JP3628237B2 - Cleaning article and method for manufacturing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は清掃用物品及びその製造方法に関する。更に詳しくは基材シートから延びる繊維層を接合部から立ち上がりやすくして、前記繊維層によりゴミ等の捕捉能力の高い刷毛部を形成した清掃用物品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、清掃用モップなどに取付けられて使用される清掃用物品、または手で保持して使用される清掃用物品として、使用後に使い捨てが可能とされたものがある。
【0003】
図5は、使い捨て用の清掃用物品として、基材シートの表面に繊維層による刷毛部が形成されたものの断面図を示している。この種の清掃用物品は、例えば特開平9−149873号公報に開示されている。
【0004】
前記清掃用物品は、熱溶着性繊維を含む不織布などの基材シート1の表面に、繊維層2が溶着線3により接合され、前記溶着線3から延びる前記繊維層2により刷毛部が形成されている。
【0005】
この清掃用物品の製造方法は、基材シート1の上にトウから開繊された長繊維層をその繊維が基材シート1の長手方向(Y方向)へ延びるように設置する。そして、前記長手方向へ一定の間隔を開け且つ互いに平行に延びる複数の溶着線3,3、…により基材シート1と長繊維層とを熱溶着し、その後に隣り合う溶着線3と溶着線3との間で長繊維層を切断する。これにより溶着線3と溶着線3との間に、前記溶着線3を基端とし自由端2aが溶着線3と溶着線3との間に延びる繊維層2による刷毛部が形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図5に示す従来の清掃用物品では、繊維層2が基材シート1の表面に溶着されて取付けられているものであるため、溶着線3から延びる繊維層2が基材シート1側へ倒れやすくなっている。よって床などを拭いているときに、繊維層2が基材シート1に押し付けられると、繊維層2が基材シート1に密着し、そのまま立ち上がり方向へ復元できなくなる。そのため、繊維層2による刷毛部が、十分なゴミ補集能力を発揮できなくなる。
【0007】
また、図5に示す清掃用物品は、長繊維層を基材シート1に溶着線3,3で接合し、この溶着線3と溶着線3との間で長繊維層を切断して製造しているため、溶着線3と溶着線3との間で、一方から延びる繊維層2の自由端2aと他方から延びる繊維層2の自由端2aとの間で隙間Sが形成されてしまう。よって前記隙間Sを介して左右に2分されたそれぞれの繊維層2,2が基材シート1の表面に倒れやすくなり、また基材シート1上での繊維層2の平均密度が低くなってゴミの補集機能が低くなる。また前記隙間Sにおいて基材シート1が直接に床などの拭き取り面に当たるため床面などに摺動させるときの摩擦力が大きくなって、拭き取り作業の際の摺動抵抗が大きくなる。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、基材シートから繊維層の自由端が立ち上がりやすいようにして、繊維層がゴミの補集効果の高い刷毛部として機能できるようにした清掃用物品およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
また本発明は、基材シート表面での繊維層の平均密度を高くできるようにした清掃用物品およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基材シートと、前記基材シートの片面または両面で前記基材シートに接合された繊維層とが設けられた清掃用物品において、
前記基材シートと前記繊維層との接合部では、前記基材シートと前記繊維層の一部とが一緒に前記繊維層が配置されている側と逆側へ向けて折り込まれて前記逆側へ突出する折り込み部が形成され、前記折り込み部において折り込まれた前記基材シートと前記繊維層とが一緒に接合されており、前記繊維層が、前記接合部を基端としてその自由端が前記基材シートから離れる方向へ延びていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明では、繊維層の基端部が接合部において折り込み部内に埋没しているため、繊維層の自由端が基材シートから離れる方向へ立ち上がりやすくなる。よって清掃時の圧力が与えられても、繊維層が立ち上がり方向へ復元しやすく、立ち上がり状態の刷毛部によりゴミの補集効果を高めることができる。
【0012】
また、前記接合部と接合部との間で、前記基材シートが折り込まれて中間折り込み部が形成されており、この中間折り込み部により前記接合部と接合部との間隔が狭められているものとすることができる。または前記基材シートが、弾性伸縮性を有するものであり、基材シートの収縮により前記接合部と接合部との間隔が狭められるものであってもよい。
【0013】
このように構成すると、基材シート表面での前記繊維層の平均密度が高くなり、繊維層によるゴミの補集効果を高くできる。
【0014】
本発明の清掃用物品は、例えば、前記接合部から2層の繊維層が延びており、この2層の繊維層の自由端が互いに逆方向へ向けられているものである。あるいは、前記接合部から実質的に1層の繊維層が延びているものである。
【0015】
さらに、前記接合部から左右それぞれへ延びる2層の繊維層のうちの、一方の繊維層の基材シート表面から自由端までの長さをL1、他方の繊維層の基材シート表面から自由端までの長さをL2とし、隣り合う前記接合部の間隔をPとしたときに、P<L1+L2であることが好ましい。
【0016】
または、前記接合部から延びる1層の繊維層の基材シート表面から自由端までの長さをLとし、隣り合う前記接合部の間隔をPとしたときに、P<Lであることが好ましい。
【0017】
上記のように構成すると、基材シート表面での繊維層の平均密度を高くできるのみならず、繊維層間で基材シートが露出しなくなり、基材シートが床面などに直接摺動して摺動摩擦が大きくなるのを防ぐことができる。
【0018】
例えば、前記繊維層は、前記繊維層は、捲縮繊維で形成されている。または、トウから開繊された繊維で形成されている。あるいは、前記繊維層は、フラットヤーンにより形成されていてもよい。さらに前記繊維層は、スプリットヤーンにより形成されていてもよい。または、前記繊維層の代わりに、樹脂シートまたは不織布から短冊状に切断された短冊状シートの層を使用することも可能である。
【0019】
また本発明の清掃用物品は、少なくとも次の工程を含むことを特徴とするものである。
【0020】
(a)基材シートに、一方向に揃えられた長繊維層を重ねる工程、
(b)前記長繊維層の繊維の延びる方向へ間隔を開けて、前記基材シートおよび前記長繊維層とを、前記長繊維層が重ねられた側と逆向きに折り込んで、折り込んだ基材シートと長繊維層とを接合して接合部を形成する工程、
(c)隣り合う前記接合部の中間で前記長繊維層を切断して、各接合部を基端として自由端が基材シートから離れる方向へ延びる繊維層を形成する工程。
【0021】
また、前記(c)の工程の前または後で、隣り合う接合部の間隔を縮める工程を有するものとすることができる。
【0022】
この工程を付加することにより、基材シート表面での繊維層の平均密度を高くできる。
【0023】
例えば、隣り合う接合部間の基材シートを折り込んで中間折り込み部を形成することにより前記接合部間の間隔を縮めることができる。または、基材シートとして長繊維層の繊維の延びる方向へ弾性伸縮性を有するものを用い、前記(a)の工程で、前記基材シートを前記繊維の延びる方向へ伸長させて、伸長状態で前記(b)の工程の接合部を形成し、その後に基材シートを収縮させることで、前記接合部間の間隔を縮めることもできる。
【0024】
この製造方法では、前記長繊維層として、捲縮繊維の層を使用することができ、または前記長繊維層として、トウから開繊された長繊維層を使用することができ。その他、前記長繊維層として、フラットヤーンの層を使用することができ、または前記長繊維層として、スプリットヤーンの層を使用することができる。あるいは、前記長繊維層の代わりに、樹脂シートまたは不織布から短冊状に切断された短冊状シートの層を使用することもできる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して説明する。
【0026】
図1は本発明の第1の実施の形態の清掃用物品10を示す部分斜視図である。
この清掃用物品10には、縦方向(Y方向)に長く、横方向(X方向)に所定幅寸法を持つ長方形の基材シート11が設けられ、この基材シート11の片面に繊維層12,12,…が接合されている。また各繊維層12の繊維が主に延びる方向はY方向である。ただし、繊維の延びる方向がY方向とX方向の双方に対して傾斜していてもよい。
【0027】
基材シート11と繊維層12とは接合部13,13により接合されている。前記各接合部13では、基材シート11と繊維層12とが、前記繊維層12の延びる方向と逆側の裏面方向へ折り込まれて折り込み部14が形成されている。この折り込み部14で、前記基材シート11と繊維層12とが接合されている。前記基材シート11と繊維層12とは、熱融着可能な材料で形成されており、前記折り込み部14が両側からF方向へ加圧および加熱されることで、前記基材シート11と繊維層12とが熱溶着されている。ただし、前記折り込み部14において基材シート11と繊維層12とが接着剤で接着されていてもよいし、あるいは縫合されていてもよい。
【0028】
前記接合部13,13,…は、Y方向すなわち前記繊維層12の繊維の延びる方向へ一定の間隔(ピッチ)Pを開けて且つ前記繊維の延びる方向と直交する方向に向けて互いに平行に形成されている。ただし、前記接合部13,13,13、…の間隔Pは場所によって相違してもよく、また前記各接合部13は、Y方向とX方向に対して傾斜していてもよい。
【0029】
図1および図3(C)に示すように、前記繊維層12は前記接合部13を中心としてY方向の左右両方向へ2層に延びて刷毛部12Aと刷毛部12Bを形成している。各繊維層12の基端部は前記折り込み部14内へ埋没するように固定されているため、各刷毛部12Aと12Bの自由端12aと12bが基材シート11から離れるように、各刷毛部12Aと12Bが立ち上がりやすくなっている。
【0030】
よって前記刷毛部12Aと12Bを床面などに当てて拭き取り作業を行ったときに、立ち上がっている刷毛部12Aと12Bがゴミを有効に補集するようになる。また床面との圧力が与えられても刷毛部12A,12Bを形成する繊維層12が基材シート11側へ倒れにくくなる。また倒れたとしても、その後に基材シート11から立ち上がる方向へ復元しやすくなる。
【0031】
図2は本発明の第2の実施の形態の清掃用物品10Aを示す部分斜視図である。
【0032】
この実施の形態では、図1に示す実施の形態と同様に、基材シート11の片面に繊維層12が設けられ、各繊維層12は繊維の主に延びる方向がY方向である。前記基材シート11と繊維層12は、Y方向に一定の間隔Pを開けて且つX方向へ互いに平行に延びる接合部13,13,…により固定されている。接合部13では、基材シート11と繊維層12とが、繊維層12の延びる方向と逆向きに折り込まれて折り込み部14が形成されており、この折り込み部14で、基材シート11と繊維層12とが熱溶着などの手段で固定されている。
【0033】
図2に示すものでは、各繊維層12が各接合部13から主に図示左方向へ延びており、接合部12から自由端12dまでの部分の繊維層12で刷毛部12Dが形成されている。そしてこの刷毛部12Dを形成する繊維層12の基端部が前記折り込み部14内に埋没されているため、自由端12dが基材シート11から離れるように、前記刷毛部12Dが立ち上がりやすい構造となっている。
【0034】
この実施の形態では、隣り合う接合部13と接合部13との間の領域において、一方の接合部13からのみ刷毛部12Dが延びているが、接合部13で繊維層12が基材シート11に止められるときに、前記繊維層12の基端部が接合部13から図示右方向へ若干はみ出ることがある。この場合、はみ出し部分の繊維層12の自由端12eと接合部13との間の繊維長さL0が2mm以下あるいは1mm以下程度であれば、接合部13から自由端12eまでの部分は実質的に刷毛部としての機能を発揮しない。よって実質的に刷毛部を形成する繊維層は溶着部13から1層のみ突出している。
【0035】
基材シート11は、例えばスパンボンド法によって形成された不織布、樹脂フィルム、合成繊維を含んだ布等、使用に耐えうる強度をもつものであればどのようなものも使用することができる。例えば、強度が高い点において、基材シート11は、芯がポリエチレンテレフタレート鞘がポリエチレンからなる複合繊維でできたスパンボンド不織布などが使用可能である。また後に説明する図4の工程で清掃用物品10Bを製造する際には、前記基材シート11として少なくともY方向へ弾性伸縮性を有しているものを使用することが可能である。弾性伸縮性を有する基材シートは、捲縮繊維、または弾性伸縮性繊維で形成された不織布、または前記弾性伸縮性繊維を含む不織布、またはゴムシートなどである。
【0036】
繊維層12は、例えばトウから開繊された長繊維層(長繊維束)が使用される。長繊維層は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、レーヨンなどから製造される。この中でも、芯がポリエステル、鞘がポリエチレンの複合繊維を用いることが好ましい。その他、▲1▼芯がポリエチレンテレフタレート、鞘がポリエチレンの複合繊維、▲2▼芯と鞘がポリエチレンテレフタレートの複合繊維、▲3▼芯がポリエチレンテレフタレート鞘がポリプロピレンの複合繊維、▲4▼芯と鞘がポリプロピレンの複合繊維、▲5▼芯がポリプロピレン鞘がポリエチレンの複合繊維などが使用可能である。また、長繊維のデニールは1〜50dtexが好ましく、更に好ましくは2〜10dtexである。また、長繊維は必要に応じて捲縮させたものを使用することができる。また繊維層12が異なるデニールの繊維を含むものでもよい。この場合、基材シート11側に大きいデニールの繊維層を設け、その上に小さいデニールの繊維層を重ねてもよく、あるいはその逆であってもよい。
【0037】
また、前記繊維層12として、フィルムをテープ状にスリットし、延伸させたフラットヤーンや、スプリットヤーンと称される熱可塑性フィルムを樹脂の配向方向と直交する方向にかきわけて、繊維状となったフィルムが網目状に接合されているものを使用してもよい。その他、羊毛や毛糸等のように天然繊維を用いても良い。
【0038】
以上のべた繊維のうち、捲縮繊維が好ましい。捲縮繊維としては、予め捲縮している羊毛や、繊維形成後に捲縮処理を施すことによって形成された繊維である。捲縮繊維を用いると、繊維層が嵩高くなり、さらに捲縮部分に塵や埃を取り込み易い構造となる。特に、トウ繊維から形成された捲縮繊維が好ましい。
【0039】
また前記繊維層12の代わりに短冊状シートの束を使用することができる。この短冊状シートは、不織布やフィルム等のシート状のものを、幅寸法が極めて短い短冊状(例えば長方形)にし、その短冊状のシートを束にしたものである。
【0040】
基材シート11及び繊維層12または短冊状シートの層は、熱可塑性樹脂(熱融着性繊維)を含有することが好ましい。この場合、前記のように接合部13の折り込み部14おいてF方向から加熱板や超音波溶着手段のアンビルとホーンを押し付けることで、折り込み部14で熱溶着することができる。ただし、前記接合部13の折り込み部において、基材シート11と繊維層12または短冊状シートの層を接着剤を用いて接着してもよいし、あるいは縫合してもよい。前記接合部13の間隔Pは5〜50mmであることが好ましい。
【0041】
なお、前記接合部13と接合部13との間の一部において、前記接合部13と接合部13との間を渡る繊維層が設けられていてもよい。この場合、前記刷毛部を形成する繊維層で細かなゴミを捕捉でき、接合部13と接合部13を渡っている繊維層と基材シート11との間に形成されるポケットで、比較的大きなゴミを捕捉することが可能である。この場合、X方向へ向けて、前記刷毛部と、前記ポケットを形成する繊維層が交互に配置されていることが好ましい。
【0042】
また前記清掃用物品10、10Aの繊維層12に、パラフィン等の鉱物油、ポリオレフィン等の合成油、シリコーン油などの油剤、埃の吸着剤、界面活性剤などを塗布することが可能であり、また消臭剤、保湿剤、抗菌剤等の物質を含有させることができる。
【0043】
図3は本発明の清掃用物品の製造方法の実施の形態を示している。図3では、図1に示す清掃用物品10を製造する工程を一例として示している。
【0044】
この製造方法では、図3(A)の工程において、非伸縮性の基材シート11の上に長繊維層12Yまたは短冊状シートの層を、繊維がY方向へ延びるように設置する。そして、前記Y方向へ一定の間隔で配置された加圧ブレード21,21,…を用いて、長繊維層12Yおよび基材シート11を上方からH方向へ加圧し、長繊維層12Yと基材シート11を、長繊維層12Yが配置された側と逆向きに押込んで折り込み部14,14,…を形成する。
【0045】
そして前記各折り込み部14に対し両側から加熱板または超音波溶着手段のアンビルとホーンをF方向へ加圧して、折り込み部14において、基材シート11と長繊維層12Yを一緒に溶着して固定する。なお前記折り込み部14を形成するに際し、長繊維層12Yの上方からくさび状の牡型を押し付け、基材シート11の下側ではV字状などの溝を有する雌型を配置し、前記牡型と雌型で前記基材シート11と長繊維層12Yを挟み込み、このとき牡型と雌型とを加熱することで、断面がV字状の折り込み部を形成し、この折り込み部内で基材シート11と長繊維層12Yとを一体に熱溶着してもよい。
【0046】
そして、隣り合う接合部13と接合部13との中点において、切断線C1により長繊維層12Yを切断する。その結果、接合部13から一方の側に延びる繊維層12により刷毛部12Aが形成され、接合部13から他方の側に延びる繊維層12により刷毛部12Bが形成される。ここで、前記刷毛部12Aと12Bを形成する繊維層12の基端が接合部13において折り込み部14内に埋没しているため、また前記接合部13と接合部13との間で、基材シート11が上方へ凸状となるように湾曲しやすくなるため、前記刷毛部12A,12Bを形成する繊維層12は、前記接合部13を基端として自由端12a,12bが基材シート11から立ち上がりやすくなる。
【0047】
なお、図3(B)では、隣り合う接合部13と接合部13の中点で長繊維層12Yを切断しているが、前記中点からY方向のいずれかの方向へずらした位置で前記切断線C1により長繊維層12Yを切断してもよい。
【0048】
また、図3(B)において破線矢印で示すように、一方の接合部13にきわめて近い位置の切断線C1aで長繊維層12Yを切断すると、図2に示すように、一つの接合部13から延びる繊維層12で実質的に1層の刷毛部12D(繊維長さL)が形成された清掃用物品10Aを得ることができる。
【0049】
また、前記工程に加えて、図4に示す製造工程を付加してもよい。図4(A)は図3(C)により製造された清掃用物品10を示している。
【0050】
この清掃用物品10に対して、図4(B)に示すように、隣り合う接合部13と接合部13との間で、基材シート11を上方からブレードで押込み、且つ左右両側から加圧して熱溶着することにより中間折り込み部15を形成する。なお、前記中間折り込み部15ではシート間を接着剤で接着してもよいしあるいは縫合してもよい。
【0051】
前記中間折り込み部15を形成することで、隣り合う接合部13と接合部13の間隔Pを縮めることができる。よって、基材シート11の表面での繊維層12の平均密度を高くでき、刷毛部12Aと刷毛部12Bを形成する繊維層12によるゴミの補集効果を高めることができる。
【0052】
ここで、図4(B)において、接合部13から延びる一方の刷毛部12Aの基材シート11の表面から自由端12aまでの繊維長L1、および他方の刷毛部12Bの基材シート11の表面から自由端12bまでの繊維長L2と、接合部13の間隔Pとの関係とを、P<L1+L2とすると、刷毛部12Aと刷毛部12Bが仮に基材シート11側へ倒れても、刷毛部12Aと刷毛部12bとの間に基材シート11が直接露出することがなくなる。よって基材シート11により床面などが擦られる確率を低くでき、清掃時の拭き取り抵抗を低減でき、拭き取り感触が良好になる。
【0053】
なお、基材シート11として少なくともY方向へ弾性伸縮性を有するものを用い、図3(A)の工程において、予め基材シート11をY方向へ伸長させて保持し、この状態で図3(B)に示す折り込み部14を形成しておく。そして、溶着部13が形成された後に前記伸長力を解除して、基材シート11を自らの弾性収縮力により収縮させると、図4(B)と同様にして、隣り合う接合部13と接合部13の間隔Pを縮めることができ、前記P<L1+L2の関係を有する清掃用物品を製造することができる。
【0054】
また、図3(B)において、一方の接合部13にきわめて接近した位置で長繊維12Yを切断線C1aで切断してから、図4(B)の工程を付加し、あるいは前記のように弾性伸縮性の基材シート11を用いて、接合部13と接合部13の間隔Pを縮めるようにすると、図2に示す清掃用物品10Aにおいて、実質的に1層の刷毛部12Dを形成する繊維層12の、基材シート11の表面から自由端12dまでの繊維の長さLと、接合部13の間隔Pとの関係を、P<Lにできる。これにより、図4(B)と同様に、基材シート11上での繊維層12の密度を高くでき、また基材シート11が直接に露出する確率を低くできる。
【0055】
なお、前記間隔Pに対して繊維長の合計L1+L2、または繊維長Lは、1.1倍以上であり、好ましくは1.3倍以上、さらに好ましくは1.5倍以上である。
【0056】
前記図3から図4に示した製造方法では、Y方向に連続して延びる基材シート11上に繊維層を接合した連続シートを形成することができる。この連続シートを形成した後に、Y方向への所定寸法となるように切断することで、個々の清掃用物品10または10A、または10Bを得ることができる。
【0057】
なお、前記繊維層12を接合した後に、繊維層を毛羽立たせる工程を設けて、各刷毛部において繊維層の自由端がさらに基材シート11から持ち上がるようにしてもよい。
【0058】
なお、前記各実施の形態では、基材シート11の一方の面にのみ繊維層が形成されているが、基材シート11の表裏両面に繊維層が形成されていてもよい。この場合、図3(A)(B)の工程では、基材シート11の表裏両面に長繊維層を設け、上下互い違いとなるように前記折り込み部14を形成すればよい。
【0059】
なお、前記清掃用物品10および10A、10Bは、清掃用モップに取付けて使用しても良いし、手で保持して拭き取り作業を行ってもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明の清掃用物品は、基材シート上から繊維層が立ち上がりやすくなり、立ち上がった刷毛部によりゴミを捕捉しやすくなる。また刷毛部を形成する繊維層が基材シート側へ倒れにくくなる。また、基材シート上での繊維層の平均密度を高くすることが可能である。また、刷毛部が基材シートの表面から外側に向って起毛した状態を維持できるため、表面に凹凸がある面のゴミも捕集できる。また、パン屑のように比較的大きなゴミであっても捕集できる。
【0061】
また本発明の清掃用物品の製造方法は、基材シートから繊維層が立ち上がる清掃用物品を簡単な工程で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の清掃用物品の部分斜視図、
【図2】本発明の第2の実施の形態の清掃用物品の部分斜視図、
【図3】(A)(B)(C)(D)は本発明の実施の形態の清掃用物品の製造方法を工程別に示す断面図、
【図4】(A)(B)は、さらに好ましい製造工程を示す断面図、
【図5】従来の清掃用物品を示す断面図、
【符号の説明】
10,10A,10B 清掃用物品
11 基材シート
12 繊維層
12A,12B,12D 刷毛部
12a,12b,12d,12e 自由端
12Y 長繊維層
13 接合部
14 折り込み部
15 中間折り込み部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a cleaning article and a method for manufacturing the same. More specifically, the present invention relates to a cleaning article in which a fiber layer extending from a base sheet is easily raised from a joining portion, and a brush portion having a high ability to capture dust and the like is formed by the fiber layer, and a manufacturing method thereof.
[0002]
[Prior art]
2. Description of the Related Art Conventionally, some cleaning articles that are used by being attached to a cleaning mop or the like, or cleaning articles that are used while being held by hand, can be disposable after use.
[0003]
FIG. 5 shows a cross-sectional view of a disposable cleaning article in which a brush portion made of a fiber layer is formed on the surface of a base sheet. This type of cleaning article is disclosed, for example, in JP-A-9-149873.
[0004]
In the cleaning article, a
[0005]
In this method for manufacturing an article for cleaning, a long fiber layer opened from a tow is placed on a
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In the conventional cleaning article shown in FIG. 5, since the
[0007]
The cleaning article shown in FIG. 5 is manufactured by joining the long fiber layer to the
[0008]
The present invention solves the above-described conventional problems, and the free end of the fiber layer is easily raised from the base sheet, so that the fiber layer can function as a brush portion having a high dust collecting effect. It is an object of the present invention to provide an article and a manufacturing method thereof.
[0009]
Another object of the present invention is to provide a cleaning article and a method for manufacturing the same, which can increase the average density of the fiber layer on the surface of the base sheet.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
The present invention provides a cleaning article provided with a base sheet and a fiber layer bonded to the base sheet on one or both sides of the base sheet.
Wherein the junction between the substrate sheet and the fibrous layer, the reverse a portion of the base sheet and the fiber layer is folded together the fiber layer is directed Ke to the side opposite the side which is located folding portion protruding to the side is formed, the are and the base sheet which is folded in the folding portion and the fibrous layer is joined together, the fiber layer, its free end the joint as a base end It extends in a direction away from the base sheet.
[0011]
In the present invention, since the base end portion of the fiber layer is buried in the folded portion at the joint portion, the free end of the fiber layer is likely to rise in a direction away from the base sheet. Therefore, even if the pressure at the time of cleaning is given, the fiber layer is easily restored in the rising direction, and the dust collecting effect can be enhanced by the brush portion in the rising state.
[0012]
Further, the base sheet is folded between the joints to form an intermediate fold, and the intermediate fold narrows the gap between the joint and the joint. It can be. Alternatively, the base sheet may have elastic elasticity, and the distance between the joint portion and the joint portion may be narrowed by contraction of the base sheet.
[0013]
If comprised in this way, the average density of the said fiber layer in a base material sheet surface will become high, and the collection effect of the dust by a fiber layer can be made high.
[0014]
In the cleaning article of the present invention, for example, two fiber layers extend from the joint, and the free ends of the two fiber layers are directed in opposite directions. Alternatively, substantially one fiber layer extends from the joint.
[0015]
Furthermore, the length from the base sheet surface of one fiber layer to the free end of the two fiber layers extending from the joint to the left and right respectively is L1, and the free end from the base sheet surface of the other fiber layer It is preferable that P <L1 + L2 where L2 is a length up to and L is an interval between adjacent joints.
[0016]
Alternatively, it is preferable that P <L, where L is the length from the base sheet surface to the free end of one fiber layer extending from the joint, and P is the distance between the adjacent joints. .
[0017]
When configured as described above, not only the average density of the fiber layer on the surface of the base sheet can be increased, but also the base sheet is not exposed between the fiber layers, and the base sheet is slid directly on the floor or the like. It is possible to prevent the dynamic friction from increasing.
[0018]
For example, the fiber layer is formed of crimped fibers. Or it is formed with the fiber opened from tow. Alternatively, the fiber layer may be formed of a flat yarn. Furthermore, the fiber layer may be formed of split yarn. Or it is also possible to use the layer of the strip-shaped sheet cut | disconnected in the strip shape from the resin sheet or the nonwoven fabric instead of the said fiber layer.
[0019]
The cleaning article of the present invention is characterized by including at least the following steps.
[0020]
(A) A step of superimposing a long fiber layer aligned in one direction on a base sheet,
(B) The base material sheet and the long fiber layer are folded in the direction opposite to the side on which the long fiber layer is stacked, with a gap in the fiber extending direction of the long fiber layer, and the folded base material. A step of joining the sheet and the long fiber layer to form a joint,
(C) The process of cutting the said long fiber layer in the middle of the said adjacent junction part, and forming the fiber layer which extends in the direction in which a free end leaves | separates from a base material sheet by using each junction part as a base end.
[0021]
Moreover, it can have the process of shortening the space | interval of an adjacent junction part before or after the process of said (c).
[0022]
By adding this step, the average density of the fiber layer on the substrate sheet surface can be increased.
[0023]
For example, the space | interval between the said junction parts can be shortened by folding the base material sheet between adjacent junction parts, and forming an intermediate folding part. Alternatively, as the base sheet, a material having elasticity in the fiber extending direction of the long fiber layer is used, and in the step (a), the base sheet is extended in the fiber extending direction, The space | interval between the said junction parts can also be shortened by forming the junction part of the said (b) process and shrinking a base material sheet after that.
[0024]
In this production method, a crimped fiber layer can be used as the long fiber layer, or a long fiber layer opened from tow can be used as the long fiber layer. In addition, a flat yarn layer can be used as the long fiber layer, or a split yarn layer can be used as the long fiber layer. Or the layer of the strip-shaped sheet cut | disconnected from the resin sheet or the nonwoven fabric into the strip shape can also be used instead of the said long fiber layer.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described below with reference to the drawings.
[0026]
FIG. 1 is a partial perspective view showing a
The cleaning
[0027]
The
[0028]
The
[0029]
As shown in FIGS. 1 and 3C, the
[0030]
Therefore, when the
[0031]
FIG. 2 is a partial perspective view showing the
[0032]
In this embodiment, similarly to the embodiment shown in FIG. 1, the
[0033]
In FIG. 2, each
[0034]
In this embodiment, the
[0035]
Any material can be used as the
[0036]
As the
[0037]
Further, as the
[0038]
Of the above solid fibers, crimped fibers are preferred. The crimped fiber is a wool that has been crimped in advance or a fiber that has been formed by applying a crimping treatment after the fiber is formed. When crimped fibers are used, the fiber layer becomes bulky, and further, a structure in which dust or dust can be easily taken into the crimped portions. In particular, crimped fibers formed from tow fibers are preferred.
[0039]
A bundle of strip-like sheets can be used in place of the
[0040]
It is preferable that the
[0041]
Note that a fiber layer that extends between the
[0042]
Moreover, it is possible to apply mineral oil such as paraffin, synthetic oil such as polyolefin, oil agent such as silicone oil, dust adsorbent, surfactant, etc. to the
[0043]
FIG. 3 shows an embodiment of the method for manufacturing a cleaning article according to the present invention. In FIG. 3, the process of manufacturing the
[0044]
In this manufacturing method, in the step of FIG. 3A, a
[0045]
Then, an anvil and a horn of a heating plate or ultrasonic welding means are pressed in the F direction from both sides to each
[0046]
And the
[0047]
In FIG. 3B, the
[0048]
3B, when the
[0049]
In addition to the above steps, a manufacturing process shown in FIG. 4 may be added. FIG. 4A shows the
[0050]
As shown in FIG. 4B, the
[0051]
By forming the
[0052]
Here, in FIG. 4B, the fiber length L1 from the surface of the
[0053]
In addition, the thing which has elastic elasticity in the Y direction at least as the
[0054]
Further, in FIG. 3B, the
[0055]
The total fiber length L1 + L2 or the fiber length L with respect to the interval P is 1.1 times or more, preferably 1.3 times or more, and more preferably 1.5 times or more.
[0056]
In the manufacturing method shown in FIGS. 3 to 4, a continuous sheet in which the fiber layers are bonded onto the
[0057]
In addition, after joining the said
[0058]
In each of the above embodiments, the fiber layer is formed only on one surface of the
[0059]
The cleaning
[0060]
【The invention's effect】
As described above, in the cleaning article of the present invention, the fiber layer easily rises from the base sheet, and dust is easily captured by the raised brush portion. In addition, the fiber layer forming the brush portion is unlikely to fall to the base sheet side. Moreover, it is possible to increase the average density of the fiber layer on the base sheet. Moreover, since the brush part can maintain the state raised toward the outside from the surface of the base sheet, it is possible to collect dust on the surface having irregularities on the surface. In addition, even relatively large garbage such as bread crumbs can be collected.
[0061]
Moreover, the manufacturing method of the cleaning article of the present invention can manufacture the cleaning article in which the fiber layer rises from the base sheet in a simple process.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial perspective view of a cleaning article according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a partial perspective view of a cleaning article according to a second embodiment of the present invention.
3 (A), (B), (C), and (D) are cross-sectional views showing a method for manufacturing a cleaning article according to an embodiment of the present invention, by process,
4A and 4B are cross-sectional views showing a more preferable manufacturing process;
FIG. 5 is a cross-sectional view showing a conventional cleaning article;
[Explanation of symbols]
10, 10A,
Claims (21)
前記基材シートと前記繊維層との接合部では、前記基材シートと前記繊維層の一部とが一緒に前記繊維層が配置されている側と逆側へ向けて折り込まれて前記逆側へ突出する折り込み部が形成され、前記折り込み部において折り込まれた前記基材シートと前記繊維層とが一緒に接合されており、前記繊維層が、前記接合部を基端としてその自由端が前記基材シートから離れる方向へ延びていることを特徴とする清掃用物品。In a cleaning article provided with a base sheet and a fiber layer bonded to the base sheet on one or both sides of the base sheet,
Wherein the junction between the substrate sheet and the fibrous layer, the reverse a portion of the base sheet and the fiber layer is folded together the fiber layer is directed Ke to the side opposite the side which is located folding portion protruding to the side is formed, the are and the base sheet which is folded in the folding portion and the fibrous layer is joined together, the fiber layer, its free end the joint as a base end An article for cleaning characterized by extending in a direction away from the base sheet.
(a)基材シートに、一方向に揃えられた長繊維層を重ねる工程、
(b)前記長繊維層の繊維の延びる方向へ間隔を開けて、前記基材シートおよび前記長繊維層とを、前記長繊維層が重ねられた側と逆向きに折り込んで、折り込んだ基材シートと長繊維層とを接合して接合部を形成する工程、
(c)隣り合う前記接合部の中間で前記長繊維層を切断して、各接合部を基端として自由端が基材シートから離れる方向へ延びる繊維層を形成する工程。The manufacturing method of the article | item for cleaning characterized by including the following process at least.
(A) A step of superimposing a long fiber layer aligned in one direction on a base sheet,
(B) The base material sheet and the long fiber layer are folded in the direction opposite to the side on which the long fiber layers are stacked, with an interval in the fiber extending direction of the long fiber layer. A step of joining the sheet and the long fiber layer to form a joint,
(C) The process of cutting the said long fiber layer in the middle of the said adjacent junction part, and forming the fiber layer which extends in the direction in which a free end leaves | separates from a base material sheet by using each junction part as a base end.
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