JP3606455B2 - 音声信号伝送方法及び音声復号方法 - Google Patents

音声信号伝送方法及び音声復号方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、符号化したマルチチャネルの音声信号を伝送する音声信号伝送方法及びその音声信号を復号する音声復号方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
音声信号を可変長で圧縮する方法として、本発明者は先の出願(特願平9−289159号)において1チャネルの原デジタル音声信号に対して、特性が異なる複数の予測器により時間領域における過去の信号から現在の信号の複数の線形予測値を算出し、原デジタル音声信号と、この複数の線形予測値から予測器毎の予測残差を算出し、予測残差の最小値を選択する予測符号化方法を提案している。
【0003】
なお、上記方法では原デジタル音声信号がサンプリング周波数=96kHz、量子化ビット数=20ビット程度の場合にある程度の圧縮効果を得ることができるが、近年のDVDオーディオディスクではこの2倍のサンプリング周波数(=192kHz)が使用され、また、量子化ビット数も24ビットが使用される傾向があるので、圧縮率を改善する必要がある。また、マルチチャネルにおけるサンプリング周波数と量子化ビット数はチャネル毎に異なることもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、予測符号化方式のような圧縮方式は圧縮率が可変(VBR:バリアブル・ビット・レート)であるので、マルチチャネルの音声信号を予測符号化するとチャネル毎のデータ量が時間的に大きく変化する。また、このようなデータを伝送する場合には、チャネル毎にパラレルではなくデータストリームとして伝送される。
【0005】
したがって、再生側(デコード側)においてこのような可変長のデータストリームをチャネル毎に同期して再生(プレゼンテーション)可能にするためには、入力バッファに蓄積されたデータストリームを読み出してデコーダに出力するためのタイミングを示すデコード時間と、出力バッファに蓄積されたデコード後のデータを読み出してスピーカなどに出力(プレゼンテーション)するためのタイミングを示す再生時間を管理しなければならない。また、再生側でこのような可変長のデータストリームをサーチ再生するための時間を管理しなければならない。
【0006】
そこで本発明は、マルチチャネルの音声信号を可変の圧縮率で符号化する場合に再生側の処理時間を管理することができる音声信号の伝送方法等を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、以下の1)及び2)に記載の手段よりなる。
すなわち、
【0008】
1)マルチチャネルの音声信号を、そのままのチャネル又は互いに相関をとったチャネル毎に、入力される音声信号に応答して、先頭サンプル値を得ると共に、特性が異なる複数の線形予測方法により時間領域の過去の信号から現在の信号の線形予測値がそれぞれ予測され、その予測される線形予測値と前記音声信号とから得られる予測残差が最小となるような線形予測方法を選択して圧縮するステップと、
前記圧縮されたデータの量に応じて、復号側の入力バッファ内の圧縮データを読み出すタイミングを示すデコーディング・タイム・スタンプ情報を生成するステップと、
前記デコーディング・タイム・スタンプ情報を含むパケットヘッダと、圧縮PCMプライベートヘッダ及び前記圧縮データと、を含むユーザデータを含んだデータ構造にすると共に、前記音声信号のUPC/EAN−ISRC番号及びUPC/EAN−ISRCデータを前記圧縮PCMプライベートヘッダ内に配置するパケットにフォーマット化し、前記フォーマット化されたユーザデータを所定の伝送フォーマットで伝送することを特徴とする音声信号伝送方法。
2)マルチチャネルの音声信号を、そのままのチャネル又は互いに相関をとったチャネル毎に、入力される音声信号に応答して、先頭サンプル値を得ると共に、特性が異なる複数の線形予測方法により時間領域の過去の信号から現在の信号の線形予測値がそれぞれ予測され、その予測される線形予測値と前記音声信号とから得られる予測残差が最小となるような線形予測方法を選択して圧縮するステップと、
前記圧縮されたデータの量に応じて、復号側の入力バッファ内の圧縮データを読み出すタイミングを示すデコーディング・タイム・スタンプ情報を生成するステップと、
前記デコーディング・タイム・スタンプ情報を含むパケットヘッダと、圧縮PCMプライベートヘッダ及び前記圧縮データと、を含むユーザデータを含んだデータ構造にすると共に、前記音声信号のUPC/EAN−ISRC番号及びUPC/EAN−ISRCデータを前記圧縮PCMプライベートヘッダ内に配置するパケットにフォーマット化されたデータから元の音声信号を復号する音声復号方法であって、
前記選択された先頭サンプル値と予測残差と線形予測方法を含む圧縮データから予測値を算出するステップと、
この算出された予測値から前記マルチチャネルの音声信号を復元するステップと、
からなる音声復号方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明に適用される係る音声符号化装置とそれに対応する音声復号装置の第1の実施形態を示すブロック図、図2は図1の符号化部を詳しく示すブロック図、図3は図1、図2の符号化部により符号化されたビットストリームを示す説明図、図4はDVDのパックのフォーマットを示す説明図、図5はDVDのオーディオパックのフォーマットを示す説明図、図6は図1の復号化部を詳しく示すブロック図、図7は図6の入力バッファの書き込み/読み出しタイミングを示すタイミングチャート、図8はアクセスユニット毎の圧縮データ量を示す説明図、図9はアクセスユニットとプレゼンテーションユニットを示す説明図である。
【0010】
ここで、マルチチャネル方式としては、例えば次の4つの方式が知られている。
(1)4チャネル方式 ドルビーサラウンド方式のように、前方L、C、Rの3チャネル+後方Sの1チャネルの合計4チャネル
(2)5チャネル方式 ドルビーAC−3方式のSWチャネルなしのように、前方L、C、Rの3チャネル+後方SL、SRの2チャネルの合計5チャネル
(3)6チャネル方式 DTS(Digital Theater System)方式や、ドルビーAC−3方式のように6チャネル(L、C、R、SW(Lfe)、SL、SR)
(4)8チャネル方式 SDDS(Sony Dynamic Digital Sound)方式のように、前方L、LC、C、RC、R、SWの6チャネル+後方SL、SRの2チャネルの合計8チャネル
【0011】
図1に示す符号化側の6チャネル(ch)ミクス&マトリクス回路1’は、マルチチャネル信号の一例としてフロントレフト(Lf)、センタ(C)、フロントライト(Rf)、サラウンドレフト(Ls)、サラウンドライト(Rs)及びLfe(Low Frequency Effect)の6chのPCMデータを次式(1)により前方グループに関する2ch「1」、「2」と他のグループに関する4ch「3」〜「6」に分類して変換し、2ch「1」、「2」を第1符号化部2’−1に、また、4ch「3」〜「6」を第2符号化部2’−2に出力する。
「1」=Lf+Rf
「2」=Lf−Rf
「3」=C−(Ls+Rs)/2
「4」=Ls+Rs
「5」=Ls−Rs
「6」=Lfe−a×C
ただし、0≦a≦1 …(1)
【0012】
符号化部2’を構成する第1及び第2符号化部2’−1、2’−2はそれぞれ、図2に詳しく示すように2ch「1」、「2」と4ch「3」〜「6」のPCMデータを予測符号化し、予測符号化データを図3に示すようなビットストリームで記録媒体5や通信媒体6を介して復号側に伝送する。復号側では復号化部3’を構成する第1及び第2復号化部3’−1、3’−2により、図6に詳しく示すようにそれぞれ前方グループに関する2ch「1」、「2」と他のグループに関する4ch「3」〜「6」の予測符号化データをPCMデータに復号する。
【0013】
次いでミクス&マトリクス回路4’により式(1)に基づいて元の6ch(Lf、C、Rf、Ls、Rs、Lfe)を復元するとともに、この元の6chと係数mij(i=1,2,j=1,2〜6)により次式(2)のようにステレオ2chデータ(L、R)を生成する。
L=m11・Lf+m12・Rf+m13・C+m14・Ls+m15・Rs+m16・Lfe
R=m21・Lf+m22・Rf+m23・C+m24・Ls+m25・Rs+m26・Lfe …(2)
【0014】
図2を参照して符号化部2’−1、2’−2について詳しく説明する。各ch「1」〜「6」のPCMデータは1フレーム毎に1フレームバッファ10に格納される。そして、1フレームの各ch「1」〜「6」のサンプルデータがそれぞれ予測回路13D1、13D2、15D1〜15D4に印加されるとともに、各ch「1」〜「6」の各フレームの先頭サンプルデータがフォーマット化回路19に印加される。予測回路13D1、13D2、15D1〜15D4はそれぞれ、各ch「1」〜「6」のPCMデータに対して、特性が異なる複数の予測器(不図示)により時間領域における過去の信号から現在の信号の複数の線形予測値を算出し、次いで原PCMデータと、この複数の線形予測値から予測器毎の予測残差を算出する。続くバッファ・選択器14D1、14D2、16D1〜16D4はそれぞれ、予測回路13D1、13D2、15D1〜15D4により算出された各予測残差を一時記憶して、選択信号/DTS(デコーディング・タイム・スタンプ)生成器17により指定されたサブフレーム毎に予測残差の最小値を選択する。
【0015】
選択信号/DTS生成器17は予測残差のビット数フラグをパッキング回路18とフォーマット化回路19に対して印加し、また、予測残差が最小の予測器を示す予測器選択フラグと、式(1)における相関係数aと、復号化側が入力バッファ22a(図6)からストリームデータを取り出す時間を示すDTSをフォーマット化回路19に対して印加する。パッキング回路18はバッファ・選択器14D1、14D2、16D1〜16D4により選択された6ch分の予測残差を、選択信号/DTS生成器17により指定されたビット数フラグに基づいて指定ビット数でパッキングする。またPTS生成器17cは、復号化側が出力バッファ110(図6)からPCMデータを取り出す時間を示すPTS(プレゼンテーション・タイム・スタンプ)を生成してフォーマット化回路19に出力する。
【0016】
続くフォーマット化回路19は図3〜図5に示すようなユーザデータにフォーマット化する。図3に示すユーザデータ(サブパケット)は、前方グループに関する2ch「1」、「2」の予測符号化データを含む可変レートビットストリーム(サブストリーム)BS0と、他のグループに関する4ch「3」〜「6」の予測符号化データを含む可変レートビットストリーム(サブストリーム)BS1と、サブストリームBS0、BS1の前に設けられたビットストリームヘッダ(リスタートヘッダ)により構成されている。また、サブストリームBS0、BS1の1フレーム分は
・フレームヘッダと、
・各ch「1」〜「6」の1フレームの先頭サンプルデータと、
・各ch「1」〜「6」のサブフレーム毎の予測器選択フラグと、
・各ch「1」〜「6」のサブフレーム毎のビット数フラグと、
・各ch「1」〜「6」の予測残差データ列(可変ビット数)と、
・ch「6」の係数a
が多重化されている。このような予測符号化によれば、原信号が例えばサンプリング周波数=96kHz、量子化ビット数=24ビット、6チャネルの場合、71%の圧縮率を実現することができる。
【0017】
図2に示す符号化部2’−1、2’−2により予測符号化された可変レートビットストリームデータを、記録媒体の一例としてDVDオーディオディスクに記録する場合には、図4に示すオーディオ(A)パックにパッキングされる。このパックは2034バイトのユーザデータ(Aパケット、Vパケット)に対して4バイトのパックスタート情報と、6バイトのSCR(System Clock Reference:システム時刻基準参照値)情報と、3バイトのMux レート(rate)情報と1バイトのスタッフィングの合計14バイトのパックヘッダが付加されて構成されている(1パック=合計2048バイト)。この場合、タイムスタンプであるSCR情報を、先頭パックでは「1」として同一タイトル内で連続とすることにより同一タイトル内のAパックの時間を管理することができる。
【0018】
圧縮PCMのAパケットは図5に詳しく示すように、19又は14バイトのパケットヘッダと、圧縮PCMのプライベートヘッダと、図3に示すフォーマットの1ないし2011バイトのオーディオデータ(圧縮PCM)により構成されている。そして、DTSとPTSは図5のパケットヘッダ内に(具体的にはパケットヘッダの10〜14バイト目にPTSが、15〜19バイト目にDTSが)セットされる。圧縮PCMのプライベートヘッダは、
・1バイトのサブストリームIDと、
・2バイトのUPC/EAN−ISRC(Universal Product Code/European Article Number−International Standard Recording Code)番号、及びUPC/EAN−ISRCデータと、
・1バイトのプライベートヘッダ長と、
・2バイトの第1アクセスユニットポインタと、
・8バイトのオーディオデータ情報(ADI)と、
・0〜7バイトのスタッフィングバイトとに、
より構成されている。そして、ADI内に1秒後のアクセスユニットをサーチするための前方アクセスユニット・サーチポインタと、1秒前のアクセスユニットをサーチするための後方アクセスユニット・サーチポインタがともに1バイトで(具体的にはADIの7バイト目に前方アクセスユニット・サーチポインタが、8バイト目に後方アクセスユニット・サーチポインタが)セットされる。
【0019】
次に図6を参照して復号化部3’−1、3’−2について説明する。上記フォーマットの可変レートビットストリームデータBS0、BS1は、デフォーマット化回路21により分離される。そして、各ch「1」〜「6」の1フレームの先頭サンプルデータと予測器選択フラグはそれぞれ予測回路24D1、24D2、23D1〜23D4に印加され、各ch「1」〜「6」のビット数フラグはアンパッキング回路22に印加される。また、SCRと、DTSと予測残差データ列は入力バッファ22aに印加され、PTSは出力バッファ110に印加される。ここで、予測回路24D1、24D2、23D1〜23D4内の複数の予測器(不図示)はそれぞれ、符号化側の予測回路13D1、13D2、15D1〜15D4内の複数の予測器と同一の特性であり、予測器選択フラグにより同一特性のものが選択される。
【0020】
デフォーマット化回路21により分離されたストリームデータ(予測残差データ列)は、図7に示すようにSCRによりアクセスユニット毎に入力バッファ22aに取り込まれて蓄積される。ここで、1つのアクセスユニットのデータ量は、例えばfs=96kHzの場合には(1/96kHz)秒分であるが、図8、図9(a)に詳しく示すように可変長である。そして、入力バッファ22aに蓄積されたストリームデータはDTSに基づいてFIFOで読み出されてアンパッキング回路22に印加される。
【0021】
アンパッキング回路22は各ch「1」〜「6」の予測残差データ列をビット数フラグ毎に基づいて分離してそれぞれ予測回路24D1、24D2、23D1〜23D4に出力する。予測回路24D1、24D2、23D1〜23D4ではそれぞれ、アンパッキング回路22からの各ch「1」〜「6」の今回の予測残差データと、内部の複数の予測器の内、予測器選択フラグにより選択された各1つにより予測された前回の予測値が加算されて今回の予測値が算出され、次いで1フレームの先頭サンプルデータを基準として各サンプルのPCMデータが算出されて出力バッファ110に蓄積される。出力バッファ110に蓄積されたPCMデータはPTSに基づいて読み出されて出力される。したがって、図9(a)に示す可変長のアクセスユニットが伸長されて、図9(b)に示す一定長のプレゼンテーションユニットが出力される。
【0022】
ここで、操作部101を介してサーチ再生が指示された場合には、制御部100により図5に示すADI内に置かれる1秒先を示す前方アクセスユニット・サーチポインタと1秒後を示す後方アクセスユニット・サーチポインタに基づいてアクセスユニットを再生する。このサーチポインタとしては、1秒先、1秒前の代わりに2秒先、2秒前のものでよい。
【0023】
図2に示す符号化部2’−1、2’−2により予測符号化された可変レートビットストリームデータをネットワークを介して伝送する場合には、符号化側では図10に示すように伝送用にパケット化し(ステップS41)、次いでパケットヘッダを付与し(ステップS42)、次いでこのパケットをネットワーク上に送り出す(ステップS43)。
【0024】
復号側では図11(A)に示すようにヘッダを除去し(ステップS51)、次いでデータを復元し(ステップS52)、次いでこのデータをメモリに格納して復号を待つ(ステップS53)。そして、復号を行う場合には図11(B)に示すように、デフォーマット化を行い(ステップS61)、次いで入力バッファ22aの入出力制御を行い(ステップS62)、次いでアンパッキングを行う(ステップS63)。なお、このとき、サーチ再生指示がある場合にはサーチポインタをデコードする。次いで予測器をフラグに基づいて選択してデコードを行い(ステップS64)、次いで出力バッファ110の入出力制御を行い(ステップS65)、次いで元のマルチチャネルを復元し(ステップS66)、次いでこれを出力し(ステップS67)、以下、これを繰り返す。
【0025】
なお、上記実施形態では、前方グループに関する2ch「1」、「2」を
「1」=Lf+Rf
「2」=Lf−Rf
により変換して予測符号化したが、代わりに式(2)によりマルチチャネルをダウンミクスしてステレオ2chデータ(L、R)を生成し、次いで次式(1)’
「1」=L+R
「2」=L−R
「3」〜「5」は同じ
「6」=Lfe−C …(1)’
により変換して予測符号化するようにしてもよい(第2の実施形態)。この場合には、復号化側のミクス&マトリクス回路4’はチャネル「1」、「2」を加算することによりチャネルLを、減算することによりチャネルRを生成することができる。
【0026】
また、第3の実施形態として図12に示すように、2ch「1」、「2」の代わりに式(2)によりマルチチャネルをダウンミクスしてステレオ2chデータ(L、R)を生成して、このステレオ2ch(L、R)と4ch「3」〜「6」を予測符号化するようにしてもよい。なお、第2、第3の実施形態では、フロントレフト(Lf)とフロントライト(Rf)が復号化側に伝送されないので、復号化側ではこれを式(1)、(2)により生成する。
【0027】
次に図13、図14を参照して第4の実施形態について説明する。上記の実施形態では、1グループの相関性の信号「1」〜「6」を予測符号化するように構成されているが、この第4の実施形態では複数グループの相関性のある信号を生成して予測符号化し、圧縮率が最も高いグループの予測符号化データを選択するように構成されている。このため図13に示す符号化部では、第1〜第nの相関回路1−1〜1−nが設けられ、このn個の相関回路1−1〜1−nは例えば6ch(Lf、C、Rf、Ls、Rs、Lfe)のPCMデータを、相関性が異なるn種類の6ch信号「1」〜「6」に変換する。
【0028】
例えば第1の相関回路1−1は以下のように変換し、
「1」=Lf
「2」=C−(Ls+Rs)/2
「3」=Rf−Lf
「4」=Ls−a×Lfe
「5」=Rs−b×Rf
「6」=Lfe
また、第nの相関回路1−nは以下のように変換する。
「1」=Lf+Rf
「2」=C−Lf
「3」=Rf−Lf
「4」=Ls−Lf
「5」=Rs−Lf
「6」=Lfe−C
【0029】
また、相関回路1−1〜1−n毎に予測回路15とバッファ・選択器16が設けられ、グループ毎の予測残差の最小値のデータ量に基づいて圧縮率が最も高いグループが相関選択信号生成器17bにより選択される。このとき、フォーマット化回路19はその選択フラグ(相関回路選択フラグ、その相関回路の相関係数a、b)を追加して多重化する。
【0030】
また、図14に示す復号化側では、符号化側の相関回路1−1〜1−nに対してn個の相関回路4−1〜4−n(又は係数a、bが変更可能な図示省略の1つの相関回路)が設けられる。なお、図13に示すnグループの予測回路が同一の構成である場合、復号装置では図14に示すようにnグループ分の予測回路を設ける必要はなく、1つのグループ分の予測回路でよい。そして、符号化装置から伝送された選択フラグに基づいて相関回路4−1〜4−nの1つを選択、又は係数a、bを設定して元の6ch(Lf、C、Rf、Ls、Rs、Lfe)を復元し、また、式(2)によりマルチチャネルをダウンミクスしてステレオ2chデータ(L、R)を生成する。
【0031】
また、上記の第1の実施形態では、1種類の相関性の信号「1」〜「6」を予測符号化するように構成されているが、この信号「1」〜「6」のグループと原信号(Lf、C、Rf、Ls、Rs、Lfe)のグループを予測符号化し、圧縮率が高い方のグループを選択するようにしてもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、チャネル毎の圧縮データ量に応じて、復号側の入力バッファ内の圧縮データを読み出すタイミングを示すデコーディング・タイム・スタンプ情報を生成してパケットヘッダにセットしたので、マルチチャネルの音声信号を可変の圧縮率で符号化する場合に再生側の処理時間を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用される音声符号化装置とそれに対応した音声復号装置の第1の実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1の符号化部を詳しく示すブロック図である。
【図3】図1、図2の符号化部により符号化されたビットストリームを示す説明図である。
【図4】DVDのパックのフォーマットを示す説明図である。
【図5】DVDのオーディオパックのフォーマットを示す説明図である。
【図6】図1の復号化部を詳しく示すブロック図である。
【図7】図6の入力バッファの書き込み/読み出しタイミングを示すタイミングチャートである。
【図8】アクセスユニット毎の圧縮データ量を示す説明図である。
【図9】アクセスユニットとプレゼンテーションユニットを示す説明図である。
【図10】音声伝送方法を示すフローチャートである。
【図11】音声伝送方法を示すフローチャートである。
【図12】第3の実施形態の音声符号化装置とそれに対応した音声復号装置を示すブロック図である。
【図13】第4の実施形態の音声符号化装置を示すブロック図である。
【図14】第4の実施形態の音声復号装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1’ 6chミクス&マトリクス回路
13D1,13D2,15D1〜15D4 予測回路(バッファ・選択器14D1,14D2,16D1〜16D4と共に圧縮手段を構成する。)
14D1,14D2,16D1〜16D4 バッファ・選択器
17 選択信号/DTS生成器(タイミング生成手段)
17c PTS生成器(タイミング生成手段)
19 フォーマット化回路(フォーマット化手段)
21 デフォーマット化回路(分離手段)
22 アンパッキング回路
22a 入力バッファ
24D1,24D2,23D1〜23D4 予測回路(伸長手段)
100 制御部(読み出し手段)
110 出力バッファ

Claims (2)

  1. マルチチャネルの音声信号を、そのままのチャネル又は互いに相関をとったチャネル毎に、入力される音声信号に応答して、先頭サンプル値を得ると共に、特性が異なる複数の線形予測方法により時間領域の過去の信号から現在の信号の線形予測値がそれぞれ予測され、その予測される線形予測値と前記音声信号とから得られる予測残差が最小となるような線形予測方法を選択して圧縮するステップと、
    前記圧縮されたデータの量に応じて、復号側の入力バッファ内の圧縮データを読み出すタイミングを示すデコーディング・タイム・スタンプ情報を生成するステップと、
    前記デコーディング・タイム・スタンプ情報を含むパケットヘッダと、圧縮PCMプライベートヘッダ及び前記圧縮データと、を含むユーザデータを含んだデータ構造にすると共に、前記音声信号のUPC/EAN−ISRC番号及びUPC/EAN−ISRCデータを前記圧縮PCMプライベートヘッダ内に配置するパケットにフォーマット化し、前記フォーマット化されたユーザデータを所定の伝送フォーマットで伝送することを特徴とする音声信号伝送方法。
  2. マルチチャネルの音声信号を、そのままのチャネル又は互いに相関をとったチャネル毎に、入力される音声信号に応答して、先頭サンプル値を得ると共に、特性が異なる複数の線形予測方法により時間領域の過去の信号から現在の信号の線形予測値がそれぞれ予測され、その予測される線形予測値と前記音声信号とから得られる予測残差が最小となるような線形予測方法を選択して圧縮するステップと、
    前記圧縮されたデータの量に応じて、復号側の入力バッファ内の圧縮データを読み出すタイミングを示すデコーディング・タイム・スタンプ情報を生成するステップと、
    前記デコーディング・タイム・スタンプ情報を含むパケットヘッダと、圧縮PCMプライベートヘッダ及び前記圧縮データと、を含むユーザデータを含んだデータ構造にすると共に、前記音声信号のUPC/EAN−ISRC番号及びUPC/EAN−ISRCデータを前記圧縮PCMプライベートヘッダ内に配置するパケットにフォーマット化されたデータから元の音声信号を復号する音声復号方法であって、
    前記選択された先頭サンプル値と予測残差と線形予測方法を含む圧縮データから予測値を算出するステップと、
    この算出された予測値から前記マルチチャネルの音声信号を復元するステップと、
    からなる音声復号方法。
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