JP3632974B2 - 感放射線性屈折率変化性組成物および屈折率変化法 - Google Patents

感放射線性屈折率変化性組成物および屈折率変化法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感放射線性屈折率変化性組成物、屈折率パターンの形成方法、屈折率パターンおよび光学材料に関する。さらに詳しくは光エレクトロニクスやディスプレイ分野に応用される新規な感放射線性屈折率変化性組成物、屈折率パターン形成方法、屈折率パターンおよび光学材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
マルチメディア社会といわれる現在、異なる屈折率領域から構成される屈折率分布型光学成形体の需要は極めて大きい。そのような例として情報伝達を担う光ファイバーは勿論、周期的な屈折率変化を有する光回折格子、屈折率の異なる部位によって情報が書き込まれた光メモリ、微細な屈折率パターンを有する光集積回路等の光結合素子、光制御素子、光変調素子および光伝送素子が挙げられる。
【0003】
なお、ここで屈折率分布型光学成形体とは、GI型光ファイバー等のような成形体中で屈折率が連続的に分布している場合(以下、GRIN光学成形体という)と、光回折格子、SI型光導波路等のように屈折率の分布形状が不連続的な場合の両方をいう。
【0004】
GRIN光学成形体は、次世代の光学成形体として注目されている。例えば、光ファイバーのコアの中心軸から周辺部へ放物線状に屈折率を減少させたGI型光ファイバーは大容量の情報伝送を可能とし、また、レンズ中で屈折率が連続的に変化したGRINレンズは、平面でも屈折力を持つことや、球面収差を生じない等の特長を生かし、コピー機などに用いる読み取りレンズ、ファイバー同士をつなぐ球状レンズ、あるいはマイクロレンズなどに応用される。
【0005】
上述のようなGRIN光学成形体の製造方法としては、これまで数多くの提案がなされている。例えば低分子あるいはモノマーをポリマー中に分散させ、その濃度を連続的に分布させることによってGI型光ファイバーを得る方法が特開平9−133813号公報、特開平8−336911号公報、特開平8−337609号公報、特開平3−192310号公報、特開平5−60931号公報、WO93/19505国際公開特許公報およびWO94/04949国際公開特許公報に開示されている。また、特開昭62−25705号は屈折率および反応比の異なる2種類以上のビニルモノマーを光で共重合させることによりGI型のロッド状光学成形体あるいは光ファイバーを得ることを開示している。さらに特開平7−56026号公報は光反応性の官能基を有する重合体Aを形成し、Aより低屈折率である化合物BをAの中に拡散させ、Bの濃度分布を形成した後、光でAとBを反応させ屈折率分布を得る方法を開示している。
【0006】
また無機材料についてのGRIN光学成形体の製造方法もいくつか提案されており、例えばケイ素や鉛などを主成分とするロッド状のガラスに高屈折率のタリウムを加え、低屈折率のカリウムを含む溶融液に浸漬し、イオン交換によりカリウムの濃度分布を形成させてGI型ロッドとする方法である。
【0007】
GRINレンズは、上述の方法を、短いロッドつまりレンズ状の光学成形体について適用すれば同様に得ることができる。あるいは上述の方法で作成したGI型ロッドを輪切りにしてもよい。
【0008】
また前述した光回折格子、光集積回路等のような屈折率の微細なパターンを有する光学成形体の製造方法としては、光照射により成形体中に光化学反応を誘起させ、それに伴う屈折率変化を得るという技術が知られている。例えば、無機材料の場合、ゲルマニウムをドープしたガラスに光照射し、屈折率を変化させて光回折格子を作製する方法などが挙げられる。また、有機材料においては、フォトクロミック反応あるいはフォトブリーチングとして知られており、光化学反応活性な低分子をポリマー中に分散させた材料にレーザー光を照射することによって屈折率変化を誘起し、光回折格子とする技術が特開平7−92313号公報などで開示されている。さらに最近では、この技術をGRIN光学成形体の製造に応用することが特開平9−178901号公報によって提案されている。この方法は成形体に照射した光が吸収されて強度が弱くなるのを利用し、照射に対して深さ方向に連続的な屈折率分布を付与するものである。
【0009】
しかしながら、上記した従来の材料で得られる屈折率分布は、その最大屈折率差がせいぜい0.001〜0.02程度であり、光学損失の防止や回路の誤作動の抑制といった目的に対して、さらに大幅な屈折率分布を持たせることを達成することは難しい。
【0010】
また、一旦屈折率分布を形成した後、屈折率を変化させるために使用した波長付近の光が通過する条件下で使用すると、徐々に屈折率の変化を引き起こし劣化してしまう現象を防止することはできなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の技術における上記した実情に鑑みてなされたものである。
【0012】
すなわち、本発明の目的は、材料の屈折率変化を簡易な方法で行うとともに、その変化した屈折率差が十分大きな値となり、しかもその後の使用条件によらずに安定な屈折率パターンや光学材料を与えることができる感放射線性、屈折率変化性組成物を提供することにある。
【0013】
本発明の他の目的は、塗布により簡易に成膜することができ且つクラックのない厚膜化が可能である、感放射線性屈折率変化性組成物を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、放射線照射により微細な空孔を形成ししかも形成された微細な空孔を安定に保持し且つ微細な空孔を多数有するにもかかわらず強い膜強度を備えた屈折率パターンを与える感放射線性屈折率変化性組成物を提供することにある。
【0015】
本発明の他の目的は、本発明の上記組成物から屈折率パターンを形成する方法を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、本発明の上記方法により製造した屈折率パターンあるいは光学材料を提供することにある。
【0017】
本発明のさらに他の目的および利点は以下の説明から明らかになろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、本発明の上記目的および利点は、第1に、(A)分解性化合物、(B)ラダー型ポリシルセスキオキサン、その加水分解物およびその縮合物よりなる群から選ばれ且つ分解性化合物(A)よりも屈折率が低い非分解性化合物、(C)感放射線分解剤および(D)安定化剤を含有することを特徴とする、感放射線性屈折率変化性組成物により達成される。
【0019】
本発明の上記目的および利点は、第2に、(A)分解性化合物、(B)ラダー型ポリシルセスキオキサン、その加水分解物およびその縮合物よりなる群から選ばれ且つ分解性化合物(A)よりも屈折率が低い非分解性化合物、(C)感放射線分解剤および(D)安定化剤を含有する、感放射線性屈折率変化性組成物に放射線を照射し、次いで加熱して未露光部の安定化剤(D)と分解性化合物(A)を反応せしめることを特徴とする、屈折率パターン形成方法によって達成される。
【0020】
本発明の上記目的および利点は、第3に、(A)分解性化合物、(B)ラダー型ポリシルセスキオキサン、その加水分解物およびその縮合物よりなる群から選ばれ且つ分解性化合物(A)よりも屈折率が低い非分解性化合物および(C)感放射線分解剤を含有する屈折率変化性組成物にパターンマスクを介して放射線を照射した後、(D)安定化剤で処理して未露光部の(A)分解性化合物を(D)安定化剤と反応せしめることを特徴とする屈折率パターン形成方法によって達成される。
【0021】
本発明の上記目的および利点は、第4に、(A)分解性化合物、(B)ラダー型ポリシルセスキオキサン、その加水分解物およびその縮合物よりなる群から選ばれ且つ分解性化合物(A)よりも屈折率が低い非分解性化合物および(C)感放射線分解剤を含有する屈折率変化性組成物にパターンマスクを介して放射線を照射した後、加熱処理して未露光部の分解性重合体を分解せしめることを特徴とする屈折率パターン形成方法によって達成される。
【0022】
本発明の上記目的および利点は、第5に、上記屈折率パターン形成方法によって形成された屈折率パターンによって達成される。
【0023】
本発明の上記目的および利点は、第6に、上記屈折率パターン形成方法によって形成された光学材料によって達成される。
【0024】
なお、本発明において、「屈折率パターン」とは、屈折率の異なる領域から構成される屈折率分布型材料を意味する。
【0025】
以下、本発明の屈折率パターン形成方法に使用する屈折率変化材料の各成分について詳細に説明する。
【0026】
(A)分解性化合物
本発明で使用する(A)分解性化合物は、酸分解性化合物または塩基分解性化合物である。その屈折率は、好ましくは1.5〜1.9である。また、分解性化合物(A)の重量平均分子量は、好ましくは100〜500,000、さらに好ましくは100〜300,000である。
【0027】
酸分解性化合物は、下記式(1)〜(8)で表される構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する化合物である。これらの化合物は単独で、あるいは2種以上を一緒に用いることができる。
【0028】
【化16】
Figure 0003632974
【0029】
(式(1)において、Rはアルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基またはアリーレン基でありそしてRはアルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アリーレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基である。)
【0030】
【化17】
Figure 0003632974
【0031】
(式(2)において、MはSiまたはGeであり、Rはアルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アリーレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基であり、Rは酸素原子、アルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アリーレン基または単結合であり、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはチオアルキル基でありそしてmは0から2までの整数である。)
【0032】
【化18】
Figure 0003632974
【0033】
(式(3)において、RおよびR10はそれぞれ独立に、アルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アリーレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基である。)
【0034】
【化19】
Figure 0003632974
【0035】
(式(4)において、R11はオキシアルキレン基または単結合でありそしてR12は水素原子、アルキル基、アルキレンアリーレンアルキレン基またはアリール基である。)
【0036】
【化20】
Figure 0003632974
【0037】
(式(5)において、R13は水素原子、アルキル基またはアリール基である。)
【0038】
【化21】
Figure 0003632974
【0039】
(式(6)において、R14は、アルキレン基または下記式(6)−1、(6)−2または(6)−3で表される構造である。)
【0040】
【化22】
Figure 0003632974
【0041】
(式(6)−1において、R15、R16、R17およびR18は互いに独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状アルキル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルコキシル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のメルカプトアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルコキシル基、炭素数1〜6のメルカプトアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基である。)
【0042】
【化23】
Figure 0003632974
【0043】
(式(6)−2において、R19はアルキレン基である。)
【0044】
【化24】
Figure 0003632974
【0045】
(式(6)−3において、R20はアルキレン基である。)
【0046】
【化25】
Figure 0003632974
【0047】
(式(7)において、R21はアルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、またはアリーレン基である。)
【0048】
【化26】
Figure 0003632974
【0049】
(ここで、R22、R23、R24およびR25は互いに独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状アルキル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルコキシル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のメルカプトアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルコキシル基、炭素数1〜6のメルカプトアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基である。)
【0050】
また、塩基分解性化合物は、下記式(9)〜(12)のそれぞれで表される構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する化合物である。これらの化合物は単独で、あるいは2種以上を一緒に用いることができる。
【0051】
【化27】
Figure 0003632974
【0052】
(式(9)において、R26はアルキレン基、アラルキレン基またはアリーレン基であり、R27はアルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基であり、R28、R29、R30およびR31はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはチオアルキル基でありそしてiおよびjはそれぞれ独立に0または1である。)
【0053】
【化28】
Figure 0003632974
【0054】
(式(10)において、R32はアルキレン基、アラルキレン基またはアリーレン基であり、R33はアルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基である。)
【0055】
【化29】
Figure 0003632974
【0056】
(式(11)において、R34およびR35はそれぞれ独立にアルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アルキルシリレン基、またはアルキルゲルミレン基である。)
【0057】
【化30】
Figure 0003632974
【0058】
(式(12)において、R36およびR37はそれぞれ独立に、アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基である。)
上記全てのアルキレンアリーレンアルキレン基としては、それぞれ独立に、例えば下記式(13)または(14)で示される構造が挙げられる。
【0059】
【化31】
Figure 0003632974
【0060】
((13)式中、R38、R39、R40およびR41は互いに独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状アルキル基または6〜10のアリール基を示しそしてR42、R43、R44およびR45は互いに独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、チオアルキル基、アルキルエステル基、アルキルチオエステル基、アリール基、シアノ基またはニトロ基である。)
【0061】
【化32】
Figure 0003632974
【0062】
((14)式中、R46、R47、R48およびR49は互いに独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状アルキル基または6〜10のアリール基を示し、R50、R51、R52、R53、R54、R55、R56およびR57は互いに独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、チオアルキル基、アルキルエステル基、アルキルチオエステル基、アリール基、シアノ基またはニトロ基を示し、Aは−S−、−O−、−SO−、−CO−、−COO−、−OCOO−、−CH−または−C(R58−を示しそしてR58は炭素数1〜6の鎖状アルキル基である。)
【0063】
上記全てのアリーレン基としては、それぞれ独立に、例えば下記式(15)で示される構造が挙げられる。
【0064】
【化33】
Figure 0003632974
【0065】
(ここで、R59〜R66は互いに独立に水素原子、塩素原子、臭素原子、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、チオアルキル基、アルキルエステル基、アルキルチオエステル基、アリール基、シアノ基またはニトロ基を示し、Aは−S−、−O−、−SO−、−CO−、−COO−、−OCOO−、−CH−または−C(R67−を示しそしてR67は炭素数1〜6の鎖状アルキル基である。)
【0066】
上記全てのアルキルシリレン基としては、互いに独立に、例えば下記式(16)に示す構造が挙げられる。
【0067】
【化34】
Figure 0003632974
【0068】
(ここで、R68、R69、R70およびR71は互いに独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状アルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示し、Aは−O−、アルキレン基またはアリーレン基を示しそしてaは0か1の整数を表わす。)
【0069】
上記全てのアルキルゲルミレン基としては、互いに独立に、例えば下記式(17)に示す構造が挙げられる。
【0070】
【化35】
Figure 0003632974
【0071】
(ここで、R72、R73、R74およびR75は互いに独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状アルキル基または炭素数6〜10のアリール基を示し、Aは−O−、アルキレン基またはアリーレン基を示しそしてbは0か1の整数を表わす。)
【0072】
上記式(16)および(17)におけるアルキレン基は、それぞれ独立に、炭素数が1〜10までの直鎖、分岐または環状のアルキレン基が好ましく、例えばメチレン、1,2−エチレン、1,3−トリメチレン、1,10−デカメチレン等を挙げることができ、さらにこれらの水素原子が例えば塩素原子、臭素原子、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、チオアルキル基、アルキルエステル基、アルキルチオエステル基、アリール基またはシアノ基で置換されていてもよい。
【0073】
上記全てのアルキル基、アルコキシ基、チオアルキル基、アルキルエステル基およびアルキルチオエステル基のアルキル基としては、互いに独立に、例えば炭素数が1〜10までの直鎖、分岐または環状のアルキル基が好ましく、またこれらの水素原子が塩素原子、臭素原子、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、チオアルキル基、アルキルエステル基、アルキルチオエステル基、アリール基またはシアノ基で置換されていてもよい。
【0074】
上記全てのアリール基としては、互いに独立に、例えばフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基またはビフェニル基およびこれらの水素原子が塩素原子、臭素原子、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、チオアルキル基、アルキルエステル基、アルキルチオエステル基、シアノ基またはニトロ基で置換されたものを挙げることができる。
【0075】
上記(6)−1および(8)における炭素数1〜6の鎖状アルキル基は、直鎖状であっても分岐していてもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基、等を挙げることができる。
【0076】
炭素数1〜6のアルコキシル基は、直鎖状であっても分岐していてもよく、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、テキシルオキシ基等を挙げることができる。
【0077】
炭素数1〜6のアルキルチオ基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、n−ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、n−ペンチルチオ基、ネオペンチルチオ基、n−ヘキシルチオ基、テキシルチオ基等を挙げることができる。
【0078】
炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基としては、例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、クロロメチル基、2−クロロエチル基、3−クロロプロピル基、1−クロロメチルエチル基、4−クロロブチル基、2−クロロメチルプロピル基、5−クロロペンチル基、3−クロロメチルブチル基、2−クロロエチルプロピル基、6−クロロヘキシル基、3−クロロメチルペンチル基、4−クロロメチルペンチル基、2−クロロエチルブチル基、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、3−ブロモプロピル基、1−ブロモメチルエチル基、4−ブロモブチル基、2−ブロモメチルプロピル基、5−ブロモペンチル基、3−ブロモメチルブチル基、2−ブロモエチルプロピル基、6−ブロモヘキシル基、3−ブロモメチルペンチル基、4−ブロモメチルペンチル基、2−ブロモエチルブチル基等を挙げることができる。
【0079】
炭素数1〜6のハロゲン化アルコキシル基としては、例えばトリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、ヘプタフルオロプロポキシ基、クロロメトキシ基、2−クロロエトキシ基、3−クロロプロポキシ基、1−クロロメチルエトキシ基、4−クロロブトキシ基、2−クロロメチルプロポキシ基、5−クロロペンチルオキシ基、3−クロロメチルブトキシ基、2−クロロエチルプロポキシ基、6−クロロヘキシルオキシ基、3−クロロメチルペンチルオキシ基、4−クロロメチルペンチルオキシ基、2−クロロエチルブトキシ基、ブロモメトキシ基、2−ブロモエトキシ基、3−ブロモプロポキシ基、1−ブロモメチルエトキシ基、4−ブロモブトキシ基、2−ブロモメチルプロポキシ基、5−ブロモペンチルオキシ基、3−ブロモメチルブトキシ基、2−ブロモエチルプロポキシ基、6−ブロモヘキシルオキシ基、3−ブロモメチルペンチルオキシ基、4−ブロモメチルペンチルオキシ基、2−ブロモエチルブトキシ基等を挙げることができる。
【0080】
炭素数1〜6のハロゲン化アルキルチオ基としては、例えばトリフルオロメチルチオ基、ペンタフルオロエチルチオ基、ヘプタフルオロプロピルチオ基、クロロメチルチオ基、2−クロロエチルチオ基、3−クロロプロピルチオ基、1−クロロメチルエチルチオ基、4−クロロブチルチオ基、2−クロロメチルプロピルチオ基、5−クロロペンチルチオ基、3−クロロメチルブチルチオ基、2−クロロエチルプロピルチオ基、6−クロロヘキシルチオ基、3−クロロメチルペンチルチオ基、4−クロロメチルペンチルチオ基、2−クロロエチルブチルチオ基、ブロモメチルチオ基、2−ブロモエチルチオ基、3−ブロモプロピルチオ基、1−ブロモメチルエチルチオ基、4−ブロモブチルチオ基、2−ブロモメチルプロピルチオ基、5−ブロモペンチルチオ基、3−ブロモメチルブチルチオ基、2−ブロモエチルプロピルチオ基、6−ブロモヘキシルチオ基、3−ブロモメチルペンチルチオ基、4−ブロモメチルペンチルチオ基、2−ブロモエチルブチルチオ基等を挙げることができる。
【0081】
炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基としては、例えばヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシメチルエチル基、4−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシメチルプロピル基、5−ヒドロキシペンチル基、3−ヒドロキシメチルブチル基、2−ヒドロキシエチルプロピル基、6−ヒドロキシヘキシル基、3−ヒドロキシメチルペンチル基、4−ヒドロキシメチルペンチル基、2−ヒドロキシエチルブチル基等を挙げることができる。
【0082】
炭素数1〜6のメルカプトアルキル基としては、例えばメルカプトメチル基、2−メルカプトエチル基、3−メルカプトプロピル基、1−メルカプトメチルエチル基、4−メルカプトブチル基、2−メルカプトメチルプロピル基、5−メルカプトペンチル基、3−メルカプトメチルブチル基、2−メルカプトエチルプロピル基、6−メルカプトヘキシル基、3−メルカプトメチルペンチル基、4−メルカプトメチルペンチル基、2−メルカプトエチルブチル基等を挙げることができる。
【0083】
炭素数1〜6のヒドロキシアルコキシル基としては、例えばヒドロキシメトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基、1−ヒドロキシメチルエトキシ基、4−ヒドロキシブトキシ基、2−ヒドロキシメチルプロポキシ基、5−ヒドロキシペンチルオキシ基、3−ヒドロキシメチルブトキシ基、2−ヒドロキシエチルプロポキシ基、6−ヒドロキシヘキシルオキシ基、3−ヒドロキシメチルペンチルオキシ基、4−ヒドロキシメチルペンチルオキシ基、2−ヒドロキシエチルブトキシ基等を挙げることができる。
【0084】
炭素数1〜6のメルカプトアルキルチオ基としては、例えばメルカプトメチルチオ基、2−メルカプトエチルチオ基、3−メルカプトプロピルチオ基、1−メルカプトメチルエチルチオ基、4−メルカプトブチルチオ基、2−メルカプトメチルプロピルチオ基、5−メルカプトペンチルチオ基、3−メルカプトメチルブチルチオ基、2−メルカプトエチルプロピルチオ基、6−メルカプトヘキシルチオ基、3−メルカプトメチルペンチルチオ基、4−メルカプトメチルペンチルチオ基、2−メルカプトエチルブチルチオ基等を挙げることができる。
【0085】
炭素数6〜10のアリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、1−ナフチル基等を挙げることができる。
【0086】
炭素数7〜11のアラルキル基としては、例えばベンジル、α−メチルベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
【0087】
本発明における上記式(1)〜(7)で表される構造を例えば繰り返し単位として有する酸分解性化合物の製造方法は公知である。
【0088】
上記式(1)で表わされる構造を有する化合物の製造方法は、PolymerBull.,1.199(1978)、特開昭62−136638号公報、EP225,454、US806,597、特開平4−303843号公報、特開平7−56354号公報等に開示されている。
【0089】
上記式(2)で表わされる構造を有する化合物の製造方法は、Macromolecules 29,5529(1996)、Polymer 17,1086(1976)および特開昭60−37549号公報等に開示されている。
【0090】
上記式(3)で表わされる構造を有する化合物の製造方法は、Electrochem.Soc.,Solid State Sci.Technol.,133(1)181(1986)、J.Imaging Sci.,30(2)59(1986)およびMacromol.Chem.,Rapid Commun.,7,121(1986)等に開示されている。
【0091】
上記式(4)で表わされる構造を有する化合物の製造方法は、米国特許第3,894,253号明細書、特開昭62−190211号公報、特開平2−146544号公報、Macromol.Chem.,23,16(1957)、特開昭63−97945号公報、Polymer Sci.,A−1,8,2375(1970)、米国特許第4,247,611号明細書、EP41,657、特開昭57−31674号公報、特開昭64−3647号公報および特開昭56−17345号公報等に開示されている。
【0092】
上記式(5)で表わされる構造を有する化合物の製造方法は、Prepr.Eur.Disc Meet.Polymer Sci.,Strasbourg,p106(1978)およびMacromol.Chem.,179,1689(1978)等に開示されている。
【0093】
上記式(6)で表わされる構造を有する化合物の製造方法は、米国特許第3,894,253号明細書、米国特許第3,940,507号明細書および特開昭62−190211号公報等に開示されている。
【0094】
上記式(7)で表わされる構造を有する化合物の製造方法は、J.Am.Chem.Soc.,54,1579(1932)、J.Polym.Sci.,29,343(1958)、J.Polym.Sci.,PartA,Polym.Chem.,25,3373(1958)、Macromolecules,25,12,(1992)、Macromolecules,20,705,(1997)、Macromolecules,21,1925,(1998)、Macromol.Chem.,Rapid Commun.,11,83(1990)等に開示されている。
【0095】
上記式(8)で表される構造を有する化合物は、下記式(8)−1で表される化合物を、必要に応じて分子量調節剤の存在下、溶媒中でカチオン重合またはアニオン重合することによって製造することができる。
【0096】
【化36】
Figure 0003632974
【0097】
(ここで、R201、R202、R203およびR204の定義は式(8)のR22、R23、R24およびR25で定義される基と同じ基から選ばれる基である。)
【0098】
また、上記式(8)で表される化合物は、下記式(8)−2で表される化合物、下記式(8)−3で表される化合物、およびそれ以外の他の単量体よりなる群から選ばれる1種以上の化合物と、上記式(8)−1で表される化合物との共重合体であってもよい。この場合、下記式(8)−2で表される化合物、下記式(8)−3で表される化合物、およびそれ以外の他の単量体よりなる群から選ばれる1種以上の化合物の合計量は、上記式(8)−1で表される化合物100重量部に対して、100重量部以下の割合とすることができる。
【0099】
【化37】
Figure 0003632974
【0100】
(ここで、R205は水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を、R206、R207、R208、R209およびR210は互いに独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状アルキル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルコキシル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のメルカプトアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルコキシル基、炭素数1〜6のメルカプトアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基を示すか、あるいは、R206、R207、R208、R209およびR210のいずれか2つは互いに結合してそれらが結合している炭素原子と一緒になって4〜7員環を形成していてもよい。)
【0101】
【化38】
Figure 0003632974
【0102】
(ここで、R211およびR212は互いに独立に水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜10のメルカプトアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基、エチレンオキシ繰り返し単位が1〜5の(ポリエチレングリコール)エチル基、プロピレンオキシ繰り返し単位が1〜5の(ポリプロピレングリコール)プロピル基、繰り返し単位が1〜5の(ポリエチレンスルフィド)エチル基、繰り返し単位が1〜5の(ポリプロピレンスルフィド)プロピル基等が挙げられる。)
【0103】
それ以外の他の単量体としては、例えばグリオキザール、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、マレアルデヒド、1,8−オクタンジアルデヒド、m−フタルアルデヒド、p−フタルアルデヒド、2,3−ナフタレンジカルボキサルデヒド、2,3−アントラセンジカルボキサルデヒド、9,10−アントラセンジカルボキサルデヒド、4,4’−ビスベンズアルデヒド、2,5−ジメトキシ−1,4−ジカルボキサルデヒド、2,2’−(エチレンジオキシ)ジベンズアルデヒド、2,2’−ビフェニルジカルボキサルデヒド、ビス(2−ホルミルフェニル)エーテル、6,6’−ジヒドロキシ−5,5’−ジメトキシ−[1,1’−ビフェニル]−3,3’−ジカルボキサルデヒドの如き一分子中に2個のアルデヒド基を有する化合物、サリシルアルデヒドクロミウム錯体、アルミニウムホルミルアセテート、(1,1’,3’,1”)ターフェニル−2,6,2”,6”−テトラカルバルデヒド、2−ヒドロキシベンゼン−1,3,5−トリカルバルデヒド、1,2,4,5−テトラ(p−ホルミルフェニル)ベンゼンの如き一分子中に3個以上のアルデヒド基を有する化合物が挙げられる。
【0104】
またこれらの化合物の水素原子を炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルコキシル基、炭素数1〜10のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜10のメルカプトアルキル基、炭素数1〜10のヒドロキシアルコキシル基、炭素数1〜10のメルカプトアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜11のアラルキル基、繰り返し単位が1〜5の(ポリエチレングリコール)エチル基、繰り返し単位が1〜5の(ポリプロピレングリコール)プロピル基等で置換した化合物を使用することもできる。
【0105】
上記式(8)で表される構造を有する化合物を製造するためのカチオン重合および/またはアニオン重合は、アニオン重合触媒、配位アニオン重合触媒、またはカチオン重合触媒を用いて行うことができる。アニオン重合触媒または配位アニオン重合触媒の代表例としては、ナトリウム、リチウムの如きアルカリ金属;s−ブチルリチウムの如きアルキル金属化合物;ナトリウム/ナフタレンの如きアルカリ金属錯化合物;ナトリウムメトキシドの如きアルカリ金属アルコキシド;n−ブチルアミン、ジエチルアミンの如きアミン;アンモニウムステアレート、テトラブチルアンモニウムアセテートの如き4級アンモニウム塩;ジブチルスズジラウレート、トリブチルスズクロライド、ジエチルスズジラウレートの如き4価有機スズ化合物が挙げられる。
【0106】
また、カチオン重合触媒の代表例としては、四塩化スズ、四臭化スズ、四塩化チタン、三塩化アルミニウム、塩化亜鉛、三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素ジエチルエーテレート、過塩素酸、アセチルパークロレート、p−トルエンスルホン酸、トリエチルオキソニウムテトラフルオロボレート、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド等が挙げられる。
【0107】
重合溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンの如き脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレンの如き芳香族炭化水素;塩化メチレン、塩化エチレン、四塩化炭素の如きハロゲン化脂肪族炭化水素;クロロベンゼン、オルトジクロロベンゼンの如きハロゲン化芳香族炭化水素などを用いることができる。これらの有機溶媒は1種類のみでも、あるいは2種類以上を混合して用いてもよい。これらの有機溶媒は、十分に脱水精製されていることが好ましい。
【0108】
この重合体を製造する際に任意的に共存させる分子量調節剤は、反応系中に均一に溶解もしくは分散させて用いるのがよく、アルコール、カルボン酸等を使用することができる。
【0109】
アルコールとしては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、ヘキシルアルコール、シクロヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等を用いることができ、またカルボン酸としては、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、安息香酸等を用いることができる。分子量調節剤の使用量は、目的とする重合体の分子量等に応じて調節され、実験的に容易に決定することができる。
【0110】
反応温度は、好ましくは−200℃〜50℃の間の温度に設定されるが、有機溶媒の凝固点および沸点を考慮すれば、多くの場合、−100℃〜30℃の間の温度であるのがさらに好ましい。反応時間は、特に制限されないが、通常、100時間以内の範囲で適宜設定することができる。所定重合時間を経た後、例えば、得られた反応混合物をろ過し、得られた固形物をイオン交換水で洗浄した後、真空乾燥することにより、目的とする上記式(8)で表される構造を有する化合物を取得することができる。なお、上記の重合反応によって形成されたヘミアセタール型の分子末端における水酸基は熱的な安定性をやや欠くため、必要に応じて、エステル化、エーテル化、ウレタン化等の、ポリアセタール系重合体の封鎖方法として知られている方法に従って分子末端を封鎖することにより、安定性を向上させることができる。
【0111】
また、上記式(9)〜(12)で表される構造を例えば繰り返し単位として有する塩基分解性化合物の製造方法もまた公知である。
【0112】
上記式(9)で表される構造を有する化合物の製造方法は、Macromol.Chem.,Rapid Commun.,5,151(1984)、Macromol.Chem.,189,2229(1988)、Macromol.Chem.,187,2525(1986)、Polym.J.,22,803(1990)等に開示されている。
【0113】
上記式(10)で表される構造を有する化合物の製造方法は、J.Polym.Sci.,47,1523(1993)、J.Appl.Polym.Sci.,35,85(1985)、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,22,1579(1984)、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,14,655(1976)、J.Polym.Sci.,Polym.Chem.Ed.,17,2429(1979)等に開示されている。
【0114】
上記式(11)で表される構造を有する化合物の製造方法は、J.Macromol.Sci.−Chem.,A9,1265(1975)等に開示されている。
【0115】
上記式(12)で表される構造を有する化合物の製造方法はPolym.Bull.,14,85(1985)、Macromol.Chem.,189,1323(1988)等に開示されている。
【0116】
(B)非分解性化合物
本発明に用いられる(B)非分解性化合物は、酸または塩基に対して安定でありそして、好ましくは光学的に透明性が高い材料である。(B)成分の屈折率は、用途により好ましい値に任意に設定および調節することができる。化合物(B)の屈折率nは、分解性化合物(A)の屈折率nより小さく、特に下記数式(1)の関係を満たすものが特に好ましい。
−n≧0.05 ...(1)
【0117】
非分解性化合物(B)は、ラダー型ポリシルセスキオキサン、その加水分解物およびその縮合物よりなる群から選ばれる。これらは1種または2種以上の混合物として用いることができる。
【0118】
ラダー型ポリシルセスキオキサンとしては、下記式(18)
【0119】
【化39】
Figure 0003632974
【0120】
(ここで、Rは1価の有機基を示し、Rは水素原子または1価の有機基を示し、RおよびRは同一でも異なっていてもよい。またnは分子量に対応する正の整数である。)
【0121】
上記式(18)において1価の有機基としては、例えばアルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基などを挙げることができる。ここでアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、好ましくは炭素数1〜5であり、これらのアルキル基は鎖状でも、分岐していてもよい。アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基、トリル基などを挙げることができる。さらにこれらアルキル基、アリール基、アリル基、グリシジル基の水素原子は、塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子、水酸基、メルカプト基、アルコキシ基、チオアルキル基、アルキルエステル基、アルキルチオエステル基、またはアリール基で置換されていてもよい。
【0122】
上記式(18)で表される構造を有する化合物の製造方法は、例えば特開昭56−157885号公報、特開昭57−40526号公報、特開昭58−69217号公報等に開示されている。これらの市販品としては、GR−100、GR−650、GR−908、GR−950 (以上、昭和電工(株)製)等を挙げることができる。
【0123】
(B)成分としては上記式(18)で表される化合物はもとより、さらにその加水分解物および縮合物も用いることができる。その加水分解反応は、下記の如く、水および適宜の触媒の存在下で行われる。
【0124】
具体的には、上記式(18)で表される化合物を適当な有機溶媒中に溶解し、この溶液中に水を断続的にあるいは連続的に添加する。このとき、触媒は、予め有機溶媒中に溶解または分散しておいてもよく、添加される水中に溶解または分散しておいてもよい。
【0125】
また、加水分解反応および/または縮合反応を行うための温度は、通常0〜100℃、好ましくは15〜80℃である。
【0126】
上記式(18)で表される化合物について、加水分解および/または縮合を行うための水としては、特に限定されないが、イオン交換水を用いることが好ましい。
【0127】
また、水の使用量は、上記式(18)で表される化合物が有するアルコキシル基の合計1モル当たり、0.25〜3モルとなる量、特に0.3〜2.5モルとなる量であることが好ましい。
【0128】
上記式(18)で表される化合物の加水分解および/または縮合を行うための触媒としては、金属キレート化合物、有機酸、無機酸、有機塩基、無機塩基などを用いることができる。
【0129】
触媒として用いられる金属キレート化合物の具体例としては、トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)チタン、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)チタン、テトラキス(アセチルアセトナート)チタン、
【0130】
トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)チタン、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラキス(エチルアセトアセテート)チタン、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)チタン、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)チタン、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)チタン等のチタンキレート化合物;
【0131】
トリエトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、テトラキス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、
【0132】
トリエトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−i−プロポキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−n−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−sec−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリ−t−ブトキシ・モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジエトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−n−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−sec−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ジ−t−ブトキシ・ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノエトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−i−プロポキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−n−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−sec−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ−t−ブトキシ・トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、モノ(アセチルアセトナート)トリス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、ビス(アセチルアセトナート)ビス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、トリス(アセチルアセトナート)モノ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム等のジルコニウムキレート化合物;
【0133】
トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム等のアルミニウムキレート化合物
などを挙げることができる。
【0134】
触媒として用いられる有機酸の具体例としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
【0135】
触媒として用いられる無機酸の具体例としては、例えば塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸等を挙げることができる。
【0136】
触媒として用いられる有機塩基の具体例としては、例えばピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルモノエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセン、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等を挙げることができる。
【0137】
触媒として用いられる無機塩基としては、例えばアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、水酸化カルシウム等を挙げることができる。
【0138】
これらの中では、金属キレート化合物、有機酸または無機酸を触媒として用いることが好ましく、より好ましくはチタンキレート化合物または有機酸である。
【0139】
これらの化合物は1種単独であるいは2種以上組み合わせて触媒として用いることができる。
【0140】
また、触媒の使用量は、SiOに換算した上記式(18)で表される化合物100重量部に対して、通常、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜10重量部の範囲である。
【0141】
さらに、上記式(18)で表される化合物の加水分解および/または縮合を行った後、残存する水分、および、反応副生成物として生ずるアルコール類の除去処理を行うことが好ましい。(B)成分は、その重量平均分子量はポリスチレン換算で500〜500,000であるものが好ましく、500〜300,000であるものがより好ましく用いられる。
【0142】
(B)成分は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、10重量部から95重量部であることが好ましく、10重量部から90重量部であることがより好ましく、20重量部から90重量部であることがさらに好ましく、20重量部から70重量部であるのが特に好ましい。(B)成分が10重量部以下の場合、屈折率変化材料が脆くなりやすく、90重量部以上の場合では得られる屈折率差が小さくなりやすい。
【0143】
(C)感放射線性分解剤
本発明に用いられる(C)感放射線性分解剤は、感放射線性酸発生剤または感放射線性塩基発生剤であることができる。この場合、(A)分解性重合体として酸分解性重合体を使用するときには(C)感放射線性分解剤としては感放射線性酸発生剤を使用し、(A)分解性重合体として塩基分解性重合体を使用するときには(C)感放射線性分解剤としては感放射線性塩基発生剤を使用することが好ましい。
【0144】
上記感放射線性酸発生剤としては、例えばトリクロロメチル−s−トリアジン類、ジアリールヨードニウム塩類、トリアリールスルホニウム塩類、第四アンモニウム塩類、スルホン酸エステル類等を用いることができる。
【0145】
上記トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、例えば2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メトキシ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3,4,5−トリメトキシ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(3−メチルチオ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等が挙げられる。
【0146】
上記ジアリールヨードニウム塩類としては、例えばジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ジフェニルヨードニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、ジフェニルヨードニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムテトラフルオロボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロアルセネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロアセテート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−p−トルエンスルホナート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0147】
上記トリアリールスルホニウム塩類としては、例えばトリフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、トリフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、トリフェニルスルホニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、トリフェニルスルホニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、4−ヒドロキシ−1−ナフタレニルジメチルスルホニウムテトラフルオロボレート、4−ヒドロキシ−1−ナフタレニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロホスホネート、4−ヒドロキシ−1−ナフタレニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−ヒドロキシ−1−ナフタレニルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−ヒドロキシ−1−ナフタレニルジメチルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−ヒドロキシ−1−ナフタレニルジメチルスルホニウム−p−トルエンスルホナート、4−ヒドロキシ−1−ナフタレニルジメチルスルホニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、4−ヒドロキシ−1−ナフタレニルジメチルスルホニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、4−ヒドロキシ−1−ナフタレニルジメチルスルホニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0148】
上記第四アンモニウム塩類としては、例えばテトラメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロホスホネート、テトラメチルアンモニウムヘキサフルオロアルセネート、テトラメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、テトラメチルアンモニウムトリフルオロアセテート、テトラメチルアンモニウム−p−トルエンスルホナート、テトラメチルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスホネート、テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロアルセネート、テトラブチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、テトラブチルアンモニウムトリフルオロアセテート、テトラブチルアンモニウム−p−トルエンスルホナート、テトラブチルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラブチルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、テトラブチルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ベンジルトリメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、ベンジルトリメチルアンモニウムヘキサフルオロホスホネート、ベンジルトリメチルアンモニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジルトリメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、ベンジルトリメチルアンモニウムトリフルオロアセテート、ベンジルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルホナート、ベンジルトリメチルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ベンジルトリメチルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、ベンジルトリメチルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムテトラフルオロボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキサフルオロホスホネート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキサフルオロアルセネート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムトリフルオロアセテート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウム−p−トルエンスルホナート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、N−シンナミリデンエチルフェニルアンモニウムテトラフルオロボレート、N−シンナミリデンエチルフェニルアンモニウムヘキサフルオロホスホネート、N−シンナミリデンエチルフェニルアンモニウムヘキサフルオロアルセネート、N−シンナミリデンエチルフェニルアンモニウムトリフルオロメタンスルホナート、N−シンナミリデンエチルフェニルアンモニウムトリフルオロアセテート、N−シンナミリデンエチルフェニルアンモニウム−p−トルエンスルホナート、N−シンナミリデンエチルフェニルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、N−シンナミリデンエチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、Nーシンナミリデンエチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられる。
【0149】
上記スルホン酸エステル類としては、例えばα−ヒドロキシメチルベンゾイン−p−トルエンスルホン酸エステル、α−ヒドロキシメチルベンゾイン−トリフルオロメタンスルホン酸エステル、α−ヒドロキシメチルベンゾイン−メタンスルホン酸エステル、ピロガロール−トリ(p−トルエンスルホン酸)エステル、ピロガロール−トリ(トリフルオロメタンスルホン酸)エステル、ピロガロール−トリメタンスルホン酸エステル、2,4−ジニトロベンジル−p−トルエンスルホン酸エステル、2,4−ジニトロベンジル−トリフルオロメタンスルホン酸エステル、2,4−ジニトロベンジル−メタンスルホン酸エステル、2,4−ジニトロベンジル−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2,6−ジニトロベンジル−p−トルエンスルホン酸エステル、2,6−ジニトロベンジル−トリフルオロメタンスルホン酸エステル、2,6−ジニトロベンジル−メタンスルホン酸エステル、2,6−ジニトロベンジル−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、2−ニトロベンジル−p−トルエンスルホン酸エステル、2−ニトロベンジル−トリフルオロメタンスルホン酸エステル、2−ニトロベンジル−メタンスルホン酸エステル、2−ニトロベンジル−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、4−ニトロベンジル−p−トルエンスルホン酸エステル、4−ニトロベンジル−トリフルオロメタンスルホン酸エステル、4−ニトロベンジル−メタンスルホン酸エステル、4−ニトロベンジル−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミド−p−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミド−メタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−p−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−メタンスルホン酸エステル、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,1,1−トリ(p−ヒドロキシフェニル)エタン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル等が挙げられる。
【0150】
これらの化合物のうち、トリクロロメチル−s−トリアジン類としては、2−(3−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メチルチオフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−β−スチリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ピペロニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンまたは2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン;
【0151】
ジアリールヨードニウム塩類としては、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートまたは4−メトキシフェニルフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート;
【0152】
トリアリールスルホニウム塩類としては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート、4−メトキシフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナートまたは4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロアセテート;
【0153】
第四アンモニウム塩類としては、テトラメチルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、テトラメチルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムブチルトリス(2,6−ジフルオロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(p−クロロフェニル)ボレート、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムヘキシルトリス(3−トリフルオロメチルフェニル)ボレート;
【0154】
スルホン酸エステル類としては、2,6−ジニトロベンジル−p−トルエンスルホン酸エステル、2,6−ジニトロベンジル−トリフルオロメタンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミド−p−トルエンスルホン酸エステル、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステルをそれぞれ好ましいものとして挙げることができる。
【0155】
上記感放射線性塩基発生剤としては、特開平4−330444号公報、「高分子」p242−248、46巻6号(1997年)、米国特許第5,627,010号公報等に記載されているものが好適に用いられる。しかしながら、機能として放射線の照射により塩基が発生すればこれらに限定されない。
【0156】
本発明における好ましい感放射線性塩基発生剤としては、例えばトリフェニルメタノール、ベンジルカルバメートおよびベンゾインカルバメート等の光活性なカルバメート;O−カルバモイルヒドロキシルアミド、O−カルバモイルオキシム、アロマティックスルホンアミド、アルファーラクタムおよびN−(2−アリルエチニル)アミド等のアミドならびにその他のアミド;オキシムエステル、α−アミノアセトフェノン、コバルト錯体等を挙げることができる。
【0157】
感放射線性塩基発生剤の例としては、例えば下記式(19)〜(29)で表される化合物が挙げられる。
【0158】
【化40】
Figure 0003632974
【0159】
(ここでR76は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のチオアルキル基、炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、ピペリジル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、アリール基、フッ素原子、塩素原子または臭素原子であり、kは0〜3の整数であり、R77は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基でありそしてR78およびR79はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基もしくはベンジル基であるかあるいはR78とR79は互いに結合してそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数5〜6の環状構造を形成してもよい。)
【0160】
【化41】
Figure 0003632974
【0161】
(ここでR80は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のチオアルキル基、炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、ピペリジル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基またはアリール基であり、R81は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基でありそしてR82およびR83はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基もしくはベンジル基であるかあるいはR82とR83は互いに結合してそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数5〜6の環状構造を形成してもよい。)
【0162】
【化42】
Figure 0003632974
【0163】
(ここでR84は炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基でありそしてR85およびR86はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基もしくはベンジル基であるかあるいはR85とR86は互いに結合してそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数5〜6の環状構造を形成していてもよい。)
【0164】
【化43】
Figure 0003632974
【0165】
(ここでR87およびR88はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。)
【0166】
【化44】
Figure 0003632974
【0167】
(ここでR89、R90およびR91は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基である。)
【0168】
【化45】
Figure 0003632974
【0169】
(ここでR92は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のチオアルキル基、炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、ピペリジル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基またはアリール基であり、R93は水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはアリール基でありそしてR94、R95およびR96はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基またはベンジル基である。)
【0170】
【化46】
Figure 0003632974
【0171】
(ここでR97は、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のチオアルキル基、炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、ピペリジル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基またはアリール基であり、R98およびR99はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、フェノキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはアリール基でありそしてR100およびR101はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基もしくはベンジル基であるかあるいはR100とR101は互いに結合してそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数5〜6の環状構造を形成していてもよい。)
【0172】
【化47】
Figure 0003632974
【0173】
(ここでR102およびR103はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のチオアルキル基、炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、ピペリジル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基またはアリール基であり、R104〜R107はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、フェノキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはアリール基でありそしてAはモノアルキルアミン、ピペラジン、芳香族ジアミンまたは脂肪族ジアミンの1個または2個の窒素原子に結合する2個の水素原子を除いて生ずる二価の原子団である。)
【0174】
【化48】
Figure 0003632974
【0175】
(ここでR108およびR109はそれぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数1〜6のチオアルキル基、炭素数1〜6のジアルキルアミノ基、ピペリジル基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基またはアリール基であり、R110およびR111はそれぞれ独立に水素原子、水酸基、メルカプト基、シアノ基、フェノキシ基、炭素数1〜6のアルキル基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはアリール基であり、R112〜R115はそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基もしくはベンジル基であるかあるいはR112とR113およびR114とR115とは、互いに結合してそれらが結合している窒素原子と一緒になって炭素数5〜6の環状構造を形成していても良く、Aは炭素数1〜6のアルキレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基または単結合である。)
【0176】
【化49】
Figure 0003632974
【0177】
(ここでR116〜R118はそれぞれ独立に水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数1〜6のアルキニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基またはアリール基である。)
【0178】
【化50】
Figure 0003632974
【0179】
(ここでLは、アンモニア、ピリジン、イミダゾール、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,2−シクロヘキサンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミンおよびジエチレントリアミンよりなる群から選ばれる少なくとも一種の配位子であり、mは2〜6の整数であり、R119はアリール基でありそしてR120は炭素数1〜18のアルキル基である。)
【0180】
上記式(19)〜(29)の全てにおいて、アルキル基とは直鎖状、分岐鎖状、環状であることができる。またアリール基とは、ビニル基、プロピレニル基などのアルケニル基;アセチレニル基などのアルキニル基;フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基をも包括しており、またこれらの水素原子がフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、シアノ基、ニトロ基、アジド基、ジアルキルアミノ基、アルコキシ基またはチオアルキル基に置換されたものも含むものとする。
【0181】
これらの感放射線性塩基発生剤のうち、2−ニトロベンジルシクロヘキシルカルバメート、トリフェニルメタノール、o−カルバモイルヒドロキシルアミド、o−カルバモイルオキシム、[[(2,6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサン1,6−ジアミン、4−(メチルチオベンゾイル)−1−メチル−1−モルホリノエタン、(4−モルホリノベンゾイル)−1−ベンジル−1−ジメチルアミノプロパン、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジン、ヘキサアンミンコバルト(III)トリス(トリフェニルメチルボレート)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン等が好ましいものとして挙げられる。
【0182】
上記(C)感放射線性分解剤は、(A)分解性重合体と(B)非分解性化合物の合計100重量部に対して、0.01重量部以上用いることが好ましく、0.05重量部以上用いることがさらに好ましい。(C)成分が0.01重量部以下の場合、照射光に対する感度が低下しやすくなる。上限値は好ましくは30重量部、より好ましくは20重量部である。
【0183】
(D)安定化剤
本発明で使用される(D)安定化剤は、放射線照射後の屈折率変化材料に残存する(A)分解性重合体を安定化し、酸または塩基に対する安定性を付与する機能を有する。この安定化処理により、本発明の方法により形成された屈折率パターンは、屈折率を変化させるために使用した波長付近の光が通過する条件下で使用しても、屈折率の変化が引き起こされることがなく、劣化することがない。
【0184】
上記(D)安定化剤としては、例えばアミノ化合物、エポキシ化合物、チイラン化合物、オキセタン化合物、アルコキシメチル化メラミン化合物、アルコキシメチル化グリコールウリル化合物、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン化合物、アルコキシメチル化尿素化合物、イソシアネート化合物、シアネート化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物およびシリル化合物(ハロゲン化シリル化合物、その他のシリル化合物)等を挙げることができる。
【0185】
上記アミノ化合物としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、アニリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオンタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−シクロヘキサンビス(メチルアミン)、2,2’,2”−トリアミノトリエチルアミン、1,4−ジアミノ−2,2,3,3−テトラフロロペンタン、1,5−ジアミノ−2,2,3,3,4,4−ヘキサフロロペンタン、メラミン、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、アクリログアナミン、パラミン、アミドール、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、p,p’−ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、1,8−ジアミノナフタレン、3,5−ジアミノ−1,2,4−トリアゾール、2−クロロ−4,6−ジアミノ−S−トリアジン、2、6−ジアミノピリジン、3,3’−ジアミノベンジジン、ビス(4−アミノフェニル)エーテル、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,2,4,5−ベンゼンテトラミン、2,4−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラアミノベンゾフェノン、トリアミノベンゼン、4,4’−チオジアニリン、2,3,5,6−テトラブロモ−p−キシリレンジアミン、2,3,5,6−テトラクロロ−p−キシリレンジアミン、4,5−メチレンジオキシ−1,2−フェニレンジアミン、2,2’−ビス(5−アミノピリジル)サルファイド等を挙げることができる。
【0186】
上記エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環式脂肪族エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ化合物、脂肪族ポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
【0187】
これらの市販品として、以下のものを例示することができる。ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、エピコート1001、同1002、同1003、同1004、同1007、同1009、同1010、同828(以上、油化シェルエポキシ(株)製)等を、ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、エピコート807(油化シェルエポキシ(株)製)等を、フェノールノボラック型エポキシ樹脂としては、エピコート152、同154(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、EPPN201、同202(以上、日本化薬(株)製)等を、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、EOCN−102、EOCN−103S、EOCN−104S、EOCN−1020、EOCN−1025、EOCN−1027(以上、日本化薬(株)製)、エピコート180S75(油化シェルエポキシ(株)製)等を、環式脂肪族エポキシ樹脂としては、CY175、CY177、CY179(以上、CIBA−GEIGY A.G製)、ERL−4234、ERL−4299、ERL−4221、ERL−4206(以上、U.C.C社製)、ショーダイン509(昭和電工(株)製)、アラルダイトCY−182、同CY−192、同CY−184(以上、CIBA−GEIGY A.G製)、エピクロン200、同400(以上、大日本インキ工業(株)製)、エピコート871、同872(以上、油化シェルエポキシ(株)製)、ED−5661、ED−5662(以上、セラニーズコーティング(株)製)等を、脂肪族ポリグリシジルエーテルとしては、エポライト100MF(共栄社化学(株)製)、エピオールTMP(日本油脂(株)製)等を挙げることができる。
【0188】
上記以外にもフェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、3,3,3−トリフロロメチルプロピレンオキシド、スチレンオキシド、ヘキサフロロプロピレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、N−グリシジルフタルイミド、(ノナフロロ−N−ブチル)エポキシド、パーフロロエチルグリシジルエーテル、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、N,N−ジグリシジルアニリン、3−[2−(パーフロロヘキシル)エトキシ]−1,2−エポキシプロパン等がエポキシ化合物として好適に使用できる。
【0189】
上記チイラン化合物としては、上記エポキシ化合物のエポキシ基を、例えばJ.Org.Chem.,28,229(1963)に示されるようにしてエチレンスルフィド基に置換したものを使用することができる。
【0190】
上記オキセタン化合物としては、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン(商品名「XDO」、東亞合成(株)製)、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕メタン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕エーテル、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕プロパン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕スルホン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕ケトン、ビス〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル−フェニル〕ヘキサフロロプロパン、トリ〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン、テトラ〔(3−エチル−3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン等を挙げることができる。
【0191】
上記アルコキシメチル化メラミン化合物、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン化合物、アルコキシメチル化グリコールウリル化合物およびアルコキシメチル化尿素化合物は、それぞれメチロール化メラミン化合物、メチロール化ベンゾグアナミン化合物、メチロール化グリコールウリル化合物およびメチロール化尿素化合物のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えばメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等とすることができる。
【0192】
これらの市販品としては、例えばサイメル300、同301、同303、同370、同325、同327、同701、同266、同267、同238、同1141、同272、同202、同1156、同1158、同1123、同1170、同1174、同UFR65、同300(以上、三井サイアナミッド(株)製)、ニカラックMx−750、同Mx−032、同Mx−706、同Mx−708、同Mx−40、同Mx−31、同Ms−11、同Mw−30(以上、三和ケミカル(株)製)等を挙げることができる。
【0193】
上記イソシアネート化合物としては、例えばフェニレン−1,3−ジイソシアネート、フェニレン−1,4−ジイソシアネート、1−メトキシフェニレン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルフェニレン−2,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、ビフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、
3,3’−ジメチルビフェニレン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、シクロブチレン−1,3−ジイソシアネート、シクロペンチレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキシレン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルシクロヘキシレン−2,6−ジイソシアネート、1−イソシアネート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアネートメチルシクロヘキサン、シクロヘキサン−1,3−ビス(メチルイソシアネート)、シクロヘキサン−1,4−ビス(メチルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、エチレンジイソシアネート、テトラメチレン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、ドデカメチレン−1,12−ジイソシアネート、リジンジイソシアネートメチルエステル等や、これらの有機ジイソシアネートの化学量論的過剰量と2官能性活性水素含有化合物との反応により得られる両末端イソシアネートプレポリマー等を挙げることができる。
【0194】
また、場合により上記ジイソシアネートとともに、例えばフェニル−1,3,5−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,5,4’−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−2,4’,4”−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,2’,4’−テトライソシアネート、ジフェニルメタン−2,5,2’,5’−テトライソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリイソシアネート、シクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、3,5−ジメチルシクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、1,3,5−トリメチルシクロヘキサン−1,3,5−トリス(メチルイソシアネート)、ジシクロヘキシルメタン−2,4,2’−トリイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート等の3官能以上の有機ポリイソシアネートや、これらの3官能以上の有機ポリイソシアネートの化学量論的過剰量と2官能以上の多官能性活性水素含有化合物との反応により得られる末端イソシアネートプレポリマー等を併用してもよい。
【0195】
上記シアネート化合物としては、1,3−ジシアナートベンゼン、1,4−ジシアナートベンゼン、1,3,5−トリシアナートベンゼン、1,3−、1,4−、1,6−、1.8−、2.6−、または2,7−ジシアナートナフタレン、1,3,6−トリシアナートナフタレン、2,2’−または4,4’−ジシアナートビフェニル、ビス(4−シアナートフェニル)メタン、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン、2,2’−ビス(3,5−ジクロロ−4−シアナートフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)エタン、ビス(4−シアナートフェニル)エーテル、ビス(4−シアナートフェニル)チオエーテル、ビス(4−シアナートフェニル)スルホン、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパン、トリス(4−シアナートフェニル)ホスファイト、トリス(4−シアナートフェニル)ホスフェート、およびフェノール樹脂とハロゲン化シアンの反応より得られるベンゼン多核体のポリイソシアネート化合物(例えば、特公昭45−11712号および55−9433号公報)などを挙げることができる。入手が容易でありかつ、成形性および最終硬化物に良好な性質を与えるという点から、2,2−ビス(4−シアナートフェニル)プロパンのようなビスフェノールから誘導された2価のシアン酸エステル化合物は、特に良好に使用される。また、フェノールとホルムアルデヒドとの初期縮合物にハロゲン化シアンを反応させて得られるポリシアナートも有用である。
【0196】
上記オキサゾリン化合物としては、2,2’−ビス(2−オキサゾリン)、4−フラン−2−イルメチレン−2−フェニル−4H−オキサゾール−5−オン、1,4−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン、2,3−ビス(4−イソプロペニル−2−オキサゾリン−2−イル)ブタン、2,2’−ビス−4−ベンジル−2−オキサゾリン、2,6−ビス(イソプロピル−2−オキサゾリン−2−イル)ピリジン、2,2’−イソプロピリデンビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2’−メチレンビス(4−tert−ブチル−2−オキサゾリン)、2,2’−メチレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)等が挙げられる。
【0197】
上記オキサジン化合物としては、2,2’−ビス(2−オキサジン)、4−フラン−2−イルメチレン−2−フェニル−4H−オキサジル−5−オン、1,4−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサジル)ベンゼン、1,3−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサジル)ベンゼン、2,3−ビス(4−イソプロペニル−2−オキサジン−2−イル)ブタン、2,2’−ビス−4−ベンジル−2−オキサジン、2,6−ビス(イソプロピル−2−オキサジン−2−イル)ピリジン、2,2’−イソプロピリデンビス(4−tert−ブチル−2−オキサジン)、2,2’−イソプロピリデンビス(4−フェニル−2−オキサジン)、2,2’−メチレンビス(4−tert−ブチル−2−オキサジン)、2,2’−メチレンビス(4−フェニル−2−オキサジン)等が挙げられる。
【0198】
上記ハロゲン化シリル化合物としては、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラヨードシラン、トリクロロブロモシラン、ジクロロジブロモシラン等のテトラハロゲノシラン類、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロブロモシラン、シクロヘキシルトリクロロシラン等のモノアルキルトリハロゲノシラン類、フェニルトリクロロシラン、ナフチルトリクロロシラン、4−クロロフェニルトリクロロシラン、フェニルジクロロブロモシラン等のモノアリールトリハロゲノシラン類、フェノキシトリクロロシラン、フェノキシジクロロブロモシラン等のモノアリールオキシトリハロゲノシラン類、メトキシトリクロロシラン、エトキシトリクロロシラン等のモノアルコキシトリハロゲノシラン類、ジメチルジクロロシラン、メチル(エチル)ジクロロシラン、メチル(シクロヘキシル)ジクロロシラン等のジアルキルジハロゲノシラン類、メチル(フェニル)ジクロロシラン等のモノアルキルモノアリールジハロゲノシラン類、ジフェニルジクロロシラン等のジアリールジハロゲノシラン類、ジフェノキシジクロロシラン等のジアリールオキシジハロゲノシラン類、メチル(フェノキシ)ジクロロシラン等のモノアルキルモノアリールオキシジハロゲノシラン類、フェニル(フェノキシ)ジクロロシラン等のモノアリールモノアリールオキシジハロゲノシラン類、ジエトキシジクロロシラン等のジアルコキシジハロゲノシラン類、メチル(エトキシ)ジクロロシラン等のモノアルキルモノアルコキシジクロロシラン類、フェニル(エトキシ)ジクロロシラン等のモノアリールモノエトキシジクロロシラン類、トリメチルクロロシラン、ジメチル(エチル)クロロシラン、ジメチル(シクロヘキシル)クロロシラン等のトリアルキルモノハロゲノシラン類、ジメチル(フェニル)クロロシラン等のジアルキルモノアリールモノハロゲノシラン類、メチル(ジフェニル)クロロシラン等のモノアルキルジアリールモノハロゲノシラン類、トリフェノキシクロロシラン等のトリアリールオキシモノハロゲノシラン類、メチル(ジフェノキシ)クロロシラン等のモノアルキルジアリールオキシモノハロゲノシラン類、フェニル(ジフェノキシ)クロロシラン等のモノアリールジアリールオキシモノハロゲノシラン類、ジメチル(フェノキシ)クロロシラン等のジアルキルモノアリールオキシモノハロゲノシラン類、ジフェニル(フェノキシ)クロロシラン等のジアリールモノアリールオキシモノハロゲノシラン類、メチル(フェニル)(フェノキシ)クロロシラン等のモノアルキルモノアリールモノアリールオキシモノハロゲノシラン類、トリエトキシクロロシラン等のトリエトキシモノハロゲノシラン類、およびテトラクロロシランの2〜5量体等の上記化合物のオリゴマー等が挙げられる。
【0199】
上記その他のシリル化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、t−ブチルジメチルクロロシラン、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、ジエチルアミノトリメチルシラン、トリメチルシラノール、ヘキサメチルジシロキサン、クロルメチルジメチルエトキシシラン、アセチルトリフェニルシラン、エトキシトリフェニルシラン、トリフェニルシラノール、トリエチルシラノール、トリプロピルシラノール、トリブチルシラノール、ヘキサエチルジシロキサン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシラン、アセトキシエチルジメチルクロロシラン、1,3−ビス(ヒドロキシブチル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(ヒドロキシプロピル)テトラメチルジシロキサン、γ−アミノプロピルメトキシシラン、γ−アミノプロピルエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、N−トリメチルシリルイミダゾール、ビス(トリメチルシリル)ウレア、トリメチルシリルアセトアミド、ビストリメチルシリルアセトアミド、トリメチルシリルイソシアネート、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン、t−ブチルジフェニルクロロシラン、トリイソプロピルクロロシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ジメチルシリルジイソシアネート、メチルシリルトリイソシアネート、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、およびフェニルシリルトリイソシアネート等が挙げられる。
【0200】
本発明に用いられる(D)安定化剤としては、上記のうち、アミノ化合物、エポキシ化合物、チイラン化合物、オキセタン化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、シリル化合物、イソシアネート化合物およびシアネート化合物が好ましく、その中でもアミノ化合物、エポキシ化合物、チイラン化合物、オキセタン化合物、オキサゾリン化合物およびオキサジン化合物がさらに好ましく用いられる。そのうちでも特に、エチレンジアミン、フェニルグリシジルエーテル、3−フェノキシプロピレンスルフィド、3,3,3,−トリフロロプロピレンオキシド、ヘキサメチルジシラザン、γ−アミノプロピルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルシリルトリイソシアネート等が好ましく用いられる。
【0201】
これらの(D)安定化剤は、単独でまたは2種類以上を組み合わせて用いることができる。また(D)成分の使用割合は、(A)分解性化合物の残存部が十分に反応するように過剰に用いることができるが、通常(A)成分100重量部に対して10重量部以上、好ましくは30重量部以上を使用することができる。(D)成分の量が10重量部未満であると、反応が不十分となり、屈折率変化材料の安定性が不足することがある。
【0202】
また(D)安定化剤とともに触媒を使用することができる。触媒の使用により、(D)成分と(A)分解性化合物の残存部との反応が促進される。
【0203】
このような触媒としては、例えば酸触媒、塩基触媒、第四オニウム塩類などが挙げられる。
【0204】
上記酸触媒としては、酢酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸のような有機酸や、塩酸、硫酸、硝酸のような無機酸が、上記塩基触媒としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムまたは炭酸リチウムのようなアルカリ金属炭酸塩類;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムまたは炭酸水素リチウムのようなアルカリ金属重炭酸塩類;酢酸ナトリウムのようなアルカリ金属酢酸塩類;水素化リチウム、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムのようなアルカリ金属水素化物類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化リチウムのようなアルカリ金属水酸化物類;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシドまたはリチウムメトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;メチルメルカプタンナトリウムまたはエチルメルカプタンナトリウムのようなメルカプタンアルカリ金属類;トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)または1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(DBU)のような有機アミン類;メチルリチウム、エチルリチウムまたはブチルリチウムのようなアルキルリチウム類;リチウムジイソプロピルアミドまたはリチウムジシクロヘキシルアミドのようなリチウムアルキルアミド類などが、さらに上記第四オニウム塩類としては、例えばテトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨード、テトラブチルアンモニウムアセテート、テトラブチルホスホニウムクロライド、テトラブチルホスホニウムブロミド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、その他を挙げることができる。また、18−クラウン−6−エーテルと、塩化カリウム、臭化カリウム、沃化カリウム、塩化セシウム、カリウムフェノキシド、ナトリウムフェノキシド、安息香酸カリウムなどの塩類とを組み合わせて触媒として用いることもできる。
【0205】
これらの中で好ましい触媒としては、p−トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム、カリウムt−ブトキシド、トリエチルアミン、DBU、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルホスホニウムブロミド、18−クラウン−6−エーテル/カリウムフェノキシドを挙げることができる。
【0206】
これらの触媒の使用量は、(D)成分としてアミノ化合物、アルコキシメチル化メラミン化合物、アルコキシメチル化グリコールウリル化合物、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン化合物、アルコキシメチル化尿素化合物、およびハロゲン化シリル化合物を用いるときは、(D)成分1当量に対して、2モル以下の使用量が好ましく用いられる。
【0207】
また、(D)成分としてエポキシ化合物、チイラン化合物、オキセタン化合物、イソシアネート化合物、シアネート化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、その他のシリル化合物を用いるときは、(D)成分1当量に対して、0.2モル以下の使用量が好ましく用いられる。
【0208】
なおここで(D)成分の使用当量数は、(D)成分の使用量(モル)に当該(D)成分中に含まれる反応性基の数を乗じて得られる値であり、反応性基の数とは、(D)成分の種類により下記のように定義される。
【0209】
アミノ化合物の場合;窒素原子の数
エポキシ化合物の場合;エポキシ基の数
チイラン化合物の場合;エチレンスルフィド基の数
オキセタン化合物の場合;オキセタニル基の数
アルコキシメチル化メラミン化合物、アルコキシメチル化グリコールウリル化合物、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン化合物およびアルコキシメチル化尿素化合物の場合;アルコキシメチル基の数
イソシアネート化合物の場合;イソシアネート基の数
シアネート化合物の場合;シアネート基の数
オキサゾリン化合物の場合;オキサゾリル基の数
オキサジン化合物の場合;オキサジル基の数
ハロゲン化シリル化合物;ケイ素原子に結合しているハロゲン原子の数
その他のシリル化合物;ケイ素原子の数
【0210】
<その他の成分>
本発明で使用する屈折率変化性組成物には、本発明の目的を損なわない限りにおいて、その他の添加剤が含有されていてもよい。このような添加剤としては、紫外線吸収剤、増感剤、界面活性剤、耐熱性改良剤、接着助剤等が挙げられる。
【0211】
上記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾ−ル類、サリシレ−ト類、ベンゾフェノン類、置換アクリロニトリル類、キサンテン類、クマリン類、フラボン類、カルコン類化合物等の紫外線吸収剤が挙げられる。具体的にはチバ・スペシャルティ−・ケミカルズ社製のチヌビン234(2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾ−ル)、チヌビン571(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾ−ル誘導体)、チヌビン1130(メチル−3−(3−t−ブチル−5−(2H−ベンゾトリアゾ−ル−2−イル)−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネ−ト−ポリエチレングリコ−ル(分子量300)との縮合物)、1,7−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)−1,6−ヘプタジエン−3,5−ジオン、ジベンジリデンアセトンなどがある。
【0212】
紫外線吸収剤を添加することにより、本発明の屈折率変化性組成物における放射線照射部の表面からの深さが深くなるにつれ(C)成分からの酸または塩基発生量を徐々に減少させることができ、GRIN形成手段として有用である。これらの紫外線吸収剤の使用割合は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重量部以下である。
【0213】
上記増感剤としては、例えば3−位および/または7−位に置換基を有するクマリン類、フラボン類、ジベンザルアセトン類、ジベンザルシクロヘキサン類、カルコン類、キサンテン類、チオキサンテン類、ポルフィリン類、フタロシアニン類、アクリジン類、アントラセン類等を用いることができる。
【0214】
増感剤の使用割合は、(A)成分と(B)成分の合計100重量部に対して、好ましくは30重量部以下、より好ましくは20重量部以下である。
【0215】
また、上記界面活性剤は、塗布性の改善例えばストリエーションの防止や、現像性の改良を行うために添加することができる。
【0216】
界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジアルキルエステル類の如きノニオン系界面活性剤;エフトップEF301、同EF303、同EF352(以上、新秋田化成(株)製)、メガファックF171、同F172、同F173(以上、大日本インキ工業(株)製)、フロラードFC430、同FC431(以上、住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC−101、SC−102、SC−103、SC−104、SC−105、SC−106(以上、旭硝子(株)製)等の商品名で市販されている弗素系界面活性剤;オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、アクリル酸系またはメタクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.57、95(共栄社化学(株)製)等の商品名で市販されているその他の界面活性剤を用いることができる。
【0217】
これらの界面活性剤の使用割合は、(A)成分と(B)成分の合計量100重量部に対して、好ましくは2重量部以下、より好ましくは1重量部以下である。
【0218】
また、上記接着助剤は、基板との密着性を改良するために添加することができ、シランカップリング剤等が好ましく用いられる。
【0219】
上記耐熱性改良剤としては、多価アクリレート等の不飽和化合物などを添加することができる。
【0220】
さらに、本発明で使用する屈折率変化材料においては、必要に応じて、帯電防止剤、保存安定剤、ハレーション防止剤、消泡剤、顔料、熱酸発生剤等を添加することもできる。
【0221】
<屈折率パターンの形成>
本発明において、上記の屈折率変化性組成物を用いることにより、例えば次のようにして屈折率パターンを形成することができる。
【0222】
先ず、屈折率変化性組成物を、例えばその固形分の濃度が5〜70重量%となるよう溶剤に溶解または分散し、組成物を調製する。必要に応じて孔径0.1〜10μm程度のフィルターで濾過した後に使用してもよい。
【0223】
その後、この組成物をシリコンウェハー等の基板の表面に塗布し、プレベークを行うことにより溶剤を除去して屈折率変化性組成物の塗膜を形成する。次いで、形成された塗膜に、例えばパターンマスクを介して、その一部に対して放射線照射処理を行い、次いで加熱を行うことにより屈折率変化性組成物の放射線照射部と放射線未照射部での屈折率差が形成される。
【0224】
放射線の照射により(C)成分の感放射線性分解剤から酸または塩基が生成され、この酸または塩基が(A)成分に作用して(A)成分を分解する。この分解物は主に放射線照射後の加熱時に逃散する。その結果、放射線照射部と放射線未照射部との間に屈折率の差が生じることになる。
【0225】
また、上記加熱時に、酸または塩基と反応せずに残存する(A)成分と(D)成分が反応して、形成された屈折率パターンを安定化する。
【0226】
本発明に使用される屈折率変化性組成物を含有する溶液を調製するための溶媒としては、上記(A)、(B)、(C)、(D)および任意に添加されるその他の添加剤の各成分を均一に溶解し、各成分と反応しないものが用いられる。
【0227】
具体的には、例えばメタノール、エタノール、プロパノール、iso−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類;テトラヒドロフランなどのエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどのジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールプロピルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテルなどのプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートプロピレングリコールブチルエーテルアセテート、などのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;
【0228】
および酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロチル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−エトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸メチル、2−ブトキシプロピオン酸エチル、2−ブトキシプロピオン酸プロピル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸プロピル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸メチル、3−プロポキシプロピオン酸エチル、3−プロポキシプロピオン酸プロピル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸メチル、3−ブトキシプロピオン酸エチル、3−ブトキシプロピオン酸プロピル、3−ブトキシプロピオン酸ブチル、などのエステル類;
【0229】
トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ヘキサフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロジメチルシクロヘキサン、ペルフルオロメチルシクロヘキサン、オクタフルオロデカリン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンなどのフッ素原子含有溶媒が挙げられる。
【0230】
これらの溶剤の中で、溶解性、各成分との反応性および塗膜の形成のしやすさから、アルコール類、グリコールエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類、ケトン類、エステル類およびジエチレングリコール類が好ましく用いられる。
【0231】
さらに前記溶媒とともに高沸点溶媒を併用することもできる。併用できる高沸点溶媒としては、例えばN−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアニリド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテートなどが挙げられる。
【0232】
本発明で使用される屈折率変化性組成物は、放射線を照射するにあたり、用途を考慮した上で各種形状に成形される。例えばロッド状、ファイバー状、長板状、球状、フィルム状、レンズ状などが挙げられるがこれに限定されるものではない。その成形方法についても通常用いられる方法を用いることができる。例えば射出成形、圧縮成形、ブロー成形、押し出し、箱枠内重合法、削り出し法、引き延ばし法、加熱冷却法、CVD蒸着法、焼結法、スキャン法などが挙げられる。また光学成形体の用途によってはスピンコート法、スリット法、バーコート法、溶媒キャスト法、LB法、スプレー法、ロールコート法、凸版印刷法、スクリーン印刷法等も用いることができる。
【0233】
この成形処理において加熱処理(以下、「プレベーク」という。)を行なうのが好ましい。その加熱条件は、本発明の材料の配合組成、各添加剤の種類等により変わるが、好ましくは30〜200℃、より好ましくは40〜150℃であり、ホットプレートやオーブン、赤外線などを使用して加熱することができる。
【0234】
放射線照射処理に使用される放射線としては、波長365nmのi線、404nmのh線、436nmのg線、キセノンランプ等の広域波長光源等の紫外線、波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線あるいは電子線等の荷電粒子線、可視光およびこれらの混合線等が挙げられる。これらのうち、紫外光および可視光が好ましい。照度としては照射波長などにもよるが、0.1mW/cm〜100mW/cmとすることが最も反応効率が良く好ましい。これらの放射線は、パターンマスクを介して照射することで、感放射線性屈折率変化材料をパターニングすることが可能である。パターニング精度としては、使用する光源などにも影響を受けるが、0.2μm程度の解像性をもつ屈折率変化分布の光学部品の製造が可能である。
【0235】
本発明では、露光後に加熱処理(放射線照射後ベーク(PEB))を行うのが好ましい。その加熱には、上記プレベークと同様な装置が使用でき、その条件は任意に設定することができる。好ましい加熱温度は30〜150℃であり、より好ましくは30〜130℃である。また、放射線照射後ベークと連続してあるいは別個に、残存する(A)成分と(D)成分とを反応させる安定化のための加熱処理を行うのが好ましい。安定化のための加熱処理は35〜200℃が好ましく、より好ましくはPEBの温度より10℃以上高い温度であり、さらに好ましくはPEBの温度より20℃以上高い温度である。
【0236】
さらに、放射線未照射部に残存する(C)成分などを分解し、材料の安定性をさらに高めるために再露光処理を行うことができる。
【0237】
再露光処理は、例えば、屈折率を変化させる工程で用いた放射線と同様の波長の放射線を、同様の露光量にてパターン全面に照射することで実施できる。
【0238】
所望によりさらに加熱処理を行うことにより材料の安定性をさらに高めることができる。このときの加熱には材料成形時のプレベ−クと同様な装置が使用でき、その条件は任意に設定することができる。
【0239】
また、本発明によれば、本発明の屈折率パターン形成法は、上記(A)成分、(B)成分および(C)成分からなる屈折率変化性組成物にパターンマスクを介して放射線を照射し、次いで(D)安定化剤で処理することによっても実施することができる。
【0240】
安定化剤(D)による処理は、露光後ベークを実施した後に行うのが好ましい。
【0241】
(D)安定化剤は、放射線照射後の屈折率変化材料に残存する(A)分解性化合物を安定化し、酸または塩基に対する安定性を付与する機能を有する。この安定化処理により、本発明の方法により形成された屈折率パターンは、屈折率を変化させるために使用した波長付近の光が通過する条件下で使用しても、屈折率の変化が引き起こされることがなく、劣化することがない。
【0242】
(D)安定化剤としては、前記具体例の他に、さらにアンモニアやトリエチルアミンの如き低沸点化合物を使用することができる。
【0243】
安定化処理における放射線照射後の屈折率変化性組成物と(D)安定化剤との接触には、適宜の方法を採用できるが、例えば(D)成分および場合により触媒を適当な溶媒に溶解して溶液状態で屈折率変化性組成物と接触することができ、あるいは、(D)成分が接触条件下で液体または気体の場合には(D)成分100%の状態でそのまま接触させることもできる。
【0244】
上記(D)安定化剤と(A)成分との反応において溶媒を使用する場合の溶媒は、(D)成分および任意に添加される触媒を溶解し、(A)成分を溶解しないものが好ましい。このような溶媒を選択すれば、得られる屈折率パターンの表面に荒れが生ずることがない。
【0245】
このような溶媒としては、例えば水;メタノール、エタノール、iso−プロパノール、n−プロパノール、n−ブタノール、iso−ブタノール、tert−ブタノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のジエチレングリコール類;プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類;プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールブチルエーテルプロピオネート等のプロピレングリコールアルキルエーテルプロピオネート類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタンなどの脂肪族炭化水素類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどのケトン類;および酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸ブチル、2−ブトキシプロピオン酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸ブチル、3−プロポキシプロピオン酸ブチル、3−ブトキシプロピオン酸ブチルなどのエステル類;トリフルオロメチルベンゼン、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、ヘキサフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロジメチルシクロヘキサン、ペルフルオロメチルシクロヘキサン、オクタフルオロデカリン、1,1,2−トリクロロ−1,2,2−トリフルオロエタンなどのフッ素原子含有溶媒が挙げられる。
【0246】
これらの溶剤の中で、水、アルコール類、グリコールエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、およびフッ素原子含有溶媒が好ましく用いられる。
【0247】
(D)安定化剤と(A)分解性化合物の残存部との反応を行う際の反応温度は通常0〜130℃とすることができ、反応時間は通常10秒〜1時間とすることができる。
【0248】
さらに、放射線未照射部に残存する(C)成分などを分解し、材料の安定性をさらに高めるために再露光処理を行うことができる。
【0249】
なお、上記安定化処理を含む屈折率パターン形成法について記載のない事項は、前述の屈折率パターン形成法について記載の事項がそのままあるいは当業者に自明の変更の下で適用されると理解されるべきである。
【0250】
さらに、本発明によれば、本発明の屈折率パターン形成法は、上記(A)成分、(B)成分および(C)成分からなる屈折率変化性組成物にパターンを介して放射線を照射し、次いで加熱して未露光部の(A)分解性化合物を分解せしめることによって実施することもできる。
【0251】
上記加熱は、好ましくは放射線照射後ベークの温度より10℃以上高い温度で実施するのが好ましい。例えば170℃以上の温度が好ましく、200℃以上の温度がさらに好ましい。
【0252】
上記加熱により、未露光部に残存していた(A)分解性化合物は分解や昇華により除去され、好ましくは空孔を実質的に形成しない。
【0253】
なお、(D)成分を含まない場合の上記屈折率パターン形成法について記載のない事項は、前述のパターン形成法について記載の事項のうち関連のある事項がそのままあるいは当業者に自明の変更の下で適用されると理解されるべきである。
【0254】
上記のようにして種々の方法により形成された本発明の屈折率パターンは、好ましくは放射線照射部(第1領域)の屈折率の方が放射線未照射部(第2領域)の屈折率より小さくなる。この差は、本発明に用いる屈折率変化性組成物中の(A)成分と(B)成分の種類と含有量を調整することにより、任意に調整でき、例えば屈折率差の最大値を0.02より大きい値とすることができる。
【0255】
本発明の屈折率パターンは、放射線照射部に空隙を有しているかあるいは有していない。
【0256】
また、放射線照射部が空隙を有する場合には、その空隙率は好ましくは10〜99.9%、より好ましくは15〜99.9%、特に好ましくは20〜99.9%である。
【0257】
さらに、放射線照射部および未照射部の弾性率は、好ましくはそれぞれ0.3GPa以上および1GPa以上であり、さらに好ましくはそれぞれ0.5GPa以上および3GPa以上である。
【0258】
放射線照射部の弾性率は、好ましくは放射線未照射部のそれより小さい。
【0259】
また、本発明の屈折率パターンは、前述のように屈折率を変化させるために使用した波長付近の光が通過する条件下で使用しても、屈折率の変化が引き起こされることがなく、劣化することがないため、光エレクトロニクスやディスプレイ分野に使用される光学材料として極めて有用である。
【0260】
本発明の屈折率パターンは、充分に大きな屈折率差を有し、しかも形成された屈折率差は光、熱に対して安定であることから、光エレクトロニクスやディスプレイ分野に使用される光学材料として極めて有用である。本発明の屈折率パターンは、その他フォトアレイ、レンズ各種、フォトカプラ、フォトインタラプタ、偏光ビームスプリッタ、ホログラム、シングルモード/マルチモード等光ファイバ、バンドルファイバ、ライトガイド各種、単芯/多芯/光電気結合等光コネクタ、光アイソレータ、偏光子、フォトダイオード/フォトトランジスタ/フォトIC/CCDイメージセンサ/CMOSイメージセンサ/光ファイバセンサ、光ファイバジャイロ等光センサ各種、CD/LD/PD/DVD等光ディスク各種、光スイッチ各種、導波路、光学式タッチパネル、回折格子、導光板、光拡散板、反射防止板、光学封止材等の光学部品に用いられる。
【0261】
<光学部品の製造方法>
感光性屈折率変化性組成物は光を照射するにあたり、用途を考慮した上で各種形状に成形される。
【0262】
例えばロッド状、ファイバー状、長板状、球状、フィルム状、レンズ状などが挙げられるがこれに限定されるものではない。その成形方法についても通常用いられる方法を用いることができ、例えば射出成形、圧縮成形、ブロー成形、押し出し、箱枠内重合法、削り出し法、引き延ばし法、加熱冷却法、CVD蒸着法、焼結法、スキャン法などが挙げられる。また光学成形体の用途によってはスピンコート法、スリット法、バーコート法、溶媒キャスト法、LB法、スプレー法、ロールコート法、凸版印刷法、スクリーン印刷法等も用いることができる。
【0263】
光照射処理に使用される光としては、波長365nmのi線、404nmのh線、436nmのg線、キセノンランプ等の広域波長光源等の紫外線、波長248nmのKrFエキシマレーザー、波長193nmのArFエキシマレーザー等の遠紫外線、シンクロトロン放射線等のX線あるいは電子線等の荷電粒子線、可視光およびこれらの混合線等が挙げられる。これらのうち、紫外光および可視光が好ましい。照度としては照射波長などにもよるが、0.1mW/cm〜100mW/cmとすることが最も反応効率が良く好ましい。これらの放射線は、パターンマスクを介して照射することで、感放射線性屈折率変化性組成物をパターニングすることが可能である。パターニング精度としては、使用する光源など影響を受けるが、0.2μm程度の解像性をもつ屈折率変化分布の光学部品の製造が可能である。
【0264】
本発明においては、露光後に加熱処理(以下、「露光後ベーク」という。)を行なうのが好ましい。その加熱条件は、本発明の材料の配合組成、各添加剤の種類等により変わるが、好ましくは30〜200℃、より好ましくは40〜150℃であり、ホットプレートやオーブン、赤外線などを使用して加熱することができる。
【0265】
本発明の光学部品の屈折率分布における最大屈折率と最小屈折率の差は、前述のようにその用途に応じて任意に設定することができるが、例えば0.02以上とすることができ、必要に応じて0.03以上、さらに0.05以上、0.08以上とすることができる。
【0266】
次に具体的な例として、光ファイバー、レンズ、光導波路、回折格子、ホログラム素子および記録媒体の形成方法について詳述する。
【0267】
<光ファイバーの形成方法>
光ファイバーは適宜の方法により形成することができるが、例えば、以下の方法によることができる。
【0268】
光ファイバーを形成するための感光性屈折率変化性組成物は、適当な溶媒に溶解させた状態で使用することができる。このとき使用する溶媒としては、沸点が50℃〜200℃の溶媒を使用することができ、溶液中の固形分濃度は50〜80%とすることができる。この溶液をファイバーの原液として用い、脱泡後、加熱延伸、レーザー照射延伸、押し出し等でファイバー形状を形成する。このときの孔径としては0.1〜1.0mm、延伸速度としては0.1〜1,000m/min程度の値を採用することができる。
【0269】
次に、上記のように形成したファイバーに対し、光源をリング状に光ファイバーや反射板などを用いてファイバーの周囲から中心に向かって均一に光照射を行い、その後、露光後ベークを行うことにより、本発明の光ファイバーを形成することができる。このときの露光後ベーク温度は50℃〜200℃、ベーク時間として1秒〜30分程度の加熱条件とすることができる。加熱熱源としては、赤外線ランプ等の適宜の熱源を使用することができる。
【0270】
この際、光の照射量の調整や波長の選択、また紫外線吸収剤の利用により、中心軸から周囲にかけて放物線状に屈折率が減少する分布のGI型光ファイバーを形成することができる。
【0271】
以上述べた、ファイバーの延伸装置、放射線照射装置、加熱装置は連続した工程とすることができる。これにより連続してGI型光ファイバーなどを製造することが可能である。
【0272】
<レンズの形成方法>
本発明のレンズは適宜の方法で形成することができるが、例えば以下の方法によることができる。
【0273】
▲1▼凹レンズ能を持つGRINレンズの形成方法
レンズの形成に用いる感光性屈折率変化性組成物は、適当な溶媒に溶解させた状態で使用することができる。このとき使用する溶媒としては、沸点が50℃〜200℃の溶媒を使用することができ、溶液中の固形分濃度は50〜80%とすることができる。この溶液をホットプレス等により所望の形状の円板状に成形する。
次いで、円板の中心部の露光量が大きく、円周部に行くに連れて露光量が減少するように光照射を行い、その後露光後ベークを施すことにより、凹レンズ能を持つGRINレンズを形成することができる。このときの照射装置は、例えば図1に示すようなものを用いることができる。図1の照射装置は、円板状の試料1の前に開閉自在な絞り2を取り付け、上記光源の平行光のみを絞り2を閉めた状態から徐々に開きながら照射を行い、1秒〜5分間で完全に絞り2が開放されるようにシャッター速度を調節することにより、前記の露光状態を実現するものである。
露光後ベークの加熱条件としては、50〜200℃にて1秒〜30分程度を採用することができる。
【0274】
▲2▼凸レンズ能を持つGRINレンズの形成方法
上記▲1▼と同様の円板状の試料に対し、円板の円周部の露光量が大きく、中心部に行くにつれて露光量が少なくなるように光照射を行った後、露光後ベークをすることにより、凸レンズ能を有するGRINレンズを得ることができる。
このような露光状態は、例えば円筒上下部を遮光した状態で、側面からのみ光が均一に入射するようにすれば実現できる。側面からの均一な光照射には、光ファイバーや反射板等を利用することができる。
露光後ベークは、上記▲1▼と同様の条件を採用することができる。
【0275】
<光導波路の形成方法>
本発明の光導波路は適宜の方法で形成することができるが、例えば以下の方法によることができる。
【0276】
光導波路を形成するための感光性屈折率変化性組成物は、適当な溶媒に溶解させた状態で使用することができる(A液)。このとき使用する溶媒としては、沸点が50℃〜200℃の溶媒を使用することができ、溶液中の固形分濃度は20〜60%とすることができる。
この溶液とは別に、(B)成分に熱酸発生剤および/または光酸発生剤を加えた組成物溶液を調整する(B液)。この溶液中の固形分濃度は20〜60%とすることができ、溶媒としては沸点が50℃〜200℃程度のものを使用できる。
【0277】
まずシリコンやガラスなどの適宜の基板上に、B液を塗布し、溶媒を除去することにより、厚み1〜50μm程度の塗膜を形成する。この塗膜が、下部クラッド層となる。このときの塗布方法としては、スピンコータやスリットコータ等の適宜の方法が採用でき、溶媒除去の条件としては、50℃〜150℃で1分〜30分程度の加熱を行うことができる。
次に、A液を上記で形成した下部クラッド層の上に塗布、溶媒を除去し、厚み1〜50μm程度の中間層を形成する。塗布方法および溶媒除去の条件としては、上記と同様とすることができる。
【0278】
次いで、導波路のパターンがコア部分において遮光されたフォトマスクを用いて、光を照射した後、露光後ベークを実施する。この際に、未露光部がコア部分となり、露光部が側部クラッド層となる。露光後ベークの条件としては、50℃〜200℃で1秒〜30分程度とすることができる。
この上に次いで再度B液を塗布、溶媒を除去し、厚み1〜50μm程度の上部クラッド層を形成することで光導波路を形成することができる。ここで得られた光導波路は、上部、下部に熱酸発生剤を含ませてあるため、コア層と上下のクラッド層の界面は若干発生した酸の拡散が生じる。これにより上部、側部、下部ともコア層とクラッド層との界面は屈折率が徐々に変化する構造を取ることができ、得られる光導波路はGI型となる。
【0279】
<記録媒体の形成方法>
本発明の記録媒体は適宜の方法で形成することができるが、例えば以下の方法によることができる。
【0280】
記録媒体を形成するための感光性屈折率変化性組成物は、適当な溶媒に溶解させた状態で使用することができる。このとき使用する溶媒としては、沸点が50℃〜200℃の溶媒を使用することができ、溶液中の固形分濃度は5〜50%とすることができる。
この溶液を、アルミ等の適当な金属を60nm程度の厚みで堆積した、平坦なプラスチック等の基板上に塗布、溶媒を除去して厚さ0.1〜10μm程度の塗膜を形成する。このときの塗布方法としては、スピンコータやスリットコータ等の適宜の方法を使用することができ、溶媒除去に当たっては、50℃〜150℃で1分〜30分程度の加熱によることができる。
その後、ピッチ幅0.2μm〜0.5μm程度でトラックピッチ1.6μmのフォトマスクを介し、光を照射した後、露光後ベークを実施することにより、光記録媒体を形成することができる。このときの露光後ベークの条件としては、例えば50℃〜200℃で1秒〜30分とすることができる。
【0281】
<回折格子の形成方法>
本発明の回折格子は適宜の方法で形成することができるが、例えば以下の方法によることができる。
【0282】
回折格子を形成するための感光性屈折率変化性組成物は、適当な溶媒に溶解させた状態で使用することができる。このとき使用する溶媒としては、沸点が50℃〜200℃の溶媒を使用することができ、溶液中の固形分濃度は20〜60%とすることができる。
【0283】
この溶液をガラス等適宜の基板の表面上に塗布、溶媒を除去して厚み1〜50μm程度の薄膜を形成した。塗布方法としては、スピンコータやスリットコータ等適宜の方法を採用することができ、溶媒の除去方法としては、50℃〜150℃で1分〜30分程度の加熱によることができる。
【0284】
この塗膜に光をスリット状に照射したのち、露光後ベークすることにより、回折格子を形成することができる。スリット状の光を照射する方法としては、例えば図2に示すような方法を使用することができる。図2は、平行の照射光を斜めに置いた反射板で反射させてフィルム状の塗膜に照射する方法を示している。塗膜には直接光と反射光から形成される干渉パターンが照射されることになる。照射とともに図の矢印方向に0.1〜100μm/min程度の速度で試料を移動させることにより、結果として0.3μm以上で任意の周期を持つ回折格子を形成することができる。この方法によると、緻密な屈折率分布を与えることができる。
【0285】
スリット状の光を照射する別の方法として、上記と同様に形成した塗膜に、複数の放射線を異なる方向から照射し干渉させる方法や、スリットを介して光を照射する方法などを用いることもできる。いずれの方法も光の照射角度や鏡の角度を変化させることにより、所望の周期を有する回折格子を形成することが可能となる。
上記露光後ベークの条件としては、例えば50℃〜200℃で1秒〜30分の加熱を行うことができる。
【0286】
<ホログラム素子の形成方法>
本発明のホログラム素子は適宜の方法で形成することができるが、例えば以下の方法によることができる。
【0287】
ホログラム素子を形成するための感光性屈折率変化性組成物は、適当な溶媒に溶解させた状態で使用することができる。このとき使用する溶媒としては、沸点が50℃〜200℃の溶媒を使用することができ、溶液中の固形分濃度は20〜60%とすることができる。
【0288】
この溶液をガラス等適宜の基板の表面上に塗布、溶媒を除去して厚み1〜50μm程度の薄膜を形成した。塗布方法としては、スピンコータやスリットコータ等適宜の方法を採用することができ、溶媒の除去方法としては、50℃〜150℃で1分〜30分程度の加熱によることができる。
【0289】
この塗膜に干渉パターンを照射した後、露光後ベークを行うことにより、ホログラフィー技術における記録媒体(ホログラム)とすることができる。すなわち記録したい物体を透過させた信号光と、同じ光源から直接得られた参照光を干渉させて塗膜に照射し、屈折率を変化させることにより物体の像を塗膜に記録できる。
上記露光後ベークの条件としては、例えば50℃〜200℃で1秒〜30分の加熱を行うことができる。
【0290】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0291】
また、以下において、重合体のポリスチレン換算重量平均分子量は、昭和電工(株)製のGPCクロマトグラフSYSTEM−21を用いて測定した。
【0292】
(A)成分の合成例
合成例1
1Lのフラスコに単量体としてo−フタルアルデヒド50重量部とテトラヒドロフラン500重量部を、窒素置換した反応容器に仕込み、−78℃に冷却した。これに、n−ブチルリチウム(1.5モル/l)のn−ヘキサン溶液1.0重量部を加え、窒素雰囲気下において−78℃で48時間冷却下で撹拌した。
【0293】
得られた反応溶液に無水酢酸0.8重量部とピリジン0.6重量部を冷却した状態で加え、引き続き−78℃で2時間攪拌を行った。反応液を減圧下、60℃の加熱により100mlに濃縮後、5Lのイオン交換水に10分間で投入した。析出物をテトラヒドロフラン50重量部で再溶解させ、5Lのイオン交換水で再沈精製し、50℃にて真空乾燥を行い45重量部の化合物(A−1)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は26,000であった。
【0294】
合成例2
1Lのフラスコに単量体としてo−フタルアルデヒド45重量部とベンズアルデヒド5重量部、およびテトラヒドロフラン500重量部を、窒素置換した反応容器に仕込み、−78℃に冷却した。これに、n−ブチルリチウム(1.5モル/l)のn−ヘキサン溶液1.0重量部を加え、窒素雰囲気下において−78℃で48時間冷却下で撹拌した。
得られた反応溶液に無水酢酸0.8重量部とピリジン0.6重量部を冷却した状態で加え、引き続き−78℃で2時間攪拌を行った。反応液を減圧下、60℃の加熱により全量を100mlに濃縮後、5Lのイオン交換水に10分間で連続的に投入した。析出物をテトラヒドロフラン50重量部で再溶解させ、5Lのイオン交換水で再沈精製し、50℃にて真空乾燥を行い43重量部の化合物(A−2)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は15,000であった。
【0295】
合成例3
1Lのフラスコに単量体としてo−フタルアルデヒド45重量部とグルタルアルデヒド 5重量部、およびテトラヒドロフラン500重量部を、窒素置換した反応容器に仕込み、−78℃に冷却した。これに、n−ブチルリチウム(1.5モル/l)のn−ヘキサン溶液1.0重量部を加え、窒素雰囲気下において−78℃で48時間冷却下で撹拌した。
得られた反応溶液に無水酢酸0.8重量部とピリジン0.6重量部を冷却した状態で加え、引き続き−78℃で2時間攪拌を行った。反応液を減圧下、60℃の加熱により全量を100mlに濃縮後、5Lのイオン交換水に10分間で連続的に投入した。析出物をテトラヒドロフラン50重量部で再溶解させ、5Lのイオン交換水で再沈精製し、50℃にて真空乾燥を行い45重量部の化合物(A−3)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は20,000であった。
【0296】
合成例4
1Lのフラスコに単量体として4−クロロ−o−フタルアルデヒド25重量部と塩化メチレン500重量部を、窒素置換した反応容器に仕込み、−78℃に冷却した。これに、三フッ化ホウ素エーテル錯体0.1重量部を加え、窒素雰囲気下において−78℃で48時間冷却下で撹拌した。
得られた反応溶液に無水酢酸0.8重量部とピリジン0.6重量部を冷却した状態で加え、引き続き−78℃で2時間攪拌を行った。反応液を減圧下、60℃の加熱により全量を50mlに濃縮後、3Lのイオン交換水に5分間で連続的に投入した。析出物をテトラヒドロフラン30重量部で再溶解させ、3Lのイオン交換水で再沈精製し、50℃にて真空乾燥を行い46重量部の化合物(A−4)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は48,000であった。
【0297】
合成例5
1Lのフラスコに単量体として4−ブロモ−o−フタルアルデヒド25重量部と塩化メチレン500重量部を、窒素置換した反応容器に仕込み、−78℃に冷却した。これに、三フッ化ホウ素エーテル錯体0.1重量部を加え、窒素雰囲気下において−78℃で48時間冷却下で撹拌した。
得られた反応溶液に無水酢酸0.8重量部とピリジン0.6重量部を冷却した状態で加え、引き続き−78℃で2時間攪拌を行った。反応液を減圧下、60℃の加熱により全量を50mlに濃縮後、3Lのイオン交換水に5分間で連続的に投入した。析出物をテトラヒドロフラン30重量部で再溶解させ、3Lのイオン交換水で再沈精製し、50℃にて真空乾燥を行い47重量部の化合物(A−5)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は53,000であった。
【0298】
合成例6
1Lのフラスコに単量体としてo−フタルアルデヒド50部、およびテトラヒドロフラン500部を、窒素置換した反応容器に仕込み、−78℃に冷却した。これに、n−ブチルリチウム(1.5モル/l)のn−ヘキサン溶液 0.2部を加え、窒素雰囲気下において−78℃で48時間冷却下で撹拌した。
得られた反応溶液に無水酢酸0.8重量部とピリジン0.6重量部を冷却した状態で加え、引き続き−78℃で2時間攪拌を行った。反応液を減圧下、60℃の加熱により全量を100mlに濃縮後、5Lのイオン交換水に10分間で連続的に投入した。析出物をテトラヒドロフラン50重量部で再溶解させ、5Lのイオン交換水で再沈精製し、50℃にて真空乾燥を行い45gの化合物(A−6)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は110,000であった。
【0299】
合成例7
アルゴン雰囲気下で500mlの三つ口フラスコに1,4−ベンゼンチオール33.05gと1,4−ジ(2−ニトロビニル)ベンゼン66.06gをN−メチルピロリドン100gに溶解させた。これに、N−メチルモルホリン1.55gをN−メチルピロリドン10gに溶解させた溶液を、攪拌しながら氷冷下で1時間かけて投入した。投入終了後、反応液を室温で放置し、24時間かけて重合を行った。重合終了後、テトラヒドロフラン−メタノールで2度再沈精製を行った。
析出した重合体をろ別後、50℃にて真空乾燥を行い72.80gの化合物(A−7)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は5,800であった。
【0300】
合成例8
アルゴン雰囲気下で500mlの三つ口フラスコにテレフタル酸クロリド49.84gを150mlのクロロホルムに溶解させ、そこに1,4−ベンゼンチオール33.05gと水酸化カリウム16.83gを150mlのイオン交換水に溶解させたものを加えて攪拌し界面重縮合を行った。反応を6時間行ったあと、テトラヒドロフラン−メタノールで2度再沈精製を行った。
析出した重合体をろ別後、50℃にて真空乾燥を行い61.28gの化合物(A−8)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は27,600であった。
【0301】
合成例9
アルゴン雰囲気下で500mlの三つ口フラスコに1,4−ベンゼンチオール33.05gとp−フェニレンジイソシアネート48.04gおよび触媒としてジブチルチンジクロリド0.12gをジメチルスルホキシド200gに溶解させた。投入終了後、反応液を60℃になるように加熱し、24時間かけて重合を行った。重合終了後、テトラヒドロフラン−メタノールで2度再沈精製を行った。
析出した重合体をろ別後、50℃にて真空乾燥を行い66.50gの化合物(A−9)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は15,000であった。
【0302】
合成例10
アルゴン雰囲気下で1Lの三つ口フラスコに4−ニトロ−1,3−フェニリレンジクロロホルメート92.42gを400mlのクロロホルムに溶解させ、そこに1,4−ベンゼンチオール33.05gと水酸化カリウム16.83gを200mlのイオン交換水に溶解させたものを加えて攪拌し界面重縮合を行った。反応を6時間行ったあと、テトラヒドロフラン−メタノールで2度再沈精製を行った。
析出した重合体をろ別後、50℃にて真空乾燥を行い83.61gの化合物(A−10)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は32,000であった。
【0303】
合成例11
アルゴン雰囲気下で500mlの三つ口フラスコにテレフタル酸49.84gとフェニルメチルジクロロシラン57.34gをN−メチルピロリドン200gに溶解させた。これに、ピリジン23.73gをN−メチルピロリドン50gに溶解させた溶液を、攪拌しながら氷冷下で1時間かけて投入した。投入終了後、反応液を60℃に加熱し、24時間かけて重合を行った。重合終了後、反応液を2Lのメタノールに注ぎ込んで沈殿させ、再度200mlのN−メチルピロリドンに溶解させ2Lのメタノールに投入して再沈精製を行った。
析出した重合体をろ別後、50℃にて真空乾燥を行い70.80gの化合物(A−11)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は26,000であった。
【0304】
合成例12
アルゴン雰囲気下で500mlの三つ口フラスコにベンズアルデヒドジメチルアセタール45.66g、メトキシハイドロキノン42.04gをジエチレングリコールエチルメチルエーテル100gに溶解させた。ここにp−トルエンスルホン酸0.06gをジエチレングリコールエチルメチルエーテル10gに溶解させて添加し、攪拌しながら100℃で8時間、次いで130℃で1時間重合を行った。このとき、反応により生じたメタノールは、減圧下で留去しながら重合を行った。
重合終了後、反応液を2Lのメタノールに注ぎ込んで沈殿させ、再度100mlのジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させ2Lのメタノールに投入して再沈精製を行った。析出した重合体をろ別後、50℃にて真空乾燥を行い47.93gの化合物(A−12)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は5,800であった。
【0305】
合成例13
1Lのフラスコに単量体としてo−フタルアルデヒド50gとテトラヒドロフラン500gを、窒素置換した反応容器に仕込み、−78℃に冷却した。これに、tert−ブトキシカリウム41.83gを加え、窒素雰囲気下において−78℃で48時間冷却下で撹拌した。
得られた反応溶液に無水酢酸45.67gとピリジン35.38gを冷却した状態で加え、引き続き−78℃で2時間攪拌を行った。反応液を減圧下、60℃の加熱により100mlに濃縮後、1Lの酢酸エチルに溶解させ、イオン交換水で3回洗浄を行い、酢酸エチルを濃縮後、50℃にて真空乾燥を行い45gの化合物(A−13)を得た。得られた化合物(A−13)は、1H−NMRにおいて、1.2−1.3ppmのtert−ブチル基由来のプロトンと、7.2−7.7ppmの芳香族由来のプロトンとの積分比から、開始剤とモノマーの比率が1対1のものであった。
【0306】
合成例14
アルゴン雰囲気下で500mlの三つ口フラスコにテレフタル酸クロリド49.84gを150mlのクロロホルムに溶解させ、そこに1,4−ベンゼンチオール33.05gと水酸化カリウム16.83gを150mlのイオン交換水に溶解させたものを加えて攪拌し界面重縮合を行った。反応を4時間行ったあと、テトラヒドロフラン−メタノールで2度再沈精製を行った。
析出した化合物をろ別後、50℃にて真空乾燥を行い56.55gの化合物(A−14)を得た。得られた化合物の重量平均分子量は7,600であった。
【0307】
実施例1
(A)成分として、化合物(A−1)40重量部と、(B)成分としてラダー状ポリシルセスキオキサンGR650((株)昭和電工製、重量平均分子量8,200)60重量部と、(C)成分として2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン1重量部とを全体の固形分濃度が20重量%になるようにジエチレングリコールメチルエチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、感放射線性屈折率変化性組成物を含有する溶液を調製した。
【0308】
<塗膜の形成>
シリコン基板上にスピンナーを用いて、上記溶液を塗布した後、90℃で2分間ホットプレート上でプレベークして感放射線性屈折率変化性組成物の塗膜を形成した。
<放射線照射処理>
得られた塗膜に、NSR1505i6A縮小投影露光機((株)ニコン製、NA=0.45,λ=365nm)により最適焦点深度で露光量20mJ/cmにて放射線照射処理を行い、次いでホットプレート上で、120℃で2分間露光後ベークを実施し、放射線照射部と放射線未照射部での屈折率差を有する、厚さ3.0μmの屈折率パターンを形成した。以下、ここで形成された屈折率パターンについて、放射線照射部を「低屈折率部」、放射線未照射部を「高屈折率部」という。
【0309】
<屈折率の測定>
室温におけるシリコン基板上での高屈折率部、低屈折率部それぞれの屈折率を、Auto EL IV NIR III(ルドルフリサーチ社製)エリプソメーターを用いて633nmで測定した。結果を表1に示す。
<透明性の評価>
シリコン基板の代わりにガラス基板「コーニング1737(コーニング社製)」を用いた以外は上記と同様に実施し、表面に屈折率パターンを形成したガラス基板を得た。
次いで、得られたガラス基板の透過率を分光光度計「150−20型ダブルビーム(日立製作所製)」を用いて400〜800nmの波長で測定した。このとき最低透過率が95%を超える場合、透過率は良好であり、それ以下の場合は不良といえる。結果を表1に示す。
【0310】
<クラック発生の評価>
上記と同様に実施し、表面に屈折率パターンを形成したシリコン基板について、走査電子顕微鏡(形式「S−2000」、(株)日立製作所製)を用いてクラックの発生の有無を確認した。結果を表1に示す。
【0311】
実施例2
放射線照射処理における露光量を300mJ/cmとした他は実施例1と同様に実施し、屈折率と透明性を評価した。結果を表1に示す。
【0312】
実施例3
(A)成分として、化合物(A−1)70重量部を用い、ラダー状ポリシルセスキオキサンGR650 30重量部を用い、放射線照射処理における露光量および屈折率パターンの膜厚を表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果は表1にまとめた。
【0313】
実施例4
(A)成分として、化合物(A−1)15重量部を用い、ラダー状ポリシルセスキオキサンGR650 85重量部を用い、放射線照射処理における露光量および屈折率パターンの膜厚を表1に記載の通りとした以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果は表1にまとめた。
【0314】
実施例5
(A)成分として、化合物(A−2)40重量部を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果は表1にまとめた。
【0315】
実施例6
(A)成分として、化合物(A−3)40重量部を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果は表1にまとめた。
【0316】
実施例7
(A)成分として、化合物(A−4)40重量部を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果は表1にまとめた。
【0317】
実施例8
(A)成分として、化合物(A−5)40重量部を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果は表1にまとめた。
【0318】
実施例9
(C)成分として、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート1重量部を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果は表1にまとめた。
【0319】
実施例10
(C)成分として、ジフェニルヨードニウムトリフルオロアセテート1重量部を用いた以外は実施例1と同様にして評価を行った。結果は表1にまとめた。
【0320】
【表1】
Figure 0003632974
【0321】
実施例11
(A)成分として、化合物(A−7)を50重量部と、(B)成分として、ラダー状ポリシルセスキオキサンGR650を50重量部と、(C)成分として2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン5重量部とを全体の固形分濃度が20%になるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、組成物溶液を調製した。
【0322】
<塗膜の形成>
実施例1と同様にして実施した。
<放射線照射処理、およびPEB処理>
得られた塗膜に、NSR1505i6A縮小投影放射線照射機((株)ニコン製、NA=0.45,λ=365nm)により最適焦点深度で放射線照射処理を行った。次いで、PEB処理を2分間行うことにより屈折率変化性組成物の放射線照射部と放射線未照射部での屈折率差を有する厚さ3.0μmの屈折率パターンを形成した。放射線照射量およびPEB処理温度は表2に記載した。以下、ここで形成された屈折率パターンについて、放射線照射部を「低屈折率部」、放射線未照射部を「高屈折率部」という。
<屈折率の測定>、<透明性の評価>、および<クラック発生の評価>はいずれも実施例1と同様に行った。
【0323】
実施例12
(A)成分として、化合物(A−8)を50重量部用いた以外は実施例11と同様にして評価を行った。結果については表2にまとめた。
【0324】
実施例13
(A)成分として、化合物(A−9)を50重量部用いた以外は実施例11と同様にして評価を行った。結果については表2にまとめた。
【0325】
実施例14
(A)成分として、化合物(A−10)を50重量部用いた以外は実施例11と同様にして評価を行った。結果については表2にまとめた。
【0326】
実施例15
(B)成分として、ラダー状ポリシルセスキオキサンGR100((株)昭和電工製、重量平均分子量8,500)を50重量部を用いた以外は実施例11と同様にして評価を行った。結果については表2にまとめた。
【0327】
実施例16
(B)成分として、ラダー状ポリシルセスキオキサンGR908((株)昭和電工製、重量平均分子量9,000)を50重量部を用いた以外は実施例11と同様にして評価を行った。結果については表2にまとめた。
【0328】
実施例17
(B)成分として、ラダー状ポリシルセスキオキサンGR950((株)昭和電工製、重量平均分子量9,200)を50重量部を用いた以外は実施例11と同様にして評価を行った。結果については表2にまとめた。
【0329】
【表2】
Figure 0003632974
【0330】
実施例18
(A)成分として化合物(A−11)を50重量部、(B)成分としてラダー状ポリシルセスキオキサンGR650 50重量部、および(C)成分として2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン1重量部を、全体の固形分濃度が20%になるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、感放射線性屈折率変化性組成物の溶液を調製した。
【0331】
<▲1▼塗膜の形成>
シリコン基板上にスピンナーを用いて、上記の溶液を塗布した後、90℃で2分間ホットプレート上でプレベークして感放射線性屈折率変化性組成物の塗膜を形成した。
【0332】
<▲2▼屈折率パターンの形成>
上記のようにして得られた塗膜に、NSR1505i6A縮小投影放射線照射機((株)ニコン製、NA=0.45,λ=365nm)により最適焦点深度にて、露光量50mJ/cmで放射線照射処理を行った。次いで、130℃にて2分間の露光後ベーク処理を行うことにより、放射線照射部と放射線未照射部で屈折率差を有する厚さ3.0μmの屈折率パターンを形成した。以下、ここで形成された屈折率パターンについて、放射線照射部を「低屈折率部」、放射線未照射部を「高屈折率部」という。
【0333】
<▲3▼屈折率の測定>
上記で形成した屈折率パターンの低屈折率部、高屈折率部のそれぞれの屈折率を、Auto EL IV NIR III(ルドルフリサーチ社製)エリプソメーターを用いて633nmで測定した。結果を表3に示す。
【0334】
<▲4▼透明性の評価>
シリコン基板の代わりにガラス基板「コーニング1737(コーニング社製)」を用いた以外は上記▲1▼および▲2▼と同様にしてガラス基板上に屈折率パターンを形成した。以下、ここで形成されたガラス基板上の屈折率パターンについても、放射線照射部を「低屈折率部」、放射線未照射部を「高屈折率部」という。
次いで、この屈折率パターンを有するガラス基板につき、低屈折率部、高屈折率部のそれぞれの透過率を分光光度計「150−20型ダブルビーム((株)日立製作所製)」を用いて400〜800nmの波長で測定した。このとき最低透過率が95%を超える場合、透過率は良好であり、それ以下の場合は不良といえる。結果を表3に示す。
【0335】
<▲5▼安定化処理>
(D)成分としてフェニルグリシジルエーテル150ml(反応触媒としてのテトラブチルアンモニウムブロミドを0.1mmol含有)を100℃に加熱して、ここに上記のようにして形成したシリコン基板上、およびガラス基板上の屈折率パターンを100℃にて2分間、浸漬した後、超純水で1分間洗浄した。
ついで、Canon PLA−501Fでフィルターを用いずパターン全面に対して4.5mW/cmにて1分間の再露光処理を行い、さらにオーブンにて200℃で10分間加熱し、屈折率パターンの安定化処理を行った。
【0336】
<▲6▼屈折率、および透明性の評価>
上記で安定化処理を行ったシリコン基板上の屈折率パターンについて、上記▲3▼と同様にして、低屈折率部および高屈折率部の屈折率の測定を行った。結果を表4に示す。
また、安定化処理を行ったガラス基板上の屈折率パターンについて、上記▲4▼と同様にして、低屈折率部および高屈折率部の透明性の測定を行った。結果を表4に示す。
【0337】
<▲7▼屈折率パターンの安定性評価>
上記で安定化処理を行ったシリコン基板上の屈折率パターン、およびガラス基板上の屈折率パターンについて、Canon PLA−501Fでフィルターを用いずパターン全面に対して4.5mW/cmにて30分間の露光処理を行い、放射線照射の加速処理を実施した。
この処理を行ったシリコン基板上の屈折率パターンについて、上記▲3▼と同様にして、低屈折率部および高屈折率部の屈折率の測定を行った。結果を表4に示す。
また、安定化処理を行ったガラス基板上の屈折率パターンについて、上記▲4▼と同様にして、低屈折率部および高屈折率部の透明性の測定を行った。結果を表4に示す。
【0338】
<▲8▼安定化処理前後のクラック発生の評価>
安定化処理前後それぞれについて、実施例1と同様にして屈折率パターンのクラック有無を確認した。結果を表3および表4に示した。
【0339】
実施例19
(A)成分として、化合物(A−12)を50重量部用い、工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における露光後ベークの温度を表3に記載の通りとし、工程▲5▼(安定化処理)における(D)成分の種類および安定化処理温度を表4に記載の通りとした以外は実施例18と同様にして評価を行った。結果については表3および表4にまとめた。
【0340】
実施例20
(A)成分として、化合物(A−1)を50重量部用い、工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における放射線照射量を表3に記載の通りとし、工程▲5▼(安定化処理)における(D)成分の種類および安定化処理温度を表4に記載の通りとした以外は実施例18と同様にして評価を行った。結果については表3および表4にまとめた。
【0341】
実施例21
(A)成分として、化合物(A−8)を50重量部、(C)成分として、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジンを5重量部用い、工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における放射線照射量を表3に記載の通りとし、工程▲5▼(安定化処理)における(D)成分の種類を表4に記載の通りとした以外は実施例18と同様にして評価を行った。結果については表3および表4にまとめた。
【0342】
実施例22
(C)成分として、4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフロロメタンスルホナート1重量部を用い、工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における放射線照射量を表3に記載の通りとした以外は実施例18と同様にして評価を行った。結果については表3および表4にまとめた。
【0343】
実施例23
工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における放射線照射量を表3に記載の通りとした以外は実施例21と同様にして評価を行った。結果については表3および表4にまとめた。
【0344】
【表3】
Figure 0003632974
【0345】
【表4】
Figure 0003632974
【0346】
ただし、表4において、(D)成分の記号は、それぞれ以下のものを表す。
D−1;フェニルグリシジルエーテル(10mol%テトラブチルアンモニウムブロミド添加)
D−2;p−キシリレンジアミンの1%水溶液
D−3;3−フェノキシプロピレンスルフィド(10mol%テトラブチルアンモニウムブロミド添加)
【0347】
実施例24
(A)成分として化合物(A−11)を50重量部、(B)成分としてラダー状ポリシルセスキオキサンGR650((株)昭和電工製、重量平均分子量8,200)を50重量部、(C)成分として2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンを1重量部、および(D)成分としてビスフェノールAジグリシジルエーテル10重量部を、全体の固形分濃度が20%になるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、屈折率変化性組成物の溶液を調製した。
塗膜の形成、屈折率パターンの形成、屈折率の測定、透明性の評価、並びに屈折率および透明性の評価はいずれも実施例18と同様に行った。
【0348】
<▲5▼安定化処理>
上記のようにして形成したシリコン基板上、およびガラス基板上の屈折率パターンを150℃((A)成分が分解などを起こさずかつ(A)成分と(D)成分が反応する温度)にて2分間加熱処理した。
次いで、Canon PLA−501Fでフィルターを用いずパターン全面に対して4.5mW/cmにて1分間の再露光処理を行い、さらにオーブンにて200℃で10分間加熱し、屈折率パターンの安定化処理を行った。
【0349】
<▲7▼再露光および加熱処理>
上記で安定化処理を施したそれぞれの屈折率パターンについて、Canon PLA−501Fでフィルターを用いずパターン全面に対して4.5mW/cmにて1分間の放射線照射を行い、さらにオーブンにて200℃で10分間加熱した。
【0350】
<▲8▼再露光、加熱処理後の安定性評価>
再露光および加熱処理したシリコン基板上の屈折率パターンについて、上記<▲3▼屈折率の測定>と同様にして、低屈折率部および高屈折率部の屈折率の測定を行い、再露光、加熱に対する屈折率の安定性を評価した。
また、再露光および加熱処理したガラス基板上の屈折率パターンについて、上記<▲4▼透明性の評価>と同様にして、低屈折率部および高屈折率部の透明性の測定を行い、再露光、加熱に対する透明性の安定性を評価した。結果を表5および表6に示す。
【0351】
<▲9▼安定化処理前後のクラック発生の評価>
安定化処理前後それぞれについて、実施例1と同様にして屈折率パターンのクラック有無を確認した。結果を表5および表6に示した。
【0352】
実施例25
(A)成分として、化合物(A−12)を50重量部用い、工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における露光後ベークの温度を表5に記載の通りとし、工程▲5▼(安定化処理)における処理温度を表6に記載の通りとした以外は実施例24と同様にして評価を行った。結果については表5および表6にまとめた。
【0353】
実施例26
(A)成分として、化合物(A−13)を50重量部用い、工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における放射線照射量を表5に記載の通りとし、工程▲5▼(安定化処理)における処理温度を表6に記載の通りとした以外は実施例24と同様にして評価を行った。結果については表5および表6にまとめた。
【0354】
実施例27
(A)成分として、化合物(A−14)を50重量部、(C)成分として、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジンを5重量部用い、工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における放射線照射量を表5に記載の通りとし、工程▲5▼(安定化処理)における処理温度を表6に記載の通りとした以外は実施例24と同様にして評価を行った。結果については表5および表6にまとめた。
【0355】
実施例28
(D)成分として、1,4−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン 10重量部を用い、工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における放射線照射量を表5に記載の通りとし、工程▲5▼(安定化処理)における処理温度を表6に記載の通りとした以外は実施例24と同様にして評価を行った。結果については表5および表6にまとめた。
【0356】
実施例29
(D)成分として、1,4−ビス(4,5−ジヒドロ−2−オキサゾリル)ベンゼン 10重量部を用い、工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における放射線照射量を表5に記載の通りとし、工程▲5▼(安定化処理)における処理温度を表6に記載の通りとした以外は実施例27と同様にして評価を行った。結果については表5および表6にまとめた。
【0357】
【表5】
Figure 0003632974
【0358】
【表6】
Figure 0003632974
【0359】
実施例30
(A)成分として化合物(A−11)を50重量部、ラダー状ポリシルセスキオキサンGR650 50重量部、および(C)成分として4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフロロメタンスルホナート1重量部を、全体の固形分濃度が20%になるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、屈折率変化性組成物を調製した。
【0360】
<塗膜の形成>
シリコン基板上にスピンナーを用いて、上記の溶液を塗布した後、100℃で2分間ホットプレート上でプリベークして屈折率変化性組成物の塗膜を形成した。
<屈折率パターンの形成>、<安定化処理>、<屈折率の測定>および<透明性の評価>は実施例18と同様に行った。
【0361】
<水銀ポロシメーターによる空隙率の測定>
上記で形成した屈折率パターンの低屈折率部、高屈折率部のそれぞれの空隙率を水銀ポロシメーター((株)島津製作所製オートポア9200、最小測定可能孔径34Å)を用いて測定した。
【0362】
<BJH法による空孔分布測定>
上記で形成した屈折率パターンの低屈折率部の空孔分布をCOULTER社製、OMNISORP 100/360 SERIESを用いて、BJH法で測定した。100nm以上の細孔の数を表8に示す。
【0363】
<電子顕微鏡観察による空孔径測定>
上記で形成した屈折率パターンの低屈折率部、高屈折率部のそれぞれの空孔径測定を透過型電子顕微鏡観察において、任意の観察範囲における10μmあたりの直径100nm以上の空孔の数を測定した。
<クラック発生の評価>は実施例1と同様にして行った。結果を表7に示した。
【0364】
実施例31
(A)成分として、化合物(A−12)を50重量部用い、工程▲3▼(安定化処理)における(D)成分の種類および安定化処理温度を表7に記載の通りとした以外は実施例30と同様にして評価を行った。結果については表7および表8にまとめた。
【0365】
実施例32
(A)成分として、化合物(A−13)を50重量部用い、工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における放射線照射量を表7に記載の通りとし、工程▲3▼(安定化処理)における(D)成分の種類および安定化処理温度を表7に記載の通りとした以外は実施例30と同様にして評価を行った。結果については表7および表8にまとめた。
【0366】
実施例33
(A)成分として、化合物(A−14)を50重量部、(C)成分として、N−(2−ニトロベンジルオキシカルボニル)ピロリジンを5重量部用い、工程▲2▼(屈折率パターンの形成)における放射線照射量を表7に記載の通りとした以外は実施例30と同様にして評価を行った。結果については表7および表8にまとめた。
【0367】
【表7】
Figure 0003632974
【0368】
ただし、表7において、(D)成分の記号は、それぞれ以下のものを表す。
D−4;フェニルグリシジルエーテル(10mol%テトラブチルアンモニウムブロミド添加)
D−5;p−キシリレンジアミンの1%水溶液
【0369】
【表8】
Figure 0003632974
【0370】
実施例34 (GI型光ファイバーの作製(1))
(A)成分として、化合物(A−6)を50重量部と、(B)成分としてラダー状ポリシルセスキオキサンGR650 50重量部と、(C)成分として4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート1重量部、さらに紫外線吸収剤として2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾ−ル1.5重量部とを全体の固形分濃度が70%になるようにメチルエチルケトンに溶解させた。この溶液をファイバーの原液として用い、脱泡後、孔径が1.0mmの射出口より1m/minにて押し出し、射出されるファイバーに250mW超高圧水銀灯(ウシオ電機(株)製スポットキュア、i線照度:6.7mW/cm)を日本ピー・アイ(株)製リング型ライトガイド(内径55mm)を用いて、繊維の周囲から繊維に均一に光照射を行い、その後ファイバーが200℃において5秒間加熱されるように、赤外線ランプの照射幅を10cmとしてファイバーを加熱した。
【0371】
光照射を周囲から行うことで、(C)成分から発生する酸は繊維表面付近に多く分布し、さらに加熱により(A)成分の分解が表面付近から内部にかけて徐々に減少することにより、中心軸から周囲にかけて放物線状に屈折率が減少する分布のGI型光ファイバーを作製した。干渉屈折計で測定したところ、中心部と周囲の最大屈折率差Δnが0.09であった。
【0372】
実施例35 (GI型光ファイバーの作製(2))
(A)成分として、化合物(A−5)を50重量部用いた以外は、実施例34と同様にしてGI型光ファイバーを作製した。干渉屈折計で測定したところ、中心部と周囲の最大屈折率差Δnが0.11であった。
【0373】
実施例36 (GI型光ファイバーの作製(3))
(C)成分として、2−(4−メトキシフェニル)−ビス(4,6−トリクロロメチル)−s−トリアジン1重量部を用いた以外は、実施例34と同様にしてGI型光ファイバーを作製した。干渉屈折計で測定したところ、中心部と周囲の最大屈折率差Δnが0.09であった。
【0374】
実施例37 (GRINレンズの作製(1))
実施例34〜36で作製したGI型光ファイバーを、短く切断することにより中心から周囲にかけて屈折率が連続的に分布したGRINレンズが得られた。
【0375】
実施例38 (GRINレンズの作製(2))
(A)成分として、化合物(A−2)を50重量部と、(B)成分としてラダー状ポリシルセスキオキサンGR650 50重量部と、(C)成分として4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート1重量部、さらに紫外線吸収剤として2−(2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル)−2H−ベンゾトリアゾ−ル1.5重量部とを全体の固形分濃度が70%になるようにメチルエチルケトンに溶解した後、減圧下でホットプレスにより直径2cm、厚さ5mmの円板状の試料とした。照射装置は、図1に示すように円板状の試料1の前に開閉自在な絞り2を取り付け、照射装置3から照射される波長365nm、照度30mW/cmの紫外線4を絞り2を閉めた状態から徐々に開きながら照射を行い、5秒間で完全に絞り2が開放されるようにシャッター速度を調節し、5秒後に照射を終了した後、120℃で2分間露光後ベークを実施した。これによって中心部から周辺部へ屈折率が連続的に高くなる円板状の光学成形体が得られた。その屈折率差は0.08であり、凹レンズ能を持つGRINレンズとなり近視用眼鏡用レンズとしての可能性を示した。
【0376】
実施例39 (GRINレンズの作製(3))
実施例37前段と同様に実施して円板状の試料を得た。これに円筒上下部を遮光した状態で、側面からのみ光が入射する構造にして、250mW超高圧水銀灯(ウシオ電機(株)製スポットキュア、i線照度:6.7mW/cm)を日本ピー・アイ(株)製リング型ライトガイド(内径55mm)を用いて、20秒間照射を行い、120℃で2分間露光後ベークを実施した。これによって中心部から周辺部へ屈折率が連続的に低くなる円板状の光学成形体が得られた。その屈折率差は0.08であり、凸レンズ能を有するGRINレンズを得た。
【0377】
実施例40 (GI型光導波路の作製)
(A)成分として、化合物(A−2)を50重量部と、(B)成分としてラダー状ポリシルセスキオキサンGR650 50重量部と、(C)成分として4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート1重量部とを全体の固形分濃度が40%になるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、孔径1.0μmのメンブランフィルターで濾過し、感光性屈折率変化性組成物を含有する溶液(S−1)を調製した。また(B)成分で使用しているラダー状ポリシルセスキオキサンGR650(重量平均分子量8,200)100重量部と、熱酸発生剤としてSI−L150(三新化学(株)製)1重量部とを全体の固形分濃度が40%になるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた溶液(S−2)を調製した。
【0378】
まず溶液(S−2)をシリコン基板の表面上にスピンコータで塗布し、70℃で10分間乾燥させた後、波長365nm、照度4.0mW/cmの紫外線を全面に5秒間照射を行い、厚み10μmの下部クラッド層を形成した。次に、溶液(S−1)を下部クラッド層の上にスピンコータで塗布し、70℃で10分間乾燥させ、厚み10μmの中間層を形成した後、幅4〜20μmの光導波路パターンを刻んだフォトマスクを用いて、波長365nm、照度4.0mW/cmの紫外線を10秒間照射した。その後、120℃で2分間露光後ベークを実施した。この際に、未露光部がコア部分となり、露光部が側部クラッド層となる。この上に次いで溶液(S−2)をスピンコータで塗布し、70℃で10分間乾燥させ、厚み10μmの上部クラッド層を形成した後、波長365nm、照度4.0mW/cmの紫外線を全面に5秒間照射した後、120℃で2分間露光後ベークを実施することで光導波路を製造した。形成された上部、側部、下部のクラッド層の波長1550nmの光の屈折率は1.42であった。これに対し、コア層の波長1,550nmの光の屈折率は1.50であり、最大屈折率差Δnが0.08であった。ここで得られた光導波路は、上部、下部にも光酸発生剤を含ませることで、コア層と上下のクラッド層の界面は若干発生した酸の拡散が生じる。これにより上部、側部、下部ともコア層とクラッド層との界面は屈折率分布が生じており、得られる光導波路はGI型となる。このようにして得られた光導波路について、波長1,300nmの光を導波路の一端から入射させたときに他端から出射する光量を測定することにより、導波路損失を求めたところ、0.1dB/cm以下であった。
【0379】
実施例41 (光記録媒体の作製)
(A)成分として、化合物(A−2)を50重量部と、(B)成分としてラダー状ポリシルセスキオキサンGR650を50重量部と、(C)成分として4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート1重量部とを全体の固形分濃度が20%になるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、孔径0.2μmのメンブランフィルターで濾過し、感光性屈折率変化性組成物を含有する溶液を調製した。これをアルミ反射膜をスパッタリング法により60nmの厚みで堆積した、平坦なポリカーボネート基板上に、スピンコータで塗布し、80℃で2分間乾燥させ、厚み3.0μmの屈折率変化層を形成した。その後、トラックピッチ1.6μmでピッチ幅0.5μmのマスクを介し、波長365nmで照度40mW/cmの紫外線照射を5秒間行い、120℃で2分間露光後ベークを実施した。これにより露光部と未露光部との間に得られる屈折率差は633nmにおいて0.08であり、光記録媒体として十分に読み取り可能であった。
【0380】
実施例42 (光集積回路の作製)
(A)成分として、化合物(A−2)を50重量部と、(B)成分としてラダー状ポリシルセスキオキサンGR650 50重量部と、(C)成分として4−フェニルチオフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホナート1重量部とを全体の固形分濃度が33%になるようにジエチレングリコールエチルメチルエーテルに溶解させた後、孔径1.0μmのメンブランフィルターで濾過し、感光性屈折率変化性組成物を含有する溶液を調製した。これをガラス基板の表面上にスピンコータで塗布し、70℃で10分間乾燥させた後、100μm幅のマスクを通して、波長365nm、照度4.0mW/cmの紫外線を5秒間照射を行い、120℃で2分間露光後ベークを実施した。その結果、100μmの屈折率パターンを有する光集積回路を得ることができた。
【0381】
実施例43 (光回折格子の作製)
実施例40で調製した溶液を用いて、2cm×1cm×10μmのフィルム状の試料を作製した。この試料に波長365nm、照度4.0mW/cmの紫外線を照射した。照射の方法としては、図2に示すように照射装置8から照射光を平行光9として、45°に置いた反射板7で反射させてステージ6上のフィルム状の試料5に照射した。試料には反射光と直接照射された光から形成される干渉パターンが照射される。照射とともに図の矢印方向に1μm/minの速度で試料を移動させ、結果として0.5μmの周期を持つ光回折格子を得た。
【0382】
実施例44 (ホログラムの作製)
波長365nm、照度4.0mW/cmの平行光をハーフミラーで2つの光路に分け、ひとつは透明な物体を通過させ信号光とし、もうひとつの参照光と干渉させ、その干渉パターンを実施例42と同じ光学成形体に照射した。得られた光学成形体に再生照明光をあてることにより、高い分解能で記録された物体像が確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の屈折率変化性組成物からレンズを形成する際に光照射を行うための装置の概略図である。
【図2】本発明の屈折率変化性組成物から回折格子を形成する際の光照射を行うための装置の概略図である。

Claims (13)

  1. (A)分解性化合物、(B)ラダー型ポリシルセスキオキサン、その加水分解物およびその縮合物よりなる群から選ばれ且つ分解性化合物(A)よりも屈折率が低い非分解性化合物、(C)感放射線分解剤および(D)安定化剤を含有し、上記(A)分解性化合物が下記式(1)〜(8)
    Figure 0003632974
    (式(1)において、R1はアルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基またはアリーレン基でありそしてR2はアルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アリーレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基である。)
    Figure 0003632974
    (式(2)において、MはSiまたはGeであり、R3はアルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アリーレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基であり、R4は酸素原子、アルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アリーレン基または単結合であり、R5、R6、R7およびR8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシ基またはチオアルキル基でありそしてmは0から2までの整数である。)
    Figure 0003632974
    (式(3)において、R9およびR10はそれぞれ独立に、アルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アリーレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基である。)
    Figure 0003632974
    (式(4)において、R11はオキシアルキレン基または単結合でありそしてR12は水素原子、アルキル基、アルキレンアリーレンアルキレン基またはアリール基である。)
    Figure 0003632974
    (式(5)において、R13は水素原子、アルキル基またはアリール基である。)
    Figure 0003632974
    (式(6)において、R14は、アルキレン基、下記式(6)−1、(6)−2または(6)−3で表される構造である。)
    Figure 0003632974
    (式(6)−1において、R15、R16、R17およびR18は互いに独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状アルキル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルコキシル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のメルカプトアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルコキシル基、炭素数1〜6のメルカプトアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基である。)
    Figure 0003632974
    (式(6)−2において、R19はアルキレン基である。)
    Figure 0003632974
    (式(6)−3において、R20はアルキレン基である。)
    Figure 0003632974
    (式(7)において、R21はアルキレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基またはアリーレン基である。)
    Figure 0003632974
    (式(8)において、R22、R23、R24およびR25は互いに独立に水素原子、炭素数1〜6の鎖状アルキル基、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基、炭素数1〜6のアルコキシル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルコキシル基、炭素数1〜6のハロゲン化アルキルチオ基、炭素数1〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜6のメルカプトアルキル基、炭素数1〜6のヒドロキシアルコキシル基、炭素数1〜6のメルカプトアルキルチオ基、炭素数6〜10のアリール基または炭素数7〜11のアラルキル基である。)のいずれかで表される構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する酸分解性化合物の少なくとも1種であるか、または下記式(9)〜(12)
    Figure 0003632974
    (式(9)において、R26はアルキレン基、アラルキレン基またはアリーレン基であり、R27はアルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基であり、R28、R29、R30およびR31はそれぞれ独立して水素原子、アルキル基、アリール基、アルコキシル基またはチオアルキル基でありそしてiおよびjはそれぞれ独立に0または1である。)
    Figure 0003632974
    (式(10)において、R32はアルキレン基、アラルキレン基またはアリーレン基であり、R33はアルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基である。)
    Figure 0003632974
    (式(11)において、R34およびR35はそれぞれ独立にアルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基である。)
    Figure 0003632974
    (式(12)において、R36およびR37はそれぞれ独立に、アルキレン基、アラルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレンアルキレン基、アルキルシリレン基またはアルキルゲルミレン基である。)のそれぞれで表される構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する塩基分解性化合物の少なくとも1種であり、そして上記(C)感放射線性分解剤は、上記(A)分解性化合物が上記酸分解性化合物であるときには感放射線性酸発生剤であり、上記塩基分解性化合物であるときには感放射線性塩基発生剤であることを特徴とする、感放射線性屈折率変化性組成物。
  2. 放射線照射部の屈折率が放射線未照射部の屈折率と最大差で0.02以上となる、請求項1に記載の組成物。
  3. 非分解性化合物(B)の屈折率nBが、分解性化合物(A)の屈折率nAと下記式(1):nA−nB≧0.05・・・・・・(1)
    の関係にある、請求項1または2に記載の組成物。
  4. (D)安定化剤がアミノ化合物、エポキシ化合物、チイラン化合物、オキセタン化合物、アルコキシメチル化メラミン化合物、アルコキシメチル化グリコールウリル化合物、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン化合物、アルコキシメチル化尿素化合物、イソシアネート化合物、シアネート化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物およびシリル化合物よりなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
  5. (D)安定剤を含有しそして(A)分解性化合物と(D)安定化剤の反応のための触媒をさらに含有しそして該触媒が酸触媒、塩基触媒または第四オニウム塩である請求項1に記載の組成物。
  6. 請求項1に記載の感放射線性屈折率変化性組成物に放射線を照射し、次いで加熱して未露光部の安定化剤(D)と分解性化合物(A)を反応せしめることを特徴とする、屈折率パターン形成方法。
  7. (A)分解性化合物、(B)ラダー型ポリシルセスキオキサン、その加水分解物およびその縮合物よりなる群から選ばれ且つ分解性化合物(A)よりも屈折率が低い非分解性化合物および(C)感放射線性分解剤を含有し、上記(A)分解性化合物が請求項1に記載の上記式(1)〜(8)のそれぞれで表わされる構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する酸分解性化合物の少なくとも1種であるか、または請求項1に記載の上記式(9)〜(12)のそれぞれで表わされる構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する塩基分解性化合物の少なくとも1種であり、そして上記(C)感放射線性分解剤が上記(A)分解性化合物が上記酸分解性化合物であるときには感放射線性酸発生剤であり、上記塩基分解性化合物であるときには感放射線性塩基発生剤である屈折率変化性組成物にパターンマスクを介して放射線を照射した後、(D)安定化剤で処理して未露光部の(A)分解性化合物を(D)安定化剤と反応せしめることを特徴とする屈折率パターン形成方法。
  8. (A)分解性化合物、(B)ラダー型ポリシルセスキオキサン、その加水分解物およびその縮合物よりなる群から選ばれ且つ分解性化合物(A)よりも屈折率が低い非分解性化合物および(C)感放射線性分解剤を含有し、上記(A)分解性化合物が請求項1に記載の上記式(1)〜(8)のそれぞれで表わされる構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する酸分解性化合物の少なくとも1種であるか、または請求項1に記載の上記式(9)〜(12)のそれぞれで表わされる構造よりなる群から選ばれる少なくとも一種の構造を有する塩基分解性化合物の少なくとも1種であり、そして上記(C)感放射線性分解剤が上記(A)分解性化合物が上記酸分解性化合物であるときには感放射線性酸発生剤であり、上記塩基分解性化合物であるときには感放射線性塩基発生剤である屈折率変化性組成物にパターンマスクを介して放射線を照射した後、加熱処理して未露光部の分解性重合体を分解せしめることを特徴とする屈折率パターン形成方法。
  9. 生成される屈折率パターンが露光部に空隙を有しているかあるいは有していない請求項6、7または8に記載の方法。
  10. 請求項6、7、8または9に記載の方法により形成された屈折率パターン。
  11. 空隙を有しているかあるいは有していない第1領域と、空隙を有していず且つ第1領域よりも屈折率が高い第2領域からなる請求項10に記載の屈折率パターン。
  12. 第1領域が第2領域よりも小さい弾性率を示す請求項11に記載の屈折率パターン。
  13. 請求項6、7、8または9に記載の方法により形成された屈折率パターンを有する光学材料。
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