JP3607625B2 - Multi-channel echo suppression method, apparatus thereof, program thereof and recording medium thereof - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、音声会議、TV会議などにおいて一つの音響空間内に複数のスピーカと少くとも一つのマイクロホンが配された拡声通話系等において、エコー信号を抑圧する多チャネル反響抑圧方法、反響抑圧装置、反響抑圧プログラム及びその記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4に、拡声通話系の一例を示す。送話者110の発声した送話音声は、送話用マイクロホン101、送話信号増幅器105、伝送路109、受話信号増幅器108、受話スピーカ104を経て受話者111に伝わる。同様に送話者111の発声した送話音声は送話用マイクロホン103、送話信号増幅器107、伝送路109、受話信号増幅器106、受話スピーカ102を経て受話者110に伝わる。
【0003】
この拡声通話系は、従来の電話通話系のように送受話器を手に持つ必要がないため、作業をしながらの通話が可能であったり、また、自然な対面通話が実現できるという長所を持ち、通信会議やテレビ電話、拡声電話機などに広く利用が進められている。
しかしながら、上述した拡声通話系の欠点として、エコーの存在が問題となっている。即ち、図4において、スピーカ104から受話者111に伝わった音声が、マイクロホン103にも受音され、送話信号増幅器107、伝送路109、受話信号増幅器106、スピーカ102を経て送話側で再生される。送話者110にとって、この現象は、自分の発声した音声が、スピーカ102から再生されるというエコー現象であり、音響エコーなどと呼ばれている。このエコー現象は、拡声通話系において通話の障害や不快感などの悪影響を生じる。
【0004】
さらに、スピーカ102から再生された音は、マイクロホン101で受音されて信号の閉ループを形成し、そのループゲインが1より大きい場合にはハウリング現象が発生して、通話は不能となる。
このような拡声通話系の問題点を解決するために、反響消去装置(エコーキャンセラ)が利用されている。エコーキャンセラは適応フィルタ部、非線形エコー抑圧処理部のどちらか、もしくはそれらを組み合わせて構成される。
ここで、非線形エコー抑圧処理は、音声スイッチやセンタクリッパなどの、適応フィルタ(線形処理)以外のエコー抑圧処理を指す。適応フィルタ、非線形エコー抑圧処理に関しては、辻井重男監修の「エコーキャンセラ技術」(日本工業技術センター、昭61)などが詳しい。また、ITUの勧告P201、P204、G165、G167などにも、構成および要求性能が提示されている。これらの処理によって、比較的静かな環境で利用する従来の通信会議やテレビ電話、拡声電話機などは、十分な通話品質を保証することが可能であった。
【0005】
しかし、昨今、拡声通話の利用形態が拡大している。例えば、高騒音下の自動車内でのハンズフリー通話や、伝送遅延の大きいパケット網を用いたデスクトップテレビ会議、残響の大きい講堂を用いる遠隔講義などが挙げられる。このような利用環境においては、従来の適応フィルタや非線形エコー抑圧処理では、十分な通話品質の保証が困難となっている。
高騒音下では、適応フィルタは一般的にエコー経路のインパルス応答を十分に推定することが困難となる。適応フィルタのフィルタ係数長(タップ長)は、エコー経路の残響時間に基づいて設定される。したがって、残響時間が長い場合は、より多くのタップ長が必要となり、収束速度の低下や装置のハードウェア規模の増大を招く。さらに、伝送遅延が大きい場合には、エコーがより聞こえやすくなり、適応フィルタだけでは消去しきれない残留エコーが通話品質の劣化を引き起こす。
【0006】
これに対して、非線形エコー抑圧処理は、挿入損失の制御などにより大きくロバストにエコー抑圧できる利点がある。しかし、エコーと同時に送話音声が存在する場合は、それらを区別なく抑圧してしまうために、送話音声に歪みや、音の途切れを引き起こしてしまうといった問題が発生してしまう。すなわち、非線形エコー抑圧処理は、双方向同時通話(ダブルトーク)時に、通話品質の劣化を引き起こすという問題がある。
以上のような問題に対し、周波数領域のエコー抑圧方法が特開平11−331046号公報に提案されている。その抑圧方法について、図5を用いて簡単に説明する。なお、該エコー抑圧方法は受話信号x(k)および、マイクロホン103からの送信信号(エコー重畳信号)y(k)をそれぞれ、高速フーリエ変換部201および202で高速フーリエ変換して、信号の短時間スペクトルX(ω),Y(ω)をそれぞれ求める。片側発話状態検出部204に受話信号x(k)送信信号y(k)を入力して、受話信号x(k)だけが入力される状態か否かを検出する。そして、受話信号だけが入力されている片側発話状態の場合に、先に変換した受話信号スペクトルおよび送信信号スペクトル(この場合、エコー信号スペクトル)の各パワーPX(ω),PY(ω)(=PE(ω))から、エコー経路結合量計算回路205において、推定エコー経路結合量PHe(ω)=PY(ω)/PX(ω)を計算する。
【0007】
エコー信号パワー計算部206で、受話信号パワーPX(ω)に推定エコー経路結合量PHe(ω)を乗じて、予測エコー信号パワーPEe(ω)を計算する。その計算された予測エコー信号パワーPEe(ω)と、受話信号および送信信号の各短時間スペクトルX(ω),Y(ω)を用いて、エコー抑圧ゲイン決定部207において、送信信号y(k)に重畳されたエコー信号b(k)の割合に基づいてエコー抑圧ゲインGを計算する。このエコー抑圧ゲインG(ω)を、エコー抑圧部208において、送信信号(エコー重畳信号)スペクトルY(ω)に乗じることにより、エコーを抑圧した処理信号スペクトルSe(ω)が得られ、処理信号スペクトルSe(ω)を逆高速フーリエ変換部203で逆フーリエ変換することにより、エコー信号b(k)を抑圧し送話信号s(k)を強調した時間信号se(k)が得られる。
【0008】
この方法を用いると、エコーが重畳された送信信号y(k)からエコー信号b(k)だけを抑圧し、送話信号s(k)だけを強調し、相手側に送信することができる。すなわち、非線形エコー抑圧処理でありながら、ダブルトーク時にも送話信号s(k)が途切れることなく、エコー信号b(k)だけを抑圧することが可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の方法では、エコー経路結合量を計算するために、片側発話状態検出部により、受話のみしている状態を検出する必要がある。この片側発話状態を誤検出すると、エコー抑圧ゲインG(ω)が不正確なものとなり、通話品質が劣化するおそれがあった。また従来の方法は一つの音響空間に複数のスピーカと一つのマイクロホンが存在する系やステレオ音声会議のように、一つの音響空間に複数スピーカと複数のマイクロホンとが存在する系のような多チャネル系についての反響消去については示されていない。
【0010】
この発明の目的は多チャネル系において、片側発話状態の誤検出による通話品質の劣化が生じるおそれのない多チャネル反響抑圧方法、その装置、そのプログラム及びその記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この第1の発明によれば、Nチャネル(Nは2以上の整数)の受話信号に対する収音信号の各チャネル毎のパワー比をそれぞれ、所定時間毎に算出し、これら逐次算出する各チャネルのパワー比の内の最小値を各チャネルの受話信号のエコー経路結合量とし、この各エコー経路結合量を対応チャネルの受話信号にそれぞれ乗算してN個のエコー信号を推定し、これらN個のエコー信号のパワーを収音信号のパワーからそれぞれ差し引いたN個のパワーを、収音信号のパワーでそれぞれ規格化してN個のエコー抑圧ゲインを算出し、これらN個のエコー抑圧ゲインを収音信号に乗算してエコーを抑圧する。
【0012】
この第2の発明によれば、Nチャネル(Nは2以上の整数)の受話信号をチャネル間で加算して一つの加算受話信号とし、この加算受話信号と収音信号とのパワー比を所定時間毎に算出し、これら逐次算出するパワー比の内、最小値をエコー経路結合量とし、このエコー経路結合量を加算受話信号に乗算してエコー信号を推定し、このエコー信号のパワーを収音信号のパワーから差し引いたパワーを収音信号のパワーで規格化してエコー抑圧ゲインを算出し、このエコー抑圧ゲインを収音信号に乗算してエコーを抑圧する。
【0013】
第1、第2の発明の何れにおいても、多チャネル系において、片側発話状態を検出することなく、エコー経路結合量を求めることができ、片側発話状態の誤検出に基づく、通話品質劣化が生じるおそれがない。
このようにエコー経路結合量を最小値保持により求めても、両側発話(ダブルトーク)の状態が長く続き、その間にエコー経路結合量が大きく変わることは、装置利用の実際上ほぼないことが判明しており、問題はない。なおエコー経路は時間的に非定常であるから、ある程度時間が経つと保持している最小値エコー経路結合量をクリアして初期値に戻すようにすればよい。この初期に戻す時間は利用環境に応じ、つまりエコー経路の変化する頻度にあわせて設定する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。図1にこの発明の第1の実施形態を示す。この第1の実施形態は同一音響空間に複数のスピーカと一個のマイクロホンが配置された場合であり、図1では2個のスピーカ1041 と1042 を用いた例を示す。
第1チャネルの受話信号x1(k)はスピーカ1041 で再生され、第2チャネルの受話信号x2(k)はスピーカ1042で再生され、これらスピーカ1041 ,1042 で再生された音声はエコー経路6011 ,6012 をそれぞれ伝搬してエコー信号b1(k),b2(k)としてマイクロホン103で受音される。b1(k),b2(k)などの各kは整数であって離散時間を表わす。このマイクロホン103には話者の音声が送話信号s(k)として受音される。従ってマイクロホン103にはエコー信号b1(k),b2(k)と送話信号s(k)が重畳されてエコー重畳信号(収音信号)y(k)が出力される。
【0015】
このエコー重畳信号y(k)はエコー経路遅延推定部3021 ,3022 に入力され、エコー経路遅延推定部3021 ,3022 には受話信号x1(k),x2(k)もそれぞれ入力され、エコー経路遅延推定部3021 ,3022 はそれぞれ受話信号x1(k),x2(k)とエコー重畳信号y(k)の相関係数(相互相関関数)が計算され、その各最大値となる遅延量から、エコー経路6011 ,6012 の伝搬遅延量ΔT1 ,ΔT2 が推定される。
エコー経路遅延推定部3021 ,3022 で推定された遅延量ΔT1 ,ΔT2 は遅延部3031 ,3032 に設定され、遅延部3031 ,3032 でそれぞれ受話信号x1(k),x2(k)が設定された遅延量だけ遅延される。なお遅延部3031 ,3032 としては例えばFIRフィルタで構成し、遅延時間(量)と対応したフィルタ係数の値を1とし、他のタップの重みを0とする。
【0016】
この実施形態では信号を周波数領域に変換して処理する例である。つまり遅延部3031 ,3032 でそれぞれ遅延された受話信号x1(k),x2(k)はそれぞれ周波数領域変換部2011 ,2012で例えば高速フーリエ変換(FFT)により短時間スペクトル(周波数領域信号)X1(ω),X2(ω)に変換され、同様にエコー重畳信号y(k)も周波数領域変換部202で短時間スペクトルY(ω)に変換される。ωは各角周波数を示す。ここで短時間とは例えば32msから64ms(8kHzサンプリングで256タップから512タップに対応)程度が好ましい。このことはこの程度の時が主観評価実験結果から処理品質として良いことを確認したからである。
【0017】
エコー結合量計算部3041 において周波数領域変換部2011 からの受話信号X1(ω)及び周波数領域変換部202からのエコー重畳信号Y(ω)を用いて、エコー重畳信号Y(ω)の受話信号X1(ω)に対するパワー比の最小値を更新することにより、エコー経路6011 のエコー経路結合量を算出してこれを出力する。
以下、エコー結合量計算部3041 が行うエコー経路結合量算出処理について詳しく説明する。
【0018】
エコー経路結合量は、エコー経路6011 へ入力される信号と、エコー経路6011 を伝搬した後の信号とのパワー比(Py1 /Px1 )である。即ち、信号の遅延を考慮すると、遅延部3031 で遅延された受話信号x1(k)に対する出力信号であるエコー信号b1(k)のパワー比である。同様にエコー経路6012 のエコー経路結合量はPy2 /Px2 である。
しかしながら、エコー信号b1(k)を独立に抽出することは不可能であるため、遅延を考慮した受話信号x1(k)およびエコー重畳信号y(k)、この例ではX1(ω)およびY(ω)を用いてエコー経路結合量を算出する。即ち、所定期間毎、例えばFFTの時間幅毎にエコー重畳信号のパワーPY(ω)の受話信号のパワーPX1(ω)に対する比を算出し、前回取得した比と今回取得した比とを比較して、小さい方をエコー経路結合量とする。即ち、エコー結合量計算部3041 は、今まで取得したエコー重畳信号と受信信号のパワー比PY(ω)/PX1(ω)において、一番小さい値をエコー経路結合量として保持する。エコー結合量計算部3042 も同様にエコー重畳信号Y(ω)と受話信号X2(ω)のパワー比PY(ω)/PX2(ω)によりエコー経路6012 のエコー経路結合量を求める。
【0019】
エコー推定部3101 において受話信号X1(ω)に、エコー結合量計算部3041 からのそのエコー経路結合量PY(ω)/PX1(ω)を乗算して、エコー経路6011 からのエコー信号Be1(ω)を推定する。同様にエコー推定部3102 において受話信号X2(ω)に、エコー結合量計算部3042 からのそのエコー経路結合量PY(ω)/PX2(ω)を乗算してエコー経路6012 からのエコー信号Be2(ω)を推定する。
エコー抑圧ゲイン算出部3051 では、エコー重畳信号(収音信号)Y(ω)および推定エコー信号Be1(ω)を用いて、エコー抑圧ゲインG1(ω)を算出する。この例では推定したエコー信号Be1(ω)を、それ以外の可聴信号によって形成されるマスキングしきい値以下に抑圧するためのエコー抑圧ゲインG1(ω)を算出する。
【0020】
以下、エコー抑圧ゲイン算出部3051 が行うエコー抑圧ゲイン算出処理について説明する。
エコー抑圧ゲイン算出部3051 は、以下に示す式(1)を満たすようなエコー抑圧ゲインG1 を算出する。
Pd(ω)はエコー信号PB1(k)以外の可聴信号、例えば、送信者側の受話信号x(k)、受話者側の送話信号s(k)、周囲騒音、回線雑音などの周波数領域信号が形成するマスキングしきい値(レベル)を示す。なお、マスキングしきい値Pd(ω)は、ノイズによるマスキングしきい値から算出可能である。送話信号s(k)のマスキングしきい値は、所定の期間毎に推定することは不可能であるため、長時間の特性は予め実験的に得られた所望のエコー抑制ゲインの主観評価から推定する。
【0021】
ここで、上記関係式を満たすエコー抑圧ゲインG1 を算出する方法は各種存在するが、この実施形態ではウィナーフィルタリングに準じた解法で求める場合について説明する。
上記式(1)は、式(2)のように表せ、
Pse(ω)+Pd(ω)=G1(ω)・(Ps(ω)+PB1(ω)) (2)
上記式(2)をエコー抑圧ゲインG1 についての式にすると、
とすることができる。
【0022】
上記式(3)において、PBe1(ω)は推定エコー信号Be1(ω)のパワー、Pse(ω)はエコー重畳信号Y(ω)のパワーから上述の推定エコー信号Be1(ω)のパワーを引いた推定音声信号Se(ω)のパワーである。つまり推定エコー信号Be1(ω)のパワーPBe1(ω)からマスキングしきい値Pd(ω)を差し引いた値を、エコー重畳信号(収音信号)のパワーPY(ω)から差し引き、その差し引いた値を、エコー重畳信号のパワーPY(ω)で規格化しエコー抑圧ゲインG1(ω)を算出する。同様にエコー抑圧ゲイン算出部3052 は、推定エコー信号Be2(ω)、エコー重畳信号(収音信号)Y(m)を用いて、式(4)によりエコー抑圧ゲインG2(ω)を算出する。
【0023】
G2(ω)=(PY(ω)−PBe2(ω)+Pd(ω))/PY(ω) (4)
エコー抑圧ゲイン算出部3051 ,3052 でそれぞれ算出されたエコー抑圧ゲインG1(ω),G2(ω)はこの例ではエコー抑圧部2081 でエコー重畳信号Y(ω)にG1(ω)が先ず乗算されて、エコー信号B1(ω)が抑圧され、更にそのエコー抑圧部2081 の出力に対し、エコー抑圧部2082 でG1(ω)が乗算されてエコー信号B2(ω)が抑圧される。これらエコー信号B1(ω),B2(ω)が抑圧された信号se(ω)は時間領域重畳部203で例えば逆高速フーリエ変換(IFFT)により時間領域信号に変換されて出力される。この出力信号se(k)はエコー重畳信号y(k)のエコー信号b1(k)及びb2(k)が抑圧され、マイクロホン103に入力された送話信号s(k)にできるだけ近い信号となる。なおエコー抑圧部2081 と2082 の順は何れをマイクロホン103側にしてもよい。
【0024】
図2にこの第2の発明の実施形態を示し、図1と対応する部分に同一参照符号を付けてある。同一音響空間に複数のスピーカ1041 〜104N が設けられ、また複数のマイクロホン1031 〜103M が設けられている場合である。図1に示した構成では、各チャネルごとに周波数領域変換部、エコー結合量計算部、エコー推定部、エコー抑圧ゲイン算出部、エコー抑圧部の組を設ける必要があり、チャネル数が多くなると、ハードウェアの規模が大きくなる、ソフトウェアで処理しても、処理時間が長くなる。図2に示す実施形態はこの点を改善したものである。マイクロホン1031 よりのエコー重畳信号(収音信号)y(k)に対しエコー抑圧する構成を示す。
【0025】
各チャネルの受話信号x1(k)…xN(k)とエコー重畳信号(収音信号)y(k)とを用いて、エコー経路遅延推定部3021 …302N で、スピーカ1041 …104N からマイクロホン103に達する各エコー経路の遅延量(時間)が推定され、その推定された遅延時間が遅延部3031 …303N それぞれ設定され、受話信号x1(k)…xN(k)はそれぞれ遅延部3031 …303N で遅延される。
これら遅延部3031 …303N で遅延された受信信号は加算部401で加算され、この加算信号xA(k)は周波数領域変換部201で周波数領域信号XA(ω)に変換される。マイクロホン1031 からのエコー重畳信号も周波数領域変換部202で周波数領域信号Y(ω)に変換される。エコー結合量計算部304でこれら周波数領域信号XA(ω),Y(ω)の短時間毎のパワー比PY(ω)/PXA(ω)が計算され、その最小値の更新を行い、その最小値をエコー経路結合量として出力される。このエコー経路結合量を加算受話信号XA(ω)にエコー推定部310で乗算されて、エコー信号が推定される。この推定エコー信号とエコー重畳信号Y(ω)とを用いてエコー抑圧ゲイン算出部305で例えば式(3)と同様な計算が行われてエコー抑圧ゲインG(ω)が計算される。このエコー抑圧ゲインG(ω)がエコー重畳信号Y(ω)に対してエコー抑圧部208で乗算されて、重畳されているエコー信号が抑圧され、その乗算出力Se(ω)は時間領域変換部203で時間領域信号Se1(k)に変換されて出力される。
【0026】
このマイクロホン1031 からのエコー重畳信号(収音信号)に対する反響抑圧装置4001 と同様の構成の反響抑圧装置4002 …400M が設けられ、反響抑圧装置4002 に受話信号x1(k)…xN(k)とマイクロホン1032 からのエコー重畳信号とを入力してエコー抑圧された信号se2(k)を出力し、反響抑圧装置400M は受話信号x1(k)…xN(k)とマイクロホン103M からのエコー重畳信号とを入力してエコー抑圧された信号seM(k)を出力する。
なお各スピーカ1041 …104N からマイクロホン1031 へのエコー経路の伝搬遅延量がそれぞれスピーカ1041 …104N から他のマイクロホン1032 …103M へのエコー経路の伝搬遅延量と近似できる場合は反響抑圧装置4002 …400M においてはエコー経路遅延推定部302、遅延部303を省略して、図中に破線で示すように、反響抑圧装置4001 内の加算部401の加算受話信号xA(k)又は周波数領域変換部201の周波数領域信号XA(ω)を反響抑圧装置4002 …400M へ供給し、受話信号x1(k)…xN(k)の供給を行わなくてもよい。
【0027】
図1及び図2においてエコー結合量計算やエコー推定において、エコー経路での伝搬遅延量が、エコー抑圧処理に大きく影響を与えない程度、例えば周波数領域信号に変換して処理する場合に、その変換フレーム長以内、つまり残響時間が比較的短かい場合はエコー遅延量推定部302、遅延部303を省略してもよい。これらを省略する場合は破線で示すように1つの反響抑圧装置、例えば4001 の周波数領域変換部201からの加算受話信号XA(ω)を他の反響抑圧装置4002 …400M へ供給し、これら装置4002 …400M は加算部401及び周波数領域変換部201を省略し、より簡略化することもできる。
【0028】
図1及び図2に示した例において、エコー抑圧ゲイン算出部3051 ,3052 ,305の計算はマスキングしきい値Pd(ω)を省略してもよい。しかしこの場合は正しくエコー信号を推定できればよいが、この推定値に誤差が生じると、求めたエコー抑圧ゲインの正しいものとならず、送出される送話信号se(k)に歪みが生じるおそれがある。この点でマスキングしきい値Pd(ω)を用いてマスキングしきい値以下のエコーの残留を許容した方が通話品質を向上させることができる。
【0029】
また図1及び図2においては、信号を周波数領域に変換して処理したが、これら図において周波数領域変換部2011 ,2012 ,201,202、時間領域変換部203を省略し、図中に破線で示すように、これら変換部を通過して接続し、時間領域の信号の状態で処理してもよい。つまり受話信号x1(k)…xN(k)、エコー重畳信号y(k)についてその短時間毎の、例えば各サンプル毎のパワー比Py(k)/Px1(k),Py(k)/Px2(k)を求め、その最小値を更新して、各エコー経路結合量を計算し、各エコー経路結合量を受話信号x1(k),x2(k)に乗算してエコー信号be1(k),be2(k)を推定し、推定エコー信号be1(k),be2(k)のパワーPbe1 ,Pbe2 エコー重畳信号y(k)のパワーPy からそれぞれエコー抑圧ゲインG1 ,G2 を式(3)と同様な式により計算し、このエコー抑圧ゲインG1 ,G2 をエコー重畳信号y(k)に乗算して、エコー抑圧された信号se(k)を得る。図2の場合も、受話信号x1(k)…xN(k)を加算してその加算受話信号xA(k)とエコー重畳信号y(k)とについて同様に時間領域信号の状態で処理してもよい。なお当然のことであるが処理量あるいはハードウェア規模が大きくなるが、周波数領域に変換して処理した方が、高精度の処理ができ通話品質も向上する。
【0030】
なお先に述べたように何れの場合もエコー結合量計算部では音響経路の変化頻度などに合せて定期的に保持していた最小値をクリアさせてエコー経路結合量の計算を新たに行うようにする。
この発明による反響抑圧装置を従来の適応フィルタ(線形処理)形多チャネルエコーキャンセラと併用して用いることもできる。例えば、図3に示すようにマイクロホン1031 からのエコー重畳信号y(k)を、受話信号x1(k)…xN(k)を用いて多チャネル適応フィルタ形エコーキャンセラ500で処理して、ある程度エコー信号を消去し、その残留エコー信号を含む送話信号を、図1に示した又は図2に示した反響抑圧装置600に入力して、その残留エコー信号を更に抑圧するようにしてもよい。
【0031】
図1及び図2に示した実施形態はコンピュータによりプログラムを実行させて機能させてもよい。その場合のプログラムはCD−ROM、フロッピーディスク、磁気ディスクなどのコンピュータにより読み出し可能な記録媒体に記録したもの、または通信回線を介して送られたプログラムコンピュータ内のRAMにダウンロードして使用される。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたようにこの発明によれば、多チャネル系において、片側発話状態を検出することなく、エコー経路結合量を求めることができ、片側発話状態の誤検出に基づく通話品質劣化は生じない。この発明におけるエコー経路結合量の計算は常に行っているが、両側発話(ダブルトーク)が長時間続き、その間にエコー経路結合量が大きく変ることはなく、良好な通話品質が保たれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明の実施形態の機能構成を示す図。
【図2】第2の発明の実施形態の機能構成を示す図。
【図3】この発明による反響抑圧装置を、適応フィルタ形エコーキャンセラと併用した例を示す図。
【図4】一般的な拡声通話の一例を示す図。
【図5】従来の周波数領域で処理する反響抑圧装置の機能構成を示す図。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a multi-channel echo suppression method and echo suppression device for suppressing an echo signal in a speech communication system in which a plurality of speakers and at least one microphone are arranged in one acoustic space in an audio conference, a TV conference, and the like. The present invention relates to an echo suppression program and its recording medium.
[0002]
[Prior art]
FIG. 4 shows an example of a voice call system. The transmitted voice uttered by the
[0003]
This loudspeaker call system does not require a handset to be held in the hand like a conventional telephone call system, and thus has the advantage of being able to talk while working and realizing natural face-to-face calls. Widespread use for teleconferences, videophones, loudspeakers, etc.
However, the presence of echoes is a problem as a drawback of the above-mentioned loudspeaker communication system. That is, in FIG. 4, the sound transmitted from the
[0004]
Further, the sound reproduced from the
An echo canceller (echo canceller) is used in order to solve such problems of the voice call system. The echo canceller is configured by either an adaptive filter unit, a nonlinear echo suppression processing unit, or a combination thereof.
Here, the nonlinear echo suppression processing refers to echo suppression processing other than the adaptive filter (linear processing) such as a voice switch and a center clipper. For details on adaptive filters and nonlinear echo suppression processing, see “Echo Canceller Technology” (Nippon Industrial Technology Center, Sho 61) supervised by Shigeo Sakurai. The configuration and required performance are also presented in ITU recommendations P201, P204, G165, G167, and the like. Through these processes, conventional communication conferences, videophones, loudspeakers and the like used in a relatively quiet environment can guarantee sufficient call quality.
[0005]
However, in recent years, the usage form of the voice call is expanding. For example, a hands-free call in a car with high noise, a desktop video conference using a packet network with a large transmission delay, a remote lecture using a lecture hall with a large reverberation, and the like. In such a use environment, it is difficult to guarantee sufficient call quality with the conventional adaptive filter and nonlinear echo suppression processing.
Under high noise, it is generally difficult for the adaptive filter to sufficiently estimate the impulse response of the echo path. The filter coefficient length (tap length) of the adaptive filter is set based on the reverberation time of the echo path. Therefore, when the reverberation time is long, more tap lengths are required, which causes a decrease in convergence speed and an increase in hardware scale of the apparatus. Further, when the transmission delay is large, the echo becomes more audible, and the residual echo that cannot be canceled by the adaptive filter alone causes the quality of the call to deteriorate.
[0006]
On the other hand, the non-linear echo suppression process has an advantage that the echo can be largely and robustly suppressed by controlling the insertion loss. However, if there is a transmitted voice simultaneously with the echo, the transmitted voice is suppressed without distinction, which causes a problem that the transmitted voice is distorted or the sound is interrupted. That is, the non-linear echo suppression process has a problem of causing deterioration in call quality during two-way simultaneous call (double talk).
In response to the above problems, a frequency domain echo suppression method is proposed in Japanese Patent Laid-Open No. 11-331046. The suppression method will be briefly described with reference to FIG. In this echo suppression method, the received signal x (k) and the transmission signal (echo superimposed signal) y (k) from the
[0007]
The echo
[0008]
When this method is used, it is possible to suppress only the echo signal b (k) from the transmission signal y (k) on which the echo is superimposed, emphasize only the transmission signal s (k), and transmit it to the other party. That is, it is possible to suppress only the echo signal b (k) without interrupting the transmission signal s (k) even in the case of double talk even though it is nonlinear echo suppression processing.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, in the conventional method, in order to calculate the echo path coupling amount, it is necessary to detect a state in which only one call is received by the one-side utterance state detection unit. If this one-side utterance state is erroneously detected, the echo suppression gain G (ω) becomes inaccurate, and there is a possibility that the speech quality is deteriorated. Also, the conventional method is a multi-channel system such as a system in which a plurality of speakers and a plurality of microphones are present in one acoustic space, such as a system in which a plurality of speakers and a microphone are present in one acoustic space or a stereo audio conference. There is no indication of echo cancellation for the system.
[0010]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a multi-channel echo suppression method, apparatus, program thereof, and recording medium thereof in which there is no risk of deterioration of call quality due to erroneous detection of one-side speech state in a multi-channel system.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
According to the first aspect of the present invention, a reception signal of N channels (N is an integer of 2 or more) Against The power ratio of each channel of the collected sound signal is calculated at each predetermined time, and the power ratio of each channel calculated sequentially is calculated. Inside The minimum value is the echo path coupling amount of the received signal of each channel, and each echo path coupling amount is multiplied by the received signal of the corresponding channel to estimate N echo signals, and the power of these N echo signals is calculated. The N powers subtracted from the power of the collected sound signal are respectively normalized by the power of the collected sound signal to calculate N echo suppression gains, and these N echo suppression gains are multiplied by the collected sound signal. Suppress the echo.
[0012]
According to the second aspect of the invention, the received signals of N channels (N is an integer equal to or greater than 2) are added between channels to form one added received signal, and the power ratio between the added received signal and the collected sound signal is set to a predetermined value. Calculated every time, among these sequentially calculated power ratios, the minimum value is the echo path coupling amount, the echo path coupling amount is multiplied by the added received signal to estimate the echo signal, and the echo signal power is collected. The power subtracted from the power of the sound signal is normalized by the power of the collected sound signal to calculate an echo suppression gain, and this echo suppression gain is multiplied by the collected sound signal to suppress the echo.
[0013]
In both the first and second inventions, in the multi-channel system, the echo path coupling amount can be obtained without detecting the one-side utterance state, and the speech quality deterioration is caused based on the false detection of the one-side utterance state. There is no fear.
Thus, even when the echo path coupling amount is obtained by holding the minimum value, it has been found that there is virtually no practical use of the device that the two-way utterance (double talk) state continues for a long time and the echo path coupling amount greatly changes during that time There is no problem. Since the echo path is non-stationary in time, it is only necessary to clear the held minimum value echo path coupling amount after a certain amount of time and return it to the initial value. The initial restoration time is set according to the use environment, that is, in accordance with the frequency of change of the echo path.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings. FIG. 1 shows a first embodiment of the present invention. The first embodiment is a case where a plurality of speakers and one microphone are arranged in the same acoustic space. In FIG. 1 And 104 2 An example using is shown.
Received signal x of the first channel 1 (K) is the
[0015]
The echo superimposed signal y (k) is sent from the echo path delay
Echo path delay
[0016]
In this embodiment, a signal is converted into a frequency domain and processed. That is, the
[0017]
Echo coupling
Below, echo coupling
[0018]
The echo path coupling amount is the echo path 601. 1 And an echo path 601 1 Power ratio (Py) 1 / Px 1 ). That is, considering the signal delay, the
However, the echo signal b 1 Since it is impossible to extract (k) independently, the received signal x taking delay into consideration 1 (k) and echo superimposed signal y (k), in this example X 1 The echo path coupling amount is calculated using (ω) and Y (ω). That is, the power P of the echo superimposed signal every predetermined period, for example, every FFT time width. Y Received signal power P of (ω) X1 The ratio with respect to (ω) is calculated, the ratio acquired last time is compared with the ratio acquired this time, and the smaller one is set as the echo path coupling amount. That is, the amount of echo
[0019]
Echo suppression
[0020]
Hereinafter, the echo suppression
Echo suppression
P d (ω) is the echo signal P B1 Audible signals other than (k), for example, a reception signal x (k) on the sender side, a transmission signal s (k) on the receiver side, Surroundings Indicates a masking threshold (level) formed by frequency domain signals such as noise and line noise. The masking threshold P d (ω) can be calculated from a masking threshold value due to noise. Since it is impossible to estimate the masking threshold value of the transmission signal s (k) every predetermined period, the long-time characteristic is obtained from a subjective evaluation of a desired echo suppression gain obtained experimentally in advance. presume.
[0021]
Here, the echo suppression gain G satisfying the above relational expression 1 There are various methods for calculating the value, but in this embodiment, a case where it is obtained by a solution according to Wiener filtering will be described.
The above equation (1) can be expressed as equation (2),
P se (Ω) + P d (Ω) = G 1 (Ω) ・ (P s (Ω) + P B1 (Ω)) (2)
The above equation (2) is expressed as echo suppression gain G 1 The formula for
It can be.
[0022]
In the above formula (3), P Be1 (Ω) is the estimated echo signal Be. 1 (Ω) power, P se (Ω) is the estimated echo signal B described above from the power of the echo superimposed signal Y (ω). e1 This is the power of the estimated speech signal Se (ω) obtained by subtracting the power of (ω). That is, the estimated echo signal Be 1 (Ω) power P Be1 From (ω), masking threshold P d The value obtained by subtracting (ω) is the power P of the echo superimposed signal (sound collecting signal). Y Subtract from (ω), and the subtracted value is the power P of the echo superimposed signal. Y Echo suppression gain G normalized by (ω) 1 (Ω) is calculated. Similarly, an echo suppression
[0023]
G 2 (Ω) = (P Y (Ω) -P Be2 (Ω) + P d (Ω)) / P Y (Ω) (4)
Echo suppression
[0024]
FIG. 2 shows an embodiment of the second invention, and the same reference numerals are given to the portions corresponding to FIG.
[0025]
Received signal x for each channel 1 (K) ... x N Using (k) and the echo superimposed signal (sound pickup signal) y (k), the echo path
These
[0026]
This
Each
[0027]
In FIG. 1 and FIG. 2, in the echo coupling amount calculation and the echo estimation, when the processing is performed by converting the propagation delay amount in the echo path so as not to greatly affect the echo suppression processing, for example, the frequency domain signal. If the reverberation time is relatively short within the frame length, the echo delay
[0028]
In the example shown in FIGS. 1 and 2, the echo suppression
[0029]
Further, in FIG. 1 and FIG. 2, the signal is converted into the frequency domain and processed. 1 , 201 2 , 201, 202, and the time
[0030]
As described above, in any case, the echo coupling amount calculation unit newly calculates the echo path coupling amount by clearing the minimum value periodically held in accordance with the change frequency of the acoustic path. To do.
The echo suppression apparatus according to the present invention can be used in combination with a conventional adaptive filter (linear processing) type multi-channel echo canceller. For example, as shown in FIG. 1 Echo echo signal y (k) from the received signal x 1 (K) ... x N (K) is processed by the multi-channel adaptive filter
[0031]
The embodiment shown in FIGS. 1 and 2 may be made to function by executing a program by a computer. In this case, the program is recorded on a computer-readable recording medium such as a CD-ROM, floppy disk, or magnetic disk, or downloaded to a RAM in the program computer sent via a communication line.
[0032]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, in the multi-channel system, the echo path coupling amount can be obtained without detecting the one-side utterance state, and the call quality deterioration based on the false detection of the one-side utterance state does not occur. Although the calculation of the echo path coupling amount in the present invention is always performed, both-side utterances (double talk) continue for a long time, and the echo path coupling amount does not change greatly during that time, and good speech quality is maintained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a functional configuration of an embodiment of the first invention.
FIG. 2 is a diagram showing a functional configuration of an embodiment of a second invention.
FIG. 3 is a diagram showing an example in which the echo suppression device according to the present invention is used in combination with an adaptive filter type echo canceller.
FIG. 4 is a diagram showing an example of a general voice call.
FIG. 5 is a diagram illustrating a functional configuration of an echo suppression device that performs processing in a conventional frequency domain.
Claims (10)
その各チャネルのエコー経路結合量を対応するチャネルの受話信号にそれぞれ乗算してN個のエコー信号を推定し、
上記収音信号のパワーからこれらN個のエコー信号のパワーを差し引いたパワーを、上記収音信号のパワーで規格化してN個のエコー抑圧ゲインを算出し、
これらN個のエコー抑圧ゲインを上記収音信号に乗算することを特徴とする多チャネル反響抑圧方法。N-channel (N is an integer of 2 or more) is calculated power ratio of 1-channel sound signals for each of the received signals for each Jo Tokoro time, the minimum value of the power ratio of each channel to be sequentially calculated for each of these channels As the echo path coupling amount of the received signal of that channel ,
Multiplying the received signal of the corresponding channel by the echo path coupling amount of each channel to estimate N echo signals,
The power obtained by subtracting the power of these N echo signals from the power of the collected sound signal is normalized by the power of the collected sound signal to calculate N echo suppression gains,
A multi-channel echo suppression method characterized by multiplying the collected sound signal by these N echo suppression gains.
上記エコー経路結合量は上記短時間スペクトルのエコー経路結合量であり、上記N個のエコー信号は短時間スペクトルのエコー信号であり、上記エコー抑圧ゲインは短時間スペクトルのエコー抑圧ゲインであり、上記エコー抑圧ゲインの収音信号に対する乗算は短時間スペクトルのエコー抑圧ゲインの収音信号の短時間スペクトルに対する乗算であり、これら乗算スペクトルを時間領域の信号に変換して出力することを特徴とする請求項1記載の多チャネル反響抑圧方法。The received signal of each channel and the collected sound signal are each converted into a short-time spectrum,
The echo path coupling amount is the echo path coupling amount of the short time spectrum, the N echo signals are echo signals of the short time spectrum, the echo suppression gain is an echo suppression gain of the short time spectrum, and The multiplication of the echo suppression gain with respect to the collected sound signal is a multiplication with respect to the short time spectrum of the echo suppression gain of the short time spectrum, and the multiplication spectrum is converted into a time domain signal and output. Item 5. The multi-channel echo suppression method according to Item 1.
その加算受話信号と1チャネルの収音信号とのパワー比をそれぞれ所定時間毎に算出し、この逐次算出するパワー比の内、最小値をエコー経路結合量として保持し、
そのエコー経路結合量を上記加算受話信号に乗算してエコー信号を推定し、
上記収音信号のパワーから上記エコー信号のパワーを差し引いたパワー値を、収音信号のパワーで規格化してエコー抑圧ゲインを算出し、
このエコー抑圧ゲインを上記収音信号に乗算することを特徴とする多チャネル反響抑圧方法。N channel (N is an integer of 2 or more) received signals are added between the channels,
The power ratio between the added reception signal and the sound pickup signal of one channel is calculated every predetermined time, and the minimum value of the sequentially calculated power ratio is held as an echo path coupling amount.
The echo signal is estimated by multiplying the added received signal by the echo path coupling amount,
The power value obtained by subtracting the power of the echo signal from the power of the collected sound signal is normalized by the power of the collected sound signal to calculate an echo suppression gain,
A multi-channel echo suppression method, wherein the echo collection gain is multiplied by the echo suppression gain.
上記エコー経路結合量は、短時間スペクトルのエコー経路結合量であり、上記エコー信
号は上記短時間スペクトルのエコー信号であり、上記エコー抑圧ゲインは短時間スペクトルのエコー抑圧ゲインであり、上記エコー抑圧ゲインと収音信号の乗算は短時間スペクトルのエコー抑圧ゲインと短時間スペクトルの収音信号との乗算であり、
このスペクトル乗算結果を時間領域の信号に変換することを特徴とする請求項3記載の多チャネル反響抑圧方法。Each of the added reception signal and the collected sound signal is converted into a short-time spectrum,
The echo path coupling amount is an echo path coupling amount of a short-time spectrum, the echo signal is an echo signal of the short-time spectrum, the echo suppression gain is an echo suppression gain of a short-time spectrum, and the echo suppression Multiplying the gain and the collected sound signal is the multiplication of the echo suppression gain of the short time spectrum and the collected signal of the short time spectrum,
4. The multi-channel echo suppression method according to claim 3, wherein the spectrum multiplication result is converted into a time domain signal.
これら推定した各チャネルのエコー経路伝搬遅延量に応じて対応するチャネルの受話信号を遅延し、これら遅延した受話信号を上記受話信号として用いることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の多チャネル反響抑圧方法。By obtaining the cross-correlation between the received signal of each channel and the collected sound signal, the echo path propagation delay amount of each channel is estimated,
5. The received signal of a corresponding channel is delayed according to the estimated echo path propagation delay amount of each channel, and the delayed received signal is used as the received signal. Multi-channel echo suppression method.
各チャネル毎の受話信号と上記収音信号とがそれぞれ入力され、各チャネル毎の受話信号に対する収音信号のパワー比を所定時間毎に算出し、これらチャネル毎に逐次算出するパワー比のチャネル毎の最小値を保持し、そのチャネルのエコー経路結合量として出力するN個のエコー結合量計算部と、
各チャネルごとの上記エコー経路結合量と受話信号がそれぞれ入力され、これらを互いに乗算してエコー信号をそれぞれ出力するN個のエコー推定部と、
これらN個のエコー推定部よりの各エコー信号と収音信号とがそれぞれ入力され、収音信号のパワーから各エコー信号のパワーを差し引いたパワー値を、収音信号のパワーで規格化してエコー抑圧ゲインを出力するN個のエコー抑圧ゲイン算出部と、
これらN個のエコー抑圧ゲイン算出部からの各エコー抑圧ゲインと上記収音信号が入力され、これらエコー抑圧ゲインを収音信号に乗算して上記エコー成分を抑圧した信号を出力するエコー抑圧部と
を具備する多チャネル反響抑圧装置。In an echo suppression device that receives a reception signal of N channels (N is an integer of 2 or more) and one sound collection signal and outputs a signal in which an echo component due to the reception signal is suppressed from the sound collection signal.
The received signal for each channel and the collected sound signal are input, and the power ratio of the collected signal to the received signal for each channel is calculated every predetermined time, and the power ratio is calculated for each channel sequentially for each channel. N echo coupling amount calculation units that hold the minimum value of the output and output as the echo path coupling amount of the channel;
N echo estimators for inputting the echo path coupling amount and the received signal for each channel, respectively, multiplying them and outputting an echo signal, respectively;
The echo signals and the collected sound signals from the N echo estimation units are respectively input, and the power value obtained by subtracting the power of each echo signal from the power of the collected sound signals is normalized by the power of the collected sound signals and echoed. N echo suppression gain calculators that output suppression gains;
Each echo suppression gain from the N echo suppression gain calculation units and the collected sound signal are input, and an echo suppression unit that outputs the signal obtained by suppressing the echo component by multiplying the collected sound signal by the echo suppression gain; A multi-channel echo suppression device comprising:
Nチャネルの受話信号が入力され、これらをチャネル間で加算して1つの加算受話信号として出力する加算部と、
上記加算受話信号と上記収音信号が入力され、これらのパワー比を所定時間毎に算出し、これら逐次算出するパワー比の内最小値を保持し、エコー経路結合量として出力するエコー結合量計算部と、
上記エコー経路結合量と上記加算受話信号が入力され、これらを互いに乗算してエコー信号を出力するエコー推定部と、
上記エコー信号と上記収音信号とが入力され、収音信号のパワーからエコー信号のパワーを差し引いたパワー値を、収音信号のパワーで規格化してエコー抑圧ゲインを出力するエコー抑圧ゲイン算出部と、
上記エコー抑圧ゲインと上記収音信号が入力され、これらを互いに乗算して、上記エコー成分を抑圧した信号を出力するエコー抑圧部と
を具備する多チャネル反響抑圧装置。In an echo suppression device that receives a reception signal of N channels (N is an integer of 2 or more) and one sound collection signal and outputs a signal in which an echo component due to the reception signal is suppressed from the sound collection signal.
An adder that receives N-channel received signals, adds them between the channels, and outputs the result as one added received signal;
The added received signal and the collected sound signal are input, their power ratio is calculated every predetermined time, the minimum value of the sequentially calculated power ratio is held, and the echo coupling amount calculation is output as the echo path coupling amount And
The echo estimation unit that inputs the echo path coupling amount and the added reception signal, multiplies them together, and outputs an echo signal;
An echo suppression gain calculation unit that receives the echo signal and the collected sound signal, normalizes the power of the collected sound signal by subtracting the echo signal power, and outputs an echo suppression gain. When,
A multi-channel echo suppression apparatus comprising: an echo suppression unit that receives the echo suppression gain and the collected sound signal, multiplies them, and outputs a signal in which the echo component is suppressed.
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