JP3630537B2 - Crevice corrosion prediction device for radioactive waste storage pool, crevice corrosion prevention device for radioactive waste storage pool, crevice corrosion prediction method for radioactive waste storage pool, and crevice corrosion prevention method for radioactive waste storage pool - Google Patents

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Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、放射性廃棄物を貯蔵するためのプールの健全性を維持するのに好適な、放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測装置、及び放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止装置、並びに放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測方法、及び放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
放射性廃棄物のうち、特に、固体廃棄物は、予め定める方法により減容された後、ドラム缶に詰められる。この固体廃棄物が詰め込まれたドラム缶は、原子炉施設内に設置された放射性廃棄物貯蔵プールにて相当期間保管される。この際、ドラム缶が内部の固体廃棄物の放射線により発熱するので、放射性廃棄物貯蔵プールには、ドラム缶を十分に冷却するべく、水が溜められている。その後、固体廃棄物の保管期間が満了すると、ドラム缶は、安全性を確かめてから、陸地又は海洋に処分される。
【０００３】
上記放射性廃棄物貯蔵プールは、放射線の外部への漏洩を未然に防止するべく、▲１▼予め定める厚さを有するコンクリート槽と、▲２▼このコンクリート槽の内壁に内張りされたライニング材とを備えており、いわゆる２層ピット構造とされている。
かかる放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材としては、厚さ数ｍｍ程度のＳＵＳ３０４Ｌステンレス鋼が広く使用されている。
【０００４】
ところで、原子炉施設は、海に近い場所に立地しているのが現状である。加えて、放射性廃棄物貯蔵プールは、完全に密封されていない。そのため、海水に含まれる塩素イオンが放射性廃棄物貯蔵プール内に浸入し、ドラム缶を冷却するための水に塩素イオンが存在することになる。この塩素イオンの存在は、ライニング材としてのステンレス鋼とドラム缶との間、又はライニング材としてのステンレス鋼とこれに付着した水あか等の堆積物との間にすきまが存在する場合には、すきま間の内外において濃淡電池が構成されて生じる、いわゆるすきま腐食の発生を誘発させる。つまり、ステンレス鋼は、塩素イオンの影響を受け、すきま腐食を生じる。このように、ステンレス鋼にすきま腐食が発生すると、放射性廃棄物プールの健全性が損なわれる恐れがあり、放射線が外部に漏洩する１つの原因となり得る。したがって、放射性廃棄物貯蔵プールにおいては、ライニング材としてのステンレス鋼にすきま腐食が発生していることをできるだけ早い時期に発見することに努めることが肝要とされている。
【０００５】
そこで、先に、特開昭５９−８５９５０号公報にて、金属の腐食の発生を検知し得る方法が提案されている。かかる公開公報に開示さている金属の腐食検知方法は、液体に対して一定の電位を示す電極装置を介して、液体に接触する金属の電位を経時的に測定し、金属の電位の急激な低下を検出することにより、腐食の発生を検知するものである。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公開公報にて提案された金属の腐食検知方法は、あくまでも、金属の腐食電位（Ｅｃｏｒｒ）を計測し、この腐食電位（Ｅｃｏｒｒ）の低下に基づいて、金属の腐食を検知するにすぎず、将来的に発生するであろう、ライニング材としてのステンレス鋼のすきま腐食を予測することはできない。そのため、いくら金属の腐食を検知できたとしても、その時点では既に金属に腐食が発生しており、ライニング材を張り変えるといった放射性廃棄物貯蔵プールの修理等を余儀なくされている。
【０００７】
そこで、放射性廃棄物プールの健全性を維持するべく、ライニング材としてのステンレス鋼のすきま腐食の発生を予測して、この予測に基づいて、ステンレス鋼のすきま腐食の発生を防止することが望まれている。
周知のように、放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材として使用されるステンレス鋼は、いわゆる不動態合金の典型的な例であり、ステンレス鋼のすきま腐食は、不動態合金の局部腐食の１つである。
【０００８】
かかる不動態合金の局部腐食に関し、辻川等によって、既に進展しつつあるすきま腐食の進展停止電位としてのすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）が、定電位保持法により決定されるすきま腐食発生下限電位（ＶＣ．ＣＲＥＶ）と一致することが確認されており、すきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）をもってすきま腐食臨界電位を代表できると報告されている（「Ｚａｉｒｙｏ−ｔｏ−Ｋａｎｋｙｏ，４５．１０６ 〜１０９（１９９６） 」参照）。
【０００９】
そこで、本願発明者等は、上記の点に着目し、放射性廃棄物貯蔵プールにおいて、ライニング材としてのステンレス鋼の定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）を測定し、これら両者の測定値を比較すれば、この比較結果に基づいて、ステンレス鋼にすきま腐食が生じるか否かを予測できるのではないかと着想した。
【００１０】
また、本願発明者等は、ライニング材としてのステンレス鋼にすきま腐食が生じるか否かの予測を行った結果、ステンレス鋼にすきま腐食が生じると予測された場合には、ステンレス鋼の定常腐食電位（ＥＳＰ）をステンレス鋼のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下にするようにすれば、ステンレス鋼にすきま腐食が発生するのを防止できるのではないかと着想した。
【００１１】
因みに、上記すきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）は、すきま試験片の往復分極試験から求められる。すなわち、ポテンショスタットを用いて、すきま試験片（試料電極）を自然浸漬状態からアノード方向に適当な電位掃引速度（例えば、３０ｍＶ／ｍｉｎ）で動電位分極し、すきま腐食の発生、進展に対応する腐食電流の急増が確認されれば、すきま腐食を定電流的に適当に（例えば、２００μＡで２時間保持する。）進展させる。その後、逆のカソード方向に十分遅い速度で階段状分極（少なくともすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）では１０ｍＶ／２ｈである。）する。この際、すきま腐食の更なる進展に対応する電流の再増が認められたときは、直ちに次の電位に移り、所与の保持時間（少なくとも２時間以上）の間に電流増加が認められなくなる最も貴な電位をもってすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）とする。
【００１２】
本発明は、上記着想に基づきなされたもので、放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材のすきま腐食の発生を予測することができる放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測装置、及び放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ライニング材にすきま腐食が発生することが予測された場合には、この予測に基づいて、ライニング材のすきま腐食の発生を防止することができる放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止装置、及び放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止方法を提供することを目的とする。
【００１３】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項１に記載の発明に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測装置は、内壁に不動態合金で製作されたライニング材が内張りされており、予め定める処理を施された放射性廃棄物を予め定める素材で製作された容器に詰めた状態で相当期間保管し、この際、容器が内部の放射性廃棄物の放射線により発熱するのを防止するべく、容器を冷却するための媒体が充填される放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材のすきま腐食を予測するための装置であって、上記ライニング材の定常腐食電位を測定する定常腐食電位測定手段と、上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定するすきま腐食再不動態化電位測定手段と、上記定常腐食電位測定手段にて測定された定常腐食電位と、上記すきま腐食再不動態化電位測定手段にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、上記ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測するすきま腐食予測手段とを含むことを特徴とするものである。
【００１４】
上記構成において、定常腐食電位測定手段は、ライニング材の定常腐食電位を測定し、一方すきま腐食再不動態化電位測定手段は、ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定する。そして、すきま腐食予測手段は、定常腐食電位測定手段にて測定された定常腐食電位と、すきま腐食再不動態化電位測定手段にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測する。したがって、一般に、検査員が立ち入ることのできない放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材にすきま腐食が発生するか否かを、遠隔操作にて容易且つ経済的に予測することができる。その結果、放射性廃棄物プールの健全性の維持に貢献することができる。
【００１５】
請求項２に記載の発明に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止装置は、内壁に不動態合金で製作されたライニング材が内張りされており、予め定める処理を施された放射性廃棄物を予め定める素材で製作された容器に詰めた状態で相当期間保管し、この際、容器が内部の放射性廃棄物の放射線により発熱するのを防止するべく、容器を冷却するための媒体が充填される放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材のすきま腐食を防止するための装置であって、上記ライニング材の定常腐食電位を測定する定常腐食電位測定手段と、上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定するすきま腐食再不動態化電位測定手段と、上記定常腐食電位測定手段にて測定された定常腐食電位と、上記すきま腐食再不動態化電位測定手段にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、上記ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測するすきま腐食予測手段と、上記すきま腐食予測手段にて上記ライニング材にすきま腐食が生じると予測されたことを条件として、上記ライニング材の定常腐食電位を上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とする定常腐食電位低下手段と、を含むことを特徴とするものである。
【００１６】
上記構成において、定常腐食電位測定手段は、ライニング材の定常腐食電位を測定し、一方すきま腐食再不動態化電位測定手段は、ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定する。そして、すきま腐食予測手段は、定常腐食電位測定手段にて測定された定常腐食電位と、すきま腐食再不動態化電位測定手段にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測する。上記すきま腐食予測手段にてライニング材にすきま腐食が生じると予測された場合には、定常腐食電位低下手段は、ライニング材の定常腐食電位をライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とする。したがって、ライニング材のすきま腐食の発生を防止することができる。その結果、放射性廃棄物プールの健全性を維持することができる。
【００１７】
請求項３に記載の発明に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止装置は、請求項２に記載の放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止装置において、上記定常腐食電位低下手段は、▲１▼上記放射性廃棄物貯蔵プール内に、上記すきま腐食再不動態化電位よりも卑な電位を示す金属片を投入する金属片投入手段、▲２▼上記放射性廃棄物貯蔵プール内に外部電位を与え、当該放射性廃棄物貯蔵プール内に陰極電流を流す陰極電流発生手段、及び▲３▼上記放射性廃棄物貯蔵プール内に、非酸化性ガスを注入する非酸化性ガス注入手段のうち、少なくとも１つの手段を含むことを特徴とするものである。
【００１８】
上記構成において、ライニング材の定常腐食電位をライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とするために、▲１▼金属片投入手段による、放射性廃棄物貯蔵プール内に、すきま腐食再不動態化電位よりも卑な電位を示す金属片を投入する動作、▲２▼陰極電流発生手段による、放射性廃棄物貯蔵プール内に外部電位を与え、放射性廃棄物貯蔵プール内に陰極電流を流す動作、及び▲３▼非酸化性ガス注入手段による、放射性廃棄物貯蔵プール内に、非酸化性ガスを注入する動作のうち、少なくとも１つの動作が行われる。その結果、簡単且つ確実に、ライニング材の定常腐食電位をライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とすることができる。
【００１９】
請求項４に記載の発明に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測方法は、内壁に不動態合金で製作されたライニング材が内張りされており、予め定める処理を施された放射性廃棄物を予め定める素材で製作された容器に詰めた状態で相当期間保管し、この際、容器が内部の放射性廃棄物の放射線により発熱するのを防止するべく、容器を冷却するための媒体が充填される放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材のすきま腐食を予測するための方法であって、上記ライニング材の定常腐食電位を測定する定常腐食電位測定工程と、上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定するすきま腐食再不動態化電位測定工程と、上記定常腐食電位測定工程にて測定された定常腐食電位と、上記すきま腐食再不動態化電位測定工程にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、上記ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測するすきま腐食予測工程とを含むことを特徴とするものである。
【００２０】
上記構成において、定常腐食電位測定工程では、ライニング材の定常腐食電位を測定し、一方すきま腐食再不動態化電位測定工程では、ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定する。そして、すきま腐食予測工程では、定常腐食電位測定工程にて測定された定常腐食電位と、すきま腐食再不動態化電位測定工程にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測する。したがって、一般に、検査員が立ち入ることのできない放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材にすきま腐食が発生するか否かを、遠隔操作にて容易且つ経済的に予測することができる。その結果、放射性廃棄物プールの健全性の維持に貢献することができる。
【００２１】
請求項５に記載の発明に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止方法は、内壁に不動態合金で製作されたライニング材が内張りされており、予め定める処理を施された放射性廃棄物を予め定める素材で製作された容器に詰めた状態で相当期間保管し、この際、容器が内部の放射性廃棄物の放射線により発熱するのを防止するべく、容器を冷却するための媒体が充填される放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材のすきま腐食を防止するための方法であって、上記ライニング材の定常腐食電位を測定する定常腐食電位測定工程と、上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定するすきま腐食再不動態化電位測定工程と、上記定常腐食電位測定工程にて測定された定常腐食電位と、上記すきま腐食再不動態化電位測定工程にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、上記ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測するすきま腐食予測工程と、上記すきま腐食予測工程にて上記ライニング材にすきま腐食が生じると予測されたことを条件として、上記ライニング材の定常腐食電位を上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とする定常腐食電位低下工程と、を含むことを特徴とするものである。
【００２２】
上記構成において、定常腐食電位測定工程では、ライニング材の定常腐食電位を測定し、一方すきま腐食再不動態化電位測定工程では、ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定する。そして、すきま腐食予測工程では、定常腐食電位測定工程にて測定された定常腐食電位と、すきま腐食再不動態化電位測定工程にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測する。上記すきま腐食予測工程にてライニング材にすきま腐食が生じると予測された場合には、定常腐食電位低下工程では、ライニング材の定常腐食電位をライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とする。したがって、ライニング材のすきま腐食の発生を防止することができる。その結果、放射性廃棄物プールの健全性を維持することができる。
【００２３】
請求項６に記載の発明に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止方法は、請求項５に記載の放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止方法において、上記定常腐食電位低下工程は、▲１▼上記放射性廃棄物貯蔵プール内に、上記すきま腐食再不動態化電位よりも卑な電位を示す金属片を投入する金属片投入工程、▲２▼上記放射性廃棄物貯蔵プール内に外部電位を与え、当該放射性廃棄物貯蔵プール内に陰極電流を流す陰極電流発生工程、及び▲３▼上記放射性廃棄物貯蔵プール内に、非酸化性ガスを注入する非酸化性ガス注入工程のうち、少なくとも１つの工程を含むことを特徴とするものである。
【００２４】
上記構成において、ライニング材の定常腐食電位をライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とするために、▲１▼金属片投入工程による、放射性廃棄物貯蔵プール内に、すきま腐食再不動態化電位よりも卑な電位を示す金属片を投入する動作、▲２▼陰極電流発生工程による、放射性廃棄物貯蔵プール内に外部電位を与え、放射性廃棄物貯蔵プール内に陰極電流を流す動作、及び▲３▼非酸化性ガス注入工程による、放射性廃棄物貯蔵プール内に、非酸化性ガスを注入する動作のうち、少なくとも１つの動作が行われる。その結果、簡単且つ確実に、ライニング材の定常腐食電位をライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とすることができる。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
（実施の形態の概要）
本実施の形態では、図１、図４及び図６に示すように、放射性廃棄物をドラム缶Ｄに詰め込んだ状態で相当期間保管しておくためのものであって、放射線の外部への漏洩を未然に防止するべく、▲１▼予め定める厚さを有するコンクリート槽１１０と、▲２▼このコンクリート槽１１０の内壁に内張りされており、数ｍｍ程度の厚さを有するＳＵＳ３０４Ｌステンレス鋼製ライニング材１２０とを備えた、２層ピット構造を有している放射性廃棄物貯蔵プール１００を対象としている。なお、ドラム缶Ｄが内部の発熱性を有する放射性廃棄物の放射線により発熱するので、放射性廃棄物貯蔵プール１００には、ドラム缶Ｄを十分に冷却するべく、水が溜められている。
【００２６】
かかる放射性廃棄物貯蔵プール１００は、海に隣接して立地している原子炉施設内に設置されるものの、完全に密封されていない。そのため、海水に含まれる塩素イオンが放射性廃棄物貯蔵プール１００内に浸入し、ドラム缶Ｄを冷却するための水に塩素イオンが存在する。この塩素イオンの存在は、ステンレス鋼製ライニング材１２０とドラム缶Ｄとの間、又はステンレス鋼製ライニング材１２０とこれに付着した水あか等の堆積物との間にすきまが存在する場合には、すきま間の内外において濃淡電池が構成されて生じるすきま腐食の発生を誘発させる。つまり、ステンレス鋼製ライニング材１２０は、塩素イオンの影響を受け、すきま腐食を生じ、放射性廃棄物貯蔵プール１００の健全性を損なう恐れがある。
【００２７】
そこで、本実施の形態では、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食の発生を予測・防止することにより、放射性廃棄物貯蔵プール１００の健全性を維持するようにしている。
具体的には、本実施の形態の特徴は、▲１▼ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）を測定し、これら両者の測定値を比較した結果、定常腐食電位（ＥＳＰ）がすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも大きい（ＥＳＰ＞ＥＲ．ｃｒｅｖ）ことを条件として、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が発生する可能性があると判定し、一方定常腐食電位（ＥＳＰ）がすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも小さい（ＥＳＰ＜ＥＲ．ｃｒｅｖ）ことを条件として、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が発生する可能性がないと判定する点、及び▲２▼ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が発生する可能性があると判定された場合には、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）をステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下とする対策（以下、「防食対策」という。）を講じる点にある。
【００２８】
因みに、防食対策としては、▲１▼放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、すきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも卑な電位を示すＺｎ、Ａｌ等の金属片を投入し、この投入した金属片をステンレス鋼製ライニング材１２０に接触させること、▲２▼放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、外部電源と接続され且つＰｔ等の導電性素材から製作された対極（＋側）を入れておいて、この対極により放射性廃棄物貯蔵プール内１００に外部電位を与えて陰極電流を流すこと、▲３▼放射性廃棄物貯蔵プール内１００に、Ａｒ、Ｎ２ 等の非酸化性ガスを注入すること、及び▲４▼上記▲１▼▲２▼▲３▼の対策のうち、少なくとも２つの対策を組み合わせること等が考えられる。
【００２９】
そして、本願発明者等は、本実施の形態の特徴による効果を確認するために、実際の放射性廃棄物貯蔵プール１００において、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）の測定状況を想定して、図８にて模式的に示す測定装置を実験室的に製作し、以下の実験を行った。
【００３０】
ここで、図８に示す測定装置の構成について説明する。
図８を参照して、本測定装置は、▲１▼試験水溶液（ＮａＣｌ水溶液）を貯留するフラスコ１と、▲２▼このフラスコ１に溜められている試験水溶液を予め定める試験温度まで加熱するマントルヒータ２と、▲３▼フラスコ１に接続されており、水を通過させて、フラスコ１内の試験水溶液が蒸発するのを防止し、試験水溶液の濃度を一定に保つための凝縮器３と、▲４▼ガラス管４ａを介して凝縮器３に接続されており、フラスコ１内の試験水溶液が外部に漏れるのを防止するウォータシール４と、▲５▼フラスコ１内に溜められた試験水溶液中に浸漬されている試験電極５及び対極（Ｐｔ）６と、▲６▼参照水溶液（ＫＣｌ水溶液）を貯留するビーカ７と、▲７▼このビーカ７内に溜められた参照水溶液中に浸漬されている参照電極８と、▲８▼電解質溶液等を用いて、フラスコ１内の試験水溶液とビーカ７内の参照水溶液とを混合させないで両者を電気的に連結するための塩橋９と、▲９▼試験電極５、対極６及び参照電極８に接続されているポテンショスタット１０とを備えている。
【００３１】
１．定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）の測定
８０℃の試験温度下で、試験電極（試験材）として、ＳＵＳ３０４Ｌステンレス鋼試験片同士を組み合わせたものを用いて、各種塩化物水溶液中における定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）を測定した。この結果をまとめたものが表１である。表１から明らかなように、当該実験条件下では、定常腐食電位（ＥＳＰ）は、すきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）より貴であり、いずれの条件下においても、すきま腐食を起こし得ることが判明した。
【００３２】
【表１】

Figure 0003630537
【００３３】
２．防食対策を施した場合の定常腐食電位（ＥＳＰ）の測定
上述の結果より、表１に示した浸漬条件では、すきま腐食が発生する可能性がある。そこで、すきま腐食の発生を未然に防止するため、８０℃の試験温度下で、上記▲１▼▲２▼▲３▼による各種の防食対策を想定した処理を施し、それぞれの場合のステンレス鋼試験片の定常腐食電位（ＥＳＰ）を測定した。この結果をまとめたものが表２である。表２から明らかなように、上記▲１▼▲２▼▲３▼による各種の防食対策を想定した処理を施した場合には、いずれの条件下においても、定常腐食電位（ＥＳＰ）は、同一条件下でのすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下に低下しており、すきま腐食が発生しないことが判明した。
【００３４】
【表２】
Figure 0003630537
【００３５】
ここで、上述した本実施の形態の概要を踏まえた上で、具体的な実施の形態について説明する。
（実施の形態１）
図１は本発明の実施の形態１に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測装置及びすきま腐食防止装置の構成を簡略化して示す図である。
【００３６】
図１を参照して、本実施の形態１の装置は、▲１▼放射線廃棄物貯蔵プール１００のステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）を測定する定常腐食電位測定手段２００と、▲２▼ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）を測定するすきま腐食再不動態化電位測定手段３００と、▲３▼定常腐食電位測定手段２００にて測定された定常腐食電位（ＥＳＰ）と、すきま腐食再不動態化電位測定手段３００にて測定されたすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）とを比較し、この比較結果に基づいて、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が生じるか否かを予測するすきま腐食予測手段としてのコントローラ４００と、▲４▼このコントローラ４００にてステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が生じると予測されたことを条件として、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、すきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも卑な電位を示すＺｎ、Ａｌ等の金属片Ｍを投入し、この投入した金属片Ｍをステンレス鋼製ライニング材１２０に接触させる金属片投入手段５００とを備えている。
【００３７】
定常腐食電位測定手段２００は、▲１▼放射線廃棄物貯蔵プール１００内に溜められている水に浸漬されている参照電極２１０と、▲２▼一方の入力端子が参照電極２１０に接続されており、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）を検出するポテンショメータ２２０とを備えている。参照電極２１０は、先端がステンレス鋼製ライニング材１２０に対して可及的に近接するように、横方向に沿って配置されている。ポテンショメータ２２０の他方の入力端子は、ステンレス鋼製ライニング材１２０に接続されており、出力端子は、コントローラ４００に接続されている。
【００３８】
すきま腐食再不動態化電位測定手段３００は、▲１▼放射線廃棄物貯蔵プール１００内に溜められている水に浸漬されている試験電極３１０、参照電極３２０及び対極３３０と、▲２▼入力端子が試験電極３１０、参照電極３２０及び対極３３０に接続されており、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）を検出するポテンショスタット３４０とを備えている。参照電極３２０は、先端がドラム缶Ｄに対して可及的に近接するように、縦方向に沿って配置されている。対極３３０の材料としては、例えば、Ｐｔ等が適用される。ポテンショスタット３４０の出力端子は、コントローラ４００に接続されている。なお、試験電極３１０の詳細な構成については後述する。
【００３９】
図２は試験電極の構成を示す断面図である。図２を参照して、試験電極３１０は、ＳＵＳ３０４Ｌステンレス鋼試験片３１１，３１２同士を組み合わせ、この両者をボルト３２０及びナット３３０で結合したものである。ステンレス鋼試験片３１１，３１２の各ボルト挿通孔３１１ａ，３１２ａとボルト３２０の軸部３２１との間には、筒状のスペーサ３４２が介在されている。一方のステンレス鋼試験片３１１の外面とボルト３２０の頭部３２２との間には、環状のスペーサ３４３が介在されている。他方のステンレス鋼試験片３１２の外面とナット３３０との間には、環状のスペーサ３４４が介在されている。これらスペーサ３４２，３４３，３４４としては、例えば、テフロン（登録商標）等の絶縁材料が適用されている。
【００４０】
再び、図１を参照して、金属片投入手段５００は、ロボット５１０を備えている。このロボット５１０は、従来公知の構造を有しており、具体的には、▲１▼前腕及び上腕を含むロボットハンド５１１と、▲２▼このロボットハンド５１１の前腕の先端に取り付けられており、金属片Ｍを把持するクランプ５１２と、▲３▼ロボットハンド５１１を予め定める態様で作動させるアクチュエータ５１３とを備えている。アクチュエータ５１３は、コントローラ４００に接続されている。なお、ロボット５１０は、具体的に図示していないが、放射線廃棄物貯蔵プール１００の周囲において、予め定める間隔をあけて予め定める台数が配置されている。このように、ロボット５１０を複数設けるのは、後述するように、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が発生する可能性があると判定された場合に、一のロボット５１０を駆動させて、金属片Ｍを投入してステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）をステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下とした後、再び定常腐食電位（ＥＳＰ）がすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも大きく（ＥＳＰ＞ＥＲ．ｃｒｅｖ）なって、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が発生する可能性があると判定された場合に、他のロボット５１０を駆動させて、金属片Ｍを投入してステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）をステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下とするためである。
【００４１】
コントローラ４００は、マイクロコンピュータを備えている。このマイクロコンピュータは、ＣＰＵ、データＲＡＭ及びプログラムＲＯＭを含み、予めＲＯＭに記憶されているプログラムに従って制御を行うものである。具体的には、コントローラ４００には、定常腐食電位測定手段２００の構成要素の１つであるポテンショメータ２２０の出力（ＥＳＰ）、及びすきま腐食再不動態化電位測定手段３００の構成要素の１つであるポテンショスタット３４０の出力（ＥＲ．ｃｒｅｖ）が、それぞれ、与えられており、これらポテンショメータ２２０の出力（ＥＳＰ）、及びポテンショスタット３４０の出力（ＥＲ．ｃｒｅｖ）に基づいて、コントローラ４００は、金属片投入手段５００としてのロボットハンド５１０のアクチュエータ５１３の駆動を制御する。
【００４２】
図３は放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測動作及びすきま腐食防止動作の流れを示すフローチャートである。
図３を参照して、電源が投入されると、定常腐食電位測定手段２００は、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）を測定し、一方すきま腐食再不動態化電位測定手段３００は、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）を測定する（ステップＳ１）。そうすると、コントローラ４００は、定常腐食電位測定手段２００の構成要素の１つであるポテンショメータ２２０の出力（ＥＳＰ）、及びすきま腐食再不動態化電位測定手段３００の構成要素の１つであるポテンショスタット３４０の出力（ＥＲ．ｃｒｅｖ）に基づいて、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）を比較し、この比較結果に基づいて、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が生じるか否かを予測する（ステップＳ２）。ここで、定常腐食電位（ＥＳＰ）がすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも小さい（ＥＳＰ＜ＥＲ．ｃｒｅｖ）ときには、コントローラ４００は、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が発生する可能性がないと判定し、ステップＳ１に戻り、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）の測定が継続される。一方、定常腐食電位（ＥＳＰ）がすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも大きい（ＥＳＰ＞ＥＲ．ｃｒｅｖ）ときには、コントローラ４００は、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が発生する可能性があると判定し、金属片投入手段５００を作動させ、放射線廃棄物貯蔵プール１００内に、すきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも卑な電位を示す金属片Ｍを投入する（ステップＳ３）。具体的には、コントローラ４００は、金属片投入手段５００としてのロボット５１０のアクチュエータ５１３の駆動をさせる。これにより、ロボットハンド５１１は、予め定める態様で作動し、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に金属片Ｍを投入し、この投入した金属片Ｍをステンレス鋼製ライニング材１２０に接触させる。そうすると、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）は、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下となる。その後、ステップＳ１に戻り、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）の測定が継続される。
【００４３】
すなわち、本実施の形態１では、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）を測定し、これら両者の測定値を比較し、この比較結果に基づいて、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が生じるか否かを予測するようになっている。したがって、一般に、検査員が立ち入ることのできない放射性廃棄物貯蔵プール１００のステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が発生するか否かを、遠隔操作にて容易且つ経済的に予測することができる。その結果、放射性廃棄物プールの健全性の維持に貢献することができる。
【００４４】
また、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食１２０が生じると予測された場合には、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、すきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも卑な電位を示す金属片Ｍを投入し、この投入した金属片Ｍをステンレス鋼製ライニング材１２０に接触させるようになっている。そのため、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）は、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下となることになる。したがって、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食の発生を防止することができる。その結果、放射性廃棄物プール１００の健全性を維持することができる。
【００４５】
なお、本実施の形態１において、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が生じると予測されたことを条件として、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、すきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも卑な電位を示す金属片Ｍを投入し、この投入した金属片Ｍをステンレス鋼製ライニング材１２０に接触させる構成としたが、単に、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、すきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも卑な電位を示す金属片Ｍを投入する構成としても構わない。
【００４６】
（実施の形態２）
図４は本発明の実施の形態２に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測装置及びすきま腐食防止装置の構成を簡略化して示す図である。
図４を参照して、本実施の形態２の装置の特徴は、コントローラ４００にてステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が生じると予測されたことを条件として、金属片投入手段５００に代えて、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に外部電位を与え、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に陰極電流を流す陰極電流発生手段６００を備えている点にあり、その他の実施の形態１と同様である。
【００４７】
陰極電流発生手段６００は、▲１▼外部電源６１０と、▲２▼この外部電源６１０と常開接点６２０を介して接続されており、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に溜められている水に浸漬されている対極（＋側）６３０とを備えている。常開接点６２０の接触子６２１は、コントローラ４００に接続されている。対極６３０は、Ｐｔ等の導電性素材から製作されている。つまり、陰極電流発生手段６００は、予め放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、外部電源６１０と常開接点６２０を介して接続され且つＰｔ等の導電性素材から製作された対極６３０を入れておいて、この対極６３０により放射性廃棄物貯蔵プール内１００に外部電位を与えて陰極電流を流すようになっている。
【００４８】
図５は放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測動作及びすきま腐食防止動作の流れを示すフローチャートである。
図５を参照して、ステップＳ２において、コントローラ４００により、定常腐食電位測定手段２００の構成要素の１つであるポテンショメータ２２０の出力（ＥＳＰ）、及びすきま腐食再不動態化電位測定手段３００の構成要素の１つであるポテンショスタット３４０の出力（ＥＲ．ｃｒｅｖ）に基づいて、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）を比較し、この比較結果に基づいて、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が生じるか否かが予測される。このとき、定常腐食電位（ＥＳＰ）がすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも大きい（ＥＳＰ＞ＥＲ．ｃｒｅｖ）ときには、コントローラ４００は、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が発生する可能性があると判定し、陰極電流発生手段６００を作動させ、放射線貯蔵プール１００内に外部電位を与え、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に陰極電流を流す（ステップＳ４）。具体的には、コントローラ４００は、陰極電流発生手段６００の構成要素の１つである常開接点６２０の接触子６２１に制御信号を与え、常開接点６２０を閉成状態とする。これにより、放射性廃棄物貯蔵プール１００内には、対極６３０により外部電位が与えられ、その結果放射性廃棄物貯蔵プール１００内に陰極電流が流れる。そうすると、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）は、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下となる。その後、ステップＳ１に戻り、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）の測定が継続される。
【００４９】
すなわち、本実施の形態２では、予め放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、外部電源６１０と常開接点６２０を介して接続され且つ導電性素材から製作された対極６３０を入れておいて、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食１２０が生じると予測された場合には、常開接点６２０を閉成状態として、対極６３０により放射性廃棄物貯蔵プール内１００に外部電位を与えて陰極電流を流すようになっている。そのため、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）は、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下となることになる。したがって、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食の発生を防止することができる。その結果、放射性廃棄物プール１００の健全性を維持することができる。
【００５０】
なお、本実施の形態１においては、予め放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、外部電源６１０と常開接点６２０を介して接続され且つ導電性素材から製作された対極６３０を入れておいて、ステンレス鋼製ライニング材にすきま腐食１２０が生じると予測されたことを条件として、常開接点６２０を閉成状態として、対極６３０により放射性廃棄物貯蔵プール１００内に外部電位を与えて陰極電流を流す構成としたが、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が生じると予測されたことを条件として、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、外部電源６１０と接続され且つ導電性素材から製作された対極６３０を投入して、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に陰極電流を流す構成としても構わない。
【００５１】
（実施の形態３）
図６は本発明の実施の形態３に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測装置及びすきま腐食防止装置の構成を簡略化して示す図である。
図６を参照して、本実施の形態３の装置の特徴は、コントローラ４００にてステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が生じると予測されたことを条件として、金属片投入手段５００に代えて、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、Ａｒ、Ｎ２ 等の非酸化性ガスを注入する非酸化性ガス注入手段７００を備えている点にあり、その他の構成は実施の形態１と同様である。
【００５２】
非酸化性ガス注入手段７００は、▲１▼非酸化性ガスが充填された非酸化性ガスボンベ７１０と、▲２▼このガスボンベ７１０とガス管７２０を介して接続されており、先端部が放射性廃棄物貯蔵プール内１００内に溜められた水に浸漬されている非酸化性ガス噴射ノズル７３０と、▲３▼ガス管７２０の途中部に設けられ且つコントローラ４００に接続されており、開閉動作がコントローラ４００により制御される電磁バルブ７４０とを備えている。
【００５３】
図７は放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測動作及びすきま腐食防止動作の流れを示すフローチャートである。
図７を参照して、ステップＳ２において、コントローラ４００により、定常腐食電位測定手段２００の構成要素の１つであるポテンショメータ２２０の出力（ＥＳＰ）、及びすきま腐食再不動態化電位測定手段３００の構成要素の１つであるポテンショスタット３４０の出力（ＥＲ．ｃｒｅｖ）に基づいて、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）を比較し、この比較結果に基づいて、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が生じるか否かが予測される。このとき、定常腐食電位（ＥＳＰ）がすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）よりも大きい（ＥＳＰ＞ＥＲ．ｃｒｅｖ）ときには、コントローラ４００は、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が発生する可能性があると判定し、非酸化性ガス注入手段７００を作動させ、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に非酸化性ガスを注入する（ステップＳ５）。具体的には、コントローラ４００は、非酸化性ガス注入手段７００の構成要素の１つである電磁バルブ７４０に制御信号を与え、電磁バルブ７４０を励磁させて開放状態とする。これにより、放射性廃棄物貯蔵プール１００内には、非酸化性ガス噴射ノズル７３０より非酸化性ガスが噴射され、その結果放射性廃棄物貯蔵プール１００内に非酸化性ガスが注入される。そうすると、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）は、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下となる。その後、ステップＳ１に戻り、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）及びすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）の測定が継続される。
【００５４】
すなわち、本実施の形態３では、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食１２０が生じると予測された場合には、放射性廃棄物貯蔵プール１００内に、非酸化性ガスを注入するようになっている。そのため、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）は、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下となることになる。したがって、ステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食の発生を防止することができる。その結果、放射性廃棄物プール１００の健全性を維持することができる。
【００５５】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではない。例えば、ステンレス鋼製ライニング材１２０にすきま腐食が生じると予測されたことを条件として、ステンレス鋼製ライニング材１２０の定常腐食電位（ＥＳＰ）をステンレス鋼製ライニング材１２０のすきま腐食再不動態化電位（ＥＲ．ｃｒｅｖ）以下とするために、▲１▼金属片投入動作、▲２▼陰極電流発生動作、及び▲３▼非酸化性ガス注入動作のうち、少なくとも２つ以上の動作を組み合わせてもよい。その他、本発明の請求の範囲内での種々の設計変更及び修正を加え得ることは勿論である。
【００５６】
【発明の効果】
以上の説明から明らかな通り、請求項１及び請求項４に記載の発明によると、ライニング材の定常腐食電位及びすきま腐食再不動態化電位を測定し、これら両者の測定値を比較し、この比較結果に基づいて、ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測するようになっているので、一般に、検査員が立ち入ることのできない放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材にすきま腐食が発生するか否かを、遠隔操作にて容易且つ経済的に予測することができる結果、放射性廃棄物プールの健全性の維持に貢献することができる。
【００５７】
請求項２及び請求項５に記載の発明によると、ライニング材にすきま腐食が生じると予測された場合には、ライニング材の定常腐食電位をライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とするようになっているので、ライニング材のすきま腐食の発生を防止することができる結果、放射性廃棄物プールの健全性を維持することができる。
【００５８】
請求項３及び請求項６に記載の発明によると、ライニング材の定常腐食電位をライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とするために、▲１▼放射性廃棄物貯蔵プール内に、すきま腐食再不動態化電位よりも卑な電位を示す金属片を投入する動作、▲２▼放射性廃棄物貯蔵プール内に外部電位を与え、放射性廃棄物貯蔵プール内に陰極電流を流す動作、及び▲３▼放射性廃棄物貯蔵プール内に、非酸化性ガスを注入する動作のうち、少なくとも１つの動作が行われる結果、簡単且つ確実に、ライニング材の定常腐食電位をライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施の形態１に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測装置及びすきま腐食防止装置の構成を簡略化して示す図である。
【図２】試験電極の構成を示す断面図である。
【図３】放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測動作及びすきま腐食防止動作の流れを示すフローチャートである。
【図４】本発明の実施の形態２に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測装置及びすきま腐食防止装置の構成を簡略化して示す図である。
【図５】放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測動作及びすきま腐食防止動作の流れを示すフローチャートである。
【図６】本発明の実施の形態３に係る放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測装置及びすきま腐食防止装置の構成を簡略化して示す図である。
【図７】放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測動作及びすきま腐食防止動作の流れを示すフローチャートである。
【図８】測定装置の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
Ｄ ドラム缶
１００ 放射性廃棄物貯蔵プール
１１０ コンクリート槽
１２０ ステンレス鋼製ライニング材
２００ 定常腐食電位測定手段
２１０ 参照電極
２２０ ポテンショメータ
３００ すきま腐食再不動態化電位測定手段
３１０ 試験電極
３２０ 参照電極
３３０ 対極
３４０ ポテンショスタット
４００ コントローラ
５００ 金属片投入手段
Ｍ 金属片
５１０ ロボット
５１１ ロボットハンド
５１２ クランプ
５１３ アクチュエータ
６００ 陰極電流発生手段
６１０ 外部電源
６２０ 常開接点
６３０ 対極
７００ 非酸化性ガス注入手段
７１０ 非酸化性ガスボンベ
７２０ ガス管
７３０ 非酸化性ガス噴射ノズル
７４０ 電磁バルブ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a crevice corrosion prediction device for a radioactive waste storage pool, a crevice corrosion prevention device for a radioactive waste storage pool, and a radioactive waste suitable for maintaining the soundness of the pool for storing the radioactive waste. The present invention relates to a crevice corrosion prediction method for a waste storage pool and a crevice corrosion prevention method for a radioactive waste storage pool.
[0002]
[Prior art]
Among radioactive wastes, in particular, solid wastes are reduced in volume by a predetermined method and then packed in drums. The drum can packed with the solid waste is stored for a considerable period in the radioactive waste storage pool installed in the nuclear reactor facility. At this time, since the drum can generate heat due to the radiation of the internal solid waste, water is stored in the radioactive waste storage pool to sufficiently cool the drum. After that, when the storage period of the solid waste expires, the drum can be disposed of on land or ocean after ensuring safety.
[0003]
The radioactive waste storage pool includes (1) a concrete tank having a predetermined thickness and (2) a lining material lined on the inner wall of the concrete tank in order to prevent leakage of radiation to the outside. It has a so-called two-layer pit structure.
As a lining material for such a radioactive waste storage pool, SUS304L stainless steel having a thickness of about several millimeters is widely used.
[0004]
By the way, the reactor facilities are currently located near the sea. In addition, the radioactive waste storage pool is not completely sealed. Therefore, chlorine ions contained in the seawater enter the radioactive waste storage pool, and chlorine ions exist in the water for cooling the drums. The presence of this chlorine ion is a gap between the stainless steel as the lining material and the drum, or when there is a gap between the stainless steel as the lining material and deposits such as scales attached to the stainless steel. It induces the occurrence of so-called crevice corrosion, which occurs when the concentration cell is constructed inside and outside of the inside. That is, stainless steel is affected by chlorine ions and causes crevice corrosion. Thus, when crevice corrosion occurs in stainless steel, the soundness of the radioactive waste pool may be impaired, which may be one cause of radiation leaking to the outside. Therefore, in the radioactive waste storage pool, it is important to endeavor to detect as early as possible that crevice corrosion has occurred in stainless steel as a lining material.
[0005]
Therefore, Japanese Patent Application Laid-Open No. 59-85950 has proposed a method capable of detecting the occurrence of metal corrosion. The method for detecting corrosion of a metal disclosed in such a publication discloses a method for measuring the potential of a metal in contact with a liquid over time via an electrode device that exhibits a constant potential with respect to the liquid. Potential The occurrence of corrosion is detected by detecting an abrupt drop in the temperature.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the metal corrosion detection method proposed in the above-mentioned publication is merely a metal corrosion potential (E corr ) And the corrosion potential (E corr ) Is merely a detection of metal corrosion, and crevice corrosion of stainless steel as a lining material, which will occur in the future, cannot be predicted. Therefore, no matter how much corrosion of the metal can be detected, the metal has already been corroded at that time, and the radioactive waste storage pool must be repaired by changing the lining material.
[0007]
Therefore, in order to maintain the soundness of the radioactive waste pool, it is desirable to predict the occurrence of crevice corrosion of stainless steel as a lining material and to prevent the occurrence of crevice corrosion of stainless steel based on this prediction. ing.
As is well known, stainless steel used as a lining material for radioactive waste storage pools is a typical example of so-called passive alloys, and crevice corrosion of stainless steel is one of the local corrosion of passive alloys. is there.
[0008]
Regarding local corrosion of such passive alloys, crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Is the crevice corrosion lower limit potential (V C. CREV ) And the crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Is reported to represent the crevice corrosion critical potential (see “Zairyo-to-Kankyo, 45.106 to 109 (1996)”).
[0009]
Therefore, the inventors of the present application pay attention to the above points, and in the radioactive waste storage pool, the steady corrosion potential (E SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) And comparing the measured values of these two, it was conceived that it would be possible to predict whether crevice corrosion would occur in stainless steel based on the comparison result.
[0010]
In addition, the present inventors have predicted whether crevice corrosion will occur in stainless steel as a lining material. As a result, if it is predicted that crevice corrosion will occur in stainless steel, the steady corrosion potential of stainless steel (E SP ) For stainless steel crevice corrosion repassivation potential (E R. crev The idea was that the following could prevent crevice corrosion from occurring in stainless steel.
[0011]
Incidentally, the crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Is obtained from a reciprocating polarization test of a gap test piece. That is, using a potentiostat, the crevice test piece (sample electrode) is polarized at a suitable potential sweep rate (for example, 30 mV / min) from the natural immersion state to the anode direction to cope with the occurrence and development of crevice corrosion. If a rapid increase in the corrosion current is confirmed, the crevice corrosion is appropriately promoted at a constant current (for example, held at 200 μA for 2 hours). Then stepwise polarization (at least crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Is 10 mV / 2h. ) At this time, if a current increase corresponding to the further progress of crevice corrosion is observed, the current immediately shifts to the next potential and no current increase is observed for a given holding time (at least 2 hours or more). The crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ).
[0012]
The present invention has been made on the basis of the above idea, and the crevice corrosion prediction device for a radioactive waste storage pool, which can predict the occurrence of crevice corrosion of the lining material of the radioactive waste storage pool, and the radioactive waste storage pool The object is to provide a crevice corrosion prediction method.
Further, according to the present invention, when crevice corrosion is predicted to occur in the lining material, the crevice corrosion of the radioactive waste storage pool can be prevented based on this prediction. It aims at providing the prevention apparatus and the crevice corrosion prevention method of a radioactive waste storage pool.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a crevice corrosion prediction apparatus for a radioactive waste storage pool according to the invention described in claim 1 has an inner wall lined with a lining material made of a passive alloy, and has a predetermined treatment. The applied radioactive waste is stored in a container made of a predetermined material and stored for a considerable period. At this time, the container is cooled in order to prevent the container from generating heat due to the radioactive waste inside. A device for predicting crevice corrosion of a lining material of a radioactive waste storage pool filled with a medium for the measurement, comprising a steady corrosion potential measuring means for measuring a steady corrosion potential of the lining material, and a clearance of the lining material Crevice corrosion repassivation potential measurement means for measuring the corrosion repassivation potential, the steady corrosion potential measured by the steady corrosion potential measurement means, and the crevice corrosion reactivation Crevice corrosion repassivation potential measured by the state potential measuring means, and based on the comparison result, crevice corrosion prediction means for predicting whether or not crevice corrosion occurs in the lining material is included. It is characterized by.
[0014]
In the above configuration, the steady corrosion potential measuring means measures the steady corrosion potential of the lining material, while the crevice corrosion repassivation potential measuring means measures the crevice corrosion repassivation potential of the lining material. The crevice corrosion prediction means compares the steady corrosion potential measured by the steady corrosion potential measurement means with the crevice corrosion repassivation potential measured by the crevice corrosion repassivation potential measurement means. Based on the above, it is predicted whether crevice corrosion will occur in the lining material. Therefore, generally, whether crevice corrosion occurs in the lining material of the radioactive waste storage pool that cannot be accessed by an inspector can be easily and economically predicted by remote operation. As a result, it is possible to contribute to maintaining the soundness of the radioactive waste pool.
[0015]
An apparatus for preventing crevice corrosion of a radioactive waste storage pool according to the invention of claim 2 is: The inner wall is lined with a lining material made of a passive alloy, and radioactive waste that has been subjected to a predetermined treatment is stored for a considerable period in a state of being packed in a container made of a predetermined material. Is a device for preventing crevice corrosion of a lining material of a radioactive waste storage pool filled with a medium for cooling a container in order to prevent heat generation due to radiation of internal radioactive waste, Measured by a steady corrosion potential measuring means for measuring the steady corrosion potential of the lining material, a crevice corrosion repassivation potential measuring means for measuring the crevice corrosion repassivation potential of the lining material, and the steady corrosion potential measuring means. The steady corrosion potential is compared with the crevice corrosion repassivation potential measured by the crevice corrosion repassivation potential measuring means. And crevice corrosion predicting means for predicting whether crevice corrosion occurs in training material, Steady corrosion potential lowering means for setting the steady corrosion potential of the lining material to be equal to or less than the crevice corrosion repassivation potential of the lining material, provided that the crevice corrosion prediction means predicts that crevice corrosion will occur in the lining material. When, It is characterized by including.
[0016]
In the above configuration, The steady corrosion potential measuring means measures the steady corrosion potential of the lining material, while the crevice corrosion repassivation potential measuring means measures the crevice corrosion repassivation potential of the lining material. The crevice corrosion prediction means compares the steady corrosion potential measured by the steady corrosion potential measurement means with the crevice corrosion repassivation potential measured by the crevice corrosion repassivation potential measurement means. Based on the above, it is predicted whether crevice corrosion will occur in the lining material. When it is predicted that crevice corrosion will occur in the lining material by the crevice corrosion prediction means, the steady corrosion potential lowering means sets the steady corrosion potential of the lining material to be equal to or less than the crevice corrosion repassivation potential of the lining material. Therefore, the occurrence of crevice corrosion of the lining material can be prevented. As a result, the soundness of the radioactive waste pool can be maintained.
[0017]
The crevice corrosion prevention device for a radioactive waste storage pool according to the invention described in claim 3 is the crevice corrosion prevention device for a radioactive waste storage pool according to claim 2, wherein the steady corrosion potential lowering means is (1) Metal piece loading means for loading a metal piece having a potential lower than the crevice corrosion repassivation potential into the radioactive waste storage pool, (2) An external potential is applied to the radioactive waste storage pool, and Cathode current generating means for supplying a cathode current into the radioactive waste storage pool, and (3) Nonoxidizing gas injection means for injecting a nonoxidizing gas into the radioactive waste storage pool. It is characterized by including.
[0018]
In the above configuration, in order to keep the steady corrosion potential of the lining material below the crevice corrosion repassivation potential of the lining material, (1) the crevice corrosion repassivation potential in the radioactive waste storage pool by the metal piece charging means (2) An operation of supplying a metal piece having a low potential, (2) An operation of applying an external potential to the radioactive waste storage pool by the cathode current generating means, and causing a cathode current to flow into the radioactive waste storage pool, and (3) (2) At least one of the operations for injecting the non-oxidizing gas into the radioactive waste storage pool by the non-oxidizing gas injection means is performed. As a result, the steady corrosion potential of the lining material can be easily and reliably made equal to or lower than the crevice corrosion repassivation potential of the lining material.
[0019]
According to the method for predicting crevice corrosion of a radioactive waste storage pool according to the invention described in claim 4, a lining material made of a passive alloy is lined on the inner wall, and the radioactive waste that has been subjected to a predetermined treatment is preliminarily disposed. Stored in a container made of the specified material for a considerable period of time. At this time, in order to prevent the container from generating heat due to the radiation of the radioactive waste inside, the radioactive material is filled with a medium for cooling the container. A method for predicting crevice corrosion of a lining material of a waste storage pool, wherein a steady corrosion potential measurement step for measuring the steady corrosion potential of the lining material and a crevice corrosion repassivation potential of the lining material are measured. Measured in the crevice corrosion repassivation potential measurement process, the steady corrosion potential measured in the steady corrosion potential measurement process, and the crevice corrosion repassivation potential measurement process. The comparing and crevice corrosion repassivation potential, based on the comparison result and is characterized in that it comprises a crevice corrosion prediction step of predicting whether crevice corrosion in the lining material occurs.
[0020]
In the above configuration, the steady corrosion potential measurement step measures the steady corrosion potential of the lining material, while the crevice corrosion repassivation potential measurement step measures the crevice corrosion repassivation potential of the lining material. The crevice corrosion prediction process compares the steady corrosion potential measured in the steady corrosion potential measurement process with the crevice corrosion repassivation potential measured in the crevice corrosion repassivation potential measurement process. Based on the above, it is predicted whether crevice corrosion will occur in the lining material. Therefore, generally, whether crevice corrosion occurs in the lining material of the radioactive waste storage pool that cannot be accessed by an inspector can be easily and economically predicted by remote operation. As a result, it is possible to contribute to maintaining the soundness of the radioactive waste pool.
[0021]
A method for preventing crevice corrosion of a radioactive waste storage pool according to the invention of claim 5 is: The inner wall is lined with a lining material made of a passive alloy, and radioactive waste that has been subjected to a predetermined treatment is stored for a considerable period in a state of being packed in a container made of a predetermined material. Is a method for preventing crevice corrosion of a lining material of a radioactive waste storage pool filled with a medium for cooling a container in order to prevent heat generation due to radiation of the radioactive waste inside. It was measured in the steady corrosion potential measurement process for measuring the steady corrosion potential of the lining material, the crevice corrosion repassivation potential measurement process for measuring the crevice corrosion repassivation potential of the lining material, and the steady corrosion potential measurement process. The steady corrosion potential is compared with the crevice corrosion repassivation potential measured in the crevice corrosion repassivation potential measurement step. And crevice corrosion prediction step of predicting whether crevice corrosion occurs in training material, The steady corrosion potential lowering step in which the steady corrosion potential of the lining material is equal to or lower than the crevice corrosion repassivation potential of the lining material on the condition that the crevice corrosion is predicted to occur in the lining material in the crevice corrosion prediction step. When, It is characterized by including.
[0022]
In the above configuration, In the steady corrosion potential measurement step, the steady corrosion potential of the lining material is measured, while in the crevice corrosion repassivation potential measurement step, the crevice corrosion repassivation potential of the lining material is measured. The crevice corrosion prediction process compares the steady corrosion potential measured in the steady corrosion potential measurement process with the crevice corrosion repassivation potential measured in the crevice corrosion repassivation potential measurement process. Based on the above, it is predicted whether crevice corrosion will occur in the lining material. When it is predicted that crevice corrosion will occur in the lining material in the crevice corrosion prediction step, the steady corrosion potential of the lining material is set to be equal to or lower than the crevice corrosion repassivation potential of the lining material. Therefore, the occurrence of crevice corrosion of the lining material can be prevented. As a result, the soundness of the radioactive waste pool can be maintained.
[0023]
A method for preventing crevice corrosion of a radioactive waste storage pool according to an invention described in claim 6 is the method for preventing crevice corrosion of a radioactive waste storage pool according to claim 5, wherein the steady corrosion potential lowering step is (1) In the radioactive waste storage pool, a metal piece charging step in which a metal piece having a lower potential than the crevice corrosion repassivation potential is charged. (2) An external potential is applied to the radioactive waste storage pool, At least one of a cathode current generation step of flowing a cathode current into the radioactive waste storage pool and (3) a non-oxidizing gas injection step of injecting a non-oxidizing gas into the radioactive waste storage pool. It is characterized by including.
[0024]
In the above configuration, in order to keep the steady corrosion potential of the lining material below the crevice corrosion repassivation potential of the lining material, (1) the crevice corrosion repassivation potential in the radioactive waste storage pool by the metal piece charging process (2) An operation of supplying a metal piece having a low potential, (2) An operation of applying an external potential in the radioactive waste storage pool by the cathode current generation step, and causing a cathode current to flow in the radioactive waste storage pool, and (3) (2) At least one of the operations for injecting the non-oxidizing gas into the radioactive waste storage pool by the non-oxidizing gas injection step is performed. As a result, the steady corrosion potential of the lining material can be easily and reliably made equal to or lower than the crevice corrosion repassivation potential of the lining material.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
(Outline of the embodiment)
In this embodiment, as shown in FIG. 1, FIG. 4 and FIG. 6, radioactive waste is stored for a considerable period in a state where it is packed in a drum D, and leakage of radiation to the outside is prevented. (1) A concrete tank 110 having a predetermined thickness, and (2) a SUS304L stainless steel lining material 120 lining the inner wall of the concrete tank 110 and having a thickness of about several millimeters. And a radioactive waste storage pool 100 having a two-layer pit structure. Since the drum can D generates heat due to the radiation of the radioactive waste having heat generation inside, water is stored in the radioactive waste storage pool 100 in order to sufficiently cool the drum can D.
[0026]
Such a radioactive waste storage pool 100 is installed in a nuclear reactor facility located adjacent to the sea, but is not completely sealed. Therefore, chlorine ions contained in the seawater enter the radioactive waste storage pool 100, and chlorine ions exist in the water for cooling the drums D. The presence of chlorine ions is present when there is a gap between the stainless steel lining material 120 and the drum D, or between the stainless steel lining material 120 and deposits such as scales attached thereto. Crevice corrosion that occurs when a concentration cell is formed inside and outside is induced. In other words, the stainless steel lining material 120 is affected by chlorine ions, causes crevice corrosion, and may impair the soundness of the radioactive waste storage pool 100.
[0027]
Therefore, in this embodiment, the soundness of the radioactive waste storage pool 100 is maintained by predicting and preventing the occurrence of crevice corrosion of the stainless steel lining material 120.
Specifically, this embodiment is characterized in that (1) the steady corrosion potential (E) of the stainless steel lining material 120 SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) And comparing the measured values of both, the steady corrosion potential (E SP ) Is crevice corrosion repassivation potential (E R. crev (E) SP > E R. crev ), It is determined that crevice corrosion may occur in the stainless steel lining material 120, while the steady corrosion potential (E SP ) Is crevice corrosion repassivation potential (E R. crev Smaller than (E) SP <E R. crev ), It is determined that there is no possibility of crevice corrosion in the stainless steel lining material 120, and (2) crevice corrosion is determined to occur in the stainless steel lining material 120. In this case, the steady corrosion potential of the stainless steel lining material 120 (E SP ) For the crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) The following measures are taken (hereinafter referred to as “corrosion prevention measures”).
[0028]
By the way, as anti-corrosion measures, (1) crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Put a metal piece such as Zn, Al, etc., which shows a lower potential than the above, and bring the introduced metal piece into contact with the stainless steel lining material 120. (2) In the radioactive waste storage pool 100, an external power source And a counter electrode (+ side) made of a conductive material such as Pt is inserted, and an external potential is applied to the radioactive waste storage pool 100 by this counter electrode to cause a cathode current to flow. (3) Ar, N in the radioactive waste storage pool 100 2 It is conceivable to inject a non-oxidizing gas such as (4) and to combine at least two measures among the measures (4) above (1), (2) and (3).
[0029]
And in order to confirm the effect by the characteristic of this Embodiment, this inventor etc. in the actual radioactive waste storage pool 100, the steady corrosion potential (E of the stainless steel lining material 120) (E SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Was measured in the laboratory, and the following experiment was conducted.
[0030]
Here, the configuration of the measuring apparatus shown in FIG. 8 will be described.
Referring to FIG. 8, this measuring apparatus includes (1) a flask 1 for storing a test aqueous solution (NaCl aqueous solution), and (2) a mantle for heating the test aqueous solution stored in the flask 1 to a predetermined test temperature. A heater 2 and a condenser 3 connected to the flask 1 for preventing water from evaporating the test aqueous solution in the flask 1 and keeping the concentration of the test aqueous solution constant; (4) A water seal 4 connected to the condenser 3 via the glass tube 4a to prevent the test aqueous solution in the flask 1 from leaking outside, and (5) in the test aqueous solution stored in the flask 1 The test electrode 5 and the counter electrode (Pt) 6 that are immersed in the beaker, the beaker 7 that stores the reference aqueous solution (KCl aqueous solution), and the reference solution that is stored in the beaker 7 are immersed in the beaker 7. A reference electrode 8 and (8) A salt bridge 9 for electrically connecting the test aqueous solution in the flask 1 and the reference aqueous solution in the beaker 7 without using an electrolyte solution or the like, and (9) the test electrode 5 and the counter electrode 6 and a potentiostat 10 connected to the reference electrode 8.
[0031]
1. Steady state corrosion potential (E SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Measurement
Under a test temperature of 80 ° C., using a combination of SUS304L stainless steel test pieces as test electrodes (test materials), steady corrosion potential (E SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Was measured. Table 1 summarizes the results. As is apparent from Table 1, under the experimental conditions, steady corrosion potential (E SP ) Is the crevice corrosion repassivation potential (E R. crev It has been found that crevice corrosion can occur under any condition.
[0032]
[Table 1]
Figure 0003630537
[0033]
2. Steady corrosion potential (E SP ) Measurement
From the above results, crevice corrosion may occur under the immersion conditions shown in Table 1. Therefore, in order to prevent the occurrence of crevice corrosion, treatments assuming various anti-corrosion measures according to the above (1), (2) and (3) were performed at a test temperature of 80 ° C., and the stainless steel test in each case Steady corrosion potential (E SP ) Was measured. Table 2 summarizes the results. As is apparent from Table 2, when the treatments assuming various anticorrosion measures by the above (1), (2) and (3) are applied, the steady corrosion potential (E SP ) Is the crevice corrosion repassivation potential (E R. crev It was found that no crevice corrosion occurred.
[0034]
[Table 2]
Figure 0003630537
[0035]
Here, a specific embodiment will be described based on the outline of the above-described embodiment.
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a diagram showing a simplified configuration of a crevice corrosion prediction device and a crevice corrosion prevention device for a radioactive waste storage pool according to Embodiment 1 of the present invention.
[0036]
Referring to FIG. 1, the apparatus according to the first embodiment has the following (1) steady corrosion potential (E) of stainless steel lining material 120 of radiation waste storage pool 100. SP ) And (2) crevice corrosion repassivation potential (E) of the stainless steel lining material 120. R. crev ) And the steady corrosion potential (E) measured by the crevice corrosion repassivation potential measuring means 300 and (3) steady corrosion potential measuring means 200. SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E) measured by crevice corrosion repassivation potential measuring means 300. R. crev And a controller 400 as a crevice corrosion prediction means for predicting whether crevice corrosion will occur in the stainless steel lining material 120 based on the comparison result, and (4) The crevice corrosion repassivation potential (E) in the radioactive waste storage pool 100, provided that crevice corrosion is predicted to occur in the lining material 120. R. crev And a metal piece feeding means 500 for feeding a metal piece M such as Zn or Al, which shows a lower potential than), and bringing the introduced metal piece M into contact with the stainless steel lining material 120.
[0037]
The steady corrosion potential measuring means 200 includes (1) a reference electrode 210 immersed in water stored in the radioactive waste storage pool 100, and (2) one input terminal connected to the reference electrode 210. , Steady corrosion potential of stainless steel lining material 120 (E SP And a potentiometer 220 for detecting. The reference electrode 210 is disposed along the lateral direction so that the tip thereof is as close as possible to the stainless steel lining material 120. The other input terminal of the potentiometer 220 is connected to the stainless steel lining material 120, and the output terminal is connected to the controller 400.
[0038]
The crevice corrosion repassivation potential measuring means 300 has (1) a test electrode 310, a reference electrode 320 and a counter electrode 330 immersed in water stored in the radioactive waste storage pool 100, and (2) an input terminal. The crevice corrosion repassivation potential (E) of the stainless steel lining material 120 is connected to the test electrode 310, the reference electrode 320, and the counter electrode 330. R. crev And a potentiostat 340 for detecting. The reference electrode 320 is disposed along the vertical direction so that the tip thereof is as close as possible to the drum D. As a material of the counter electrode 330, for example, Pt or the like is applied. The output terminal of the potentiostat 340 is connected to the controller 400. The detailed configuration of the test electrode 310 will be described later.
[0039]
FIG. 2 is a cross-sectional view showing the configuration of the test electrode. Referring to FIG. 2, test electrode 310 is a combination of SUS304L stainless steel test pieces 311 and 312, which are joined together by bolts 320 and nuts 330. A cylindrical spacer 342 is interposed between the bolt insertion holes 311 a and 312 a of the stainless steel test pieces 311 and 312 and the shaft portion 321 of the bolt 320. An annular spacer 343 is interposed between the outer surface of one stainless steel test piece 311 and the head 322 of the bolt 320. An annular spacer 344 is interposed between the outer surface of the other stainless steel test piece 312 and the nut 330. As these spacers 342, 343, 344, for example, Teflon (Registered trademark) Insulating materials such as are applied.
[0040]
Referring again to FIG. 1, the metal piece throwing means 500 includes a robot 510. This robot 510 has a conventionally known structure. Specifically, (1) a robot hand 511 including a forearm and an upper arm, and (2) a front end of the forearm of the robot hand 511 are attached. A clamp 512 that holds the metal piece M and an actuator 513 that operates the robot hand 511 in a predetermined manner are provided. The actuator 513 is connected to the controller 400. Although the robot 510 is not specifically illustrated, a predetermined number of robots 510 are arranged around the radiation waste storage pool 100 at predetermined intervals. In this way, a plurality of robots 510 are provided because, as will be described later, when it is determined that crevice corrosion may occur in the stainless steel lining material 120, one robot 510 is driven to The piece M was inserted and the steady corrosion potential (E SP ) For the crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) After that, the steady corrosion potential (E SP ) Is crevice corrosion repassivation potential (E R. crev Larger than (E) SP > E R. crev Thus, when it is determined that crevice corrosion may occur in the stainless steel lining material 120, the other robot 510 is driven to insert the metal piece M, and the stainless steel lining material 120. Steady state corrosion potential (E SP ) For the crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Because of the following.
[0041]
The controller 400 includes a microcomputer. The microcomputer includes a CPU, a data RAM, and a program ROM, and performs control according to a program stored in advance in the ROM. Specifically, the controller 400 outputs to the controller 400 the output (E of the potentiometer 220 which is one of the components of the steady corrosion potential measuring means 200. SP ) And the output (E of the potentiostat 340 which is one of the components of the crevice corrosion repassivation potential measuring means 300 R. crev ) Are provided, respectively, and the output of these potentiometers 220 (E SP ) And the output of the potentiostat 340 (E R. crev ), The controller 400 controls the drive of the actuator 513 of the robot hand 510 as the metal piece throwing means 500.
[0042]
FIG. 3 is a flowchart showing the flow of crevice corrosion prediction operation and crevice corrosion prevention operation of the radioactive waste storage pool.
Referring to FIG. 3, when power is turned on, steady corrosion potential measuring means 200 performs steady corrosion potential (E) of stainless steel lining material 120. SP ), While the crevice corrosion repassivation potential measuring means 300 is a crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Is measured (step S1). Then, the controller 400 outputs the output (E of the potentiometer 220 which is one of the components of the steady corrosion potential measuring means 200. SP ) And the output (E of the potentiostat 340 which is one of the components of the crevice corrosion repassivation potential measuring means 300 R. crev ) Based on the steady-state corrosion potential of the stainless steel lining material 120 (E SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) And based on the comparison result, it is predicted whether crevice corrosion will occur in the stainless steel lining material 120 (step S2). Here, the steady corrosion potential (E SP ) Is crevice corrosion repassivation potential (E R. crev Smaller than (E) SP <E R. crev ) When the controller 400 determines that there is no possibility of crevice corrosion in the stainless steel lining material 120, the process returns to step S1, and the steady corrosion potential (E of the stainless steel lining material 120) SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Measurement continues. On the other hand, steady corrosion potential (E SP ) Is crevice corrosion repassivation potential (E R. crev (E) SP > E R. crev ) In some cases, the controller 400 determines that crevice corrosion may occur in the stainless steel lining material 120 and activates the metal piece charging means 500 to re-passivate crevice corrosion in the radioactive waste storage pool 100. Potential (E R. crev The metal piece M which shows a lower potential than) is introduced (step S3). Specifically, the controller 400 drives the actuator 513 of the robot 510 serving as the metal piece insertion unit 500. As a result, the robot hand 511 operates in a predetermined manner, puts the metal piece M into the radioactive waste storage pool 100, and brings the introduced metal piece M into contact with the stainless steel lining material 120. Then, the steady corrosion potential of the stainless steel lining material 120 (E SP ) Represents the crevice corrosion repassivation potential (E) of the stainless steel lining material 120. R. crev ) Thereafter, the process returns to step S1, and the steady corrosion potential (E SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Measurement continues.
[0043]
That is, in the first embodiment, the steady corrosion potential (E SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) And the measured values of the two are compared, and based on the comparison result, whether or not crevice corrosion occurs in the stainless steel lining material 120 is predicted. Therefore, it is generally possible to easily and economically predict whether crevice corrosion will occur in the stainless steel lining material 120 of the radioactive waste storage pool 100 that cannot be accessed by an inspector by remote operation. As a result, it is possible to contribute to maintaining the soundness of the radioactive waste pool.
[0044]
Further, if it is predicted that crevice corrosion 120 will occur in the stainless steel lining material 120, crevice corrosion repassivation potential (E R. crev The metal piece M which shows a lower potential than the metal piece M) is introduced, and the introduced metal piece M is brought into contact with the stainless steel lining material 120. Therefore, the steady corrosion potential of the stainless steel lining material 120 (E SP ) Represents the crevice corrosion repassivation potential (E) of the stainless steel lining material 120. R. crev ) It will be as follows. Therefore, the occurrence of crevice corrosion of the stainless steel lining material 120 can be prevented. As a result, the soundness of the radioactive waste pool 100 can be maintained.
[0045]
In the first embodiment, the crevice corrosion repassivation potential (E) is generated in the radioactive waste storage pool 100 on the condition that crevice corrosion is predicted to occur in the stainless steel lining material 120. R. crev ), A metal piece M having a lower potential than that in FIG. 5 is introduced, and the inserted metal piece M is brought into contact with the stainless steel lining material 120. However, in the radioactive waste storage pool 100, crevice corrosion is not regenerated. Kinetic potential (E R. crev It is also possible to adopt a configuration in which a metal piece M exhibiting a lower potential than) is introduced.
[0046]
(Embodiment 2)
FIG. 4 is a diagram showing a simplified configuration of the crevice corrosion prediction apparatus and crevice corrosion prevention apparatus for a radioactive waste storage pool according to Embodiment 2 of the present invention.
Referring to FIG. 4, the apparatus of the second embodiment is characterized in that the controller 400 replaces the metal piece charging means 500 on the condition that crevice corrosion is predicted to occur in the stainless steel lining material 120. The second embodiment is the same as the first embodiment in that a cathode current generating means 600 is provided which applies an external potential to the radioactive waste storage pool 100 and causes a cathode current to flow in the radioactive waste storage pool 100.
[0047]
The cathode current generating means 600 is connected to (1) an external power source 610 and (2) the external power source 610 through a normally open contact 620, and is immersed in water stored in the radioactive waste storage pool 100. The counter electrode (+ side) 630 is provided. A contact 621 of the normally open contact 620 is connected to the controller 400. The counter electrode 630 is made of a conductive material such as Pt. In other words, the cathode current generating means 600 previously puts the counter electrode 630 connected to the external power source 610 through the normally open contact 620 and made of a conductive material such as Pt in the radioactive waste storage pool 100. The counter electrode 630 applies an external potential to the radioactive waste storage pool 100 to cause a cathode current to flow.
[0048]
FIG. 5 is a flowchart showing the flow of crevice corrosion prediction operation and crevice corrosion prevention operation of the radioactive waste storage pool.
Referring to FIG. 5, in step S2, controller 400 outputs an output (E SP ) And the output (E of the potentiostat 340 which is one of the components of the crevice corrosion repassivation potential measuring means 300 R. crev ) Based on the steady-state corrosion potential of the stainless steel lining material 120 (E SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ), And based on the comparison result, it is predicted whether crevice corrosion will occur in the stainless steel lining material 120. At this time, steady corrosion potential (E SP ) Is crevice corrosion repassivation potential (E R. crev (E) SP > E R. crev ) Sometimes, the controller 400 determines that crevice corrosion may occur in the stainless steel lining material 120, operates the cathode current generating means 600, applies an external potential to the radiation storage pool 100, and generates radioactive waste. A cathode current is passed through the storage pool 100 (step S4). Specifically, the controller 400 gives a control signal to the contact 621 of the normally open contact 620 that is one of the components of the cathode current generating means 600, and the normally open contact 620 is closed. As a result, an external potential is applied to the radioactive waste storage pool 100 by the counter electrode 630, and as a result, a cathode current flows in the radioactive waste storage pool 100. Then, the steady corrosion potential of the stainless steel lining material 120 (E SP ) Represents the crevice corrosion repassivation potential (E) of the stainless steel lining material 120. R. crev ) Thereafter, the process returns to step S1, and the steady corrosion potential (E SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Measurement continues.
[0049]
That is, in the second embodiment, a counter electrode 630 that is connected to the external power source 610 via the normally open contact 620 and made of a conductive material is placed in the radioactive waste storage pool 100 in advance, and is made of stainless steel. When crevice corrosion 120 is predicted to occur in the lining material 120, the normally open contact 620 is closed, and an external potential is applied to the radioactive waste storage pool 100 by the counter electrode 630 so that a cathode current flows. It has become. Therefore, the steady corrosion potential of the stainless steel lining material 120 (E SP ) Represents the crevice corrosion repassivation potential (E) of the stainless steel lining material 120. R. crev ) It will be as follows. Therefore, the occurrence of crevice corrosion of the stainless steel lining material 120 can be prevented. As a result, the soundness of the radioactive waste pool 100 can be maintained.
[0050]
In the first embodiment, a counter electrode 630 that is connected to the external power source 610 via the normally open contact 620 and made of a conductive material is placed in the radioactive waste storage pool 100 in advance. A configuration in which a normally open contact 620 is closed and a counter electrode 630 applies an external potential to the radioactive waste storage pool 100 to flow a cathode current on the condition that crevice corrosion 120 is predicted to occur in the steel lining material. However, on the condition that crevice corrosion is predicted to occur in the stainless steel lining material 120, a counter electrode 630 connected to the external power source 610 and made of a conductive material is provided in the radioactive waste storage pool 100. The cathode current may be allowed to flow through the radioactive waste storage pool 100.
[0051]
(Embodiment 3)
FIG. 6 is a diagram showing a simplified configuration of a crevice corrosion prediction device and a crevice corrosion prevention device for a radioactive waste storage pool according to Embodiment 3 of the present invention.
Referring to FIG. 6, the feature of the apparatus of the third embodiment is that, instead of metal piece charging means 500, on condition that crevice corrosion is predicted to occur in stainless steel lining material 120 by controller 400. In the radioactive waste storage pool 100, Ar, N 2 The non-oxidizing gas injection means 700 for injecting a non-oxidizing gas such as the above is provided, and other configurations are the same as those of the first embodiment.
[0052]
The non-oxidizing gas injection means 700 is connected to (1) a non-oxidizing gas cylinder 710 filled with a non-oxidizing gas, and (2) this gas cylinder 710 and a gas pipe 720, and the tip portion is radioactively discarded. The non-oxidizing gas injection nozzle 730 immersed in the water stored in the object storage pool 100, and (3) provided in the middle of the gas pipe 720 and connected to the controller 400, the opening / closing operation is controlled by the controller. And an electromagnetic valve 740 controlled by 400.
[0053]
FIG. 7 is a flowchart showing the flow of crevice corrosion prediction operation and crevice corrosion prevention operation of the radioactive waste storage pool.
Referring to FIG. 7, in step S <b> 2, the controller 400 outputs the output (E SP ) And the output (E of the potentiostat 340 which is one of the components of the crevice corrosion repassivation potential measuring means 300 R. crev ) Based on the steady-state corrosion potential of the stainless steel lining material 120 (E SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ), And based on the comparison result, it is predicted whether crevice corrosion will occur in the stainless steel lining material 120. At this time, steady corrosion potential (E SP ) Is crevice corrosion repassivation potential (E R. crev (E) SP > E R. crev ) Sometimes, the controller 400 determines that crevice corrosion may occur in the stainless steel lining material 120, operates the non-oxidizing gas injection means 700, and puts the non-oxidizing gas into the radioactive waste storage pool 100. Is injected (step S5). Specifically, the controller 400 gives a control signal to the electromagnetic valve 740, which is one of the components of the non-oxidizing gas injection means 700, and excites the electromagnetic valve 740 to open it. As a result, the non-oxidizing gas is injected into the radioactive waste storage pool 100 from the non-oxidizing gas injection nozzle 730, and as a result, the non-oxidizing gas is injected into the radioactive waste storage pool 100. Then, the steady corrosion potential (E SP ) Is the crevice corrosion repassivation potential (E) of the stainless steel lining material 120. R. crev ) Thereafter, the process returns to step S1, and the steady corrosion potential (E SP ) And crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) Measurement continues.
[0054]
That is, in the third embodiment, when it is predicted that crevice corrosion 120 will occur in the stainless steel lining material 120, non-oxidizing gas is injected into the radioactive waste storage pool 100. . Therefore, the steady corrosion potential of the stainless steel lining material 120 (E SP ) Is the crevice corrosion repassivation potential (E) of the stainless steel lining material 120. R. crev ) It will be as follows. Therefore, the occurrence of crevice corrosion of the stainless steel lining material 120 can be prevented. As a result, the soundness of the radioactive waste pool 100 can be maintained.
[0055]
The present invention is not limited to the above embodiments. For example, on the condition that crevice corrosion is predicted to occur in the stainless steel lining material 120, the steady corrosion potential (E SP ) For the crevice corrosion repassivation potential (E R. crev ) In order to achieve the following, at least two or more of (1) metal piece loading operation, (2) cathode current generation operation, and (3) non-oxidizing gas injection operation may be combined. It goes without saying that various design changes and modifications can be made within the scope of the claims of the present invention.
[0056]
【The invention's effect】
As is clear from the above explanation, according to the inventions of claims 1 and 4, the steady corrosion potential and the crevice corrosion repassivation potential of the lining material are measured, and the measured values of both are compared. Based on the results, it is predicted whether crevice corrosion will occur in the lining material. Generally, whether crevice corrosion will occur in the lining material of a radioactive waste storage pool that cannot be accessed by inspectors. As a result of being able to predict easily and economically by remote operation, it is possible to contribute to maintaining the soundness of the radioactive waste pool.
[0057]
According to the invention described in claim 2 and claim 5, when it is predicted that crevice corrosion occurs in the lining material, the steady corrosion potential of the lining material is set to be equal to or lower than the crevice corrosion repassivation potential of the lining material. Therefore, as a result of preventing the occurrence of crevice corrosion of the lining material, the soundness of the radioactive waste pool can be maintained.
[0058]
According to the invention described in claim 3 and claim 6, in order to set the steady corrosion potential of the lining material to be equal to or less than the crevice corrosion repassivation potential of the lining material, (1) crevice corrosion reactivation is not performed in the radioactive waste storage pool. Operation to throw a piece of metal having a potential lower than the activation potential, (2) Operation to apply an external potential to the radioactive waste storage pool, and to flow a cathode current into the radioactive waste storage pool, and (3) Radioactivity As a result of performing at least one of the operations of injecting the non-oxidizing gas into the waste storage pool, the steady corrosion potential of the lining material is set to be equal to or lower than the crevice corrosion repassivation potential of the lining material. can do.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a simplified configuration of a crevice corrosion prediction device and a crevice corrosion prevention device for a radioactive waste storage pool according to Embodiment 1 of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a configuration of a test electrode.
FIG. 3 is a flowchart showing a flow of crevice corrosion prediction operation and crevice corrosion prevention operation of the radioactive waste storage pool.
FIG. 4 is a diagram showing a simplified configuration of a crevice corrosion prediction device and a crevice corrosion prevention device for a radioactive waste storage pool according to Embodiment 2 of the present invention.
FIG. 5 is a flowchart showing the flow of crevice corrosion prediction operation and crevice corrosion prevention operation of the radioactive waste storage pool.
FIG. 6 is a diagram showing a simplified configuration of a crevice corrosion prediction apparatus and crevice corrosion prevention apparatus for a radioactive waste storage pool according to Embodiment 3 of the present invention.
FIG. 7 is a flowchart showing the flow of crevice corrosion prediction operation and crevice corrosion prevention operation of the radioactive waste storage pool.
FIG. 8 is a diagram schematically showing a configuration of a measuring apparatus.
[Explanation of symbols]
D drum
100 radioactive waste storage pool
110 Concrete tank
120 Stainless steel lining material
200 Means for measuring steady corrosion potential
210 Reference electrode
220 Potentiometer
300 Means for measuring crevice corrosion repassivation potential
310 Test electrode
320 Reference electrode
330 Counter electrode
340 Potentiostat
400 controller
500 Metal piece charging means
M piece of metal
510 robot
511 Robot hand
512 clamp
513 Actuator
600 Cathode current generating means
610 External power supply
620 Normally open contact
630 counter electrode
700 Non-oxidizing gas injection means
710 Non-oxidizing gas cylinder
720 gas pipe
730 Non-oxidizing gas injection nozzle
740 Solenoid valve

Claims (6)

内壁に不動態合金で製作されたライニング材が内張りされており、予め定める処理を施された放射性廃棄物を予め定める素材で製作された容器に詰めた状態で相当期間保管し、この際、容器が内部の放射性廃棄物の放射線により発熱するのを防止するべく、容器を冷却するための媒体が充填される放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材のすきま腐食を予測するための装置であって、
上記ライニング材の定常腐食電位を測定する定常腐食電位測定手段と、
上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定するすきま腐食再不動態化電位測定手段と、
上記定常腐食電位測定手段にて測定された定常腐食電位と、上記すきま腐食再不動態化電位測定手段にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、上記ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測するすきま腐食予測手段とを含むことを特徴とする、放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測装置。The inner wall is lined with a lining material made of a passive alloy, and radioactive waste that has been subjected to a predetermined treatment is stored for a considerable period in a state of being packed in a container made of a predetermined material. Is a device for predicting crevice corrosion of a lining material of a radioactive waste storage pool filled with a medium for cooling a container in order to prevent heat generation due to radiation of internal radioactive waste,
A steady corrosion potential measuring means for measuring the steady corrosion potential of the lining material;
Crevice corrosion repassivation potential measuring means for measuring the crevice corrosion repassivation potential of the lining material,
The steady corrosion potential measured by the steady corrosion potential measuring means is compared with the crevice corrosion repassivation potential measured by the crevice corrosion repassivation potential measuring means. Based on the comparison result, the lining is A crevice corrosion prediction apparatus for a radioactive waste storage pool, comprising crevice corrosion prediction means for predicting whether crevice corrosion occurs in a material. 内壁に不動態合金で製作されたライニング材が内張りされており、予め定める処理を施された放射性廃棄物を予め定める素材で製作された容器に詰めた状態で相当期間保管し、この際、容器が内部の放射性廃棄物の放射線により発熱するのを防止するべく、容器を冷却するための媒体が充填される放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材のすきま腐食を防止するための装置であって、
上記ライニング材の定常腐食電位を測定する定常腐食電位測定手段と、
上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定するすきま腐食再不動態化電位測定手段と、
上記定常腐食電位測定手段にて測定された定常腐食電位と、上記すきま腐食再不動態化電位測定手段にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、上記ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測するすきま腐食予測手段と、
上記すきま腐食予測手段にて上記ライニング材にすきま腐食が生じると予測されたことを条件として、上記ライニング材の定常腐食電位を上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とする定常腐食電位低下手段と、を含むことを特徴とする、放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止装置。 The inner wall is lined with a lining material made of a passive alloy, and radioactive waste that has been subjected to a predetermined treatment is stored for a considerable period in a state of being packed in a container made of a predetermined material. Is a device for preventing crevice corrosion of a lining material of a radioactive waste storage pool filled with a medium for cooling a container in order to prevent heat generation due to radiation of internal radioactive waste,
A steady corrosion potential measuring means for measuring the steady corrosion potential of the lining material;
Crevice corrosion repassivation potential measuring means for measuring the crevice corrosion repassivation potential of the lining material,
The steady corrosion potential measured by the steady corrosion potential measuring means is compared with the crevice corrosion repassivation potential measured by the crevice corrosion repassivation potential measuring means. Based on the comparison result, the lining is Crevice corrosion prediction means for predicting whether crevice corrosion will occur in the material,
Steady corrosion potential lowering means for setting the steady corrosion potential of the lining material to be equal to or less than the crevice corrosion repassivation potential of the lining material, provided that the crevice corrosion prediction means predicts that crevice corrosion will occur in the lining material. And a crevice corrosion prevention device for a radioactive waste storage pool. 請求項２に記載の放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止装置において、
上記定常腐食電位低下手段は、（１）射性廃棄物貯蔵プール内に、上記すきま腐食再不動態化電位よりも卑な電位を示す金属片を投入する金属片投入手段、（２）上記放射性廃棄物貯蔵プール内に外部電位を与え、当該放射性廃棄物貯蔵プール内に陰極電流を流す陰極電流発生手段、及び（３）上記放射性廃棄物貯蔵プール内に、非酸化性ガスを注入する非酸化性ガス注入手段のうち、少なくとも１つの手段を含むことを特徴とする、放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止装置。In the crevice corrosion prevention device of the radioactive waste storage pool according to claim 2,
The above-mentioned steady corrosion potential lowering means includes: (1) Metal piece throwing means for throwing a metal piece having a lower potential than the crevice corrosion repassivation potential into the radioactive waste storage pool; (2) Radioactive waste A cathode current generating means for applying an external potential in the waste storage pool and causing a cathode current to flow in the radioactive waste storage pool; and (3) a non-oxidizing property for injecting a non-oxidizing gas into the radioactive waste storage pool. An apparatus for preventing crevice corrosion of a radioactive waste storage pool, comprising at least one of gas injection means. 内壁に不動態合金で製作されたライニング材が内張りされており、予め定める処理を施された放射性廃棄物を予め定める素材で製作された容器に詰めた状態で相当期間保管し、この際、容器が内部の放射性廃棄物の放射線により発熱するのを防止するべく、容器を冷却するための媒体が充填される放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材のすきま腐食を予測するための方法であって、
上記ライニング材の定常腐食電位を測定する定常腐食電位測定工程と、
上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定するすきま腐食再不動態化電位測定工程と、
上記定常腐食電位測定工程にて測定された定常腐食電位と、上記すきま腐食再不動態化電位測定工程にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、上記ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測するすきま腐食予測工程とを含むことを特徴とする、放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食予測方法。The inner wall is lined with a lining material made of a passive alloy, and radioactive waste that has been subjected to a predetermined treatment is stored for a considerable period in a state of being packed in a container made of a predetermined material. Is a method for predicting crevice corrosion of a lining material of a radioactive waste storage pool filled with a medium for cooling a container in order to prevent heat generation due to radiation of internal radioactive waste,
A steady corrosion potential measurement step for measuring the steady corrosion potential of the lining material;
Crevice corrosion repassivation potential measuring step for measuring crevice corrosion repassivation potential of the lining material,
The steady corrosion potential measured in the steady corrosion potential measurement step and the crevice corrosion repassivation potential measured in the crevice corrosion repassivation potential measurement step are compared. A crevice corrosion prediction method for a radioactive waste storage pool, comprising a crevice corrosion prediction step for predicting whether crevice corrosion occurs in a material. 内壁に不動態合金で製作されたライニング材が内張りされており、予め定める処理を施された放射性廃棄物を予め定める素材で製作された容器に詰めた状態で相当期間保管し、この際、容器が内部の放射性廃棄物の放射線により発熱するのを防止するべく、容器を冷却するための媒体が充填される放射性廃棄物貯蔵プールのライニング材のすきま腐食を防止するための方法であって、
上記ライニング材の定常腐食電位を測定する定常腐食電位測定工程と、
上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位を測定するすきま腐食再不動態化電位測定工程と、
上記定常腐食電位測定工程にて測定された定常腐食電位と、上記すきま腐食再不動態化電位測定工程にて測定されたすきま腐食再不動態化電位とを比較し、この比較結果に基づいて、上記ライニング材にすきま腐食が生じるか否かを予測するすきま腐食予測工程と、
上記すきま腐食予測工程にて上記ライニング材にすきま腐食が生じると予測されたことを条件として、上記ライニング材の定常腐食電位を上記ライニング材のすきま腐食再不動態化電位以下とする定常腐食電位低下工程と、を含むことを特徴とする、放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止方法。 The inner wall is lined with a lining material made of a passive alloy, and radioactive waste that has been subjected to a predetermined treatment is stored for a considerable period in a state of being packed in a container made of a predetermined material. Is a method for preventing crevice corrosion of a lining material of a radioactive waste storage pool filled with a medium for cooling a container in order to prevent heat generation due to radiation of internal radioactive waste,
A steady corrosion potential measurement step for measuring the steady corrosion potential of the lining material;
Crevice corrosion repassivation potential measuring step for measuring crevice corrosion repassivation potential of the lining material,
The steady corrosion potential measured in the steady corrosion potential measurement step and the crevice corrosion repassivation potential measured in the crevice corrosion repassivation potential measurement step are compared. Crevice corrosion prediction process for predicting whether crevice corrosion will occur in the material,
The steady corrosion potential lowering step in which the steady corrosion potential of the lining material is equal to or lower than the crevice corrosion repassivation potential of the lining material on the condition that the crevice corrosion is predicted to occur in the lining material in the crevice corrosion prediction step. And a method for preventing crevice corrosion of a radioactive waste storage pool. 請求項５に記載の放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止方法において、
上記定常腐食電位低下工程は、（１）上記放射性廃棄物貯蔵プール内に、上記すきま腐食再不動態化電位よりも卑な電位を示す金属片を投入する金属片投入工程、（２）上記放射性廃棄物貯蔵プール内に外部電位を与え、当該放射性廃棄物貯蔵プール内に陰極電流を流す陰極電流発生工程、及び（３）上記放射性廃棄物貯蔵プール内に、非酸化性ガスを注入する非酸化性ガス注入工程のうち、少なくとも１つの工程を含むことを特徴とする、放射性廃棄物貯蔵プールのすきま腐食防止方法。In the crevice corrosion prevention method of the radioactive waste storage pool of Claim 5,
The step of lowering the steady corrosion potential includes: (1) A metal piece loading step of loading a metal piece having a lower potential than the crevice corrosion repassivation potential into the radioactive waste storage pool; (2) The radioactive waste A cathode current generating step of applying an external potential in the waste storage pool and causing a cathode current to flow in the radioactive waste storage pool; and (3) a non-oxidizing property in which a non-oxidizing gas is injected into the radioactive waste storage pool. A method for preventing crevice corrosion of a radioactive waste storage pool, comprising at least one of gas injection steps.
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