JP3616902B2 - 免震装置の性能試験方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、美術品等の物品を地震から保護するための小規模な免震装置の性能を知るための試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
美術品等の小規模な免震装置の性能を調べる場合、従来では一般に、振動台の上に免震装置を載せ、その免震装置の上に美術品等の物品を載せて、加振実験を行っている。
【0003】
ところが、仏像のような重要文化財の場合は移動が不可能であり、また、設置場所がお寺の中のように非常に限定されているため、大掛かりな試験装置を用いることができない。このため、免震装置を構成する免震ゴム単体の性能から、アセンブリ後の性能を予測しているのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、免震ゴム単体の性能からアセンブリ後の性能を予測するだけでは、実際に地震が起こった場合の免震性能を正確に把握することはできない。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、実際に地震が起こったときの状態を模擬して試験を行うことにより、精度よく免震性能を把握することのできる簡略な性能試験方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、免震対象の物品と床との間に介在され、床から物品に伝達される振動を吸収する免震装置の性能試験方法であって、床に配した免震装置の上に物品を載せた状態で、物品に対し強制的に初期変位を与えて自由振動させ、変位測定器により物品の時間履歴変位を測定することで時間履歴変位曲線を作成し、その時間履歴変位曲線から、物品を載せた免震装置の固有周期と減衰定数とを求めることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、水平面内における第1の方向から物品に初期変位を与えて前記固有周期と減衰定数とを求めた後、水平面内における前記第1の方向と直交する第2の方向から物品に初期変位を与えて前記固有周期と減衰定数とを求め、それらの平均値を最終的な固有周期と減衰定数とすることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
この発明を実施するに当たっては、まず、図1(a)に示すように、実際に使用する免震装置3を床Fの上に設置して、その上に仏像等の美術品(物品)1を載置する。2は美術品の台座である。この場合の免震装置3は、水平面内の全方向に等しく振動吸収機能を発揮できるように、環状の免震ゴムと環状の鋼板とを交互に積層した構造のものであり、台座2の内側に隠れて設置されている。
【0009】
次に、台座2の外周面に対向する位置に、台座2の水平方向の振動変位を測定するためのレーザ変位計(変位測定器)5を設置して、それをコンピュータ6に接続する。この場合、レーザ変位計5は、図1(b)に示すように、円形の台座2の中心2aに向けてレーザ光を発射するように配置し、レーザ光の当たる台座2上の位置に反射板4を取り付ける。振動変位の計測は、レーザー変位計5から台座2に取り付けた反射板4にレーザ光を照射し、その反射に要する時間から距離を算出する方法を用いる。
【0010】
次に、台座2に対して、台座2の中心2aとレーザ変位計5とを結ぶ線に平行な方向に強制的な初期変位Nを与えて、以降は、矢印Pで示すように自由振動させる。そして、レーザ変位計5により美術品1の台座2の時間履歴変位を測定することで、図2に示すような時間履歴変位曲線Sを作成し、その時間履歴変位曲線Sから、美術品1を載せた実使用状態での免震装置3の固有周期T1と減衰定数hとを求める。
【0011】
この場合の固有周期T1は、時刻履歴変位曲線Sの中の隣接する頂点Xn、Xn+1間の距離から求める。また、減衰定数hは次式により計算する。
h=(1/2π)ln(Xn/Xn+1)
【0012】
水平面内における第1の方向(図示の左右方向)から台座2に初期変位を与えて固有周期と減衰定数とを求めたら、次に、それと直交する第2の方向(前後方向)から台座2に初期変位を与えて固有周期と減衰定数とを求める。その場合、レーザ変位計5と反射板4の位置は、変位を与える方向に応じて変更する。
【0013】
そして、方向を違えて何回かの測定データを得たら、それらのデータの平均値を求めて、それらの平均値を最終的な固有周期と減衰定数とする。
【0014】
このように、実際の状況で模擬的に自由振動を与えて試験することにより、設計通りの性能を発揮できるか否かを検討する。そして、期待通りの性能を発揮できることが確認されたら、そのまま試験を終える。
【0015】
なお、免震装置3の上に載置する物品は、特に美術品に限定されない。また、免震装置3の種類も免震ゴムを使用した構造のものに限定されない。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、実際に免震装置の上に物品を載せた状態で強制的に自由振動させ、変位測定器により物品の時間履歴変位を測定することで時間履歴変位曲線を作成し、その時間履歴変位曲線から免震装置の固有周期と減衰定数とを求めるので、免震装置が実使用状態で設計通りの性能を有しているかどうかを簡単且つ正確に確認することができる。また、変位測定器のデータによって時間履歴曲線を求めるだけであるから、簡単な装置で試験を行うことができ、対象物の移動や大掛かりな装置が不要であり、試験要員も少なくてすみ、コストもかからない。
【0017】
請求項2の発明によれば、水平面内で直交する2方向のデータの平均により固有周期と減衰定数とを求めるので、実際の地震に対する性能を、より精度よく把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の試験方法の説明図であり、(a)は試験を行っている状態を示す正面図、(b)は同平面図である。
【図2】図1の試験における自由振動により得た時間履歴変位曲線を示す特性図である。
【符号の説明】
1 美術品(物品)
2 台座
3 免震装置
5 レーザ変位計(変位測定器)
S 時間履歴曲線
T1 固有周期
【発明の属する技術分野】
本発明は、美術品等の物品を地震から保護するための小規模な免震装置の性能を知るための試験方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
美術品等の小規模な免震装置の性能を調べる場合、従来では一般に、振動台の上に免震装置を載せ、その免震装置の上に美術品等の物品を載せて、加振実験を行っている。
【0003】
ところが、仏像のような重要文化財の場合は移動が不可能であり、また、設置場所がお寺の中のように非常に限定されているため、大掛かりな試験装置を用いることができない。このため、免震装置を構成する免震ゴム単体の性能から、アセンブリ後の性能を予測しているのが実情である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、免震ゴム単体の性能からアセンブリ後の性能を予測するだけでは、実際に地震が起こった場合の免震性能を正確に把握することはできない。
【0005】
本発明は、上記事情を考慮し、実際に地震が起こったときの状態を模擬して試験を行うことにより、精度よく免震性能を把握することのできる簡略な性能試験方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、免震対象の物品と床との間に介在され、床から物品に伝達される振動を吸収する免震装置の性能試験方法であって、床に配した免震装置の上に物品を載せた状態で、物品に対し強制的に初期変位を与えて自由振動させ、変位測定器により物品の時間履歴変位を測定することで時間履歴変位曲線を作成し、その時間履歴変位曲線から、物品を載せた免震装置の固有周期と減衰定数とを求めることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、水平面内における第1の方向から物品に初期変位を与えて前記固有周期と減衰定数とを求めた後、水平面内における前記第1の方向と直交する第2の方向から物品に初期変位を与えて前記固有周期と減衰定数とを求め、それらの平均値を最終的な固有周期と減衰定数とすることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
この発明を実施するに当たっては、まず、図1(a)に示すように、実際に使用する免震装置3を床Fの上に設置して、その上に仏像等の美術品(物品)1を載置する。2は美術品の台座である。この場合の免震装置3は、水平面内の全方向に等しく振動吸収機能を発揮できるように、環状の免震ゴムと環状の鋼板とを交互に積層した構造のものであり、台座2の内側に隠れて設置されている。
【0009】
次に、台座2の外周面に対向する位置に、台座2の水平方向の振動変位を測定するためのレーザ変位計(変位測定器)5を設置して、それをコンピュータ6に接続する。この場合、レーザ変位計5は、図1(b)に示すように、円形の台座2の中心2aに向けてレーザ光を発射するように配置し、レーザ光の当たる台座2上の位置に反射板4を取り付ける。振動変位の計測は、レーザー変位計5から台座2に取り付けた反射板4にレーザ光を照射し、その反射に要する時間から距離を算出する方法を用いる。
【0010】
次に、台座2に対して、台座2の中心2aとレーザ変位計5とを結ぶ線に平行な方向に強制的な初期変位Nを与えて、以降は、矢印Pで示すように自由振動させる。そして、レーザ変位計5により美術品1の台座2の時間履歴変位を測定することで、図2に示すような時間履歴変位曲線Sを作成し、その時間履歴変位曲線Sから、美術品1を載せた実使用状態での免震装置3の固有周期T1と減衰定数hとを求める。
【0011】
この場合の固有周期T1は、時刻履歴変位曲線Sの中の隣接する頂点Xn、Xn+1間の距離から求める。また、減衰定数hは次式により計算する。
h=(1/2π)ln(Xn/Xn+1)
【0012】
水平面内における第1の方向(図示の左右方向)から台座2に初期変位を与えて固有周期と減衰定数とを求めたら、次に、それと直交する第2の方向(前後方向)から台座2に初期変位を与えて固有周期と減衰定数とを求める。その場合、レーザ変位計5と反射板4の位置は、変位を与える方向に応じて変更する。
【0013】
そして、方向を違えて何回かの測定データを得たら、それらのデータの平均値を求めて、それらの平均値を最終的な固有周期と減衰定数とする。
【0014】
このように、実際の状況で模擬的に自由振動を与えて試験することにより、設計通りの性能を発揮できるか否かを検討する。そして、期待通りの性能を発揮できることが確認されたら、そのまま試験を終える。
【0015】
なお、免震装置3の上に載置する物品は、特に美術品に限定されない。また、免震装置3の種類も免震ゴムを使用した構造のものに限定されない。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、実際に免震装置の上に物品を載せた状態で強制的に自由振動させ、変位測定器により物品の時間履歴変位を測定することで時間履歴変位曲線を作成し、その時間履歴変位曲線から免震装置の固有周期と減衰定数とを求めるので、免震装置が実使用状態で設計通りの性能を有しているかどうかを簡単且つ正確に確認することができる。また、変位測定器のデータによって時間履歴曲線を求めるだけであるから、簡単な装置で試験を行うことができ、対象物の移動や大掛かりな装置が不要であり、試験要員も少なくてすみ、コストもかからない。
【0017】
請求項2の発明によれば、水平面内で直交する2方向のデータの平均により固有周期と減衰定数とを求めるので、実際の地震に対する性能を、より精度よく把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の試験方法の説明図であり、(a)は試験を行っている状態を示す正面図、(b)は同平面図である。
【図2】図1の試験における自由振動により得た時間履歴変位曲線を示す特性図である。
【符号の説明】
1 美術品(物品)
2 台座
3 免震装置
5 レーザ変位計(変位測定器)
S 時間履歴曲線
T1 固有周期
Claims (2)
- 免震対象の物品と床との間に介在され、床から物品に伝達される振動を吸収する免震装置の性能試験方法であって、
床に配した免震装置の上に物品を載せた状態で、物品に対し強制的に初期変位を与えて自由振動させ、変位測定器により物品の時間履歴変位を測定することで時間履歴変位曲線を作成し、その時間履歴変位曲線から、物品を載せた免震装置の固有周期と減衰定数とを求めることを特徴とする免震装置の性能試験方法。 - 水平面内における第1の方向から物品に初期変位を与えて前記固有周期と減衰定数とを求めた後、水平面内における前記第1の方向と直交する第2の方向から物品に初期変位を与えて前記固有周期と減衰定数とを求め、それらの平均値を最終的な固有周期と減衰定数とすることを特徴とする請求項1記載の免震装置の性能試験方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13568398A JP3616902B2 (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 免震装置の性能試験方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13568398A JP3616902B2 (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 免震装置の性能試験方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11326113A JPH11326113A (ja) | 1999-11-26 |
JP3616902B2 true JP3616902B2 (ja) | 2005-02-02 |
Family
ID=15157487
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13568398A Expired - Fee Related JP3616902B2 (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 免震装置の性能試験方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3616902B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN111427078B (zh) * | 2019-01-09 | 2023-08-22 | 中国石油天然气集团有限公司 | 一种地震勘探采集系统和方法 |
-
1998
- 1998-05-18 JP JP13568398A patent/JP3616902B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11326113A (ja) | 1999-11-26 |
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