【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、天然材料または合成材料、例えば紙、パルプ或いはアクリル等の繊維を着色するのに有用なカチオン染料及び染色方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
繊維材料、皮革、紙、パルプ等基材の染色及び捺染には数多くの染料(例えば特公昭63−60793,特公平3−2191公報など)が使用されている。しかしながら染色性(染色速度、染着性等)において満足できるものは少ない。特に紙及びパルプ等で鮮明な染色物を得るにあたって、従来の染料は染色速度および染着率等において満足できるものは少ない。特に紙及びパルプ等の鮮明な染色物を得るにあたって従来の染料は染着速度及び染着率が小さいために染色効率上問題があり、加えて染色物の水堅ろう度においても満足する結果が得られなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
染色時間の短縮及び環境保全の点から染着速度及び染着率が高く染色廃水が無色に近くなり、また得られた染色物の水堅ろう度が良好である染料の開発が望まれてきた。
【0004】
【課題を解決するための手段】
基材例えば、繊維材料、皮革、紙、パルプ等の染色及び捺染を実施するに当たり、染色速度が高く、高い染着率を示し優れた水堅ろう度をもつ鮮明な染料を見いだすべく鋭意研究した結果、本発明に至ったものである。
すなわち本発明は、下記一般式(1)
【0005】
【化3】
(式中、R1 、R2 はC1 〜6 のアルキル基を表し、Y− はアニオンを表す。)で表わされるカチオン染料およびそれを用いる基材の染色法を提供するものである。
【0006】
本発明による染料の構造的特徴は一般式(1)で示される様にカチオン化されたピペラジンに発色団が2分子付いているために、パルプでの染着力がさらに強くなり、染着率、染着速度を飛躍的に改善することが出来た。
【0007】
本発明の一般式(1)で表わされるカチオン染料は、まず一般式(2)で表わされる中間体化合物
【0008】
【化4】
(式中、R1 、R2 はC1 〜6 のアルキル基を表わす。)
を合成し、
【0009】
その中間体化合物にジメチル硫酸のようなアルキル化剤を反応させて、カチオン化する2工程よりなっている。
【0010】
その中間体化合物の合成については、一般式(3)で表わされるアルデヒド化合物
【0011】
【化5】
(式中、R1 、R2 はC1 〜6 のアルキル基を表わす。)と次式で表わされる化合物、
【0012】
【化6】
を有機溶媒中で塩基性触媒の存在下で縮合させる方法、或いは一般式(4)で表わされる酸クロライド化合物
【0013】
【化7】
(式中、R1 、R2 はC1 〜6 のアルキル基を表わす。)と次式で表わされる化合物、
【化8】
を有機溶媒中で脱酸剤の存在下に縮合させて得る事が出来る。
【0014】
反応に使用される有機溶媒の例としては、トルエン、クロルベンゼンの様なベンゼン系溶媒、テトラハイドロフラン、ジオキサンの様なエーテル系溶媒、ヘキサン、シクロヘキサンの様なアルキル系溶媒、ジクロロエタン、クロロホルムの様なハロゲン化アルキル系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホオキサイドの様な極性溶媒を挙げる事ができる。
【0015】
反応に使用される塩基性触媒の例としては、ピリジン、ピペラジン、キノリン、モルホリン等が挙げられる。
【0016】
又、反応に使用される脱酸剤はトリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアニリン等の一般的3級アミンを挙げることができる。
【0017】
メチル化剤としてはジメチル硫酸、ヨウ化メチル等を挙げることができる。
【0018】
縮合反応終了後この新規カチオン染料は、場合によっては反応触媒から分離される。また必要によっては一般式(1)のカチオン染料のアニオンは公知の方法(たとえば特公昭39−4879号公報)により水溶解性良好な他のアニオンに置換することもできる。
【0019】
次に本発明の一般式(1)のカチオン染料による基材の染色法について述べる。この新規カチオン染料は、繊維材料、皮革、パルプおよび紙の染色に用いる染料として、またそれら基材の捺染に用いるカラーインキの調製のため色素材として使用でき、更にガラスあるいは透明な合成樹脂フィルム上に設けられたゼラチン、カゼイン等の天然蛋白質あるいは含窒素光硬化性樹脂の薄膜を着色するためにも用いることができ、それらはカラーフィルターとしても有用である。ゼラチン、カゼイン等の天然蛋白質あるいは含窒素光硬化性樹脂からなる薄膜は常法により例えばギ酸、酢酸、塩酸等で酸性に調製された水性浴から30〜100℃の温度で着色される。
【0020】
繊維材料としてはカチオン染料で染色できる材料、例えばアクリルニトリルのホモ重合体および混合重合体、酸改質されたポリエステルおよびポリアミドなどの天然含窒素繊維、セルローズを含む材料例えば木綿、再生セルローズ繊維、ポリビニルアルコール繊維等があげられる。
【0021】
本発明の新規カチオン染料によるこれら繊維材料の染色は常法により好ましくは中性ないし酸性水媒質中からの常圧又は加圧による吸収染法あるいは水性インキによるスプレー塗工、パデイングおよびプリントなどの連続染色によって実施される。この場合の繊維材料の形態は単繊維およびその膠着物、糸、布、編物および完成品である。
これら染色物および捺染物はすぐれた染色堅ろう性を有し、特にきわめて高い染着率とすぐれた水堅ろう度を示す。
【0022】
さらに本新規カチオン染料の好ましい用途は各種のパルプおよび紙、とくに漂白または未漂白でサイジングされていないまたはサイジングされた紙類の染色である。この新規カチオン染料はサイジング処理を施していないパルプおよび紙(ナプキン、テーブルクロス、衛生紙など)に対しても非常に大きい染着速度ならびに非常に高い染着率を示す。この高い染着はその染色廃水を無色に近いものとし、廃水規制および環境保全上からもきわめて大きな利点といえる。
【0023】
染色はpH値4〜8、ことに5〜7、染色温度10〜50℃、好ましくは15〜30℃で行われる。そして得られた染色物は高いカラーバリューでかつ鮮明であり、すぐれた染色堅ろう性を示す。とくに耐水堅ろう度については、たとえば染色された紙と湿潤した白紙を常温下で加圧接触させても染色紙から白紙に転染(にじみ出し)はほとんどみられず、ミョーバン、アルカリ、酸、アルコールに対してもすぐれた堅ろう性を示すことから、ナプキン、テーブルクロスおよび衛生紙など色のにじみ出しのとくに心配される紙の用途分野にきわめて好適である。本新規カチオン染料による染料は紙に対しきわめて高い親和性を有しかつ染着速度も大きいことから、紙の連続染色およびジェットプリンター用インキにも適用でき、なをかつ、皮革の染色(スプレー、ハケ塗り、浸漬など)にも使用できる。
【0024】
【実施例】
次に実施例により本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
【0025】
実施例1
中間体の合成
【化9】
ビス(2−シアノメチルカルボニルオキシエチル)ピペラジン3.08g(0.01モル)と4−ジエチルアミノベンツアルデヒド3.54g(0.02モル)をトルエン60mlに分散させ、触媒としてピリジン0.2mlを加え、リフラックスを行った。この時に水分離器をセットし、水の留出量で反応をチェックした。2時間反応を行い、冷却後、析出した結晶をろ過、乾燥して黄色結晶5.01gを得た。赤外分析の結果、−CN 2214cm−1,>C=O 1701cm−1であり、融点は、206〜208°であった。
【0026】
なお、ビス(2−シアノメチルカルボニルオキシエチル)ピペラジンの合成は下記の方法により行った。
ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン8.71g(0.05モル)とシアノ酢酸メチルエステル12.39g(0.125モル)をシクロヘキサン150mlに分散し、リフラックスを4時間行った。この時、反応によって生成したメタノールは分離器を使用して分離した。反応終了後、生成物はろ過、乾燥して、14.80gの目的物を得た。赤外分析の結果、−CN 2218cm−1,>C=O 1715cm−1
【0027】
実施例2
中間体の合成
【化10】
ビス(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン1.74g(0.01モル)とトリエチルアミン2.23g(0.022モル)をジクロルメタン40mlに溶解し、10℃以下に冷却しながら、ジクロルメタン20mlに溶解した4−ジエチルアミノ−α−シアノシンナモイルクロライド5.26g(0.02モル)を滴下した。滴下後、リフラックスを2時間行った。冷却後、ジクロルメタンを回収し、残渣に水200mlを加え、ろ過、乾燥して5.81gの目的物を得た。融点206〜208℃であった。
【0028】
実施例3
目的物の合成
【化11】
式(10)の化合物6.27g(0.01モル)をクロロホルム60mlに50℃まで加温して溶解させ、同温度でジメチル硫酸1.51g(0.012モル)を滴下した。滴下後、60℃で2時間反応を行った。冷却後、10%食塩水100mlを加え、クロロホルム層を分液、脱水後、クロロホルムを回収、乾燥して、上記構造式で示される最大吸収波長(λmax)433.0nmの黄色染料6.75gを得た。
【0029】
実施例4
未漂白亜硫酸パルプ50%および機械パルプ50%からなる乾燥材料をビーター(Beater)中で水を用いて40SRフリーネス(Freeness)にこう解し、パルプ含有量3%になるよう水で調製する。この調製液100部に実施例3で得られたカチオン染料0.03部および酢酸0.02部を加える。この混合物を約5分間攪拌しロジンサイズ0.03部および結晶硫酸アルミニウム0.06部を加え、ひき続き5分間攪拌し、更にこの液に水400部を加えて希釈し、これをシーター(sheeter)上で常法により抄紙した。この場合、抄紙廃水の染料による着色はほとんどみとめられず得られた着色紙はきわめて鮮明な黄色を示し、良好な耐光及びすぐれた耐水堅ろう度を示した。
【0030】
比較例1
実施例3で使用した染料の代りに次の構造式
【化12】
で示される染料を使用する以外は実施例4と同様の方法で抄紙染色したが、抄紙廃水にかなりの着色が見られ、着色紙もかなり薄い着色であった。
【0031】
実施例5
植物タンニンでなめした豚革100部を、水250部および実施例3で得られたカチオン染料0.2部からなる50℃の浴に入れて30分間攪拌し、次いで同じ浴で、スルホン化鯨油を主成分とするアニオン油脂液10部で60分間処理する。次に常法により乾燥し、黄色の染色革を得た。この染色革は洗濯堅ろう度は非常に良好であった。
【0032】
以下実施例6〜9で得られた染料を表1に示す。染料の構造、紙を染色した時の色相、およびλmaxを示した。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】
本発明によって得られたカチオン染料は、基材に対する染着速度および染着率がきわめて高く、かつ得られた染色又は着色基材の水堅ろう度が良好であった。[0001]
[Industrial applications]
The present invention relates to cationic dyes and dyeing methods useful for coloring fibers of natural or synthetic materials such as paper, pulp or acrylic.
[0002]
[Prior art]
Numerous dyes (for example, JP-B-63-60793, JP-B-3-2191) are used for dyeing and printing substrates such as fiber materials, leather, paper, and pulp. However, there are few satisfactory dyeing properties (dying speed, dyeing property, etc.). In particular, in obtaining clear dyeing on paper, pulp, and the like, there are few conventional dyes that are satisfactory in dyeing speed, dyeing rate, and the like. In particular, in obtaining clear dyeings such as paper and pulp, the conventional dyes have a problem in dyeing efficiency due to low dyeing speed and dyeing rate, and in addition, satisfactory results are obtained in the waterfastness of dyeings. I couldn't.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
From the viewpoints of shortening the dyeing time and protecting the environment, it has been desired to develop a dye having a high dyeing speed and a high dyeing rate, making the dyeing wastewater almost colorless, and having a good water fastness of the dyed product obtained.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
In conducting dyeing and printing of base materials, for example, fiber materials, leather, paper, pulp, etc., results of intensive studies to find clear dyes having high dyeing speed, high dyeing rate and excellent water fastness. This has led to the present invention.
That is, the present invention provides the following general formula (1)
[0005]
Embedded image
(Wherein, R 1, R 2 represents an alkyl group of C 1 ~ 6, Y - represents an anion.) There is provided a process for dyeing cationic dye and base material used it is represented by.
[0006]
The structural characteristic of the dye according to the present invention is that, as shown by the general formula (1), cationized piperazine has two chromophores, so that the dyeing power on pulp is further increased, The dyeing speed could be dramatically improved.
[0007]
First, the cationic dye represented by the general formula (1) of the present invention is an intermediate compound represented by the general formula (2):
Embedded image
(Wherein, R 1, R 2 represents an alkyl group of C 1 ~ 6.)
And synthesize
[0009]
It comprises two steps of reacting the intermediate compound with an alkylating agent such as dimethyl sulfate to cationize it.
[0010]
Regarding the synthesis of the intermediate compound, an aldehyde compound represented by the general formula (3)
Embedded image
(Wherein, R 1, R 2 represents an alkyl group of C 1 ~ 6.) And is expressed by the following compounds,
[0012]
Embedded image
By condensation in an organic solvent in the presence of a basic catalyst, or an acid chloride compound represented by the general formula (4):
Embedded image
(Wherein, R 1, R 2 represents an alkyl group of C 1 ~ 6.) And is expressed by the following compounds,
Embedded image
Can be condensed in an organic solvent in the presence of a deoxidizing agent.
[0014]
Examples of organic solvents used in the reaction include benzene solvents such as toluene and chlorobenzene, ether solvents such as tetrahydrofuran and dioxane, alkyl solvents such as hexane and cyclohexane, and dichloroethane and chloroform. Polar solvents such as halogenated alkyl solvents, dimethylformamide and dimethylsulfoxide.
[0015]
Examples of the basic catalyst used in the reaction include pyridine, piperazine, quinoline, morpholine and the like.
[0016]
Examples of the deoxidizing agent used in the reaction include general tertiary amines such as triethylamine, pyridine and N, N-dimethylaniline.
[0017]
Examples of the methylating agent include dimethyl sulfate and methyl iodide.
[0018]
After the completion of the condensation reaction, the novel cationic dye is optionally separated from the reaction catalyst. If necessary, the anion of the cationic dye represented by the general formula (1) can be replaced with another anion having good water solubility by a known method (for example, Japanese Patent Publication No. 39-4879).
[0019]
Next, a method of dyeing a substrate with the cationic dye of the general formula (1) of the present invention will be described. The new cationic dyes can be used as dyes for dyeing fiber materials, leather, pulp and paper, and as color materials for preparing color inks for printing on these substrates, and can be used on glass or transparent synthetic resin films. Can also be used to color thin films of natural proteins such as gelatin and casein or nitrogen-containing light-curable resins provided on the market, and they are also useful as color filters. A thin film made of a natural protein such as gelatin or casein or a nitrogen-containing photocurable resin is colored by a conventional method at a temperature of 30 to 100 ° C. from an aqueous bath prepared acidic with, for example, formic acid, acetic acid, hydrochloric acid or the like.
[0020]
Examples of the fiber material include materials that can be dyed with a cationic dye, for example, homopolymers and mixed polymers of acrylonitrile, natural nitrogen-containing fibers such as acid-modified polyester and polyamide, materials containing cellulose such as cotton, regenerated cellulose fibers, and polyvinyl. Alcohol fibers and the like.
[0021]
The dyeing of these fiber materials with the novel cationic dye of the present invention is carried out by a conventional method, preferably by an absorption dyeing method at normal pressure or pressure from a neutral or acidic aqueous medium, or by continuous coating such as spray coating, padding and printing with an aqueous ink. Performed by staining. The form of the fiber material in this case is a single fiber and its glue, thread, cloth, knit and finished product.
These dyeings and prints have excellent dyefastness, in particular exhibit very high dyeing rates and excellent waterfastness.
[0022]
A further preferred use of the novel cationic dyestuffs is in the dyeing of various pulp and paper, especially bleached or unbleached unsized or sized papers. The new cationic dyes also exhibit a very high dyeing rate and a very high dyeing rate on unsized pulp and paper (napkins, tablecloths, sanitary papers, etc.). This high dyeing makes the dyeing wastewater almost colorless, which is an extremely great advantage in terms of wastewater regulation and environmental conservation.
[0023]
Dyeing is carried out at a pH value of 4-8, especially 5-7, at a dyeing temperature of 10-50 ° C, preferably 15-30 ° C. The resulting dyed product is of high color value and vivid, and exhibits excellent color fastness. Regarding the waterfastness, for example, when dyed paper and wet white paper are brought into contact under pressure at room temperature, almost no transfer dyeing (bleeding) from the dyed paper to white paper is observed, and alum, alkali, acid, alcohol It is also very suitable for paper applications such as napkins, tablecloths and sanitary paper, which are particularly concerned with color bleeding. The dyes of the new cationic dyes have a very high affinity for paper and a high dyeing rate, so they can be applied to continuous dyeing of paper and inks for jet printers. Brushing, dipping, etc.).
[0024]
【Example】
Next, the present invention will be described in more detail with reference to Examples, but it should not be construed that the invention is limited thereto.
[0025]
Example 1
Synthesis of intermediate
3.08 g (0.01 mol) of bis (2-cyanomethylcarbonyloxyethyl) piperazine and 3.54 g (0.02 mol) of 4-diethylaminobenzaldehyde were dispersed in 60 ml of toluene, and 0.2 ml of pyridine was added as a catalyst. , Reflux. At this time, a water separator was set, and the reaction was checked based on the amount of distilled water. The reaction was carried out for 2 hours, and after cooling, the precipitated crystals were filtered and dried to obtain 5.01 g of yellow crystals. As a result of infrared analysis, it was -CN 2214 cm -1 ,> C = O 1701 cm -1 , and the melting point was 206 to 208 °.
[0026]
The synthesis of bis (2-cyanomethylcarbonyloxyethyl) piperazine was performed by the following method.
8.71 g (0.05 mol) of bis (2-hydroxyethyl) piperazine and 12.39 g (0.125 mol) of methyl cyanoacetate were dispersed in 150 ml of cyclohexane, and refluxed for 4 hours. At this time, methanol generated by the reaction was separated using a separator. After the completion of the reaction, the product was filtered and dried to obtain 14.80 g of the desired product. As a result of infrared analysis, -CN 2218 cm -1 ,> C = O 1715 cm -1
[0027]
Example 2
Synthesis of Intermediate
1.74 g (0.01 mol) of bis (2-hydroxyethyl) piperazine and 2.23 g (0.022 mol) of triethylamine were dissolved in 40 ml of dichloromethane, and the solution was dissolved in 20 ml of dichloromethane while cooling to 10 ° C. or lower. 5.26 g (0.02 mol) of diethylamino-α-cyanocinnamoyl chloride was added dropwise. After the dropping, reflux was performed for 2 hours. After cooling, dichloromethane was recovered, and 200 ml of water was added to the residue, followed by filtration and drying to obtain 5.81 g of the desired product. Melting point: 206-208 ° C.
[0028]
Example 3
Synthesis of the target compound
6.27 g (0.01 mol) of the compound of the formula (10) was dissolved in 60 ml of chloroform by heating to 50 ° C., and 1.51 g (0.012 mol) of dimethyl sulfate was added dropwise at the same temperature. After the dropwise addition, the reaction was performed at 60 ° C. for 2 hours. After cooling, 100 ml of 10% saline was added, the chloroform layer was separated and dehydrated. The chloroform was recovered and dried to give 6.75 g of a yellow dye having a maximum absorption wavelength (λmax) of 433.0 nm represented by the above structural formula. Obtained.
[0029]
Example 4
The dry material, consisting of 50% unbleached sulphite pulp and 50% mechanical pulp, is digested to 40SR Freeness with water in a Beater and prepared with water to a pulp content of 3%. 0.03 part of the cationic dye obtained in Example 3 and 0.02 part of acetic acid are added to 100 parts of the preparation. The mixture was stirred for about 5 minutes, 0.03 parts of rosin size and 0.06 parts of crystalline aluminum sulfate were added, followed by stirring for 5 minutes, and further, 400 parts of water was added to the liquid to dilute it. ) Was made by a conventional method. In this case, the coloring of the papermaking wastewater with the dye was hardly observed, and the resulting colored paper showed a very clear yellow color, and showed good light fastness and excellent water fastness.
[0030]
Comparative Example 1
Instead of the dye used in Example 3, the following structural formula:
The papermaking dyeing was carried out in the same manner as in Example 4 except that the dye represented by the following formula was used. However, the papermaking wastewater was considerably colored, and the colored paper was also considerably lightly colored.
[0031]
Example 5
100 parts of pig leather tanned with vegetable tannins are placed in a 50 ° C. bath consisting of 250 parts of water and 0.2 parts of the cationic dye obtained in Example 3 and stirred for 30 minutes, and then in the same bath sulfonated whale oil Is treated for 60 minutes with 10 parts of an anionic oil / fat solution containing as a main component. Next, it was dried by a conventional method to obtain a yellow dyed leather. This dyed leather had very good fastness to washing.
[0032]
The dyes obtained in Examples 6 to 9 are shown in Table 1. The structure of the dye, the hue when the paper was dyed, and λmax are shown.
[0033]
[Table 1]
[0034]
【The invention's effect】
The cationic dye obtained according to the present invention had a very high dyeing speed and dyeing rate on a substrate, and the obtained dyed or colored substrate had good water fastness.