JP3617868B2 - ノード装置及び網リソース予約方法 - Google Patents
ノード装置及び網リソース予約方法 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(非同期転送モード)通信網を用いてIP(Internet Protocol )データグラムのようなデータパケットを送受信するノード装置及び網リソース予約方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットを用いた通信を行う場合、送信者が送信したデータは、IP(Internet Protocol )レベルにおいて定義されるIPデータグラムと呼ばれるデータパケットに変換して、受信者宛に配送される。
【0003】
従来においては、IPが定義するデータパケットの配送サービスは、信頼性のない、Best−Effort な(最善努力式の)システムである。つまり、データパケットの配送に関してはいかなる保証もないが(消失されるかもしれないが、いかなる対策も行なわない)、IPはデータパケットの配送を熱心に試みるという配送システムである。すなわち、従来のIPレベルのデータパケットの配送に対しては、いかなる品質の保証もされることはなかった。
【0004】
これに対して、近年、IETF(Internet Engineering Task Force )では、前記のIPレベルのデータパケットの配送に対する品質を提供するという議論が行われている。その結果、Guaranteedサービス(Shenker 、他:”Specification of Guaranteed Quality of Service”、INTERNET−DRAFT、draft−ietf−intserv−guaranteed−svc−03.txt)、Predictiveサービス(Shenker 、他:”Specification of Predictive Quality of Service”、INTERNET−DRAFT、draft−ietf−intserv−predictive−svc−01.txt)、Controlled Delayサービス(Shenker 、他:”Specification of Controlled Delay Quality of Service”、INTERNET−DRAFT、draft−ietf−intserv−control−del−svc−02.txt )といった、データパケットの配送に対する品質を規定した新規サービスが提案されている。
【0005】
以下に、上記した各種サービスについて概説する。
(1)Guaranteedサービス(Guaranteed Quality of Service )
データパケットの配送が、一定の時間内に確実に行われることを保証するサービスである。サービス品質として、転送速度値が要求される。
(2)Predictiveサービス(Predictive Quality of Service )
データパケットの配送が、高確率で一定の時間内に行われることを保証するサービス(言い換えると、一定の時間内にほとんどのデータパケットを相手先に配送することを保証するサービス)である。サービス品質として、サービスレベル(1,2,3)が要求され、サービスレベルが小さいほど、相対的な遅延が少なくなる。また、各通信ノードにおいて、各々のサービスレベルに対する転送所要時間の上限値を設定する。
(3)Controlled Delayサービス(Controlled Delay Quality of Service )
サービス品質としてサービスレベルが要求されるが、転送所要時間の上限値が設定されないサービスである。データパケット配送遅延が動的に変化するが、従来のBest−Effort サービスよりは少ない時間での配送が可能である。
(4)Best Effortサービス
いかなる品質の保証も行わないサービスであり、サービス品質の要求は行われない。
【0006】
一方、前記サービスを提供するために必要となるリソース予約プロトコル(Braden、他:”Resource ReSerVation Protocol(RSVP)−Version 1 Functional Specification” 、INTERNET−DRAFT、draft−ietf−rsvp−spec−08.txt )が提案されている。このリソース予約プロトコルの特徴は、受信ユーザ端末の要求に基づいたリソース予約を行うという点にある。受信ユーザ端末は、送信ユーザ端末宛にResvメッセージと呼ばれる予約メッセージを送信することにより、該Resvメッセージ内に記されている受信サービス品質の予約を試みるというものである。そして、該送信ユーザ端末から受信ユーザ端末宛に送出されるデータパケットを中継するデータパケット通信ノード(ルータ装置)では、Resvメッセージを受信すると、該Resvメッセージ内の受信サービス品質を提供するために必要なリソース予約が受付可能であるか否かを判断し、可能であれば、該予約要求を受け入れ、さらに本Resvメッセージをデータパケットの送信ユーザ端末宛に送出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
固定長のデータパケットであるセルを単位として交換・転送を行うATM(非同期転送モード;Asynchronous Transfer Mode) 通信網上に設定される仮想コネクションを用いてIPレベルのデータパケット転送を行う場合、従来においては、IPレベルのデータパケットの転送に対するサービル品質の保証、網リソースの予約必要はなかったため、データパケット配送時にIPレベルの品質を考慮しない、仮想コネクションへのデータパケット収容方式のみが検討されており、上記に示したパケットレベルでの要求サービス品質を提供することを考慮した仮想コネクションの設定方式等については検討されていない。
【0008】
また、ATM通信網を用いたデータパケット転送を行う場合、サービス品質の変更を要求するメッセージ(例えばRSVPにおける受信ユーザ端末より送信ユーザ端末宛に送出されるResvメッセージ)を受信した場合、該メッセージに相当するデータパケットを収容する仮想コネクションの属性(サービスカテゴリ、確保リソース量、等)の変更を行う必要があり、それに伴い、新たに要求されたサービス品質の提供が可能となるように仮想コネクションの張り直しが行われる場合がある。それにより、新たに仮想コネクションが設定されるまではデータパケットの転送を行うことは不可能であるため、パケット転送遅延の増加という悪影響が生じてしまう。
【0009】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、ATM通信網を介してIPレベルのデータパケットの配送を行う際に、IPレベルの要求サービス品質の提供が可能であり、また、要求サービス品質の変更時にも即座にデータパケットの転送の開始が可能となるようなノード装置及び網リソース予約方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、データパケット又はメッセージから変換されたATMセルを受信し、受信されたATMセルから生成されたデータパケットをATMセルに変換し、変換されたATMセルを仮想コネクション(Virtual Channel / Path Connection)に送信するための転送手段と、データパケット(インターネットパケット、IPデータグラム)を送信又は受信する他のノード装置(端末もしくはルータ)より送信された、サービス品質の予約を要求するメッセージが前記転送手段により受信された場合に、該メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて求められた必要リソース量の確保が可能か否かを判断する判断手段とを備え、前記転送手段は、前記判断手段により前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記データパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始することを特徴とする。
好ましくは、前記仮想コネクションは、コネクションの張り直しを行わずに確保するリソース量の変更が可能である仮想コネクションであるようにしてもよい。
好ましくは、前記コネクションの張り直しを行わずに確保するリソース量の変更が可能である仮想コネクションの設定は、リソース量の確保に先立って行うようにしてもよい。
好ましくは、前記仮想コネクションは、ABT/ITに従う仮想コネクションであるようにしてもよい。
好ましくは、前記転送手段は、前記仮想コネクションにおいて前記必要リソース量を確保するために資源管理セル(例えばABTサービスにおけるRMセル)に確保したいリソース量を書き込んで前記仮想コネクション上に送出した後に、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始するようにしてもよい。
好ましくは、前記転送手段は、前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、旧要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を再開するようにしてもよい。
好ましくは、前記転送手段は、前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、データパケットの送信を、いかなる品質をも保証することなく再開するようにしてもよい。
好ましくは、前記資源管理セルに確保したいリソース量を書き込んで送出する仮想コネクションは、前記データパケットの転送経路において自ノード装置から次段のノード装置に向けて設定された、自ノード装置がATMセルを送信する仮想コネクションであるようにしてもよい。
好ましくは、前記判断手段は、自ノード装置内にデータパケットレベルにおいて割り当てたリソースの情報および残余リソースの情報を保持しておき、サービス品質の変更要求時には、IPレベルのリソース情報をもとに、前記サービス品質を満足させるのに必要なATMレベルのリソース量の確保が可能か否かを判断することによって、前記必要リソース量の確保が可能か否かの判断を行うようにしてもよい。
好ましくは、前記必要リソース量は、前記メッセージ内に記されている要求サービス品質を満足させるサービス品質を、前記受信ユーザ端末宛に転送されるデータパケットに対して提供するために必要なリソース量であるようにしてもよい。
好ましくは、前記仮想コネクションにより提供されるサービスにおいて変更されることが可能なリソース量は、前記仮想コネクションにおける帯域量または前記仮想コネクションを介したセル転送におけるセル転送レートであるようにしてもよい。
好ましくは、前記必要リソース量の確保が行われた旨のメッセージは、ABTサービスにおけるRMセルであってそのCIビットが前記必要リソース量の確保が行われたことを示すものであるようにしてもよい。
好ましくは、前記サービス品質の予約を要求するメッセージは、RSVPのResvメッセージまたはPathメッセージであるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明は、データパケット又はメッセージから変換されたATMセルを受信し、受信されたATMセルから生成されたデータパケットをATMセルに変換し、変換されたATMセルを仮想コネクションに送信するノード装置における網リソース予約方法において、データパケットを送信又は受信するユーザ端末よりサービス品質の予約を要求するメッセージを受信し、受信された前記メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて必要リソース量を求め、求められた前記必要リソース量の確保が可能であるか否かを判断し、前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記データパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保を要求し、この確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始することを特徴とする。
好ましくは、前記仮想コネクションは、コネクションの張り直しを行わずに確保するリソース量の変更が可能である仮想コネクションであるようにしてもよい。
好ましくは、前記リソース量の確保の要求は、資源管理セルに確保したいリソース量を書き込んで前記仮想コネクション上に送出することによって行うようにしてもよい。
好ましくは、前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、旧要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を再開するようにしてもよい。
好ましくは、前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、データパケットの送信を、いかなる品質をも保証することなく再開するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明に係るノード装置は、第1のパケットを受信し、この第1のパケットを所定の第2のパケットに変換し、変換された第2のパケットを仮想コネクションに送信するための転送手段と、第1のパケットを送信又は受信する他のノード装置より送信された、サービス品質の予約を要求するメッセージが前記転送手段により受信された場合に、該メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて求められた必要リソース量の確保が可能か否かを判断する判断手段とを備え、前記転送手段は、前記判断手段により前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記第1のパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従った第1のパケットの送信を開始することを特徴とする。
また、本発明は、第1のパケットを受信し、この第1のパケットを所定の第2のパケットに変換し、変換された第2のパケットを仮想コネクションに送信するノード装置における網リソース予約方法において、第1のパケットを送信又は受信するユーザ端末よりサービス品質の予約を要求するメッセージを受信し、受信された前記メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて必要リソース量を求め、求められた前記必要リソース量の確保が可能であるか否かを判断し、前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記第1のパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保を要求し、この確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従った第1のパケットの送信を開始することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
まず、本実施形態の基本構成や概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るデータパケット通信網の基本構成の一例である。本データパケット通信網は、データパケットを送受信するデータパケット通信ノード121〜123において、データパケットを転送する際に、該データパケットをセルと呼ばれる固定長のデータ単位に分割、変換し、ATM通信網133,134上に設定される仮想コネクション151,152を用いて該セルを隣接するデータパケット通信ノードへ転送することにより、データパケットの転送を実現するものである。ここで、仮想コネクションとは、ATM通信網133,134内のノード間においてATM交換機131,132などにより設定されるものであり、仮想パスコネクション(Virtual Path Connection )、仮想チャネルコネクション(Virtual Channel Connection)が該当する。
【0020】
本データパケット通信網を利用するユーザ端末111,112では、発信するデータを、IP(Internet Protocol )レベルにおいて定義されるIPデータグラムと呼ばれるデータパケットに変換し、これを通信網上に送出する。
【0021】
以下では、IPデータグラムと呼ばれるデータパケットをIPパケットと呼ぶ。また、IPパケットの内容がデータであるものを明示的に示す場合、IPデータパケットという語句を使用する。
【0022】
なお、ユーザ端末111,112間の通信がIPレベルより上位のプロトコル(例えばTCP(Transmission Cotrol Protocol))に従って行われる場合も考えられるが、そのような場合は、端末111,112内にてIPパケットに変換してから通信網上へ送出する方法、または端末111,112に最も近いデータパケット通信ノード121,123において、IPレベルより上位のプロトコル規定に従い到着したデータパケットをIPパケットに変換する方法が考えられる。そのような場合、本実施形態では、前者の方法をとるものとする。
【0023】
ユーザ端末111とデータパケット通信ノード121との間、およびユーザ端末112とデータパケット通信ノード123との間は、(1)直結すること、(2)ATM網により接続すること、(3)イーサネットなど他のネットワークにより接続すること、が可能である。本実施形態では直結するものとして説明する。
【0024】
本実施形態では、ユーザ端末間でIPパケットの転送を行うにあたって、ユーザ端末111をIPパケットの送信端末とし、ユーザ端末112をIPパケットの受信端末として説明する。
【0025】
本データパケット通信網では、IPパケットに対するサービスとして、前述したようなGuaranteedサービス、Predictiveサービス、Best Effortサービスを提供するものとする。なお、Controlled Delayサービスは、本通信網内においてはPredictiveサービスとして取り扱うものとする。各サービスの概要は前述した通りである。
(1)Guaranteedサービス
IPデータパケットの配送が、一定の時間内に確実に行われることを保証するサービス。サービス品質として、転送速度値が要求される。
(2)Predictivサービス
IPデータパケットの配送が、高確率で一定の時間内に行われることを保証するサービス。サービス品質として、サービスレベル(1,2,3)が要求され、サービスレベルが小さいほど、相対的な遅延が少なくなる。また、各データパケット通信ノードにおいて、各々のサービスレベルに対する転送所要時間の上限値を設定する。
(3)Best Effortサービス
いかなる品質の保証も行わないサービス。サービス品質の要求は行われない。
【0026】
なお、Controlled Delayサービスは、サービス品質としてサービスレベルが要求されるが、転送所要時間の上限値が設定されないサービスであり、本実施形態における通信網では、同一のサービスレベルを要求するPredictiveサービスとして扱う。
【0027】
本データパケット通信ノードでは、図2あるいは図3に示すように、IPデータパケットの仮想コネクション上への収容を行う。
各図中で、200はパケットを保持するバッファ部であり、202は割り当てられたリソース量に応じたタイミングでバッファ部内のパケットを抽出し次段に転送する転送処理部を表す。また、204はATMセルを保持するバッファ部であり、206はバッファ部内のATMセルを抽出し仮想コネクションに転送する転送処理部を表す。なお、IPレベルのパケットをATMセルに変換する機能は省略してある。
【0028】
Guaranteedサービスに対しては、図2に示すように、IPレベルにおいて、各データパケットフローg1〜gn毎に、該パケットが要求する転送速度値を満足させるリソース量Rg1〜Rgnを各々割り当て、各フロー毎に該フローに属するIPデータパケットを収容する仮想コネクション(VC)が設定される形態をとる。もしくは、図3に示すように、全フローが同一の仮想コネクション上に収容される形態をとる。
【0029】
PredictiveサービスおよびBest Effortサービスに対しては、IPレベルにおいて、Predictiveサービスの各サービスレベルに対し、該レベル間の相対的な遅延の大小関係とレベル毎に設定された転送所要時間の上限値を満足させるようなリソース量R1〜R3を各々割り当て、Best Effortサービスに対し、データパケット通信ノードにおいて保持する全リソース量のうち、Guaranteedサービス、Predictiveサービスに対して割り当てたリソース量を差し引いたリソース量(以下、これを残余リソース量と呼ぶ)を越えない範囲で任意の値Rbを割り当て、PredictiveサービスおよびBest Effortサービスを要求する全フローが同一の仮想コネクション上に収容される形態をとる。
【0030】
仮想コネクションにて確保すべき帯域量は、該コネクション上に収容される各データパケットフローに対して割り当てられているIPレベルのリソース量の総和を元にして算出されるものとする。
【0031】
なお、Predictiveサービスに対しても、各レベル毎に仮想コネクションを1本ずつ対応させる方式、あるいは各フロー毎に仮想コネクションを1本ずつ対応させる方式等が考えられる。
【0032】
本データパケット通信網においては、上記に示したIPレベルのリソース量の確保は、IETF(Internet Engineering Task Force )にて提案されているRSVP(Resource ReSerVation Protocol )と呼ばれるリソース予約プロトコルに従い行う。RSVPでは、図4に示すように、受信端末112が、送信端末111より発せられるIPデータパケット(図中42)に対するサービス品質をデータパケット通信網に対して要求し、本データパケット通信網では、該要求を満足させるようにリソースの予約を行う。そのために、サービス品質を要求する受信端末112は、必要に応じ、送信端末111宛に、「Resvメッセージ」(図中41)と呼ばれる予約メッセージを、IPデータパケットを転送するパスと逆方向のパスに沿って送出する。
【0033】
本実施形態に係るデータパケット通信ノードでは、上記のResvメッセージを受信すると、該Resvメッセージ内に記されている要求サービス品質を提供するために確保すべきリソース量を算出し、そして、該リソースが確保できるか否かを判断し、さらに該リソース量が確保できる場合には、実際に該リソース量を確保した上で、前記のResvメッセージを再び送信端末111方向へ送出する。
【0034】
本実施形態では、上記にて算出されたIPレベルのリソース量に相当する帯域を、仮想コネクションレベルにおいて確保するものとする。また、本実施形態では、データパケット通信ノード間に設定される仮想コネクション151,152は、ITU−Tの勧告I.371に勧告されたABT(ATM Block Transfer)と呼ばれるサービスを提供するものとする。
【0035】
ABTでは、図5に示すように、隣接するRMセル(Resource Management セル)に囲まれるATMブロックに属するセルの転送レートを、仮想コネクションの再設定を行わずに動的に変更することが可能である。ABTコネクションにおいては、コネクションの設定時には該コネクションにおいて提供せきる最大セル転送レートのみをあらかじめ取り決めておき、実際にセルを転送する際に、要求するサービス品質(セル転送レート)を上流側のデータパケット通信ノードよりATM通信網に対してATMブロックの先頭にあるRMセル(図中41)を用いて通知し、ATM通信網では、該ブロックの最後を表すRMセル(図中42)を受信するまで、要求サービス品質を提供するために必要な帯域量を該仮想コネクションに対して確保する。なお、送信端末から受信端末へのIPデータパケットの転送経路において、送信端末に近い方を上流側、受信端末に近い方を下流側とする。例えば図1のデータパケット通信ノード122は仮想コネクション152の帯域量を変更することになる。
【0036】
要求サービス品質を記入したRMセル(図中41)を送出したデータパケット通信ノードは、ATM網内を折り返された該RMセルを受信することにより、前記要求が受け入れられたか否か(要求したセル転送レートを提供するために必要な帯域が確保されたか否か)の認識が可能となる。これは、受信したRMセル内のCI(Congestion Indication)ビットを見ることにより判断できる。
【0037】
ABTサービスにおいては、必要帯域を確保できたか否かを示す、前記折り返しRMセルの受信を待ってからデータセルの転送を開始するABTサービス(ABT/DT(Delayed Transmission))と、前記RMセルの応答を待たずにデータセルの転送を開始できるABTサービス(ABT/IT(Immediate Transmission))が容易されている。ABT/DTに従った場合、必要帯域の確保の認識を待ってデータセルの転送を開始するため、信頼のある転送が保証されるが、前記の帯域確保の認識に要する、送信側のデータパケット通信ノードより送出されたRMセルがATM網内を折り返され再び前記データパケット通信ノードに戻ってくるまでの所要時間が、該ATM網を介して行われるパケットが被る転送遅延値を増加させてしまう。一方、ABT/ITに従った場合、必要帯域の確保の認識を待たずにデータセルの転送を開始するため、前記帯域の確保が不可能であった場合には既に送出されたデータセルに対する品質の保証が行われない。
【0038】
そこで、本実施形態のデータパケット通信ノードでは、IPレベルにおけるリソース管理情報をもとにして、新規要求サービスの受け入れが可能であるか否かを判断し、可能である場合に限って、ABT/ITサービスに従ったATMレベルでのサービスに従い、必要帯域の確保、データセル転送の開始を行う。
【0039】
図6に、本データパケット通信ノードの一部であるリソース管理部の一構成例を示す。
図6に示すように、本データパケット通信ノードがサービス品質変更要求を受け取った場合は、IPレベルリソース管理部62において、該要求品質を提供できるのに十分なリソースが存在するか否かをIPパケットフロー管理表63内情報をもとに判断し、確保できる場合は、ABT確保リソース変更部65に対して対応するABTコネクションの確保リソース量の変更要求を送出し、該変更部65において、対応するABTコネクションに対して、変更後のリソース量を記入したRMセルの送出を指示する。そして、RMセルを送出したABTコネクションでは、即座にデータセルの転送を開始する。折り返されたRMセルの受信を待って、ABTコネクション管理表66内情報を書き換える。
【0040】
図7に、前記リソース管理部の動作アルゴリズムを表すフローチャートを示す。図7に示すように、サービス品質の変更要求があった場合、まず、IPレベルの情報を元にして、該品質の提供が可能なリソース量の確保が可能であるか否かを判断する(ステップS74)。この時点で確保が可能であると判断すれば、対応するABTコネクション上へ変更後のリソース量を記入したRMセルを送出し(ステップS75)、続いて新規要求サービス品質に従ってデータセルの転送を開始する(ステップS76)。一方、確保が不可能であると判断すれば、サービス品質の変更要求を拒絶する(ステップS77)。
【0041】
ステップS76の後、前記リソース量の確保が確実に行われたか否かを確認するため、送出したRMセルが折り返し受信されたならば(ステップS78)、リソースの確保がなされたか否かを判断する(ステップS79)。そして、ABTコネクションにおいてリソース確保がなされた場合は、引続き変更要求後のサービス品質に従ったデータセルの転送を行い(ステップS80)、ABTコネクションにおいてリソース確保がなされなかった場合は、サービス品質の変更要求を拒絶する(ステップS81)。
【0042】
なお、ステップS76で新規要求サービス品質に従ったIPデータパケットの送信を開始した後に、必要リソース量の確保ができなかった場合、新規要求サービス品質に従ったIPデータパケットの送信を中止し、旧要求サービス品質に従ったIPデータパケットの送信を再開するようにしても良いし、あるいは新規要求サービス品質に従ったIPデータパケットの送信を中止し、IPデータパケットの送信を、いかなる品質をも保証することなく再開するようにしても良い。
【0043】
本実施形態によれば、ATM通信網を介してIPデータパケットの配送を行うにあたって、サービス品質変更要求があった場合に、IPレベルにおけるリソース情報をもとに該要求の妥当性を判断し、該変更が可能であると判断された場合に限って、ATM網上に設定されているABTサービスを提供する仮想コネクション上に、確保リソース量の変更要求を示す資源管理セルの送出に引き続いて、IPデータパケットの転送の開始が即座に可能となるため、ATM網より通知されるサービス変更要求の可否判断の通知を待つことにより被っていた遅延が解消され、その結果、迅速なデータパケット転送サービスの提供が可能となる。
【0044】
なお、以上では、受信端末が、送信端末より発せられるIPデータパケットに対するサービス品質をデータパケット通信網に対して要求し、本データパケット通信網では、該要求を満足させるようにリソース予約などを行うものであった。その代わりに、送信端末が受信端末に向けて送るメッセージ(例えばRSVPのPathメッセージ)に応答してリソース予約などを行うようにしても良い。
【0045】
以下では、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るデータパケット通信網の構成図である。
図1のように、このデータパケット通信網は、ユーザが発する通信情報を含んだIPデータパケットの送信側となる送信端末111、該IPデータパケットの受信側となる受信端末111、送信端末111に直結されたデータパケット通信ノード121、受信端末112に直結されたデータパケット通信ノード123、データパケット通信ノード121,123間に位置するデータパケット通信網122、データパケット通信網121と122を接続するATM網133、データパケット通信網122と123を接続するATM網134から構成されている。ATM網133,134内にはATMセルを交換、転送するATM交換機131,132が備えられ、このATM交換機を介して、隣接するデータパケット通信ノード間に仮想コネクション(仮想パスコネクション/仮想チャネルコネクション)151,152が設定される。なお、図中141,142はIPデータパケットから見て仮想的に設定されているIPレベルのコネクションを示し、16は送信端末111から受信端末112に対して送出されたIPデータパケットフローの流れを示す。
【0046】
図1では、データパケット通信ノード121,123に各々直結するユーザ端末として1台だけ示しているが、それぞれ複数台直結してもよい。また、図1では、データパケット通信ノード121,123間に位置するデータパケット通信ノード122は1台であるが、複数台存在してもよい。また、図1では、隣接するデータパケット通信ノード間に1台のATM交換機が存在するが、複数台の場合もある。
【0047】
本データパケット通信網内において隣接する一方のデータパケット通信ノードから他方のデータパケット通信ノードにIPパケットの転送を行う場合、各データパケット通信ノードは、IPパケットを一旦ATMセルに分割、変換し、該ATMセルを、データパケット通信ノード間に設定される仮想コネクション151,152を用いて転送する。そして、該ATMセルを受信したデータパケット通信ノードでは、受信したATMセルを再びIPパケットに変換する。
【0048】
なお、本データパケット通信ノードでは、隣接するデータパケット通信ノードとのデータパケット転送の際に使用できるIPレベルのリソース量に関する情報をあらかじめ保持しているものとする。
【0049】
図1に示すデータパケット通信網上において、前述したIPデータパケットに対する各種サービスが提供される場合は、図2または図3に示すようなIPパケット−ATMセルの対応が行われる。
【0050】
図2の例では、Guarateedサービスに対しては、1パケットフローに対して1本の仮想コネクションが対応づけられ、Guaranteedサービスフローgm(1≦m≦n)が要求する転送速度値を満足するために必要なIPパケットレベルのリソース量Rgmが確保できるように、該フローを収容するABTコネクションVCgmにおいて帯域量PCRgmが確保される。Predictiveサービス、Best Effortサービスに対しては、これらのサービスを要求する全てのフローを1本の仮想コネクションに収容し、Predictiveサービスにおける各サービスレベルに対して割り当てられるIPパケットレベルのリソース量R1〜R3、Best Effortサービスに対して割り当てられる網リソース量Rbの総和が確保できるように、該フローを収容するABTコネクションVCrにおいて帯域量PCRrが確保される。
【0051】
図3の例では、Guaranteedサービスに対しては、全てのGuaranteedサービスフローを1本の仮想コネクションに収容し、各Guaranteedサービスフローに対して割り当てられるIPパケットレベルのリソース量の総和(ΣRgm)が確保できるように、該フローを収容するABTコネクションVCgにおいて帯域量PCRgが確保される。Predictiveサービス、Best Effortサービスに対しては、図2と同様の形態をとる。
【0052】
Predictiveサービスの各サービスレベルに対して割り当てられるIPパケットレベルのリソース量R1〜R3は、各レベルにおける遅延値の大小関係が正しく成り立つように(すなわち、レベル値が小さいほど遅延値が低くなるように)、また、レベル毎に設定される転送所要時間の上限値が満たされるように算出され、割り当てられる。さらに、Best Effortサービスに対して割り当てられるIPパレットレベルのリソース量Rbは、データパケット通信ノードに対して割り当てられている全リソース量より、Guaranteedサービスに対して割り当てられたリソース量Rg1〜Rgn、Predictiveサービスに対して割り当てられたリソース量R1〜R3を差し引いた残余リソース量を越えないリソース量が任意に割り当てられる。
【0053】
以下においては、特に明記しない限り、図2に示したIPパッケット−ATMセルの対応づけに基づいて説明を行うものとする。
図1に示すデータパケット通信網上に前述したRSVPが搭載されている場合は、図4に示すように、IPデータパケット42の転送に対してサービス品質を要求する受信端末112は、必要に応じ、Resvメッセージ41を送信端末111宛に送出する。これを受信したデータパケット通信ノードは、該メッセージ内に記入されている要求サービス品質の提供が可能であるか否かを判断し、可能であれば該サービス品質を提供するのに必要である網リソースを確保する。図1に示したデータパケット通信網では、隣接するデータパケット通信ノード間のIPデータパケットの転送は、ATM通信網を介して行われているので、Resvメッセージを受信したデータパケット通信ノードは、該Resvメッセージが示すIPデータパケットの通信を行う仮想コネクションの帯域を、要求サービス品質を満足できるように確保する。
【0054】
本データパケット通信ノード間にて設定する仮想コネクションとしては、ABT(ATM Block Transfer)と呼ばれるサービスを提供するABTコネクションを採用する。ABTでは、図5に示すように、隣接するRMセル(Resource Management セル)に囲まれるATMブロックに属するセルのために確保する帯域量(転送レート)を、仮想コネクションの再設定を行わずに動的に変更することが可能であるため、要求サービス品質の変更が生じる度に仮想コネクションの再設定を行う必要がない。
【0055】
ABTコネクションの初期設定時には、該コネクションにおいて提供可能な最大セル転送レートのみを規定し、セル転送のために網内リソースを確保したい場合、上流側のデータパケット通信ノードは、ブロックの先頭に位置するRMセル51内に、所望のセル転送レートを記入し、これを下流側のデータパケット通信ノードに対して送出する。前記RMセルが通過するATM網では、該RMセル内に記載されている要求セル転送レートを提供するのに必要な帯域が確保できるか否かを判断し、前記帯域の確保が可能であれば、CI(Congestion Indication )ビットが0であるRMセルを、前記帯域の確保が不可能であれば、CIビットが1であるRMセルを、下流側のデータパケット通信ノードのUNI(User Network Interface)部より、該上流側のデータパケット通信ノード宛に送出する。そして、該上流側のデータパケット通信ノードでは、CIビットが0であるRMセルを受信した場合には、要求したセル転送レートに従ったセル転送が可能であることを認識し、CIビットが1であるRMセルを受信した場合には、要求したセル転送レートは拒絶されたものと認識する。
【0056】
なお、前述のように、ABTサービスでは前記RMセルの受信を待ってからセルの転送を開始するABT/DTサービスと前記RMセルの応答を待たずにセルの転送を開始するABT/ITサービスとが用意されているが、本実施形態では認識を待たずにデータセルの転送を開始するABT/ITに従うものとしている。
【0057】
前記ABTコネクションの特性を考慮した本データパケット通信ノードの一機能であるリソース管理部の一構成例を図6に示す。図6に示すように、本リソース管理部は、IPパケットフロー管理部61、IPレベルリソース管理部62、IPパケットフロー情報管理部63、ABTコネクション設定部64、ABT確保リソース量変更部65、ABTコネクション情報管理部66より構成される。
【0058】
IPパケットフロー管理部61は、IPパケットに関する新規サービス提供要求、サービス品質変更要求を受け、適切な動作を指示する。
IPレベルリソース管理部62は、現在本データパケット通信ノードにおいてサービス中であるIPパケットフローに関するリソース情報を管理、制御する。
【0059】
IPパケットフロー情報管理部63は、現在サービス中のIPパケットフローに対して割り当てられているリソース量に関する情報を保持する。
ABTコネクション設定部64は、新規に仮想コネクションの設定が必要である際はATM網上にABTコネクションを設定する。
【0060】
ABT確保リソース量変更部65は、既に設定されているABTコネクションにおいて確保する帯域量の変更を行う。
ABTコネクション情報管理部66は、現在設定されているABTコネクションに関する情報を保持する。
【0061】
本リソース管理部では、該リソース管理部を収容するデータパケット通信ノードにおいて認識する新規サービス提供の要求(新たなIPパケットフローの転送要求、または新たなサービス種別への変更要求)やサービス品質の変更要求に対して、該リソース管理部において管理するIPパケットフロー情報とABTコネクション情報をもとにして、該要求の受け入れが可能か否かを判定する。IPパケットフロー情報管理部63では、Guaranteedサービスを提供するフローの識別子と該フローに割り当てられているリソース量、Predictiveサービスを提供するフローについて各サービスレベル毎に割り当てられているリソース量、Best Effortサービスを要求する全フローに対して割り当てられているリソース量、および如何なるフローに対しても割り当てられていない本データパケット通信ノードにおいて割り当て可能な残余帯域に関する情報を管理する。ここで、IPパケットフローの識別子としては、該パケットがインターネットプロトコルバージョン6(IPv6)と呼ばれる仕様にもとづいたものであれば、該パケットのヘッダ部内におけるフローラベル値、ソースアドレス値の両値の組を用いる。
【0062】
ABTコネクション情報管理部66では、各コネクションの識別子と該コネクションが確保している帯域量とを対応付けて管理する。ここで、ABTコネクションの識別子としては、仮想パス識別子(VPI)または仮想チャネル識別子(VCI)を用いる。
【0063】
なお、IPパケットフロー情報管理部63内の情報とABTコネクション情報管理部66内の情報とは、IPレベルのリソース量と、該リソース量が割り当てられるパケットの収容先となるABTコネクションに関する情報とが対応付けされている構成になっていることが望ましい。
【0064】
本実施形態のデータパケット通信ノードの一機能である図6のリソース管理部での動作アルゴリズムを表したフローチャートを図7に示す。
新規サービスの提供要求やサービス品質の変更要求等をデータパケット通信ノードにおいて受信すると(ステップS71)、まず、上記リソース管理部はIPパケットフロー管理部61において、該変更要求がIPパケットフロー情報管理部63内に記載されていないGuaranteedサービスの新規要求であるか否かを判断する(ステップS72)。該要求が新規Guaranteedサービスの要求であれば、ABTコネクション設定部64により、該フローを収容するためのABTコネクションを新規に設定する(ステップS73)。なお、既にGuaranteedサービス以外のサービスを提供しているフローがGuaranteedサービスへの変更を要求する場合も、ABTコネクションを新規に設定する。
【0065】
次に、IPパケットフロー情報管理部63内の情報を元に、変更要求後のサービス品質の提供を行うのに十分なリソース量の割り当てが可能であるか否かを判断する(ステップS74)。このとき、IPレベルリソース管理部62では、該フローがGuaranteedサービスを要求している場合には、該フローの要求する転送速度値を満足させるのに十分なリソース量(該フローが既にGuaranteedサービスとしてサービスされている場合には、現在割り当てられているリソース量との差分)を残余リソース量RestやBest Effortサービスに対して割り当てられているリソース量Rbを加えた量にて提供可能であるか否かにより判断する。なお、該フローが既に要求している転送速度値よりも低速なサービスを要求している場合は、変更要求後のサービス品質は確実に提供できる。また、該フローがPredictiveサービスを要求している場合には、該フローを受け入れた際にも、該フローが要求するサービスレベルの転送所要時間の上限値、そしてサービスレベル間の転送遅延値の大小関係が正しく成立するために必要なリソース量の増分が、リソース量Restやリソース量Rbにて提供可能であるか否かにより判断する。
【0066】
IPレベルリソース管理部62において、前記の要求サービス品質を満足させるのに十分なリソース量の確保が可能であると判断すれば、該フローを収容するABTコネクションの確保帯域量の変更を行うため、ABT確保リソース変更部65により、該ABTコネクション上へ変更後の確保帯域量を記入したRMセルの送出を行い(ステップS75)、続いて当該サービス品質にてデータセルの転送を開始する(ステップS76)。つまり、ABTコネクションでは、ABT/ITサービスを提供することとなる。このとき、RMセルを送出してからデータセルの送出を開始するまでの時間は、該セルが転送されるATM網に関する属性等にもとづき、ABT確保リソース部65により設定する。
【0067】
一方、前記リソース量の確保が不可能であると判断すれば、該変更要求を拒絶する(ステップS77)。なお、変更後のリソース量を確保するためにBestEffortサービスに対して割り当てられているリソース量の減少を行う場合は、まずBest Effortサービスを収容するABTコネクション上に、減少後の帯域量を記入したRMセルを送出した後に、変更要求を行ったフローを収容するABTコネクション上へ変更後の確保帯域量を記入したRMセルの送出を行う。
【0068】
データセルの送出前に送出したRMセルが、ATM網内を折り返され再びデータパケット通信ノードにて受信されれば(ステップS78)、該RMセル内に記入されていた帯域量の確保がABTコネクションにて行われたか否かを、CIビットを調べることにより判断する(ステップS79)。CIビットが0であれば、要求帯域量の確保が行われたことを表すので、引続きデータセルの転送を行い(ステップS80)、一方、CIビットが1であれば、要求帯域量の確保がなされなかったことを表すので、要求されたサービス品質の変更を中止する(ステップS81)。
【0069】
なお、ステップS76で新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、必要リソース量の確保ができなかった場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、旧要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を再開することができる。この場合、ABTコネクションにおいてリソース確保ができず、サービス品質の変更要求を拒絶することになった場合に、当該ABTコネクションにおけるリソース量が0に設定されてしまうサービスが提供されているなら、本データパケット通信ノードは、リソース量を要求前の品質に戻すためのRMセルを再度送出する必要があるが、リソース量が要求前の品質に戻されるサービスが提供されているなら、再度RMセルを送出する必要はない。
【0070】
また、ステップS76で新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、必要リソース量の確保ができなかった場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、データパケットの送信を、いかなる品質をも保証することなく再開するようにしても良い。
【0071】
次に、図8にデータパケット通信ノード間を接続する仮想コネクションがABT/ITサービスを提供する場合にResvメッセージを介して行われる網リソース予約および必要リソース量確保の確認を待たずに行うデータパケット転送の手順を示す。
【0072】
この手続きは、例えば送信端末111に直結されたデータパケット通信ノード121とデータパケット通信ノード間に位置するデータパケット通信ノード122により行なわれる。
【0073】
図8においては、下流側からResvメッセージを受信したデータパケット通信ノードは、前述のように必要リソース量の確保が可能であると判断した場合、該Resvメッセージを送出した下流側のデータパケット通信ノードとの間に設定されているABTコネクションのリソース予約要求を表すRMセルを下流側のデータパケット通信ノード宛に送出するとともに、受信したResvメッセージをデータパケット送信側のユーザ端末宛に送出し、即座に新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始する。
【0074】
そして、RMセルを発信したデータパケット通信ノードがCI=0であるRMセルを受信したならば、前記コネクションにおいて要求リソース量の予約が行えたものと認識し、引続き新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を行う。
【0075】
一方、CI=1であるRMセルを受信したならば、当該Resvメッセージを発した、データパケット受信側のユーザ端末宛に、エラーメッセージを送出する。
【0076】
データの送信端末と受信端末を結ぶ各データパケット通信ノード間にて上記手順で網リソース予約およびデータパケット転送がなされ、全ABTコネクションにてリソース予約要求が成功すれば、迅速に新規要求サービス品質に従ったデータパケット転送が提供されたことになる。
【0077】
もし、いずれかのABTコネクションにて必要リソースが確保できなかった場合、受信端末にエラー・メッセージが渡され、受信端末は必要に応じてエラー処理を行う。
【0078】
以上、本実施形態では、受信端末が、送信端末より発せられるIPデータパケットに対するサービス品質をデータパケット通信網に対して要求し、本データパケット通信網では、該要求を満足させるようにリソース予約などを行うものであった。その代わりに、送信端末が受信端末に向けて送るメッセージ(例えばST−II(Stream Protocol Version 2)のCOONNECTメッセージやCHANGEメッセージ)に応答してリソース予約などを行うようにしても良い。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、ATM通信網を介してデータパケットの配送を行うにあたって、データパケットの送信又は受信ユーザ端末より受信又は送信ユーザ端末に送られるメッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて求められた必要リソース量の確保が可能であるか否かを判断し、可能であると判断された場合に即座に新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始することで、ATM網より通知されるサービス変更要求の可否判断の通知を待つことにより被る遅延を解消し、迅速なデータパケット転送サービスの提供を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るデータパケット通信網の基本構成を示す図
【図2】IPパケット−ATMセルの対応づけの一例を示す図
【図3】IPパケット−ATMセルの対応づけの一例を示す図
【図4】図1のデータパケット通信網におけるRSVPの適用例を示す図
【図5】ABTサービスを説明するための図
【図6】データパケット通信ノードの一機能であるリソース管理部の一構成例を示す図
【図7】図6のリソース管理部での動作アルゴリズムを示したフローチャート
【図8】隣接するデータパケット通信ノード間における網リソース予約およびデータパケット転送手順の一例を示す図
【符号の説明】
111…送信端末
112…受信端末
133,134…ATM網
121〜123…データパケット通信ノード
131,132…ATM交換機
151,152…仮想コネクション
61…IPパケットフロー管理部
62…IPレベルリソース管理部
63…IPパケットフロー情報管理部
64…ABTコネクション設定部
65…ABT確保リソース変更部
66…ABTコネクション情報管理部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ATM(非同期転送モード)通信網を用いてIP(Internet Protocol )データグラムのようなデータパケットを送受信するノード装置及び網リソース予約方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットを用いた通信を行う場合、送信者が送信したデータは、IP(Internet Protocol )レベルにおいて定義されるIPデータグラムと呼ばれるデータパケットに変換して、受信者宛に配送される。
【0003】
従来においては、IPが定義するデータパケットの配送サービスは、信頼性のない、Best−Effort な(最善努力式の)システムである。つまり、データパケットの配送に関してはいかなる保証もないが(消失されるかもしれないが、いかなる対策も行なわない)、IPはデータパケットの配送を熱心に試みるという配送システムである。すなわち、従来のIPレベルのデータパケットの配送に対しては、いかなる品質の保証もされることはなかった。
【0004】
これに対して、近年、IETF(Internet Engineering Task Force )では、前記のIPレベルのデータパケットの配送に対する品質を提供するという議論が行われている。その結果、Guaranteedサービス(Shenker 、他:”Specification of Guaranteed Quality of Service”、INTERNET−DRAFT、draft−ietf−intserv−guaranteed−svc−03.txt)、Predictiveサービス(Shenker 、他:”Specification of Predictive Quality of Service”、INTERNET−DRAFT、draft−ietf−intserv−predictive−svc−01.txt)、Controlled Delayサービス(Shenker 、他:”Specification of Controlled Delay Quality of Service”、INTERNET−DRAFT、draft−ietf−intserv−control−del−svc−02.txt )といった、データパケットの配送に対する品質を規定した新規サービスが提案されている。
【0005】
以下に、上記した各種サービスについて概説する。
(1)Guaranteedサービス(Guaranteed Quality of Service )
データパケットの配送が、一定の時間内に確実に行われることを保証するサービスである。サービス品質として、転送速度値が要求される。
(2)Predictiveサービス(Predictive Quality of Service )
データパケットの配送が、高確率で一定の時間内に行われることを保証するサービス(言い換えると、一定の時間内にほとんどのデータパケットを相手先に配送することを保証するサービス)である。サービス品質として、サービスレベル(1,2,3)が要求され、サービスレベルが小さいほど、相対的な遅延が少なくなる。また、各通信ノードにおいて、各々のサービスレベルに対する転送所要時間の上限値を設定する。
(3)Controlled Delayサービス(Controlled Delay Quality of Service )
サービス品質としてサービスレベルが要求されるが、転送所要時間の上限値が設定されないサービスである。データパケット配送遅延が動的に変化するが、従来のBest−Effort サービスよりは少ない時間での配送が可能である。
(4)Best Effortサービス
いかなる品質の保証も行わないサービスであり、サービス品質の要求は行われない。
【0006】
一方、前記サービスを提供するために必要となるリソース予約プロトコル(Braden、他:”Resource ReSerVation Protocol(RSVP)−Version 1 Functional Specification” 、INTERNET−DRAFT、draft−ietf−rsvp−spec−08.txt )が提案されている。このリソース予約プロトコルの特徴は、受信ユーザ端末の要求に基づいたリソース予約を行うという点にある。受信ユーザ端末は、送信ユーザ端末宛にResvメッセージと呼ばれる予約メッセージを送信することにより、該Resvメッセージ内に記されている受信サービス品質の予約を試みるというものである。そして、該送信ユーザ端末から受信ユーザ端末宛に送出されるデータパケットを中継するデータパケット通信ノード(ルータ装置)では、Resvメッセージを受信すると、該Resvメッセージ内の受信サービス品質を提供するために必要なリソース予約が受付可能であるか否かを判断し、可能であれば、該予約要求を受け入れ、さらに本Resvメッセージをデータパケットの送信ユーザ端末宛に送出する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
固定長のデータパケットであるセルを単位として交換・転送を行うATM(非同期転送モード;Asynchronous Transfer Mode) 通信網上に設定される仮想コネクションを用いてIPレベルのデータパケット転送を行う場合、従来においては、IPレベルのデータパケットの転送に対するサービル品質の保証、網リソースの予約必要はなかったため、データパケット配送時にIPレベルの品質を考慮しない、仮想コネクションへのデータパケット収容方式のみが検討されており、上記に示したパケットレベルでの要求サービス品質を提供することを考慮した仮想コネクションの設定方式等については検討されていない。
【0008】
また、ATM通信網を用いたデータパケット転送を行う場合、サービス品質の変更を要求するメッセージ(例えばRSVPにおける受信ユーザ端末より送信ユーザ端末宛に送出されるResvメッセージ)を受信した場合、該メッセージに相当するデータパケットを収容する仮想コネクションの属性(サービスカテゴリ、確保リソース量、等)の変更を行う必要があり、それに伴い、新たに要求されたサービス品質の提供が可能となるように仮想コネクションの張り直しが行われる場合がある。それにより、新たに仮想コネクションが設定されるまではデータパケットの転送を行うことは不可能であるため、パケット転送遅延の増加という悪影響が生じてしまう。
【0009】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、ATM通信網を介してIPレベルのデータパケットの配送を行う際に、IPレベルの要求サービス品質の提供が可能であり、また、要求サービス品質の変更時にも即座にデータパケットの転送の開始が可能となるようなノード装置及び網リソース予約方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、データパケット又はメッセージから変換されたATMセルを受信し、受信されたATMセルから生成されたデータパケットをATMセルに変換し、変換されたATMセルを仮想コネクション(Virtual Channel / Path Connection)に送信するための転送手段と、データパケット(インターネットパケット、IPデータグラム)を送信又は受信する他のノード装置(端末もしくはルータ)より送信された、サービス品質の予約を要求するメッセージが前記転送手段により受信された場合に、該メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて求められた必要リソース量の確保が可能か否かを判断する判断手段とを備え、前記転送手段は、前記判断手段により前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記データパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始することを特徴とする。
好ましくは、前記仮想コネクションは、コネクションの張り直しを行わずに確保するリソース量の変更が可能である仮想コネクションであるようにしてもよい。
好ましくは、前記コネクションの張り直しを行わずに確保するリソース量の変更が可能である仮想コネクションの設定は、リソース量の確保に先立って行うようにしてもよい。
好ましくは、前記仮想コネクションは、ABT/ITに従う仮想コネクションであるようにしてもよい。
好ましくは、前記転送手段は、前記仮想コネクションにおいて前記必要リソース量を確保するために資源管理セル(例えばABTサービスにおけるRMセル)に確保したいリソース量を書き込んで前記仮想コネクション上に送出した後に、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始するようにしてもよい。
好ましくは、前記転送手段は、前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、旧要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を再開するようにしてもよい。
好ましくは、前記転送手段は、前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、データパケットの送信を、いかなる品質をも保証することなく再開するようにしてもよい。
好ましくは、前記資源管理セルに確保したいリソース量を書き込んで送出する仮想コネクションは、前記データパケットの転送経路において自ノード装置から次段のノード装置に向けて設定された、自ノード装置がATMセルを送信する仮想コネクションであるようにしてもよい。
好ましくは、前記判断手段は、自ノード装置内にデータパケットレベルにおいて割り当てたリソースの情報および残余リソースの情報を保持しておき、サービス品質の変更要求時には、IPレベルのリソース情報をもとに、前記サービス品質を満足させるのに必要なATMレベルのリソース量の確保が可能か否かを判断することによって、前記必要リソース量の確保が可能か否かの判断を行うようにしてもよい。
好ましくは、前記必要リソース量は、前記メッセージ内に記されている要求サービス品質を満足させるサービス品質を、前記受信ユーザ端末宛に転送されるデータパケットに対して提供するために必要なリソース量であるようにしてもよい。
好ましくは、前記仮想コネクションにより提供されるサービスにおいて変更されることが可能なリソース量は、前記仮想コネクションにおける帯域量または前記仮想コネクションを介したセル転送におけるセル転送レートであるようにしてもよい。
好ましくは、前記必要リソース量の確保が行われた旨のメッセージは、ABTサービスにおけるRMセルであってそのCIビットが前記必要リソース量の確保が行われたことを示すものであるようにしてもよい。
好ましくは、前記サービス品質の予約を要求するメッセージは、RSVPのResvメッセージまたはPathメッセージであるようにしてもよい。
【0011】
また、本発明は、データパケット又はメッセージから変換されたATMセルを受信し、受信されたATMセルから生成されたデータパケットをATMセルに変換し、変換されたATMセルを仮想コネクションに送信するノード装置における網リソース予約方法において、データパケットを送信又は受信するユーザ端末よりサービス品質の予約を要求するメッセージを受信し、受信された前記メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて必要リソース量を求め、求められた前記必要リソース量の確保が可能であるか否かを判断し、前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記データパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保を要求し、この確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始することを特徴とする。
好ましくは、前記仮想コネクションは、コネクションの張り直しを行わずに確保するリソース量の変更が可能である仮想コネクションであるようにしてもよい。
好ましくは、前記リソース量の確保の要求は、資源管理セルに確保したいリソース量を書き込んで前記仮想コネクション上に送出することによって行うようにしてもよい。
好ましくは、前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、旧要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を再開するようにしてもよい。
好ましくは、前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、データパケットの送信を、いかなる品質をも保証することなく再開するようにしてもよい。
【0012】
また、本発明に係るノード装置は、第1のパケットを受信し、この第1のパケットを所定の第2のパケットに変換し、変換された第2のパケットを仮想コネクションに送信するための転送手段と、第1のパケットを送信又は受信する他のノード装置より送信された、サービス品質の予約を要求するメッセージが前記転送手段により受信された場合に、該メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて求められた必要リソース量の確保が可能か否かを判断する判断手段とを備え、前記転送手段は、前記判断手段により前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記第1のパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従った第1のパケットの送信を開始することを特徴とする。
また、本発明は、第1のパケットを受信し、この第1のパケットを所定の第2のパケットに変換し、変換された第2のパケットを仮想コネクションに送信するノード装置における網リソース予約方法において、第1のパケットを送信又は受信するユーザ端末よりサービス品質の予約を要求するメッセージを受信し、受信された前記メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて必要リソース量を求め、求められた前記必要リソース量の確保が可能であるか否かを判断し、前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記第1のパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保を要求し、この確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従った第1のパケットの送信を開始することを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
まず、本実施形態の基本構成や概要について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るデータパケット通信網の基本構成の一例である。本データパケット通信網は、データパケットを送受信するデータパケット通信ノード121〜123において、データパケットを転送する際に、該データパケットをセルと呼ばれる固定長のデータ単位に分割、変換し、ATM通信網133,134上に設定される仮想コネクション151,152を用いて該セルを隣接するデータパケット通信ノードへ転送することにより、データパケットの転送を実現するものである。ここで、仮想コネクションとは、ATM通信網133,134内のノード間においてATM交換機131,132などにより設定されるものであり、仮想パスコネクション(Virtual Path Connection )、仮想チャネルコネクション(Virtual Channel Connection)が該当する。
【0020】
本データパケット通信網を利用するユーザ端末111,112では、発信するデータを、IP(Internet Protocol )レベルにおいて定義されるIPデータグラムと呼ばれるデータパケットに変換し、これを通信網上に送出する。
【0021】
以下では、IPデータグラムと呼ばれるデータパケットをIPパケットと呼ぶ。また、IPパケットの内容がデータであるものを明示的に示す場合、IPデータパケットという語句を使用する。
【0022】
なお、ユーザ端末111,112間の通信がIPレベルより上位のプロトコル(例えばTCP(Transmission Cotrol Protocol))に従って行われる場合も考えられるが、そのような場合は、端末111,112内にてIPパケットに変換してから通信網上へ送出する方法、または端末111,112に最も近いデータパケット通信ノード121,123において、IPレベルより上位のプロトコル規定に従い到着したデータパケットをIPパケットに変換する方法が考えられる。そのような場合、本実施形態では、前者の方法をとるものとする。
【0023】
ユーザ端末111とデータパケット通信ノード121との間、およびユーザ端末112とデータパケット通信ノード123との間は、(1)直結すること、(2)ATM網により接続すること、(3)イーサネットなど他のネットワークにより接続すること、が可能である。本実施形態では直結するものとして説明する。
【0024】
本実施形態では、ユーザ端末間でIPパケットの転送を行うにあたって、ユーザ端末111をIPパケットの送信端末とし、ユーザ端末112をIPパケットの受信端末として説明する。
【0025】
本データパケット通信網では、IPパケットに対するサービスとして、前述したようなGuaranteedサービス、Predictiveサービス、Best Effortサービスを提供するものとする。なお、Controlled Delayサービスは、本通信網内においてはPredictiveサービスとして取り扱うものとする。各サービスの概要は前述した通りである。
(1)Guaranteedサービス
IPデータパケットの配送が、一定の時間内に確実に行われることを保証するサービス。サービス品質として、転送速度値が要求される。
(2)Predictivサービス
IPデータパケットの配送が、高確率で一定の時間内に行われることを保証するサービス。サービス品質として、サービスレベル(1,2,3)が要求され、サービスレベルが小さいほど、相対的な遅延が少なくなる。また、各データパケット通信ノードにおいて、各々のサービスレベルに対する転送所要時間の上限値を設定する。
(3)Best Effortサービス
いかなる品質の保証も行わないサービス。サービス品質の要求は行われない。
【0026】
なお、Controlled Delayサービスは、サービス品質としてサービスレベルが要求されるが、転送所要時間の上限値が設定されないサービスであり、本実施形態における通信網では、同一のサービスレベルを要求するPredictiveサービスとして扱う。
【0027】
本データパケット通信ノードでは、図2あるいは図3に示すように、IPデータパケットの仮想コネクション上への収容を行う。
各図中で、200はパケットを保持するバッファ部であり、202は割り当てられたリソース量に応じたタイミングでバッファ部内のパケットを抽出し次段に転送する転送処理部を表す。また、204はATMセルを保持するバッファ部であり、206はバッファ部内のATMセルを抽出し仮想コネクションに転送する転送処理部を表す。なお、IPレベルのパケットをATMセルに変換する機能は省略してある。
【0028】
Guaranteedサービスに対しては、図2に示すように、IPレベルにおいて、各データパケットフローg1〜gn毎に、該パケットが要求する転送速度値を満足させるリソース量Rg1〜Rgnを各々割り当て、各フロー毎に該フローに属するIPデータパケットを収容する仮想コネクション(VC)が設定される形態をとる。もしくは、図3に示すように、全フローが同一の仮想コネクション上に収容される形態をとる。
【0029】
PredictiveサービスおよびBest Effortサービスに対しては、IPレベルにおいて、Predictiveサービスの各サービスレベルに対し、該レベル間の相対的な遅延の大小関係とレベル毎に設定された転送所要時間の上限値を満足させるようなリソース量R1〜R3を各々割り当て、Best Effortサービスに対し、データパケット通信ノードにおいて保持する全リソース量のうち、Guaranteedサービス、Predictiveサービスに対して割り当てたリソース量を差し引いたリソース量(以下、これを残余リソース量と呼ぶ)を越えない範囲で任意の値Rbを割り当て、PredictiveサービスおよびBest Effortサービスを要求する全フローが同一の仮想コネクション上に収容される形態をとる。
【0030】
仮想コネクションにて確保すべき帯域量は、該コネクション上に収容される各データパケットフローに対して割り当てられているIPレベルのリソース量の総和を元にして算出されるものとする。
【0031】
なお、Predictiveサービスに対しても、各レベル毎に仮想コネクションを1本ずつ対応させる方式、あるいは各フロー毎に仮想コネクションを1本ずつ対応させる方式等が考えられる。
【0032】
本データパケット通信網においては、上記に示したIPレベルのリソース量の確保は、IETF(Internet Engineering Task Force )にて提案されているRSVP(Resource ReSerVation Protocol )と呼ばれるリソース予約プロトコルに従い行う。RSVPでは、図4に示すように、受信端末112が、送信端末111より発せられるIPデータパケット(図中42)に対するサービス品質をデータパケット通信網に対して要求し、本データパケット通信網では、該要求を満足させるようにリソースの予約を行う。そのために、サービス品質を要求する受信端末112は、必要に応じ、送信端末111宛に、「Resvメッセージ」(図中41)と呼ばれる予約メッセージを、IPデータパケットを転送するパスと逆方向のパスに沿って送出する。
【0033】
本実施形態に係るデータパケット通信ノードでは、上記のResvメッセージを受信すると、該Resvメッセージ内に記されている要求サービス品質を提供するために確保すべきリソース量を算出し、そして、該リソースが確保できるか否かを判断し、さらに該リソース量が確保できる場合には、実際に該リソース量を確保した上で、前記のResvメッセージを再び送信端末111方向へ送出する。
【0034】
本実施形態では、上記にて算出されたIPレベルのリソース量に相当する帯域を、仮想コネクションレベルにおいて確保するものとする。また、本実施形態では、データパケット通信ノード間に設定される仮想コネクション151,152は、ITU−Tの勧告I.371に勧告されたABT(ATM Block Transfer)と呼ばれるサービスを提供するものとする。
【0035】
ABTでは、図5に示すように、隣接するRMセル(Resource Management セル)に囲まれるATMブロックに属するセルの転送レートを、仮想コネクションの再設定を行わずに動的に変更することが可能である。ABTコネクションにおいては、コネクションの設定時には該コネクションにおいて提供せきる最大セル転送レートのみをあらかじめ取り決めておき、実際にセルを転送する際に、要求するサービス品質(セル転送レート)を上流側のデータパケット通信ノードよりATM通信網に対してATMブロックの先頭にあるRMセル(図中41)を用いて通知し、ATM通信網では、該ブロックの最後を表すRMセル(図中42)を受信するまで、要求サービス品質を提供するために必要な帯域量を該仮想コネクションに対して確保する。なお、送信端末から受信端末へのIPデータパケットの転送経路において、送信端末に近い方を上流側、受信端末に近い方を下流側とする。例えば図1のデータパケット通信ノード122は仮想コネクション152の帯域量を変更することになる。
【0036】
要求サービス品質を記入したRMセル(図中41)を送出したデータパケット通信ノードは、ATM網内を折り返された該RMセルを受信することにより、前記要求が受け入れられたか否か(要求したセル転送レートを提供するために必要な帯域が確保されたか否か)の認識が可能となる。これは、受信したRMセル内のCI(Congestion Indication)ビットを見ることにより判断できる。
【0037】
ABTサービスにおいては、必要帯域を確保できたか否かを示す、前記折り返しRMセルの受信を待ってからデータセルの転送を開始するABTサービス(ABT/DT(Delayed Transmission))と、前記RMセルの応答を待たずにデータセルの転送を開始できるABTサービス(ABT/IT(Immediate Transmission))が容易されている。ABT/DTに従った場合、必要帯域の確保の認識を待ってデータセルの転送を開始するため、信頼のある転送が保証されるが、前記の帯域確保の認識に要する、送信側のデータパケット通信ノードより送出されたRMセルがATM網内を折り返され再び前記データパケット通信ノードに戻ってくるまでの所要時間が、該ATM網を介して行われるパケットが被る転送遅延値を増加させてしまう。一方、ABT/ITに従った場合、必要帯域の確保の認識を待たずにデータセルの転送を開始するため、前記帯域の確保が不可能であった場合には既に送出されたデータセルに対する品質の保証が行われない。
【0038】
そこで、本実施形態のデータパケット通信ノードでは、IPレベルにおけるリソース管理情報をもとにして、新規要求サービスの受け入れが可能であるか否かを判断し、可能である場合に限って、ABT/ITサービスに従ったATMレベルでのサービスに従い、必要帯域の確保、データセル転送の開始を行う。
【0039】
図6に、本データパケット通信ノードの一部であるリソース管理部の一構成例を示す。
図6に示すように、本データパケット通信ノードがサービス品質変更要求を受け取った場合は、IPレベルリソース管理部62において、該要求品質を提供できるのに十分なリソースが存在するか否かをIPパケットフロー管理表63内情報をもとに判断し、確保できる場合は、ABT確保リソース変更部65に対して対応するABTコネクションの確保リソース量の変更要求を送出し、該変更部65において、対応するABTコネクションに対して、変更後のリソース量を記入したRMセルの送出を指示する。そして、RMセルを送出したABTコネクションでは、即座にデータセルの転送を開始する。折り返されたRMセルの受信を待って、ABTコネクション管理表66内情報を書き換える。
【0040】
図7に、前記リソース管理部の動作アルゴリズムを表すフローチャートを示す。図7に示すように、サービス品質の変更要求があった場合、まず、IPレベルの情報を元にして、該品質の提供が可能なリソース量の確保が可能であるか否かを判断する(ステップS74)。この時点で確保が可能であると判断すれば、対応するABTコネクション上へ変更後のリソース量を記入したRMセルを送出し(ステップS75)、続いて新規要求サービス品質に従ってデータセルの転送を開始する(ステップS76)。一方、確保が不可能であると判断すれば、サービス品質の変更要求を拒絶する(ステップS77)。
【0041】
ステップS76の後、前記リソース量の確保が確実に行われたか否かを確認するため、送出したRMセルが折り返し受信されたならば(ステップS78)、リソースの確保がなされたか否かを判断する(ステップS79)。そして、ABTコネクションにおいてリソース確保がなされた場合は、引続き変更要求後のサービス品質に従ったデータセルの転送を行い(ステップS80)、ABTコネクションにおいてリソース確保がなされなかった場合は、サービス品質の変更要求を拒絶する(ステップS81)。
【0042】
なお、ステップS76で新規要求サービス品質に従ったIPデータパケットの送信を開始した後に、必要リソース量の確保ができなかった場合、新規要求サービス品質に従ったIPデータパケットの送信を中止し、旧要求サービス品質に従ったIPデータパケットの送信を再開するようにしても良いし、あるいは新規要求サービス品質に従ったIPデータパケットの送信を中止し、IPデータパケットの送信を、いかなる品質をも保証することなく再開するようにしても良い。
【0043】
本実施形態によれば、ATM通信網を介してIPデータパケットの配送を行うにあたって、サービス品質変更要求があった場合に、IPレベルにおけるリソース情報をもとに該要求の妥当性を判断し、該変更が可能であると判断された場合に限って、ATM網上に設定されているABTサービスを提供する仮想コネクション上に、確保リソース量の変更要求を示す資源管理セルの送出に引き続いて、IPデータパケットの転送の開始が即座に可能となるため、ATM網より通知されるサービス変更要求の可否判断の通知を待つことにより被っていた遅延が解消され、その結果、迅速なデータパケット転送サービスの提供が可能となる。
【0044】
なお、以上では、受信端末が、送信端末より発せられるIPデータパケットに対するサービス品質をデータパケット通信網に対して要求し、本データパケット通信網では、該要求を満足させるようにリソース予約などを行うものであった。その代わりに、送信端末が受信端末に向けて送るメッセージ(例えばRSVPのPathメッセージ)に応答してリソース予約などを行うようにしても良い。
【0045】
以下では、本発明の実施形態についてさらに詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るデータパケット通信網の構成図である。
図1のように、このデータパケット通信網は、ユーザが発する通信情報を含んだIPデータパケットの送信側となる送信端末111、該IPデータパケットの受信側となる受信端末111、送信端末111に直結されたデータパケット通信ノード121、受信端末112に直結されたデータパケット通信ノード123、データパケット通信ノード121,123間に位置するデータパケット通信網122、データパケット通信網121と122を接続するATM網133、データパケット通信網122と123を接続するATM網134から構成されている。ATM網133,134内にはATMセルを交換、転送するATM交換機131,132が備えられ、このATM交換機を介して、隣接するデータパケット通信ノード間に仮想コネクション(仮想パスコネクション/仮想チャネルコネクション)151,152が設定される。なお、図中141,142はIPデータパケットから見て仮想的に設定されているIPレベルのコネクションを示し、16は送信端末111から受信端末112に対して送出されたIPデータパケットフローの流れを示す。
【0046】
図1では、データパケット通信ノード121,123に各々直結するユーザ端末として1台だけ示しているが、それぞれ複数台直結してもよい。また、図1では、データパケット通信ノード121,123間に位置するデータパケット通信ノード122は1台であるが、複数台存在してもよい。また、図1では、隣接するデータパケット通信ノード間に1台のATM交換機が存在するが、複数台の場合もある。
【0047】
本データパケット通信網内において隣接する一方のデータパケット通信ノードから他方のデータパケット通信ノードにIPパケットの転送を行う場合、各データパケット通信ノードは、IPパケットを一旦ATMセルに分割、変換し、該ATMセルを、データパケット通信ノード間に設定される仮想コネクション151,152を用いて転送する。そして、該ATMセルを受信したデータパケット通信ノードでは、受信したATMセルを再びIPパケットに変換する。
【0048】
なお、本データパケット通信ノードでは、隣接するデータパケット通信ノードとのデータパケット転送の際に使用できるIPレベルのリソース量に関する情報をあらかじめ保持しているものとする。
【0049】
図1に示すデータパケット通信網上において、前述したIPデータパケットに対する各種サービスが提供される場合は、図2または図3に示すようなIPパケット−ATMセルの対応が行われる。
【0050】
図2の例では、Guarateedサービスに対しては、1パケットフローに対して1本の仮想コネクションが対応づけられ、Guaranteedサービスフローgm(1≦m≦n)が要求する転送速度値を満足するために必要なIPパケットレベルのリソース量Rgmが確保できるように、該フローを収容するABTコネクションVCgmにおいて帯域量PCRgmが確保される。Predictiveサービス、Best Effortサービスに対しては、これらのサービスを要求する全てのフローを1本の仮想コネクションに収容し、Predictiveサービスにおける各サービスレベルに対して割り当てられるIPパケットレベルのリソース量R1〜R3、Best Effortサービスに対して割り当てられる網リソース量Rbの総和が確保できるように、該フローを収容するABTコネクションVCrにおいて帯域量PCRrが確保される。
【0051】
図3の例では、Guaranteedサービスに対しては、全てのGuaranteedサービスフローを1本の仮想コネクションに収容し、各Guaranteedサービスフローに対して割り当てられるIPパケットレベルのリソース量の総和(ΣRgm)が確保できるように、該フローを収容するABTコネクションVCgにおいて帯域量PCRgが確保される。Predictiveサービス、Best Effortサービスに対しては、図2と同様の形態をとる。
【0052】
Predictiveサービスの各サービスレベルに対して割り当てられるIPパケットレベルのリソース量R1〜R3は、各レベルにおける遅延値の大小関係が正しく成り立つように(すなわち、レベル値が小さいほど遅延値が低くなるように)、また、レベル毎に設定される転送所要時間の上限値が満たされるように算出され、割り当てられる。さらに、Best Effortサービスに対して割り当てられるIPパレットレベルのリソース量Rbは、データパケット通信ノードに対して割り当てられている全リソース量より、Guaranteedサービスに対して割り当てられたリソース量Rg1〜Rgn、Predictiveサービスに対して割り当てられたリソース量R1〜R3を差し引いた残余リソース量を越えないリソース量が任意に割り当てられる。
【0053】
以下においては、特に明記しない限り、図2に示したIPパッケット−ATMセルの対応づけに基づいて説明を行うものとする。
図1に示すデータパケット通信網上に前述したRSVPが搭載されている場合は、図4に示すように、IPデータパケット42の転送に対してサービス品質を要求する受信端末112は、必要に応じ、Resvメッセージ41を送信端末111宛に送出する。これを受信したデータパケット通信ノードは、該メッセージ内に記入されている要求サービス品質の提供が可能であるか否かを判断し、可能であれば該サービス品質を提供するのに必要である網リソースを確保する。図1に示したデータパケット通信網では、隣接するデータパケット通信ノード間のIPデータパケットの転送は、ATM通信網を介して行われているので、Resvメッセージを受信したデータパケット通信ノードは、該Resvメッセージが示すIPデータパケットの通信を行う仮想コネクションの帯域を、要求サービス品質を満足できるように確保する。
【0054】
本データパケット通信ノード間にて設定する仮想コネクションとしては、ABT(ATM Block Transfer)と呼ばれるサービスを提供するABTコネクションを採用する。ABTでは、図5に示すように、隣接するRMセル(Resource Management セル)に囲まれるATMブロックに属するセルのために確保する帯域量(転送レート)を、仮想コネクションの再設定を行わずに動的に変更することが可能であるため、要求サービス品質の変更が生じる度に仮想コネクションの再設定を行う必要がない。
【0055】
ABTコネクションの初期設定時には、該コネクションにおいて提供可能な最大セル転送レートのみを規定し、セル転送のために網内リソースを確保したい場合、上流側のデータパケット通信ノードは、ブロックの先頭に位置するRMセル51内に、所望のセル転送レートを記入し、これを下流側のデータパケット通信ノードに対して送出する。前記RMセルが通過するATM網では、該RMセル内に記載されている要求セル転送レートを提供するのに必要な帯域が確保できるか否かを判断し、前記帯域の確保が可能であれば、CI(Congestion Indication )ビットが0であるRMセルを、前記帯域の確保が不可能であれば、CIビットが1であるRMセルを、下流側のデータパケット通信ノードのUNI(User Network Interface)部より、該上流側のデータパケット通信ノード宛に送出する。そして、該上流側のデータパケット通信ノードでは、CIビットが0であるRMセルを受信した場合には、要求したセル転送レートに従ったセル転送が可能であることを認識し、CIビットが1であるRMセルを受信した場合には、要求したセル転送レートは拒絶されたものと認識する。
【0056】
なお、前述のように、ABTサービスでは前記RMセルの受信を待ってからセルの転送を開始するABT/DTサービスと前記RMセルの応答を待たずにセルの転送を開始するABT/ITサービスとが用意されているが、本実施形態では認識を待たずにデータセルの転送を開始するABT/ITに従うものとしている。
【0057】
前記ABTコネクションの特性を考慮した本データパケット通信ノードの一機能であるリソース管理部の一構成例を図6に示す。図6に示すように、本リソース管理部は、IPパケットフロー管理部61、IPレベルリソース管理部62、IPパケットフロー情報管理部63、ABTコネクション設定部64、ABT確保リソース量変更部65、ABTコネクション情報管理部66より構成される。
【0058】
IPパケットフロー管理部61は、IPパケットに関する新規サービス提供要求、サービス品質変更要求を受け、適切な動作を指示する。
IPレベルリソース管理部62は、現在本データパケット通信ノードにおいてサービス中であるIPパケットフローに関するリソース情報を管理、制御する。
【0059】
IPパケットフロー情報管理部63は、現在サービス中のIPパケットフローに対して割り当てられているリソース量に関する情報を保持する。
ABTコネクション設定部64は、新規に仮想コネクションの設定が必要である際はATM網上にABTコネクションを設定する。
【0060】
ABT確保リソース量変更部65は、既に設定されているABTコネクションにおいて確保する帯域量の変更を行う。
ABTコネクション情報管理部66は、現在設定されているABTコネクションに関する情報を保持する。
【0061】
本リソース管理部では、該リソース管理部を収容するデータパケット通信ノードにおいて認識する新規サービス提供の要求(新たなIPパケットフローの転送要求、または新たなサービス種別への変更要求)やサービス品質の変更要求に対して、該リソース管理部において管理するIPパケットフロー情報とABTコネクション情報をもとにして、該要求の受け入れが可能か否かを判定する。IPパケットフロー情報管理部63では、Guaranteedサービスを提供するフローの識別子と該フローに割り当てられているリソース量、Predictiveサービスを提供するフローについて各サービスレベル毎に割り当てられているリソース量、Best Effortサービスを要求する全フローに対して割り当てられているリソース量、および如何なるフローに対しても割り当てられていない本データパケット通信ノードにおいて割り当て可能な残余帯域に関する情報を管理する。ここで、IPパケットフローの識別子としては、該パケットがインターネットプロトコルバージョン6(IPv6)と呼ばれる仕様にもとづいたものであれば、該パケットのヘッダ部内におけるフローラベル値、ソースアドレス値の両値の組を用いる。
【0062】
ABTコネクション情報管理部66では、各コネクションの識別子と該コネクションが確保している帯域量とを対応付けて管理する。ここで、ABTコネクションの識別子としては、仮想パス識別子(VPI)または仮想チャネル識別子(VCI)を用いる。
【0063】
なお、IPパケットフロー情報管理部63内の情報とABTコネクション情報管理部66内の情報とは、IPレベルのリソース量と、該リソース量が割り当てられるパケットの収容先となるABTコネクションに関する情報とが対応付けされている構成になっていることが望ましい。
【0064】
本実施形態のデータパケット通信ノードの一機能である図6のリソース管理部での動作アルゴリズムを表したフローチャートを図7に示す。
新規サービスの提供要求やサービス品質の変更要求等をデータパケット通信ノードにおいて受信すると(ステップS71)、まず、上記リソース管理部はIPパケットフロー管理部61において、該変更要求がIPパケットフロー情報管理部63内に記載されていないGuaranteedサービスの新規要求であるか否かを判断する(ステップS72)。該要求が新規Guaranteedサービスの要求であれば、ABTコネクション設定部64により、該フローを収容するためのABTコネクションを新規に設定する(ステップS73)。なお、既にGuaranteedサービス以外のサービスを提供しているフローがGuaranteedサービスへの変更を要求する場合も、ABTコネクションを新規に設定する。
【0065】
次に、IPパケットフロー情報管理部63内の情報を元に、変更要求後のサービス品質の提供を行うのに十分なリソース量の割り当てが可能であるか否かを判断する(ステップS74)。このとき、IPレベルリソース管理部62では、該フローがGuaranteedサービスを要求している場合には、該フローの要求する転送速度値を満足させるのに十分なリソース量(該フローが既にGuaranteedサービスとしてサービスされている場合には、現在割り当てられているリソース量との差分)を残余リソース量RestやBest Effortサービスに対して割り当てられているリソース量Rbを加えた量にて提供可能であるか否かにより判断する。なお、該フローが既に要求している転送速度値よりも低速なサービスを要求している場合は、変更要求後のサービス品質は確実に提供できる。また、該フローがPredictiveサービスを要求している場合には、該フローを受け入れた際にも、該フローが要求するサービスレベルの転送所要時間の上限値、そしてサービスレベル間の転送遅延値の大小関係が正しく成立するために必要なリソース量の増分が、リソース量Restやリソース量Rbにて提供可能であるか否かにより判断する。
【0066】
IPレベルリソース管理部62において、前記の要求サービス品質を満足させるのに十分なリソース量の確保が可能であると判断すれば、該フローを収容するABTコネクションの確保帯域量の変更を行うため、ABT確保リソース変更部65により、該ABTコネクション上へ変更後の確保帯域量を記入したRMセルの送出を行い(ステップS75)、続いて当該サービス品質にてデータセルの転送を開始する(ステップS76)。つまり、ABTコネクションでは、ABT/ITサービスを提供することとなる。このとき、RMセルを送出してからデータセルの送出を開始するまでの時間は、該セルが転送されるATM網に関する属性等にもとづき、ABT確保リソース部65により設定する。
【0067】
一方、前記リソース量の確保が不可能であると判断すれば、該変更要求を拒絶する(ステップS77)。なお、変更後のリソース量を確保するためにBestEffortサービスに対して割り当てられているリソース量の減少を行う場合は、まずBest Effortサービスを収容するABTコネクション上に、減少後の帯域量を記入したRMセルを送出した後に、変更要求を行ったフローを収容するABTコネクション上へ変更後の確保帯域量を記入したRMセルの送出を行う。
【0068】
データセルの送出前に送出したRMセルが、ATM網内を折り返され再びデータパケット通信ノードにて受信されれば(ステップS78)、該RMセル内に記入されていた帯域量の確保がABTコネクションにて行われたか否かを、CIビットを調べることにより判断する(ステップS79)。CIビットが0であれば、要求帯域量の確保が行われたことを表すので、引続きデータセルの転送を行い(ステップS80)、一方、CIビットが1であれば、要求帯域量の確保がなされなかったことを表すので、要求されたサービス品質の変更を中止する(ステップS81)。
【0069】
なお、ステップS76で新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、必要リソース量の確保ができなかった場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、旧要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を再開することができる。この場合、ABTコネクションにおいてリソース確保ができず、サービス品質の変更要求を拒絶することになった場合に、当該ABTコネクションにおけるリソース量が0に設定されてしまうサービスが提供されているなら、本データパケット通信ノードは、リソース量を要求前の品質に戻すためのRMセルを再度送出する必要があるが、リソース量が要求前の品質に戻されるサービスが提供されているなら、再度RMセルを送出する必要はない。
【0070】
また、ステップS76で新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、必要リソース量の確保ができなかった場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、データパケットの送信を、いかなる品質をも保証することなく再開するようにしても良い。
【0071】
次に、図8にデータパケット通信ノード間を接続する仮想コネクションがABT/ITサービスを提供する場合にResvメッセージを介して行われる網リソース予約および必要リソース量確保の確認を待たずに行うデータパケット転送の手順を示す。
【0072】
この手続きは、例えば送信端末111に直結されたデータパケット通信ノード121とデータパケット通信ノード間に位置するデータパケット通信ノード122により行なわれる。
【0073】
図8においては、下流側からResvメッセージを受信したデータパケット通信ノードは、前述のように必要リソース量の確保が可能であると判断した場合、該Resvメッセージを送出した下流側のデータパケット通信ノードとの間に設定されているABTコネクションのリソース予約要求を表すRMセルを下流側のデータパケット通信ノード宛に送出するとともに、受信したResvメッセージをデータパケット送信側のユーザ端末宛に送出し、即座に新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始する。
【0074】
そして、RMセルを発信したデータパケット通信ノードがCI=0であるRMセルを受信したならば、前記コネクションにおいて要求リソース量の予約が行えたものと認識し、引続き新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を行う。
【0075】
一方、CI=1であるRMセルを受信したならば、当該Resvメッセージを発した、データパケット受信側のユーザ端末宛に、エラーメッセージを送出する。
【0076】
データの送信端末と受信端末を結ぶ各データパケット通信ノード間にて上記手順で網リソース予約およびデータパケット転送がなされ、全ABTコネクションにてリソース予約要求が成功すれば、迅速に新規要求サービス品質に従ったデータパケット転送が提供されたことになる。
【0077】
もし、いずれかのABTコネクションにて必要リソースが確保できなかった場合、受信端末にエラー・メッセージが渡され、受信端末は必要に応じてエラー処理を行う。
【0078】
以上、本実施形態では、受信端末が、送信端末より発せられるIPデータパケットに対するサービス品質をデータパケット通信網に対して要求し、本データパケット通信網では、該要求を満足させるようにリソース予約などを行うものであった。その代わりに、送信端末が受信端末に向けて送るメッセージ(例えばST−II(Stream Protocol Version 2)のCOONNECTメッセージやCHANGEメッセージ)に応答してリソース予約などを行うようにしても良い。
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において種々変形して実施することができる。
【0079】
【発明の効果】
本発明によれば、ATM通信網を介してデータパケットの配送を行うにあたって、データパケットの送信又は受信ユーザ端末より受信又は送信ユーザ端末に送られるメッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて求められた必要リソース量の確保が可能であるか否かを判断し、可能であると判断された場合に即座に新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始することで、ATM網より通知されるサービス変更要求の可否判断の通知を待つことにより被る遅延を解消し、迅速なデータパケット転送サービスの提供を可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るデータパケット通信網の基本構成を示す図
【図2】IPパケット−ATMセルの対応づけの一例を示す図
【図3】IPパケット−ATMセルの対応づけの一例を示す図
【図4】図1のデータパケット通信網におけるRSVPの適用例を示す図
【図5】ABTサービスを説明するための図
【図6】データパケット通信ノードの一機能であるリソース管理部の一構成例を示す図
【図7】図6のリソース管理部での動作アルゴリズムを示したフローチャート
【図8】隣接するデータパケット通信ノード間における網リソース予約およびデータパケット転送手順の一例を示す図
【符号の説明】
111…送信端末
112…受信端末
133,134…ATM網
121〜123…データパケット通信ノード
131,132…ATM交換機
151,152…仮想コネクション
61…IPパケットフロー管理部
62…IPレベルリソース管理部
63…IPパケットフロー情報管理部
64…ABTコネクション設定部
65…ABT確保リソース変更部
66…ABTコネクション情報管理部
Claims (20)
- データパケット又はメッセージから変換されたATMセルを受信し、受信されたATMセルから生成されたデータパケットをATMセルに変換し、変換されたATMセルを仮想コネクションに送信するための転送手段と、
データパケットを送信又は受信する他のノード装置より送信された、サービス品質の予約を要求するメッセージが前記転送手段により受信された場合に、該メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて求められた必要リソース量の確保が可能か否かを判断する判断手段とを備え、
前記転送手段は、前記判断手段により前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記データパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始することを特徴とするノード装置。 - 前記仮想コネクションは、コネクションの張り直しを行わずに確保するリソース量の変更が可能である仮想コネクションであることを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
- 前記コネクションの張り直しを行わずに確保するリソース量の変更が可能である仮想コネクションの設定は、リソース量の確保に先立って行うことを特徴とする請求項1または2に記載のノード装置。
- 前記仮想コネクションは、ABT/ITに従う仮想コネクションであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のノード装置。
- 前記転送手段は、前記仮想コネクションにおいて前記必要リソース量を確保するために資源管理セルに確保したいリソース量を書き込んで前記仮想コネクション上に送出した後に、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のノード装置。
- 前記転送手段は、前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、旧要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を再開することを特徴とする請求項5に記載のノード装置。
- 前記転送手段は、前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、データパケットの送信を、いかなる品質をも保証することなく再開することを特徴とする請求項5に記載のノード装置。
- 前記資源管理セルに確保したいリソース量を書き込んで送出する仮想コネクションは、前記データパケットの転送経路において自ノード装置から次段のノード装置に向けて設定された、自ノード装置がATMセルを送信する仮想コネクションであることを特徴とする請求項5ないし7のいずれか1項に記載のノード装置。
- 前記判断手段は、自ノード装置内にデータパケットレベルにおいて割り当てたリソースの情報および残余リソースの情報を保持しておき、サービス品質の変更要求時には、IPレベルのリソース情報をもとに、前記サービス品質を満足させるのに必要なATMレベルのリソース量の確保が可能か否かを判断することによって、前記必要リソース量の確保が可能か否かの判断を行うことを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
- 前記必要リソース量は、前記メッセージ内に記されている要求サービス品質を満足させるサービス品質を、前記受信ユーザ端末宛に転送されるデータパケット に対して提供するために必要なリソース量であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のノード装置。
- 前記仮想コネクションにより提供されるサービスにおいて変更されることが可能なリソース量は、前記仮想コネクションにおける帯域量または前記仮想コネクションを介したセル転送におけるセル転送レートであることを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
- 前記必要リソース量の確保が行われた旨のメッセージは、ABTサービスにおけるRMセルであってそのCIビットが前記必要リソース量の確保が行われたことを示すものであることを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
- 前記サービス品質の予約を要求するメッセージは、RSVPのResvメッセージまたはPathメッセージであることを特徴とする請求項1に記載のノード装置。
- データパケット又はメッセージから変換されたATMセルを受信し、受信されたATMセルから生成されたデータパケットをATMセルに変換し、変換されたATMセルを仮想コネクションに送信するノード装置における網リソース予約方法において、
データパケットを送信又は受信するユーザ端末よりサービス品質の予約を要求するメッセージを受信し、
受信された前記メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて必要リソース量を求め、
求められた前記必要リソース量の確保が可能であるか否かを判断し、
前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記データパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保を要求し、この確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始することを特徴とする網リソース予約方法。 - 前記仮想コネクションは、コネクションの張り直しを行わずに確保するリソース量の変更が可能である仮想コネクションであることを特徴とする請求項14に記載の網リソース予約方法。
- 前記リソース量の確保の要求は、資源管理セルに確保したいリソース量を書き込んで前記仮想コネクション上に送出することによって行うことを特徴とする請求項14に記載の網リソース予約方法。
- 前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、旧要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を再開することを特徴とする請求項14に記載の網リソース予約方法。
- 前記仮想コネクションを用いて新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を開始した後に、前記リソース量の確保ができなかった旨の内容が記入された資源管理セルを受信した場合、新規要求サービス品質に従ったデータパケットの送信を中止し、データパケットの送信を、いかなる品質をも保証することなく再開することを特徴とする請求項14に記載の網リソース予約方法。
- 第1のパケットを受信し、この第1のパケットを所定の第2のパケットに変換し、変換された第2のパケットを仮想コネクションに送信するための転送手段と、
第1のパケットを送信又は受信する他のノード装置より送信された、サービス品質の予約を要求するメッセージが前記転送手段により受信された場合に、該メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて求められた必要リソース量の確保が可能か否かを判断する判断手段とを備え、
前記転送手段は、前記判断手段により前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記第1のパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従った第1のパケットの送信を開始することを特徴とするノード装置。 - 第1のパケットを受信し、この第1のパケットを所定の第2のパケットに変換し、変換された第2のパケットを仮想コネクションに送信するノード装置における網リソース予約方法において、
第1のパケットを送信又は受信するユーザ端末よりサービス品質の予約を要求するメッセージを受信し、
受信された前記メッセージ中に書かれている要求サービス品質に基づいて必要リソース量を求め、
求められた前記必要リソース量の確保が可能であるか否かを判断し、
前記必要リソース量の確保が可能であると判断された場合に、前記第1のパケットの通信を行うべき前記仮想コネクションにおいて前記リソース量の確保を要求し、この確保が行われた旨のメッセージの受信を待たずに、新規要求サービス品質に従った第1のパケットの送信を開始することを特徴とする網リソース予約方法。
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