【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、溶融金属とスラグが入った容器(例えば取鍋)から、エアシ−ルパイプを介して他の容器(例えばタンディッシュ)に溶融金属を注入する際に、スラグがエアシ−ルパイプを通過して他の容器に流出するのを検知するスラグ流出検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
転炉で精練された溶鋼は取鍋に移された後、連続鋳造において、タンディッシュにエアシ−ルパイプを介して注湯される。
【0003】
通常、取鍋には溶鋼とともにスラグが入っているため、取鍋からタンディッシュに溶鋼を注入する際、注湯末期においてスラグが大量にタンディッシュに流入すると、タンディッシュ内の溶鋼にスラグが混入し、結果としてスラグが連続鋳造機の鋳型に巻き込まれ、連続鋳造された鋳片に内部欠陥として残留することになる。
【0004】
したがって、タンディッシュ内には極力スラグを流出させないような操業が行われている。
【0005】
このようなスラグの取鍋からタンディッシュへの流出を検知する従来の方法としては、特公平7−41402号公報に開示された技術がある。この技術に基づくスラグの流出検知方法は、センサを構成する送信コイルおよび受信コイルにより金属溶湯の流れ断面を包囲し、複数の周波数を含む電流を送信コイルに印加し、この電流により受信コイルに電圧を誘導し、周波数を選択してこの電圧を評価し、この電圧のスペクトル状の複合経過から流れ断面にわたる導電率分布を求め、それから通過する金属溶湯のスラグの割合と、摩擦により変化する流れ断面の直径とを求め、溶湯およびセンサの変化する温度連続または準連続測定を行ない、温度デ−タと誘導される電圧スペクトルの測定値との理論結合を行なうものである。
【0006】
また、特公昭63−11099号公報に開示されたスラグ混入防止装置による方法もある。この装置による方法は、エアシ−ルパイプを通過する溶鋼とスラグの振動変化を、振動検出個所を介して振動検知手段により検知する。そして、溶鋼流出末期の溶鋼中のスラグの含有量の増加にともない、振動数が所定値より低下する時点で、制御操作手段の作動により、ノズルの開閉手段を自動的に閉止し、溶鋼の注入を直ちに停止するというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した従来のスラグの流出検知方法には、次のような問題点がある。
【0008】
(1)特公平7−41402号公報に開示されたスラグの流出検知方法
取鍋ノズル取り囲むように検出コイルを設置する必要があるので、
▲1▼取鍋ノズルを改造する必要がある。
▲2▼使用する取鍋全てに検出コイルを設置する必要がある。
▲3▼検出コイルの設置場所が取鍋内溶湯の流出口であるため、検出コイルが高温にさらされて劣化が早い。
【0009】
したがって、スラグの流出を検知するために、高額な初期投資が必要であるとともに、検出精度を維持するために、検出コイルの頻繁な取り替えが必要となり、保守費が高くなる。
【0010】
(2)特公昭63−11099号公報に開示されたスラグ混入防止装置による方法
振動伝達手段の先端を、ノズル表面に溶接する方式のため、ノズルとセンサ部が一体として構成されており、チャ−ジ毎のノズルの移動および数チャ−ジ毎のノズルの交換時において、センサの取り外し等が必要となるため、作業性が悪い。また、ノズルとセンサ部とを容易に取り外し可能に構成しようとした場合、振動の伝達が十分に行なわれない可能性がある。
【0011】
この発明は、従来技術の上述のような問題点を解消するためになされたものであり、初期投資および保守費用が低額で、かつ正確にスラグ流出を検知することができるとともに、ノズルとセンサ部との切り離しが可能であるためノズル交換時における作業性が阻害されないスラグ流出検知装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明に係るスラグ流出検知装置は、溶融金属とスラグが入った容器から、シ−ルされた流通管を介して他の容器に前記溶融金属を注入する際に、前記スラグが前記シ−ルされた流通管を通過して前記他の容器に流出するのを検知するスラグ流出検知装置であって、一端が前記シ−ルされた流通管の表面に接触する棒状の振動伝達手段と、該棒状の振動伝達手段の他端に取り付けられた振動検知手段と、棒状の振動伝達手段の中間に設けた振動伝達制御手段とから構成されるものである。
【0013】
取鍋内の溶湯はシ−ルされた流通管を通って、重力により自由落下して、タンディッシュ内の湯面に衝突する。この流体衝突により、シ−ルされた流通管の先端が加振され、シ−ルされた流通管に振動が発生する。そして、溶湯に代わってスラグが流出した場合には、スラグの比重は溶湯の比重の1/3であるので、その比重差により、流体衝突によって発生するシ−ルされた流通管への加振力が低下し、シ−ルされた流通管に発生する振動強度は、溶湯の場合よりも減少する。
【0014】
本発明のスラグ流出検知装置は、シ−ルされた流通管に発生する振動の上述のような強度の変化を検出して、スラグ流出を検知するものである。そして、シ−ルされた流通管に発生している振動を検知するために、振動検知手段を直接高温のシ−ルされた流通管の表面に接触させることは難しいので、耐熱性に優れた材料でできた棒状の振動伝達手段をシ−ルされた流通管の表面に接触させ、この棒状の振動伝達手段のシ−ルされた流通管の表面に接触しない方の端部に振動検知手段を取り付け、振動検知手段の耐熱性を確保しつつ、シ−ルされた流通管の振動を検知するようにしている。
【0015】
また、シ−ルされた流通管の振動を、振動伝達手段を介して検知しようとしているので、その伝達特性の影響を受けて、スラグ流出時の振動変化の検知精度が悪くなる傾向にある。そこで、振動伝達手段の途中に、振動伝達手段の伝達特性を制御する振動伝達制御手段を設け、検知精度の悪化を防いでいる。
【0016】
本発明のスラグ流出検知装置は、上述したような構成となっているため、取鍋を改造する必要もなく、また全ての取鍋にスラグ流出検知装置を取り付ける必要もない。
【0017】
また、振動検知手段の耐熱性が確保されているので、振動検知手段を頻繁に取り替える必要もない。
【0018】
さらには、シ−ルされた流通管に振動伝達手段を接触させるだけの構造となっているので、取鍋ノズル交換時に作業性を妨げることはない。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態のスラグ流出検知装置をエアシ−ルパイプに接触させている状態を示す模式図である。
【0020】
図1において、符号1はスラグ流出検知装置、2は棒状の振動伝達手段、3は振動検知手段、4は振動伝達制御手段、5は取鍋、6は取鍋5内のスラグ、7は取鍋5内の溶鋼、8は取鍋ノズル、9はエアシ−ルパイプ、10はエアシ−ルパイプ9の支持ア−ム、11はタンディッシュ、12は浸漬ノズル、13は鋳型である。
【0021】
このスラグ流出検知装置1は、一端がエアシ−ルパイプ9の表面に接触する棒状の振動伝達手段2と、該棒状の振動伝達手段2の他端に取り付けられた振動検知手段3と、棒状の振動伝達手段2の中間に設けた振動伝達制御手段4とから構成されている。
【0022】
このスラグ流出検知装置1を使用して、取鍋5内のスラグ6が、エアシ−ルパイプ9を通ってタンディシュ11に流出するのを検知する方法を説明すると、次のとおりである。取鍋5内の溶湯7の湯面にはスラグ6が浮遊しているが、タンディッシュ11への注湯の進行にともない、溶湯5の湯面レベルが一定レベルまで下がると、取鍋ノズル8の上部に渦が発生し、スラグ6が溶湯7とともにタンディッシュ11に流出する。
【0023】
取鍋5内の溶湯7は、取鍋ノズル8およびエアシ−ルパイプ9を通って、重力により自由落下して、タンディッシュ11内の湯面11aに衝突する。この流体衝突により、シ−ルパイプ9の先端が加振され、エアシ−ルパイプ9に振動が発生する。溶湯7に代わってスラグ6が流出した場合には、スラグ6の比重は溶湯7の比重の1/3であるので、その比重差により、流体衝突によって発生するエアシ−ルパイプ9への加振力が低下し、エアシ−ルパイプ9に発生する振動強度は、溶湯7の場合よりも減少する。
【0024】
本発明のスラグ流出検知装置1を使用して、スラグ流出を検知するに際しては、エアシ−ルパイプ9に発生する振動を、振動伝達手段2を介して振動検知手段3に伝達し、振動検知手段3からの振動信号を経時的に受信し、この信号の大きさが大きく変化した場合に、スラグが流出したと判断するのである。
【0025】
図2はスラグ流出検知装置の具体例を示す断面図である。このスラグ流出検知装置は、一端21aが振動計測点となる棒状の振動伝達部材21と、振動伝達部材21の他端部21bに接続した振動センサ−22と、振動伝達部材21の中間部分を支持する円筒状の支持部材23と、円筒状の支持部材23の内部に挿入されているバネ24と、バネ24を円筒状の支持部材23の端面23aとの間で圧縮させてバネ24に付勢力を与えるストッパ−25と、円筒状の支持部材23を固定させるための固定部材26とから構成されている。
【0026】
このスラグ流出検知装置にいては、棒状の振動伝達部材21の振動計測点21aがバネ24により、常に一定圧力でエアシ−ルパイプ9に押し付けられている状態で、エアシ−ルパイプ9の振動が振動伝達部材21を介して伝達され、振動センサ−22により計測される。この例では、バネ24が振動伝達制御手段となって、振動伝達手段である棒状の振動伝達部材21の伝達特性を制御しているが、振動伝達制御手段はこれに限るものではなく、例えばダンパ−やダンパ−とバネの組み合わせ等振動制御を可能とする機械部品の利用が可能である。
【0027】
なお、振動センサ22における振動制御は、次のような考え方で行なえばよい。
【0028】
図3の振動モデル図に示すように、棒状の振動伝達部材21の振動計測点21aが接触しているエアシ−ルパイプ9の表面上の点Aでの振動とほぼ同じ振動を棒状の振動伝達部材21の他端部21bで測定するためには、まず点Aにおいて振動伝達部材21とエアシ−ルパイプ9が離れない条件として、(1)式が成立しなければならない。
k・l0/m>(αA)max……(1)
ただし、 k:バネ24のバネ定数
l0:振動伝達部材をエアシ−ルパイプに押さえ付けたときのバネ24の変位
m:振動伝達部材21の質量
(αA)max:点Aにおける最大加速度
【0029】
また、振動伝達部材21が剛体として運動するためには、振動伝達部材21自身のバネ定数k′が、次の(2)式を満足しなければならない。
k′≫k……(2)
【0030】
さらに、振動伝達部材21の振動が、エアシ−ルパイプ9の振動に影響を与えないためには、次の(3)式および(4)式を満足しなければならない。
m≪M……(3)
ただし、M:エアシ−ルパイプ9の質量
k≪K……(4)
ただし、K:スラグ流出検知装置全体のバネ定数
【0031】
これら(1)〜(4)式を満足するように、振動伝達部材21の質量m、バネ24のバネ定数kおよびバネ変位l0を決めればよい。
【0032】
図4はエアシ−ルパイプ9の支持ア−ム10の下面に、上述したスラグ流出検知装置を取り付けた状態を示す側面図であり、(a)はエアシ−ルパイプ9が支持ア−ム10で支持され、振動伝達部材21がエアシ−ルパイプ9に接触している状態を、(b)はエアシ−ルパイプ9が支持ア−ム10で支持されておらず、振動伝達部材21がエアシ−ルパイプ9から離れている状態を示す。この場合には、エアシ−ルパイプ9が支持ア−ム10で支持されておれば、必ず振動伝達部材21がエアシ−ルパイプ9に接触しているので、支持ア−ム10がエアシ−ルパイプ9を支持したまま移動する場合にも、スラグ流出の検知は可能である。
【0033】
図5はエアシ−ルパイプに発生する振動を、本発明のスラグ流出検知装置に取り付けた振動計で計測したときの振動伝達特性(点線)と、エアシ−ルパイプに直接取り付けた振動計で計測したときの振動伝達特性(実線)とを示すグラフである。この計測は、実物大のエアシ−ルパイプに本発明のスラグ流出検知装置に取り付けた振動伝達部材を接触させ、加振装置で他の振動計が取り付けられているエアシ−ルパイプを加振させる方法で行なった。
【0034】
点線および実線で示した曲線とも、測定しようとする周波数範囲において、ほぼ同一の特性を示し、振動伝達部材を介して振動を測定する本発明のスラグ流出検知装置が、十分な検知性能を有していることが分かる。
【0035】
図6は実物大加振実験を行なったときの振動の減衰曲線を示すグラフであり、(a)はエアシ−ルパイプの減衰曲線を、(b)はエアシ−ルパイプの支持ア−ムの減衰曲線を示す。
【0036】
この加振実験においては、エアシ−ルパイプを周波数0〜400Hzでランダム加振し、加振を停止した後の振動を、エアシ−ルパイプの振動は、エアシ−ルパイプに直接取り付けた振動計により、支持ア−ムの振動は、垂直方向の振動が測定できるように支持ア−ムに取り付けた振動計により測定した。
【0037】
図6から明らかなように、エアシ−ルパイプの振動が減衰した後も、支持ア−ムの振動は継続している。そして、このことから、エアシ−ルパイプの支持ア−ムに振動センサを設置した振動測定では、精度のよい振動測定は困難であり、本発明のスラグ流出検知装置を使用して、エアシ−ルパイプの振動を測定した方が精度のよい測定ができることが分かる。
【0038】
また、エアシ−ルパイプの支持ア−ムに発生する振動は、その支持方法より上下(垂直)方向が主成分であるため、エアシ−ルパイプの振動測定においては、本発明のスラグ流出検知装置を使用し、振動センサを水平方向に設置して測定するのが有利であることが分かる。この際、振動センサには支持ア−ムの振動が伝播してくるが、振動方向が上下方向であるため、水平方向に取り付けた振動センサにとっては、上下方向の感度が小さいため、その影響を小さくできるという効果も、合わせて発揮することができる。
【0039】
図7はスラグ流出時の振動の減衰率を示すグラフであり、(a)は本発明のスラグ流出検知装置を使用してエアシ−ルパイプの振動を測定した場合、(b)は、支持ア−ムの振動を支持ア−ムに取り付けた振動計で測定した場合(従来法)である。
【0040】
スラグ流出時の振動減衰率が従来法では52%であったのに比較し、本発明のスラグ流出検知装置を使用した測定方法では75%となり、スラグ流出を精度よく測定することが可能となった。
【0041】
【実施例】
図2に示すスラグ流出検知装置を用いて、連続鋳造設備におけるスラグ流出検知テストを、110チャ−ジを対象として行なった。検知性能を比較するために、エアシ−ルパイプ9の支持ア−ム10に振動センサ−を設置した場合の検知テストも合わせて行なった。この場合、支持ア−ム10が振動伝達手段として機能するが、振動伝達制御手段がない装置でスラグ流出を検知する場合に匹敵する。
【0042】
さらには、スラグ流出時に、タンディッシュ11側の湯面11aに浮いてくるスラグを、オペレ−タが目視で検知する方法も同時に行なった。そして、オペレ−タが目視で検知したタイミングを基準として、本発明のスラグ流出検知装置やエアシ−ルパイプ9の支持ア−ム10に振動センサ−を設置した場合の検知性能を評価した。
【0043】
その結果、本発明のスラグ流出検知装置による検知は、オペレ−タの検知タイミングに対して平均で5.2秒早く、エアシ−ルパイプ9の支持ア−ム10に振動センサ−を設置した場合の検知は、オペレ−タの検知タイミングに対して平均で2.1秒早かった。
【0044】
また、検知率も本発明のスラグ流出検知装置による検知率は100%、エアシ−ルパイプ9の支持ア−ム10に振動センサ−を設置した場合の検知率は70%であり、本発明のスラグ流出検知装置を使用すれば、早いタイミングで100%スラグの流出を把握することができ、タンディッシュへのスラグの流出を最小限にすることができるということが分かった。
【0045】
【発明の効果】
この発明により、オペレ−タの目視検知に比較してスラグ流出の検知タイミングが早くなり、タンディッシュへのスラグ流出量を減少させることができるので、鋳造製品の品質を向上させることができる。
【0046】
また、電磁式スラグ流出検知装置に比較して、初期投資や保守費用の低減が可能になった。
【0047】
また、エアシ−ルパイプに振動伝達手段を接触させるだけの構造となっているので、取鍋ノズル交換時に作業性を妨げることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のスラグ流出検知装置をエアシ−ルパイプに接触させている状態を示す模式図である。
【図2】スラグ流出検知装置の具体例を示す断面図である。
【図3】振動制御を行なうときの振動モデル図である。
【図4】エアシ−ルパイプの支持ア−ムの下面にたスラグ流出検知装置を取り付けた状態を示す側面図であり、(a)はエアシ−ルパイプが支持ア−ムで支持され、振動伝達部材がシ−ルパイプに接触している状態を、(b)はエアシ−ルパイプが支持ア−ムで支持されておらず、振動伝達部材がエアシ−ルパイプから離れている状態を示す。
【図5】本発明のスラグ流出検知装置に取り付けた振動計で計測したときの振動伝達特性と、エアシ−ルパイプに直接取り付けた振動計で計測したときの振動伝達特性とを示すグラフである。
【図6】実物大加振実験を行なったときの振動の減衰曲線を示すグラフであり、(a)はエアシ−ルパイプの減衰曲線を、(b)はエアシ−ルパイプの支持ア−ムの減衰曲線を示す。
【図7】スラグ流出時の振動の減衰率を示すグラフであり、(a)は本発明のスラグ流出検知装置を使用してエアシ−ルパイプの振動を測定した場合、(b)は、支持ア−ムの振動を支持ア−ムに取り付けた振動計で測定した場合である。
【符号の説明】
1 スラグ流出検知装置
2 振動伝達手段
3 振動検知手段
4 振動伝達制御手段
21 振動伝達部材
22 振動センサ−
23 支持部材
24 バネ
25 ストッパ−
26 固定部材[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
According to the present invention, when a molten metal is poured from a container (for example, a ladle) containing molten metal and slag into another container (for example, a tundish) via an air seal pipe, the slag passes through the air seal pipe. The present invention relates to a slag outflow detecting device for detecting outflow into another container.
[0002]
[Prior art]
After the molten steel refined in the converter is transferred to a ladle, it is poured into a tundish through an air seal pipe in continuous casting.
[0003]
Normally, slag is contained together with molten steel in the ladle, so when pouring molten steel from the ladle into the tundish, a large amount of slag flows into the tundish at the end of pouring, and the slag is mixed into the molten steel in the tundish. As a result, the slag is caught in the mold of the continuous casting machine, and remains as an internal defect in the continuously cast slab.
[0004]
Therefore, an operation is performed so that slag does not flow into the tundish as much as possible.
[0005]
As a conventional method for detecting such a slag outflow from the ladle to the tundish, there is a technique disclosed in Japanese Patent Publication No. 7-41402. The slag outflow detection method based on this technique is to apply a current including a plurality of frequencies to the transmission coil by surrounding the cross section of the molten metal with the transmission coil and the reception coil constituting the sensor, and applying a voltage to the reception coil by the current. , The frequency is selected, this voltage is evaluated, the conductivity distribution over the flow cross section is determined from the spectrum-like composite course of this voltage, and the ratio of the slag of the molten metal passing therethrough and the flow cross section that changes due to friction Of the temperature of the molten metal and the sensor are measured continuously or quasi-continuously, and the theoretical data is combined with the measured value of the induced voltage spectrum.
[0006]
Further, there is a method using a slag mixing prevention device disclosed in Japanese Patent Publication No. 63-11099. In the method using this apparatus, the vibration change of the molten steel and the slag passing through the air seal pipe is detected by the vibration detection means via the vibration detection point. Then, at the time when the frequency falls below a predetermined value with the increase in the content of slag in the molten steel at the end of molten steel outflow, the control operation means is operated to automatically close the nozzle opening / closing means, and inject the molten steel. Stop immediately.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional slag outflow detection method described above has the following problems.
[0008]
(1) Slag outflow detection method disclosed in Japanese Patent Publication No. Hei 7-41402 Since the detection coil needs to be installed so as to surround the ladle nozzle,
(1) It is necessary to modify the ladle nozzle.
{Circle around (2)} It is necessary to install detection coils in all the ladles to be used.
{Circle over (3)} Since the installation location of the detection coil is the outlet of the molten metal in the ladle, the detection coil is exposed to high temperatures and deteriorates quickly.
[0009]
Therefore, a large initial investment is required to detect the outflow of slag, and frequent replacement of the detection coil is required to maintain the detection accuracy, resulting in high maintenance costs.
[0010]
(2) Method using a slag mixing prevention device disclosed in Japanese Patent Publication No. 63-11099 Since the tip of the vibration transmitting means is welded to the nozzle surface, the nozzle and the sensor unit are integrally formed. At the time of movement of the nozzle for each nozzle and replacement of the nozzle for every several charges, it is necessary to remove the sensor and the like, so that workability is poor. In addition, when the nozzle and the sensor unit are configured to be easily detachable, vibration may not be sufficiently transmitted.
[0011]
The present invention has been made in order to solve the above-mentioned problems of the prior art, has a low initial investment and maintenance cost, can accurately detect slag outflow, and has a nozzle and a sensor unit. It is an object of the present invention to provide a slag outflow detecting device that can be separated from the slag and does not hinder workability at the time of nozzle replacement.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In the slag outflow detection device according to the present invention, when the molten metal is poured from a container containing the molten metal and the slag into another container via a sealed flow pipe, the slag is sealed by the seal. A slag outflow detecting device for detecting the outflow to the other container after passing through the sealed flow pipe, wherein a rod-shaped vibration transmission means having one end contacting the surface of the sealed flow pipe; It comprises a vibration detection means attached to the other end of the rod-shaped vibration transmission means, and a vibration transmission control means provided in the middle of the rod-shaped vibration transmission means.
[0013]
The molten metal in the ladle passes through the sealed flow pipe, falls freely by gravity, and collides with the surface of the molten metal in the tundish. Due to this fluid collision, the tip of the sealed flow pipe is vibrated, and vibration is generated in the sealed flow pipe. When the slag flows out instead of the molten metal, the specific gravity of the slag is 1/3 of the specific gravity of the molten metal. The force is reduced and the vibration intensity generated in the sealed flow pipe is lower than in the case of the molten metal.
[0014]
The slag outflow detecting device of the present invention detects a slag outflow by detecting a change in the intensity of the vibration generated in the sealed flow pipe as described above. In order to detect the vibration occurring in the sealed flow pipe, it is difficult to bring the vibration detecting means into direct contact with the surface of the high-temperature sealed flow pipe. A rod-shaped vibration transmitting means made of a material is brought into contact with the surface of the sealed flow pipe, and a vibration detecting means is attached to one end of the rod-shaped vibration transmission means which does not contact the surface of the sealed flow pipe. To detect the vibration of the sealed flow pipe while ensuring the heat resistance of the vibration detecting means.
[0015]
Further, since the vibration of the sealed flow pipe is to be detected through the vibration transmitting means, the accuracy of detecting the vibration change when the slag flows out tends to deteriorate due to the influence of the transmission characteristics. Therefore, a vibration transmission control means for controlling the transmission characteristics of the vibration transmission means is provided in the middle of the vibration transmission means to prevent the detection accuracy from deteriorating.
[0016]
Since the slag outflow detection device of the present invention has the above-described configuration, it is not necessary to modify a ladle, and it is not necessary to attach a slag outflow detection device to all ladles.
[0017]
Further, since the heat resistance of the vibration detecting means is ensured, it is not necessary to frequently replace the vibration detecting means.
[0018]
Further, since the structure is such that the vibration transmitting means is merely brought into contact with the sealed flow pipe, the workability is not hindered when the ladle nozzle is replaced.
[0019]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a schematic diagram showing a state in which a slag outflow detecting device according to an embodiment of the present invention is in contact with an air seal pipe.
[0020]
1, reference numeral 1 is a slag outflow detecting device, 2 is a rod-shaped vibration transmitting means, 3 is a vibration detecting means, 4 is a vibration transmitting control means, 5 is a ladle, 6 is a slag in a ladle 5, and 7 is a ladle. 8 is a ladle nozzle, 9 is an air seal pipe, 10 is an arm for supporting the air seal pipe 9, 11 is a tundish, 12 is a dipping nozzle, and 13 is a mold.
[0021]
The slag outflow detecting device 1 includes a rod-shaped vibration transmitting means 2 having one end contacting the surface of the air seal pipe 9, a vibration detecting means 3 attached to the other end of the rod-shaped vibration transmitting means 2, and a rod-shaped vibration. And a vibration transmission control means 4 provided in the middle of the transmission means 2.
[0022]
A method for detecting that the slag 6 in the ladle 5 flows out to the tundish 11 through the air seal pipe 9 using the slag outflow detecting device 1 will be described as follows. The slag 6 floats on the surface of the molten metal 7 in the ladle 5, but when the level of the molten metal 5 drops to a certain level as the pouring into the tundish 11 proceeds, the ladle nozzle 8 The slag 6 flows out to the tundish 11 together with the molten metal 7.
[0023]
The molten metal 7 in the ladle 5 passes through the ladle nozzle 8 and the air seal pipe 9, falls freely by gravity, and collides with the molten metal surface 11 a in the tundish 11. Due to this fluid collision, the tip of the seal pipe 9 is vibrated, and vibration occurs in the air seal pipe 9. When the slag 6 flows out in place of the molten metal 7, the specific gravity of the slag 6 is 比 of the specific gravity of the molten metal 7. And the vibration intensity generated in the air seal pipe 9 is lower than that in the case of the molten metal 7.
[0024]
When detecting slag outflow using the slag outflow detection device 1 of the present invention, the vibration generated in the air seal pipe 9 is transmitted to the vibration detection means 3 via the vibration transmission means 2, and the vibration detection means 3 is transmitted. Is received over time, and when the magnitude of this signal changes significantly, it is determined that slag has flowed out.
[0025]
FIG. 2 is a sectional view showing a specific example of the slag outflow detecting device. This slag outflow detecting device supports a rod-shaped vibration transmission member 21 whose one end 21a is a vibration measurement point, a vibration sensor 22 connected to the other end 21b of the vibration transmission member 21, and an intermediate portion of the vibration transmission member 21. A cylindrical support member 23, a spring 24 inserted into the cylindrical support member 23, and an urging force applied to the spring 24 by compressing the spring 24 between an end surface 23 a of the cylindrical support member 23. And a fixing member 26 for fixing the cylindrical support member 23.
[0026]
In this slag outflow detecting device, the vibration of the air seal pipe 9 is transmitted while the vibration measuring point 21a of the rod-shaped vibration transmitting member 21 is constantly pressed against the air seal pipe 9 by the spring 24 at a constant pressure. The vibration is transmitted through the member 21 and measured by the vibration sensor 22. In this example, the spring 24 serves as a vibration transmission control means to control the transmission characteristics of the rod-shaped vibration transmission member 21 which is the vibration transmission means. However, the vibration transmission control means is not limited to this, and may be, for example, a damper. It is possible to use mechanical parts that enable vibration control, such as combinations of-and dampers and springs.
[0027]
The vibration control in the vibration sensor 22 may be performed based on the following concept.
[0028]
As shown in the vibration model diagram of FIG. 3, the rod-shaped vibration transmitting member 21 generates substantially the same vibration as the vibration at point A on the surface of the air seal pipe 9 in contact with the vibration measuring point 21a of the rod-shaped vibration transmitting member 21. In order to measure at the other end 21b of 21, first, the condition (1) must be satisfied as a condition that the vibration transmitting member 21 and the air seal pipe 9 do not separate at the point A.
k · l 0 / m> (α A ) max (1)
Where, k: spring constant l 0 of the spring 24: displacement of the spring 24 when the vibration transmitting member is pressed against the air seal pipe m: mass (α A ) of the vibration transmitting member 21 max : maximum acceleration at the point A ]
Also, in order for the vibration transmitting member 21 to move as a rigid body, the spring constant k 'of the vibration transmitting member 21 itself must satisfy the following equation (2).
k'≫k ... (2)
[0030]
Further, in order that the vibration of the vibration transmitting member 21 does not affect the vibration of the air seal pipe 9, the following expressions (3) and (4) must be satisfied.
m≪M ... (3)
Here, M: mass of the air seal pipe 9 k≪K (4)
Where K is the spring constant of the entire slag outflow detection device.
These (1) so as to satisfy - (4), the mass m of the vibration transmission member 21 may be determined spring constant k and the spring displacement l 0 of the spring 24.
[0032]
FIG. 4 is a side view showing a state in which the above-mentioned slag outflow detecting device is attached to the lower surface of the support arm 10 of the air seal pipe 9, and FIG. 4A is a view in which the air seal pipe 9 is supported by the support arm 10. The state in which the vibration transmitting member 21 is in contact with the air seal pipe 9 is shown in (b). The air transmitting pipe 21 is not supported by the support arm 10 and the vibration transmitting member 21 is moved from the air seal pipe 9. Indicates a state of being away. In this case, if the air seal pipe 9 is supported by the support arm 10, the vibration transmitting member 21 is always in contact with the air seal pipe 9, so that the support arm 10 connects the air seal pipe 9 to the air seal pipe 9. Even when moving while supporting the slag, detection of slag outflow is possible.
[0033]
FIG. 5 shows vibration transmission characteristics (dotted line) when vibration generated in the air seal pipe is measured by a vibrometer attached to the slag outflow detecting device of the present invention, and when vibration is measured by a vibrometer directly attached to the air seal pipe. 5 is a graph showing the vibration transmission characteristics (solid line) of FIG. This measurement is performed by bringing a vibration transmitting member attached to the slag outflow detecting device of the present invention into contact with a full-sized air seal pipe, and vibrating an air seal pipe to which another vibrometer is attached with a vibration device. Done.
[0034]
The curves shown by the dotted line and the solid line also show almost the same characteristics in the frequency range to be measured, and the slag outflow detecting device of the present invention for measuring vibration through the vibration transmitting member has sufficient detection performance. You can see that.
[0035]
FIGS. 6A and 6B are graphs showing a damping curve of vibration when a full-scale vibration experiment is performed, wherein FIG. 6A shows a damping curve of an air seal pipe, and FIG. 6B shows a damping curve of a support arm of the air seal pipe. Is shown.
[0036]
In this vibration experiment, the air seal pipe was randomly vibrated at a frequency of 0 to 400 Hz, and the vibration after stopping the vibration was supported. The vibration of the air seal pipe was supported by a vibrometer directly attached to the air seal pipe. The vibration of the arm was measured by a vibrometer attached to the supporting arm so that the vibration in the vertical direction could be measured.
[0037]
As is clear from FIG. 6, even after the vibration of the air seal pipe is attenuated, the vibration of the support arm continues. From this, it is difficult to measure vibration with high accuracy in a vibration measurement in which a vibration sensor is installed on a support arm of the air seal pipe, and the slag outflow detection device of the present invention is used to measure the air seal pipe. It can be seen that more accurate measurement can be obtained by measuring the vibration.
[0038]
Since the vibration generated in the support arm of the air seal pipe is mainly in the vertical direction (vertical direction) due to the supporting method, the slag outflow detecting device of the present invention is used in the vibration measurement of the air seal pipe. However, it can be seen that it is advantageous to install the vibration sensor in the horizontal direction for measurement. At this time, the vibration of the supporting arm propagates to the vibration sensor, but since the vibration direction is the vertical direction, the sensitivity of the vibration sensor mounted in the horizontal direction is small in the vertical direction. The effect that the size can be reduced can also be exhibited.
[0039]
FIGS. 7A and 7B are graphs showing the attenuation rate of vibration at the time of slag outflow. FIG. 7A shows a case where the vibration of the air seal pipe is measured using the slag outflow detection device of the present invention, and FIG. This is a case where vibration of the arm is measured by a vibrometer attached to the supporting arm (conventional method).
[0040]
The vibration damping rate at the time of slag outflow was 75% in the measurement method using the slag outflow detection device of the present invention, compared to 52% in the conventional method, and the slag outflow can be accurately measured. Was.
[0041]
【Example】
Using the slag outflow detecting device shown in FIG. 2, a slag outflow detection test in a continuous casting facility was performed for 110 chargers. In order to compare the detection performance, a detection test in which a vibration sensor was installed on the support arm 10 of the air seal pipe 9 was also performed. In this case, the support arm 10 functions as a vibration transmitting means, but this is equivalent to a case where the slag outflow is detected by a device having no vibration transmitting control means.
[0042]
Further, a method of visually detecting the slag floating on the surface 11a of the tundish 11 when the slag flows out by the operator was also performed. Then, based on the timing visually detected by the operator, the detection performance when the vibration sensor was installed on the slag outflow detecting device of the present invention or the support arm 10 of the air seal pipe 9 was evaluated.
[0043]
As a result, the detection by the slag outflow detecting device of the present invention is 5.2 seconds earlier on average than the detection timing of the operator, and the vibration sensor is installed on the support arm 10 of the air seal pipe 9. Detection was 2.1 seconds earlier on average than the operator's detection timing.
[0044]
The detection rate of the slag outflow detecting device of the present invention is 100%, and the detection rate when the vibration sensor is installed on the support arm 10 of the air seal pipe 9 is 70%. It has been found that the use of the outflow detection device enables the outflow of 100% slag to be grasped at an early timing, and the outflow of slag to the tundish can be minimized.
[0045]
【The invention's effect】
According to the present invention, the detection timing of the slag outflow is earlier than the visual detection of the operator, and the amount of the slag outflow to the tundish can be reduced, so that the quality of the cast product can be improved.
[0046]
Also, compared with the electromagnetic slag outflow detection device, the initial investment and maintenance cost can be reduced.
[0047]
Further, since the structure is such that the vibration transmitting means is merely brought into contact with the air seal pipe, workability is not hindered when the ladle nozzle is replaced.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic diagram showing a state in which a slag outflow detecting device according to an embodiment of the present invention is in contact with an air seal pipe.
FIG. 2 is a sectional view showing a specific example of a slag outflow detection device.
FIG. 3 is a vibration model diagram when performing vibration control.
FIG. 4 is a side view showing a state in which a slag outflow detecting device is attached to a lower surface of a support arm of the air seal pipe, and FIG. (B) shows a state in which the vibration transmission member is in contact with the seal pipe, and (b) shows a state in which the vibration transmission member is separated from the air seal pipe.
FIG. 5 is a graph showing a vibration transmission characteristic measured by a vibration meter attached to the slag outflow detecting device of the present invention and a vibration transmission characteristic measured by a vibration meter directly attached to an air seal pipe.
6A and 6B are graphs showing a damping curve of vibration when a full-scale vibration experiment is performed, wherein FIG. 6A is a damping curve of an air seal pipe, and FIG. 6B is a damping of a support arm of the air seal pipe. The curve is shown.
FIGS. 7A and 7B are graphs showing a damping rate of vibration at the time of slag outflow. FIG. 7A shows a case where vibration of an air seal pipe is measured using the slag outflow detecting device of the present invention, and FIG. -The vibration of the arm was measured by a vibrometer attached to the supporting arm.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Slag outflow detecting device 2 Vibration transmission means 3 Vibration detection means 4 Vibration transmission control means 21 Vibration transmission member 22 Vibration sensor
23 Support member 24 Spring 25 Stopper
26 Fixing member