JP3598095B2 - マイクロアトマイザーの駆動部品および該アトマイザーの製造方法 - Google Patents

マイクロアトマイザーの駆動部品および該アトマイザーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3598095B2
JP3598095B2 JP2001516676A JP2001516676A JP3598095B2 JP 3598095 B2 JP3598095 B2 JP 3598095B2 JP 2001516676 A JP2001516676 A JP 2001516676A JP 2001516676 A JP2001516676 A JP 2001516676A JP 3598095 B2 JP3598095 B2 JP 3598095B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diaphragm
micro
holder
liquid
atomized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001516676A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003507168A (ja
Inventor
シュヌップ、ラルフ
トーマス、ジョクセン
Original Assignee
フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン filed Critical フラウンホーファー−ゲゼルシャフト・ツール・フェルデルング・デル・アンゲヴァンテン・フォルシュング・アインゲトラーゲネル・フェライン
Publication of JP2003507168A publication Critical patent/JP2003507168A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3598095B2 publication Critical patent/JP3598095B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B05SPRAYING OR ATOMISING IN GENERAL; APPLYING FLUENT MATERIALS TO SURFACES, IN GENERAL
    • B05BSPRAYING APPARATUS; ATOMISING APPARATUS; NOZZLES
    • B05B17/00Apparatus for spraying or atomising liquids or other fluent materials, not covered by the preceding groups
    • B05B17/04Apparatus for spraying or atomising liquids or other fluent materials, not covered by the preceding groups operating with special methods
    • B05B17/06Apparatus for spraying or atomising liquids or other fluent materials, not covered by the preceding groups operating with special methods using ultrasonic or other kinds of vibrations
    • B05B17/0607Apparatus for spraying or atomising liquids or other fluent materials, not covered by the preceding groups operating with special methods using ultrasonic or other kinds of vibrations generated by electrical means, e.g. piezoelectric transducers

Landscapes

  • Special Spraying Apparatus (AREA)
  • Micromachines (AREA)
  • Apparatuses For Generation Of Mechanical Vibrations (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電的に作動するマイクロアトマイザー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術と課題】
液状媒体をアトマイズする要素、即ち、アトマイザーは、以下のような幅広い技術分野で利用されている。例えば、霧状のヘアスプレーや香水を扱うコスメティック産業や薬剤スプレーなどを扱う医学分野、また、ニスや接着剤などをアトマイズする種々のコーティング技術に関連していえば、液体反応物をアトマイズする化学分野やルームエアー加湿器などの家庭内用工学技術分野などがある。
【0003】
現在使用されているアトマイザーの多くは、液体が適当な形とサイズのバルブを通じて機械的に発生させられる過圧により押し上げられるという機械によるアトマイゼーションで動いている。このことは媒体物、つまりアトマイズされるべき液体が小滴の形で放出され、ほとんどの場合統計的に分配され、薄霧を形成するという効果を有する。必要な過圧は例えば香水のアトマイザーでは手動によりポンプで汲み出す過程で作られ、あるいは、ヘアスプレーでは例えば高圧ガスなど過剰な圧力を蓄え、それを使用することにより作られる。
【0004】
上記の機械的なシステムに加えて、電気的に駆動されるネブライザーもまた存在する。この電気的に駆動されるネブライザーは電気的に振動させられる圧電性基板に基づいている。この工程が進むにつれて、圧電性基板の表面にある液体が、波動によってアトマイズされる。
【0005】
R.パネヴァ他によって著された「マイクロメカニック超音波液体ネブライザー」では、765〜767ページのセンサーとアクチュエーターA62(1997)の箇所で、圧電性アトマイザーにおいて薄いシリコンのダイヤフラムが圧電性Zn0層によって振動させられていると述べられている。つまりこの工程が進むにつれて、液体が薄いシリコンのダイヤフラムによってアトマイズされる。この刊行物で述べられているアトマイザーは、振動数が80〜86.5kHzの時に稼動し、きわめて直径のサイズが異なる液滴を作る。
【0006】
現存する圧電性機械のシステム全ては、液滴の直径が広範囲にわたって種々に変動するため、その限りにおいて1つの大きな不具合を有している。特に応用医学においてこの不具合は深刻な問題である。液滴の直径が約1〜5μmの場合、液滴は肺によって吸い取ることしかできない。このことに関しては全ての既存のシステムがある程度しか成し遂げていないため、その結果商業的に入手可能なアトマイザーが多くて10〜15%までしか有効性を示していないのである。つまり、既存のアトマイザーが使用される場合、その患者にとって必要な薬剤の量がその患者の肺に届くように、その薬剤の10倍もの容量のものがアトマイズされなければならない。加えて、個々の投薬する工程においてアトマイズされる容量も、既存のアトマイザーによって広範囲にわたり種々変化する。
【0007】
既存の機械的なアトマイザーは、全て、非常に詰まりやすいノズルを使用しなければならないというさらにもう一つの不具合を有している。これは機械的なシステムが常に使い捨て製品であるということによる。さらに、ノズルの使用は誤作動の危険性を高め、特に医学的見地からすると、危急の状況においての使用は不都合であり、あるいは危険でさえあるという現状である。
【0008】
1979年10月号のエレクトロニックの83〜86ページの“超音波による液体噴霧”では、波動理論の原理に従って機能する超音波のアトマイジング効果についての説明が記載されている。
【0009】
DE 19802368 C1では、マイクロドーシング装置において、圧力室内に流入口と流出口が設けられており、圧力室の一方の側にあるダイヤフラムによって圧力室の範囲が定められていることが述べられている。ダイヤフラムを適切に駆動することにより、ドーシング工程において流体が流入口を通して吸い込まれ、流出口を通して排出されるという効果が得られる。このマイクロドーシング装置は波動理論ではなく、置換効果に基づいて作動する。
【0010】
DE 69404004 T2では圧電性ネブライザーにおいて、液体がアトマイゼーショングリッドに供給され、振動させられる、つまり、液体を供給するために、オープンセルフォームのような毛状の、あるいは、フェルトのような構造を持った軟性部品が使用されることを開示している。
WO−A−95/15822では、アトマイジング装置について詳述され、この装置は波動理論を応用したアトマイゼーションに基づいている。ダイヤフラムはアトマイゼーションを有効にするために、振動させられる。アトマイズされるべき液体はダイヤフラムの開口部を通じてダイヤフラム面一帯に供給され、ダイヤフラム全体に浸透し、そこで液体がアトマイズされる。
【0011】
本発明の目的は、できる限り大量生産でき、またより高い効率性を備え、規定された直径の液滴によるアトマイゼーションを可能にするマイクロアトマイザー及びその製造方法を提供することにある。
【0012】
【発明の構成、作用及び効果】
本目的は請求項1記載のマイクロアトマイザー及び請求項13記載のマイクロアトマイザーの製造方法により達成される。
【0013】
アトマイザーにおいて使用される駆動部品は、本発明によれば圧電性原理を利用している。この目的のために、好ましくは薄膜形成技術で製造された圧電層が、好ましくはシリコンでエッチングされる薄いダイヤフラムを一方向に変形させるために使用され、そして、その薄いダイヤフラムは波動理論に基づいて振動させられる。ダイヤフラムが形成されるシリコン基板においてさらに圧電性駆動体の反対側に位置するダイヤフラム面を一様に十分湿らせるため、アトマイズされるべき液体を供給するために機能する搬送手段を形成する。液体が搬送手段によってダイヤフラムが一様に十分湿るように供給されることにより、液滴の直径が広範囲にわたって種々に変化することはなくなる。本発明に係るアトマイザーの駆動部品は、アトマイゼーションによって製造された液滴の直径が1〜5μmになるように、2〜2.5MHzの周波数で駆動されるよう調節されることが好ましい。これを達成するために、使用される周波数だけでなくダイヤフラムの幾何学上の面積、液体の供給も、望ましいサイズの液滴に調整するためにアトマイゼーションパラメタ−として適切に調節される。
【0014】
ダイヤフラムのサイズによっては、異なった方向からダイヤフラムにアトマイズされるべき液体を供給するために搬送手段を設けることは、本発明にとって都合がよい。ダイヤフラムの四方からアトマイズされるべき液体を搬送手段が供給する場合には、ダイヤフラムは、例えば、矩形状になる。
【0015】
そのような駆動部品を使用している本発明に係るマイクロアトマイザーはホルダーを備えており、駆動部品は以下のような態様で該ホルダーに取り付けられている。その態様とは、流入口の端が流体供給導管と流体的に接続されており、圧電性駆動体の反対側に位置するダイヤフラム面と搬送手段との間、及び流体供給導管と搬送手段との間各々に存在している流体的な接続部を除いては、搬送手段がホルダーによって密閉されるような態様である。しかも、アトマイズされた液体を排出するために使用されるホルダーの開口部が、圧電性駆動体の反対側に位置するダイヤフラム面の領域に設けられている。
【0016】
ホルダーは、流体供給導管が好ましくはアトマイズされた液体を排出する方向とは反対側の方向に、駆動部品が容易に取り付けられるように設けられている。
【0017】
さらに、本発明は圧電的に駆動されるマイクロアトマイザーの製造方法を以下のステップで提供する。最初に、圧電性駆動体を半導体基板の主面に形成し、その後、圧電性駆動体の反対側に位置する半導体基板の主面が、流入口の端からダイヤフラムまで延びている搬送手段とダイヤフラムを構成するためにパターン化される。駆動部品は圧電性駆動体の反対側に位置するダイヤフラム面がホルダーの開口部と対向するように前記ホルダーに取り付けられる。
【0018】
本発明は、マイクロメカニック手段の利用及び、特に、シリコン生産技術を利用することにより、極めて多くのチップで製造できるようなエコノミー価格で非常に小さいシステムを可能とする圧電的に駆動されるマイクロアトマイザーのための駆動部品を提供する。アトマイザーにおける上記の特性は、液滴の分配やアトマイズされるべき容量の正確さなどにおいて効果を発揮し、応用医学の分野では医学的有効性が実質的に十分改善されている。駆動部品はノズルを必要としないので、その結果、管を詰まらせる不具合が排除される。従ってそのシステムは繰り返し使用されることに適している、つまり、この場合では、流体供給ラインに接続されている流体貯蔵器を交換すれば十分である。圧電駆動がほとんどエネルギーを必要としないということを考慮すれば、エネルギー消費量もまた削減される。
【0019】
本発明のさらなる詳細な内容は従属請求項において述べられている。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態について添付した図面を参照しながら詳細に述べていくことにする。
【0021】
図1aは、ダイヤフラム12がシリコン基板10の主面に形成されている場合の駆動部品の実施形態を示す概略図である。図1aで示されている実施形態を上から見た概略図が追加的に図2aに示されている、つまり、以下の文では図1aと図2aを参照しながらの記述が続けられている。これらの図では、ダイヤフラム12の個々のアトマイゼーション面が見えるようになっているため、ダイヤフラムの反対側の面に配置されている圧電性駆動体が視認できない。圧電性駆動体はダイヤフラム12を振動させる機能を有している。ダイヤフラム12を構成する凹部を形成した基板面に、アトマイズされるべき液体をダイヤフラム12のアトマイゼーション面に送り込むことを可能にする搬送手段14が追加的に形成されている。さらに、流入口として機能している凹部16はシリコン基板10の主面に設けられている。
【0022】
搬送手段14は、アトマイズされるべき液体でアトマイゼーション面を一様に十分湿らせることを可能にするため、ダイヤフラム12のアトマイゼーション面と流入口16との間に流動的なつながりを設けている。この目的のために、実施形態で示されている搬送手段14は、アトマイズされるべき液体を実質上矩形状であるダイヤフラム12の四方方向からそのアトマイゼーション面に供給する搬送区画14a,14b,14c,14dから成っている。ここで注目されるべき事は、実施形態で示されている通り、ダイヤフラム12が凹部によって構成されていることである。図1aでも分かるように、ダイヤフラムの凹部は、該凹部の側壁18が約55°の角度で傾斜されているようにKOHエッチング工程によって形成されている。この図でもまた分かるように、搬送手段14の区画14a,14b,14c,14dの末端はアトマイズされるべき媒体の供給がこの傾斜している側壁18を通して行われるように、傾斜している側壁18の個々の上部になる。さらに、搬送手段14だけでなく流入口凹部16もまたKOHエッチングによって形成され得る。
【0023】
例えば、図1aで示されているような構造設計を備えた駆動部品が、マイクロアトマイザーを作るために、例えば図1bで示されているようなタイプのホルダー20へ今差し込まれているとする。この目的のために、ホルダー20には駆動部品が差し込まれて、ホルダー内で駆動部品が適切な方法で場所をしっかりと確保できるような受容部22が設けられている。この目的のために、ホルダー20には駆動部品を保持できるような突出部24,26が設けられていることが好ましい。さらにホルダー20は、流入口16及びダイヤフラム12のアトマイゼーション面と流体的に接続されている独立した搬送路を構成するように駆動部品とともに組み立てられる。さらに、流体導管29が流入口16と流体的に接続されるように、ホルダー20には流体導管29、望ましくはホースをそこに接続するための手段28が設けられていることが望ましい。ホルダー20には、さらに、駆動部品がホルダー20内に取り付けられる時に、アトマイズされた液体を射出できるよう、ダイヤフラム12のアトマイゼーション面の上方に開口部30が設けられる。開口部30が例えば吸入装置の吸い込み管の中に取り付けられるように、流体導管29は開口部30と対称に配置されることが望ましい。この目的のために、図1bで分かるように流体導管29をホルダー20の開口部30の反対側に配置することが望ましい。より好ましい実施形態では、開口部30が例えば正確にサイズを規定された液滴を保証する、あるいは、システムを頭上に水平に押し上げて作動させることを可能にするグリッドを設けることができる。
【0024】
図1bに示されているホルダーが、プラスティック材料で製作され得るのに対して図1aに示されている駆動部品は、シリコンから構成される事が好ましく、それはシステムの価格に関しても、また、他のどの適切な材料からでも作ることができる点からも都合がよい。駆動部品は例えば陽極接着方法など、この方法は非常に堅固に固定されて安定したなお一層の接続をシリコンチップとの間に確立するために使用されるのであるが、この陽極接着方法によってホルダーに取り付けられ、そしてこの事により、順番に適切な搬送路及び流体接続を構成することになる。図1bで示されているホルダーにおいて、流体導管を接続するために用いられる手段28と注入口16との間に流体的な接続を確立することが出来る可能性が破線で示されている。ここで注目されるべきことは適切な凹部32がホルダー20に設けられる場合、もし流体的な接続が保証されるために搬送手段14の末端が凹部32の下方に位置するとすれば、駆動部品の基板10の流入口凹部16が無くても対処できるということになる。
【0025】
アトマイザーが作動する時、ダイヤフラム12のアトマイゼーション面が流体導管29、流入口16及び搬送手段14を介してアトマイズされるべき液体により一様に湿る。この目的のために、流体導管29は液体貯蔵器(図示せず)に接続されている。その貯蔵器は過圧容器であることが望ましい。この過圧容器と流体導管29の間にバルブを通して流体的な接続を確立することができる。ダイヤフラム12のアトマイゼーション面上にある液体が波動理論を基にアトマイズされるように圧電性駆動体によってダイヤフラム12が振動させられる。アトマイゼーション工程の間、アトマイゼーション用の液体は搬送手段14を介して絶えず供給される。
【0026】
この実施工程により、本発明に係る駆動部品は、結果として液滴の直径が広範囲にわたって変化することがなくなり、医療工学の分野にとっては望ましい1〜5μm間という規定された範囲で維持できるようになったアトマイゼーションを実行するために使用される。アトマイズされるべき液体の粘度をより小さい度合いにする励振周波数の正確な値である、2.0〜2.5MHz範囲内の圧電性駆動体の励振周波数を利用してこの範囲の大きさの液滴を得る。図2bは、アトマイズされるべき液体でダイヤフラムを一様に湿らせることを今まで通りに行っていくために、小さいサイズのダイヤフラム36にとっては十分である搬送手段34を概略的に上から見た図を示している。搬送手段34は再び流入口を構成している凹部16と流体的に接続されることになる。図2aで示されている実施形態がより容量の多い流体をアトマイジングするのに適しているのに対して、図2bで示されている配置は容量の小さい流体をアトマイジングするのに適している。
【0027】
断面領域の縮小により、搬送手段14,34は流体供給手段としても、また、流れを制限するものとしても機能している。液体の圧力が一定である場合、精密な断面領域で作られた搬送路により、圧電性ダイヤフラム12,36それぞれへの一定した流れが得られる。この接続で、規定量の液体がダイヤフラムのアトマイゼーション面へ供給されるように、搬送路がシリコン生産技術によって精密にエッチングされ得るよう考慮すべきである。非常に精密に規定された容量がアトマイズされ得るように、異なる断面を選択することでマイクロ駆動部品は目的にかなうように望ましい流量に調節されることになる。
【0028】
本発明に係る装置が応用医学の分野において使用される場合、液体と接触する部品の生物学的適合性に注意を払わなければならない。液体と接触する露出面にチタンやチタン窒化物から構成されている保護層が設けられていることが好ましい。
【0029】
次に、本発明に係る駆動部品の製造方法を図3a〜図3eを参照しつつ詳述する。
【0030】
駆動部品のために使用される基本素材はn型あるいはp型にドーピングされた単結晶のシリコン基板10が好ましい。シリコン基板10の面上に、ダイヤフラム層40を作るために、例えば燐でイオン注入が行われる。層40がn型層であるのに対して、シリコン基板10として使用される素材はp型シリコンであることが好ましい。層40は後に圧電性層を駆動するための下部電極として機能する。基板10上に配置された注入層40はその後二酸化シリコン層42,44を作るために酸化される。結果として生じる合成層は図3aに示されている。
【0031】
裏面にはマスキング層46が形成され、この層はシリコン窒化物である窒化シリコンから構成されていることが好ましく、また、化学析出、例えば、LPCVD(低力化学蒸気析出)によって形成されることが望ましい。開口部48は酸化物層42の上部に注入層40と後に接触することによって形成される(図3b参照)。
【0032】
ダイヤフラム凹部が後にシリコン基板10の下部の面から離れてエッチングされるように開口部50を形成するために、例えば、ホトリソグラフィ工程によって酸化物層44の下部とシリコン窒化物層46がパターン化される。この開口部50の上方において、圧電層52が酸化物層42の上部に形成され、その圧電層は完成した部品において圧電性駆動体としての機能を果たす。圧電層は例えばAlN、PZTあるいはZn0で構成されている。図3cで示されている構造はこの方法で得られる。
【0033】
続いて、圧電層52を電気的に駆動するための金属被膜54,56が図3d、図3eに示されている構造の上部の面に形成され、その結果、金属被膜54,56と接触するための開口部60,62を形成するため、皮膜保護層58が使用され、パターン化される(図3e参照)。これに続いて、注入層40においてダイヤフラム12が形成されるように、前面及び裏面に配置されたマスキング層によって規定されるKOHエッチングが裏面の下部から、腐食作用を阻止する機能を有する注入層40まで実行される。
【0034】
図3には図示されていないが、流入口にとって必要となる沈下と、統合された水位の低い搬送路がこのKOHエッチング工程と同時に作られる。図3eに示されている状態から始めて、流入口と搬送路を形成するためにマスキング層44,46の下部を二者択一的にさらにいっそうパターン化して、その後、シリコン基板10の裏面に流入口と搬送路を形成するために、さらにKOHエッチングが実行される。
【0035】
本発明に係る駆動部品の製造方法のより好ましい実施形態は図3を参照しつつ上文において詳述されているが、例えば図1aで示されているように、シリコン基板の主面において、及びさらにシリコン基板の主面とは反対側に位置する圧電性駆動において本発明に係る駆動部品の構造を製作するために、上記のステップを異なった順序で行うこともまた可能であることはこの技術分野の熟練者にとっては明らかである。
【0036】
本発明にとって重要な点は、エネルギーをほとんど消費することなく手頃な値段で、小さいサイズの駆動部品を大量生産することができるようになり、そして、シリコン基板の同じ主面にダイヤフラムを構成する凹部及びダイヤフラムのアトマイゼーション面を一様に湿らせることを保証する供給路が形成されることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1aは本発明に関して駆動部品の実施形態を示す概略図であり、図1bは本発明に関してマイクロアトマイザーのホルダーを示す概略図。
【図2】図2a、図2bともに本発明に関して駆動部品の搬送手段の異なる実施形態を説明するための概略図。
【図3】図3a〜図3eともに本発明に関して駆動部品の製造方法を図解するための概略断面図。

Claims (15)

  1. 圧電的に駆動される波動理論によるマイクロアトマイザーにおいて、
    半導体基板(10)に形成されたダイヤフラム(12,36)と、
    前記ダイヤフラム(12,36)を振動させるためにダイヤフラム(12,36)の面に配置された圧電性駆動体(52)と、
    前記半導体基板(10)に形成され、流入口の端から前記圧電性駆動体(52)の反対側に位置するダイヤフラム面までアトマイズされるべき液体を供給するために使用される搬送手段(14,34)と、を備え、
    前記ダイヤフラム(12,36)を振動させることで、ダイヤフラムの面に供給される液体は波動理論を基にアトマイズされ、前記ダイヤフラムとは向かい合って配置されている流出口(30)を通して排出され、前記搬送手段(14,34)は基板面に設けられ、該基板を貫通しない少なくとも一つの溝部によって形成され、該溝部から供給される液体がアトマイズされる。
  2. 請求項1記載のマイクロアトマイザーにおいて、ダイヤフラム(12,36)は半導体基板(10)の第1主面に位置する凹部に形成され、搬送手段(14,34)は該第1主面上に凹部として形成されている。
  3. 請求項1又は請求項2記載のマイクロアトマイザーにおいて、半導体基板(10)の第1主面は、さらに、搬送手段(14,34)の流入口の端と流体的に接続されている流体流入口である凹部(16)を形成している。
  4. 請求項1、請求項2又は請求項3記載のマイクロアトマイザーにおいて、圧電性駆動体(52)の反対側に位置するダイヤフラム面を一様に湿らせるために搬送手段(14,34)が設けられている。
  5. 請求項1、請求項2、請求項3又は請求項4記載のマイクロアトマイザーにおいて、アトマイズされるべき液体が異なった方向からダイヤフラム(12)へ供給されるように搬送手段(14)が設けられている。
  6. 請求項5記載のマイクロアトマイザーにおいて、ダイヤフラム(12)は矩形状をなし、前記搬送手段(14)はアトマイズされるべき液体を四方からダイヤフラム(12)へ供給するために機能する搬送区画(14a,14b,14c,14d)を備えている。
  7. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6記載のマイクロアトマイザーにおいて、アトマイゼーションによって作られる液滴の直径が1〜5μmになるように、圧電性駆動体(52)がダイヤフラム(12,36)を2〜2.5MHzの周波数で振動させる。
  8. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7記載のマイクロアトマイザーにおいて、搬送手段(14,34)は流れを規制する絞り弁として取り付けられている。
  9. 請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7又は請求項8記載のマイクロアトマイザーにおいて、半導体基板はホルダー(20)に以下の態様で取り付けられている、
    流入口の端が流体供給導管(29)と流体的に接続されている、
    前記搬送手段と流体供給導管(29)との間、及び前記搬送手段と圧電性駆動体(52)の反対側に位置するダイヤフラム面との間に存在する流体的な接続部を除いては、搬送手段(14,34)がホルダー(20)によって密閉されている、
    前記ホルダー(20)の開口部(30)は、アトマイズされた液体を排出するために使用され、圧電性駆動体(52)の反対側に位置するダイヤフラム面の領域に設けられている。
  10. 請求項9記載のマイクロアトマイザーにおいて、開口部(30)にはグリッドが設けられている。
  11. 請求項9又は請求項10記載のマイクロアトマイザーにおいて、流体供給導管は、ホルダー(20)に、アトマイズされた液体を排出する方向とは反対側の方向に配置されている。
  12. 請求項9、請求項10又は請求項11記載のマイクロアトマイザーにおいて、ホルダー(20)に流体流入口として機能する凹部(32)が設けられている。
  13. ダイヤフラム面へ供給される液体を波動理論を基にアトマイズするために使用される、圧電的に駆動されて波動理論に基づくマイクロアトマイザーの製造方法において、以下のステップを含む、
    a)次のサブステップで駆動部品を形成する、
    a1)圧電性駆動体(52)を半導体基板(10,40)の主面に形成し、
    a2)基板を貫通しない溝によって形成されている少なくとも一つの搬送手段(14,34)が流入口の端からダイヤフラム(12,36)まで延びていて、圧電性駆動体(52)を配置したダイヤフラム(12)を構成するために、圧電性駆動体(52)の反対側に位置する半導体基板の主面をパターン化し、
    b)圧電性駆動体の反対側に位置するダイヤフラム面がホルダー(20)に設けた開口部と対向するように、駆動部品をホルダーに取り付ける。
  14. 請求項13記載の製造方法において、ステップa2では、流体流入口(16)は、圧電性駆動体(52)の反対側に位置する半導体基板(10,40)の面にパターン化され、前記搬送手段の流入口の端で搬送手段(14,34)と流体的に接続される。
  15. 請求項13又は請求項14記載の製造方法において、ダイヤフラム(12)はKOHエッチングによって形成され、搬送手段はダイヤフラム(12)を構成している凹部の傾斜した側壁(18)まで延びるように形成され、前記側壁(18)は前記KOHエッチングによって形成される。
JP2001516676A 1999-08-12 2000-08-10 マイクロアトマイザーの駆動部品および該アトマイザーの製造方法 Expired - Fee Related JP3598095B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE19938055A DE19938055A1 (de) 1999-08-12 1999-08-12 Aktorbauglied für einen Mikrozerstäuber und Verfahren zu seiner Herstellung
DE19938055.4 1999-08-12
PCT/EP2000/007798 WO2001012340A1 (de) 1999-08-12 2000-08-10 Aktorbauglied für einen mikrozerstäuber und verfahren zu seiner herstellung

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003507168A JP2003507168A (ja) 2003-02-25
JP3598095B2 true JP3598095B2 (ja) 2004-12-08

Family

ID=7918052

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001516676A Expired - Fee Related JP3598095B2 (ja) 1999-08-12 2000-08-10 マイクロアトマイザーの駆動部品および該アトマイザーの製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6536682B1 (ja)
EP (1) EP1200198B1 (ja)
JP (1) JP3598095B2 (ja)
DE (2) DE19938055A1 (ja)
WO (1) WO2001012340A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
TW538823U (en) * 2002-09-18 2003-06-21 Kae Jyh Corp Improved structure for percussion board of water mist
TWI294789B (en) * 2005-11-29 2008-03-21 Ind Tech Res Inst Droplet ejecting head
EP1792662A1 (en) 2005-11-30 2007-06-06 Microflow Engineering SA Volatile liquid droplet dispenser device
EP1952896B1 (en) * 2007-02-01 2012-11-07 EP Systems SA Droplet dispenser
ATE486661T1 (de) * 2008-06-03 2010-11-15 Microflow Eng Sa Spendervorrichtung für flüchtige flüssige tröpfchen
CN103402907B (zh) * 2011-01-17 2016-03-23 新加坡科技研究局 微流体微滴发生器

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4605167A (en) * 1982-01-18 1986-08-12 Matsushita Electric Industrial Company, Limited Ultrasonic liquid ejecting apparatus
US5152456A (en) * 1989-12-12 1992-10-06 Bespak, Plc Dispensing apparatus having a perforate outlet member and a vibrating device
EP0465229B1 (en) 1990-07-02 1994-12-28 Seiko Epson Corporation Micropump and process for manufacturing a micropump
DE69127826T2 (de) * 1990-12-17 1998-04-09 Minnesota Mining & Mfg Inhalationsgerät
WO1993010910A1 (en) * 1991-12-04 1993-06-10 The Technology Partnership Limited Fluid droplet production apparatus and method
FR2705911B1 (fr) 1993-06-02 1995-08-11 Oreal Appareil de nébulisation piézoélectrique.
GB9412669D0 (en) * 1994-06-23 1994-08-10 The Technology Partnership Plc Liquid spray apparatus
EP0732975B1 (en) 1993-12-09 1998-09-30 Ttp Group Plc Liquid spray apparatus and method
US5685491A (en) * 1995-01-11 1997-11-11 Amtx, Inc. Electroformed multilayer spray director and a process for the preparation thereof
DE19802368C1 (de) * 1998-01-22 1999-08-05 Hahn Schickard Ges Mikrodosiervorrichtung

Also Published As

Publication number Publication date
DE50001149D1 (de) 2003-02-27
WO2001012340A1 (de) 2001-02-22
JP2003507168A (ja) 2003-02-25
EP1200198B1 (de) 2003-01-22
US6536682B1 (en) 2003-03-25
EP1200198A1 (de) 2002-05-02
DE19938055A1 (de) 2001-03-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9533323B2 (en) Ultrasound liquid atomizer
US6405934B1 (en) Optimized liquid droplet spray device for an inhaler suitable for respiratory therapies
US8020973B2 (en) Method of manufacturing a liquid droplet spray device and such spray device
US6837445B1 (en) Integral pump for high frequency atomizer
US6196219B1 (en) Liquid droplet spray device for an inhaler suitable for respiratory therapies
US6769626B1 (en) Device and method for detecting and controlling liquid supply to an apparatus discharging liquids
JP4119713B2 (ja) 液滴スプレーデバイス
JP2008149321A (ja) 液滴スプレーデバイス
JP3598095B2 (ja) マイクロアトマイザーの駆動部品および該アトマイザーの製造方法
EP1273355B1 (en) Method of manufacturing a liquid droplet spray device and such spray device
EP1005916A1 (en) Inhaler with ultrasonic wave nebuliser having nozzle openings superposed on peaks of a standing wave pattern
WO2020163680A1 (en) Monolithic microfabricated vibrating mesh atomizer
US20220104544A1 (en) Monolithic microfabricated vibrating mesh atomizer
Jeng et al. Droplets ejection apparatus and methods

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040525

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040910

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees