JP3605282B2

JP3605282B2 - Eyeglass lens

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Publication number: JP3605282B2
Application number: JP09506398A
Authority: JP
Inventors: 佳巳小原; 守康白柳
Original assignee: ペンタックス株式会社
Priority date: 1997-04-08
Filing date: 1998-04-07
Publication date: 2004-12-22
Anticipated expiration: 2018-04-07
Also published as: JPH10339856A

Description

【０００１】
【技術分野】
本発明は、眼鏡レンズに関し、特に色収差を補正できる薄型軽量の眼鏡レンズに関する。
【０００２】
【従来技術とその問題点】
眼鏡レンズは通常１枚のレンズで構成されているために色収差の補正が困難である。眼鏡レンズの色収差で特に問題となるのは横の色収差である。すなわちレンズ周辺部を通して見たときに色がずれて見える現象である。これはレンズ素材の屈折率が波長によって異なるために、図３２に示すように同じ方向から来た光線が、波長（（Ｒ（赤）、Ｇ（緑）、Ｂ（青））によって異なる方向から来たかのように眼に入射することに起因する。１枚のレンズで色収差を少なくするには、できるだけ分散の小さい（アッベ数の大きい）素材を使うしかなかった。
【０００３】
かつては眼鏡レンズの素材として、アッベ数６０程度のクラウンガラスやＣＲ−３９と呼ばれる光学プラスチックが用いられていた。アッベ数６０は光学材料としては比較的分散の少ない方であるが、それでも強度レンズになると周辺部での色ずれが目立つようになってくる。
【０００４】
従来例１として、ＣＲ−３９（屈折率１．５０、アッベ数６０）で作られた頂点屈折力−８．００（ディオプタ）のレンズを掛けて、視角５０（゜）方向を見た時の色のずれ（色収差）を図３３の破線で示す。図３３の横軸は波長λ（ｎｍ）、縦軸は図３２の基準波長（Ｇ）の入射角（θ）からのずれ角（ｄθ）を示す。
【０００５】
近年では、眼鏡レンズをより薄く軽くする目的で高屈折率の光学プラスチック素材が開発されてきているが、高屈折率にすると分散が大きい（アッベ数が小さい）という傾向があり、色収差を小さくするという観点からは好ましくない。
【０００６】
従来例２として、高屈折率のポリウレタン系プラスチック素材（屈折率１．６６、アッベ数３２）で作られた頂点屈折力−８．００（ディオプタ）のレンズを掛けて、視角５０（゜）方向を見た時の色のずれ（色収差）を図３３の実線で示す。
【０００７】
さらに、従来例３として、ＣＲ−３９（屈折率１．５０、アッベ数６０）で作られた頂点屈折力＋４．００（ディオプタ）のレンズを掛けて、視角５０（゜）方向を見た時の色のずれ（色収差）を図３４の破線で示す。
従来例４として、高屈折率のポリウレタン系プラスチック素材（屈折率１．６６、アッベ数３２）で作られた頂点屈折力＋４．００（ディオプタ）のレンズを掛けて、視角５０（゜）方向を見た時の色のずれ（色収差）を図３４の実線で示す。
【０００８】
このような色収差を補正する技術として、アッベ数の異なる２枚以上のレンズを貼り合わせることが例えば特開平７−２８００２号で開示されているが、レンズが厚く重くなる欠点が避けられない。
【０００９】
眼鏡レンズと人間の眼をも含めた光学系の色収差を補正する技術として、特開昭和６０−２０３９１３号公報で回折現象を利用することが開示されているが、縦の色収差に関することに留まり、眼鏡レンズでより問題となる横の色収差は問題にしていない。
【００１０】
また回折現象を利用して多焦点の眼鏡レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズを実現する技術が特開平７−４９４７１号公報などで数多く開示されているが、回折によるレンズの屈折力は波長に大きく依存し、その依存性は回折次数によって異なり、高次の回折光ほど色ずれが大きくなるという欠点を有する。コンタクトレンズ、眼内レンズの場合には主に縦の色収差が問題となり、眼鏡レンズにおいては主に横の色収差が問題となるが、これらの公報には全く色収差の補正について述べられていない。
【００１１】
レンズの薄型軽量化に関しては、レンズの前面を回転対称な非球面とする技術が特開昭６４−５００１２号公報などで公知である。先に示した従来例２は前面を回転対称な非球面としたレンズであり、その諸元は表１の通りである。
【表１】

【００１２】
このレンズの縁厚は、非球面を用いない通常の球面レンズ（Ｒｌ＝３０５．７２０、Ｒ２＝６４．８４５）の縁厚１０．７３４に比べれば簿くなっているが、未だ十分とは言えない。
【００１３】
また、従来例４は前面を回転対称な非球面としたレンズであり、その諸元は表２の通りである。
【表２】

【００１４】
このレンズの中心厚は、非球面を用いない通常の球面レンズ（Ｒｌ＝７０．０００、Ｒ２＝１１４．７６１、中心厚＝５．８２３、縁厚＝１．２３１、外径＝７５）の中心厚５．８２３に比べれば簿くなっているが、未だ十分とは言えない。
【００１５】
【発明の目的】
本発明は、これらの従来技術の問題点に鑑み、横の色収差が少なく、かつ、より薄く軽い眼鏡レンズを提供することを目的とする。
【００１６】
【発明の概要】
本発明の眼鏡レンズは、眼鏡レンズの表面または内部に、該眼鏡レンズの巨視的面形状によって発生する横の色収差を補正する、微視的な輪帯群からなる回折構造を設け、回折構造の輪帯のピッチｐ（ｍｍ）は、眼鏡レンズの横の色収差を効果的に補正するために、該レンズの外径中心から少なくとも半径３０ｍｍ以内の輪帯部のいずれかの地点におけるプリズム屈折力をＰ（プリズムディオプトリ）、レンズ素材のアッベ数をνとするとき、次の条件式（１）を満足して変化することを特徴としている。
（１）ｐ＜０．０４×ν／｜Ｐ｜
【００１７】
単焦点レンズである眼鏡レンズの表面または内部に、該眼鏡レンズの巨視的面形状によって発生する横の色収差を補正する、微視的な輪帯群からなる回折構造を設け、回折構造を同心円状の輪帯群からなる回折構造としたとき、その輪帯のピッチｐ（ｍｍ）は、レンズ光軸からの距離ｈ（ｍｍ）がｈ＜３０のいずれかの地点において、その地点と光軸とを含むレンズ断面内の頂点屈折力をＤ（ディオプター）、レンズ素材のアッベ数をνとするとき、次の条件式（２）を満足して変化することを特徴としている。
（２）ｐ＜０．４×ν／｜Ｄ・ｈ｜
横の色収差は、プリズム屈折力の大きい部分において問題になるため、プリズム屈折力の大きい部分程輪帯のピッチを細かくすることにより、より効果的に横の色収差を補正することができる。
【００１８】
また、このピッチｐ（ｍｍ）は、
（３）ｐ＞０．００５
を満足することが好ましい。
【００１９】
本発明の眼鏡レンズによれば、レンズ素材のアッベ数νは、それ程大きくなくてもよく、
（４） ν＜４５
を満足するものを用いることができる。レンズ素材として、特にアッベ数がν＜４５のプラスチック素材を用いれば、回折構造による横の色収差補正を効果的に行なうことができる。
【００２０】
輪帯群からなる回折構造は、各輪帯の間を微細な段差で接続した段差型の回折構造、各輪帯内の屈折率を変化させた屈折率分布型の回折構造、あるいは、各輪帯内の透過率を変化させた透過率分布型の回折構造とすることができる。
【００２１】
前記段差型回折構造は、眼鏡レンズの前面、後面のいずれにも設けることができる。段差型回折構造をレンズ前面側に設けた場合には、レンズの外径中心から少なくとも半径ｈ（ｍｍ）がｈ＜３０のいずれかの地点において、該地点を通過する光線の、段差型回折構造の設けられたレンズ前面に対して空気側から入射する光線の入射角をθ（゜）、レンズ内側に位置する屈折光線の屈折角をθ’（゜）、前記地点における段差型回折構造の段差の輪帯面の法線方向の段差距離をΔ（ｍｍ）としたとき、波長λ（ｍｍ）が５×１０^−４〜６×１０^−４の範囲内のいずれかの光線について、
（５）Δ＝｜λ／（ｃｏｓ θ−ｎ’ ｃｏｓ θ’）｜
但し、
ｎ’ ；波長λに対するレンズ素材の屈折率、
を満足することが好ましい。
【００２２】
段差型回折構造をレンズ後面側に設けた場合には、レンズの外径中心から少なくとも半径ｈ（ｍｍ）がｈ＜３０のいずれかの地点において、該地点を通過する光線の、段差型回折構造の設けられたレンズ後面から射出する光線の射出角をθ（゜）、段差型回折構造の設けられたレンズ後面にレンズ内側から入射する入射角をθ’（゜）、前記地点における段差型回折構造の段差の輪帯面の法線方向の段差距離をΔ（ｍｍ）としたとき、波長λ（ｍｍ）が５×１０^−４〜６×１０^−４の範囲内のいずれかの光線について、
（５）Δ＝｜λ／（ｃｏｓ θ−ｎ’ ｃｏｓ θ’）｜
但し、
ｎ’ ；波長λに対するレンズ素材の屈折率、
を満足することが好ましい。
【００２３】
本発明による段差型回折構造の眼鏡レンズは、単焦点レンズとするのが実際的である。眼鏡レンズを単焦点レンズとし、かつ前記段差型回折構造をレンズ前面側に設ける場合、レンズの外形中心から少なくとも半径ｈ（ｍｍ）がｈ＜３０のいずれかの地点において、該地点と光軸を含むレンズ断面内の頂点屈折力をＤ（ディオプタ）、前記断面内の前記地点における輪帯面の法線の光軸に対する傾き角をγ（゜）、前記地点における段差型回折構造の段差の輪帯面の法線方向の段差距離をΔ（ｍｍ）としたとき、波長λ（ｍｍ）が５×１０^−４〜６×１０^−４の範囲内のいずれかの光線について、

を満足することが好ましい。
【００２４】
一方、眼鏡レンズを単焦点レンズとし、かつ前記段差型回折構造をレンズ後面側に設ける場合には、レンズの外径中心から少なくとも半径ｈ（ｍｍ）がｈ＜３０のいずれかの地点において、前記断面内の前記地点における輪帯面の法線の光軸に対する傾き角をγ（゜）、前記地点における段差型回折構造の段差の輪帯面の法線方向の段差距離をΔ（ｍｍ）としたとき、波長λ（ｍｍ）が５×１０^−４〜６×１０^−４範囲内のいずれかの光線について、

を満足することが好ましい。
【００２５】
以上のように段差距離を設定される段差型回折構造を前面または後面に有する単焦点の眼鏡レンズは、負の屈折力のレンズ、正の屈折力のレンズのいずれも適用可能である。負の屈折力を有するレンズでは、その段差型回折構造は、レンズの中心側から外周側へ向かう段差部分において、レンズ厚が薄くなる方向の段差構造とすることが実際的である。
【００２６】
正の屈折力を有するレンズでは、その段差型回折構造は、レンズの中心側から外周側へ向かう段差部分において、レンズ厚が厚くなる方向の段差構造とすることが実際的である。
【００２７】
【発明の実施形態】
本発明の眼鏡レンズは、巨視的面形状（屈折）によって発生する横の色収差を、該眼鏡レンズに設けた回折構造によって発生させる横の色収差によって相殺するという基本的な原理に基づいている。屈折と回折の組み合わせによる色収差補正の原理について図２７を用いて説明する。レンズは場所によって角度の異なるプリズムの連続と考えられる。通常の物質の屈折率は可視光領域においては短波長ほど大きいので、図２７（ａ）に示すように、プリズム１に入射した光線のうち短波長の青い光（Ｂ）は大きく曲げられ、長波長の赤い光（Ｒ）はより少なく曲げられる。一方、回折現象によっては、図２７（ｂ）に示めすように、回折格子に入射した光線のうち長波長の赤い光（Ｒ）は大きく曲げられ、短波長の青い光（Ｂ）はより少なく曲げられる。この相反する波長特性を持った現象を組み合わせると、図２７（ｃ）に示すように、波長によらずほぼ同じ角度だけ光線を曲げることが可能となる。
【００２８】
以上を定量的に説明する。
プリズムによる波長λ（ｍｍ）の光線の偏角をδ’ （ラジアン）、プリズムの頂角をα（ラジアン）、波長λに対する屈折率をｎ’ とすると、近似的に、
δ’ ≒（ｎ’ −１）・α
で与えられる。
プリズム屈折力Ｐ（プリズムディオプトリ）は、光線の偏角をδ’ とすれば、その定義より、
Ｐ＝１００・ｔａｎδ’ ≒１００・δ’
である。
【００２９】
波長５８８［ｎｍ］（ｄ線）、４８６［ｎｍ］（Ｆ線）、６５６［ｎｍ］（Ｃ線）に対する屈折率をそれぞれｎ_ｄ、ｎ_Ｆ、ｎ_Ｃとし、アッベ数についての関係式ν＝（ｎ_ｄ −１）／（ｎ_Ｆ −ｎ_Ｃ）および上記の関係式を用いると、Ｆ線とＣ線の光線の偏角（δ_Ｆ、δ_Ｃ）の差△δ（ラジアン）は、

となる。
【００３０】
一方、回折格子による波長λ（ｍｍ）の光の回折角φλ（ラジアン）は、回折格子のピッチをｐ（ｍｍ）、回折次数をｍとすると、近似的に、
φλ≒ｍλ／ｐ
である。よってＦ線とＣ線の回折角（φ_Ｆ、φ_Ｃ）の差△φ（ラジアン）は、１次の回折光を利用するとして（λ_Ｆ、λ_ＣはそれぞれＦ線、Ｃ線の波長）、

となる。
【００３１】
屈折による色のずれと回折による色のずれをキャンセルさせるには、△φ＝−△φとすればよいので、結論として、
ｐ≒０．０１７・ν／Ｐ
が導かれる。
【００３２】
単焦点眼鏡レンズにおいて、プリズム屈折力Ｐ（プリズムディオプトリ）と、ある断面内の頂点屈折力Ｄ（ディオプタ）および光軸からの距離ｈ（ｍｍ）との間には、プレンティスの式として知られる、
Ｐ≒Ｄ・ｈ／１０
という関係があるので、上記結論をさらに書き直すと
ｐ≒０．１７・ν／（Ｄ・ｈ）
となる。
【００３３】
光線の偏角、回折次数、プリズム屈折力などの符号には任意性があるので、上記式は、
ｐ≒０．０１７・ν／｜Ｐ｜
または
ｐ≒０．１７・ν／｜Ｄ・ｈ｜
と表わされる。
【００３４】
以上は、近似式を用いたＦ線とＣ線に対する横の色収差を補正するための条件であるが、実際にはシミュレーションによる光線追跡をして、各場所ｈでの適切なピッチｐを決めていくことになる。
また、横の色収差補正は、上記説明のようにＦ線とＣ線での偏角の差を完全に無くすまでにしなくても、元々色収差の大きいレンズにおいては、△φ＝−△δ／２として、完全な色収差補正の半分ほどの補正でも十分な改善効果が得られる。このような場合には、
ｐ≒０．０３４・ν／｜Ｐ｜
または
ｐ≒０．３４・ν／｜Ｄ・ｈ｜
とすれば良い。
【００３５】
さらに、
ｐ＜０．０４・ν／｜Ｐ｜
または
ｐ＜０．４・ν／｜Ｄ・ｈ｜
を満足すれば、実用上、十分な色収差の補正効果が得られる。
【００３６】
また、あまり小さなピッチで回折構造をつくると散乱の成分が多くなり、光の損失が無視できなくなる。この観点から、回折構造のピッチは、最小でもピッチｐ（ｍｍ）は、５μｍ程度とすることが好ましい。すなわち、
ｐ＞０．００５
である。
また、このような回折構造による横の色収差補正は、レンズ素材として、特にアッベ数がν＜４５のプラスチック素材を用いたとき、効果的に行なうことができる。
【００３７】
段差型回折構造は、理論上は、レンズ前面と後面のいずれに設けてもよい。しかし、樹脂材料による成形を考慮すると、後面に設ける方が好ましい。図２８は段差型回折構造をレンズＬの前面Ｌｆに設けた場合と、後面Ｌｒに設けた場合とを比較したものである。
レンズ前面Ｌｆに段差型回折構造を設けた場合、図２８（ｂ）中の点線の部分（回折構造の段差部分）を通る光は散乱光になり好ましくない。点線の部分をレンズに入射する光束と平行にすれば散乱光を減らすことができるが、樹脂の成形レンズの場合、点線の部分をレンズに入射する光束と平行にすると、アンダーカットが生じてしまい成形型を抜くことができない。
【００３８】
これに対し、レンズ後面Ｌｒに段差型回折構造を設ける場合はこの点線部分（回折構造の段差部分）を、図２８（ｃ）中の点線のように光束とほぼ平行にしても型を抜くことができ、レンズ前面に段差型回折構造を設けた場合よりも散乱光を減じることができる。
【００３９】
図２９は、段差型回折構造の段差の好ましい高さを説明する図である。眼鏡レンズＬの段差型回折構造の設けられた面Ｌｄに対して空気側から入射する光線の入射角（または面Ｌｄから射出する光線の射出角）をθ（゜）、レンズ内側に位置する屈折光線の屈折角（または面Ｌｄにレンズ内側から入射する入射角）をθ’（゜）とし、前記地点における段差距離を△（ｍｍ）、設計の基準波長をλ（ｍｍ）、波長λに対するレンズ素材の屈折率をｎ’ とする。
【００４０】
光線は、段差の内側を通った光と外側を通った光の光路長の差がλの整数倍になるような方向に進む。段差によってλの１倍だけ光路長差が生じる場合を考えると、
△＝｜λ／（ｃｏｓ θ− ｎ’ ｃｏｓ θ’）｜
という式が成り立つ。ここで、ｃｏｓ θ’をスネルの法則で書き直すと、
△＝｜λ／［ｃｏｓ θ−ｎ’ ｃｏｓ｛ｓｉｎ^−１（ｓｉｎ θ／ｎ’ ）｝］｜
となる。
【００４１】
以上の段差距離Δは、回折効率１００％の理想的な場合であるが、入射角θは、レンズのパワーと回折面の面形状を用いて近似することができる。すなわち、レンズの外径中心（光軸）から少なくとも半径ｈ（ｍｍ）がｈ＜３０のいずれかの地点において、該地点と光軸を含むレンズ断面内の頂点屈折力をＤ（ディオプタ）、前記断面内の前記地点における前面の法線の光軸に対する傾き角をγ（゜）とすると、
眼鏡レンズＬの前面Ｌｆに段差型回折構造がある場合、図３０より、
θ＋γ＝β＋δ
よって
θ＝β＋δ−γ
β及びδを近似して、近似入射角ψは、
ψ＝ｔａｎ^−１（ｈ／２５）−１８０Ｄｈ／１０００π−γ
で与えられる。
また、眼鏡レンズＬの後面Ｌｒに段差型回折構造がある場合、図３１より、
ψ＝ｔａｎ^−１（ｈ／２５） −γ
で与えられる。
【００４２】
前記地点における段差型回折構造の段差の輪帯面の法線方向の段差距離Δ（ｍｍ）は、この近似入射角ψを用いて、

を満足するように設定することが好ましい。これらの条件式を満足させて段差距離Δを設定すれば、実用上十分な回折効率が得られる。一方、これら条件式を満足しないと、回折効率が低下し、見え具合が悪くなる。
【００４３】
次に、具体的な実施例について本発明の眼鏡レンズを説明する。次の実施例１ないし４は、段差型回折構造の眼鏡レンズ（第１の実施態様）についての実施例である。なお、各実施例における眼鏡レンズの光軸は、レンズの外径中心に一致している。また、図４、図９、図１３、図１７、図２１及び図２５の各図の横軸Ｎは、ピッチｐの逆数である。
［実施例１］
実施例１は、屈折率ｌ．６６、アッベ数３２の素材を用い、レンズの前面に同心円状の微細な段差（輪帯）からなる回折構造を設けて、頂点屈折力−８．００（ディオプタ）のレンズの色収差補正をした例である。中心厚ｔｃと縁厚ｔｅは、それぞれ１．１（ｍｍ）と９．１２３（ｍｍ）である。
図１にレンズ１０の断面の模式図を、図２にレンズの正面の模式図を示す。レンズ前面１１の段差は実際には図１、図２には表せないほど微細なものであるが、誇張して描いた。図３は光軸からの距離が約２０（ｍｍ）の位置での断面の拡大図である。段差による回折構造のピッチはレンズの場所によって図４のように変わっている。実施例１のレンズの視角５０（゜）方向の横の色収差を図５に示す。同一素材を用いた従来例２（図３３の実線）と比べて格段に改善されているのがわかる。
【００４４】
［実施例２］
実施例２は、屈折率１．６６、アッベ数３２の素材を用い、レンズ後面に同心円状の微細な段差（輪帯）からなる回折構造を設けて、頂点屈折力−８．００（ディオプタ）のレンズの色収差補正をした例である。中心厚ｔｃと縁厚ｔｅは、それぞれ１．１（ｍｍ）と８．６５９（ｍｍ）である。
図６にレンズ１０の断面の模式図を、図７にレンズの正面の模式図を示す。レンズ後面１２の段差は実際には図６、図７には表せないほど微細なものであるが、誇張して描いた。図８は光軸からの距離が約２０（ｍｍ）の位置での断面の拡大図である。段差による回折構造のピッチはレンズの場所によって図９のように変わっている。実施例１のレンズの視角５０（゜）方向の横の色収差を図１０に示す。同一素材を用いた従来例２（図３３の実線）と比べて格段に改善されているのがわかる。またレンズの縁厚も薄くなっている。
【００４５】
［実施例３］
実施例３は、屈折率ｌ．６６、アッベ数３２の素材を用い、レンズ前面に同心円状の微細な段差（輪帯）からなる回折構造を設けて、頂点屈折力＋４．００（ディオプタ）のレンズの色収差補正をした例である。中心厚ｔｃと縁厚ｔｅは、それぞれ４．２９（ｍｍ）と１．２２９（ｍｍ）である。
図１１にレンズ１０の断面の模式図を示す。レンズ正面図は省略した。レンズ前面１１の段差は実際には図１１には表せないほど微細なものであるが、誇張して描いた。図１２は光軸からの距離が約２０（ｍｍ）の位置での断面の拡大図である。段差による回折構造のピッチはレンズの場所によって図１３のように変わっている。実施例３のレンズの視角５０（゜）方向の横の色収差を図１４に示す。同一素材を用いた従来例４（図３４の実線）と比べて格段に改善されているのがわかる。
【００４６】
［実施例４］
実施例４は、屈折率１．６６、アッベ数３２の素材を用い、レンズ後面に同心円状の微細な段差（輪帯）からなる回折構造を設けて、頂点屈折力＋４．００（ディオプタ）のレンズの色収差補正をした例である。中心厚ｔｃと縁厚ｔｅは、それぞれ４．３１（ｍｍ）と１．２３６（ｍｍ）である。
図１５にレンズ１０の断面の模式図を示す。レンズ正面図は省略した。レンズ後面１２の段差は実際には図１５には表せないほど微細なものであるが、誇張して描いた。図１６は光軸からの距離が約２０（ｍｍ）の位置での断面の拡大図である。段差による回折構造のピッチはレンズの場所によって図１７のように変わっている。実施例４のレンズの視角５０（゜）方向の横の色収差を図１８に示す。同一素材を用いた従来例４（図３４の実線）と比べて格段に改善されているのがわかる。
【００４７】
次の実施例５（図１９ないし図２２）は、本発明による屈折率分布型の回折構造の眼鏡レンズ（第２の実施態様）についての実施例である。
［実施例５］
この実施例は、屈折率１．６０、アッベ数３６の素材を用いた頂点屈折力＋４．００（ディオプター）の眼鏡レンズ２０の色収差を、該レンズ２０の後面側に屈折率分布型の回折構造層２１を設けて補正した例である。屈折率分布型の回折構造２１は、同心円状の多数の輪帯がそれぞれ、屈折率差０．１の鋸歯状の屈折率分布を有する、厚さ約６（μｍ）の層である。
【００４８】
図１９では、屈折率分布型回折構造２１の輪帯を明度を異ならせて、そのピッチを誇張して描いている。また、屈折率分布型回折構造２１の輪帯の深さも実際の深さより誇張して描いている。屈折率分布を有する輪帯のピッチと深さは、実際には、光軸からの距離ｈが２０（ｍｍ）近傍での屈折率分布を示す図２０のように、微細なものである。そして、この回折構造の輪帯のピッチｐは、図２１に示すように（第１の実施例の図４と同じく）、光軸からの距離ｈが高くなる程（光軸から離れる程）、細かくなっている。このように、周辺部程、回折構造の輪帯のピッチを細かくすることによって、レンズ周辺部での横の色収差を良好に補正することができる。図２２は、この眼鏡レンズの視角５０゜方向の横の色収差を示しており、色収差が改善されていることが分かる。
【００４９】
屈折率分布型の回折構造層２１は、表面に段差がないので、各種コート等の表面処理を施すのに有利である。
【００５０】
次の実施例６（図２３ないし図２６）は、本発明による透過率分布型の回折構造の眼鏡レンズ（第３の実施態様）についての実施例である。
［実施例６］
この実施例は、屈折率１．６６、アッベ数３２の素材を用いた頂点屈折力−６．００（ディオプター）の眼鏡レンズ３０の色収差を、該レンズ３０の前面側に透過率分布型の回折構造層３１を設けて補正した例である。透過率分布型の回折構造３１は、同心円状の多数の輪帯がそれぞれ、透過率が正弦波状に０〜１の間で変化する層である。
【００５１】
図２３では、透過率分布型回折構造３１の輪帯のピッチを誇張して描いている。透過率が変化する輪帯のピッチは、実際には、光軸からの距離ｈが２０（ｍｍ）近傍での透過率分布を示す図２４のように、微細なものである。そして、この回折構造の輪帯のピッチｐは、図２５に示すように（第１の実施例の図４、第２の実施例の図７と同じく）、光軸からの距離ｈが高くなる程（光軸から離れる程）、細かくなっている。このように、周辺部程、回折構造の輪帯のピッチを細かくすることによって、レンズ周辺部での横の色収差を良好に補正することができる。図２６は、この眼鏡レンズの視角５０゜方向の横の色収差を示している。同一素材を用いた従来例２（図３３の実線）に比べて、格段に色収差が改善されていることが分かる。
【００５２】
透過率分布型の回折構造層３１は、表面に段差がないので、各種コート等の表面処理を施すのに有利であり、また平均的には光透過率が２５％以下になるので、サングラスとして利用することが好ましい。
【００５３】
上記の実施例はいずれも、条件式（１）ないし（４）を満足している。また、段差型回折構造の実施例１ないし４は、条件式（５）を満足し、前面を段差型回折構造とした実施例１と３は、条件式（６）、（７）、（８）を満足し、後面を段差型回折構造とした実施例２と４は、条件式（６）、（７）、（９）を満足している。
【００５４】
【発明の効果】
本発明の眼鏡レンズによれば、アッベ数の小さい（分散の大きい）レンズでも、横の色収差の少ない眼鏡レンズを実現することができる。色収差補正のために異なるアッベ数のレンズを貼り合せる必要がないので、レンズが厚く重くなることがない。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による眼鏡レンズの第１の実施形態の実施例１を示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図である。
【図２】実施例１の眼鏡レンズの正面の模式図である。
【図３】実施例１の眼鏡レンズ断面の部分拡大図である。
【図４】実施例１の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布を表す図である。
【図５】実施例１の眼鏡レンズの色収差を示す図である。
【図６】本発明による眼鏡レンズの第１の実施形態の実施例２を示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図である。
【図７】実施例２の眼鏡レンズの後面の模式図である。
【図８】実施例２の眼鏡レンズの断面の部分拡大図である。
【図９】実施例２の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布を表す図である。
【図１０】実施例２の眼鏡レンズの色収差を示す図である。
【図１１】本発明による眼鏡レンズの第１の実施形態の実施例３を示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図である。
【図１２】実施例３の眼鏡レンズの断面の部分拡大図である。
【図１３】実施例３の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布を表す図である。
【図１４】実施例３の眼鏡レンズの色収差を示す図である。
【図１５】本発明による眼鏡レンズの第１の実施形態の実施例４を示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図である。
【図１６】実施例４の眼鏡レンズの断面の部分拡大図である。
【図１７】実施例４の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布を表す図である。
【図１８】実施例４の眼鏡レンズの色収差を示す図である。
【図１９】本発明による眼鏡レンズの第２の実施形態を示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図である。
【図２０】図１９の眼鏡レンズの屈折率分布を示す部分拡大図である。
【図２１】図１９の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布を表す図である。
【図２２】図１９の眼鏡レンズの色収差を示す図である。
【図２３】本発明による眼鏡レンズの第３の実施形態を示す、回折構造を誇張して描いた模式断面図である。
【図２４】図２３の眼鏡レンズの屈折率分布を示す部分拡大図である。
【図２５】図２３の眼鏡レンズの回折構造ピッチ分布を表す図である。
【図２６】図２３の眼鏡レンズの色収差を示す図である。
【図２７】屈折と回折の組み合わせによる色収差補正の原理を表す図である。
【図２８】回折構造が前面にある眼鏡レンズと後面にある眼鏡レンズの拡大図である。
【図２９】回折構造の拡大図である。
【図３０】前面に回折構造がある眼鏡レンズを示す図である。
【図３１】後面に回折構造がある眼鏡レンズを示す図である。
【図３２】従来の眼鏡レンズの光線の屈折の様子を表す図である。
【図３３】従来の眼鏡レンズの色収差を示す図である。
【図３４】従来の眼鏡レンズの色収差を示す図である。[0001]
【Technical field】
The present invention relates to a spectacle lens, and more particularly to a thin and lightweight spectacle lens capable of correcting chromatic aberration.
[0002]
[Prior art and its problems]
Since a spectacle lens is usually composed of one lens, it is difficult to correct chromatic aberration. A particularly problematic chromatic aberration of spectacle lenses is lateral chromatic aberration. That is, this is a phenomenon in which the colors appear to be displaced when viewed through the periphery of the lens. This is because, as shown in FIG. 32, light rays coming from the same direction are reflected from different directions depending on the wavelength ((R (red), G (green), B (blue)) because the refractive index of the lens material varies depending on the wavelength. The only way to reduce chromatic aberration with a single lens was to use a material with as small a dispersion as possible (with a large Abbe number).
[0003]
In the past, as an eyeglass lens material, an optical plastic called CR-39 or crown glass having an Abbe number of about 60 was used. Although the Abbe number 60 is relatively low in dispersion as an optical material, even in the case of an intensity lens, color shift in the peripheral portion becomes conspicuous.
[0004]
As Conventional Example 1, a lens having a vertex refractive power of −8.00 (diopter) made of CR-39 (refractive index 1.50, Abbe number 60) is used to look at a viewing angle of 50 (゜). The color shift (chromatic aberration) is indicated by a broken line in FIG. The horizontal axis in FIG. 33 indicates the wavelength λ (nm), and the vertical axis indicates the deviation angle (dθ) from the incident angle (θ) of the reference wavelength (G) in FIG.
[0005]
In recent years, high refractive index optical plastic materials have been developed for the purpose of making eyeglass lenses thinner and lighter. However, when the refractive index is increased, the dispersion tends to be large (the Abbe number is small), and the chromatic aberration is reduced. This is not preferable from the viewpoint of.
[0006]
As Conventional Example 2, a vertex power of -8.00 (diopter) made of a high-refractive-index polyurethane-based plastic material (refractive index: 1.66, Abbe number: 32) is applied, and a visual angle of 50 (゜) is applied. 33 are shown by solid lines in FIG.
[0007]
Further, as Conventional Example 3, when a lens having a vertex refractive power of +4.00 (diopter) made of CR-39 (refractive index: 1.50, Abbe number: 60) is used, and a viewing angle of 50 (゜) is viewed. The color shift (chromatic aberration) is indicated by a broken line in FIG.
As Conventional Example 4, a lens having an apex refractive power of +4.00 (diopter) made of a high-refractive-index polyurethane-based plastic material (refractive index: 1.66, Abbe number: 32) is applied to change the visual angle 50 (゜) direction. The color shift (chromatic aberration) when viewed is shown by the solid line in FIG.
[0008]
As a technique for correcting such chromatic aberration, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 7-28002 discloses that two or more lenses having different Abbe numbers are bonded, but the disadvantage that the lenses are thick and heavy cannot be avoided.
[0009]
As a technique for correcting the chromatic aberration of the optical system including the spectacle lens and the human eye, Japanese Patent Application Laid-Open No. 60-203913 discloses the use of the diffraction phenomenon. Lateral chromatic aberration, which is more problematic for spectacle lenses, is not considered.
[0010]
Many techniques for realizing multifocal spectacle lenses, contact lenses, and intraocular lenses using the diffraction phenomenon are disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-49471. However, the refractive power of a lens due to diffraction is large in wavelength. And the dependence depends on the diffraction order, and there is a disadvantage that the higher the order of the diffracted light, the larger the color shift. In the case of a contact lens or an intraocular lens, longitudinal chromatic aberration is mainly a problem, and in a spectacle lens, lateral chromatic aberration is mainly a problem. However, these publications do not describe correction of chromatic aberration at all.
[0011]
Regarding the reduction in thickness and weight of a lens, a technique of making the front surface of the lens a rotationally symmetric aspheric surface is known in Japanese Patent Application Laid-Open No. 64-50012. The conventional example 2 described above is a lens having a rotationally symmetric aspherical front surface, and its specifications are as shown in Table 1.
[Table 1]

[0012]
Although the edge thickness of this lens is smaller than the edge thickness of the normal spherical lens (Rl = 305.720, R2 = 64.845) that does not use an aspherical surface, it is still sufficient. Absent.
[0013]
Further, Conventional Example 4 is a lens whose front surface has a rotationally symmetric aspheric surface, and its specifications are as shown in Table 2.
[Table 2]

[0014]
The center thickness of this lens is the center of a normal spherical lens (Rl = 70.000, R2 = 1114.761, center thickness = 5.823, edge thickness = 1.231, outer diameter = 75) without using an aspheric surface. Although it is better than 5.823 thick, it is still not enough.
[0015]
[Object of the invention]
The present invention has been made in view of the problems of the related art, and has as its object to provide a thinner and lighter spectacle lens with less lateral chromatic aberration.
[0016]
Summary of the Invention
The spectacle lens of the present invention is provided with a diffractive structure comprising a group of microscopic orbicular zones on the surface or inside of the spectacle lens, which corrects lateral chromatic aberration caused by the macroscopic surface shape of the spectacle lens.In order to effectively correct the lateral chromatic aberration of the spectacle lens, the pitch p (mm) of the annular zone of the diffractive structure is at any point in the annular zone within a radius of at least 30 mm from the center of the outer diameter of the lens. Assuming that the prism refractive power is P (prism diopter) and the Abbe number of the lens material is ν, a change is made so as to satisfy the following conditional expression (1)..
(1) p <0.04 × ν / | P |
[0017]
On the surface or inside of a spectacle lens which is a single focus lens, a diffraction structure composed of a group of microscopic rings is provided, which corrects lateral chromatic aberration generated by a macroscopic surface shape of the spectacle lens, and the diffraction structure is concentric. When a diffractive structure composed of a group of annular zones is used, the pitch p (mm) of the annular zone is determined by the distance h (mm) from the lens optical axis at any point where h <30 and the point and the optical axis Where D (diopter) is the apex refractive power in the lens cross section and v is the Abbe number of the lens material, the following conditional expression (2) is satisfied.
(2) p <0.4 × ν / | D · h |
Since the lateral chromatic aberration becomes a problem in a portion where the prism refractive power is large, the lateral chromatic aberration can be more effectively corrected by making the pitch of the ring zone finer in a portion where the prism refractive power is large.
[0018]
The pitch p (mm) is
(3) p> 0.005
Is preferably satisfied.
[0019]
According to the spectacle lens of the present invention, the Abbe number ν of the lens material may not be so large,
(4) ν <45
Can be used. If a plastic material having an Abbe number ν <45 is used as the lens material, lateral chromatic aberration can be effectively corrected by the diffractive structure.
[0020]
The diffraction structure composed of a group of orbicular zones can be a step-type diffractive structure in which each orbicular zone is connected by a fine step, a refractive index distribution type diffractive structure in which the refractive index in each orbicular zone is changed, or A transmittance distribution type diffraction structure in which the transmittance in the band is changed can be provided.
[0021]
The step type diffractive structure can be provided on both the front surface and the rear surface of the spectacle lens. In the case where the step type diffraction structure is provided on the front surface side of the lens, at any point where the radius h (mm) is at least h <30 from the center of the outer diameter of the lens, a step type diffraction structure of a light beam passing through the point is provided. Is the incident angle of a light beam incident from the air side with respect to the front surface of the lens provided with θ (゜), the refraction angle of the refracted light beam located inside the lens is θ ′ (゜), and the step of the step type diffraction structure at the point The wavelength λ (mm) is 5 × 10^-4~ 6 × 10^-4For any ray within the range
(5) Δ = | λ / (cos θ−n ′ cos θ ′) |
However,
n ′: refractive index of lens material with respect to wavelength λ,
Is preferably satisfied.
[0022]
In the case where the step type diffraction structure is provided on the rear surface side of the lens, at least at any point where the radius h (mm) is h <30 from the center of the outer diameter of the lens, a step type diffraction structure of a light beam passing through the point is provided. The angle of incidence of the light beam emerging from the rear surface of the lens provided with is θ (゜), the angle of incidence from the inside of the lens on the rear surface of the lens provided with the step type diffraction structure is θ ′ (゜), and the step type diffraction at the point Assuming that the step distance in the normal direction of the annular surface of the step of the structure is Δ (mm), the wavelength λ (mm) is 5 × 10^-4~ 6 × 10^-4For any ray within the range
(5) Δ = | λ / (cos θ−n ′ cos θ ′) |
However,
n ′: refractive index of lens material with respect to wavelength λ,
Is preferably satisfied.
[0023]
It is practical that the spectacle lens of the step type diffraction structure according to the present invention is a single focus lens. In the case where the spectacle lens is a single focus lens and the step type diffractive structure is provided on the front surface of the lens, at least a point where the radius h (mm) from the outer shape center of the lens is h <30, the point and the optical axis are aligned. The vertex refractive power in the lens cross section including D (diopter), the inclination angle of the normal to the orbicular plane at the point in the cross section with respect to the optical axis is γ (゜), and the step ring of the step type diffraction structure at the point Assuming that the step distance in the normal direction of the band surface is Δ (mm), the wavelength λ (mm) is 5 × 10^-4~ 6 × 10^-4For any ray within the range

Is preferably satisfied.
[0024]
On the other hand, when the spectacle lens is a single focus lens and the step type diffraction structure is provided on the rear surface side of the lens, at least a point where the radius h (mm) from the center of the outer diameter of the lens is h <30, The inclination angle of the normal to the orbicular plane at the point in the cross section with respect to the optical axis is γ (゜), and the step distance in the normal direction to the orbicular plane of the step of the step-type diffractive structure at the point is Δ (mm). When the wavelength λ (mm) is 5 × 10^-4~ 6 × 10^-4For any ray in the range,

Is preferably satisfied.
[0025]
A single focus spectacle lens having a step-type diffractive structure with a step distance set on the front surface or the rear surface as described above can be applied to both a lens having a negative refractive power and a lens having a positive refractive power. In a lens having a negative refractive power, it is practical that the step type diffractive structure has a step structure in which the lens thickness is reduced in a step portion from the center side of the lens toward the outer peripheral side.
[0026]
In a lens having a positive refractive power, it is practical that the step-type diffraction structure has a step structure in which the lens thickness increases in a step portion from the center side of the lens toward the outer peripheral side.
[0027]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The spectacle lens of the present invention is based on the basic principle that lateral chromatic aberration generated by a macroscopic surface shape (refraction) is canceled by lateral chromatic aberration generated by a diffraction structure provided in the spectacle lens. The principle of chromatic aberration correction by a combination of refraction and diffraction will be described with reference to FIG. The lens is considered to be a series of prisms having different angles depending on the location. Since the refractive index of a normal substance is larger as the wavelength becomes shorter in the visible light region, as shown in FIG. 27A, among the light beams incident on the prism 1, blue light (B) having a shorter wavelength is greatly bent and becomes longer. Red light (R) of wavelength is bent less. On the other hand, depending on the diffraction phenomenon, as shown in FIG. 27B, of the light rays incident on the diffraction grating, the long-wavelength red light (R) is largely bent, and the short-wavelength blue light (B) is less. Bendable. By combining the phenomena having the contradictory wavelength characteristics, as shown in FIG. 27C, it becomes possible to bend the light beam by almost the same angle regardless of the wavelength.
[0028]
The above will be described quantitatively.
Assuming that the deflection angle of the light beam of wavelength λ (mm) by the prism is δ ′ (radian), the vertex angle of the prism is α (radian), and the refractive index for the wavelength λ is n ′,
δ ′ ≒ (n ′ −1) · α
Given by
The prism refracting power P (prism diopter) is defined by the following equation, assuming that the deflection angle of a ray is δ ′.
P = 100 · tan δ '≒ 100 · δ'
It is.
[0029]
The refractive indices for wavelengths of 588 [nm] (d-line), 486 [nm] (F-line) and 656 [nm] (C-line) are respectively n_d , N_F , N_C And the relational expression ν = (n_d -1) / (n_F -N_C ) And the above relational expression, the declination (δ) of the F-line and C-line rays_F , Δ_C ) Is the difference △ δ (radian)

It becomes.
[0030]
On the other hand, the diffraction angle φλ (radian) of the light having the wavelength λ (mm) by the diffraction grating can be approximately calculated assuming that the diffraction grating pitch is p (mm) and the diffraction order is m.
φλ ≒ mλ / p
It is. Therefore, the diffraction angles of the F and C lines (φ_F , Φ_C ) Is expressed as (λ) using the first-order diffracted light._F , Λ_C Are the wavelengths of the F line and the C line, respectively),

It becomes.
[0031]
In order to cancel the color shift due to refraction and the color shift due to diffraction, it is sufficient to set △ φ = − △ φ.
p ≒ 0.017 · ν / P
Is led.
[0032]
In a single focus spectacle lens, between a prism refractive power P (prism diopter), a vertex refractive power D (diopter) in a certain cross section, and a distance h (mm) from an optical axis, is known as Prentice's equation. Be
P ≒ D · h / 10
Therefore, rewriting the above conclusions further
p ≒ 0.17 · ν / (D · h)
It becomes.
[0033]
Since the sign of the light beam's declination, diffraction order, prism refractive power, etc. is arbitrary, the above equation is
p ≒ 0.017 · ν / | P |
Or
p ≒ 0.17 · ν / | D · h |
Is represented by
[0034]
The above is the condition for correcting the lateral chromatic aberration with respect to the F-line and the C-line using the approximation formula. In practice, ray tracing is performed by simulation to determine an appropriate pitch p at each location h. Will go.
Further, the correction of the lateral chromatic aberration can be performed by, for example, △ φ = − △ δ / 2 in a lens originally having a large chromatic aberration without completely eliminating the difference in the declination between the F line and the C line as described above. As a result, a sufficient improvement effect can be obtained even with a correction of about half of the complete chromatic aberration correction. In such a case,
p ≒ 0.034 · ν / | P |
Or
p ≒ 0.34 · ν / | D · h |
It is good.
[0035]
further,
p <0.04 · ν / | P |
Or
p <0.4 · ν / | D · h |
Is satisfied, a practically sufficient effect of correcting chromatic aberration can be obtained.
[0036]
Further, if a diffraction structure is formed with a very small pitch, scattering components increase, and light loss cannot be ignored. From this viewpoint, it is preferable that the pitch p (mm) of the diffraction structure be at least about 5 μm. That is,
p> 0.005
It is.
The lateral chromatic aberration correction by such a diffractive structure can be effectively performed particularly when a plastic material having an Abbe number ν <45 is used as a lens material.
[0037]
The step type diffractive structure may theoretically be provided on either the front surface or the rear surface of the lens. However, in consideration of molding with a resin material, it is preferable to provide it on the rear surface. FIG. 28 shows a comparison between the case where the step type diffraction structure is provided on the front surface Lf of the lens L and the case where it is provided on the rear surface Lr.
When a step type diffraction structure is provided on the front surface Lf of the lens, light passing through a portion indicated by a dotted line in FIG. 28B (a step portion of the diffraction structure) becomes undesirably scattered light. Scattered light can be reduced by making the dotted line part parallel to the light beam incident on the lens.However, in the case of a molded resin lens, if the dotted line part is made parallel to the light beam incident on the lens, an undercut will occur. The mold cannot be removed.
[0038]
On the other hand, when a step-type diffractive structure is provided on the rear surface Lr of the lens, the mold is removed even if the dotted line portion (the step portion of the diffractive structure) is substantially parallel to the light beam as shown by the dotted line in FIG. And scattered light can be reduced as compared with the case where a step type diffraction structure is provided on the front surface of the lens.
[0039]
FIG. 29 is a diagram illustrating a preferred height of a step of the step diffraction structure. The incident angle of a light ray entering from the air side (or an exit angle of a light ray exiting from the plane Ld) with respect to the plane Ld of the spectacle lens L on which the step type diffraction structure is provided is θ (゜), and refraction located inside the lens The refraction angle of the light beam (or the angle of incidence on the surface Ld from the inside of the lens) is θ ′ (、), the step distance at the point is △ (mm), the design reference wavelength is λ (mm), and the lens for the wavelength λ. Let n 'be the refractive index of the material.
[0040]
The light beam travels in such a direction that the difference between the optical path lengths of the light passing inside the step and the light passing outside the step becomes an integral multiple of λ. Considering the case where a difference in optical path length occurs by one time of λ due to a step,
Δ = | λ / (cos θ−n ′ cos θ ′) |
Holds. Here, if cos θ ′ is rewritten by Snell's law,
Δ = | λ / [cos θ−n ′ cos ｛sin^-1(Sin θ / n ′)｝] |
It becomes.
[0041]
The above-described step distance Δ is an ideal case with a diffraction efficiency of 100%, but the incident angle θ can be approximated using the power of the lens and the surface shape of the diffraction surface. That is, at any point where the radius h (mm) is at least h <30 from the outer diameter center (optical axis) of the lens, the vertex refractive power in the lens cross section including the point and the optical axis is D (diopter), Assuming that the inclination angle with respect to the optical axis of the normal of the front surface at the point in the cross section is γ (゜),
When there is a step-type diffraction structure on the front surface Lf of the spectacle lens L, from FIG.
θ + γ = β + δ
Therefore
θ = β + δ−γ
By approximating β and δ, the approximate angle of incidence ψ is
ψ = tan^-1(H / 25) -180Dh / 1000π-γ
Given by
In addition, when there is a step-type diffraction structure on the rear surface Lr of the spectacle lens L, FIG.
ψ = tan^-1(H / 25) -γ
Given by
[0042]
The step distance Δ (mm) in the direction normal to the annular surface of the step of the step type diffraction structure at the point is calculated by using the approximate incident angle ψ.

Is preferably set to satisfy the following. If the step distance Δ is set while satisfying these conditional expressions, practically sufficient diffraction efficiency can be obtained. On the other hand, if these conditional expressions are not satisfied, the diffraction efficiency will be reduced and the appearance will be poor.
[0043]
Next, the spectacle lens of the present invention will be described with reference to specific examples. The following Examples 1 to 4 are examples of a spectacle lens having a step-type diffraction structure (first embodiment). Note that the optical axis of the spectacle lens in each embodiment coincides with the center of the outer diameter of the lens. The horizontal axis N in each of FIGS. 4, 9, 13, 13, 17, and 25 is the reciprocal of the pitch p.
[Example 1]
Example 1 has a refractive index of l. 66, an example in which a material having Abbe number 32 is used, and a diffractive structure including concentric fine steps (ring zones) is provided on the front surface of the lens to correct the chromatic aberration of the lens having a vertex refractive power of -8.00 (diopter). It is. The center thickness tc and the edge thickness te are 1.1 (mm) and 9.123 (mm), respectively.
FIG. 1 is a schematic diagram of a cross section of the lens 10, and FIG. 2 is a schematic diagram of the front of the lens. The steps on the front surface 11 of the lens are actually so fine that they cannot be shown in FIGS. 1 and 2, but are exaggerated. FIG. 3 is an enlarged view of a cross section at a position where the distance from the optical axis is about 20 (mm). The pitch of the diffraction structure due to the step changes depending on the position of the lens as shown in FIG. FIG. 5 shows the lateral chromatic aberration of the lens of Example 1 in the direction of the viewing angle of 50 (゜). It can be seen that it is significantly improved as compared with Conventional Example 2 (solid line in FIG. 33) using the same material.
[0044]
[Example 2]
In the second embodiment, a material having a refractive index of 1.66 and an Abbe number of 32 is used, and a diffractive structure including concentric fine steps (ring zones) is provided on the rear surface of the lens, and a vertex refractive power is −8.00 (diopter). This is an example in which chromatic aberration of the lens is corrected. The center thickness tc and the edge thickness te are 1.1 (mm) and 8.659 (mm), respectively.
FIG. 6 shows a schematic diagram of a cross section of the lens 10, and FIG. 7 shows a schematic diagram of the front surface of the lens. The steps on the rear surface 12 of the lens are actually so fine that they cannot be shown in FIGS. 6 and 7, but are exaggerated. FIG. 8 is an enlarged view of a cross section at a position where the distance from the optical axis is about 20 (mm). The pitch of the diffraction structure due to the step changes as shown in FIG. 9 depending on the position of the lens. FIG. 10 shows lateral chromatic aberration of the lens of Example 1 in the direction of the viewing angle of 50 (゜). It can be seen that it is significantly improved as compared with Conventional Example 2 (solid line in FIG. 33) using the same material. Also, the edge thickness of the lens is reduced.
[0045]
[Example 3]
Example 3 has a refractive index of l. In this example, a chromatic aberration of a lens having a vertex refractive power of +4.00 (diopter) is corrected by using a material having an Abbe number of 32 and providing a diffractive structure formed of concentric fine steps (ring zones) on the front surface of the lens. . The center thickness tc and the edge thickness te are 4.29 (mm) and 1.229 (mm), respectively.
FIG. 11 shows a schematic diagram of a cross section of the lens 10. The lens front view is omitted. Although the steps on the front surface 11 of the lens are so fine that they cannot be actually shown in FIG. 11, they are exaggerated. FIG. 12 is an enlarged view of a cross section at a position where the distance from the optical axis is about 20 (mm). The pitch of the diffraction structure due to the step changes depending on the position of the lens as shown in FIG. FIG. 14 shows the lateral chromatic aberration of the lens of Example 3 in the direction of the viewing angle of 50 (゜). It can be seen that it is significantly improved as compared with Conventional Example 4 (solid line in FIG. 34) using the same material.
[0046]
[Example 4]
In the fourth embodiment, a material having a refractive index of 1.66 and an Abbe number of 32 is used, and a diffractive structure including concentric fine steps (ring zones) is provided on the rear surface of the lens to provide a vertex refractive power of +4.00 (diopter). This is an example in which chromatic aberration of a lens is corrected. The center thickness tc and the edge thickness te are 4.31 (mm) and 1.236 (mm), respectively.
FIG. 15 shows a schematic diagram of a cross section of the lens 10. The lens front view is omitted. The step on the rear surface 12 of the lens is actually so fine that it cannot be shown in FIG. 15, but is exaggerated. FIG. 16 is an enlarged view of a cross section at a position where the distance from the optical axis is about 20 (mm). The pitch of the diffraction structure due to the step changes depending on the position of the lens as shown in FIG. FIG. 18 shows lateral chromatic aberration of the lens of Example 4 in the direction of the viewing angle of 50 (゜). It can be seen that it is significantly improved as compared with Conventional Example 4 (solid line in FIG. 34) using the same material.
[0047]
Example 5 (FIGS. 19 to 22) is an example of a spectacle lens having a refractive index distribution type diffraction structure (second embodiment) according to the present invention.
[Example 5]
In this embodiment, the chromatic aberration of the spectacle lens 20 having a vertex refractive power of +4.00 (diopter) using a material having a refractive index of 1.60 and an Abbe number of 36 is converted into a refractive index distribution type diffractive structure on the rear surface side of the lens 20. This is an example in which correction is performed by providing a layer 21. The refractive index distribution type diffraction structure 21 is a layer having a thickness of about 6 (μm) in which a large number of concentric annular zones each have a sawtooth refractive index distribution with a refractive index difference of 0.1.
[0048]
In FIG. 19, the orbicular zones of the graded index diffractive structure 21 are illustrated with exaggerated pitches with different brightness. Further, the depth of the annular zone of the refractive index distribution type diffraction structure 21 is also exaggerated from the actual depth. The pitch and depth of the orbicular zone having the refractive index distribution are actually fine as shown in FIG. 20 showing the refractive index distribution when the distance h from the optical axis is near 20 (mm). And, as shown in FIG. 21 (similar to FIG. 4 of the first embodiment), the pitch p of the annular zone of this diffraction structure increases as the distance h from the optical axis increases (as the distance from the optical axis increases). It is getting finer. In this way, by making the pitch of the annular zone of the diffractive structure smaller in the peripheral portion, lateral chromatic aberration in the peripheral portion of the lens can be favorably corrected. FIG. 22 shows the lateral chromatic aberration of this spectacle lens in the direction of the viewing angle of 50 °, and it can be seen that the chromatic aberration is improved.
[0049]
Since the refractive index distribution type diffractive structure layer 21 has no step on the surface, it is advantageous for performing a surface treatment such as various coatings.
[0050]
Example 6 (FIGS. 23 to 26) is an example of a spectacle lens (third embodiment) having a transmittance distribution type diffractive structure according to the present invention.
[Example 6]
In this embodiment, the chromatic aberration of the spectacle lens 30 having a vertex refractive power of −6.00 (diopter) using a material having a refractive index of 1.66 and an Abbe number of 32 is converted into a transmittance distribution type diffraction on the front side of the lens 30. This is an example in which the structure layer 31 is provided and corrected. The transmittance distribution type diffraction structure 31 is a layer in which a large number of concentric annular zones each have a transmittance varying between 0 and 1 in a sine wave shape.
[0051]
In FIG. 23, the pitch of the annular zone of the transmittance distribution type diffraction structure 31 is exaggerated. In actuality, the pitch of the annular zone in which the transmittance changes is minute as shown in FIG. 24 showing the transmittance distribution when the distance h from the optical axis is around 20 (mm). As shown in FIG. 25 (similar to FIG. 4 of the first embodiment and FIG. 7 of the second embodiment), the pitch h of the orbicular zone of this diffraction structure is such that the distance h from the optical axis increases. The finer the distance (farther from the optical axis). In this manner, by making the pitch of the annular zone of the diffractive structure smaller in the peripheral portion, lateral chromatic aberration in the peripheral portion of the lens can be favorably corrected. FIG. 26 shows the lateral chromatic aberration of this spectacle lens in the direction of the viewing angle of 50 °. It can be seen that the chromatic aberration is remarkably improved as compared with Conventional Example 2 (solid line in FIG. 33) using the same material.
[0052]
The transmittance distribution type diffractive structure layer 31 is advantageous in performing surface treatments such as various coats since there are no steps on the surface, and has an average light transmittance of 25% or less, so that it can be used as sunglasses. It is preferable to use it.
[0053]
Each of the above embodiments satisfies the conditional expressions (1) to (4). Further, Examples 1 to 4 of the step type diffraction structure satisfy the conditional expression (5), and Examples 1 and 3 in which the front surface has the step type diffraction structure satisfy the conditional expressions (6), (7) and (8). Examples 2 and 4 satisfying the conditions (6), (7), and (9) satisfy the conditions (6), (7), and (9).
[0054]
【The invention's effect】
According to the spectacle lens of the present invention, a spectacle lens with less lateral chromatic aberration can be realized even with a lens having a small Abbe number (having a large dispersion). Since there is no need to bond lenses having different Abbe numbers for chromatic aberration correction, the lenses do not become thick and heavy.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view showing Example 1 of a first embodiment of a spectacle lens according to the present invention, in which a diffraction structure is exaggeratedly drawn.
FIG. 2 is a schematic front view of the spectacle lens of Example 1.
FIG. 3 is a partially enlarged view of a cross section of the spectacle lens of Example 1.
FIG. 4 is a diagram illustrating a diffraction structure pitch distribution of the spectacle lens of Example 1.
FIG. 5 is a diagram illustrating chromatic aberration of the spectacle lens of Example 1.
FIG. 6 is a schematic cross-sectional view showing Example 2 of the first embodiment of the spectacle lens according to the present invention, in which the diffraction structure is exaggerated.
FIG. 7 is a schematic diagram of the rear surface of the spectacle lens of Example 2.
FIG. 8 is a partially enlarged view of a cross section of the spectacle lens of Example 2.
FIG. 9 is a diagram illustrating a diffraction structure pitch distribution of the spectacle lens of Example 2.
FIG. 10 is a diagram showing chromatic aberration of the spectacle lens of Example 2.
FIG. 11 is a schematic cross-sectional view showing Example 3 of the first embodiment of the spectacle lens according to the present invention, in which the diffraction structure is exaggerated.
FIG. 12 is a partially enlarged view of a cross section of the spectacle lens of Example 3.
FIG. 13 is a diagram illustrating a diffraction structure pitch distribution of the spectacle lens of Example 3.
FIG. 14 is a diagram illustrating chromatic aberration of the spectacle lens according to the third embodiment.
FIG. 15 is a schematic cross-sectional view illustrating Example 4 of the first embodiment of the spectacle lens according to the present invention, in which a diffraction structure is exaggeratedly drawn.
FIG. 16 is a partially enlarged view of a cross section of the spectacle lens of Example 4.
FIG. 17 is a diagram illustrating a diffraction structure pitch distribution of the spectacle lens of Example 4.
FIG. 18 is a diagram illustrating chromatic aberration of the spectacle lens of Example 4.
FIG. 19 is a schematic cross-sectional view illustrating a second embodiment of the spectacle lens according to the present invention, in which a diffraction structure is exaggeratedly drawn.
20 is a partially enlarged view showing a refractive index distribution of the spectacle lens of FIG.
21 is a diagram illustrating a diffraction structure pitch distribution of the spectacle lens in FIG.
FIG. 22 is a diagram illustrating chromatic aberration of the spectacle lens in FIG. 19;
FIG. 23 is a schematic cross-sectional view showing a third embodiment of an eyeglass lens according to the present invention, in which a diffractive structure is exaggeratedly drawn.
24 is a partially enlarged view showing a refractive index distribution of the spectacle lens of FIG.
25 is a diagram illustrating a diffraction structure pitch distribution of the spectacle lens in FIG.
26 is a diagram illustrating chromatic aberration of the spectacle lens in FIG.
FIG. 27 is a diagram illustrating the principle of chromatic aberration correction by a combination of refraction and diffraction.
FIG. 28 is an enlarged view of a spectacle lens having a diffraction structure on the front and a spectacle lens on the back.
FIG. 29 is an enlarged view of a diffraction structure.
FIG. 30 is a diagram showing a spectacle lens having a diffractive structure on the front surface.
FIG. 31 is a diagram illustrating a spectacle lens having a diffractive structure on a rear surface.
FIG. 32 is a diagram showing how a conventional spectacle lens refracts light rays.
FIG. 33 is a diagram illustrating chromatic aberration of a conventional spectacle lens.
FIG. 34 is a diagram illustrating chromatic aberration of a conventional spectacle lens.

Claims

On the surface or inside the spectacle lens, to correct lateral chromatic aberration generated by the macroscopic surface shape of the spectacle lens, provided a diffraction structure consisting of a group of microscopic rings ,
The pitch p (mm) of the orbicular zone of the diffraction structure is P (prism diopter) at any point of the orbicular zone within a radius of at least 30 mm from the center of the outer diameter of the lens. A spectacle lens characterized by satisfying the following conditional expression (1) when the number is ν.
(1) p <0.04 × ν / | P |

On the surface or inside the spectacle lens consisting of a single focus lens, to correct the lateral chromatic aberration generated by the macroscopic surface shape of the spectacle lens, provided a diffraction structure consisting of a group of microscopic rings,
The diffractive structure is a diffractive structure including a group of concentric orbicular zones, and the pitch p (mm) of the orbicular zone is at any point where the distance h (mm) from the lens optical axis is h <30. when the vertex power of the lens in cross-section including the該地point and the optical axis D (diopter), the lens material Abbe number [nu, and characterized in that changes to satisfy the following condition (2) glasses lens.
(2) p <0.4 × ν / | D · h |

3. The spectacle lens according to claim 1, wherein the pitch p (mm) of the orbicular zone satisfies the following conditional expression (3).
(3) p> 0.005

The spectacle lens according to any one of claims 1 to 3, wherein the Abbe number ν of the lens material satisfies the following conditional expression (4).
(4) ν <45

The spectacle lens according to claim 4, wherein the lens material is plastic.

The spectacle lens according to any one of claims 1 to 5 , wherein the diffractive structure including the ring zones is a step-type diffractive structure in which the respective ring zones are connected with minute steps.

The spectacle lens according to any one of claims 1 to 5 , wherein the diffractive structure including the ring groups is a refractive index distribution type diffractive structure in which the refractive index in each ring zone is changed.

The spectacle lens according to any one of claims 1 to 5 , wherein the diffractive structure including the ring groups is a transmittance distribution type diffractive structure in which the transmittance in each ring zone is changed.

7. The spectacle lens according to claim 6 , wherein the step-type diffraction structure is provided on a front surface side of the lens.

The spectacle lens according to claim 9, wherein at least a point where the radius h (mm) from the center of the outer diameter of the lens is h <30, a light passing through the point has a step-type diffractive structure on the front surface of the lens. , The angle of incidence of the light beam incident from the air side is θ (゜), the angle of refraction of the refracted light beam located inside the lens is θ ′ (゜), and the method of the annular surface of the step of the step-type diffraction structure at the aforementioned point Assuming that the step distance in the linear direction is Δ (mm), for any light ray whose wavelength λ (mm) is in the range of 5 × 10 ^{−4 to} 6 × 10 ⁻⁴ ,
(5) Δ = | λ / (cos θ−n ′ cos θ ′) |
However,
n ′: refractive index of lens material with respect to wavelength λ,
A spectacle lens that satisfies you.

The spectacle lens according to claim 9, wherein the spectacle lens is a single focus lens,
At any point where the radius h (mm) is at least h <30 from the center of the outer diameter of the lens, the apex refractive power in the lens cross section including the point and the optical axis is D (diopter). Assuming that the inclination angle of the normal line to the optical axis of the orbicular plane with respect to the optical axis is γ (距離) and the step distance in the normal direction of the orbicular plane of the step of the step type diffractive structure at the point is Δ (mm), the wavelength λ ( mm) for any ray within the range of 5 × 10 ^{−4 to} 6 × 10 ⁻⁴ .

A spectacle lens that satisfies you.

7. The spectacle lens according to claim 6 , wherein the step-type diffraction structure is provided on a rear surface side of the lens.

13. The spectacle lens according to claim 12, wherein at least a point where the radius h (mm) from the center of the outer diameter of the lens is h <30, h <30, the rear surface of the lens provided with the step-type diffractive structure for a light beam passing through the point. Is the exit angle of the light beam emitted from the lens, θ ′ is the incident angle from the inside of the lens on the rear surface of the lens provided with the step type diffraction structure, and θ ′ (゜) is the annular zone of the step type diffraction structure at the point. Assuming that the step distance in the normal direction of the surface is Δ (mm), for any light ray whose wavelength λ (mm) is in the range of 5 × 10 ^{−4 to} 6 × 10 ⁻⁴ ,
(5) Δ = | λ / (cos θ−n ′ cos θ ′) |
However,
n ′: refractive index of lens material with respect to wavelength λ,
A spectacle lens that satisfies you.

The spectacle lens according to claim 12, wherein the spectacle lens is a single focus lens,
At any point where the radius h (mm) is at least h <30 from the center of the outer diameter of the lens, the inclination angle with respect to the optical axis of the normal of the orbicular plane at the point in the cross section is γ (゜). When the step distance in the direction normal to the orbicular plane of the step of the step type diffraction structure is Δ (mm), the wavelength λ (mm) is any one within the range of 5 × 10 ^{−4 to} 6 × 10 ⁻⁴ . About the ray of

A spectacle lens that satisfies you.

The spectacle lens according to claim 11 , wherein the lens has a negative refractive power.

16. The spectacle lens according to claim 15 , wherein the step-type diffractive structure is a step structure in a direction in which a lens thickness decreases in a step portion from a center side of the lens toward an outer peripheral side.

The spectacle lens according to claim 11 , wherein the lens has a positive refractive power.

18. The spectacle lens according to claim 17 , wherein the step-type diffractive structure is a step structure in a direction in which a lens thickness increases in a step portion from a center side to an outer peripheral side of the lens.