JP3630582B2 - 画像処理装置及びその方法 - Google Patents

画像処理装置及びその方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3630582B2
JP3630582B2 JP06540799A JP6540799A JP3630582B2 JP 3630582 B2 JP3630582 B2 JP 3630582B2 JP 06540799 A JP06540799 A JP 06540799A JP 6540799 A JP6540799 A JP 6540799A JP 3630582 B2 JP3630582 B2 JP 3630582B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
feature point
matrix
image
time
luminance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP06540799A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000259835A (ja
Inventor
淳人 牧
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP06540799A priority Critical patent/JP3630582B2/ja
Publication of JP2000259835A publication Critical patent/JP2000259835A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3630582B2 publication Critical patent/JP3630582B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
  • Image Processing (AREA)
  • Testing, Inspecting, Measuring Of Stereoscopic Televisions And Televisions (AREA)
  • Image Analysis (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば工業部品などの設計を支援するための3次元CAD(計算機援用設計)、3次元CG(コンピュータグラフィクス)を用いた映像作成、あるいは人物の顔画像を用いたHI(ヒューマンインタフェイス)、ゲームへの応用を含むVR(バーチャルリアリティ)上でのアバタの作成などで用いられるものであり、対象物体のモデル記述の作成を支援することに有用な画像処理装置及びその方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、工業部品などの設計を支援するための3次元CAD、3次元CGを用いた映像作成、あるいは人物の顔画像を用いたHIなど、画像生成、画像処理、画像認識といった画像に関わる計算機処理のニーズが急速に拡大している。
【0003】
これらの処理においては、対象とする物体の幾何形状、表面属性、そして、必要に応じて動きのデータを計算機に数値化して入力することが必要である。この入力過程をモデリングと呼び、入力された数値データをモデルと呼ぶ。現在、このモデリング作業は、人手により多くの手間を掛けて行っており、生産性やコストの面からも自動化が強く望まれている。
【0004】
そこで、カメラで得た画像を解析することにより、対象物体の形状及び表面属性を自動的に求める手法の研究が行われている。すなわち、複数台のカメラを用いて3角測量の原理により距離を求めるステレオ法や、簡素なシステムとして一台のカメラの焦点距離を変えて得た画像を解析することにより距離を求める手法を用いて、環境に存在する物体のモデリングを自動的に行う試みがなされている。
【0005】
しかしながら、一台のカメラで焦点距離を変える際には物体が静止していることが必要であり、ステレオ法において複数のカメラを用いる場合、一台のカメラを用いるのに比べてコストに問題がある。また、一台のカメラで動物体を複数方向から撮影し、ステレオ法を応用するためには、物体の向きと照明方向の相対変化を考慮した対応付け問題が一般に解決されておらず、例えば人間の頭部のように複雑形状、かつ、動きのある物体のモデルを実用的な精度と処理速度を満足しつつ自動的に作成する方式は未だ実現されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の方法では、焦点距離を変える際には物体が静止していることが必要であり、ステレオ法において複数のカメラを用いる場合、一台のカメラを用いるのに比べてコストに問題があった。また、一台のカメラで動物体を複数方向から撮影し、ステレオ法を応用するためには、物体の向きと照明方向の相対変化を考慮した対応づけ問題が一般に解決されておらず、例えば人間の頭部のように複雑形状、かつ、動きのある物体を実用的にモデリングすることはできなかった。
【0007】
本発明は上記のような点に鑑みなされたもので、人間の頭部のように複雑形状、かつ、動きのある物体のモデルを一台のカメラで実用的な精度と処理速度を満足しつつ自動的に作成することのできる画像処理装置及び画像処理方法を提供することを目的とする。
【0008】
また、この場合に、光源が一つのときだけでなく複数のときでも上記目的を解決できるものを提供する。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、複数の光源に照らされている動きのある対象物体を、静止した1台の画像取込み手段から時系列的に撮影して、その対象物体の形状を獲得するための少なくとも距離情報を演算する画像処理装置であって、前記画像取込み手段によって取込まれた時系列画像から前記対象物体の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、前記特徴点抽出手段によって抽出された前記時系列画像の各時点の画像中に含まれる特徴点同士を対応づける特徴点対応手段と、前記特徴点対応手段によって対応づけられた各特徴点の位置座標情報に基づいて、前記時系列画像の各時点における前記対象物体の位置と姿勢の変化を決定する幾何学的条件決定手段と、前記特徴点対応手段によって対応づけられた各特徴点と、その周囲の輝度情報に基づいて、前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数を決定する光学的条件決定手段と、前記幾何学的条件決定手段により決定された前記対象物体の前記時系列画像中の各時点の位置及び姿勢と、前記光学的条件決定手段により決定された前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数に基づいて、前記対象物体の各点への距離情報を計算する距離情報計算手段と、を具備し、前記光学的条件決定手段は、前記特徴点対応手段によって対応づけられた各特徴点の輝度情報とそれら各特徴点の周囲の輝度情報を格納した輝度行列を生成する輝度行列生成手段と、前記輝度行列生成手段によって生成された輝度行列を前記複数の光源の組合せ毎に部分行列に分割する部分行列分割手段と、前記部分行列分割手段によって分解された各部分行列を特異値分解することにより前記複数の光源に対応した線形結合係数を計算する線形結合係数計算手段と、前記対象物体の姿勢変化及び任意の特徴点での面法線ベクトルに基づいて、前記複数の光源に対応した線形結合係数を光源方向に変換する光源方向変換手段と、を具備することを特徴とする画像処理装置である。
【0015】
請求項の発明は、前記部分行列分割手段は、前記輝度行列生成手段によって生成された輝度行列とその転置行列を掛け合わせた行列の固有ベクトルを計算する固有ベクトル計算手段と、前記固有ベクトル計算手段によって計算された固有ベクトルを各列に含んだ行列と、その転置行列を掛け合わせた表面行列を計算する表面行列計算手段と、前記表面行列計算手段によって計算された表面行列の行と列の同時の並替えを、前記表面行列の非対角成分が零となるように繰り返す並替え手段と、前記並替え手段による並べ替えの繰り返しと同じ順序で前記輝度行列の要素を並べ替え、前記表面行列の各対角ブロックの次元に対応して前記輝度行列を所定の数の部分行列に分割する分割手段と、を具備することを特徴とする請求項記載の画像処理装置である。
【0016】
請求項の発明は、前記分割手段は、前記輝度行列のランクを計算し、この計算されたランク数に応じた数に部分行有することを特徴とする請求項記載の画像処理装置である。
【0017】
請求項の発明は、前記距離情報計算手段は、前記時系列画像のうち特定時点Aの画像を選択して基準画像とし、この基準画像中で各画素における前記対象物体までの距離Zを設定する距離設定手段と、前記距離設定手段によって設定された距離Z及び前記幾何学的条件決定手段により決定された前記対象物体の各時点の位置と姿勢の変化に基づいて、前記各画素と対応する画素を、前記特定時点Aと異なる3時点以上の画像群において決定する対応画像決定手段と、前記対応画像決定手段によって決定された画素における輝度と前記基準画像中の画素における輝度との整合の度合を、前記光学的条件決定手段により決定された前記時系列画像間の前記複数の光源に対応した線形結合係数に基づいて計算する整合度合計算手段と、前記整合度合計算手段によって計算された整合度合に応じて、前記距離設定手段によって設定された距離Zを評価して、この評価に基づいて距離情報を計算する評価手段と、を具備したことを特徴とする請求項記載の画像処理装置である。
【0019】
請求項の発明は、複数の光源に照らされている動きのある対象物体を、静止した1台の画像取込み手段から時系列的に撮影して、その対象物体の形状を獲得するための少なくとも距離情報を演算する画像処理方法であって、前記画像取込み手段によって取込まれた時系列画像から前記対象物体の特徴点を抽出する特徴点抽出ステップと、前記特徴点抽出ステップによって抽出された前記時系列画像の各時点の画像中に含まれる特徴点同士を対応づける特徴点対応ステップと、前記特徴点対応ステップによって対応づけられた各特徴点の位置座標情報に基づいて、前記時系列画像の各時点における前記対象物体の位置と姿勢の変化を決定する幾何学的条件決定ステップと、前記特徴点対応ステップによって対応づけられた各特徴点と、その周囲の輝度情報に基づいて、前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数を決定する光学的条件決定ステップと、前記幾何学的条件決定ステップにより決定された前記対象物体の前記時系列画像中の各時点の位置及び姿勢と、前記光学的条件決定ステップにより決定された前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数に基づいて、前記対象物体の各点への距離情報を計算する距離情報計算ステップと、を具備し、前記光学的条件決定ステップは、前記特徴点対応ステップによって対応づけられた各特徴点の輝度情報とそれら各特徴点の周囲の輝度情報を格納した輝度行列を生成する輝度行列生成ステップと、前記輝度行列生成ステップによって生成された輝度行列を前記複数の光源の組合せ毎に部分行列に分割する部分行列分割ステップと、前記部分行列分割ステップによって分解された各部分行列を特異値分解することにより前記複数の光源に対応した線形結合係数を計算する線形結合係数計算ステップと、前記対象物体の姿勢変化及び任意の特徴点での面法線ベクトルに基づいて、前記複数の光源に対応した線形結合係数を光源方向に変換する光源方向変換ステップと、を具備することを特徴とする画像処理方法である。
【0021】
請求項の発明は、複数の光源に照らされている動きのある対象物体を、静止した1台の画像取込み手段から時系列的に撮影して、その対象物体の形状を獲得するための少なくとも距離情報を演算する画像処理方法を実現するプログラムを記憶した記録媒体であって、前記画像取込み手段によって取込まれた時系列画像から前記対象物体の特徴点を抽出する特徴点抽出機能と、前記特徴点抽出機能によって抽出された前記時系列画像の各時点の画像中に含まれる特徴点同士を対応づける特徴点対応機能と、前記特徴点対応機能によって対応づけられた各特徴点の位置座標情報に基づいて、前記時系列画像の各時点における前記対象物体の位置と姿勢の変化を決定する幾何学的条件決定機能と、前記特徴点対応機能によって対応づけられた各特徴点と、その周囲の輝度情報に基づいて、前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数を決定する光学的条件決定機能と、前記幾何学的条件決定機能により決定された前記対象物体の前記時系列画像中の各時点の位置及び姿勢と、前記光学的条件決定機能により決定された前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数に基づいて、前記対象物体の各点への距離情報を計算する距離情報計算機能と、を実現し、前記光学的条件決定機能は、前記特徴点対応機能によって対応づけられた各特徴点の輝度情報とそれら各特徴点の周囲の輝度情報を格納した輝度行列を生成する輝度行列生成機能と、前記輝度行列生成機能によって生成された輝度行列を前記複数の光源の組合せ毎に部分行列に分割する部分行列分割機能と、前記部分行列分割機能によって分解された各部分行列を特異値分解することにより前記複数の光源に対応した線形結合係数を計算する線形結合係数計算機能と、前記対象物体の姿勢変化及び任意の特徴点での面法線ベクトルに基づいて、前記複数の光源に対応した線形結合係数を光源方向に変換する光源方向変換機能と、を実現するプログラムを記憶したことを特徴とする画像処理方法の記録媒体である。
【0022】
以上により、本発明は、対象物体の撮影によって得られる時系列画像を用い、その時系列画像の各時点の画像に含まれる特徴点同士を対応づけ、その対応づけられた各特徴点の位置座標情報から対象物体の各時点の3次元の位置と姿勢、したがって、時系列画像間の幾何学的結合条件を求め、一方でその対応づけられた各特徴点の輝度情報から時系列画像間の光学的結合条件及び光源の方向を計算し、時系列画像間の幾何学的及び光学的結合条件を用いて各画素における距離情報及び表面法線ベクトルを獲得し、さらに表面法線ベクトルを利用して距離情報を補正したものを上記対象物体のモデル情報として出力するものである。
【0023】
なお、表面法線ベクトルは距離情報の補正以外に映像の生成に利用できる。
【0024】
このような構成により、例えば人間の頭部のように複雑形状、かつ、動きのある物体を対象に、一台のカメラを入力装置としてそのモデルを自動作成することができる。
【0025】
なお、本発明は、この意味で複数台のカメラを用いるUS Patent 5475422 (参考文献1:US Patent 5475422− Dec. 12, 1995 (NTT) ”Method and apparatus for reconstructing three−dimensional objects”)等の提案とは内容を異にする。
【0026】
また、以下で発明の実施の形態として対象物体の動きを算出するためにC. Tomasi 等による因子分解法(参考文献2:C. Tomasi and T. Kanade, ”Shape and motion from image streams under orthography: A factorization method” International Journal of Computer Vision Vol. 9:2 pp 137−154, 1922 )を用いており、その際、一撃計算により特定に選択された点の3次元位置が同時に求まるが、これの外挿を基本とするモデル化は関連して別途”特願平9−767号”として出願している。また、対応づけに基づくステレオ法を応用することで対象物体の3次元表面全体を復元する方法についても”特願平9−273573号”として出願している。
【0027】
これに対し本発明は、3次元の奥行きと表面の法線ベクトルを同時推定しようとするものであり、物体形状の精度の向上に寄与するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
(参考実施形態)
以下、本発明には含まれないが、後述する本発明の実施形態の参考となる参考実施形態について、人間の頭部の表面モデルを自動生成する場合を例にとって説明する。
【0029】
図1(a)に本実施形態の基本的な構成例を示し、図1(b)に本実施形態の詳細な構成例を示す。
【0030】
画像取込部0により得られた動画像系列から、まず特徴点抽出部1により、モデル作成を行う物体の表面を構成する特徴点を抽出する。
【0031】
次に、3次元動き推定部2により、連続画像間でこれら抽出した特徴点同士の対応づけを行い、対応づけられた特徴点群の2次元座標から生成される行列を係数行列として含む関係式を変形操作することにより、頭部の位置・姿勢を求める。
【0032】
また、線形結合係数計算部3により、対応づけられた各特徴点の輝度情報から生成される行列を係数行列として含む関係式を変形操作することにより、画像間の線形結合係数を求める。
【0033】
最後に、距離情報検出部4により、頭部の位置・姿勢と画像間の線形結合係数にしたがって、幾何学輝度拘束条件に基づいて、物体への距離情報を検出し、形状復元を行う。
【0034】
次に、上記基本構成における各構成要素の構成例について説明する。
【0035】
(a)特徴点抽出部
図2に、特徴点抽出部1の詳細な構成例を示す。
【0036】
まず平滑化処理部10において、抽出する原画像に平滑化処理を施す。この処理をデジタルフィルタで実現する場合は、例えば、
【数1】
Figure 0003630582
という係数を持つサイズ3の空間フィルタで実現できる。
【0037】
この処理は、次の2次元差分処理部11、及び方向別分散値計算部14における、ノイズ低減のための前処理として行われる。二次空間差分処理部11では、上記平滑化処理結果に対し二次空間差分処理を施すことにより、孤立した特徴点部分の明度強調を行う。この処理をデジタル空間フィルタで実現する場合は、例えば、
【数2】
Figure 0003630582
という係数を持つサイズ3の空間フィルタで実現できる。
【0038】
次に、孤立特徴点抽出部12において、この明度強調結果で適当に設定した閾値以上の部分を抽出することにより、例えば頭部における黒子のような孤立した特徴点を抽出し、この座標値を記憶部に順次格納する。
【0039】
さらに、局所マスク設定部13では、前記平滑化処理部10の結果に対し、例えば頭部における目尻、唇の端点のような連続特徴点を抽出するための局所マスク領域を順次設定する。
【0040】
連続特徴点は、例えば目尻であれば目領域の上輪郭と下輪郭の交差する点、唇の端点であれば上唇の輪郭と下唇の輪郭の交差する点、というように、複数の輪郭線(エッジ)の交差部分、すなわち複数の方向に輝度勾配が強い点として求められる。マスク領域の大きさは、抽出する特徴点を構成する輪郭線(エッジ)の長さと必要となる演算量を考慮して最適となるように設定する。
【0041】
次に、方向別分散値計算部14において、この設定された各局所マスク内の方向別分散値を計算する。この方向としては例えば、垂直、水平、右45゜、左45゜の4方向を選択し、局所マスク内の各方向に連続した画素の明度値を用いて、各方向別分散値を計算する。
【0042】
次に、連結特徴点抽出部15において、上記方向別分散値計算部14において計算された方向別分散値が、2つ以上の方向に対し一定閾値以上の値を有する局所マスクの中心点を連結特徴点として抽出し、この座標値を記憶部に順次格納する。
【0043】
(b)3次元動き情報抽出部
次に、前記3次元動き情報抽出部2の詳細な構成例について、図3を用いて説明する。
【0044】
特徴点対応づけ部20において、前記特徴点抽出部1で抽出された孤立特徴点群、及び連結特徴点群の、連続時系列画像間における対応づけを行う。
【0045】
図4に、上記特徴点対応づけ部20の詳細な構成例を示す。
【0046】
まず、特徴点選択部200で、連続時系列画像間における対応づけを行う特徴点の組を選択する。
【0047】
次に、局所マスク設定部201において、これら特徴点を含む5×5や7×7などのサイズを持つ局所マスク領域を各々の画像中に設定する。
【0048】
次に、相関値計算部202において、これら局所マスク領域間の相関係数の値を計算する。
【0049】
次に、対応判定部203において、上記相関係数値が閾値以上、かつ最大となる組を、対応づけが求まったものとして記憶部に格納する処理を、抽出された各特徴点について順次行う。
【0050】
次に、計測行列設定部21では、これら対応づけの得られた特徴点の画像中の座標値を用いて、3次元動き情報を求めるための計測行列を作成する。
【0051】
本実施形態では、モデル作成を行う対象そのものの奥行きに対し、観測に用いるカメラが対象から十分遠方にある(正射影の条件を満たす)場合について、因子分解法を適用した例について述べる。この条件は例えば顔を撮影する場合、通常カメラを特に遠方に配置しなくても満たされる。
【0052】
対応づけが得られた特徴点の組において、f枚目の画像中のp番目の特徴点の位置を(Xf,Yf)とする。また、画像の相枚数をF、特徴点の組の数をPとする。
【0053】
f枚目の画像中の特徴点群の重心位置を(A,B)とするとこれらは、
【数3】
Figure 0003630582
として与えられる。次にこれらの座標間の差をとって、
【数4】
Figure 0003630582
とする。このとき計測行列Wは、
【数5】
Figure 0003630582
として設定される。この計測行列Wは、2F×Pの行列である。次に、計測行列変形操作部22では、上記計測行列Wに対し変形操作を行って
【数6】
Figure 0003630582
と2つの行列の積の形に分解する。ただし、
【数7】
Figure 0003630582
は2F×3の行列、
【数8】
Figure 0003630582
は3×Pの行列である。この分解は、例えば特異値分解処理を用いることにより実行される。
【0054】
ここで、Sにおける成分Sは対応づけられたp番目の特徴点の3次元位置(X,Y,Z)である。一方、Mの行列の成分のうち(x,y)は、f番目の画像の基本ベクトルであり、動画像系列における各時点での画像の中心位置を与えており、これらの差からフレーム間の物体の3次元の動き情報、すなわち位置と姿勢の変化を決定することができる。
【0055】
なお、特異値分解は一般に任意性を有するが、Mの要素ベクトルが正規直交系を構成することなどの適当な拘束条件の下に分解を一意に決定できる(詳細は参考文献2)。
【0056】
これにより、動画像系列中にある時点での入力画像の任意の点の座標と、その点までの推測される距離Zから、他の画像において対応する点の座標を算出することができる。
【0057】
(c)画像間線形結合計算部
次に、前記画像間線形結合計算部3の詳細な構成例について、図5を用いて説明する。
【0058】
ここで、一般に1つの無限遠点光源を考えるときある画素xの輝度Iは、その画素に対応する物体表面上の点の内向きの3次元単位法線ベクトルに表面反射率を乗じた量i と、点光源の光の方向を示す3次元単位ベクトルに光源の
強さを乗じた量 との内積、すなわち
【数9】
Figure 0003630582
で表現されることに注意されたい(図8参照)。またこれに基づいて、単一点光源下で得られる完全拡散反射表面を持つ凸物体の任意の画像は、同一平面状にない3個の単一点光源によって対象物体を同じ方向から撮影した任意の3枚の画像を基底画像とし、それらの線形結合で表現できることがShashua (参考文献3:A. Shashua ”Geometry and photometry in 3D visual recognition” Ph. D. Thesis, Dept. Brain and Cognitive Science, MIT, 1992.)によって示されている。
【0059】
いま、物体表面上の点が動画像系列上の点x(j) に投影されるとき、無限遠のn個の点光源による反射をLambertianモデルで表現すると、j番目の画像のi番目の点の輝度値は、
【数10】
Figure 0003630582
で与えられる。ただし、上式において、i は物体表面の内向きの単位法線ベ
クトルに表面反射率を乗じたものであり、(j) は最初の画像からj番目の画
像までの物体の回転を表す行列であり、 はk番目の光の方向を示す単位ベ
クトルに光源の強さを乗じたものである。ある光源によって画素が照射されていないと内積が負の値をとるのでmax(・,0)とする必要がある。
【0060】
式(7) は次のように書くこともできる。
【0061】
【数11】
Figure 0003630582
は光源に関する因子であり、D(j) はk番目の光源がj番目の画像を照射しているかどうかで、1または0の値をとる。
【0062】
画像中の特徴点がn個であり、n枚の動画像系列を解析する場合、以下の行列表現をすることができる。
【0063】
【数12】
Figure 0003630582
なお、はI(j) を要素とするn×nの行列であり、 を各行とするn×3の行列であり、はs´(j)を各列とする3×nの行列である。
【0064】
3次元動き抽出部2中で記述済みの特徴点対応づけ部20で、n枚通して全ての動画像系列中の各々の特徴点に対して対応づけを行うことで、対応づけされた特徴点の輝度値I(j) をにおいて記録することができる。
【0065】
輝度行列設定部31では、これら対応づけの得られた特徴点における輝度値を用いて、輝度行列を作成する。
【0066】
次に、単一点光源を考えるとき輝度行列変形操作部32では、計測行列に対し例えば特異値分解等を行うことによって、rank3の行列による近似表現を得ることができる。
【0067】
【数13】
Figure 0003630582
は、線形結合係数を含む3×nの行列である。
【0068】
よく知られているように特異値分解による分解は一意ではなく、一般には任意の3×3正則行列を用いて次のように表現される。
【0069】
【数14】
Figure 0003630582
を満たす行列を計算すれば距離情報と同時に光源の方向が求まる。そのような行列は以下のように計算することができる。
【0070】
まず、式(11)の行列sに含まれる光源の物理的な意味に立ち戻ると、その解釈は次のようになる。すなわち1列目の(1) が最初のフレームの光源ベクトル、つまり真の光源ベクトルであり、その他の列は物体の回転にしたがい
【数15】
Figure 0003630582
によって表されるベクトルとなる。ここで(j) は最初のフレームからj番目のフレームにかけての物体の3×3次元回転行列であり、回転行列の転置を乗じることは、光源が相対的に逆向きの回転をしているという解釈に基づいている。回転行列は、前記3次元動き抽出部2の説明における式(4) でサンプル点の座標から計算した2×3次元行列(j) から直接与えられる。
【0071】
式(14)両辺の各列の関係を、上記の光源ベクトルが満たすべき条件式(15)に代入すると、関係式
【数16】
Figure 0003630582
が得られる。式(16)は基準画像に対して参照画像1フレームにつき3本の方程式を与えるので、参照画像が3フレームあれば方程式が9本得られ、これらを適当に展開すると行列の9個の要素についての同次方程式を得る。
【0072】
しかしその解には自由度が3残っており、同次方程式のみから行列を一意に決定することはできない。これは物理的に条件が不足していることを意味しており、最初のフレームにおける光源と物体の初期配置に自由度3の任意性があるためと解釈できる。この任意性を取り除いて問題を良設定なものにするためには、何らかの拘束条件を与えることが必要である。そこで、条件として任意のサンプル点を一つ取り上げ、その点における法線方向 を用いることにする。これは知識として与えてもよいが、そのサンプル点周辺の奥行きを先に計算しておくことで、その領域の勾配から計算することができる。式(6) と式(14)から
【数17】
Figure 0003630582
以上に述べた行列に関する条件(16)及び(17)を入力画像が3枚の場合についてまとめて整理すると、
【数18】
Figure 0003630582
(d)距離情報検出部
次に、距離情報検出部4の詳細な構成例について、図7を用いて説明する。
【0073】
基本的な概念は動画像中からある基本画像を選択し、この画像中で顔に相当する部分の各画素において他の画像との幾何的輝度拘束―幾何学的に対応する点における輝度間に成立する線形拘束―にしたがって距離を推定するものであり、前記3次元動き情報抽出部2と前記画像間線形結合計算部3の結果の双方を利用するものである。
【0074】
この概念は図7に4枚の時系列画像を用いて示されるごとくである。
【0075】
基準画像の任意の画素の輝度I(1) は、他の3枚の画像において幾何学的に対応している点の輝度Ii(2) ,Ii(3) ,Ii(4) の線形結合で表される。なお図中、対象物体の動きは撮影するカメラの逆位相の動きとして解釈されている。
【0076】
すなわち、1番目の画像において顔表面のある点Xiが投影された画素の輝度i(1) を考えるとき、その点Xiへの距離Zを仮定、これにしたがって同じ点Xiが異なる時点の画像において投影された輝度Ii(2) ,Ii(3) ,Ii(4) を推測し、これらの輝度が、画像間線形結合計算部で計算された線形結合係数に基づいた線形結合拘束を正しく満たす度合を評価することで、正しい距離Zを探索によって求めることができる。
【0077】
ある距離Zを仮定するときこれに対する3次元基底画素計算部40と評価関数計算部41は以下のように構成する。
【0078】
【数19】
Figure 0003630582
なる拘束式が成立し、これを最小2乗の意味でもっとよく満足する解として次の3次元ベクトルを得る。
【0079】
【数20】
Figure 0003630582
距離判定部42では、推測の距離Zを変化させつつ上記評価関数Ei(Z) の計算を行い、評価関数を最小(理想的には零)とするZをもってその点での距離とする。以上の操作を画像上の各点において実行することで画像全体の距離画像を得る。
【0080】
ここで、前記光源方向推定部33により光源の方向がすでにわかっている場合は、さらに法線ベクトル計算部43によって物体表面の法線ベクトルを計算できる。この場合、前記評価関数計算部41における式(21)は次式で置き換えられる。
【0081】
【数21】
Figure 0003630582
また、法線ベクトルが得られると、距離補正部44で局所領域での奥行きの連続性を利用し、各画素の周辺画素での奥行きZと法線ベクトル から奥行きの推定値Zを計算することもできる。周辺の画素の範囲は連続性を考慮する度合に応じて決定し、奥行き推定値はその範囲内の各画素での計算値の例えば平均値を取る。簡単には上下左右の4画素だけを考慮しても効果が見られるが、範囲をωとし、そこに含まれる画素数をnとしてZを定式化すると
【数22】
Figure 0003630582
となる。ただしZ0kは画素kにおける奥行きの一次近似、Dは画素kから画素iまでの距離、gradは画素kから画素iを見た方向の距離勾配であり各画素の法線方向 から算出される。前記距離判定部42の奥行き探索において、式(22)による誤差関数E(Z) の極小ピークが複数存在する場合は、それぞれを候補とした上で式(24)による奥行き推定値Zに最も近い極小ピークをもって真の奥行きとすることができる。こうした処理は一種のヒューリスティックとも呼べ、また結果としてスムージング効果を持つことになるが、奥行き探索の結果から直接意味のある値のみを残すことを可能とする。
【0082】
変更例1
なお、本発明は上記実施形態で記載した内容に限定されるものではない。
【0083】
例えば、距離判定部42で距離Zを推測する際、3次元動き情報抽出部において物体の動きと同時に抽出される特徴点の3次元位置情報Sを用いて距離Zの推測範囲を限定することができる。
【0084】
光源についてはさらに、ここで記述した単一点光源における議論を基に、その組合せとして一般光源へ拡張した環境へも対応することが可能である。このように本発明は物体の幾何的条件と光学的条件を組み合わせることにより様々な拡張が可能である。
【0085】
(本発明の実施形態)
図9に本発明の実施形態の詳細な構成例を示す。
【0086】
参考実施形態では、単一光源の場合について説明したが、本発明の実施形態では、複数光源が存在する場合について説明する。なお、画像間線形結合部計算部3の式(18)までは、参考実施形態と同様の処理を行う。そのために、式(1) から式(18)までは、参考実施形態を参照し、式(19)以降については、本発明の実施形態の式番号を参照する。
【0087】
したがって、図10に示す画像間線形結合部計算部3の輝度行列変形操作部32において複数点光源が存在する場合を考える。
【0088】
最も単純な場合として、全ての点光源が物体表面上の全ての点を照射している状況では、それらの点光源の重ね合わせに等価な一つの光源を仮定し、上述の単一光源における方法をあてはめることで線形結合係数を計算することができる。さらに光源方向推定部33で光源の方向が推定できる。しかし、物体表面上の多くの点は実際には複数光源の部分的な組合せによって照射されており、その組合せは各点においてまちまちである。
【0089】
すなわち、輝度行列設定部31で設定した輝度行列は、様々な光源の組合せによって生じた輝度が格納されることになる。この状況では輝度行列分割部30を経て輝度行列変形操作部32以降の処理を行う必要がある。
【0090】
輝度行列分割部30では、輝度行列を共通する組合せの光源によって生じた輝度のみを含んだ部分行列へ各行の並べ替えによって分割し、正準化する。この分割ができると、輝度行列変形操作部32以降の処理は各部分行列ごとに行い、対応する線形結合係数及び光源の方向を計算すればよい。
【0091】
以下、部分行列への分割を一般性を失うことなく2つの点光源が存在する場合を例にとって説明する。
【0092】
まず、2点光源(l,lとおく)における輝度行列は単一光源下における関係式(10)に対応し、次のように表現できる。
【0093】
【数23】
Figure 0003630582
ここで、1 と2 は光源lとlに対応した列を含み、 (k=0,1,2,3)は3×3単位行列及び零行列からなる次の4種類の6×6行列のいずれかで、輝度行列の各要素に寄与している光源の組合せに対応している。
【0094】
【数24】
Figure 0003630582
は特徴点がlとlの両方の光源に照射されている場合、 及び は特徴点が各々lまたはlの片一方に照射されている状況に対応する。特徴点が完全な陰の部分にある場合がもしあれば、その場合の輝度値は0であり が対応する。
【0095】
いま、n個の特徴点のうちn個が入力画像列を通して光源lとlの両方に照射されており、n個が光源lのみに、またn個が光源lに照射されているとする。
【0096】
つまり、陰になる部分を除外して考えn=n+n+nとする。
【0097】
ここで、輝度行列の分割の方法を説明する前に、分割した部分行列の表現形式について述べておく。何らかの方法で特徴点の分類が照射する光源の組合せごとにわかっている状況を考え、これにしたがって輝度行列の各々n個の特徴点に対応する部分行列 (k=0,1,2)への分割がなされているとする。このとき式(19)は次のように表現でき、
【数25】
Figure 0003630582
と表される。ここでn×3行列 の各行に係わる特徴点はD(k=0,1,2)に対応する光源の組に照射されており、また は光源lとlを重ね合わせたベクトル
【数26】
Figure 0003630582
であることに注意する。
【0098】
式(20)では陰の部分を除外して考えることで に対応する を無視しているが、更に光源Iが物体全体を、光源lが物体の一部分のみを照射していると考えても一般的な議論には差し支えない。これにより部分行列 を省略するとき(n=n+n)、輝度行列は次のような正準型となる。
【0099】
【数27】
Figure 0003630582
同じことが輝度行列にもそのまま当てはまるため、入力画像の枚数を6枚以上、つまりn≧6としておく(一般に光源の組合せがnとおりある場合は3n枚を用いることになる)。
【0100】
ここで、輝度行列の任意の行がn次元輝度空間Rnjの一点を表すものと解釈すると、部分行列 の各行は3次元部分空間Lの一点を、また部分行列 の各行は別の3次元部分空間Lの一点を表すことになる。
【0101】
したがって、特徴点を分類する問題は、空間Rnjにおけるn個の特徴点群を2つの異なる3次元部分空間に分けることに帰着される。
【0102】
以下では、まずこの分類が数学的に可能であることを述べた上で、表面行列と呼ばれる行列を導入することで現実的に分類を行う方法について述べる。
【0103】
【数28】
Figure 0003630582
定義よりこれはランクrの半正値対称行列である。その固有値をλ≧,…,≧λ(最初のr個のみが零でない)とし、対応する固有ベクトルの正規直交系を{υ,…,υ}とする。そしてN×N作用行列=(Qαβ)を次のように定義する。
【0104】
【数29】
Figure 0003630582
すなわち、αとβは2つの任意の特徴点、 α βは輝度行列のうちでそれらに対応する行とする。定義よりこれはランク6の半正値対称行列である。その固有値をλ≧,…,≧λni(最初の6個のみが非零)とし、対応する固有ベクトルの正規直交系を{υ,…,υni}とする。そしてn×n作用行列=(Hαβ)を次のように定義し
【数30】
Figure 0003630582
つまり、この表面行列は各特徴点対αとβの分類の可能性を示すもので、2点を照射する光源の組合せが共通であるか異なるかをHαβの計算に基づいて判断できる。Hαβが非零であれば光源の組合せが共通で、光源の組合せが異なればHαβの値が零となる。表面行列を求めることで特徴点全てを対象としてこの判断を組織的に行う方法を以下で述べる。
【0105】
図11に、輝度行列分割部30の詳細な構成例を示す。
【0106】
まず、表面行列生成部300では,輝度行列に次の特異値分解を直接に施す。
【0107】
【数31】
Figure 0003630582
となる。
【0108】
定義から表面行列は輝度行列から一意に計算できるばかりか、輝度行列の行の順序を入れ替えても、その値の組Hαβは一定のままで並び方が入れ替わるのみである。つまり輝度行列の行αとβを入れ替えると、行列の対応する行αとβが入れ替わり、結果として表面行列の行αとβが一定の値のまま同時に入れ替わることになる。
【0109】
【数32】
Figure 0003630582
表面行列対角化部301では、表面行列生成部300で生成した表面行列のブロック形式への対角化を行う。ここでブロックの数、つまり特徴点群の輝度が帰属する輝度部分空間の数mに関しては、特徴点群の分類に先立って輝度行列ランクrを計算することで求められる。すなわちr=3mである。
【0110】
計測した特徴点の輝度に雑音を含む環境では、表面行列の要素のうち異なる光源の組合せに照射された特徴点対に対応するものでも小さな非零値をもつ場合が考えられる。しかし、表面行列の対角化は、表面の相関エネルギーを表す量としてH αβを用い、の非対角成分のエネルギーを最小化するように全ての行と列の入れ替えを探索することで行う。この問題に対しては、簡単な最小化アルゴリズムで十分であるが、ヒルクライミング法や欲張り法などの探索法を用いて効率を上げることも可能である。
【0111】
続いて、輝度行列正準化部302では、表面行列対角化部301において表面行列の行と列の各々の組を並べ替えたのと、同じ順序で輝度行列の行の入れ替えを行う。この結果、同一の光源に照射された特徴点が隣接した行に並ぶ輝度行列の正準型輝度行列を生成することができる。
【0112】
そして、得られた部分輝度行列の各々に対して独立に輝度行列変形操作部32以降の処理を施すことで、対応する線形結合係数及び光源の方向 を計算する。以上の処理は2点光源の場合だけでなく任意点光源に対しても適応できる。
【0113】
次に距離情報検出部4の詳細な構成例について、図12を用いて説明する。
【0114】
基本的な概念は動画像中からある基本画像を選択し、この画像中で顔に相当する部分の各画素において他の画像との幾何的輝度拘束―幾何学的に対応する点における輝度間に成立する線形拘束―にしたがって距離を推定するものであり、前記3次元動き情報抽出部2と前記画像間線形結合計算部3の結果の双方を利用するものである。この概念は図7に4枚の時系列画像を用いて示されるごとくである。
【0115】
すなわち、1番目の画像において顔表面のある点Xiが投影された画素の輝度I(1) を考えるとき、その点Xiへの距離Zを仮定、これにしたがって同じ点Xiが異なる時点の画像において投影された輝度Ii(2) ,Ii(3) ,Ii(4) を推測し、これらの輝度が、前記画像間線形結合計算部3で計算された線形結合係数に基づいた線形結合を正しく満たす度合いを評価することで、正しい距離を探索によって求めることができる。
【0116】
ある距離Zを仮定するときこれに対する3次元基底画素計算部40と評価関数計算部41は以下のように構成する。
【0117】
【数33】
Figure 0003630582
ここで評価関数E(Z)は光源の異なる組合せに対する複数の線形結合係数について計算し、その最も小さい値を選択する。
【0118】
距離判定部42では、推測の距離Zを変化させつつ上記評価関数E(Z)の計算を行い、評価関数を最小(理想的には零)とするZをもってその点での距離とする。以上の操作を画像上の各点において実行することで画像全体の距離画像を得る。
【0119】
変更例2
なお、本発明は上記実施形態で記載した内容に限定されるものではない。
【0120】
光源についてはさらに、ここで記述した複数の点光源における議論を基に、その組合せとして一般光源へ拡張した環境へも対応することが可能である。このように本発明は物体の幾何的条件と光学的条件を組み合わせることにより様々な拡張が可能である。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、複雑形状かつ動きのある物体の形状復元を、実用的な精度と処理速度を満足して行うための画像処理方法及びその装置を提供することが可能となり、3次元CAD、また3次元CG(コンピュータグラフィクス)を用いた映像作成等の技術に、大きく貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の参考実施形態の基本的な構成を示すブロック図である。(b)は、(a)の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の特徴点抽出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】図1の3次元動き抽出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図4】図3の特徴点対応づけ部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】図1の画像間線形結合計算部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図6】図1の距離情報検出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】図6の距離情報検出部において用いられる幾何学的輝度拘束を示すスケッチ図である。
【図8】物体の表面反射モデルを示すスケッチ図である。
【図9】本発明の画像処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の実施形態の画像間線形結合計算部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図11】輝度行列分割部の詳細な構成を示すブロック図である。
【図12】距離情報検出部の詳細な構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
0 画像取込部
1 特徴点抽出部
2 3次元動き情報抽出部
3 画像間線形結合計算部
4 距離情報検出部
10 平滑化処理部
11 2次元空間差分処理部
12 孤立特徴点抽出部
13 局所マスク設定部
14 方向別分散値検出部
15 連結特徴点抽出部
20 特徴点対応づけ部
21 計測行列設定部
22 計測行列変形操作部
200 特徴点対選択部
201 局所マスク設定部
202 相関値計算部
203 対応判定部
31 輝度行列設定部
32 輝度行列変形操作部
33 光源方向推定部
300 表面行列生成部
301 表面行列対角化部
302 輝度行列正準化部
40 3次元基底画素計算部
41 評価関数計算部
42 距離判定部
43 法線ベクトル計算部
44 距離補正部

Claims (6)

  1. 複数の光源に照らされている動きのある対象物体を、静止した1台の画像取込み手段から時系列的に撮影して、その対象物体の形状を獲得するための少なくとも距離情報を演算する画像処理装置であって、
    前記画像取込み手段によって取込まれた時系列画像から前記対象物体の特徴点を抽出する特徴点抽出手段と、
    前記特徴点抽出手段によって抽出された前記時系列画像の各時点の画像中に含まれる特徴点同士を対応づける特徴点対応手段と、
    前記特徴点対応手段によって対応づけられた各特徴点の位置座標情報に基づいて、前記時系列画像の各時点における前記対象物体の位置と姿勢の変化を決定する幾何学的条件決定手段と、
    前記特徴点対応手段によって対応づけられた各特徴点と、その周囲の輝度情報に基づいて、前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数を決定する光学的条件決定手段と、
    前記幾何学的条件決定手段により決定された前記対象物体の前記時系列画像中の各時点の位置及び姿勢と、前記光学的条件決定手段により決定された前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数に基づいて、前記対象物体の各点への距離情報を計算する距離情報計算手段と、
    を具備し、
    前記光学的条件決定手段は、
    前記特徴点対応手段によって対応づけられた各特徴点の輝度情報とそれら各特徴点の周囲の輝度情報を格納した輝度行列を生成する輝度行列生成手段と、
    前記輝度行列生成手段によって生成された輝度行列を前記複数の光源の組合せ毎に部分行列に分割する部分行列分割手段と、
    前記部分行列分割手段によって分解された各部分行列を特異値分解することにより前記複数の光源に対応した線形結合係数を計算する線形結合係数計算手段と、
    前記対象物体の姿勢変化及び任意の特徴点での面法線ベクトルに基づいて、前記複数の光源に対応した線形結合係数を光源方向に変換する光源方向変換手段と、
    を具備する
    ことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記部分行列分割手段は、
    前記輝度行列生成手段によって生成された輝度行列とその転置行列を掛け合わせた行列の固有ベクトルを計算する固有ベクトル計算手段と、
    前記固有ベクトル計算手段によって計算された固有ベクトルを各列に含んだ行列と、その転置行列を掛け合わせた表面行列を計算する表面行列計算手段と、
    前記表面行列計算手段によって計算された表面行列の行と列の同時の並替えを、前記表面行列の非対角成分が零となるように繰り返す並替え手段と、
    前記並替え手段による並べ替えの繰り返しと同じ順序で前記輝度行列の要素を並べ替え、前記表面行列の各対角ブロックの次元に対応して前記輝度行列を所定の数の部分行列に分割する分割手段と、
    を具備する
    ことを特徴とする請求項記載の画像処理装置。
  3. 前記分割手段は、
    前記輝度行列のランクを計算し、この計算されたランク数に応じた数に部分行有する
    ことを特徴とする請求項記載の画像処理装置。
  4. 前記距離情報計算手段は、
    前記時系列画像のうち特定時点Aの画像を選択して基準画像とし、この基準画像中で各画素における前記対象物体までの距離Zを設定する距離設定手段と、
    前記距離設定手段によって設定された距離Z及び前記幾何学的条件決定手段により決定された前記対象物体の各時点の位置と姿勢の変化に基づいて、前記各画素と対応する画素を、前記特定時点Aと異なる3時点以上の画像群において決定する対応画像決定手段と、
    前記対応画像決定手段によって決定された画素における輝度と前記基準画像中の画素における輝度との整合の度合を、前記光学的条件決定手段により決定された前記時系列画像間の前記複数の光源に対応した線形結合係数に基づいて計算する整合度合計算手段と、
    前記整合度合計算手段によって計算された整合度合に応じて、前記距離設定手段によって設定された距離Zを評価して、この評価に基づいて距離情報を計算する評価手段と、
    を具備した
    ことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  5. 複数の光源に照らされている動きのある対象物体を、静止した1台の画像取込み手段から時系列的に撮影して、その対象物体の形状を獲得するための少なくとも距離情報を演算する画像処理方法であって、
    前記画像取込み手段によって取込まれた時系列画像から前記対象物体の特徴点を抽出する特徴点抽出ステップと、
    前記特徴点抽出ステップによって抽出された前記時系列画像の各時点の画像中に含まれる特徴点同士を対応づける特徴点対応ステップと、
    前記特徴点対応ステップによって対応づけられた各特徴点の位置座標情報に基づいて、前記時系列画像の各時点における前記対象物体の位置と姿勢の変化を決定する幾何学的条件決定ステップと、
    前記特徴点対応ステップによって対応づけられた各特徴点と、その周囲の輝度情報に基づいて、前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数を決定する光学的条件決定ステップと、
    前記幾何学的条件決定ステップにより決定された前記対象物体の前記時系列画像中の各時点の位置及び姿勢と、前記光学的条件決定ステップにより決定された前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数に基づいて、前記対象物体の各点への距離情報を計算する距離情報計算ステップと、
    を具備し、
    前記光学的条件決定ステップは、
    前記特徴点対応ステップによって対応づけられた各特徴点の輝度情報とそれら各特徴点の周囲の輝度情報を格納した輝度行列を生成する輝度行列生成ステップと、
    前記輝度行列生成ステップによって生成された輝度行列を前記複数の光源の組合せ毎に部分行列に分割する部分行列分割ステップと、
    前記部分行列分割ステップによって分解された各部分行列を特異値分解することにより前記複数の光源に対応した線形結合係数を計算する線形結合係数計算ステップと、
    前記対象物体の姿勢変化及び任意の特徴点での面法線ベクトルに基づいて、前記複数の光源に対応した線形結合係数を光源方向に変換する光源方向変換ステップと、
    を具備する
    ことを特徴とする画像処理方法。
  6. 複数の光源に照らされている動きのある対象物体を、静止した1台の画像取込み手段から時系列的に撮影して、その対象物体の形状を獲得するための少なくとも距離情報を演算する画像処理方法を実現するプログラムを記憶した記録媒体であって、
    前記画像取込み手段によって取込まれた時系列画像から前記対象物体の特徴点を抽出する特徴点抽出機能と、
    前記特徴点抽出機能によって抽出された前記時系列画像の各時点の画像中に含まれる特徴点同士を対応づける特徴点対応機能と、
    前記特徴点対応機能によって対応づけられた各特徴点の位置座標情報に基づいて、前記時系列画像の各時点における前記対象物体の位置と姿勢の変化を決定する幾何学的条件決定機能と、
    前記特徴点対応機能によって対応づけられた各特徴点と、その周囲の輝度情報に基づいて、前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数を決定する光学的条件決定機能と、
    前記幾何学的条件決定機能により決定された前記対象物体の前記時系列画像中の各時点の位置及び姿勢と、前記光学的条件決定機能により決定された前記複数の光源に対応した前記時系列画像間の線形結合係数に基づいて、前記対象物体の各点への距離情報を計算する距離情報計算機能と、
    を実現し、
    前記光学的条件決定機能は、
    前記特徴点対応機能によって対応づけられた各特徴点の輝度情報とそれら各特徴点の周囲の輝度情報を格納した輝度行列を生成する輝度行列生成機能と、
    前記輝度行列生成機能によって生成された輝度行列を前記複数の光源の組合せ毎に部分行列に分割する部分行列分割機能と、
    前記部分行列分割機能によって分解された各部分行列を特異値分解することにより前記複数の光源に対応した線形結合係数を計算する線形結合係数計算機能と、
    前記対象物体の姿勢変化及び任意の特徴点での面法線ベクトルに基づいて、前記複数の光源に対応した線形結合係数を光源方向に変換する光源方向変換機能と、
    を実現するプログラムを記憶した
    ことを特徴とする画像処理方法の記録媒体。
JP06540799A 1999-03-11 1999-03-11 画像処理装置及びその方法 Expired - Fee Related JP3630582B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06540799A JP3630582B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 画像処理装置及びその方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP06540799A JP3630582B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 画像処理装置及びその方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000259835A JP2000259835A (ja) 2000-09-22
JP3630582B2 true JP3630582B2 (ja) 2005-03-16

Family

ID=13286157

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP06540799A Expired - Fee Related JP3630582B2 (ja) 1999-03-11 1999-03-11 画像処理装置及びその方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3630582B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4301791B2 (ja) 2002-10-04 2009-07-22 三菱重工業株式会社 Cadシステム及びcadプログラム
JP2007025966A (ja) * 2005-07-14 2007-02-01 Konica Minolta Photo Imaging Inc 画像処理方法、画像処理装置及び画像処理プログラム
JP5297677B2 (ja) * 2008-04-08 2013-09-25 株式会社フローベル 検出装置および方法、プログラム、記録媒体、並びにシミュレーションシステム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000259835A (ja) 2000-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20230054821A1 (en) Systems and methods for keypoint detection with convolutional neural networks
CN110998659B (zh) 图像处理系统、图像处理方法、及程序
JP4195096B2 (ja) 3次元表面形状再構築のための装置
EP2272050B1 (en) Using photo collections for three dimensional modeling
JP4677536B1 (ja) 3次元物体認識装置及び3次元物体認識方法
KR101007276B1 (ko) 3차원 안면 인식
CN111325794A (zh) 一种基于深度卷积自编码器的视觉同时定位与地图构建方法
WO2015188684A1 (zh) 三维模型重建方法与系统
US8086027B2 (en) Image processing apparatus and method
CN108926355A (zh) 用于站立对象的x射线系统和方法
US20100328308A1 (en) Three Dimensional Mesh Modeling
US20200057831A1 (en) Real-time generation of synthetic data from multi-shot structured light sensors for three-dimensional object pose estimation
US20110249865A1 (en) Apparatus, method and computer-readable medium providing marker-less motion capture of human
CN111899328B (zh) 一种基于rgb数据与生成对抗网络的点云三维重建方法
JP2007310707A (ja) 姿勢推定装置及びその方法
JPH10320588A (ja) 画像処理装置および画像処理方法
JP2008186456A (ja) 2dイメージシーケンスからの3dシーン再構成方法
CN113012293A (zh) 石刻模型构建方法、装置、设备及存储介质
CN106652015B (zh) 一种虚拟人物头像生成方法及装置
CN103733226A (zh) 快速的有关节运动的跟踪
CN107170037A (zh) 一种基于多摄像机的实时三维点云重建方法和系统
WO2006049147A1 (ja) 三次元形状推定システム及び画像生成システム
US20200057778A1 (en) Depth image pose search with a bootstrapped-created database
CN113421328B (zh) 一种三维人体虚拟化重建方法及装置
JP2021060989A (ja) マルチモーダル密対応関係撮像システム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040708

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040831

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041014

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20041102

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20041130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20041214

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071224

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091224

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees