JP3628951B2 - Method for estimating uncertainty in rotational accuracy of machine and method for correcting rotational accuracy - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械の回転精度の不確かさの推定方法および回転精度補正方法に係り、たとえば真円度測定機等の回転機構を有する機械において、回転機構に適用される機械の回転精度の不確かさの推定方法および回転精度補正方法に関する。
【0002】
【背景技術】
たとえば真円度測定機等の回転機構を備えた測定機において、回転機構によりワークを回転させながらそのワーク形状を測定した際、その測定データは、ワークの形状データと回転機構の機械的誤差(回転誤差)が含まれたものとなるから、真のワーク形状を抽出するためには、回転機構の回転誤差を測定データから分離・除去する必要がある。
【0003】
このような回転精度の評価方法として、従来より、以下のような方法が知られている。
▲1▼リサージュ法
リサージュ法は、わずかに偏心したマスターボールの変位を直交する2方向から測定してオシロスコープ上に表示する方法であり、回転精度は偏心が作り出す基礎円に重畳される変動量によって評価される。具体的には、通常、複数回転によるリサージュ図形の幅が再現性であり、最大半径と最小半径との差が回転精度とされている。
▲2▼リバーサル法
マスターボールを一度測定してから、回転テーブルに対してマスターボールを180°位相をずらして再び測定を行い、これら2回の測定データから、マスターボールの形状データと回転精度とを分離する方法。
▲3▼マルチステップ法
回転テーブルの特定位置に対し、マスターボールの特定位置の位相角ηkを変えながら、k=1〜2mまでの合計2m回、ワーク形状について測定を行い、このような測定データから、マスターボールの形状データと回転精度とを分離する方法。なお、位相角ηkは、
【0004】
【数8】
【0005】
で表される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した▲1▼〜▲3▼の方法では、それぞれ以下のような課題がある。
▲1▼のリサージュ法では、任意の回転角における軸心の振れの方向と大きさをリサージュ図形から判断することは困難であり、また、リサージュ図形の半径方向の変動だけで軸心の振れとしているので正確性を欠いている。
▲2▼のリバーサル法では、マスターボールを回転テーブルに対して厳密に180°位相をずらすことは、非常に難しい。
▲3▼のマルチステップ法では、2mの整数倍に当たる高次の調和次数においてマスターボールの形状データと回転精度とを分離することができない。
さらに、近年においては、測定機の性能を測定精度という概念ではなく、測定の不確かさという概念で表すことが一般化しつつあるが、回転精度の不確かさについては、算出が困難であるという問題がある。
【0007】
本発明の目的は、マルチステップ法を用いて、回転機構の回転誤差、ひいてはワークの形状を正確に求めることができる測定機や加工機等の機械の回転精度の不確かさの推定方法および回転精度補正方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明における機械の回転精度の不確かさの推定方法および回転精度補正方法は、上記目的を達成するために、以下の方法を採用する。ここで、請求項1〜3に記載の発明は、それぞれ上述のマルチステップ法を利用したものである。
請求項1に記載の発明は、回転機構と、この回転機構によって回転されるとともにワークが載置される回転テーブルとを備えた機械の回転精度の不確かさの推定方法であって、前記回転テーブルの特定位置に対し、前記ワークの特定位置の位相角ηkを変えながら、ワーク形状を検出器によりk=1〜2mまでの合計2m回測定して測定データを取得する測定データ取得工程と、前記測定データをフーリエ級数展開する次数成分分解工程と、この次数成分分解工程で得られたデータから前記2mの整数倍に当たる次数の成分のみを抽出する成分抽出工程と、この成分抽出工程で抽出した成分にフーリエ逆変換を施すフーリエ逆変換工程と、このフーリエ逆変換工程でフーリエ逆変換した成分を測定の不確かさとして求める不確かさ算出工程とを備え、前記位相角ηkは、
【0009】
【数9】
【0010】
で表されることを特徴とするものである。
【0011】
この発明によれば、マルチステップ法を利用して得た測定データをフーリエ級数展開して各次数成分に分解し、このデータから2mの整数倍に当たる次数の成分のみを抽出して、この抽出した成分にフーリエ逆変換を施し、このフーリエ逆変換した成分を測定の不確かさとしている。
マルチステップ法を利用した場合、2mの整数倍に当たる高次の調和次数においてワークの形状データと回転精度とを分離できない。ここで、フーリエ級数展開した測定データから2mの整数倍に当たる次数の成分を抽出し、これにフーリエ逆変換を施して測定の不確かさ(回転精度の不確かさ)とすることで、当該測定の不確かさは、回転テーブル(回転機構)の回転誤差およびワークの形状データの両方を含んだものとなる。これにより、測定の不確かさを、その範囲内に測定値の真値が略確実に存在する程度に大きめにとることができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、回転機構と、この回転機構によって回転されるとともにワークが載置される回転テーブルとを備えた機械の回転精度補正方法であって、前記回転テーブルの特定位置に対し、前記ワークの特定位置の位相角ηkを変えながら、ワーク形状を検出器によりk=1〜2mまでの合計2m回測定して測定データSk(θ)を取得する測定データ取得工程と、前記測定データSk(θ)を用いて前記回転機構の回転誤差EA(θ)を、
【0013】
【数10】
【0014】
から求める第1回転誤差算出工程と、前記測定データSk(θ)をフーリエ級数展開する次数成分分解工程と、この次数成分分解工程で得られたデータから前記2mの整数倍に当たる次数の成分のみを除外する成分除外工程と、この成分除外工程で除外されずに残った成分にフーリエ逆変換を施すフーリエ逆変換工程と、このフーリエ逆変換工程で得られたデータSk’(θ)を用いて前記回転機構の回転誤差EA’(θ)を、
【0015】
【数11】
【0016】
から求める第2回転誤差算出工程と、前記回転誤差EA(θ)と、前記回転誤差EA’(θ)との間の値を回転誤差の真値として推定する第3回転誤差算出工程とを備え、前記位相角ηkは、
【0017】
【数12】
【0018】
で表されることを特徴とするものである。
【0019】
この発明によれば、マルチステップ法を利用して得た測定データSk(θ)に基づいて、一方では、従来通り、マルチステップ法によって回転誤差EA(θ)を求めており、他方では、測定データSk(θ)をフーリエ級数展開して各次数成分に分解し、このデータから2mの整数倍に当たる次数の成分のみを除外して、除外されずに残った成分にフーリエ逆変換を施し、これにより得られたデータSk’(θ)を用いて回転誤差EA’(θ)を求めている。そして、一方で求めた回転誤差EA(θ)と、他方で求めた回転誤差EA’(θ)との間の値を回転誤差の真値として推定している。
他方で求めた回転テーブル(回転機構)の回転誤差EA’(θ)には、2mの整数倍に当たる次数におけるワークの形状データおよび回転誤差が含まれないため、他方で求めた回転誤差EA’(θ)は、実際の回転誤差、つまり回転誤差の真値よりもわずかに小さな値をとることになる。このような他方で求めた回転誤差EA’(θ)と、一方で求めた回転誤差EA(θ)(従来通りのマルチステップ法によって求めた回転誤差EA(θ))との間に存在する値を、回転誤差の真値として推定することで、その推定作業を容易に行うことができるとともに、回転誤差をより正確に求めることができる。
そして、たとえば測定機で測定した際、上述のように推定した回転誤差の真値に基づいて測定値を補正することで、回転テーブルの回転誤差を補正した測定値(ワークの形状)を求めることができる。
【0020】
請求項3に記載の発明は、回転機構と、この回転機構によって回転されるとともにワークが載置される回転テーブルとを備えた機械の回転精度補正方法であって、前記回転テーブルの特定位置に対し、前記ワークの特定位置の位相角ηkを変えながら、ワーク形状を検出器によりk=1〜2mまでの合計2m回測定して測定データSk(θ)を取得する第1測定データ取得工程と、前記回転テーブルの特定位置に対し、前記ワークの特定位置の前記位相角ηkとは異なる位相角ηk’を変えながら、ワーク形状を検出器によりk=1〜2m’までの合計2m’回測定して測定データSk’(θ)を取得する第2測定データ取得工程と、前記測定データSk(θ)を用いて、前記回転機構の回転誤差EA(θ)を、
【0021】
【数13】
【0022】
から求める第1回転誤差算出工程と、前記測定データSk’(θ)を用いて、前記回転機構の回転誤差EA’(θ)を、
【0023】
【数14】
【0024】
から求める第2回転誤差算出工程と、前記回転誤差EA(θ)をフーリエ級数展開する第1次数成分分解工程と、前記回転誤差EA’(θ)をフーリエ級数展開する第2次数成分分解工程と、前記第1次数成分分解工程で得たデータから前記2mの整数倍に当たる次数の成分のみを除外する成分除外工程と、前記第2次数成分分解工程で得たデータから前記2mの整数倍に当たる次数の成分のみを抽出する成分抽出工程と、前記成分抽出工程で抽出した成分を、前記成分除外工程で除外されずに残った成分に加える成分加算工程と、前記成分加算工程で得たデータにフーリエ逆変換を施し、このデータを回転誤差の真値とする第3回転誤差算出工程とを備え、前記位相角ηkおよび前記位相角ηk’は、それぞれ
【0025】
【数15】
【0026】
で表されることを特徴とするものである。
【0027】
この発明によれば、マルチステップ法に基づいて、一方では、回転テーブルの特定位置に対し、ワークの特定位置の位相角ηkを変えながら、ワーク形状を2m回測定して測定データSk(θ)を得ており、他方では、回転テーブルの特定位置に対し、ワークの特定位置の位相角ηk’を変えながら、ワーク形状を2m’回測定して測定データSk’(θ)を得ている。
一方で得た測定データSk(θ)を用いて、マルチステップ法によって回転誤差EA(θ)を求め、この回転誤差EA(θ)をフーリエ級数展開して各次数成分に分解し、このデータから2mの整数倍に当たる次数の成分のみを除外している。
他方で得た測定データSk’(θ)を用いて、マルチステップ法によって回転誤差EA’(θ)を求め、この回転誤差EA’(θ)をフーリエ級数展開して各次数成分に分解し、このデータから2mの整数倍に当たる次数の成分のみを抽出している。
そして、他方で抽出した成分を、一方で除外されずに残った成分に加え、このデータにフーリエ逆変換を施し、このデータを回転誤差の真値としている。
このようにすれば、一方の測定で得た測定データSk(θ)において、当該測定データSk(θ)におけるワークの形状データと回転誤差とを分離できない2mの整数倍に当たる次数の成分に代えて、他方の測定で得た測定データSk’(θ)におけるワークの形状データと回転誤差とを分離できる2mの整数倍に当たる次数の成分を用いているので、回転テーブルの回転誤差を正しく求めることができる。
そして、たとえば測定機で測定した際、上述のようにして求めた回転誤差に基づいて測定値を補正することで、回転テーブルの回転誤差を補正した測定値(ワークの形状)、つまり正確な測定値を求めることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1〜第3実施形態を図面に基づいて説明する。第1実施形態は、本発明に係る機械の回転精度の不確かさの推定方法を真円度測定機に適用した例であり、第2および第3実施形態は、本発明に係る機械の回転精度補正方法を真円度測定機に適用した例である。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態に係る回転精度の不確かさの推定方法が適用される機械としての真円度測定機1が示されている。
真円度測定機1は、ベース2と、このベース2の上面一側(左側)寄りに垂直な軸(Z軸)を中心として回転可能に配置された回転テーブル3と、ベース2の上面他側(右側)寄りにZ軸と平行に配置されたコラム4と、このコラム4に沿って上下方向(Z軸方向)へ昇降可能に設けられたスライダ5と、このスライダ5にコラム4に対して直交する方向(X軸方向)へ進退可能に設けられたアーム6と、このアーム6の先端にY軸方向(X軸およびZ軸方向と直交する方向)へ位置調整可能に取り付けられるとともに先端に測定子7Aを有する検出器7とを備えている。
【0029】
回転テーブル3の上には、図示しないワークが載置されるようになっており、図1中では、測定用治具8を介してマスターワークMWが載置されている。
なお、回転テーブル3の回転角度データ、スライダ5の高さ位置(Z軸方向の位置データ)、アーム6の進退量(X軸方向の位置データ)、検出器7の調整量(Y軸方向の位置データ)などは、図示しない検出手段によってそれぞれ検出できるようになっている。
また、回転テーブル3およびこれを回転駆動させる回転機構(図示省略)によって、ワークまたはマスターワークMWがZ軸を中心として回転されるようになっている。
【0030】
次に、本実施形態の回転精度の不確かさの推定方法において用いられるマルチステップ法について説明する。
まず、図2にも示すように、マスターワークMWを回転テーブル3に載せて測定を行う。
ここで、回転テーブル3の特定位置Aに対し、マスターワークMWの特定位置Bの位相角ηk(図2(B))を変えながら、k=1〜2mまでの2m回の測定を行う。位相角ηkは、式(1)で表される。
【0031】
【数16】
【0032】
図2(A)に示されるk=1のステップの極座標系を基準として考えると、マスターワークMWの形状データFA(θ)および回転誤差EA(θ)は、式(2)、(3)のようにフーリエ級数で表される。なお、式(2)、(3)では、それぞれ0(零)次項が省略されている。
【0033】
【数17】
【0034】
また、マスターワークMWの形状データFA(θ)および回転誤差EA(θ)は、図2(A)に示す形状をそれぞれ表している。なお、図中の形状は、その凹凸を分かりやすくするように、実際よりも誇大して表現されている。
回転テーブル3の特定位置Aに対し、マスターワークMWの特定位置Bを位相角ηkだけずらした状態、つまり、図2(B)に示されるk=kのステップの状態で測定を行ったときの測定データをSk(θ)とすると、測定データSk(θ)は、式(4)のように表され、kについての式(4)の和は、式(5)で表される。
【0035】
【数18】
【0036】
式(5)の右辺第2項は、式(6)のように表されるから、式(5)は式(7)のように書き換えられる。
【0037】
【数19】
【0038】
ここで、位相角ηkは、式(1)のように表されるので、式(1)を式(7)に代入して整理すると、式(7)の右辺第2項は、式(8)のように表され、回転テーブル3の回転誤差EA(θ)は、式(9)で表される。
【0039】
【数20】
【0040】
式(9)の右辺第2項は、2mの整数倍に当たる高次の調和次数のワーク形状成分であり、これが回転テーブル3の回転誤差EA(θ)から除去されずに残っていることを示している。
また、式(4)に、k=1のステップの測定データSk(θ)および同ステップの式(9)で求めた回転誤差EA(θ)を代入すれば、式(10)に示すように、マスターワークMWの形状データFA(θ)が求められる。
【0041】
【数21】
【0042】
次に、上述したマルチステップ法を利用した本実施形態に係る回転精度の不確かさの推定方法について、以下に説明する。
(測定データ取得工程)
まず、マルチステップ法により測定データを取得する。具体的には、マスターワークMWを回転テーブル3上に載せ、回転テーブル3の特定位置Aに対し、マスターワークMWの特定位置Bの位相角ηkを変えながら2m回の測定を行い、測定データSk(θ)を取得する。
(次数成分分解工程)
このような測定データSk(θ)をフーリエ級数展開して、各次数成分に分解する。
(成分抽出工程)
次数成分分解工程で得たデータから2mの整数倍に当たる次数の成分のみを抽出する。
(フーリエ逆変換工程)
成分抽出工程で抽出した成分にフーリエ逆変換を施す。
(不確かさ算出工程)
フーリエ逆変換工程で得たデータ(フーリエ逆変換した成分)を式(9)の右辺第2項とみなして、このデータをマルチステップ法による誤差とし、この誤差を回転テーブル3における回転精度の不確かさ、すなわち測定の不確かさとする。
【0043】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、本実施形態では、マルチステップ法を利用した場合、2mの整数倍に当たる高次の調和次数においてワークの形状データと回転精度とを分離できないため、フーリエ級数展開した測定データから2mの整数倍に当たる次数の成分を抽出し、これにフーリエ逆変換を施して測定の不確かさ(回転精度の不確かさ)とすることで、当該測定の不確かさを、回転テーブル(回転機構)の回転誤差およびワークの形状データの両方を含んだものとしている。これにより、測定の不確かさを、その範囲内に測定値の真値が略確実に存在する程度に大きめにとることができる。
【0044】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る回転精度補正方法について説明する。ここで、本実施形態は、前述の第1実施形態の回転精度の不確かさの推定方法と同様に、真円度測定機1に適用した例であるとともに、上述のマルチステップ法を用いたものであるから、真円度測定機1およびマルチステップ法についての説明は省略する。
(測定データ取得工程)
まず、マルチステップ法により測定データを取得する。具体的には、マスターワークMWを回転テーブル3上に載せ、回転テーブル3の特定位置Aに対し、マスターワークMWの特定位置Bの位相角ηkを変えながら2m回の測定を行い、測定データSk(θ)を取得する。
(第1回転誤差算出工程)
測定データ取得工程で得た測定データSk(θ)を用い、マルチステップ法の式(9)により回転誤差EA(θ)を求める。
(次数成分分解工程)
測定データ取得工程で得た測定データSk(θ)をフーリエ級数展開して、各次数成分に分解する。
(成分除外工程)
次数成分分解工程で得たデータから2mの整数倍に当たる次数の成分のみを除外する。
(フーリエ逆変換工程)
成分除外工程で除外されずに残った成分にフーリエ逆変換を施す。
(第2回転誤差算出工程)
フーリエ逆変換工程で得たデータSk’(θ)、およびマルチステップ法の式(9)を用いて、回転誤差EA’(θ)を、
【0045】
【数22】
【0046】
から求める。
(第3回転誤差算出工程)
第1回転誤差算出工程で求めた回転誤差EA(θ)と、第2回転誤差算出工程で求めた回転誤差EA’(θ)との間の値を回転誤差の真値として推定する。
(ワークの測定)
そして、図示しないワークを真円度測定機で測定した際、その測定値を第3回転誤差算出工程で求めた回転誤差に基づいて補正することで、回転テーブル3の回転誤差を補正した測定値が求められ、ワークの形状が正確に求められる。
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、本実施形態では、第2回転誤差算出工程おいて求めた回転誤差EA’(θ)は、2mの整数倍に当たる次数におけるワークの形状データおよび回転誤差を含まないため、実際の回転誤差、つまり回転誤差の真値よりもわずかに小さな値をとることになる。
【0047】
このような第2回転誤差算出工程で求めた回転誤差EA’(θ)と、第1回転誤差算出工程で求めた回転誤差EA(θ)(従来通りのマルチステップ法によって求めた回転誤差EA(θ))との間に存在する値を、回転誤差の真値として推定しているから、その推定作業を容易に行うことができるとともに、回転テーブル3(回転機構)の回転誤差をより正確に求めることができる。
そして、真円度測定機1で図示しないワークを測定した際、上述のように推定した回転誤差の真値に基づいて測定値を補正することで、回転テーブル3の回転誤差を補正した測定値(ワークの形状)を求めることができる。
【0048】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る回転精度補正方法について説明する。ここで、本実施形態は、前述の第1、2実施形態の回転精度の不確かさの推定方法および回転精度補正方法と同様に、真円度測定機1に適用した例であるとともに、上述のマルチステップ法を用いたものであるから、真円度測定機1およびマルチステップ法についての説明は省略する。
(第1測定データ取得工程)
まず、マルチステップ法により測定データを取得する。具体的には、マスターワークMWを回転テーブル3上に載せ、回転テーブル3の特定位置Aに対し、マスターワークMWの特定位置Bの位相角ηkを変えながら2m回の測定を行い、測定データSk(θ)を取得する。
(第2測定データ取得工程)
第1測定データ取得工程と同様に、マルチステップ法により測定データを取得する。ここで、回転テーブル3の特定位置Aに対するマスターワークMWの特定位置Bの位相角を、第1測定データ取得工程とは異ならせて位相角ηk’とし、k=1〜2m’までの合計2m’回の測定を行い、測定データSk’(θ)を取得する。
(第1回転誤差算出工程と第2回転誤差算出工程)
第1測定データ取得工程で得た測定データSk(θ)を用いて、マルチステップ法の式(9)により、回転誤差EA(θ)を求める(第1回転誤差算出工程)。
第2測定データ取得工程で得た測定データSk’(θ)および、マルチステップ法の式(9)を用いて、回転誤差EA’(θ)を
【0049】
【数23】
【0050】
から求める(第2回転誤差算出工程)。
(第1次数成分分解工程と第2次数成分分解工程)
第1回転誤差算出工程で求めた回転誤差EA(θ)をフーリエ級数展開して、各次数成分に分解する(第1次数成分分解工程)。
第2回転誤差算出工程で求めた回転誤差EA’(θ)をフーリエ級数展開して、各次数成分に分解する(第2次数成分分解工程)。
【0051】
(成分除外工程と成分抽出工程)
第1次数成分分解工程で得たデータから2mの整数倍に当たる次数の成分のみを除外し、除去されずに残ったデータを得る(成分除外工程)。
第2次数成分分解工程で得たデータから2mの整数倍に当たる次数の成分のみを抽出し、抽出したデータを得る(成分抽出工程)。
(成分加算工程)
成分抽出工程で得たデータを、成分除外工程で得たデータに加える。つまり、第1測定データ取得工程で得た測定データSk(θ)において、当該測定データSk(θ)におけるワークの形状データと回転誤差とを分離できない2mの整数倍に当たる次数の成分に代えて、第2測定データ取得工程で得た測定データSk’(θ)におけるワークの形状データと回転誤差とを分離できる2mの整数倍に当たる次数の成分を用いている。
(第3回転誤差算出工程)
成分加算工程で得たデータにフーリエ逆変換を施して、このデータを回転テーブル3における回転誤差の真値とする。
(ワークの測定)
そして、図示しないワークを真円度測定機1で測定した際、その測定値を第3回転誤差算出工程で求めた回転誤差に基づいて補正することで、回転テーブル3の回転誤差を補正した測定値が求められ、ワークの形状が正確に求められる。
ここで、mとm’とのそれぞれの値の選択にあたっては、2mの整数倍と2m’の整数倍とが必要な範囲(たとえば、(2mの整数倍)<1000、(2m’の整数倍)<1000)において、2mの整数倍と2m’の整数倍とが一致しない組み合わせ、あるいは一致する組ができるだけ少なくなるような組み合わせを選択する。なお、2mの整数倍と2m’の整数倍とが一致する組が少ない方が回転誤差の算出精度が高くなるので望ましい。
【0052】
上述のような本実施形態によれば、次のような効果がある。
すなわち、本実施形態では、第1測定データ取得工程で得た測定データSk(θ)において、当該測定データSk(θ)におけるワークの形状データと回転誤差とを分離できない2mの整数倍に当たる次数の成分に代えて、第2測定データ取得工程で得た測定データSk’(θ)におけるワークの形状データと回転誤差とを分離できる2mの整数倍に当たる次数の成分を用いているので、回転テーブル3の回転誤差を正しく求めることができる。
そして、真円度測定機1で図示しないワークを測定した際、上述のようにして求めた回転誤差に基づいて測定値を補正することで、回転テーブル3の回転誤差を補正した測定値(ワークの形状)、つまり正確な測定値を求めることができる。
【0053】
なお、本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良は、本発明に含まれるものである。
たとえば、前記各実施形態では、回転精度の不確かさの推定方法および回転精度補正方法を真円度測定機1に適用しているが、本発明に係る回転精度の不確かさの推定方法および回転精度補正方法はこれに限定されるものではなく、回転機構を有する測定機一般に適用できる。また、加工機等の機械における回転テーブルや主軸の回転機構においても、本発明に係る回転精度の不確かさの補正方法および回転精度補正方法を適用できる。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば、マルチステップ法を用いて、回転精度の不確かさを容易に推定できたり、回転機構の回転誤差を正確に求めたりすることで、ワークの形状を正確に求めることができたり、加工精度の推定を容易にできるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る真円度測定機を示す全体斜視図である。
【図2】前記実施形態におけるマルチステップ法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 測定機である真円度測定機
3 回転テーブル
7 検出器
A 特定位置(回転テーブル)
B 特定位置(ワーク)
MW ワークであるマスターワーク
ηk 位相角
EA(θ) 回転誤差
Sk(θ) 測定データ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for estimating uncertainty of rotational accuracy of a machine and a rotational accuracy correction method. For example, in a machine having a rotational mechanism such as a roundness measuring machine, the uncertainty of rotational accuracy of the machine applied to the rotational mechanism. The present invention relates to an estimation method and a rotation accuracy correction method.
[0002]
[Background]
For example, in a measuring machine equipped with a rotating mechanism such as a roundness measuring machine, when the workpiece shape is measured while rotating the workpiece by the rotating mechanism, the measurement data includes the workpiece shape data and the mechanical error of the rotating mechanism ( In order to extract the true workpiece shape, it is necessary to separate and remove the rotation error of the rotation mechanism from the measurement data.
[0003]
Conventionally, the following methods are known as methods for evaluating such rotational accuracy.
▲ 1 Lissajous method
The Lissajous method is a method in which the displacement of a slightly eccentric master ball is measured from two directions orthogonal to each other and displayed on an oscilloscope, and the rotational accuracy is evaluated by the amount of variation superimposed on the base circle created by the eccentricity. Specifically, the width of the Lissajous figure by multiple rotations is usually reproducibility, and the difference between the maximum radius and the minimum radius is the rotation accuracy.
(2) Reversal method
A method of measuring the master ball once, measuring the master ball again by shifting the phase by 180 ° with respect to the rotary table, and separating the master ball shape data and rotation accuracy from these two measurement data.
(3) Multi-step method
The phase angle η of the specific position of the master ball with respect to the specific position of the turntable k In this method, the workpiece shape is measured a total of 2 m from k = 1 to 2 m, and the master ball shape data and the rotation accuracy are separated from such measurement data. Note that the phase angle η k Is
[0004]
[Equation 8]
[0005]
It is represented by
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
However, the methods (1) to (3) described above have the following problems.
With the Lissajous method of (1), it is difficult to determine the direction and magnitude of the shaft center deflection from the Lissajous figure at an arbitrary rotation angle. So it lacks accuracy.
In the reversal method (2), it is very difficult to shift the phase of the master ball exactly 180 ° with respect to the rotary table.
In the multi-step method (3), the master ball shape data and the rotation accuracy cannot be separated at a higher harmonic order corresponding to an integral multiple of 2 m.
Furthermore, in recent years, it has become common to express the performance of measuring instruments not with the concept of measurement accuracy but with the concept of measurement uncertainty. However, there is a problem that it is difficult to calculate the uncertainty of rotational accuracy. is there.
[0007]
An object of the present invention is to use a multi-step method to estimate the rotational error of a rotating mechanism, and hence the shape of a workpiece, and to estimate the rotational accuracy of a machine such as a measuring machine or a processing machine, and the rotational accuracy. It is to provide a correction method.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the estimation method and the rotational accuracy correction method of the rotational accuracy of the machine according to the present invention employ the following methods. Here, the invention described in claims 1 to 3 uses the above-described multi-step method.
The invention according to claim 1 is a method for estimating uncertainty of rotational accuracy of a machine comprising a rotating mechanism and a rotating table that is rotated by the rotating mechanism and on which a work is placed. Phase angle η of the specific position of the workpiece with respect to the specific position of k The measurement data acquisition step of measuring the workpiece shape by measuring 2 m times in total from k = 1 to 2 m with a detector, the order component decomposition step of expanding the measurement data by Fourier series, and this order A component extraction step for extracting only the component of the order corresponding to an integer multiple of 2m from the data obtained in the component decomposition step, a Fourier inverse transform step for performing Fourier inverse transform on the component extracted in this component extraction step, and this Fourier inverse An uncertainty calculation step for obtaining a component obtained by inverse Fourier transform in the conversion step as measurement uncertainty, and the phase angle η k Is
[0009]
[Equation 9]
[0010]
It is characterized by being represented by.
[0011]
According to the present invention, the measurement data obtained using the multi-step method is Fourier series expanded and decomposed into each order component, and only the order component corresponding to an integer multiple of 2 m is extracted from this data. The component is subjected to inverse Fourier transform, and the component subjected to inverse Fourier transform is regarded as measurement uncertainty.
When the multi-step method is used, the workpiece shape data and the rotation accuracy cannot be separated at a higher harmonic order corresponding to an integer multiple of 2 m. Here, by extracting the component of the order corresponding to an integer multiple of 2 m from the measurement data expanded by Fourier series, and applying the inverse Fourier transform to this, the uncertainty of the measurement (the uncertainty of the rotation accuracy) is obtained. This includes both the rotation error of the rotary table (rotating mechanism) and the shape data of the workpiece. As a result, the measurement uncertainty can be increased to such an extent that the true value of the measured value is almost surely present within the range.
[0012]
The invention according to claim 2 is a method for correcting the rotational accuracy of a machine comprising a rotating mechanism and a rotating table that is rotated by the rotating mechanism and on which a workpiece is placed, and is provided at a specific position of the rotating table. In contrast, the phase angle η at a specific position of the workpiece k The measurement data S is measured by measuring the workpiece shape 2m in total from k = 1 to 2m with the detector while changing k A measurement data acquisition step of acquiring (θ) and the measurement data S; k The rotation error E of the rotation mechanism using (θ) A (Θ)
[0013]
[Expression 10]
[0014]
A first rotation error calculation step calculated from the measurement data S k An order component decomposition step for expanding (θ) in a Fourier series, a component exclusion step for excluding only the component of the order corresponding to an integer multiple of 2m from the data obtained in the order component decomposition step, and the component exclusion step Fourier inverse transform process for performing Fourier inverse transform on the remaining components, and the data S obtained in this Fourier inverse transform process k '(Θ) is used to determine the rotation error E of the rotation mechanism. A '(Θ)
[0015]
[Expression 11]
[0016]
A second rotation error calculation step obtained from the rotation error E and the rotation error E A (Θ) and the rotation error E A A third rotation error calculating step of estimating a value between '(θ) as a true value of the rotation error, and the phase angle η k Is
[0017]
[Expression 12]
[0018]
It is characterized by being represented by.
[0019]
According to the present invention, the measurement data S obtained using the multistep method is used. k On the one hand, based on (θ), on the one hand, as in the past, the rotation error E A On the other hand, the measured data S k (Θ) is expanded into a Fourier series and decomposed into each order component, and only the order component corresponding to an integer multiple of 2 m is excluded from this data, and the component remaining without being excluded is subjected to inverse Fourier transform. Data S k 'Rotation error E using (θ) A '(Θ) is calculated. On the other hand, the calculated rotation error E A (Θ) and the rotation error E obtained on the other side A The value between '(θ) is estimated as the true value of the rotation error.
The rotation error E of the rotary table (rotation mechanism) obtained on the other side A '(Θ) does not include the workpiece shape data and rotation error in the order corresponding to an integer multiple of 2 m. A '(Θ) takes a value slightly smaller than the actual rotation error, that is, the true value of the rotation error. The rotation error E obtained on the other side A '(Θ) and the rotation error E obtained on the other hand A (Θ) (rotational error E obtained by the conventional multi-step method A By estimating the value existing between (θ)) as the true value of the rotation error, the estimation work can be easily performed and the rotation error can be obtained more accurately.
Then, for example, when measuring with a measuring machine, the measured value is corrected based on the true value of the rotation error estimated as described above, thereby obtaining a measured value (workpiece shape) that corrects the rotation error of the rotary table. Can do.
[0020]
The invention according to
[0021]
[Formula 13]
[0022]
A first rotation error calculation step calculated from the measurement data S k '(Θ) is used to calculate the rotation error E of the rotation mechanism. A '(Θ)
[0023]
[Expression 14]
[0024]
A second rotation error calculation step obtained from the rotation error E and the rotation error E A A first-order component decomposition step of expanding (θ) into a Fourier series, and the rotation error E A A second order component decomposition step of expanding '(θ) into a Fourier series; a component exclusion step of excluding only a component of an order corresponding to an integer multiple of 2m from the data obtained in the first order component decomposition step; The component extraction step for extracting only the component of the order corresponding to an integral multiple of 2m from the data obtained in the order component decomposition step, and the component extracted in the component extraction step as the remaining component not excluded in the component exclusion step A component addition step to be added; and a third rotation error calculation step for performing inverse Fourier transform on the data obtained in the component addition step and setting this data as the true value of the rotation error, and including the phase angle η k And the phase angle η k 'Each
[0025]
[Expression 15]
[0026]
It is characterized by being represented by.
[0027]
According to this invention, based on the multi-step method, on the one hand, the phase angle η of the specific position of the workpiece with respect to the specific position of the rotary table k Measure the workpiece shape 2m times while changing the measurement data S k On the other hand, the phase angle η of the specific position of the workpiece with respect to the specific position of the rotary table k Measured data S by measuring the workpiece shape 2m times while changing ' k '(Θ) is obtained.
On the other hand, obtained measurement data S k (Θ) and the rotation error E by the multi-step method A (Θ) is obtained, and this rotation error E A (Θ) is Fourier series expanded and decomposed into each order component, and only the order component corresponding to an integer multiple of 2 m is excluded from this data.
Measurement data S obtained on the other hand k '(Θ) and the rotation error E A '(Θ) is obtained, and this rotation error E A '(Θ) is Fourier series expanded and decomposed into each order component, and only the order component corresponding to an integer multiple of 2 m is extracted from this data.
Then, the component extracted on the other side is added to the remaining component on the other hand, and the inverse Fourier transform is performed on this data to make this data the true value of the rotation error.
In this way, the measurement data S obtained in one measurement k In (θ), the measurement data S k The measurement data S obtained in the other measurement instead of the component of the order corresponding to an integral multiple of 2 m, which cannot separate the workpiece shape data and the rotation error at (θ). k Since the component of the order corresponding to an integral multiple of 2 m that can separate the workpiece shape data and the rotation error at '(θ)' is used, the rotation error of the rotary table can be obtained correctly.
For example, when measuring with a measuring machine, the measurement value is corrected based on the rotation error obtained as described above, thereby correcting the rotation table rotation error (workpiece shape), that is, accurate measurement. The value can be determined.
[0028]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, first to third embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. 1st Embodiment is an example which applied the estimation method of the uncertainty of the rotational accuracy of the machine based on this invention to the roundness measuring machine, and 2nd and 3rd embodiment is rotational accuracy of the machine based on this invention. This is an example in which the correction method is applied to a roundness measuring machine.
[First Embodiment]
FIG. 1 shows a roundness measuring machine 1 as a machine to which the estimation method of uncertainty of rotational accuracy according to the first embodiment of the present invention is applied.
The roundness measuring machine 1 includes a base 2, a rotary table 3 arranged to be rotatable around an axis (Z axis) perpendicular to one side (left side) of the upper surface of the base 2, the upper surface of the base 2, etc. A column 4 disposed on the side (right side) in parallel with the Z-axis, a slider 5 provided so as to be vertically movable along the column 4 (Z-axis direction), and the slider 5 with respect to the column 4 The arm 6 is provided so as to be able to advance and retreat in a direction (X-axis direction) orthogonal to each other, and is attached to the tip of the arm 6 so that the position can be adjusted in the Y-axis direction (direction perpendicular to the X-axis and Z-axis directions). And a
[0029]
A workpiece (not shown) is placed on the
The rotation angle data of the rotary table 3, the height position of the slider 5 (position data in the Z-axis direction), the advance / retreat amount of the arm 6 (position data in the X-axis direction), the adjustment amount of the detector 7 (in the Y-axis direction) Position data) can be detected by detection means (not shown).
Further, the work or the master work MW is rotated around the Z axis by the rotary table 3 and a rotation mechanism (not shown) that drives the rotation table 3 to rotate.
[0030]
Next, a multi-step method used in the method for estimating the uncertainty of rotational accuracy according to the present embodiment will be described.
First, as shown in FIG. 2, the master work MW is placed on the rotary table 3 and measurement is performed.
Here, the phase angle η of the specific position B of the master work MW with respect to the specific position A of the
[0031]
[Expression 16]
[0032]
Considering the polar coordinate system of step k = 1 shown in FIG. 2A as a reference, the shape data F of the master work MW A (Θ) and rotation error E A (Θ) is represented by a Fourier series as shown in equations (2) and (3). In equations (2) and (3), the 0 (zero) order term is omitted.
[0033]
[Expression 17]
[0034]
Also, the shape data F of the master work MW A (Θ) and rotation error E A (Θ) represents the shape shown in FIG. In addition, the shape in the drawing is expressed exaggerated more than the actual so that the unevenness can be easily understood.
The specific position B of the master work MW is set to the phase angle η with respect to the specific position A of the
[0035]
[Expression 18]
[0036]
Since the second term on the right side of Expression (5) is expressed as Expression (6), Expression (5) can be rewritten as Expression (7).
[0037]
[Equation 19]
[0038]
Where the phase angle η k Is expressed as equation (1), so when substituting equation (1) into equation (7) and rearranging, the second term on the right side of equation (7) is expressed as equation (8). , Rotation error E of the rotary table 3 A (Θ) is expressed by equation (9).
[0039]
[Expression 20]
[0040]
The second term on the right side of Equation (9) is a work shape component of a higher harmonic order corresponding to an integral multiple of 2 m, and this is the rotation error E of the
Further, in the equation (4), the measurement data S at the step of k = 1. k (Θ) and the rotation error E obtained by equation (9) of the same step A Substituting (θ), the shape data F of the master work MW as shown in the equation (10) A (Θ) is obtained.
[0041]
[Expression 21]
[0042]
Next, a method for estimating the uncertainty of rotational accuracy according to the present embodiment using the above-described multi-step method will be described below.
(Measurement data acquisition process)
First, measurement data is acquired by a multi-step method. Specifically, the master work MW is placed on the
(Order component decomposition process)
Such measurement data S k (Θ) is Fourier series expanded and decomposed into each order component.
(Component extraction process)
Only the component of the order corresponding to an integer multiple of 2 m is extracted from the data obtained in the order component decomposition step.
(Fourier inverse transform process)
Inverse Fourier transform is applied to the component extracted in the component extraction step.
(Uncertainty calculation process)
The data obtained in the inverse Fourier transform process (the component obtained by inverse Fourier transform) is regarded as the second term on the right side of the equation (9), and this data is regarded as an error by the multistep method. That is, measurement uncertainty.
[0043]
According to this embodiment as described above, the following effects are obtained.
That is, in the present embodiment, when the multi-step method is used, the workpiece shape data and the rotation accuracy cannot be separated in a higher-order harmonic order corresponding to an integer multiple of 2 m. The component of the order corresponding to is extracted and subjected to inverse Fourier transform to obtain measurement uncertainty (uncertainty of the rotation accuracy). This uncertainty is then measured as the rotation error of the rotary table (rotation mechanism) and the workpiece. Both shape data are included. As a result, the measurement uncertainty can be increased to such an extent that the true value of the measured value is almost surely present within the range.
[0044]
[Second Embodiment]
Next, a rotation accuracy correction method according to the second embodiment of the present invention will be described. Here, the present embodiment is an example applied to the roundness measuring instrument 1 and uses the above-described multi-step method, similarly to the estimation method of the uncertainty of rotational accuracy of the first embodiment described above. Therefore, description of the roundness measuring machine 1 and the multi-step method is omitted.
(Measurement data acquisition process)
First, measurement data is acquired by a multi-step method. Specifically, the master work MW is placed on the
(First rotation error calculation step)
Measurement data S obtained in the measurement data acquisition process k (Θ) and the rotation error E by the multi-step equation (9). A (Θ) is obtained.
(Order component decomposition process)
Measurement data S obtained in the measurement data acquisition process k (Θ) is Fourier series expanded and decomposed into each order component.
(Ingredient exclusion process)
Only the order components corresponding to integer multiples of 2 m are excluded from the data obtained in the order component decomposition process.
(Fourier inverse transform process)
The inverse Fourier transform is performed on the components that are not excluded in the component exclusion step.
(Second rotation error calculation step)
Data S obtained by inverse Fourier transform process k '(Θ) and the multi-step equation (9), the rotation error E A '(Θ)
[0045]
[Expression 22]
[0046]
Ask from.
(Third rotation error calculation step)
Rotation error E obtained in the first rotation error calculation step A (Θ) and the rotation error E obtained in the second rotation error calculation step A The value between '(θ) is estimated as the true value of the rotation error.
(Workpiece measurement)
Then, when a workpiece (not shown) is measured with a roundness measuring machine, the measurement value is corrected based on the rotation error obtained in the third rotation error calculation step, thereby correcting the rotation error of the
According to this embodiment as described above, the following effects are obtained.
That is, in the present embodiment, the rotation error E obtained in the second rotation error calculation step. A Since '(θ) does not include the workpiece shape data and rotation error in the order corresponding to an integer multiple of 2 m, it takes a value slightly smaller than the actual rotation error, that is, the true value of the rotation error.
[0047]
The rotation error E obtained in the second rotation error calculation step. A '(Θ) and the rotation error E obtained in the first rotation error calculation step A (Θ) (rotational error E obtained by the conventional multi-step method A (Θ)) is estimated as the true value of the rotation error, the estimation work can be easily performed, and the rotation error of the rotary table 3 (rotation mechanism) can be more accurately determined. Can be requested.
And when measuring the workpiece | work which is not shown in figure with the roundness measuring device 1, the measured value which correct | amended the rotation error of the
[0048]
[Third Embodiment]
Next, a rotation accuracy correction method according to the third embodiment of the present invention will be described. Here, the present embodiment is an example applied to the roundness measuring machine 1 in the same manner as the rotational accuracy uncertainty estimation method and the rotational accuracy correction method of the first and second embodiments described above. Since the multi-step method is used, descriptions of the roundness measuring device 1 and the multi-step method are omitted.
(First measurement data acquisition process)
First, measurement data is acquired by a multi-step method. Specifically, the master work MW is placed on the
(Second measurement data acquisition process)
Similar to the first measurement data acquisition step, measurement data is acquired by the multi-step method. Here, the phase angle η of the specific position B of the master work MW with respect to the specific position A of the
(First rotation error calculation step and second rotation error calculation step)
Measurement data S obtained in the first measurement data acquisition process k (Θ) is used to calculate the rotation error E by the multistep equation (9). A (Θ) is obtained (first rotation error calculation step).
Measurement data S obtained in the second measurement data acquisition process k '(Θ) and the multi-step method equation (9) A '(Θ)
[0049]
[Expression 23]
[0050]
(Second rotation error calculation step).
(First order component decomposition step and second order component decomposition step)
Rotation error E obtained in the first rotation error calculation step A (Θ) is Fourier series expanded and decomposed into each order component (first order component decomposition step).
Rotation error E obtained in the second rotation error calculation step A '(Θ) is Fourier series expanded and decomposed into each order component (second order component decomposition step).
[0051]
(Component exclusion process and component extraction process)
Only the component of the order corresponding to an integer multiple of 2 m is excluded from the data obtained in the first order component decomposition step, and the data remaining without being removed is obtained (component exclusion step).
Only the component of the order corresponding to an integer multiple of 2 m is extracted from the data obtained in the second order component decomposition step to obtain the extracted data (component extraction step).
(Component addition process)
The data obtained in the component extraction step is added to the data obtained in the component exclusion step. That is, the measurement data S obtained in the first measurement data acquisition step k In (θ), the measurement data S k The measurement data S obtained in the second measurement data acquisition step is used instead of the component of the order corresponding to an integral multiple of 2 m, which cannot separate the workpiece shape data and the rotation error at (θ). k The component of the order corresponding to an integral multiple of 2 m that can separate the workpiece shape data and the rotation error at (θ) is used.
(Third rotation error calculation step)
The data obtained in the component addition step is subjected to inverse Fourier transform, and this data is used as the true value of the rotation error in the
(Workpiece measurement)
Then, when a workpiece (not shown) is measured with the roundness measuring device 1, the measurement value is corrected based on the rotation error obtained in the third rotation error calculation step, thereby correcting the rotation error of the
Here, in selecting each value of m and m ′, a range that requires an integer multiple of 2m and an integer multiple of 2m ′ (for example, (integer multiple of 2m) <1000, (integer multiple of 2m ′) ) <1000), a combination that does not match an integer multiple of 2m and an integer multiple of 2m ′, or a combination that minimizes the number of matching sets is selected. In addition, it is desirable that the number of pairs in which the integer multiple of 2m and the integer multiple of 2m ′ match is smaller because the calculation accuracy of the rotation error is higher.
[0052]
According to this embodiment as described above, the following effects are obtained.
That is, in this embodiment, the measurement data S obtained in the first measurement data acquisition step. k In (θ), the measurement data S k Measurement data S obtained in the second measurement data acquisition step instead of the component of the order corresponding to an integral multiple of 2 m, which cannot separate the workpiece shape data and the rotation error at (θ). k Since the component of the order corresponding to an integral multiple of 2 m that can separate the workpiece shape data and the rotation error at '(θ)' is used, the rotation error of the
When a roundness measuring machine 1 measures a workpiece (not shown), the measured value is corrected based on the rotation error obtained as described above, thereby correcting the rotation error of the rotary table 3 (workpiece). ), That is, an accurate measurement value can be obtained.
[0053]
It should be noted that the present invention is not limited to the above-described embodiments, and modifications and improvements as long as the object of the present invention can be achieved are included in the present invention.
For example, in each of the embodiments described above, the estimation method and the rotation accuracy correction method of the rotational accuracy are applied to the roundness measuring instrument 1, but the estimation method and rotational accuracy of the rotational accuracy according to the present invention are used. The correction method is not limited to this, and can be applied to general measuring machines having a rotation mechanism. Further, the rotational accuracy uncertainty correction method and the rotational accuracy correction method according to the present invention can also be applied to a rotary table and a spindle rotation mechanism in a machine such as a processing machine.
[0054]
【The invention's effect】
According to the present invention, the uncertainty of rotational accuracy can be easily estimated using the multi-step method, or the shape of the workpiece can be accurately determined by accurately determining the rotation error of the rotating mechanism. There is an effect that the processing accuracy can be easily estimated.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an overall perspective view showing a roundness measuring machine according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic diagram for explaining a multi-step method in the embodiment.
[Explanation of symbols]
1 Roundness measuring machine
3 Rotary table
7 Detector
A Specific position (rotary table)
B Specific position (work)
Master work which is MW work
η k Phase angle
E A (Θ) Rotation error
S k (Θ) Measurement data
Claims (3)
前記回転テーブルの特定位置に対し、前記ワークの特定位置の位相角ηkを変えながら、ワーク形状を検出器によりk=1〜2mまでの合計2m回測定して測定データを取得する測定データ取得工程と、
前記測定データをフーリエ級数展開する次数成分分解工程と、
この次数成分分解工程で得られたデータから前記2mの整数倍に当たる次数の成分のみを抽出する成分抽出工程と、
この成分抽出工程で抽出した成分にフーリエ逆変換を施すフーリエ逆変換工程と、
このフーリエ逆変換工程でフーリエ逆変換した成分を測定の不確かさとして求める不確かさ算出工程とを備え、
前記位相角ηkは、
Measurement data acquisition for measuring the workpiece shape by measuring a total of 2 m times from k = 1 to 2 m with a detector while changing the phase angle η k of the specific position of the workpiece with respect to the specific position of the rotary table. Process,
An order component decomposition step of expanding the measurement data into a Fourier series;
A component extraction step of extracting only the component of the order corresponding to an integral multiple of 2m from the data obtained in the order component decomposition step;
A Fourier inverse transform step of performing an inverse Fourier transform on the component extracted in this component extraction step;
An uncertainty calculation step for obtaining the component obtained by inverse Fourier transform in this Fourier inverse transform step as measurement uncertainty,
The phase angle η k is
前記回転テーブルの特定位置に対し、前記ワークの特定位置の位相角ηkを変えながら、ワーク形状を検出器によりk=1〜2mまでの合計2m回測定して測定データSk(θ)を取得する測定データ取得工程と、
前記測定データSk(θ)を用いて前記回転機構の回転誤差EA(θ)を、
前記測定データSk(θ)をフーリエ級数展開する次数成分分解工程と、
この次数成分分解工程で得られたデータから前記2mの整数倍に当たる次数の成分のみを除外する成分除外工程と、
この成分除外工程で除外されずに残った成分にフーリエ逆変換を施すフーリエ逆変換工程と、
このフーリエ逆変換工程で得られたデータSk’(θ)を用いて前記回転機構の回転誤差EA’(θ)を、
前記回転誤差EA(θ)と、前記回転誤差EA’(θ)との間の値を回転誤差の真値として推定する第3回転誤差算出工程とを備え、
前記位相角ηkは、
While changing the phase angle η k of the specific position of the workpiece with respect to the specific position of the rotary table, the workpiece shape is measured by a detector for a total of 2 m times from k = 1 to 2 m, and measurement data S k (θ) is obtained. A measurement data acquisition process to be acquired;
Using the measurement data S k (θ), the rotation error E A (θ) of the rotation mechanism is
An order component decomposition step of expanding the measurement data S k (θ) into a Fourier series;
A component excluding step of excluding only the component of the order corresponding to an integer multiple of 2m from the data obtained in this order component decomposition step;
A Fourier inverse transform step for performing an inverse Fourier transform on the components that are not excluded in this component exclusion step;
Using the data S k ′ (θ) obtained in the inverse Fourier transform process, the rotation error E A ′ (θ) of the rotation mechanism is
A third rotation error calculation step of estimating a value between the rotation error E A (θ) and the rotation error E A ′ (θ) as a true value of the rotation error,
The phase angle η k is
前記回転テーブルの特定位置に対し、前記ワークの特定位置の位相角ηkを変えながら、ワーク形状を検出器によりk=1〜2mまでの合計2m回測定して測定データSk(θ)を取得する第1測定データ取得工程と、
前記回転テーブルの特定位置に対し、前記ワークの特定位置の前記位相角ηkとは異なる位相角ηk’を変えながら、ワーク形状を検出器によりk=1〜2m’までの合計2m’回測定して測定データSk’(θ)を取得する第2測定データ取得工程と、
前記測定データSk(θ)を用いて、前記回転機構の回転誤差EA(θ)を、
前記測定データSk’(θ)を用いて、前記回転機構の回転誤差EA’(θ)を、
前記回転誤差EA(θ)をフーリエ級数展開する第1次数成分分解工程と、
前記回転誤差EA’(θ)をフーリエ級数展開する第2次数成分分解工程と、
前記第1次数成分分解工程で得たデータから前記2mの整数倍に当たる次数の成分のみを除外する成分除外工程と、
前記第2次数成分分解工程で得たデータから前記2mの整数倍に当たる次数の成分のみを抽出する成分抽出工程と、
前記成分抽出工程で抽出した成分を、前記成分除外工程で除外されずに残った成分に加える成分加算工程と、
前記成分加算工程で得たデータにフーリエ逆変換を施し、このデータを回転誤差の真値とする第3回転誤差算出工程とを備え、
前記位相角ηkおよび前記位相角ηk’は、それぞれ
While changing the phase angle η k of the specific position of the workpiece with respect to the specific position of the rotary table, the workpiece shape is measured by a detector for a total of 2 m times from k = 1 to 2 m, and measurement data S k (θ) is obtained. A first measurement data acquisition step to acquire;
Wherein for a particular position of the rotary table, 'while changing the by the workpiece shape detector k = 1 to 2 m' different phase angles eta k and the phase angle eta k of a particular position of the workpiece total 2m 'times up to A second measurement data acquisition step of measuring and acquiring measurement data S k ′ (θ);
Using the measurement data S k (θ), the rotation error E A (θ) of the rotation mechanism is
Using the measurement data S k ′ (θ), the rotation error E A ′ (θ) of the rotation mechanism is
A first order component decomposition step of expanding the rotation error E A (θ) into a Fourier series;
A second order component decomposition step of expanding the rotation error E A ′ (θ) by Fourier series;
A component excluding step of excluding only the component of the order corresponding to an integer multiple of 2m from the data obtained in the first order component decomposition step;
A component extraction step of extracting only the component of the order corresponding to an integer multiple of 2m from the data obtained in the second order component decomposition step;
A component addition step of adding the component extracted in the component extraction step to the remaining component without being excluded in the component exclusion step;
A third rotation error calculation step that performs inverse Fourier transform on the data obtained in the component addition step and sets this data as the true value of the rotation error,
The phase angle η k and the phase angle η k ′ are respectively
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