JP3603704B2 - Low frequency reproduction speaker device - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型のキャビネットでありながら高い低域再生能力を得るための低音再生スピーカ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にスピーカの低域再生に関しては、キャビネット内容積Vと低域再生限界周波数fcと能率μとの間には反比例関係があり、小型キャビネットで能率を低下させずに低い周波数まで再生することは原理的に非常に困難であることが知られている。
【0003】
そしてまた負のスティフネスを利用してキャビネット内部の空気のスティフネスを減らしてキャビネット内容積Vを等価的に大きくできれば、この制約から逃れて低域再生能力の向上が可能であるという概念自体も、古くからあった。しかし実際にこれを具現化する良い方法がなかったのが実状である。
【0004】
ここで、この概念を具現化するために過去提案されていた従来技術について説明する。この従来技術は米国特許2810021(LOW FREQUENCY LOUDSPEAKER, Patented Oct.15,1957)、および米国特許4607382(ELECTROACOUSTIC TRANSDUCER UNIT WITH REDUCED RESONANT FREQUENCY AND MECHANICAL SPRING WITH NEGATIVE SPRING STIFFNESS, PREFERABLY USED IN SUCH A TRANSDUCER UNIT, Patented Aug.19,1986)に述べられている。両者とも基本的な原理概念は同じであるが、後者の方が前者よりも進歩した構成となっているので、これについて説明する。
【0005】
図8と図9にこの従来の低音再生スピーカ装置の構成を示す。図8、図9において、51は動電型のスピーカユニットであり、界磁部51a、フレーム51b、ボイスコイル51c、ダンパ51d、エッジ51e、振動板51fを備えている。52は密閉型のキャビネットであり、スピーカユニット51が取り付けられている。
【0006】
51iは振動板51fを補強する補強リングであり、振動板51fの外周部に取り付けられている。54は上下2枚の弓なりの板バネを対向させた一対のスプリングであり、圧縮されるようにしながらその両端部が、補強リング51i上の可動側支持部材51gと、フレーム51bに固定された2箇所の固定側支持部材52aとに取り付けられている。また本従来例ではこのスプリング54が振動板51fの振動方向の中心軸対称に三組みほど設けられている。
【0007】
可動側支持部材51gの両側に固定側支持部材52aを配置しているのは、片側だけにすると補強リング51iつまり振動板51fに軸方向回転力が発生して、スピーカユニット51の支持系にストレスが加わり破損に至るからである。
【0008】
58は振動板51fの振動中心位置からのずれを検出する手段であり、この米国特許4607382の明細書には検出方式として、静電容量検出方式、インダクタンス検出方式、光量検出方式、キャビネット内部空気圧検出方式に言及している。
【0009】
59は振動板51fの振動中心位置からのずれを補正するための制御装置であり、検出手段58からの出力信号により動作する。そして図8においては、60は吸排気ポンプであり制御装置59の出力信号により動作する。また図9においては、制御装置59はソース信号を増幅する通常のパワーアンプとは別個に設けられた大出力の電力増幅器であり、スピーカユニット51に接続されている。
【0010】
このように構成された従来の低音再生スピーカ装置の動作について、図10、図11も参照しながら説明する。図10、図11はスプリング54による負スティフネスの作用を示すものである。図10において、52aは固定側支持部材、51gは可動側支持部材、54は両者により圧縮されて取り付けられた一対のスプリングである。つまり図8、図9で示したスプリング54の一単位を示している。
【0011】
可動側支持部材51gの位置が振動変位方向xのちょうど中心つまりx=0にある場合は、可動側支持部材51gと固定側支持部材52aの間に働くスプリング54の反発力の方向はx方向と直角であり、x方向の力ベクトル成分はゼロになるのでx方向の力は発生しない。
【0012】
ところが可動側支持部材51gの位置が中心から外れた場合、つまり図10において例えば△xの位置に来た場合には、可動側支持部材51gと固定側支持部材52aの間に働くスプリング54の反発力の方向はx方向と直角ではなくなるのでx方向の力ベクトル成分が発生し、可動側支持部材51gを△x方向に押しやる力が発生する。
【0013】
可動側支持部材51gが△xだけ変位した時に、エッジ51eなどのスピーカユニット51の支持系に加えてキャビネット52の中の密閉された空気がスピーカユニット51の振動系に与える力をF1とすると、言うまでもなくF1の力のスティフネスの極性は、可動側支持部材51gをx=0の中心に引き戻そうとするので正である。
【0014】
一方、スプリング54が△xだけ変位した時に発生する力をF2とすると、F2は可動側支持部材51gを変位方向に押しやろうとするのでF1と方向が逆であり、F2の力のスティフネスの極性は負である。
【0015】
従ってスプリング54により負のスティフネス力が発生する。この負スティフネスの作用を図11に示す。図11において、破線はスピーカユニット支持系とキャビネット内部空気の正スティフネスが振動系つまり可動側支持部材51gに与える力とx方向変位との関係を、同様に一点鎖線はスプリング54の負のスティフネスが可動側支持部材51gに与える力とx方向変位との関係を、実線はこれらを合計したスティフネスが可動側支持部材51gに与える力とx方向変位との関係を示す。
【0016】
正スティフネスはF1/△xであり、破線の勾配に相当する。負スティフネスはF2/△xであり、一点鎖線の勾配に相当する。そして合計のスティフネスはFt/△x、つまり(F1−F2)/△xであり、実線の勾配に相当する。この勾配は破線の勾配よりも小さく、合計のスティフネスが減少することになる。このようにして可動側支持部材51gに最終的に掛かるスティフネスは負スティフネスの働きにより小さくなるので、キャビネット内部空気のスティフネスが小さくなったのと等価の効果が得られる。従って、キャビネット内部空気のスティフネスはキャビネット内容積に反比例するので、キャビネット52の内容積が等価的に大きくなった効果が得られる。
【0017】
この効果を十分に得るためには、スプリング54の負のスティフネスを大きくしなければならない。ところがそうするとスピーカユニット51の支持系がこの負のスティフネス力に負けて、スピーカユニット51の振動系が変位中心位置x=0から外れた位置に偏りきってしまうので、正常な動作ができなくなってしまう。
【0018】
なおキャビネット52の内部空気のスティフネスとスピーカユニット51の支持系のスティフネスの合計は、負のスティフネスよりも大きいが、キャビネット52や振動板51fからは微量な空気漏れが必ずある。従って負のスティフネスがスピーカユニット51の支持系のスティフネスを上回れば、振動系は変位中心位置に止まることができなくなるわけである。
【0019】
図8、図9の検出手段58、制御装置59、吸排気ポンプ60はこれを防止、補正するために設けられている。例えば図8の構成で説明すると、スピーカユニット51の振動系の平均的な振動変位中心が本来の中心位置(図10におけるx=0の位置)よりも前方に偏った場合は、この変位の偏りを検出手段58が検出して信号を発生し制御装置59に出力信号を送る。そして制御装置59は吸排気ポンプ60を排気動作をさせてキャビネット52の中の空気を排出し、スピーカユニット51の振動板51fを本来の変位中心位置に引き戻す。
【0020】
逆に振動系が後方に偏った場合には、吸排気ポンプ60が吸気動作をしてキャビネット52の中に空気を吸入させ、スピーカユニット51の振動系を本来の変位中心位置に押し戻す。
【0021】
また図9の構成で説明すると、スピーカユニット51の振動系が前方に偏った場合は、制御装置59つまり電力増幅器がスピーカユニット51のボイスコイル51cに電流を流して振動系を本来の変位中心位置に引き戻す。逆に振動系が後方に偏った場合には、制御装置59がスピーカユニット51のボイスコイル51cに逆方向の電流を流して振動系を本来の変位中心位置に押し戻す。
【0022】
なおボイスコイル51cは、この制御装置59の電流を流すボイスコイルと、ソース信号を再生するための本来のボイスコイルとの2個、つまりダブルボイスコイル構成とする必要がある。
【0023】
従って上記説明したような従来の構成の低音再生スピーカ装置により、スピーカユニット51の振動系の変位方向の偏りを補正しながら、負スティフネスによりキャビネットの内容積を等価的に大きくし、低域再生能力を向上させることができる。なお負スティフネスによるキャビネット内容積の等価的増大化と、低域再生能力向上の原理についてのさらに詳しい説明は、本発明の実施の形態のところで行う。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来の構成では、スピーカユニット51の振動系の変位方向の偏りを補正するために、吸排気ポンプやソース信号再生用のパワーアンプとは別の電力増幅器を必要とするために、装置が複雑で大掛かりになりコストが高く付くという問題点があった。またスプリング54に機械疲労が生じ易いので、信頼性に乏しいといった問題点もあった。
【0025】
つまり、キャビネット内容積を等価的に大きくして低域再生能力を向上させるという概念はあったものの、従来技術による低音再生スピーカ装置では実用的とは言えなかった。
【0026】
本発明は上記従来の問題点を解決するもので、簡便な構成でローコストであり信頼性も高い、実用的な、キャビネット内容積を等価的に大きくして優れた低域再生能力をもつ低音再生スピーカ装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために本発明の低音再生スピーカ装置は、スピーカユニットと、前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段と、前記スピーカユニットを収納するキャビネットとを備えた低音再生スピーカ装置において、前記スピーカユニットの振動系の変位に応じた電気信号を発生する検出手段と、前記スピーカユニットを駆動するソース信号再生用のパワーアンプに前記検出手段からの電気信号を帰還する帰還回路を備え、前記パワーアンプはソース信号電力に加えて前記スピーカユニットの振動系の変位方向の偏りを補正する電力を前記スピーカユニットに単独で供給し、また、前記低音再生スピーカ装置の非動作時に、前記スピーカユニットの振動系を変位方向中心位置付近に保持する手段を備えたものである。
【0028】
また前記スピーカユニットの振動系と共に動く可動マグネットと、前記可動マグネットの磁気を検出するホール素子を、前記検出手段としたものである。
【0029】
さらにまた前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段を、前記スピーカユニットの振動系の中心部と前記スピーカユニットの外周部付近との間の略中心軸対称複数箇所に、圧縮されて取り付けられた板状スプリングとしたものである。あるいはまた前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段を、前記スピーカユニットの振動系と共に動く可動マグネットと、前記可動マグネットに対して前記スピーカユニットの振動変位方向の力を与える固定マグネットとし、前記固定マグネットと前記可動マグネットを同じ縦中心位置に配置したものである。
【0030】
本発明によれば、簡便な構成でローコストであり信頼性も高い実用的な、優れた低域再生能力をもつ低音再生スピーカ装置を実現することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、スピーカユニットと、前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段と、前記スピーカユニットを収納するキャビネットとを備えた低音再生スピーカ装置において、前記スピーカユニットの振動系の変位に応じた電気信号を発生する検出手段と、前記スピーカユニットを駆動するソース信号再生用のパワーアンプに前記検出手段からの電気信号を帰還する帰還回路を備え、前記パワーアンプはソース信号電力に加えて前記スピーカユニットの振動系の変位方向の偏りを補正する電力を単独で供給し、また、前記低音再生スピーカ装置の非動作時に、前記スピーカニットの振動系を変位方向中心位置付近に保持する手段を備えたものであり、構成が簡単なローコストで、実用的な優れた低域再生能力を持ち、かつ、経時変化の少ない長寿命な低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0033】
本発明の請求項に記載の発明は、前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段を、前記スピーカユニットの振動系の中心部と前記スピーカユニットの外周部付近との間の略中心軸対象複数箇所に、圧縮されて取り付けられた板状スプリングとした請求項1に記載の低音再生スピーカ装置としたものであり、信頼性の高い低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0034】
本発明の請求項に記載の発明は、前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段を、前記スピーカユニットの振動系と共に動く可動マグネットと、前記可動マグネットに対して前記スピーカユニットの振動変位方向の力を与える固定マグネットとし、前記固定マグネットと前記可動マグネットを同じ縦中心位置に配置した請求項に記載の低音再生スピーカ装置としたものであり、特に信頼性の高い低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0036】
本願発明の請求項に記載の発明は、非動作時に前記スピーカユニットの振動系を変位方向中心位置付近に保持する手段として、自己保持型ソレノイドを用いた請求項に記載の低音再生スピーカ装置としたものであり、素早く動作状態に入れる低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0037】
本願発明の請求項に記載の発明は、前記自己保持型ソレノイドの動作電流をコンデンサを介して供給するとともに、前記自己保持型ソレノイドの復帰電流を前記コンデンサの放電により供給した請求項に記載の低音再生スピーカ装置としたものであり、安全性の高い低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0040】
以下、本発明の低音再生スピーカ装置を、具体的な実施の形態に基づいて説明する。
【0041】
(実施の形態1)
本実施の形態1の低音再生スピーカ装置の構造を図1に示す。図1において、界磁部1a、フレーム1b、ボイスコイル1c、ダンパ1d、エッジ1e、振動板1f、ダストキャップを兼ねた可動側支持部材1gから成るスピーカユニット1が、密閉型キャビネット2に取り付けられている。ボイスコイル1cのボビンには可動マグネット3が取り付けられており、ボイスコイル1cや振動板1fなどのスピーカユニット1の振動系と共に動く。
【0042】
ボイスコイル1cの長く延長されたボビンの先端には、可動側支持部材1gが取り付けられている。キャビネット2のフレーム1bよりも外周側には、固定側支持部材2aが中心軸対称の4箇所に固定されている。固定側支持部材2aと各々の可動側支持部材1gとの間に、弓なりの板バネを向かい合わせた一対のスプリング4が、その両端部から圧縮されるようにして取り付けられている。つまりスプリング4は可動側支持部材1gと固定側支持部材2aに対して反発力を与えており、先に述べた従来例と同じ原理で、可動側支持部材1gにつまりスピーカユニット1の振動系に負のスティフネスを与えている。
【0043】
なお4箇所のスプリング4は全て同じものでありまた対称な位置に取り付けられているので、反発力は水平方向にはバランスが取れており、可動側支持部材1gは水平方向中心に保たれている。
【0044】
可動マグネット3の近傍には、振動系の変位に応じた電気信号を発生する検出手段としてホール素子5が配置されている。スピーカユニット1はソース信号再生用のパワーアンプ6で駆動される。ホール素子5の出力電気信号は帰還回路5aによりパワーアンプ6に帰還され、スピーカユニット1の振動系の変位方向の偏りを補正する電力がソース信号電力に加えて、パワーアンプ6からボイスコイル1cに供給される。
【0045】
以下、この低音再生スピーカ装置の構成部品の材質や寸法、性能、回路構成などについて具体的に説明する。
【0046】
スピーカユニット1の口径は18cmである。界磁部1aは直径70mmのフェライトマグネットを使用している。フレーム1bは口径18cmで鉄板製である。ボイスコイル1cの口径(呼び径)は25mmである。エッジ1eの材質は発泡ウレタンでありダウンロール形状である。振動板1fは紙の材質のコーンである。可動側支持部材1gの材質は樹脂である。
【0047】
キャビネット2は密閉型であり内容積は10リットルと小型である。固定側支持部材2aの材質は樹脂である。弓なりの板バネ状のスプリング4は、取り付けられた状態での長さが10cmとなっている。スプリング4の幅は1cmであり材質は燐青銅板である。
【0048】
ここで、負スティフネスによるキャビネット内容積の等価的増大化と、低域再生能力向上の原理についてさらに詳しく説明する。スピーカユニット実効振動質量をM、単体フリーエア状態での最低共振周波数をf0とすると、スピーカユニットの支持系(ダンパやエッジ)のスティフネスKsは、Ks=M×(2πf0)2…式▲1▼である。またスピーカユニットの実効振動半径をa、空気音速をc、空気密度をρ、キャビネット内容積をVとすると、キャビネットの中の空気がスピーカユニット振動系に与えるスティフネスKcは、Kc=ρc2(πa)2/V…式▲2▼ である。そしてキャビネットに取り付けられた状態では、スピーカユニット振動系にはKs+Kcのスティフネスが働くことになる。この時の最低共振周波数をf1とすると、f1=(Ks+Kc)1/2/2πM1/2…▲3▼である。
【0049】
ここで負のスティフネスの大きさをKnとする。するとスピーカユニットの振動系に働くスティフネスはKs+Kc−Knとなり、キャビネットの中の空気のスティフネスがKcからKc−Knになったことに相当する。キャビネットの中の空気のスティフネスは式▲2▼より内容積と反比例するので、これはキャビネット内容積が1/Kcから1/(Kc−Kn)に増大することと等価である。
【0050】
負のスティフネスが働くことにより、キャビネットに取り付けられたスピーカユニットの最低共振周波数はf1=(Ks+Kc−Kn)1/2/2πM1/2…式▲4▼ となるので、最低共振周波数が{(Ks+Kc−Kn)/(Ks+Kc)}1/2倍に低下、つまりそれだけ低域再生限界周波数が伸張して低域再生能力が向上することとなる。
【0051】
負のスティフネスの技術を用いない場合には最低共振周波数を下げるためには、実効振動質量を大きくするか実効振動面積を小さくしなければならないので能率の低下を招く。これに対して負のスティフネスを利用すれば、このようなことをせずに最低共振周波数を下げることができるので、能率を低下させることなく低域を伸張することができるわけである。
【0052】
上で述べた原理に沿って、本実施の形態のキャビネット内容積の等価的増大化と低域再生能力向上の効果について計算説明する。本実施の形態においては、スプリング4の圧縮を緩めて負スティフネスを発生させない時のスピーカユニット1の最低共振周波数は60Hz、実効振動質量は15gである。また実効振動半径は70mmである。つまりスピーカユニットの支持系スティフネスKsは式▲1▼より、Ks=2130(N/m)である。キャビネット2の中の空気が与えるスティフネスKcは式▲2▼より、Kc=3290(N/m)である。つまりKs+Kc=5420(N/m)である。そしてキャビネット2に取り付けた状態でのスピーカユニット1の最低共振周波数f1は、式▲3▼よりf1=96Hzと算出され実測値もこの通りである。
【0053】
スプリング4を圧縮して取り付けた時に得られた負のスティフネスKnは2800(N/m)であり、スピーカユニット1の支持系のスティフネスKs=2130(N/m)を上回っている。そして合計のスティフネスはKs+Kc−Kn=5420−2800=2620(N/m)であり、本実施の形態1は最低共振周波数つまり低域再生限界周波数を、96Hzから67Hzへと大幅に伸張させることができた。
【0054】
これはキャビネット内容積が1/3290から1/(3290−2800)=1/490に増大することと等価である。つまりキャビネット2の内容積が等価的に数倍にも増大する効果が得られている。
【0055】
次に、スピーカユニット1の振動系の変位方向の偏りを補正するための構成について詳しく説明する。
【0056】
可動マグネット3の寸法は縦横5mm、厚み3mmで、材質はフェライトである。そして可動マグネット3は縦方向、つまり図1における垂直高さ方向に着磁されており、上側がN極、下側がS極である。ホール素子5は可動マグネット3の縦方向中心の近傍に縦垂直方向に配置されている。両者の距離は3mm程度である。
【0057】
ホール素子5は、可動マグネット3が水平方向に発生している磁束ベクトルに応じて、出力信号を発生する。可動マグネット3の縦方向中心位置においては、磁束がN極からS極に真下垂直方向に通るので、水平方向の磁束ベクトルはゼロになる。従って可動マグネット3の縦方向中心位置とホール素子5の縦方向中心位置が一致している場合には、ホール素子5を水平に通過する磁束がゼロであるので信号は出ない。
【0058】
可動マグネット3が上下どちらかに変位した場合には、ホール素子5の位置で磁束分布が非対称となり、簡単に言えば可動マグネット3のN極側またはS極側のどちらかが近づくので、水平方向の磁束ベクトルが発生する。この時にはホール素子5から電気信号が発生される。言うまでもなく例えばN極側が近づいた時にホール素子3がプラスの電気信号を発生するならば、S極側が近づいた時には水平方向磁束ベクトルの向きが逆になるのでマイナスの電気信号を発生する。つまりこの構成により、スピーカユニット1の振動系の変位に応じた電気信号が得られる。
【0059】
スピーカユニット1の振動系の平均的な振動変位中心が本来の中心位置にある場合、すなわち変位方向の偏りがない場合には、低音の交流電力がスピーカユニット1に加わった時にホール素子5が発生する電気信号はゼロレベルに対してプラス側とマイナス側が対称になり、これを積分すれば電気信号はゼロになる。ところが振動系に変位方向の偏りが発生した場合には、プラス側またはマイナス側のいずれかのレベルが大きくなる(つまりバイアスが生じる)ので、積分しても電気信号が発生することとなる。
【0060】
そして本実施の形態では、例えばスピーカユニット1の振動系が一方に偏りはじめると、これを逆方向に戻すつまり本来の変位中心位置に戻す方向の電流がパワーアンプ6からスピーカユニット1に供給されるように、ホール素子5と帰還回路5aを構成している。
【0061】
図2に本実施の形態の検出手段5、帰還回路5a、パワーアンプ6をも含めた帰還回路5aの回路図の一例を示す。図2において、ホール素子5の端子1,3は駆動用電流供給端子である。2,4は出力用端子であり、この両端に検出電圧が発生する。OP1はバッファ増幅部オペアンプ、OP2は積分回路部オペアンプである。P−AMPは一般的なオーディオICパワーアンプであり、出力は30Wである。
【0062】
C3は積分コンデンサであり、OP2の増幅ゲインは周波数が高くなるに従い減衰する。これによりスピーカユニット1の振動系の偏りの動きに相当する超低周波成分信号に対してだけ、帰還がかかる。つまり音楽などのオーディオソースの、数十Hz以上の低音での振動系の動きに対しては帰還がかからないので、低音に悪影響を及ぼすことはない。VRはオフセット調整用ボリウムであり、スピーカユニット1の振動系が本来の中心位置にある時に、帰還回路の出力電圧をゼロにするなどの調整ができる。
【0063】
帰還回路5aからP−AMPの+端子に帰還される超低周波成分信号に応じた電流が、すなわち振動系の変位方向の偏りを補正する電力がスピーカ1に供給できるように、帰還回路5aとつながるP−AMP部分はDCアンプ構成としている。
【0064】
ただしソース信号を受ける端子INとP−AMPとの間には直流カットのコンデンサC1を挿入しており、パワーアンプ6全体としては通常のオーディオパワーアンプと同様の動作をする。つまり、一つのパワーアンプ6単独で、オーディオのソース信号電力と振動系の変位方向の偏りを補正する電力の両方を、スピーカユニット1に供給することができる。
【0065】
このような構成によりスピーカユニット1には、振動系の変位方向の僅かな偏りも常時補正して本来の変位方向中心位置に保持するサーボが掛かることとなり、負スティフネスが大きくても振動系の平均変位中心位置が本来の中心位置に保持された、極めて安定した動作が得られた。
【0066】
つまり本実施の形態では、振動系の変位方向の偏りを補正するために、従来のような吸排気ポンプや制御用の電力増幅器を別途設ける必要がない。またもちろんスピーカユニット1のボイスコイル1cをダブルボイスコイルとする必要もない。また検出手段5、帰還回路5aの構成も簡単であり、いずれの使用部品も安価なものばかりである。
【0067】
また図8で説明した従来の構成ではスピーカユニット51を同じ18cm口径とした場合には、可動側支持部材51gと固定側支持部材52aとの間に取り付けられるスプリング54の長さは僅か約5cmしか取れないが、本実施の形態1では、スプリング4をスピーカユニット1の振動系の中心部とフレーム1bの外周部との間に取り付けたので、つまり可動側支持部材1gと固定側支持部材2aとの間に取り付けられるスプリング4の長さを10cmと長くできたので、スプリング4の機械疲労が非常に小さい。
【0068】
従って以上説明したように本実施の形態によれば、簡便な構成でローコストであり信頼性も高い実用的な、優れた低域再生能力をもつ低音再生スピーカ装置を実現することができる。
【0069】
なお本実施の形態では、可動マグネット3をボイスコイル1cに取り付けたが、スピーカユニット1のその他の振動系の部位に取り付けてもよい。また可動マグネット3とスピーカユニット1の振動系との間には弾性体などを介在させてもよく、低域で可動マグネット3と振動系とが一緒に動けばよい。ただしホール素子5は界磁部1aに近づけすぎない方が良い。界磁部1aから漏れる磁束が影響を与えるからである。
【0070】
また本実施の形態ではスピーカユニット1を通常の動電型としたが、モータドライブ型や電磁型など、その他の電気音響変換方式のスピーカユニットに適用することができる。
【0071】
また本実施の形態では負のスティフネスを与える手段をスプリングを用いた機械的手段としたが、次の実施の形態2で説明するように磁気的手段としてもよいことは言うまでもない。また同極性の電荷どうしが反発する力を利用した静電的手段も考えられる。
【0072】
また本実施の形態ではスプリング4を中心軸対称に4個配置したが、3個またはそれ以外の数としてもよい。スプリング4の発生する負スティフネスがあまり大きくない場合には、2個とすることも可能である。
【0073】
また本実施の形態ではスプリング4を燐青銅を材質とした弓なりの板バネとしたが、その他の材質や形状も可能である。例えば材質を形状記憶合金とすれば金属疲労が少なく信頼性が向上する。
【0074】
また本実施の形態では固定側支持部材2aをキャビネット2に固定したが、スピーカユニット1のフレーム1bの外周部に取り付けても、スプリング4の長さを十分に確保することができる。
【0075】
また本実施の形態ではキャビネット2を密閉型としたが、スピーカユニットの後方が密閉されていれば密閉型以外のキャビネット方式、例えばケルトン型などに適用することもできる。
【0076】
また本実施の形態では検出手段としてホール素子5を用いたが、その他の方式も、例えば次のような方式の検出手段も可能であることは言うまでもない。すなわちCDSやフォトダイオード、フォトトランジスタなどで光量の変化を検出する光学方式、スピーカユニットの振動系に取り付けた可動側電極と固定側電極との間の静電容量を検出する静電方式、スピーカユニットの振動系に取り付けた鉄板とこの近傍に配置されたコイルによりコイルのインダクタンス変化を検出する誘導方式などである。
【0077】
ただし検出手段にホール素子を用いた場合は、最も簡単な構成とすることができる。なぜならば光学方式、静電方式、誘導方式では、スピーカユニット1の振動系の変位の中心位置からの上下を判別するためには、上下2個に検出素子を配置する必要があるが、本実施の形態1においては可動マグネット3はN極とS極の2つの極性を有するので、スピーカユニット1の振動系の変位の上下に応じて、ホール素子5はプラスまたはマイナスの電気信号を発生する。つまり1個の検出素子でスピーカユニット1の振動系の変位の上下を判別することができるからである。
【0078】
また本実施の形態では検出手段としてホール素子5を用いたが、代わりにホールICを用いれば帰還回路を簡略化することもできる。
【0079】
また本実施の形態1では、帰還回路5aからパワーアンプ6への信号帰還は純電気的に行ったが、フォトカプラを介して行うなどしてもよい。
【0080】
また本実施の形態では、パワーアンプ6の帰還信号を受ける部分はDCアンプ構成としたが、直流増幅を行うと問題になるような場合には非DCアンプ構成とすることも可能である。例えば図2の回路図の抵抗R1とグラウンドとの間に大容量のコンデンサを挿入して、完全な直流での増幅は行わないが超低周波での増幅は行えるようにすればよい。
【0081】
その他、本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは、言うまでもない。
【0082】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2の低音再生スピーカ装置の構成について図3により説明をするが、界磁部11a、フレーム11b、ダンパ11d、エッジ11e、振動板11f、キャビネット12、検出手段15、パワーアンプ16については図1で説明した実施の形態1と全く同じであるので、ここではこれらについての具体的な説明を省略する。
【0083】
本実施の形態では、ボイスコイル11cは実施の形態1と同様に口径25mmであるが、ボビンは実施の形態1のように延長されておらず通常の長さである。そしてダストキャップ11gが振動板11fに取り付けられている。
【0084】
そして本実施の形態で大きく異なる点は、スピーカユニット11の振動系に負のスティフネスを与える手段を、スピーカユニット11の振動系と共に動く可動マグネット13と、この可動マグネット13に対してスピーカユニット11の振動変位方向に反発力を与える固定マグネット14としていることである。
【0085】
可動マグネット13はリング状であり、ボイスコイル11cに取り付けられてスピーカユニット11の振動系と共に動く。また可動マグネット13と同じ縦中心位置の内周側に樹脂製の支持部材11hにより取り付けられて、固定マグネット14が配置されている。可動マグネット13は、寸法が外径30mm、内径約25mm、厚み3mmで、材質は磁気エネルギー積が32M・G・Oe(メガガウスエルステッド)のネオジウムである。固定マグネット14は、寸法が直径22mm、厚み10mmの円柱状であり、材質は可動マグネット13と同じである。
【0086】
そして可動マグネット13と固定マグネット14はどちらも上がN極、下がS極に着磁されており、互いに反発している。可動マグネット13と固定マグネット14の縦中心位置がちょうど一致している場合には、縦方向のつまりスピーカユニット11の振動系の変位方向の力は発生しない。
【0087】
ところが可動マグネット13が変位すると、反発力の方向に縦方向ベクトルを生じるので、可動マグネット13には変位方向にさらに押し出されるような力、すなわち負のスティフネスを発生する。本実施の形態2の場合に得られた負のスティフネスも、実施の形態1で得られたのとほぼ同等の値である。
【0088】
また実施の形態1と同様に、固定マグネット14を外して負のスティフネスがない時のスピーカユニット11の最低共振周波数は60Hz、実効振動質量は15g程度、実効振動半径は70mmである。
【0089】
検出手段であるホール素子15は、実施の形態1と同様に可動マグネット13の縦方向中心の近傍に縦垂直方向に配置されている。つまり負のスティフネス発生手段である可動マグネット13を、検出用として共用している。
【0090】
本実施の形態では可動マグネット13は実施の形態1よりも強力なので、ホール素子15の検出電圧レベルが実施の形態1よりも高い。そこで帰還回路15aのゲインは図2で説明した実施の形態1の場合よりも小さくしており、具体的には図2において抵抗R8の値を実施の形態1の場合よりも小さくしている。帰還ループゲインが高すぎると、発振が起こる危険性が生じるからである。
【0091】
このように構成された実施の形態2の低音再生装置も、実施の形態1で述べたのと同様の効果が得られた。つまりスピーカユニット11の振動系の変位方向の偏りを補正しながら、負のスティフネスにより最低共振周波数つまり低域再生限界周波数を、96Hzから70Hz弱へと大幅に伸張させることができた。
【0092】
さらに本実施の形態では、負のスティフネスの発生が機械的手段でないので機械疲労の発生が全くなく、信頼性が非常に高い。
【0093】
従って以上説明したように本実施の形態によれば、簡便な構成でローコストであるばかりでなく信頼性が特に高い、実用的な、優れた低域再生能力をもつ低音再生スピーカ装置を実現することができる。
【0094】
なお本実施の形態では、可動マグネット13と固定マグネット14を上記のような構成としたが、その他種々の構成が可能である。例えば固定マグネット14をリング状として可動マグネット13の外周側に配置したり(この場合はホール素子15は可動マグネット13の内周側に配置すればよい)、固定マグネット4または可動マグネット3に鉄片プレートやヨークなどを取り付けてもよい。
【0095】
また本実施の形態では、可動マグネット13と固定マグネット14の着磁方向を、縦方向つまりマグネットの厚み方向としたが、両者が互いに反発するように径方向に着磁することもできる。
【0096】
また本実施の形態では、ホール素子15は負のスティフネスを発生させる可動マグネット13の磁束を検出するようにしたが、この可動マグネットと別に小型マグネットを振動系に取り付けて、この磁束を検出するなどしてもよい。
【0097】
その他、本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは、言うまでもない。
【0098】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3の低音再生スピーカ装置の構成について図4により説明をするが、界磁部21a、フレーム21b、ボイスコイル21c、ダンパ21d、エッジ21e、振動板21f、キャビネット22、固定側支持部材22a、可動マグネット23、スプリング24、検出手段25、帰還回路25a、パワーアンプ26については図1で説明した実施の形態1と全く同じであるので、ここではこれらについての具体的な説明を省略する。
【0099】
本実施の形態の異なる点は、低音再生スピーカ装置の非動作時に、スピーカユニット21の振動系を変位方向中心位置付近に保持する手段27a、27b、21gを備えたことである。
【0100】
27aは小型のギャードモータであり中心から回転シャフト27bが突出している。シャフト27bの先端部は、可動側支持部材21gを上下両側から若干のクリアランスをもって挟み込めるように、コの字状に折れ曲がっている。21gはダストキャップを兼ねたスプリング24を取り付ける可動側支持部材であるが、中心に回転シャフト27bの先端折れ曲がり部の正面周囲寸法よりも若干大きな寸法の、小さな逃げ孔が設けられている。
【0101】
低音再生スピーカ装置の動作時には、回転シャフト27bの先端折れ曲がり部の方向は可動側支持部材21gの逃げ孔と一致している。こうして低音再生スピーカ装置の動作時にはスピーカユニット21の振動系は、可動側支持部材21gが回転シャフト27bの先端折れ曲がり部に接触することなく、動くことができる。
【0102】
低音再生スピーカ装置の非動作時、例えば低音再生スピーカ装置の電源を切る場合などには、ギャードモータ27aが回転シャフト27bを数十度ほど回転させる。すると図4に示すように回転シャフト27bの先端折れ曲がり部の方向が可動側支持部材21gの逃げ孔から外れ、可動側支持部材21gを上下両側から若干のクリアランスをもって挟み込んで、スピーカユニット21の振動系を変位方向中心位置付近に保持する。
【0103】
このギャードモータ27aの動作制御は次のようにして行えばよい。低音再生スピーカ装置の電源を入れた場合には、スピーカユニット21の振動系が偏った位置から変位方向中心位置に移動した後に回転シャフト27bを回転させて、振動系の保持を解除する。回転シャフト27bが所定の位置まで動いて静止するまでの数秒間は、パワーアンプのソース入力信号をミューティングしておく。この一連の動作は簡単なディレイ回路などで容易に実現できる。
【0104】
また低音再生スピーカ装置の電源を切る場合に対処するには、使用者が触れる本体電源スイッチよりも1〜2秒程度遅れて動作するリレーを装置内部に設ければよい。つまり使用者が本体電源を切った瞬間ではパワーアンプ26に入るソース入力だけを切り、この直後にギャードモータ27aを動作させてスピーカユニット21の振動系を変位方向中心位置付近に保持する。そしてギャードモータ27aが止まった後にパワーアンプ26、帰還回路25など全体の電源を前記リレーで遮断すればよい。
【0105】
このように構成された本実施の形態の低音再生装置は、実施の形態1で述べたのと同様の効果が得られるばかりでなく、低音再生スピーカ装置の非動作時にスピーカユニット21の振動系が変位方向中心位置付近に保持されるので、片側に偏って長時間経過することがない。このためスピーカユニット21の支持系つまりダンパ21dやエッジ21eの突っ張りによるストレスをなくすことができるので、支持系の経時変化や劣化が少なくなる。
【0106】
またスプリング24も平衡位置で保持されるので、長時間に渡って変形した状態に留まることで起こりがちなスプリング24の負スティフネスの上下非対称化、といった心配もない。
【0107】
従って以上説明したように本実施の形態によれば、経時変化の少ない長寿命な低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0108】
なお本実施の形態では、可動側支持部材21gの逃げ孔から僅かながら空気漏れが生じる。可動側支持部材21gの上に密閉カバーを設けるとこれが無くなるのでさらに望ましい。
【0109】
また本実施の形態では、可動側支持部材21gの先端部分を用いてスピーカユニット21の振動系を変位方向中心位置付近に保持したが、その他の部材や部位を用いてもよいことは言うまでもない。
【0110】
また本実施の形態では、ギャードモータ27aをスピーカユニット21の振動系を変位方向中心位置付近に保持する手段として用いたが、これを回転ソレノイドやその他の手段としてもよい。
【0111】
その他、本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは、言うまでもない。
【0112】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4の低音再生スピーカ装置の構成について図5により説明をするが、界磁部31a、フレーム31b、ボイスコイル31c、ダンパ31d、エッジ31e、振動板31f、可動側支持部材31g、キャビネット32、固定側支持部材32a、可動マグネット33、スプリング34、検出手段35、帰還回路35a、パワーアンプ36については図1で説明した実施の形態1と全く同じであるので、ここではこれらについての具体的な説明を省略する。
【0113】
本実施の形態も実施の形態3と同様に低音再生スピーカ装置の非動作時に、スピーカユニット31の振動系を変位方向中心位置付近に保持する手段を備えているが、自己保持型ソレノイド37aを用いている点が異なる。自己保持型ソレノイド37aの中心部からは、中心軸方向に動くプランジャ37bが突出しておりその先端部が、ボイスコイル31cのボビンに取り付けられた樹脂製の保持嵌合部材37cに勘合するように構成されている。プランジャ37bには復帰スプリング37dが装着されている。
【0114】
低音再生スピーカ装置の動作時には、自己保持型ソレノイド37aに通電するやいなや瞬間的にプランジャ37bが吸引され、プランジャ37bが保持勘合部材37cから直ちに外れる。そして低音再生スピーカ装置の動作時にはスピーカユニット31の振動系は、保持勘合部材37cがプランジャ37bの先端部に接触することなく、動くことができる。
【0115】
37aは自己保持型ソレノイドであるのでプランジャ37bは吸引状態で保たれるため、吸引後すぐに通電を解除することができる。つまり通電は一瞬だけでよい。
【0116】
低音再生スピーカ装置の非動作時、例えば低音再生スピーカ装置の電源を切る場合などには自己保持型ソレノイド37aに逆方向の通電を行う。いわゆる復帰電流を流すわけである。するとプランジャ37bは吸引状態から解除され、復帰スプリング37dの力により保持勘合部材37cの位置に戻る。このようにしてスピーカユニット31の振動系を変位方向中心位置付近に保持する。
【0117】
この自己保持型ソレノイド37aの動作制御を行う回路図の一例を図6に示
すである。ACDは低音再生スピーカ装置のAC1次側電流検出回路である。自己保持型ソレノイド37aのコイルへの通電は大容量のコンデンサC2を利用して行われる。この制御回路の動作は以下の通りである。
【0118】
低音再生スピーカ装置の電源スイッチを入れると、AC1次側電流検出回路ACDが検出電気信号を発生しトランジスタQのベースに電流が流れ始める。トランジスタQにはコンデンサC1と抵抗Rが接続されており、この時定数によりトランジスタQのエミッタに接続されたリレーRRは、電源スイッチを入れてから約1秒後に動作する。約1秒ほど後に動作させるのは、スピーカユニット31の振動系が偏った位置から変位方向中心位置に移動するのを待つためである。
【0119】
するとリレーRRがONとなって端子1と端子2がつながり、コンデンサC2を通じて電源側から電流が瞬間的に自己保持型ソレノイド37aに流れ込み、自己保持型ソレノイド37aが動作して吸引状態になる。この電流はコンデンサC2の充電電流であるが一瞬だけであり、自己保持型ソレノイド37aに無駄な電流を流し続けなくて済む。
【0120】
低音再生スピーカ装置の電源スイッチを切った場合には、AC1次側電流検出回路ACDからの検出電気信号がなくなるので、トランジスタQは遮断状態となりリレーRRはOFFになる。するとリレーRRの端子1と端子3がつながり、自己保持型ソレノイド37aに対してコンデンサC1が放電をするが、この時の電流の方向は低音再生スピーカ装置の電源スイッチを入れた時と逆になる。このようにして自己保持型ソレノイド37aには逆の電流が流れるので、プランジャ37bを復帰させることができる。なおリレーRRの端子4,6は時定数コンデンサC1を放電させるためのものである。
【0121】
このように構成された本実施の形態の低音再生装置は実施の形態3で述べたのと同様の効果が得られるばかりでなく、自己保持型ソレノイド37aが瞬間的に動作するため、実施の形態3で用いたギヤードモータのように時間がかからず素早く動作状態に入ることができる。
【0122】
なおスピーカユニットの振動系を変位方向中心位置付近に保持する手段をもたない場合には、低音再生スピーカ装置の電源を入れてから素早く動作可能な状態にするのは困難である。なぜなら低音再生スピーカ装置の非動作時には、スプリングの力により変位方向中心位置から遠く離れた位置に振動系が押しやられているので、これが変位方向中心位置まで戻るのにはある程度の時間がかかるからである。
【0123】
また本実施の形態では自己保持型ソレノイド37aの動作電流をコンデンサC2を介して供給するとともに、同じコンデンサを放電させて自己保持型ソレノイド37aの復帰電流を供給するようにしたので、復帰電流用の別電源をもつ必要がない。これにより低音再生スピーカ装置の動作中に突然電源が遮断された場合、例えば停電や電源コンセントが事故で抜けた場合などでも、コンデンサC2に充電されていた電荷を利用して自己保持型ソレノイド37aを復帰動作させられるので、スピーカユニット31の振動系の変位方向中心位置付近の保持が可能となる。
【0124】
従って以上説明したように本実施の形態によれば、経時変化が少なく長寿命であるばかりでなく、素早く動作状態に入ることのできる、また安全性の高い低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0125】
なお本実施の形態では低音再生スピーカ装置の非動作時に、自己保持型ソレノイド37aのプランジャ37bを復帰状態としたが、逆の設計も可能である。
【0126】
また本実施の形態では自己保持型ソレノイド37aを用いたが、これを通常のソレノイドやその他のタイプのソレノイドとする設計もできる。ただし自己保持型ソレノイドを用いると、動作電流を一瞬流すだけでよく省電力化を図ることができる。
【0127】
その他、本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは、言うまでもない。
【0128】
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5の低音再生スピーカ装置の構成について図7により説明をするが、界磁部41a、フレーム41b、ボイスコイル41c、ダンパ41d、エッジ41e、振動板41f、可動側支持部材41g、キャビネット42、可動マグネット43、スプリング44、検出手段45、帰還回路45a、パワーアンプ46については図1で説明した実施の形態1と全く同じであるので、ここではこれらについての具体的な説明を省略する。
【0129】
本実施の形態の特徴的な点は、固定支持する固定側支持部材42aの中に可動するロッド42bを備え、これによりスプリング44の負のスティフネスを可変できるようにしたことである。
【0130】
具体的には図7における4個の固定側支持部材42aと可動ロッド42bは、モータとウォームギヤとラックギヤなどによる軸方向推進可動機構を内蔵している。モータの回転が止まれば、可動ロッド42bに対して圧縮力が掛かってもウォームギヤとラックギヤどうしは動かなくなるので、可動ロッド42bは静止した固定端として働く。
【0131】
そして低音再生スピーカ装置の非動作時には、可動ロッド42bを後退させてスプリング44を緩める。低音再生スピーカ装置の動作時には、可動ロッド42bを前進させてスプリング44に所定の圧縮力を与える。あるいは可動ロッド42bの静止位置を調節することにより、スプリング44に与える圧縮力を調節できるので、発生する負のスティフネスを可変することができる。
【0132】
このように構成された本実施の形態の低音再生装置は実施の形態1で述べたのと同様の効果が得られるばかりでなく、非動作時にスプリング44の負のスティフネスを減少させることができるので、スピーカユニット41の支持系つまりダンパ41dやエッジ41eが突っ張ることがなくなり、支持系の経時変化や劣化が少なくなる。
【0133】
またスプリング44の発生する負のスティフネスを調節できるので、低音再生スピーカ装置の最低共振周波数を調節でき、低域特性を可変できる。
【0134】
従って以上説明したように本実施の形態によれば、経時変化が少なく長寿命であるばかりでなく、低域特性の可変ができる低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0135】
なお本実施の形態5では負のスティフネスを与える手段を機械的手段、つまりスプリング44としたが、これを実施の形態2で説明したような磁気的手段とした場合も考えられる。この場合には例えば固定マグネットを電磁石として、これに供給する電流を調節することで、発生する負のスティフネスを可変できる。
【0136】
その他、本発明は上記説明した例に限定されるものでないことは、言うまでもない。
【0137】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の低音再生スピーカ装置によれば、スピーカユニットと、前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段と、前記スピーカユニットを収納するキャビネットとを備えた低音再生スピーカ装置において、前記スピーカユニットの振動系の変位に応じた電気信号を発生する検出手段と、前記スピーカユニットを駆動するソース信号再生用のパワーアンプに前記検出手段からの電気信号を帰還する帰還回路を備え、前記パワーアンプはソース信号電力に加えて前記スピーカユニットの振動系の変位方向の偏りを補正する電力を前記スピーカユニットに単独で供給し、また、前記低音再生スピーカ装置の非動作時に、前記スピーカユニットの振動系を変位方向中心位置付近に保持する手段を備えたことにより、
前記スピーカユニットには、振動系の変位方向の僅かな偏りも常時補正して本来の変位方向中心位置に保持するサーボが掛かることとなり、負スティフネスが大きくても振動系の平均変位中心位置が本来の中心位置に保持された極めて安定した動作が得られだけでなく、振動系の変位方向の偏りを補正するために従来のような吸排気ポンプや制御用の電力増幅器を別途設ける必要がない。従って簡便な構成でローコストであり実用的な、優れた低域再生能力をもつ低音再生スピーカ装置を実現することができる。さらにまた、低音再生スピーカ装置の非動作時に、スピーカユニットの振動系が変位方向の片側に偏って長時間経過することがなく、スピーカユニットの支持系やスプリングに長時間のストレスが掛からない。従って経時変化の少ない長寿命な低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0139】
本発明の請求項記載の低音スピーカ装置によれば、前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段を、前記スピーカユニットの振動系の中心部と前記スピーカユニットの外周部付近との間に、略中心軸対象複数箇所に圧縮されて取り付けられたスプリングとしたことにより、スプリングの長さを長くすることができ機械疲労が小さくなる。従って信頼性の高い低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0140】
本発明の請求項記載の低音再生スピーカ装置によれば、前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段を、前記スピーカユニットの振動系と共に動く可動マグネットと、前記可動マグネットに対して前記スピーカユニットの振動変位方向の力を与える固定マグネットとし、前記固定マグネットと前記可動マグネットを同じ縦中心位置に配置したことにより、負のスティフネスの発生が機械的手段でないので機械疲労の発生が全くない。従って特に信頼性の高い低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0142】
本発明の請求項記載の低音再生スピーカ装置によれば、非動作時に前記スピーカユニットの振動系を変位方向中心位置付近に保持する手段として、自己保持型ソレノイドを用いたことにより、前記スピーカユニットの振動系を変位方向中心位置付近に保持あるいは保持解除するのが瞬時に行える。従って素早く動作状態に入れる低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0143】
本発明の請求項記載の低音再生スピーカ装置によれば、前記自己保持型ソレノイドの動作電流をコンデンサを介して供給するとともに、前記自己保持型ソレノイドの復帰電流を前記コンデンサの放電により供給したことにより、低音再生スピーカ装置の動作中に突然電源が遮断された場合にも、スピーカユニットの振動系の変位方向中心位置付近の保持が可能となる。従って安全性の高い低音再生スピーカ装置を実現できる。
【0146】
以上のように、本発明は極めて大きな実用的価値をもつものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の低音再生スピーカ装置の構成を示した断面図と正面図
【図2】本発明の実施の形態1の帰還回路の一例を示す図
【図3】本発明の実施の形態2の低音再生スピーカ装置の構成を示した断面図と正面図
【図4】本発明の実施の形態3の低音再生スピーカ装置の構成を示した断面図と正面図
【図5】本発明の実施の形態3の別の構成を有する低音再生スピーカ装置の構成を示した断面図と正面図
【図6】同実施の形態のソレノイドの動作を制御する制御回路の一例を示す図
【図7】本発明の実施の形態4の低音再生スピーカ装置の構成を示した断面図と正面図
【図8】従来の低音再生スピーカ装置の構成を示した断面図と正面図
【図9】従来の低音再生スピーカ装置の構成を示した断面図と正面図
【図10】負スティフネスを与えるスプリングの動作を示した説明図
【図11】スティフネスの変位〜力特性図
【符号の説明】
1,11,21,31,41 スピーカユニット
1a,11a,21a,31a,41a 界磁部
1b,11b,21b,31b,41b フレーム
1c,11c,21c,31c,41c ボイスコイル
1d,11d,21d,31d,41d ダンパ
1e,11e,21e,31e,41e エッジ
1f,11f,21f,31f,41f 振動板
1g,21g,31g,41g 可動側支持部材
11g ダストキャップ
11h 支持部材
2,12,22,32,42 キャビネット
2a,22a,32a,42a 固定側支持部材
42b 可動ロッド
3,13,23,33,43 可動マグネット
4,24,34,44 スプリング
14 固定マグネット
5,15,25,35,45 ホール素子
5a,15a,25a,35a,45a 帰還回路
6,16,26,36,46 パワーアンプ
27a ギャードモータ
37a 自己保持型ソレノイド
27b 回転シャフト
37b プランジャ
37c 保持嵌合部材
37d 復帰スプリング
[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
TECHNICAL FIELD The present invention relates to a low-frequency sound reproduction speaker device for obtaining a high low-frequency reproduction capability despite being a small cabinet.
[0002]
[Prior art]
In general, regarding the low-frequency reproduction of a speaker, there is an inverse relationship between the volume V in the cabinet, the low-frequency reproduction limit frequency fc, and the efficiency μ, and it is a principle that a small cabinet reproduces to a low frequency without lowering the efficiency. Is known to be very difficult.
[0003]
Further, if negative stiffness is used to reduce the stiffness of the air inside the cabinet to increase the volume V inside the cabinet equivalently, the concept itself that it is possible to escape from this restriction and improve the low-frequency reproduction capability is also old. From. However, the reality is that there was no good way to implement this.
[0004]
Here, conventional technologies that have been proposed in the past to realize this concept will be described. The prior art U.S. Patent 2810021 (LOW FREQUENCY LOUDSPEAKER, Patented Oct.15,1957), and U.S. Patent 4607382 (ELECTROACOUSTIC TRANSDUCER UNIT WITH REDUCED RESONANT FREQUENCY AND MECHANICAL SPRING WITH NEGATIVE SPRING STIFFNESS, PREFERABLY USED IN SUCH A TRANSDUCER UNIT, Patented Aug 19, 1986). Both have the same basic concept, but the latter has a more advanced configuration than the former.
[0005]
8 and 9 show the configuration of this conventional bass reproduction speaker device. 8 and 9, reference numeral 51 denotes an electrodynamic speaker unit, which includes a field part 51a, a frame 51b, a voice coil 51c, a damper 51d, an edge 51e, and a diaphragm 51f. Reference numeral 52 denotes a closed cabinet to which a speaker unit 51 is attached.
[0006]
Reference numeral 51i denotes a reinforcing ring for reinforcing the diaphragm 51f, which is attached to an outer peripheral portion of the diaphragm 51f. Reference numeral 54 denotes a pair of springs in which upper and lower two bow-shaped leaf springs are opposed to each other, and both ends thereof are fixed to the movable side support member 51g on the reinforcing ring 51i and the frame 51b while being compressed. It is attached to the fixed side support member 52a at the location. In this conventional example, about three sets of the springs 54 are provided symmetrically with respect to the center axis in the vibration direction of the diaphragm 51f.
[0007]
The fixed-side support members 52a are arranged on both sides of the movable-side support member 51g. If only one side is used, an axial rotational force is generated in the reinforcing ring 51i, that is, the diaphragm 51f, and stress is applied to the support system of the speaker unit 51. Is added, leading to breakage.
[0008]
Reference numeral 58 denotes a means for detecting a deviation of the diaphragm 51f from the center of vibration. The specification of US Pat. No. 4,607,382 includes a capacitance detection method, an inductance detection method, a light amount detection method, and a cabinet air pressure detection method. Mention the scheme.
[0009]
Reference numeral 59 denotes a control device for correcting a deviation of the vibration plate 51f from the vibration center position, and is operated by an output signal from the detection means 58. In FIG. 8, reference numeral 60 denotes an intake / exhaust pump, which operates according to an output signal of the control device 59. In FIG. 9, the control device 59 is a high-output power amplifier provided separately from a normal power amplifier that amplifies a source signal, and is connected to the speaker unit 51.
[0010]
The operation of the conventional bass reproduction speaker device configured as described above will be described with reference to FIGS. FIGS. 10 and 11 show the action of the negative stiffness by the spring 54. FIG. In FIG. 10, 52a is a fixed-side support member, 51g is a movable-side support member, and 54 is a pair of springs compressed and attached by both. That is, one unit of the spring 54 shown in FIGS. 8 and 9 is shown.
[0011]
When the position of the movable side support member 51g is exactly at the center of the vibration displacement direction x, that is, at x = 0, the direction of the repulsive force of the spring 54 acting between the movable side support member 51g and the fixed side support member 52a is the x direction. Since it is a right angle and the force vector component in the x direction becomes zero, no force in the x direction is generated.
[0012]
However, when the position of the movable-side support member 51g deviates from the center, that is, when the position of the movable-side support member 51g is, for example, the position of Δx in FIG. 10, the repulsion of the spring 54 acting between the movable-side support member 51g and the fixed-side support member 52a. Since the direction of the force is not perpendicular to the x direction, a force vector component in the x direction is generated, and a force for pushing the movable-side support member 51g in the Δx direction is generated.
[0013]
When the movable-side support member 51g is displaced by Δx, in addition to the support system of the speaker unit 51 such as the edge 51e, the force given by the sealed air in the cabinet 52 to the vibration system of the speaker unit 51 is F1, Needless to say, the polarity of the stiffness of the force of F1 is positive because the movable side support member 51g is to be pulled back to the center of x = 0.
[0014]
On the other hand, assuming that the force generated when the spring 54 is displaced by Δx is F2, the direction of F2 is opposite to that of F1 because it tries to push the movable-side support member 51g in the direction of displacement, and the polarity of the stiffness of the force of F2. Is negative.
[0015]
Therefore, a negative stiffness force is generated by the spring 54. FIG. 11 shows the effect of this negative stiffness. In FIG. 11, the broken line indicates the relationship between the positive stiffness of the speaker unit support system and the cabinet internal air applied to the vibration system, that is, the movable-side support member 51 g, and the displacement in the x direction. Similarly, the dashed line indicates the negative stiffness of the spring 54. The solid line indicates the relationship between the force applied to the movable-side support member 51g and the x-direction displacement, and the solid line indicates the relationship between the force applied to the movable-side support member 51g and the x-direction displacement given by the sum of these forces.
[0016]
The positive stiffness is F1 / △ x, which corresponds to the slope of the broken line. The negative stiffness is F2 / △ x, which corresponds to the dashed line gradient. The total stiffness is Ft / △ x, that is, (F1−F2) / △ x, which corresponds to the gradient of the solid line. This slope is smaller than the dashed slope, which will reduce the total stiffness. In this way, the stiffness finally applied to the movable-side support member 51g is reduced by the action of the negative stiffness, so that an effect equivalent to a reduction in the stiffness of the air inside the cabinet is obtained. Accordingly, since the stiffness of the air inside the cabinet is inversely proportional to the volume inside the cabinet, the effect of increasing the inside volume of the cabinet 52 equivalently is obtained.
[0017]
In order to obtain this effect sufficiently, the negative stiffness of the spring 54 must be increased. However, in this case, the support system of the speaker unit 51 loses this negative stiffness force, and the vibration system of the speaker unit 51 is biased to a position outside the displacement center position x = 0, so that normal operation cannot be performed. .
[0018]
The sum of the stiffness of the air inside the cabinet 52 and the stiffness of the support system of the speaker unit 51 is larger than the negative stiffness, but a small amount of air leaks from the cabinet 52 and the diaphragm 51f. Therefore, if the negative stiffness exceeds the stiffness of the support system of the speaker unit 51, the vibration system cannot stop at the displacement center position.
[0019]
The detection means 58, the control device 59, and the intake / exhaust pump 60 in FIGS. 8 and 9 are provided to prevent and correct this. For example, in the configuration of FIG. 8, if the average vibration displacement center of the vibration system of the speaker unit 51 is shifted forward from the original center position (the position of x = 0 in FIG. 10), the deviation of the displacement will be described. Is detected by the detecting means 58 to generate a signal and send an output signal to the control device 59. Then, the control device 59 causes the intake / exhaust pump 60 to perform an exhaust operation to exhaust the air in the cabinet 52, and returns the diaphragm 51f of the speaker unit 51 to the original displacement center position.
[0020]
Conversely, when the vibration system is biased backward, the intake / exhaust pump 60 performs a suction operation to draw air into the cabinet 52, and pushes the vibration system of the speaker unit 51 back to the original displacement center position.
[0021]
9, when the vibration system of the speaker unit 51 is biased forward, the control device 59, that is, the power amplifier supplies a current to the voice coil 51c of the speaker unit 51 to move the vibration system to the original displacement center position. Pull back to. Conversely, when the vibration system is biased backward, the control device 59 supplies a current in the opposite direction to the voice coil 51c of the speaker unit 51 to push the vibration system back to the original displacement center position.
[0022]
Note that the voice coil 51c needs to have a double voice coil configuration, that is, a voice coil for flowing the current of the control device 59 and an original voice coil for reproducing the source signal.
[0023]
Therefore, with the bass reproduction speaker device having the conventional configuration as described above, the internal volume of the cabinet is equivalently increased by negative stiffness while correcting the bias in the displacement direction of the vibration system of the speaker unit 51, and the low-frequency reproduction capability is improved. Can be improved. A more detailed description of the principle of equivalently increasing the internal volume of the cabinet by negative stiffness and improving the low-frequency reproduction capability will be given in the embodiments of the present invention.
[0024]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the above-described conventional configuration, the device requires a power amplifier different from the intake / exhaust pump and the power amplifier for reproducing the source signal in order to correct the bias in the displacement direction of the vibration system of the speaker unit 51. There was a problem that it was complicated, large-scale, and expensive. In addition, there is also a problem that reliability is poor because mechanical fatigue easily occurs in the spring 54.
[0025]
In other words, although there was a concept of improving the bass reproduction capability by equivalently increasing the internal volume of the cabinet, it was not practical with the bass reproduction speaker device according to the prior art.
[0026]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention solves the above-mentioned conventional problems, and has a simple structure, low cost and high reliability. It is an object to provide a speaker device.
[0027]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve this object, a bass reproduction speaker device according to the present invention includes a speaker unit, means for providing a negative stiffness to a vibration system of the speaker unit, and a cabinet accommodating the speaker unit. , A detecting means for generating an electric signal according to a displacement of a vibration system of the speaker unit, and a feedback circuit for feeding back the electric signal from the detecting means to a power amplifier for reproducing a source signal for driving the speaker unit. The power amplifier, in addition to the source signal power, supplies to the speaker unit electric power for correcting the bias in the displacement direction of the vibration system of the speaker unit.AloneSupplyMeans for holding the vibration system of the speaker unit near the center position in the displacement direction when the bass reproduction speaker device is not operating.Things.
[0028]
Further, a movable magnet that moves together with the vibration system of the speaker unit and a Hall element that detects the magnetism of the movable magnet are used as the detection means.
[0029]
Further, a means for giving a negative stiffness to the vibration system of the speaker unit is compressed and attached to a plurality of locations substantially symmetric about the central axis between the center of the vibration system of the speaker unit and the vicinity of the outer periphery of the speaker unit. This is a plate-shaped spring. Alternatively, the means for providing negative stiffness to the vibration system of the speaker unit is a movable magnet that moves together with the vibration system of the speaker unit, and a fixed magnet that applies a force in the vibration displacement direction of the speaker unit to the movable magnet.The fixed magnet and the movable magnet are arranged at the same vertical center position.It is something.
[0030]
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the low-pitched sound reproduction | regeneration speaker apparatus which has a simple structure, is low-cost, has high reliability, and has excellent low-frequency reproduction capability can be realized.
[0031]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The invention according to claim 1 of the present invention is directed to a low-frequency sound reproduction speaker device including a speaker unit, a unit for providing a negative stiffness to a vibration system of the speaker unit, and a cabinet for housing the speaker unit. A power amplifier for generating an electric signal corresponding to a displacement of a vibration system of the unit, and a feedback circuit for feeding back the electric signal from the detecting means to a power amplifier for reproducing a source signal for driving the speaker unit; Is,In addition to the source signal power, the power for correcting the bias in the displacement direction of the vibration system of the speaker unit isAloneSupplyAnd when the bass reproduction speaker device is not operating,YouEquipped with means to hold the knit vibration system near the center position in the displacement directionIt is low cost, simple in configuration, and has excellent practical low-frequency reproduction capability.And long life with little change over timeA bass reproduction speaker device can be realized.
[0033]
Claims of the invention2The invention described in the above, means for giving a negative stiffness to the vibration system of the speaker unit, a plurality of substantially central axis object between the center of the vibration system of the speaker unit and the vicinity of the outer periphery of the speaker unit, Compressed and attached leaf springClaim 1And a highly reliable bass reproduction speaker device can be realized.
[0034]
Claims of the invention3In the invention described in (1), means for giving a negative stiffness to the vibration system of the speaker unit includes a movable magnet that moves together with the vibration system of the speaker unit, and a force in the vibration displacement direction of the speaker unit applied to the movable magnet. As a fixed magnetThe fixed magnet and the movable magnet are arranged at the same vertical center position.Claims1, And a particularly reliable bass reproduction speaker device can be realized.
[0036]
Claims of the present invention4The invention described in,A self-holding solenoid is used as means for holding a vibration system of the speaker unit near a center position in a displacement direction.1The low-frequency sound reproduction speaker device described in (1) above can be realized.
[0037]
Claims of the present invention5In the invention described in (1), the operating current of the self-holding solenoid is supplied via a capacitor, and the return current of the self-holding solenoid is supplied by discharging the capacitor.4And a low-frequency sound reproduction speaker device with high safety can be realized.
[0040]
Hereinafter, a bass reproduction speaker device of the present invention will be described based on specific embodiments.
[0041]
(Embodiment 1)
FIG. 1 shows the structure of the bass reproduction speaker device of the first embodiment. In FIG. 1, a speaker unit 1 including a field part 1a, a frame 1b, a voice coil 1c, a damper 1d, an edge 1e, a diaphragm 1f, and a movable support member 1g serving also as a dust cap is mounted on a closed cabinet 2. ing. The movable magnet 3 is attached to the bobbin of the voice coil 1c, and moves together with the vibration system of the speaker unit 1 such as the voice coil 1c and the diaphragm 1f.
[0042]
A movable-side support member 1g is attached to the tip of the long and extended bobbin of the voice coil 1c. On the outer peripheral side of the frame 1b of the cabinet 2, fixed-side support members 2a are fixed at four positions symmetric with respect to the central axis. A pair of springs 4 having bow springs facing each other is mounted between the fixed-side support member 2a and each movable-side support member 1g so as to be compressed from both ends. That is, the spring 4 applies a repulsive force to the movable-side support member 1g and the fixed-side support member 2a, and is applied to the movable-side support member 1g, that is, to the vibration system of the speaker unit 1 according to the same principle as the above-described conventional example. Gives negative stiffness.
[0043]
Since all four springs 4 are the same and are mounted at symmetrical positions, the repulsive force is balanced in the horizontal direction, and the movable-side support member 1g is kept at the center in the horizontal direction. .
[0044]
In the vicinity of the movable magnet 3, a Hall element 5 is disposed as detection means for generating an electric signal according to the displacement of the vibration system. The speaker unit 1 is driven by a power amplifier 6 for reproducing a source signal. The output electric signal of the Hall element 5 is fed back to the power amplifier 6 by the feedback circuit 5a, and the power for correcting the bias in the displacement direction of the vibration system of the speaker unit 1 is added to the source signal power. Supplied.
[0045]
Hereinafter, the material, dimensions, performance, circuit configuration, and the like of the components of the bass reproduction speaker device will be specifically described.
[0046]
The diameter of the speaker unit 1 is 18 cm. The field portion 1a uses a ferrite magnet having a diameter of 70 mm. The frame 1b has a diameter of 18 cm and is made of an iron plate. The diameter (nominal diameter) of the voice coil 1c is 25 mm. The material of the edge 1e is urethane foam and has a down-roll shape. The diaphragm 1f is a cone made of paper. The material of the movable side support member 1g is a resin.
[0047]
The cabinet 2 is of a closed type and has a small internal volume of 10 liters. The material of the fixed-side support member 2a is a resin. The bow-shaped leaf spring 4 has a length of 10 cm in a mounted state. The width of the spring 4 is 1 cm, and the material is a phosphor bronze plate.
[0048]
Here, the principle of equivalently increasing the internal volume of the cabinet by negative stiffness and improving the low-frequency reproduction capability will be described in more detail. Assuming that the effective vibration mass of the speaker unit is M and the lowest resonance frequency in a single free air state is f0, the stiffness Ks of the support system (damper and edge) of the speaker unit is Ks = M × (2πf0) 2 (1) It is. Assuming that the effective vibration radius of the speaker unit is a, the air sound velocity is c, the air density is ρ, and the volume of the cabinet is V, the stiffness Kc given by the air in the cabinet to the speaker unit vibration system is Kc = ρc2 (πa) 2 / V Expression (2). When the speaker unit is attached to the cabinet, a stiffness of Ks + Kc acts on the speaker unit vibration system. Assuming that the lowest resonance frequency at this time is f1, f1 = (Ks + Kc) 1/2 / 2πM1 / 2 (3).
[0049]
Here, the magnitude of the negative stiffness is assumed to be Kn. Then, the stiffness acting on the vibration system of the speaker unit becomes Ks + Kc-Kn, which corresponds to the stiffness of the air in the cabinet changing from Kc to Kc-Kn. Since the stiffness of the air in the cabinet is inversely proportional to the internal volume according to the equation (2), this is equivalent to an increase in the internal volume of the cabinet from 1 / Kc to 1 / (Kc-Kn).
[0050]
Due to the negative stiffness, the lowest resonance frequency of the speaker unit attached to the cabinet becomes f1 = (Ks + Kc-Kn) 1/2 / 2πM1 / 2 (4), so that the lowest resonance frequency is Δ (Ks + Kc). −Kn) / (Ks + Kc)} 1/2, that is, the low-frequency reproduction limit frequency is extended correspondingly, and the low-frequency reproduction capability is improved.
[0051]
If the technique of the negative stiffness is not used, in order to lower the lowest resonance frequency, the effective vibration mass must be increased or the effective vibration area must be reduced, so that the efficiency is reduced. On the other hand, if negative stiffness is used, the lowest resonance frequency can be reduced without doing so, so that the low range can be extended without lowering the efficiency.
[0052]
In accordance with the principle described above, the effect of equivalently increasing the internal volume of the cabinet and improving the low-frequency reproduction capability according to the present embodiment will be described. In the present embodiment, the minimum resonance frequency of the speaker unit 1 when the compression of the spring 4 is relaxed and no negative stiffness is generated is 60 Hz, and the effective vibration mass is 15 g. The effective vibration radius is 70 mm. That is, the stiffness Ks of the support system of the speaker unit is Ks = 2130 (N / m) according to the equation (1). The stiffness Kc given by the air in the cabinet 2 is Kc = 3290 (N / m) according to the equation (2). That is, Ks + Kc = 5420 (N / m). Then, the lowest resonance frequency f1 of the speaker unit 1 in a state where the speaker unit 1 is attached to the cabinet 2 is calculated from Expression (3) as f1 = 96 Hz, and the actual measurement value is also the same.
[0053]
The negative stiffness Kn obtained when the spring 4 was compressed and attached was 2800 (N / m), which exceeded the stiffness Ks of the support system of the speaker unit 1 = 2130 (N / m). The total stiffness is Ks + Kc-Kn = 5420-2800 = 2620 (N / m). In the first embodiment, the lowest resonance frequency, that is, the low-frequency reproduction limit frequency can be significantly extended from 96 Hz to 67 Hz. did it.
[0054]
This is equivalent to increasing the volume in the cabinet from 1/3290 to 1 / (3290-2800) = 1/490. That is, the effect of increasing the internal volume of the cabinet 2 several times equivalently is obtained.
[0055]
Next, a configuration for correcting a bias in the displacement direction of the vibration system of the speaker unit 1 will be described in detail.
[0056]
The dimensions of the movable magnet 3 are 5 mm in length and width, 3 mm in thickness, and the material is ferrite. The movable magnet 3 is magnetized in the vertical direction, that is, in the vertical height direction in FIG. 1, and the upper side is the N pole and the lower side is the S pole. The Hall element 5 is arranged in the vertical and vertical directions near the center of the movable magnet 3 in the vertical direction. The distance between them is about 3 mm.
[0057]
The Hall element 5 generates an output signal according to a magnetic flux vector generated by the movable magnet 3 in the horizontal direction. At the center position of the movable magnet 3 in the vertical direction, the magnetic flux passes from the north pole to the south pole in the vertical direction immediately below, so that the horizontal magnetic flux vector becomes zero. Therefore, when the vertical center position of the movable magnet 3 matches the vertical center position of the Hall element 5, no signal is output because the magnetic flux passing horizontally through the Hall element 5 is zero.
[0058]
When the movable magnet 3 is displaced up or down, the magnetic flux distribution becomes asymmetric at the position of the Hall element 5 and, in short, either the N pole side or the S pole side of the movable magnet 3 approaches, so the horizontal direction Is generated. At this time, an electric signal is generated from the Hall element 5. Needless to say, if the Hall element 3 generates a positive electric signal when the N pole approaches, for example, the direction of the horizontal magnetic flux vector is reversed when the S pole approaches, so that a negative electric signal is generated. That is, with this configuration, an electric signal corresponding to the displacement of the vibration system of the speaker unit 1 can be obtained.
[0059]
When the average vibration displacement center of the vibration system of the speaker unit 1 is at the original center position, that is, when there is no deviation in the displacement direction, the Hall element 5 is generated when low-frequency AC power is applied to the speaker unit 1. The electric signal is symmetrical on the plus side and the minus side with respect to the zero level, and when this is integrated, the electric signal becomes zero. However, when the displacement of the vibration system is deviated in the displacement direction, the level on either the plus side or the minus side becomes large (that is, a bias is generated), so that an electric signal is generated even after integration.
[0060]
In the present embodiment, for example, when the vibration system of the speaker unit 1 starts to be biased to one side, a current in a direction to return the vibration system in the opposite direction, that is, to return to the original displacement center position, is supplied from the power amplifier 6 to the speaker unit 1. Thus, the Hall element 5 and the feedback circuit 5a are configured.
[0061]
FIG. 2 shows an example of a circuit diagram of the feedback circuit 5a including the detection means 5, the feedback circuit 5a, and the power amplifier 6 according to the present embodiment. In FIG. 2, terminals 1 and 3 of the Hall element 5 are driving current supply terminals. Reference numerals 2 and 4 denote output terminals at which detection voltages are generated. OP1 is an operational amplifier in a buffer amplifying section, and OP2 is an operational amplifier in an integrating circuit section. P-AMP is a general audio IC power amplifier, and its output is 30W.
[0062]
C3 is an integrating capacitor, and the amplification gain of OP2 attenuates as the frequency increases. As a result, feedback is applied only to the very low frequency component signal corresponding to the biased movement of the vibration system of the speaker unit 1. In other words, no feedback is applied to the movement of the vibration system of the audio source such as music at a low frequency of several tens of Hz or more, so that there is no adverse effect on the low frequency. VR is a volume for offset adjustment, and can adjust the output voltage of the feedback circuit to zero when the vibration system of the speaker unit 1 is at the original center position.
[0063]
The feedback circuit 5a is connected to the feedback circuit 5a so that a current corresponding to the ultra-low frequency component signal fed back to the + terminal of the P-AMP from the feedback circuit 5a, that is, power for correcting the bias of the vibration system in the displacement direction can be supplied to the speaker 1. The connected P-AMP portion has a DC amplifier configuration.
[0064]
However, a DC cut capacitor C1 is inserted between the terminal IN receiving the source signal and the P-AMP, and the power amplifier 6 as a whole operates in the same manner as a normal audio power amplifier. I mean,OnePower amplifier 6AloneThus, both the power of the audio source signal and the power of correcting the bias in the displacement direction of the vibration system can be supplied to the speaker unit 1.
[0065]
With this configuration, the speaker unit 1 is provided with a servo that always corrects a slight deviation in the displacement direction of the vibration system and maintains the original position in the center of the displacement direction. Even if the negative stiffness is large, the average of the vibration system is increased. An extremely stable operation in which the displacement center position was maintained at the original center position was obtained.
[0066]
That is, in the present embodiment, it is not necessary to separately provide an intake / exhaust pump and a control power amplifier as in the related art in order to correct the bias in the displacement direction of the vibration system. Further, needless to say, the voice coil 1c of the speaker unit 1 does not need to be a double voice coil. Further, the configurations of the detecting means 5 and the feedback circuit 5a are simple, and all of the components used are inexpensive.
[0067]
In the conventional configuration described with reference to FIG. 8, when the speaker unit 51 has the same 18 cm diameter, the length of the spring 54 attached between the movable support member 51g and the fixed support member 52a is only about 5 cm. In the first embodiment, the spring 4 is attached between the center of the vibration system of the speaker unit 1 and the outer periphery of the frame 1b, which means that the movable support member 1g and the fixed support member 2a The mechanical fatigue of the spring 4 is very small because the length of the spring 4 attached between them can be increased to 10 cm.
[0068]
Therefore, as described above, according to the present embodiment, a low-frequency sound reproduction speaker device having a simple configuration, low cost, high reliability, and practical and excellent low-frequency reproduction capability can be realized.
[0069]
In the present embodiment, the movable magnet 3 is attached to the voice coil 1c. However, the movable magnet 3 may be attached to other parts of the vibration system of the speaker unit 1. Further, an elastic body or the like may be interposed between the movable magnet 3 and the vibration system of the speaker unit 1, and the movable magnet 3 and the vibration system may move together in a low frequency range. However, it is better not to bring the Hall element 5 too close to the field portion 1a. This is because the magnetic flux leaking from the field portion 1a has an effect.
[0070]
Further, in the present embodiment, the speaker unit 1 is a normal electrodynamic type, but the present invention can be applied to other electroacoustic conversion type speaker units such as a motor drive type and an electromagnetic type.
[0071]
In the present embodiment, the means for providing negative stiffness is a mechanical means using a spring, but it is needless to say that magnetic means may be used as described in the second embodiment. In addition, electrostatic means using a repulsive force between charges of the same polarity may be used.
[0072]
Further, in this embodiment, four springs 4 are arranged symmetrically with respect to the central axis, but may be three or other numbers. If the negative stiffness generated by the spring 4 is not so large, it is possible to use two springs.
[0073]
In the present embodiment, the spring 4 is a bow spring made of phosphor bronze, but other materials and shapes are also possible. For example, if the material is a shape memory alloy, metal fatigue is reduced and reliability is improved.
[0074]
Further, in the present embodiment, the fixed-side support member 2a is fixed to the cabinet 2, but the length of the spring 4 can be sufficiently ensured even when the fixed-side support member 2a is attached to the outer peripheral portion of the frame 1b of the speaker unit 1.
[0075]
Further, in the present embodiment, the cabinet 2 is a closed type, but a cabinet type other than the closed type, such as a Kelton type, can be applied as long as the rear of the speaker unit is closed.
[0076]
Further, in the present embodiment, the Hall element 5 is used as the detecting means, but it goes without saying that other methods, for example, the following types of detecting means are also possible. That is, an optical system that detects a change in the amount of light with a CDS, a photodiode, a phototransistor, or the like, an electrostatic system that detects a capacitance between a movable electrode and a fixed electrode attached to a vibration system of a speaker unit, a speaker unit And an induction method in which a change in coil inductance is detected by an iron plate attached to the vibration system and a coil arranged near the iron plate.
[0077]
However, when a Hall element is used as the detection means, the simplest configuration can be obtained. This is because, in the optical system, the electrostatic system, and the induction system, it is necessary to arrange two upper and lower detection elements in order to determine whether the speaker unit 1 is vertically moved from the center position of the displacement of the vibration system. In the first embodiment, since the movable magnet 3 has two polarities of the N pole and the S pole, the Hall element 5 generates a plus or minus electric signal according to the vertical displacement of the vibration system of the speaker unit 1. That is, it is possible to determine whether the displacement of the vibration system of the speaker unit 1 is up or down with one detection element.
[0078]
In the present embodiment, the Hall element 5 is used as the detecting means. However, if a Hall IC is used instead, the feedback circuit can be simplified.
[0079]
Further, in the first embodiment, the signal feedback from the feedback circuit 5a to the power amplifier 6 is performed purely electrically, but may be performed via a photocoupler.
[0080]
In the present embodiment, the portion of the power amplifier 6 that receives the feedback signal has a DC amplifier configuration. However, if a problem arises when DC amplification is performed, a non-DC amplifier configuration may be used. For example, a large-capacity capacitor may be inserted between the resistor R1 and the ground in the circuit diagram of FIG. 2 so that amplification at an extremely low frequency can be performed without performing complete DC amplification.
[0081]
In addition, it goes without saying that the present invention is not limited to the examples described above.
[0082]
(Embodiment 2)
The configuration of the low-frequency sound reproduction speaker device according to the second embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. 3, but the field portion 11a, frame 11b, damper 11d, edge 11e, diaphragm 11f, cabinet 12, detection means 15, power amplifier 16 is exactly the same as that of the first embodiment described with reference to FIG. 1, and a detailed description thereof will be omitted here.
[0083]
In the present embodiment, the voice coil 11c has a diameter of 25 mm as in the first embodiment, but the bobbin is not extended as in the first embodiment and has a normal length. Then, a dust cap 11g is attached to the diaphragm 11f.
[0084]
A major difference between the present embodiment and the present embodiment is that a means for giving a negative stiffness to the vibration system of the speaker unit 11 includes a movable magnet 13 that moves together with the vibration system of the speaker unit 11, That is, the fixed magnet 14 gives a repulsive force in the vibration displacement direction.
[0085]
The movable magnet 13 has a ring shape, is attached to the voice coil 11c, and moves together with the vibration system of the speaker unit 11. A fixed magnet 14 is attached to the inner peripheral side of the same vertical center position as the movable magnet 13 by a resin support member 11h. The movable magnet 13 has dimensions of an outer diameter of 30 mm, an inner diameter of about 25 mm, and a thickness of 3 mm, and is made of neodymium having a magnetic energy product of 32 M · G · Oe (Mega Gauss Oersted). The fixed magnet 14 has a cylindrical shape with dimensions of 22 mm in diameter and 10 mm in thickness, and is made of the same material as the movable magnet 13.
[0086]
Both the movable magnet 13 and the fixed magnet 14 are magnetized with the N pole on the upper side and the S pole on the lower side, and repel each other. When the vertical center positions of the movable magnet 13 and the fixed magnet 14 exactly coincide with each other, no force is generated in the vertical direction, that is, in the displacement direction of the vibration system of the speaker unit 11.
[0087]
However, when the movable magnet 13 is displaced, a vertical vector is generated in the direction of the repulsive force, so that the movable magnet 13 generates a force that is further pushed out in the displacement direction, that is, a negative stiffness. The negative stiffness obtained in the case of the second embodiment is also substantially the same as that obtained in the first embodiment.
[0088]
Similarly to the first embodiment, when the fixed magnet 14 is removed and there is no negative stiffness, the minimum resonance frequency of the speaker unit 11 is 60 Hz, the effective vibration mass is about 15 g, and the effective vibration radius is 70 mm.
[0089]
As in the first embodiment, the Hall element 15 serving as a detecting means is arranged in the vertical and vertical directions near the center of the movable magnet 13 in the vertical direction. That is, the movable magnet 13 which is a negative stiffness generating means is shared for detection.
[0090]
In the present embodiment, since the movable magnet 13 is stronger than in the first embodiment, the detection voltage level of the Hall element 15 is higher than that in the first embodiment. Therefore, the gain of the feedback circuit 15a is smaller than that of the first embodiment described with reference to FIG. 2, and specifically, the value of the resistor R8 in FIG. 2 is smaller than that of the first embodiment. This is because if the feedback loop gain is too high, there is a risk that oscillation will occur.
[0091]
The bass reproducing apparatus according to the second embodiment configured as described above has the same effect as that described in the first embodiment. In other words, the lowest resonance frequency, that is, the low-frequency reproduction limit frequency can be significantly extended from 96 Hz to slightly lower than 70 Hz by negative stiffness while correcting the bias in the displacement direction of the vibration system of the speaker unit 11.
[0092]
Further, in the present embodiment, since the generation of negative stiffness is not a mechanical means, there is no generation of mechanical fatigue, and the reliability is very high.
[0093]
Therefore, as described above, according to the present embodiment, it is possible to realize a low-frequency sound reproduction speaker device having a simple configuration, low cost, particularly high reliability, practical, and excellent low-frequency reproduction capability. Can be.
[0094]
In the present embodiment, the movable magnet 13 and the fixed magnet 14 are configured as described above, but various other configurations are possible. For example, the fixed magnet 14 may be arranged in a ring shape on the outer periphery of the movable magnet 13 (in this case, the Hall element 15 may be arranged on the inner periphery of the movable magnet 13), or the fixed magnet 4 or the movable magnet 3 may be provided with an iron plate. Or a yoke or the like may be attached.
[0095]
In the present embodiment, the magnetizing direction of the movable magnet 13 and the fixed magnet 14 is set to the vertical direction, that is, the thickness direction of the magnet. However, the magnetizing may be performed in the radial direction so that they repel each other.
[0096]
In this embodiment, the Hall element 15 detects the magnetic flux of the movable magnet 13 that generates negative stiffness. However, a small magnet is attached to the vibration system separately from the movable magnet to detect the magnetic flux. May be.
[0097]
In addition, it goes without saying that the present invention is not limited to the examples described above.
[0098]
(Embodiment 3)
The configuration of the low-frequency sound reproduction speaker device according to the third embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. 4, but a field part 21a, a frame 21b, a voice coil 21c, a damper 21d, an edge 21e, a diaphragm 21f, a cabinet 22, a fixed side. Since the supporting member 22a, the movable magnet 23, the spring 24, the detecting means 25, the feedback circuit 25a, and the power amplifier 26 are completely the same as those in the first embodiment described with reference to FIG. 1, a specific description thereof will be given here. Omitted.
[0099]
The present embodiment is different from the first embodiment in that means 27a, 27b, and 21g for holding the vibration system of the speaker unit 21 near the center position in the displacement direction when the low-frequency sound reproduction speaker device is not operating are provided.
[0100]
Reference numeral 27a denotes a small geared motor, and a rotary shaft 27b projects from the center. The distal end of the shaft 27b is bent in a U-shape so that the movable-side support member 21g can be sandwiched between the upper and lower sides with slight clearance. Reference numeral 21g denotes a movable support member to which a spring 24 also serving as a dust cap is attached, and a small relief hole having a size slightly larger than the front peripheral dimension of the bent end portion of the rotary shaft 27b is provided at the center.
[0101]
During operation of the bass reproduction speaker device, the direction of the bent end of the rotary shaft 27b matches the clearance hole of the movable-side support member 21g. Thus, during operation of the bass reproduction speaker device, the vibration system of the speaker unit 21 can move without the movable-side support member 21g coming into contact with the bent end of the rotary shaft 27b.
[0102]
When the low-frequency sound reproduction speaker device is not operating, for example, when the power of the low-frequency sound reproduction speaker device is turned off, the geared motor 27a rotates the rotary shaft 27b by several tens of degrees. Then, as shown in FIG. 4, the direction of the bent portion of the end of the rotary shaft 27 b is disengaged from the relief hole of the movable-side support member 21 g, and the movable-side support member 21 g is sandwiched from both upper and lower sides with a slight clearance, and the vibration system of the speaker unit 21 is moved. Is held near the center position in the displacement direction.
[0103]
The operation control of the geared motor 27a may be performed as follows. When the power of the low-pitched sound reproduction speaker device is turned on, the vibration system of the speaker unit 21 is moved from the biased position to the center position in the displacement direction, and then the rotating shaft 27b is rotated to release the holding of the vibration system. The source input signal of the power amplifier is muted for several seconds until the rotating shaft 27b moves to a predetermined position and stops. This series of operations can be easily realized by a simple delay circuit or the like.
[0104]
In order to cope with the case where the power of the bass reproduction speaker device is turned off, a relay that operates about 1 to 2 seconds later than the main body power switch touched by the user may be provided inside the device. That is, at the moment when the user turns off the main body power, only the source input to the power amplifier 26 is cut off, and immediately after that, the geared motor 27a is operated to hold the vibration system of the speaker unit 21 near the center position in the displacement direction. Then, after the geared motor 27a stops, the entire power supply such as the power amplifier 26 and the feedback circuit 25 may be shut off by the relay.
[0105]
The bass reproducing apparatus of the present embodiment configured as described above can not only obtain the same effect as that described in the first embodiment, but also can reduce the vibration system of the speaker unit 21 when the bass reproducing speaker apparatus is not operating. Since it is held in the vicinity of the center position in the displacement direction, there is no long time skew to one side. For this reason, the stress due to the support system of the speaker unit 21, that is, the tension of the damper 21d and the edge 21e can be eliminated, so that the change with time and deterioration of the support system are reduced.
[0106]
In addition, since the spring 24 is also held at the equilibrium position, there is no concern that the negative stiffness of the spring 24 becomes vertically asymmetrical, which tends to occur when the spring 24 remains deformed for a long time.
[0107]
Therefore, as described above, according to the present embodiment, it is possible to realize a long-life low-frequency sound reproduction speaker device with little change over time.
[0108]
In the present embodiment, a slight air leak occurs from the escape hole of the movable-side support member 21g. It is more desirable to provide a hermetic cover on the movable side support member 21g because this is eliminated.
[0109]
Further, in the present embodiment, the vibration system of the speaker unit 21 is held near the center position in the displacement direction by using the distal end portion of the movable-side support member 21g, but it goes without saying that other members or parts may be used.
[0110]
Further, in the present embodiment, the geared motor 27a is used as means for holding the vibration system of the speaker unit 21 near the center position in the displacement direction, but this may be used as a rotary solenoid or other means.
[0111]
In addition, it goes without saying that the present invention is not limited to the examples described above.
[0112]
(Embodiment 4)
The configuration of the low-frequency sound reproduction speaker device according to the fourth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. 5, but a field part 31a, a frame 31b, a voice coil 31c, a damper 31d, an edge 31e, a diaphragm 31f, a movable-side support member 31g. , The cabinet 32, the fixed-side support member 32a, the movable magnet 33, the spring 34, the detection means 35, the feedback circuit 35a, and the power amplifier 36 are completely the same as those in the first embodiment described with reference to FIG. Is omitted.
[0113]
This embodiment also has a means for holding the vibration system of the speaker unit 31 in the vicinity of the center position in the displacement direction when the bass reproduction speaker device is not operating, similarly to the third embodiment, but uses a self-holding solenoid 37a. Is different. A plunger 37b that moves in the direction of the center axis projects from the center of the self-holding solenoid 37a, and the tip of the plunger 37b fits into a resin holding fitting member 37c attached to the bobbin of the voice coil 31c. Have been. A return spring 37d is mounted on the plunger 37b.
[0114]
During operation of the bass reproduction speaker device, as soon as the self-holding solenoid 37a is energized, the plunger 37b is instantaneously sucked, and the plunger 37b immediately comes off the holding fitting member 37c. When the bass reproduction speaker device is operated, the vibration system of the speaker unit 31 can move without the holding fitting member 37c contacting the tip of the plunger 37b.
[0115]
Since the solenoid 37a is a self-holding solenoid, the plunger 37b is kept in the suction state, so that the power can be released immediately after the suction. That is, energization is only required for a moment.
[0116]
When the bass reproduction speaker device is not operating, for example, when the power of the bass reproduction speaker device is turned off, the self-holding solenoid 37a is energized in the reverse direction. A so-called return current flows. Then, the plunger 37b is released from the suction state, and returns to the position of the holding fitting member 37c by the force of the return spring 37d. Thus, the vibration system of the speaker unit 31 is held near the center position in the displacement direction.
[0117]
FIG. 6 shows an example of a circuit diagram for controlling the operation of the self-holding solenoid 37a.
Yes. ACD is an AC primary side current detection circuit of the bass reproduction speaker device. The coil of the self-holding solenoid 37a is energized by using a large-capacity capacitor C2. The operation of this control circuit is as follows.
[0118]
When the power switch of the low-pitched sound reproduction speaker device is turned on, the AC primary current detection circuit ACD generates a detection electric signal, and a current starts flowing to the base of the transistor Q. A capacitor C1 and a resistor R are connected to the transistor Q, and the relay RR connected to the emitter of the transistor Q operates about one second after the power switch is turned on due to the time constant. The reason why the operation is performed about one second later is to wait for the vibration system of the speaker unit 31 to move from the biased position to the center position in the displacement direction.
[0119]
Then, the relay RR is turned on, the terminal 1 and the terminal 2 are connected, and a current instantaneously flows from the power supply side to the self-holding solenoid 37a through the capacitor C2, and the self-holding solenoid 37a operates to be in a suction state. This current is a charging current for the capacitor C2, but only for a moment, so that it is not necessary to continuously supply unnecessary current to the self-holding solenoid 37a.
[0120]
When the power switch of the bass reproduction speaker device is turned off, the detected electric signal from the AC primary current detection circuit ACD disappears, so that the transistor Q is turned off and the relay RR is turned off. Then, the terminal 1 and the terminal 3 of the relay RR are connected, and the capacitor C1 discharges the self-holding solenoid 37a. The direction of the current at this time is opposite to that when the power switch of the bass reproduction speaker device is turned on. . In this way, a reverse current flows through the self-holding solenoid 37a, so that the plunger 37b can be returned. The terminals 4 and 6 of the relay RR are for discharging the time constant capacitor C1.
[0121]
The bass reproducing apparatus according to the present embodiment having the above-described configuration not only provides the same effects as those described in the third embodiment, but also operates the self-holding solenoid 37a instantaneously. As in the geared motor used in No. 3, the operation state can be quickly entered without taking much time.
[0122]
If there is no means for holding the vibration system of the speaker unit near the center position in the displacement direction, it is difficult to quickly turn on the bass reproduction speaker device after turning on the power. The reason is that when the bass reproduction speaker device is not operated, the vibration system is pushed away from the center position in the displacement direction by the force of the spring, and it takes some time to return to the center position in the displacement direction. is there.
[0123]
In this embodiment, the operating current of the self-holding solenoid 37a is supplied via the capacitor C2, and the same capacitor is discharged to supply the return current of the self-holding solenoid 37a. There is no need to have a separate power supply. As a result, even if the power is suddenly cut off during the operation of the bass reproduction speaker device, for example, in the case of a power failure or accidental disconnection of the power outlet, the self-holding solenoid 37a is used by utilizing the charge stored in the capacitor C2. Since the return operation is performed, it is possible to hold the vicinity of the center position in the displacement direction of the vibration system of the speaker unit 31.
[0124]
Therefore, as described above, according to the present embodiment, it is possible to realize a low-frequency sound reproduction speaker device which can not only change with time but has a long life but also can quickly enter an operation state and has high safety.
[0125]
In the present embodiment, the plunger 37b of the self-holding solenoid 37a is in the return state when the low-frequency sound reproduction speaker device is not operating, but the reverse design is also possible.
[0126]
Further, in the present embodiment, the self-holding type solenoid 37a is used, but it can be designed as a normal solenoid or another type of solenoid. However, when a self-holding solenoid is used, power can be saved only by momentarily flowing an operating current.
[0127]
In addition, it goes without saying that the present invention is not limited to the examples described above.
[0128]
(Embodiment 5)
The configuration of the low-frequency sound reproduction speaker device according to the fifth embodiment of the present invention will be described with reference to FIG. 7, but a field portion 41a, a frame 41b, a voice coil 41c, a damper 41d, an edge 41e, a diaphragm 41f, and a movable-side support member 41g. , The cabinet 42, the movable magnet 43, the spring 44, the detection means 45, the feedback circuit 45a, and the power amplifier 46 are completely the same as those in the first embodiment described with reference to FIG. Omitted.
[0129]
A characteristic feature of the present embodiment is that a movable rod 42b is provided in a fixed-side support member 42a for fixedly supporting, so that the negative stiffness of a spring 44 can be changed.
[0130]
More specifically, the four fixed-side support members 42a and the movable rod 42b in FIG. 7 have a built-in axial propulsion movable mechanism including a motor, a worm gear, and a rack gear. When the rotation of the motor stops, the worm gear and the rack gear do not move even if a compressive force is applied to the movable rod 42b, so that the movable rod 42b works as a stationary fixed end.
[0131]
When the low-frequency sound reproduction speaker device is not operated, the movable rod 42b is retracted to loosen the spring 44. During the operation of the bass reproduction speaker device, the movable rod 42b is advanced to apply a predetermined compressive force to the spring 44. Alternatively, by adjusting the rest position of the movable rod 42b, the compression force applied to the spring 44 can be adjusted, so that the generated negative stiffness can be varied.
[0132]
The bass reproducing apparatus of the present embodiment having the above-described configuration not only provides the same effects as those described in the first embodiment, but also can reduce the negative stiffness of the spring 44 when not operating. In addition, the support system of the speaker unit 41, that is, the damper 41d and the edge 41e are not stretched, and the change with time and deterioration of the support system are reduced.
[0133]
Also, since the negative stiffness generated by the spring 44 can be adjusted, the lowest resonance frequency of the low-frequency sound reproduction speaker device can be adjusted, and the low-frequency characteristics can be varied.
[0134]
Therefore, as described above, according to the present embodiment, it is possible to realize a low-frequency sound reproduction speaker device that not only has a small change over time but has a long service life, but also has a variable low-frequency characteristic.
[0135]
In the fifth embodiment, the means for providing the negative stiffness is a mechanical means, that is, the spring 44, but it may be a magnetic means as described in the second embodiment. In this case, for example, by using a fixed magnet as an electromagnet and adjusting the current supplied thereto, the generated negative stiffness can be varied.
[0136]
In addition, it goes without saying that the present invention is not limited to the examples described above.
[0137]
【The invention's effect】
As described above, according to the bass reproduction speaker device of the present invention, a bass reproduction speaker device including a speaker unit, means for providing a negative stiffness to a vibration system of the speaker unit, and a cabinet for accommodating the speaker unit. , A detecting means for generating an electric signal according to a displacement of a vibration system of the speaker unit, and a feedback circuit for feeding back the electric signal from the detecting means to a power amplifier for reproducing a source signal for driving the speaker unit. The power amplifier,In addition to the source signal power, the power for correcting the bias in the displacement direction of the vibration system of the speaker unit is,To the speaker unitAloneSupplyMeans for holding the vibration system of the speaker unit near the center position in the displacement direction when the bass reproduction speaker device is not operating.By
The speaker unit is provided with a servo that always corrects a slight bias in the displacement direction of the vibration system and maintains the original position in the center position in the displacement direction. Even if the negative stiffness is large, the average displacement center position of the vibration system is Not only is it possible to obtain an extremely stable operation held at the center position of the above, but also it is not necessary to separately provide an intake / exhaust pump or a control power amplifier as in the past in order to correct the bias in the displacement direction of the vibration system. Accordingly, it is possible to realize a low-frequency sound reproduction speaker device having a simple configuration, low cost and practical, and excellent low-frequency reproduction capability.Furthermore, when the low-frequency sound reproduction speaker device is not operated, the vibration system of the speaker unit is not biased to one side in the displacement direction and does not elapse for a long time, and a long-time stress is not applied to the support system and the spring of the speaker unit. Therefore, a long-life low-frequency sound reproduction speaker device with little change over time can be realized.
[0139]
Claims of the invention2According to the bass speaker device described above, the means for giving negative stiffness to the vibration system of the speaker unit is provided between the center of the vibration system of the speaker unit and the vicinity of the outer periphery of the speaker unit. Since the spring is attached by being compressed at a plurality of locations, the length of the spring can be increased, and the mechanical fatigue can be reduced. Therefore, a highly reliable bass reproduction speaker device can be realized.
[0140]
Claims of the invention3According to the bass reproduction speaker device described above, means for providing a negative stiffness to the vibration system of the speaker unit includes a movable magnet that moves together with the vibration system of the speaker unit, and a vibration displacement direction of the speaker unit with respect to the movable magnet. With a fixed magnet that gives the power ofThe fixed magnet and the movable magnet are arranged at the same vertical center position.As a result, since the generation of negative stiffness is not a mechanical means, there is no generation of mechanical fatigue. Therefore, a particularly reliable bass reproduction speaker device can be realized.
[0142]
Claims of the invention4According to the bass reproduction speaker device described,,By using a self-holding solenoid as means for holding the vibration system of the speaker unit near the center position in the displacement direction, it is instantaneous to hold or release the vibration system of the speaker unit near the center position in the displacement direction. I can do it. Therefore, it is possible to realize a low-frequency sound reproduction speaker device that can be quickly put into an operating state.
[0143]
Claims of the invention5According to the bass reproduction speaker device described above, the operating current of the self-holding solenoid is supplied via a capacitor, and the return current of the self-holding solenoid is supplied by discharging the capacitor. Even if the power is suddenly cut off during the operation of the speaker unit, the vicinity of the center position in the displacement direction of the vibration system of the speaker unit can be held. Accordingly, a low-pitched sound reproduction speaker device with high security can be realized.
[0146]
As described above, the present invention has an extremely large practical value.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view and a front view showing a configuration of a low-frequency sound reproduction speaker device according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a diagram illustrating an example of a feedback circuit according to the first embodiment of the present invention;
FIG. 3 is a cross-sectional view and a front view showing a configuration of a low-frequency sound reproduction speaker device according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a cross-sectional view and a front view showing a configuration of a low-frequency sound reproduction speaker device according to a third embodiment of the present invention.
FIGS. 5A and 5B are a cross-sectional view and a front view showing a configuration of a bass reproduction speaker device having another configuration according to Embodiment 3 of the present invention. FIGS.
FIG. 6 is a diagram illustrating an example of a control circuit that controls the operation of the solenoid according to the embodiment;
FIG. 7 is a cross-sectional view and a front view showing a configuration of a low-frequency sound reproduction speaker device according to a fourth embodiment of the present invention.
FIG. 8 is a cross-sectional view and a front view showing the configuration of a conventional bass reproduction speaker device.
FIG. 9 is a cross-sectional view and a front view showing the configuration of a conventional bass reproduction speaker device.
FIG. 10 is an explanatory diagram showing the operation of a spring that provides negative stiffness.
FIG. 11 is a graph showing displacement to force characteristics of stiffness.
[Explanation of symbols]
1,11,21,31,41 Speaker unit
1a, 11a, 21a, 31a, 41a Field part
1b, 11b, 21b, 31b, 41b frames
1c, 11c, 21c, 31c, 41c Voice coil
1d, 11d, 21d, 31d, 41d Damper
1e, 11e, 21e, 31e, 41e Edge
1f, 11f, 21f, 31f, 41f diaphragm
1g, 21g, 31g, 41g Movable support member
11g dust cap
11h Support member
2,12,22,32,42 cabinet
2a, 22a, 32a, 42a Fixed-side support member
42b Movable rod
3,13,23,33,43 Movable magnet
4,24,34,44 Spring
14 Fixed magnet
5,15,25,35,45 Hall element
5a, 15a, 25a, 35a, 45a Feedback circuit
6,16,26,36,46 Power amplifier
27a Gear motor
37a Self-holding solenoid
27b Rotary shaft
37b plunger
37c Holding fitting member
37d return spring

Claims (5)

スピーカユニットと、前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段と、前記スピーカユニットを収納するキャビネットとを備えた低音再生スピーカ装置において、前記スピーカユニットの振動系の変位に応じた電気信号を発生する検出手段と、前記スピーカユニットを駆動するソース信号再生用のパワーアンプに前記検出手段からの電気信号を帰還する帰還回路を備え、前記パワーアンプはソース信号電力に加えて前記スピーカユニットの振動系の変位方向の偏りを補正する電力を前記スピーカユニットに単独で供給し、また、前記低音再生スピーカ装置の非動作時に、前記スピーカユニットの振動系を変位方向中心位置付近に保持する手段を備えたことを特徴とする、低音再生スピーカ装置。In a low-frequency sound reproduction speaker device including a speaker unit, means for providing a negative stiffness to a vibration system of the speaker unit, and a cabinet accommodating the speaker unit, an electric signal corresponding to a displacement of the vibration system of the speaker unit is provided. Detecting means for generating, and a feedback circuit for feeding back an electric signal from the detecting means to a power amplifier for reproducing a source signal for driving the speaker unit, wherein the power amplifier includes the power of the speaker unit in addition to the source signal power. power for correcting the displacement direction of the deviation of the vibration system, supplied solely to said speaker unit, also the time to the non-operation of the bass reproduction speaker apparatus, means for holding the vibration system of the speaker unit in the vicinity of the displacement direction center position A low-frequency sound reproduction speaker device comprising: 前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段を、前記スピーカユニットの振動系の中心部と前記スピーカユニットの外周部付近との間に、略中心軸対象複数箇所に圧縮されて取り付けられたスプリングとしたことを特徴とする、請求項1に記載の低音再生スピーカ装置。Means for imparting negative stiffness to the vibration system of the speaker unit are compressed and attached to a plurality of locations substantially on the center axis between the center of the vibration system of the speaker unit and the vicinity of the outer periphery of the speaker unit. The low-frequency sound reproduction speaker device according to claim 1 , wherein the speaker is a spring. 前記スピーカユニットの振動系に負のスティフネスを与える手段を、前記スピーカユニットの振動系と共に動く可動マグネットと、前記可動マグネットに対して前記スピーカユニットの振動変位方向の力を与える固定マグネットとし、前記固定マグネットと前記可動マグネットを同じ縦中心位置に配置したことを特徴とする、請求項1に記載の低音再生スピーカ装置。Means for giving a negative stiffness to the vibration system of the speaker unit, a movable magnet that moves together with the vibration system of the speaker unit, and a fixed magnet that applies a force in the vibration displacement direction of the speaker unit to the movable magnet ; The low-frequency sound reproduction speaker device according to claim 1 , wherein the fixed magnet and the movable magnet are arranged at the same vertical center position . 非動作時に前記スピーカユニットの振動系を変位方向中心位置付近に保持する手段として、自己保持型ソレノイドを用いたことを特徴とする、請求項に記載の低音再生スピーカ装置。During non-operation, as a means for holding the vibration system of the speaker unit in the vicinity of the displacement direction central position, characterized by using a self-hold solenoid, bass reproduction speaker apparatus according to claim 1. 前記自己保持型ソレノイドの動作電流をコンデンサを介して供給するとともに、前記自己保持型ソレノイドの復帰電流を前記コンデンサの放電により供給したことを特徴とする、請求項に記載の低音再生スピーカ装置。The bass reproduction speaker device according to claim 4 , wherein the operating current of the self-holding solenoid is supplied via a capacitor, and the return current of the self-holding solenoid is supplied by discharging the capacitor.
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