JP3596310B2 - 風呂給湯器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は浴槽への一定量の落とし込みを行う風呂給湯器に関する。詳しくは落とし込み時間を短縮した風呂給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、浴槽に一定量の落とし込みを行う風呂給湯器においては、その利便性を向上させるために、短時間で落とし込みを完了することが要求されており、落とし込み管路の通水抵抗を低減するために、落とし込み管路の途中を複数に分岐する方法がとられていた。
【0003】
また、落とし込み管路に配された落とし込み管路開閉用の注湯電磁弁と、落とし込み量検知用流量センサについては、量産効果を高め、また、風呂給湯器のコンパクト化を図るために、注湯電磁弁には、1台の大型のものを用いず、従来から多数量産されている小型の注湯電磁弁と、そのボディに内蔵された落とし込み量検知用流量センサを、それぞれの分岐管路に設け、それぞれの流量センサの検知流量の合計で落とし込み量を検知する方法がとられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、各分岐管路に流量センサを配しているために、部品点数の増加により、故障要因が増えるとともに、製造コストが高くつくという問題を有していた。
【0005】
本発明は上記問題に鑑み、短時間での落とし込みを達成しながら、故障要因、製造コスト、ともに低く抑えられる、風呂給湯器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の風呂給湯器は、管路の途中を複数に分岐された浴槽への落とし込み管路と、その管路を開閉する注湯電磁弁と、落とし込み管路に設けられた、落とし込み量検知用流量センサと、落とし込み管路に、設定温度の湯を供給する給湯ユニットよりなり、給湯ユニットには入水量検知用の入水量センサを具備し、落とし込み管路の、それぞれの分岐管路に、注湯電磁弁を備えてなる風呂給湯器において、分岐管路に分岐管路の数よりも少ない数の流量センサを配し、試運転時に、給湯ユニットに設けられた入水量センサの検知流量と、落とし込み量検知用流量センサの検知流量の関係式から、落とし込み量検知用流量センサの検知流量と、落とし込み量検知用流量センサが設けられていない分岐管路の通過流量の関係式を求めて、コントローラ部に記憶させ、以後、落とし込み量検知用流量センサの検知流量により、全体の落とし込み量を検知するようにしたことを特徴としている。
【0007】
請求項1記載の風呂給湯器によれば、落とし込み量検知用流量センサの数を分岐管路の数より少なくできるため、故障要因が減らせるとともに、製造コストも低減することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1に、落とし込み管路を、落とし込み量検知用流量センサを具備した管路と、落とし込み量検知用流量センサを具備していない管路の2本に分岐した場合の概略構成図を示す。図2に、そのときの、落とし込み量検知用流量センサを具備した分岐管路20の流量と、落とし込み量検知用流量センサを具備していない分岐管路30の流量、及び、全体の浴槽への落とし込み量の関係を示す。
図3に、落とし込み管路を、1本の落とし込み量検知用流量センサを具備した管路と、2本以上の落とし込み量検知用流量センサを具備していない管路に分岐した場合の概略構成図を示す。図4に、そのときの、落とし込み量検知用流量センサを配した分岐管路20の流量と、それ以外の、落とし込み量検知用流量センサを具備していない分岐管路30の合計流量、及び、全体の落とし込み量の関係を示す。
図5に、落とし込み管路を、落とし込み量検知用流量センサを具備した管路2本以上と、落とし込み量検知用流量センサを具備していない管路1本以上の合計3本以上に分岐した場合の概略構成図を示す。図6に、そのときの、落とし込み量検知用流量センサを具備した分岐管路20の合計流量と、落とし込み量検知用流量センサを具備していない分岐管路30の合計流量、及び、全体の落とし込み量の関係を示す。
【0009】
図1を参照して、本提案の実施例1の全体動作について説明する。
給湯ユニット1の入水部は、上水道などの水供給管に接続されており、入水した水は、その入口近傍にある入水量検知用の入水量センサ2、入水温センサ14を通り、その流量、入水温度が検知され、コントローラ3に入水量データ、入水温度データとして入力される。コントローラでは、これらの入水量、入水温度、及び、別途、使用者により設定される目標出湯温度から、熱交換部4を加熱するバーナQ9の出力を決定するとともに、熱交換部4出口近傍に設けられた出湯センサ15の検知温度により、バーナQ9の出力を補正する。このように、バーナにQ9により加熱される熱交換部4で昇温した水は、水量サーボ6を通り、給湯ユニット1から流出する。このとき、入水温度が低く、入水量が多すぎて、バーナQ9の出力を最大にしても出湯温度が低い場合は、コントローラ3が水量サーボ6を絞ることで、通過流量を減らすことにより出湯温度を一定に保つように動作する。給湯ユニット1から流出した水は、先カラン8を開くことにより、シャワー用や、台所用として使用される。また一方、浴槽13への落とし込みのために、落とし込み管路7に流入した水は、落とし込み量検知用流量センサ12を具備した分岐管路20と、落とし込み量検知用流量センサ12を具備していない分岐管路30とに分岐され、両分岐管路の注湯電磁弁10の開動作により通水され、分岐管路30に流入した水は、そのまま浴槽13に落とし込まれる。分岐管路20に流入した水は、流量センサ12で流量を検知され、流量データをコントローラ3に入力されるとともに、風呂熱交換器5を通って、浴槽13に落とし込まれる。ここで、風呂熱交換器5と浴槽13とは循環ポンプ(図示せず)を介して循環配管(図示せず)が組まれており、バーナF11により加熱され、追い焚きに供される。循環配管のうちの往き、又は戻りのどちらか、又は両方が、浴槽13への落とし込み用の配管として使用される。
【0010】
次に図1、図2を参照して、本提案の実施例1について、本提案の要件部分についてのみ詳細に説明する。
製造ラインでの組立検査、もしくは、風呂給湯器を設置して、最初の試運転時に、次に述べる初期計算・入力動作を行う。
出湯用の先カラン8を閉止し、コントローラ3によって制御される水量サーボ6を、通水量の最も少ない開度に固定し、落とし込み動作を行うと、給湯ユニット1に通水された水は、その入口近傍にある入水量検知用の入水量センサ2を通り、その流量が検知され、コントローラ3に入水量データAとして入力される。次にその水は熱交換部4を通過し、該水量サーボ6を通り、落とし込み管路7に流入する。
【0011】
浴槽への落とし込み管路7は2系統の管路、すなわち分岐管路20,分岐管路30に分岐されており、分岐管路20はその途中に注湯電磁弁10と流量センサ12が具備され、風呂熱交換器5を通って、浴槽13に配管されている。分岐管路30はその途中に、注湯電磁弁10だけが具備されている。
【0012】
落とし込み管路7に流入した水は、前記2系統の分岐管路20,分岐管路30に分岐され、両分岐管路の注湯電磁弁10の開動作により、30ではそのまま通過し、浴槽13に落とし込まれる。このとき分岐管路30を通過する水量をCとする。また、流量センサ12が具備されている分岐管路20に流入した水は、流量センサ12を通過した後、風呂熱交換器5を通って浴槽13に落とし込まれる。このとき、流量センサ12で流量を検知され、分岐管路20通過流量Bとしてコントローラ3に入力され、前記入水量データA、分岐管路30を通過する流量Cとともに、次の関係式により計算処理され、記憶される。
「分岐管路30通過流量C」=「入水量データA」−「分岐管路20通過流量B」
【0013】
以上の動作を、水量サーボ6を、通水量の最も多い開度まで、何段階かに分けて行うことにより、図2を得るとともに、コントローラに記憶する。すなわち、流量センサ12を具備していない分岐管路30の通過流量Cが、分岐管路20通過流量Bの関係式で表すことができる。また、ここで浴槽への全落とし込み量をDとすると、Dは次式で表される。
「全落とし込み量D」=「分岐管路20通過流量B」+「分岐管路30通過流量C」また、分岐管路20通過流量Bと、分岐管路30通過流量Cは一定の分配比で決まるため、出湯用の先カラン8が開放されて、入水量データA≠全落とし込み量Dとなっても、図2の特性は維持される。
【0014】
以上により、以後は流量センサ12の通過流量Bを検知するだけで、計算により、浴槽への全落とし込み量Dを検知することが可能となる。
【0015】
次に、図3、図4を参照して、本提案の実施例2の要件部分についてのみ詳細に説明する。
出湯用の先カラン8を閉止し、コントローラ3によって制御される水量サーボ6を、通水量の最も少ない開度に固定し、落とし込み動作を行うと、給湯ユニット1に通水された水は、その入口近傍にある入水量検知用の入水量センサ2を通り、その流量が検知され、コントローラ3に入水量データAとして入力される。次にその水は熱交換部4を通過し、水量サーボ6を通り、落とし込み管路7に流入する。
【0016】
浴槽への落とし込み管路7は3系統以上の管路に分岐されている。すなわち流量センサ12を具備した1系統の分岐管路20と,流量センサ12を具備していない2系統以上の分岐管路の集合で構成される分岐管路30である。
分岐管路20はその途中に注湯電磁弁10と流量センサ12が具備され、風呂熱交換器5を通って、浴槽13に配管されている。分岐管路30は、それを構成するそれぞれの分岐管路に、注湯電磁弁10だけが具備されている。
【0017】
落とし込み管路7に流入した水は、前記分岐管路20と,分岐管路30に分岐され、全ての注湯電磁弁10の開動作により、分岐管路30では、それを構成する全ての分岐管路をそのまま通過し、浴槽13に落とし込まれる。このとき分岐管路30を通過する水量の合計をCとする。また、流量センサ12が具備されている分岐管路20に流入した水は、流量センサ12を通過した後、風呂熱交換器5を通って浴槽13に落とし込まれる。このとき、流量センサ12で流量を検知され、分岐管路20通過流量Bとしてコントローラ3に入力され、前記入水量データA、分岐管路30を通過する水量の合計Cとともに、次の関係式により計算処理され、記憶される。
「分岐管路30通過流量の合計C」=「入水量データA」−「分岐管路20通過流量B」
【0018】
以上の動作を、水量サーボ6を、通水量の最も多い開度まで、何段階かに分けて行うことにより、図4を得るとともに、コントローラに記憶する。すなわち、流量センサ12を具備していない分岐管路30の通過流量の合計Cが、分岐管路20通過流量Bの関係式で表すことができる。また、ここで浴槽への全落とし込み量をDとすると、Dは次式で表される。
「全落とし込み量D」=「分岐管路20通過流量B」+「分岐管路30の通過流量の合計C」また、分岐管路20通過流量Bと、流量センサ12を具備していない分岐管路通過流量の合計Cは一定の分配比で決まるため、出湯用の先カラン8が開放されて、入水量データA≠全落とし込み量Dとなっても、図4の特性は維持される。
【0019】
以上により、以後は流量センサ12の通過流量Bを検知するだけで、計算により、浴槽への全落とし込み量Dを検知することが可能となる。
【0020】
次に、図5、図6を参照して、本提案の実施例3の要件部分についてのみ詳細に説明する。
出湯用の先カラン8を全て閉止し、コントローラ3によって制御される水量サーボ6を、通水量の最も少ない開度に固定し、落とし込み動作を行うと、給湯ユニット1に通水された水は、その入口近傍にある入水量検知用の入水量センサ2を通り、その流量が検知され、コントローラ3に入水量データAとして入力される。次にその水は熱交換部4を通過し、該水量サーボ6を通り、落とし込み管路7に流入する。
【0021】
浴槽への落とし込み管路7は3系統以上の管路、すなわち流量センサ12を具備している2系統以上の分岐管路の集合で構成される分岐管路20と、流量センサ12を具備していない分岐管路の集合で構成される分岐管路30である。分岐管路20は、それを構成する全ての分岐管路に注湯電磁弁10と流量センサ12が具備され、特にその内の1系統については、流量センサ12を通過した後、風呂熱交換器5を通って浴槽13に落とし込まれる。分岐管路30にはそれを構成する全ての分岐管路に、注湯電磁弁10だけが具備されている。
【0022】
落とし込み管路7に流入した水は、前記分岐管路20、分岐管路30に分岐され、全ての注湯電磁弁10の開動作により、分岐管路30ではそれを構成する全ての分岐管路をそのまま通過し、浴槽13に落とし込まれる。このとき分岐管路30を通過する水量の合計をCとする。また、流量センサ12が具備されている分岐管路20を構成する各分岐管路に流入した水は、流量センサ12を通過した後、浴槽13に落とし込まれる。また、特にそのうちの1系統については、風呂熱交換器5を通って浴槽13に落とし込まれる。またこのとき、それぞれの分岐管路の流量センサ12で流量を検知され、分岐管路20の通過流量の合計Bとしてコントローラ3に入力され、前記入水量データA、分岐管路30を通過する流量の合計Cとともに、次の関係式により計算処理され、記憶される。
「分岐管路30通過流量の合計C」=「入水量データA」−「分岐管路20通過流量の合計B」
【0023】
以上の動作を、水量サーボ6を、通水量の最も多い開度まで、何段階かに分けて行うことにより、図6を得るとともに、コントローラに記憶する。すなわち、流量センサ12を具備していない分岐管路30の通過流量の合計Cが、分岐管路20の通過流量の合計Bの関係式で表すことができる。また、ここで浴槽への全落とし込み量をDとすると、Dは次式で表される。
「全落とし込み量D」=「分岐管路20の通過流量の合計B」+「分岐管路30の通過流量の合計C」
また、分岐管路20通過流量の合計Bと、流量センサ12を具備していない分岐管路30の通過流量の合計Cは一定の分配比で決まるため、出湯用の先カラン8が開放されて、入水量データA≠全落とし込み量Dとなっても、図6の特性は維持される。
【0024】
以上により、以後はそれぞれの流量センサ12の通過流量を検知し、合計するだけで、計算により、浴槽への全落とし込み量Dを検知することが可能となる。
【発明の効果】
以上、説明したような構成とすることにより、本発明の風呂給湯器はつぎのような効果を奏する。
すなわち、落とし込み時間を短縮する目的で、落とし込み管路の通水抵抗を低減するために、落とし込み管路の途中を複数に分岐させた風呂給湯器において、全ての分岐管路に流量センサを設けずとも、1個だけ、もしくは分岐管路の数よりも少ない数の流量センサを具備するだけで、浴槽への全落とし込み量を正確に検知することが可能となり、短時間での落とし込みを達成しながら、故障要因、製造コスト、ともに低く抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した風呂給湯器の実施例1を示す概略構成図である。
【図2】本発明を適用した風呂給湯器の実施例1における、分岐管路20の流量と、分岐管路30の流量、及び、全体の落とし込み量の関係を示すグラフである。
【図3】本発明を適用した風呂給湯器の実施例2を示す概略構成図である。
【図4】本発明を適用した風呂給湯器の実施例2における、分岐管路20の流量と、分岐管路30の合計流量、及び、全体の落とし込み量の関係を示すグラフである。
【図5】本発明を適用した風呂給湯器の実施例3を示す概略構成図である。
【図6】本発明を適用した風呂給湯器の実施例3における、分岐管路20の合計流量と、分岐管路30の合計流量、及び、全体の落とし込み量の関係を示すグラフである。
【図7】従来の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 給湯ユニット
2 入水量センサ
3 コントローラ
4 熱交換部
5 風呂熱交換器
6 水量サーボ
7 落とし込み管路
8 先カラン
9 バーナQ
10 注湯電磁弁
11 バーナF
12 流量センサ
13 浴槽
14 入水温センサ
15 出湯センサ
20 分岐管路
30 分岐管路

Claims (1)

  1. 管路の途中を複数に分岐された浴槽への落とし込み管路と、その管路を開閉する注湯電磁弁と、落とし込み管路に設けられた、落とし込み量検知用流量センサと、落とし込み管路に、設定温度の湯を供給する給湯ユニットよりなり、給湯ユニットには入水量検知用の入水量センサを具備し、落とし込み管路の、それぞれの分岐管路に、注湯電磁弁を備えてなる風呂給湯器において、分岐管路に分岐管路の数よりも少ない数の流量センサを配し、試運転時に、給湯ユニットに設けられた入水量センサの検知流量と、落とし込み量検知用流量センサの検知流量の関係式から、落とし込み量検知用流量センサの検知流量と、落とし込み量検知用流量センサが設けられていない分岐管路の通過流量の関係式を求めて、コントローラに記憶させ、以後、落とし込み量検知用流量センサの検知流量により、全体の落とし込み量を検知するようにしたことを特徴とする風呂給湯器。
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