JP3601046B2 - Water shielded reactor containment vessel - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉圧力容器を格納する原子炉格納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の沸騰水型原子炉(BWR)の性能向上を図るために改良型BWR(ABWR)の開発が進められている。ABWRの設計は、従来のBWRで用いられてきた圧力抑制方式を踏襲するが、円筒形にして形状を単純化したこと、および鉄筋コンクリート造にし原子炉建屋の主要構造要素としての機能を持たせたことが従来と異なる特色である。
【0003】
図4は、かかるABWRの原子炉格納容器と原子炉建屋の構成図である。円筒形の格納容器は内圧上昇に対して圧力障壁となる鉄筋コンクリート(約2m厚)と気密を維持する内張り鋼板で構成される。原子炉格納容器全体は、上部ドライウェル、下部ドライウェル、および圧力抑制室の3つの領域で構成される。
上部ドライウェルは、原子炉圧力容器(RPV)の上半分と主蒸気管,給水管など主要な配管,および雰囲気温度を調整するための空調装置を格納する。下部ドライウェルは、原子炉の下部とこれに直接取付けられるインターナルポンプのモータ部や制御駆動装置およびこれらの保守点検用サービスプラットホームを収納する。圧力抑制室は、ヒートシンクとなる大量の水を貯めるサプレッションプールとその上部空間からなる。
【0004】
上部・下部ドライウェルは、互いに連通し圧力容器から放出されるエネルギーを最初に受ける空間である。このエネルギーは複数のベント管を通してサプレッションプールに放出され吸収されるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の原子炉格納容器は、鉄筋コンクリート製であるため、コンクリートが凝固する時間を確保する必要があり、建設工期が長くなるという問題点があった。また、多量のコンクリートを使用するため建設費が嵩むという問題点があった。さらに、原子炉格納容器が過度の熱影響を受けた場合の冷却手段がないため、原子炉格納容器を頑強に建設しなければならず、建設工期が冗長となり、建設費も嵩むという問題点があった。
【0006】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、従来の鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器と同等の放射線遮蔽効果を有するとともに、建設工期が短縮でき、建設費が削減できる原子炉格納容器を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、内部に原子炉圧力容器を格納し、内圧上昇時の内圧に耐え、かつ気密性を保持する二重鋼板壁を有し、その二重鋼板壁に設けられた注水口から内部に遮蔽用の水が充填される、上記注水口にはサイホンが連設され、そのサイホンの先端が原子炉格納容器の上部に設けられた機器仮置プールに浸漬しており、さらに上記二重鋼板壁または上記サイホンに遮蔽用の水を補給する配管が接続されている、ことを特徴とする水遮蔽原子炉格納容器が提供される。
【0008】
上述の本発明の構成によれば、原子炉格納容器が二重鋼板壁で構成されるので、間隔を隔てた2枚の比較的薄い鋼板により、十分大きな内圧に耐え、かつ気密性を保持することができ、その二重鋼板壁の内部に遮蔽用の水を充填することにより、従来の鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器と同等の放射能遮蔽効果を発揮させることができる。したがって、原子炉格納容器の建設にコンクリートを使用する必要がなく、建設工期が短縮され、建設費を削減することができる。さらに、原子炉格納容器の冷却手段としての効果を発揮することもできる。また、遮蔽用の水が蒸発するほどに原子炉格納容器が過度の熱影響を受けた場合であっても、二重鋼板壁の内部に遮蔽用の水がなくなることがなく、しかも冷却効果を高めることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を図1から図3を参照して説明する。なお、従来と同様の部分の説明は省略する。
【0012】
図1は、本発明による水遮蔽原子炉格納容器の断面図である。図に示すように、本発明の水遮蔽原子炉格納容器は内殻2bおよび外殻2aからなる二重鋼板壁2を有している。この外殻2aおよび内殻2bには、二重鋼板壁2の曲げ剛性を高めるためのスティフナ(図示せず)が取付けられており、内部に原子炉圧力容器1を格納し、内圧上昇時の内圧に耐え、かつ気密性を保持するようになっている。さらに、二重鋼板壁2の外殻2aには注水口3が設けられており、二重鋼板壁2の内部に遮蔽用の水が充填されるようになっている。通常は、その注水口3に設けられた注水口ロック9により密封されている。
【0013】
一般に、水の放射線遮蔽能力はコンクリートの遮蔽能力とほぼ同等であることが知られており、コンクリートの代替物として水を使用しても、原子炉格納容器の壁の厚さを変更する必要がない。さらに、コンクリートのように凝固するまでの時間を確保する必要がなく、容易に入手することができ、しかも安価である。したがって、原子炉格納容器の建設工期を短縮することができ、建設費を削減することもできる。
【0014】
なお、図1において、10は下部ドライウェルアクセストンネル、11は上部ドライウェル機器搬入用ハッチ、12は上部ドライウェル所員用エアロック、13はサプレッションチャンバ出入口、14は下部ドライウェル所員用エアロック、15は下部ドライウェル機器搬入用ハッチ、16は真空破壊弁、17は原子炉遮蔽壁、18は原子炉格納容器底部であるが、本発明はこの配置に限定されるものではない。
【0015】
図2および図3は、上述の水遮蔽原子炉格納容器において遮蔽用の水の補給ラインを設けたものであり、遮蔽用の水4が蒸発するほどに原子炉格納容器が過度の熱影響を受けた場合に対処することができるものである。
【0016】
図2はその第一の実施の形態を示し、注水口3にはサイホン5が連設され、そのサイホン5の先端が原子炉格納容器の上部に設けられた機器仮置プール6に浸漬しており、さらに機器仮置プール6と二重鋼板壁2とがバルブ19を介して配管7により接続されている。このような構成により、遮蔽用の水4が蒸発するほどに原子炉格納容器が過度の熱影響を受けた場合であっても、その蒸気はサイホン5から機器仮置プール6に冷却されて回収され、さらにバルブ19を開放することにより、機器仮置プール6内の水を遮蔽用の水4として二重鋼板壁2内に補給することができる。さらに、遮蔽用の水4として常温の水を補給することができるため、冷却効果をも発揮することができる。なお、冷却効果を高めるなどのため、遮蔽用の水4の補給水として機器仮置プール6内の水ではなく、別途、補給水用プールを設置してもよいし、配管のライン中にポンプを設けて積極的に補給水を送り込むようにしてもよい。
【0017】
図3はその第二の実施の形態を示し、注水口3にサイホン5が連設され、そのサイホン5の先端が原子炉格納容器の上部に設けられた機器仮置プール6に浸漬しており、さらにサイホン5の途中に水を補給するための配管8がバルブ20を介して接続されている。このような構成により、遮蔽用の水4が蒸発するほどに原子炉格納容器が過度の熱影響を受けた場合であっても、バルブ20を開放することにより、蒸気を冷却しつつ二重鋼板壁2内に水を補給することができ、原子炉格納容器を冷却することもできる。
【0018】
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、二重鋼板壁の外殻に遮蔽用の水のドレンラインを設けるなど本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿論である。
【0019】
【発明の効果】
上述した本発明の水遮蔽原子炉格納容器によれば、従来の鉄筋コンクリート製の原子炉格納容器と同等の放射線遮蔽効果を有するとともに、原子炉格納容器の建設にコンクリートを使用する必要がなく、建設工期が短縮され、建設費を削減することができる。さらに、原子炉格納容器の冷却手段としての効果を発揮することもできる、などの優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による水遮蔽原子炉格納容器の断面図である。
【図2】遮蔽用の水の補給ラインを設けた水遮蔽原子炉格納容器の第一の実施の形態を示す図である。
【図3】遮蔽用の水の補給ラインを設けた水遮蔽原子炉格納容器の第二の実施の形態を示す図である。
【図4】従来のABWRの原子炉格納容器と原子炉建屋の構成図である。
【符号の説明】
1 原子炉圧力容器
2 二重鋼板壁
2a 外殻
2b 内殻
3 注水口
4 遮蔽用の水
5 サイホン
6 機器仮置プール
7,8 配管
9 注水口ロック
10 下部ドライウェルアクセストンネル
11 上部ドライウェル機器搬入用ハッチ
12 上部ドライウェル所員用エアロック
13 サプレッションチャンバ出入口
14 下部ドライウェル所員用エアロック
15 下部ドライウェル機器搬入用ハッチ
16 真空破壊弁
17 原子炉遮蔽壁
18 原子炉格納容器底部
19,20 バルブ[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a containment vessel for storing a reactor pressure vessel.
[0002]
[Prior art]
In order to improve the performance of a conventional boiling water reactor (BWR), the development of an improved BWR (ABWR) is underway. The design of the ABWR follows the pressure suppression method used in the conventional BWR, but the cylindrical shape has been simplified and the structure has been made reinforced concrete to function as the main structural element of the reactor building. This is a different feature from the past.
[0003]
FIG. 4 is a configuration diagram of the reactor containment vessel and the reactor building of the ABWR. The cylindrical containment vessel is made of reinforced concrete (about 2 m thick) that acts as a pressure barrier against an increase in internal pressure and a lined steel sheet that maintains airtightness. The entire reactor containment vessel is composed of three regions: an upper drywell, a lower drywell, and a suppression chamber.
The upper drywell houses an upper half of a reactor pressure vessel (RPV), main piping such as a main steam pipe and a water supply pipe, and an air conditioner for adjusting an ambient temperature. The lower drywell houses the lower part of the reactor, the motor part and the control drive unit of the internal pump directly attached to the lower part, and the service platform for maintenance and inspection thereof. The pressure suppression chamber includes a suppression pool that stores a large amount of water serving as a heat sink and a space above the suppression pool.
[0004]
The upper and lower drywells are spaces that communicate with each other and initially receive the energy released from the pressure vessel. This energy is released and absorbed into the suppression pool through a plurality of vent pipes.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
Since the above-mentioned conventional containment vessel is made of reinforced concrete, it is necessary to secure time for the concrete to solidify, and there has been a problem that the construction period is long. In addition, there is a problem that construction costs increase because a large amount of concrete is used. Furthermore, since there is no cooling means when the containment vessel is affected by excessive heat, the containment vessel must be constructed robustly, and the construction period becomes redundant and construction costs increase. there were.
[0006]
The present invention has been made to solve such a problem. That is, an object of the present invention is to provide a nuclear reactor containment vessel having a radiation shielding effect equivalent to that of a conventional reactor vessel made of reinforced concrete, shortening the construction period, and reducing construction costs.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
According to the present invention, the reactor pressure vessel is housed therein, withstands the internal pressure when the internal pressure rises, and has a double steel plate wall that maintains airtightness, from a water inlet provided on the double steel plate wall. A siphon is continuously connected to the water inlet, which is filled with shielding water , and the tip of the siphon is immersed in a temporary storage pool provided at the upper part of the reactor containment vessel. A water shielding reactor containment vessel is provided, wherein a pipe for supplying water for shielding is connected to the heavy steel plate wall or the siphon .
[0008]
According to the configuration of the present invention described above, since the containment vessel is constituted by the double steel plate walls, the two relatively thin steel plates spaced apart withstand a sufficiently large internal pressure and maintain airtightness. By filling the inside of the double steel plate wall with water for shielding, a radiation shielding effect equivalent to that of a conventional reinforced concrete reactor containment vessel can be exerted. Therefore, it is not necessary to use concrete for the construction of the containment vessel, so that the construction period is shortened and the construction cost can be reduced. Further, the effect as a cooling means of the containment vessel can be exhibited. Also, even if the reactor containment vessel is excessively affected by heat such that the shielding water evaporates, the shielding water does not run out inside the double steel plate wall, and the cooling effect is reduced. Can be enhanced.
[0011]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, a preferred embodiment of the present invention will be described with reference to FIGS. The description of the same parts as those in the related art is omitted.
[0012]
FIG. 1 is a sectional view of a water-shielded reactor containment vessel according to the present invention. As shown in the figure, the water-shielded reactor containment vessel of the present invention has a double
[0013]
In general, it is known that the radiation shielding capacity of water is almost equivalent to that of concrete, and even if water is used as a substitute for concrete, it is necessary to change the thickness of the reactor containment wall. Absent. Further, there is no need to secure time until solidification like concrete, and it is easily available and inexpensive. Therefore, the construction period of the containment vessel can be shortened, and the construction cost can be reduced.
[0014]
In FIG. 1, 10 is a lower drywell access tunnel, 11 is a hatch for carrying in an upper drywell device, 12 is an airlock for upper drywell personnel, 13 is a suppression chamber doorway, 14 is an airlock for lower drywell personnel,
[0015]
FIG. 2 and FIG. 3 show a case where a water supply line for shielding is provided in the above-mentioned water shielded reactor containment vessel, and the reactor containment vessel exerts an excessive heat influence so that the
[0016]
FIG. 2 shows a first embodiment of the present invention, in which a
[0017]
FIG. 3 shows a second embodiment of the present invention, in which a siphon 5 is connected to the
[0018]
It should be noted that the present invention is not limited to the above-described embodiment, and it is needless to say that various changes can be made without departing from the gist of the present invention, such as providing a water drain line for shielding on the outer shell of the double steel plate wall.
[0019]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to the water shielding reactor containment vessel of this invention mentioned above, while having a radiation shielding effect equivalent to the conventional reinforced concrete reactor containment vessel, it is not necessary to use concrete for construction of a reactor containment vessel, The construction period is shortened, and construction costs can be reduced. Further, the present invention has an excellent effect that it can exhibit the effect as a cooling means of the containment vessel.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a sectional view of a water-shielded reactor containment vessel according to the present invention.
FIG. 2 is a view showing a first embodiment of a water shielding reactor containment vessel provided with a shielding water supply line.
FIG. 3 is a view showing a second embodiment of the water-shielded reactor containment vessel provided with a shielding water supply line.
FIG. 4 is a configuration diagram of a reactor containment vessel and a reactor building of a conventional ABWR.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
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