JP3604652B2 - Electron emission cathode and method of manufacturing the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空下で電子を放出する電子放出陰極およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フラットディスプレイ、特に、真空中で電界をかけることで陰極から電子を引き出し、陽極に塗布した蛍光体に衝突させて発光させるFED(Field Emission Display)は、従来のブラウン管ディスプレイに比べて薄型で軽量の表示装置が実現できるため研究が盛んに行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このFEDの電子放出陰極として、例えばダイヤモンド薄膜や炭素薄膜などを用いるものがあるが、かかる従来例では、放出開始電圧は、高々5V/μm程度あり、より低い放出開始電圧の実現が望まれている。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みて為されたものであって、FEDに好適な放出開始電圧の低い電子放出陰極およびその製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明では、上述の目的を達成するために、次のように構成している。
【0006】
すなわち、本発明の電子放出陰極は、超微粒子が配置された基板上に、カソードアーク法で炭素イオンの加速電圧を制御することによって複合炭素膜が形成されてなり、前記複合炭素膜は、sp2結合を有する炭素膜上にsp3結合を有する炭素膜が積層されてなるものである。
【0007】
sp3結合を有する炭素膜は、sp2結合を有する炭素膜上に直接積層されるのが好ましいが、製造上、中間層を介して積層されてもよい。
【0008】
本発明によると、sp2結合を有する炭素膜は、グラファイト的であって導電性を示す一方、sp3結合を有する炭素膜は、ダイヤモンド的であって絶縁性および極めて低い電子親和力ないし負性電子親和力を示す。これらは、超微粒子が 配置された基板上に、すなわち、基板上に突出して形成されているので、電界が集中し、薄い膜であるsp3結合を有する炭素膜は、そのエネルギーバンド構造に傾斜が生じて隣接したsp2結合を有する炭素膜からの電子のトンネリングが可能となってsp3結合を有する炭素膜のコンダクションバンド(伝導帯)に電子が注入されて瞬時に真空中に放出されることになり、これによって、電子放出の性能が向上して放出開始電圧を低くできることになる。
【0009】
本発明の一つの実施態様においては、超微粒子が配置された基板上に、カソードアーク法で炭素イオンの加速電圧を制御することによって膜構造が形成されてなり、前記膜構造は、sp2結合を有する炭素膜上にsp3結合を有する炭素が形成されてなるものである。
【0010】
sp3結合を有する炭素は、sp2結合を有する炭素膜上に直接積層されるのが好ましいが、製造上、中間層を介して積層されてもよい。
【0011】
本発明によると、上述と同様に、電子放出の性能が向上して放出開始電圧を低くすることができる。
【0012】
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記超微粒子が、ダイヤモンドの超微粒子である。
【0013】
本発明によると、親水性のダイヤモンド超微粒子のコロイド溶液を用いて基板を処理することにより、基板に、ダイヤモンドの超微粒子を高密度に配置できる。
【0014】
本発明の他の実施態様においては、前記sp3結合を有する炭素膜の厚さまたは前記sp3結合を有する炭素のサイズが、ナノメートルオーダから十ナノメートルオーダの厚さである。
【0015】
ここで、ナノメートルオーダから十ナノメートルオーダとは、1nm〜99nmの範囲をいい、好ましくは、数nmである。
【0016】
本発明によると、sp3結合を有する炭素膜または炭素がナノメートルオーダから十ナノメートルオーダと薄いまたは小さいので、sp2結合を有する炭素膜からの電子のトンネリングが容易となってsp3結合を有する炭素膜のコンダクションバンドに電子が注入されて瞬時に真空中に放出され、電子放出の性能が向上して放出開始電圧を低くできることになる。
【0017】
本発明の電子放出陰極の製造方法は、超微粒子が配置された基板上に、カソードアーク法によって、sp2結合を有する炭素膜を形成し、得られた前記炭素膜上に、カソードアーク法によって、炭素イオンの加速電圧を制御して前記sp 2 結合を有する炭素膜の形成よりもエネルギーを高くしてsp3結合を有する炭素膜を形成する。
【0018】
本発明によると、放出開始電圧の低て電子放出陰極を得ることができる。
【0019】
また、本発明の電子放出陰極の製造方法は、超微粒子が配置された基板上に、カソードアーク法によって、sp2結合を有する炭素膜を形成し、得られた前記炭素膜上に、カソードアーク法によって炭素イオンの加速電圧を制御して前記sp 2 結合を有する炭素膜の形成よりもエネルギーを高くしてsp3結合を有する炭素を形成する。
【0020】
本発明によると、放出開始電圧の低い電子放出陰極を得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
(実施の形態1)
図1は、本発明の一つの実施の形態に係る電子放出陰極の製造方法を示す図である。
【0023】
先ず、図1(a)に示されるように基板上、この実施の形態では、高い電子伝導度を示す、例えばn+のシリコン基板1上に、ダイヤモンドの超微粒子2を配置形成する。このダイヤモンドの超微粒子2は、例えば、特許第2691884号の親水性ダイヤモンド微粒子の製造方法によって得られるものである。
【0024】
すなわち、ナノメートルオーダから百ナノメートルオーダの範囲内の特定のサイズ、例えば、平均粒径が数十nm、例えば30nmのダイヤモンドの超微粒子を選択して洗浄し、精製後のダイヤモンドの超微粒子を、精製水に分散し、分散液を遠心分離し、上澄みのコロイド溶液にアルコールを加えて全量を調整する。さらに、フッ化水素を0.2%加えて遠心分離し、上澄み液を微粒子ダイヤモンドコロイド溶液である処理液とする。
【0025】
この処理液3に、図2(a)に示されるようにシリコン基板1を数分間浸し、図2(b)に示されるように乾燥することによって、図1(a)に示されるシリコン基板1上に数十nmの選択された粒子サイズの自形面や劈開面を有するダイヤモンドの超微粒子2が配置形成される。
【0026】
なお、本発明の他の実施の形態として、シリコン基板1を回転させて上記処理液3を滴下してもよいし、シリコン基板1に、処理液3を吹き付けてもよい。
【0027】
上記特許第2691884号の親水性ダイヤモンド微粒子のコロイド溶液、すなわち、処理液3は、液中において、ダイヤモンドの超微粒子が、ほぼ単粒子の形で互いに集合することなく分散して懸濁しているので、かかる処理液3でシリコン基板1を処理することにより、ダイヤモンドの単粒子を高密度に形成できる。すなわち、数十nmのサイズのダイヤモンドの超微粒子2を、数十nmの間隔で配置形成できることになる。
【0028】
次に、図1(b)に示されるように、例えば、カソードアーク法によって、複合炭素膜4を形成する。
【0029】
この複合炭素膜4は、sp2結合を有する炭素膜5上にsp3結合を有する炭素膜6が積層された二層の積層構造となっており、カソードアーク法において、炭素イオンの加速電圧を制御することによって形成される。すなわち、エネルギーを低くすると、sp2結合を有する炭素膜5が形成され、エネルギーを高くすると、sp3結合を有する炭素膜6が形成される。このようにカソードアーク法では、条件を変えるだけで複合炭素膜4を形成できるので、プロセス上有利である。
【0030】
下層のsp2結合を有する炭素膜5は、グラファイト的であって、電子伝導性を示し、上層のsp3結合を有する炭素膜6は、ダイヤモンド的であって、絶縁性を示すとともに、低いまたは負性の電子親和力を示すものである。
【0031】
sp2結合を有する炭素膜5は、例えば、10nmから数ミクロン程度の厚さに形成され、sp3結合を有する炭素膜6は、後述のようにトンネリングを可能とするために、例えば、数nm程度の厚さに薄く形成される。
【0032】
このsp3結合を有する炭素膜6は、電界集中および放出電子の方向づけ、すなわち、放出電子の垂直方向への放出を助ける。また、極めて厚さが薄いために、sp2結合を有する炭素膜5からの電子のトンネリングが容易に起こり、これは、上述の電界集中によって促進されることになる。さらに、sp3結合を有する炭素膜6は、結晶ダイヤモンドの性質を受け継ぐために、負性親和力または極めて小さな(0に近い)正の親和力を持ち、このため、上述のようにトンネリングされた電子は、容易に真空中に飛び出すことになる。
【0033】
複合炭素膜4は、後述のように電子放出を容易にする低い仕事関数を有し、電子放出の性能を向上させるものである。
【0034】
この複合炭素膜4を有する電子放出陰極は、FEDの冷陰極として真空(10−7Torr程度)中で蛍光体を塗布した陽極に対向して配置され、電圧が印加されることで真空中に電子が引き出されて加速されて蛍光体に衝突して励起発光させるものである。
【0035】
次に、この複合炭素膜4による電子放出性能の向上について説明する。
【0036】
上述のようにsp2結合を有する炭素膜5は、グラファイト的であって導電性を示す一方、sp3結合を有する炭素膜6は、ダイヤモンド的であって絶縁性および低いまたは負性の電子親和力を示す。
【0037】
数十nmのサイズのダイヤモンドの超微粒子2の上の複合炭素膜4は、シリコン基板1から突出しているので、電界が集中し、電子伝導性の高いシリコン基板1に密接しているsp2結合を有する炭素膜5に電子が流れ込もうとする一方、数nm程度の薄い膜であるsp3結合を有する炭素膜6は、印加電界によってそのエネルギーバンド構造に傾斜が生じて隣接したsp2結合を有する炭素膜5からの電子のトンネリングが可能となり、sp3結合を有する炭素膜6のコンダクションバンドに電子が注入されて瞬時に真空中に放出されることになり、これによって、電子放出の性能が向上して放出開始電圧を低くできることになる。
【0038】
すなわち、この複合炭素膜4は、実質的に非常に低い仕事関数を持つことになり、電子放出を助長するものである。
【0039】
また、カソードアーク法によれば、炭素イオンがダイヤモンドの超微粒子2にぶつかる衝撃によって、炭素イオンから運動エネルギーが超微粒子2に与えられ、これによって、図1(b)に示されるように、超微粒子2の底部が、シリコン基板1にややめり込み、物理的な安定性(密着性)が得られるとともに、電気的なコンタクトも保証されることになる。
【0040】
なお、かかる効果は、カソードアーク法に限らず、レーザアブレーションやイオンプレーティング法を用いた場合にも同様に得ることができる。
【0041】
この実施の形態の電子放出陰極は、放出開始電圧を、例えば、1V〜1.5V/μm程度に低減することができ、放出電流密度も、例えば50mA/cm2程度又はそれ以上に増大することができる。
【0042】
さらに、この実施の形態の電子放出陰極は、数十nmのサイズのダイヤモンドの超微粒子2上の複合炭素膜4に電界が集中して電子放出サイトとなって電子を放出させるので、電子放出サイト密度は、例えば106〜107/cm2となり、電子放出サイト密度が102 〜 5/cm2以下の従来例に比べて均一で高い電子放出サイト密度を得ることができる。
【0043】
また、電界は、遮蔽効果により、或る電子放出サイトからの放出電流が減ると別の電子放出サイトに電界が集中することになるため、電子放出源として作用するサイトの数が極めて多いので、長寿命化が保証される。
【0044】
なお、sp2結合を有する炭素膜5とsp3結合を有する炭素膜6との間には、製造上、一ないし二原子層の極めて薄い中間層が存在するが、この中間層は存在しない方が好ましい。
【0045】
この実施の形態のsp3結合を有する炭素膜6は、EELS(Electron Energy Loss spectroscopy)やラマン分光分析などでその存在を確認できる。
【0046】
この実施の形態では、平均粒径が数十nmのほぼ等しいサイズのダイヤモンドの超微粒子2を用いたけれども、本発明の他の実施の形態として、平均粒径が、例えば数nmのサイズのダイヤモンドの超微粒子の中に、サイズの大きな、例えば平均粒径が数十nm〜数百nmのダイヤモンドの超微粒子を設計的に混在させたダイヤモンドの超微粒子を用いてもよい。すなわち、上述の図2の超微粒子のダイヤモンドコロイド溶液である処理液として、平均粒径が数nmのサイズのダイヤモンドの超微粒子2の中に、サイズの大きな、例えば平均粒径が数十nm〜数百nmのダイヤモンドの超微粒子を設計に従った混合比で混合した溶液を用いるのである。
【0047】
これによって、基板上に、サイズの大きな超微粒子を含むダイヤモンドの超微粒子を配置形成することができる。そして、サイズの大きなダイヤモンドの超微粒子上の複合炭素膜4が、他の部分よりも高く突起状となって電界が集中して電子を設計的に放出できることになる。
【0048】
この電界が集中する部分の数や間隔は、サイズの異なるダイヤモンドの超微粒子の混合割合によって設計・規定することができる。
【0049】
なお、混合させる粒子同士のサイズ関係は、広範囲に亘り、その決定は設計方針に依存する。
【0050】
また、カソードアーク法の条件によっては、上述の複合炭素膜4に代えて、図3に示されるように、sp2結合を有する炭素粒子のクラスター(集団、塊)10が連続してなる炭素膜上に、sp3結合を有する炭素粒子11を形成する構造としてもよい。このsp3結合を有する炭素11は、連続した膜状である必要はなく、超微粒子状に点在していてもよい。このクラスター10の径、すなわち、炭素膜の厚みは、上述と同様に、例えば、10nmから数ミクロン程度の厚さであり、sp3結合を有する炭素11のサイズも、上述と同様に、例えば、数nm程度である。
【0051】
(実施の形態2)
図4は、本発明の他の実施の形態の電子放出陰極を示す図であり、上述の実施の形態に対応する部分には、同一の参照符号を付す。
【0052】
上述の実施の形態では、シリコン基板1上に、ダイヤモンドの超微粒子2を配置形成して複合炭素膜4を形成したけれども、この実施の形態では、シリコン基板1上に、公知の化学的な処理によって、例えば金の超微粒子7を付着形成し、この上に、上述の実施の形態と同様にして、sp2結合を有する炭素膜5上にsp3結合を有する炭素膜6が積層された複合炭素膜4を形成したものである。金の超微粒子7の粒径は、数十nm〜数百nm、例えば50nm〜200nm程度である。
【0053】
なお、金に代えて、シリカ、アルミナ、酸化チタン、ニッケルあるいはパラジウム等の超微粒子を用いてもよい。
【0054】
また、図5に示されるように、上述の複合炭素膜4に代えて、sp2結合を有する炭素粒子のクラスター10が連続してなる炭素膜上に、sp3結合を有する炭素11を形成する構造としてもよい。
【0055】
(その他の実施の形態)
上述の各の実施の形態では、基板として、シリコン基板を用いたけれども、シリコン基板に限らず、高い電子伝導度を示す基板、例えば、金属あるいはグラファイトなどの基板を用いて電界放出電子の供給源とすることができる。また、金属やITOなどの電子伝導性膜を付着せしめたガラス基板を用いてもよい。
【0056】
また、基板は、適当なパターニングや設計的なでポジションなどの成形により、適当なサイズの溝や凹凸を導入してもよい。これらの成形によって、選択的な電界集中を支援することができる。
【0057】
sp2結合を有する炭素膜5上にsp3結合を有する炭素膜6が積層された複合炭素膜6は、既存の電子放出陰極のエミッタ膜の上に形成して電子放出能力の向上を図ることもできるし、エミッタ膜に代えて形成してもよい。
【0058】
本発明の他の実施の形態として、基板1上に、カーボン膜あるいは非晶質炭素膜(DLC膜)などを形成し、その上に超微粒子2,7を配置形成してもよい。
【0059】
本発明の他の実施の形態として、水素やフッ素などを付着させて、sp3結合を有する炭素膜の電子親和力を下げて低いまたは負性の電子親和力を示すようにしてもよく、また、窒素や金属超微粒子を適量ドーピングまたは混入し、sp2結合を有する炭素膜の伝導度を高めるようにしてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、sp2結合を有する炭素膜上にsp3結合を有する炭素膜あるいは炭素が形成された膜構造が、基板上に突出して形成されているので、電子放出の性能が向上して放出開始電圧を低くすることができる。
【0061】
また、sp2結合を有する炭素膜上にsp3結合を有する炭素膜あるいは炭素が形成された膜構造は、既存の電子放出陰極のエミッタ膜上に形成することによって、電子放出性能を向上させて放出開始電圧を低減することができる。
【0062】
さらに、ダイヤモンドなどの超微粒子を用いることによって、長寿命で高い電子放出サイト密度をもつ電子放出陰極が実現できる。しかも、カソードアーク法によれば、炭素イオンが、基板上に配置された超微粒子にぶつかる衝撃によって、炭素イオンから運動エネルギーが超微粒子に与えられ、これによって、超微粒子の底部が、基板にややめり込み、物理的な安定性(密着性)が得られるとともに、電気的なコンタクトも保証されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施形態の製造方法を示す図である。
【図2】図1のシリコン基板上のダイヤモンド超微粒子の形成方法を示す図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の構造を示す図である。
【図4】本発明のさらに他の実施の形態の構造を示す図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 ダイヤモンドの超微粒子
3 処理液
4 複合炭素膜
5 sp2結合を有する炭素膜
6 sp3結合を有する炭素膜[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to an electron emission cathode that emits electrons under vacuum and a method for manufacturing the same .
[0002]
[Prior art]
Flat displays, in particular, FEDs (Field Emission Displays), which extract electrons from the cathode by applying an electric field in a vacuum and collide with the phosphor applied to the anode to emit light, are thinner and lighter than conventional CRT displays. Research has been actively conducted because a display device can be realized.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
As an electron emission cathode of this FED, for example, a diamond thin film or a carbon thin film is used. In such a conventional example, the emission start voltage is at most about 5 V / μm, and it is desired to realize a lower emission start voltage. I have.
[0004]
The present invention has been made in view of the above points, and has as its object to provide an electron emission cathode having a low emission start voltage suitable for an FED and a method of manufacturing the same.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
The present invention has the following configuration to achieve the above object.
[0006]
That is, the electron emission cathode of the present invention has a composite carbon film formed on a substrate on which ultrafine particles are arranged by controlling the accelerating voltage of carbon ions by a cathodic arc method. A carbon film having sp 3 bonds is laminated on a carbon film having 2 bonds.
[0007]
It is preferable that the carbon film having the sp 3 bond is directly laminated on the carbon film having the sp 2 bond, but it may be laminated via an intermediate layer in production.
[0008]
According to the present invention, the carbon film having sp 2 bonds is graphite-like and shows conductivity, while the carbon film having sp 3 bonds is like diamond and has insulating properties and extremely low electron affinity or negative electron. Indicates affinity. Since these are formed on the substrate on which the ultrafine particles are arranged, that is, projected on the substrate, the electric field is concentrated, and the carbon film having the sp 3 bond, which is a thin film, has a tilted energy band structure. Occurs, and tunneling of electrons from a carbon film having an adjacent sp 2 bond becomes possible, so that electrons are injected into a conduction band (conduction band) of the carbon film having an sp 3 bond and are instantaneously released into a vacuum. As a result, the electron emission performance is improved, and the emission start voltage can be reduced.
[0009]
In one embodiment of the present invention, a film structure is formed on a substrate on which ultrafine particles are arranged by controlling an accelerating voltage of carbon ions by a cathodic arc method , and the film structure has an sp 2 bond. Is formed by forming carbon having an sp 3 bond on a carbon film having
[0010]
-carbon with sp 3 bonds is preferably laminated directly onto a carbon film having a sp 2 bond, manufacturing, it may be laminated via an intermediate layer.
[0011]
According to the present invention, as described above, the electron emission performance is improved, and the emission start voltage can be reduced.
[0012]
In a further preferred embodiment of the present invention, the ultrafine particles are ultrafine diamond particles.
[0013]
According to the present invention, ultrafine diamond particles can be arranged on the substrate at a high density by treating the substrate with a colloid solution of ultrafine diamond particles.
[0014]
In another embodiment of the present invention, the thickness of the carbon film having the sp 3 bond or the size of the carbon having the sp 3 bond is a thickness on the order of nanometers to 10 nanometers.
[0015]
Here, the order of nanometers to ten nanometers refers to a range of 1 nm to 99 nm, and preferably several nm.
[0016]
According to the present invention, since the carbon film or carbon having sp 3 bonds is thin or small, on the order of nanometers to 10 nanometers, tunneling of electrons from the carbon film having sp 2 bonds is facilitated and sp 3 bonds are formed. Electrons are injected into the conduction band of the carbon film and are instantaneously released into a vacuum, so that the electron emission performance is improved and the emission start voltage can be reduced.
[0017]
The method for producing an electron emission cathode according to the present invention includes forming a carbon film having an sp 2 bond on a substrate on which ultrafine particles are arranged by a cathode arc method, and forming the carbon film on the obtained carbon film by a cathode arc method. By controlling the acceleration voltage of carbon ions, the energy is made higher than that of the carbon film having the sp 2 bond to form the carbon film having the sp 3 bond.
[0018]
According to the present invention, an electron emission cathode having a low emission start voltage can be obtained.
[0019]
Further, the method for producing an electron emission cathode of the present invention comprises forming a carbon film having an sp 2 bond on a substrate on which ultrafine particles are disposed by a cathode arc method, and forming a cathode arc on the obtained carbon film. By controlling the accelerating voltage of carbon ions by the method, the energy is made higher than the formation of the carbon film having the sp 2 bond to form carbon having the sp 3 bond.
[0020]
According to the present invention, an electron emission cathode having a low emission start voltage can be obtained.
[0021]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0022]
(Embodiment 1)
FIG. 1 is a diagram illustrating a method for manufacturing an electron emission cathode according to one embodiment of the present invention.
[0023]
First, as shown in FIG. 1A,
[0024]
That is, ultrafine diamond particles having a specific size in the range of nanometer order to 100 nanometer order, for example, an average particle diameter of several tens nm, for example, 30 nm, are selected and washed, and the ultrafine diamond particles after purification are removed. The suspension is dispersed in purified water, the dispersion is centrifuged, and the total volume is adjusted by adding alcohol to the supernatant colloid solution. Further, 0.2% of hydrogen fluoride is added and centrifuged, and the supernatant is used as a treatment liquid that is a fine particle diamond colloid solution.
[0025]
The
[0026]
In addition, as another embodiment of the present invention, the processing liquid 3 may be dropped by rotating the
[0027]
The colloid solution of the hydrophilic diamond fine particles of the above-mentioned Japanese Patent No. 2691884, that is, the treatment liquid 3, is such that ultrafine diamond particles are dispersed and suspended in the liquid without being aggregated in the form of substantially single particles. By treating the
[0028]
Next, as shown in FIG. 1B, the
[0029]
The
[0030]
The
[0031]
The
[0032]
The carbon film 6 having the sp 3 bond assists in the electric field concentration and the direction of the emitted electrons, that is, the emission of the emitted electrons in the vertical direction. Further, since the thickness is extremely small, tunneling of electrons from the
[0033]
The
[0034]
The electron emission cathode having the
[0035]
Next, the improvement of the electron emission performance by the
[0036]
As described above, the
[0037]
Since the
[0038]
That is, the
[0039]
Further, according to the cathode arc method, the kinetic energy is given to the
[0040]
This effect can be obtained not only by the cathode arc method but also by laser ablation or ion plating.
[0041]
The electron emission cathode of this embodiment can reduce the emission start voltage to, for example, about 1 V to 1.5 V / μm, and increase the emission current density to, for example, about 50 mA / cm 2 or more. Can be.
[0042]
Further, in the electron emission cathode of this embodiment, the electric field is concentrated on the
[0043]
In addition, since the electric field concentrates on another electron emission site when the emission current from one electron emission site decreases due to the shielding effect, the number of sites acting as electron emission sources is extremely large, Long life is guaranteed.
[0044]
Note that between the
[0045]
The presence of the carbon film 6 having sp 3 bonds in this embodiment can be confirmed by EELS (Electron Energy Loss spectroscopy), Raman spectroscopy, or the like.
[0046]
In this embodiment,
[0047]
Thus, ultrafine diamond particles including ultrafine ultrafine particles can be arranged and formed on the substrate. Then, the
[0048]
The number and spacing of the portions where the electric field is concentrated can be designed and defined by the mixing ratio of ultrafine diamond particles of different sizes.
[0049]
Note that the size relationship between the particles to be mixed is wide, and the determination depends on the design policy.
[0050]
Depending on the conditions of the cathode arc method, instead of the
[0051]
(Embodiment 2)
FIG. 4 is a diagram showing an electron emission cathode according to another embodiment of the present invention, and portions corresponding to the above-described embodiment are denoted by the same reference numerals.
[0052]
In the above-described embodiment, the
[0053]
Note that, instead of gold, ultrafine particles such as silica, alumina, titanium oxide, nickel, and palladium may be used.
[0054]
Further, as shown in FIG. 5, instead of the
[0055]
(Another Embodiment of that)
In each of the above embodiments, the silicon substrate is used as the substrate, but the substrate is not limited to the silicon substrate, and a substrate having high electron conductivity, for example, a metal or graphite substrate may be used to supply the field emission electrons. It can be. Further, a glass substrate to which an electron conductive film such as metal or ITO is attached may be used.
[0056]
The substrate may have grooves or irregularities of an appropriate size introduced by appropriate patterning or molding such as position in design. These shapings can support selective electric field concentration.
[0057]
The composite carbon film 6 in which the carbon film 6 having the sp 3 bond is laminated on the
[0058]
As another embodiment of the present invention, a carbon film or an amorphous carbon film (DLC film) may be formed on the
[0059]
As another embodiment of the present invention, hydrogen, fluorine, or the like may be attached to lower the electron affinity of the carbon film having an sp 3 bond so that the carbon film has a low or negative electron affinity. Alternatively, the conductivity of the carbon film having sp 2 bonds may be increased by doping or mixing an appropriate amount of ultrafine metal particles.
[0060]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, since a carbon film having an sp 3 bond or a film structure in which carbon is formed on a carbon film having an sp 2 bond is formed so as to protrude above the substrate, electron emission The performance is improved and the emission start voltage can be reduced.
[0061]
Further, a carbon film having an sp 3 bond or a film structure in which carbon is formed on a carbon film having an sp 2 bond can improve electron emission performance by being formed on an emitter film of an existing electron emission cathode. The emission start voltage can be reduced.
[0062]
Further, by using ultrafine particles such as diamond, an electron emission cathode having a long lifetime and a high electron emission site density can be realized. Moreover, according to the cathode arc method, kinetic energy is given to the ultrafine particles from the carbon ions by the impact of the carbon ions hitting the ultrafine particles arranged on the substrate, whereby the bottom of the ultrafine particles is slightly applied to the substrate. It is possible to obtain the immersion and physical stability (adhesion) and also to guarantee the electrical contact.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing a manufacturing method according to one embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram illustrating a method of forming ultrafine diamond particles on the silicon substrate of FIG. 1;
FIG. 3 is a diagram showing a structure of another embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a diagram showing a structure of still another embodiment of the present invention.
FIG. 5 is a diagram showing a structure of another embodiment of the present invention.
[Explanation of symbols]
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