JP3596055B2 - 線分検出方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、入力画像から線分を検出する線分検出方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車組立て工場における作業の自動化のためには部品のハンドリングが非常に重要な問題である。特に、組立て領域の自動化において必要とされているようなロボットによる多機能で正確な自動ハンドリングを実現するためには、対象物の画像の細線化処理を行なって線分を検出し、この線分から対象物の形状を精度良く抽出する技術が必要となってくる。
【0003】
従来の線分検出方法として、下記の方法が知られている。
【0004】
(1) 入力画像に対して、エッジ検出、2値化、細線化等の前処理を行い、細線画像を得る。
【0005】
(2) 上記細線画像に含まれる全てのセグメントについて、以下の処理(3)〜(7)を行なう。ここで、「セグメント」とは、線幅1の、連続した画素列であって、分岐のないものを意味する。
【0006】
(3) 任意のセグメントの端点からk個の画素n1〜nk(kの初期値として、例えばk=3とする)に対して、最小二乗法等を適用して直線を当てはめる。得られた直線をL1とする。
【0007】
(4) (k+1)番目の画素nk+1が直線L1に含まれるか否かを判別する。すなわち、画素n1〜nk+1に対して、最小二乗法等を適用して直線を当てはめ、得られた直線をL2とする。
【0008】
(5) 直線L1の傾きα1と直線L2の傾きα2とを比較し、|α1−α2|の値が所定のしきい値以下であれば、画素nk+1は直線L1上にあると判定し、|α1−α2|の値が所定のしきい値よりも大きければ、画素nk+1は直線L1上にないと判定する。
【0009】
(6) 画素nk+1が直線L1上にあれば、画素n1〜nk+1に当てはまる直線を新たにL1として、処理(4)へ戻る。画素nk+1が直線L1上になければ、画素n1〜nkは1本の線分と見なし、画素nk+1を端点とし、処理(3)へ戻って新たに直線を検出する。
【0010】
(7) 処理(3)〜(6)をセグメントの終点に達するまで反復する。
【0011】
また、線分検出方法としては、上述以外に、画像情報から物体の輪郭を抽出して輪郭点座標を求め、該輪郭点座標からハフ(Hough)変換を行なって関数ρ=xicosθ+yisinθで表される正弦波に変換し、関数値ρに従って2次元ヒストグラムを作成し、該ヒストグラム上のピーク点を検出することにより、上記輪郭点座標の示す線分情報を検出する方法がある(特開昭64−74680号公報参照)。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述の処理(1)〜(7)からなる従来の線分検出方法には、次のような問題点があり、それが原因で、正確な線分抽出が困難であった。すなわち、(1)ノイズの影響や量子化誤差のために、本来同一線分を構成する画素が、図5に示すように、同一直線上に位置しない。特に、上述の処理(5)で用いられるしきい値が小さいと、このような同一線分上にあるべき画素が、同一線分上にないものと判断され、多数の線分に細分化されてしまう。
【0013】
(2)問題点(1)を解決しようとしてしきい値を大きくすると、曲線上の画素等に対しても線分が当てはめられ、図6に示すように、誤った線分検出結果を得ることになる。
【0014】
また、ハフ変換を用いる方法は、複雑な処理を必要とし、使用メモリ量と処理コストの面で問題があった。
【0015】
そこで、本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、正確な線分検出を容易になし得る線分検出方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明による線分検出方法は、入力画像から得られる多数の線分候補からなる線画画像から同一線分を検出する方法であって、
第1の線分候補の第2の線分候補方向への延長線に対して該第2の線分候補の両端から垂線を引き、上記第1の線分候補と第2の線分候補と両垂線とによって囲まれた領域の面積を算出し、該領域の面積に対応する値が所定のしきい値以下の場合に、上記第1および第2の線分候補が同一線分を構成すると判定することを特徴とする。
【0017】
本発明の線分検出方法においては、任意のセグメントの端点からk個の画素n1〜nkに対して当てはめられた第1の直線と、上記端点からk+1個の画素n1〜nk+1に対して当てはめられた第2の直線とのなす角度が所定のしきい値以下の場合に画素nk+1が上記第1の直線上にあるとの判定に基づいて抽出した線分候補群のうちの最も長い線分候補を上記第1の線分候補として選定することができる。
【0018】
ここで、上記線分候補群のうち、上記第1の線分候補以外の1つの線分候補が第2の線分候補として選定される。
【0019】
また、同一線分を構成すると判定された上記第1および第2の線分候補に含まれる画素に対して、最小二乗法を適用して新たな線分を合成することができる。
【0020】
本発明による線分検出装置は、
入力画像に対してエッジ検出、2値化、細線化およびラベル付け等の各処理を施す前処理部と、
該前処理部で得られる線画画像に含まれる任意のセグメントの端点からk個の画素n1〜nkに対して当てはめられた第1の直線と、上記端点からk+1個の画素n1〜nk+1に対して当てはめられた第2の直線とのなす角度が所定のしきい値以下の場合に画素nk+1が上記第1の直線上にあるとの判定に基づいて線分候補を抽出する線分検出部と、
該線分検出部で抽出された線分候補群のうちの最も長い線分候補を第1の線分候補として選定するとともに、上記線分候補群のうち、上記第1の線分候補以外の1つの線分候補を第2の線分候補として、上記第1の線分候補の上記第2の線分候補方向への延長線に対して該第2の線分候補の両端から垂線を引き、上記第1の線分候補と第2の線分候補と両垂線とによって囲まれた領域の面積を算出し、該オーバーラップ領域の面積に対応する値が所定のしきい値以下の場合に、上記第1および第2の線分が同一線分を構成すると判定する線分判定部と、
該線分判定部で同一線分を構成すると判定された上記第1および第2の線分に含まれる画素に対して、最小二乗法を適用して新たな線分を合成する線分合成部とを備えていることを特徴とする。
【0021】
【作用および発明の効果】
本発明の線分検出方法およびその装置によれば、第1の線分候補の第2の線分候補方向への延長線に対して該第2の線分候補の両端から垂線を引き、上記第1の線分候補と第2の線分候補と両垂線とによって囲まれた領域の面積を算出し、この領域の面積の大小に基づいて、上記第1および第2の線分が同一線分を構成するか否かを判定しているので、曲線に対して誤って直線を当てはめたり、本来1本の線分が細分化されたりするような問題が解消され、判定位置に関わり無く、正確な線分検出が可能になる。
【0022】
【実施例】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0023】
図1は、本発明による線分検出装置の構成を示すブロック図で、前処理部1、線分検出部2、線分判定部3および線分合成部4とによって構成されている。
【0024】
上記前処理部1は、入力画像に対して、エッジ検出、2値化、細線化およびラベル付け等の前処理を施す機能を有し、上記線分検出部2は、上記前処理部1で得られる線画画像に含まれる任意のセグメントの端点からk個の画素n1〜nkに対して当てはめられた第1の直線と、上記端点からk+1個の画素n1〜nk+1に対して当てはめられた第2の直線とのなす角度が所定のしきい値以下の場合に画素nk+1が上記第1の直線上にあるとの判定に基づいて線分を抽出する機能を有する。
【0025】
上記線分判定部3は、上記線分検出部2で抽出された線分候補群のうちの最も長い線分候補を第1の線分候補として選定し、該第1の線分候補の延長線と第2の線分候補との間に介在するオーバーラップ領域の面積を算出し、該オーバーラップ領域の面積に対応する値が所定のしきい値以下の場合に、上記第1および第2の線分候補が同一線分を構成すると判定する機能を有し、上記線分合成部4は、上記線分判定部3で同一線分を構成すると判定された上記第1および第2の線分候補に含まれる画素に対して、最小二乗法を適用して新たな線分を合成する機能を有する。
【0026】
次に、上記線分検出装置によって実行される処理について、図2のフロ−チャ−トを参照して説明する。
【0027】
(I)前処理
入力画像に対して、エッジ検出、2値化、細線化およびラベル付け等の各処理を順に行なう。
【0028】
(II)線分検出
前述した従来技術と同様に、線画画像に含まれる任意のセグメントの端点からk個の画素n1〜nkに対して当てはめられた第1の直線と、上記端点からk+1個の画素n1〜nk+1に対して当てはめられた第2の直線とのなす角度が所定のしきい値以下の場合に画素nk+1が上記第1の直線上にあるとの判定に基づいて線分候補を抽出する。このとき、しきい値を小さく設定し、細分化された線分候補が多数検出されるようにする。検出された線分候補には、セグメントと同じラベルを付す(S1)。
【0029】
(III)線分判定
(イ)ラベル1が付された線分候補g1〜gnに対して、以下の処理を行なう。
【0030】
(ロ)線分g1〜gnの中で最も長い線分候補gmを選び、それをgMAXとする(S2)。
【0031】
(ハ)線分候補gMAXとgi(i=1,2,…m−1,m+1,…n)の同一判定を行なう。この同一判定は、図3に示すように、線分候補gMAXの線分候補gi方向への延長線に対して線分giの両端から垂線を引き、線分gMAXと線分giと両垂線とによって囲まれた領域、すなわち、線分gMAXの延長線と線分giとの間に介在するオーバーラップ領域S(斜線部分)の面積に対応する評価値Eを下記の評価式によって算出し、評価値Eが所定のしきい値以下の場合に、線分候補giは線分候補gMAXと同一線分を構成するものと判定し、評価値Eが所定のしきい値よりも大きければ、線分候補giは線分候補gMAXと異なる線分を構成するものと判定する(S3)。
【0032】
【数1】
【0033】
ただし、gMAX:ax+by+c=0,線分候補giに平行なベクトルを(p,q)、(xC,yC)を線分候補giの中点、Lを線分候補giの長さとする。
【0034】
(IV)線分合成
(イ)全ての線分候補について上記同一判定を行なった後(S4)、同一線分を構成する画素に対して、最小二乗法を適用して合成された線分の方程式を求める(S5)。実際には、下記の式を用いて線分の方程式y=ax+bのパラメータを求める。
【0035】
【数2】
【0036】
(ロ)上記(III)の処理(ロ)(S2)へ戻り、残りの線分候補gkについて処理を反復する。線分候補gkがなくなれば、処理(ハ)へ進む。
【0037】
(ハ)次のラベルを選択し、(III)の処理(ロ)(S2)へ戻る。全てのラベルについて処理が終了すれば、終了。
【0038】
以上が本発明による線分検出方法およびその装置の実施例の説明であるが、本実施例によれば、線分候補gMAXの候補線分gi方向への延長線と線分候補giとの間に介在するオーバーラップ領域Sの面積を算出し、このオーバーラップ領域の面積の大小に基づいて、線分候補giが線分候補g MAXと同一線分を構成するか否かを判定しているので、曲線に対して誤って直線を当てはめたり、本来1本の線分が細分化されたりすることがなくなり、判定位置に関わり無く、正確な線分検出が可能になる。
【0039】
なお、本実施例では、上記(I)の前処理において、入力画像に対しエッジ検出、2値化、細線化およびラベル付け等の各処理を順に行ない、かつ上記(II)の線分検出において、線画画像に含まれる任意のセグメントの端点からk個の画素n1〜nkに対して当てはめられた第1の直線と、上記端点からk+1個の画素n1〜nk+1に対して当てはめられた第2の直線とのなす角度が所定のしきい値以下の場合に、画素nk+1が上記第1の直線上にあると判定しているが、これ以外の参考実施例として、入力画像を微分して検出したエッジにおける各画素の濃度勾配のベクトル(方向および大きさ)を求め、互いに隣接する画素の濃度勾配のベクトルの差が所定のしきい値よりも小さい場合に、互いに隣接する2つの画素が同一直線上にあると判定する方法もある。
【0040】
すなわち、図4に示すように、座標(x0,y0)を有する1つの画素p0の8近傍の画素の濃度をf1〜f8とすると、画素p0の水平方向の濃度勾配uおよび垂直方向の濃度勾配vはそれぞれ下式で表される。
【0041】
u=(f3+f4+f5)−(f1+f7+f8)
v=(f5+f6+f7)−(f1+f2+f3)
また、画素p0(x0,y0)の濃度勾配のベクトルの方向を示す直線をy=k×(x−x0)+y0とすると、上記ベクトルの方向を表す係数kおよび上記ベクトルの大きさP0はそれぞれ下記の式で表される。
【0042】
k =tan-1(v/u)
P0=√(u2+v2)
このような画素の濃度勾配のベクトルの方向および大きさを求める演算を各画素について行なって、互いに隣接する画素の濃度勾配のベクトルの方向および大きさの差がそれぞれ所定のしきい値以内である画素が同一直線上にあると判定すれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による線分検出装置の構成の1例を示すブロック図
【図2】本発明による線分検出方法における処理の流れを表すフロ−チャ−ト
【図3】同 作用の説明図
【図4】画素の濃度勾配を該画素の8近傍の画素の濃度から求める方法(参考実施例)の説明図
【図5】従来の線分検出方法の問題点の説明図
【図6】従来の線分検出方法の問題点の説明図
【符号の説明】
1 前処理部
2 線分検出部
3 線分判定部
4 線分合成部
Claims (3)
- 入力画像から得られる多数の線分候補からなる線画画像から同一線分を検出する方法であって、
任意のセグメントの端点からk個の画素n 1 〜n k に対して当てはめられた第1の直線と上記端点からk+1個の画素n 1 〜n k+1 に対して当てはめられた第2の直線とのなす角度が所定のしきい値以下の場合に、画素n k+1 が上記第1の直線上にあるとの判定に基づいて抽出した線分候補群のうちの最も長い線分候補を第1の線分候補として選定するとともに、上記線分候補群のうち、上記第1の線分候補以外の1つの線分候補を第2の線分候補として、
上記第1の線分候補の上記第2の線分候補方向への延長線に対して該第2の線分候補の両端から垂線を引き、上記第1の線分候補と第2の線分候補と両垂線とによって囲まれた領域の面積を算出し、該領域の面積に対応する値が所定のしきい値以下の場合に、上記第1および第2の線分候補が同一線分を構成すると判定することを特徴とする線分検出方法。 - 同一線分を構成すると判定された上記第1および第2の線分候補に含まれる画素に対して、最小二乗法を適用して新たな線分を合成することを特徴とする請求項1に記載の線分検出方法。
- 入力画像に対してエッジ検出、2値化、細線化およびラベル付け等の各処理を施す前処理部と、
該前処理部で得られる線画画像に含まれる任意のセグメントの端点からk個の画素n1〜nkに対して当てはめられた第1の直線と、上記端点からk+1個の画素n1〜nk+1に対して当てはめられた第2の直線とのなす角度が所定のしきい値以下の場合に画素nk+1が上記第1の直線上にあるとの判定に基づいて線分候補を抽出する線分検出部と、
該線分検出部で抽出された線分候補群のうちの最も長い線分候補を第1の線分候補として選定するとともに、上記線分候補群のうち、上記第1の線分候補以外の1つの線分候補を第2の線分候補として、上記第1の線分候補の上記第2の線分候補方向への延長線に対して該第2の線分候補の両端から垂線を引き、上記第1の線分候補と第2の線分候補と両垂線とによって囲まれた領域の面積を算出し、該領域の面積に対応する値が所定のしきい値以下の場合に、上記第1および第2の線分候補が同一線分を構成すると判定する線分判定部と、
該線分判定部で同一線分を構成すると判定された上記第1および第2の線分候補に含まれる画素に対して、最小二乗法を適用して新たな線分を合成する線分合成部とを備えていることを特徴とする線分検出装置。
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JP30451994A JP3596055B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | 線分検出方法およびその装置 |
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