66からマスク61に至る光路はそれぞれ紙面に直交している。
【0027】
更に、装置全体を制御するためのシステム制御部77が設けられ、このシステム制御部77には検者が操作する入力手段78、フォトマルチプライヤ76a、76bの出力がそれぞれ接続されており、システム制御部77の出力はガルバノメトリックミラー52を制御するミラー制御回路79、光路切換えミラー64にそれぞれ接続されている。また、ミラー制御回路79には一次元CCD72の出力が血管位置検出回路80を介して接続されている。
【0028】
使用に際して、観察用光源31から発した白色光はコンデンサレンズ33を通り、バンドパスフィルタ付のフィールドレンズ34により黄色の波長光のみが透過され、リングスリット35、遮光部材36、リレーレンズ37を通り、透過型液晶板38を背後から照明し、リレーレンズ39、遮光部材40を通って孔あきミラー41で反射され、黄色域の波長光のみがバンドパスミラー42を透過し、対物レンズ32を通り、被検眼Eの瞳孔上で眼底照明光束像Iとして一旦結像した後に、眼底Eaをほぼ一様に照明する。
【0029】
このとき、透過型液晶板38には固視標が表示されており、照明光により被検眼Eの眼底Eaに投影され、視標像として被検眼Eに呈示される。なお、リングスリット35、遮光部材36、40は、被検眼Eの前眼部において眼底照明光と眼底観察光を分離するためのものであり、必要な遮光領域を形成するものであればその形状は問題とならない。
【0030】
眼底Eaからの反射光は同じ光路を戻り、瞳孔上から眼底観察光束Oとして取り出され、孔あきミラー41の中心の開口部、フォーカシングレンズ43、リレーレンズ44を通り、スケール板45で眼底像Ea’として結像した後に、光路切換えミラー46に至る。ここで、光路切換えミラー46が光路から退避しているときは、検者眼eにより接眼レンズ47を介して眼底像Ea’が観察可能となり、一方、光路切換えミラー46が光路に挿入されているときは、スケール板45上に結像された眼底像Ea’がテレビリレーレンズ48によりCCDカメラ49上に再結像され、液晶モニタ50に映出される。
【0031】
この眼底像Ea’を接眼レンズ47又は液晶モニタ50を介して観察しながら装置のアライメントを行う。このとき、適切な目的に応じて観察方式を採用することが好適であり、接眼レンズ47による観察の場合は、一般的に液晶モニタ50等よりも高解像かつ高感度なので、眼底Eaの微細な変化を読み取って診断する場合に適している。一方、液晶モニタ50による観察の場合は、視野を制限しないので検者の疲労を軽減することができ、更にCCDカメラ49の出力を外部のビデオテープレコーダやビデオプリンタ等に接続することにより、眼底像Ea’上の測定部位の変化を遂次に電子的に記録することが可能となるので、臨床上極めて有効である。
【0032】
レーザーダイオード66を発した測定光はコリメータレンズ65によりコリメートされ、光路切換えミラー64が光路に挿入されている場合には、測定光は光路切換えミラー64、固定ミラー63でそれぞれ反射され、集光レンズ60の下方を通過し、光路切換えミラー64が光路から退避している場合には、測定光は直接集光レンズ60の上方を通過し、それぞれダイクロイックミラー59を透過する。
【0033】
一方、トラッキング用光源68から発したトラッキング光は、ビームエクスパンダ67により縦横異なる倍率でビーム径が拡大され、ミラー62で反射された後に整形用マスク61で所望の形状に整形され、ダイクロイックミラー59で反射されて上述の測定光と重畳される。このとき、測定光は集光レンズ60によりマスク61の開口部中心と共役な位置にスポット状に結像されている。
【0034】
更に、測定光とトラッキング光はレンズ54を通ってガルバノメトリックミラー52の左側反射面52bで一旦反射され、黒点板57を通った後に、凹面ミラー58において反射され、再び黒点板57、光路長補正用半月板56を通りガルバノメトリックミラー52に戻される。ここで、ガルバノメトリックミラー52は被検眼Eの瞳と共役な位置に配されており、その形状は瞳上において例えば図2の破線Mで示した非対称な形状となされている。そして、凹面ミラー58、黒点板57、光路長補償半月板56は光軸上に同心に配置され、かつ共働してガルバノメトリックミラー52の左側反射面52bと右側反射面52aとを−1倍で結像するリレー系の機能が与えられている。
【0035】
従って、光路切換えミラー64の光路中への挿入、退避により、ガルバノメトリックミラー52の像Mの裏側の図2中のP1、P1' の何れかの位置で反射された両光束は、今度はガルバノメトリックミラー52の切欠部に位置するP2、P2' の位置に戻されることになり、ガルバノメトリックミラー52で反射されることなくイメージローテータ51へ向かうことになる。イメージローテータ51を経て、バンドパスミラー42により対物レンズ32へ偏向された両光束は、対物レンズ32を介して被検眼Eの眼底Eaに照射される。なお、光路長補償半月板56はガルバノメトリックミラー52の左側反射面52b、右側反射面52aの位置がそのミラー厚によって図面上で上下方向へのずれが生ずることを補正するためのものであり、イメージローテータ51へ向かう光路中にのみ作用するが、必ずしも不可欠なものではない。
【0036】
このように、測定光とトラッキング光はガルバノメトリックミラー52の左側反射面52b内で反射されて、再び戻されるように対物レンズ32の光軸から偏心した状態でガルバノメトリックミラー52に入射が行われ、その結果として図2に示すように、瞳孔上でスポット像P2又はP2' として結像した後に眼底Eaを点状に照射している。
【0037】
眼底Eaでの散乱反射光は再び対物レンズ32で集光され、バンドパスミラー42で反射されてイメージローテータ51を通り、ガルバノメトリックミラー52の右側反射面52aで反射され、フォーカシングレンズ53を通り、ダイクロイックミラー69において測定光とトラッキング光とが波長により分離される。
【0038】
トラッキング光はダイクロイックミラー69を透過し、フィールドレンズ70、結像レンズ71により一次元CCD72上で眼底観察光学系による眼底像Ea’よりも拡大された血管像Ev' として結像する。そして、一次元CCD72で撮像された血管像Ev' に基づいて、血管位置検出回路80において血管像Ev' の移動量を表すデータが作成され、ミラー制御回路79に出力される。ミラー制御回路79はこの移動量を補償するように、ガルバノメトリックミラー52を駆動する。
【0039】
一方、測定光はダイクロイックミラー69により反射され、結像レンズ73、共焦点絞り74の開口部を経てミラー対75a、75bでそれぞれ反射され、それぞれフォトマルチプライヤ76a、76bで受光される。フォトマルチプライヤ76a、76bの出力はそれぞれシステム制御部77に出力され、この受光信号は従来例と同様に周波数解析されて眼底Eaの血流速度が求められる。
【0040】
このとき、バンドパスミラー42の分光特性のため、観察用光源31からの照明光は一次元CCD72には到達せず、その上、撮像範囲が狭く設定されているので、有害なフレア光も混入し難くなっている。この結果、一次元CCD72にはトラッキング光による血管像Ev' のみが撮像されることになる。また、血中ヘモグロビンと色素上皮上メラニンとは、緑色の波長域においてその分光反射率が大きく異なるため、トラッキング光を緑色光にすることにより、血管像Ev' をコントラス良く撮像することが可能となる。
【0041】
図2には被検眼Eの瞳孔上の各光束の配置を合わせて示してあるが、Iは黄色の照明光により照明される領域でリングスリット35の像、Oは眼底観察光束で孔あきミラー41の開口部の像、Vは測定/血管受光光束で、ガルバノメトリックミラー52の左右反射面52b、52aの有効部の像、Da、Dbは2つの測定受光光束で、それぞれミラー対75a、75bによる像である。P1、P2、P1’、P2' は測定光の入射位置で光路切換ミラー64を切換えることによって選択される測定用であるスポット像であり、鎖線で示す領域Mはガルバノメトリックミラー52の像であることは前述した通りである。
【0042】
一次元CCD72に受光される光束は、被検眼Eの瞳孔上で測定/血管受光光束Vから取り出された光束であり、この光束からミラー対75a、75bにより測定受光光束Da、Dbを通る光束を取り出して、フォトマルチプライヤ76a、76bで受光する。眼底観察光光束Oに比べて測定/血管受光光束Vを大きくしているのは、一次元CCD72の方が眼底観察光学系のCCDカメラ49よりも眼底Eaの結像倍率が大きいので、一次元CCD72上での像面照度が確保し難いためである。
【0043】
一方、光束を大きくしたことによる被検眼Eの前眼部で発生するフレア光の影響は、その受像範囲が血管受像光学系の方が小さいために問題とならない。また、測定受光光束Da、Dbの瞳孔上の間隔は血流速度計測の分解能に直接影響するが、測定/血管受光光束Vを大きくすることにより、測定受光光束Da、Dbの間隔を十分に確保することが可能となる。
【0044】
また、測定光とトラッキング光による眼底Eaでの散乱反射光の一部は、バンドパスミラー42を透過し、孔あきミラー41の背後の眼底観察光学系に導かれ、図3に示すように、トラッキング光はスケール板45上に棒状のインジケータTとして結像し、測定光はこのインジケータTの中心部にスポット像として結像する。
【0045】
これらの像は接眼レンズ47又は液晶モニタ50を介して眼底像Ea’、視標像Fと共に観察される。このとき、インジケータTの中心には図示しないスポット像P2又はP2' が重畳して観察されており、インジケータTは入力手段78の操作桿等の操作部材により、眼底像Ea’上を一次元に移動させることができる。また、視野の中心の正円はスケール板45に予め用意されているスケールSであり、インジケータTを移動できる範囲を示している。
【0046】
測定に際して、検者は先ず眼底像Ea’のピント合わせを行う。入力手段78のフォークカスノブを調節すると、図示しない駆動手段により透過型液晶板38、フォーカシングレンズ43、53、フォーカスユニット55が連動して光路に沿って移動する。眼底像Ea’のピントが合うと、透過型液晶板38、スケール板45、一次元CCD72、共焦点絞り74は同時に眼底Eaと共役になる。
【0047】
このときの共焦点絞り74は、所望の血管Evにピントを合わせるためのものであり、その作用を図4により説明する。測定対象となる眼底Ea上の血管Evの位置を測定部位S1で表し、この血管Evの後方にある脈絡膜Sc内の血管Evの位置を測定部位S2で表す。測定用のレーザーダイオード66からの光束はミラー81に下方から入射し、左右方向へ反射されて測定部位S1を照射する。測定部位S1での反射光は、ミラー対75a、75bと同等の受光方向を決定する機能を有する開口82を通過して、レンズ83により測定部位S1に共役とされ、小孔84を通過した後に図示しないフォトマルチプライヤへ受光される。上述の光学系では、点線で示す測定部位S2での反射光は、実線で示す測定部位S1で反射された光束と同様にレンズ83により結像されるが、小孔84を通ることができないためフォトマルチプライヤで受光されることはない。
【0048】
このように本実施例では、上述の小孔84と同様の機能を有する共焦点絞り74を設け、特定の深さにある血管Evでの反射光のみをフォトマルチプライヤ76a、76bに受光させることにより、所望の血管Evの血流速度を計測することが可能となる。実際の検査においては、検者は図3に示す眼底像Ea’上のフォーカス状態を見ながら測定対象となる血管Evの深さを設定し、眼底像Ea’のピントを合わせる。
【0049】
ピント合わせが終了した後に、検者は入力手段78を操作して視標像Fを移動し、被検眼Eの視線を誘導して観察領域を変更し、測定対象とする血管Evをスケール板45のスケールS内へ移動する。そして図5に示すように、入力手段78によりイメージローテータ51を操作してインジケータTを回転し、測定対象とする血管Evの走行方向に対してインジケータTが垂直になるようにする。
【0050】
このとき、眼底観察光はイメージローテータ51を通過していないために、インジケータTのみが回転するように認識される。この結果、図2に示した瞳孔上の各光学部材の像も原点を中心に同じ方向に同じ角度回転し、測定受光光束Da、Dbの中心を結んだ直線とスポット像P2、P2' の中心を結んだ直線、即ちx軸は血管Evの走行方向に一致する。
【0051】
この操作は従来例で述べた速度算出のための(2) 式において、β=0°としたことに相当し、β=0°とすることにより、次の(a) 〜(c) の利点が生ずる。
【0052】
(a) (2) 式からβ=90°即ち cosβ=0となった場合には、最大周波数シフトΔfmax1 とΔfmax2 だけから最大血流速度Vmaxの絶対値を求めることができなくなるが、β=0°となるように眼底像Ea’を回転することにより、測定不能位置を回避することができる。
【0053】
(b) 角度βを測定する必要がなくなるために、誤差要因が減り操作が簡略化される。
【0054】
(c) 従来例で述べたように、血流速度は血管壁からの散乱反射光と血液中の散乱反射光との干渉信号から求めているので、測定中にx軸方向に眼底Eaが移動しても、血管Evをx軸方向にほぼ平行にしておけば測定結果は影響されない。
【0055】
一方、x軸と直交するy軸方向に眼底Eaが移動した場合には、レーザーダイオード66からの測定光が測定部位の血管Evから逸脱して測定値が不安定になるが、その場合はy軸方向についてのみ血管Evの移動量を検知すればよく、本実施例ではダイクロックミラー59の背後の血管検出系とガルバノメトリックミラー52により、この一方向のみのトラッキングを行っている。
【0056】
このトラッキングを行って、全ての被検血管Evについて精度良くかつ迅速に血流速度を測定するためには、血管像Ev’の移動量を検知する一次元CCD72を測定対象となる血管Evに垂直に配置するとよく、更にβ=0°とすることにより二次元センサを使用する必要がなくなるという利点も生ずる。
【0057】
本実施例では、トラッキング光の長手方向に一次元CCD72の素子が配列されており、図5に示すように測定部位の角度合わせが終了している場合は、トラッキング光を示すインジケータTの長手方向は測定血管Evの走行方向と直交しているので、血管検出系の一次元CCD72にはインジケータTで指示された眼底像Ea’が拡大して撮像されている。
【0058】
角度合わせが終了した後に入力手段78を操作して、図6に示すようにインジケータTを矢印で示す方向に移動し、トラッキング光に重畳しているスポット像を測定部位に合致させて測定部位を選択する。そして、測定部位を決定した後に再び入力手段78を操作して、トラッキングの開始を入力する。
【0059】
入力手段78からシステム制御部60を介してトラッキング開始の指令がミラー制御回路79に入力されると、血管位置検出回路80において、一次元CCD72の受光信号に基づいて血管像Ev’の一次元基準位置からの移動量が算出される。そして、ミラー制御回路79によりこの移動量に基づいてガルバノメトリックミラー52が駆動され、一次元CCD72上の血管像Ev' の受像位置が一定になるように制御される。
【0060】
測定光とトラッキング光が被検眼Eの前眼部を通過する際に、前眼部において散乱光が発生するが、このとき入射側と受光側それぞれの光束が前眼部で重畳すると受光側にフレア光が生ずることは、一般の眼底カメラでよく知られている。従って、本実施例においても、測定光及びトラッキング光の入射光と受光光との重畳がフレア光が発生する原因の1つになる。
【0061】
しかし、図2に示すように被検眼Eの瞳孔上において、入射光は原点から偏心しているガルバノメトリックミラー52の切欠部を通過して眼底Eaを照射しており、一方で受光光は原点を中心とする測定/血管受光光束の瞳Vを通過し、ガルバノメトリックミラー52の右側反射面52aで反射されて受光される。このように、ガルバノメトリックミラー52により瞳孔上で入射光と反射光とが完全に分離されているので、本実施例においてはフレア光の発生を回避することができる。
【0062】
このように、1個の両面研磨されたガルバノメトリックミラー52の左右反射面52b、52aを使って、被検眼Eの眼底Eaへの入射光の入射位置と、眼底Eaから反射される受光光の受光位置の制御を行うことにより、単一の制御信号により両光束を完全に分離した状態で位置制御を行い、光束が照射されている眼底Ea上の部位を確実に受光/受像することができる。この結果、トラッキングの制御機構が簡素化され、装置を小型かつ安価に構成することが可能となり、更に入射光と受光光間のクロストークを大幅に軽減できるので、測定精度を向上させることが可能となる。
【0063】
また、測定光、トラッキング光による入射光と眼底観察光との重畳もフレア光の発生する原因となる。本実施例においては、測定光は被検眼Eの瞳孔上で原点から偏心しているスポット像P2、P2' を通過するようにし、トラッキング光はスポット像P2、P2' を含むy軸方向に長手方向を有する棒状の領域から入射してy軸方向に移動するようにしている。いま、両光束による瞳孔上のスポット像P2、P2' の原点からのx軸、y軸方向の変位をそれぞれx、yとしたときに、x>>yとなるようにスポット像P2、P2' の位置をy軸方向に比べてx軸方向に大きく偏心させることにより、両光束がy軸方向に移動しても眼底観察光光束Oに重ならないようにしている。
【0064】
ここで、y軸方向への変位yは、ガルバノメトリックミラー52の左右反射面52b、52aで光束が別々に反射させるために生ずるものであり、そのフレア光が発生しない最小値をymin とする。そして、ymin が決定された後に、測定光、トラッキング光が可動範囲の全ての位置において、眼底照明光学系に設けられたリングスリット35、遮光部材36、40が形成する遮光領域と重ならないようなx軸方向の変位xをxmin とする。
【0065】
R2 =xmin2+ymin2で定義される測定に必要な被検眼Eの瞳孔径Rは、できる限り小さいことが望ましく、本実施例においては、瞳孔径Rを最小とするためにトラッキング方向は一次元のみに限定し、測定光、トラッキング光の入射位置x、yを被検眼Eの瞳上において、ymin ≒y<<xmin ≒xとなるように設定している。
【0066】
従来例の場合はトラッキングを二次元で行っているために、ymin <<xmin ≒x≒yとしなければならず、必然的に測定可能な瞳孔径Rの下限は大きくなる。これに対し本実施例では、上述のように十分に小さな瞳孔径Rの被検眼Eにおいても測定が可能であり、眼底観察光学系、測定光学系、血管検出系において、測定光、トラッキング光により被検眼Eの前眼部に生ずるフレア光の発生も回避することができる。
【0067】
もう1つのノイズとして、測定光、トラッキング光の対物レンズ32による反射光の存在が考えられる。これは、両光束の対物レンズ32の両面からの反射戻り光が、図2の測定/血管受光光束の瞳Vへ混入するノイズ光である。
【0068】
本実施例では、これを除去するための測定光、トラッキング光が、ガルバノメトリックミラー52の左側反射面52b、52aで偏向された後の光路中に、光軸上に上遮光領域を有する黒点板57が設けられている。その遮光領域の位置と大きさは次のように決定される。即ち、受光瞳Vを仮想物体として把え、これをガルバノメトリックミラー52の右側反射面52aに想定する。そして、イメージローテータ51、バンドパスミラー42を経由して、対物レンズ32の何れかの一面で反射し、再びバンドパスミラー42、イメージローテータ51、光路長補償用半月板56を経由して凹面鏡48で反射し、ガルバノメトリックミラー52に戻る光学系によって、その仮想物体の結像する位置と大きさをその遮光領域の基準としている。
【0069】
このように構成することにより、両光束がガルバノメトリックミラー52に対し何れの方向に偏向されていても、受光瞳Vへ混入することを防止できることになる。ここで重要なことはイメージローテータ51の存在であって、受光瞳Vの像はイメージローテータ51の回転により、その回転面の2倍回転する。従って、仮に受光瞳Vがその光軸上に存在しないとすると、遮光しなくてはならない領域は、その偏心によって生ずる移動領域の全てをカバーしなくてはならず、必然的に大きくなってしまう。
【0070】
本実施例では、これを避けるために受光瞳Vは光軸上に設けられているが、このためにガルバノメトリックミラー52の形状が図2に示すようにその光軸とスポット像P2、P2' をカバーするような特殊な形状となされている。また、本実施例においては、構造の単純化のため、対物レンズ32の第1面、第2面のそれぞれの反射光を除去するための遮光部材を平行平面板の第1面、第2面のそれぞれに設け、単一部材により2つの反射光を除去する構成としている。
【0071】
検者はトラッキング開始を確認した後に、入力手段78の測定スイッチを押して測定を開始する。システム制御部77により光路切換えミラー64が光路に挿入され、先ず被検眼Eの瞳孔上のスポット像P1、P1' の位置から入射した光束がフォトマルチプライヤ76a、76bに受光され、この受光信号がシステム制御部77に取り込まれ、最大周波数シフト|Δfmax1 |、|Δfmax2 |が求められる。ここで、|Δfmax1 |、|Δfmax2 |はそれぞれフォトマルチプライヤ76a、76bからの出力信号の処理結果である。
【0072】
このとき、入射される光束はスポット像P1、P1' に位置し、測定受光光束Da、Dbに対し十分に変位した位置に設けられているため、通常であれば最大速度Vmaxは従来例の式(2) において、 cosβ=1とし、Vmax={λ/(n・α)}・||Δfmax1 |−|Δfmax2 ||によって求められるが、眼底Ea上の血管Evの位置によっては、真の流速はVmax={λ/(n・α)}・||Δfmax1 |+|Δfmax2 ||としなくてはならない場合も存在する。本実施例では、初めに仮測定として、この状態で先の式(2) による最大速度Vmaxを算出した後に、システム制御部77により光路切換えミラー64を光路中から退避し、被検眼Eの瞳孔上のスポット像P1、P2' の位置から光束を入射させて測定を行う。
【0073】
瞳孔上のスポット像P2、P2' の位置は、図2に示すように他方のスポット像P1、P1' の中心を通り、測定受光光束Da、Dbの中心を結んだ直線と平行な直線上に中心を持つように配置されるが、特に本実施例ではスポット像P1、P1' とP2、P2' の間隔は測定受光光束Da、Dbの中心間の距離よりも大きく、かつ2つの直線の中点を結ぶ直線がそれぞれの中心を結んだ直線と直交するように選択されている。
【0074】
入射光位置をスポット像P1、P1' から、このように選択したスポット像P2、P2' に切換えた後に、再びシステム制御部77は2つのフォトマルチプライヤ76a、76bから信号を取り込み、それぞれの最大周波数シフト|Δfmax1'|、|Δfmax2'|を算出し、式(2) に従って最大速度Vmaxを算出する。
【0075】
このときの最大速度VmaxをVmax’とおくと、入射光を上述のように選択することによって、最大周波数シフト|Δfmax1 |と|Δfmax2 |との符号が切換わる図10に示す角φi の領域と、最大周波数シフト|Δfmax1'|と|Δfmax2'|との符号が切換わる領域を分離することができ、かつ符号が切換わらない領域においてはVmax≒Vmax’となる。また、最大速度VmaxかVmax’の一方の符号が切換わる領域においては、(符号の切換えがない側)>(符号の切換えがある側)という関係を作り出すことが可能となる。
【0076】
従って、システム制御部77はこの2つの最大速度VmaxとVmax’を比較することにより、真の最大流速を求めるための適切な光束の入射方向を決定し、この情報により光路切換えを適切な状態にして本測定を行うように制御する。本測定は適当な時間間隔で、最大速度Vmax又はVmax’の算出を繰り返して継続的に行う。
【0077】
本実施例においては、最大速度VmaxとVmax’を本測定前に判断する方式を示したが、本測定前に最大速度Vmax、Vmax’を測定算出して符号の反転の有無をチェックし、これによって自動的に式(2) の演算の符号を逆転するといったソフトウェアによる対応も可能である。
【0078】
以上の説明においては、本発明を眼底Ea上の血流を測定する眼底血流計について行ったが、血流速度の他に、血管位置や血管径も同時に計測をするような眼科装置に応用することも可能である。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る眼科検査用光束偏向装置によれば、用意した遮光部材は光束偏光器である両面ミラー以後に、かつ照射光束光路中に設置したため、その対物レンズとの相対位置は両面ミラーの偏向角によらず、その配置を一義的に定めることが可能である。また、リレー光学系は対物レンズと共軸であり、かつ受光系の瞳も軸上領域であるため、遮光領域を軸対称に配置可能となり、極小化することが可能となる。このことによって、照射光束がけられることなく、被検物上を自由に照射することが可能となる。
【0080】
また、反射光の光路を対物レンズの光軸上に設定し、かつリレー光学系を共軸系とすることにより、対物レンズによって発生するフレアの発生する領域をリレー系の光軸上のごく小領域に限定させ、そこに遮光手段を設けることにより、対物レンズにより発生するフレアを効率良く抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光束偏向装置を有する眼底血流計の構成図である。
【図2】瞳上の光束配置図である。
【図3】検者視野の説明図である。
【図4】コンフォーカル絞りの説明図である。
【図5】検者視野の説明図である。
【図6】検者視野の説明図である。
【図7】従来例の光束偏向器の説明図である。
【図8】測定原理の説明図である。
【図9】眼底像の説明図である。
【図10】受信信号のグラフ図である。
【符号の説明】
31 観察用光源
41 孔あきミラー
42 バンドパスミラー
49 CCDカメラ
50 液晶モニタ
51 イメージローテータ
52 ガルバノメトリックミラー
55 フォーカスユニット
56 光路長補償半月板
58 凹面ミラー
59、69 ダイクロイックミラー
66 レーザーダイオード
68 トラッキング用光源
72 一次元CCD
76a、76b フォトマルチプライヤ
77 システム制御回路
80 血管位置検出回路[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a light beam deflecting device for ophthalmic examination that irradiates a test object with an inspection light through an objective lens and receives the reflected light through the objective lens again.
[0002]
[Prior art]
In an optical apparatus such as a confocal scanning type fundus camera of an ophthalmic apparatus in recent years, an optical path of an inspection light beam irradiated on an object to be scanned is two-dimensionally scanned, and the reflected light is made almost the same optical path as the optical path. Returning, a light beam deflecting means that uses the same scanning member and cancels the scanning again is used. More generally, a confocal scanning microscope is also used in the same manner, or has been used for a treatment laser apparatus that simultaneously captures information on a treatment site.
[0003]
Japanese Unexamined Patent Publication No. 6-501166 is known as a typical example of such a beam deflector. As shown in FIG. 7, this apparatus has a rotatable first double-
[0004]
The inspection light beam from the
[0005]
That is, except for the objective lens 7, the two light beams are deflected in a completely separated state. As an ophthalmologic apparatus having such a light beam deflector, for example, a fundus blood flow meter for measuring a blood flow velocity flowing in a blood vessel of intraocular pressure of a subject eye is known as described in US Pat. No. 5,106,184. ing.
[0006]
The measurement principle will be described with reference to FIGS. 8 to 10. An illumination optical system is disposed on the optical path K1, and the white light beam from the
[0007]
The blood cells flowing in the blood vessel Ev and the light flux scattered and reflected by the blood vessel wall pass through the
[0008]
FIG. 9 is a fundus image observed by the examiner. In the region Io illuminated by the illumination light, the blood vessel Ev to be measured and the scale SC prepared in advance on the focal plane of the
[0009]
This received light signal includes a predetermined beat signal component generated by interference between a component that is Doppler shifted by the blood flow flowing in the blood vessel Ev and a component reflected by the stationary blood vessel wall. The blood flow velocity in the blood vessel Ev can be obtained by frequency analysis of the signal.
[0010]
FIG. 10 shows an example of the result of frequency analysis of the received light signals measured by the
Δfmax = (κs −κi) ・ υ (1)
[0011]
Accordingly, the maximum frequency shifts Δfmax1 and Δfmax2 calculated from the received light signals of the
Vmax = {λ / (n · α)} · | Δfmax1−Δfmax2 | / cosβ (2)
[0012]
Thus, by measuring from two directions, the contribution of the incident direction of the measurement light is canceled out, and the blood flow in any part on the fundus oculi Ea can be measured.
[0013]
From the relationship between the intersection A between the plane formed by the two light receiving optical paths K2 and K3 shown in FIG. 9 and the fundus oculi Ea, and the angle β between the intersection A and the blood flow velocity vector υ, In order to measure the blood flow velocity, it is necessary to set β = 0 ° in the equation (2) and make the intersection line A coincide with the velocity vector υ. For this reason, in the conventional example, the entire light receiving optical system is rotated or an image rotator is arranged in the light receiving optical system so as to be optically matched.
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
However, in this kind of light beam deflecting means described above, it is necessary to consider the flare caused by the
[0015]
This is particularly important for an apparatus that makes a test object having a very low reflectance symmetrical, and a typical example is an ophthalmic apparatus in which the test object is in the eye. In the ophthalmologic apparatus, the test object is an intermediate translucent body or fundus of the anterior eye part of the test eye, and it is well known that the reflectance thereof is extremely low.
[0016]
An object of the present invention is to provide a light beam deflecting device for ophthalmic examination that can accurately measure an object in an eye to be examined with low reflectance.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a light beam deflecting device for ophthalmic examination according to the present invention irradiates an inspection lens for inspecting an object in an eye to be examined through an objective lens facing the eye to be examined. An irradiating means, a light receiving means for receiving reflected light from the test object by the inspection light through the objective lens, a characteristic calculating means for calculating a characteristic of the test object based on an output of the light receiving means, Light beam deflection that guides the examination light to a predetermined position of the eye to be examined by a rotating mirror that is arranged at a position substantially conjugate with the eye pupil to be examined created by the objective lens and rotates around an axis perpendicular to the optical axis of the objective lens. In the ophthalmic examination light beam deflecting apparatus, the rotating mirror reflects the examination light and reflects the reflected light collected by the objective lens and deflects it to the light receiving means. Both with reflective surface It is a plane mirror, and is arranged so as to separate the subject eye pupil into a first region including the optical axis of the objective lens and a second region other than that in the conjugate plane with the subject eye pupil. And A reflective relay optical system that forms an image of a subject's eye pupil that is arranged coaxially with the optical axis of the objective lens in the reflection direction of the inspection light reflected by the first reflecting surface of the double-sided mirror at approximately the same magnification. The The inspection light is reflected by a region outside the optical axis of the objective lens on the first reflecting surface of the double-sided mirror, and the double-sided mirror is disposed again by the reflective relay optical system. Deflecting to the second region and going to the objective lens without going through the double-sided mirror, A received light beam on a plane substantially conjugate to the eye pupil in the light receiving means is arranged on the optical system optical axis of the light receiving means, and from the pupil conjugate plane of the eye pupil in the light receiving means. Lens surface constituting the objective lens Until In the optical system that reaches the reflective relay optical system through the second region , Conjugate position of the pupil conjugate plane A light shielding member is provided on the optical axis.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described in detail based on the embodiment shown in FIGS.
FIG. 1 is a configuration diagram of an embodiment in which the present invention is applied to a fundus blood flow meter. On an illumination optical path from an
[0020]
A fundus observation optical system is configured behind the
[0021]
On the optical path in the reflection direction of the
[0022]
Further, behind the
[0023]
In the focus unit 55, a dichroic mirror 59 and a condenser lens 60 are sequentially arranged on the same optical path as the
[0024]
A fixed mirror 63 and an optical
[0025]
On the optical path in the reflection direction of the
[0026]
Further, on the optical path in the reflection direction of the dichroic mirror 69, an
[0027]
Further, a
[0028]
In use, white light emitted from the observation
[0029]
At this time, a fixation target is displayed on the transmission type
[0030]
Reflected light from the fundus oculi Ea returns along the same optical path, is taken out from the pupil as a fundus oculi observation light beam O, passes through the opening at the center of the
[0031]
The apparatus is aligned while observing the fundus image Ea ′ through the
[0032]
The measurement light emitted from the laser diode 66 is collimated by the collimator lens 65, and when the optical
[0033]
On the other hand, the tracking light emitted from the tracking
[0034]
Further, the measurement light and tracking light are once reflected by the
[0035]
Accordingly, the two light beams reflected at any one of the positions P1 and P1 ′ in FIG. 2 on the back side of the image M of the
[0036]
Thus, the measurement light and the tracking light are reflected on the
[0037]
The scattered reflected light at the fundus Ea is again collected by the
[0038]
The tracking light passes through the dichroic mirror 69 and is formed on the one-
[0039]
On the other hand, the measurement light is reflected by the dichroic mirror 69, is reflected by the mirror pairs 75a and 75b through the apertures of the
[0040]
At this time, due to the spectral characteristics of the
[0041]
FIG. 2 shows the arrangement of each light beam on the pupil of the eye E to be examined. I is an image of the ring slit 35 in an area illuminated by yellow illumination light, O is a fundus observation light beam and a perforated mirror. 41 is an image of the
[0042]
The light beam received by the one-
[0043]
On the other hand, the influence of flare light generated in the anterior eye part of the eye E due to the increased luminous flux does not pose a problem because the image receiving range is smaller in the blood vessel image receiving optical system. In addition, the interval between the measurement light receiving beams Da and Db on the pupil directly affects the resolution of blood flow velocity measurement, but by increasing the measurement / blood vessel light receiving beam V, the interval between the measurement light receiving beams Da and Db is sufficiently secured. It becomes possible to do.
[0044]
Further, part of the scattered and reflected light from the fundus Ea by the measurement light and tracking light is transmitted through the
[0045]
These images are observed together with the fundus oculi image Ea ′ and the target image F via the
[0046]
In the measurement, the examiner first focuses the fundus image Ea ′. When the fork cas knob of the input means 78 is adjusted, the transmissive
[0047]
The
[0048]
As described above, in this embodiment, the
[0049]
After the focusing is completed, the examiner operates the input means 78 to move the target image F, guides the line of sight of the eye E to change the observation region, and sets the blood vessel Ev to be measured to the
[0050]
At this time, since the fundus oculi observation light does not pass through the
[0051]
This operation corresponds to β = 0 ° in the equation (2) for speed calculation described in the conventional example. By setting β = 0 °, the following advantages (a) to (c) are obtained. Will occur.
[0052]
(a) When β = 90 °, that is, cos β = 0 from the equation (2), the absolute value of the maximum blood flow velocity Vmax cannot be obtained from only the maximum frequency shifts Δfmax1 and Δfmax2, but β = 0 By rotating the fundus oculi image Ea ′ so as to be at an angle, it is possible to avoid an unmeasurable position.
[0053]
(b) Since it is not necessary to measure the angle β, the error factor is reduced and the operation is simplified.
[0054]
(c) As described in the conventional example, the blood flow velocity is obtained from the interference signal between the scattered reflected light from the blood vessel wall and the scattered reflected light in the blood, so that the fundus Ea moves in the x-axis direction during the measurement. Even if the blood vessel Ev is made substantially parallel to the x-axis direction, the measurement result is not affected.
[0055]
On the other hand, when the fundus oculi Ea moves in the y-axis direction orthogonal to the x-axis, the measurement light from the laser diode 66 deviates from the blood vessel Ev at the measurement site, and the measurement value becomes unstable. It is only necessary to detect the movement amount of the blood vessel Ev only in the axial direction. In this embodiment, the blood vessel detection system behind the dichroic mirror 59 and the
[0056]
In order to measure the blood flow velocity accurately and quickly for all the blood vessels Ev by performing this tracking, the one-
[0057]
In this embodiment, the elements of the one-
[0058]
After the angle adjustment is completed, the
[0059]
When a tracking start command is input from the input means 78 to the
[0060]
When the measurement light and tracking light pass through the anterior eye part of the eye E, scattered light is generated in the anterior eye part. At this time, if the light beams on the incident side and the light receiving side are superimposed on the anterior eye part, The occurrence of flare light is well known in general fundus cameras. Therefore, also in the present embodiment, the superposition of the incident light and the received light of the measurement light and tracking light is one of the causes for the generation of flare light.
[0061]
However, as shown in FIG. 2, on the pupil of the eye E, the incident light passes through the notch of the
[0062]
Thus, using the left and right reflecting
[0063]
Further, the superimposition of the incident light and the fundus oculi observation light by the measurement light and tracking light also causes flare light. In this embodiment, the measurement light passes through spot images P2 and P2 ′ decentered from the origin on the pupil of the eye E, and the tracking light is longitudinal in the y-axis direction including the spot images P2 and P2 ′. It enters from the rod-shaped area | region which has and moves to the y-axis direction. Now, when the displacements in the x-axis and y-axis directions from the origin of the spot images P2 and P2 'on the pupil due to both light fluxes are x and y, respectively, the spot images P2 and P2' so that x >> y. This position is decentered largely in the x-axis direction compared to the y-axis direction, so that both light beams do not overlap the fundus observation light beam O even if they move in the y-axis direction.
[0064]
Here, the displacement y in the y-axis direction occurs because the light beams are separately reflected by the left and right reflecting
[0065]
R 2 = Xmin 2 + Ymin 2 It is desirable that the pupil diameter R of the eye E required for the measurement defined in (1) is as small as possible. In this embodiment, the tracking direction is limited to only one dimension in order to minimize the pupil diameter R, and the measurement is performed. The incident positions x and y of the light and tracking light are set on the pupil of the eye E so that ymin≈y << xmin≈x.
[0066]
In the case of the conventional example, since tracking is performed in two dimensions, it is necessary to satisfy ymin << xmin≈x≈y, and the lower limit of the pupil diameter R that can be measured inevitably increases. On the other hand, in the present embodiment, measurement is possible even with the subject eye E having a sufficiently small pupil diameter R as described above. In the fundus observation optical system, measurement optical system, and blood vessel detection system, measurement light and tracking light are used. Generation of flare light that occurs in the anterior segment of the eye E can also be avoided.
[0067]
As another noise, the presence of reflected light of the measurement light and tracking light by the
[0068]
In the present embodiment, a black spot plate having an upper light shielding region on the optical axis in the optical path after the measurement light and tracking light for removing this are deflected by the
[0069]
With this configuration, it is possible to prevent the both light beams from being mixed into the light receiving pupil V regardless of which direction the light beams are deflected with respect to the
[0070]
In this embodiment, in order to avoid this, the light receiving pupil V is provided on the optical axis. For this reason, the shape of the
[0071]
After checking the start of tracking, the examiner presses the measurement switch of the input means 78 to start measurement. The
[0072]
At this time, the incident light beam is located in the spot images P1 and P1 ′ and is provided at a position sufficiently displaced with respect to the measurement light receiving light beams Da and Db. In (2), cos β = 1, and Vmax = {λ / (n · α)} · || Δfmax1 | − | Δfmax2 ||, but depending on the position of the blood vessel Ev on the fundus oculi Ea, the true flow velocity Vmax = {λ / (n · α)} · || fmax1 | + | Δfmax2 || In this embodiment, as a temporary measurement, the maximum speed Vmax according to the above equation (2) is first calculated in this state, and then the optical
[0073]
As shown in FIG. 2, the positions of the spot images P2 and P2 ′ on the pupil pass through the center of the other spot image P1 and P1 ′, and are on a straight line parallel to the straight line connecting the centers of the measured light beams Da and Db. In particular, in this embodiment, the distance between the spot images P1, P1 ′ and P2, P2 ′ is larger than the distance between the centers of the measurement light receiving beams Da and Db, and is within two straight lines. The straight lines connecting the points are selected to be orthogonal to the straight lines connecting the respective centers.
[0074]
After the incident light position is switched from the spot images P1 and P1 ′ to the spot images P2 and P2 ′ thus selected, the
[0075]
If the maximum velocity Vmax at this time is set to Vmax ′, the region of the angle φi shown in FIG. 10 where the sign of the maximum frequency shift | Δfmax1 | and | Δfmax2 | The region where the sign of maximum frequency shift | Δfmax1 ′ | and | Δfmax2 ′ | can be separated, and Vmax≈Vmax ′ in the region where the sign is not switched. Further, in the region where one sign of the maximum speed Vmax or Vmax ′ is switched, it is possible to create a relationship of (the side where no sign is switched)> (the side where the sign is switched).
[0076]
Therefore, the
[0077]
In the present embodiment, the method of determining the maximum speeds Vmax and Vmax ′ before the actual measurement was shown, but before the actual measurement, the maximum speeds Vmax and Vmax ′ were measured and calculated to check for the sign inversion. Therefore, it is possible to cope with the software by automatically reversing the sign of the operation of Equation (2).
[0078]
In the above description, the present invention is applied to a fundus blood flow meter that measures blood flow on the fundus Ea. However, the present invention is applied to an ophthalmologic apparatus that simultaneously measures a blood vessel position and a blood vessel diameter in addition to a blood flow velocity. It is also possible to do.
[0079]
【The invention's effect】
As described above, according to the light deflecting device for ophthalmic examination according to the present invention, since the prepared light shielding member is installed in the irradiation light beam optical path after the double-sided mirror which is a light beam polarizer, the relative position with respect to the objective lens. Can be uniquely determined regardless of the deflection angle of the double-sided mirror. Further, since the relay optical system is coaxial with the objective lens, and the pupil of the light receiving system is also an axial region, the light shielding region can be arranged axisymmetrically and can be minimized. Thus, it is possible to freely irradiate the test object without irradiating the irradiated light beam.
[0080]
Also, by setting the optical path of the reflected light on the optical axis of the objective lens and using the relay optical system as a coaxial system, the area where the flare generated by the objective lens occurs is very small on the optical axis of the relay system. By limiting the area and providing the light shielding means there, flare generated by the objective lens can be efficiently suppressed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram of a fundus blood flow meter having a light beam deflecting device.
FIG. 2 is a light beam arrangement diagram on a pupil.
FIG. 3 is an explanatory diagram of an examiner's field of view.
FIG. 4 is an explanatory diagram of a confocal aperture.
FIG. 5 is an explanatory diagram of an examiner's field of view.
FIG. 6 is an explanatory diagram of an examiner's field of view.
FIG. 7 is an explanatory diagram of a conventional light beam deflector.
FIG. 8 is an explanatory diagram of a measurement principle.
FIG. 9 is an explanatory diagram of a fundus image.
FIG. 10 is a graph of a received signal.
[Explanation of symbols]
31 Light source for observation
41 perforated mirror
42 Bandpass Mirror
49 CCD camera
50 LCD monitor
51 Image Rotator
52 Galvanometric mirror
55 Focus unit
56 Optical path length compensation meniscus
58 Concave mirror
59, 69 Dichroic mirror
66 Laser diode
68 Light source for tracking
72 One-dimensional CCD
76a, 76b Photomultiplier
77 System control circuit
80 Blood vessel position detection circuit
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